JP2021194719A - 切断用ブレード - Google Patents

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Masato Nakamura
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Abstract

【課題】被加工材を切断する際に、切断加工の温度上昇によって加工品位が低下するのを抑制することが可能な切断用ブレードを提供すること。【解決手段】軸線の廻りに回転されるブレード本体10の切れ刃11Aによって被加工材を切断する切断用ブレード100であって、前記ブレード本体10は、円板状に形成され樹脂からなるボンド相20と、前記ボンド相20に分散される砥粒30と、前記ボンド相20の外周面11に形成された切れ刃11Aと、前記ボンド相20に分散されるフィラー40と、を備え、前記フィラー40は、吸熱性材料として水酸化アルミニウム(Al(OH)3)を含んでいることを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、半導体材料等の基板を切断してチップ状に個片化するのに使用される切断用ブレードに関する。
従来、半導体製品などに用いられるガラスやセラミックス等の脆性材料(硬脆材料)からなる被切断材に、溝加工を施したり、半導体材料等の基板を切断して個片化する加工(本明細書では、これらの加工を切断加工又は単に切断という場合がある)は、高品位であることが要求されている。
このような切断加工を高品位で行うためには、例えば、ボンド相に砥粒を分散した切断用ブレード(薄刃砥石)が使用されている。
このような切断用ブレードとしては、例えば、樹脂材料からなるボンド相のレジンブレードや、金属又は金属化合物からなるボンド相のメタルブレードが広く用いられている。
切断用ブレードは、例えば、円形板状をなすブレード本体と、前記ブレード本体の外周縁部に形成された切れ刃と、を備えており、ブレード本体は、ボンド相と、ボンド相に分散されたダイヤモンドやcBN(立方晶窒化ホウ素)等の砥粒(超砥粒)と、を備えている。
ところで、上記切断用ブレードによって切断、製造される電子材料部品として、上述の半導体素子のように、半導体ウェハから切断、分割されて個片化された後に、リードフレームに実装されて樹脂モールディングされるもののほか、切断加工される前に、例えば、リードフレーム上に一括して多数の素子を実装してこれらをモールディングしたQFN(quadflatnon−leadedpackage)や、ガラスエポキシ樹脂製の基体に形成されたスルーホールの内周面にNi、Au、Cu等のめっきが施された基板を有するIrDA(赤外線データ通信協会)規格の光伝送モジュール(以下、単にIrDAと略称する。)等の複合材からなる被加工材がある。
近年、このようなQFN(quadflatnon−leadedpackage)やIrDAといった複合材からなる被加工材が増加している。
これら複合材からなる被加工材を切断し、個片化する際には、セラミックス等に加えてCu等の延性材料を切断することから、切断用ブレードの切れ刃は摩耗、劣化しやすくなり、その結果、切断用ブレードの寿命が短くなるという問題がある。
そこで、回転する切断ブレードから被切断材に伝わる衝撃や摩擦抵抗を低減してチッピングや電極バリの発生を抑制し、このようなチッピングや電極バリを少なくすることにより、回転速度を上げて切断速度を高めるとともに切断性能を向上させた切断用ブレードが開示されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
特開2012−223867号公報 特開2012−223868号公報
しかしながら、上記特許文献1、2に記載された切断用ブレードを用いたとしても、被加工材を切断する際の加工温度が上昇すると、切れ刃の切断性能(切れ味)が低下して加工品位が低下しやすくなる。
また、切断性能が低下すると、加工熱が増加しやすくなり、加工品位がさらに低下する虞れがある。
特に、QFNのように、Cu等の延性の高い金属を含む複合材料では、切れ味の低下や加工熱が増加する傾向が高い。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、被加工材を切断する際に、切断加工の温度上昇によって加工品位が低下するのを抑制することが可能な切断用ブレードを提供することを目的としている。
このような課題を解決して、前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提案している。
(1)本発明の一態様は、軸線の廻りに回転されるブレード本体の切れ刃によって被加工材を切断する切断用ブレードであって、前記ブレード本体は、円板状に形成されたボンド相と、前記ボンド相に分散される砥粒と、前記ボンド相に分散されるフィラーと、前記ボンド相の外周縁部に形成された切れ刃と、を備え、前記フィラーは、温度上昇により熱分解して吸熱する吸熱性材料を含んでいることを特徴とする。
本発明の切断用ブレードによれば、ブレード本体は、円板状に形成されたボンド相と、前記ボンド相に分散される砥粒と、ボンド相の外周縁部に形成された切れ刃と、ボンド相に分散されるフィラーと、を備え、フィラーが、温度上昇により熱分解して吸熱する吸熱性材料を含んでいるので、切断加工にともなって生じる加工熱を吸収することが可能となる。
その結果、被加工材の切断加工にともなう切れ刃の温度上昇が緩和されて、切れ刃の劣化が抑制されるので、被加工材の加工品位が低下するのを抑制することができる。
また、仮に、切断用ブレードの切断性能(切れ味)が悪化して、切断加工にともなって生じる加工熱が増加した場合においても、吸熱性材料の温度が上昇して熱分解が促進されることで、切れ刃の温度上昇が抑制されるので、被加工材の加工品位の低下を抑制することができる。
また、吸熱性材料が熱分解にともなって水を生成する脱水分解である場合には、切断加工にともなう温度上昇をさらに抑制することができる。
ここで、フィラーは、複数種類の吸熱性材料を含んでいてもよい。また、フィラーは、吸熱性材料のみで構成されていてもよいし、吸熱性材料以外の材料を含んでいてもよい。
(2)上記(1)に記載の切断用ブレードは、吸熱性材料は、水酸化アルミニウム(Al(OH))を含んでいることが好ましい。
本発明の切断用ブレードによれば、吸熱性材料は、水酸化アルミニウム(Al(OH))を含んでいるので、約220〜260℃で分解して吸熱する。
したがって、砥粒としてダイヤモンド超砥粒を用いる場合であっても、切断時の加工熱により砥粒が分解温度に到達するのが抑制される。
また、水酸化アルミニウム(Al(OH))の吸熱反応は脱水分解によるものであるので、生成した水の潜熱によって大きな熱吸収が行われる。
その結果、切れ刃の温度上昇を効率的に抑制することができる。
(3)上記(2)に記載の切断用ブレードは、前記水酸化アルミニウム(Al(OH))が、前記ブレード本体から前記砥粒を除いた体積に対して10vol%以上に設定されていることが好適である。
本発明の切断用ブレードによれば、フィラーは、水酸化アルミニウム(Al(OH))が、ブレード本体から前記砥粒を除いた体積に対して10vol%以上に設定されているので、吸熱効果を適切に発揮することが可能である。
(4)上記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の切断用ブレードは、前記フィラーが、前記ブレード本体から前記砥粒を除いた体積に対して50vol%以下に設定されていることが好適である。
本発明の切断用ブレードによれば、フィラーが、ブレード本体から砥粒を除いた体積に対して50vol%以下に設定されているので、フィラーを分散させてもボンド相に充分な結合力が確保される。
その結果、ブレード本体の強度や剛性が低下するのが抑制されて、適切な切断能力を確保するとともに寿命が短くなるのを抑制することができる。
(5)上記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の切断用ブレードは、前記ボンド相が、樹脂材料により形成されたレジンボンド相又はめっきにより形成されたボンド相とされていることが好適である。
本発明の切断用ブレードによれば、ボンド相が、レジンボンド相又はめっきにより形成されたボンド相(例えば、分散ニッケルめっき層(ニッケルボンド相)、電鋳メタル層)とされているので、高温にすることなく切断用ブレードを製造することができる。
すなわち、高温で焼結してボンド相を形成する場合には、焼結温度で熱分解が生じない又は熱分解が促進されない吸熱性材料を用いる必要があり、切断加工する際の加工温度が焼結温度以上になるまで、熱分解材料の充分な吸熱が期待できない。したがって、切断加工で発生する加工熱を充分に吸熱するのに適さないといえる。
本発明に係る切断用ブレードによれば、吸熱性材料が被加工材の切断加工にともなう温度上昇を緩和して、被加工材の加工品位が低下するのを抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る切断用ブレードの概略構成を説明する側面図である。 一実施形態に係る切断用ブレードの概略構成を説明する図1に矢視II−IIで示す断面図である。 一実施形態に係る切断用ブレードの概略構成を説明する図2にIIIで示す部分の拡大図である。
以下、図1〜図3を参照して、本発明の一実施形態に係る切断用ブレードについて説明する。図1は本発明の一実施形態に係る切断用ブレードの概略構成を説明する側面図であり、図2は切断用ブレードの概略構成を説明する図1に矢視II−IIで示す断面図である。また、図3は切断用ブレードの概略構成を説明する図2にIIIで示す部分を拡大した概念図である。
図1〜図3において、符号100は切断用ブレードを、符号10はブレード本体を、符号11は外周面(外周縁部)を、符号11Aは切れ刃を、符号20はレジンボンド相を、符号30はダイヤモンド超砥粒(砥粒)を、符号40フィラーを示している。
一実施形態に係る切断用ブレード100は、図1、図2に示すように、例えば、軸線Oの廻りに回転されるブレード本体10と、ブレード本体10の外周面(外周縁部)11に形成された切れ刃11Aと、を備えている。そして、切れ刃11Aによって被切断材(不図示)を切断する切断用ブレードである。
また、ブレード本体10は、図1〜図3に示すように、例えば、円板状に形成された樹脂材料からなるレジンボンド相20と、レジンボンド相20に分散されたダイヤモンド超砥粒(砥粒)30と、レジンボンド相20に分散されたフィラー40と、を備えている。
また、切断用ブレード100は、半導体デバイス(電子材料部品)に用いられる例えばガラス、セラミックス、石英等の脆性材料(硬脆材料)等の被加工材の精密切断加工(切断加工)に使用される。
また、切断用ブレード100は、特に図示しないが、そのブレード本体10がフランジを介して切断装置の主軸に取り付けられ、該ブレード本体10の中心軸Oの回りに回転されつつ該中心軸Oに垂直な方向(例えば、高さ方向)に移動されることにより、このブレード本体10においてフランジより径方向外方に突出された外周面11の切れ刃11Aで被切断材(不図示)を切断する。
ここで、本明細書においては、ブレード本体10の中心軸O方向に沿う方向を幅方向といい、中心軸Oに直交する方向を径方向といい、中心軸O回りに周回する方向を周方向という場合がある。
また、図1〜図3においては説明のため、ブレード本体10の厚さが実際より厚く示されている。また、ブレード本体10の径方向の中央部(中心軸O上)には、軸線Oを中心とし、ブレード本体10を幅方向に貫通する円形状の取付孔13が形成されている。すなわち、ブレード本体10は具体的には円環板状をなしている。
ここで、本明細書でいう「円形板状をなすブレード本体10」には、円環板状であることも含まれる趣旨である。また、明細書中に「〜」で示す数値範囲は、下限値及び上限値を含む(すなわち、以上、及び、以下を示す)ものとする。
切断用ブレード100の寸法については任意に設定することが可能であるが、この実施形態において、切断用ブレード100は、例えば、外径φ56mm、内径(取付孔の直径)φ40mm、厚さt0.15mmに設定されている。
レジンボンド相20を形成する樹脂材料は任意に設定することが可能であるが、この実施形態では、例えば、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂により形成されている。
また、レジンボンド相20は、図1および図2に示すように、内周側(中心部)に軸線Oを中心とする円形状の取付孔13が形成されていて、円環板状(円板状)に形成されている。
取付孔13は、レジンボンド相20の軸線Oを中心として形成されている。
取付孔13は、レジンボンド相20を厚さ方向に貫通している。すなわち、取付孔13は、レジンボンド相20の軸線O方向における両側の側面12A、12B(12)に開口している。
レジンボンド相20の厚さ方向の寸法((以下厚さという)は任意に設定することが可能であるが、例えば、0.15mm以上0.6mm以下に設定されている。
切れ刃11Aは、レジンボンド相20の外周面11に配置され、円環状に形成されていている。また、切れ刃11Aは、例えば、レジンボンド相20の厚さと同じ寸法の刃幅に形成されている。
砥粒は、任意に設定することが可能であるが、ダイヤモンド又はcBNのいずれかにより形成されていることが好適である。
なお、砥粒として、ダイヤモンド、cBN以外の硬質材料(ただし、レジンボンド相20よりも硬質の材料)を用いてもよい。
この実施形態では、砥粒として、例えば、ダイヤモンド超砥粒(砥粒)30が用いられている。
ダイヤモンド超砥粒(第1砥粒)30は、例えば、平均粒径3〜10μm(例えば、5μm)、含有率12.5〜31.25vol%(集中度50〜125)に設定されている。
また、ダイヤモンド超砥粒30は、例えば、レジンボンド相20の表面から約2μm程度露出している。なお、ダイヤモンド超砥粒30をレジンボンド相20の表面から突出させるかどうかは任意に設定することが可能である。
また、特に図示しないが、ダイヤモンド超砥粒(砥粒)30の外面(表面)には、例えばTi等の金属材料が被覆されていてもよい。
ここで、上記「平均粒径」とは、多数のダイヤモンド超砥粒(砥粒)30の平均値を表しており、例えば、ある粒径範囲をもったダイヤモンド超砥粒(砥粒)30をMicrotrac社(登録商標)製の型式MT3300EXII−SDC等により測定し、平均粒径をメッシュサイズに基づく粒度表示(JIS B 4130:1998を参照)により算出する等の方法が取られる。
また、「集中度」とは、工具中の砥粒量を表す指標である。切断用ブレードの場合、ブレード本体全体の体積に対して、砥粒の体積が25vol%を占有するとき、集中度100と規定する。(よって、ブレード本体のすべてが砥粒で構成されている場合は、集中度400となる。)
この実施形態において、フィラー40は、すべて水酸化アルミニウム(Al(OH))により構成されている。
なお、水酸化アルミニウム(Al(OH))の構成については、任意に設定することが可能であるが、水酸化アルミニウム(Al(OH))は、例えば、平均粒径2μm(1〜3μm)の粉体上又は粒子状とされている。
水酸化アルミニウム(Al(OH))の平均粒径を1μm以上に設定するのは、レジンボンド相20に安定して分散させることが可能だからであり、平均粒径を3μm以下に設定するのは、温度上昇した場合に、短時間で熱分解して吸熱することが可能だからである。
なお、水酸化アルミニウム(Al(OH))の平均粒径を1μm未満に設定し、又は3μmよりも大きく設定してもよい。
また、ブレード本体10からダイヤモンド超砥粒30を除いた体積に対する水酸化アルミニウム(Al(OH))の体積比率(vol%)は任意に設定することが可能であるが、例えば、10vol%以上50vol%以下に設定することが好適である。
この実施形態において、ブレード本体10からダイヤモンド超砥粒30を除いた体積に対する水酸化アルミニウム(Al(OH))の体積比率は、例えば、20vol%に設定されている。
なお、ブレード本体10からダイヤモンド超砥粒30を除いた体積に対する水酸化アルミニウム(Al(OH)))の体積比率は、20vol%以上40vol%以下とすることがさらに好適である。
また、フィラー40は、例えば、ブレード本体10の加工性、剛性等、種々の機能を向上することを目的として、二硫化モリブデン(MoS)、シリカバルーンやガラスバルーン等の中空微粒子、炭化ケイ素(SiC)や炭化タングステン(WC)等のフィラー(不図示)を分散させてもよい。
なお、レジンボンド相20にフィラー(不図示)を分散させるかどうか、また、分散させるフィラーの種類、含有率等については任意に設定することが可能である。
次に、切断用ブレード100の製造方法の一例について説明する。
切断用ブレード100は、周知の製造方法を適用することが可能である。
(1)まず、切断用ブレード原板(レジンブレード原板)を成形する。
切断用ブレード原板(レジンブレード原板)の成形は、例えば、レジンボンド相20の原料となる粉末と砥粒30と、フィラー40と、を混合して混合粉を作成する。
そして、この混合粉を金型(不図示)に充填し金型内でコールドプレスして、円板状のレジンブレード原板を成形する。
(2)次に、切断用ブレード原板をホットプレスして焼結する。
切断用ブレード原板のホットプレスは、例えば、熱板200℃、加熱時間30分、圧力10MPaである。
(3)その後、焼結後の切断用ブレード原板の内周部および外周部をそれぞれ所定の径寸法に研削加工することで、切断用ブレード100が形成(製造)される。
なお、切断用ブレード100の形成方法は任意に設定することが可能であり、上記に限定されない。
一実施形態に係る切断用ブレード100によれば、ブレード本体10が、フェノール樹脂からなるレジンボンド相20と、レジンボンド相20に分散されたダイヤモンド超砥粒(砥粒)30と、レジンボンド相20に分散されたフィラー40とを備えていて、フィラー40が、温度上昇により熱分解して吸熱する吸熱性材料を含んでいるので、切断用ブレード100が、被加工材を切断加工にともなって生じる加工熱を吸収することが可能となる。
その結果、被加工材の切断加工にともなう切れ刃11Aの温度上昇が緩和されて、切れ刃11Aの劣化が抑制されるので、被加工材の加工品位が低下するのを抑制することができる
また、一実施形態に係る切断用ブレード100によれば、仮に、切れ刃11Aの切断性能(切れ味)が悪化して、切断加工にともなって生じる加工熱が増加した場合であっても、吸熱性材料の温度が上昇して熱分解が促進されて、切れ刃11Aの温度上昇が抑制されるので、被加工材の加工品位が低下するのを抑制することができる。
また、一実施形態に係る切断用ブレード100によれば、吸熱性材料が、水酸化アルミニウム(Al(OH))により構成されているので、例えば、約220〜260℃で熱分解して吸熱する。したがって、切断時の加工熱によりダイヤモンド超砥粒30が分解温度に到達するのが抑制される。
また、水酸化アルミニウム(Al(OH))の吸熱反応は脱水分解によるものであるので、生成した水の潜熱により大きな熱吸収が行われ、切れ刃11Aの温度上昇を効率的に抑制することができる。
また、一実施形態に係る切断用ブレード100によれば、フィラー40である水酸化アルミニウム(Al(OH))が、ブレード本体10から砥粒を除いた体積に対して体積比率で20vol%(10vol%以上)に設定されているので、吸熱効果を充分に発揮することが可能である。
また、一実施形態に係る切断用ブレード100によれば、フィラー40が、ブレード本体10からダイヤモンド超砥粒30を除いた体積に対して20vol%(50vol%以下)に設定されているので、フィラー40を分散させてもレジンボンド相20に充分な結合力が確保される。
その結果、ブレード本体10の強度や剛性が低下するのが抑制されて、適切な切断能力を確保することができる。
また、一実施形態に係る切断用ブレード100によれば、ブレード本体10がレジンボンド相20により形成されていて、約200℃で焼結することが可能であるので、吸熱性材料(水酸化アルミニウム(Al(OH)))が劣化するのを抑制して切断用ブレード100を製造することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、下記に例示するように、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えて任意に実施することが可能である。
例えば、上記実施形態においては、フィラー40がすべて吸熱性材料である場合について説明したが、フィラー40の構成は任意に設定することが可能であり、例えば、フィラー40が、加工性、剛性等、種々の機能を向上することを目的として、二硫化モリブデン(MoS)、炭化ケイ素(SiC)、アルミナ(Al)や炭化タングステン(WC)等、吸熱性材料以外のフィラー(不図示)を含んでいてもよい。
また、上記実施形態においては、吸熱性材料がすべて水酸化アルミニウム(Al(OH))である場合について説明したが、例えば、フィラー40が、水酸化アルミニウム(Al(OH))以外の吸熱性材料を含んでいてもよい。
また、上記実施形態においては、水酸化アルミニウム(Al(OH))の平均粒径が1μm以上3μm以下である場合について説明したが、水酸化アルミニウム(Al(OH))の平均粒径については任意に設定することが可能であり、例えば、平均粒径を1μmよりも小さく設定してもよいし3μmよりも大きく設定してもよい。
また、上記実施形態においては、水酸化アルミニウム(Al(OH))が、ブレード本体10からダイヤモンド超砥粒(砥粒)30を除いた体積に対して20vol%(10〜50vol%以上)である場合について説明したが、ブレード本体10からダイヤモンド超砥粒(砥粒)30を除いた体積に対する水酸化アルミニウム(Al(OH))の体積比率については任意に設定することが可能であり、例えば、ブレード本体10からダイヤモンド超砥粒(砥粒)30を除いた体積に対して10vol%未満に設定してもよいし、50vol%よりも高く設定してもよい。
また、上記実施形態においては、砥粒がダイヤモンド超砥粒30とされ、ダイヤモンド超砥粒30の平均粒径が平均粒径3〜10μm(例えば、5μm)、含有率12.5〜31.25vol%(集中度は50〜125)である場合について説明したが、砥粒の種類、平均粒径、集中度については任意に設定することが可能であり、例えば、ダイヤモンド超砥粒30に代えてcBN等、他の砥粒をレジンボンド相20に分散されてもよい。また、砥粒の平均粒径、集中度(含有量)については、目的に応じて任意に設定することが可能である。
また、上記実施形態においては、レジンボンド相20を構成する樹脂がフェノール樹脂である場合について説明したが、レジンボンド相20を構成する樹脂については任意に設定することが可能であり、フェノール樹脂に代えて、例えば、ポリイミド等を用いてもよい。
また、上記実施形態においては、切断用ブレード100が、レジンボンド相20にダイヤモンド超砥粒30が分散されたレジンブレードである場合について説明したが、例えば、レジンボンド相20に代えて、ニッケル(Ni)又はニッケル合金、銅(Cu)、ニッケル−リン(Ni−P)、ニッケル−コバルト(Ni−Co)等の金属、又は、ニッケル−ボロン(Ni−B)等の金属化合物をめっきすることにより形成されたボンド相を備えたブレード本体(電鋳メタルブレード)とされてもよい。
ここで、金属、又は金属化合物をめっきすることにより形成されたボンド相を備えた切断用ブレードについては、周知の製造方法を適用して形成することが可能である。例えば、金属又は金属化合物のめっき液にダイヤモンド超砥粒30が分散された分散めっき液にSUS台金を配置し、SUS台金に分散めっきをして、切断用ブレード原板(ダイヤモンド超砥粒が分散された分散ニッケルめっき層))を形成する。
なお、分散ニッケルめっき層の切断用ブレード原板は熱処理が不要であるが、Ni−PやNi−Bめっき層により切断用ブレード原板を形成する場合には熱処理(例えば、250℃×1hr)を施してもよい。
また、無電解めっき法により分散ニッケルめっき層を形成してもよい。
また、必要に応じて、切断用ブレード原板をエッチング処理して、ボンド相からダイヤモンド超砥粒30を露出させて目立てをし、内周部および外周部をそれぞれ所定の径寸法に研削加工することで、ブレード本体10が形成(製造)される。
なお、ブレード本体(電鋳メタルブレード)の形成方法は任意に設定することが可能であり、上記に限定されない。
また、上記実施形態においては、切断用ブレード100が外径:φ56mm、内径(取付孔の直径):40mm、厚さ:0.15mmに形成されている場合について説明したが、切断用ブレード100の外径、内径、厚さについては任意に設定してもよい。
また、上記実施形態においては、切断用ブレード100が、被切断材として例えばガラス、石英(セラミックス)等の硬脆材料の切断に使用される場合について説明したが、例えば、QFN(quadflatnon−leadedpackage)やIrDA(赤外線データ通信協会)規格の光伝送モジュールやそれ以外の電子部品材料を被切断材とする切断加工に用いてもよい。
その他、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において、前述の実施形態、変形例及び尚書き等で説明した各構成(構成要素)を組み合わせてもよく、また、構成の付加、省略、置換、その他の変更が可能である。また本発明は、前述した実施形態によって限定されるものではない。
本発明に係る切断用ブレードによれば、吸熱性材料からなるフィラーが被加工材を切断する際の加工熱を吸熱して、被加工材の加工品位が低下するのを抑制することができるので産業上利用可能である。
O 軸線
10 ブレード本体
11 外周面(外周縁部)
11A 切れ刃
13 取付孔
20 レジンボンド相(ボンド相)
30 ダイヤモンド超砥粒(砥粒)
40 フィラー(吸熱性材料、水酸化アルミニウム(Al(OH)))
100 切断用ブレード

Claims (5)

  1. 軸線の廻りに回転されるブレード本体の切れ刃によって被加工材を切断する切断用ブレードであって、
    前記ブレード本体は、
    円板状に形成されたボンド相と、
    前記ボンド相に分散される砥粒と、
    前記ボンド相に分散されるフィラーと、
    前記ボンド相の外周縁部に形成された切れ刃と、
    を備え、
    前記フィラーは、
    温度上昇により熱分解して吸熱する吸熱性材料を含んでいる
    ことを特徴とする切断用ブレード。
  2. 請求項1に記載の切断用ブレードであって、
    前記吸熱性材料は、
    水酸化アルミニウム(Al(OH))を含んでいる
    ことを特徴とする切断用ブレード。
  3. 請求項2に記載の切断用ブレードであって、
    前記水酸化アルミニウム(Al(OH))は、
    前記ブレード本体から前記砥粒を除いた体積に対して10vol%以上に設定されている
    ことを特徴とする切断用ブレード。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の切断用ブレードであって、
    前記フィラーは、前記ブレード本体から前記砥粒を除いた体積に対して50vol%以下に設定されている
    ことを特徴とする切断用ブレード。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の切断用ブレードであって、
    前記ボンド相は、
    樹脂材料により形成されたレジンボンド相又はめっきにより形成されたボンド相とされている
    ことを特徴とする切断用ブレード。
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