JP2021194617A - メタンガス分解方法、メタンガス分解装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】数百ppm以下といった低濃度にメタンを含む被処理ガスであっても、簡便な方法でメタンを分解することのできる方法及び装置を提供する。【解決手段】メタンガス分解方法は、誘電体バリア放電によって形成された大気圧プラズマ空間S1内に、メタンガスが空気に混在されてなる被処理ガスG1を通流させることで昇温し、メタンを分解する方法である。【選択図】図1A
Description
本発明は、メタンガス分解方法及びメタンガス分解装置に関する。
地球温暖化が進んでいる現在、地球温暖化の原因となる温室効果ガスとして、二酸化炭素、メタン、フロンガス等が知られている。二酸化炭素の排出量が一番多いが、次いでメタンが多い。メタンの地球温暖化係数は二酸化炭素の約20〜70倍とも言われており、温暖化への影響は大きい。また近年メタン濃度は上がり続けている事情もあり、排出されるメタンを効率よく分解する技術は、今後の地球環境を鑑みた場合には必要なものとなり得る。
従来、メタンを分解する技術として、下記特許文献1に開示されたメタン除去システムが存在する。図10は、そのメタン除去システムの構成を模式的に示す図面である。
メタン除去システム100は、被処理ガス中に含まれるメタンを分解するシステムであり、被処理ガス管102、メタン酸化除去用触媒104、プラズマ生成手段105、及び制御手段106を備えている。
被処理ガス管102は、被処理ガス排出源101からの被処理ガスEgを排出するための被処理ガス路102a内部に設定されている。メタン酸化除去用触媒104は、被処理ガス路102a内に設定された触媒収容部104aに層状に収容されており、被処理ガス路102a内を流通する被処理ガスEgを除去するために配置されている。
プラズマ生成手段105は、外部電極108aと、内部電極108bと、電力供給源107とを備えている。外部電極108aは、触媒収容部104aを囲むように被処理ガス管102の外周面に配設され、筒形状を呈する。内部電極108bは、被処理ガス路102a内における触媒収容部104aに対応する位置に配設されている。電力供給源107の一方の端子は、内部電極108bに電気的に接続されている。なお、電力供給源107の他方の端子及び外部電極108aは接地されている。
プラズマ生成手段105は、電力供給源107によって内部電極108bに電力を供給することにより、触媒収容部104a内に収容されたメタン酸化除去用触媒104が存在する箇所に、大気圧プラズマを生成する。これにより、被処理ガス路102a内を流通する被処理ガスEgが触媒収容部104aにおいてプラズマ化されるとともに、生成したプラズマによってメタン酸化除去用触媒104が活性化する。そして、被処理ガスEgに含まれるメタンは、活性化したメタン酸化除去用触媒104による作用と生成したプラズマによる作用との相乗効果によって二酸化炭素に分解される。
環境に放出されるメタン発生源として、排出量が最も多いのは家畜等からおならやゲップとして排出されるとされている。例えば、牛一頭から排出されるメタンの量は、1日約300リットルともいわれる。一方で、畜舎に飼育されている牛等の家畜から排出されるメタンの雰囲気濃度は、20ppm程度である。
特許文献1では、メタン濃度が3000ppmである被処理ガスを通流させることで、メタンが分解できたことが記載されている。しかし、数百ppm以下といった低濃度のメタンをほぼ完全に分解処理する技術は、現時点において充分に確立されているとは言えない。
メタンを高濃度(例えば数千ppm以上、数%以下程度)に含む被処理ガスからメタンを分解する場合には、被処理ガスを単に燃焼させる方法が最も簡便且つ効果的であると考えられる。しかし、このような燃焼処理による方法の場合には、残存ガスに数百ppm以下のメタンが含まれることが多く、このような低濃度にメタンガスが含まれる被処理ガスに対して燃焼処理を行うことでメタンを分解するのは、投入エネルギー量に対するメタン分解量の観点からは現実的な方法とはいえない。
本発明は、上記の課題に鑑み、数百ppm以下といった低濃度にメタンを含む被処理ガスであっても、簡便な方法でメタンを分解することのできる技術を提供することを目的とする。
本発明に係るメタンガス分解方法は、誘電体バリア放電によって形成された大気圧プラズマ空間内に、メタンガスが空気に混在されてなる被処理ガスを通流させることで当該被処理ガスを昇温し、メタンを分解することを特徴とする。
本発明者の鋭意研究により、上記の方法によれば、100ppmといった極めて低濃度にメタンを含有する被処理ガスに対して、メタンを分解できることが立証された。
また、コロナ放電と異なり、誘電体バリア放電の場合には、誘電体で囲まれた領域内の広い範囲に放電を生じさせることができる。このため、導入された被処理ガスのほぼ全量を大気圧プラズマ空間内に通流させることができる。これにより、プラズマ処理されずに通過する被処理ガスの量を極力少なくすることができる。
上記方法において、前記被処理ガスを200℃以上に加温した状態で前記大気圧プラズマ空間内に通流させるものとしても構わない。
本発明者の鋭意研究により、メタンガスを含む被処理ガスを、200℃以上の高温下で大気圧プラズマ空間に対して通流させることで、メタンの分解率が向上することが確認された。すなわち、上記の方法によれば、メタンガスの分解率を高めることができる。
上記の方法において、前記被処理ガスを加湿した状態で前記大気圧プラズマ空間内に通流させるものとしても構わない。
本発明者の鋭意研究により、メタンガスを含む被処理ガスを加湿した状態で大気圧プラズマ空間に対して通流させることで、メタンの分解率が向上することが確認された。すなわち、上記の方法によれば、メタンガスの分解率を高めることができる。
本発明に係るメタンガス分解装置は、
誘電体からなる管壁を含む管体と、
前記管壁を挟んで配置された一対の電極と、
前記一対の電極に高周波電圧を印加する電源と、
前記管体の内側にメタンガスが空気に混在されてなる被処理ガスを導入するガス導入口と、
前記一対の電極に前記高周波電圧が印加されることで前記管体の内側に形成された大気圧プラズマ空間内を通流した前記被処理ガスを、前記管体の外側に排出するガス排出口とを備えたことを特徴とする。
誘電体からなる管壁を含む管体と、
前記管壁を挟んで配置された一対の電極と、
前記一対の電極に高周波電圧を印加する電源と、
前記管体の内側にメタンガスが空気に混在されてなる被処理ガスを導入するガス導入口と、
前記一対の電極に前記高周波電圧が印加されることで前記管体の内側に形成された大気圧プラズマ空間内を通流した前記被処理ガスを、前記管体の外側に排出するガス排出口とを備えたことを特徴とする。
上記のメタンガス分解装置によれば、管体の内側の被処理ガスが通流する空間内において、管体の管軸方向に直交する方向であって管壁から軸心に向かう方向(便宜上「径方向」と称する。)のほぼ全域にわたって、大気圧プラズマ空間が形成される。このため、導入された被処理ガスのほぼ全量が大気圧プラズマ空間を通過するため、被処理ガスに含まれるメタンが効率的に分解される。
上記メタンガス分解装置において、電極の配置態様や管体の形状は、種々の設計が可能である。
例えば、前記一対の電極は、前記管壁の外表面に形成された第一電極と、前記管体の内側に前記管体の管軸方向に沿って延伸して形成された第二電極とを含んで構成されているものとしても構わない。
また、例えば、前記一対の電極は、前記管壁の外表面の一部に形成された第一電極と、前記管体の内側を介して前記第一電極に対向する位置に係る前記管壁の外表面の一部に形成された第二電極とを含んで構成されているものとしても構わない。
また、例えば、前記一対の電極は、前記管壁の外表面の一部に形成された第一電極と、前記第一電極に対して前記管体の管軸方向に離間した位置において前記管壁の外表面の一部に形成された第二電極とを含んで構成されているものとしても構わない。
また、前記管体の内側に形成された前記大気圧プラズマ空間の、前記管体の管軸方向に係る前記ガス排出口側の端部の、外側に位置する前記管体の前記管壁が230℃以上であるのが好適である。
かかる構成によれば、大気圧プラズマ空間内を通流する被処理ガスの温度を200℃以上にすることができ、メタンの分解率を高めることができる。管壁の温度は、例えば電源から電極に投入する電力によって制御できる。なお、別のヒータが設けられても構わない。
本発明によれば、数百ppm以下といった低濃度にメタンを含む被処理ガスであっても、簡便な方法でメタンの分解が可能となる。
本発明に係るメタンガス分解方法及びメタンガス分解装置につき、図面を参照して説明する。なお、以下の各図面は、模式的に図示されたものであり、図面上の寸法比と実際の寸法比は必ずしも一致していない。また、各図面間においても、寸法比は必ずしも一致していない。
[第一実施形態]
図1A及び図1Bは、メタンガス分解装置の第一実施形態の構成を模式的に示す図面である。図1Bは、図1A内のA1−A1線断面図である。
図1A及び図1Bは、メタンガス分解装置の第一実施形態の構成を模式的に示す図面である。図1Bは、図1A内のA1−A1線断面図である。
メタンガス分解装置1は、管体3と、一対の電極(5a,5b)とを備える。本実施形態では、管体3は二重管構造を呈している。より詳細には、図1Bに示すように、管体3は、円筒形状を呈し外側に位置する外側管3aと、外側管3aの内側において外側管3aと同軸上に配置されており、外側管3aよりも内径が小さい円筒形状を呈した内側管3bとを有する。
外側管3aの外壁には、一方の電極5a(「第一電極」に対応する。)が配設されている。本実施形態では、この電極5aはメッシュ形状を呈している。また、内側管3bの内側には、管体3の管軸方向d1に沿って延在する棒状の電極5b(「第二電極」に対応する。)が挿通されている。外側管3aと内側管3bとの間には、管軸方向d1から見たときに環形状(ここでは円環形状)を呈する放電空間S1が形成される。
外側管3a及び内側管3bは、例えば石英ガラス、セラミックス等の誘電体材料で構成される。電極(5a,5b)は、例えばステンレス、アルミニウム、銅、タングステン、ニッケル等の金属材料で構成される。
図1Aに示すように、管体3には、2箇所に開口部が形成されており、それぞれがガス導入口11とガス排出口12に対応する。ガス導入口11は、ガス供給源20から供給された、メタンガスが空気に混在されてなる被処理ガスG1を、管体3の内側に導入する開口部である。ガス供給源20は、メタンガスを含む雰囲気の処理が必要な空間内の被処理ガスG1をメタンガス分解装置1に送り出す機構であり、例えば、ブロアやダクトで構成される。
ガス導入口11は、外側管3aの一部箇所に開口部として設けられており、内側管3bの外側に位置する上記放電空間S1に連絡されている。すなわち、ガス供給源20から供給された被処理ガスG1は、ガス導入口11を通じて放電空間S1内に流入される。
ガス排出口12は、管軸方向d1に関して、ガス導入口11から離間した位置に配置されている。本実施形態では、ガス排出口12は、ガス導入口11を基準として、管軸方向d1に関して、電極5aが形成されている領域を隔てた位置に配置されている。ガス排出口12は、ガス導入口11と同様に、外側管3aの一部箇所に開口部として設けられており、内側管3bの外側に位置する上記放電空間S1に連絡されている。
メタンガス分解装置1は、電源6を備える。電源6は、電極5aと電極5bとに接続されており、両電極(5a,5b)間に所定の電圧を印加する構成である。電源6から供給される印加電圧、及び、周波数としては、電極(5a,5b)間に電圧が印加されることで、管体3内において誘電体バリア放電を起こさせることが可能な範囲であればよい。具体的には、電源6から供給される印加電圧としては、3kVpp以上、50kVpp以下の範囲内であることが好ましい。また、電源6から供給される印加電圧の周波数としては、1kHz以上、1000kHz以下の範囲内であることが好ましく、1kHz以上、150kHz以下の範囲内であることがより好ましい。上限が150kHzであることが好ましいとした理由は、EMC規格での雑音端子電圧で検出される周波数が150kHz以上であることによる。このように電源6からは両電極(5a,5b)間に高周波の電圧が印加される。
なお、電源6は、電極5aが接地電圧、電極5bが高電圧となるように電圧を印加するのが好ましい。これにより、外部に露出される側の電極が高電圧となることによる感電のリスクが低下する。
電源6から上記の電圧が両電極(5a,5b)間に印加されると、管体3内において誘電体バリア放電が生じる。すなわち、放電空間S1内を通流する被処理ガスG1に対して誘電体バリア放電が生じ、プラズマ化する。すなわち、放電空間S1が大気圧プラズマ空間を形成する。
被処理ガスG1に含まれる酸素は、大気圧プラズマ空間内を通流することで、下記(1)式の反応を示す。なお、下記(1)式においてAPは、大気圧プラズマによるエネルギーが加えられることを意味する。
O2 + AP → O + O ‥‥(1)
O2 + AP → O + O ‥‥(1)
(1)式で生成された一部の酸素原子Oは、被処理ガスG1に含まれる酸素分子と反応し、下記(2)式によってオゾン(O3)を生成する。なお、(2)式中のMは反応の第三体を示す(以下同様)。
O+ O2 + M → O3 + M ‥‥(2)
O+ O2 + M → O3 + M ‥‥(2)
被処理ガスG1に含まれるメタンは、O原子中のO(3P)と反応し、下記(3)式によってメチルラジカル(CH3)に変化する。また、被処理ガスG1に含まれる水蒸気(H2O)は、プラズマにより分解されて下記(4)式によってヒドロキシラジカル(OH)を生成する。更に、被処理ガスG1に含まれるメタンは、下記(5)式のように、ヒドロキシラジカル(OH)とも反応する。なお、(5)式の反応で利用されるヒドロキシラジカルとしては、(4)式で生成されたものがより支配的であるが、(3)式で生成されたヒドロキシラジカルも一部含まれる。
CH4 + O(3P) → CH3 + OH ‥‥(3)
H2O + AP → H + OH ‥‥(4)
CH4 + OH → CH3 + H2O ‥‥(5)
CH4 + O(3P) → CH3 + OH ‥‥(3)
H2O + AP → H + OH ‥‥(4)
CH4 + OH → CH3 + H2O ‥‥(5)
分解によって得られたメチルラジカル(CH3)は、更にさまざまな反応を経て、より安定した一酸化炭素(CO)や二酸化炭素(CO2)に分解される。
すなわち、放電空間S1(大気圧プラズマ空間)内を被処理ガスG1が通流することで、被処理ガスG1に含まれるメタンの濃度が低下した処理後ガスG2に変換される。この処理後ガスG2は、ガス排出口12から排出される。この結果は、実施例を参照して後述される。
なお、本実施形態において、外側管3aの管壁に配設された電極5aは、メッシュ形状には限られない。例えば、図2A及び図2Bに示すように、電極5aは、外側管3aの管壁を周方向に覆うように配設されたブロック形状を呈していても構わない。図2A及び図2Bは、この別態様のメタンガス分解装置の構成を、図1A及び図1Bにならって模式的に示す図面であり、図2Bは、図2A内のA1−A1線断面図に対応する。
なお、図2Bに示す例では、電極5aが中央部に円筒状の開口を有したブロック形状を呈し、前記開口内に管体3が挿通されている構成が想定されている。しかし、電極5aは、側面が曲面形状を呈し、管体3の外側管3aの外壁を周方向に覆うような構成であっても構わない(図2C参照)。更に、電極5aは、必ずしも外側管3aの管壁を周方向に完全に覆う必要はなく、例えば図2Dに示すように、外側管3aの管壁の一部を覆わない構成であっても構わない。
更に、図2Eに示すように、電極5aは、メッシュ形状とブロック形状とが組み合わされてなる構成であっても構わない。
[第二実施形態]
メタンガス分解装置の第二実施形態につき、第一実施形態と異なる箇所を中心に説明する。なお、以下の各実施形態では、第一実施形態と同一の要素については同一の符号を付すことで、その説明が適宜省略される。
メタンガス分解装置の第二実施形態につき、第一実施形態と異なる箇所を中心に説明する。なお、以下の各実施形態では、第一実施形態と同一の要素については同一の符号を付すことで、その説明が適宜省略される。
図3A及び図3Bは、メタンガス分解装置の第二実施形態の構成を模式的に示す図面である。図3Bは、図3A内のA1−A1線断面図である。
本実施形態では、第一実施形態とは異なり、管体3は単一の管体で構成される。電極5aは、管体3の外壁に配設され、電極5bは、管体3の内側の位置において管体3の管軸方向d1に沿って延在するように配設される。放電空間S1は、管体3の内側に形成される。
本実施形態の構成においても、電源6から両電極(5a,5b)間に電圧が印加されると、管体3内において誘電体バリア放電が生じ、放電空間S1内が大気圧プラズマ空間を形成する。被処理ガスG1に含まれるメタンは、大気圧プラズマ空間内を通流することで、第一実施形態と同様に分解され、メタン含有濃度が低下した処理後ガスG2としてガス排出口12から排出される。
本実施形態においても、管体3の外壁に配設された電極5aは、メッシュ形状には限られず、例えば、図4A及び図4Bに示すように、管体3の外壁を周方向に覆うように配設されたブロック形状を呈していても構わない。図4A及び図4Bは、この別態様のメタンガス分解装置の構成を、図3A及び図3Bにならって模式的に示す図面であり、図4Bは、図4A内のA1−A1線断面図に対応する。この場合においても、第一実施形態と同様に、電極5aは、曲面形状を呈して管体3の外壁を周方向に覆うような構成であっても構わないし、管体3の外壁の一部を覆わない構成であっても構わない。
[第三実施形態]
メタンガス分解装置の第三実施形態につき、第一実施形態と異なる箇所を中心に説明する。
メタンガス分解装置の第三実施形態につき、第一実施形態と異なる箇所を中心に説明する。
図5A及び図5Bは、メタンガス分解装置の第三実施形態の構成を模式的に示す図面である。図5Bは、図5A内のA1−A1線断面図である。
本実施形態では、第一実施形態とは異なり、管体3は単一の管体で構成される。また、本実施形態では、管体3は、管軸方向d1から見たときに、対向する一対の平坦面(7a,7b)を有する、矩形筒状を呈している(図5B参照)。
本実施形態では、一対の電極(5a,5b)の双方が管体3の外壁に配設されている。一方の電極5aは平坦面7a上に配設され、他方の電極5bは平坦面7b上に配設されている。すなわち、相互の電極(5a,5b)は、管体3を介して隔てられている。なお、電極(5a,5b)は、いずれもメッシュ形状であっても構わないし、膜形状であっても構わない。
本実施形態の構成においても、電源6から両電極(5a,5b)間に電圧が印加されると、管体3内において誘電体バリア放電が生じ、放電空間S1内が大気圧プラズマ空間を形成する。被処理ガスG1に含まれるメタンは、大気圧プラズマ空間内を通流することで、第一実施形態と同様に分解され、メタン含有濃度が低下した処理後ガスG2としてガス排出口12から排出される。
なお、本実施形態において、管体3は、管軸方向d1から見たときに円形状であっても構わない。この場合、図5Cに示すように、両電極(5a,5b)は、管体3の外壁の曲面に沿うような形状を呈しつつ管軸方向d1に延在し、相互に管体3を介して隔てられている。
[第四実施形態]
メタンガス分解装置の第四実施形態につき、第一実施形態と異なる箇所を中心に説明する。
メタンガス分解装置の第四実施形態につき、第一実施形態と異なる箇所を中心に説明する。
図6A〜図6Cは、メタンガス分解装置の第四実施形態の構成を模式的に示す図面である。図6Bは、図6A内のA1−A1線断面図であり、図6Cは、図6A内のA2−A2線断面図である。
本実施形態では、第一実施形態とは異なり、管体3は単一の管体で構成される。また、本実施形態では、電極5a及び電極5bが、それぞれ管体3の外壁に配設されると共に、管軸方向d1に対して直交する方向に見たときに両者がスパイラル状に交互配置されている。すなわち、図6A〜図6Cに示すように、管軸方向d1に係る位置に応じて、管体3の+d2側の管壁に配置された電極が電極5aになる場所と、電極5bになる場所とが変化する態様である。管体3の−d2側の管壁に配置された電極についても同様である。
本実施形態の構成においても、電源6から両電極(5a,5b)間に電圧が印加されると、管体3内において誘電体バリア放電が生じ、放電空間S1内が大気圧プラズマ空間を形成する。被処理ガスG1に含まれるメタンは、大気圧プラズマ空間内を通流することで、第一実施形態と同様に分解され、メタン含有濃度が低下した処理後ガスG2としてガス排出口12から排出される。
別の態様として、図7に示すように、電極5aと電極5bとは、それぞれ管体3の管壁の表面に沿って形成された状態で、管軸方向d1に沿って離間した状態で配置されているものとしても構わない。この場合、電極5aと電極5bとは、それぞれが相互に管軸方向d1に沿って離間した状態で配置されている。
この構成の場合には、管体3の内側において、管軸方向d1に関して電極5aと電極5bとで挟まれた空間が大気圧プラズマ空間を形成する。すなわち、大気圧プラズマ空間が管軸方向d1に沿って離散的に配置される。しかし、かかる構成であっても、各大気圧プラズマ空間内を被処理ガスG1が通流することで、第一実施形態と同様に分解され、メタン含有濃度が低下した処理後ガスG2としてガス排出口12から排出される。
以下、実施例を参照して本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されない。
[実験条件の説明]
以下、実験条件について説明する。
以下、実験条件について説明する。
(実験系)
第一実施形態で上述したメタンガス分解装置1を用いて実験を行った。実験系の各寸法は以下の通りである。
外側管3a:内径12mm、肉厚1mm、石英ガラス製
内側管3b:内径6.5mm、肉厚0.85mm、石英ガラス製
電極5a:管軸方向d1に沿って300mmの領域に配設、ニッケル製
電極5b:内側管3bの軸心に沿って挿通し、少なくとも電極5aが形成されている領域を含む領域に配設、SUS(ステンレス)製
第一実施形態で上述したメタンガス分解装置1を用いて実験を行った。実験系の各寸法は以下の通りである。
外側管3a:内径12mm、肉厚1mm、石英ガラス製
内側管3b:内径6.5mm、肉厚0.85mm、石英ガラス製
電極5a:管軸方向d1に沿って300mmの領域に配設、ニッケル製
電極5b:内側管3bの軸心に沿って挿通し、少なくとも電極5aが形成されている領域を含む領域に配設、SUS(ステンレス)製
ガス導入口11から、空気とメタンの混合ガス(メタンの濃度は100ppm)からなる被処理ガスG1を導入し、電源6から各電極(5a,5b)に対して300Wの電力を供給して管体3内部に大気圧プラズマ空間を形成した。具体的には、印加電圧15〜18kVpp、周波数40〜50kHz、パルス幅1.8μ秒の高周波電圧が両電極(5a,5b)間に印加された。
ガス排出口12から排出された処理後ガスG2を、サンプリングバッグ(ジーエルサイエンス社製)に導入し、サンプリングバッグ内に収容された処理後ガスG2に対してFTIR(フーリエ変換赤外分光法)を用いて成分分析を行った。
(被処理ガスG1)
被処理ガスG1は、FTIR分析によって表1に示される条件の成分を有するものが採用された。なお、表1には、被処理ガスG1内の空気に含まれる窒素(N2)、酸素(O2)、及びアルゴン(Ar)については記載されていない。また、表1における「NOy」は、NO,NO2、N2O、N2O5、HNO2、及びHNO3を包括した表記である。
被処理ガスG1は、FTIR分析によって表1に示される条件の成分を有するものが採用された。なお、表1には、被処理ガスG1内の空気に含まれる窒素(N2)、酸素(O2)、及びアルゴン(Ar)については記載されていない。また、表1における「NOy」は、NO,NO2、N2O、N2O5、HNO2、及びHNO3を包括した表記である。
(温度測定)
実験に際しては、管体3の温度T1と、処理後ガスG2の温度T2がそれぞれ測定された。温度T1は、管軸方向d1に関してガス排出口12に最も近い位置における電極5aの形成箇所の外側の管体3の外壁の温度を熱電対によって測定した値が採用された。
実験に際しては、管体3の温度T1と、処理後ガスG2の温度T2がそれぞれ測定された。温度T1は、管軸方向d1に関してガス排出口12に最も近い位置における電極5aの形成箇所の外側の管体3の外壁の温度を熱電対によって測定した値が採用された。
(冷却処理)
一部の実験において、被処理ガスG1を冷却するために、内側管3bの内側に水温15℃の冷却水W1が通流された(図8A参照)。
一部の実験において、被処理ガスG1を冷却するために、内側管3bの内側に水温15℃の冷却水W1が通流された(図8A参照)。
(加熱処理)
一部の実験において、被処理ガスG1の温度を上昇させるために、500℃に設定された電気炉30内を通流させた被処理ガスG1がガス導入口11に導入された(図8B参照)。
一部の実験において、被処理ガスG1の温度を上昇させるために、500℃に設定された電気炉30内を通流させた被処理ガスG1がガス導入口11に導入された(図8B参照)。
(加湿処理)
一部の実験において、被処理ガスG1を加湿するために、水W2が貯水された気密性の容器31内の水中に導入管32を通じて被処理ガスG1を供給した。そして、水中を通過して水面よりも上方の位置に設置された導出管33から抽出された被処理ガスG1が、ガス導入口11に導入された(図8C参照)。
一部の実験において、被処理ガスG1を加湿するために、水W2が貯水された気密性の容器31内の水中に導入管32を通じて被処理ガスG1を供給した。そして、水中を通過して水面よりも上方の位置に設置された導出管33から抽出された被処理ガスG1が、ガス導入口11に導入された(図8C参照)。
[検証]
表2に示す実施例1〜9の各実験条件の下、メタンガス分解装置1に対して被処理ガスG1を異なる流量の条件下で通流させて、ガス排出口12から排出された処理後ガスG2の成分分析を行った。結果を表3に示す。
表2に示す実施例1〜9の各実験条件の下、メタンガス分解装置1に対して被処理ガスG1を異なる流量の条件下で通流させて、ガス排出口12から排出された処理後ガスG2の成分分析を行った。結果を表3に示す。
(結果分析1)
表3によれば、全ての実施例において、被処理ガスG1と比較して処理後ガスG2に含まれるメタンの濃度が低下できていることが確認された。そして、同一の条件下では、メタンガス分解装置1に導入する被処理ガスG1の流量が小さいほど、メタンの分解量が多くなることが確認された。
表3によれば、全ての実施例において、被処理ガスG1と比較して処理後ガスG2に含まれるメタンの濃度が低下できていることが確認された。そして、同一の条件下では、メタンガス分解装置1に導入する被処理ガスG1の流量が小さいほど、メタンの分解量が多くなることが確認された。
特に、冷却、加熱、加湿の各処理を行わなかった実施例1〜実施例4において、相互の結果を比較すると、被処理ガスG1の流量が最も少ない3L/分であった実施例1の場合、被処理ガスG1に含まれるメタンをほぼ100%分解できたことが確認された。なお、ここで「ほぼ100%」という記載をしているのは、検出限界以下であることを意味するものであり、0.01ppm以下(10ppb以下)のオーダーを考慮しないということを意味する。
また、流量が最も多い20L/分であった実施例4においても、被処理ガスG1に含まれるメタンを約20%程度分解できたことが確認された。つまり、上記実施例1〜4の結果から、被処理ガスG1に含まれるメタンの濃度が100ppmという極めて低濃度である場合であっても、メタンの分解が行えることが確認された。
(結果分析2:冷却処理の有無による影響について)
冷却処理の有無によって、被処理ガスG1の分解率に対して与える影響を検証した。実施例3と実施例5、実施例4と実施例6は、それぞれ冷却処理の有無以外の条件を共通化した実施例群に対応する。冷却処理は、上述したように、メタンガス分解装置1が備える内側管3b内に水温15℃の冷却水W1を通流させることにより行われた。
冷却処理の有無によって、被処理ガスG1の分解率に対して与える影響を検証した。実施例3と実施例5、実施例4と実施例6は、それぞれ冷却処理の有無以外の条件を共通化した実施例群に対応する。冷却処理は、上述したように、メタンガス分解装置1が備える内側管3b内に水温15℃の冷却水W1を通流させることにより行われた。
表3によれば、被処理ガスG1の流量が共に10L/分である実施例3と実施例5を比較すると、被処理ガスG1に対する冷却処理を行った実施例5は、実施例3と比べてメタンの分解性能が大きく低下していることが確認された。同様に、被処理ガスG1の流量が共に20L/分である実施例4と実施例6を比較すると、被処理ガスG1に対する冷却処理を行った実施例6は、実施例4と比べてメタンの分解性能が大きく低下していることが確認された。
また、冷却処理を行った実施例5及び実施例6では、冷却処理を行わなかった実施例3及び実施例4と比較して、O3が検出された。
表3の結果から、大気圧プラズマによって被処理ガスG1から生成されたオゾン(O3)は、CH4の分解には直接寄与しないことが推察される。また、大気圧プラズマだけではほとんどCH4が分解できていないことも示される。
また、表3の結果に示されるように、実施例3及び実施例4では、処理後ガスG2内にオゾンが存在しなかったのは、オゾン(O3)が下記(6)式によって熱分解されてO(3P)に変化したためと考えられる。
O3 → O(3P) + O2 ‥‥(6)
O3 → O(3P) + O2 ‥‥(6)
図9は、オゾンの熱分解速度(半減期)と温度の関係をグラフにしたものである。図9によれば、100℃の場合にオゾンの半減期が約1000秒であり、200℃の場合にオゾンの半減期が約1秒であることが分かる。すなわち、200℃以上にオゾンが加熱されると、1秒以内にオゾンが分解されてO(3P)が生成されることが分かる。
つまり、上記の結果からは、実施例5及び実施例6では、ガス排出口12に最も近い位置における電極5aの形成箇所の外側の管体3の外壁の温度T1が200℃未満であることに鑑みると(表2参照)、処理後ガスG2の温度は200℃以上とはならず、処理後ガスG2内には熱分解されなかったオゾンが残存していたものと考えられる。一方、実施例3及び実施例4では、ガス排出口12に最も近い位置における電極5aの形成箇所の外側の管体3の外壁の温度T1が230℃以上であることに鑑みると(表2参照)、大気圧プラズマ空間内を通過している時点における被処理ガスG1の温度は200℃以上に達していると考えられるため、この領域を通過時に生成されたオゾンについてはO(3P)に分解された後、上述した(3)式に従ってこのO(3P)がメタンの分解に寄与したものと考えられる。
管体3内において、放電空間S1内で誘電体バリア放電が生じることで大気圧プラズマ空間が形成されると、プラズマ空間内における電子、イオン、中性粒子、分子などの衝突により発生する熱と,誘電体バリア放電による誘電損の熱により当該空間内は高温化される。すなわち、大気圧プラズマ空間及び管体3が、被処理ガスG1に対する加熱源を構成する。上記の結果からは、少なくとも大気圧プラズマ空間内は、オゾンが1秒以内、遅くとも数秒以内には熱分解される程度に昇温される。この結果、被処理ガスG1を単に大気圧プラズマ空間内に通流させることで、メタンを効率的に分解できることが分かる。
そして、実施例5及び実施例6のように、大気圧プラズマ空間を冷却すると、オゾンの分解率が低下することで、メタンの分解率が低下することも確認される。ただし、実施例5及び実施例6においても、実施例1〜実施例4と比較するとわずかではあるが、メタンの分解が確認された。
なお、上記の結果に鑑みれば、大気圧プラズマ空間の、ガス排出口12側の端部位置の外側に対応する管体3の箇所の温度T1が230℃以上であれば、大気圧プラズマ空間内を通過する被処理ガスG1の温度を200℃以上に設定できると考えられる。
(結果分析3:加熱処理の有無による影響について)
加熱処理の有無によって、被処理ガスG1の分解率に対して与える影響を検証した。実施例2と実施例7、実施例3と実施例8、実施例4と実施例9は、それぞれ加熱処理の有無以外の条件を共通化した実施例群に対応する。加熱処理は、上述したように、500℃に設定された電気炉30内に被処理ガスG1を通流させた後、ガス導入口11よりメタンガス分解装置1内に被処理ガスG1を導入させることにより行われた。
加熱処理の有無によって、被処理ガスG1の分解率に対して与える影響を検証した。実施例2と実施例7、実施例3と実施例8、実施例4と実施例9は、それぞれ加熱処理の有無以外の条件を共通化した実施例群に対応する。加熱処理は、上述したように、500℃に設定された電気炉30内に被処理ガスG1を通流させた後、ガス導入口11よりメタンガス分解装置1内に被処理ガスG1を導入させることにより行われた。
表3によれば、被処理ガスG1の流量が共に5L/分である実施例2と実施例7を比較すると、被処理ガスG1に対する加熱処理を行った実施例7は、実施例2よりも更にメタンの分解性能が向上していることが確認された。より詳細には、実施例2の場合には、処理後ガスG2内にメタンが24.0ppm残存していたのに対し、被処理ガスG1に対する加熱処理が行われた実施例7によれば、処理後ガスG2内に含まれるメタンの濃度は検出限界以下であった。
同様に、被処理ガスG1の流量が共に10L/分である実施例3と実施例8を比較すると、被処理ガスG1に対する加熱処理を行った実施例8は、実施例3よりも更にメタンの分解性能が向上していることが確認された。同様に、被処理ガスG1の流量が共に20L/分である実施例4と実施例9を比較すると、被処理ガスG1に対する加熱処理を行った実施例9は、実施例4よりも更にメタンの分解性能が向上していることが確認された。
被処理ガスG1を加熱したことにより、大気圧プラズマ空間内(放電空間S1内)を通過する時点で被処理ガスG1の温度が高温となり、この結果、上記(6)式に記載のオゾンの分解反応、及び、上記(3)式に記載のメタンの分解反応の速度が速められ、メタンの分解率が向上したものと考えられる。
(結果分析4:加湿処理の有無による影響について)
加湿処理の有無によって、被処理ガスG1の分解率に対して与える影響を検証した。実施例3と実施例10は、加湿処理の有無以外の条件を共通化した実施例群に対応する。加湿処理は、図8Cを参照して上述したように、被処理ガスG1をメタンガス分解装置1内に導入する前に、水が貯水された気密性の容器31内の水中に被処理ガスG1を通過させることにより行われた。
加湿処理の有無によって、被処理ガスG1の分解率に対して与える影響を検証した。実施例3と実施例10は、加湿処理の有無以外の条件を共通化した実施例群に対応する。加湿処理は、図8Cを参照して上述したように、被処理ガスG1をメタンガス分解装置1内に導入する前に、水が貯水された気密性の容器31内の水中に被処理ガスG1を通過させることにより行われた。
表3によれば、被処理ガスG1の流量が共に10L/分である実施例3と実施例10を比較すると、被処理ガスG1に対する加湿処理を行った実施例10は、実施例3よりも更にメタンの分解性能が向上していることが確認された。より詳細には、実施例3の場合には、処理後ガスG2内にメタンが52.9ppm残存していたのに対し、被処理ガスG1に対する加湿処理が行われた実施例10によれば、処理後ガスG2内に含まれるメタンの濃度は31.9ppmであった。
よって、加湿処理によって被処理ガスG1内に含まれる水分量が多くなることで、上記(4)式によってプラズマにより分解生成されるヒドロキシラジカル(OH)の量が増加する。この結果、上記(5)式の反応量が増え、メタンの分解率が向上したものと考えられる。
1 :メタンガス分解装置
3 :管体
3a :外側管
3b :内側管
5a :電極(第一電極)
5b :電極(第二電極)
6 :電源
7a :平坦面
7b :平坦面
11 :ガス導入口
12 :ガス排出口
20 :ガス供給源
30 :電気炉
31 :容器
32 :導入管
33 :導出管
100 :メタン除去システム
101 :被処理ガス排出源
102 :被処理ガス管
102a :被処理ガス路
104 :メタン酸化除去用触媒
104a :触媒収容部
105 :プラズマ生成手段
106 :制御手段
107 :電力供給源
108a :外部電極
108b :内部電極
G1 :被処理ガス
G2 :処理後ガス
S1 :放電空間
W1 :冷却水
W2 :水
d1 :管軸方向
3 :管体
3a :外側管
3b :内側管
5a :電極(第一電極)
5b :電極(第二電極)
6 :電源
7a :平坦面
7b :平坦面
11 :ガス導入口
12 :ガス排出口
20 :ガス供給源
30 :電気炉
31 :容器
32 :導入管
33 :導出管
100 :メタン除去システム
101 :被処理ガス排出源
102 :被処理ガス管
102a :被処理ガス路
104 :メタン酸化除去用触媒
104a :触媒収容部
105 :プラズマ生成手段
106 :制御手段
107 :電力供給源
108a :外部電極
108b :内部電極
G1 :被処理ガス
G2 :処理後ガス
S1 :放電空間
W1 :冷却水
W2 :水
d1 :管軸方向
Claims (8)
- 誘電体バリア放電によって形成された大気圧プラズマ空間内に、メタンガスが空気に混在されてなる被処理ガスを通流させることで昇温し、メタンを分解することを特徴とする、メタンガス分解方法。
- 前記被処理ガスを200℃以上に加温した状態で前記大気圧プラズマ空間内に通流させることを特徴とする、請求項1に記載のメタンガス分解方法。
- 前記被処理ガスを加湿した状態で前記大気圧プラズマ空間内に通流させることを特徴とする、請求項1又は2に記載のメタンガス分解方法。
- 誘電体からなる管壁を含む管体と、
前記管壁を挟んで配置された一対の電極と、
前記一対の電極に高周波電圧を印加する電源と、
前記管体の内側にメタンガスが空気に混在されてなる被処理ガスを導入するガス導入口と、
前記一対の電極に前記高周波電圧が印加されることで、前記管体の内側に形成された大気圧プラズマ空間内を通流した前記被処理ガスを、前記管体の外側に排出するガス排出口とを備えたことを特徴とする、メタンガス分解装置。 - 前記一対の電極は、前記管壁の外表面に形成された第一電極と、前記管体の内側に前記管体の管軸方向に沿って挿通された第二電極とを含んで構成されていることを特徴とする、請求項4に記載のメタンガス分解装置。
- 前記一対の電極は、前記管壁の外表面の一部に形成された第一電極と、前記管体の内側を介して前記第一電極に対向する位置に係る前記管壁の外表面の一部に形成された第二電極とを含んで構成されていることを特徴とする、請求項4に記載のメタンガス分解装置。
- 前記一対の電極は、前記管壁の外表面の一部に形成された第一電極と、前記第一電極に対して前記管体の管軸方向に離間した位置において前記管壁の外表面の一部に形成された第二電極とを含んで構成されていることを特徴とする、請求項4に記載のメタンガス分解装置。
- 前記管体の内側に形成された前記大気圧プラズマ空間の、前記管体の管軸方向に係る前記ガス排出口側の端部の、外側に位置する前記管体の前記管壁が230℃以上であることを特徴とする、請求項4〜7のいずれか1項に記載のメタンガス分解装置。
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