JP2021193908A - クレームブリュレ様菓子及びクレームブリュレ様菓子の製造方法 - Google Patents

クレームブリュレ様菓子及びクレームブリュレ様菓子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】カラメル部のカリカリとした食感が一定期間維持され、カラメル部以外の部分は従来のクレームブリュレと同等の滑らかさを持つクレームブリュレ様菓子、及びクレームブリュレ様菓子の製造方法の提供。【解決手段】下層から順にカスタード部、気泡部及びカラメル部を有し、カスタード部が80〜95重量%、気泡部が2〜6重量%、及びカラメル部が6〜12重量%であり、カスタード部は、油分が21〜41重量%、水分が45〜65重量%であり、気泡部は、油分が31〜52重量%、水分が32〜52重量%であり、気泡部の比重が0.35〜0.6g/mLであり、気泡部の厚さが0.5〜3mmであり、カラメル部は、グラニュー糖を40〜60重量%、トレハロースを25〜35重量%、黒糖を5〜12重量%、及び油脂を2〜12重量%を含有し、カラメル部の厚さが1〜6mmである、クレームブリュレ様菓子。【選択図】なし

Description

本発明は、クレームブリュレ様菓子及びクレームブリュレ様菓子の製造方法に関する。
幅広い世代に人気のクレームブリュレは、表層にあるカラメル部のカリカリとした食感や適度な香ばしさ、また表層下に充填されたカスタード部のなめらかさを同時に味わえることを特徴とする洋生菓子である。表層のカリカリとした食感はカスタード部の上面にまぶした砂糖が焼成されることで生じるカラメル化に起因するが、このカラメル部は吸水しやすい。クレームブリュレを食するまでに時間が経つと、カラメル部と直に接するカスタード部や大気中などからの水分移行が生じ、せっかくのカリカリとした食感が失われ、ベタベタとした悪い食感になってしまう。
特許文献1には、プリン(第一の食品)にチョコレート(第二の食品)が積層され、該チョコレートの上にグラニュー糖を振り掛けてハロゲンヒータで焼成しカラメル化させた焼成食品が開示されている。カラメル化した部分のパリパリとした食感は、少なくともカラメル化から3日経過時点においても維持されたが、チョコレートの食感がプリンとは異なるため、プリン特有の滑らかさが損なわれた。
国際公開第2018/110069号
本発明は、カラメル部のカリカリとした食感が一定期間維持され、且つカラメル部以外の部分は従来のクレームブリュレと同等の滑らかさを持つクレームブリュレ様菓子、及び前記クレームブリュレ様菓子の製造方法を提供することを課題とする。
本発明の第1の態様は、下層から順にカスタード部、気泡部、及びカラメル部を有するクレームブリュレ様菓子であって、前記クレームブリュレ様菓子全体中、前記カスタード部が80〜95重量%、前記気泡部が2〜6重量%、及び前記カラメル部が6〜12重量%であり、前記カスタード部は、前記カスタード部全体中、油分が21〜41重量%、水分が45〜65重量%であり、且つ組成物全体中の油分が1〜50重量%である水中油型乳化油脂組成物を30〜80重量%、卵黄を乾燥重量として5〜13.5重量%、糖類を乾燥重量として8〜15.5重量%含有し、前記気泡部は、前記気泡部全体中、油分が31〜52重量%、水分が32〜52重量%であり、且つ10℃の固体脂含量(SFC)が25〜45%、35℃のSFCが0〜5%である油脂を2〜10重量%、組成物全体中の油分が1〜50重量%である水中油型乳化油脂組成物を30〜80重量%、菓子用起泡剤全体中に乳化剤を5〜30重量%含む菓子用起泡剤を2〜6重量%、および熱凝固性タンパク質を乾燥重量として15〜25重量%含有し、前記気泡部の比重が0.35〜0.6g/mLであり、且つ前記気泡部の厚さが0.5〜3mmであり、前記カラメル部は、前記カラメル部全体中、メジアン径が0.5〜2mmのグラニュー糖を40〜60重量%、メジアン径が0.5〜2mmのトレハロースを25〜35重量%、メジアン径が0.5〜2mmの黒糖を5〜12重量%、および10℃のSFCが25〜45%、35℃のSFCが0〜5%である油脂を2〜12重量%を含有し、前記カラメル部の厚さが1〜6mmである、クレームブリュレ様菓子に関する。より好ましくは、前記気泡部中の前記熱凝固性タンパク質が卵黄である、前記記載のクレームブリュレ様菓子に関する。より好ましくは、前記黒糖が玉糖である、前記記載のクレームブリュレ様菓子に関する。より好ましくは、前記カスタード部中の前記水中油型乳化油脂組成物及び前記卵黄に含まれない油脂として、25℃で液状の油脂を、前記カスタード部全体中1〜5重量%含む、前記記載のクレームブリュレ様菓子に関する。
本発明の第2の態様は、クレームブリュレ様菓子の製造方法であって、カスタード部用混合物全体中、油分が20〜40重量%、水分が40〜60重量%であって、且つ組成物全体中の油分が1〜50重量%である水中油型乳化油脂組成物の含有量が30〜80重量%であり、卵黄の含有量が乾燥重量として5〜13.5重量%であり、糖類の含有量が乾燥重量として8〜15.5重量%であるカスタード部用混合物を作製する工程と、気泡部用混合物全体中、油分が30〜50重量%、水分が35〜55重量%であって、且つ10℃の固体脂含量(SFC)が25〜45%、35℃のSFCが0〜5%である油脂の含有量が2〜10重量%であり、組成物全体中の油分が1〜50重量%である水中油型乳化油脂組成物の含有量が30〜80重量%であり、菓子用起泡剤全体中に乳化剤を5〜30重量%含む菓子用起泡剤の含有量が2〜6重量%であり、熱凝固性タンパク質の含有量が乾燥重量として15〜25重量%であり、比重が0.35〜0.6g/mLである気泡部用混合物を作製する工程と、前記カスタード部用混合物、及び前記気泡部用混合物を下から順に、加熱調理用容器に注ぎ入れて、前記カスタード部用混合物上で前記気泡部用混合物の厚さが0.5〜3mmとなるようにし、加熱調理して、カスタード部及び気泡部を形成する工程と、カラメル部用混合物全体中、メジアン径が0.5〜2mmのグラニュー糖の含有量が40〜60重量%、メジアン径が0.5〜2mmのトレハロースの含有量が25〜35重量%、メジアン径が0.5〜2mmの黒糖の含有量が5〜12重量%、および10℃のSFCが25〜45%、35℃のSFCが0〜5%である油脂の含有量が2〜12重量%であるカラメル部用混合物を作製する工程と、前記カラメル部用混合物を、厚さが1〜6mmになるよう焼成してカラメル部を得る工程と、前記気泡部の上に、前記カラメル部を載置する工程と、を含み、前記クレームブリュレ様菓子の生地全体100重量部に対して、前記カスタード部用混合物80〜95重量部、前記気泡部用混合物2〜6重量部、前記カラメル部用混合物6〜12重量部を用いる、クレームブリュレ様菓子の製造方法に関する。
本発明の第3の態様は、クレームブリュレ様菓子の製造方法であって、カスタード部用混合物全体中、油分が20〜40重量%、水分が40〜60重量%であって、且つ組成物全体中の油分が1〜50重量%である水中油型乳化油脂組成物の含有量が30〜80重量%であり、卵黄の含有量が乾燥重量として5〜13.5重量%であり、糖類の含有量が乾燥重量として8〜15.5重量%であるカスタード部用混合物を作製する工程と、気泡部用混合物全体中、油分が30〜50重量%、水分が35〜55重量%であって、且つ10℃の固体脂含量(SFC)が25〜45%、35℃のSFCが0〜5%である油脂の含有量が2〜10重量%であり、組成物全体中の油分が1〜50重量%である水中油型乳化油脂組成物の含有量が30〜80重量%であり、菓子用起泡剤全体中に乳化剤を5〜30重量%含む菓子用起泡剤の含有量が2〜6重量%であり、熱凝固性タンパク質の含有量が乾燥重量として15〜25重量%であり、比重が0.35〜0.6g/mLである気泡部用混合物を作製する工程と、前記カスタード部用混合物、及び前記気泡部用混合物を下から順に、加熱調理用容器に注ぎ入れて、前記カスタード部用混合物上で前記気泡部用混合物の厚さが0.5〜3mmとなるようにし、加熱調理して、カスタード部及び気泡部を形成する工程と、カラメル部用混合物全体中、メジアン径が0.5〜2mmのグラニュー糖の含有量が40〜60重量%、メジアン径が0.5〜2mmのトレハロースの含有量が25〜35重量%、メジアン径が0.5〜2mmの黒糖の含有量が5〜12重量%、および10℃のSFCが25〜45%、35℃のSFCが0〜5%である油脂の含有量が2〜12重量%であるカラメル部用混合物を作製する工程と、前記気泡部の上に、前記カラメル部用混合物の厚みが焼成後に1〜6mmになるように、前記カラメル部用混合物を載置し、焼成して、カラメル部を形成する工程と、を含み、前記クレームブリュレ様菓子の生地全体100重量部に対して、前記カスタード部用混合物80〜95重量部、前記気泡部用混合物2〜6重量部、前記カラメル部用混合物6〜12重量部を用いる、クレームブリュレ様菓子の製造方法に関する。
本発明によれば、カラメル部のカリカリとした食感が一定期間維持され、且つカラメル部以外の部分は従来のクレームブリュレと同等の滑らかさを持つクレームブリュレ様菓子、及び前記クレームブリュレ様菓子の製造方法を提供することができる。
本発明のクレームブリュレ様菓子は、特定の比率で、下層から順に、カスタード部と、特定の組成の気泡部と、カラメル部とを有する。前記カスタード部は、油分及び水分を特定量含有し、且つ特定の油分を含有する水中油型乳化油脂組成物、卵黄、及び糖類を特定量含有する。前記気泡部は、油分及び水分を特定量含有し、且つ特定の固体脂含量(SFC)を有する油脂、特定の油分を含有する水中油型乳化油脂組成物、乳化剤を特定量含有する菓子用起泡剤、及び糖類を特定量含有する。また、前記気泡部は、特定の比重を有し、且つ特定の厚さを有する。前記カラメル部は、特定のメジアン径を有するグラニュー糖、トレハロース、黒糖を特定量含有し、且つ特定のSFCを有する油脂を特定量含有する。また、カラメル部は、特定の厚さを有する。
クレームブリュレは、カスタードから構成されるカスタード部の表面に糖類をまぶし、バーナー等で前記表面を焼成した洋菓子である。クレームブリュレは、カスタード部と、焼成部分であるカラメル部とを有し、カラメル部のカリカリとした食感と、カスタード部のなめらかさを特徴としている。クレームブリュレ様菓子とは、カスタード部と、その上層のカラメル部とを有する洋菓子であり、クレームブリュレを包含する概念である。本発明のクレームブリュレ様菓子は、カスタード部とカラメル部との間に気泡部を有する。カラメル部は、予め特定の厚みに成型して焼成したカラメル部を気泡部の上に載置して形成したものであってもよく、気泡部の上にカラメル部用混合物を載置した後、バーナー等で焼成することにより形成したものであってもよい。
前記カスタード部及び気泡部に用いられる水中油型乳化油脂組成物とは、水相を連続相とし、前記連続相である水相に油相が分散している状態の乳化物をいう。水中油型乳化油脂組成物としては、例えば、クリーム、牛乳等が挙げられる。クリームは、牛乳を遠心分離して得られる生クリームと、油脂、乳成分、乳化剤、水等を主原料として調製される合成クリームとに分類される。合成クリームは、使用する油脂、乳成分、乳化剤等の種類及び量を適宜調整することにより、使用目的に合わせて調製することができる。
カスタード部は、カスタード部全体中、油分が21〜41重量%であることが好ましく、26〜36重量%がより好ましく、27〜31重量%がさらに好ましい。油分が、21重量%より少ないとなめらかさが不足する場合があり、41重量%より多いと油っぽさが感じられる場合がある。
カスタード部の油分は、公知の方法で測定することができる。カスタード部の油分の測定方法としては、例えば、クロロホルム−メタノール混液抽出法(食品衛生検査指針 理化学編2005(社団法人 日本食品衛生協会))が挙げられる。
カスタード部は、カスタード部全体中、水分が45〜65重量%であることが好ましく、45〜60重量%がより好ましく、47〜53重量%がさらに好ましい。水分が、45重量%より少ないとなめらかさが不足する場合があり、65重量%より多いと濃厚さが不足する場合がある。
カスタード部の水分は、公知の方法で測定することができる。カスタード部の水分の測定方法としては、例えば、乾燥助剤添加法(食品衛生検査指針 理化学編2005(社団法人 日本食品衛生協会))が挙げられる。
カスタード部は、カスタード部全体中、水中油型乳化油脂組成物を30〜80重量%含有することが好ましく、50〜78重量%含有することがより好ましく、60〜75重量%含有することがさらに好ましい。前記水中油型乳化油脂組成物は、水中油型乳化油脂組成物中、油分が1〜50重量%であることが好ましい。水中油型乳化油脂組成物の含有量が、30重量%より少ないとカスタード部のなめらかさが不足する場合があり、80重量%より多いとカスタード部の組成を好ましい範囲に調整することが難しくなる場合がある。
水中油型乳化油脂組成物としては、例えば、牛乳、クリーム等を用いることができる。クリームは、生クリームであってもよく、合成クリームであってもよい。水中油型乳化油脂組成物は、2種以上を併用してもよく、例えば、牛乳及びクリームを併用してもよい。
カスタード部は、カスタード部全体中、卵黄を乾燥重量として5〜13.5重量%含有することが好ましく、6〜12.5重量%含有することがより好ましく、6.5〜10重量%含有することがさらに好ましい。卵黄の含有量が、乾燥重量として5重量%より少ないとカスタード部の濃厚さが不足する場合があり、13.5重量%より多いとカスタード部の組成を好ましい範囲に調整することが難しくなる場合がある。
卵黄は、鶏卵を割卵して卵殻と卵白を取り除き、卵黄だけを集めたもので、卵黄液などが例示できる。卵黄液は、液状のまま用いてもよく、乾燥してから用いてもよい。
カスタード部は、カスタード部全体中、糖類を乾燥重量として8〜15.5重量%含有することが好ましく、9〜14.5重量%含有することがより好ましく、10〜13重量%含有することがさらに好ましい。糖類の含有量が、乾燥重量として8重量%より少ないとカスタード部の甘さが足りず、淡白な味になる場合があり、15.5重量%より多いとカスタード部の甘さが強く、濃厚な味になり過ぎたり、糖の保湿効果が強くなり、べたつきが発生する場合がある。
糖類としては、砂糖、異性化糖、ぶどう糖、トレハロース、果糖、麦芽糖、還元麦芽糖、水飴、還元水飴、及び糖アルコール等が例示でき、中でも砂糖(上白糖又はグラニュー糖)が好ましい。
カスタード部は、前記水中油型乳化油脂組成物及び卵黄に含まれない油脂として、25℃で液状の油脂(液油)を、カスタード部全体中、1〜5重量%含むことが好ましく、1.2〜5重量%含むことがより好ましく、1.5〜5重量%含むことがさらに好ましい。前記範囲の液油の含有量することにより、カスタード部のなめらかさが向上し、また、加熱調理時に液油の一部が分離して浮上し、カスタード部の上層に油膜を形成することにより、カラメル部への水分移行を抑制することができる。
液油としては、例えば、ナタネ油、大豆油、コーン油、綿実油、米油、サフラワー油等が挙げられる。
カスタード部は、食感を損なわない範囲で、副材料成分として、ココアパウダー、チョコレート、コーヒー、抹茶、紅茶、ウーロン茶、プーアル茶、ジャスミン茶、キャラメル、香料等を含有していてもよい。
気泡部は、気泡部全体中、油分が31〜52重量%であることが好ましく、35〜46重量%がより好ましく、37〜41重量%がさらに好ましい。油分が、31重量%より少ないとカラメル部への水分移行の抑制が不十分となる場合があり、52重量%より多いと油っぽさが感じられる場合がある。
気泡部の油分は、カスタード部と同様に、公知の方法で測定することができる。
気泡部は、気泡部全体中、水分が32〜52重量%であることが好ましく、40〜51重量%がより好ましく、45〜50重量%がさらに好ましい。水分が、32重量%より少ないとなめらかさが不足する場合があり、52重量%より多いとカラメル部に水分が移行する場合がある。
気泡部の水分は、カスタード部と同様に、公知の方法で測定することができる。
気泡部は、10℃のSFCが25〜45%、35℃のSFCが0〜5%である油脂を、気泡部全体中、2〜10重量%含有することが好ましく、4〜9重量%含有することがより好ましく、6〜8重量%含有することがさらに好ましい。前記油脂の含有量が2重量%より少ないとカラメル部への水分移行の抑制が不十分となる場合があり、前記油脂の含有量が10重量%より多いと気泡部の組成を好ましい範囲に調整することが難しくなる場合がある。
前記油脂としては、例えば、コーン油、菜種油、大豆油、パーム油、パーム核油、サフラワー油、向日葵油、綿実油、米糠油、落花生油、オリーブ油、カカオ脂、シア脂等の植物油脂、魚油、牛脂、豚脂、乳脂等の動物油脂、並びにそれらの硬化油、エステル交換油、分別油等が挙げられる。前記油脂は、前記のような油脂を2種以上混合し、10℃のSFCが25〜45%、35℃のSFCが0〜5%となるように調整した混合油であってもよい。
油脂中のSFCは、AOCS法に準じたNMR法により測定することができる。
気泡部は、気泡部全体中、水中油型乳化油脂組成物を30〜80重量%含有することが好ましく、35〜65重量%含有することがより好ましく、40〜55重量%含有することがさらに好ましい。前記水中油型乳化油脂組成物は、水中油型乳化油脂組成物中、油分が1〜50重量%であることが好ましい。水中油型乳化油脂組成物の含有量が、30重量%より少ないとなめらかさが不足する場合があり、80重量%より多いと気泡部の組成を好ましい範囲に調整することが難しくなる場合がある。
水中油型乳化油脂組成物としては、例えば、牛乳、クリーム等を用いることができる。クリームは、生クリームであってもよく、合成クリームであってもよい。水中油型乳化油脂組成物は、2種以上を併用してもよく、例えば、牛乳及びクリームを併用してもよい。
気泡部は、気泡部全体中、菓子用起泡剤を2〜6重量%含有することが好ましく、2.5〜5.5重量%含有することがより好ましく、3〜4重量%含有することがさらに好ましい。菓子用起泡剤は、乳化剤、糖類、及び水を必須成分とし、その他必要に応じて、食用油脂、エタノール製剤、着色料、増粘多糖類、塩類等を適宜含む起泡剤である。前記菓子用起泡剤は、菓子用起泡剤全体中、乳化剤を5〜30重量%含むことが好ましい。菓子用起泡剤の含有量が、2重量%より少ないとカラメル部への水分移行の抑制が不十分となり、カラメル部のカリカリ感及びカスタード部のなめらかさが不十分となる場合がある。菓子用起泡剤の含有量が、6重量%より多いと、気泡部の組成を好ましい範囲に調整することが難しくなる場合がある。
菓子用起泡剤は、洋菓子の製造に一般的に用いられるものを特に制限なく用いることができる。
気泡部は、気泡部全体中、熱凝固性タンパク質を乾燥重量として15〜25重量%含有することが好ましく、15.5〜22.5重量%含有することがより好ましく、16〜20重量%含有することがさらに好ましい。熱凝固性タンパク質の含有量が、乾燥重量として15重量%より少ないと気泡部の生地構造の強固さが不十分となり、カラメル部への水分移行の抑制が不十分となる場合がある。熱凝固性タンパク質の含有量が、25重量%より多いと、なめらかな食感が損なわれる場合がある。
熱凝固性タンパク質はとしては、卵黄、卵白、ホエイタンパク質等が挙げられ、気泡部の風味をカスタード部に近づけることができることから、卵黄が特に好ましい。
気泡部は、食感を損なわない範囲で、副材料成分として、ココアパウダー、チョコレート、コーヒー、抹茶、紅茶、ウーロン茶、プーアル茶、ジャスミン茶、キャラメル、香料等を含有していてもよい。
気泡部の比重は、0.35〜0.6g/mLが好ましく、0.36〜0.58g/mLがより好ましく、0.4〜0.55g/mLがさらに好ましい。気泡部の比重が0.35g/mLより小さいと気泡部の生地構造の強固さが不十分となる場合があり、気泡部の比重が0.6g/mLより大きいとカラメル部への水分移行の抑制が不十分となり、カラメル部のカリカリ感及びカスタード部のなめらかさが損なわれる場合がある。
気泡部の厚さは、0.5〜3mmが好ましく、0.7〜2.5mmがより好ましく、0.8〜2mmがさらに好ましい。気泡部の厚さが0.5mmより小さいとカラメル部のカリカリ感が不十分となる場合があり、気泡部の厚さが3mmより大きいとカスタード部のなめらかさが損なわれる場合がある。
気泡部の厚さは、ノギスで測定することができる。
カラメル部は、カラメル部全体中、メジアン径が0.5〜2mmのグラニュー糖を40〜60重量%含有することが好ましく、43〜60重量%含有することがより好ましく、46〜55重量%含有することがさらに好ましい。グラニュー糖の含有量が、40重量%より少ないとカラメル部のカリカリ感が不足する場合があり、60重量%より多いとカラメル部の組成を好ましい範囲に調整することが難しくなる場合がある。
カラメル部は、カラメル部全体中、メジアン径が0.5〜2mmのトレハロースを25〜35重量%含有することが好ましく、22〜33重量%含有することがより好ましく、25〜30重量%含有することがさらに好ましい。トレハロースの含有量が、25重量%より少ないとカラメル部のカリカリ感が不足する場合があり、35重量%より多いとカラメル部の組成を好ましい範囲に調整することが難しくなる場合がある。
カラメル部は、カラメル部全体中、メジアン径が0.5〜2mmの黒糖を5〜12重量%含有することが好ましく、5.5〜10重量%含有することがより好ましく、5.5〜8重量%含有することがさらに好ましい。黒糖の含有量が、5重量%より少ないとカラメル部のカリカリ感が不足する場合があり、12重量%より多いとカラメル部の組成を好ましい範囲に調整することが難しくなる場合がある。
黒糖は、カラメル部のカリカリ感がより良好となることから、玉糖を用いることが好ましい。玉糖は、黒糖から、メジアン径0.7〜1.5mmの粒子を篩分けしたものである。
糖のメジアン径は、糖の粒子が重ならないように配置した後、デジタルマイクロスコープを用いて80〜100個の粒子が収まるように撮影し、得られた画像から粒子を測定することにより、算出することができる。
カラメル部は、10℃のSFCが25〜45%、35℃のSFCが0〜5%である油脂を、カラメル部全体中、2〜12重量%含有することが好ましく、4〜11重量%含有することがより好ましく、6〜11重量%含有することがさらに好ましい。前記油脂の含有量が2重量%より少ないとカラメル部の吸水抑制が不十分となり、カラメル部のカリカリ感が不十分となる場合がある。前記油脂の含有量が12重量%より多いと油っぽさが感じられる場合がある。
前記油脂としては、前記気泡部で用いる油脂として例示したものと同様のものが挙げられ、油脂を2種以上混合し、10℃のSFCが25〜45%、35℃のSFCが0〜5%となるように調整した混合油であってもよい。
カラメル部は、食感を損なわない範囲で、香料、色素、カラメル粉砕物等を含有していてもよい。
カラメル部の厚さは、1〜6mmが好ましく、1.8〜5mmがより好ましく、1.5〜4mmがさらに好ましい。カラメル部の厚さが1mmより小さいとカラメル部のカリカリ感が不十分となる場合があり、カラメル部の厚さが6mmより大きいとカスタード部のなめらかさが損なわれる場合がある。
カラメル部の厚さは、ノギスで測定することができる。
本発明のクレームブリュレ様菓子は、クレームブリュレ様菓子全体中、カスタード部が80〜95重量%であることが好ましく、81〜91重量%であることがより好ましく、82〜90重量%であることがさらに好ましい。カスタード部の比率が80重量%より小さいとカスタード部のなめらかさが不十分となる場合があり、カスタード部の比率が95重量%より大きいとカラメル部のカリカリ感が不十分となる場合がある。
本発明のクレームブリュレ様菓子は、クレームブリュレ様菓子全体中、気泡部が、2〜6重量%であることが好ましく、2.2〜5重量%であることがより好ましく、2.5〜4.5重量%であることがさらに好ましい。気泡部の比率が2重量%より小さいとカラメル部のカリカリ感が不十分となる場合があり、気泡部の比率が6重量%より大きいとカラメル部のカリカリ感及びカスタード部のなめらかさが共に不十分となる場合がある。
本発明のクレームブリュレ様菓子は、クレームブリュレ様菓子全体中、カラメル部が、6〜12重量%であることが好ましく、7〜11.5重量%であることがより好ましく、8〜11重量%であることがさらに好ましい。カラメル部の比率が6重量%より小さいとカラメル部のカリカリ感が不十分となる場合があり、カラメル部の比率が12重量%より大きいとカスタード部の甘味が強く感じられ過ぎる場合がある。
本発明のクレームブリュレ様菓子は、特定の組成のカスタード部と特定の組成のカラメル部との間に特定の組成の気泡部を有し、前記各部の比率が特定の範囲内であることにより、カラメル部への水分の移行が抑制され、一定期間経過しても、カラメル部のカリカリ感とカスタード部のなめらかさとの両方を満足することができる。
本発明のクレームブリュレ様菓子は、以下のようにして製造することができる。
<載置法の場合>
本発明においては、特定の組成のカスタード部用混合物を作製する工程と、特定の組成の気泡部用混合物を作製する工程と、前記カスタード部用混合物と前記気泡部用混合物とを加熱調理用容器に注ぎ入れて加熱調理し、カスタード部及び気泡部を形成する工程と、特定の組成のカラメル部用混合物を作製する工程と、前記カラメル部用混合物を特定の厚さになるように焼成してカラメル部を得る工程と、前記カラメル部を前記気泡部に載置する工程と、を含む製造方法により、クレームブリュレ様菓子を製造することができる。具体的には以下の通りである。
(カスタード部用混合物を作製する工程)
カスタード部用混合物は、カスタード部用混合物全体中、油分が20〜40重量%であることが好ましく、25〜35重量%がより好ましく、28〜32重量%がさらに好ましい。カスタード部用混合物中の油分を前記のように調整することにより、クレームブリュレ様菓子において、カスタード部の油分を上記好ましい範囲内に調整することができる。カスタード部用混合物の油分は、カスタード部と同様に、公知の方法で測定することができる。
カスタード部用混合物は、カスタード部用混合物全体中、水分が40〜60重量%であることが好ましく、46〜60重量%がより好ましく、47〜53重量%がさらに好ましい。カスタード部用混合物中の水分を前記のように調整することにより、クレームブリュレ様菓子において、カスタード部の水分を上記好ましい範囲内に調整することができる。カスタード部用混合物の水分は、カスタード部と同様に、公知の方法で測定することができる。
カスタード部用混合物は、カスタード部用混合物全体中、水中油型乳化油脂組成物を30〜80重量%含有することが好ましく、50〜78重量%含有することがより好ましく、60〜75重量%含有することがさらに好ましい。前記水中油型乳化油脂組成物は、水中油型乳化油脂組成物中、油分が1〜50重量%であることが好ましい。カスタード部用混合物中の水中油型乳化油脂組成物の含有量を前記のように調整することにより、クレームブリュレ様菓子において、カスタード部の水中油型乳化油脂組成物の含有量を上記好ましい範囲内に調整することができる。水中油型乳化油脂組成物としては、上記カスタード部で挙げたものと同様のものを用いることができる。
カスタード部用混合物は、カスタード部用混合物全体中、卵黄を乾燥重量として5〜13.5重量%含有することが好ましく、6〜12.5重量%含有することがより好ましく、6.5〜10重量%含有することがさらに好ましい。カスタード部用混合物中の卵黄の含有量を前記のように調整することにより、クレームブリュレ様菓子において、カスタード部の卵黄の含有量を上記好ましい範囲内に調整することができる。卵黄は、上記カスタード部で挙げたものと同様のものを用いることができる。
カスタード部用混合物は、カスタード部用混合物全体中、糖類を乾燥重量として8〜15.5重量%含有することが好ましく、9〜14.5重量%含有することがより好ましく、10〜13重量%含有することがさらに好ましい。カスタード部用混合物中の糖類の含有量を前記のように調整することにより、クレームブリュレ様菓子において、カスタード部の糖類の含有量を上記好ましい範囲内に調整することができる。糖類としては、上記カスタード部で挙げたものと同様のものを用いることができる。
カスタード部用混合物は、前記水中油型乳化油脂組成物及び卵黄に含まれない油脂として、液油を、カスタード部用混合物全体中、1〜5重量%含むことが好ましく、1.2〜5重量%含むことがより好ましく、1.5〜5重量%含むことがさらに好ましい。カスタード部用混合物中の液油の含有量を前記のように調整することにより、クレームブリュレ様菓子において、カスタード部の液油の含有量を上記好ましい範囲内に調整することができる。前記液油としては、上記カスタード部で挙げたものと同様のものを用いることができる。
カスタード部用混合物は、カスタード部の食感を損なわない範囲で、副材料成分を含有していてもよい。副材料成分としては、上記カスタード部で挙げたものと同様のものを用いることができる。
カスタード部用混合物は、上記の原材料を混合することにより作製することができる。カスタード部用混合物は、例えば、卵黄、糖類、及び任意に副材料成分を混合し、これに加熱した水中油型乳化油脂組成物を添加して混合することにより、作製することができる。液油を用いる場合、液油は、水中油型乳化油脂組成物と混合して加熱することが好ましい。水中油型乳化油脂組成物又は水中油型乳化油脂組成物及び液油の混合物の加熱条件は、水中油型乳化油脂組成物が分離しない程度の条件であればよく、例えば、40〜50℃となるまで加熱することができる。原材料の混合には、縦型ミキサーボールを用いることが好ましい。原材料の混合は、泡が発生しないように行うことが好ましい。
カスタード部用混合物は、こし器等を用いてこしてもよく、泡が浮いていた場合にはペーパー等を用いて泡を取り除くことが好ましい。
(気泡部用混合物を作製する工程)
気泡部用混合物は、気泡部用混合物全体中、油分が30〜50重量%であることが好ましく、34〜45重量%がより好ましく、36〜40重量%がさらに好ましい。気泡部用混合物中の油分を前記のように調整することにより、クレームブリュレ様菓子において、気泡部の油分を上記好ましい範囲内に調整することができる。気泡部用混合物の油分は、カスタード部と同様に、公知の方法で測定することができる。
気泡部用混合物は、気泡部用混合物全体中、水分が35〜55重量%であることが好ましく、40〜51重量%がより好ましく、45〜50重量%がさらに好ましい。気泡部用混合物中の水分を前記のように調整することにより、クレームブリュレ様菓子において、気泡部の水分を上記好ましい範囲内に調整することができる。気泡部の水分は、カスタード部と同様に、公知の方法で測定することができる。
気泡部用混合物は、10℃のSFCが25〜45%、35℃のSFCが0〜5%である前記油脂を、気泡部用混合物全体中、2〜10重量%含有することが好ましく、4〜9重量%含有することがより好ましく、6〜8重量%含有することがさらに好ましい。気泡部用混合物中の前記油脂を前記のように調整することにより、クレームブリュレ様菓子において、気泡部の油脂を上記好ましい範囲内に調整することができる。前記油脂としては、上記気泡部で挙げたものと同様のものを用いることができる。
気泡部用混合物は、気泡部用混合物全体中、水中油型乳化油脂組成物を30〜80重量%含有することが好ましく、35〜65重量%含有することがより好ましく、40〜55重量%含有することがさらに好ましい。前記水中油型乳化油脂組成物は、水中油型乳化油脂組成物中、油分が1〜50重量%であることが好ましい。気泡部用混合物中の水中油型乳化油脂組成物の含有量を前記のように調整することにより、クレームブリュレ様菓子において、気泡部の水中油型乳化油脂組成物の含有量を上記好ましい範囲内に調整することができる。水中油型乳化油脂組成物としては、上記気泡部で挙げたものと同様のものを用いることができる。
気泡部用混合物は、気泡部用混合物全体中、菓子用起泡剤を2〜6重量%含有することが好ましく、2.5〜5.5重量%含有することがより好ましく、3〜4重量%含有することがさらに好ましい。気泡部用混合物中の菓子用起泡剤の含有量を前記のように調整することにより、クレームブリュレ様菓子において、気泡部の菓子用起泡剤の含有量を上記好ましい範囲内に調整することができる。菓子用起泡剤としては、上記気泡部で挙げたものと同様のものを用いることができる。
気泡部用混合物は、気泡部用混合物全体中、熱凝固性タンパク質を乾燥重量として15〜25重量%含有することが好ましく、15.5〜22.5重量%含有することがより好ましく、16〜20重量%含有することがさらに好ましい。気泡部用混合物中の熱凝固性タンパク質の含有量を前記のように調整することにより、クレームブリュレ様菓子において、気泡部の熱凝固性タンパク質の含有量を上記好ましい範囲内に調整することができる。熱凝固性タンパク質としては、上記気泡部で挙げたものと同様のものを用いることができる。
気泡部用混合物は、気泡部の食感を損なわない範囲で、副材料成分を含有していてもよい。副材料成分としては、上記気泡部で挙げたものと同様のものを用いることができる。
気泡部用混合物の比重は、0.35〜0.6g/mLが好ましく、0.36〜0.58g/mLがより好ましく、0.4〜0.55g/mLがさらに好ましい。気泡部用混合物中の比重を前記のように調整することにより、クレームブリュレ様菓子において、気泡部の比重を上記好ましい範囲内に調整することができる。
気泡部用混合物は、上記の原材料を混合することにより作製することができる。原材料の混合には、縦型ミキサーボールを用いることができる。原材料を混合後、高速で混合して含気調整し、気泡部用混合物の比重が上記の範囲となるように調整することが好ましい。
(カスタード部及び気泡部を形成する工程)
下から順に、カスタード部用混合物、次いで、気泡部用混合物を加熱調理容器に注ぎ入れて、加熱調理する。ここで用いるカスタード部用混合物は、クレームブリュレ様菓子の生地全体100重量部に対して、80〜95重量部であることが好ましく、81〜91重量部であることがより好ましく、82〜90重量部であることがより好ましい。カスタード部用混合物の使用量を前記のようにすることにより、クレームブリュレ様菓子において、カスタード部の比率を上記好ましい範囲内に調整することができる。また、ここで用いる気泡部用混合物は、クレームブリュレ様菓子の生地全体100重量部に対して、2〜6重量部であることが好ましく、2.2〜5重量部であることがより好ましく、2.5〜4.5重量部であることがより好ましい。気泡部用混合物の使用量を前記のようにすることにより、クレームブリュレ様菓子において、気泡部の比率を上記好ましい範囲内に調整することができる。なお、クレームブリュレ様菓子の生地全体は、カスタード部用混合物、気泡部用混合物、及びカラメル部用混合物を合わせたものである。なお、前記加熱調理容器は、耐熱性容器であれば特に限定されない。
カスタード部及び気泡部を形成する方法としては、例えば、オーブンプレートに、ペーパータオル等を敷き、加熱調理容器を適度な間隔をおいて並べ、まずカスタード部用混合物を加熱調理容器に注ぎ入れる。次いで、カスタード部用混合物の層の上に、気泡部用混合物を注ぎ入れる。このとき、気泡部用混合物の厚さを0.5〜3mmとすることが好ましく、0.7〜2.5mmとすることがより好ましく、0.8〜2mmとすることがさらに好ましい。気泡部用混合物の厚さを前記のようにすることにより、クレームブリュレ様菓子において、気泡部の厚さを上記好ましい範囲内に調整することができる。
気泡部の厚さは、カスタード部用混合物を充填後の加熱調理容器の底面からカスタード部用混合物の表面までの高さ([X](mm))をノギスで測定し、カスタード部用混合物の上に気泡部用混合物を充填した後の加熱調理容器の底面から気泡部用混合物の表面までの高さ([Y](mm))をノギスで測定し、[Y]−[X]により算出することができる。
加熱調理は、オーブン等を用いて行うことができる。加熱調理は、湿度100%で、150〜160℃で25〜30分間加熱することが好ましい。加熱調理により、加熱調理容器内で、下から順に、カスタード部及び気泡部を形成することができる。加熱調理後は、10℃以下になるまで冷却することが好ましい。
(カラメル部用混合物を作製する工程)
カラメル部用混合物は、カラメル部用混合物全体中、メジアン径が0.5〜2mmのグラニュー糖を40〜60重量%含有することが好ましく、43〜60重量%含有することがより好ましく、46〜55重量%含有することがさらに好ましい。カラメル部用混合物中のグラニュー糖の含有量を前記のように調整することにより、クレームブリュレ様菓子において、カラメル部のグラニュー糖の含有量を上記好ましい範囲内に調整することができる。
カラメル部用混合物は、カラメル部用混合物全体中、メジアン径が0.5〜2mmのトレハロースを25〜35重量%含有することが好ましく、22〜33重量%含有することがより好ましく、25〜30重量%含有することがさらに好ましい。カラメル部用混合物中のトレハロースの含有量を前記のように調整することにより、クレームブリュレ様菓子において、カラメル部のトレハロースの含有量を上記好ましい範囲内に調整することができる。
カラメル部用混合物は、カラメル部用混合物全体中、メジアン径が0.5〜2mmの黒糖を5〜12重量%含有することが好ましく、5.5〜10重量%含有することがより好ましく、5.5〜8重量%含有することがさらに好ましい。カラメル部用混合物中の黒糖の含有量を前記のように調整することにより、クレームブリュレ様菓子において、カラメル部の黒糖の含有量を上記好ましい範囲内に調整することができる。黒糖としては、玉糖を用いることがより好ましい。
カラメル部用混合物は、10℃のSFCが25〜45%、35℃のSFCが0〜5%である油脂を、カラメル部用混合物全体中、2〜12重量%含有することが好ましく、4〜11重量%含有することがより好ましく、6〜11重量%含有することがさらに好ましい。カラメル部用混合物中の前記油脂の含有量を前記のように調整することにより、クレームブリュレ様菓子において、カラメル部の前記油脂の含有量を上記好ましい範囲内に調整することができる。前記油脂としては、上記カラメル部で挙げたものと同様のものを用いることができる。
カラメル部用混合物は、カラメル部の食感を損なわない範囲で、副材料成分を含有していてもよい。副材料成分としては、上記カラメル部で挙げたものと同様のものを用いることができる。
カラメル部用混合物は、上記の原材料を混合することにより作製することができる。カラメル部用混合物は、例えば、グラニュー糖、トレハロース、及び黒糖を混合し、さらに、60℃程度まで加熱して融解した油脂を添加し、任意に副材料成分を添加して混合することにより、作製することができる。原材料の混合には、縦型ミキサーボールを用いることができる。
(カラメル部を得る工程)
カラメル部用混合物を焼成してカラメル部を作製する。ここで用いるカラメル部用混合物は、クレームブリュレ様菓子の生地全体100重量部に対して、6〜12重量部であることが好ましく、7〜11.5重量部であることがより好ましく、8〜11重量部であることがより好ましい。カラメル部用混合物の使用量を前記のようにすることにより、クレームブリュレ様菓子において、カラメル部の比率を上記好ましい範囲内に調整することができる。
カラメル部用混合物は、加熱調理容器に入れて、200〜250℃程度で、3〜10分程度焼成することが好ましい。焼成は、オーブン等を用いて行うことができる。加熱調理容器は、耐熱性容器であれば特に限定されない。カラメル部用混合物の焼成に用いる加熱調理容器は、カラメル部を気泡部上に載置しやすいように、上記で形成した気泡部上面の面積よりも、若干小さい底面積のものを用いることが好ましい。焼成後は、10℃以下になるまで冷却することが好ましい。焼成後に得られるカラメル部の厚さは、1〜6mmであることが好ましく、1.8〜5mmであることがより好ましく、1.5〜4mmであることがさらに好ましい。
(カラメル部を載置する工程)
上記で形成した気泡部の上に、カラメル部を載置する。これにより、下層から順にカスタード部、気泡部、及びカラメル部が積層されたクレームブリュレ様菓子を得ることができる。
<焼成法の場合>
本発明においては、特定の組成のカスタード部用混合物を作製する工程と、特定の組成の気泡部用混合物を作製する工程と、前記カスタード部用混合物と前記気泡部用混合物とを加熱調理用容器に注ぎ入れて加熱調理し、カスタード部及び気泡部を形成する工程と、特定の組成のカラメル部用混合物を作製する工程と、前記気泡部の上に、特定の厚さになるように、前記カラメル部用混合物を載置して焼成し、カラメル部を形成する工程と、を含む製造方法により、クレームブリュレ様菓子を製造することができる。具体的には以下の通りである。
カスタード部用混合物を作製する工程、気泡部用混合物を作製する工程、及びカスタード部及び気泡部を形成する工程、及びカラメル部用混合物を作製する工程は、前記<載置法の場合>と同様に行うことができる。
(カラメル部を形成する工程)
カスタード部及び気泡部を形成する工程で形成した気泡部の上に、カラメル部用混合物を載置する。ここで用いるカラメル部用混合物は、クレームブリュレ様菓子の生地全体100重量部に対して、6〜12重量部であることが好ましく、7〜11.5重量部であることがより好ましく、8〜11重量部であることがより好ましい。また、カラメル部用混合物の厚みが焼成後に1〜6mmとなるようにすることが好ましく、1.8〜5mmとなるようにすることがより好ましく、1.5〜4mmとなるようにすることがさらに好ましい。カラメル部用混合物は、気泡部上に、均等に載置することが好ましい。気泡部の上にカラメル部用混合物を載置後、バーナー等を用いて、カラメル部用混合物を焼成し、カラメル部を形成する。焼成は、表面が焦げる程度の時間行えばよく、例えば、10秒程度とすることができる。
これにより、下層から順にカスタード部、気泡部、及びカラメル部が積層されたクレームブリュレ様菓子を得ることができる。
上記のようなクレームブリュレ様菓子の製造方法によれば、載置法及び焼成法のいずれの製造方法であっても、一定時間を経過しても、カラメル部のカリカリ感と、カスタード部のなめらかさの両方が維持されたクレームブリュレ様菓子を製造することができる。本発明のクレームブリュレ様菓子の製造方法では、カスタード部とカラメル部との間に、気泡部を形成することにより、気泡部で水分が吸収され、カスタード部からカラメル部への水分の移行を抑制することができる。また、気泡部に、熱凝固性タンパク質及び10℃及び35℃のSFCが特定範囲内である油脂を用いることにより、気泡部の生地構造が強固となり、カラメル部への水分の移行を妨げることができる。さらに、カラメル部に、特定のメジアン径を有するグラニュー糖、トレハロース、及び黒糖を用い、且つ10℃及び35℃のSFCが特定範囲内である油脂を用いることにより、カラメル部の吸水性を低下させることができる。これにより、一定時間経過後も、カラメル部のカリカリ感と、カスタード部のなめらかさの両方が維持される。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
[測定方法]
<カスタード部、カスタード部用混合物、気泡部、気泡部用混合物中の水分の測定>
実施例・比較例における各クレームブリュレ様菓子のカスタード部、カスタード部用混合物、気泡部、及び気泡部用混合物中の水分は、食品衛生検査指針 理化学編 2005(社団法人 日本食品衛生協会)に記載されている乾燥助剤添加法により測定した。
<カスタード部、カスタード部用混合物、気泡部、気泡部用混合物中の油分の測定>
実施例・比較例における各クレームブリュレ様菓子のカスタード部、カスタード部用混合物、気泡部、及び気泡部用混合物中の油分は、食品衛生検査指針 理化学編 2005(社団法人 日本食品衛生協会)に記載されているクロロホルム―メタノール混液抽出法により測定した。
<気泡部用混合物、及び、カラメル部用混合物の厚さの測定>
実施例・比較例における各クレームブリュレ様菓子の作製時において、カスタード部用混合物をアルミカップに充填した後のアルミカップ底面からカスタード部用混合物の表面までの高さをノギスで測定し、[X](mm)とした。次に、カスタード部用混合物の上に気泡部用混合物気泡部用混合物を充填した後のアルミカップ底面から気泡部用混合物の表面までの高さをノギスで測定し、[Y](mm)とした。[Y]−[X]により気泡部用混合物の厚さを算出した。また、焼成式のカラメル部用混合物の厚さは、カラメル部用混合物を加熱調理後の気泡部の上に均一になるように広げた後のアルミカップ底面からカラメル部用混合物の表面までの高さをノギスで測定して[Z](mm)とし、[Z]−[Y]によりカラメル部用混合物の厚さを算出した。更に、載置式のカラメル部用混合物の厚さは、カラメル部用混合物をアルミカップに入れて表面を平らにした後の厚さをノギスで測定して求めた。なお、それぞれの測定は4回実施し、その平均値をそれぞれの厚さとした。
<気泡部、及び、カラメル部の厚さの測定>
実施例・比較例における各クレームブリュレ様菓子をアルミカップから抜き出し、気泡部、及び、カラメル部の厚さをノギスで測定した。なお、それぞれの測定は4回実施し、平均値をそれぞれの厚さとした。
<油脂のSFC(固体脂含量)の測定>
実施例・比較例で使用した油脂のSFC(固体脂含量)の測定は、Bruker社製「the minispec mq20」を用いて、AOCS法に準じてNMR法で測定を行った。すなわち、融解した油脂を100℃で15分間保持した後、60℃で5分間保持し、更に0℃で60分間保持した。その後、10℃から35℃まで5℃刻みで順番に、それぞれの温度で30分間保持した後測定することを繰返し行った。
<糖のメジアン径の測定>
実施例・比較例で使用した糖のメジアン径の測定は、それぞれの粒子が重ならないように配置した後、デジタルマイクロスコープ「VHX−2000」(キーエンス社製)を用いて80〜100個の粒子が収まるよう撮影し、得られた画像を2次元計測機能により粒径を自動測定し、メジアン値を算出した。なお、それぞれの測定は3回実施し、その平均値をメジアン径とした。
<気泡部用混合物、気泡部の比重の測定>
気泡部用混合物を軽量カップ(100mL)に入れて、重量(g)を測定し、容量(mL)で除して比重(g/mL)を算出した。加熱調理前後で比重の変化は殆どないことから、気泡部の比重は、気泡部用混合物の比重と同じとみなした。
<官能評価>
実施例・比較例で作製したクレームブリュレ様菓子を、5℃で5日間保存後、熟練した10人のパネラーに食べてもらい、クレームブリュレ様菓子のカラメル部のカリカリ感とカスタード部のなめらかさの観点で各々食感を評価し、その評価点の平均値を食感の評価値とした。その際の評価基準は以下の通りであった。
(カラメル部のカリカリ感)
5点:実施例4と同等で、カリカリ感が極めて良好である
4点:実施例4よりも若干劣るが、カリカリ感が良好である
3点:実施例4よりも劣るが、カリカリ感が感じられる
2点:実施例4よりも悪く、カリカリ感がほとんど感じられない
1点:実施例4よりも非常に悪く、カリカリ感が全く感じられない
(カスタード部のなめらかさ)
5点:実施例4と同等で、なめらかさが極めて良好である
4点:実施例4と若干劣るが、なめらかさが良好である
3点:実施例4よりもやや劣るが、なめらかさは感じられる
2点:実施例4よりも悪く、なめらかさがあまり感じられない
1点:実施例4よりも非常に悪く、なめらかさがほとんど感じられない
<総合評価>
クレームブリュレ様菓子のカラメル部のカリカリ感及びカスタード部のなめらかさの各評価結果を基に、総合評価を行った。その際の評価基準は以下の通りである。
A:カラメル部のカリカリ感及びカスタード部のなめらかさのどちらもが4.5点以上5.0点以下を満たすもの
B:カラメル部のカリカリ感及びカスタード部のなめらかさのどちらもが4.0点以上5.0点以下であって、且つ4.0以上4.5未満が少なくとも一つあるもの
C:カラメル部のカリカリ感及びカスタード部のなめらかさのどちらもが3.0点以上5.0点以下であって、且つ3.0以上4.0未満が少なくとも一つあるもの
D:カラメル部のカリカリ感及びカスタード部のなめらかさのどちらもが2.0点以上5.0点以下であって、且つ2.0以上3.0未満が少なくとも一つあるもの
E:カラメル部のカリカリ感及びカスタード部のなめらかさの評価において、2.0未満が少なくとも一つあるもの
[実施例及び比較例で使用した原材料]
表1〜6の実施例及び比較例で用いた原材料を以下に示す。
1)(株)カネカ製「精製ナタネ油」(10℃のSFC:0%、35℃のSFC:0%)
2)(株)カネカ製「パン好きの牛乳」(油分:3.8重量%、水分:87.4重量%)
3)(株)カネカ製「ラシェンテG」(油分:39重量%、水分:53.9重量%)
4)三州食品(株)製「殺菌液卵黄」(油分:33.5重量%、水分:50重量%)
5)東洋精糖(株)製「グラニュー糖」(油分:0重量%、水分:0重量%。メジアン径:1mm)
6)(株)カネカ製「カネカフレーバーバニラ300」(油分:0重量%、水分:14重量%)
7)調合油脂A((株)カネカ製「精製ナタネ油」:52.8重量%、(株)カネカ製「硬化コーン油(融点32℃)」:37.8重量%、(株)カネカ製「硬化パーム油(融点38℃)」:9.4重量%の混合油(10℃のSFC:38.3%、35℃のSFC:0.8%))
8)(株)カネカ製「クレビスGL」(油分:33.2重量%、水分:30重量%、乳化剤含量:16.8重量%)
9)(株)林原製「トレハロース」(油分:0重量%、水分:0重量%、メジアン径:1mm)
10)(株)宮崎商店製「黒糖」(油分:0重量%、水分:0重量%、メジアン径:1mm)
11)癸巳化成(株)製「NC−OブラウンCB」(油分 3.8重量%、水分 87.4重量%)
12)調合油脂B((株)カネカ製「精製ナタネ油」50重量%、(株)カネカ製「硬化コーン油(融点32℃)」40重量%、(株)カネカ製「硬化パーム油(融点38℃)」10重量%の混合油(10℃のSFC:40.6%、35℃のSFC:0.9%))
13)仙波糖化工業(株)製「カラメル顆粒3Y」(油分:3.8重量%、水分:87.4重量%)
14)(株)宮崎商店製「特上玉糖」(油分:0重量%、水分:0重量%、メジアン径:1mm)
15)(株)徳倉製「NSP粉糖」(油分:0重量%、水分:0重量%、メジアン径:0.1mm)
[加熱調理前のクレームブリュレの製造]
(製造例1)
表1の配合に従い、加熱調理前のクレームブリュレを調製した。即ち、縦型ミキサーボールに液油:1.5重量部、牛乳:14.6重量部、クリーム:58.3重量部、香料:0.1重量部を投入し低速で60秒間混合後、40℃で5分間加熱した。別の縦型ミキサーボールに卵黄:14.6重量部、糖類:10.9重量部を投入し、中速で60秒間混合後、先に加熱して得られた混合物を加え、低速で60秒間混合し、カスタード部用混合物を得た。
次いで、縦型ミキサーボールに調合油脂A:7.2重量部、牛乳:4.1重量部、クリーム:44.4重量部、菓子用気泡剤:3.4重量部、卵黄:37.8重量部、グラニュー糖:3.1重量部、香料:0.04重量部を投入し、高速で3分間混合し、比重0.45g/mlに含気調整し、気泡部用混合物を得た。
次に、縦型ミキサーボールにグラニュー糖:53.8重量部、トレハロース:26.4重量部、黒糖:5.9重量部、カラメル粉砕物3.9重量部を投入して混合した後、更に、調合油脂B:9.8重量部に色素:0.2重量部を添加し、60℃まで加熱し、その温度で5分間攪拌した調合油脂B:9.8重量部を加え、低速で30秒間混合して、カラメル部用混合物を得た。得られた各混合物の組成及び測定結果を表1A及び1Bに示した。
(製造例2〜4)
製造例1において、気泡部用混合物の菓子用気泡剤の添加量を変更し、全体量をクリームの添加量で調製した以外は、製造例1と同様にして各混合物を得た。得られた各混合物の組成及び測定結果を表1A及び1Bに示した。
(製造例5)
製造例1において、気泡部用混合物を作製しないこと以外は、製造例1と同様にして、カスタード部用混合物とカラメル部用混合物を得た。得られた各混合物の組成及び測定結果を表1A及び1Bに示した。
(製造例6)
製造例1において、カラメル部用混合物の黒糖を玉糖に変更した以外は、製造例1と同様にして各混合物を得た。得られた各混合物の組成及び測定結果を表1A及び1Bに示した。
(製造例7)
製造例1において、カラメル部用混合物のグラニュー糖を粉糖に変更した以外は、製造例1と同様にして各混合物を得た。得られた各混合物の組成及び測定結果を表1A及び1Bに示した。
(製造例8)
製造例1において、カラメル部用混合物の黒糖を添加せず、その分をグラニュー糖に変更した以外は、製造例1と同様にして各混合物を得た。得られた各混合物の組成及び測定結果を表1A及び1Bに示した。
(製造例9)
製造例1において、カラメル部用混合物の調合油脂Bを液油に変更した以外は、製造例1と同様にして各混合物を得た。得られた各混合物の組成及び測定結果を表1A及び1Bに示した。
(製造例10)
製造例1において、カスタード部用混合物の液油を配合せず、その分をクリームに変更した以外は、製造例1と同様にして各混合物を得た。得られた各混合物の組成及び測定結果を表1A及び1Bに示した。
(製造例11)
製造例1において、カスタード部用混合物の液油を1.5重量部から4.8重量部に変更し、全体量をクリームで調製した以外は、製造例1と同様にして各混合物を得た。得られた各混合物の組成及び測定結果を表1A及び1Bに示した。
Figure 2021193908
Figure 2021193908
[クレームブリュレの作製;載置法]
(実施例1)
表2に示す通り、耐熱性容器(サイズ:直径7×高さ4cm)に、製造例1で得られたカスタード部用混合物:86.4重量部を充填後、その上に製造例1で得られた気泡部用混合物:3.7重量部を充填し、湿度100%、150℃で30分間加熱した後、10℃以下になるまで冷却した。
次いで、製造例1で得られたカラメル部用混合物:9.9重量部をアルミカップ(サイズ:直径6.5×高さ3cm)に入れ、230℃で5分間焼成後、10℃以下になるまで冷却し、熱調理後のカラメル部を得た。
前記加熱調理後のカラメル部を前記加熱調理後の気泡部の上に載置し、クレームブリュレ様菓子を得た。得られたクレームブリュレ様菓子について、官能評価を行った。その結果を組成及び測定結果と合わせて、表2に示した。
(実施例2、3、比較例1)
表2に示す通り、実施例1の配合(製造例1)を、製造例2(実施例2)、製造例3(実施例3)、及び、製造例4(比較例1)にそれぞれ変更し、カスタード部用混合物と気泡部用混合物の比率を変更した以外は、実施例1と同様の作製方法で、実施例2、3及び比較例1の各クレームブリュレ様菓子を得た。得られたクレームブリュレ様菓子について、官能評価を行った。その結果を組成及び測定結果と合わせて、表2に示した。
Figure 2021193908
実施例1〜3では、カラメル部のカリカリ感、及びカスタード部の滑らかさのいずれも良好な評価結果であり、総合評価はA〜Cとなった。一方、比較例1では、カラメル部のカリカリ感、及びカスタード部の滑らかさの両方が劣る評価結果であり総合評価はEとなった。この結果から、比重が0.35〜0.6g/mLである気泡部の比率を、クレームブリュレ様菓子全体中2〜6重量%とすることにより、カラメル部のカリカリ感及びカスタード部の滑らかさが良好なクレームブリュレ様菓子が得られることが確認された。
(比較例2)
表3に示す通り、実施例1の配合(製造例1)で、カスタード部用混合物と気泡部用混合物の比率を変更した以外は、実施例1と同様の作製方法で、比較例2の各クレームブリュレ様菓子を得た。得られたクレームブリュレ様菓子について、官能評価を行った。その結果を組成及び測定結果と合わせて、表3に示した。
(比較例3)
表3に示す通り、実施例1の配合(製造例1)を、製造例5に替え、各混合部用混合物の比率を変更した以外は、実施例1と同様の作製方法で、比較例3のクレームブリュレ様菓子を得た。得られたクレームブリュレ様菓子について、官能評価を行った。その結果を組成及び測定結果と合わせて、表3に示した。
Figure 2021193908
比較例2、3では、カラメル部のカリカリ感、及びカスタード部の滑らかさのいずれかが劣る評価結果であり総合評価はD又はEとなった。この結果から、比重が0.35〜0.6g/mLである気泡部の比率を、クレームブリュレ様菓子全体中2〜6重量%とし、気泡部の厚さを0.5〜3mmすることにより、カラメル部のカリカリ感及びカスタード部の滑らかさが良好なクレームブリュレ様菓子が得られることが確認された。
(実施例4、比較例4、5)
表4に示す通り、実施例1の配合(製造例1)を、製造例6(実施例4)、製造例7(比較例4)、及び、製造例8(比較例5)にそれぞれ変更した以外は、実施例1と同様の作製方法で、実施例4、比較例4及び5の各クレームブリュレ様菓子を得た。得られたクレームブリュレ様菓子について、官能評価を行った。その結果を組成及び測定結果と合わせて、表4に示した。
Figure 2021193908
実施例1及び4では、カラメル部のカリカリ感、及びカスタード部の滑らかさのいずれも良好な評価結果であり総合評価はAとなった。一方、比較例4、5では、カラメル部のカリカリ感が著しく劣る評価結果であり総合評価はEとなった。この結果から、カラメル部に、メジアン径が0.5〜2mmであるグラニュー糖を40〜60重量%、メジアン径が0.5〜12mmの黒糖を5〜12重量%用いることにより、カラメル部のカリカリ感が良好なクレームブリュレ様菓子が得られることが確認された。
(比較例6)
表5に示す通り、実施例1の配合(製造例1)を、製造例9に変更した以外は、実施例1と同様の作製方法で、比較例6のクレームブリュレ様菓子を得た。得られたクレームブリュレ様菓子について、官能評価を行った。その結果を組成及び測定結果と合わせて、表5に示した。
(比較例7)
表5に示す通り、実施例1の配合(製造例1)で、カスタード部用混合物とカラメル部用混合物の比率を変更した以外は、実施例1と同様の作製方法で、比較例7のクレームブリュレ様菓子を得た。得られたクレームブリュレ様菓子について、官能評価を行った。その結果を組成及び測定結果と合わせて、表5に示した。
Figure 2021193908
比較例6、7では、カラメル部のカリカリ感、及びカスタード部の滑らかさのいずれかが劣る評価結果であり総合評価はDとなった。この結果から、10℃のSFCが25〜45%、35℃のSFCが0〜5%である油脂を、カラメル部全体中2〜12重量%含有させることにより、カラメル部のカリカリ感及びカスタード部の滑らかさが良好なクレームブリュレ様菓子が得られることが確認された。また、クレームブリュレ様菓子全体中、カスタード部80〜96重量%、気泡部2〜6重量%、カラメル部6〜12重量%とし、カラメル部の厚さを1〜6mmとすることにより、カスタード部の滑らかさが良好なクレームブリュレ様菓子が得られることが確認された。
(実施例5、6)
表6に示す通り、実施例1の配合(製造例1)を、製造例10(実施例5)、及び、製造例11(実施例6)にそれぞれ変更した以外は、実施例1と同様の作製方法で、実施例5及び6の各クレームブリュレ様菓子を得た。得られたクレームブリュレ様菓子について、官能評価を行った。その結果を組成及び測定結果と合わせて、表6に示した。
Figure 2021193908
気泡部中の液油の有無に関らず、何れのクレームブリュレ洋菓子の品質は良好であったが、特に、実施例5と比較して、実施例1及び実施例6の方が、カラメル部のカリカリ感、及びカスタード部の滑らかさがより良好な評価結果となった。この結果から、カスタード部全体中、25℃で液状の油脂を1〜5重量%含むことにより、カラメル部のカリカリ感及びカスタード部の滑らかさがより良好となることが確認された。
[クレームブリュレの作製;焼成法]
(実施例7)
表7に示す通り、耐熱性容器(サイズ:直径7×高さ4cm)に、製造例1で得られたカスタード部用混合物:86.4重量部を充填後、その上に製造例1で得られた気泡部用混合物:3.7重量部を充填し、湿度100%、150℃で30分間加熱した後、10℃以下になるまで冷却した。
次いで、製造例1で得られたカラメル部用混合物:9.9重量部を前記加熱調理後の気泡部の上に均一になるように広げ、バーナーで10秒間焼成し、クレームブリュレ様菓子を得た。得られたクレームブリュレ様菓子について、官能評価を行った。その結果を組成及び測定結果と合わせて、表7に示した。
(比較例8)
表7に示す通り、実施例7の配合(製造例1)を製造例4に変更し、カスタード部用混合物と気泡部用混合物の比率を変更した以外は、実施例7と同様の作製方法で、比較例8のクレームブリュレ様菓子を得た。得られたクレームブリュレ様菓子について、官能評価を行った。その結果を組成及び測定結果と合わせて、表7に示した。
Figure 2021193908
実施例7では、カラメル部のカリカリ感、及びカスタード部の滑らかさのいずれも良好な評価結果であり、総合評価はAとなった。一方、比較例8では、カラメル部のカリカリ感、及びカスタード部の滑らかさの両方が劣る評価結果であり総合評価はEとなった。この結果から、カラメル部の製造法が焼成法においても、比重が0.35〜0.6g/mLである気泡部の比率を、クレームブリュレ様菓子全体中2〜6重量%とすることにより、カラメル部のカリカリ感及びカスタード部の滑らかさが良好なクレームブリュレ様菓子が得られることが確認された。
本発明によれば、カラメル部のカリカリとした食感が一定期間維持され、且つカラメル部以外の部分は従来のクレームブリュレと同等の滑らかさを持つクレームブリュレ様菓子、及び前記クレームブリュレ様菓子の製造方法を提供することができる。

Claims (6)

  1. 下層から順にカスタード部、気泡部、及びカラメル部を有するクレームブリュレ様菓子であって、
    前記クレームブリュレ様菓子全体中、前記カスタード部が80〜95重量%、前記気泡部が2〜6重量%、及び前記カラメル部が6〜12重量%であり、
    前記カスタード部は、前記カスタード部全体中、油分が21〜41重量%、水分が45〜65重量%であり、且つ組成物全体中の油分が1〜50重量%である水中油型乳化油脂組成物を30〜80重量%、卵黄を乾燥重量として5〜13.5重量%、糖類を乾燥重量として8〜15.5重量%含有し、
    前記気泡部は、前記気泡部全体中、油分が31〜52重量%、水分が32〜52重量%であり、且つ10℃の固体脂含量(SFC)が25〜45%、35℃のSFCが0〜5%である油脂を2〜10重量%、組成物全体中の油分が1〜50重量%である水中油型乳化油脂組成物を30〜80重量%、菓子用起泡剤全体中に乳化剤を5〜30重量%含む菓子用起泡剤を2〜6重量%、および熱凝固性タンパク質を乾燥重量として15〜25重量%含有し、
    前記気泡部の比重が0.35〜0.6g/mLであり、且つ前記気泡部の厚さが0.5〜3mmであり、
    前記カラメル部は、前記カラメル部全体中、メジアン径が0.5〜2mmのグラニュー糖を40〜60重量%、メジアン径が0.5〜2mmのトレハロースを25〜35重量%、メジアン径が0.5〜2mmの黒糖を5〜12重量%、および10℃のSFCが25〜45%、35℃のSFCが0〜5%である油脂を2〜12重量%を含有し、
    前記カラメル部の厚さが1〜6mmである、
    クレームブリュレ様菓子。
  2. 前記気泡部中の前記熱凝固性タンパク質が卵黄である、請求項1に記載のクレームブリュレ様菓子。
  3. 前記黒糖が玉糖である、請求項1又は2に記載のクレームブリュレ様菓子。
  4. 前記カスタード部中の前記水中油型乳化油脂組成物及び前記卵黄に含まれない油脂として、25℃で液状の油脂を、前記カスタード部全体中1〜5重量%含む、請求項1〜3何れか一項に記載のクレームブリュレ様菓子。
  5. クレームブリュレ様菓子の製造方法であって、
    カスタード部用混合物全体中、油分が20〜40重量%、水分が40〜60重量%であって、且つ組成物全体中の油分が1〜50重量%である水中油型乳化油脂組成物の含有量が30〜80重量%であり、卵黄の含有量が乾燥重量として5〜13.5重量%であり、糖類の含有量が乾燥重量として8〜15.5重量%であるカスタード部用混合物を作製する工程と、
    気泡部用混合物全体中、油分が30〜50重量%、水分が35〜55重量%であって、且つ10℃の固体脂含量(SFC)が25〜45%、35℃のSFCが0〜5%であるの油脂の含有量が2〜10重量%であり、組成物全体中の油分が1〜50重量%であるの水中油型乳化油脂組成物の含有量が30〜80重量%であり、菓子用起泡剤全体中に乳化剤を5〜30重量%含む菓子用起泡剤の含有量が2〜6重量%であり、熱凝固性タンパク質の含有量が乾燥重量として15〜25重量%であり、比重が0.35〜0.6g/mLである気泡部用混合物を作製する工程と、
    前記カスタード部用混合物、及び前記気泡部用混合物を下から順に、加熱調理用容器に注ぎ入れて、前記カスタード部用混合物上で前記気泡部用混合物の厚さが0.5〜3mmとなるようにし、加熱調理して、カスタード部及び気泡部を形成する工程と、
    カラメル部用混合物全体中、メジアン径が0.5〜2mmのグラニュー糖の含有量が40〜60重量%、メジアン径が0.5〜2mmのトレハロースの含有量が25〜35重量%、メジアン径が0.5〜2mmの黒糖の含有量が5〜12重量%、および10℃のSFCが25〜45%、35℃のSFCが0〜5%である油脂の含有量が2〜12重量%であるカラメル部用混合物を作製する工程と、
    前記カラメル部用混合物を、厚さが1〜6mmになるよう焼成してカラメル部を得る工程と、
    前記気泡部の上に、前記カラメル部を載置する工程と、を含み、
    前記クレームブリュレ様菓子の生地全体100重量部に対して、前記カスタード部用混合物80〜95重量部、前記気泡部用混合物2〜6重量部、前記カラメル部用混合物6〜12重量部を用いる、
    クレームブリュレ様菓子の製造方法。
  6. クレームブリュレ様菓子の製造方法であって、
    カスタード部用混合物全体中、油分が20〜40重量%、水分が40〜60重量%であって、且つ組成物全体中の油分が1〜50重量%である水中油型乳化油脂組成物の含有量が30〜80重量%であり、卵黄の含有量が乾燥重量として5〜13.5重量%であり、糖類の含有量が乾燥重量として8〜15.5重量%であるカスタード部用混合物を作製する工程と、
    気泡部用混合物全体中、油分が30〜50重量%、水分が35〜55重量%であって、且つ10℃の固体脂含量(SFC)が25〜45%、35℃のSFCが0〜5%であるの油脂の含有量が2〜10重量%であり、組成物全体中の油分が1〜50重量%であるの水中油型乳化油脂組成物の含有量が30〜80重量%であり、菓子用起泡剤全体中に乳化剤を5〜30重量%含む菓子用起泡剤の含有量が2〜6重量%であり、熱凝固性タンパク質の含有量が乾燥重量として15〜25重量%であり、比重が0.35〜0.6g/mLである気泡部用混合物を作製する工程と、
    前記カスタード部用混合物、及び前記気泡部用混合物を下から順に、加熱調理用容器に注ぎ入れて、前記カスタード部用混合物上で前記気泡部用混合物の厚さが0.5〜3mmとなるようにし、加熱調理して、カスタード部及び気泡部を形成する工程と、
    カラメル部用混合物全体中、メジアン径が0.5〜2mmのグラニュー糖の含有量がを40〜60重量%、メジアン径が0.5〜2mmのトレハロースの含有量が25〜35重量%、メジアン径が0.5〜2mmの黒糖の含有量が5〜12重量%、および10℃のSFCが25〜45%、35℃のSFCが0〜5%である油脂の含有量が2〜12重量%であカラメル部用混合物を作製する工程と、
    前記気泡部の上に、前記カラメル部用混合物の厚みが焼成後に1〜6mmになるように、前記カラメル部用混合物を載置し、焼成して、カラメル部を形成する工程と、を含み、
    前記クレームブリュレ様菓子の生地全体100重量部に対して、前記カスタード部用混合物80〜95重量部、前記気泡部用混合物2〜6重量部、前記カラメル部用混合物6〜12重量部を用いる、
    クレームブリュレ様菓子の製造方法。
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