JP2021190687A - 窒化物半導体素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】絶縁化することなく、安定して高い電流密度での駆動に耐えうる窒化物半導体素子を提供する。
【解決手段】窒化物半導体素子は、活性層と、前記活性層よりも上方に形成され、Mgを含み、前記活性層から離れる方向に向かってAl組成比が減少し、Al組成比が0.2より大きいAlGaNで形成されたAlGaN層と、を備え、前記AlGaN層は、前記Al組成比の組成傾斜率a1が0Al%/nmよりも大きく0.22Al%/nmよりも小さく、前記AlGaN層における前記Mgの濃度b1が0cm−3よりも大きく7.0×1019×a1−2.0×1018cm−3よりも小さい第一AlGaN領域を有する。
【選択図】図1

Description

本開示は、窒化物半導体素子に関する。
従来、発光ダイオード(LED)、レーザダイオード(LD)窒化物半導体素子が用いられている。窒化物半導体素子が発光ダイオード(LED)の場合、マイクロLEDのように素子面積を小さくした発光ダイオードがあり、この場合、高出力を得るには高い電流密度の駆動に耐えうる素子が必要となる。また、窒化物半導体素子がレーザダイオード(LD)の場合、レーザ発振を実現するために1kA/cmを越える高い電流密度での駆動に耐えうる素子が必要となる。そこで、例えばAl組成が厚さ方向に減少するAlGaNで形成されたp型クラッド層を有する窒化物半導体素子が提案されている(例えば、特許文献1)。特許文献1には、p型AlGaNクラッド層のAl組成を組成傾斜することによって、レーザ発振する閾値電流密度及び閾値電圧が低くなることが開示されている。
特開2018−98401号公報
しかしながら、p型AlGaNクラッド層のAl組成が傾斜している場合であっても、p型AlGaNクラッド層のAlGaNの組成によっては窒化物半導体素子が絶縁化あるいは高抵抗化してしまう場合があった。
本開示は、安定して高い電流密度での駆動に耐えうる窒化物半導体素子を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本開示の一態様に係る窒化物半導体素子は、活性層と、前記活性層よりも上方に形成され、Mgを含み、前記活性層から離れる方向に向かってAl組成比が減少するAl組成比が0.2より大きいAlGaNで形成されたAlGaN層と、を備え、前記AlGaN層は、前記Al組成比の組成傾斜率a1が0Al%/nmよりも大きく0.22Al%/nmよりも小さく、前記AlGaN層における前記Mgの濃度b1が0cm−3よりも大きく7.0×1019×a1−2.0×1018cm−3よりも小さい第一AlGaN領域を有することを特徴とする。
本開示の一態様によれば、絶縁化又は高抵抗化することなく、安定して高い電流密度での駆動に耐えうる窒化物半導体素子を提供することができる。
本開示の第一実施形態に係る窒化物半導体素子の一構成例を示す斜視図である。 本開示の第一実施形態に係る窒化物半導体素子の一部におけるAl組成比を示すグラフである。 本開示の第一実施形態に係る窒化物半導体素子における好ましいMg濃度を示すグラフである。 本開示の第二実施形態に係る窒化物半導体素子の一構成例を示す斜視図である。 本開示の第二実施形態に係る窒化物半導体素子の一部におけるAl組成比を示すグラフである。 本開示の実施例における窒化物半導体素子のサンプル1〜4における電流−電圧特性を示すグラフである。 本開示の実施例における窒化物半導体素子のサンプル5〜7における電流−電圧特性を示すグラフである。
以下、実施形態を通じて本実施形態に係る窒化物半導体素子を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
1.第一実施形態
以下、第一実施形態に係る窒化物半導体素子1について、図1及び図2を参照して説明する。
窒化物半導体素子1は、紫外光を発光可能なレーザダイオードである。窒化物半導体素子1は、電流注入によって紫外レーザ光を放射することが可能である。窒化物半導体素子1は、例えば、波長が280nmから320nmのUVBの領域の発光を得ることができる。
[窒化物半導体素子の全体構成]
図1及び図2を参照して、窒化物半導体素子1の構成について説明する。
図1に示すように、窒化物半導体素子1は、基板11と、基板11の上方に設けられた窒化物半導体活性層(活性層の一例)352と、窒化物半導体活性層352の上方に設けられ、Al組成比が0.2より大きいAlGaN層32と、AlGaN層32の上面を被覆する第二窒化物半導体層33と、を備えている。窒化物半導体素子1は、基板11の上方に、AlN層(下地層の一例)30と、第一窒化物半導体層31と、窒化物半導体活性層352を含む発光部35と、電子ブロック層34と、AlGaN層32と、第二窒化物半導体層33とがこの順に積層された構成とされている。また、窒化物半導体素子1は、第二窒化物半導体層33に接触して設けられた第一電極14と、第一窒化物半導体層31の一部に接触して設けられた第二電極15と、を備えている。
以下、窒化物半導体素子1を構成する各部について詳細に説明する。
<AlGaN層>
AlGaN層32は、図2に示すように、窒化物半導体活性層352から離れる方向に向かってAl組成比が減少するAl組成比が0.2より大きいAlGaNで形成されている。本実施形態の窒化物半導体素子1では、一層構造のAlGaN層32(第一AlGaN領域の一例)について説明する。このようなAlGaN層32を有する窒化物半導体素子1は、例えば紫外線B波を発光する紫外線レーザダイオードである。
AlGaN層32は、マグネシウム(以下、Mgと記載する場合がある)を含み、窒化物半導体活性層352から離れる方向に向かってAl組成比が減少するAlGaNで形成されている。AlGaN層32は、Mgを不純物としてドープしたp型半導体である。AlGaN層32では、Al組成比の組成傾斜率a1が0Al%/nmよりも大きく0.22Al%/nmよりも小さくなっている。すなわち、Al組成比の組成傾斜率a1は、0<a1<0.22となっている。AlGaN層32におけるAl組成比x1は、この範囲内であれば、AlGaN層32の厚さ方向全域において一定の変化率で減少しても良く、位置によって異なる変化率で減少していても良い。
また、Al組成比x1は、AlGaN層32の厚さ方向の途中において一旦Al組成比x1が一定となる領域を有することでAl組成比x1が多段階で変化する構成であっても良い。この場合、AlGaN層32の厚さ方向全体におけるAl組成比x1の組成傾斜率が、上述した範囲内であればよい。すなわち、AlGaN層32のAl初端組成比(電子ブロック層34側の境界におけるAl組成比)と、終端組成比(第二窒化物半導体層33側の境界におけるAl組成比)との差分をAlGaN層32の厚さで除した場合の値が0Al%/nmよりも大きく0.22Al%/nmよりも小さくなっていればよい。
AlGaN層32は、Alの組成比をx1とした場合に、Alx1Ga(1−x1)Nで形成されており、AlGaN層32のAl組成比x1は、例えば0.2<x1≦1.0であることが好ましく、0.3≦x1≦1.0であることがより好ましく、0.4≦x1≦1.0であることがさらに好ましい。すなわち、AlGaN層32のAl組成比x1は、窒化物半導体活性層352から離れる方向に向かって1.0からほぼ0.2まで変化してもよく、1.0から0.3まで変化することがより好ましく、1.0から0.4まで変化することがさらに好ましい。これにより、窒化物半導体素子1は、高電流を流すことができるとともに、高電流密度での駆動に耐えうる素子となる。
ここで、AlGaN層32におけるAlGaNのAlの組成比が0.2以上(すなわち20%以上)である場合、Mgを不純物としてドープしたp型半導体では、活性化エネルギーが大きくなるためp型化が困難である。例えば、p−Al0.2Ga0.8NにMgを2×1020cm−3ドープする場合、生成する正孔密度は4×1017cm−3と見積もられる。p−Al0.4Ga0.6NにMgをドープする場合、生成する正孔密度は9×1016cm−3と見積もられる。一般的に、AlGaNを用いた縦型電動窒化物半導体素子(発光ダイオード(LED)やレーザダイオード(LD)など)の駆動には、導電性半導体のキャリア密度が最低でも1×1017cm−3必要である。このため、Al組成比が0.4以上のAlGaNを用いた縦型電動窒化物半導体素子は、Mgを不純物としてドープしてもp型半導体を形成しにくく駆動が困難となる場合がある。
本開示に係る窒化物半導体素子1では、AlGaN層32におけるAl組成比が0.2より大きく、特に0.4以上の場合であっても、Al組成を厚さ方向に傾斜させることで成功を生成する分極ドーピングによってp型化しやすくなる。このため、窒化物半導体素子1は駆動が容易となる。
一方、Al組成比0.2以下の領域では、Mgを不純物としてドープすることで導電性のp型半導体を形成できるので、Al組成を傾斜させることによる分極ドーピングによってp型化させる効果が非常に小さい。
以上のように、AlGaN層32では、Al組成を傾斜させることで正孔を生成する分極ドーピングによるp型化の方法が好ましい。
また、窒化物半導体素子1が波長320nm未満の紫外線を発光する素子である場合、窒化物半導体活性層352として用いるAlGaNのAl組成比を0.2より大きくする必要が生じる。ここで、窒化物半導体素子1がレーザダイオード(LD)である場合、光を導波路層(不図示)に閉じ込めるためにAlGaN層32のAl組成比を窒化物半導体活性層352(および導波路層)のAl組成比より高く形成する必要が生じる。そのため、Al組成比が0.2より大きいAlGaNで形成されたAlGaN層32では、Al組成を傾斜させる必要が生じる。
さらに、窒化物半導体素子1が波長300nm以下の紫外線を発光する素子である場合、上述した理由によりAlGaN層32のAl組成比を0.4より高く形成する必要が生じる。この場合もAl組成比が0.4より大きいAlGaNで形成されたAlGaN層32を有していることから、波長320nm未満の紫外線を発光する窒化物半導体素子1と同様に、Al組成を傾斜させる必要が生じる。
ここで、薄膜成長装置を用いて、Al組成比の高いAlGaNからAl組成比の低いAlGaNへ連続的に組成が傾斜するAlGaN層32を形成する場合、III族原料の比率以外の成長装置のパラメータ(温度、圧力、III/V原料比率)を変化させながらAlGaN層32を形成することは好ましくない。特に、Mgの取り込み量は成長装置のパラメータに大きく依存するため、好ましくないパラメータを変化させた場合にはAlGaN層32中のMg取り込み量を制御することが極めて困難になる。そのため、Mg取り込み量の制御をできるだけ不要とし、AlGaN層32のAl組成の変化を少なく(Al組成の変化の幅を小さく)するために、Al組成比が0.2より大きいことが好ましい。AlGaN層32をより設計通り成長させるには、AlGaN層32内でAl組成の変化が小さくなるように、Al組成比が0.4より大きいことがより好ましい。
例えばAlGaN層32のAl組成比が0.2より大きく、かつAlGaN層32の最大Al組成比が0.2より大きく0.6より小さい場合、III族原料の比率以外の成長条件を変化させることなくAl組成変化率が一定のAlGaN層32を形成することが可能となる。
また、AlGaN層32のAl組成比が0.4より大きく、かつAlGaN層32の最大Al組成比が0.4より大きく1以下の場合、III族原料の比率以外の成長条件を変化させることなくAl組成変化率が一定のAlGaN層32を形成することが可能となる。
このように、AlGaN層32のAl組成比が0.4より高い方がAlGaN層32中の最大Al組成比を高くすることが出来るため、設計における自由度が高Al組成域へ広げることが可能である。これは、特に紫外線発光素子において波長を短くすることが出来、波長が短い素子においては特に重要である。
つまり、AlGaN層32のAl組成比が0.4より大きいことで、紫外線発光素子のp型半導体であるAlGaN層32を設計通りに形成することが出来る。
一方、Al組成比が0.2より小さく、かつAlGaN層32の最大Al組成比が0.5より大きい場合、AlGaN層32のAl組成変化率を一定にするためにはIII族原料の比率以外のパラメータを含む各パラメータ(温度、圧力、III/V原料比率)を薄膜成長中に変化させる必要が生じる。この場合、薄膜の成長の中断により、Al組成の変化率が不均一になる等の半導体の品質が劣化したり、薄膜の表面組成が変化したりする問題が生じる。
また、AlGaN層32は、Mgを含んでいる。Mgは、正孔をAlGaN層32中に生成するための不純物として機能する。
AlGaN層32におけるMgの濃度b1は、0cm−3よりも大きく7.0×1019×a1−2.0×1018cm−3よりも小さくなっている。AlGaN層32にMgが含まれていない場合又はMgの濃度が低い場合、AlGaN層32を形成するAlGaNにおけるAl組成比が傾斜していても窒化物半導体素子1が絶縁化する場合がある。AlGaN層32のAl組成比の組成傾斜率a1が0<a1<0.22の範囲では、Mg濃度が一般的なp型半導体におけるMg濃度よりも小さい場合に電流がより流れやすくなる。ここで、一般的なp型AlGaNにおけるMg濃度の最適値は、例えば1.0×1019cm−3以上3.0×1019cm−3以下の範囲である。発明者らの検討により、この理由は、Mgを含むことにより、ドナー性の欠陥(Nd)が生成し、このドナー性の欠陥により電子が生成することにより、この電子が分極ドーピングにより生成する正孔を相殺するためであることを突き止めた。Mg濃度b1が0cm−3よりも大きく7.0×1019×a1−2.0×1018cm−3よりも小さくなっている場合には、分極ドーピングにより正孔が生成している部分では正孔が電子で相殺され、絶縁化することを抑制させることができる。
また、Mgの濃度が0cm−3よりも大きい理由は、薄膜成長時の格子緩和により、AlGaN層32中での電子の生成をMg不純物の活性化により生成する正孔により相殺させることで絶縁化を抑制することにある。Al組成が傾斜するAlGaN層32中の下層と上層でa軸格子定数が異なる、特に、上層のa軸格子定数が下層のa軸格子定数より大きくなり格子緩和状態となる場合、分極ドーピングで正孔を生成するための条件である圧縮応力が働いていない箇所が存在していることを示している。この場合、圧縮応力が働いていない箇所では正孔が生成されないため、Mg不純物を含むことによる正孔生成が少なからず必要となってくる。このため、AlGaN層32には、上述した濃度範囲のMgが含まれていることが好ましい。
AlGaN中の最適なMg量を算出するために、薄膜シミュレーションソフトSiLENSe(STR Japan株式会社製)を用いて理論計算を行った。AlGaN層32におけるAl組成比の傾斜率とMg濃度は、以下の手順のシミュレーションにより好ましい範囲を設定した。
ここで、薄膜シミュレーションソフトへ入力した窒化物半導体素子の積層構造は以下の通りである。以下に示す構造は、下層から順に示している。
(構造)
・下部クラッド層:AlGaN、Al組成比55%、厚さ3μm、n型不純物(Si)ドープ
・発光層
下部ガイド層:AlGaN、Al組成比45%、厚さ150nm、アンドープ
井戸層:AlGaN、Al組成比35%、厚さ4nm、アンドープ
障壁層:AlGaN、Al組成比45%、厚さ8nm、アンドープ
井戸層:AlGaN、Al組成比35%、厚さ4nm、アンドープ
上部ガイド層:AlGaN、Al組成比45%、厚さ150nm、アンドープ
・電子ブロック層:AlGaN、Al組成比 AlGaN層の初端組成と同様、厚さ20nm、アンドープ
・AlGaN層(二層構造)
第一AlGaN領域:AlGaN、Al組成比x→45%(xを変化させている)、Al組成比の組成傾斜率a1、厚さ260nm、p型不純物(Mg)ドープ、n型不純物(Si)ドープ
第二AlGaN領域:AlGaN、Al組成比45→0%、厚さ75nm、p型不純物(Mg)ドープ、n型不純物(Si)ドープ
・第二窒化物半導体層:GaN、10nm、p型不純物(Mg)ドープ
ここで、上述したシミュレーション用の窒化物半導体素子の積層構造は、Al組成比傾斜率が異なる二層構造(第一AlGaN領域及び第二AlGaN領域)のAlGaN層を有している。本実施形態に係る窒化物半導体素子1では、薄膜シミュレーションソフトへ入力した窒化物半導体素子のAlGaN層のうち、第一AlGaN領域のAl組成比傾斜率をAlGaN層32のAl組成比の組成傾斜率a1とする。なお、第一AlGaN層、第二AlGaN層にはMg不純物由来のドナー性欠陥が生成していることをシミュレーションに反映させるために、Siを想定したn型不純物を以下に示す方法にて含む仮説を用いた。
(シミュレーションの手順)
(1)まず、薄膜シミュレーションソフトSiLENSeを用いて、薄膜構造の各層の0V(無電解)でのバンド計算を実施した。この際、n型不純物濃度をアクセプタ不純物濃度(Mg濃度に相当)の1/10に設定した。ドナー不純物濃度の設定は、Overview of carrier compensation in GaN layers grown by MOVPE: toward the application of vertical power devices(Tetsuo Narita et al, Japanese Journal of Applied Physics 59, SA0804, 2020)に記載に基づき、p型不純物のドープ量の10%の量を設定した。
(2)続いて、第一AlGaN領域の厚さ方向中央(第二AlGaN領域の下面から130nmの距離)での正孔密度のデータを抽出した。
(3)(2)において抽出した正孔密度が1×1017cm−3を超える値となるアクセプタ不純物濃度((1)において設定した濃度)を縦軸、第一AlGaN領域のAl組成比の組成傾斜率a1[Al%/nm]を横軸としたグラフを作成した。ここで、図3は、シミュレーションにより得たAl組成比の組成傾斜率a1とアクセプタ不純物濃度との関係を、丸印でプロットしたグラフである。
(4)(3)で得たAl組成比の組成傾斜率a1とアクセプタ不純物濃度との関係を示す直線を近似して、近似式を得た。図3に示すプロットを近似することにより、Mg濃度b1=7.0×1019×a1−2.0×1018の近似式Aを得た。最後に、図3に示すように、(3)で得た近似式Aを基準として正孔濃度が1.0×1017cm−3を超える範囲が、Mg濃度の好ましい範囲PRと考えられる。すなわち、第一AlGaN領域におけるMgの濃度b1は、0cm−3よりも大きく7.0×1019×a1−2.0×1018cm−3よりも小さくなっている場合に、正孔密度(グラフ中hで縦軸に表示)が1.0×1017cm−3を超える。このため、一般的に高電流密度を有する窒化物半導体素子の駆動に必要な正孔量を確保することが出来るために、絶縁化が生じにくくなる。
また、AlGaN層32の上端面(第二窒化物半導体層33との境界)において、AlGaN層32の下端面(電子ブロック層34との境界)からAlGaNが格子緩和していることが好ましい。ここで、「AlGaN層32の上端面において、AlGaN層32の下端面からAlGaNが格子緩和している」とは、AlGaN層32の上端面におけるa軸格子定数c2が、AlGaN層32の下端面におけるa軸格子定数c1よりも大きいことをいう。AlGaN層32の層内で格子緩和が起こると、AlGaN層32の下端面に近くAl組成比が比較的高い領域では正孔ガスが生成されやすい。しかし、AlGaN層32の上端面に近く、前述した格子緩和が生じた箇所では電子が生成される。しかし、AlGaN層32に所定量のMgを含むことにより、このMgが活性化することで、発生する電子をAlGaN層32の層内に生成する正孔で打ち消し、電流を流れやすくさせることができる。したがって、上端面におけるa軸格子定数c2が下端面におけるa軸格子定数c1よりも大きく、電子ガスが生成されやすいAlGaN層32では、所定量のMgを含むことで電流を流れやすくする効果をより向上させることができる。さらに、格子緩和させることにより薄膜中に必要以上の応力がかかることによる薄膜成長中のクラックの発生を抑制することが出来る。
AlGaN層32は、0nm超400nm未満の厚さを有していることが好ましい。AlGaN層32が400nm未満の場合、AlGaN層32の抵抗が低くなり、駆動電圧の増加による発熱量の増加を抑制して、窒化物半導体素子1の破壊が生じにくくなる。
窒化物半導体素子1がレーザダイオードである場合、AlGaN層32は、150nm以上400nm未満の厚さであることが好ましく、200nm以上400nm未満であることがさらに好ましい。AlGaN層32の厚さは、例えば260nmである。
また、窒化物半導体素子1が発光ダイオード(LED)等である場合、AlGaN層32は、0nm超150nm未満の厚さを有していても良い。窒化物半導体素子1が光閉じ込めの必要があるレーザダイオードである場合でも、AlGaN層32が薄くても高電流を流すことができる。一方、窒化物半導体素子1が発光ダイオードである場合、光閉じ込めの必要がない。このため、レーザダイオードの場合と比較してより薄いAlGaN層32であっても、高電流密度を実現する良好な素子を得ることができる。
また、AlGaN層32は、第二窒化物半導体層33側の面に突出部を備えていてもよい。この場合、AlGaN層32の電子ブロック層34側から突出部の先端に向けてAl組成比x1が傾斜していてもよい。AlGaN層32が突出部を有することにより、第一電極14から電子が注入される際に電流密度を向上させる効果がある。また、AlGaN層32が突出部を有することにより、AlGaN層32と第二窒化物半導体層33との接触面積を大きくすることができ、直列抵抗及び疑似エネルギー障壁を低減させることができるため、ショットキー成分の低減や、キャリア注入効率の向上を図ることができる。
ここで、AlGaN層32に設けられる突出部は、AlGaN層32よりも下方に位置するいずれかの層の凹凸に対応して形成されたものではない。すなわち、突出部が形成された部分のAlGaN層32の厚さは、突出部が形成されていない部分のAlGaN層32の厚さと比較して突出部の高さ分程度厚くなっている。このため、AlGaN層32よりも下層に突状部が形成されていた場合であっても、突出部は、平面視で下層の突状部とは異なる位置に形成されているか、又は下層の突状部の周期とは異なる周期で形成されている。
<第二窒化物半導体層>
第二窒化物半導体層33は、AlGaN層32よりも窒化物半導体活性層352から離れた領域であって、AlGaN層32の全面を被覆する被覆層である。第二窒化物半導体層33は、AlGaN層32よりもAl組成比が低いAlGaN又はGaNで形成されている。すなわち、第二窒化物半導体層33は、Alx3Ga(1−x3)N(0≦x3<x)で形成されている。
第二窒化物半導体層33の最上層がp型のGaN(p−GaN)である場合、第二窒化物半導体層33の上に配置される第一電極14とのコンタクト抵抗を下げることができるとともに、窒化物半導体素子1が対応可能な紫外光の波長範囲が広くなる。これは、第二窒化物半導体層33としてp−GaNを用いると、AlGaN層32のAlGaNのAl組成比を広く設計できるためである。
第二窒化物半導体層33は、複数の層を積層した構成であってもよい。この場合、上述した第二窒化物半導体層33のAl組成比は、最表層、すなわち第一電極14に接する表面での組成比を示す。
第二窒化物半導体層33は、Mgが例えば3×1019cm−3の濃度でドープされることでp型化したp型半導体層である。
ドーパントの濃度は、基板11の垂直方向に一定であっても、不均一であっても良い。基板11の面内方向に一定であっても、不均一であっても良い。
第二窒化物半導体層33は、AlGaNのAl組成比を傾斜させた構造を有していてもよい。例えば、第二窒化物半導体層33は、AlGaNのAl組成比が、AlGaN層32におけるAl組成比の最小値から連続的又は階段状に減少する層構造を有していてもよい。第二窒化物半導体層33が層構造を有する場合、第二窒化物半導体層33はアンドープ層であっても良い。
第二窒化物半導体層33は、最上層にドーピング濃度が高い層を更に有している積層構造であっても良い。第二窒化物半導体層33は、二層以上の積層構造であっても良い。その場合、キャリアを窒化物半導体活性層352へ効率よく運搬する目的で、Al組成比は上層に向かうほど小さくなることが好ましい。
第二窒化物半導体層33は、10nm超10μm未満の厚さを有することが好ましく、200nm以上10μm未満であることがより好ましく、500nm以上5μm以下であることがさらに好ましい。第二窒化物半導体層33の厚さが10nm超である場合、AlGaN層32表面の凹凸を比較的に均一に被覆することが出来、AlGaN層32と、AlGaN層32の上面に設けられた第二窒化物半導体層33との密着性が向上する。具体的には、AlGaN層32と第二窒化物半導体層33との界面において、第二窒化物半導体層33の被覆されない領域ができることを抑制することができる。このため、電流密度を向上させることができる。また、第一電極14から正孔が注入される際にAlGaN層32の一部に電流が集中することを抑制し、AlGaN層32の上面(第二窒化物半導体層33と対向する面)から均一に電流を注入することができる。また、第二窒化物半導体層33の厚さが0nm超の場合、AlGaN層32と第一電極14とが第二窒化物半導体層33を介して低抵抗で接続される。
また、第二窒化物半導体層33の厚さが10μm未満である場合、AlGaN層32形成時にクラックが生じにくくなるため好ましい。
さらに、第二窒化物半導体層33の厚さがこの範囲内にある場合、第二窒化物半導体層33の成長中の格子緩和による3次元成長を抑制し、第二窒化物半導体層33の表面を平坦化することが可能となる。このため、第二窒化物半導体層33と第一電極14との接触性が安定し、再現性の高い駆動電圧の低い窒化物半導体素子1を実現できる。
<リッジ部半導体層>
リッジ部半導体層17は、AlGaN層32の一部を含んで形成されている。リッジ部半導体層17は、AlGaN層32に形成された突出領域321aと、AlGaN層32と、第二窒化物半導体層33とを有している。リッジ部半導体層17がAlGaN層32の一部に形成されることにより、第一電極14から注入されるキャリアがリッジ部半導体層17中で基板11の水平方向に拡散することが抑制される。これにより、窒化物半導体活性層352での発光が、リッジ部半導体層17の下方に位置する領域(すなわちAlGaN層32の突出領域321aの下方に位置する領域)に制御される。その結果、窒化物半導体素子1は、高電流密度を実現し、レーザ発振の閾値を低減させることが可能になる。
リッジ部半導体層17の役割は、上述したように、電流の集中と基板11の水平方向の光の閉じ込めである。このため、リッジ部半導体層17は、必ずしもAlGaN層32の一部のみに形成される必要はない。リッジ部半導体層17は、発光部35を含んでいてもよく、AlGaN層32全体を含んでいてもよい。さらに、リッジ部半導体層17が存在しなくても良い。なお、リッジ部半導体層17が存在しない場合には、AlGaN層32は、AlGaN層32と同じ面積で形成される。また、第一電極14(詳細は後述)は、電流注入量を抑制するために、幅と長さを適切な大きさに設計すれば良い。
上述したように、リッジ部半導体層17は、第二電極15側に偏らせて配置されていている。リッジ部半導体層17が第二電極15に近付くことによって、窒化物半導体素子1中を流れる電流経路が短くなるので、窒化物半導体素子1中に形成される電流経路の抵抗値を下げることができる。これにより、窒化物半導体素子1の駆動電圧を低くすることができる。しかしながら、突出領域321a及びリッジ部半導体層17は、リソグラフィの再現性の観点から1μm以上メサ端(AlGaN層32の突出領域321aを除く領域の端部)より離れていることが好ましい。突出領域321a及びリッジ部半導体層17は、中央に配置されている側に片寄らせて形成されていてもよい。
<基板>
基板11は、例えばSi、SiC、MgO、Ga、Al、ZnO、GaN、InN、AlN、あるいはこれらの混晶等が挙げられる。基板11は、上層薄膜を支持し、結晶性を向上させ、さらに外部へ放熱する機能を有する。そのため、基板11としては、AlGaNを高品質で成長させることができ、熱伝導率の高いAlN基板を用いることが好ましい。基板の成長面は一般的に用いられる+c面AlNが低コストなため良いが、−c面AlNであっても、半極性面基板であっても、非極性面基板であっても良い。分極ドーピングの効果を大きくする観点からは、+c面AlNが好ましい。
基板11は、薄板の四角形状を有していることが組立上好ましいが、このような構成に限らない。また、基板11のオフ角は高品質の結晶を成長させる観点から0度より大きく2度より小さいことが好ましい。
基板11の厚さは、上層にAlGaN層を積層させる目的であるならば特に制限されないが、1μm以上50μm以下であることが好ましい。また、基板11の結晶品質には特に制限はないが、貫通転位密度が1×10cm−2以下であることが好ましく、1×10cm−2以下であることがより好ましい。これにより、基板11の上方に、高い発光効率を有する薄膜素子を形成することができる。
<AlN層>
AlN層30は、第一窒化物半導体層31よりも窒化物半導体活性層352から離れて、基板11の全面に形成されている。
AlN層30は、第一窒化物半導体層31との間の格子定数差及び熱膨張係数差が小さく欠陥の少ない窒化物半導体層をAlN層30上に成長させることができる。また、AlN層30は、圧縮応力下で第一窒化物半導体層31を成長させることができ、第一窒化物半導体層31にクラックの発生を抑制することができる。このため、基板11がAlN又はAlGaN等の窒化物半導体で形成されている場合でも、欠陥の少ない窒化物半導体層をAlN層30を介して基板11の上方に成長できる。
AlN層30には、C,Si,Fe、Mg等の不純物が混入されていてもよい。
基板11の形成材料としてAlNを用いた場合、AlN層30と基板11とが同一材料で形成されることから、AlN層30と基板11との境界が不明確となる。本実施形態では、基板11がAlNで形成されている場合には、基板11が基板11とAlN層30とを構成しているものと見做す。
AlN層30は、例えば数μm(例えば1.6μm)の厚さを有しているが、この値には限らない。具体的には、AlN層30の厚さは、10nmより厚く10μmより薄いことが好ましい。AlN層30の厚さが10nmより厚い場合、AlNの結晶性が高くなる。また、AlN層30の厚さが10μmより薄い場合、ウェハ全面に結晶成長により形成されたAlN層30にクラックが発生しにくくなる。また、AlN層30は、50nmより厚く5μmより薄いことがより好ましい。AlN層30の厚さが50nmより厚い場合、結晶性の高いAlNを再現良く作製することができる。また、AlN層30の厚さが5μmより薄い場合、AlN層30のクラックがより発生しにくくなる。
AlN層30は、第一窒化物半導体層31よりも薄く形成されているが、これに限らない。AlN層30が第一窒化物半導体層31よりも薄い場合、クラックが生じない範囲で第一窒化物半導体層31を厚くすることができる。この場合、第一窒化物半導体層31の薄膜積層の水平方向の抵抗が低減され、低電圧駆動の窒化物半導体素子1を実現することができる。窒化物半導体素子1の低電圧駆動が実現すると、発熱による高電流密度駆動下での破壊をより抑制することが可能となる。
なお、AlN層30は必ずしも設けられていなくても良い。
<第一窒化物半導体層>
第一窒化物半導体層31は、窒化物半導体活性層352を含む発光部35のAlGaN層32とは反対側の面に設けられた層である。AlGaN層32は、Si等のn型不純物をドープしたn型半導体である。第一窒化物半導体層31は、基板11の上方に配置された第一積層部311と、第一積層部311上に積層された第二積層部312とを有している。第二積層部312は、第二積層部312表面の一部に形成された突出領域312aを有している。第二積層部312は、第一積層部311の上面311aの一部に配置されている。このため、第一積層部311の上面311aには、第二積層部312が形成されていない領域と、第二積層部312が形成されている領域とが存在する。第一積層部311の上面311aのうち、第二積層部312が形成されていない領域には、第一積層部311と接続する第二電極15が設けられている。
なお、第二積層部312は、第一積層部311の上面311aの全面に積層されていてもよい。
第一積層部311及び第二積層部312は、いずれもAlGaNで形成されている。第一積層部311及び第二積層部312のそれぞれのAl組成比は、同一であっても良く、異なっていても良い。第一窒化物半導体層31のAl組成比は、断面構造のエネルギー分散型X線解析(EDX:Energy Dispersive X-ray spectroscopy)により特定することができる。第一窒化物半導体層31の断面は、集束イオンビーム(FIB:Focused Ion Beam)装置を用いてAlGaNのa面に沿う断面を露出させることで、観察することができる。断面の観察方法としては、透過型電子顕微鏡を用いる。観察する倍率は、測定する層の厚さに応じて変化させ、異なる厚さの第一窒化物半導体層31のスケールバーが互いに同程度となるように倍率を設定することが好ましい。例えば、厚さ100nmの第一窒化物半導体層31を観察する場合の倍率は、100000倍程度とすることが好ましい。また、厚さ100nmの第一窒化物半導体層31を観察する際の倍率を100000倍程度とした場合、厚さ1μmの第一窒化物半導体層31は、倍率10000倍程度で観察することが好ましい。これにより、異なる厚さの第一窒化物半導体層31を同程度のスケールで観察することができる。
Al組成比は、AlとGaのモル数の和に対するAlのモル数の比率と定義でき、具体的にはEDXから分析及び定量されたAl、Gaのモル数の値を用いて定義することができる。
第一積層部311は、例えばAlx5Ga(1−x5)N(0<x5<1)で形成されている。第一積層部311は、AlGaNに、III族元素としてAl、Ga以外の例えばBやInを含んでいてもよいが、BやInを含む箇所において欠陥の形成や耐久性の変化が生じるため、Al、Ga以外のIII族元素を含まないことが好ましい。
また、第一積層部311は、AlGaNとともに、P、As又はSbといったN以外のV族元素や、C、H、F、O、Mg、Si等の不純物が含まれていてもよい。
第二積層部312は、例えばAlx6Ga(1−x6)N(0≦x6≦1)で形成されている。第二積層部312を形成するAlGaNのAl組成比x6は、第一積層部311の上面311aにおけるAl組成比x5と同じであってもよく、小さくてもよい。これにより、第一積層部311と第二積層部312との積層界面での欠陥の発生を抑制することが可能となる。
また、第二積層部312は、AlGaNとともに、P、As、SbといったN以外のV族元素、In又はBといったIII族元素、又はC、H、F、O、Si、Cd、ZnもしくはBe等の不純物が含まれていてもよい。
本開示において、第一積層部311及び第二積層部312はn型半導体である。第一積層部311及び第二積層部312は、AlGaNに対して例えばSiが1×1019cm−3の濃度でドープされることでn型化している。不純物濃度は、層全体で一様であっても、不均一であっても良く、また厚さ方向にのみ不均一でも、基板水平方向にのみ不均一であっても良い。
第一積層部311と第二電極15の間は直接接触していても、トンネル接合のように異なる層を介して接続していても良い。n型半導体で構成された第一窒化物半導体層31が第二電極15とトンネル接合されている場合、第一窒化物半導体層31と第二電極15との間にはp型半導体が設けられる。このため、第二電極15は、p型半導体とオーミック接合可能な材料で形成されることが好ましい。第二電極15は、例えばNiとAuの積層電極あるいは合金化した金属で形成された電極であることが好ましい。
第二積層部312は、後述するAlGaN層32とPNダイオードを作製する観点から、+c面サファイアを用いたn型半導体となっている。AlGaN層32は、AlGaN層32の厚さ方向でAl組成比x1が減少するAlGaNを用いる。このため、第二積層部312として+c面サファイアを用いることで、AlGaN層32は分極によりp型半導体となっている。
第一積層部311の厚さは、特に制限されないが、例えば、100nm以上10μm以下であることが好ましい。第一積層部311の厚さが100nmである場合、第一積層部311の抵抗が低減する。第一積層部311の厚さが10μm以下である場合、第一積層部311の形成時のクラックの発生が抑制される。
第二積層部312の厚さは、特に制限されないが、例えば、100nm以上10μm以下であることが好ましい。第二積層部312の厚さが100nm以上である場合、第二積層部312の抵抗が低減する。第二積層部312の厚さが10μm以下である場合、第二積層部312の形成時のクラックの発生が抑制される。
<発光部>
発光部35は、窒化物半導体活性層352と、窒化物半導体活性層352の一方の面に設けられた下部ガイド層351と、窒化物半導体活性層352の他方の面に設けられた上部ガイド層353とを備えている。下部ガイド層351は、第一窒化物半導体層31と窒化物半導体活性層352との間に設けられている。上部ガイド層353は、窒化物半導体活性層352とAlGaN層32との間に設けられている。
(下部ガイド層)
下部ガイド層351は、第一窒化物半導体層31の第二積層部312の上に形成されている。下部ガイド層351は、窒化物半導体活性層352で発光した光を発光部35に閉じ込めるために、第二積層部312と屈折率差を設けている。下部ガイド層351は、例えばAlN、GaNの混晶により形成されている。下部ガイド層351は、具体的には、Alx7Ga(1−x7)N(0<x7<1)により形成される。
また、下部ガイド層351を形成する材料には、P、As又はSbといったN以外のV族元素や、In又はBといったIII族元素、C、H、F、O、Si、Cd、Zn又はBe等の不純物が含まれていてもよい。
下部ガイド層351のAl組成比x7は、断面構造のエネルギー分散型X線解析(EDX)により特定することが出来る。Al組成比x7は、AlとGaのモル数の和に対するAlのモル数の比率と定義でき、具体的にはEDXから分析及び定量されたAl、Gaのモル数の値を用いて定義することができる。下部ガイド層351のAl組成比x7は、第二積層部312のAl組成比x6よりも小さくてもよい。これにより、下部ガイド層351は、第二積層部312よりも屈折率が大きくなり、窒化物半導体活性層352で発光した光を発光部35に閉じ込めることが可能となる。
下部ガイド層351がn型半導体である場合、AlGaNに対してドーパントであるSiが1×1019cm−3の濃度でドープされることで、下部ガイド層351がn型化する。下部ガイド層351がp型半導体である場合、AlGaNに対してドーパントであるMgが3×1019cm−3の濃度でドープされることで、下部ガイド層351がp型化する。下部ガイド層351は、ドーパントとしてのSi、Mgを含まないアンドープ層でもよい。
(窒化物半導体活性層)
窒化物半導体活性層352は、窒化物半導体素子1の発光が得られる発光層である。
窒化物半導体活性層352は、例えばAlN、GaN、及びその混晶により形成される。より具体的に、窒化物半導体活性層352は、例えばAlx8Ga(1−x8)N(0≦x8≦1)で形成される。窒化物半導体活性層352におけるAl組成比x8は、下部ガイド層351のAl組成比x7よりも小さいことが好ましい。これにより、第一電極14及び第二電極15から注入したキャリアを効率よく発光部35に閉じ込めることができる。
窒化物半導体活性層352は、P、As又はSbといったN以外のV族元素や、In又はBといったIII族元素、C、H、F、O、Si、Cd、Zn又はBe等の不純物が含まれていてもよい。
窒化物半導体活性層352がn型半導体である場合、AlGaNに対してドーパントであるSiが1×1019cm−3の濃度でドープされることで、窒化物半導体活性層352がn型化する。窒化物半導体活性層352がp型半導体である場合、AlGaNに対してドーパントであるMgが3×1019cm−3の濃度でドープされることで、窒化物半導体活性層352がp型化する。窒化物半導体活性層352は、ドーパントとしてのSi、Mgを含まないアンドープ層でもよい。
窒化物半導体活性層352は、図示しない井戸層と、井戸層に隣接して設けられ障壁層とを有する。窒化物半導体活性層352は、井戸層と障壁層とが1つずつ交互に積層された多重量子井戸(MQW:Multiple Quantum Well)構造を有していてもよい。窒化物半導体素子1は、単一井戸構造の窒化物半導体活性層352を有することにより、1つの井戸層内のキャリア密度を増加させることができる。一方、窒化物半導体活性層352は、例えば「障壁層/井戸層/障壁層/井戸層/障壁層」という二重量子井戸構造、又は三重以上の量子井戸構造を有していても良い。窒化物半導体素子1は、多重量子井戸構造の窒化物半導体活性層352を有することにより、窒化物半導体活性層352の発光効率や発光強度の向上を図ることができる。二重量子井戸構造の場合、井戸層の厚さは例えば4nmであってよく、障壁層の厚さは例えば8nmであってよく、窒化物半導体活性層352の厚さは32nmであってもよい。
井戸層のAl組成比は、下部ガイド層351及び上部ガイド層353のそれぞれのAl組成比よりも小さい。また、井戸層のAl組成比は、障壁層のAl組成比よりも小さい。また、障壁層のAl組成比は、下部ガイド層351及び上部ガイド層353のそれぞれのAl組成比と同一であってもよく、異なっていても良い。なお、井戸層及び障壁層の平均のAl組成比が窒化物半導体活性層352全体のAl組成比となる。
井戸層及び障壁層のAl組成比は断面構造のエネルギー分散型X線解析(EDX)により特定することが出来る。Al組成比は、AlとGaのモル数の和に対するAlのモル数の比率と定義でき、具体的にはEDXから分析及び定量されたAl、Gaのモル数の値を用いて定義することができる。
(上部ガイド層)
上部ガイド層353は、窒化物半導体活性層352の上に形成されている。上部ガイド層353は、窒化物半導体活性層352で発光した光を発光部35に閉じ込めるために、第二窒化物半導体層33と屈折率差を設けている。上部ガイド層353は、例えばAlN、GaN、及びその混晶により形成されている。上部ガイド層353は、具体的には、Alx9Ga(1−x9)N(0≦x9≦1)により形成される。
また、上部ガイド層353を形成する材料には、P、As又はSbといったN以外のV族元素や、In又はBといったIII族元素、C、H、F、O、Si、Cd、Zn又はBe等の不純物が含まれていてもよい。
上部ガイド層353のAl組成比x9は、断面構造のエネルギー分散型X線解析(EDX)により特定することができる。Al組成比x9は、AlとGaのモル数の和に対するAlのモル数の比率と定義でき、具体的にはEDXから分析及び定量されたAl、Gaのモル数の値を用いて定義することができる。上部ガイド層353のAl組成比x9は、井戸層のAl組成比よりも大きくてもよい。これにより、窒化物半導体活性層352へキャリアを閉じ込めることが可能となる。
上部ガイド層353がn型半導体である場合、AlGaNに対して例えばSiが1×1019cm−3の濃度でドープされることで、上部ガイド層353がn型化する。上部ガイド層353がp型半導体である場合、AlGaNに対して例えばMgが3×1019cm−3の濃度でドープされることで、上部ガイド層353がp型化する。上部ガイド層353は、アンドープ層でもよい。
<電子ブロック層>
電子ブロック層34は、発光部35とAlGaN層32との間に設けられている。電子ブロック層34は、第一窒化物半導体層31側から流入されて窒化物半導体活性層352に注入されなかった電子を反射して窒化物半導体活性層352に注入することができる。窒化物半導体活性層352に注入されなかった電子は、例えば、AlGaN層32におけるホール濃度が低い場合に、窒化物半導体活性層352に注入されずにAlGaN層32側に流れてしまう電子である。電子がAlGaN層32側に流れると、窒化物半導体活性層352への電子の注入効率が低下するので、発光効率を十分に向上させることが困難になる。電子ブロック層34を設けることにより、窒化物半導体活性層352への電子の注入効率が向上し、発光効率の向上を図ることができる。
電子ブロック層34は、例えばAlGaNで形成されている。より具体的に、電子ブロック層34は、Alx4Ga(1−x4)Nで形成されている。電子ブロック層34におけるAlの組成比x4は、例えばAlGaN層のAl組成比x1と同等かそれ以上であることが好ましい。電子ブロック層34は、Mgが注入されたp型半導体であることが好ましい。Mgは、例えば1×1018cm−3の不純物濃度で電子ブロック層34に注入されている。これにより、電子ブロック層34は、p型化されてp型半導体に構成される。電子ブロック層34はMgが添加されていなくても良い。電子ブロック層34にMgが添加されていない場合、電子ブロック層34の導電性は低下するが、特にレーザダイオードにおいては吸収による内部ロスの増加を抑制することができるため、閾値電流密度Jthを下げることが可能である。
電子ブロック層34は、電子をブロックする観点からはできるだけバリア高さが高いことが要求される。しかしながら、バリア高さを高くしすぎると、素子抵抗が高くなり、窒化物半導体素子1の駆動電圧の増加、窒化物半導体素子1を破壊しない範囲で到達し得る最大電流密度の低下を引き起こす。このため、電子ブロック層34のAl組成比は、窒化物半導体活性層352のAl組成比よりも0.3以上0.55未満高いことが好ましい。電子ブロック層34のAl組成比が窒化物半導体活性層352のAl組成比よりも0.3以上高い場合、素子の導通が好適に維持される。また、電子ブロック層34のAl組成比が窒化物半導体活性層352のAl組成比よりも0.55未満高い場合、素子抵抗の増加が抑制される。
電子ブロック層34の厚さは、0nm以上50nm以下であることが好ましく、0nm以上30nm以下であることがより好ましく、2nm以上20nm以下であることがさらに好ましい。すなわち、電子ブロック層34が設けられていなくても良い。電子ブロック層34の厚さが50nm以下の場合、窒化物半導体素子1は、素子抵抗が低く低電圧駆動が可能となる。また、電子ブロック層34の厚さが小さいほど窒化物半導体素子1の素子抵抗を下げることができるため、電子ブロック層34の厚さは小さい程好ましい。また、電子ブロック層34の厚さが2nm以上の場合、電子ブロックの効果を発揮し内部効率を向上できるため、発光出力向上の観点からは好ましい。
電子ブロック層34は、窒化物半導体活性層352と上部ガイド層353との間に配置されてもよい。また、電子ブロック層34は、下部ガイド層351中に下部ガイド層351を分割するように配置されてもよい。また、電子ブロック層34は、下部ガイド層351と窒化物半導体活性層352との間に配置されてもよい。電子ブロック層34は、複数層で形成されていても良い。電子ブロック層34は、単一Al組成で形成されていてもよく、Al組成が高組成と低組成を繰り返す超格子構造であっても良い。
<第一電極>
第一電極14は、リッジ部半導体層17上、すなわちリッジ部半導体層17の最上層である第二窒化物半導体層33上に形成されている。
第一電極14は、p型半導体層である第二窒化物半導体層33上に形成されることから、p型電極となるように形成されている。第一電極14は、第一電極14が窒化物半導体素子1に正孔(ホール)を注入する目的で用いられ、一般的な窒化物半導体素子のp型電極材料により形成される。例えば、第一電極14は、Ni、Au、Pt、Ag、Rh、Pd、Cu又はその合金、又はITO等により形成され、特にNi、Au若しくはこれらの合金、又はITOであることが好ましい。第一電極14とリッジ部半導体層17とのコンタクト抵抗が小さくなるためである。
第一電極14は、第一電極14の全域に電流を均等に拡散させる目的で、上部にパッド電極(第一パッド電極)を有していてもよい。パッド電極は、例えばAu、Al、Cu、Ag又はW等により形成され、導電性の観点からAuで形成されることが好ましい。また、第一電極14は、例えばNi及びAuの合金で形成された第一コンタクト電極をリッジ部半導体層17上に形成し、Auで形成された第一パッド電極を第二コンタクト電極上に形成した構成であっても良い。
第一電極14は、例えば240nmの厚さに形成されている。
第一電極14は、レーザダイオードの場合には短辺の長さが10μm未満であり長辺の長さが1000μm以下の長方形状を有し、第二窒化物半導体層33に積層されているとよい。発光ダイオードの場合には、様々な形状が想定されるが、例えば50μm×200μmの長方形の形状等が想定される。第一電極14のリッジ部半導体層17側の面は、ほぼ同じ形状を有している。第一電極14とリッジ部半導体層17との接触面が互いに同じ形状を有することにより、第一電極14から注入されるキャリアがリッジ部半導体層17中で基板11の水平方向に拡散することが抑制され、窒化物半導体活性層352での発光を制御することができる。
<第二電極>
第二電極15は、第一窒化物半導体層31の第二積層部312上に形成されている。
第二電極15は、n型半導体層である第一窒化物半導体層31上に形成されることから、n型電極となるように形成されている。第二電極15は、第二電極15が第一窒化物半導体層31に電子を注入する目的で用いられるのであれば、一般的な窒化物半導体発光素子のn型電極材料により形成される。例えば、第二電極15は、Ti、Al、Ni、Au、Cr、V、Zr、Hf、Nb、Ta、Mo、W若しくはその合金、又はITO等により形成される。
第二電極15は、第二電極15の全域に電流を均等に拡散させる目的で、上部にパッド電極(第二パッド電極)を有していてもよい。パッド電極は、第一電極14のパッド電極と同様の材料、構成とすることができる。
第二電極15は、例えば60nmの厚さに形成されている。本開示では、第二電極15は、第一電極14と異なる厚さに形成されているが、第一電極14と同じ厚さに形成されていてもよい。
(共振器面)
窒化物半導体素子1がレーザダイオードに適用される場合、共振器面の形成が必要である。共振器面16aは、第一窒化物半導体層31の第二積層部312、発光部35、電子ブロック層34、AlGaN層32及び第二窒化物半導体層33のそれぞれの側面によって形成される同一平面で構成されている。共振器面16aは、図1において輪郭が太線によって図示されている面である。
また、裏側共振器面16bは、共振器面16aに対向する側面であって、第一窒化物半導体層31の第二積層部312、発光部35、電子ブロック層34、AlGaN層32及び第二窒化物半導体層33のそれぞれの側面によって形成される同一平面で構成されている。裏側共振器面16bは、図1において輪郭の一部が太線によって図示されている面である。
共振器面16a及び裏側共振器面16bは、発光部35の発光を反射させることを目的として設けられている。共振器面16a及び裏側共振器面16bで反射した光を発光部35に閉じ込めるために、共振器面16a及び裏側共振器面16bは、対を成して備えられている。共振器面16aは、例えば窒化物半導体素子1の光の出射側となる。共振器面16a及び裏側共振器面16bにおいて、発光部35からの発光を反射させるために、共振器面16a及び裏側共振器面16bは、発光部35と上部ガイド層353との接触面に対して垂直かつ平坦であってもよい。しかしながら、共振器面16a及び裏側共振器面16bは、全体にあるいは部分的に傾斜部あるいは凹凸部を有していてもよい。
共振器面16a及び裏側共振器面16bの表面には、誘電体多層膜等の絶縁保護膜及び反射膜が形成されていてもよい。具体的には、絶縁保護膜は、SiOで形成されていてよく、その他にAl、SiN、SnO、ZrO又はHfO等で形成されていてもよい。また、絶縁保護膜は、これらの材料が積層された構造を有していてもよい。絶縁保護膜は、窒化物半導体素子1の光の出射側となる共振器面16aと、光の出射側にならない反射側の裏側共振器面16bの両方の表面に形成されていてもよい。光の出射側の共振器面16aに形成された絶縁保護膜と、光の反射側の裏側共振器面16bに形成された絶縁保護膜は、同じ構造を有していてもよいし、異なる構造を有していてもよい。
(製造方法)
電子ブロック層34及びAlGaN層32は、次のようにして作製することができる。例えば、有機気相成長装置(MOVPE装置)を用いて、原料ガスである、TMG(トリメチルガリウム)の流量を連続的に増加させて、TMA(トリメチルアルミニウム)の流量を連続的に減少させながらアンモニアガスを同時に流してAlGaNを成長させる。このとき、AlGaNの成長時間を調整することで、電子ブロック層34及びAlGaN層32の厚さを調整することができる。
これにより、AlGaNのAl組成比が変化した組成変化層を作製することができる。この際、CpMg(シクロペンタジエニルマグネシウム)をアンモニアガスと同時に流すことで、不純物としてAlGaN中にMgを添加することができる。
(測定方法)
本実施形成における材料及び組成の特定は、エネルギー分散型X線分析(EDX:Energy dispersive X-ray spectrometry)で実施する。各層の積層方向と垂直な断面を分割及び研磨あるいは集束イオンビーム(FIB:Focused Ion Beam)加工し、その断面を透過電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)を用いて観察することで各層の配置を明確化し、点分析が可能なエネルギー分散型X線分析(EDX:Energy dispersive X-ray Spectrometry)で同定する。また、半導体薄膜の膜厚は、薄膜積層方向と垂直な断面を分割及び研磨あるいは集束イオンビーム加工し、その断面を透過電子顕微鏡観察することによって測長する。
<第一実施形態の効果>
第一実施形態に係る窒化物半導体素子は、以下の効果を有する。
(1)本実施形態に係る窒化物半導体素子は、窒化物半導体活性層352よりも上方に形成され、窒化物半導体活性層352から離れる方向に向かってAl組成比が減少するAlGaNで形成されたAlGaN層を有している。
これにより、高電流下あるいは高電流密度で素子を駆動することができる。
(2)本実施形態に係る窒化物半導体素子は、AlGaN層がMgを含み、AlGaN層におけるAl組成比の組成傾斜率a1が0Al%/nmよりも大きく0.22Al%/nmよりも小さく、AlGaN層におけるMgの濃度b1が0cm−3よりも大きく7.0×1019×a1−2.0×1018cm−3よりも小さい第一AlGaN領域を有している。
これにより、窒化物半導体素子を絶縁化あるいは高抵抗化させることを抑制することができる。
(3)本実施形態に係る窒化物半導体素子は、上端面におけるa軸格子定数c2が下端面におけるa軸格子定数c1よりも大きいAlGaN層を備えている。
これにより、所定量のMgを含むことで格子緩和が生じるほどAlGaN層が厚くても、あるいはAlGaN層中のAl組成の変化が大きくても、電流を流れやすくする効果をより向上させることができる。
(4)本実施形態に係る窒化物半導体素子は、第二窒化半導体層側の面に突出部を有していても良い。
この場合、AlGaN層と第二窒化物半導体層との接触面積が増加し、高電流密度での素子の駆動ができる。
2.第二実施形態
以下、第二実施形態に係る窒化物半導体素子2について、図4及び図5を用いて説明する。窒化物半導体素子2は、窒化物半導体素子1と同様の紫外光を発光可能な素子である。
図4に示すように、窒化物半導体素子2は、基板11と、AlN層30と、第一窒化物半導体層31と、発光部35と、電子ブロック層34と、AlGaN層132と、第二窒化物半導体層33とがこの順に積層されている。AlGaN層132は、Al組成比が異なる複数の領域を有している。また、窒化物半導体素子2は、第二窒化物半導体層33に接触して設けられた第一電極14と、第一窒化物半導体層31の一部に接触して設けられた第二電極15と、を備えている。すなわち、窒化物半導体素子2は、AlGaN層32に替えて、Al組成比が異なる複数の領域を有するAlGaN層132を備えている点で、第一実施形態に係る窒化物半導体素子1と相違する。
以下、AlGaN層132について説明する。本実施形態に係る窒化物半導体素子2では、Al組成比が異なる2層の領域である第一AlGaN領域321及び第二AlGaN領域322を有するAlGaN層132を有する場合について説明する。
なお、AlGaN層132以外の基板11、AlN層30、第一窒化物半導体層31、電子ブロック層34、発光部35及び第二窒化物半導体層33については、第一実施形態で説明した各部の構成と同様であるため説明を省略する。また、第一電極14及び第二電極15についても第一実施形態で説明した各部の構成と同様であるため説明を省略する。
(第一AlGaN領域)
図5に示すように、第一AlGaN領域321は、第一実施形態に係る窒化物半導体素子1のAlGaN層32と同様の構成とすることができる。すなわち、第一AlGaN領域321は、Mgを含み、窒化物半導体活性層352から離れる方向に向かってAl組成比が減少するAlGaNで形成されたp型半導体である。第一AlGaN領域321では、Al組成比の組成傾斜率a1が0Al%/nmよりも大きく0.22Al%/nmよりも小さくなっている。すなわち、Al組成比の組成傾斜率a1は、0<a1<0.22となっている。
また、第一AlGaN領域321は、正孔を第一AlGaN領域321中に生成するための不純物であるMgを含んでいる。第一AlGaN領域321におけるMgの濃度b1は、0cm−3よりも大きく7.0×1019×a1−2.0×1018cm−3よりも小さくなっている。
窒化物半導体素子2は、窒化物半導体素子1のAlGaN層32を第一AlGaN領域321とし、第一AlGaN領域321と第二窒化物半導体層33との間に、本実施形態で説明する第二AlGaN領域322を有する構成とすることができる。
(第二AlGaN領域)
第二AlGaN領域322は、第一AlGaN領域321よりも上方、すなわち窒化物半導体活性層352から離れた位置に形成された領域であり、AlGaNで形成されている。
図5に示すように、第二AlGaN領域322は、Mgを含み、第一AlGaN領域から離れる方向に向かってAl組成比が減少するAlGaNで形成されたp型半導体である。第二AlGaN領域322におけるAl組成比の組成傾斜率a2は、第一AlGaN領域321における組成傾斜率a1よりも大きくなっている。これにより、第二AlGaN領域322から第一AlGaN領域321へ効率的に電流を流すことが可能となる。第一AlGaN領域321におけるAl組成比x1は、この範囲内であれば、第一AlGaN領域321の厚さ方向全域において一定の変化率で減少しても良く、位置によって異なる変化率で減少していても良い。
また、第二AlGaN領域322におけるMgの濃度b2は、第一AlGaN領域321におけるMgの濃度b1よりも大きくなっている。Al組成比が第二AlGaN領域322よりも高い第一AlGaN領域321では、第二AlGaN領域322よりもMg不純物の活性化エネルギーが大きく、Mg添加による正孔の生成量が第二AlGaN領域322と比較して少なくなる。一方、第二AlGaN領域322では、第一AlGaN領域321よりもAl組成が低いAlGaNを用いているため、Mg不純物による正孔生成の活性化エネルギーが小さく、Mg添加による正孔の生成量が多くなる。これにより、上述したMg不純物由来のドナー性欠陥で生成する電子を、第二AlGaN領域322の層内においてMgの活性化により生成する正孔で打ち消し、電流を流れやすくさせることができる。Mg濃度が所定の範囲にある場合には、上述したように格子緩和により電子が生成されるが、これをMg不純物の活性化により生成する正孔で相殺することができ、かつ分極ドーピングにより正孔が生成している部分では正孔が電子で相殺されることを抑制させることができる。この格子緩和は、薄膜成長において上層である第二AlGaNの方が第一AlGaNよりも発生しやすい。さらに、第二AlGaNの方が第一AlGaNよりもAl組成比が小さいので、Mg不純物による活性化エネルギーも小さく、Mg不純物による正孔生成量も多い。そのため、第二AlGaNは第一AlGaNよりもMg不純物濃度が高い方が好ましい。
また、第二AlGaN領域322の上端面におけるa軸格子定数c4は、第一AlGaN領域321との境界面である第二AlGaN領域322の下端面におけるa軸格子定数c3よりも大きくてもよい。格子緩和させることにより第二AlGaN領域322に応力がかかりすぎることによるクラックの発生を抑制することができる。一方で、格子緩和させることで引っ張り応力が働き、電子が局所的に生成する。この電子を相殺する目的で、Mgを所定の濃度含むことが良い。Mgを所定の濃度含むことで、Mgの活性化により正孔が少なからず生成し、電子と相殺されることでp型の導電性が保持される。
格子整合している第一AlGaN領域321では、Mgの添加量をなるべく少なくして電気特性を確保することが好ましい。一方、格子緩和している第二AlGaN領域322では、Mgの添加量を第一AlGaN領域321における添加量よりも多くすることで、分極により発生する電子ガスをMg不純物の活性化により生成する正孔により相殺し、かつより多くの正孔を生成することでp型の導電性を有する。これにより、第一AlGaN領域321及び第二AlGaN領域322のいずれの層でも高濃度の正孔を生成することができるため、高電流を流すことができるとともに、窒化物半導体素子2の絶縁化を生じにくくなる。
より具体的に、第二AlGaN領域322は、Alx2Ga(1−x2)Nで形成されている。第二AlGaN領域322におけるAlの組成比x2は、例えば0<x2≦0.45であることが好ましい。すなわち、第二AlGaN領域322のAl組成比x2は、窒化物半導体活性層352から離れる方向に向かって0.45からほぼ0まで変化してもよい。第二AlGaN領域322が上端面に向かってAl組成比が減少するAlGaNで形成された場合、第二窒化物半導体層33を構成するAlGaNとの障壁を顕著に低下させることができる。このため、第二AlGaN領域322と第二窒化物半導体層33との間の抵抗をより低下させるとともに、ショットキー障壁が低減し、キャリア注入効率がより向上する。
第二AlGaN領域322では、第一AlGaN領域321よりも平均のAl組成比が低くなるように形成されることが好ましい。これにより、電極から活性層へ効率良く電流を流すことが可能である。
第二AlGaN領域322を構成するAlGaNは、P、As又はSbといったN以外のV族元素、又はC、H、F、O、Si、Cd、ZnもしくはBe等の不純物が含まれていてもよい。
また、第二AlGaN領域322を構成するAlGaNは、p型半導体のドーパントとしてMgを含んでいる。第二AlGaN領域322は、連続的にAl組成比x2が減少する領域であり、+c面成長の際には分極により第二AlGaN領域322中に正孔が発生する。
第一AlGaN領域321と第二AlGaN領域322との間に例えば組成が一定のAlNとGaNの混晶であるAlGaN層を含んでいても良い。
また、第二AlGaN領域322は、第二窒化物半導体層33側の面に突出部を備えていてもよい。この場合、第二AlGaN領域322の第一AlGaN領域321側から突出部の先端に向けてAl組成比x2が傾斜していてもよい。第二AlGaN領域322が突出部を有することにより、第一電極14から電子が注入される際に電流密度を向上させる効果がある。また、第二AlGaN領域322が突出部を有することにより、第二AlGaN領域322と第二窒化物半導体層33との接触面積を大きくすることができ、直列抵抗及び疑似エネルギー障壁を低減させることができるため、ショットキー成分の低減や、キャリア注入効率の向上を図ることができる。
<第二実施形態の効果>
第二実施形態に係る窒化物半導体素子は、第一実施形態に記載の(1)〜(4)の効果に加えて、以下の効果を有する。
(5)本実施形態に係る窒化物半導体素子は、Al組成比の組成傾斜率a2が第一AlGaN領域321における組成傾斜率a1よりも大きい第二AlGaN領域を備えている。
これにより、第二AlGaN領域から第一AlGaN領域へ効率的に電流を流すことが可能となる。ここで、「効率的」とは、キャリア注入効率を向上させることによる発光素子における発光効率を高くすることができること、レーザダイオードにおいて発振閾値を低くすることができること、受光素子において素子抵抗を小さくできることをいう。
(6)本実施形態に係る窒化物半導体素子は、第二AlGaN層におけるMgの濃度b2が、第一AlGaN層におけるMgの濃度b1よりも大きくなっている。
これにより、格子緩和によりAlGaN中で電子が生成する箇所があったとしてもMg不純物の活性化による正孔の生成により電子を相殺することが出来、高電流駆動下でも素子破壊が無く、素子の駆動効率(発光効率や電力変換効率)を高くすることが出来る。
以下、本開示に係る窒化物半導体素子について、実施例を挙げて説明する。
実施例では、第二実施形態で説明した構成の窒化物半導体素子を作製し、電気特性を評価した。
各実施例における窒化物半導体素子(図3参照)の基本構成を以下に示す。
なお、例えば以下に示す組成におけるAlx→yとの記載は、層内の下層側から上層側に向けてAlの組成がxからyに徐々に変化した構成を示す。
(基本モデル)
基板の上面にAlN層、第一窒化物半導体層、下部ガイド層、窒化物半導体活性層及び上部ガイド層を含む発光部、電子ブロック層、第一AlGaN領域及び第二AlGaN領域を含むAlGaN層、被覆層である第二窒化物半導体層を形成した。続いて、第二窒化物半導体層に接触して設けられた第一電極と、第一窒化物半導体層の一部に接触して設けられた第二電極と、を形成した。ここで、各層は以下の構成で形成した。
・基板:サファイア基板
・AlN層:厚さ 1.6μm
・第一窒化物半導体層:組成 n−Al0.55Ga0.45N、厚さ 3μm
・下部ガイド層及び上部ガイド層:組成 u−Al0.45Ga0.55N、厚さ 各150nm
・窒化物半導体活性層(二重量子井戸構造)
井戸層:組成 Al0.35Ga0.65N、厚さ 4nm
障壁層:組成 Al0.45Ga0.55N、厚さ 8nm
・電子ブロック層:組成 u−AlGa1−xN、厚さ 20nm
・組成変化層(二層構造)
第一組成変化領域:組成 p−Alx→0.45Ga(1−x)→0.55N(xは第一組成変化領域の初端組成)、厚さ 260nm
第二組成変化領域:組成 p−Al0.45→0Ga0.55→1N、Mg濃度 2.0×1019cm−3、厚さ 75nm
・第二窒化半導体層:組成 p−GaN、厚さ10nm
・リッジ幅:5μm
・p型電極幅:3μm
<サンプル1>〜<サンプル4>
表1に示すように、第一組成変化層におけるAlの初端組成xを1.0,0.9,0.7,0.6と変化させ、かつ終端組成を0.45で固定し、Alの組成傾斜率を変化させた。また、第一組成変化層におけるMg濃度を1.0×1019cm−3と一定とした。
また、第二組成変化層におけるAlの初端組成を0.45、終端組成を0とすることで、Alの組成傾斜率を第一組成変化層の組成傾斜率よりも高い0.6とした。さらに、第二組成変化層におけるMg濃度を、第一組成変化層のMg濃度よりも高い2.0×1019cm−3とした。
これにより、第一組成変化領域におけるAl組成の傾斜率が異なり、かつ第二組成変化層におけるAlの組成傾斜率が第一組成変化層におけるAlの組成傾斜率よりも高く、第二組成変化層におけるMg濃度が第一組成変化層におけるMg濃度よりも高いサンプル1〜4の窒化物半導体素子とした。
<サンプル5>〜<サンプル7>
表1に示すように、Mg濃度を2.0×1017cm−3とした以外はサンプル2〜4と同様にして、サンプル5〜7の窒化物半導体素子とした。
これにより、第一組成変化領域におけるAl組成の傾斜率が異なり、かつ第二組成変化層におけるAlの組成傾斜率が第一組成変化層におけるAlの組成傾斜率よりも高く、第二組成変化層におけるMg濃度が第一組成変化層におけるMg濃度よりも高いサンプル1〜4の窒化物半導体素子とした。
<評価>
以上のような基本モデルの各窒化物半導体素子について、パルス電流を流した際の電流−電圧(IV)特性を評価した。このとき、電流−電圧特性は、以下の条件で測定した。
パルス幅:50nsec
デューティ比:0.0001
以下の表1に、各サンプルの構成と電流−電圧特性の評価結果を示す。表1には、第一実施形態で説明した近似式AとAl組成比の傾斜率とから求めた、Mg濃度の好適範囲の上限値も併せて記載している。また、図6にサンプル1〜4の電流−電圧特性を、図7にサンプル5〜7の電流−電圧特性を示す。
Figure 2021190687
表1に示すように、サンプル1,2及びサンプル5〜7の窒化物半導体素子の第一組成変化領域は、第一実施形態で説明したMg濃度の好適な範囲の上限を超えない濃度のMgを含んでいる。このため、図6及び図7に示すように、サンプル1,2及びサンプル5〜7の窒化物半導体素子に電流を流した際に電圧が上昇し、電流が200mA以上まで流れるという結果が得られた。特に、サンプル2及びサンプル5〜7の窒化物半導体素子電流が400mA以上まで流れるという結果が得られた。
一方、第一実施形態で説明したMg濃度の好適な範囲の上限を超える濃度のMgを含む第一組成変化領域を有するサンプル3,4の窒化物半導体素子では、図6に示すように、30mA以下程度の電流しか流れないという結果が得られた。すなわち、第一組成変化領域の初端組成を低くすることでAlの組成傾斜率が低くなり、Mg濃度が好適な範囲を超えると、第一組成変化領域が絶縁化するという結果が得られた。
また、サンプル3,4と、サンプル6,7との比較から分かるように、Mg濃度が好適な範囲にあるサンプル6,7の場合には、サンプル3,4と同様の初端組成及びAl組成傾斜率としても、レーザダイオード構造で400mA以上の電流が流れるという結果が得られた。
以上から、絶縁化の原因はAlの初端組成及びAl組成傾斜率のみならず、Mg濃度に依存することが確認された。すなわち、本実施例の構成の窒化物半導体素子では、Mg由来のドナーの濃度に応じてレーザダイオード構造の絶縁化が発生することが想定されることが分かった。
本開示の範囲は、図示され記載された例示的な実施形態に限定されるものではなく、本開示が目的とするものと均等な効果をもたらす全ての実施形態をも含む。さらに、本開示の範囲は、請求項により画される発明の特徴の組み合わせに限定されるものではなく、全ての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせによって画されうる。
1,2 窒化物半導体素子
14 第一電極
15 第二電極
16a 共振器面
16b 裏側共振器面
17 リッジ部半導体層
30 AlN層
31 第一窒化物半導体層
311 第一積層部
311a 上面
312 第二積層部
312a 突出領域
32,132 AlGaN層
321 第一AlGaN領域
321a 突出領域
322 第二AlGaN領域
33 第二窒化物半導体層
34 電子ブロック層
35 発光部
351 下部ガイド層
352 窒化物半導体活性層
353 上部ガイド層

Claims (4)

  1. 活性層と、
    前記活性層よりも上方に形成され、Mgを含み、前記活性層から離れる方向に向かってAl組成比が減少し、前記Al組成比が0.2より大きいAlGaNで形成されたAlGaN層と、
    を備え、
    前記AlGaN層は、前記Al組成比の組成傾斜率a1が0Al%/nmよりも大きく0.22Al%/nmよりも小さく、前記AlGaN層における前記Mgの濃度b1が0cm−3よりも大きく7.0×1019×a1−2.0×1018cm−3よりも小さい第一AlGaN領域を有する
    窒化物半導体素子。
  2. 前記AlGaN層の上端面において、前記AlGaN層の下端面からAlGaNが格子緩和している
    請求項1に記載の窒化物半導体素子。
  3. 前記AlGaN層は、前記第一AlGaN領域よりも上方に形成され、Mgを含み、前記第一AlGaN領域から離れる方向に向かってAl組成比が減少するAlGaNで形成された第二AlGaN層と、
    をさらに備え、
    前記第二AlGaN層における前記Al組成比の組成傾斜率a2は、前記組成傾斜率a1よりも大きく、
    前記第二AlGaN層における前記Mgの濃度b2は、前記濃度b1よりも大きい
    請求項1又は2に記載の窒化物半導体素子。
  4. 前記第二AlGaN層の上端面におけるa軸格子定数c4は、前記第一AlGaN領域との境界面である前記第二AlGaN層の下端面におけるa軸格子定数c3よりも大きい
    請求項3に記載の窒化物半導体素子。
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