JP2021190455A - 回路基板とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】回路基板の放熱性の向上と、絶縁層とリードフレームを構成する導体層との密着強度の向上とを実現できる回路基板を提供する。【解決手段】回路基板が、絶縁層と、絶縁層の一方の面に配置された放熱性金属層と、絶縁層の他方の面に配置された第1の導体層と、第1の導体層と連続し、かつ絶縁層の領域から外側に突き出るように配置した第2の導体層と、を含み、第1の導体層における絶縁層側の面の凹凸量が、第2の導体層における絶縁層の領域から外側に突き出た絶縁層側の導体表面の凹凸量より大きくなるように形成されている。【選択図】図1

Description

本開示は、回路基板とその製造方法に関する。
近年、パワーエレクトロニクス機器の小型化や高出力化に伴い、機器に用いられるパワーデバイスには放熱性の向上や高温環境下での動作が求められている。このようなパワーデバイスの基本的な構造としては、熱伝導性と絶縁性とを有する基板と、はんだで基板に接合し搭載した半導体素子と、リードフレームと、を備えるものが知られている。基板には導体回路が形成される。リードフレームは外部機器と電気的に接続するリード端子を有する。
この構造において、絶縁性を維持しながら高い熱伝導性を有するセラミック基板が主に用いられる。高い熱伝導性を有すると高効率で基板の表面から放熱が行われ、放熱性が向上する。しかし、セラミック基板を外部機器と接続するため、基板の導体回路の一部である基板電極とリードフレームとを接合する必要があり、この電気的接合における信頼性を担保しなければならない。また、セラミック基板の材料コストおよびプロセスコストは、樹脂基板と比較して高い。
パワーデバイスの普及のためには、デバイスのコストを低減しながらデバイスの放熱性や電気的接合における信頼性の向上が求められており、実現するために様々な構成のものが知られている。例えば、特許文献1に記載のリードフレームと絶縁層とを一体化した基板が知られている。また、例えば、特許文献2では、特許文献1と同様な構成のリードフレームを一体化した基板に言及し、かつプロセスコストの低減が提案されている。
特許文献1の基板は、セラミック基板の代わりに、絶縁層と、加熱加圧により絶縁層へ埋め込まれて絶縁層と一体化させたリードフレームと、を備える。絶縁層には、セラミックの代わりに、熱硬化性樹脂と熱伝導性フィラーとを混合したシート状の複合材が用いられている。リードフレームを絶縁層と一体化することで、リードフレームを導体回路として使用でき、絶縁層上の基板電極とリードフレームとの間の電気的接合における信頼性を向上できる。また、複合材を使用することで、基板の熱伝導性を維持しつつ、材料コストを低減することができる。特許文献2の基板製造方法では、シート状の複合材ではなく、金属板に直接材料を塗布する等して絶縁層を形成することで、プロセスコストを低減することができる。
特開平10−173097号公報 特開2006−156722号公報
しかしながら、従来のリードフレームを一体化した基板では、絶縁層の熱伝導性の向上と、リードフレームと絶縁層との密着強度の向上との両立が困難である。
絶縁層の熱伝導性と、リードフレームと絶縁層との密着強度と、の両方は、絶縁層に用いる複合材に充填した熱伝導性フィラーのフィラー量に依存する。このフィラー量を増加すると、絶縁層の熱伝導性が向上する。一方で、フィラー量を増加すると絶縁層に用いる複合材の熱硬化性樹脂の流動性が小さくなり、リードフレームを加熱加圧し絶縁層へ埋め込む際におけるリードフレームと絶縁層との密着強度が低下する。すなわち、絶縁層の熱伝導性の向上と、リードフレームと絶縁層との密着強度の向上とは相反関係となるため、この両立は困難である。
したがって、従来基板においては絶縁層にリードフレームを埋め込む構造を取るため、基板の放熱性の向上と、リードフレームと絶縁層との密着強度の向上との両立が困難である。
また、フィラー量が大きいと、絶縁層に用いる複合材の熱硬化性樹脂の流動性が小さくなり、薄い複合材を形成することが困難である。一般的な樹脂材料より脆く、複合材の製造過程、特に大面積での製造過程におけるハンドリングが極めて困難である。したがって、プロセスコストの低減には限界がある。
従って、本開示の目的は、上記従来の課題を解決することにあって、回路基板の放熱性の向上と、絶縁層とリードフレームを構成する導体層との密着強度の向上とを実現できる回路基板およびその製造方法を提供することにある。
本開示の一の態様の回路基板は、絶縁層と、放熱性金属層と、第1の導体層と、第2の導体層と、を備える。放熱性金属層は絶縁層の一方の面に配置され、第1の導体層は絶縁層の他方の面に配置される。第2の導体層は、第1の導体層と連続し、かつ絶縁層の領域から外側に突き出るように配置される。第1の導体層における絶縁層側の面の凹凸量が、第2の導体層における絶縁層の領域から外側に突き出た絶縁層側の導体表面の凹凸量より大きい。
本開示の一の態様の回路基板の製造方法は、次の工程を含む。まず、金属板の一方の面において、第1領域に対して粗化処理する工程を行う。続いて、金属板の一方の面において、第1領域および第1領域と隣接する第2領域を覆うように絶縁シートを配置し、絶縁シートの上に放熱性金属板を配置し、積層体を形成する工程を行う。続いて、金属板の他方の面において、金属板を絶縁シートから部分的に除去してパターニングを行い、導体回路を形成する工程を行う。続いて、第2領域の金属板から絶縁シートを剥離する工程を行う。
本開示の回路基板およびその製造方法によれば、回路基板の放熱性の向上と、絶縁層とリードフレームを構成する導体層との密着強度の向上とを実現できる。
本開示の実施の形態1にかかる回路基板の断面図 図1の回路基板の平面図 実施の形態1にかかる回路基板の製造方法において、金属板の粗化処理における各工程を説明する模式断面図 図3の金属板の粗化処理における各工程を説明する模式平面図 実施の形態1の回路基板の製造方法における各工程を説明する模式断面図 図5の製造方法における各工程を説明する模式平面図 本開示の実施の形態1の回路基板を用いたパワーデバイスの製造方法における各工程を説明する模式断面図 本開示の実施の形態2にかかる回路基板の製造方法における各工程を説明する模式断面図
本開示の一の態様の回路基板は、絶縁層と、放熱性金属層と、第1の導体層と、第2の導体層と、を備える。放熱性金属層は絶縁層の一方の面に配置され、第1の導体層は絶縁層の他方の面に配置される。第2の導体層は、第1の導体層と連続し、かつ絶縁層の領域から外側に突き出るように配置される。第1の導体層における絶縁層側の面の凹凸量が、第2の導体層における絶縁層の領域から外側に突き出た絶縁層側の導体表面より大きい。
本開示の一の態様の回路基板において、第1の導体層および第2の導体層が0.5mm以上の厚みであってもよい。
本開示の一の態様の回路基板において、第1の導体層における絶縁層側の面の凹凸量がRzで1μm以上かつ20μm以下であってもよい。
本開示の一の態様の回路基板において、第2の導体層の絶縁層の領域から外側に突き出た絶縁層側の導体表面の凹凸量がRaで0.5μm以下であってもよい。導体表面とは第2の導体層自体の表面を意味し、例えば、第2の導体層に対してめっき処理が行われるような場合には、導体表面はめっき処理後のめっき表面を意味するものではない。
本開示の一の態様の回路基板において、絶縁層が少なくとも有機フィルムを含めてもよい。
本開示の一の態様の回路基板の製造方法は、次の工程を含む。まず、金属板の一方の面において、第1領域に対して粗化処理する工程を行う。続いて、金属板の一方の面において、第1領域および第1領域と隣接する第2領域を覆うように絶縁シートを配置し、絶縁シートの上に放熱性金属板を配置し、積層体を形成する工程を行う。続いて、金属板の他方の面において、金属板を絶縁シートから部分的に除去してパターニングを行い、導体回路を形成する工程を行う。続いて、第2領域の金属板から絶縁シートを剥離する工程を行う。
本開示の一の態様の回路基板の製造方法における粗化処理する工程において、金属板の第1領域の凹凸量がRzで1μm以上となるように粗化処理を行ってもよい。
本開示の一の態様の回路基板の製造方法において、金属板の第2領域の凹凸量がRaで0.5μm以下であってもよい。
以下に、本開示にかかる実施の形態について、添付の図面を参照しながら説明する。なお、本開示は、以下に説明する実施の形態に限るものではない。
(実施の形態1)
(回路基板の構造)
図1は、本開示の実施の形態1における回路基板101を示す断面図である。回路基板101は、絶縁層102と、放熱性金属層103と、導体層と、を備える。導体層は、後の工程を経て形成される、第1の導体層104と第2の導体層105とを備える。絶縁層102の一方の面に放熱性金属層103が配置されている。絶縁層102の他方の面に第1の導体層104が配置されている。第2の導体層105は、第1の導体層104と連続し、かつ絶縁層102の領域から外側に突き出るように配置されている。
導体層は、第1領域201と、第1領域201に隣接した第2領域202と、を有する。第1領域201における導体層は、第1の導体層104に相当する。第2領域202における導体層は、第2の導体層105に相当する。第1の導体層104は導体回路を構成し、第2の導体層105は導体回路と接続したリード端子を構成する。この導体回路およびリード端子によって、回路基板101のリードフレームが構成される。第1の導体層104と第2の導体層105とが連続することで、回路基板101の導体回路とリード端子との間の電気的接合における信頼性を担保できる。また、第2の導体層105を用いて、回路基板101を外部機器と電気的に接続することができる。
例えば、第1の導体層104における絶縁層102と逆側の面に、半導体素子を搭載することで、回路基板101をパワーデバイスとして使用できる。
図2は、本開示の実施の形態1における回路基板101を示す平面図である。図2(a)は、放熱性金属層103側からの面視図であり、図2(b)は、第1の導体層104側からの面視図である。図2(a)および図2(b)が示すように第2の導体層105は、絶縁層102の外形から突き出るように延びる。
(絶縁層102)
絶縁層102は、放熱金属層103と第1の導体層104との間を電気的に絶縁する役割を果たす。また、絶縁層102が、第1の導体層104から放熱性金属層103へ、効率よく熱を伝達させることが望ましい。また、絶縁層102として、シート状の材料等を用いるとよい。これによって、製造効率を向上させることができる。
このような要求から、絶縁層102において、樹脂からなるシートが好ましいが、樹脂シートの熱伝導率は大きくないため、絶縁性が維持される範囲内でシートの厚みを小さくするとよい。絶縁層102と導体層との密着強度、および、回路基板としての放熱性、絶縁性、並びにハンドリング性を鑑みた場合、シートの材質としては、ポリイミド、アラミドや液晶ポリマー等の高耐熱性の有機フィルムが好ましい。本明細書において、密着強度とは、導体層と絶縁層との相互作用の強さ、つまり導体を絶縁材から剥がすために必要な力、を意味する。密着強度を向上させることで回路基板の品質を向上させることができる。また、シートの厚みとしては、回路基板用途や設計による所望の絶縁性と放熱性を両立できればよい。例えば、10μm以上50μm以下の厚みを有するシートを採用するとよい。
(放熱性金属層103)
放熱性金属層103は、回路基板101で発生した熱を、その表面から放熱する役割を果たす。第1の導体層104に搭載された半導体素子で発生した熱は、第1の導体層104を介した後、絶縁層102を介して、絶縁層102と放熱性金属層103との界面に到達する。この熱を放熱性金属層103の内部で拡散させることで、放熱性金属層103における絶縁層102と逆側の面に熱が到達し、その面方向において熱は広範囲に広がり効率よく放熱される。また、放熱性金属層103の厚みが大きい程、面方向の熱の拡散効率は大きくなり、放熱性金属層103の放熱性、すなわち回路基板101の放熱性が向上する。
また、例えば、実施の形態1の放熱性金属層103における絶縁層102と逆側の面にヒートシンクを取り付けてもよい。ヒートシンクを用いることで、放熱性金属層103に拡散された熱を、さらに効率よく空間に放熱することができる。
放熱性金属層103の厚みとしては、回路基板用途や設計による所望の放熱性を確保できればよい。例えば、放熱性金属層103の厚みが0.5mm以上であればよい。また、放熱性金属層103の材質としては、熱伝導性に優れるCuが好ましい。
さらに図示はしていないが、放熱性金属層103における絶縁層102側の面が、粗化処理面であってもよい。この粗化処理面のアンカー効果によって、放熱性金属層103と絶縁層102との密着強度が向上する。なお、その粗化処理面の凹凸量がRzで1μm以上かつ20μm以下であることが好ましい。本明細書において、凹凸量のRzとは、一定エリアにおける基準面からの最大凹み量と最大突出量との和を意味し、幅の広い脈理形状などの凹み量または突出量も含む。放熱性金属層103における絶縁層102側の面の凹凸量がRz20μmを超えると、回路基板101の製造過程において、放熱性金属層103となる材料を絶縁層102となる材料から除去することが困難になる。放熱性金属層103における絶縁層102側の面の凹凸量がRz1μm未満になると、アンカー効果が得られず放熱性金属層103が絶縁層102から剥離する可能性がある。なお、詳細は回路基板101の製造方法の説明の中で述べる。
(第1の導体層104)
第1の導体層104は、半導体素子をはんだ等で接合して搭載し、かつ半導体素子電極からアルミワイヤ等で結線し、導体回路を形成する。したがって、第1の導体層104は、パワーデバイスに必要な電流を流す役割を果たす。また、第1の導体層104は、半導体素子で発生した熱を絶縁層102側に、効率よく拡散させながら伝達する役割を果たす。これらの役割を果たすために第1の導体層104は、放熱性金属層103と同様に十分な厚みを有することが望ましい。第1の導体層104の厚みとしては、回路基板用途や設計による所望の電流値に対応でき、かつ放熱性が確保できればよい。例えば、第1の導体層104の厚みが0.5mm以上であればよい。
また、第1の導体層104の材質としては、熱伝導性および導電性に優れるCuが好ましい。なお、図示はしていないが、第1の導体層104における絶縁層102と逆側の面は、ワイヤと結線するため、AuまたはAgで表面処理されていることが好ましい。
さらに、第1の導体層104における絶縁層102側の面は粗化処理面となっている。第1の導体層104の粗化処理面のアンカー効果によって、絶縁層102と第1の導体層104との間の密着強度を向上させることができる。
第1の導体層104における絶縁層102側の面の凹凸量がRzで1μm以上かつ20μm以下であることが好ましい。第1の導体層104における絶縁層102側の面の凹凸量がRz1μm未満になると、パワーデバイスとして不具合が生じる場合がある。例えば、第1の導体層104に搭載した半導体素子のオンオフによる熱応力が発生した際、絶縁層102から第1の導体層104が剥離する場合がある。また、第1の導体層104における絶縁層102側の面の凹凸量がRz20μmを超えると、回路基板101の製造過程において第1の導体層104となる材料を絶縁層102となる材料から除去することが困難になる。なお、詳細は回路基101板の製造方法の説明の中で述べる。
(第2の導体層105)
第2の導体層105は、第1の導体層104から連続して、かつ絶縁層102の外形の外側に延び、リード端子の役割を果たす。実施の形態1の回路基板101は、半導体素子を搭載した最終的なパワーデバイスの形態で、プリント配線板に挿入実装、または表面実装される。このため、第2の導体層105は、回路基板用途や設計による所望のリード端子形状に加工され、かつ第2の導体層105の表面をニッケル等の酸化防止を目的としためっき処理が施される。したがって、第2の導体層105の表面の凹凸量が小さいことが好ましい。凹凸量がRaで数μm程度になると、めっき液の付き回りが不十分となり、めっき欠損部が発生することがある。さらに、後述する回路基板101の製造方法において、第2の導体層105の絶縁層の領域から外側に突き出た絶縁層側の導体表面の凹凸量のRaが0.5μm以下であることが好ましい。なお、詳細は回路基板101の製造方法の説明の中で述べる。また、材質としては、回路基板材料に一般的に用いられ、熱伝導性および導電性に優れるCuが好ましい。なお、ここで用いた凹凸量のRaは、算術平均粗さのことであり、Rzとは異なる。
(回路基板の製造方法)
実施の形態1にかかる回路基板101の製造方法として、複数の回路基板101を製造する方法について、添付の図面を参照しながら説明する。
実施の形態1にかかる回路基板101の製造方法の工程の内、導体層の粗化処理における各工程を説明する模式断面図を図3に示し、図4にその模式平面図を示す。
図3(a)および図4(a)に示すように、導体層として金属板106を準備し、その両面に感光性ドライフィルム107をラミネートする。金属板106は、第1領域201と第2領域202とを複数有する。本開示の実施の形態1において、第1領域201は後の工程を経て第1の導体層104となる。また、第2領域202は後の工程を経て第2の導体層105となる。
次に、図3(b)および図4(b)に示すように、例えば、フォトリソグラフィー(以下、フォトリソ)手法を用いてドライフィルム107を露光現像し、一方のドライフィルム107において、それぞれの第1領域201に相当する部分に開口部108を形成する。
続いて、図3(c)および図4(c)に示すように、開口部108によって露出した金属板106の第1領域201に対してウェットエッチングを行う。硫酸−過酸化水素系のエッチング剤を用いてウェットエッチングを行い、金属板106の第1領域201に粗化処理面109を形成する。金属の結晶方位によってその部分のエッチングされやすさが異なり、したがって金属表面において局所的にエッチング速度が異なるため、エッチングにより粗化処理面109を形成する。
最後に、図3(d)に示すように、ドライフィルム107をアルカリ性の剥離剤で除去する。その結果、金属板106より、それぞれの第1領域201にのみ粗化処理面109を有する金属板110を得る。
この製造過程の中で、粗化処理面109の凹凸量が大きいほど絶縁層102と第1の導体層104との密着強度が高くなる。そのため、粗化処理面109の凹凸量がRz1μm以上になるように粗化処理することが好ましい。ただし、粗化処理面109の凹凸量がRzで20μmを超えると、絶縁層102となる材料から金属板110を除去する後の工程において、絶縁層102となる材料に金属板110の一部が残存してしまう。詳細は後の製造方法の説明の中で述べる。また、金属板110の第2領域202が粗化処理面109と同様に粗化処理されると、リード端子の仕上げ加工であるめっき処理においてめっき欠損部等が発生する原因となる。そのため、金属板106の第2領域202をドライフィルム107でマスキングした状態で、第1領域201に対して粗化処理を行うとよい。また、所望の凹凸量を確保するためには、エッチング剤濃度とエッチング液への浸漬時間の条件をコントロールすることで可能である。
図5に本実施の形態1にかかる金属板110を用いた回路基板101の製造方法の各工程を説明する模式断面図を示し、図6にその平面図を示す。図6(a)、(c)および(e)には、それぞれ図5(a)、(c)および(e)の放熱性金属板111側からの平面図を示す。図6(b)、(d)および(f)には、それぞれ図5(a)、(c)および(e)の金属板110側からの平面図を示す。
図5(a)、図6(a)および(b)に示すように、金属板110の粗化処理面109が形成された面の上に絶縁シート119を配置し、さらに絶縁シート119の上に放熱性金属板111を配置する。絶縁シート119は後の工程を経て絶縁層102を形成する。放熱性金属板111は後の工程を経て放熱性金属層103を形成する。
さらに、図示はしていないが、放熱性金属板111における絶縁シート119側の面が、粗化処理面であってもよい。粗化処理の方法として、例えば、ウェットエッチングを採用してもよい。
続いて、図5(b)で示すように、金属板110と絶縁シート119と放熱性金属板111とを圧着することで積層体112を形成する。なお、積層条件としては、用いる絶縁シート119の材質あるいは構造に応じて設定する。例えば、熱可塑性樹脂からなる絶縁シート119であれば、その樹脂の融点以上に加熱すればよい。この場合、液晶ポリマーでは300℃、3MPaで1時間加熱加圧する条件で積層体112を形成することができる。また、熱硬化性樹脂からなる絶縁シート119の場合は、そのままでは金属板110と放熱性金属板111とを接着することができない。そのため、絶縁層の両面に接着剤を用いればよい。この場合、積層条件は、接着剤の硬化条件に応じたものとなる。例えば、エポキシ系の接着剤であれば、180℃、3MPaで1時間加熱加圧する条件で積層体112を形成することができる。
次に、図5(c)、図6(c)および(d)に示すように、感光性ドライフィルム等を用いるフォトリソ手法によって、放熱性金属板111を絶縁シート119から部分的に除去して、放熱性金属層103を形成する。また、同様に、金属板110を絶縁シート119から部分的に除去してパターニングを行うことにより、導体回路を有する第1の導体層104と、リード端子を有する第2の導体層105とを形成する。ここで、粗化処理面109の凹凸量がRzで20μmを超えると、金属板110を絶縁シート119から除去する際に、金属板110の一部が絶縁シート119に残存してしまう。放熱性金属板111においても同様であり、放熱性金属板111の凹凸量がRzで20μmを超えると、放熱性金属板111の一部が絶縁シート119に残存してしまう。
次に、図5(d)に示すように、例えば、レーザー等を用いて、絶縁シート119にスリット113を加工する。このスリットによって、絶縁層119を第1領域201と第2領域202とに分割する。
その後、絶縁層119の第2領域202を第2の導体層105から剥離する。なお、本実施の形態1では第2の導体層105の面が粗化処理されていないため、絶縁層119を第2の導体層105から容易に剥離することができる。なお、第2の導体層105の面の凹凸量がRaで0.5μm以下であることが好ましい。第2の導体層105の面の凹凸量がRaで0.5μmを超えると、絶縁層119を第2の導体層105から剥離することが困難となる。絶縁層119の部分的な剥離によって、絶縁シート119から絶縁層102を形成する。これによって、図5(e)、図6(e)および(f)に示すように、複数の回路基板101となる部分を備えた集合基板114を得ることができる。
次に、この集合基板114を個片に切断加工することで図1および図2の回路基板101を製造することができる。ただし、個片化した後の回路基板101に半導体素子を搭載していくことは、生産性が悪く、現実的ではない。そのため、集合基板114の状態で半導体素子を搭載していくとよい。集合基板114における個片基板の取れ数が多い程、製造コストを削減できる。個片基板の取れ数とは、1枚の集合基板114から取れる個片化された回路基板101の個数である。
続いて、集合基板114を用いて半導体素子の搭載する方法について説明する。図7(a)に示すように、回路基板101の集合基板114を準備する。
図7(b)に示すように、半導体素子115をはんだで第1の導体層104に接合する。はんだは、一般的なデバイスで使われるSnAgCu系でよいが、高耐熱性のSnSb系、SnPb系またはAuSn系等、パワーデバイスの使用環境や用途に応じてはんだ材料を選択すればよい。また、はんだ材料ではなく、ナノ粒子を使ったAgまたはCuの焼結材を接合に用いてもよい。
続いて、図7(c)に示すように、半導体素子115の電極と第1の導体層104と、をワイヤ116で結線する。ワイヤ116の材料としては、Au、Cu、またはAlが好ましい。
続いて、図7(d)に示すように、ダイサ等で集合基板114を個片分割することで、半導体素子115が搭載された複数枚の回路基板101が製造できる。
さらに、図7(e)に示すように、搭載された半導体素子115およびワイヤ116の結線等を保護するため、封止樹脂117でモールドする。第2の導体層105をプレス等で折り曲げて端子加工を行う。最後に、図示はしていないが、リード端子にNiのディップめっきを施すことで、回路基板101に半導体素子115を搭載したパワーデバイス118を効率的に製造することができる。
(効果)
本開示の実施の形態1の回路基板101で、第1の導体層104における絶縁層102側の面が粗化処理されている。このため、粗化処理のアンカー効果によりリードフレームを構成する第1の導体層104と絶縁層102との密着強度を向上させることができる。
第1の導体層104と絶縁層102との密着強度を向上できるため、第1の導体層104の厚さが大きい場合であっても、第1の導体層104と絶縁層102との間において強固な密着を維持できる。例えば、第1の導体層104の厚みを0.5mm以上にすることができる。
第1の導体層104の厚みが増加すると、第1の導体層104の面方向における熱の拡散性が向上する。第1の導体層104の面方向における熱の拡散効率が大きいほど、第1の導体層104に搭載された半導体素子115で発生した熱は、第1の導体層104の面方向に広がる。そして、熱が広範囲に広がった状態で、絶縁層102を介して、放熱性金属103における絶縁層102と逆側の面から熱が放熱される。放熱を行う範囲が広がることで、熱を放熱性金属層103からより高効率で放熱できる。したがって、第1の導体層104の厚みの増加により、向上した放熱性を有する回路基板101を提供できる。
例えば、第1の導体層104における絶縁層102側の面の凹凸量がRzで1μm以上かつ20μm以下であると、第1の導体層104と絶縁層102との密着強度を向上させることができる。その結果、第1の導体層104の厚みを大きくすることができ、放熱性が向上された回路基板101を提供できる。
一方で、第2の導体層105はリード端子の役割を果たし、パワーデバイス118の製造過程において第2の導体層105にめっき処理を施す。第2の導体層105の絶縁層の領域から外側に突き出た絶縁層側の導体表面の凹凸量が小さいと、めっき液の付き回りが向上する。例えば、第2の導体層105の絶縁層の領域から外側に突き出た絶縁層側の導体表面の凹凸量がRaで0.5μm以下であると、第2の導体層105の表面のめっき液の付き回りが向上する。
また、実施の形態1の絶縁層102には、有機フィルムが含まれるため、硬くて脆い従来のセラミック材料や複合材と比較して、大きいサイズのシート状の材料を用いることが可能である。さらに、絶縁層102の厚みが小さい場合でも、絶縁層102となる絶縁シート119のハンドリングが容易である。このため、実施の形態1の製造過程により、回路基板101の個片取れ数が多い集合基板114を製造することができる。従来のセラミック材料や複合材料を絶縁材とした回路基板と比較して、容易かつ安価に回路基板101を製造することができる。回路基板101を用いたパワーデバイス118も安価に提供することができる。
実施の形態1にかかる回路基板101の製造方法において、金属板106の第1領域201に対して粗化処理を行い、粗化処理面109を有する金属板110を形成する。粗化処理によって、金属板110より形成される第1の導体層104と絶縁層102との密着強度を向上させることができる。
例えば、粗化処理面109の凹凸量がRzで1μm以上であると、金属板110より形成される第1の導体層104と絶縁層102との密着強度を向上させることができる。
さらに、例えば、金属板の第2領域の凹凸量がRaで0.5μm以下であると、絶縁層119を第2の導体層105から容易に剥離することができる。
なお、放熱性金属103においても、放熱性金属103における絶縁層102側の面にも粗化処理を行い、放熱性金属103と絶縁層102との密着強度を向上させることができる。この場合、放熱性金属103の厚みも増加させることができる。放熱性金属層103の厚みを増加させることができるため、放熱性金属層103における熱の拡散性が向上する。第1の導体層104から絶縁層102を介して伝達された熱が、放熱性金属103の内部でさらに拡散される。放熱性金属層103の内部での拡散によって、第1の導体層104と同様に、向上した放熱性を有する回路基板101を提供できる。
(実施の形態2)
本開示の実施の形態2にかかる回路基板101の製造方法について説明する。図8に実施の形態2にかかる回路基板101の製造方法における各工程を説明する模式断面図を示す。
図8(a)に示すように、金属板110の粗化処理面109が形成された面の上に絶縁シート119と放熱性金属板111が予め一体化された材料を配置する。絶縁シート119は後の工程を経て絶縁層102を形成する。放熱性金属板111は後の工程を経て放熱性金属層103を形成する。なお、実施の形態2における絶縁シート119と放熱性金属板111が予め一体化された材料は、放熱性金属板111の一方の面にポリイミド等の有機材料をキャスティング法等で絶縁シート119を形成することにより製造できる。
続いて、図8(b)で示すように、金属板110と、一体化された絶縁シート119と放熱性金属板111と、を圧着することで積層体112を形成する。また、続く図8(c)、(d)および(e)は、実施の形態1にかかる回路基板101の製造方法と同様である。
(効果)
実施の形態2の回路基板101の製造方法であれば、薄いフィルム材料からなる絶縁シート119を単独でハンドリングする必要がない。この場合、放熱性金属層103を形成する放熱性金属板111が支持材となるため、工程における材料の取り扱いを容易にすることができる。
実施の形態1および実施の形態2の説明では、第1の導体層104における絶縁層側の面の凹凸量をRzで1μm以上かつ20μm以下、および、第2の導体層105の絶縁層の領域から外側に突き出た絶縁層側の導体表面の凹凸量をRaで0.5μm以下としているが、これらの凹凸量はこの開示の範囲に限られない。第1の導体層104における絶縁層側の面の凹凸量が第2の導体層105の絶縁層の領域から外側に突き出た絶縁層側の導体表面の凹凸量より大きければ、第1の導体層104と絶縁層102との密着強度を向上することができる。
また、実施の形態1および実施の形態2の説明では、金属板110の第2領域202に対して粗化処理を行っていないが、第2領域202に粗化処理行ってもよい。製造された回路基板101において、第1の導体層104を形成する粗化処理面109の凹凸量より、第2の導体層105を形成する第2領域202の凹凸量が小さければ、第2領域202に対して粗化処理を行ってもよい。
また、実施の形態1および実施の形態2の製造方法の説明において、集合基板114について説明しているが、この開示の製造方法は集合基板114に限られない。回路基板101を個片基板として製造することもできる。
なお、上記様々な実施の形態の内の任意の実施の形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
本開示によれば、回路基板の放熱性と、絶縁層とリードフレームを構成する導体層との密着強度と、の向上が両立した回路基板を提供できる。また、本開示の回路基板は、産業用途や車載用途に用いられるパワーデバイス用への適用が有用である。
101 回路基板
102 絶縁層
103 放熱性金属層
104 第1の導体層
105 第2の導体層
106 金属板
107 感光性ドライフィルム
108 開口部
109 粗化処理面
110 金属板
111 放熱性金属板
112 積層体
113 スリット
114 集合基板
115 半導体素子
116 ワイヤ
117 封止樹脂
118 パワーデバイス
119 絶縁シート
201 第1領域
202 第2領域

Claims (8)

  1. 絶縁層と、
    前記絶縁層の一方の面に配置された放熱性金属層と、
    前記絶縁層の他方の面に配置された第1の導体層と、
    前記第1の導体層と連続し、かつ前記絶縁層の領域から外側に突き出るように配置した第2の導体層と、を含み、
    前記第1の導体層における前記絶縁層側の面の凹凸量が、前記第2の導体層の前記絶縁層の領域から外側に突き出た前記絶縁層側の導体表面の凹凸量より大きい、回路基板。
  2. 前記第1の導体層および前記第2の導体層が0.5mm以上の厚みである、請求項1に記載の回路基板。
  3. 前記第1の導体層における前記絶縁層側の面の凹凸量がRzで1μm以上かつ20μm以下である、請求項1または2に記載の回路基板。
  4. 前記第2の導体層の前記絶縁層の領域から外側に突き出た前記絶縁層側の導体表面の凹凸量がRaで0.5μm以下である、請求項1から3のいずれか1つに記載の回路基板。
  5. 前記絶縁層が少なくとも有機フィルムを含む、請求項1から4のいずれか1つに記載の回路基板。
  6. 金属板の一方の面において、第1領域に対して粗化処理する工程と、
    前記金属板の前記一方の面において、前記第1領域および前記第1領域と隣接する第2領域を覆うように絶縁シートを配置し、前記絶縁シートの上に放熱性金属板を配置し、積層体を形成する工程と、
    前記金属板を前記絶縁シートから部分的に除去してパターニングを行い、導体回路を形成する工程と、
    前記金属板の前記第2領域から前記絶縁シートを剥離する工程と、を含む、回路基板の製造方法。
  7. 前記粗化処理する工程において、前記金属板の前記第1領域の凹凸量がRzで1μm以上となるように粗化処理を行う、請求項6に記載の回路基板の製造方法。
  8. 前記金属板の第2領域の凹凸量がRaで0.5μm以下である、請求項6または7に記載の回路基板の製造方法。
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