JP2021190290A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】生産工程を増やすことなく、アルミニウム製のインタークーラに生成水を供給してインタークーラの耐食性を向上させることができる燃料電池システムを提供する。【解決手段】燃料電池システムは、燃料電池スタック10と、エアコンプレッサ34と、アルミニウム製のインタークーラ35と、バッテリ52と、制御部50とを少なくとも備え、インタークーラは、燃料電池スタックの発電時に生成される生成水が供給され、インタークーラの壁部を介して、エアの熱を生成水に伝達し、生成水の気化潜熱によりエアを冷却し、生成水は、硫酸イオンおよびフッ化物イオンを含み、インタークーラを通過するエアの圧力値が所定の成膜圧力値以上になったときに、生成水に接触するインタークーラの壁部の内面に、硫酸イオンに由来の硫黄、フッ化物イオンに由来のフッ素、およびインタークーラの素材であるアルミニウムからなる防食被膜が成膜される。【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池システムに係り、特に、燃料電池スタックで生成される水分をインタークーラに供給して防食被膜を形成する燃料電池システムに関する。
従来、この種の燃料電池システムとしては、燃料電池スタックの発電によって生成される水の気化潜熱によって、ラジエータの冷却を行うシステムがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2019−121578号公報
ところで、前記特許文献1に記載の燃料電池システムでは、燃料電池スタックの発電によって生成される生成水は酸性水のため、アルミニウム製のインタークーラが腐食してしまうおそれがあった。そこで、熱交換器に耐食性を付与することが考えられるが、燃料電池システムは低コスト化が求められており、生産工程が増えることは好ましくない。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、燃料電池スタックに供給される圧縮されたエアを、燃料電池スタックで生成される生成水によりアルミニウム製のインタークーラで冷却する燃料電池システムにおいて、生産工程を増やすことなく、インタークーラの耐食性を向上させることができる燃料電池システムを提供することにある。
前記目的を達成すべく、本発明に係る燃料電池システムは、エアと水素ガスにより発電する燃料電池スタックと、前記燃料電池にエアを供給するエアコンプレッサと、前記エアコンプレッサから前記燃料電池スタックに供給されるエアを冷却するアルミニウム製のインタークーラと、前記燃料電池スタックで発電された電力を蓄電するバッテリと、前記燃料電池スタックの発電量を制御する制御部と、を少なくとも備える燃料電池システムである。
そして、前記燃料電池システムにおいて、前記インタークーラは、前記燃料電池スタックの発電時に生成される生成水が供給され、前記インタークーラの壁部を介して、前記エアの熱を前記生成水に伝達し、前記生成水の気化潜熱により前記エアを冷却するものであり、前記生成水は、硫酸イオンおよびフッ化物イオンを含むものであり、前記インタークーラを通過する前記エアコンプレッサから吐出されるエアの圧力値が、所定の成膜圧力値以上になったときに、前記生成水に接触する前記壁部の表面に、前記硫酸イオンに由来の硫黄、前記フッ化物イオンに由来のフッ素、および前記インタークーラの素材であるアルミニウムからなる防食被膜が成膜されるものである。
さらに、前記制御部は、前記燃料電池スタックの発電時に要求される要求発電量に対する前記エアの要求圧力値が、前記成膜圧力値以上の場合には、前記防食被膜の成膜処理を実施し、前記要求圧力値が前記成膜圧力値未満である場合には、前記バッテリの残容量が規定値以下であるかを判断し、前記残容量が規定値以下の場合には、前記エアコンプレッサから吐出されるエアの圧力値が前記成膜圧力値以上になるように、前記エアコンプレッサを制御することで、前記バッテリに前記燃料電池スタックで発電した電力を蓄電しつつ、前記防食被膜の成膜処理を実施することを特徴とする。
本発明の燃料電池システムによれば、発電時に燃料電池スタックから硫酸イオンおよびフッ化物イオンを含む生成水がインタークーラに供給され、エアコンプレッサで圧縮されて高温となったエアを冷却する。この際、インタークーラの生成水が沸騰し、生成水に接触する、インタークーラの壁部の表面に、硫黄、フッ素およびインタークーラの素材であるアルミニウムからなる防食被膜が成膜される。
その際、制御部は、燃料電池スタックの発電時に要求されるエアの要求圧力値が、所定の成膜圧力値以上の場合には、防食被膜の成膜処理を実施する。また、エアの要求圧力値が所定の成膜圧力値未満である場合には、バッテリの残容量が規定値以下であるかを判断し、残容量が規定値以下の場合には、エアコンプレッサから吐出されるエアの圧力値が所定の成膜圧力値以上になるように、エアコンプレッサを制御することで、バッテリに燃料電池スタックで発電した電力を蓄電しつつ、防食被膜の成膜処理を実施する。
このため、燃料電池スタックの発電時に生成される生成水をインタークーラに供給することで、エアコンプレッサで圧縮されて高温となったエアをインタークーラで冷却するとともに、アルミニウム製のインタークーラの壁部の内面に、防食被膜を形成することができる。この防食被膜によりインタークーラの耐久性を向上させることができる。また、バッテリの残容量が少ないときには、エアコンプレッサを制御し、吐出されるエアの圧力値が成膜圧力値以上になるようにして、燃料電池スタックで発電した電力をバッテリに蓄電するとともに、インタークーラの壁部の内面に防食被膜を成膜することができる。
このような結果、エアコンプレッサで昇温したエアを冷却するアルミニウム製のインタークーラの内部に、燃料電池スタックで運転中に生成された生成水を供給し、生成水に含まれる硫酸イオンおよびフッ化物イオンにより防食被膜を形成できるため、低コストで、製造工程を増やすことなくインタークーラの耐久性を向上できる。
本発明に係る燃料電池システムの一実施形態のシステム構成を概略的に示す模式図である。 図1の燃料電池システムで用いるインタークーラの概略構造を示す模式図である。 図1の燃料電池システムの動作を示すフロー図である。 図1の燃料電池システムにおけるエアコンプレッサから吐出されるエアの圧力と温度との関係を示すグラフである。 図3のフロー図における成膜処理と蓄電との関係を模式的に示す概念図である。
以下、本発明に係る燃料電池システムの一実施形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る燃料電池システムのシステム構成を概略的に示す模式図、図2は、図1の燃料電池システムで用いるインタークーラの概略構造を示す模式図、図3は、図1の燃料電池システムの動作を示すフロー図、図4は、図1の燃料電池システムにおけるエアコンプレッサから吐出されるエアの圧力と温度との関係を示すグラフ、図5は、図3のフロー図における成膜処理と蓄電との関係を模式的に示す概念図である。
図1において、燃料電池システム1は、例えば燃料電池車に搭載されて駆動用電源として用いられている。本実施形態の燃料電池システム1は、燃料電池スタック10と、燃料ガス系20と、酸化剤ガス系30と、冷媒系40と、制御部50と、を少なくとも備えるものであり、固体高分子型燃料電池である。なお、燃料電池スタック10としては、固体高分子型燃料電池に限らず、固体酸化物型燃料電池等、他種の燃料電池を採用してもよい。
燃料電池スタック10は、単セルが複数積層されたスタック構造を有しており、水素ガスと、酸素を含有する酸化剤ガスの供給を受けて発電するものである。本実施形態では、燃料電池スタック10は、エアと水素ガスが供給され、発電するものである。燃料電池スタック10は、エアと水素ガスにより発電する際に生成水が生成されて排出される。この生成水は、硫酸イオンおよびフッ化物イオンを含むものである。硫酸イオン(SO 2−)とフッ化物イオン(たとえば、F(OH4−等)は、燃料電池の電解質膜に由来するものである。具体的には、電解質膜にナフィオン(登録商標)などのフッ素イオンと、スルホン酸基とが含まれる電解質膜を用いる場合には、燃料電池スタック10の発電時には、電解質膜から、上述した硫酸イオンと、フッ化物イオンが生成水に溶出し、これらのイオンが生成水に含まれる。
燃料電池スタック10を構成する各単セルでは、電解質膜を間に介して、アノード側に燃料ガスとして水素ガスが流れる流路(アノード側流路)が形成され、カソード側に酸化剤ガスとしてエアが流れる流路(カソード側流路)が形成されている。燃料電池スタック10の内部には、スタック内部を冷却するための冷媒が流れる冷媒流路が形成されている。
燃料ガス系20は、水素ガスを燃料電池スタック10に供給する経路であり、水素ガスタンク21と、水素ガス供給流路22と、水素ガス排出流路23と、水素ガス循環流路24と、可変調圧弁25と、インジェクタ26と、気液分離器27と、を少なくとも備えている。なお、水素ガス供給流路22には、図示していないが燃料ガスポンプ等が設置されている。水素ガスタンク21は、燃料ガスとしての水素ガスが貯蔵される貯蔵タンクである。
水素ガスタンク21に貯蔵された水素ガスは、可変調圧弁25によって減圧されて、インジェクタ26を介して、燃料電池スタック10のセル内の水素ガス流路に接続される水素ガス供給流路22に供給される。
水素ガス排出流路23は、燃料電池スタック10から排出される水素オフガスが流れる流路である。水素ガス循環流路24は、水素ガス排出流路23と、水素ガス供給流路22におけるインジェクタ26よりも下流側の部位と、に接続されており、気液分離器27で水分が分離された水素オフガスを水素ガス供給流路22に再循環させる。
そのため、燃料電池システム1において、水素ガスは、発電により水素が消費されつつ、水素ガス排出流路23、水素ガス循環流路24、水素ガス供給流路22の一部、および、燃料電池スタック10内に形成される水素ガスの流路を、図示していない水素ガスポンプで循環させる。
水素ガス排出流路23と水素ガス循環流路24との接続部に配置された気液分離器27は、水素オフガス中の水分と、ガス(水素および窒素等)とを分離する機能を有する。水素オフガス中の発電で消費されなかった水素は、気液分離器27で分離され、水素ガスポンプにより水素ガス供給流路22に循環される。気液分離器27で分離された水分や不純物は、気液分離器27に接続されたパージ弁28aを備える水素ガス放出流路28から酸化ガス排出流路32を通して外部に排出される。
酸化剤ガス系30は、酸素を含むエアを燃料電池スタック10に供給する経路であり、酸化ガス供給流路31と、酸化ガス排出流路32と、バイパス流路33と、を備えている。酸化ガス供給流路31には、エアコンプレッサ34と、インタークーラ35と、湿度調節器36と、を少なくとも備えている。エアコンプレッサ34は、燃料電池スタックにエアを供給するものである。インタークーラ35は、エアコンプレッサ34で圧縮されて高温(100℃を超える温度)になったエアを冷却する機能を有している。インタークーラ35の詳細については後述する。
酸化ガス排出流路32は、燃料電池スタック10で消費された酸素オフガスを排出する経路であり、上流より酸素オフガス中の水分を回収するミストセパレータ37Aを備えており、その下流に酸化ガス供給流路31に設置された湿度調節器36が接続されている。湿度調節器36は、燃料電池スタック10に入る側のエアと、燃料電池スタック10から出る側のエアの湿度を調節するものである。ミストセパレータ37Aで回収された水分は、止水弁等を介して酸化ガス排出流路32の下流側に排出される。
湿度調節器36の下流には、エキスパンダ38と、ミストセパレータ37Bとを備えている。エキスパンダ38は、内部にタービンを備えており、エアオフガスが通過する際にタービンが回転し、この回転力をエアコンプレッサ34に供給して、エアの圧縮を補助する機能を有する。ミストセパレータ37Bは、エキスパンダ38を通過したエアオフガスの水分と、ミストセパレータ37Aで回収された水分と、気液分離器27で分離された水分が酸化ガス排出流路32を通して流入し、生成水として貯留するものである。
ミストセパレータ37Bで貯留された生成水は、ミストセパレータ37Bからインタークーラ35に接続された配管39を通して、インタークーラ35に供給される。インタークーラ35に供給された生成水は、その内部に貯留される。エアコンプレッサ34の起動時には、インタークーラ35の壁部を介して、エアコンプレッサ34からのエアの熱(100℃以上になったエアの熱)を生成水に伝達し、生成水の気化潜熱によりエアを冷却する。なお、配管39には、ミストセパレータ37Bに溜められた生成水をインタークーラ35に供給するポンプ39aが設置されていてもよく、ミストセパレータ37Bの下流端には、図示していないマフラーが設けられていてもよい。
インタークーラ35を通過したエアは、その下流に配置された湿度調節器36により加湿または除湿され、燃料電池スタック10に供給される。湿度調節器36は、酸化ガス供給流路31と酸化ガス排出流路32とに跨って設置されており、酸化ガス排出流路32に設置されたミストセパレータ37Aで貯留された燃料電池スタック10の生成水の一部が流入される。
インタークーラ35は、図2の概略構造を示す模式図のように、加熱された高温のエアが通過する流路35Aと、エアの温度よりも低温である生成水が貯留される貯留部35Bとが、インタークーラ35の壁部35aを介して隔てられている構造である。流路35Aは金属板材で形成した多数のフィンが設けられ、フィンの間をエアコンプレッサ34で圧縮され高温となったエアが通過するようになっている。本実施形態では、インタークーラ35の壁部35aを介して、熱交換が行われることで高温のエアを冷却し、生成水は気化して蒸発し、蒸気となる。なお、貯留部35Bには、生成水が流れ込んで貯留され、生成水が所定の貯留量以上なったときに、生成水は、貯留部35Bから排出される。
本実施形態では、インタークーラ35は、アルミニウムを素材(主材)としている(具体的にはアルミニウム合金からなる)。したがって、流路35Aと貯留部35Bとは、アルミニウムを素材としている。
インタークーラ35の上部に位置する貯留部35Bのうち、生成水が接触する壁部35aの壁面は、アルミニウムを含む表面であるため、熱交換時に生成水が沸騰すると、生成水に含まれる硫酸イオンおよびフッ化物イオンと、貯留部35Bの素材であるアルミニウムとが反応し、貯留部35Bの内面にフッ素、硫黄、アルミニウムからなる防食被膜Fが成膜される。
冷媒系40は、ラジエータ41と、ラジエータ41と燃料電池スタック10内の冷媒流路とを循環させる冷媒流路42と、図示していない冷媒ポンプと、を備えている。冷媒系40は、冷媒流路42を通して、冷媒を循環させ、ラジエータ41で放熱させることで燃料電池スタック10の内部を冷却する機能を有している。
燃料電池システム1は、燃料電池スタック10で発電された電力を制御する制御部50を備えている。制御部50は、マイクロコンピュータによって構成されており、CPUと、ROMと、RAMと、入出力ポートと、を有する。制御部50は、モータ駆動部51、バッテリ52、負荷53を制御するスイッチ54に接続されている。そして、スイッチ54は電流計55を介して燃料電池スタック10に接続されている。電流計55は燃料電池スタック10から出力される電流値を測定するものである。
また、制御部50は、電流計55の検出値が入力され、酸化剤ガス系30に設置されたエアコンプレッサ34を制御するとともに、燃料ガス系20に設置された可変調圧弁25を制御して、燃料電池スタック10の発電量を制御するものである。
モータ駆動部51は、燃料電池スタック10が発電した電力を用いて、図示していない燃料電池車のモータを駆動する機能を有する。この燃料電池システム1では、モータ駆動部51と並列に、バッテリ52、負荷53が接続されている。バッテリ52は、燃料電池スタック10から出力される電力よりもモータ駆動部51で消費される電力が小さい場合に余剰電力を蓄電する。また、バッテリ52は電力が充分蓄電されている場合にはモータ駆動部51に電力を供給する。負荷53は、バッテリ52が満充電されている状態において、まだ余剰電力がある場合に、この余剰電力を消費する。スイッチ54は燃料電池スタック10と、モータ駆動部51と、バッテリ52と、負荷53との間における電力の供給を切り替える。
前記の如く構成された本実施形態の燃料電池システム1の動作について、図3のフロー図を参照して以下に説明する。燃料電池システム1を起動し(ステップS1)、燃料電池システム1を運転する。すなわち、制御部50は、水素ガスを供給する燃料ガス系20の可変調圧弁25を制御し、水素ガス供給流路22を通して水素ガスを燃料電池スタック10に供給する。
また、制御部50は、エアを供給する酸化剤ガス系30のエアコンプレッサ34を制御し、酸化ガス供給流路31を通してエアを燃料電池スタック10に供給する。これにより、燃料電池スタック10は、電解質膜を間に介して、アノード側の流路に水素ガスが流れ、カソード側の流路にエアが流れ、スタック内部で化学反応により発電する運転状態となり、生成水が生成される。
反応後の水素オフガスは、水素ガス排出流路23を通して気液分離器27に入り、水分と気体に分離され、水分は水素ガス放出流路28を通してミストセパレータ37Bに入り、貯留される。気液分離器27で分離された気体は水素ガス循環流路24を通して水素ガス供給流路22に合流され、インジェクタ26により再び燃料電池スタック10に供給され、循環する。
反応後のエアオフガスは酸化ガス排出流路32に入り、ミストセパレータ37Aで水分が回収され、湿度調節器36で湿度が調節され、エキスパンダ38を通して酸化ガス排出流路32を通り、ミストセパレータ37Bを通過して外部に排出される。エアオフガスがエキスパンダ38を通過する際に、図示していないタービンが回転され、エアコンプレッサ34の回転を補い、エアの圧縮のアシストを実施する。
この化学反応において、ミストセパレータ37Aで回収された水分と、気液分離器27で分離された水分は生成水として、酸化ガス排出流路32を通してミストセパレータ37Bに貯留され、配管39を通してインタークーラ35に供給される。インタークーラ35に供給された生成水は、貯留部35Bに貯留にされる。
インタークーラ35では、エアコンプレッサ34で圧縮され高温となったエアは、供給された生成水により冷却される。すなわち、図2に示すように、流路35Aを、200℃程度の高温のエアが通過し、貯留部35Bを100℃から110℃程度の生成水が通過すると、流路35Aのフィンにより界面の壁面が高温となり、貯留部35Bでは生成水が気化して気泡が発生する。この気化潜熱により高温のエアは生成水により冷却される。
燃料電池スタック10に水素ガスとエアが供給され発電状態となった運転状態では、エアコンプレッサ34で吐出されるエアの圧力とエアの温度との関係は、図4に示すグラフのように、圧力が高くなると温度が高くなる。本実施形態の燃料電池システム1のエアコンプレッサ34は、たとえば、エアの圧力が150kPA近傍で、エアの温度は100℃程度となる。
そして、図4において、圧力が150kPA以上の成膜圧力値のとき、エアの温度が100℃以上になり、このとき、貯留部35Bの生成水は沸騰する。この時に、生成水に発生する気泡のまわりでは、硫酸イオンおよびフッ化物イオンが濃縮される。このとき、インタークーラ35(の貯留部35B)の表面において、この素材であるアルミニウムと、硫酸イオンおよびフッ化物イオンが反応して、防食被膜Fが成膜される。具体的には、防食被膜Fは、図2に示す生成水が通過するインタークーラ35の貯留部25Bの表面、すなわち生成水が接触する壁部35aの内面に成膜される。一方、エアコンプレッサ34から吐出されるエアが成膜圧力値より小さい領域では、エアの温度が低いため、生成水は沸騰せず、防食被膜Fは成膜されない。したがって、成膜圧力値は、エアコンプレッサ34から吐出されるエアの熱により、貯留部35Bの生成水が沸騰することが可能なエアコンプレッサ34から吐出されるエアの圧力値である。このような成膜原理を利用して、ステップS2に進む。
図3に戻り、ステップS1で燃料電池スタック10が起動され、発電している運転状態になると、ステップS2では、制御部50は、燃料電池スタック10の要求出力(要求発電量)のために必要なエアコンプレッサから吐出されるエアの圧力(要求圧力値)が成膜エアコンプレッサ圧力(成膜圧力値)より大きいかを判断する。
前記のように、エアコンプレッサ34から吐出されるエアの圧力(ACP圧力)が、成膜圧力値(たとえば150kPA)以上で、エアの温度が100℃以上となり、インタークーラ35の生成水が接触する壁部35aの壁面に防食被膜Fが成膜される。
したがって、ステップS2でエアコンプレッサ34から吐出されるエアの圧力が成膜圧力値以上のとき(Yesの場合)、ステップS3で成膜時間の積算を開始する。積算される時間は、これまでにエアの圧力が成膜圧力値以上となったときの累積時間(成膜処理の累積時間)である。
図5に示すように、時間経過とともにエアコンプレッサ34から吐出されるエアの圧力変化を示しており、成膜圧力値以上の領域Aでは防食被膜Fが成膜されている時間である。成膜圧力値未満の領域Bでは、防食被膜Fが成膜されず、余剰電力としてバッテリ52に蓄電される電力量が示されている。したがって、成膜時間の積算は、領域Aとなる時間を積算する。なお、領域Aの面積は、防食被膜の被膜厚さに比例するため、この領域Aの面積から、成膜処理を終了してもよい。なお、領域Bの面積は、バッテリ52に蓄電される電力量に比例する。
その後、ステップS4で、積算時間は成膜所要時間より長いかを判断し、長い場合は防食被膜Fの成膜が所定の厚さだけ形成されたとして、ステップS5で成膜処理が完了する(終了する)。ステップS4で、積算時間は成膜所要時間より短い場合は、ステップS2に戻って、ステップS3、S4を実行し、積算時間は成膜所要時間より長くなるまで継続する。
ステップS2で、Noの場合、すなわちエアコンプレッサ34から吐出されるエアの圧力(要求圧力値)が成膜圧力値未満の場合、ステップS6で、バッテリ52の残容量SOC(State Of Charge)が規定値以下であるかを判断する。たとえば、バッテリ52の残容量が90%以下であるかを判断する。
バッテリ52の残容量が規定値以下であるとき(Yesの場合)、ステップS7でエアコンプレッサ34から吐出されるエアの圧力(ACP圧力)を、成膜圧力値以上になるように、エアコンプレッサ34を制御する。これにより、バッテリ52に燃料電池スタック10で発電した電力を蓄電して、残容量を増やすことができる。
そして、ステップS7で、エアコンプレッサ34から吐出されるエアの圧力(ACP圧力)が、成膜圧力値以上になるように、エアコンプレッサ34を制御し、その際の余剰電力をバッテリ52に蓄える。ステップS3に進んで、同様に、成膜時間の積算を開始し、ステップS4で、積算時間は成膜所要時間より長いかを判断し、長い場合は防食被膜Fの成膜が所定の厚さだけ形成されたとして、ステップS5で成膜処理を終了する。
このように、本実施形態の燃料電池システム1では、燃料電池スタック10の発電時に要求される要求発電量に対するエアの要求圧力値が、成膜圧力値以上の場合に、燃料電池スタック10の発電時に生成される生成水に含まれる硫酸イオンに由来の硫黄と、フッ化物イオンに由来のフッ素と、インタークーラ35の素材であるアルミニウムからなる防食被膜Fが、インタークーラ35の壁部35aの内面に成膜される。
そして、エアの要求圧力値が成膜圧力値未満である場合には、バッテリ52の残容量が規定値以下であるかを判断し、残容量が規定値以下の場合には、エアコンプレッサ34から吐出されるエアの圧力値が成膜圧力値以上になるように、エアコンプレッサ34を制御する。これにより、燃料電池スタック10の発電量が増え、余剰電力をバッテリ52に蓄電することができる。
以上詳述したように、本実施形態の燃料電池システム1では、制御部50は、エアコンプレッサによりエアの要求圧力値が、防食被膜Fを成膜するための成膜圧力値以上の場合に、成膜処理を実施するため、インタークーラ35の内面に防食被膜Fを成膜して、インタークーラ35の耐久性を向上させることができる。
また、エアコンプレッサ34から吐出されるエアの要求圧力値が、防食被膜Fを成膜するための成膜圧力値未満の場合であって、バッテリ52の残容量が規定値以下の場合には、エアコンプレッサから吐出されるエアの圧力値が成膜圧力値以上になるように、エアコンプレッサ34を制御する。このため、バッテリ52に燃料電池スタック10で発電した電力を蓄電しつつ、インタークーラ35の内面に防食被膜Fの成膜処理を実施することができる。
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
1:燃料電池システム、10:燃料電池スタック、20:燃料ガス系、25:可変調圧弁、26:インジェクタ、27:気液分離器、30:酸化剤ガス系、34:エアコンプレッサ、35:インタークーラ、35A:流路、35B:貯留部、37A,37B:ミストセパレータ、40;冷媒系、50:制御部、52:バッテリ

Claims (1)

  1. エアと水素ガスにより発電する燃料電池スタックと、
    前記燃料電池スタックにエアを供給するエアコンプレッサと、
    前記エアコンプレッサから前記燃料電池スタックに供給されるエアを冷却するアルミニウム製のインタークーラと、
    前記燃料電池スタックで発電された電力を蓄電するバッテリと、
    前記燃料電池スタックの発電量を制御する制御部と、を少なくとも備える燃料電池システムであって、
    前記インタークーラは、前記燃料電池スタックの発電時に生成される生成水が供給され、前記インタークーラの壁部を介して、前記エアの熱を前記生成水に伝達し、前記生成水の気化潜熱により前記エアを冷却するものであり、
    前記生成水は、硫酸イオンおよびフッ化物イオンを含むものであり、
    前記インタークーラを通過する前記エアコンプレッサから吐出されるエアの圧力値が、所定の成膜圧力値以上になったときに、前記生成水に接触する前記壁部の内面に、前記硫酸イオンに由来の硫黄、前記フッ化物イオンに由来のフッ素、および前記インタークーラの素材であるアルミニウムからなる防食被膜が成膜されるものであり、
    前記制御部は、前記燃料電池スタックの発電時に要求される要求発電量に対する前記エアの要求圧力値が、前記成膜圧力値以上の場合には、前記防食被膜の成膜処理を実施し、
    前記要求圧力値が前記成膜圧力値未満である場合には、前記バッテリの残容量が規定値以下であるかを判断し、前記残容量が規定値以下の場合には、前記エアコンプレッサから吐出されるエアの圧力値が前記成膜圧力値以上になるように、前記エアコンプレッサを制御することで、前記バッテリに前記燃料電池スタックで発電した電力を蓄電しつつ、前記防食被膜の成膜処理を実施することを特徴とする燃料電池システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114335626A (zh) * 2021-12-29 2022-04-12 山东国创燃料电池技术创新中心有限公司 一种燃料电池氢气循环系统及排氢排水方法

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