JP2021188803A - 熱交換器のタンク構造 - Google Patents
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Abstract
Description
ここで、図5はタンク本体3とヘッダプレート6の右側のみを図示しており、左側は左右対称であるため、省略している。
タンク本体3の開口2の外周には、タンク本体3の外側面3aから小フランジ状にフランジ部4がタンク本体3の外方に向けて突設され、そのフランジ部4及び開口2がヘッダプレート6に被嵌されている。
フランジ部4は、外側面4aとそれに直交するカシメ面4bとを有する。
ヘッダプレート6は、多数の偏平チューブ10が挿通され、その外周に環状溝が形成されると共に、その環状溝の外縁からタンク本体3の底面1側に立ち上がる外周壁部6aを有する。その外周壁部6aの先端には、タンク本体3側に突設された爪部7が形成されている。その爪部7が、タンク本体3の外側面3a側に塑性変形されることにより、前記フランジ部4のカシメ面4bにカシメられ、カシメ部7aを形成する。
それによって、タンク本体3が、シールパッキン5を介して、液密にヘッダプレート6に固定される。
タンク本体3に内圧がかかる時も、タンク本体3がその底面1側に引っ張られ、そのフランジ部が左上がりに傾斜する。それにより、カシメ部7aには、左上がり傾斜する変形が起こる。
そこで本発明は、熱交換器のタンク構造において、タンクの内圧又外圧に対して、カシメ部7aの変形を抑制することを課題とする。
前記ヘッダプレート6の周縁から前記底面1方向へ突設された爪部7が前記開口2側に塑性変形されて、前記フランジ部4の外側面4aに略直交するカシメ面4bに当接してカシメ部7aを形成することにより、タンク本体3がヘッダプレート6に固定される熱交換器のタンク構造において、
前記フランジ部4のカシメ面4bは、前記フランジ部4の外側面4aからタンク本体3の外側面3aに向けてシールパッキン5に近づく角度αの勾配で形成された熱交換器のタンク構造である。
前記カシメ部7aと前記外側面4aとのなす角度θが鋭角に形成された熱交換器のタンク構造である。
前記カシメ部7aは、その内側の先端部に板厚方向の外側に突出する凹部9が形成された熱交換器のタンク構造である。
請求項4に記載の本発明は、請求項1に記載の熱交換器のタンク構造において、
前記カシメ部7aは、その内側の先端部に板厚方向の内側に突出する凸部8が形成された熱交換器のタンク構造である。
前記カシメ部7aは、ヘッダプレート6の周方向に間欠的に4以上形成され、各カシメ部7a間に欠切部7bが設けられた熱交換器のタンク構造である。
この構成により、タンク本体3に圧力が加わったとき、タンク本体3のフランジ部4がカシメが緩む方向に傾斜したとしても、前記フランジ部4のカシメ面4bは前記角度αの勾配で形成されているため、前記フランジ部4のカシメ面4bが爪部7に当接するまでは、前記爪部7のカシメ部7aの変形を抑制できる。それ故、タンク本体3がシールパッキン5から浮き上がることを防いで、シールパッキン5の圧縮率の低下を防ぎ、タンク本体3とヘッダプレート6間の液密性を確保できる。
この構成においては、ヘッダプレート6のカシメ部7aの先端が、シールパッキン5に近づく方向に向けてカシメ固定されている。それ故、より効果的に、タンク本体3の浮き上がりを防止でき、カシメ部7aの変形を抑制できる。
このような凹部9によっても、カシメ部7aの剛性を高め内圧に対する保持力を高めることができる。
この構成により、カシメ工程で爪部7を外側面4aに対し直角方向に曲折した状態で、凸部8の先端が前記角度αの勾配を有するカシメ面4bに部分的に当接することができ、前記直角方向に曲折した場合でも、良好なカシメ部7aを形成することができる。
同図(A)はその全体を示す縦断面図であって(B)のA−A矢視断面図、(B)は同正面図、(C)は(A)のC部拡大図である。
この例は、樹脂製のタンク本体3と、その開口2がシールパッキン5を介して被嵌されるヘッダプレート6とを有する。
タンク本体3は、その底面1と外側面3aとを有する断面溝形に形成され、その開口2の外周縁に小フランジ状のフランジ部4が外方に向けて突設されている。タンク本体3の開口2を被蔽するヘッダプレート6は、その底面に多数のチューブ挿通孔がタンク本体3の長手方向に定間隔に並列され、そこに偏平チューブ10の端部が挿通され、その挿通部がろう付固定されている。それと共に、各偏平チューブ10間にフィン11が配置され、それらの接触部間も同時にろう付されて熱交換器のコアを構成する。
すなわち、カシメ部7aの先端はシールパッキン5に近づく方向に向いている。このカシメ部7aの先端の向きは、タンク本体3の浮き上がり方向とは逆の向きであるため、タンク本体にかかる内圧又は外圧に対してカシメ部7aの変形を効果的に抑制でき、タンク本体3とヘッダプレート6間の液密性を確保できる。
この実施例は、カシメ部7aの先端部に板厚方向の内側(フランジ部4のカシメ面4b側)に突出する凸部8が形成されたものである。フランジ部4のカシメ面4bの勾配の角度αは、第1実施例と同じである。
この構造では、図2(A)及び同図(C)に示す如く、爪部7を外側面4aに対し直角方向に曲折した状態で、凸部8の先端を角度αの勾配を有するカシメ面4bに部分的に当接することができる。外側面4aに対し直角方向に曲折した場合でも、良好なカシメ部7aを形成することができる。
この実施例は、カシメ部7aの先端部に板厚方向の外側に凹部9が形成されている。
フランジ部4のカシメ面4bの勾配の角度αと、爪部7のカシメ部7aとフランジ部4の外側面4aとのなす角度θは、第1実施例と同じである。
カシメ部7aの先端部に凹部9が形成されることで、カシメ部7aの先端の剛性が強まり、カシメ部7aの変形を防止できる。
ヘッダプレート6に形成された爪部7は、外側面4aに対し直角方向に曲折してカシメ部7aが形成される。その爪部7の先端には、第2実施例の凸部8や第3実施例の凹部9は形成されていない。フランジ部4のカシメ面4bの勾配の角度αは、他の実施例と同じである。
このように、カシメ部7aと外側面4aとのなす角度θが鋭角でない場合に、タンク本体3のフランジ部4がカシメ部7aの緩む方向に傾斜したとしても、フランジ部4のカシメ面4bは角度αの勾配で形成されているため、フランジ部4のカシメ面4bが爪部7に当接するまでは、前記爪部7のカシメ部7aの変形を抑制できる。
図1の第1実施例では、欠切部7bに間欠的に多数のカシメ部7aが形成されたが、カシメ部7aは外周壁部6aの各側面に1つずつ配置され、各外周壁部6aの間に4つの欠切部7bが存在してもよい。
即ち、カシメ部7aはタンク本体3のフランジ部4の長手方向両側及び両端に4つ形成されたものであってもよい。
また、凸部8によりカシメ部7aの剛性が高まり、タンクの内圧に対する支持力を大きくし、耐圧性を高めることができる。
2 開口
3 タンク本体
3a 外側面
4 フランジ部
4a 外側面
4b カシメ面
5 シールパッキン
6 ヘッダプレート
6a 外周壁部
7 爪部
7a カシメ部
7b 欠切部
8 凸部
9 凹部
10 偏平チューブ
11 フィン
θ 角度
α 角度
β 角度
Claims (5)
- その底面(1)の反対側に開口(2)が設けられているタンク本体(3)のフランジ部(4)及び前記開口(2)が、シールパッキン(5)を介して、ヘッダプレート(6)に被着され、
前記ヘッダプレート(6)の周縁から前記底面(1)方向へ突設された爪部(7)が前記開口(2)側に塑性変形されて、前記フランジ部(4)の外側面(4a)に略直交するカシメ面(4b)に当接してカシメ部(7a)を形成することにより、タンク本体(3)がヘッダプレート(6)に固定される熱交換器のタンク構造において、
前記フランジ部(4)のカシメ面(4b)は、前記フランジ部(4)の外側面(4a)からタンク本体(3)の外側面(3a)に向けてシールパッキン(5)に近づく角度(α)の勾配で形成された熱交換器のタンク構造。 - 請求項1に記載の熱交換器のタンク構造において、
前記カシメ部(7a)と前記外側面(4a)とのなす角度(θ)が鋭角に形成された熱交換器のタンク構造。 - 請求項2に記載の熱交換器のタンク構造において、
前記カシメ部(7a)は、その内側の先端部に板厚方向の外側に突出する凹部(9)が形成された熱交換器のタンク構造。 - 請求項1に記載の熱交換器のタンク構造において、
前記カシメ部(7a)は、その内側の先端部に板厚方向の内側に突出する凸部(8)が形成された熱交換器のタンク構造。 - 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の熱交換器のタンク構造において、
前記カシメ部(7a)は、ヘッダプレート(6)の周方向に間欠的に4以上形成され、各カシメ部(7a)間に欠切部(7b)が設けられた熱交換器のタンク構造。
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