JP2021188700A - 衝撃吸収装置及びステアリング装置 - Google Patents

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Daiki Yamahana
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Abstract

【課題】部品点数の削減、及び生産性の向上を図りつつ、衝撃吸収部材の摩耗粉の移動を制限することができる衝撃吸収装置及びステアリング装置を提供する。【解決手段】衝撃吸収装置10は、ラックシャフト2が移動端に達したときの衝撃を吸収する。衝撃吸収装置10は、当接部材3とハウジング4と衝撃吸収部材6とを備える。当接部材3は、ラックシャフト2に取り付けられ、ラックシャフト2よりも大径に形成されている。ハウジング4は、軸方向の当接部材3側を向く受け面421aを有するとともに軸方向移動可能にラックシャフト2が挿通される。衝撃吸収部材6は、軸方向における当接部材3と受け面421aとの間に配されている。ハウジング4は、受け面421aの内周側かつ受け面421aと径方向に重なる位置において軸方向に突出する嵌合部101を有する。衝撃吸収部材6は、嵌合部101の外周側から嵌合部101に嵌合する被嵌合部102を有する。【選択図】図3A

Description

本発明は、衝撃吸収装置及びステアリング装置に関する。
従来、ステアリング装置には、ステアリングホイールの操舵操作によって回転するピニオンシャフトと、ピニオンシャフトに噛み合う歯を片面に有するとともにピニオンシャフトの回転に伴って軸方向(車幅方向)に移動するラックシャフトとを備えたラックアンドピニオン機構が用いられている。ラックシャフトの両端部のそれぞれには、ラックシャフトよりも大径の当接部材が取り付けられており、各当接部材は、タイロッドを介して転舵輪に連結されている。ステアリング装置は、ラックシャフトの軸方向の動きを、タイロッドを介して転舵輪に伝えることで転舵輪を転舵させる。
ラックシャフトは、車幅方向に延在する筒状のハウジング内に、軸方向移動可能に収容されている。ハウジングの両端部付近には、内周側に突出した環状の規制壁が形成されている。そして、ラックシャフトの軸方向の移動は、規制壁における車幅方向外側の受け面に、当接部材が当接することにより規制される。当接部材がハウジングの受け面に当接することは、エンド当てとも呼ばれる。
ここで、特許文献1には、エンド当て時の衝撃を吸収すべく、当接部材とハウジングの受け面との間に弾性体からなる衝撃吸収部材を配置した衝撃吸収装置が開示されている。かかる衝撃吸収装置においては、エンド当て時に、当接部材と受け面とが衝撃吸収部材を介して当接するため、衝撃が吸収される。
特開2017−219077号公報
エンド当て時において、衝撃吸収部材は、当接部材と受け面との間で軸方向に圧縮されるが、同時に径方向に膨らむ。これは、弾性体からなる衝撃吸収部材が、弾性変形時において一定の体積を保とうとする性質を有するためである。それゆえ、エンド当て時には、衝撃吸収部材と受け面との間に擦れが生じ、エンド当ての回数が増えると、衝撃吸収部材における受け面との接触面から衝撃吸収部材の摩耗粉が生じることがある。そして、かかる摩耗粉は、ラックシャフトに落下する等、発生位置から移動するおそれがある。摩耗粉が移動すると、ステアリング装置の動作に影響を及ぼすことも想定し得る。一例として、ステアリング装置においては、運転者のステアリングホイールの操作を補助するために、ボールねじ機構を備えた操舵補助装置が組み込まれることがあるが、この場合、摩耗粉がボールねじに入り込み、ボールねじの動作を阻害するおそれがある。
そこで、特許文献1に記載のステアリング装置においては、衝撃吸収部材の摩耗粉の移動を制限するための構成が開示されている。かかる構成においては、衝撃吸収部材における受け面との接触面から摩耗粉が生じたときに当該摩耗粉が内周側に落下することを阻止すべく、衝撃吸収部材よりも内周側に離れた位置において、受け面上に円筒部が取り付けられている。さらに、円筒部の外周側に捕えられた摩耗粉の移動を制限するために、円筒部の外周面に凹部が設けられ、当該凹部内に摩耗粉を付着させるための接着剤が充填されている。
しかしながら、特許文献1に記載の構成においては、摩耗粉の移動を制限するために、円筒部や接着剤を用いる必要があり、部品点数の増加を招く。さらに、受け面への円筒部の取付作業や凹部への接着剤の充填作業が必要となり、生産性を向上させにくい。
そこで、本発明は、部品点数の削減、及び生産性の向上を図りつつ、衝撃吸収部材の摩耗粉の移動を制限することができる衝撃吸収装置及びステアリング装置を提供することを目的とする。
本発明は、前記の目的を達成するため、所定の軸方向範囲を移動するシャフトが移動端に達したときの衝撃を吸収する衝撃吸収装置であって、前記シャフトに取り付けられ、前記シャフトよりも大径の当接部材と、軸方向の前記当接部材側を向く受け面を有するとともに、軸方向移動可能に前記シャフトが挿通されるハウジングと、軸方向における前記当接部材と前記受け面との間に配される弾性体からなる衝撃吸収部材と、を備え、前記ハウジング及び前記衝撃吸収部材の一方は、前記受け面の内周側かつ前記受け面と径方向に重なる位置において軸方向に突出する嵌合部を有し、前記ハウジング及び前記衝撃吸収部材の他方は、前記嵌合部の外周側から前記嵌合部に嵌合する被嵌合部を有する、衝撃吸収装置を提供する。
また、本発明は、前記の目的を達成するため、前記衝撃吸収装置を備えるステアリング装置であって、前記シャフトは、前記シャフトの両端部に取り付けられた一対の前記当接部材のそれぞれに回転可能に取り付けられたタイロッドを介して一対の転舵輪に連結され、軸方向の移動によって前記一対の転舵輪を転舵させるためのラックシャフトである、ステアリング装置を提供する。
本発明による衝撃吸収装置及びステアリング装置によれば、部品点数の削減、及び生産性の向上を図りつつ、衝撃吸収部材の摩耗粉の移動を制限することができる衝撃吸収装置及びステアリング装置を提供することが可能となる。
第1の実施の形態における、衝撃吸収装置を備えたステアリング装置の全体構成を示す模式図である。 第1の実施の形態における、ステアリング装置の操舵補助装置付近の断面図。 第1の実施の形態における、エンド当てが生じていないときの、ステアリング装置における衝撃吸収装置付近の断面図。 第1の実施の形態における、エンド当てが生じたときの、ステアリング装置における衝撃吸収装置付近の断面図。 第1の実施の形態における、板部材、衝撃吸収部材、及びハウジングの分解断面図。 第1の実施の形態における、衝撃吸収部材とハウジングの受け面との間に発生した衝撃吸収部材の摩耗粉を示すための模式的な断面図。 第2の実施の形態における、エンド当てが生じていないときの、ステアリング装置における衝撃吸収装置付近の断面図。 第3の実施の形態における、エンド当てが生じていないときの、ステアリング装置における衝撃吸収装置付近の断面図。 第4の実施の形態における、エンド当てが生じていないときの、ステアリング装置における衝撃吸収装置付近の断面図。
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態について、図1乃至図5を参照して説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する上での好適な具体例として示すものであり、技術的に好ましい種々の技術的事項を具体的に例示している部分もあるが、本発明の技術的範囲は、この具体的態様に限定されるものではない。
また、以下において、単に軸方向といったときは、特に断らない限りラックシャフト2が延在する方向を意味するものとする。また、軸方向内側といったときは、軸方向におけるラックシャフト2の中心に向かう側を意味し、軸方向外側といったときは、軸方向におけるラックシャフト2の中心から離れる側を意味するものとする。また、単に径方向といったときは、ラックシャフト2の径方向を意味するものとする。
(ステアリング装置1の構成)
図1に示すごとく、ステアリング装置1は、車両に搭載されて用いられ、運転者のステアリングホイール11の操作に応じて転舵輪である左右の前輪17を転舵させる。
ステアリングホイール11には、ステアリングホイール11の回転と連動して回転するステアリングシャフト12が取り付けられている。ステアリングシャフト12は、ステアリングホイール11に連結されたコラムシャフト121、コラムシャフト121に自在継手120によって連結されたインターミディエイトシャフト122、及びインターミディエイトシャフト122に自在継手120によって連結されたピニオンシャフト123を備える。ステアリングシャフト12は、ステアリングホイール11の回転を、回転軸の角度を変えつつコラムシャフト121からピニオンシャフト123まで伝達する。
ピニオンシャフト123は、外周部にピニオン歯123aを有する。ピニオン歯123aは、車幅方向に延在するラックシャフト2の片面に形成されたラック歯21と噛み合っている。これにより、ピニオン歯123aの回転が、ラックシャフト2の軸方向の直線運動に変換される。
ラックシャフト2には、その両端に、ラックシャフト2よりも外周側に突出するよう形成された当接部材3が取り付けられている。図3Aに示すごとく、当接部材3は、連結部31と雄ねじ部32とを有するボールジョイントソケットである。図1に示すごとく、連結部31は、ラックシャフト2より大径に形成されており、ボールジョイントによりタイロッド13が連結されている。また、雄ねじ部32は、ラックシャフト2の端面に設けられた雌ねじ孔22に螺合されている。各当接部材3の連結部31に連結されたタイロッド13は、ナックルアーム16を介して前輪17に連結されている。これにより、ラックシャフト2の軸方向の動きは、タイロッド13及びナックルアーム16を介して左右の前輪17に伝達され、これによって前輪17が転舵される。ラックシャフト2は、車幅方向に延在する略円筒状のハウジング4内に挿入されている。
ハウジング4は、アルミニウム等の金属からなり、図示しないブッシュを介してラックシャフト2を軸方向移動可能に保持している。軸方向におけるハウジング4の両端には、筒状の筒状端部41が形成されている。筒状端部41は、当接部材3が挿入可能となるよう、当接部材3よりも内径が大きい円筒状に形成されている。筒状端部41には、蛇腹筒状の変形可能なベローズ14が取り付けられている。ベローズ14の一端は、筒状端部41に外嵌されており、ベローズ14の他端はタイロッド13に外嵌されている。これにより、外部からハウジング4及びベローズ14の内側に、埃、水等の異物が進入しないようにしている。
図1、図2及び図3Aに示すごとく、ハウジング4における、各筒状端部41の軸方向内側には、筒状端部41よりも内周側に突出した規制壁42が形成されている。規制壁42は、ラックシャフト2を囲むよう円環状に形成されている。図1に示すごとく、一対の規制壁42は、軸方向におけるラックシャフト2の両端に取り付けられた一対の当接部材3の間の領域に形成されている。
図3A及び図3Bに示すごとく、いずれか一方の規制壁42に、当該規制壁42に近い側の当接部材3が、板部材5及び衝撃吸収部材6を介して当接すること(以後、単に「エンド当て」ということもある。)により、ラックシャフト2の軸方向の移動が規制される。ラックシャフト2は、その一端に取り付けられた当接部材3がエンド当てする位置から、その他端に取り付けられた当接部材3がエンド当てする位置までの軸方向範囲を移動することができるよう構成されている。エンド当て時には、図3Bに示すごとく、衝撃吸収部材6が軸方向に圧縮されることで衝撃が吸収される。なお、図3Bにおいては、衝撃吸収部材6が自由状態であるときの、衝撃吸収部材6と板部材5との外形を二点鎖線にて表している。
本形態においては、軸方向の一方側に位置する、当接部材3、板部材5、衝撃吸収部材6、及び規制壁42を有する衝撃吸収装置10と、軸方向の他方側に位置する、当接部材3、板部材5、衝撃吸収部材6、及び規制壁42を備える衝撃吸収装置10との、左右一対の衝撃吸収装置10を有する。左右一対の衝撃吸収装置10は、互いに左右対称な構成を有するため、以後、重複する説明は省略し、特に断らない限り片方の衝撃吸収装置10について説明する。
図3A、図3B、及び図4に示すごとく、本形態の衝撃吸収装置10の規制壁42は、規制壁本体421と規制壁本体421から軸方向外側に突出した嵌合部101とを有する。規制壁本体421は、ハウジング4において筒状端部41よりも内周側に突出した円環状を呈しており、その軸方向外側の円環状の主面が受け面421aを構成している。受け面421aは、規制壁42の面のうち、最も衝撃吸収部材6と対向する面積が大きい面である。受け面421aは、軸方向に直交する面状に形成されており、当接部材3の軸方向内側の面である当接面311側を向いている。
嵌合部101は、受け面421aの内周側かつ受け面421aと径方向に重なる位置において、規制壁本体421から軸方向に突出するよう形成されている。嵌合部101は、軸方向に平行な断面がL字状を呈しており、規制壁42における受け面421aの内周側の部位から軸方向外側に突出した第1ハウジング突起部422aと、第1ハウジング突起部422aの軸方向外側の端部から外周側に突出した第2ハウジング突起部422bとを有する。嵌合部101は、規制壁42の全周にわたって形成されている。嵌合部101の外周側から嵌合部101に、衝撃吸収部材6の内周部が嵌合している。
衝撃吸収部材6は、弾性変形可能なゴム等の弾性体からなる。衝撃吸収部材6は、ラックシャフト2を囲むよう円環状に形成されている。衝撃吸収部材6の外径は、ハウジング4の筒状端部41の内径よりも小さい。図3Aに示すごとく、少なくとも衝撃吸収部材6が自由状態にあるとき、衝撃吸収部材6の外周面とハウジング4の筒状端部41との間には、若干の隙間が形成されている。
衝撃吸収部材6は、ハウジング4の嵌合部101の外周側から嵌合部101に嵌合する被嵌合部102を有する。被嵌合部102は、第2ハウジング突起部422bの外周側から第2ハウジング突起部422bに嵌合するよう外周側に凹んでなる部材嵌合溝61を有する。部材嵌合溝61は、衝撃吸収部材6の内周面の全周に形成されており、第2ハウジング突起部422bが挿入嵌合している。部材嵌合溝61と、衝撃吸収部材6における受け面421aに対向する対向面62との間の軸方向長さは、第1ハウジング突起部422aの軸方向長さと同等である。これにより、図3Aに示すごとく、衝撃吸収部材6が自由状態にあるとき、衝撃吸収部材6の対向面62は、受け面421aと当接又は近接対向する。
衝撃吸収部材6の軸方向外側の面には、板部材5が接着されている。板部材5は、当接部材3からの押圧力を衝撃吸収部材6の軸方向外側の面から衝撃吸収部材6に均等に伝達する役割を有し、鉄等の剛性の高い金属等の材料を円環状に形成してなる。板部材5は、衝撃吸収部材6よりも内周側及び外周側の双方に突出するよう形成されており、衝撃吸収部材6の軸方向外側の面全体が、板部材5に接着されている。板部材5の内径は、ラックシャフト2の外径よりも大きく、当接部材3の当接面311の外径よりも小さい。また、板部材5の外径は、筒状端部41の内径よりも若干小さくなるよう形成されている。これにより、板部材5は、筒状端部41に対して軸方向に移動可能となっている。エンド当て時における衝撃吸収装置10の動作は、後述する。
図1及び図2に示すごとく、一方の当接部材3の軸方向内側近傍には、操舵補助装置7が配されている。操舵補助装置7は、ステアリングホイール11に付与される操舵トルクに応じて運転者のステアリングホイール11の操作を補助する装置である。
操舵補助装置7は、ステアリングホイール11の操作の補助力の発生源となるモータ71と、モータ71の回転軸の回転動作を制御するコントローラ72と、ラックシャフト2を囲むようラックシャフト2に取り付けられたボールねじ機構73と、モータ71の回転軸の回転を減速してボールねじ機構73に伝達する減速機構74とを備えている。
コントローラ72は、操舵トルクや車速等に基づいて、適切な操舵補助力がラックシャフト2に付与されるようにモータ71を制御する。操舵トルクは、トルクセンサ15によって検出される。トルクセンサ15は、ピニオンシャフト123が備えるトーションバー123bの捩じれ角の大きさに基づいて操舵トルクを検出し、検出結果信号をコントローラ72に送る。
コントローラ72によって制御されるモータ71の回転軸は、ラックシャフト2と平行になるよう配されている。そして、モータ71の回転軸の回転は、減速機構74を介してボールねじ機構73に伝達される。
減速機構74は、モータ71の回転軸に装着される駆動プーリ741と、ラックシャフト2を囲むように配された従属プーリ742と、駆動プーリ741と従属プーリ742とに懸架された歯付ベルト743とを有する。従属プーリ742の外径は、駆動プーリ741の外径よりも大きく、これによって減速機構74は、駆動プーリ741の回転速度が減速されて従属プーリ742に伝わるよう構成されている。従属プーリ742は、ボールねじ機構73のボールねじナット731にボルト締結されている。
ボールねじ機構73は、従属プーリ742と一体的に回転するボールねじナット731、ボールねじナット731とラックシャフト2との間に配置された複数のボール732、及びボールねじナット731をハウジング4に対して回転可能に支持する軸受733を備える。ボールねじナット731の内周面には、螺旋状のナットねじ溝731aが設けられている。また、ラックシャフト2の外周面には、螺旋状のシャフトねじ溝23が、ナットねじ溝731aと対向する位置に設けられている。シャフトねじ溝23は、ラックシャフト2における軸方向の中央を挟んでラック歯21の反対側の領域に形成されているとともに、ラックシャフト2の一端付近まで形成されている。ナットねじ溝731aとシャフトねじ溝23とは、これらの間に転動可能に配された複数のボール732を介して螺合されている。これにより、ボールねじナット731の回転は、複数のボール732を介して螺合されたラックシャフト2の軸方向の動きに変換される。当該動きが、運転者のステアリングホイール11の操作を補助する力となる。
図1及び図2に示すごとく、ハウジング4は、軸方向の操舵補助装置7が配された領域において分割された第1ハウジング部材4a及び第2ハウジング部材4bを組み付けてなる。第1ハウジング部材4aは、ラックアンドピニオン機構などを収容しており、軸方向に長尺に形成されている。第2ハウジング部材4bは、軸受733を介してボールねじナット731を保持している。第1ハウジング部材4aと第2ハウジング部材4bとの互いの組付部の内側に、操舵補助装置7が収容されている。
(衝撃吸収装置10の動作)
まず、ステアリングホイール11を一方向に回転し続けると、図3Aに示すごとく、ラックシャフト2及び一対の当接部材3が軸方向に移動して一方の当接部材3の当接面311が板部材5に接近し、当接する。これにより、図3Bに示すごとく、当接部材3が、板部材5を介して衝撃吸収部材6を規制壁42の受け面421aに向けて押し込み、衝撃吸収部材6が軸方向に圧縮される。
弾性体からなる衝撃吸収部材6は、弾性変形前後において一定の体積を保とうとする性質を有するため、軸方向に圧縮されつつ径方向の内外に膨らむ。そのため、衝撃吸収部材6が圧縮されるにつれて、衝撃吸収部材6の対向面62が弾性的に径方向に広がり、衝撃吸収部材6の対向面62と受け面421aとの間に摺動摩擦が生じる。また、衝撃吸収部材6が圧縮されるにつれて、衝撃吸収部材6の外周面が筒状端部41の内周面411に接触し、摩擦が生じることも考えられる。これら摩擦の発生に起因し、エンド当ての回数が増えると、図5の模式図に示すごとく、対向面62と受け面421aとの間や衝撃吸収部材6の外周面と筒状端部41の内周面411との間に衝撃吸収部材6の摩耗粉100が発生することが考えられる。
そこで、規制壁42に、受け面421aの内周側を受けるように嵌合部101を形成することにより、対向面62と受け面421aとの間に発生した摩耗粉100が、嵌合部101より内周側に落ちることを防止している。さらに、嵌合部101の外周面には、衝撃吸収部材6の被嵌合部102が嵌合しているため、嵌合部101と衝撃吸収部材6との間を摩耗粉100が通過することが防止される。
また、衝撃吸収部材6の外周面と筒状端部41の内周面411との間に発生した摩耗粉100は、板部材5と筒状端部41との間の隙間が小さく設定されていることにより、板部材5と筒状端部41との間を通過することが防止される。なお、図示は省略するが、衝撃吸収部材6の外周面と筒状端部41の内周面411との間には、摩擦低減のための潤滑剤が塗布されている。これにより、衝撃吸収部材6の外周面と筒状端部41の内周面411との間の摩擦を低減し、衝撃吸収部材6の外周面と筒状端部41の内周面411との間に摩耗粉100が発生することを抑制している。
また、本形態のステアリング装置1においては、前述のようにボールねじ機構73を備えた操舵補助装置7が設けられている。ボールねじ機構73のボールねじナット731のナットねじ溝731aとシャフトねじ溝23との間の空間に、衝撃吸収部材6の摩耗粉100が進入した場合、ボール732の転動動作が阻害されることでボールねじ機構73の動作が阻害される。そこで、本形態の衝撃吸収装置10を設けることで、衝撃吸収部材6の摩耗粉100がナットねじ溝731aとシャフトねじ溝23との間の空間に進入することが防止される。かかる効果を得やすくするため、本形態の衝撃吸収装置10は、少なくとも軸方向におけるボールねじ機構73に近い側のラックシャフト2の端部に設けられていることが好ましい。なお、前述のピニオンシャフト123のピニオン歯123aとラックシャフト2のラック歯21との噛み合い部にも摩耗粉100が進入することは好ましくなく、本形態においては、ラックシャフト2の左右それぞれに本形態の衝撃吸収装置10が設けられている。
(第1の実施の形態の作用及び効果)
本形態にかかるステアリング装置1の衝撃吸収装置10において、ハウジング4は、受け面421aの内周側かつ受け面421aと径方向に重なる位置において軸方向に突出する嵌合部101を有する。そのため、前述のように衝撃吸収部材6と受け面421aとの間に衝撃吸収部材6の摩耗粉100が生じた場合であっても、当該摩耗粉100が内周側に脱落することが嵌合部101によって防止される。さらに、衝撃吸収部材6は、嵌合部101の外周側から嵌合部101に嵌合する被嵌合部102を有する。それゆえ、衝撃吸収部材6と受け面421aとの間に生じた摩耗粉100が嵌合部101と被嵌合部102との間を通過することを防止することができる。さらに、衝撃吸収部材6の形状とハウジング4の形状を工夫することによって、摩耗粉100の移動を防止することができるため、摩耗粉100の移動を防止するために、構成部品点数が増加したり生産性が低下したりすることもない。
また、本形態においては、金属製のハウジング4に、一部が突出した嵌合部101を形成している。それゆえ、嵌合部101の剛性を確保しやすい。
以上のごとく、本形態による衝撃吸収装置10及びそれを備えたステアリング装置1によれば、部品点数の削減、及び生産性の向上を図りつつ、衝撃吸収部材6の摩耗粉100の移動を制限することができる衝撃吸収装置10及びステアリング装置1を提供することが可能となる。
[第2の実施の形態]
本形態は、図6に示すごとく、第1の実施の形態に対して、衝撃吸収装置10の形状を変更した形態である。本形態において、嵌合部101の外周面は、軸方向外側の部位ほど縮径する外周テーパ面101aとなっている。また、嵌合部101の内周面は、軸方向に平行な円筒状に形成されている。これにより、嵌合部101は、根本側(軸方向内側)の部位ほど、厚みが大きくなっている。
衝撃吸収部材6が自由状態にあるときにおいて、衝撃吸収部材6の軸方向内側端部の内周端部は、嵌合部101の外周面と平行な内周テーパ面63となっている。衝撃吸収部材6は、嵌合部101の外周側に組み付けられた状態において、ハウジング4の嵌合部101の外周テーパ面101aと、衝撃吸収部材6の内周テーパ面63とは、互いに接触している。
また、衝撃吸収部材6の軸方向内側端部の外周端部は、外周側に張り出した周状の張出部64を有する。そして、ハウジング4の筒状端部41における規制壁42側の端部には、外周側に凹んだ周状の保持溝43が形成されている。衝撃吸収部材6は、張出部64を保持溝43に挿入し、かつ、内周テーパ面63を嵌合部101の外周テーパ面101aに当接するよう、筒状端部41内に組み付けられる。このとき、衝撃吸収部材6は、嵌合部101の外周テーパ面101aによって外周側に押されながら筒状端部41内に組み付けられるため、ハウジング4の保持溝43に確実に張出部64が嵌合するようになる。
その他は、第1の実施の形態と同様である。
なお、第2の実施の形態以降において用いた符号のうち、既出の形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
(第2の実施の形態の作用及び効果)
本形態においては、嵌合部101が根本の部位ほど厚くなっているため、嵌合部101の強度を確保しやすい。また、衝撃吸収部材6をハウジング4内に組み付ける際には、衝撃吸収部材6を規制壁42に近づけるにつれて、衝撃吸収部材6が嵌合部101の外周テーパ面101aによって外周側に押され、衝撃吸収部材6が受け面421aに当接した状態においては、衝撃吸収部材6の張出部64とハウジング4の保持溝43とが完全に嵌合した状態を実現することができる。それゆえ、ハウジング4からの衝撃吸収部材6の抜け落ちを確実に防止することができる。
その他、本形態においても、第1の実施の形態と同様の作用効果を有する。
[第3の実施の形態]
本形態は、図7に示すごとく、衝撃吸収部材6に、一部が突出した嵌合部101を設け、ハウジング4の規制壁42に、嵌合部101の外周側から嵌合部101に嵌合する被嵌合部102を設けた形態である。
規制壁42は、内周端部の軸方向内側の端部に、外周側に凹む溝状の被嵌合部102を有する。被嵌合部102は、全周に形成されており、軸方向外側に形成された第1ハウジング溝部44と第1ハウジング溝部44の軸方向内側に隣接して形成されるとともに第1ハウジング溝部44よりも外周側に凹んだ第2ハウジング溝部45とを有する。第1ハウジング溝部44は、軸方向外側が開放されており、軸方向内側が第2ハウジング溝部45と連通している。軸方向において、第1ハウジング溝部44の長さは、第2ハウジング溝部45の長さよりも長い。
衝撃吸収部材6は、本体部65と、本体部65から軸方向内側に突出した嵌合部101とを有する。嵌合部101は、第1ハウジング溝部44及び第2ハウジング溝部45に嵌合している。嵌合部101は、受け面421aの内周側かつ受け面421aと径方向に重なる位置に形成されている。嵌合部101は、軸方向に平行な断面がL字状を呈しており、本体部65から軸方向内側に突出した第1部材突起部661と、第1部材突起部661の軸方向内側の端部から外周側に突出した第2部材突起部662とを有する。軸方向において、第1部材突起部661の長さは、第2部材突起部662の長さよりも長い。
その他は、第1の実施の形態と同様である。
(第3の実施の形態の作用及び効果)
本形態において、衝撃吸収部材6の嵌合部101の第1部材突起部661は、第2部材突起部662よりも軸方向の長さが長い。それゆえ、エンド当て時に衝撃吸収部材6が圧縮され、本体部65の内周部が自由状態よりも内周側に膨れ出た場合であっても、軸方向に長尺に形成された第1部材突起部661が径方向に変形することで、第2部材突起部662と第2ハウジング溝部45との嵌合が維持されやすい。それゆえ、ハウジング4からの衝撃吸収部材6の脱落を防止しやすい。
その他、本形態においても、第1の実施の形態と同様の作用効果を有する。
[第4の実施の形態]
本形態は、図8に示すごとく、第3の実施の形態と基本構成を同様としつつ、筒状端部41の形状を変更した形態である。
筒状端部41の内周面411は、軸方向内側に形成された第1内周面411aと、第1内周面411aよりも軸方向外側において第1内周面411aよりも大径に形成され、かつ内周側に板部材5を配した第2内周面411bとを有する。第1内周面411aの内径は、自由状態の衝撃吸収部材6の内径と同等である。第2内周面411bの内径は、板部材5の外径よりも若干大きい。そして、第1内周面411aと第2内周面411bとの間には、軸方向外側に向かうほど拡径する第3内周面411cが形成されている。そして、当接部材3が板部材5から離れた状態において、第1内周面411aと第3内周面411cと衝撃吸収部材6と板部材5とに囲まれた空隙Cが、ハウジング4の全周に形成されている。
その他は、第3の実施の形態と同様である。
(第4の実施の形態の作用及び効果)
本形態においては、エンド当て時において、衝撃吸収部材6の外周面と筒状端部41の内周面411との間に発生した摩耗粉は、空隙Cに溜められる。そして、板部材5の外径が、筒状端部41の内径と略同等に形成されていることから、空隙Cに溜まった衝撃吸収部材6の摩耗粉が、板部材5と筒状端部41の内周面411との間から外部に抜け出ることが防止される。
その他、本形態においても、第3の実施の形態と同様の作用効果を有する。
(付記)
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、この実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
また、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で、一部の構成を省略し、あるいは構成を追加もしくは置換して、適宜変形して実施することが可能である。
1…ステアリング装置、10…衝撃吸収装置、101…嵌合部、102…被嵌合部、13…タイロッド、17…前輪(駆動輪)、2…ラックシャフト、3…当接部材、4…ハウジング、41…筒状端部、411…筒状端部の内周面、421a…受け面、44…第1ハウジング溝部(ハウジング嵌合溝)、5…板部材、6…衝撃吸収部材、61…部材嵌合溝

Claims (5)

  1. 所定の軸方向範囲を移動するシャフトが移動端に達したときの衝撃を吸収する衝撃吸収装置であって、
    前記シャフトに取り付けられ、前記シャフトよりも大径の当接部材と、
    軸方向の前記当接部材側を向く受け面を有するとともに、軸方向移動可能に前記シャフトが挿通されるハウジングと、
    軸方向における前記当接部材と前記受け面との間に配される弾性体からなる衝撃吸収部材と、を備え、
    前記ハウジング及び前記衝撃吸収部材の一方は、前記受け面の内周側かつ前記受け面と径方向に重なる位置において軸方向に突出する嵌合部を有し、
    前記ハウジング及び前記衝撃吸収部材の他方は、前記嵌合部の外周側から前記嵌合部に嵌合する被嵌合部を有する、
    衝撃吸収装置。
  2. 前記ハウジングの一部が前記嵌合部を構成し、前記衝撃吸収部材の一部が前記被嵌合部を構成しており、
    前記嵌合部は、前記ハウジングにおける前記受け面の内周側の部位から突出した第1ハウジング突起部と、前記第1ハウジング突起部から外周側に突出した第2ハウジング突起部とを有し、
    前記被嵌合部は、前記第2ハウジング突起部の外周側から前記第2ハウジング突起部に嵌合するよう外周側に凹んでなる部材嵌合溝を有する、
    請求項1に記載の衝撃吸収装置。
  3. 前記衝撃吸収部材の一部が前記嵌合部を構成し、前記ハウジングの一部が前記被嵌合部を構成しており、
    前記嵌合部は、前記衝撃吸収部材の内周端部において前記受け面が向く側の反対側に突出するよう形成された第1部材突起部と、前記第1部材突起部から外周側に突出した第2部材突起部とを有し、
    前記被嵌合部は、前記第2部材突起部の外周側から前記第2部材突起部に嵌合するよう外周側に凹んでなるハウジング嵌合溝を有する、
    請求項1に記載の衝撃吸収装置。
  4. 前記衝撃吸収部材における前記受け面とは反対側の面には、一部が前記衝撃吸収部材よりも外周側に突出する板部材が配されており、
    前記ハウジングは、内周側に前記衝撃吸収部材及び前記板部材を配した筒状の筒状端部を有し、
    前記筒状端部の内周面は、前記受け面に隣接する第1内周面と、前記第1内周面よりも前記受け面が向く側において前記第1内周面よりも大径に形成され、かつ内周側に前記板部材を配した第2内周面とを有する、
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載の衝撃吸収装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の衝撃吸収装置を備えるステアリング装置であって、
    前記シャフトは、前記シャフトの両端部に取り付けられた一対の前記当接部材のそれぞれに回転可能に取り付けられたタイロッドを介して一対の転舵輪に連結され、軸方向の移動によって前記一対の転舵輪を転舵させるためのラックシャフトである、
    ステアリング装置。
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