JP2021188591A - エンジンユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】構造が簡単でありながら、潤滑油の温度が低いときにエンジン本体で発生した排ガスの熱を利用して潤滑油を加熱可能であり、かつ、潤滑油の温度が高いときに潤滑油の温度が過剰に高くなるのを防止する。【解決手段】エンジンユニットは、低温油通路部42−1の上流端に接続される切換弁46を含む1つまたは2つの切換弁46を有する。低温油通路部42−1の少なくとも一部が外部排気通路部61に接触するか、低温油通路部42−1内の潤滑油と外部排気通路部61内の排ガスが共通の壁部の両面にそれぞれ接する。高温油通路部42−2は外部排気通路部61から離れている。1つまたは2つの切換弁46は、潤滑油の温度が低温領域にあるときに、潤滑油が低温油通路部42−1を通過することを許容する第1状態であり、潤滑油の温度が低温領域より高い高温領域にあるときに、潤滑油が高温油通路部42−2を通過することを許容し、かつ、潤滑油が低温油通路部42−1に流入することを阻止する第2状態である。【選択図】図1

Description

本発明は、排ガスの熱を利用して潤滑油を加熱する構成を有するエンジンユニットに関する。
排ガスの熱を利用して潤滑油を温める構成を有するエンジンユニットとして、例えば特許文献1に開示されたエンジンユニットがある。特許文献1に開示されたエンジンユニットは、エンジン本体の外部に位置しかつエンジン本体に接続された排気管と、内部を潤滑油が循環する潤滑油循環通路部とを有する。潤滑油循環通路部は、エンジン本体の内部と外部に位置する。排気管には、熱交換器が配置されている。潤滑油循環通路部の一部は、熱交換器に組み込まれている。排気管には、熱交換器を迂回するようにバイパス管が接続されている。バイパス管の上流端と排気管との接続部には多方向弁が設けられている。多方向弁は、潤滑油の温度によって排ガスの流れを切り換える。
潤滑油の温度が低いときは、エンジン本体で発生した排ガスは、熱交換器を通過する。そのため、潤滑油循環通路部を流れる潤滑油が加熱される。潤滑油の温度が高いときは、排ガスはバイパス管を通過する。そのため、排気管を流れる排ガスの熱は、熱交換器を介して潤滑油に伝わらない。そのため、潤滑油の温度が過剰に高くなることが防止される。
独国特許出願公開第102004031365号明細書
一般的に、排ガスが流れる管の径は、潤滑油循環通路部を構成する管の径より大きい。さらに、そのため、特許文献1の排気管およびバイパス管の径は大きい。そのため、特許文献1のバイパス管の上流端と排気管との接続構造、および、バイパス管の下流端と排気管との接続構造を、簡単な構造にするのが難しい。
本発明は、構造が簡単でありながら、潤滑油の温度が低いときにエンジン本体で発生した排ガスの熱を利用して潤滑油を加熱可能であり、かつ、潤滑油の温度が高いときに潤滑油の温度が過剰に高くなるのを防止できるエンジンユニットを提供することを目的とする。
(1)本発明のエンジンユニットは、燃焼室および前記燃焼室内で発生した排ガスが流れる内部排気通路部を有するエンジン本体と、前記エンジン本体の外部に配置され、前記内部排気通路部に接続され、排ガスが流れる外部排気通路部と、前記エンジン本体の内部および外部に配置され、かつ、内部を潤滑油が循環する潤滑油通路部と、潤滑油を圧送することにより、潤滑油を前記潤滑油通路部内で循環させるポンプ装置と、を備えるエンジンユニットである。前記潤滑油循環通路部は、潤滑油の流れ方向における下流端同士が接続された低温油通路部および高温油通路部を含む。前記低温油通路部および前記外部排気通路部は、前記低温油通路部の少なくとも一部が前記外部排気通路部に接触するか、前記低温油通路部内の潤滑油と前記外部排気通路部内の排ガスが共通の壁部の両面にそれぞれ接するように形成されており、前記高温油通路部が、前記外部排気通路部から離れている。前記エンジンユニットは、1つまたは2つの切換弁を有する。前記1つの切換弁、または、前記2つの切換弁の一方は、潤滑油の流れ方向における前記低温油通路部の上流端に接続される。前記1つまたは2つ切換弁は、潤滑油の温度が低温領域にあるときに、潤滑油が前記低温油通路部を通過することを許容する第1状態であり、潤滑油の温度が前記低温領域より高い高温領域にあるときに、潤滑油が前記高温油通路部を通過することを許容し、かつ、潤滑油が前記低温油通路部に流入することを阻止する第2状態である。
この構成によると、潤滑油の温度が低温領域にあるとき、切換弁が第1状態となり、潤滑油が低温油通路部を流れる。低温油通路部の少なくとも一部は、外部排気通路部に接触する。もしくは、低温油通路部内の潤滑油と外部排気通路部内の排ガスが共通の壁部の両面にそれぞれ接する。そのため、低温油通路部を流れる潤滑油は、排ガスが流れる外部排気通路部から熱を受ける。そのため、潤滑油の温度が低温領域にあるときにエンジン本体で発生した排ガスの熱を利用して潤滑油を加熱可能である。
潤滑油の温度が高温領域にあるとき、切換弁が第2状態となり、潤滑油は高温油通路部を流れ、低温油通路部を流れない。高温油通路部は、外部排気通路部から離れている。そのため、高温油通路部を流れる潤滑油は、外部排気通路部から熱を受け難い。そのため、潤滑油の温度が高温領域にあるときに潤滑油の温度が過剰に高くなるのを防止できる。
一般的に、潤滑油が流れる通路部(管)の内径は、排ガスが流れる通路部(管)の内径より小さい。一般的に、潤滑油が流れる通路部(管)の外径は、排ガスが流れる通路部(管)の外径より小さい。そのため、潤滑油循環通路部の低温油通路部および高温油通路部の内径および外径は小さい。そのため、低温油通路部と高温油通路部との接続構造を、簡単な構造にすることが可能である。
(2)本発明の1つの観点によると、本発明のエンジンユニットは、以下の構成を有することが好ましい。
前記1つの切換弁、または、前記2つの切換弁の一方は、潤滑油の流れ方向における前記高温油通路部の上流端に接続される。
前記第1状態の前記1つまたは2つ切換弁は、潤滑油が前記高温油通路部に流入することを阻止する。
この構成によると、潤滑油の温度が低温領域にあるときに、潤滑油が高温油通路部を流れない。そのため、潤滑油の温度が低温領域にあるときに、潤滑油が低温油通路部と高温油通路部の両方を流れる場合に比べて、ポンプ装置の吐出量を維持したまま、低温油通路部を流れる潤滑油の流量を増やすことができる。そのため、潤滑油をより早く温めることができる。
(3)本発明の1つの観点によると、本発明のエンジンユニットは、以下の構成を有することが好ましい。
前記低温油通路部の一部を、第1部位とし、前記低温油通路部の一部であって、前記切換弁が前記第1状態のときの潤滑油の流れ方向において前記第1部位より下流に位置する部位を第2部位とした場合に、前記第1部位および前記第2部位が前記低温油通路部のいずれの部位であっても、前記第2部位の前記エンジンユニットが搭載される車両の上下方向の位置が前記第1部位より下方向にある。
第2状態の前記1つまたは2つの切換弁は、気体が前記低温油通路部の前記上流端から前記低温油通路部に流入することを許容する。
この構成によると、切換弁が第1状態から第2状態に切り換わったときに、低温油通路部内にある潤滑油が重力によって低温油通路部から流出しやすい。そのため、低温油通路部内に潤滑油が残留し難い。そのため、潤滑油の温度が高温領域にあるときに、外部排気通路部の熱によって、低温油通路部内で潤滑油の温度が過剰に高くなるのを防止できる。
(4)本発明の1つの観点によると、本発明のエンジンユニットは、以下の構成を有することが好ましい。
前記潤滑油循環通路部が、前記エンジン本体の内部に位置する第1内部油通路部と、前記エンジン本体の内部に位置しかつ前記第1内部油通路部とは異なる第2内部油通路部と、前記エンジン本体の外部に位置しかつ前記第2内部油通路部から流出した潤滑油が前記第1内部油通路部を通らずに流入する外部油通路部と、を備える。
前記エンジン本体が、前記外部油通路部から流出した潤滑油が流入し、潤滑油を貯留するオイルパンと、前記第1内部油通路部から流出した潤滑油が前記第2内部油通路部を通らずに流入し、潤滑油を貯留し、クランクシャフトが設けられたクランク室と、を有する。
前記ポンプ装置が、前記オイルパンに貯留された潤滑油を吸引し、加圧した潤滑油を前記第1内部油通路部へ流すメインポンプと、前記クランク室に貯留された潤滑油を圧送したときに、潤滑油を前記第2内部油通路部へ流すスカベンジポンプと、を有する。
この構成によると、ポンプ装置が、メインポンプおよびスカベンジポンプを有する。そのため、ポンプ装置が1つのポンプのみを有する場合と比べて、潤滑油がポンプ装置を通過する間に、潤滑油の熱が、ポンプ装置に伝わり易い。そのため、潤滑油の温度が高温領域にあるときに潤滑油の温度が過剰に高くなるのを防止できる。
(5)本発明の1つの観点によると、本発明のエンジンユニットは、上記(4)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記エンジン本体が、前記内部排気通路部が形成されたシリンダヘッドを有する。
前記シリンダヘッドは、前記第2内部油通路部の中間部に形成され、潤滑油を貯留するオイルサンプ室を有する。
前記第2内部油通路部は、前記オイルサンプ室に貯留された潤滑油が重力によって前記オイルサンプ室から流出したときに、前記オイルサンプ室から流出した潤滑油が前記外部油通路部へ流入することを許容するように構成される。
この構成によると、シリンダヘッドに形成されたオイルサンプ室に潤滑油が貯留される。そのため、燃焼室で発生した排ガスの熱が、オイルサンプ室に貯留された潤滑油に伝わり易い。さらに、オイルサンプ室に貯留された潤滑油は、重力によってオイルサンプ室から流出したときに外部油通路部へ流れる。そのため、潤滑油の温度が低温領域にあるときに、エンジン本体で発生した排ガスが流れる外部排気通路部の熱を利用して潤滑油を加熱可能である。
<用語の定義>
本発明における通路部とは、経路を囲んで経路を形成する壁体等を意味する。また、経路とは対象が通過する空間を意味する。例えば、内部排気通路部および潤滑油循環通路部にこの定義が適用される。
本発明および本明細書において「通路部の中間部」とは、通路部の端以外の位置という意味である。「通路部の中間部」は、通路部の長さの半分の位置に限らない。
本明細書において、ある部品の端部とは、部品の端とその近傍部とを合わせた部分を意味する。
本発明および本明細書において、車両の上下方向とは、車両が鞍乗型車両である水上バイクである場合は、静水に浮かべられた水上バイクが静止状態にあるときの水上バイクの上下方向である。
本明細書において、回転とは、360°以上の回転に限定されない。本明細書における回転は、360°未満の回転も含む。正転および逆転の定義も、回転のこの定義と同様である。本明細書における揺動は、360°未満の回転を意味する。
本明細書にて使用される用語「および/または」はひとつの、または複数の関連した列挙された構成物のあらゆるまたはすべての組み合わせを含む。
本明細書において、AがBよりも前方向にあるとは、特に限定しない限り、以下の状態を指す。Aが、Bの最前端を通り前後方向に直交する平面によって仕切られる2つの空間のうち前方の空間にある。AとBは、前後方向に並んでいてもよく、並んでいなくてもよい。Bが前後方向に直交する平面または直線の場合、Bの最前端を通る平面とは、Bを通る平面のことである。Bが前後方向の長さが無限の直線または平面である場合、Bの最前端は特定されない。前後方向の長さが無限の直線または平面とは、前後方向に平行な直線または平面に限らない。
なお、Bについて同じ条件の元、AがBより後方向にあるという表現にも、同様の定義が適用される。また、Bについて同様の条件の元、AがBより上方向または下方向にある、AがBより右方向または左方向にあるという表現にも、同様の定義が適用される。
本明細書中で使用される場合、用語「含む、備える(comprising)」または「有する(having)」およびその変形の使用は、記載された特徴、行程、操作、要素、成分および/またはそれらの等価物の存在を特定するが、ステップ、動作、要素、コンポーネント、および/またはそれらのグループのうちの1つまたは複数を含むことができる。
本発明において、取り付けられた(mounted)、接続された(connected)、結合された(coupled)、支持された(supported)という用語は、広義に用いられている。具体的には、直接的な取付、接続、結合、支持だけでなく、間接的な取付、接続、結合および支持も含む。さらに、接続された(connected)および結合された(coupled)は、物理的又は機械的な接続/結合に限られない。それらは、直接的なまたは間接的な電気的接続/結合も含む。
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術用語および科学用語を含む)は、本発明が属する当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書に定義された用語のような用語は、関連する技術および本開示の文脈における意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義されない限り、理想化されたまたは過度に形式的な意味で解釈されることはない。
本明細書において、「好ましい」という用語は非排他的なものである。「好ましい」は、「好ましいがこれに限定されるものではない」ということを意味する。本明細書において、「好ましい」と記載された構成は、少なくとも、上記(1)の構成により得られる上記効果を奏する。また、本明細書において、「してもよい」という用語は非排他的なものである。「してもよい」は、「してもよいがこれに限定されるものではない」という意味である。本明細書において、「してもよい」と記載された構成は、少なくとも、上記(1)の構成により得られる上記効果を奏する。
特許請求の範囲において、ある構成要素の数を明確に特定しておらず、英語に翻訳された場合に単数で表示される場合、本発明は、この構成要素を、複数有していてもよい。また本発明は、この構成要素を1つだけ有していてもよい。
本発明では、上述した好ましい構成を互いに組み合わせることを制限しない。本発明の実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、以下の説明に記載されたまたは図面に図示された構成要素の構成および配置の詳細に制限されないことが理解されるべきである。本発明は、後述する実施形態以外の実施形態でも可能である。本発明は、後述する実施形態に様々な変更を加えた実施形態でも可能である。また、本発明は、後述する実施形態および変形例を適宜組み合わせて実施することができる。
構造が簡単でありながら、潤滑油の温度が低いときにエンジン本体で発生した排ガスの熱を利用して潤滑油を加熱可能であり、かつ、潤滑油の温度が高いときに潤滑油の温度が過剰に高くなるのを防止できる。
本発明の実施形態のエンジンユニットの概要構成図である。 本発明の実施形態の具体例1のエンジンユニットが適用された自動二輪車の右側面図である。 具体例1のエンジンユニットの構成を説明するための模式図である。 具体例1のエンジンユニットの潤滑油の流れを説明するための模式図である。 具体例1のエンジンユニットの外部排気通路部の一部と低温油通路部の一部の斜視図である。 具体例1のエンジンユニットの低温油通路部の模式図である。 本発明の実施形態の具体例2のエンジンユニットの潤滑油の流れを説明するための模式図である。 本発明の実施形態の具体例3のエンジンユニットの潤滑油の流れを説明するための模式図である。 本発明の変形例のエンジンユニットの模式図である。 本発明の他の変形例のエンジンユニットの模式図である。 本発明の別の変形例のエンジンユニットの外部油通路部と低温油通路部の断面図である。 本発明のさらに別の変形例のエンジンユニットの外部油通路部および低温油通路部の模式的な断面図である。
<本発明の実施形態>
以下、本発明の実施形態について図1を参照しつつ説明する。本発明の実施形態のエンジンユニット11は、エンジン本体20と、潤滑油循環通路部40と、ポンプ装置43と、外部排気通路部61とを有する。
エンジン本体20は、燃焼室24および内部排気通路部20Cbを有する。燃焼室24で発生した排ガスは、内部排気通路部20Cbを流れる。外部排気通路部61は、エンジン本体20の外部に配置され、内部排気通路部20Cbに接続される。排ガスは外部排気通路部61を流れる。潤滑油循環通路部40は、エンジン本体20の内部および外部に配置される。潤滑油循環通路部40の内部を潤滑油が循環する。ポンプ装置43は、潤滑油を圧送することにより、潤滑油を潤滑油循環通路部40内で循環させる。
潤滑油循環通路部40は、潤滑油の流れ方向における下流端同士が接続された低温油通路部42−1および高温油通路部42−2を含む。以下の説明において、特に限定しない限り、上流とは、潤滑油の流れ方向の上流を意味する。下流とは、潤滑油の流れ方向の下流を意味する。低温油通路部42−1および外部排気通路部61は、低温油通路部42−1の少なくとも一部が外部排気通路部61に接触するか、低温油通路部42−1内の潤滑油と外部排気通路部61内の排ガスが共通の壁部の両面にそれぞれ接するように形成されている。高温油通路部42−2は、外部排気通路部61から離れている。
エンジンユニット1は、1つまたは2つの切換弁46を有する。エンジンユニット1が1つの切換弁46を有する場合、この切換弁46は、低温油通路部42−1の上流端に接続される。エンジンユニット1が2つの切換弁46を有する場合、2つの切換弁46の一方は、低温油通路部42−1の上流端に接続される。図1は、エンジンユニット1が1つの切換弁46を有する例を示す。1つまたは2つの切換弁46は、潤滑油の温度が低温領域にあるときに、潤滑油が低温油通路部42−1を通過することを許容する第1状態である。1つまたは2つの切換弁46は、潤滑油の温度が低温領域より高い高温領域にあるときに、潤滑油が高温油通路部42−2を通過することを許容する第2状態である。
潤滑油の温度が低温領域にあるとき、切換弁46が第1状態となり、潤滑油が低温油通路部42−1を流れる。低温油通路部42−1の少なくとも一部は、外部排気通路部に接触する。もしくは、低温油通路部内の潤滑油と外部排気通路部内の排ガスが共通の壁部の両面にそれぞれ接する。そのため、低温油通路部42−1を流れる潤滑油は、外部排気通路部61から熱を受ける。そのため、潤滑油の温度が低温領域にあるときにエンジン本体20で発生した排ガスの熱を利用して潤滑油を加熱可能である。
潤滑油の温度が高温領域にあるときに、切換弁46が第2状態となり、潤滑油は高温油通路部42−2を流れ、低温油通路部を流れない。高温油通路部42−2は、外部排気通路部から離れている。そのため、高温油通路部42−2を流れる潤滑油は、外部排気通路部61から熱を受け難い。そのため、潤滑油の温度が高温領域にあるときに潤滑油の温度が過剰に高くなるのを防止できる。
一般的に、潤滑油が流れる通路部(管)の内径は、排ガスが流れる通路部(管)の内径より小さい。潤滑油が流れる通路部(管)の外径は、排ガスが流れる通路部(管)の外径より小さい。そのため、潤滑油循環通路部40の低温油通路部42−1および高温油通路部42−2の内径および外径は小さい。そのため、低温油通路部42−1と高温油通路部42−2との接続構造を、簡単な構造にすることが可能である。
<実施形態の具体例1>
次に、上述した本発明の実施形態の具体例1について、図2〜図6を用いて説明する。以下の説明において、上述した本発明の実施形態と同じ部位についての説明は省略する。具体例1は上述した本発明の実施形態に包含される。本実施形態の具体例1は、本発明を自動二輪車1に適用した一例である。以下の説明において、特に限定が無い限り、前後方向とは、車両の前後方向のことである。車両の前後方向とは、自動二輪車1の後述するシート5に着座したライダーから見た前後方向のことである。以下の説明において、左右方向とは、車両の左右方向のことである。車両の左右方向とは、自動二輪車1の後述するシート5に着座したライダーから見た左右方向のことである。車両の左右方向は、自動二輪車1の車幅方向でもある。以下の説明において、特に限定が無い限り、上下方向とは、車両の上下方向のことである。車両の上下方向とは、全ての車輪が水平な路面に接触した自動二輪車1を水平な路面に直立させた状態における上下方向である。車両前後方向と車両左右方向と車両上下方向は互いに直交する。図2、図4、および図6〜図8に示す矢印F、矢印B、矢印U、矢印D、矢印L、矢印Rは、それぞれ、前方、後方、上方、下方、左方、右方を表している。
[1]自動二輪車の概略構成
図2に示すように、自動二輪車1は、前輪2と、後輪3と、車体フレーム4とを含む。車体フレーム4の上部にはシート5が支持されている。車体フレーム4は、エンジンユニット11を支持する。また、車体フレーム4は、エンジンユニット11のECU(Electronic Control Unit)75、および各種センサなどの電子機器に電力を供給するバッテリ(図示せず)を支持する。ECU75(図2参照)は、エンジンユニット11の動作を制御する。ECU75は、後述する点火プラグ27、燃料噴射装置28などを制御する。ECU75は、プロセッサ(演算処理部)およびメモリを含む。ECU75は、離れた位置に配置された複数の装置で構成されていてもよい。
[2]エンジンユニットの構成
以下、エンジンユニット11の構成について説明する。図3および図4は、エンジンユニット11の構成を示す模式図である。エンジンユニット11は、エンジン本体20と、外部吸気通路部51と、外部排気通路部61とを有する。外部吸気通路部51および外部排気通路部61は、エンジン本体20の外部に位置する。また、エンジンユニット11は、潤滑ユニット40Aを有する。
エンジン本体20の内部には、クランクシャフト21、ピストン22、吸気バルブ25、排気バルブ26、点火プラグ27、燃料噴射装置28の少なくとも一部が配置される。エンジンユニット11は、単気筒エンジンである。エンジンユニット11は、吸入行程、圧縮行程、燃焼行程(膨張行程)、および排気行程を繰り返す4ストローク式のエンジンである。
エンジン本体20は、クランクケース20A、シリンダボディ20B、シリンダヘッド20C、およびヘッドカバー20Dを有する。これらはこの順で連結されている。なお、ヘッドカバー20Dは、シリンダヘッド20Cと一体化されていてもよい。エンジン本体20は、クランクケース20Aの下部に、オイルパン20A1を有する。クランクシャフト21の右部と左部は、クランクケース20Aに設けられた2つのクランク軸受(図示せず)にそれぞれ回転可能に支持されている。クランクシャフト21の回転中心軸線は、左右方向と平行である。クランクケース20Aの外面には第1開口20A2および第2開口20A3が形成されている。
シリンダボディ20Bは、シリンダボア20Baを有する。シリンダボア20Baの中心軸をシリンダ軸線20Xとする。図2に示すように、エンジンユニット11を左右方向に見たときに、シリンダ軸線20Xの上部は下部よりも前方に位置する。エンジンユニット11を左右方向に見たときに、シリンダ軸線20Xの上下方向に対する傾斜角度は0°より大きく45°以下である。なお、シリンダ軸線20Xは、シリンダボア20Baが存在する領域だけに存在する線分ではなく、無限に延びる直線である。ピストン22は、シリンダボア20Ba内に、シリンダ軸線20Xに沿って往復動可能に設けられる。ピストン22は、コネクティングロッド23を介してクランクシャフト21に連結される。コネクティングロッド23の端部23aは環状であって、この環状端部23aを、クランクシャフト21のクランクピン部が相対回転可能に貫通している。コネクティングロッド23の環状端部23aの内面は、クランクシャフト21のクランクピン部と向かい合う。
シリンダヘッド20Cは、内部吸気通路部20Caおよび内部排気通路部20Cbを有する。なお、本明細書において、通路部とは、経路を形成する構造物を意味する。燃焼室24は、シリンダヘッド20C、シリンダボア20Ba、およびピストン22によって形成される。燃焼室24は、シリンダヘッド20Cに形成される吸気口24aおよび排気口24bを有する。空気は吸気口24aから燃焼室24に供給される。燃焼室24で発生した排ガスは排気口24bから排出される。内部吸気通路部20Caは、吸気口24aに接続される。内部排気通路部20Cbは、排気口24bに接続される。
内部吸気通路部20Caの空気の流れ方向の上流端は、外部吸気通路部51に接続される。外部吸気通路部51内には、スロットルバルブ52が配置される。大気中の空気は、外部吸気通路部51および内部吸気通路部20Caを通って、燃焼室24に供給される。
内部排気通路部20Cbの排ガスの流れ方向の下流端は、外部排気通路部61に接続される。外部排気通路部61内には、排ガスを浄化する触媒(図示せず)が配置される。燃焼室24で発生した排ガスは、内部排気通路部20Cbと外部排気通路部61を通って、大気に排出される。
吸気バルブ25は、吸気口24aを開閉するようにシリンダヘッド20Cに設けられる。排気バルブ26は、排気口24bを開閉するようにシリンダヘッド20Cに設けられる。吸気バルブ25および排気バルブ26は、バルブ駆動機構30によって駆動される。バルブ駆動機構30は、クランクシャフト21の回転によって吸気バルブ25および排気バルブ26を駆動する。バルブ駆動機構30は、例えば、SOHC(Single Over Head Camshaft)型であってもよく、DOHC(Double Over Head Camshaft)型であってもよい。また、バルブ駆動機構30は、ロッカーアーム式であっても、直打式(直動式ともいう)であってもよい。また、バルブ駆動機構30がロッカーアーム式の場合、ロッカーアームは、シーソー式であってもスイングアーム式であってもよい。バルブ駆動機構30がSOHC型またはDOHC型の場合、バルブ駆動機構30の少なくとも一部が、シリンダヘッド20Cまたは/およびヘッドカバー20Dの内部に設けられる。バルブ駆動機構30は、シリンダボディ20Bにカムシャフトが配置されるOHV(Over Head Valve)型であってもよい。
図3に示すように、点火プラグ27の先端部が、燃焼室24内に配置される。点火プラグ27は、燃焼室24内の燃料(例えばガソリン)と空気とを含む混合気に点火する。燃料噴射装置28は、内部吸気通路部20Ca内で燃料を噴射するようにシリンダヘッド20Cに設けられる。なお、燃料噴射装置28は、外部吸気通路部51内で燃料を噴射するように配置されてもよい。
図3および図4に示すように、エンジンユニット11の潤滑ユニット40Aは、潤滑油循環通路部40A1と、ポンプ装置43とを有する。ポンプ装置43は、エンジン本体20の内部に配置されている。ポンプ装置43は、1つの機械式ポンプである。ポンプ装置43は、クランクシャフト21の回転力を受けて作動する。ポンプ装置43は、クランクシャフト21に接続されていてもよく、クランクシャフト21の回転に連動して回転するシャフト(例えばバランスシャフト、カムシャフトなど)に接続されていてもよい。潤滑油循環通路部40A1は、エンジン本体20の内部に位置する内部油通路部41Aと、エンジン本体20の外部に位置する外部油通路部42Aとを有する。
図4に示すように、内部油通路部41Aは、第1油通路部41A−1、第1分岐通路部41A−2、第2分岐通路部41A−3、クランクシャフト内通路部41A−4、第2油通路部41A−5、および第3油通路部41A−6を有する。
第1油通路部41A−1の上流端は、ポンプ装置43に接続されている。ポンプ装置43は、オイルパン20A1に貯留された潤滑油を吸引し、加圧した潤滑油を第1油通路部41A−1へ流す。
第1油通路部41A−1の下流端は、右のクランク軸受44aに接続されている。クランクシャフト内通路部41A−4は、クランクシャフト21の内部に形成されている。クランクシャフト内通路部41A−4の上流端は、クランクシャフト21の右端部において開口する右開口端部である。この右開口端部は、右のクランク軸受44aに接続されている。右のクランク軸受44aに供給された潤滑油の一部は、クランクシャフト内通路部41A−4に流入する。右のクランク軸受44aに供給された潤滑油の一部は、右のクランク軸受44aを潤滑した後、重力によってオイルパン20A1に流れ落ちる。クランクシャフト内通路部41A−4の下流端は、クランクシャフト21のクランクピン部において開口する中間開口部である。中間開口部は、コネクティングロッド23の環状端部23aと向かい合っている。コネクティングロッド23の環状端部23aを潤滑した潤滑油は、重力によってオイルパン20A1に流れ落ちる。
第1分岐通路部41A−2の上流端は、第1油通路部41A−1の中間部に接続されている。第1分岐通路部41A−2の下流端は、ピストンクーラー45に接続されている。ピストンクーラー45に潤滑油が供給されると、ピストンクーラー45からピストン22に向けて潤滑油が噴射される。ピストンクーラー45から噴射された潤滑油の一部は、ピストン22およびコネクティングロッド23に付着し、その後、落下してオイルパン20A1に戻る。ピストンクーラー45から噴射された潤滑油の一部は、シリンダボア20Baに付着し、その後、ピストン22のピストンリングによって掻き落とされてオイルパン20A1に戻る。つまり、潤滑油は、ピストンクーラー45から噴射された後、オイルパン20A1に戻るまでの間に、シリンダボディ20Bを経由する場合がある。ただし、図4は、ピストンクーラー45からオイルパン20A1までの潤滑油の流れの一部を省略して表示している。
第2分岐通路部41A−3の上流端は、第1油通路部41A−1の中間部に接続されている。第2分岐通路部41A−3の下流端は、第2開口20A3である。
第2油通路部41A−5の上流端は、第1開口20A2である。第2油通路部41A−5の下流端は、左のクランク軸受44bに接続されている。左のクランク軸受44bを潤滑した潤滑油は、重力によってオイルパン20A1に流れ落ちる。
第3油通路部41A−6の上流端は、第2油通路部41A−5の中間部に接続されている。第3油通路部41A−6の下流端は、オイルパン20A1に接続されている。第3油通路部41A−6は、吸気バルブ25、排気バルブ26、およびバルブ駆動機構30を通過する。
外部油通路部42Aの上流端は、第2開口20A3に接続されている。外部油通路部42Aの下流端は、第1開口20A2に接続されている。外部油通路部42Aは、低温油通路部42A−1および高温油通路部42A−2を含む。低温油通路部42A−1の上流端および高温油通路部42A−2の上流端は、切換弁46に接続されている。切換弁46は、エンジン本体20の外部に位置する。低温油通路部42A−1の内径および高温油通路部42A−2の内径は、外部排気通路部61の内径より小さい。さらに、低温油通路部42A−1の外径および高温油通路部42A−2の外径は、外部排気通路部61の外径より小さい。そのため、低温油通路部42A−1の上流端および高温油通路部42A−2の上流端と切換弁46との接続構造を、簡単な構造にすることが可能である。さらに、低温油通路部42A−1の下流端と高温油通路部42A−2の下流端との接続構造を、簡単な構造にすることが可能である。
切換弁46は、低温位置と高温位置との間を移動可能な可動弁体を有する。切換弁46はサーモスタット弁である。可動弁体は、切換弁46を流れる潤滑油の温度によって、低温位置から高温位置へ、または、高温位置から低温位置へ移動する。切換弁46はいかなる方式のサーモスタット弁でもよい。例えば、切換弁46はバイメタルを利用した機械式サーモスタット弁でもよい。切換弁46はワックスを利用した膨張式サーモスタット弁でもよい。切換弁46を流れる潤滑油の温度が低温領域のとき、可動弁体は低温位置に位置する。このとき、切換弁46は、潤滑油が低温油通路部42A−1を通過することを許容する第1状態となる。切換弁46を流れる潤滑油の温度が低温領域より高い高温領域のとき、可動弁体は高温位置に位置する。このとき、切換弁46は、潤滑油が高温油通路部42A−2を通過することを許容する第2状態となる。第1状態の切換弁46は、潤滑油が高温油通路部42A−2に流入することを阻止する。第2状態の切換弁46は、潤滑油が低温油通路部42A−1に流入することを阻止する。第2状態の切換弁46は、気体が低温油通路部42A−1の上流端から低温油通路部42A−1に流入することを許容する。
図3〜図5に示すように、低温油通路部42A−1は、熱交換部42A−1aを含む。外部排気通路部61は、熱交換部42A−1aに沿って配置される傾斜部61aを含む。熱交換部42A−1aの外面の一部と傾斜部61aの外面の一部とが互いに接触する。低温油通路部42A−1および外部排気通路部61は、この接触状態が維持されるように構成されている。熱交換部42A−1aが傾斜部61aに固定されてもよい。熱交換部42A−1aと傾斜部61aとの固定手段は限定されない。例えば、熱交換部42A−1aおよび傾斜部61aが金属製の場合は、熱交換部42A−1aと傾斜部61aとを溶接により固定可能である。また、例えば、ボルトなどの締結部品を用いて、熱交換部42A−1aと傾斜部61aとを固定してもよい。また、例えば、熱交換部42A−1aおよび傾斜部61aに巻き付けられた線材を用いて、熱交換部42A−1aと傾斜部61aとを固定してもよい。図3および図4に示すように、高温油通路部42A−2は、外部排気通路部61から離れている。
切換弁46に流入した潤滑油の温度が低温領域にあるとき、潤滑油が低温油通路部42A−1を通過する。そして、潤滑油が熱交換部42A−1aを通過するときに、外部排気通路部61の傾斜部61aを流れる高温の排ガスの熱が、傾斜部61aおよび熱交換部42A−1aを介して、熱交換部42A−1a内の潤滑油に伝わる。そのため、熱交換部42A−1aを流れる潤滑油の温度が上昇する。潤滑油の温度が低温領域にあるときに、潤滑油が高温油通路部42A−2を流れない。そのため、潤滑油の温度が低温領域にあるときに、潤滑油が低温油通路部42A−1と高温油通路部42A−2の両方を流れる場合に比べて、ポンプ装置43の吐出量を維持したまま、低温油通路部42A−1を流れる潤滑油の流量を増やすことができる。そのため、潤滑油をより早く温めることができる。
切換弁46に流入した潤滑油の温度が高温領域にあるとき、潤滑油が高温油通路部42A−2を流れる。高温油通路部42A−2は傾斜部61aから離れている。そのため、潤滑油が高温油通路部42A−2を流れるときに、傾斜部61aを流れる高温の排ガスの熱が、高温油通路部42A−2内の潤滑油に伝わり難い。そのため、高温油通路部42A−2を流れる潤滑油が過剰に高温にならない。
図6に示すように、低温油通路部42A−1の一部を、第1部位42A−P1と定義する。さらに、低温油通路部42A−1の一部であって、切換弁46が第1状態のときの潤滑油の流れ方向において第1部位より下流に位置する部位を、第2部位42A−P2と定義する。第1部位42A−P1および第2部位42A−P2が低温油通路部42A−1のいずれの部位であっても、第2部位42A−P2の上下方向の位置が第1部位42A−P1の上下方向の位置より下方向にある。さらに、第2状態の切換弁46は、気体が低温油通路部42A−1の上流端から低温油通路部42A−1に流入することを許容する。また、第2状態の切換弁46は、潤滑油が低温油通路部42A−1に流入することを阻止する。そのため、切換弁46が第1状態から第2状態に切り換わったときに、低温油通路部42A−1内にある潤滑油が重力によって低温油通路部42A−1から流出しやすい。そのため、低温油通路部42A−1内に潤滑油が残留し難い。そのため、潤滑油の温度が高温領域にあるときに、外部排気通路部61の熱によって、低温油通路部42A−1内で潤滑油の温度が過剰に高くなるのを防止できる。
<実施形態の具体例2>
次に、上述した本発明の実施形態の具体例2について図7を用いて説明する。以下の説明において、上述した本発明の実施形態の具体例1と同じ部位についての説明は省略する。本発明の実施形態の具体例2は、上述した本発明の実施形態に包含される。
具体例2のエンジンユニット11のエンジン本体20は、クランク室20A4を有する。クランク室20A4は、クランクケース20Aの内部に形成されている。クランク室20A4には、潤滑油が貯留される。クランク室20A4とオイルパン20A1との間には、両者を仕切る隔壁(図示せず)がある。
具体例2のエンジンユニット11の潤滑ユニット40Bは、メインポンプ47およびスカベンジポンプ48を有する。メインポンプ47およびスカベンジポンプ48は、エンジン本体20の内部に配置されている。メインポンプ47およびスカベンジポンプ48は、それぞれ、機械式ポンプである。メインポンプ47およびスカベンジポンプ48は、クランクシャフト21の回転力を受けて作動する。メインポンプ47およびスカベンジポンプ48は、クランクシャフト21に接続されていてもよく、クランクシャフト21の回転に連動して回転するシャフト(例えばバランスシャフト、カムシャフトなど)に接続されていてもよい。
潤滑ユニット40Bの潤滑油循環通路部40B1は、第1内部油通路部41B1、第2内部油通路部41B2、第3内部油通路部41B3、第4内部油通路部41B4、および外部油通路部42Aを有する。第1内部油通路部41B1、第2内部油通路部41B2、第3内部油通路部41B3、および第4内部油通路部41B4は、エンジン本体20の内部に位置する。具体例2の外部油通路部42Aは、具体例1の外部油通路部42Aと同じである。
第1内部油通路部41B1は、第1油通路部41B1−1、第1分岐通路部41B1−2、第2分岐通路部41B1−3、およびクランクシャフト内通路部41B1−4を有する。第1油通路部41B1−1の上流端は、メインポンプ47に接続されている。メインポンプ47は、オイルパン20A1に貯留された潤滑油を吸引し、加圧した潤滑油を第1油通路部41B1−1(第1内部油通路部41B1)へ流す。第1油通路部41B1−1、第1分岐通路部41B1−2、およびクランクシャフト内通路部41B1−4の構造は、具体例1の第1油通路部41A−1、第1分岐通路部41A−2、およびクランクシャフト内通路部41A−4の構造と、それぞれ同一である。第2分岐通路部41B1−3の上流端は、第1油通路部41B1−1の中間部に接続されている。第2分岐通路部41B1−3の下流端は、左のクランク軸受44bに接続されている。
左のクランク軸受44bを潤滑した潤滑油は、重力によってクランク室20A4に流れ落ちる。右のクランク軸受44aに供給された潤滑油の一部は、クランクシャフト内通路部41B1−4に流入する。右のクランク軸受44aに供給された潤滑油の一部は、右のクランク軸受44aを潤滑した後、重力によってクランク室20A4に流れ落ちる。コネクティングロッド23の環状端部23aを潤滑した潤滑油も、重力によってクランク室20A4に流れ落ちる。ピストンクーラー45から噴射された潤滑油は、クランク室20A4に流れ落ちる。したがって、第1内部油通路部41B1から流出した潤滑油は、第2内部油通路部41B2を通らずにクランク室20A4に流入する。
なお、潤滑油は、ピストンクーラー45から噴射された後、クランク室20A4に流入するまでの間に、シリンダボディ20Bを経由する場合がある。ただし、図7は、ピストンクーラー45からクランク室20A4までの潤滑油の流れの一部を省略して表示している。後述する図8も図7と同様である。
第2内部油通路部41B2の上流端は、スカベンジポンプ48に接続されている。スカベンジポンプ48は、クランク室20A4に貯留された潤滑油を吸引し、加圧した潤滑油を第2内部油通路部41B2へ流す。第2内部油通路部41B2の下流端は、第2開口20A3である。外部油通路部42Aの上流端は、第2開口20A3に接続される。従って、第2内部油通路部41B2から流出した潤滑油は、第1内部油通路部41B1を通らずに外部油通路部42Aに流入する。
第3内部油通路部41B3の上流端は、第1開口20A2である。外部油通路部42Aの下流端は、第1開口20A2に接続されている。第3内部油通路部41B3の下流端は、オイルパン20A1に接続されている。従って、外部油通路部42Aから流出した潤滑油がオイルパン20A1に流入する。
第4内部油通路部41B4の上流端は、第1油通路部41B1−1の中間部に接続されている。第4内部油通路部41B4の下流端は、オイルパン20A1に接続されている。第4内部油通路部41B4は、吸気バルブ25、排気バルブ26、およびバルブ駆動機構30を通過する。
具体例2のエンジンユニット11は、上述した具体例1の効果に加えて、以下の効果を奏する。具体例2のポンプ装置は、メインポンプ47およびスカベンジポンプ48を有する。そのため、ポンプ装置が1つのポンプのみを有する場合と比べて、潤滑油がポンプ装置を通過する間に、潤滑油の熱がポンプ装置に伝わり易い。そのため、潤滑油の温度が高温領域にあるときに潤滑油の温度が過剰に高くなるのを防止できる。
<実施形態の具体例3>
次に、上述した本発明の実施形態の具体例3について図8を用いて説明する。以下の説明において、上述した本発明の実施形態の具体例2と同じ部位についての説明は省略する。本発明の実施形態の具体例3は、上述した本発明の実施形態に包含される。
具体例3のエンジンユニット11のシリンダヘッド20Cは、オイルサンプ室20C1を有する。オイルサンプ室20C1には、潤滑油が貯留される。また、具体例3のエンジンユニット11のエンジン本体20は、具体例2と同じく、クランク室20A4を有する。具体例1、2では、クランクケース20Aの外面に第2開口20A3が形成されていた。具体例3では、第2開口20A3の代わりに、シリンダボディ20Bの外面に第2開口20B1が形成されている。
具体例3のエンジンユニット11の潤滑ユニット40Cは、具体例2と同様に、メインポンプ47およびスカベンジポンプ48を有する。メインポンプ47およびスカベンジポンプ48は、具体例2と同じである。潤滑ユニット40Cの潤滑油循環通路部40C1は、第1内部油通路部41C1、第2内部油通路部41C2、第3内部油通路部41C3、第4内部油通路部41C4、および外部油通路部42Cを有する。
第1内部油通路部41C1は、第1油通路部41C1−1、第1分岐通路部41C1−2、第2分岐通路部41C1−3、およびクランクシャフト内通路部41C1−4を有する。第1油通路部41C1−1の上流端は、メインポンプ47に接続されている。メインポンプ47は、オイルパン20A1に貯留された潤滑油を吸引し、加圧した潤滑油を第1油通路部41C1−1(第1内部油通路部41C1)へ流す。第1油通路部41C1−1、第1分岐通路部41C1−2、第2分岐通路部41C1−3、およびクランクシャフト内通路部41C1−4の構造は、具体例2の第1油通路部41B1−1、第1分岐通路部41B1−2、第2分岐通路部41B1−3、およびクランクシャフト内通路部41B1−4の構造と、それぞれ同一である。第1内部油通路部41C1から流出した潤滑油は、第2内部油通路部41C2を通らずにクランク室20A4に流入する。
第2内部油通路部41C2の上流端は、スカベンジポンプ48に接続されている。スカベンジポンプ48は、クランク室20A4に貯留された潤滑油を吸引し、加圧した潤滑油を第2内部油通路部41C2へ流す。第2内部油通路部41C2の中間部に、オイルサンプ室20C1が形成されている。第2内部油通路部41C2の下流端は、第2開口20B1である。外部油通路部42Cの上流端は、第2開口20B1に接続される。従って、第2内部油通路部41C2から流出した潤滑油は、第1内部油通路部41C1を通らずに外部油通路部42Cに流入する。第2内部油通路部41C2は、オイルサンプ室20C1に貯留された潤滑油が重力によってオイルサンプ室20C1から流出したときに、オイルサンプ室20C1から流出した潤滑油が外部油通路部42Cへ流入するのを許容するように構成されている。
第3内部油通路部41C3の上流端は、第1開口20A2である。外部油通路部42Cの下流端は、第1開口20A2に接続されている。第3内部油通路部41C3の下流端は、オイルパン20A1に接続されている。従って、外部油通路部42Cから流出した潤滑油がオイルパン20A1に流入する。
第4内部油通路部41C4の上流端は、第1油通路部41C1−1の中間部に接続されている。第4内部油通路部41C4の下流端は、オイルサンプ室20C1に接続されている。第4内部油通路部41C4は、吸気バルブ25、排気バルブ26、およびバルブ駆動機構30を通過する。
外部油通路部42Cは、具体例1、2の外部油通路部42Aと同じく、低温油通路部42C−1および高温油通路部42C−2を有する。具体例1、2と同じく、低温油通路部42C−1および高温油通路部42C−2の上流端は、切換弁46に接続されている。
具体例3のエンジンユニットは、上述した具体例1、2の効果に加えて、以下の効果を奏する。具体例3では、シリンダヘッド20Cに形成されたオイルサンプ室20C1に潤滑油が貯留される。そのため、燃焼室24で発生した排ガスの熱が、オイルサンプ室20C1に貯留された潤滑油に伝わり易い。さらに、オイルサンプ室20C1に貯留された潤滑油は、重力によってオイルサンプ室20C1から流出したときに外部油通路部42Cへ流れる。そのため、潤滑油の温度が低温領域にあるときに、エンジン本体20で発生した排ガスの熱を利用して潤滑油を加熱可能である。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述した実施形態およびその具体例に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能である。以下、本発明の実施形態の変更例について説明する。
本発明の低温油通路部は、少なくとも一部がエンジン本体の外部に位置していればよい。例えば図9に示す態様で本発明を実施してもよい。図9の低温油通路部42−1は、エンジン本体20の内部と外部の両方に位置する。図9では、低温油通路部42−1の上流端と下流端の両方が、エンジン本体20の内部に位置しているが、この構成に限らない。低温油通路部の上流端と下流端の一方のみが、エンジン本体の内部に位置していてもよい。図9では、高温油通路部42−2の全体がエンジン本体20の内部に位置している。互いに接続される低温油通路部の下流端および高温油通路部の下流端がエンジン本体の内部に位置する場合、高温油通路部は、全体がエンジン本体の内部に位置してもよく、一部のみがエンジン本体の内部に位置してもよい。互いに接続される低温油通路部の下流端および高温油通路部の下流端がエンジン本体の外部に位置する場合、高温油通路部は、全体がエンジン本体の外部に位置してもよく、一部のみがエンジン本体の外部に位置してもよい。
本発明のエンジンユニットは、低温油通路部の上流端と高温油通路部の上流端にそれぞれ接続された2つの切換弁を有してもよい。例えば図10に示す態様で本発明を実施してもよい。この場合、低温油通路部が切換弁を介して接続される通路部の上流端と、高温油通路部が切換弁を介して接続される通路部の上流端とが接続される。潤滑油の温度が低温領域のとき、低温油通路部の上流端に接続された切換弁が、潤滑油が低温油通路部を通過することを許容する状態であって、高温油通路部の上流端に接続された切換弁が、潤滑油が高温油通路部に流入することを阻止する状態である。2つの切換弁のこの状態が、本発明の第1状態である。潤滑油の温度が高温領域のとき、低温油通路部の上流端に接続された切換弁が、潤滑油が低温油通路部に流入することを阻止する状態であって、高温油通路部の上流端に接続された切換弁が、潤滑油が高温油通路部を通過することを許容する状態である。2つの切換弁のこの状態が、本発明の第2状態である。さらにこのとき、低温油通路部の上流端に接続され切換弁は、気体が低温油通路部の上流端から低温油通路部に流入することを許容することが好ましい。
本発明のエンジンユニットは、低温油通路部の上流端に接続された切換弁を有し、高温油通路部の上流端に接続された切換弁を有さなくてもよい。例えば図10中の高温油通路部の上流端に接続された切換弁を無くしてもよい。この構成によると、潤滑油の温度が低温領域にあるときに、潤滑油が低温油通路部と高温油通路部の両方を流れる。潤滑油の温度が低温領域にあるときの低温油通路部を流れる潤滑油の流量を増やすためには、エンジンユニットは高温油通路部の上流端に接続された切換弁を有することが好ましい。
本発明のエンジンユニットは、高温油通路部の上流端に接続された切換弁を有さなくてもよい。潤滑油の温度が低温領域のとき、低温油通路部の上流端に接続された切換弁が、潤滑油が低温油通路部を通過することを許容する第1状態である。このとき、潤滑油は高温油通路部を通過する。潤滑油の温度が高温領域のとき、低温油通路部の上流端に接続された切換弁が、潤滑油が低温油通路部に流入することを阻止し、潤滑油が高温油通路部を通過することを許容する第2状態である。
低温油通路部と外部排気通路部とは、低温油通路部内の潤滑油と外部排気通路部内の排ガスが共通の壁部の両面にそれぞれ接するように形成されていてもよい。例えば図11または図12に示す態様で本発明を実施してもよい。
図11では、外部排気通路部61の一部と低温油通路部42−1の少なくとも一部とが一体成形されている。外部排気通路部61および低温油通路部42−1が鉄系の材料によって構成されている場合は、例えば、ロストワックス鋳造により、外部排気通路部61と低温油通路部42−1とを一体成形することが可能である。また、3Dプリンタを用いて、外部排気通路部61と低温油通路部42−1とを一体成形することが可能である。また、MIM(金属粉末射出成形)を用いて、外部排気通路部61と低温油通路部42−1とを一体成形することが可能である。
図12の低温油通路部42−1は、低温油通路部42−1内の潤滑油が外部排気通路部61の外面に接するように形成されている。図示は省略するが、外部排気通路部が、外部排気通路部内の排ガスが低温油通路部の外面に接する形成されていてもよい。
本発明のポンプ装置は、カムシャフトに接続されていてもよい。しかし、本発明のポンプ装置は、クランクシャフトの回転に連動して回転するシャフトに接続されていてもよい。例えば、本発明のポンプ装置はカムシャフトに接続されてもよい。カムシャフトに接続されたポンプ装置は、クランクシャフトの回転に連動してカムシャフトが回転したときに、カムシャフトの回転力によって動作する。ポンプ装置は、クランクシャフトおよびカムシャフトとは異なる回転可能なシャフトに接続されていてもよい。
本発明のポンプ装置が、マグネット駆動式ポンプ装置であってもよい。マグネット駆動式ポンプ装置は、例えば、ポンプ本体に永久磁石が設けられる。この永久磁石は、例えば、回転可能な磁性材料製のポンプシャフトに磁力を及ぼす。例えば、永久磁石がポンプ本体のインペラに固定され、かつ、ポンプシャフトがカムシャフトに接続される場合を想定する。この場合は、カムシャフトが回転すると、永久磁石が発生する磁力によって、インペラがカムシャフトと一緒に回転する。
本発明のエンジンユニットのポンプ装置が、電動モータを有する電動ポンプ装置であってもよい。
本発明のエンジンユニットが、1つの燃焼室に対して複数の排気口を有していてもよい。本発明のエンジンユニットが、複数のシリンダボアを有する多気筒エンジンユニットであってもよい。
本発明のエンジンユニットが多気筒エンジンユニットの場合、または、本発明のエンジンユニットが1つの燃焼室に対して複数の排気口を有する場合、エンジンユニットは、複数の排気口にそれぞれ接続される複数の内部排気通路部と、複数の内部排気通路部にそれぞれ接続される複数の独立外部排気通路部とを有してもよい。この場合、複数の独立外部排気通路部の下流端が、1つの集合外部排気通路部に接続されてもよい。低温油通路部は、いずれか1つの独立外部排気通路部と熱交換するように構成されてもよい。この場合、独立外部排気通路部が、本発明の外部排気通路部に相当する。低温油通路部は、集合外部排気通路部と熱交換するように構成されていてもよい。この場合、複数の独立外部排気通路部と集合外部排気通路部とを合わせたものが、本発明の外部排気通路部に相当する。
本発明のエンジンユニットが多気筒エンジンユニットの場合、または、本発明のエンジンユニットが1つの燃焼室に対して複数の排気口を有する場合、内部排気通路部は、複数の排気口にそれぞれ接続される複数の独立内部排気通路部と、複数の独立内部排気通路部の下流端に接続される1つの集合内部排気通路部とを有してもよい。
本発明のエンジンユニットが直噴式エンジンユニットであってもよい。直噴式エンジンユニットとは、燃焼室内で燃料が噴射されるタイプのエンジンユニットである。本発明のエンジンユニットが2ストロークエンジンユニットであってもよい。本発明のエンジンユニットがディーゼル式エンジンユニットであってもよい。本発明のエンジンユニットは、過給機を備えた過給エンジンであってもよい。過給機は、燃焼室に供給される空気を圧縮する装置である。過給機は、機械式過給機であってもよく、排気タービン式過給機(いわゆるターボチャージャ)であってもよい。
本発明の切換弁はサーモスタット弁でなくてもよい。例えば、切換弁は、潤滑油循環通路部内を流れる潤滑油の温度を検出する温度センサが検出した潤滑油の温度に応じて、低温位置または高温位置に移動する可動弁体を有する電磁弁または電動弁であってもよい。
本発明のエンジンユニットが車両に搭載される場合、クランクシャフトの回転中心軸線は、車両左右方向と平行に限らない。例えば、クランクシャフトの回転中心軸線が、車両前後方向と平行であってもよい。
本発明のエンジンユニットが車両に搭載される場合、シリンダボアの中心軸線であるシリンダ軸線の方向は、上記具体例の方向に限定されない。シリンダ軸線は、エンジンユニットを車両の左右方向に見たときに、シリンダ軸線は車両上下方向と平行であってもよい。エンジンユニットを車両の左右方向に見たときに、シリンダ軸線の上下方向に対する傾斜角度は、45°より大きく90°以下であってもよい。
本発明におけるエンジンユニットの冷却方式は、特に限定されない。本発明のエンジンユニットは、油ではない冷却液を用いて冷却する液冷式のエンジンユニットであってもよい。本発明のエンジンユニットは、エンジン本体のシリンダ孔の径方向外側にオイル経路(オイルジャケット)を有する油冷式のエンジンユニットであってもよい。本発明のエンジンユニットの冷却方式は、自然空冷式、または、強制空冷式であってもよい。
本発明のエンジンユニットが搭載される車両は、自動二輪車に限らない。本発明は、自動二輪車以外の鞍乗型車両に搭載されてもよい。鞍乗型車両とは、乗員が鞍にまたがるような状態で乗車する車両全般を指す。本発明のエンジンユニットが搭載される鞍乗型車両には、例えば、自動二輪車、三輪車、四輪バギー(ATV:All Terrain Vehicle(全地形型車両))、水上バイク、スノーモービル等が含まれる。自動二輪車としては、例えば、スクータ型、オフロード型、モペット型等がある。本発明のエンジンユニットは、鞍乗型車両以外の車両に搭載されてもよい。例えば、本発明のエンジンユニットは、鞍乗型車両ではない四輪車両(自動車)または船舶に搭載されてもよい。本発明が適用される車両は、駆動源としてエンジンユニットおよび電動モータを有するハイブリッド車両であってもよい。また、本発明のエンジンユニットは車両以外の装置に搭載されてもよい。
11 エンジンユニット
20 エンジン本体
20A クランクケース
20A1 オイルパン
20A4 クランク室
20B シリンダボディ
20C シリンダヘッド
20C1 オイルサンプ室
20Cb 内部排気通路部
21 クランクシャフト
24 燃焼室
40、40A1 40B1 40C1 潤滑油循環通路部
41B1、41C1 第1内部油通路部
41B2、41C2 第2内部油通路部
42、42A、42C 外部油通路部
42−1、42A−1 低温油通路部
42−2、42A−2 高温油通路部
42A−P1 第1部位
42A−P2 第2部位
43 ポンプ装置
46 切換弁
47 メインポンプ(ポンプ装置)
48 スカベンジポンプ(ポンプ装置)
61 外部排気通路部

Claims (5)

  1. 燃焼室および前記燃焼室内で発生した排ガスが流れる内部排気通路部を有するエンジン本体と、
    前記エンジン本体の外部に配置され、前記内部排気通路部に接続され、排ガスが流れる外部排気通路部と、
    前記エンジン本体の内部および外部に配置され、かつ、内部を潤滑油が循環する潤滑油通路部と、
    潤滑油を圧送することにより、潤滑油を前記潤滑油通路部内で循環させるポンプ装置と、
    を備えるエンジンユニットであって、
    前記潤滑油循環通路部は、潤滑油の流れ方向における下流端同士が接続された低温油通路部および高温油通路部を含み、
    前記低温油通路部および前記外部排気通路部は、前記低温油通路部の少なくとも一部が前記外部排気通路部に接触するか、前記低温油通路部内の潤滑油と前記外部排気通路部内の排ガスが共通の壁部の両面にそれぞれ接するように形成されており、
    前記高温油通路部が、前記外部排気通路部から離れており、
    前記エンジンユニットは、1つまたは2つの切換弁を有し、
    前記1つの切換弁、または、前記2つの切換弁の一方は、潤滑油の流れ方向における前記低温油通路部の上流端に接続され、
    前記1つまたは2つ切換弁は、潤滑油の温度が低温領域にあるときに、潤滑油が前記低温油通路部を通過することを許容する第1状態であり、潤滑油の温度が前記低温領域より高い高温領域にあるときに、潤滑油が前記高温油通路部を通過することを許容し、かつ、潤滑油が前記低温油通路部に流入することを阻止する第2状態であることを特徴とするエンジンユニット。
  2. 前記1つの切換弁、または、前記2つの切換弁の一方は、潤滑油の流れ方向における前記高温油通路部の上流端に接続され、
    前記第1状態の前記1つまたは2つ切換弁は、潤滑油が前記高温油通路部に流入することを阻止することを特徴とする請求項1に記載のエンジンユニット。
  3. 前記低温油通路部の一部を、第1部位とし、前記低温油通路部の一部であって、前記切換弁が前記第1状態のときの潤滑油の流れ方向において前記第1部位より下流に位置する部位を第2部位とした場合に、
    前記第1部位および前記第2部位が前記低温油通路部のいずれの部位であっても、前記第2部位の前記エンジンユニットが搭載される車両の上下方向の位置が前記第1部位より下方向にあり、
    第2状態の前記1つまたは2つの切換弁は、気体が前記低温油通路部の前記上流端から前記低温油通路部に流入することを許容することを特徴とする請求項1または2に記載のエンジンユニット。
  4. 前記潤滑油循環通路部が、
    前記エンジン本体の内部に位置する第1内部油通路部と、
    前記エンジン本体の内部に位置しかつ前記第1内部油通路部とは異なる第2内部油通路部と、
    前記エンジン本体の外部に位置しかつ前記第2内部油通路部から流出した潤滑油が前記第1内部油通路部を通らずに流入する外部油通路部と、
    を備え、
    前記エンジン本体が、
    前記外部油通路部から流出した潤滑油が流入し、潤滑油を貯留するオイルパンと、
    前記第1内部油通路部から流出した潤滑油が前記第2内部油通路部を通らずに流入し、潤滑油を貯留し、クランクシャフトが設けられたクランク室と、
    を有し、
    前記ポンプ装置が、
    前記オイルパンに貯留された潤滑油を吸引し、加圧した潤滑油を前記第1内部油通路部へ流すメインポンプと、
    前記クランク室に貯留された潤滑油を吸引し、加圧した潤滑油を前記第2内部油通路部へ流すスカベンジポンプと、
    を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のエンジンユニット。
  5. 前記エンジン本体が、前記内部排気通路部が形成されたシリンダヘッドを有し、
    前記シリンダヘッドは、前記第2内部油通路部の中間部に形成され、潤滑油を貯留するオイルサンプ室を有し、
    前記第2内部油通路部は、前記オイルサンプ室に貯留された潤滑油が重力によって前記オイルサンプ室から流出したときに、前記オイルサンプ室から流出した潤滑油が前記外部油通路部へ流入することを許容するように構成されたことを特徴とする請求項4に記載のエンジンユニット。
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