JP2021187795A - 2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンズアルデヒドの製造方法 - Google Patents

2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンズアルデヒドの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】超低温での反応ではなく、有機金属試薬の厳密な当量コントロールも必要としない、工業的に優れた2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンズアルデヒドの製造方法の提供。【解決手段】式(1)の3,4−ジフルオロアニソールをn−ブチルマグネシウムジイソプロピルアミドと反応させる工程、続いて、ホルミル基を有する求電子試薬と反応させて、式(2)の2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンズアルデヒドを生成させる工程を含む、方法。【選択図】なし

Description

本発明は、医薬品等の製造中間体として有用な2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンズアルデヒドの製造方法に関する。より詳しくは、ブチルマグネシウムジイソプロピルアミドを用いた、2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンズアルデヒドの製造方法に関する。
2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンズアルデヒド(2)は、医薬品等の製造中間体として有用である。
これまで、2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンズアルデヒド(2)の製造方法としては、3,4−ジフルオロアニソール(1)を-50 ℃以下の低温下でn-ブチルリチウム(BuLi)、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)等の有機金属試薬を用いてリチオ化後、次いでN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)等のホルミル化剤を用いてホルミル化する方法等が報告されている。
例えば、特許文献1では、3,4−ジフルオロアニソール(1)と無水塩化マグネシウムの2-メチルテトラヒドロフランの懸濁液を-50 ℃以下に冷却した後、n-ブチルリチウムを用いてリチオ化、次いでDMFと反応させてホルミル化を行い、2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンズアルデヒド(2)を得る方法が報告されている。特許文献2では、-50 ℃以下の低温下でリチウムジイソプロピルアミド(LDA)を用いてリチオ化、次いでDMFと反応させてホルミル化を行い、2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンズアルデヒド(2)を得る方法が報告されている。
Figure 2021187795
しかしながら、このような有機金属試薬を用いる従来のホルミル化による2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンズアルデヒド(2)の製造方法は、-50 ℃以下の低温状態を維持する必要があるために製造可能な施設が限られたり、過剰な有機金属試薬の使用により精製困難なジホルミル体(3)が副生するため、有機金属試薬の厳密な当量コントロールが必要である等の工業的に製造する上で種々の課題を有している。
また、n-ブチルマグネシウムジイソプロピルアミドのようなアルキルマグネシウムモノアミド化合物を用いた5〜10員芳香族複素環化合物の製造方法が報告されている(例えば、特許文献3)。
しかしながら、いずれの文献にも、3,4−ジフルオロアニソール(1)にn-ブチルマグネシウムジイソプロピルアミドを反応させた後、DMF等のホルミル化剤を用いてホルミル化して、2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンズアルデヒド(2)を製造する方法は記載されていない。これらのことから、2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンズアルデヒド(2)の工業的に優れた製造方法の確立が望まれていた。
国際公開第2009/056487号 国際公開第2002/094262号 国際公開第2005/030714号
本発明は、従来の製造方法と比べ、工業的に優れた2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンズアルデヒドの製造方法を提供することを課題とする。
具体的には、-50 ℃以下の超低温反応を維持する必要がある、有機金属試薬の厳密な当量コントロールが必要である等の工業的に好ましくない従来の製造方法と比べて、工業的により優れた2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンズアルデヒドの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討の結果、n-ブチルマグネシウムジイソプロピルアミドをアニオン化剤として用いることにより、上記課題を解決した。
即ち、本発明は、以下の〔1〕〜〔3〕等に関する。
〔1〕式(1)で表される化合物:
Figure 2021187795
を用いて、式(2)で表される化合物:
Figure 2021187795

を製造する方法であって、以下の工程を含む方法:
工程(a):前記式(1)で表される化合物をn-ブチルマグネシウムジイソプロピルアミドと反応させる工程;及び
工程(b):前記工程(a)に続いて、さらにホルミル基を有する求電子試薬と反応させて、前記式(2)で表される化合物を生成する工程。
〔2〕ホルミル基を有する求電子試薬が、N, N-ジメチルホルムアミド、N-ホルミルモルホリン、N-ホルミルピぺリジン又は1-ホルミル-4-メチルピぺラジンである、前記〔1〕記載の方法。
〔3〕ホルミル基を有する求電子試薬が、N, N-ジメチルホルムアミド又はN-ホルミルモルホリンである、前記〔1〕又は〔2〕記載の方法。
本発明によれば、従来の製造方法と比べて、温和な条件下(-20℃程度)、良好な収率で3,4−ジフルオロアニソール(1)から2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンズアルデヒド(2)を得ることができる。したがって、医薬品等の製造中間体として有用な2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンズアルデヒド(2)を工業的に有利に製造することができる。
本発明において以下の用語は、特に断らない限り、以下の意味を有する。
本発明において、「ホルミル基を有する求電子試薬」とは、分子内にホルミル基を有する鎖状又は環状のアミド化合物を意味する。「ホルミル基を有する求電子試薬」としては、例えば、N, N-ジメチルホルムアミド、N-ホルミルモルホリン、N-ホルミルピぺリジン、又は1-ホルミル-4-メチルピぺラジン等が挙げられる。好ましくは、N, N-ジメチルホルムアミド又はN-ホルミルモルホリンである。
本明細書において、n-はノルマル、又はt-はターシャリーを各々意味する。
以下、本発明の製造方法を、より詳細に説明する。
Figure 2021187795
〔式中、Eはホルミル基を有する求電子試薬である〕
2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンズアルデヒド(2)の製造
n-ブチルマグネシウムジイソプロピルアミド(4)を用いて、3,4−ジフルオロアニソール(1)から2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンズアルデヒド(2)を製造することができる。
n-ブチルマグネシウムジイソプロピルアミド(4)の調製
工程(a)で用いるn-ブチルマグネシウムジイソプロピルアミド(4)は、以下のように調製することができる。
不活性溶媒中、n-ブチルマグネシウムクロリドとn-ブチルリチウムを反応させた後、さらにジイソプロピルアミンと反応させることによりn-ブチルマグネシウムジイソプロピルアミドを調製することができる。
不活性溶媒としては、反応を阻害しないものであれば特に限定されないが、例えば、テトラヒドロフラン、トルエン、メチル-t-ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、またはジシクロペンチルエーテル等が挙げられる。これらの1種の溶媒又は2種以上の混合溶媒を用いることができ、好ましくは、テトラヒドロフラン、トルエン、メチル-t-ブチルエーテル、または2−メチルテトラヒドロフランを挙げることができる。
例えば、n-ブチルマグネシウムクロリドのテトラヒドロフラン溶液に-20〜30 ℃(好ましくは0〜30 ℃)でn-ブチルリチウムのn-ヘキサン溶液を加えて、-20〜30 ℃(好ましくは20〜30 ℃)で0.5〜1.0時間撹拌する。さらに-20〜30 ℃(好ましくは20〜30℃)でジイソプロピルアミンを加えた後、-20〜60 ℃(好ましくは50〜55 ℃)で0.5〜24時間(好ましくは0.5〜1.0時間)撹拌することにより、n-ブチルマグネシウムジイソプロピルアミド(4)の溶液を調製することもできる。
工程(a)
工程(a)は、調製したn-ブチルマグネシウムジイソプロピルアミド(4)を3,4−ジフルオロアニソール(1)と反応させて、アニオン化合物(1a)を得る工程である。
3,4−ジフルオロアニソール(1)を、不活性溶媒中、n-ブチルマグネシウムジイソプロピルアミド(4)と反応させることにより、アニオン化合物(1a)を得ることができる。
3,4−ジフルオロアニソール(1)とn-ブチルマグネシウムジイソプロピルアミド(4)を反応させる順番は特に制限されず、不活性溶媒に溶解させた3,4−ジフルオロアニソール(1)の溶液に、調製したn-ブチルマグネシウムジイソプロピルアミド(4)溶液を加えてもよいし、調製したn-ブチルマグネシウムジイソプロピルアミド(4)溶液に、不活性溶媒に溶解させた3,4−ジフルオロアニソール(1)の溶液を加えてもよい。
不活性溶媒としては、反応を阻害しないものであれば特に限定されないが、例えば、テトラヒドロフラン、トルエン、メチル-t-ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、またはジシクロペンチルエーテル等が挙げられる。これらの1種の溶媒又は2種以上の混合溶媒を用いることができ、好ましくは、テトラヒドロフラン、トルエン、メチル-t-ブチルエーテル、または2−メチルテトラヒドロフランを挙げることができる。
n-ブチルマグネシウムジイソプロピルアミド(4)の当量は、3,4−ジフルオロアニソール(1)に対して、1.0〜3.0当量、1.0〜2.0当量、1.5〜2.0当量用いることができ、好ましくは1.5〜2.0当量である。
反応温度は、-20〜30 ℃で行うことができ、好ましくは、-20〜0 ℃である。
反応時間は、不活性溶媒の種類や反応温度などにより異なるが、通常1〜8時間であり、好ましくは、1時間である。
工程(b)
工程(b)は、工程(a)で得られたアニオン化合物(1a)を、ホルミル基を有する求電子試薬(5)と反応させて、2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンズアルデヒド(2)を得る工程である。
不活性溶媒中、工程(a)で得られたアニオン化合物(1a)を、ホルミル基を有する求電子試薬(5)と反応させることにより、2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンズアルデヒド(2)を得ることができる。
工程(a)で得られたアニオン化合物(1a)とホルミル基を有する求電子試薬(5)を反応させる順番は特に制限されず、工程(a)で得られたアニオン化合物(1a)の不活性溶媒中に、不活性溶媒に溶解させたホルミル基を有する求電子試薬(5)の溶液を加えてもよいし、不活性溶媒に溶解させたホルミル基を有する求電子試薬(5)の溶液に、工程(a)で得られたアニオン化合物(1a)の不活性溶媒を加えてもよい。
不活性溶媒としては、反応を阻害しないものであれば特に限定されないが、例えば、テトラヒドロフラン、メチル-t-ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテル、トルエン等が挙げられる。これらの1種の溶媒又は2種以上の混合溶媒を用いることができ、好ましくは、テトラヒドロフラン、メチル-t-ブチルエーテル、2−メチルテトラヒドロフランまたはトルエンを挙げることができる。
ホルミル基を有する求電子試薬(5)の当量は、3,4−ジフルオロアニソール(1)に対して、2.5〜5.0当量用いることができ、好ましくは5.0当量である。
反応温度は、-20〜0 ℃で行うことができる。
反応時間は、不活性溶媒の種類や反応温度などにより異なるが、通常0.5〜24時間であり、好ましくは、0.5〜2時間である。
本発明により製造される2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンズアルデヒド(2)は、反応終了後、例えば、中和、抽出、ろ過、濃縮、蒸留、再結晶、晶析、カラムクロマトグラフィーなどの一般的な方法によって単離・精製することもできる。
具体的には、例えば、工程(b)の反応終了後、反応混合物に、20 ℃以下で無機酸又は有機酸(好ましくは無機酸又は有機酸の水溶液)を加えてクエンチを行い、不活性溶媒を加えて抽出を行う。次いで有機層を必要に応じて水、10%塩水等で洗浄した後、減圧下濃縮するといった、通常の有機化合物の後処理を行うことにより、2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンズアルデヒド(2)を得ることができる。また、必要に応じて結晶化して2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンズアルデヒド(2)を単離することもできる。
前記クエンチにおいて、反応混合物に無機酸又は有機酸を加える順番は特に制限されず、反応混合物に無機酸又は有機酸を加えてもよいし、無機酸又は有機酸に反応混合物を加えてもよい。無機酸又は有機酸としては、塩酸、硫酸等の無機酸、クエン酸、酢酸等の有機酸が挙げられる。これら無機酸又は有機酸は、無機酸又は有機酸の水溶液でもよい。
抽出に用いる不活性溶媒としては、例えば、ヘキサン、へプタン、トルエン等の炭化水素、メチル-t-ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等のエステル類等が挙げられる。これらの1種の溶媒又は2種以上の混合溶媒を用いることができ、好ましくは、トルエン、ジイソプロピルエーテルを挙げることができ、より好ましくは、トルエンである。
結晶化に用いる不活性溶媒としては、例えば、ヘキサン、へプタン等の炭化水素、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類等が挙げられる。貧溶媒としてヘキサン、へプタン等を用い、必要に応じて、良溶媒としてジイソプロピルエーテル等を用いることにより結晶化を行うことができる。
アルデヒドを単離・精製する手法として、亜硫酸水素付加物(bisulfite adduct)を経由する方法が知られている。
例えば、Org. Process Res. Dev. 2017, 21, 1394-1403.には、液体−液体抽出手法が、又、Tetrahedron Lett. 2013, 54, 6587-6591.には、結晶化手法が、それぞれ報告されている。
Figure 2021187795
これら記載の方法に準じて、2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンズアルデヒド(2)を亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム等の亜硫酸水素塩と反応させて亜硫酸水素付加物(bisulfite adduct)(6Na、6K)に変換し、結晶化、液体−液体抽出などで単離・精製した後、塩基処理を行って再び2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンズアルデヒド(2)とすることにより、2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンズアルデヒド(2)を単離・精製することもできる。
本発明の製造方法においては、これらの手法を適宜、選択して、工程(b)の反応終了後の後処理の工程に加えることもできる。
具体的には、不活性溶媒中、2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンズアルデヒド(2)を亜硫酸水素ナトリウムの水溶液と反応させて対応する亜硫酸水素付加物(6Na)とし、これを結晶化させて亜硫酸水素付加物(6Na)を単離する。次いで、亜硫酸水素付加物(6Na)の水と不活性溶媒の混合溶媒に、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の塩基を加えて加水分解することにより、2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンズアルデヒド(2)を得ることもできる。
または、不活性溶媒中、2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンズアルデヒド(2)を亜硫酸水素ナトリウムの水溶液と反応させて対応する亜硫酸水素付加物(6Na)に変換後、亜硫酸水素付加物(6Na)の水溶液を不活性溶媒で洗浄(逆抽出)する。次いで、亜硫酸水素付加物(6Na)の水溶液と不活性溶媒の混合溶媒に、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の塩基を加えて加水分解することにより、2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンズアルデヒドを得ることもできる。
付加反応の不活性溶媒としては、メタノール、エタノール等のアルコール類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル類、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、アセトン、2−ブタノン等のケトン類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類等が挙げられる。
加水分解の不活性溶媒としては、ヘキサン、へプタン、トルエン等の炭化水素、メチル-t-ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等のエステル類等が挙げられる。
本発明の製造方法においては、好ましくは、工程(b)でクエンチを行った後、不活性溶媒で抽出を行い、水層を除去後、これに亜硫酸水素ナトリウム水溶液を加え、2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンズアルデヒド(2)を亜硫酸水素付加物(6Na)に変換する。得られた亜硫酸水素付加物(6Na)の水溶液を、必要に応じて、不活性溶媒で洗浄(逆抽出)する。次いで、亜硫酸水素付加物(6Na)の水溶液と不活性溶媒の混合溶媒に、水酸化ナトリウム水溶液を加えて加水分解することにより、2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンズアルデヒド(2)を再生、結晶化することにより、高純度の2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンズアルデヒドを得ることもできる。不活性溶媒としては、ヘキサン、へプタン、トルエン等の炭化水素が好ましい。
本発明の製造方法は、必要であれば窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で実施することができる。
本発明の内容を以下の実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその内容に限定されるものではない。
実施例1
n-ブチルマグネシウムジイソプロピルアミド溶液の調製
不活性ガス置換した反応容器にn-ブチルマグネシウムクロリドのテトラヒドロフラン(THF)溶液(0.91 mol/L、5.93 mL、5.40 mmol、関東化学社製)にn-ブチルリチウムのn-ヘキサン溶液(2.63 mol/L、2.05 mL、5.40 mmol、関東化学社製)を加え、室温で1時間撹拌した。次いで、室温でジイソプロピルアミン(546.4 mg、5.40 mmol)を加え、浴温55 ℃で30分間撹拌して、n-ブチルマグネシウムジイソプロピルアミド溶液を調整した。
実施例2
2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンズアルデヒド(2)の合成
実施例1で調製したn-ブチルマグネシウムジイソプロピルアミド溶液を氷浴で冷却した後、3,4−ジフルオロアニソール(389.1 mg、2.70 mmol)のTHF溶液を加え、氷冷下1時間撹拌した。反応液に氷冷下、N,N−ジメチルホルムアミド(986.8 mg、13.5 mmol)を加え、同温で30分間撹拌した。反応液に氷冷下酢酸(178.3 mg、2.97 mmol)を加え、15分間撹拌した後、2M塩酸水溶液(2 mL)及び水(2 mL)を加えた後、室温に戻して2分間撹拌した後、さらに6M塩酸水溶液(1 mL)を加えて、2分間撹拌した後分液した。有機層を水及び10%塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。
得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(MPLC、溶出溶媒:n-ヘキサン/酢酸エチル=80/20〜66/33)にて精製し、表題化合物(409.5 mg)を得た(収率88%)。
実施例3
n-ブチルマグネシウムクロリドのTHF溶液(0.91 mol/L、21.35 mL、19.43 mmol)、n-ブチルリチウムのn-ヘキサン溶液(2.63 mol/L、7.39 mL、19.43 mmol)、ジイソプロピルアミン(1.9659 g、19.43 mmol)を用いて、実施例1と同様の操作により、n-ブチルマグネシウムジイソプロピルアミド溶液を調製した。
調製したn-ブチルマグネシウムジイソプロピルアミド溶液を塩氷浴で内温−7℃に冷却した後、3,4−ジフルオロアニソール(2.00 g、13.88 mmol)のTHF溶液を加え、氷浴で1時間撹拌した。反応液を内温-20 ℃まで冷却した後、N−ホルミルモルホリン(5.59 g、48.57 mmol)を加え、同温で30分間撹拌した。反応液に氷冷下酢酸(0.917 g、15.27 mmol)を加え、15分間撹拌した後、35%塩酸(8.674 g、83.26 mmol)、水(30 mL)及びトルエン(30 mL)を加えた後、室温に戻して分液した。有機層を水(20 mL)で2回及び飽和重曹水(10 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。
得られた残渣(3.15 g)のジイソプロピルエーテル(2.0 g)溶液に、ヘキサン(4.0 g)を加えた後、種晶(市販品、又はジイソプロピルエーテルとヘキサンの再結晶品)を加え、結晶を析出させた。さらにヘキサン(8.0 g)を加えた後、室温で30分間、氷冷下で1時間撹拌した。析出した結晶をろ取し、氷冷したヘキサン:ジイソプロピルエーテル=5:1の混合溶液(4.0 g)で洗浄した後、風乾して2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンズアルデヒド(2)(1.64 g)を得た(収率69%、純度99.8%)。
実施例で得られた2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンズアルデヒド(2)の純度を求めるためのHPLC測定は、以下の条件で実施した。
HPLC測定条件
検出器:紫外分光光度計(測定波長:225 nm)
カラム:Inertsil(登録商標)ODS-3(GLサイエンス社),3.0 mm×15 cm,3 μm
カラム温度:40 ℃付近の一定温度
移動相:20 mMリン酸緩衝液(pH3.0)とアセトニトリル(MeCN)を下図に従い混合する。
Figure 2021187795
20 mMリン酸緩衝液(pH3.0):20 mMのリン酸二水素カリウム水溶液にリン酸を加えてpH 3.0に調製した水溶液。
流量:0.5 mL/min
注入量:5 μL
面積測定範囲:20 mMリン酸緩衝液(pH3.0)/アセトニトリル混液由来のピークを除き、分析開始より25分後までとした。

各化合物の保持時間
3,4−ジフルオロアニソール(1) 約19.3 min
2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンズアルデヒド(2) 約11.9 min
ジホルミル体(3) 約11.0 min
本発明の製造方法により、医薬品等の製造中間体として有用な2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンズアルデヒドを、温和な条件下、工業的に有利に製造することができる。

Claims (3)

  1. 式(1)で表される化合物:
    Figure 2021187795
    を用いて、式(2)で表される化合物:
    Figure 2021187795
    を製造する方法であって、以下の工程を含む方法:
    工程(a):前記式(1)で表される化合物をn-ブチルマグネシウムジイソプロピルアミドと反応させる工程;及び
    工程(b):前記工程(a)に続いて、さらにホルミル基を有する求電子試薬と反応させて、前記式(2)で表される化合物を生成する工程。
  2. ホルミル基を有する求電子試薬が、N, N-ジメチルホルムアミド、N-ホルミルモルホリン、N-ホルミルピぺリジン又は1-ホルミル-4-メチルピぺラジンである請求項1記載の方法。
  3. ホルミル基を有する求電子試薬が、N, N-ジメチルホルムアミド又はN-ホルミルモルホリンである請求項2記載の方法。
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