JP2021187129A - 繊維強化樹脂複合体 - Google Patents

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Kazuhiro Hatanaka
隆行 金子
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Abstract

【課題】優れた意匠面を備え、且つ樹脂発泡体の芯材と繊維強化樹脂材に優れた接着性を備えた繊維強化樹脂複合体を提供する。【解決手段】強化繊維に樹脂を含浸させた繊維強化樹脂材と、樹脂発泡体からなる芯材と、少なくとも前記繊維強化樹脂材と前記芯材の間に配置した樹脂からなる接着層とを有する繊維強化樹脂複合体であって、前記芯材が角部を有し、該角部に沿った領域の少なくとも一部で、前記芯材の表面から前記強化繊維までの間隔が周囲よりも離れた離間部分が形成されており、前記離間部分に、樹脂が貯留された樹脂溜まりが形成されており、前記離間部分において、前記樹脂溜まりの樹脂が芯材の内部に浸透されている繊維強化樹脂複合体である。【選択図】図1

Description

本発明は、優れた意匠面を備え、且つ樹脂発泡体の芯材と繊維強化樹脂材に優れた接着性を備えた繊維強化樹脂複合体に関するものである。
繊維強化複合材料は、強度、剛性および導電性等に優れていることから有用であり、航空機構造部材、風車の羽根、自動車の外装材・内装材、風力発電用風車、ロボット、医療機器およびICトレイやノートパソコンの筐体(ハウジング)などのコンピュータ用途等に広く展開され、その需要は年々増加しつつある。
繊維強化複合材料は、強化繊維と樹脂を必須の構成要素とするプリプレグを成形してなる材料や、型内に配置された強化繊維に後から樹脂を注入し強化繊維に樹脂を含浸させた後に成形してなる材料などであり、FRP(Fiber Reinforced Plastics)や繊維強化樹脂材などと称されている。近年、軽量性、優れた強度を有する、樹脂発泡体からなる芯材の表面に繊維強化複合材料を積層して一体化させた繊維強化樹脂複合体が適用されている。
その中の一つに、繊維強化複合材料からなる表面材が接着層を介して芯材の表面に積層されているサンドイッチボードが提案されている(特許文献1参照)。また別に、繊維強化複合材料からなる表面材が樹脂発泡体からなる芯材の表面に被覆された樹脂複合体において、芯材がコーナー部(角部)を有し、コーナー部に沿った領域の少なくとも一部に基材離間部が形成され、基材離間部での芯材の表面から繊維基材までの間に繊維強化樹脂材の樹脂が貯留された樹脂溜まりが形成されている樹脂複合体が提案されている(特許文献2参照)。さらに、プリプレグを使用しないで2つの繊維強化表皮材と、これらの繊維強化表皮材の間に介在された芯材と、この芯材のスニップ先端部に配置された樹脂含浸性の充填材とを有し、樹脂が含浸された先端部は2つの繊維強化表皮材を重ね合わせた積層部となっていることを特徴とするFRPサンドイッチ成形物が提案されている(特許文献3参照)。
ところが、これらの技術では、軽量、高剛性である大型の庇及び屋根等の構造物を構築すること、過度に質量増加を抑制しつつ樹脂複合体に優れた強度を発揮させることができること、良好な端部形状を有するFRPサンドイッチ成形物及びその製造方法を提供することはできるが、繊維強化樹脂複合体に優れた意匠面を備え、且つ樹脂発泡体の芯材と繊維強化複合材料の優れた接着性を備えることの両立については困難であった。
特開2000−167965号公報 特開2017−177704号公報 特開2006−130873号公報
本発明の目的は、優れた意匠面を備え、且つ樹脂発泡体の芯材と繊維強化樹脂材に優れた接着性を備えた繊維強化樹脂複合体を提供することである。
本発明は、上記目的を達成するために次のいずれかの構成を有するものである。
すなわち、強化繊維に樹脂を含浸させた繊維強化樹脂材と、樹脂発泡体からなる芯材と、少なくとも前記繊維強化樹脂材と前記芯材の間に配置した樹脂からなる接着層とを有する繊維強化樹脂複合体であって、前記芯材が角部を有し、該角部に沿った領域の少なくとも一部で、前記芯材の表面から前記強化繊維までの間隔が周囲よりも離れた離間部分が形成されており、前記離間部分に、樹脂が貯留された樹脂溜まりが形成されており、前記離間部分において、前記樹脂溜まりの樹脂が芯材の内部に浸透されている繊維強化樹脂複合体である。
本発明の繊維強化樹脂複合体の好ましい態様によれば、前記離間部分に貯留された樹脂が前記接着層の樹脂であり、前記離間部分において、芯材の内部に浸透されている樹脂が前記接着層の樹脂である、繊維強化樹脂複合体である。
本発明の繊維強化樹脂複合体の好ましい態様によれば、前記離間部分に貯留された樹脂が前記接着層の樹脂および前記強化繊維に樹脂を含浸させた繊維強化樹脂材の樹脂の混合物であり、前記離間部分において、芯材の内部に浸透されている樹脂が前記接着層の樹脂および前記強化繊維に樹脂を含浸させた繊維強化樹脂材の樹脂の混合物である、繊維強化樹脂複合体である。
本発明の繊維強化樹脂複合体の好ましい態様によれば、前記強化繊維に含浸させた樹脂が、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、及び、ビニルエステル樹脂からなる群より選ばれる1以上の熱硬化性樹脂を含む、繊維強化樹脂複合体である。
本発明の繊維強化樹脂複合体の好ましい態様によれば、前記樹脂発泡体が、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、及び、ポリメタクリルイミド樹脂からなる群より選ばれる1以上の樹脂を含む、繊維強化樹脂複合体である。
本発明の繊維強化樹脂複合体の好ましい態様によれば、前記接着層が、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、及び、ビニルエステル樹脂からなる群より選ばれる1以上の樹脂を含む、繊維強化樹脂複合体である。
本発明の繊維強化樹脂複合体の好ましい態様によれば、前記接着層が繊維基材を含む、繊維強化樹脂複合体である。
本発明によれば、優れた意匠面を備え、且つ樹脂発泡体の芯材と繊維強化樹脂材に優れた接着性を備えた繊維強化樹脂複合体を提供することができる。
本発明の一実態形態にかかる繊維強化樹脂複合体の模式横断面図である。
以下、実施の形態について図面を用いて説明する。なお、本発明は図や実施例に何ら限定されるものではない。
本発明に係る繊維強化樹脂複合体は、図1に示すように、少なくとも強化繊維に樹脂を含浸させた繊維強化樹脂材1、樹脂発泡体からなる芯材2、少なくとも繊維強化樹脂材1と芯材2の間に配置した樹脂からなる接着層3からなる繊維強化樹脂複合体10で、芯材2が角部5を有し、角部5に沿った領域の少なくとも一部で、芯材2の表面から強化繊維までの間隔が周囲よりも離れた離間部分が形成されており、離間部分に樹脂溜まり4が形成されており、離間部分において、樹脂溜まり4の樹脂が芯材2の内部に浸透されていることが重要である。
本発明で用いられる繊維強化樹脂材1は、少なくとも強化繊維に樹脂を含浸させたものである。
繊維強化樹脂材1に用いられる強化繊維としては、特に制限はなく、例えば、アルミニウム繊維、黄銅繊維、ステンレス繊維などの金属繊維や、ポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維、レーヨン系炭素繊維、リグニン系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維の炭素繊維や、黒鉛繊維や、ガラス繊維などの絶縁性繊維や、アラミド繊維、ポリパラフェニレンベンズオキサゾール(PBO)繊維、ポリフェニレンスルフィド繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ナイロン繊維、ポリエチレン繊維などの有機繊維や、シリコンカーバイト繊維、シリコンナイトライド繊維などの無機繊維が挙げられる。また、これらの繊維に表面処理が施されているものであってもよい。表面処理としては、導電体として金属の被着処理のほかに、カップリング剤による処理、サイジング剤による処理、結束剤による処理、添加剤の付着処理などがある。また、これらの強化繊維は1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
中でも、軽量化効果の観点から、比強度、比剛性に優れるPAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、レーヨン系炭素繊維などの炭素繊維が好ましく用いられる。また、得られる繊維強化樹脂材の経済性を高める観点からは、ガラス繊維が好ましく用いられ、とりわけ力学特性と経済性のバランスから炭素繊維とガラス繊維を併用することが好ましい。さらに、得られる繊維強化樹脂材の衝撃吸収性や賦形性を高める観点からは、アラミド繊維が好ましく用いられ、とりわけ力学特性と衝撃吸収性のバランスから炭素繊維とアラミド繊維を併用することが好ましい。また、得られる繊維強化樹脂材の導電性を高める観点からは、ニッケルや銅やイッテルビウムなどの金属を被覆した強化繊維を用いることもできる。これらの中で、強度と弾性率などの力学的特性に優れるPAN系炭素繊維をより好ましく用いることができる。
繊維強化樹脂材1に用いられる強化繊維の形態は、強化繊維を一方向に引き揃えた一方向基材や、二方向織物、多軸織物、不織布材料、マット、編物、組紐等の形態を採用することができるが、いずれも強化繊維が連続した布帛状基材の形態として用いることが好ましい。強化繊維の形態は、用途や使用領域によってこれらを自由に選択することができる。中でも繊維が一方向に配列した一方向基材は、繊維のパッキングがよく効率的にVfを向上することができるため、力学特性を最も高く発現させることができることから好ましい。
また、繊維強化樹脂材1の強化繊維の体積含有率Vfが45〜75%の範囲内にあることが好ましい。強化繊維の体積含有率Vfは75%以下とすることで切込部の強化繊維のずれがおき、ブリッジングを効果的に抑制し、形状追従性とボイド等の成形不具合の抑制効果を得ることができる。かかる観点からVfが60%以下であることがより好ましい。また、Vfは低いほどブリッジングは抑制できるが、Vfが45%より小さくなると、構造材に必要な高力学特性が得られにくくなる。かかる観点からVfが50%以上であることがより好ましい。なお、強化繊維の体積含有率Vfの測定は、繊維強化樹脂材を硬化した後、光学顕微鏡やレーザー顕微鏡による画像を処理することにより行うことができる。
また、繊維強化樹脂材1に用いられる樹脂としては、特に制限はなく、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂ともに好適に用いることができる。
繊維強化樹脂材1に用いられる熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ビニルエステル樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、ポリイミド樹脂、オキセタン樹脂、マレイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂などや、これらの共重合体および変性体等から選ばれる熱硬化性樹脂を好ましく用いることができる。これらは、2種以上をブレンドした樹脂などを適用しても良い。この中でも、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂が繊維強化樹脂材の力学特性、耐熱性の観点から好ましい。特に、エポキシ樹脂は、繊維強化樹脂材の力学特性や、耐熱性に加え取扱性の観点からより好ましい。エポキシ樹脂は、その優れた力学特性を発現するために、使用する樹脂の主成分として含まれるのが好ましく、具体的には樹脂組成物当たり60重量%以上含まれることが好ましい。
エポキシ樹脂としては、アミン類、フェノール類、炭素−炭素二重結合を有する化合物を前駆体とするエポキシ樹脂が好ましく用いられる。
エポキシ樹脂の硬化剤としては、エポキシ基と反応し得る活性基を有する化合物であればこれを用いることができる。硬化剤としては、アミノ基、酸無水物基およびアジド基を有する化合物が適している。硬化剤としては、より具体的には、例えば、ジシアンジアミド、ジアミノジフェニルメタンやジアミノジフェニルスルホンの各種異性体、アミノ安息香酸エステル類、各種酸無水物、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ポリフェノール化合物、イミダゾール誘導体、脂肪族アミン、テトラメチルグアニジン、チオ尿素付加アミン、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物のようなカルボン酸無水物、カルボン酸ヒドラジド、カルボン酸アミド、ポリメルカプタンおよび三フッ化ホウ素エチルアミン錯体のようなルイス酸錯体などが挙げられる。これらの硬化剤は、単独で使用しても併用してもよい。
上記熱硬化性樹脂に、熱硬化性樹脂の粘度調整や熱硬化性樹脂の靭性向上のために熱可塑性樹脂を溶解して用いることも好適である。このような熱可塑性樹脂としては、一般に、主鎖に、炭素−炭素結合、アミド結合、イミド結合、エステル結合、エーテル結合、カーボネート結合、ウレタン結合、チオエーテル結合、スルホン結合およびカルボニル結合から選ばれた結合を有する熱可塑性樹脂であることが好ましいが、部分的に架橋構造を有していても差し支えない。また、結晶性を有していても非晶性であってもよい。特に、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、フェニルトリメチルインダン構造を有するポリイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリアラミド樹脂、ポリエーテルニトリル樹脂およびポリベンズイミダゾール樹脂からなる群から選ばれた少なくとも1種の樹脂が、熱硬化性樹脂に溶解していることが好適である。
また、繊維強化樹脂材1に用いられる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブチレン樹脂等のポリオレフィン樹脂や、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、液晶ポリエステル等のポリエステル樹脂や、ポリアミド樹脂、ポリオキシメチレン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂などのポリアリーレンスルフィド樹脂、ポリケトン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルケトンケトン樹脂、ポリエーテルニトリル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂などのフッ素系樹脂、液晶ポリマー樹脂などの結晶性樹脂、ポリスチレン樹脂の他、ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリアリレート樹脂などの非晶性樹脂、その他、フェノール系樹脂、フェノキシ樹脂、更にポリスチレン樹脂系、ポリオレフィン樹脂系、ポリウレタン樹脂系、ポリエステル樹脂系、ポリアミド樹脂系、ポリブタジエン樹脂系、ポリイソプレン樹脂系、フッ素系樹脂、およびポリアクリロニトリル樹脂系等の熱可塑エラストマー等や、これらの共重合体および変性体等から選ばれる熱可塑性樹脂が挙げられる。これらは、2種以上をブレンドした樹脂などを適用しても良い。中でも、得られる繊維強化樹脂材の軽量性の観点からはポリオレフィン樹脂が好ましく、強度の観点からはポリアミド樹脂が好ましく、表面外観の観点からポリエステル樹脂が好ましく用いられる。
前記群に例示された熱可塑性樹脂は、本発明の目的を損なわない範囲で、エラストマーあるいはゴム成分などの耐衝撃性向上剤、他の充填材や添加剤を含有しても良い。これらの例としては、無機充填材、難燃剤、導電性付与剤、結晶核剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、制振剤、抗菌剤、防虫剤、防臭剤、着色防止剤、熱安定剤、離型剤、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、着色剤、顔料、染料、発泡剤、制泡剤、あるいは、カップリング剤が挙げられる。
また、繊維強化樹脂材1に用いられる熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂などの樹脂にフィラーを添加して用いることもできる。フィラーとしては、連続した強化繊維、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、クレー、ガラスフレーク、カテキン、ゼオライト、シリカバルーン、ガラスバルーン、シラスバルーン、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、フラーレン、黒鉛、金属粉、金属箔、フェライト材料、アルミナ、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、硫酸バリウム、酸化チタン、ガラスビーズ、アルミナ、酸化アンチモン、ハイドロタルサイト、赤燐、炭酸亜鉛、酸化カルシウムなどが挙げられる。中でも連続した強化繊維を含む中間基材が成形性の観点から好ましい。
繊維強化樹脂材1の厚さは、0.03〜5mmの範囲内であることが好ましい。これにより、繊維強化樹脂複合体10の成形性の向上と意匠性の両立を図ることができる。厚さが0.03mm未満の場合は、得られる繊維強化樹脂複合体の剛性が不足することがあり、厚さが5mmを超える場合は、得られる繊維強化樹脂複合体の軽量性に問題が出ることがある。
本発明に用いられる芯材2は、樹脂発泡体からなる芯材である。
芯材2に用いられる樹脂発泡体の樹脂としては、特に制限はなく、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂ともに好適に用いることができる。
芯材2に用いられる熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ビニルエステル樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、ポリイミド樹脂、オキセタン樹脂、マレイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂などの熱硬化性樹脂などや、これらの共重合体および変性体等から選ばれる熱硬化性樹脂を好ましく用いることができる。これらは、2種以上をブレンドした樹脂などを適用しても良い。
また、芯材2に用いられる熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリメタクリルイミド樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリオレフィン樹脂などや、これらの共重合体および変性体等から選ばれる熱可塑性樹脂を好ましく用いることができる。これらは、2種以上をブレンドした樹脂などを適用しても良い。
この中でも、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、及び、ポリメタクリルイミド樹脂が繊維強化樹脂複合体において利便性、経済性の観点から好ましい。
芯材2の厚さは、1〜100mmの範囲内であることが好ましく、1〜80mmの範囲内であることがより好ましい。これにより、繊維強化樹脂複合体10の軽量性を低減することができる。厚さが1mm未満の場合は、得られる繊維強化樹脂複合体の軽量性の観点から寄与が小さく、厚さが100mmを超える場合は、成形性に問題が出ることがある。
また、本発明の芯材2は、角部を有する。
角部の形状は、応力集中を抑制するためある程度の丸みがあることが好ましく、最も曲率半径が小さい場所でも曲率半径R=0.5mm以上の丸みを有することが好ましい。
また、芯材2の表面の内、角部を介して隣り合う一方の面と他方の面とは、それぞれを角部に向けて延長した際にこれらの面のなす角度が90°未満となることが好ましい。このようにすることで、外力が加わった際に角部が破壊開始部分となることを抑制することができる。
芯材2を構成する樹脂発泡体の見掛け密度は、0.03〜1.2g/cmであることが好ましく、0.05〜1.0g/cmであることがより好ましい。
なお、樹脂発泡体の密度とは、JIS K7222:1999「発泡プラスチック及びゴム−見掛け密度の測定」に準拠して測定された値をいう。樹脂複合体における芯材の見掛け密度の測定は、樹脂複合体から繊維強化樹脂層を剥離した後の芯材に対して行う。
芯材2を構成する樹脂発泡体としては、以下のようにして作製されたものを使用することができる。
(1)樹脂発泡粒子を金型内に充填し、熱水や水蒸気などの熱媒体によって樹脂発泡粒子を加熱して発泡させ、樹脂発泡粒子の発泡圧によって発泡粒子どうしを融着一体化させて所望形状を有する発泡体を製造する方法(型内発泡成形法)。
(2)樹脂を気泡調整剤などとともに押出機に供給して化学発泡剤や物理発泡剤などの発泡剤の存在下にて溶融混練し、溶融混練物を押出機から押出発泡させて発泡体を製造する方法(押出発泡法)。
(3)化学発泡剤を含む塊状の発泡性樹脂成形体を製造し、この発泡性樹脂成形体を型内で発泡させて発泡体を製造する方法。
本発明に用いられる接着層3は、樹脂からなる接着層である。
接着層3に用いられる樹脂としては、特に制限はなく、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂ともに好適に用いることができる。
接着層3に用いられる熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、ビニルエステル樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、ポリイミド樹脂、オキセタン樹脂、マレイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂などや、これらの共重合体および変性体等から選ばれる熱硬化性樹脂を好ましく用いることができる。これらは、2種以上をブレンドした樹脂などを適用しても良い。
また、接着層3に用いられる熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリメタクリルイミド樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリオレフィン樹脂などや、これらの共重合体および変性体等から選ばれる熱可塑性樹脂を好ましく用いることができる。これらは、2種以上をブレンドした樹脂などを適用しても良い。
この中でも、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、及び、ビニルエステル樹脂が繊維強化樹脂材と芯材との接着性の観点から好ましい。
なお、接着性の更なる向上のために、接着層に繊維基材を含むことも好ましく用いることができる。
繊維基材の形態としては、例えば、不織布、織物、編物、マットが挙げられ、樹脂の含浸性の点で不連続繊維であることが好ましい。
繊維基材に用いられる繊維としては、特に制限はなく、例えば、アルミニウム繊維、黄銅繊維、ステンレス繊維などの金属繊維や、PAN系炭素繊維、レーヨン系炭素繊維、リグニン系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維の炭素繊維や、黒鉛繊維や、ガラス繊維などの絶縁性繊維や、アラミド繊維、PBO繊維、ポリフェニレンスルフィド繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ナイロン繊維、ポリエチレン繊維などの有機繊維や、シリコンカーバイト繊維、シリコンナイトライド繊維などの無機繊維が挙げられる。また、これらの繊維に表面処理が施されているものであってもよい。表面処理としては、導電体として金属の被着処理のほかに、カップリング剤による処理、サイジング剤による処理、結束剤による処理、添加剤の付着処理などがある。また、これらの強化繊維は1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
中でも、軽量化効果の観点から、比強度、比剛性に優れるPAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、レーヨン系炭素繊維などの炭素繊維が好ましく用いられる。また、得られる繊維強化樹脂複合体の経済性を高める観点からは、ガラス繊維、ポリエステル繊維やポリアミド繊維が好ましく用いられる。
繊維基材の目付量は、1〜100g/mの範囲内であることが好ましい。これにより、接着性の向上を図ることができる。好ましくは、2〜80g/m、さらに好ましくは、3〜50g/mである。
目付量が1g/m未満の場合は、接着層の樹脂のフローが多くなることがあり、100g/mを超えると、接着層の樹脂のフローと接着性に問題が出ることがある。
接着層3の厚さは、0.01〜3mmの範囲内であることが好ましい。これにより、繊維強化樹脂複合体10の意匠性と接着性の両立を図ることができる。厚さが0.01mm未満の場合は、得られる繊維強化樹脂複合体の意匠性の観点から寄与が小さく、厚さが3mmを超える場合は、得られる繊維強化樹脂複合体の接着性や軽量性に問題が出ることがある。
本発明の繊維強化樹脂複合体10は、図1に示すように、芯材2よりも一回り大きな2枚の繊維強化樹脂材1aと1bによって芯材2が上下から挟み込まれたサンドイッチ構造を有し、芯材2の外側において2枚の繊維強化樹脂材1aと1b同士が上下に重なり合って積層されており、これらが直接接着されている。
2枚の繊維強化樹脂材1a、1bは、直接接着されている領域以外の概ね全ての領域を芯材2の表面に接着層3を介して接着させている。すなわち、本発明の繊維強化樹脂複合体10は、外周部が中央部に比べて薄肉となっており、且つ、下側面においては外周部と中央部との間に高さの違いが無く、上面側においてのみ周囲に比べて中高となって段差が形成されている。
また、角部5は、芯材2の表面から強化繊維(図示せず)までの間隔が、角部5と隣接する部分よりも大きく離れている。すなわち、本発明の繊維強化樹脂複合体10は、芯材2の表面から強化繊維までの間隔が周囲よりも離れた離間部分が形成され、角部5に沿った領域に離間部分が形成されている。
芯材2の表面から強化繊維までの間隔が周囲よりも離れた離間部分では、芯材2の表面から強化繊維までの間に、樹脂が貯留された樹脂溜まり4が形成されている。
樹脂溜まり4は、芯材2の角部5a,5bに沿って設けられ、芯材2の頂面の外縁、底面の外縁、及び、底面の角と頂面の角とを結ぶ稜線に沿ったフレーム構造を形成している。
すなわち、樹脂溜まり4は、全体で四角錐台形状となるフレーム構造を形成して繊維強化樹脂複合体10に高強度を発揮させている。
角部の強化を図る点において、樹脂が角部において芯材の内部に浸透している。
芯材の内部に浸透した樹脂は、接着層3の樹脂、または接着層3の樹脂および繊維強化樹脂材1の樹脂の混合物のいずれかの樹脂である。成形時に樹脂の粘度が低下することで芯材の内部に浸透する。
繊維強化樹脂複合体10の好ましい態様として、芯材2の表面から強化繊維までの間隔が周囲よりも離れた離間部分に貯留された樹脂が接着層3の樹脂であり、離間部分において、芯材2の内部に浸透されている樹脂が接着層3の樹脂である。このような構造をとることにより、繊維強化樹脂材1の樹脂が芯材2に吸収されることを抑制することができるため、繊維強化樹脂材1の意匠性と、繊維強化樹脂材1と芯材2の接着性を向上することができる点で好ましい。
また、繊維強化樹脂複合体10の別の好ましい態様として、芯材2の表面から強化繊維までの間隔が周囲よりも離れた離間部分に貯留された樹脂が接着層3の樹脂および強化繊維に樹脂を含浸させた繊維強化樹脂材1の樹脂の混合物であり、離間部分において、芯材2の内部に浸透されている樹脂が接着層3の樹脂および強化繊維に樹脂を含浸させた繊維強化樹脂材1の樹脂の混合物であることも好ましい。このような構造をとることにより、繊維強化樹脂材1の樹脂が芯材2に吸収される量を抑制することができるため、繊維強化樹脂材1の意匠性と、繊維強化樹脂材1と芯材2の接着性を向上することができる点で好ましく使用できる。
芯材2の内部に浸透されている樹脂は、芯材表面からの到達距離が0.01〜3mmとなっていることが好ましく、0.1〜3mmとなっていることがより好ましく、0.5〜3mmとなっていることが繊維強化樹脂材と芯材との接着性の観点でさらに好ましい。
芯材2の内部に浸透されている樹脂の存在を確認する方法としては、例えば、光学顕微鏡、電子顕微鏡、レーザー顕微鏡、顕微FT−IR、X線−CTなどを挙げることができる。
本発明の繊維強化樹脂複合体の製造方法としては、例えば、成形型を用いたプレス成形、真空バッグ成形、オートクレーブ成形等の適用が挙げられる。
以下、実施例によって、本発明について、より具体的に説明する。
強化繊維に樹脂を含浸させた繊維強化樹脂材、樹脂発泡体からなる芯材、樹脂からなる接着層、繊維強化樹脂複合体の樹脂溜まり長さの測定方法、樹脂溜まりの樹脂と芯材の内部に浸透した樹脂の評価方法、繊維強化樹脂複合体の意匠性の評価方法、繊維強化樹脂複合体の接着性の評価方法、をそれぞれ以下に示す。実施例における繊維強化樹脂複合体の作製環境および評価は、特に断りのない限り、温度25℃±2℃、相対湿度50%の雰囲気で行ったものである。また、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。
<繊維強化樹脂材>
・下記の製造方法で得られた繊維強化樹脂材(プリプレグ)
[エポキシ樹脂組成物]
混練装置で、35質量部の“jER”(登録商標)4007P(ジャパンエポキシレジン(株)製)と35質量部のリグリシジル−p−アミノフェノール(“アラルダイド”(登録商標)MY0510(ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ社製))と30質量部のビスフェノールF型エポキシ樹脂(“エピクロン”(登録商標)830(DIC(株)製))に、3質量部の“ビニレック”(登録商標)PVF−K(ポリビニルホルマール)(チッソ(株)製))を配合して、熱可塑性樹脂(PVF−K)をエポキシ樹脂中に溶解した。その後、硬化剤であるジシアンジアミド(硬化剤、DICY−7、三菱化学(株)製)を5質量部、さらに硬化補助剤であるDCMU99(3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア、硬化促進剤(保土ヶ谷化学工業(株)製))を3質量部混練して、エポキシ樹脂組成物を作製した。
[炭素繊維]
・“トレカ(登録商標)”T700S−12K(東レ(株)製)
[繊維強化樹脂材(プリプレグ)]
調製したエポキシ樹脂組成物を、ナイフコーターを用いて離型紙上に塗布して52g/mの樹脂フィルムを、2枚作製した。次に、前記のように得られた樹脂フィルムを、一方向に配列させたシート状の炭素繊維の両面に積層し、加熱加圧により樹脂を含浸させた後、炭素繊維の目付が190g/mでマトリックス樹脂の質量分率が35.4%、プリプレグの目付が294g/m、プリプレグの厚さが0.19mmの一方向プリプレグを作製した。
<樹脂発泡体からなる芯材>
・芯材A:フォーマックHR #1000グレード(アクリル系樹脂発泡体)(積水化成品工業(株)製)(厚さ:5mm、見かけ密度:0.1g/cm
・芯材B:CH−611(ポリエステル系樹脂発泡体、ポリエチレンテレフタレート)(東洋紡績(株)製)(厚さ:3mm、見かけ密度:0.3g/cm
<樹脂からなる接着層>
・接着層A:Scotch−Weld AF 126−2 Film(エポキシ樹脂)(スリーエムジャパン(株)製)(厚さ:0.13mm)
・接着層B:エポキシ樹脂含浸テープ 5120 0.17(エポキシ樹脂、芳香族ポリアミド不織布強化)((株)寺岡製作所製)(厚さ:0.17mm)
(1)繊維強化樹脂複合体の樹脂溜まり長さの測定方法
繊維強化樹脂材(プリプレグ)各4枚ずつを[0°/90°/90°/0°]の積層構成で積層し、繊維強化樹脂材の積層体を得た。その後、樹脂発泡体の芯材を被覆するように樹脂からなる接着層を積層した後、繊維強化樹脂材の積層体を繊維方向が芯材で対称となるように、繊維強化樹脂材の積層体[0°/90°/90°/0°]/接着層/芯材/接着層/繊維強化樹脂材の積層体[0°/90°/90°/0°]の積層構成で積層し、中間体を得た。この中間体をオートクレーブにて、130℃の温度で2時間、0.5MPaの圧力下、昇温速度1.6℃/分で成形して繊維強化樹脂複合体を作製した。なお、繊維強化樹脂複合体は、角部において繊維基材と芯材との間に樹脂溜まりが形成されるように作製した。得られた繊維強化樹脂複合体の角部について、縦20mm×横20mmのサンプルを切り出し、その断面を研磨後、レーザー顕微鏡(VK−9510((株)キーエンス製))で200倍以上に拡大し断面写真を撮影した。その結果、角部において繊維基材との間に樹脂溜まりが形成されているとともに樹脂が浸透している部分が観察され、樹脂溜まり長さは、2つの繊維強化樹脂材の交点部の樹脂溜まり地点から、芯材側の樹脂溜まりの2つの繊維強化樹脂材の中間に位置する樹脂溜まりの端部地点を結んだ直線距離とした。
(2)樹脂溜まりの樹脂と芯材の内部に浸透した樹脂の評価方法
(1)で作製した繊維強化樹脂複合体の角部について、縦20mm×横20mmのサンプルを切り出し、その断面を研磨後、レーザー顕微鏡(VK−9510((株)キーエンス製))で200倍以上に拡大し断面写真を撮影した。断面写真により樹脂の色の違いなどにより評価が可能な場合は、浸透した樹脂を接着層の樹脂あるいは、接着層の樹脂および強化繊維に樹脂を含浸させた繊維強化樹脂材の樹脂の混合物、強化繊維に樹脂を含浸させた繊維強化樹脂材の樹脂のいずれかと判定した。断面観察により評価が困難な場合は、顕微FT−IR分析(顕微鏡で樹脂溜まりの樹脂と芯材の内部に浸透した樹脂を削り出し、削り出した粉末を赤外分光分析(IRT−7200(日本分光(株)製))により評価)により樹脂の分析を行い、判定した。
(3)繊維強化樹脂複合体の意匠性の評価方法
(1)で作製した繊維強化樹脂複合体から、縦300mm×横300mmのサンプルを切り出し、オートクレーブ成形でツール面とした意匠面側に白色チョークを押し付けながら全面を擦り、その表面を乾いた布で軽く拭き取った。白色チョークにより顕在化したピンホールを縦300mm×横300mmの面積内で検査した。繊維強化樹脂複合体の意匠性の判定基準として、ピンホール数が5個以内の場合は◎、6個以上10個以下の場合は○、11個以上の場合は△とした。
(4)繊維強化樹脂複合体の接着性の評価方法
(1)で作製した繊維強化樹脂複合体について、縦20mm×横20mmのサンプルを切り出し、その断面を研磨後、レーザー顕微鏡(VK−9510((株)キーエンス製))で200倍以上に拡大し断面写真を撮影した。樹脂発泡体の芯材への樹脂の含浸長さを断面写真から評価した。繊維強化樹脂複合体の接着性の判定基準として、樹脂発泡体の芯材への樹脂の最大含浸長さが500μm以上の場合は◎、500μm未満の場合は○とした。
(実施例1)
意匠面から繊維強化樹脂材、接着層A、芯材A、接着層A、繊維強化樹脂材の順で積層し、中間体を作製した。接着層Aは、芯材Aを被覆するように積層した。
得られた中間体を用い、上記の(1)繊維強化樹脂複合体の樹脂溜まり長さの測定方法、(2)樹脂溜まりの樹脂と芯材の内部に浸透した樹脂の評価方法、(3)繊維強化樹脂複合体の意匠性の評価方法、(4)繊維強化樹脂複合体の接着性の評価方法を記載のとおりに実施して繊維強化樹脂複合体を得て、樹脂溜まり長さ、樹脂溜まりの樹脂と芯材の内部に浸透した樹脂、繊維強化樹脂複合体の意匠性、繊維強化樹脂複合体の接着性を測定した。結果を表1に示す。
(実施例2〜6、比較例1、比較例2)
樹脂発泡体からなる芯材、樹脂からなる接着層を表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして繊維強化樹脂複合体を作製した。作製した繊維強化樹脂複合体を用いて、樹脂溜まり長さ、樹脂溜まりの樹脂と芯材の内部に浸透した樹脂、繊維強化樹脂複合体の意匠性、繊維強化樹脂複合体の接着性を測定した。得られた結果を表1にまとめて示す。
Figure 2021187129
実施例1〜6と比較例1、2との対比により、本発明の繊維強化樹脂複合体は、強化繊維に樹脂を含浸させた繊維強化樹脂材、樹脂発泡体からなる芯材、繊維強化樹脂材と芯材の間に配置した樹脂からなる接着層を含んでおり、芯材が角部を有し、角部に沿った領域の少なくとも一部で、芯材の表面から強化繊維までの間隔が周囲よりも離れた離間部分が形成されており、離間部分に樹脂が貯留された樹脂溜まりが形成されており、離間部分で樹脂溜まりの樹脂が芯材の内部に浸透されているため、得られる繊維強化樹脂複合体は優れた意匠面を備え、且つ樹脂発泡体の芯材と繊維強化樹脂材に優れた接着性を実現していることが分かる。
本発明によれば、優れた意匠面を備え、且つ樹脂発泡体の芯材と繊維強化樹脂材に優れた接着性を備えた繊維強化樹脂複合体が得られるため、テニスラケットやゴルフシャフトなどのスポーツ用品、バンパーやドアなどの自動車の外装材、シャシーやフロントサイドメンバなど自動車の構造材、又はステアリングやメーターバイザーなどの自動車の内装材、ロボット、航空機構造部材、風車、医療機器又はICトレイやノートパソコンの筐体(ハウジング)などのコンピュータ用途等に広く展開でき、有用である。
より具体的には、例えば、「パソコン、ディスプレイ、OA機器、携帯電話、携帯情報端末、ファクシミリ、コンパクトディスク、ポータブルMD、携帯用ラジオカセット、PDA(電子手帳などの携帯情報端末)、ビデオカメラ、デジタルビデオカメラ、光学機器、オーディオ、エアコン、照明機器、娯楽用品、玩具用品、その他家電製品などの筐体、トレイ、シャシー、内装部材、またはそのケース」などの電気、電子機器部品、「支柱、パネル、補強材」などの土木、建材用部品、「各種メンバ、各種フレーム、各種ヒンジ、各種アーム、各種車軸、各種車輪用軸受、各種ビーム、プロペラシャフト、ホイール、ギアボックスなどの、サスペンション、アクセル、またはステアリング部品」、「フード、ルーフ、ドア、フェンダ、トランクリッド、サイドパネル、リアエンドパネル、アッパーバックパネル、フロントボディー、アンダーボディー、各種ピラー、各種メンバ、各種フレーム、各種ビーム、各種サポート、各種レール、各種ヒンジなどの、外板、またはボディー部品」、「バンパー、バンパービーム、モール、アンダーカバー、エンジンカバー、整流板、スポイラー、カウルルーバー、エアロパーツなど外装部品」、「インストルメントパネル、シートフレーム、ドアトリム、ピラートリム、ハンドル、メーターバイザー、各種モジュールなどの内装部品」、または「モーター部品、CNGタンク、ガソリンタンク、燃料ポンプ、エアーインテーク、インテークマニホールド、キャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー、各種配管、各種バルブなどの燃料系、排気系、または吸気系部品」などの自動車、二輪車用構造部品、「その他、オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクター、ICレギュレーター、ライトディヤー用ポテンショメーターベース、エンジン冷却水ジョイント、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、タービンべイン、ワイパーモーター関係部品、ディストリビュター、スタータースィッチ、スターターリレー、ウィンドウオッシャーノズル、エアコンパネルスィッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイル、バッテリートレイ、ATブラケット、ヘッドランプサポート、ペダルハウジング、プロテクター、ホーンターミナル、ステップモーターローター、ランプソケット、ランプリフレクター、ランプハウジング、ブレーキピストン、ノイズシールド、スペアタイヤカバー、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルター、点火装置ケース、スカッフプレート、フェイシャー」、などの自動車用部品、二輪車用部品、「ランディングギアポッド、ウィングレット、スポイラー、エッジ、ラダー、エレベーター、フェイリング、リブ」などの航空機用部品、「ブレード、ロータ軸、ハブ、タワー、ナセル」などの風車用部品、「アーム、シャシー、ボディー、ステージ」などのロボット用部品、「カセッテ、天板、カバー」などの医療機器が挙げられる。力学特性の観点からは、自動車の内外装、電気・電子機器筐体、自転車、スポーツ用品用構造材、航空機内装材、輸送用箱体、風車、ロボット、医療機器に好ましく用いられる。
1、1a、1b 繊維強化樹脂材
2 芯材
3 接着層
4、4a、4b 樹脂溜まり
5、5a、5b 芯材の角部
10 繊維強化樹脂複合体

Claims (7)

  1. 強化繊維に樹脂を含浸させた繊維強化樹脂材と、樹脂発泡体からなる芯材と、少なくとも前記繊維強化樹脂材と前記芯材の間に配置した樹脂からなる接着層とを有する繊維強化樹脂複合体であって、前記芯材が角部を有し、該角部に沿った領域の少なくとも一部で、前記芯材の表面から前記強化繊維までの間隔が周囲よりも離れた離間部分が形成されており、前記離間部分に、樹脂が貯留された樹脂溜まりが形成されており、前記離間部分において、前記樹脂溜まりの樹脂が芯材の内部に浸透されている繊維強化樹脂複合体。
  2. 前記離間部分に貯留された樹脂が前記接着層の樹脂であり、前記離間部分において、芯材の内部に浸透されている樹脂が前記接着層の樹脂である、請求項1に記載の繊維強化樹脂複合体。
  3. 前記離間部分に貯留された樹脂が前記接着層の樹脂および前記強化繊維に樹脂を含浸させた繊維強化樹脂材の樹脂の混合物であり、前記離間部分において、芯材の内部に浸透されている樹脂が前記接着層の樹脂および前記強化繊維に樹脂を含浸させた繊維強化樹脂材の樹脂の混合物である、請求項1に記載の繊維強化樹脂複合体。
  4. 前記強化繊維に含浸させた樹脂が、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、及び、ビニルエステル樹脂からなる群より選ばれる1以上の熱硬化性樹脂を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の繊維強化樹脂複合体。
  5. 前記樹脂発泡体が、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、及び、ポリメタクリルイミド樹脂からなる群より選ばれる1以上の樹脂を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の繊維強化樹脂複合体。
  6. 前記接着層が、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、及び、ビニルエステル樹脂からなる群より選ばれる1以上の樹脂を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の繊維強化樹脂複合体。
  7. 前記接着層が繊維基材を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の繊維強化樹脂複合体。
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