JP2021187111A - 印刷異常検出システム及び印刷異常検出方法 - Google Patents

印刷異常検出システム及び印刷異常検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ジョブが長大となる印刷が行われる場合に、より効率的に印刷不良を検出して対処できる印刷異常検出システム等の提供。【解決手段】印刷異常検出システム1は、画像データ420に基づいて、印刷媒体Wに画像を印刷する印刷機100と、印刷媒体Wに印刷された画像を読み取る読み取り部200と、読み取り部200からの読み取り画像データ440に基づいて印刷異常箇所EAを検出する処理部300と、表示要否判定基準460の情報を記憶する記憶部400と、表示部500と、を含む。処理部300は、画像データ420と、読み取り画像データ440と、表示要否判定基準460とに基づいて、印刷異常箇所EAの表示部500への表示要否を判定し、表示すると判定した場合に、印刷異常箇所EAの画像582,586を含む印刷異常箇所情報580を表示部500に表示する処理を行う。【選択図】図1

Description

本発明は、印刷異常検出システム及び印刷異常検出方法等に関する。
印刷機のユーザーが、目視検査で印刷結果を全てスクリーニングし、印刷品質を判定することは、多大な時間を労し、見落としなどの問題も発生しやすい。また、印刷品質の判定項目には、例えば、色差のように、目視検査による判断が難しい項目も有る。そのため、機械による印刷異常検出システムとの併用が望まれる。例えば、特許文献1には、単一もしくは複数の印刷物の画像を印刷毎に読み取り、もとの画像データと逐次比較しながら異常な印刷物を再印刷する手法が開示されている。
特開2008−160284号公報
しかし、印刷の分野によっては、ジョブが長大となる印刷が行われる場合がある。例えば、捺染等の分野においては、印刷長が数百メートルにわたる印刷ジョブを扱う場合があり、より効率的に印刷不良を検出して対処する手法が望まれる。
本開示の一態様は、画像データに基づいて、印刷媒体に画像を印刷する印刷機と、前記印刷媒体に印刷された前記画像を読み取る読み取り部と、前記読み取り部からの読み取り画像データに基づいて印刷異常箇所を検出する処理部と、表示要否判定基準の情報を記憶する記憶部と、表示部と、を含み、前記処理部は、前記画像データと、前記読み取り画像データと、前記表示要否判定基準とに基づいて、前記印刷異常箇所の前記表示部への表示要否を判定し、表示すると判定した場合に、前記印刷異常箇所の画像を含む印刷異常箇所情報を前記表示部に表示する処理を行うことを特徴とする印刷異常検出システムに関係する。
また、本開示の一態様は、画像データに基づいて、印刷媒体に画像を印刷し、前記印刷媒体に印刷された前記画像を読み取り、読み取り画像データを取得し、前記読み取り画像データに基づいて印刷異常箇所を検出し、前記画像データと、前記読み取り画像データと、表示要否判定基準とに基づいて、前記印刷異常箇所の表示部への表示要否を判定し、表示すると判定した場合に、前記印刷異常箇所の画像を含む印刷異常箇所情報を前記表示部に表示する処理を行う、ことを特徴とする印刷異常検出方法に関係する。
印刷異常検出システムの構成例を示すブロック図。 印刷異常検出システムの模式的な説明図。 印刷ジョブ情報の画像及び読み取り情報の画像についての説明図。 印刷異常箇所についての説明図。 システム実行処理の処理例を示すフローチャート。 印刷品質判定処理の処理例を示すフローチャート。 印刷異常検出システムのより詳細な構成例を示すブロック図。 印刷異常検出システムの機械機構についての模式的な説明図。 読み取り部の構成例についての模式的な説明図。 読み取り部の別の構成例についての模式的な説明図。 読み取り部の別の構成例についての模式的な説明図。 ジョブデータ登録処理の処理例を説明するフローチャート。 表示要否判定基準の決定方法についての説明図。 表示要否判定基準の決定方法についての説明図。 表示要否判定基準の決定方法についての説明図。 表示要否判定基準のより詳細な構成例を示す図。 印刷品質検査の手順例を説明するフローチャート。 目視検査で許容され得る印刷異常の例についての説明図。 システム実行処理の変形例を説明するフローチャート。
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲の記載内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが必須構成要件であるとは限らない。
1.本実施形態の手法
図1は本実施形態における印刷異常検出システム1のブロック図であり、図2は印刷異常検出システム1の模式的な説明図である。図1に示すように印刷異常検出システム1は、印刷機100と、読み取り部200と、処理部300と、記憶部400と、表示部500を含む。なお印刷異常検出システム1は印刷システムと呼ぶこともできる。また、以降の説明において、印刷異常検出システム1を単にシステムと表記することがある。
印刷機100は、印刷媒体Wに対して画像を印刷する。当該画像は、記憶部400に記憶された画像データ420に基づくものである。印刷機100は搬送部120と印刷部140を含む。印刷媒体Wは、例えば、印刷機100の用途が捺染であれば、天然繊維や合成繊維で構成された布帛であるが、用途に応じて紙等の他の媒体であってもよい。なお、以降の説明において、印刷前における印刷媒体の符号をW1、印刷後における印刷媒体の符号をW2と区別して記載する場合と、単に符号をWとして記載する場合がある。
搬送部120は、印刷媒体Wを所定の方向に搬送する。搬送部120は、後述の図7、図8で説明するように、繰り出し部122、巻き取り部124及びローラー制御部126等を含むことで、捺染用途のような、長い印刷媒体Wに対しても印刷することができる。なお、所定の方向とは、例えば、図8の繰り出し部122から巻き取り部124へ向かう方向D1等である。これらについては後述する。
印刷部140は、例えば、捺染用途の場合、図2に示すように、所定のガイドを用いて方向D2に沿って往復走査するキャリッジ142を含む。方向D2は、前述した搬送方向である方向D1に直交する方向である。キャリッジ142は、例えば、印刷ヘッドやインクカートリッジ等を含む。所定のガイドは方向D2に沿って設けられる。これにより、前述の搬送部120の動作と、印刷部140の動作を組み合わせることで、印刷媒体Wに対して印刷画像を印刷できるようになる。当該印刷画像は、例えば、記憶部400に記憶された画像データ420をもとに形成される。
読み取り部200は、印刷媒体Wに印刷された画像を読み取る。読み取り部200は、例えば、スキャナーにより実現できるが、カメラ又は測色器等により実現してもよく、これらを組み合わせて実現してもよい。なお、測色器については後述する。読み取り部200は、例えば、所定の箇所に固定して設けられることで実現されるが、上記印刷部140と同様に、所定のガイドに沿って移動することで実現してもよく、詳細は後述する。読み取り部200は、後述する処理部300からの指令により所定のタイミングで印刷媒体W2の画像を読み取り、得られた読み取り画像データ440は、処理部300及び記憶部400に逐次送信される。
処理部300は、印刷機100、読み取り部200、記憶部400及び表示部500の各部の制御を行う。また、処理部300は、読み取り部200からの読み取り画像データ440に基づいて印刷異常箇所EAを検出するが、具体的な処理は後述する。本実施形態の処理部300は、下記のハードウェアによって構成できる。ハードウェアは、デジタル信号を処理する回路及びアナログ信号を処理する回路の少なくとも一方を含むことができる。ハードウェアは、例えば、回路基板に実装された1又は複数の回路装置或いは1又は複数の回路素子によって構成できる。なお、回路装置は、例えば、集積回路装置である。また、回路素子は、例えば、抵抗或いはキャパシター等である。
また、処理部300は、下記のプロセッサーにより実現できる。本実施形態の処理部300は、情報を記憶するメモリーと、メモリーに記憶された情報に基づいて動作するプロセッサーと、を含む。なお、情報は、例えば、プログラムと各種のデータ等である。プロセッサーは、ハードウェアを含む。また、プロセッサーは、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等、各種のプロセッサーを用いることが可能である。また、メモリーは、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の半導体メモリーであってもよいし、レジスターであってもよいし、ハードディスク装置等の磁気記憶装置であってもよいし、光学ディスク装置等の光学式記憶装置であってもよい。また、メモリーは、例えば、コンピューターによって読み取り可能な命令を格納しており、当該命令をプロセッサーが実行することによって、処理部300の機能が処理として実現される。なお、命令は、プログラムを構成する命令セットの命令でもよいし、プロセッサーのハードウェア回路に対して動作を指示する命令であってもよく、さらに、処理部300の全部又は一部はクラウドコンピューティングで実現されてもよい。
記憶部400は、処理部300で実行されるプログラム、処理部300の動作に関する演算内容、及び印刷異常検出システム1に関するデータ等を一時的に記憶することができる。印刷異常検出システム1に関するデータとは、例えば、前述した画像データ420、読み取り画像データ440、及び、表示要否判定基準460等を含む。記憶部400は、レジスター、半導体メモリー、磁気記憶装置或いは光学式記憶装置等で実現できる。なお、半導体メモリーは、例えば、DRAMやSRAM等である。また、磁気記憶装置は、例えば、HDDである。また、光学式記憶装置は、例えば、CD−ROM或いはDVD−ROM等である。記憶部400は、プロセッサーが実行するプログラムや、プロセッサーにより処理されるデータを記憶する記憶領域を有する。例えば記憶部400は、プロセッサーが実行する制御プログラム、及び、処理部300の動作に関する各種の設定値を含む設定データを記憶する。記憶部400は、プログラムやデータを不揮発的に記憶する不揮発性記憶領域を有する。
表示部500は、処理部300の処理に従って、印刷状況及び印刷異常検出に関する画像を表示する。表示部500は、例えば、液晶ディスプレイにより実現できるが、有機ELディスプレイ等により実現してもよい。また、表示部500がタッチパネル等のハードウェアを含むことにより、操作部として機能してもよい。表示部500は、例えば、図3に示すように、印刷ジョブ情報の画像520及び読み取り情報の画像540等を表示する。
図3に示す印刷ジョブ情報の画像520は、印刷ジョブに関する情報を示す表示画像であり、例えば、ジョブの内容を識別するID、ジョブの長さ、或いは、印刷条件等を表示した画像等を含むが、他の項目に関する画像を含んでもよい。
読み取り情報の画像540は、例えば、ステータスバー画像560と、印刷異常箇所情報580を含む。ステータスバー画像560は、例えば、図3に示すように、進行状況バー画像562と、異常箇所識別画像564A,564Bを含む。なお、以降の説明において、異常箇所識別画像の符号を単に564と表記することもある。このようにすることで、ジョブ全体の中で、読み取り状況の進行度合い及び異常な印刷の存在を直感的に把握することができる。また、読み取り情報の画像540の表示内容には、様々な変形実施が可能である。例えば、読み取りの進行状況は、バーによる画像に限らず、グラフによる画像で表示してもよい。
印刷異常箇所情報580は、後述する処理部300の処理において、印刷に異常が有ったと判断された箇所についての情報であり、例えば、図3に示すように、画像を表示することで実現される。また、印刷異常箇所情報580は、印刷異常箇所EAの画像を含む。具体的には、例えば、図4に示すように、印刷異常箇所EA1の画像582と印刷異常箇所EA2の画像586を表示することで実現できる。また、印刷異常箇所EA1の画像582は、図3で示した異常箇所識別画像564Aに対応し、印刷異常箇所EA2の画像586は、図3で示した異常箇所識別画像564Bに対応している。なお、以降の説明において、印刷異常箇所EA1の画像582と印刷異常箇所EA2の画像586を区別して表記する場合と、印刷異常箇所EAを示す画像582,586と表記する場合と、単に印刷異常箇所EAの画像と表記する場合がある。
また、印刷異常箇所EAの画像は、図4に示すように、異常と判断した理由の情報及び異常の位置情報を含んで表示されるが、さらに他の情報を表示してもよい。図4に示す例では、印刷異常箇所EA1の画像582においては、インクポタ落ちに起因する異常部分画像584が検出されたことを示すように表示され、印刷異常箇所EA2の画像586は、擦れに起因する異常部分画像588が検出されたことを示すように表示されている。印刷異常箇所EAの画像の表示方法は、図4に示すような手法に限定されず、種々の変形実施が可能である。例えば、図4に示した印刷異常箇所EA1の画像582と印刷異常箇所EA2の画像586を、図3に示した読み取り情報の画像540と併せて表示してもよい。
次に、表示部500に印刷異常箇所情報580等を表示するための、処理部300が実行するシステム実行処理(ステップS10)について説明する。図5は、システム実行処理(ステップS10)の処理例を示すフローチャートである。なお、システム実行処理(ステップS10)は、後述する印刷品質検査の一部を構成する。
処理部300は、システム実行処理において、先ずジョブデータ登録処理(ステップS100)を行う。ジョブデータ登録処理は、ジョブの内容を決定する処理であり、ジョブの内容は、後述する表示要否判定基準460等が含まれるが、詳細は後述する。その後、処理部300は、ジョブ開始処理(ステップS200)を実行することで、印刷機100の運転が開始される。その後、印刷処理(ステップS220)が実行されることにより、搬送部120による印刷媒体Wの搬送と印刷部140による印刷が実行される。
その後、処理部300は、印刷結果読み取り処理を実行する(ステップS300)。これにより、上述した搬送及び印刷が実行されるとともに、読み取り部200により、印刷された印刷媒体W2が読み取られ、読み取り画像データ440が処理部300に送信される。そして、処理部300は、画像データ420と送信された読み取り画像データ440を比較し、読み取った画像に異常箇所が無い場合は(ステップS400でNO)、後述で詳細に説明する印刷品質判定処理(ステップS600)を経ることなく、読み取り情報の画像の更新処理(ステップS500)を実行する。具体的には処理部300は、図3の進行状況バー画像562等を更新するように表示部500を制御する処理を実行する。
そして、処理部300は、ジョブが完了しているか否かを判断し、ジョブが完了していない場合は(ステップS700でNO)、印刷処理(ステップS220)を続行する。つまり、印刷結果の読み取りに関するS300〜S600の処理は、搬送部120及び印刷部140の動作中においてリアルタイムに実行されている。一方、処理部300は、送信された読み取り画像データ440について異常箇所が有ったと判断した場合は(ステップS400でYES)、印刷品質判定処理(ステップS600)を実行する。
ここで、印刷品質判定処理(ステップS600)について説明する。図6は、印刷品質判定処理の詳細な処理例を示したフローチャートである。処理部300は、画像データ420と読み取り画像データ440を比較し、異常箇所を特定する(ステップS610)。異常箇所とは、例えば、前述の図4で示した、異常部分画像584,588等の箇所である。異常箇所の特定は、例えば、画像データ420と読み取り画像データ440のパターンマッチング等により実現することができる。また、異常部分画像が円形に近い場合は、インクポタ落ちの種類に分類し、異常部分画像が直線状に近い場合は、擦れの種類に分類することができる。
次に、処理部300は、当該異常箇所が、表示要否判定基準460の許容値以内であるかを判断する(ステップS620)。なお、許容値とは規格値ともいう。なお、表示要否判定基準460とは、ユーザーによる目視検査による確認を必要とするか否かに関する判定基準であり、所定の許容値を含むが、詳細は後述する。表示要否判定基準460の許容値以内である異常とは、印刷媒体W2の印刷品質に対する影響が非常に小さく、ユーザーによる目視検査をするまでもなく良品の範囲内であると判断できる異常である。
そして、処理部300は、当該異常箇所が表示要否判定基準460の許容値以内である場合は(ステップS620でYES)、当該異常箇所に関する情報を消去する処理(ステップS630)を実行する。当該異常箇所に関する情報とは、例えば、当該異常箇所に関する異常画像及び位置情報等である。よって、当該異常箇所に関する情報は、例えば、記憶部400において後述の図7のエラーログ470として残らない事になる。これにより、記憶部400の記憶領域を十分に確保できるようになる。
一方、当該異常箇所が表示要否判定基準460の許容値を上回る場合は(ステップS620でNO)、当該異常箇所に関する位置情報及び画像データ等が記憶される(ステップS640)。具体的には、例えば、当該異常箇所に関する情報が、図7に示すエラーログ470として記憶部400に記憶される。
そして、図5のフローチャートに戻り、読み取り情報の画像の更新処理が実行される(ステップS500)。具体的には、例えば、図3において、進行状況バー画像562の更新処理とともに、新たに異常箇所識別画像564を追加する更新処理が行われる。さらに、図3の印刷異常箇所情報580における印刷異常箇所数の更新処理とともに、図4の印刷異常箇所EAの画像が追加される更新処理が行われる。
このように、本実施形態の印刷異常検出システム1は、画像データに基づいて、印刷媒体に画像を印刷する印刷機100と、印刷媒体に印刷された画像を読み取る読み取り部200と、読み取り部200からの読み取り画像データに基づいて印刷異常箇所EAを検出する処理部300と、を含むことから、印刷異常が発生した箇所を発見することが可能となる。これにより、出荷前に補修等を行うことができるため、印刷不良品の流出を防止することができる。また、印刷異常検出システム1は、表示要否判定基準460の情報を記憶する記憶部400を含むことから、表示を要さない程度の軽微な印刷異常を検出することがなくなるため、印刷異常の確認作業を効率的に行うことができる。また、印刷異常検出システム1は表示部500を含むことから、印刷異常検出に関する情報を直感的かつ明確に把握することができる。印刷異常検出に関する情報とは、例えば、印刷異常箇所EAの位置情報、画像情報及び異常と判断した理由の情報等である。また、処理部300は、画像データ420と、読み取り画像データ440と、表示要否判定基準460とに基づいて、印刷異常箇所EAの表示部500への表示要否を判定し、表示すると判定した場合に、印刷異常箇所の画像582,586を含む印刷異常箇所情報580を表示部500に表示する処理を行う。これにより、印刷異常箇所EAの位置や画像をユーザーが確認できるため、捺染印刷のような長いジョブであっても、異常印刷箇所を容易に特定することができる。即ち、ジョブが長大となる印刷が行われる場合に、より効率的に印刷不良を検出して対処できる印刷異常検出システム1等の提供が可能になる。また、表示要否判定基準460によって、表示部500にはユーザーの目視検査を必要とする箇所を最小限に留めて表示されるため、ユーザーの目視検査による負担を少なくすることができる。
なお、印刷ジョブが長い場合、特許文献1のように、印刷物から読み取った画像データと、元の画像データと逐次比較しながら印刷を行うためには、印刷品質の異常を高速に判定する必要がある。ここで、印刷品質の異常を高速に判定すると、異常と判定された印刷結果が、実際の目視検査では許容できる印刷品質であるといった齟齬が生じる問題が有る。前述した、本実施形態の印刷異常検出システム1によれば、表示要否判定基準460によって、表示部500に、当該齟齬が生じ得るか否かを選別した上で印刷異常箇所情報580を表示するため、表示要否判定基準460を随時適正な許容値に更新することができる。
2.印刷機のカテゴリーを捺染にした場合の構成例及び処理例
本実施形態の印刷異常検出システム1は、前述したものに限られず、印刷機のカテゴリー等に応じて他の機能を追加する等、様々な変形実施が可能である。以下、印刷機100のカテゴリーを捺染にした場合における詳細な構成例を説明する。図7は、印刷異常検出システム1の詳細な構成例を示すブロック図であり、図8は印刷異常検出システム1の機械機構を模式的に説明する図である。なお、前述と同様の構成については、説明を省略する。
図8に示すように、印刷前の印刷媒体W1は、ロール状に巻回された長尺状に形成され、繰り出し部122から繰り出される。その後、搬送ローラー128Aによって搬送されながら、印刷部140によって画像が印刷される。印刷後の印刷媒体W2は、搬送ローラー128Bによって搬送されながら、乾燥部170によって印刷画像のインクが乾燥される。その後、図示しない搬送部120の搬送経路によって、印刷媒体W2は、読み取り部200の有る箇所を通過するように搬送され、印刷画像が読み取られる。その後、印刷媒体W2は巻き取り部124に巻き取られる。
なお、図8に示すように、巻き取り部124に巻き取られる前に、所定の場所A1を設けてもよい。所定の場所A1は、例えば、ユーザーが目視検査を行うときに用いられる。また、所定の場所A1と近接する場所に表示部500を設置してもよい。これにより、後述する品質確認検査において、ユーザーの目視検査結果と、表示部500に表示された画像を容易に比較することができる。また、図示は省略するが、入出力部を所定の場所A1の近くに設けてもよい。なお、入出力部とは、例えば、ユーザーが表示要否判定基準460の許容値等を入力するためのインターフェイス、又は、印刷異常検出システム1と所定の外部装置の間でデータを入出力するためのインターフェイス等である。また、所定の外部装置とは、例えば、記憶メディア又はサーバー等である。これにより、後述する表示要否判定基準460の更新等を容易に行うことができる。
繰り出し部122は、ロール状に巻回された印刷前の印刷媒体Wである長尺の印刷媒体W1を繰り出す機構である。巻き取り部124は、印刷後の印刷媒体Wである印刷媒体W2を巻き取る機構である。これらの繰り出し部122,巻き取り部124は図示しないモーター等の駆動により実現される。繰り出し部122は、印刷媒体Wの搬送経路において最も上流に位置し、巻き取り部124は最も下流側に位置する。ローラー制御部126は、印刷媒体Wを繰り出し部122から巻き取り部124まで搬送するのに必要なローラーを制御する。必要なローラーは、例えば、図8に示すような、無端形状の搬送ベルトを駆動する一対の搬送ローラー128A,128B等を含むが、他に図示しないテンションローラー等を含んでもよい。
印刷部140は、より詳細には、図7に示すようにキャリッジ制御部150と印刷制御部160を含む。キャリッジ制御部150は、キャリッジ142において図示しない駆動機構部分を制御し、キャリッジ142を適切なスピードで方向D2に沿って往復走査させる。印刷制御部160は、図示しない印刷ヘッドの吐出状態及びインク残量等を制御する。吐出状態やインク残量に異常が有る場合は、処理部300にその旨の信号を出力し、印刷機100がアラーム等を発生する。
乾燥部170は、印刷部140が印刷した印刷媒体W2のインク等を乾燥させる。具体的には温風等を吹き付ける機構等、公知の手法で実現できる。なお、乾燥部170の代わりに紫外線照射部等を用いてもよく、これらを組み合わせて使用してもよい。
読み取り部200は、乾燥部170によってインクが乾燥した印刷媒体W2の画像を読み取る。読み取り部200は、例えば、図9に示すように、所定のガイド部に、読み取り機210である読み取り機210A〜210Eを並べて配置させることで実現できる。なお、読み取り機210の個数は図9のように5つに限定されない。また、読み取り機210は、スキャナー、カメラ、測色機又はこれらの組み合わせ等で実現できる。
また、読み取り部200は、例えば、図10に示すように、所定のガイド部に沿って、図示しない駆動機構によって読み取り機220を、前述の方向D2に沿って往復走査させることで実現してもよい。このようにすることで、読み取り機220の個数を減らすことができる。読み取り機220は、スキャナー、カメラ、測色機又はこれらの組み合わせ等で実現できる。
また、読み取り部200は、図11に示すように、読み取り機230を筐体600に設置して、高い位置から読み取るようにして、実現してもよい。このようにすることで、読み取り部200を設ける場所を少なくすることができる。読み取り機230は、広角カメラで実現できる。
図7に示すように、記憶部400は、図示しない制御プログラムの他に、ジョブデータ410、画像データ420、読み取り画像データ440、表示要否判定基準460、印刷機のカテゴリーの情報462、印刷機の用途の情報464、エラーログ470等を記憶する。また、必要に応じて、オプションの情報466を記憶してもよい。
ジョブデータ410は、品名、ロット番号、ジョブ長さ、及び、印刷条件等のデータを含み、これらをID等によって識別することができる。また、当該IDには、画像データ420、読み取り画像データ440、表示要否判定基準460、印刷機のカテゴリーの情報462、及び印刷機の用途の情報464等が関連付けられ、登録されたIDを選択する事により、これらのデータの参照、変更等をすることができる。なお、表示要否判定基準460の具体的な参照、変更等の方法は、後述の図12のフローチャートとあわせて説明する。
印刷機のカテゴリーの情報462は、表示要否判定基準460と関連付いている。つまり、記憶部400は、印刷機100のカテゴリーに応じて、異なる判定基準を含む表示要否判定基準460の情報を記憶する。例えば、記憶部400は、印刷機のカテゴリーの情報462ごとに、後述する図16の表データの形式で表示要否判定基準460を記憶している。図16は印刷機のカテゴリーの情報462が捺染の場合についての表示要否判定基準460の例であるが、記憶部400は、他の印刷機のカテゴリーについても同様に記憶している。なお、他の印刷機のカテゴリーは、例えば、サイン、昇華転写、及びラベル等である。また、後述する図13〜図15の印刷機のカテゴリーの選択画面592は、印刷機のカテゴリーの情報462に基づいて表示される。このように、表示要否判定基準460を印刷機100のカテゴリーごとに異ならせるようにしておくことで、複数種類の印刷機100に対して印刷異常検出システム1を適用することができる。また、印刷機100のカテゴリーが変更されても、継続して印刷異常検出システム1を適用することができる。
印刷機の用途の情報464は、印刷機のカテゴリーの情報462のそれぞれに対応して、記憶部400に記憶されている。言い換えれば、記憶部400は、印刷機100の用途に応じて異なる判定基準を含む表示要否判定基準460の情報を記憶する。例えば、図16に示すように、印刷機のカテゴリーが捺染であれば、高級服、普通服、及び布地が、印刷機の用途の情報464として記憶部400に記憶されている。そして、表示要否判定基準460は、それぞれの用途ごとに異なるように記憶されている。これにより、印刷機100の用途ごとに表示要否判定基準460を多彩に設定できることから、ユーザーは表示要否判定基準460を容易に管理することができる。
なお、印刷機のカテゴリーの情報462がサインであれば、垂幕又はポスター等が印刷機の用途の情報464として挙げられる。また、印刷機のカテゴリーの情報462が昇華転写であれば、スポーツウエア、Tシャツ、又は生地等が印刷機の用途の情報464として挙げられる。また、後述する図13〜図15の印刷機の用途の選択画面594は、印刷機の用途の情報464に基づいて表示される。
エラーログ470は、印刷異常検出システム1において異常と判断された履歴情報であり、例えば、前述した印刷異常箇所情報580等を含むが、印刷機100の機械的異常に関する履歴情報等を含んでもよい。
次に、ジョブデータ410の具体的な決定方法について説明する。図12は、ジョブデータ登録処理(ステップS100)のより詳細な処理例を説明するフローチャートである。処理部300は、登録の対象となるジョブデータが登録済のデータと同一かを判断し、登録済のデータと同一であれば(ステップS110でYES)、登録済ジョブデータからのコピー処理(ステップS120)を行い、ジョブデータ登録処理を終了する。
登録の対象となるジョブデータが登録済のデータと同一でない場合(ステップS110でNO)、印刷対象データの登録処理(ステップS130)を実行する。具体的には、ユーザーが新規のID、品名、ロット番号、ジョブ長さ、及び、印刷条件等のデータを入力し、当該データを登録する処理を実行する。
次に、画像データ420を登録する処理(ステップS140)を実行する。具体的には、印刷媒体Wに画像を印刷する元となる画像データ420をジョブデータ410に関連付ける処理を実行する。
その後、処理部300は、印刷機のカテゴリーの決定処理(ステップS150)を実行する。具体的には、印刷機のカテゴリーの情報462をもとに、表示部500において図13に示すような、表示要否判定基準設定画面590が表示される。先ずユーザーは印刷機のカテゴリーの選択画面592において、印刷機100のカテゴリーを選択する。本実施形態では、印刷機100のカテゴリーは、サイン、捺染、昇華転写、ラベルの少なくとも2つ以上を含む。具体的には、例えば、図13に示すように、印刷機のカテゴリーの選択画面592において、ユーザーはサイン、捺染、昇華転写、ラベルのいずれかを選択できるようにすることで、実現できる。このようにすることで、複数種類の印刷機100に対して印刷異常検出システム1を適用することができる。また、印刷機100のカテゴリーが変更されても、継続して印刷異常検出システム1を適用することができる。
そして、処理部300は、ユーザーの選択による入力操作を受けつけることで、印刷機100のカテゴリーを決定する処理を実行する。印刷機100のカテゴリーが決定されない間は、表示要否判定基準460も決定されない。例えば、図13に示すように、表示要否判定基準の編集画面596の内容は、例えば最後にユーザーが編集した内容を表示しているものの、ユーザーは編集できないようにロックがかかることで実現できる。あるいは、表示要否判定基準の編集画面596の内容をユーザーに表示しないようにしてもよい。
また、前述のように、表示要否判定基準460は、印刷機のカテゴリーの情報462ごとに記憶部400に記憶されているので、印刷機のカテゴリーの選択画面592において、選択した印刷機100のカテゴリーを変更すると、表示要否判定基準の編集画面596の内容も変更されるようになっている。すなわち、表示要否判定基準460は、印刷機100のカテゴリーごとに変更されるようになっている。したがって、図17の表示要否判定基準460の更新も、印刷機100のカテゴリーごとに行われるが、詳細は後述する。
図12に説明を戻し、次に、処理部300は、印刷機の用途の決定処理(ステップS160)を実行する。具体的には、印刷機の用途の情報464をもとに、図14に示すような、印刷機の用途の選択画面594が表示され、ユーザーは印刷機100の用途を選択する。
そして、処理部300は、ユーザーの選択による入力操作を受けつけることで、印刷機100の用途を決定する処理を実行する。印刷機100の用途が決定されない間は、表示要否判定基準460も決定されないが、前述の印刷機100のカテゴリーの決定と同様の手法により実現することができる。
また、前述の通り、記憶部400は、印刷機100の用途に応じて異なる判定基準を含む表示要否判定基準460の情報を記憶することから、図14における印刷機の用途の選択画面594において、選択した印刷機100の用途を変更すると、表示要否判定基準の編集画面596の内容も変更されるようになっている。すなわち、表示要否判定基準460は、印刷機100の用途ごとに変更されるようになっている。したがって、図17の表示要否判定基準460の更新も、印刷機100の用途ごとに行われるが、詳細は後述する。
図12に戻り、説明を続ける。その後、処理部300は、表示要否判定基準460の設定処理(ステップS170)を実行する。具体的には、図15に示すように、印刷機100の用途を決定すると、印刷機100のカテゴリー及び印刷機100の用途に対応した表示要否判定基準の編集画面596が開き、ユーザーが表示要否判定基準460の許容値を設定できるようなる。そして、ユーザーが所定の許容値を設定することにより、ジョブデータ登録処理が終了する。なお、図13〜図15の表示要否判定基準の編集画面596において、許容値の設定表示として、許容範囲外の条件として設定表示されているが、許容範囲内の条件として設定表示されるようにしてもよい。
なお、本実施形態では、印刷機100のカテゴリー及び印刷機100の用途の両方を設定しないと、表示要否判定基準460を設定できないようにしているが、所定の場合においては、少なくとも一方を省略するようにしてもよい。所定の場合とは、例えば、ユーザーが使用する印刷機100のカテゴリー又は印刷機100の用途が1種類しか無い場合等である。
また、本実施形態では、印刷機100のカテゴリーと印刷機100の用途の組み合わせによって、表示要否判定基準460がそれぞれ決定されるが、さらに他の項目を組み合わせることで表示要否判定基準460をそれぞれ決定できるようにしてもよい。他の項目とは、例えば、印刷模様、メディア色等である。さらに、印刷模様の項目を、大小や疎密によって細分化してもよい。
また、本実施形態における表示要否判定基準の編集画面596は、例えば、印刷異常判定の項目毎に表示される。印刷異常判定の項目は、例えば、インクポタ落ち、擦れ、ドット抜け、インク飛散、ムラ、スジ、滲み、又は歪等が挙げられるが、他にユーザーが自由に設定、変更できるようにしてもよい。
また、本実施形態の表示要否判定基準460は、それぞれの印刷異常判定項目ごとに、サイズ、個数、色についての判定基準を含む。具体的には、表示要否判定基準460は、図16に示すように、印刷異常判定項目であるインクポタ落ち、擦れ、ドット抜け、インク飛散、ムラ、スジ、滲み、及び歪に対してそれぞれ、サイズ、個数、及び色についての許容値が設定されている。そして、図15に示すように、表示要否判定基準の編集画面596において、印刷異常判定項目ごとに表示要否判定基準460の許容値が表示されることにより実現される。このようにすることで、印刷異常の判定をより緻密に行うことができる。
また、表示要否判定基準の編集画面596において、色についての許容値は、色差であるΔEで表記している。すなわち、色の異常判定基準とは、画像データ420に対する、読み取り画像データ440の印刷異常箇所EAの色差に関する判定基準である。具体的には、例えば、印刷媒体W2を、読み取り部200に含まれる測色器で測定することにより、所定の表色系に準拠した測定値が得られ、当該測定値と所定の基準値による差を色差として算出することで実現できるが、他の手法により実現してもよい。これにより、目視検査では困難な、色に関する異常の定量的判断をすることが可能になる。また、色差の許容値は、ジョブデータごとに設定できることから、色の管理に多様性を持たせることができる。
また、図15では、印刷異常判定項目ごとに表示要否判定基準460を表示しているが、2つ以上の印刷異常判定項目について同時にそれぞれの表示要否判定基準460を表示できるようにしてもよい。また、図13〜図15では、それぞれの項目についてユーザーが逐次入力作業を受け付けるようになっているが、図16に示すように、印刷機100のカテゴリー、印刷機100の用途及び印刷異常判定項目を組み合わせた表示要否判定基準460の表データを作成し、当該表データを処理部300が取り込めるようにしてもよい。このようにすることで、印刷現場における作業効率を上げるともに、作業ミスを防止する事ができる。なお、図16の表データは、印刷機100のカテゴリーが捺染の場合のみを示しているが、他のカテゴリーについても同様の表データを作成してもよい。
なお、本実施形態において、表示要否判定基準460は数字で表示され、後述する表示要否判定基準460の更新も当該数字の設定を変更することで実現できるが、さらに画像を追加することで実現してもよい。例えば、図15に示すように、判断基準の数字としては異常と検出される場合でも、良品扱いとして不問にする画像を追加するオプション仕様を追加してもよい。同様に、判断基準の数字としては良品として判断される場合でも、異常として扱う画像を追加するオプション仕様を追加してもよい。
3.表示要否判定基準の更新についての処理例
次に、表示要否判定基準460の更新の処理例について、印刷異常検出システム1を用いた印刷品質検査の手順例とともに説明する。図17は、ユーザーが行う印刷品質検査の手順例を説明するフローチャートである。先ず、ユーザーは印刷異常検出システム1を用いて、前述のシステム実行処理(ステップS10または後述するステップS1010)を実行する。
そして、印刷異常箇所EAの画像が1つも表示されていない場合(ステップS20でNO)は、表示要否判定基準460を維持(ステップS30)して、印刷品質検査を終了する。なお、このような場合であっても、システムのメンテナンス等を目的として、定期的に目視検査確認を実行してもよい。
一方、印刷異常箇所EAの画像が1つ以上表示された場合(ステップS20でYES)、ユーザーは、当該異常箇所の位置を目視検査によって確認する(ステップS40)。具体的には、例えば、図3の読み取り情報の画像540の異常箇所識別画像564を選択すると、搬送部120が印刷媒体Wを、当該異常箇所の位置を前述の図8のA1の場所に合わせるように搬送する。
そして、ユーザーの目視検査によっても、当該異常箇所が異常と判断された場合(ステップS50でYES)、当該異常箇所に対して処置を実行する(ステップS70)。なお、ここでの処置とは、部分的に補修又は削除を行うことである。
一方、当該画像に関する箇所が目視検査からは異常ではなかった場合、つまり、印刷異常箇所情報580から異常と判断された箇所が、ユーザーの目視検査では異常と判断されなかった場合(ステップS50でNO)、処理部300は、表示要否判定基準460を更新する(ステップS60)。言い換えると、処理部300は、印刷異常箇所情報580に対するユーザー入力を受け付け、ユーザー入力に基づいて、表示要否判定基準460の更新処理を行う。具体的には、ユーザーは図15の表示要否判定基準の編集画面596において、表示要否異常判定基準460の値を変更する操作を行う。そして処理部300は当該変更操作を受け付け、当該変更内容を記憶部400に再度記憶させる処理を実行する。また、当該画像に関する箇所が目視検査でも異常と判断された場合、つまり、印刷異常箇所情報580から異常と判断された箇所がユーザーの目視検査においても異常と判断された箇所についても(ステップS50でYES)、所定の場合には、表示要否判定基準460を更新する(ステップS60)。所定の場合とは、例えば、サイズと色の両方の異常が有ったにも関わらず、異常の理由の情報がサイズに関する情報のみ残されている場合等である。これにより、ユーザーによる判断が加わることから、表示要否判定基準460の精度を上げる事ができる。
また、処理部300は、印刷異常箇所情報580の表示に対するユーザー入力を受け付け、印刷機100のカテゴリーと、ユーザーによる表示可否の判定結果とに基づいて、カテゴリーごとに表示要否判定基準460を更新する。具体的には、図13で前述したように、印刷機のカテゴリーの選択画面592において選択される印刷機100のカテゴリーと、表示要否判定基準の編集画面596において表示される表示要否判定基準460の表示内容は連動している。そのため、表示要否判定基準の編集画面596における表示要否判定基準460の更新は、印刷機100のカテゴリーごとに行われる。したがって、例えば、印刷機100のカテゴリーが捺染を選択している場合の表示要否判定基準460を更新しても、印刷機100のカテゴリーがサインの場合の表示要否判定基準460は更新されない。このようにすれば、印刷機100のカテゴリーごとに要否表示判定基準460を別々に更新することができるので、印刷異常検出システム1の印刷機100を変更する状況下においても、ユーザーは表示要否判定基準460を容易に管理することができる。
また、処理部300は、印刷異常箇所情報580の表示に対するユーザー入力を受け付け、印刷機100の用途と、ユーザーによる表示可否の判定結果とに基づいて、用途ごとに、表示要否判定基準を更新する。具体的には、図14において前述したように、印刷機の用途の選択画面594において選択される印刷機100の用途と、表示要否判定基準の編集画面596において表示される表示要否判定基準460の表示内容は連動している。そのため、表示要否判定基準の編集画面596における表示要否判定基準460の更新は、印刷機100の用途ごとに行われる。したがって、例えば、印刷機100のカテゴリーが捺染で、印刷機100の用途が高級服である場合の表示要否判定基準460を更新しても、印刷機100の用途が普通服及び布地の場合の表示要否判定基準460は更新されない。このようにすれば、印刷機100の用途ごとに要否表示判定基準460を別々に更新することができるので、用途が異なる複数種類の品種を1つの印刷機100で量産する場合であっても、表示要否判定基準460を用途毎に管理できることから、ユーザーの管理負担を軽減することができる。
図17に戻り、説明を続ける。ユーザーは、表示部500に表示されている異常箇所について、目視検査を実行する箇所が他に有るかを判断し、目視検査を実行する箇所が他に有れば(ステップS80でYES)、再度目視検査(ステップS40)を実行し、目視検査を実行する箇所が他に無ければ印刷品質検査を終了する。
なお、表示要否判定基準460の更新は、画像を追加すること等によって実現してもよい。例えば、インクポタ落ちに関する異常の判定基準において、サイズを1.0mm以上、個数が1個以上で異常表示するように設定すると、印刷異常検出システム1は、図18の点線に示すように、直径1.0mmの円を超えた大きさの異常を検出する事になる。しかし、インクポタ落ちの異常の形状は必ず円になるとは限らず、例えば、図18に示すように、2つの細い楕円形状の異常部分700A,700Bが重なることで、当該点線の円を超える場合が生じる。この場合において、印刷異常検出システム1は、システム上異常として検出する。しかし、このような異常箇所の面積は、図18の点線で示した円に比べて非常に小さく、異常と扱わなくても差し支えない事が起こり得る。
そこで、前述のオプションの情報466として、このような画像を別途記憶部400に記憶させることで、表示要否判定基準460の精度を上げることもできる。また、逆に、図示は省略するが、表示要否判定基準の基準値以内の異常であっても、所定の画像を登録することで、当該異常箇所を印刷異常箇所EAとして扱うようにしてもよい。所定の画像とは、例えば、一切の異常を発生させてはいけない箇所の画像等である。
また、処理部300は、表示要否判定基準460の許容値を自動で変更できるようにしてもよい。例えば、処理部300は所定のプログラムを含み、印刷異常検出システムが検出した異常箇所に対してユーザーが目視検査においてOK又はNGの結果を入力し続けていくと、処理部300は当該プログラムをもとに学習し、表示要否判定基準460の許容値について適切な数値を更新するようになる。このように、処理部300は、表示された印刷異常箇所EAの目視による判断結果を受け付け学習し、学習結果に基づき表示要否判定基準460の更新処理を行う。このようにすることで、ユーザーが表示要否判定基準460の数値の変更を行う必要が無くなるので、ユーザーの負担を軽減することができる。
4.その他の変形例
図8等で前述したように、読み取り部200は、印刷部140と別の場所に配置されるが、印刷部140と同じ場所に配置してもよい。例えば、図示は省略するが、印刷部140のキャリッジ142に読み取り機を設けるようにしてもよい。このようにすることで、別途読み取り部200の場所を確保する必要が無くなるため、印刷異常検出システム1の構成に必要な場所を少なくすることができる。
また、前述したように、図5の印刷結果読み取り処理(ステップS300)は、印刷処理の実行とリアルタイムに行う処理であるが、印刷を終了した後に行うようにしてもよい。図19は、前述した図5のシステム実行処理の変形例を示すフローチャートであり、ここではシステム実行処理をステップS1010として示す。以下の説明において、図5と同様の処理については、説明を省略する。
処理部300は、前述のステップS100と同様に、ジョブデータ登録処理を実行する(ステップS1100)。次に、前述のステップS200と同様に、ジョブ開始処理(ステップS1200)を実行し、前述のステップS220と同様に印刷処理(ステップS1220)をジョブが終了(ステップS1240でYES)するまで実行した後に、ジョブ終了処理(ステップS1250)を実行する。具体的には、例えば、印刷のジョブが完了したことを示すログを残す処理、及び、印刷機100の印刷動作を停止する処理等を実行する。
そして、処理部300は、当該ジョブ終了処理(ステップS1250)を実行した後に、前述のステップS300と同様に、印刷結果読み取り処理(ステップS1300)を実行する。具体的には、巻き取り部124に巻き取った印刷媒体W2を、前述したD1方向と逆方向に搬送させながら、読み取り部200が読み取ることで実現できる。なお、読み取りを終えた印刷媒体W2は、繰り出し部122で再度巻き取るようにしてもよいし、繰り出し部122以外の場所に巻き取るようにしてもよい。
次に、処理部300は、前述のステップS400と同様に、読み取った画像に異常箇所が無い場合(ステップS1400でNO)は、前述のステップS500と同様に、読み取り情報の画像の更新処理(ステップS1500)を実行する。一方、処理部300は、読み取った画像に異常箇所が有る場合(ステップS1400でYES)は、前述のステップS600と同様に、印刷品質判定処理(ステップS1600)を実行した後に、前述の読み取り情報の画像の更新処理(ステップS1500)を実行する。
そして、処理部300は、読み取り情報の画像の更新処理(ステップS1500)を実行後、読み取りの対象位置が最後であるかを判断し、読み取りの対象位置が最後でなければ(ステップS1800でNO)、印刷結果読み取り処理(ステップS1300)を続行し、読み取りの対象位置が最後であれば(ステップS1800でYES)、システム実行処理(ステップS1010)を終了する。
このようにすることで、リアルタイムで印刷結果読み取り処理等を行う場合に比べて、印刷異常検出システム1の処理負担が分散されるため、印刷異常検出システム1を安定して動作させることができる。
以上のように、本実施形態の印刷異常検出システムは、画像データに基づいて、印刷媒体に画像を印刷する印刷機と、印刷媒体に印刷された画像を読み取る読み取り部と、読み取り部からの読み取り画像データに基づいて印刷異常箇所を検出する処理部と、表示要否判定基準の情報を記憶する記憶部と、表示部と、を含む。また、処理部は、画像データと、読み取り画像データと、表示要否判定基準とに基づいて、印刷異常箇所の表示部への表示要否を判定し、表示すると判定した場合に、印刷異常箇所の画像を含む印刷異常箇所情報を表示部に表示する処理を行う。
このようにすれば、印刷異常箇所の位置や印刷異常画像をユーザーが確認できるため、捺染印刷のような長いジョブであっても、異常印刷箇所を容易に特定することができる。即ち、ジョブが長大となる印刷が行われる場合に、より効率的に印刷不良を検出して対処できる印刷異常検出システム等の提供が可能になる。
また、記憶部は、印刷機のカテゴリーに応じて異なる判定基準を含む表示要否判定基準の情報を記憶してもよい。このようにすれば、複数種類の印刷機に対して印刷異常検出システムを適用することができる。また、印刷機のカテゴリーが変更されても、継続して印刷異常検出システムを適用することができる。
また、印刷機のカテゴリーは、サイン、捺染、昇華転写、ラベルの少なくとも2以上を含んでもよい。このようにすることで、複数種類の印刷機に対して印刷異常検出システムを適用することができる。また、印刷機のカテゴリーが変更されても、継続して印刷異常検出システムを適用することができる。
また、処理部は、印刷異常箇所情報の表示に対するユーザー入力を受け付け、印刷機のカテゴリーと、ユーザーによる表示可否の判定結果とに基づいて、カテゴリーごとに表示要否判定基準を更新してもよい。このようにすれば、印刷機のカテゴリーごとに要否表示判定基準を別々に更新することができるので、印刷異常検出システムの印刷機を変更する状況下においても、ユーザーは表示要否判定基準を容易に管理することができる。
また、記憶部は、印刷機の用途に応じて異なる判定基準を含む表示要否判定基準の情報を記憶してもよい。このようにすれば、印刷機の用途ごとに表示要否判定基準を設定できることから、ユーザーは表示要否判定基準を容易に管理することができる。
また、処理部は、印刷異常箇所情報の表示に対するユーザー入力を受け付け、印刷機の用途と、ユーザーによる表示可否の判定結果とに基づいて、用途ごとに、表示要否判定基準を更新してもよい。このようにすれば、印刷機の用途ごとに要否表示判定基準を別々に更新することができるので、用途が異なる複数種類の品種を1つの印刷機で量産する場合であっても、表示要否判定基準を用途毎に管理できることから、ユーザーの管理負担を軽減することができる。
また、表示要否判定基準は、印刷異常箇所のサイズ、数、色の少なくとも1つについての判定基準を含んでもよい。このようにすれば、印刷異常の判定をより正確に行うことができる。
また、色の判定基準は、画像データに対する、読み取り画像データの印刷異常箇所の色差に関する判定基準であってもよい。このようにすれば、これにより、目視検査では困難な、色に関する異常の定量的判断をすることが可能になる。また、色差の許容値は、ジョブデータごとに設定できることから、色の管理に多様性を持たせることができる。
また、処理部は、印刷異常箇所情報の表示に対するユーザー入力を受け付け、ユーザー入力に基づいて、表示要否判定基準の更新処理を行ってもよい。このようにすれば、ユーザーによる判断が加わることから、表示要否判定基準の精度を上げる事ができる。
また、処理部は、表示された印刷異常箇所の目視による判断結果を受け付け学習し、学習結果に基づき表示要否判定基準の更新処理を行ってもよい。このようにすれば、ユーザーが表示要否判定基準の数値の変更を行う必要が無くなるので、ユーザーの負担を軽減することができる。
また、本実施形態の印刷異常検出方法は、画像データと、読み取り画像データと、表示要否判定基準とに基づいて、印刷異常箇所の表示部への表示要否を判定し、表示すると判定した場合に、印刷異常箇所の画像を含む印刷異常箇所情報を表示部に表示する処理を行う印刷異常検出方法に関係する。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本開示の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本開示の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また本実施形態及び変形例の全ての組み合わせも、本開示の範囲に含まれる。また印刷異常検出システム、印刷異常検出方法の構成・動作も本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
1…印刷異常検出システム、100…印刷機、120…搬送部、122…繰り出し部、124…巻き取り部、126…ローラー制御部、128A,128B…搬送ローラー、140…印刷部、142…キャリッジ、150…キャリッジ制御部、160…印刷制御部、170…乾燥部、200…読み取り部、210,210A,210B,210C,210D,210E,220,230…読み取り機、300…処理部、400…記憶部、410…ジョブデータ、420…画像データ、440…読み取り画像データ、460…表示要否判断基準、462…印刷機のカテゴリーの情報、464…印刷機の用途の情報、466…オプションの情報、470…エラーログ、500…表示部、520…印刷ジョブ情報の画像、540…読み取り情報の画像、560…ステータスバー画像、562…進行状況バー画像、564A,564B…異常箇所識別画像、580…印刷異常箇所情報、EA…印刷異常箇所、582,586…印刷異常箇所の画像、584,588…異常部分画像、590…表示要否判定基準設定画面、592…印刷機のカテゴリーの選択画面、594…印刷機の用途の選択画面、596…表示要否判定基準の編集画面、600…筐体、700A,700B…細い楕円形状の異常部分

Claims (11)

  1. 画像データに基づいて、印刷媒体に画像を印刷する印刷機と、
    前記印刷媒体に印刷された前記画像を読み取る読み取り部と、
    前記読み取り部からの読み取り画像データに基づいて印刷異常箇所を検出する処理部と、
    表示要否判定基準の情報を記憶する記憶部と、
    表示部と、
    を含み、
    前記処理部は、
    前記画像データと、前記読み取り画像データと、前記表示要否判定基準とに基づいて、前記印刷異常箇所の前記表示部への表示要否を判定し、表示すると判定した場合に、前記印刷異常箇所の画像を含む印刷異常箇所情報を前記表示部に表示する処理を行うことを特徴とする印刷異常検出システム。
  2. 請求項1において、
    前記記憶部は、
    前記印刷機のカテゴリーに応じて異なる判定基準を含む前記表示要否判定基準の情報を記憶することを特徴とする印刷異常検出システム。
  3. 請求項2において、
    前記印刷機のカテゴリーは、サイン、捺染、昇華転写、及びラベルの少なくとも2つ以上を含むことを特徴とする印刷異常検出システム。
  4. 請求項2又は3において、
    前記処理部は、
    前記印刷異常箇所情報の表示に対するユーザー入力を受け付け、
    前記印刷機の前記カテゴリーと、前記ユーザーによる表示可否の判定結果とに基づいて、前記カテゴリーごとに前記表示要否判定基準を更新することを特徴とする印刷異常検出システム。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項において、
    前記記憶部は、
    前記印刷機の用途に応じて異なる判定基準を含む前記表示要否判定基準の情報を記憶することを特徴とする印刷異常検出システム。
  6. 請求項5において、
    前記処理部は、
    前記印刷異常箇所情報の表示に対するユーザー入力を受け付け、
    前記印刷機の前記用途と、ユーザーによる表示可否の判定結果とに基づいて、前記用途ごとに、前記表示要否判定基準を更新することを特徴とする印刷異常検出システム。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項において、
    前記表示要否判定基準は、
    前記印刷異常箇所のサイズ、数、及び色の少なくとも1つについての判定基準を含むことを特徴とする印刷異常検出システム。
  8. 請求項7において、
    前記色の判定基準は、
    前記画像データに対する、前記読み取り画像データの前記印刷異常箇所の色差に関する判定基準であることを特徴とする印刷異常検出システム。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項において、
    前記処理部は、
    前記印刷異常箇所情報の表示に対するユーザー入力を受け付け、前記ユーザー入力に基づいて、前記表示要否判定基準の更新処理を行うことを特徴とする印刷異常検出システム。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項において、
    前記処理部は、
    表示された前記印刷異常箇所の目視による判断結果を受け付けて学習し、学習結果に基づき前記表示要否判定基準の更新処理を行うことを特徴とする印刷異常検出システム。
  11. 画像データに基づいて、印刷媒体に画像を印刷し、
    前記印刷媒体に印刷された前記画像を読み取り、読み取り画像データを取得し、
    前記読み取り画像データに基づいて印刷異常箇所を検出し、
    前記画像データと、前記読み取り画像データと、表示要否判定基準とに基づいて、前記印刷異常箇所の表示部への表示要否を判定し、表示すると判定した場合に、前記印刷異常箇所の画像を含む印刷異常箇所情報を前記表示部に表示する処理を行う、
    ことを特徴とする印刷異常検出方法。
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