JP2021187012A - 液体吐出装置 - Google Patents

液体吐出装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2021187012A
JP2021187012A JP2020092223A JP2020092223A JP2021187012A JP 2021187012 A JP2021187012 A JP 2021187012A JP 2020092223 A JP2020092223 A JP 2020092223A JP 2020092223 A JP2020092223 A JP 2020092223A JP 2021187012 A JP2021187012 A JP 2021187012A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
timing
drive
liquid discharge
signal
voltage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020092223A
Other languages
English (en)
Inventor
大地 河野
Daichi Kono
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Document Solutions Inc
Original Assignee
Kyocera Document Solutions Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Document Solutions Inc filed Critical Kyocera Document Solutions Inc
Priority to JP2020092223A priority Critical patent/JP2021187012A/ja
Publication of JP2021187012A publication Critical patent/JP2021187012A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Abstract

【課題】液体吐出ヘッドにおける複数の液体吐出孔からの液体の吐出タイミングのずれを少なくすることが可能な液体吐出装置を提供する。【解決手段】記録装置1では、複数の駆動回路から出力された駆動信号に応じて複数の圧電アクチュエータ545が変位し、その変位に基づいて複数の液体吐出孔535からインクが吐出される。複数の圧電アクチュエータ545の変位を示す各変位信号は、対応する各検出回路に入力される。各検出回路は、入力された変位信号において第1閾値電圧Vt1となる第1タイミングTT1と第2閾値電圧Vt2となる第2タイミングTT2とを検出し、その検出結果を示す検出信号を出力する。制御回路831は、各検出回路から出力された検出信号に基づいて、複数の駆動回路を制御する。【選択図】図10

Description

本発明は、液体を吐出する液体吐出ヘッドを備えた液体吐出装置に関する。
液体吐出装置が適用されるインクジェット式の記録装置は、インク(液体)を吐出する液体吐出ヘッドを備えている。液体吐出ヘッドは、複数の圧電アクチュエータ(圧電素子)と、各圧電アクチュエータに対応して設けられた複数の液体吐出孔とを有する。液体吐出ヘッドにおいては、各圧電アクチュエータの変位に応じて各液体吐出孔からインクが吐出される。圧電アクチュエータは、電圧変化のパルスを含む駆動信号が駆動回路から供給されることにより、当該駆動信号に応じて変位する。
特許文献1には、駆動回路から圧電アクチュエータへ出力される駆動信号において、当該駆動信号の電圧レベルを示す駆動電圧を、液体吐出ヘッドに固有の所定の最適値に一致させるための技術が開示されている。この技術では、駆動電圧と最適値の偏差と、駆動電圧の経時的変化の変化傾向とに基づいて、駆動電圧の調整が行われる。駆動電圧を最適値に一致させることによって、液体吐出孔からのインクの吐出量の安定化を図ることができる。
特開平8−309981号公報
ところで、圧電アクチュエータの製造上のばらつきや経時劣化、周囲環境等の影響で、複数の圧電アクチュエータにおける駆動信号に応じた変位挙動が、同一ではない場合がある。このため、特許文献1に開示される従来技術のように、最適値に一致した駆動電圧とされた駆動信号が駆動回路から出力されたとしても、複数の圧電アクチュエータの変位挙動の違いによって、複数の液体吐出孔からのインクの吐出タイミングがずれる現象が生じ得る。複数の液体吐出孔からのインクの吐出タイミングにずれが生じた場合、インクの吐出によって形成される画像に色ずれ等の不具合が生じる虞がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、液体吐出ヘッドにおける複数の液体吐出孔からの液体の吐出タイミングのずれを少なくすることが可能な液体吐出装置を提供することにある。
本発明の一の局面に係る液体吐出装置は、複数の圧電アクチュエータと、前記複数の圧電アクチュエータの各々に対応して設けられ、対応する圧電アクチュエータの変位に応じて液体を吐出する複数の液体吐出孔と、を有する液体吐出ヘッドと、前記複数の圧電アクチュエータの各々に、当該圧電アクチュエータを変位させるためのパルスを含む駆動信号を出力する複数の駆動回路と、前記複数の圧電アクチュエータの各々に対応して設けられ、対応する圧電アクチュエータの前記駆動信号に応じた電圧変化である変位信号が入力され、前記変位信号において、第1閾値電圧となる第1タイミングと、電圧変化開始前からの電圧の変化量が前記第1閾値電圧よりも大きい第2閾値電圧となる第2タイミングとを検出し、その検出結果を示す検出信号を出力する複数の検出回路と、前記複数の駆動回路を制御する制御回路と、を備える。前記変位信号において、所定の基準電圧となるタイミングを基準タイミングとしたとき、前記制御回路は、前記検出信号が入力された場合、前記第1タイミングと前記第2タイミングとの間のタイミングずれを検出し、そのタイミングずれに基づいて、前記複数の駆動回路を制御し、前記複数の圧電アクチュエータにおける前記基準タイミングの分布の範囲が狭くなるように前記駆動信号が出力されるタイミングを変える。
また、上記の液体吐出装置において、前記制御回路は、前記複数の駆動回路を制御し、前記複数の圧電アクチュエータにおける前記基準タイミングが一致するように前記駆動信号が出力されるタイミングを変える。
この液体吐出装置によれば、複数の駆動回路から出力された駆動信号に応じて複数の圧電アクチュエータが変位し、その変位に基づいて複数の液体吐出孔から液体が吐出される。複数の圧電アクチュエータの変位を示す各変位信号は、対応する各検出回路に入力される。各検出回路は、入力された変位信号において第1閾値電圧となる第1タイミングと第2閾値電圧となる第2タイミングとを検出し、その検出結果を示す検出信号を出力する。制御回路は、各検出回路から出力された検出信号に基づいて、複数の駆動回路を制御する。具体的に、制御回路は、前記第1タイミングと前記第2タイミングとの間のタイミングずれを検出する。そして、制御回路は、そのタイミングずれに基づいて、複数の駆動回路を制御し、複数の圧電アクチュエータにおける基準タイミングの分布の範囲が狭くなるように、駆動信号が出力されるタイミングを変える。これにより、圧電アクチュエータの製造上のばらつきや経時劣化、周囲環境等の影響で、複数の圧電アクチュエータの変位挙動が同一ではない場合においても、各圧電アクチュエータに対応した各液体吐出孔からの液体の吐出タイミングのずれを少なくすることができる。
上記の液体吐出装置において、前記複数の圧電アクチュエータには、複数のグループが設定されており、前記制御回路は、前記グループ毎に、前記駆動信号が出力されるタイミングを変える。
上記の液体吐出装置において、前記グループは、前記複数の圧電アクチュエータを、駆動開始タイミングが異なる複数のグループに分類するように設定されている構成であってもよい。
この態様では、制御回路は、複数の駆動回路を制御し、複数のグループ毎に、同一グループに属する各圧電アクチュエータにおける基準タイミングの分布の範囲が狭くなるように、駆動信号が出力されるタイミングを変える。これにより、同一グループに属する各圧電アクチュエータに対応した各液体吐出孔からの液体の吐出タイミングのずれを少なくすることができる。
上記の液体吐出装置において、前記変位信号は、前記駆動信号に対応して、電圧が立ち上がる立ち上がり領域と、電圧が立ち下がる立ち下がり領域とを有する信号である。そして、前記第1閾値電圧及び前記第2閾値電圧は、前記立ち上がり領域及び前記立ち下がり領域の少なくとも何れか一方の領域内に設定される。
この態様では、検出回路は、変位信号における立ち上がり領域及び立ち下がり領域の少なくとも何れか一方の領域内に設定された第1閾値電圧及び第2閾値電圧にそれぞれ対応した第1タイミングと第2タイミングとを検出することができる。
上記の液体吐出装置において、前記制御回路は、前記複数の圧電アクチュエータにおいて、前記駆動信号に応じた前記変位信号に基づく前記検出信号が入力されない特定圧電アクチュエータが存在する場合、前記複数の駆動回路のうち前記特定圧電アクチュエータに対応した特定駆動回路からは、前記駆動信号に対して電圧レベルが上げられた特定駆動信号を出力させる。
圧電アクチュエータの駆動信号に応じた変位量が不十分である場合、その変位を示す変位信号において電圧変化が顕著に小さくなる。この場合、変位信号に応じた検出信号が検出回路から出力されない現象が生じ得る。すなわち、制御回路は、複数の検出回路からの検出信号の入力状況によって、駆動信号に応じた変位量が不十分な圧電アクチュエータの存否を判断することができる。制御回路は、検出信号が入力されない検出回路に対応した特定圧電アクチュエータが存在する場合、当該特定圧電アクチュエータに対応した特定駆動回路に電圧レベルが上げられた特定駆動信号を出力させる。これにより、特定圧電アクチュエータの変位量不足を解消し、当該変位量不足による液体吐出孔からの液体吐出不良を解消することができる。
上記の液体吐出装置において、前記制御回路は、前記特定駆動回路から前記特定駆動信号を出力させた後に、前記特定圧電アクチュエータに対応した前記検出信号が入力されない場合、その旨を報知するための情報を含む報知信号を出力する。
特定圧電アクチュエータに特定駆動信号が供給されたにも関わらず、当該特定圧電アクチュエータに対応した検出信号が制御回路に入力されない場合、特定圧電アクチュエータに何らかの不具合が発生している可能性がある。このような場合、制御回路は、その旨を報知するための情報を含む報知信号を出力する。これにより、特定圧電アクチュエータの不具合発生を報知することができる。
上記の液体吐出装置において、前記制御回路は、前記液体吐出ヘッドのメンテナンスを行うために設定された所定のメンテナンス期間において、前記複数の圧電アクチュエータの全てに対して前記駆動信号が出力されるように、前記複数の駆動回路を制御する。そして、前記検出回路は、前記メンテナンス期間において入力された前記変位信号に基づいて、前記第1タイミング及び前記第2タイミングを検出して前記検出信号を出力する。
複数の液体吐出孔からの液体の吐出不良を防止するために、製品出荷前や電源投入時、電源投入後の定期的に、液体吐出ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンス期間が設定されている。このようなメンテナンス期間において、制御回路は、複数の圧電アクチュエータの全てに対して駆動信号が出力されるように、複数の駆動回路を制御する。これにより、全ての圧電アクチュエータが駆動信号に応じて変位し、その変位を示す変位信号が検出回路に入力される。検出回路は、メンテナンス期間において入力された変位信号に基づいて、第1タイミング及び第2タイミングを検出して検出信号を出力する。これにより、制御回路は、メンテナンス期間において入力された検出信号に基づいて、複数の圧電アクチュエータにおける基準タイミングの分布の範囲が狭くなるように駆動信号が出力されるタイミングを変えることができる。このため、メンテナンス期間において、各圧電アクチュエータに対応した各液体吐出孔からの液体の吐出タイミングのずれを少なくする調整を行うことができる。
上記の液体吐出装置において、前記制御回路は、前記液体吐出孔からの液体の吐出の要求を示す液体吐出要求が入力された場合、前記液体吐出要求に応答するための応答期間において、前記複数の圧電アクチュエータのうち前記液体吐出要求に応じた圧電アクチュエータに対して前記駆動信号が出力されるように、前記複数の駆動回路を制御する。そして、前記検出回路は、前記応答期間において入力された前記変位信号に基づいて、前記第1タイミング及び前記第2タイミングを検出して前記検出信号を出力する構成であってもよい。
この態様では、制御回路は、液体吐出要求に応答するための応答期間において、複数の圧電アクチュエータのうち液体吐出要求に応じた圧電アクチュエータに対して駆動信号が出力されるように、複数の駆動回路を制御する。応答期間において液体吐出要求に応じて圧電アクチュエータが駆動されると、その駆動によって圧電アクチュエータに変位挙動が変化するような経時劣化等の発生の可能性がある。そこで、検出回路は、応答期間において入力された変位信号に基づいて、第1タイミング及び第2タイミングを検出して検出信号を出力する。これにより、検出回路は、応答期間における圧電アクチュエータの変位挙動の変化を検出することができる。このような応答期間において検出回路から出力された検出信号に基づいて、制御回路は、複数の圧電アクチュエータにおける基準タイミングの分布の範囲が狭くなるように駆動信号が出力されるタイミングを変えることができる。このため、応答期間において、各圧電アクチュエータに対応した各液体吐出孔からの液体の吐出タイミングのずれを少なくする調整を行うことができる。
上記の液体吐出装置は、前記複数の圧電アクチュエータと前記複数の駆動回路との接続を切り替えるスイッチ回路を、更に備える構成であってもよい。前記駆動信号は、前記圧電アクチュエータの変位のさせ方に応じてパルス幅が異なる複数のパターンに分類される。そして、前記制御回路は、前記駆動信号の前記パターンに応じて、前記複数の圧電アクチュエータと前記複数の駆動回路との接続が切り替えられるように、前記スイッチ回路を制御する。
液体吐出装置においては、駆動信号のパルス幅を変化させることによって圧電アクチュエータの変位量が変化するため、駆動信号のパルス幅の設定に応じて液体吐出孔からの液体の吐出量を調整することができる。このため、パルス幅が異なる複数パターンの駆動信号を用いることによって、駆動信号のパターン毎に異なる量の液体を複数の液体吐出孔から吐出させることができる。この場合、制御回路は、駆動信号のパターンに応じて、複数の圧電アクチュエータと複数の駆動回路との接続が切り替えられるように、スイッチ回路を制御する。
以上説明したように、本発明によれば、液体吐出ヘッドにおける複数の液体吐出孔からの液体の吐出タイミングのずれを少なくすることが可能な液体吐出装置を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る液体吐出装置が適用される記録装置を概略的に示す図である。 記録装置に備えられる液体吐出ヘッドの内部構造を示す断面図である。 液体吐出ヘッドの要部を拡大して示す断面図である。 記録装置に備えられるメンテナンスユニットを説明するための図である。 記録装置のブロック図である。 記録装置に備えられる制御ユニットにおけるヘッド制御部の構成を示す図である。 ヘッド制御部における、制御回路から出力される駆動情報信号、及び駆動回路から出力される駆動信号を説明するための図である。 ヘッド制御部における検出回路の変位信号を用いた検出動作を説明するための図である。 検出回路から出力される検出信号を説明するための図である。 制御回路が変位信号を用いて駆動回路を制御する際の動作を説明するための図である。 制御回路の駆動回路に対する制御動作の変形例を説明するための図である。 液体吐出ヘッドにおける複数の圧電アクチュエータが複数のグループに分類されている場合に、制御回路が駆動回路を制御する際の動作を説明するための図である。 特定圧電アクチュエータが存在する場合に、制御回路が特定駆動回路を制御する際の動作を説明するための図である。 ヘッド制御部の変形例の構成を示す図である。
以下、本発明の一実施形態に係る液体吐出装置が適用されるインクジェット式の記録装置について、図面に基づいて説明する。なお、以下では、方向関係についてはXYZ直交座標軸を用いて説明する。X方向が前後方向(+Xが後、−Xが前)、Y方向が左右方向(+Yが左、−Yが右)、Z方向が上下方向(+Zが上、−Zが下)に各々相当する。また、以下の説明において、「シート」との用語は、コピー用紙、コート紙、OHPシート、厚紙、葉書、トレーシングペーパーや印刷処理を受ける他のシート材料を意味する。
図1は、本発明の一実施形態に係る液体吐出装置が適用される記録装置1を概略的に示す図である。記録装置1は、液体としてのインクを吐出する液体吐出装置であって、当該インクの吐出によってシートSに画像を形成(記録)するインクジェット式の画像形成装置である。記録装置1は、装置本体10と、給紙部20と、シート反転部30と、シート搬送ユニット40と、記録部50とを備える。
装置本体10は、シートSに画像を記録するための各種の装置を収容する箱形の筐体である。この装置本体10には、シートSの搬送通路となる第1搬送路11、第2搬送路12及び第3搬送路13が形成されている。
給紙部20は、シートSを第1搬送路11へ給紙する。給紙部20は、給紙カセット21とピックアップローラー22とを備える。給紙カセット21は、装置本体10に対して着脱自在であり、内部にシートSを収容する。ピックアップローラー22は、給紙カセット21の−Y側であり且つ+Z側の端部に配置される。ピックアップローラー22は、給紙カセット21に収容されたシート束の最上層のシートSを1枚ずつ繰り出し、第1搬送路11へ送り出す。
第1搬送路11に給紙されたシートSは、その第1搬送路11に設けられた第1搬送ローラー対111によって、第1搬送路11の下流端に配置された、シート搬送ユニット40のレジストローラー対44まで搬送される。また、装置本体10の−Y側の側面には給紙トレイ25が配置されており、給紙トレイ25の上面部にはシートSが載置可能とされる。給紙トレイ25上に載置されたシートSは、給紙ローラー24によってレジストローラー対44に向かって送り出される。
レジストローラー対44は、シート搬送ユニット40において上流端に配置された搬送ローラー対である。レジストローラー対44は、シートSのスキュー矯正を行うとともに、記録部50による印刷処理のタイミングに合わせてシートSを、シート導入ガイド部23を介して搬送ベルト41に向けて送り出す。シート導入ガイド部23は、レジストローラー対44により送出されたシートSを、シート搬送ユニット40における搬送ベルト41の外周面411に向けてガイドする。
シート導入ガイド部23によりガイドされたシートSは、その先端部が搬送ベルト41の外周面411に接すると、搬送ベルト41の駆動により外周面411上に保持された状態でシート搬送方向Aに搬送される。なお、シート搬送方向Aは、Y方向において−Y側から+Y側に向かう方向である。
シート搬送ユニット40は、記録部50の−Z側において、液体吐出ヘッド51と対向するように配置されている。シート搬送ユニット40は、Z方向に沿った昇降移動が可能である。シート搬送ユニット40は、記録部50の−Z側をシートSが通過するように、シート導入ガイド部23によりガイドされて導入されたシートSを、シート搬送方向Aに搬送する。シート搬送ユニット40は、レジストローラー対44に加えて、搬送ベルト41と吸引部43とを備える。
搬送ベルト41は、X方向に幅を有してY方向に延びる無端状のベルトである。搬送ベルト41は、記録部50と対向して配置され、外周面411上にてシートSをシート搬送方向Aに搬送する。
搬送ベルト41は、第1ローラー421、第2ローラー422、第3ローラー423、及び一対の第4ローラー424に張架される。この張架された搬送ベルト41の内側において、内周面412に対向して吸引部43が配置されている。第1ローラー421は、不図示の駆動モータによって回転駆動され、所定の周回方向に搬送ベルト41を周回させる。搬送ベルト41が周回することにより、その外周面411上に保持されたシートSがシート搬送方向Aに搬送される。
第2ローラー422は、X方向に沿って延びるベルト速度検知ローラーであり、シート搬送方向Aにおいて吸引部43よりも上流側に配置される。ここで、搬送ベルト41の外周面411において、液体吐出ヘッド51と対向する領域であって、第1ローラー421と第2ローラー422との間の領域が、シートSを保持して搬送するための前記所定の搬送領域となる。第2ローラー422は、搬送ベルト41の周回に連動して従動回転する。第2ローラー422には不図示のパルス板が取り付けられ、このパルス板は、第2ローラー422と一体になって回転する。パルス板の回転速度を測定することにより、搬送ベルト41の回転速度が検知される。
第3ローラー423は、X方向に沿って延びるテンションローラーであり、搬送ベルト41が撓まないように、搬送ベルト41に張力を与える。第3ローラー423は、搬送ベルト41の周回に連動して従動回転する。一対の第4ローラー424はそれぞれ、Y方向に沿って延びるガイドローラーであり、搬送ベルト41が吸引部43の−Z側を通過するように、搬送ベルト41を案内する。一対の第4ローラー424は、搬送ベルト41の周回に連動して従動回転する。
搬送ベルト41は、外周面411から内周面412にわたって厚み方向に貫通した複数の吸引孔を有している。
吸引部43は、記録部50と搬送ベルト41を介して対向して配置されている。吸引部43は、搬送ベルト41の外周面411に保持されたシートSと搬送ベルト41との間に負圧を発生させることにより、シートSを搬送ベルト41の外周面411に密着させる。吸引部43は、ベルト案内部材431と、吸引筐体432と、吸引装置433と、排気ダクト434とを備える。
ベルト案内部材431は、搬送ベルト41の内周面412における、第1ローラー421と第2ローラー422との間の領域に対向して配置され、搬送ベルト41の幅方向(Y方向)の長さと略同一の幅寸法を有する板体である。ベルト案内部材431は、吸引筐体432の上面部を構成し、+Z側から見たときに、吸引筐体432と略同一の形状を有している。ベルト案内部材431は、第1ローラー421と第2ローラー422との間において、第1ローラー421の回転に連動した搬送ベルト41の周回移動を案内する。
また、ベルト案内部材431は、搬送ベルト41の内周面412に対向したベルト案内面に形成された、複数の溝部を有している。各溝部は、搬送ベルト41の吸引孔に対応して形成される。更にベルト案内部材431は、各溝部に対応して設けられた貫通孔を有している。貫通孔は、各溝部内においてベルト案内部材431の厚み方向に貫通した孔部であり、各溝部を介して、搬送ベルト41の吸引孔と連通する。
以上のように構成されたベルト案内部材431を備えた吸引部43は、ベルト案内部材431の溝部並びに貫通孔と、搬送ベルト41の吸引孔とを介して、搬送ベルト41の+Z側の空間から空気を吸引することにより吸引力を発生させる。この吸引力により、搬送ベルト41の上方の空間に吸引部43へ向かう気流(吸引風)が発生する。シートSがシート導入ガイド部23により搬送ベルト41上にガイドされて搬送ベルト41の外周面411の一部を覆うと、シートSに吸引力(負圧)が作用して、シートSが搬送ベルト41の外周面411に密着される。
吸引筐体432は、ベルト案内部材431を下方側から支持する支持フレームを構成する。吸引筐体432は、+Z側が開口した箱形の筐体であり、当該+Z側の開口がベルト案内部材431によって覆われるように、搬送ベルト41の−Z側に配置される。吸引筐体432は、その上面部を構成するベルト案内部材431と協働して吸引空間432Aを画定する。すなわち、吸引筐体432とベルト案内部材431とで囲まれた空間が、吸引空間432Aとなる。この吸引空間432Aは、ベルト案内部材431の溝部並びに貫通孔を介して、搬送ベルト41の吸引孔に連通する。
吸引筐体432の底壁部には開口部432Bが形成され、この開口部432Bに対応して吸引装置433が配置されている。この吸引装置433には、排気ダクト434が接続されている。この排気ダクト434は、装置本体10に設けられた不図示の排気口と連結されている。
シート搬送ユニット40の+Z側には、記録部50が配置されている。具体的には、記録部50は、シート搬送ユニット40の+Z側において、搬送ベルト41の外周面411と対向するように配置されている。記録部50は、搬送ベルト41の外周面411上に保持された状態でシート搬送方向Aに搬送されるシートSに、印刷処理を施して画像を記録する。本実施形態では、記録部50は、画像形成のための記録方式がインクジェット式であり、液体としてのインクを吐出してシートSに画像を記録する。
記録部50は、ヘッドハウジング55に保持された液体吐出ヘッド51Bk、51C、51M、51Yを備える。液体吐出ヘッド51Bkはブラック色のインクを吐出し、液体吐出ヘッド51Cはシアン色のインクを吐出し、液体吐出ヘッド51Mはマゼンタ色のインクを吐出し、液体吐出ヘッド51Yはイエロー色のインクを吐出する。液体吐出ヘッド51Bk、51C、51M、51Yは、シート搬送方向Aの上流側から下流側に向かって並設される。液体吐出ヘッド51Bk、51C、51M、51Yは、吐出するインクの色が異なる以外は同一の構成を有するため、液体吐出ヘッド51と総称することもある。
液体吐出ヘッド51は、搬送ベルト41の外周面411上に保持された状態でシート搬送方向Aに搬送されるシートSにインクを吐出して、シートSに画像を記録する。詳しくは、液体吐出ヘッド51は、搬送ベルト41により搬送されて液体吐出ヘッド51に対向する位置を通過するシートSへ向けて、インクを吐出する。これにより、シートSに画像が記録される。液体吐出ヘッド51の詳細については後述する。
画像が記録されたシートSは、搬送ベルト41により搬送されて、当該搬送ベルト41のシート搬送方向Aの下流側に配置された搬送ユニット45に送出される。搬送ユニット45は、シート搬送ユニット40から受け取ったシートSをシート搬送方向Aの下流側に更に搬送する。この搬送ユニット45の下流側にデカーラユニット46が配置されている。デカーラユニット46は、搬送ユニット45から受け取ったシートSのカールを矯正しながら、シートSをシート搬送方向Aの下流側に更に搬送する。デカーラユニット46により搬送されるシートSは、第2搬送路12に送出される。
第2搬送路12は、装置本体10の+Y側の側面に沿って延設されている。第2搬送路12に送出されたシートSは、その第2搬送路12に設けられた第2搬送ローラー対121によって、装置本体10の+Y側に形成された排紙口12Aに向けて搬送され、排紙口12Aから排紙部47上に排出される。
一方、第2搬送路12に送出されたシートSが、第1面(表面)の印刷処理が完了した両面印刷用のものである場合には、当該シートSは、シート反転部30に送り出される。シート反転部30は、第2搬送路12の途中で分岐された搬送路であり、シートSが反転(スイッチバック)される部分である。シート反転部30によって表裏が反転されたシートSは、第3搬送路13に送出される。第3搬送路13に送出されたシートSは、その第3搬送路13に設けられた第3搬送ローラー対131によって逆送され、レジストローラー対44及びシート導入ガイド部23を介して、表裏が反転した状態で再び搬送ベルト41の外周面411上に供給される。このように表裏が反転した状態で搬送ベルト41の外周面411上に供給されたシートSは、搬送ベルト41により搬送されながら、記録部50によって、第1面とは反対側の第2面(裏面)に印刷処理が施される。両面印刷が完了したシートSは、第2搬送路12を通過して排紙口12Aから排紙部47上に排出される。
記録部50が備える液体吐出ヘッド51について、図2及び図3を参照して詳細に説明する。液体吐出ヘッド51は、X方向に延びる細長い形状を有している。液体吐出ヘッド51は、液体中継流路部材52と、液体吐出流路部材53と、圧電アクチュエータ基板54とを含んで構成される。液体吐出ヘッド51においては、液体吐出流路部材53と圧電アクチュエータ基板54とが接合され、液体中継流路部材52が、圧電アクチュエータ基板54を挟む形で液体中継流路部材52に対して積層されて、接着される。但し、圧電アクチュエータ基板54と液体中継流路部材52との間は接着されておらず、適宜に空間524が形成されている。
液体中継流路部材52は、X方向に延びる略直方体の形状を有し、液体吐出ヘッド51の+Z側の部分を構成する。液体中継流路部材52は、液体吐出ヘッド51に補給されるインクを貯留する不図示のインクタンクに繋がる液体流入口521と、液体吐出流路部材53に繋がる液体中継口522と、液体流入口521から流入されたインクを液体中継口522へ導く内部の液体中継流路523と、を有している。
液体吐出流路部材53は、X方向に延びる略直方体の形状を有し、液体中継流路部材52の−Z側に位置しており、液体吐出ヘッド51の−Z側の部分を構成する。液体吐出流路部材53は、共通流路531と、複数の個別供給流路532と、複数の液体加圧室533と、複数の個別吐出流路534と、複数の液体吐出孔535と、を有している。
共通流路531は、液体吐出流路部材53の内部に形成された、液体中継流路部材52の液体中継口522に繋がる流路である。複数の個別供給流路532は、それぞれ分離された状態で共通流路531に繋がる、液体吐出流路部材53の内部流路である。複数の個別供給流路532において、共通流路531に接続される側とは反対の端部は、対応する液体加圧室533に繋がっている。複数の液体加圧室533は、液体吐出流路部材53の上面に開口する中空の領域である。複数の液体加圧室533の各々の開口は、液体吐出流路部材53の上面に圧電アクチュエータ基板54が接着されることで閉塞されている。複数の個別吐出流路534は、それぞれ分離された状態で対応する液体加圧室533に繋がる、液体吐出流路部材53の内部流路である。複数の個別吐出流路534の各々において、液体加圧室533に接続される側とは反対の端部は、液体吐出孔535に繋がっている。複数の液体吐出孔535は、それぞれ分離された状態で対応する個別吐出流路534に繋がっている。複数の液体吐出孔535は、液体吐出流路部材53の下面に開口している。すなわち、液体吐出流路部材53の下面は、複数の液体吐出孔535が形成された液体吐出面535Sを構成する。
以上のように構成された液体吐出流路部材53においては、複数の液体加圧室533が、液体中継流路部材52の液体中継口522に繋がる共通流路531に個別供給流路532を介して繋がっている。更に、複数の液体加圧室533と複数の液体吐出孔535とが、個別吐出流路534を介して互いに繋がっている。
圧電アクチュエータ基板54は、図3に示すように、第1圧電セラミック層541と第2圧電セラミック層542とが積層された積層構造を有している。圧電アクチュエータ基板54は、共通電極543と個別電極544とを更に有している。個別電極544は、圧電アクチュエータ基板54の上面における液体加圧室533と対向する位置に配置されている電極である。詳細については後述するが、個別電極544には、駆動回路8321〜832m(後記の図6)から駆動信号が供給される。共通電極543は、第1圧電セラミック層541と第2圧電セラミック層542との間において、各層541,542の全面にわたって形成された電極である。共通電極533は、接地され、グランド電位に保持されている。
共通電極543と個別電極544とは、最上層の第1圧電セラミック層541のみを挟むように配置されている。第1圧電セラミック層541における個別電極544と共通電極543とに挟まれた領域は、電圧が加わることにより圧電変形する。
詳細については後述するが、個別電極544に選択的に所定の駆動信号SG2(後記の図6)が供給されることにより、この個別電極544に対応する液体加圧室533内のインクに圧力が加えられる。これにより、個別吐出流路534を通じて、対応する液体吐出孔535からインクが吐出される。すなわち、圧電アクチュエータ基板54における各液体加圧室533に対向する部分は、各液体加圧室533及び各液体吐出孔535に対応する個別の圧電アクチュエータ545(圧電素子)に相当する。つまり、圧電アクチュエータ545は、第1圧電セラミック層541及び第2圧電セラミック層542からなる積層構造中に作り込まれており、各液体加圧室533の直上に位置する第2圧電セラミック層542、共通電極543、第1圧電セラミック層541及び個別電極544によって構成される。
本実施形態では、個別電極544は、共通電極543と同じグランド電位(低電位)になっており、液体吐出孔535からのインクの吐出の要求を示す液体吐出要求(画像データ)が制御回路831に入力される毎に、個別電極544を一旦高電位とし、その後所定のタイミングでグランド電位に戻す。これにより、個別電極544が高電位になるタイミングで、液体加圧室533内のインクに負圧が与えられる。そうすると、液体加圧室533内のインクが固有振動周期で振動し始める。具体的には、最初、液体加圧室533の容積が増加し始め、負圧は徐々に小さくなっていく。次いで液体加圧室533の容積は最大になり、圧力はほぼゼロとなる。次いで液体加圧室533の容積は減少し始め、圧力は高くなっていく。その後、圧力がほぼ最大になるタイミングで個別電極544をグランド電位にすることにより、液体加圧室533内のインクに正圧が与えられる。そうすると最初に加えた負圧が反転した正圧と、次に加えた正圧とが重なり、液体加圧室533内のインクは、より大きな正圧が加わった状態になる。この正圧が、液体加圧室533に繋がる個別吐出流路534を伝わり、液体吐出孔535からインクを吐出させる。
つまり、低電位を基準として一定期間高電位とし、低電位に戻るパルスを含む駆動信号SG2が、圧電アクチュエータ545を構成する個別電極544に供給されると、それに応じて第1圧電セラミック層541及び第2圧電セラミック層542が変位する。これにより、液体加圧室533内の圧力が変化し、その液体加圧室533に対応する液体吐出孔535からインクが吐出される。前記駆動信号SG2のパルス幅は、液体加圧室533内のインクの固有振動周期の半分の時間であるAL(Acoustic Length)とすると、原理的には、インクの吐出速度及び吐出量を最大にできる。インクの吐出量を調整する場合などには、前記駆動信号SG2のパルス幅は、ALから外れた値にされる。なお、ここでは、駆動信号SG2として、低電位(グランド電位)を基準にし、高電位になるパルス信号を例示したが、駆動信号は、インクを吐出させるものであれば、他の電圧変化をするものでも構わない。例えば、駆動信号は、基準に対して低電位になるパルス信号でもよい。
液体吐出孔535からのインクの吐出に応じて共通流路531内のインクが減少すると、前記インクタンク内のインクが、液体流入口521、液体中継流路523、液体中継口522をこの順で通って共通流路531に補充される。
記録装置1においては、液体吐出ヘッド51における複数の液体吐出孔535からのインクの吐出不良を防止するために、液体吐出ヘッド51に対するメンテナンス処理が行われる。液体吐出ヘッド51に対するメンテナンス処理としては、フラッシング処理とワイピング処理とが含まれる。フラッシング処理は、液体吐出孔535内の気泡や異物、増粘したインク等を除去するために、液体吐出孔535から強制的にインクを吐出させる処理である。ワイピング処理は、フラッシング処理後において液体吐出ヘッド51の液体吐出面535Sに付着したインク滴を拭き取る処理である。記録装置1は、上記のメンテナンス処理を行うための構成として図4に示すメンテナンスユニット60を備えている。
メンテナンスユニット60は、廃液トレイ61とワイパーブレード62とを有する。廃液トレイ61は、液体吐出ヘッド51に対して前記フラッシング処理が行われたときに液体吐出孔535から吐出されるインクを廃液として受容するトレイである。ワイパーブレード62は、液体吐出ヘッド51に対して前記ワイピング処理を行うためのブレードである。
メンテナンスユニット60は、液体吐出ヘッド51に対して水平方向(Y方向)に退避した退避位置と、液体吐出ヘッド51に対して鉛直下方のメンテナンス位置との間で移動可能である。画像データに応じて液体吐出ヘッド51からインクを吐出する印刷処理が行われる印刷処理期間TWP(液体吐出要求に応答するための応答期間)においては、メンテナンスユニット60は前記退避位置に配置される。一方、印刷処理期間TWP以外の期間であって、液体吐出ヘッド51のメンテナンスを行うために設定されたメンテナンス期間TWMにおいては、メンテナンスユニット60は前記メンテナンス位置に配置される。なお、メンテナンスユニット60が前記メンテナンス位置に配置されるときには、その前に、シート搬送ユニット40が、液体吐出ヘッド51の直下の位置からZ方向の−Z側に下降される。メンテナンス期間TWMは、記録装置1の製品出荷前や電源投入時、電源投入後の定期的な所定の期間として設定される。
次に、記録装置1の制御系について、図5のブロック図を参照して説明する。記録装置1は、通信部70と制御ユニット80とを更に備える。
通信部70は、LAN(Local Area Network)等のネットワークを介してパーソナルコンピュータ等の外部機器との間で、印刷処理に用いられる画像データ等の各種データを送受信する機能を有する。画像データは、液体吐出ヘッド51の液体吐出孔535からのインクの吐出の要求を示す液体吐出要求の一例である。画像データは、液体吐出ヘッド51における複数の液体吐出孔535の各々が、シートS上にどのサイズの画素を形成するインク滴を吐出するかを示す信号である。通信部70によって受信された画像データは、制御ユニット80に入力される。
制御ユニット80は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えたマイクロコンピュータ等の演算処理回路である。ROMには記録装置1の動作制御を行うための制御プログラムが記憶されている。制御ユニット80は、ROMに記憶されている制御プログラムを読み出し、制御プログラムをRAMに展開させることで、装置全体の制御を行う。制御ユニット80は、搬送制御部81と、メンテナンス制御部82と、ヘッド制御部83とを含む。
搬送制御部81は、前記印刷処理期間TWPにおいて、給紙部20、シート反転部30及びシート搬送ユニット40を制御して、シートSを搬送させる。メンテナンス制御部82は、前記メンテナンス期間TWMにおいて、メンテナンスユニット60を制御する。
ヘッド制御部83は、液体吐出ヘッド51を制御する機能を有する。図6は、ヘッド制御部83の構成を示す図である。ヘッド制御部83は、制御回路831と、複数の駆動回路8321〜832mと、複数の検出回路8331〜833nと、を有している。
制御回路831は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)を用いて構成される。制御回路831は、複数の駆動回路8321〜832mを制御する。具体的に、制御回路831は、複数の駆動回路8321〜832mに対して駆動情報信号SG1を出力することにより、複数の駆動回路8321〜832mの各々から駆動信号SG2を出力させる。駆動情報信号SG1は、複数の駆動回路8321〜832mに駆動信号SG2を出力させるための信号である。駆動情報信号SG1は、図7に示すように、駆動信号SG2における電圧変化の情報を有するデジタル信号である。
複数の駆動回路8321〜832mは、例えば、DAC(Digital to Analog Converter)及び増幅回路を有するドライバICと、シフトレジスタとを用いて構成される。複数の駆動回路8321〜832mは、前記駆動情報信号SG1に基づいて、複数の圧電アクチュエータ545の各々に、当該圧電アクチュエータ545を変位させるためのパルスを含む駆動信号SG2を出力する。複数の駆動回路8321〜832mは、入力された前記駆動情報信号SG1をアナログ信号に変換し、当該アナログ信号を増幅して駆動信号SG2として出力する。前記駆動情報信号SG1は、デジタル信号なので、矩形波が入力されたと考えることもできるが、駆動信号SG2は、波形の立ち上がり領域及び立ち下がり領域において時間軸に対して直角とはならず、傾きを有した波形となる。図6に示す例では、駆動回路8321〜832mの数は、液体吐出ヘッド51に含まれる圧電アクチュエータ545の数と一致している。すなわち、複数の駆動回路8321〜832mは、複数の圧電アクチュエータ545の各々に対応して設けられている。なお、ここでは、駆動信号SG2の立ち上がり及び立ち下がりは、電圧の上昇及び下降と対応している。ただし、より一般的には、立ち上がりは、ベースとなる電圧との電位差が大きくなる電圧変化を意味し、立ち下がりは、ベースとなる電圧との電位差が小さくなる電圧変化を意味する。
既述の通り、液体吐出ヘッド51において液体吐出孔535からインクを吐出させる際には、圧電アクチュエータ545を構成する個別電極544は、低電圧を維持した状態から、高電圧が一定期間加えられ、更に、第1圧電セラミック層541及び第2圧電セラミック層542が液体加圧室533側へ変位するように、低電圧が加えられる。つまり、液体吐出孔535からインクを吐出させるための駆動信号SG2は、図7に示すように、圧電アクチュエータ545の駆動開始タイミングT1sから一定期間T1の間は最小電圧Vmin(低電圧)を維持し、電圧変更タイミングT2sから電圧を変化させ始めて一定期間の間は最大電圧Vmax(高電圧)を維持し、電圧変更タイミングT2sから期間T2経過した時点である電圧変更終了タイミングT2eから最小電圧Vmin(低電圧)に向けて電圧を変化させ始めるような電圧変化を示す信号となる。駆動信号SG2において、期間T2は、液体吐出孔535からインクを吐出させるために圧電アクチュエータ545を変位させるパルスの期間となる。以下の説明では、最小電圧Vmin(低電圧)=0(ゼロ)Vとして説明する。
複数の圧電アクチュエータ545の各々が駆動信号SG2に応じて変位すると、各圧電アクチュエータ545から変位信号SG31〜SG3nが出力される。各変位信号SG31〜SG3nは、各圧電アクチュエータ545の駆動信号SG2に応じた電圧変化である。各圧電アクチュエータ545は、各変位信号SG31〜SG3nの電圧で圧電変形しているので、各変位信号SG31〜SG3nは、各圧電アクチュエータ545の変位と対応している。つまり、各変位信号SG31〜SG3nは、駆動信号SG2に応じた各圧電アクチュエータ545に固有の変位挙動を示す信号である。
各変位信号SG31〜SG3nについて、図8を参照して説明する。各変位信号SG31〜SG3nは、駆動信号SG2に対応して、圧電アクチュエータ545の駆動開始タイミングT1sから一定期間T1の間は最小電圧Vmin(低電圧)を維持する波形を示す。そして、各変位信号SG31〜SG3nは、電圧変更タイミングT2sから一定期間T2の間は最小電圧Vminから最大電圧Vmax(高電圧)へ電圧変化し、その期間T2以降は最大電圧Vmaxから最小電圧Vminへ電圧変化するような波形を示す。すなわち、各変位信号SG31〜SG3nは、駆動信号SG2における最大電圧Vmaxのパルスを示す期間T2に対応して、電圧が立ち上がる立ち上がり領域SG3Aと、電圧が立ち下がる立ち下がり領域SG3Bとを有する。
ここで、電圧が立ち上がる立ち上がり領域SG3A及び電圧が立ち下がる立ち下がり領域SG3Bの時間が、第1の圧電アクチュエータ、第2の圧電アクチュエータ、第3の圧電アクチュエータの順で長くなっている。これは、これらの圧電アクチュエータにおいて、最大電圧Vmaxが加わったときに生じる最大変位量は同じであるが、最大変位量に達する時間は、第1の圧電アクチュエータ、第2の圧電アクチュエータ、第3の圧電アクチュエータの順になり、最小電圧Vminが加わった後に最小変位量に戻る時間も、第1の圧電アクチュエータ、第2の圧電アクチュエータ、第3の圧電アクチュエータの順になる。これにより、インクが吐出されるタイミングも、第1の圧電アクチュエータ、第2の圧電アクチュエータ、第3の圧電アクチュエータの順になる。
各圧電アクチュエータ545において製造上のばらつきや経時劣化等が生じている場合を想定する。この場合、圧電アクチュエータ545を含むヘッド制御部83を構成する回路全体の電圧に対する応答性を示す時定数が、圧電アクチュエータ545毎に異なる現象が生じ得る。また、各圧電アクチュエータ545に接続される各駆動回路8321〜832mにおける電圧に対する応答性を示すスルー・レートについても、圧電アクチュエータ545毎に異なる現象が生じ得る。このため、各圧電アクチュエータ545は、同一の駆動信号SG2が入力されても、変位挙動が同一ではない場合がある。この場合、図8に示すように、各変位信号SG31〜SG3nにおける前記立ち上がり領域SG3A及び前記立ち下がり領域SG3Bの波形の形状が、同一の形状を示さない。
複数の検出回路8331〜833nは、例えばコンパレータ回路等を用いて構成される。複数の検出回路8331〜833nは、複数の圧電アクチュエータ545の各々に対応して設けられる。すなわち、検出回路8331〜833nの数は、液体吐出ヘッド51に含まれる圧電アクチュエータ545の数と一致している。各検出回路8331〜833nには、対応する圧電アクチュエータ545の変位信号SG31〜SG3nがそれぞれ入力される。図8に示すように、各検出回路8331〜833nは、入力された変位信号SG31〜SG3nにおいて、第1閾値電圧Vt1となる第1タイミングTT1と、電圧変化開始前からの電圧の変化量が第1閾値電圧Vt1よりも大きい第2閾値電圧Vt2となる第2タイミングTT2とを検出する。これにより、各検出回路8331〜833nは、各圧電アクチュエータ545において製造上のばらつきや経時劣化等が生じている場合に、圧電アクチュエータ545毎に異なる前記時定数や前記スルー・レートを間接的に検出することができる。
前記第1閾値電圧Vt1及び前記第2閾値電圧Vt2は、各変位信号SG31〜SG3nにおける前記立ち上がり領域SG3A及び前記立ち下がり領域SG3Bの少なくとも何れか一方の領域内に設定される。すなわち、前記第1閾値電圧Vt1及び前記第2閾値電圧Vt2は、前記立ち上がり領域SG3Aのみに設定されてもよいし、前記立ち下がり領域SG3Bのみに設定されたり、両方の領域に設定されてもよい。
図8に示す例では、前記第1閾値電圧Vt1及び前記第2閾値電圧Vt2は、前記立ち上がり領域SG3Aのみに設定されている。この場合、各検出回路8331〜833nは、上記の通り、前記第1閾値電圧Vt1に対応した前記第1タイミングTT1と、前記第2閾値電圧Vt2に対応した前記第2タイミングTT2とをそれぞれ検出する。
前記第1閾値電圧Vt1及び前記第2閾値電圧Vt2が、前記立ち下がり領域SG3Bのみに設定されている場合を想定する。この場合、各検出回路8331〜833nは、上記と同様に、前記第1閾値電圧Vt1に対応した前記第1タイミングTT1と、前記第2閾値電圧Vt2に対応した前記第2タイミングTT2とをそれぞれ検出する。
前記第1閾値電圧Vt1及び前記第2閾値電圧Vt2が、前記立ち上がり領域SG3A及び前記立ち下がり領域SG3Bの両方の領域に設定される場合を想定する。この場合、各変位信号SG31〜SG3nにおいて、前記第1閾値電圧Vt1と前記第2閾値電圧Vt2とは、最大電圧Vmax及び最小電圧Vminを用いた下記式(1)を満たす値に設定されることが望ましい。
Vmax−Vt2=Vt1−Vmin ・・・(1)
例えば、前記第1閾値電圧Vt1は、最小電圧Vminに対する最大電圧Vmaxの値の0.2倍(0.2(Vmax−Vmin))の値に設定され、前記第2閾値電圧Vt2は、最小電圧Vminに対する最大電圧Vmaxの値の0.8倍(0.8(Vmax−Vmin))の値に設定される。
そして、各検出回路8331〜833nは、前記立ち上がり領域SG3A及び前記立ち下がり領域SG3Bの各々に設定された前記第1閾値電圧Vt1に対応した2つのタイミングを平均して前記第1タイミングTT1を検出する。同様に、各検出回路8331〜833nは、前記立ち上がり領域SG3A及び前記立ち下がり領域SG3Bの各々に設定された前記第2閾値電圧Vt2に対応した2つのタイミングを平均して前記第2タイミングTT2を検出する。なお、各検出回路8331〜833nは、前記立ち上がり領域SG3A及び前記立ち下がり領域SG3Bの両方の領域において、前記第1タイミングTT1及び前記第2タイミングTT2をそれぞれ区別して検出するように構成されてもよい。
各検出回路8331〜833nは、入力された変位信号SG31〜SG3nに基づく前記第1タイミングTT1及び前記第2タイミングTT2の検出結果を示す検出信号SG41〜SG4nを、制御回路831に向けて出力する。各検出信号SG41〜SG4nは、圧電アクチュエータ545毎に異なる前記時定数や前記スルー・レートを間接的に示す信号となる。各検出信号SG41〜SG4nについて、図9を参照して説明する。各検出信号SG41〜SG4nは、前記第1タイミングTT1から前記第2タイミングTT2までの間は前記第1閾値電圧Vt1に対応した所定の低電圧V1を維持し、前記第2タイミングTT2において前記第2閾値電圧Vt2に対応した所定の高電圧V2に立ち上がる電圧変化の情報を含む波形を示す。
制御回路831は、各検出信号SG41〜SG4nが入力された場合、当該各検出信号SG41〜SG4nに基づいて、複数の駆動回路8321〜832mを制御する。この際、制御回路831は、複数の圧電アクチュエータ545のそれぞれの駆動回路8321〜832mを個別に制御してもよいし、複数のグループに分けて制御してもよい。
ここで、複数の圧電アクチュエータ545に設定されるグループは、複数の圧電アクチュエータ545を駆動開始タイミングT1sに応じて分類するためのものである。前記グループは、設定されなくてもよいし、複数のグループが設定されていてもよい。グループが設定されない場合、複数の圧電アクチュエータ545の全てにおいて駆動開始タイミングT1sが、それぞれ個別に設定される。一方、複数のグループが設定される場合、複数の圧電アクチュエータ545は、駆動開始タイミングT1sが異なる複数のグループに分けて制御される。各グループ内では、駆動開始タイミングT1sは同一とされる。この場合、複数の圧電アクチュエータ545は、例えば、駆動開始タイミングT1sが通常の第1グループ、通常より遅くする第2グループ、通常より早くする第3グループなどに分けて制御される。
以下では、制御回路831の制御動作について、複数の圧電アクチュエータ545を個別に制御する場合について説明し、複数のグループが存在する場合については後述することとする。
制御回路831は、各検出信号SG41〜SG4nが入力された場合、前記第1タイミングTT1と前記第2タイミングTT2との間のタイミングずれTG(図9)を、検出信号SG41〜SG4n毎に検出する。そして、制御回路831は、検出信号SG41〜SG4n毎のタイミングずれTGに基づいて、複数の駆動回路8321〜832mにおける駆動信号SG2の出力を制御する。具体的に、制御回路831は、図10に示すように、各検出信号SG41〜SG4nに対応した各変位信号SG31〜SG3nにおいて、複数の駆動回路8321〜832mを制御して、所定の基準電圧Vstとなる基準タイミングTTsの分布する範囲が狭くなるように、駆動信号SG2が出力されるタイミングを変える。更に、制御回路831は、複数の駆動回路8321〜832mを制御して、複数の圧電アクチュエータ545の全てで基準タイミングTTsを一致させるように、駆動信号SG2が出力されるタイミングを変えてもよい。この際、制御回路831は、駆動情報信号SG1の出力によって複数の駆動回路8321〜832mを制御する。
図10に示す例は、各変位信号SG31〜SG3nにおいて前記第1閾値電圧Vt1及び前記第2閾値電圧Vt2が前記立ち上がり領域SG3Aに設定されている場合における、制御回路831の制御動作を示している。この場合、前記基準電圧Vstは、前記立ち上がり領域SG3Aに設定され、最大電圧Vmaxを用いた下記式(2)から求めることができる。
Vst=Vmax・(1−exp(−at)) ・・・(2)
上記式(2)において、右辺は前記立ち上がり領域SG3Aの波形を示し、「t」は電圧変更タイミングT2sからの時間経過を示す。基準タイミングTTsとは、液体加圧室533のインクに与える影響において、立ち上がり領域SG3Aの波形のように徐々に変位していく圧電アクチュエータ545が与える影響と、ある瞬間に最小電圧Vminから最大電圧Vmaxに相当する変位をした場合の影響とが、同じと見なせるタイミングである。基準タイミングTTsは、例えば、図10において面積SSAと面積SSBとが等しくなるタイミングと考えることができる。
上記式(2)において、面積SSAと面積SSBとが等しくなる「t」は「1/a」である。図10における面積SSAと面積SSBとが等しくなるような前記基準電圧Vstとして、Vst≒0.63Vmaxを求めることができる。すなわち、前記基準電圧Vstは、前記立ち上がり領域SG3Aにおいて、最大電圧Vmaxの0.63倍である0.63Vmaxの値に設定されることが最も望ましい。この事実に鑑みて本実施形態では、前記基準電圧Vstは、前記立ち上がり領域SG3Aにおいて、最大電圧Vmaxの0.5倍(0.5Vmax)以上1.0倍(1.0Vmax)未満の値に設定され、より望ましくは、0.6倍(0.6Vmax)以上0.7倍(0.7Vmax)以下の値に設定される。
次に、各変位信号SG31〜SG3nにおいて前記第1閾値電圧Vt1及び前記第2閾値電圧Vt2が前記立ち下がり領域SG3Bに設定されている場合を想定する。この場合、制御回路831は、図11に示すように、前記立ち下がり領域SG3Bに前記基準電圧Vstを設定する。そして、制御回路831は、各変位信号SG31〜SG3nにおいて前記基準電圧Vstとなる基準タイミングTTsを、複数の圧電アクチュエータ545の全てで一致させることが可能な駆動信号SG2が出力されるように、複数の駆動回路8321〜832mを制御する。この場合、前記基準電圧Vstは、前記立ち下がり領域SG3Bにおいて、最大電圧Vmaxの0.37(1−0.63)倍である0.37Vmaxの値に設定されることが最も望ましい。本実施形態では、前記基準電圧Vstは、前記立ち下がり領域SG3Bにおいて、最大電圧Vmaxの0倍(最小電圧Vmin)より高く、0.5倍(0.5Vmax)以下の値に設定される。
制御回路831によって制御された複数の駆動回路8321〜832mは、複数の圧電アクチュエータ545の各々の変位に応じた各変位信号SG31〜SG3nにおける前記基準タイミングTTsが一致するように、電圧変更タイミングT2sが調整された信号を、前記駆動信号SG2として出力する。具体的に、複数の駆動回路8321〜832mから出力される各駆動信号SG2は、次の2つの方法の何れかで電圧変更タイミングT2sが調整された信号とされる。第1の調整法において、各駆動信号SG2は、前記基準タイミングTTsが予め定められた所定タイミングに一致するように、電圧変更タイミングT2sが調整された信号とされる。前記所定タイミングは、例えば、調整前の電圧変更タイミングT2sの初期設計値から0.6μ秒後のタイミングである。第2の調整法において、各駆動信号SG2は、前記基準タイミングTTsが、前記初期設計値に対して検出信号SG41〜SG4n毎のタイミングずれTGの平均値分ずれたタイミングに一致するように、電圧変更タイミングT2sが調整された信号とされる。すなわち、第2の調整法においては、各駆動信号SG2は、検出信号SG41〜SG4n毎のタイミングずれTGに応じて流動的に電圧変更タイミングT2sが調整された信号となる。
ここで、記録装置1は、液体吐出ヘッド51が装置本体10に対して固定されたラインプリンタとなっているが、これに限定されるものではない。記録装置1は、液体吐出ヘッド51をシート搬送方向Aと交差する方向に往復させるなどして移動させる動作と、シートSの搬送とを交互に行うシリアルプリンタであってもよい。ラインプリンタの場合には、上記の第1の調整法及び第2の調整法の何れの方法が採用されてもよい。一方、シリアルプリンタの場合には、第1の調整法が採用されることが望ましい。これは、第2の調整法では上記の通り、流動的に電圧変更タイミングT2sが調整された駆動信号SG2に基づき各圧電アクチュエータ545が駆動されるので、液体吐出ヘッド51の往路と復路で位置ずれが生じる可能性があるためである。
以上説明したように、制御回路831は、各検出回路8331〜833nから出力された各検出信号SG41〜SG4nが入力された場合、当該各検出信号SG41〜SG4nに基づいて、複数の駆動回路8321〜832mを制御する。具体的に、制御回路831は、前記第1タイミングTT1と前記第2タイミングTT2との間のタイミングずれTGを、検出信号SG41〜SG4n毎に検出する。そして、制御回路831は、検出信号SG41〜SG4n毎のタイミングずれTGに基づいて、各変位信号SG31〜SG3nにおいて基準電圧Vstとなる基準タイミングTTsを複数の圧電アクチュエータ545で一致させることが可能な駆動信号SG2が出力されるように、複数の駆動回路8321〜832mを制御する。これにより、圧電アクチュエータ545の製造上のばらつきや経時劣化、周囲環境等の影響で、複数の圧電アクチュエータ545の変位挙動が同一ではない場合においても、各圧電アクチュエータ545に対応した各液体吐出孔535からのインクの吐出タイミングのずれを少なくすることができる。このため、各液体吐出孔535からのインクの吐出によってシートS上に記録される画像に色ずれ等の不具合が生じることを防止することができる。
図12は、液体吐出ヘッド51における複数の圧電アクチュエータ545が複数のグループに分類されている場合に、制御回路831が各駆動回路8321〜832mを制御する際の動作を説明するための図である。
既述の通り、複数の圧電アクチュエータ545は、駆動開始タイミングT1sが異なる複数のグループに分けて制御される場合がある。複数の圧電アクチュエータ545は、例えば、駆動開始タイミングT1sが通常の第1グループ、通常より遅くされる第2グループ、通常より早くされる第3グループなどに分けて制御される。グループ分けを行うのは、基本的には、制御を簡単にするためである。これらのグループは、属する圧電アクチュエータ545が固定されていてもよいし、グループ分けが適宜変わってもよい。制御を簡単にするには、グループ分けを固定するか、グループ分けを変える間隔を長くすればよい。
圧電アクチュエータ545のグループ分けは、例えば、初期、もしくは、グループ分けを変える場合に、基準タイミングTTsに基づいて行われる。例えば、圧電アクチュエータ545の中で、最も早い基準タイミングTTsがTTsmin、最も遅い基準タイミングTTsがTTsmaxとして、TTsminからTTsmaxの範囲を3分割して、グループ分けする。TTsmax−TTsminをWとすると、TTsmin≦TTs<TTsmin+W/3を満たす圧電アクチュエータ545を第3グループとし、TTsmin+W/3≦TTs<TTsmin+2W/3を満たす圧電アクチュエータ545を第1グループとし、TTsmin+2W/3<TTs≦TTsmaxを満たす圧電アクチュエータ545を第2グループとする。そして、第2グループの駆動開始タイミングT1sをW/3遅くし、第1グループの駆動開始タイミングT1sは変えず、第3グループの駆動開始タイミングT1sをW/3早くする。このようにグループ分けして制御した場合、基準タイミングTTsの分布範囲を、制御しなかった場合の分布範囲Wの3分の1にすることができる。
なお、グループ分けは、直接、基準タイミングTTsを参照して決めなくてもよい。例えば、圧電アクチュエータ545の特性が、液体吐出ヘッド51内の位置によって変わる傾向がある場合がある、例えば、液体吐出ヘッド51の幅方向の一方の端から、その反対側の端に向かって、基準タイミングTTsが遅くなる傾向がある場合であれば、圧電アクチュエータ545の液体吐出ヘッド51の位置に基づいてグループ分けしてもよい。
一般的には、制御回路831は、各グループの平均の前記基準タイミングTTsの差が少なくなるように、それぞれのグループ内で同じだけずらされた駆動信号SG2が出力されるように、複数の駆動回路8321〜832mを制御する。制御回路831は、各グループの平均の前記基準タイミングTTsが一致するように駆動信号SG2を出力させてもよい。
圧電アクチュエータ545は、経時劣化等の影響で、駆動信号SG2に応じた変位量が不十分である場合がある。この場合、圧電アクチュエータ545の変位を示す変位信号SG31〜SG3nにおいて、電圧変化が顕著に小さくなる。そうすると、変位信号SG31〜SG3nに応じた検出信号SG41〜SG4nが、検出回路8331〜833nから出力されない現象が生じ得る。このような現象を利用することで、制御回路831は、複数の検出回路8331〜833nからの各検出信号SG41〜SG4nの入力状況によって、駆動信号SG2に応じた変位量が不十分な圧電アクチュエータ545の存否を判断することができる。すなわち、制御回路831は、検出信号SG41〜SG4nが入力されない検出回路8331〜833nに対応した特定圧電アクチュエータが存在する場合、当該特定圧電アクチュエータを変位量が不十分な圧電アクチュエータとして認識することができる。
図13は、特定圧電アクチュエータが存在する場合に、制御回路831が特定駆動回路を制御する際の動作を説明するための図である。前記特定圧電アクチュエータに通常の駆動信号SG2が入力された場合、それに応じた変位を示す特定変位信号SG3Xは、通常の圧電アクチュエータ545の変位を示す変位信号SG31と比較して、電圧変化が顕著に小さい。そこで、制御回路831は、前記特定圧電アクチュエータが存在する場合、複数の駆動回路8321〜832mのうち前記特定圧電アクチュエータに対応した特定駆動回路からは、電圧レベルが上げられた特定駆動信号を出力させる。これにより、前記特定駆動信号に応じた前記特定圧電アクチュエータの変位を示す変位信号SG3Yは、前記特定変位信号SG3Xに対して電圧レベルが上げられる。このため、前記特定圧電アクチュエータの変位量不足を解消し、当該変位量不足による液体吐出孔535からのインク吐出不良を解消することができる。
また、制御回路831は、前記特定駆動回路から前記特定駆動信号を出力させた後に、前記特定圧電アクチュエータに対応した検出信号が入力されない場合、その旨を報知するための情報を含む報知信号を出力する。前記特定圧電アクチュエータに前記特定駆動信号が供給されたにも関わらず、当該特定圧電アクチュエータに対応した検出信号が制御回路831に入力されない場合、前記特定圧電アクチュエータに何らかの不具合が発生している可能性がある。このような場合、制御回路831は、その旨を報知するための情報を含む報知信号を出力する。これにより、前記特定圧電アクチュエータの不具合発生を報知することができる。
次に、各検出回路8331〜833nによる検出動作のタイミングについて説明する。既述の通り、本実施形態に係る記録装置1は、メンテナンスユニット60を備えている。画像データに応じて液体吐出ヘッド51からインクを吐出する印刷処理が行われる印刷処理期間TWPにおいては、メンテナンスユニット60は、液体吐出ヘッド51に対して水平方向(Y方向)に退避した退避位置に配置される。一方、記録装置1の製品出荷前や電源投入時、電源投入後の定期的なメンテナンス期間TWMにおいては、メンテナンスユニット60は、液体吐出ヘッド51に対して鉛直下方のメンテナンス位置に配置される。
制御回路831は、前記メンテナンス期間TWMにおいて、複数の圧電アクチュエータ545の全てに対して駆動信号SG2が出力されるように、複数の駆動回路8321〜832mを制御する。これにより、全ての圧電アクチュエータ545が駆動信号SG2に応じて変位し、その変位を示す各変位信号SG31〜SG3nが各検出回路8331〜833nに入力される。なお、ここで全ての圧電アクチュエータ545とは、記録の際に、使用される可能性のある全ての圧電アクチュエータ545のことである。記録装置1の設計によっては、記録に使用する予定のない圧電アクチュエータが設けられることがあるが、そのような圧電アクチュエータには、駆動信号SG2を出力しなくてもよい。
各検出回路8331〜833nは、前記メンテナンス期間TWMにおいて入力された各変位信号SG31〜SG3nに基づいて、前記第1タイミングTT1及び前記第2タイミングTT2を検出して各検出信号SG41〜SG4nを出力する。これにより、制御回路831は、前記メンテナンス期間TWMにおいて入力された各検出信号SG41〜SG4nに基づいて、複数の圧電アクチュエータ545において前記基準タイミングTTsを一致させることが可能な駆動信号SG2が出力されるように、複数の駆動回路8321〜832mを制御することができる。このため、前記メンテナンス期間TWMにおいて、各圧電アクチュエータ545に対応した各液体吐出孔535からのインクの吐出タイミングのずれを少なくする調整を行うことができる。
前記印刷処理期間TWPにおいては、液体吐出要求としての画像データが、通信部70を介して制御回路831に入力される。この場合、制御回路831は、複数の圧電アクチュエータ545のうち画像データに応じた圧電アクチュエータ545に対して駆動信号SG2が出力されるように、複数の駆動回路8321〜832mを制御する。
前記印刷処理期間TWPにおいて画像データに応じて圧電アクチュエータ545が駆動されると、その駆動によって圧電アクチュエータ545に変位挙動が変化するような経時劣化等の発生の可能性がある。そこで、前記印刷処理期間TWPにおいて変位信号SG31〜SG3nが入力された各検出回路8331〜833nは、前記第1タイミングTT1及び前記第2タイミングTT2を検出して各検出信号SG41〜SG4nを出力する。これにより、各検出回路8331〜833nは、前記印刷処理期間TWPにおいて駆動された圧電アクチュエータ545の変位挙動の変化を検出することができる。制御回路831は、前記印刷処理期間TWPにおいて各検出回路8331〜833nから出力された各検出信号SG41〜SG4nに基づいて、複数の圧電アクチュエータ545において前記基準タイミングTTsを一致させることが可能な駆動信号SG2が出力されるように、複数の駆動回路8321〜832mを制御することができる。これにより、前記印刷処理期間TWPにおいて、各圧電アクチュエータ545に対応した各液体吐出孔535からのインクの吐出タイミングのずれを少なくする調整を行うことができる。
前記印刷処理期間TWPにおいては、複数の圧電アクチュエータ545のうち、画像データに応じたものだけが駆動され、駆動されない圧電アクチュエータ545が存在する。駆動されない圧電アクチュエータ545に対応した検出回路は、当該圧電アクチュエータ545の変位挙動の変化を検出することができない。そこで、制御回路831は、前記印刷処理期間TWPにおいて入力された検出信号SG41〜SG4nに基づき前記タイミングずれTGを検出した際に、以前のタイミングずれTGと異なる場合の検出数をカウントしておく。このカウント値が所定値に達したときに、制御回路831は、画像データに関わらず、複数の圧電アクチュエータ545の全てに対して駆動信号SG2が出力されるように、複数の駆動回路8321〜832mを制御するようにしてもよい。この場合には、全ての圧電アクチュエータ545が駆動信号SG2に応じて変位し、その変位を示す各変位信号SG31〜SG3nが各検出回路8331〜833nに入力される。これにより、複数の検出回路8331〜833nの各々に対応した複数の圧電アクチュエータ545の全ての変位挙動の変化を検出することができる。
図14は、変形例に係るヘッド制御部83Aの構成を示す図である。記録装置1は、上記のヘッド制御部83に代えてヘッド制御部83Aを備えるように構成されてもよい。ヘッド制御部83Aは、上記のヘッド制御部83に含まれる制御回路831、複数の駆動回路8321〜832m、及び複数の検出回路8331〜833nに加えて、スイッチ回路834を有している。
複数の圧電アクチュエータ545に供給される駆動信号は、圧電アクチュエータ545の変位のさせ方に応じてパルス幅(最大電圧Vmaxの期間T2に相当)が異なる複数のパターンに分類される。このため、複数の駆動回路8321〜832mの各々は、前記パターンに対応するパルス幅を有する駆動信号SG21〜SG2mを出力する。駆動信号SG21〜SG2mは、各圧電アクチュエータ545に対応した各液体吐出孔535がシートS上にどのサイズの画素を形成するインク滴を吐出するかに応じて、例えば3つのパターンに分類される。第1パターンは大サイズのインク滴を吐出させるためのパターンであり、第2パターンは中サイズのインク滴を吐出させるためのパターンであり、第3パターンは小サイズのインク滴を吐出させるためのパターンである。駆動信号SG21〜SG2mのパルス幅は、第1パターン、第2パターン、第3パターンの順に小さくなるように設定される。
記録装置1においては、駆動信号SG21〜SG2mのパルス幅を変化させることによって圧電アクチュエータ545の変位量が変化するため、駆動信号SG21〜SG2mのパルス幅の設定に応じて液体吐出孔535からのインクの吐出量を調整することができる。このため、パルス幅が異なる複数パターンの駆動信号SG21〜SG2mを用いることによって、駆動信号SG21〜SG2mのパターン毎に異なる量のインクを各液体吐出孔535から吐出させることができる。
ヘッド制御部83Aにおいては、駆動回路8321〜832mの数は、圧電アクチュエータ545の数よりも小さい値であって、圧電アクチュエータ545の前記グループの数及び駆動信号SG21〜SG2mの前記パターンの数に応じた値に設定される。例えば、圧電アクチュエータ545のグループとして上記の第1グループ、第2グループ及び第3グループの3つのグループが存在し、駆動信号SG21〜SG2mのパターンとして3つのパターンが存在する場合を想定する。この場合、駆動回路8321〜832mの数は、圧電アクチュエータ545の数よりも小さい値であって、9(3×3)以上の値に設定される。
なお、圧電アクチュエータ545が属するグループは、駆動信号SG21〜SG2mのパターンに応じて変えられるようにしてもよい。この場合、圧電アクチュエータ545のグループは、例えば、ある圧電アクチュエータ545が、第1パターン及び第2パターンの駆動信号に対しては第1グループに属し、第3パターンの駆動信号に対しては第2グループに属するように分類される。
スイッチ回路834は、例えばスイッチICを用いて構成される。スイッチ回路834は、複数の駆動回路8321〜832m及び複数の圧電アクチュエータ545に接続されている。スイッチ回路834は、複数の駆動回路8321〜832mと複数の圧電アクチュエータ545との接続を切り替える。具体的に、スイッチ回路834は、制御回路831に制御され、複数の圧電アクチュエータ545の各々を、複数の駆動回路8321〜832mの何れか1つに接続する。
制御回路831は、駆動信号SG21〜SG2mの前記パターンに応じて、複数の駆動回路8321〜832mと複数の圧電アクチュエータ545との接続が切り替えられるように、スイッチ回路834を制御する。
制御回路831は、通信部70を介して画像データが入力されると、その画像データに基づいて、複数の圧電アクチュエータ545の各々に何れのパターンの駆動信号SG21〜SG2mを供給すべきかを決定する。そして、制御回路831は、何れのパターンの駆動信号SG21〜SG2mが何れの駆動回路8321〜832mから出力されるかを認識し、複数の圧電アクチュエータ545の各々を何れの駆動回路8321〜832mに接続するかの接続状況を決定する。前記接続状況の決定後において、制御回路831は、その接続状況の情報を含む接続信号をスイッチ回路834へ出力する。
スイッチ回路834は、入力された前記接続信号に基づいて、複数の圧電アクチュエータ545の各々を、複数の駆動回路8321〜832mの何れか1つに接続する。
複数の圧電アクチュエータ545の各々が駆動信号SG21〜SG2mに応じて変位すると、各圧電アクチュエータ545からはその変位を示す変位信号SG31〜SG3nが出力される。各検出回路8331〜833nは、入力された変位信号SG31〜SG3nに基づく前記第1タイミングTT1及び前記第2タイミングTT2の検出結果を示す検出信号SG41〜SG4nを、制御回路831に向けて出力する。
制御回路831は、各検出信号SG41〜SG4nが入力された場合、前記第1タイミングTT1と前記第2タイミングTT2との間のタイミングずれTGを、検出信号SG41〜SG4n毎に検出する。そして、制御回路831は、検出信号SG41〜SG4n毎のタイミングずれTGに基づいて、複数の駆動回路8321〜832mにおける駆動信号SG21〜SG2mの出力を制御する。具体的に、制御回路831は、各検出信号SG41〜SG4nに対応した各変位信号SG31〜SG3nにおいて前記基準タイミングTTsを、同一のグループに属する各圧電アクチュエータ545の全てで一致させることが可能な駆動信号SG21〜SG2mが出力されるように、複数の駆動回路8321〜832mを制御する。これにより、各圧電アクチュエータ545に対応した各液体吐出孔535からのインクの吐出タイミングのずれを少なくすることができる。
以上、本発明の実施形態に係る記録装置について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば次のような変形実施形態を採ることができる。
上記の実施形態においては、各圧電アクチュエータ545を変位させるためのパルスを含む駆動信号として、最大電圧Vmaxと最小電圧Vminとの2値の電圧の変化を示す波形の信号を用いる構成について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、3値以上の電圧の変化を示す波形の駆動信号を用いてもよい。
以下では、低電圧Vlow、中間電圧Vmid、及び高電圧Vhighの3値の電圧の変化を示す波形の駆動信号を用いる場合について説明する。この場合、各圧電アクチュエータ545からは、第1電圧変更タイミングにおいて低電圧Vlowから中間電圧Vmidへ立ち上がる第1立ち上がり領域と、第2電圧変更タイミングにおいて中間電圧Vmidから高電圧Vhighへ立ち上がる第2立ち上がり領域と、を有する変位信号が出力される。
各検出回路8331〜833nは、入力された各変位信号において、第1立ち上がり領域に設定された第1閾値電圧及び第2閾値電圧に対応した第1タイミング及び第2タイミングを検出する。更に、各検出回路8331〜833nは、第2立ち上がり領域に設定された第1閾値電圧及び第2閾値電圧に対応した第1タイミング及び第2タイミングを検出する。そして、各検出回路8331〜833nは、上記の検出結果を示す検出信号を、制御回路831に向けて出力する。
制御回路831は、各検出信号が入力された場合、第1立ち上がり領域に対応した第1タイミングと第2タイミングとの間の第1タイミングずれと、第2立ち上がり領域に対応した第1タイミングと第2タイミングとの間の第2タイミングずれと、を検出信号毎に検出する。そして、制御回路831は、検出信号毎の第1タイミングずれ及び第2タイミングずれに基づいて、複数の駆動回路8321〜832mにおける駆動信号の出力を制御する。
制御回路831によって制御された複数の駆動回路8321〜832mは、第1タイミングずれに応じて第1電圧変更タイミングが調整されると共に、第2タイミングずれに応じて第2電圧変更タイミングが調整された駆動信号を出力する。これにより、各圧電アクチュエータ545に対応した各液体吐出孔535からのインクの吐出タイミングのずれを少なくすることができる。
なお、制御回路831は、第1タイミングずれと第2タイミングずれとの平均値を算出し、1つの平均タイミングずれに基づいて、複数の駆動回路8321〜832mにおける駆動信号の出力を制御するように構成されてもよい。この場合、複数の駆動回路8321〜832mは、第1電圧変更タイミング及び第2電圧変更タイミングの両タイミングが1つの平均タイミングずれに応じて調整された駆動信号を出力する。この場合も、各圧電アクチュエータ545に対応した各液体吐出孔535からのインクの吐出タイミングのずれを少なくすることができる。
また、上記の例では、第1立ち上がり領域及び第2立ち上がり領域の各々に、第1閾値電圧及び第2閾値電圧が設定される場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、第1立ち上がり領域に第1閾値電圧が設定され、第2立ち上がり領域に第2閾値電圧が設定されてもよい。この場合、各検出回路8331〜833nは、第1立ち上がり領域に設定された第1閾値電圧に対応した第1タイミングと、第2立ち上がり領域に設定された第2閾値電圧に対応した第2タイミングとを検出し、その検出結果を示す検出信号を制御回路831に向けて出力する。
制御回路831は、各検出信号が入力された場合、第1タイミングと第2タイミングとの間のタイミングずれを検出信号毎に検出する。そして、制御回路831は、検出信号毎のタイミングずれに基づいて、複数の駆動回路8321〜832mにおける駆動信号の出力を制御する。この場合、複数の駆動回路8321〜832mは、第1電圧変更タイミング及び第2電圧変更タイミングの両タイミングが1つのタイミングずれに応じて調整された駆動信号を出力する。この場合も、各圧電アクチュエータ545に対応した各液体吐出孔535からのインクの吐出タイミングのずれを少なくすることができる。
1 記録装置(液体吐出装置)
50 記録部
51 液体吐出ヘッド
535 液体吐出孔
545 圧電アクチュエータ
83,83A ヘッド制御部
831 制御回路
8321〜832m 駆動回路
8331〜833n 検出回路
834 スイッチ回路
SG1 駆動情報信号
SG2 駆動信号
SG31〜SG3n 変位信号
SG3A 立ち上がり領域
SG3B 立ち下がり領域
SG41〜SG4n 検出信号
T1s 駆動開始タイミング
T2s 電圧変更タイミング
TG タイミングずれ
TT1 第1タイミング
TT2 第2タイミング
TTs 基準タイミング
Vst 基準電圧
Vt1 第1閾値電圧
Vt2 第2閾値電圧

Claims (10)

  1. 複数の圧電アクチュエータと、前記複数の圧電アクチュエータの各々に対応して設けられ、対応する圧電アクチュエータの変位に応じて液体を吐出する複数の液体吐出孔と、を有する液体吐出ヘッドと、
    前記複数の圧電アクチュエータの各々に、当該圧電アクチュエータを変位させるためのパルスを含む駆動信号を出力する複数の駆動回路と、
    前記複数の圧電アクチュエータの各々に対応して設けられ、対応する圧電アクチュエータの前記駆動信号に応じた電圧変化である変位信号が入力され、前記変位信号において、第1閾値電圧となる第1タイミングと、電圧変化開始前からの電圧の変化量が前記第1閾値電圧よりも大きい第2閾値電圧となる第2タイミングとを検出し、その検出結果を示す検出信号を出力する複数の検出回路と、
    前記複数の駆動回路を制御する制御回路と、を備え、
    前記変位信号において、所定の基準電圧となるタイミングを基準タイミングとしたとき、
    前記制御回路は、前記検出信号が入力された場合、前記第1タイミングと前記第2タイミングとの間のタイミングずれを検出し、そのタイミングずれに基づいて、前記複数の駆動回路を制御し、前記複数の圧電アクチュエータにおける前記基準タイミングの分布の範囲が狭くなるように前記駆動信号が出力されるタイミングを変える、液体吐出装置。
  2. 前記制御回路は、前記複数の駆動回路を制御し、前記複数の圧電アクチュエータにおける前記基準タイミングが一致するように前記駆動信号が出力されるタイミングを変える、請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記複数の圧電アクチュエータには、複数のグループが設定されており、
    前記制御回路は、前記グループ毎に、前記駆動信号が出力されるタイミングを変える、請求項1に記載の液体吐出装置。
  4. 前記グループは、前記複数の圧電アクチュエータを、駆動開始タイミングが異なる複数のグループに分類するように設定されている、請求項3に記載の液体吐出装置。
  5. 前記変位信号は、前記駆動信号に対応して、電圧が立ち上がる立ち上がり領域と、電圧が立ち下がる立ち下がり領域とを有する信号であり、
    前記第1閾値電圧及び前記第2閾値電圧は、前記立ち上がり領域及び前記立ち下がり領域の少なくとも何れか一方の領域内に設定される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  6. 前記制御回路は、前記複数の圧電アクチュエータにおいて、前記駆動信号に応じた前記変位信号に基づく前記検出信号が入力されない特定圧電アクチュエータが存在する場合、前記複数の駆動回路のうち前記特定圧電アクチュエータに対応した特定駆動回路からは、前記駆動信号に対して電圧レベルが上げられた特定駆動信号を出力させる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  7. 前記制御回路は、前記特定駆動回路から前記特定駆動信号を出力させた後に、前記特定圧電アクチュエータに対応した前記検出信号が入力されない場合、その旨を報知するための情報を含む報知信号を出力する、請求項6に記載の液体吐出装置。
  8. 前記制御回路は、前記液体吐出ヘッドのメンテナンスを行うために設定された所定のメンテナンス期間において、前記複数の圧電アクチュエータの全てに対して前記駆動信号が出力されるように、前記複数の駆動回路を制御し、
    前記検出回路は、前記メンテナンス期間において入力された前記変位信号に基づいて、前記第1タイミング及び前記第2タイミングを検出して前記検出信号を出力する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  9. 前記制御回路は、前記液体吐出孔からの液体の吐出の要求を示す液体吐出要求が入力された場合、前記液体吐出要求に応答するための応答期間において、前記複数の圧電アクチュエータのうち前記液体吐出要求に応じた圧電アクチュエータに対して前記駆動信号が出力されるように、前記複数の駆動回路を制御し、
    前記検出回路は、前記応答期間において入力された前記変位信号に基づいて、前記第1タイミング及び前記第2タイミングを検出して前記検出信号を出力する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  10. 前記複数の圧電アクチュエータと前記複数の駆動回路との接続を切り替えるスイッチ回路を、更に備え、
    前記駆動信号は、前記圧電アクチュエータの変位のさせ方に応じてパルス幅が異なる複数のパターンに分類され、
    前記制御回路は、前記駆動信号の前記パターンに応じて、前記複数の圧電アクチュエータと前記複数の駆動回路との接続が切り替えられるように、前記スイッチ回路を制御する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
JP2020092223A 2020-05-27 2020-05-27 液体吐出装置 Pending JP2021187012A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020092223A JP2021187012A (ja) 2020-05-27 2020-05-27 液体吐出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020092223A JP2021187012A (ja) 2020-05-27 2020-05-27 液体吐出装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021187012A true JP2021187012A (ja) 2021-12-13

Family

ID=78850644

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020092223A Pending JP2021187012A (ja) 2020-05-27 2020-05-27 液体吐出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021187012A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7722180B2 (en) Liquid droplet discharge apparatus including duplex recording medium transport unit
KR100888763B1 (ko) 화상 형성 장치
JP4501373B2 (ja) 記録装置
US8974030B2 (en) Liquid ejecting apparatus, and non-transitory, computer-readable media therefor
JP2008036968A (ja) 画像記録装置及び画像記録方法
JP2011056694A (ja) 画像形成装置
JP2004276374A (ja) 記録装置
JP2021084358A (ja) 液滴吐出ヘッド及び画像形成装置
JP2011189717A (ja) 画像形成装置
JP2021187012A (ja) 液体吐出装置
JP2021138043A (ja) 画像形成装置
JP2010125706A (ja) 液体噴射装置
WO2007052513A1 (ja) インクジェット印刷装置及び印刷方法
US20090231602A1 (en) Image processing apparatus, image forming apparatus, and image processing method
JP2013000917A (ja) 液滴吐出装置ならびにそれを備えたインクジェット記録装置
JPH02145358A (ja) レジストレーション補正装置
US9227405B2 (en) Inkjet recording apparatus
JP2019214162A (ja) 液体吐出装置
JP2005205649A (ja) インクジェットプリンタ及びインクジェットプリンタにおけるノズルのインク不吐出検知方法
US7775623B2 (en) Image forming apparatus
JP7476576B2 (ja) 画像形成装置及び液滴吐出制御プログラム
JP6048098B2 (ja) 液体吐出ヘッドの駆動方法及び画像形成装置
JP7460969B2 (ja) インクジェット記録装置
US20210300057A1 (en) Printing apparatus
JP6953817B2 (ja) 液体を吐出する装置