JP2021186749A - 複合半透膜および複合半透膜の製造方法 - Google Patents

複合半透膜および複合半透膜の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】分離性能、透過性能および高い耐薬品性を有する複合半透膜を提供する。【解決手段】複合半透膜は、芳香族ポリアミドを含有する分離機能層を有し、芳香族ポリアミドの末端の窒素原子に-SO3Xが結合しており、複合半透膜の単位面積当たりのSO3Xの官能基量が1.0×10-7g/m2以上4.0×10-5g/m2以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、液状混合物の選択的分離に有用な、複合半透膜に関する。
混合物の分離に関して、溶媒(例えば水)に溶解した物質(例えば塩類)を除くための技術には様々なものがあるが、近年、省エネルギーおよび省資源のためのプロセスとして膜分離法の利用が拡大している。
膜分離法に使用される膜には、精密ろ過膜、限外ろ過膜、ナノろ過膜、逆浸透膜などがあり、これらの膜は、例えば海水、かん水、有害物を含んだ水などから飲料水を得る場合、または工業用超純水の製造、排水処理、有価物の回収などに用いられている。
現在市販されている逆浸透膜およびナノろ過膜の大部分は複合半透膜であり、微多孔性支持膜上にゲル層とポリマーを架橋した活性層を有するものと、微多孔性支持膜上でモノマーを重縮合した活性層を有するものとの2種類がある。
なかでも、多官能性アミンと多官能性酸ハロゲン化物との重縮合反応によって得られる架橋ポリアミドからなる分離機能層を多孔性支持膜上に被覆して得られる複合半透膜(特許文献1)は、透水性および除去性の高い分離膜として広く用いられている。
日本国特開2001−79372号公報
しかしながら、特許文献に記載の複合半透膜を使用し続けると、被処理水中に含まれる遊離塩素のような酸化性物質との接触により、膜の分離性能が低下する問題、および使用経過時間とともに膜表面に汚れが付着し、膜の膜透過流束が低下するため、ある期間運転後に酸、アルカリなどによる薬液洗浄が必要となるが、それにより膜の分離性能が低下する問題がある。
そこで本発明は、分離性能、透過性能および高い耐薬品性を有する複合半透膜を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の複合半透膜は、以下〔1〕から〔4〕の構成をとる。〔1〕基材および多孔性支持層を含む支持膜と、
下記一般式(1)または(2)で表される少なくとも一方の構造を含むポリマーを含有する分離機能層と
を備える複合半透膜であり、
前記複合半透膜の単位面積当たりのSO3Xの官能基量が1.0×10-7 g/m2以上4.0×10-5 g/m2以下である構成をとる。
Figure 2021186749
Figure 2021186749
(ただしXは水素原子またはアルカリ金属類、R1は炭素数2~4の炭化水素、R2-R5は炭素数1〜10の炭化水素、Ar〜Arは置換基を有していてもよい炭素数5〜14の芳香族環)
〔2〕前記分離機能層は、下記一般式(3)、(4)または(5)で表される少なくとも1種の構造を含むポリマーをさらに含有する〔1〕に記載の複合半透膜。
Figure 2021186749
Figure 2021186749
Figure 2021186749
(ただしXは水素原子またはアルカリ金属類、R1は炭素数2~4の炭化水素、R3-R5は炭素数1〜10の炭化水素、Ar〜Arは置換基を有していてもよい炭素数5〜14の芳香族環)
〔3〕前記分離機能層においてX線光電子分光法(XPS)により測定される硫黄原子数Aおよびフッ素原子数Bが、1.1≦A/B≦4を満たす〔2〕に記載の複合半透膜。
〔4〕〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の複合半透膜の製造方法であって、
(a)基材および多孔性支持層を含む支持膜を得る工程と、
(b)前記多孔性支持層上に、前記一般式(3)、(4)または(5)で表される少なくとも1種の構造を含むポリマーを含有する層を形成する工程と、
(c)前記一般式(3)、(4)または(5)で表される少なくとも1種の構造を加水分解することで、前記一般式(1)または(2)で表される少なくとも1種の構造を有し、かつ単位面積当たりのSO3Xの官能基量が1.0×10-7 g/m2以上4.0×10-5 g/m2以下である分離機能層を形成する工程と、
を有する複合半透膜の製造方法。
本発明によれば、優れた分離性能及び透過性能および高い耐薬品性が達成された、複合半透膜を提供することができる。
以下に、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
1.複合半透膜
本発明に係る複合半透膜は、支持膜と、支持膜上に形成される分離機能層とを備える。前記分離機能層は実質的に分離性能を有するものであり、支持膜は水を透過するものの実質的にイオン等の分離性能を有さず、分離機能層に強度を与えることができる。
(1−1)支持膜
基材としては、ポリエステル系重合体、ポリアミド系重合体、ポリオレフィン系重合体、及びこれらの混合物又は共重合体からなる布帛が挙げられる。中でも、機械的、熱的に安定性の高いポリエステル系重合体の布帛が好ましい。布帛の形態としては、長繊維不織布や短繊維不織布、さらには織編物を好ましく用いることができる。
多孔性支持層は、連通した多数の細孔を有する。細孔の孔径や孔径分布は特に限定されないが、例えば、均一な孔径からなる対称構造、又は、一方の面からもう一方の面まで徐々に孔径が大きくなる非対称構造であり、且つ、孔径が小さい側の表面における孔径が、0.1〜100nmである、多孔性支持層が好ましい。
多孔性支持層の素材としては、ポリスルホン(以下、「PSf」)、ポリエーテルスルホン、ポリアミド、ポリエステル、セルロース系ポリマー、ビニルポリマー、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリフェニレンオキシド等の、ホモポリマー又はコポリマーを単独であるいはブレンドして使用することができる。ここでセルロース系ポリマーとしては、酢酸セルロース、硝酸セルロース等、ビニルポリマーとしてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリルが挙げられる。中でも、PSf、ポリアミド、ポリエステル、酢酸セルロース、硝酸セルロース、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドスルホン等の、ホモポリマー又はコポリマーが好ましく、酢酸セルロース、PSf、ポリフェニレンスルフィドスルホン、又はポリフェニレンスルホンがより好ましく、化学的、機械的、熱的に安定性が高く、成型が容易であることから、PSfが特に好ましい。
PSfの重量平均分子量(以下、「M」)は、10000〜200000であることが好ましく、15000〜100000であることがより好ましい。PSfのMが10000以上であることで、多孔性支持層として好ましい機械的強度および耐熱性を得ることができる。一方、PSfのMが200000以下であることで、多孔性支持層原液の粘度が適切な範囲となり、良好な成形性を実現することができる。
基材と多孔性支持層の厚みは、複合半透膜の強度及びそれをエレメントにしたときの充填密度に影響を与える。良好な機械的強度及び充填密度を得るため、基材と多孔性支持層の厚みの合計は、30〜300μmであることが好ましく、100〜220μmであることがより好ましい。また、多孔性支持層の厚みは、20〜100μmであることが好ましい。なお、基材と多孔性支持層の厚みは、断面観察で厚み方向に直交する方向(膜の面方向)に20μm間隔で測定した、20点の厚みの平均値を算出することで求めることができる。
(1−2)分離機能層
分離機能層は、上記一般式(1)または(2)で表される少なくとも一方の構造を含むポリマーを含有し、かつ前記分離機能層中単位面積当たりのSO3Xの官能基量が1.0×10-7 g/m2以上4.0×10-5 g/m2以下である。
ここでSO3Xの官能基量は例えばラザフォード後方散乱(RBS)測定によって定量可能である。RBSは試料中に高速イオンを照射し、試料中の原子核から受ける弾性散乱の散乱イオンエネルギーと収量から、試料深さ方向の元素組成を読み取る測定法である。
このポリマーは、末端のアミノ基が修飾された芳香族ポリアミドである。SO3Xの官能基量がこの範囲にあることで、膜に十分な親水性と荷電性を付与することができ、さらに過剰な荷電反発による孔拡大を抑制することができるので、結果として高透水、高除去の複合半透膜が得られる。
SO3Xの官能基量はより具体的には1.9×10-7 g/m2以上であってもよく。また、SO3Xの官能基量は1.2×10-5 g/m2以下であってもよい。
本発明者らは鋭意検討した結果、分離機能層が、前記式(1)または(2)で表される少なくとも一方の構造を含むポリマーに加えて、前記式(3)、(4)または(5)で表される少なくとも1種の構造を含むポリマーを含有することで、より膜性能が向上することを見出した。水中で安定構造であるSO2F基を有することで、ポリアミド末端基同士の過度な荷電反発を抑制し、孔の拡大による溶質の除去性低下をさらに抑えることができるためである。さらにその存在比は、硫黄原子数をA、前記芳香族ポリアミド中のフッ素原子数をBとしたとき、A/Bが1.1以上4.0以下であるとき特に膜性能の大幅な向上を示すことを見出した。A/Bはより具体的には、1.2以上3.6以下であってもよい。
上記硫黄原子数Aと上記フッ素原子数Bの比率(A/B)は、ポリアミドをX線光電子分光法(XPS)分析することで求めることができる。具体的には、「Journal of Polymer Science」,Vol.26,559−572(1988)および「日本接着学会誌」,Vol.27,No.4(1991)で例示されているX線光電子分光法(XPS)を用いることにより求めることができる。
上記の複合半透膜における分離機能層は架橋芳香族ポリアミドであることが好ましく、多官能芳香族アミン、多官能芳香族酸クロリドを化学反応させることにより形成できる。ここで、多官能芳香族アミンおよび多官能芳香族酸クロリドについて、少なくとも一方が3官能以上の化合物を含んでいることが好ましい。これにより、剛直な分子鎖が得られ、水和イオンやホウ素などの微細な溶質を除去するための良好な孔構造が形成される。
多官能芳香族アミンとは、一分子中に第一級アミノ基及び第二級アミノ基のうち少なくとも一方のアミノ基を2個以上有し、かつ、アミノ基のうち少なくとも1つは第一級アミノ基である芳香族アミンを意味する。多官能芳香族アミンとしては、例えば、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、o−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、o−ジアミノピリジン、m−ジアミノピリジン、p−ジアミノピリジン等の2個のアミノ基がオルト位やメタ位、パラ位のいずれかの位置関係で芳香環に結合した多官能芳香族アミン、1,3,5−トリアミノベンゼン、1,2,4−トリアミノベンゼン、3,5−ジアミノ安息香酸、3−アミノベンジルアミン、4−アミノベンジルアミンなどの多官能芳香族アミンなどが挙げられる。特に、膜の選択分離性や透過性、耐熱性を考慮すると、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、及び1,3,5−トリアミノベンゼンが好適に用いられる。中でも、入手の容易性や取り扱いのしやすさから、m−フェニレンジアミンを用いることがより好ましい。これらの多官能芳香族アミンは、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
多官能芳香族酸クロリドとは、一分子中に少なくとも2個のクロロカルボニル基を有する芳香族酸クロリドをいう。例えば、3官能酸クロリドでは、トリメシン酸クロリドなどを挙げることができ、2官能酸クロリドでは、ビフェニルジカルボン酸ジクロリド、アゾベンゼンジカルボン酸ジクロリド、テレフタル酸クロリド、イソフタル酸クロリド、ナフタレンジカルボン酸クロリドなどを挙げることができる。膜の選択分離性、耐熱性を考慮すると、一分子中に2〜4個の塩化カルボニル基を有する多官能芳香族酸クロリドであることが好ましい。膜の選択分離性や透過性、耐熱性を考慮すると、トリメシン酸クロリドがより好ましい。これらの多官能芳香族酸クロリドは、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
2.複合半透膜の製造方法
本発明の複合半透膜の製造方法は、上述した所望の特徴を満たす複合半透膜が得られれば特に限定されない。以下では、
(a)基材および多孔性支持層を含む支持膜を得る工程と、
(b)前記多孔性支持層上に、前記一般式(3)、(4)または(5)で表される少なくとも1種の構造を含むポリマーを含有する層を形成する工程と、
(c)前記一般式(3)、(4)または(5)で表される少なくとも1種の構造を加水分解することで、前記一般式(1)または(2)で表される少なくとも1種の構造を有し、かつ単位面積当たりのSO3Xの官能基量が1.0×10-7 g/m2以上4.0×10-5 g/m2以下である分離機能層を形成する工程と、
を有する複合半透膜の製造方法であって、特に、上記(b)の工程が、多孔性支持層上にポリアミド層を形成する工程と、ポリアミドに一般式(3)、(4)または(5)で表される少なくとも1種の構造を導入する工程を含む方法について説明する。なお、工程(b)および(c)は、一般式(1)または(2)で表される構造を得る方法の一例であって、これらの構造が得られれば、(3)〜(5)のいずれかの構造を経る必要はない。
(2−1)支持膜の製膜
支持膜の製膜方法について、多孔性支持層の素材としてPSfを用いる場合を例にとって述べる。
まず、PSfを、PSfの良溶媒に溶解し、多孔性支持層原液を調製する。PSfの良溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(以下、「DMF」)が好ましい。
多孔性支持層原液中のPSfの濃度は、10〜25質量%であることが好ましく、12〜20質量%であることがより好ましい。多孔性支持層原液中のPSfの濃度がこの範囲内であることで、得られる多孔性支持層の強度と透過性能とを両立することができる。なお、多孔性支持層原液中の素材の濃度の好ましい範囲は、用いる素材、良溶媒等によって適宜調整することができる。
次に、得られた多孔性支持層原液を、基材表面に塗布し、PSfの非溶媒を含む凝固浴に浸漬する。
多孔性支持層原液塗布時の多孔性支持層原液の温度は、10〜60℃であることが好ましい。多孔性支持層原液の温度がこの範囲内であることで、PSfが析出することなく、多孔性支持層原液が基材の繊維間にまで十分含浸したのち凝固する。その結果、アンカー効果により多孔性支持層が基材に強固に接合し、強度に優れた支持膜を得ることができる。なお、多孔性支持層原液の温度の好ましい範囲は、用いる素材、良溶媒及び濃度等によって適宜調整することができる。
多孔性支持層原液塗布後、凝固浴に浸漬させるまでの時間は、0.1〜5秒であることが好ましい。凝固浴に浸漬させるまでの時間が0.1秒以上であることで、多孔性支持層原液が基材の繊維間にまで十分含浸したのち凝固する。一方、凝固浴に浸漬させるまでの時間が5秒以下であることで、空気中の水蒸気により多孔性支持層原液が凝固する前に、凝固浴に浸漬させることができる。なお、凝固浴に浸漬させるまでの時間の好ましい範囲は、用いる素材、良溶媒及び濃度等によって適宜調整することができる。
凝固浴に含まれるPSfの非溶媒としては、例えば、水が好ましい。基材表面に塗布した多孔性支持層原液を、PSfの非溶媒を含む凝固浴に接触させることで、非溶媒誘起相分離によって多孔性支持層原液が凝固し、基材表面に多孔性支持層が形成した支持膜を得ることができる。
凝固浴は、PSfの非溶媒のみで構成されていてもよいが、多孔性支持層原液を凝固可能な範囲で、PSfの良溶媒を含んでいてもよい。連続的に支持膜を製膜する場合、多孔性支持層原液由来のPSfの良溶媒が凝固浴に混入し、凝固浴中のPSfの良溶媒の濃度が徐々に上昇する。このため、凝固浴中の液体の組成が一定範囲に保たれるように、適宜凝固浴を入れ替えることが好ましい。凝固浴中のPSfの良溶媒の濃度が低いほど、多孔性支持層原液の凝固が速くなるため、多孔性支持層の構造が均質化され、優れた強度を発現させることができる。また、多孔性支持層原液の凝固が速くなるため、製膜速度を上げて支持膜の生産性を向上させることができる。このため、凝固浴中のPSfの良溶媒の濃度は、20%以下であることが好ましく、15%以下であることがより好ましく、10%以下であることがさらに好ましい。
凝固浴の温度は、−20〜100℃であることが好ましく、10〜50℃であることがより好ましい。凝固浴の温度が−20℃以上であることで、凝固速度が適当で、製膜性が良好となる。一方、凝固浴の温度が100℃以下であることで、熱運動による凝固浴面の振動が激しくならず、多孔性支持層形成後の支持膜表面の平滑性が保たれる。なお、凝固浴の温度の好ましい範囲は、用いる素材、良溶媒及び濃度等によって適宜調整することができる。
最後に、得られた支持膜を、膜中に残存する溶媒を除去するために、熱水で洗浄する。熱水の温度は、40〜100℃であることが好ましく、60〜95℃であることがより好ましい。熱水の温度が40℃以上であることで、膜中に残存する溶媒を十分に除去することができる。一方、熱水の温度が100℃以下であることで、支持膜の収縮度が大きくならず、良好な透過性能を維持することができる。なお、熱水の温度の好ましい範囲は、用いる素材、良溶媒及び濃度等によって適宜調整することができる。
(2−2)架橋ポリアミドの形成
本工程では、多官能アミンを含有する水溶液と、多官能酸ハロゲン化物を含有する、水と非混和性の有機溶媒溶液とを用い、微多孔性支持膜の表面で界面重縮合を行うことによりポリアミドの骨格を形成する。
ここで、多官能アミン水溶液における多官能アミンの濃度は0.1〜10重量%の範囲内であることが好ましく、さらに好ましくは0.5〜5.0重量%の範囲内である。多官能アミンの濃度をこの範囲内とすることで適度に反応を進行させることができ、一方、分離機能層が過度に厚くならず十分な透水性を確保できる。多官能アミン水溶液には、多官能アミンと多官能酸ハロゲン化物との反応を妨害しないものであれば、界面活性剤や有機溶媒、アルカリ性化合物、酸化防止剤などが含まれていてもよい。界面活性剤は、微多孔性支持膜表面の濡れ性を向上させ、多官能アミン水溶液と有機溶媒との間の界面張力を減少させる効果がある。有機溶媒は界面重縮合反応の触媒として働くことがあり、添加することにより界面重縮合反応を効率よく行える場合がある。
界面重縮合を微多孔性支持膜上で行うために、まず、上述の多官能アミン水溶液を微多孔性支持膜に接触させる。接触は、微多孔性支持膜面上に均一にかつ連続的に行うことが好ましい。具体的には、例えば、多官能アミン水溶液を微多孔性支持膜にコーティングする方法や微多孔性支持膜を多官能アミン水溶液に浸漬する方法を挙げることができる。微多孔性支持膜と多官能アミン水溶液との接触時間は、1秒〜10分間の範囲内であることが好ましく、10秒〜3分間の範囲内であるとさらに好ましい。
多官能アミン水溶液を微多孔性支持膜に接触させたあとは、膜上に液滴が残らないように十分に液切りするのが好ましい。膜形成後に膜欠点の原因となる液滴が残らないので膜性能の低下を招きにくい。液切りの方法としては、たとえば、特開平2-78428号公報に記載されているように、多官能アミン水溶液接触後の微多孔性支持膜を垂直方向に把持して過剰の水溶液を自然流下させる方法や、エアーノズルから窒素などの風を吹き付け、強制的に液切りする方法などを用いることができる。また、液切り後、膜面を乾燥させ、水溶液の水の一部を除去することもできる。
次いで、多官能アミン水溶液接触後の微多孔性支持膜に、多官能酸ハロゲン化物を含む有機溶媒溶液を接触させる。
有機溶媒溶液中の多官能酸ハロゲン化物の濃度は、0.01〜10重量%の範囲内であると好ましく、0.02〜2.0重量%の範囲内であるとさらに好ましい。この範囲内であると反応の進行が遅くならず、副反応が起こりにくい。さらに、この有機溶媒溶液にN,N−ジメチルホルムアミドのようなアシル化触媒を含有させると、界面重縮合が促進され、さらに好ましい。
有機溶媒は、水と非混和性であり、かつ多官能酸ハロゲン化物を溶解し、微多孔性支持膜を破壊しないことが好ましい。また、この有機溶媒は多官能アミンおよび多官能酸ハロゲン化物に対して不活性であるものであればいずれであってもよい。好ましい例としては、液状の炭化水素、トリクロロトリフルオロエタンなどのハロゲン化炭化水素が挙げられるが、オゾン層を破壊しない物質であることや入手のしやすさ、取り扱いの容易さ、取り扱い上の安全性などを考慮すると、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ヘプタデカン、ヘキサデカンなど、シクロオクタン、エチルシクロヘキサン、1−オクテン、1−デセンなどの単体あるいはこれらの混合物が好ましく用いられる。
多官能酸ハロゲン化物の有機溶媒溶液を、多官能アミン水溶液接触後の微多孔性支持膜と接触させる方法は、前記した多官能アミン水溶液の微多孔性支持膜への被覆方法と同様に行えば良い。
こうして接触した有機溶媒溶液と水溶液との界面において、多官能酸ハロゲン化物と、多官能アミンとの界面重縮合が進行することで、架橋ポリアミドが形成される。
架橋ポリアミドの層が形成された後は、余剰の溶媒を液切りするとよい。液切りの方法は、例えば、膜を垂直方向に把持して過剰の有機溶媒を自然流下して除去する方法を用いることができる。この場合、垂直方向に把持する時間としては、1〜5分の間にあることが好ましく、1〜3分間であるとより好ましい。1分以上であることでポリアミドの形成が充分に進み、5分以下であることで過乾燥による欠点発生が抑制される。
(2−3)SO3Xの導入
(i)一般式式(3)、(4)または(5)の構造の形成
前記式(3)、(4)、(5)の構造を含む層は、上述の架橋ポリアミドにエテニル基を有するフッ化スルホニル化合物を含む水溶液を接触させることで得られる。ここでエテニル基を有するフッ化スルホニル化合物とは、エテンスルホニルフロリド、2-プロペン-1-スルホニルフロリド、3-プロペン-1-スルホニルフロリドなどがあるが、入手の簡便さ、最終的に得られる分離膜性能からエテンスルホニルフロリドを用いることが好ましい。
フッ化スルホニル化合物を含む水溶液の濃度は、0.001重量%以上0.5 重量%以下であり、好ましくは0.01重量%以上0.2 重量%以下である。濃度がこの範囲にあることで、膜の製造に現実的な時間範囲内で効果を与えるのに十分量の反応を進めることができる。また、水溶液に極性溶媒を加えることで、フッ化スルホニル化合物を含む水溶液の膜との親和性を高め、反応効率を上げることができる。極性溶媒には、THF、ジクロロメタン、DMF、アルコール類、酢酸などが適しているが、支持層の構造緩和による膜性能変化を引き起こしにくいという観点から、アルコール類や酢酸が好ましい。
フッ化スルホニル化合物を含む水溶液の膜の接触方法は限定されるものではないが、好ましくは反応の不均一性を最小限にすることができる浸漬接触である。接触時間は30秒以上3時間以下。好ましくは1分以上1時間以下である。接触温度は10℃以上80℃以下。好ましくは15℃以上60℃以下であり、接触時間、濃度がこれらの範囲にあることで反応を過剰に進行させ膜性能を低下させることなく十分量の反応を進めることができる。
こうして修飾された架橋ポリアミドも便宜上「架橋ポリアミド」と呼ぶ。
(ii)一般式(1)または(2)の構造の形成
上述のとおり得られた一般式(3)、(4)または(5)の構造は、加水分解により前記式(1)または(2)の構造へと変換される。
加水分解の方法は架橋ポリアミドにアルカリ性水溶液を接触させることで行われる。ここでアルカリ性水溶液のpHは11以上14以下であることが好ましく、接触温度は20℃以上80℃以下、より好ましくは30℃以上70℃以下である。接触時間は2分以上5時間以下が好ましく、加水分解を十分に進行させ、架橋ポリアミド構造の分解を最小限にするためには、より好ましくは10分以上3時間以下である。
本工程により、架橋ポリアミドに前記式(1)または(2)の構造が形成され、SO3Xの高い親水性と荷電性により膜性能が飛躍的に向上する。また、活性部位の窒素原子上に置換基が導入されること、および窒素原子とSO3X間に炭素鎖が介在することで、高い耐薬品性を示すようになる。
(2−3)その他の工程
複合半透膜の製造方法は、上述した各工程以外に、架橋ポリアミドの形成後に、40〜100℃の範囲内、好ましくは60〜100℃の範囲内で1〜10分間、より好ましくは2〜8分間、膜を熱水処理する工程を有することが好ましい。この工程を行うことで、複合半透膜の溶質阻止性能および透水性をより一層向上させることができる。
3.複合半透膜の利用
このように製造される本発明の複合半透膜は、プラスチックネットなどの原水流路材と、トリコットなどの透過水流路材と、必要に応じて耐圧性を高めるためのフィルムと共に、多数の孔を穿設した筒状の集水管の周りに巻回され、スパイラル型の複合半透膜エレメントとして好適に用いられる。さらに、このエレメントを直列または並列に接続して圧力容器に収納した複合半透膜モジュールとすることもできる。
また、上記の複合半透膜およびそのエレメント、モジュールは、それらに原水を供給するポンプまたは、その原水を前処理する装置などと組み合わせて、流体分離装置を構成することができる。この分離装置を用いることにより、原水を飲料水などの透過水と膜を透過しなかった濃縮水とに分離して、目的にあった水を得ることができる。
流体分離装置の操作圧力は高い方が塩除去率は向上するが、運転に必要なエネルギーも増加すること、また、複合半透膜の耐久性を考慮すると、複合半透膜に被処理水を透過する際の操作圧力は、0.1MPa以上、10MPa以下が好ましい。供給水温度は、高くなると塩除去率が低下するが、低くなるにしたがい膜透過流束も減少するので、5℃以上、45℃以下が好ましい。また、供給水pHは、高くなると海水などの高塩濃度の供給水の場合、マグネシウムなどのスケールが発生する恐れがあり、また、高pH運転による膜の劣化が懸念されるため、中性領域での運転が好ましい。
本発明に係る複合半透膜によって処理される原水としては、例えば、海水、かん水、排水等の50mg/L〜100g/Lの塩(Total Dissolved Solids:総溶解固形分)を含有する液状混合物が挙げられる。一般に、塩は総溶解固形分量を指し、「質量÷体積」あるいは「重量比」で表される。定義によれば、0.45ミクロンのフィルターで濾過した溶液を39.5〜40.5℃の温度で蒸発させ残留物の重さから算出できるが、より簡便には実用塩分(S)から換算する。
以下に実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
実施例および比較例における測定は次のとおり行った。
(1)SO3X官能基量
下記の通りラザフォート後方散乱(RBS)によって分析することが可能である。比較例、実施例で得られた複合半透膜について、下記(i)の方法で硝酸銀によりラベル化されたサンプルを作成し、(ii)の方法でRBS測定を実施した。
(i)サンプル作成方法:
3cm×3cm角に切り出した膜サンプルを脱イオン水中で30分間煮沸し、その後、50wt%のメタノール水溶液に15時間浸漬する。次にpHを2に調製した硝酸銀水溶液(1×10−4mol/L)に30分浸漬する。さらに膜に結合していない銀を洗い流す目的で乾燥したメタノールに浸漬し、窒素雰囲気下に30分以上置いた後、RBS測定に用いた。
(ii)RBS測定方法:
膜サンプルを導電性の両面テープに固定し、以下の装置および測定条件にて行う。
装置:NationalElectrostaticsCorporation製Pelletron3SDH
測定条件
測定モード:RBS単独測定
入射イオン:4He++
入射エネルギー:2300keV
入射角:0度
散乱角:160度
試料電流:4nA
ビーム径:2mmφ
面内回転:無
照射量:44.8μC
RBS測定結果の解析において、銀の原子数密度がSO3X基数密度に対応すると仮定した。得られたスペクトルから、表面におけるSO3X数密度を定量し、単位面積当たりのSO3X基量を定量した。
(2)硫黄原子数Aとフッ素原子数Bの比率(A/B)
比較例、実施例における複合半透膜の原水を共有する側である分離機能層表面の硫黄原子数(A)とフッ素原子数(B)を、X線光電子分光法(XPS)による測定結果から算出した。
測定装置:Quantera SXM(PHI社製)
励起X線:monochromatic Al Kα1,2線(1486.6eV)
X線径:0.2mm
ここでは、S2pに由来するピーク積分値を158 eV〜175 eVの範囲でとることにより硫黄原子数を、F1sに由来するピーク積分値を680 eV〜690 eVの範囲でとることによりフッ素原子数を求めた。
AとBの比は、前記式(3)または(4)の構造時に1になるため、加水分解前の複合半透膜を測定した際のそれぞれの原子のピーク積分値を基準としてA/Bを算出した。
(3)NaCl除去率
複合半透膜に対し、NaCl濃度35,000ppm、ホウ素濃度5ppm、25℃、pH7に調製した評価水を操作圧力5.5MPaで供給して、膜ろ過試験を行なった。評価水及び透過水の電気伝導度をマルチ水質計(東亜ディーケーケー製;MM−60R)により測定し、それぞれのNaCl濃度(実用塩分)を得た。こうして得られたNaCl濃度から、下記式4に基づいて、NaCl除去率(%)を算出した。
NaCl除去率(%)=100×{1−(透過水中のNaCl濃度/評価水中のNaCl濃度)} ・・・(式4)
(4)ホウ素除去率
「(3)NaCl除去率」の膜ろ過試験において、評価水及び透過水中のホウ素濃度をICP発光分析装置(アジレント・テクノロジー製;Agilent 5110)により測定し、下記式5に基づいて、ホウ素除去率(%)を算出した。
ホウ素除去率(%)=100×{1−(透過水中のホウ素濃度/評価水中のホウ素濃度)} ・・・(式5)
(5)膜透過流束
「(3)NaCl除去率」の膜ろ過試験において、透過水量(m)を測定し、単位膜面積(m)及び単位時間(日)当たりの数値に換算し、膜透過流束(m/m/日)とした。
(6)耐酸化性試験
複合半透膜を、pH6.5に調整した100mg/L次亜塩素酸ナトリウム水溶液に25℃雰囲気下、20時間浸漬した。その後、100mg/L亜硫酸水素ナトリウム水溶液に10分間浸漬し、水で十分に洗浄し、複合半透膜のホウ素除去率を評価することにより求めた。
(7)耐酸性試験
複合半透膜を、pH1に調整した硫酸水溶液に25℃雰囲気下、20時間浸漬した。その後水で十分に洗浄し、複合半透膜のホウ素除去率を評価することにより求めた。
(8)耐アルカリ性試験
複合半透膜をpH13に調整した水酸化ナトリウム水溶液に25℃雰囲気下、20時間浸漬した。その後水で十分に洗浄し、複合半透膜のホウ素除去率を評価することにより求めた。
(参考例1)
ポリエステル不織布(通気度0.5〜1cc/cm/sec)上にポリスルホンの15.7重量%DMF溶液を200μmの厚みで、室温(25℃)でキャストし、ただちに純水中に浸漬して5分間放置することによって微多孔性支持膜(厚さ210〜215μm)を作製した。
(比較例1)
参考例1によって得られた微多孔性支持膜をm−フェニレンジアミン(m−PDA)の3質量%水溶液中に2分間浸漬し、該支持膜を垂直方向にゆっくりと引き上げ、エアーノズルから窒素を吹き付け支持膜表面から余分な水溶液を取り除いた後、室温40℃に制御した環境で、トリメシン酸クロリド(TMC)0.165質量%を含む40℃のデカン溶液を表面が完全に濡れるように塗布して1分間静置したのち、膜を垂直にして余分な溶液を液切りして除去し、ポリアミド分離機能層を有する複合半透膜を得た。
(比較例2)
比較例1によって得られた複合半透膜を、エテンスルホニルフロリド0.1重量%、酢酸1重量%を含む40℃の水溶液に30分間浸漬した。得られた膜を純水で洗浄することで改質された複合半透膜を得た。
(実施例1〜4)
比較例2によって得られた複合半透膜を、水酸化ナトリウムによってpH13に調製した水溶液に、以下条件にて浸漬し、得られた膜を純水で洗浄することで改質された複合半透膜を得た。
実施例1:温度 40℃、時間 10分
実施例2:温度 40℃、時間 45分
実施例3:温度 55℃、時間 10分
実施例4:温度 55℃、時間 45分
(比較例3、4)
比較例2によって得られた複合半透膜を、水酸化ナトリウムによってpH13に調製した水溶液に、以下条件にて浸漬し、得られた膜を純水で洗浄することで改質された複合半透膜を得た。
比較例3:温度 20℃、時間 1分
比較例4:温度 85℃、時間 45分
これら得られた複合半透膜について、SO3X官能基量、硫黄原子数Aと上記フッ素原子数Bの比率(A/B)、NaCl除去率、ホウ素除去率、膜透過流束を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2021186749
比較例1に対し、比較例2、3ではSO3X官能基量がゼロ、または少ないため溶質の除去率と透水性を両立できていない性能となった。一方、実施例1から4のようにSO3X官能基量が1.0×10-7 g/m2以上4.0×10-5 g/m2以下の範囲にある膜では高い溶質の除去率と透水性を両立する結果となった。しかしながら比較例4のように過剰にSO3X官能基が存在する場合には、透水性は増大するものの、溶質の除去性に大きな変化が見られない結果であった。
さらにこれら得られた複合半透膜についての、耐酸化性試験、耐酸性試験、耐アルカリ性試験後の溶質除去率の結果を表2に示す。
Figure 2021186749
実施例1から4の膜はいずれの試験後においても高い溶質除去性を保つ結果となった。一方、比較例2から4の膜においては特に耐アルカリ性が改善されていないことが示される。

Claims (4)

  1. 基材および多孔性支持層を含む支持膜と、
    下記一般式(1)または(2)で表される少なくとも一方の構造を含むポリマーを含有する分離機能層と
    を備える複合半透膜であり、
    前記複合半透膜の単位面積当たりのSO3Xの官能基量が1.0×10-7g/m2以上4.0×10-5g/m2以下である複合半透膜。
    Figure 2021186749
    Figure 2021186749
    (ただしXは水素原子またはアルカリ金属類であり、R1は炭素数2~4の炭化水素であり、R2-R5は炭素数1〜10の炭化水素であり、Ar〜Arは置換基を有していてもよい炭素数5〜14の芳香族環である。)
  2. 前記分離機能層は、下記一般式(3)、(4)または(5)で表される少なくとも1種の構造を含むポリマーをさらに含有する
    請求項1に記載の複合半透膜。
    Figure 2021186749
    Figure 2021186749
    Figure 2021186749
    (ただしXは水素原子またはアルカリ金属類であり、R1は炭素数2~4の炭化水素であり、R3-R5は炭素数1〜10の炭化水素であり、Ar〜Arは置換基を有していてもよい炭素数5〜14の芳香族環である。)
  3. 前記分離機能層においてX線光電子分光法(XPS)により測定される硫黄原子数Aおよびフッ素原子数Bが、1.1≦A/B≦4を満たす
    請求項2に記載の複合半透膜。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の複合半透膜の製造方法であって、
    (a)基材および多孔性支持層を含む支持膜を得る工程と、
    (b)前記多孔性支持層上に、前記一般式(3)、(4)または(5)で表される少なくとも1種の構造を含むポリマーを含有する層を形成する工程と、
    (c)前記一般式(3)、(4)または(5)で表される少なくとも1種の構造を加水分解することで、前記一般式(1)または(2)で表される少なくとも1種の構造を有し、かつ単位面積当たりのSO3Xの官能基量が1.0×10-7 g/m2以上4.0×10-5 g/m2以下である分離機能層を形成する工程と、
    を有する複合半透膜の製造方法。
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