JP2021185759A - 畜舎の換気システム - Google Patents

畜舎の換気システム Download PDF

Info

Publication number
JP2021185759A
JP2021185759A JP2020091328A JP2020091328A JP2021185759A JP 2021185759 A JP2021185759 A JP 2021185759A JP 2020091328 A JP2020091328 A JP 2020091328A JP 2020091328 A JP2020091328 A JP 2020091328A JP 2021185759 A JP2021185759 A JP 2021185759A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
area
blower
barn
temperature
capacity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020091328A
Other languages
English (en)
Inventor
和隆 成田
Kazutaka Narita
徹 西山
Toru Nishiyama
裕馬 下田
Yuma Shimoda
国彦 蓑島
Kunihiko Minoshima
厚男 池口
Atsuo Ikeguchi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Original Assignee
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd filed Critical Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority to JP2020091328A priority Critical patent/JP2021185759A/ja
Publication of JP2021185759A publication Critical patent/JP2021185759A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Housing For Livestock And Birds (AREA)

Abstract

【課題】乳牛を飼育する畜舎では、1頭毎のストレスを解消するようにすると手間とコストのかかるシステムとなる。一方、乳牛は1頭当たりの占有面積が広いので、エリア分けをしても、エリアの温度が大きく上昇することは少ない。【解決手段】畜舎内を複数のエリアに分け、前記エリア毎に少なくとも一台の送風機と、前記畜舎内の家畜の位置を検出する位置センサと、温度センサを設け、前記温度センサで検知した温度および、前記位置センサで把握した家畜の分散状態に基づき、前記送風機の運転を制御する制御器を有することを特徴とする畜舎の換気システムでは、エリア毎の乳牛の分散状態に応じて送風量を変換させるので、畜舎のエリア毎の制御が可能となる。【選択図】図5

Description

本発明は、乳牛を飼育する畜舎(牛舎)の換気システムに係るものである。
酪農では、暑い夏季になると雌牛の受胎率が低下し、また出産後の雌牛も暑熱ストレスが起因し、搾乳量が減少する問題があった。この問題に対しては、牛の生活する牛舎の環境を快適なものにするという観点でいくつかの提案がされている。
特許文献1では、畜舎自体をプッシュプル方式と呼ばれる換気方式を導入し、さらに、温湿度指数THIを、乳牛の快適指数となるように修正した修正THIを用いた換気扇の制御を行う発明が開示されている。
また、特許文献2には、THIに基づいてプッシュ側送風機の高さを変化させるような畜舎が開示されている。これは快適な風を佇立している状態でも、横臥した状態でも乳牛に当てて、快適性を向上させる内容である。
また、特許文献3では、プッシュプル方式の換気施設を有する畜舎において、個体のバイタル情報(血中ストレス物質濃度情報)を検出し、異常個体の周辺に2頭以上の異常個体がいた場合には、最も近い送風機の回転数を増加させる技術が開示されている。この発明は、群れることでストレスが向上した集団には、より多くの風を送る内容である。
一方、鶏を飼育する鶏舎においては、畜舎内を区画に分けて、個体の体温が上昇する区画には、換気扇の風量を増加させる内容が開示されている(特許文献4)。
特開2015−062404号公報 特開2018−161079号公報 特開2015−204766号公報 特開平1−157324号公報
乳牛を畜舎で飼育する方式としてフリーバーン方式とフリーストール方式が知られている。フリーストール方式では、個々の乳牛のベッドが設置されており、フリーバーン方式では、個々の乳牛のベッドはない。フリーバーン方式では、乳牛は、畜舎内を自由に歩き回り、気に行った場所で休息や睡眠を取ることができる。尤も、フリーストール方式であっても、摂餌ゾーンや水槽への移動は個々の乳牛が自由に行うことができる。
乳牛は放牧状態では、他の個体と一定の距離を取って、佇立や横臥で休息を取る。しかし、畜舎で飼育すると、水槽、送風が当たるところ、比較的暗いところ等に個体同士が接近して群れるという習性がある。したがって、群れた状態の乳牛の快適性を向上させるという観点からは、特許文献3のように個々の個体のバイタルサインを見て、不快な状態にある乳牛に最も近い送風機から風を送るというのは、好適な方法である。
しかし、個々の乳牛のバイタルサインを測定するのは、鮮血を採血する必要がある。つまり、耳タグとか鼻輪といった傷が自然治癒してしまい、止血してしまった部分からは採取できない。すると、バイタルサインの取得の都度毛細血管を破るか、ある程度の太さの静脈に採血針を挿入しておかなければならない。したがって、鮮血の採血は、微量とはいえ乳牛に負担を強いることとなる。
特許文献4は、畜舎内を区画に分けて温度管理する方法である。区画単位で管理および制御するのは、システムとしてはより単純で、動物にバイタルサインの取得という負荷をかけることはない。設置者としては、導入しやすい方式である。
ところで、特許文献4で紹介されている鶏(特にブロイラー)は、成長が早く、畜舎には2か月ほどしかいない。したがって、畜舎内で鶏は、かなり密集度が高い(個々の個体に割り当てられる床面積は狭い)状態で飼育され、床面はほぼ鶏で埋め尽くされる。したがって、全体としてみれば、個々の鶏が移動しても、区画毎の温度管理で換気を行えば、効果的な冷房が可能である。
しかし、乳牛は、長期間に亘って飼育され、また、体も大きいので、1頭当たりの面積は鶏よりも広く設定されている。しかも、上記のように、畜舎内を動き回り、群れて休息するので、畜舎を区画に分けて温度管理しただけでは、乳牛の各個体の快適性を向上若しくは維持することはできない。鶏の場合と違い、乳牛が移動すると、区画毎の粗密状態が大きく変化するからである。
本発明は上記の課題に鑑みて想到されてものであり、乳牛を飼育する畜舎において、畜舎内を区画に分けて管理し、なおかつ乳牛の快適性を確保できる畜舎を提供するものである。
より具体的に本発明に係る畜舎の換気システムは、
畜舎内を複数のエリアに分け、
前記エリア毎に少なくとも一台の送風機と、前記畜舎内の家畜の位置を検出する位置センサと、温度センサを設け、
前記温度センサで検知した温度および、前記位置センサで把握した家畜の分散状態に基づき、前記送風機の運転を制御する制御器を有することを特徴とする。
本発明に係る畜舎の換気システムでは、畜舎内を複数のエリアに分け、そのエリア内に存在する頭数に基づいて送風状態を変化させる。したがって、乳牛が群れて密度が高くなるエリアの風量を多くすることができる。これは、単にエリア毎の温度で送風量を制御するのだけではなく、密度まで考慮している。したがって、エリア毎の送風制御でありながら、個々の乳牛の快適性を、各個体に物理的な負荷を負わせることなく、提供することができる。
本発明に係る畜舎(牛舎)の外観斜視図である。 畜舎の長辺側の側壁およびその拡大図である。 畜舎の短辺側の端壁を表す図である。 畜舎に用いる送風機の一例を示す図である。 本発明に係る畜舎の構成を示す図である。 本発明に係る畜舎に備えられる制御器の処理のフローを示す図である。
以下に本発明に係る畜舎の換気システムについて図面を示し説明を行う。なお、以下の説明は、本発明の一実施形態および一実施例を例示するものであり、本発明が以下の説明に限定されるものではない。以下の説明は本発明の趣旨を逸脱しない範囲で改変することができる。
図1に本発明に係る畜舎(牛舎)の斜視図を示す。また、図2には、畜舎1の側面図とその一部拡大図を示す。また、図3には、畜舎1の短辺方向の側面図を示す。図1、2、3を参照して、畜舎1は、長方形の床面10と、床面10の短辺側に設けられた端壁12a、12bと、床面10の長辺側に設けられた側壁14a、14bと、屋根16によって形成される。
床面10は、長方形の形状をしている。ただし、正方形を排除するものではない。畜舎1を建設する土地の都合により、多少のゆがみはあってもよい。ここで「ゆがみ」とは、各辺が完全な直線でない若しくは、各辺をなす角度が90度からずれるという状況を含む。しかし、畜舎1は、舎内に均一な空気の流れを発生させることで、牛にとっての快適性を確保するものであるので、均一な空気の流れを阻害するほど、ゆがんでしまうのは好ましくない。床面10が長方形であるとは、少なくとも後述する送風機20が設置される、側壁14a、14bが略平行であればよい。
図3を参照して、端壁12aと12bは、長方形の床面10の対向する短辺に設けられる。ここには、開閉扉13a、13bが設けられる。開閉扉13a、13bは、畜舎1への牛の出入りや、作業車両若しくは作業者の出入りのために利用される。通常、この開閉扉13a、13bは、閉じておくのが望ましい。端壁12a、12bに開口部があると、畜舎1内に発生させる均一な空気の流れを乱す原因になるからである。
図2を参照して、側壁14aは、長方形の床面10の対向する長辺に設けられる。なお、側壁14aと側壁14bは、ほぼ同じなので、側壁14aで説明を続ける。側壁14aには、貫通孔14ah(側壁14bなら貫通孔14bh)が形成されている。貫通孔14ahは、側壁一杯に広がる1つの貫通孔であってもよいし、複数の貫通孔が設けられていても良い。この貫通孔14ah(14bh)には、後述する送風機20a(20b)が設置される。また、貫通孔14ahは、側壁14a若しくは壁部材(側壁を形成するボード状の材料)を形成してから穿設してもよいし、凹状の切り込みが形成された壁部材を組み合わせて設けられた側壁14aの孔であってもよい。
図1を参照して、屋根16は、畜舎1内の均一な空気の流れを作る空間を形成する一部であるので、空気の流れを阻害しない程度の天井の平坦さを有するのが望ましい。屋根16が直接天井となる場合は、屋根16はフラットに近い方が望ましい。形状は、特に限定されるものではなく、切妻屋根、寄棟屋根など自由に利用してよい。切妻屋根で、屋根16の傾斜が1寸勾配(5.7度)のものが好適に利用することができる。なお、寒冷地では積雪防止及び屋根16の強度の観点から、2寸勾配(11.4度)であってもよい。また、勾配がこれ以上あっても、畜舎1内にバッフルと呼ばれる導風幕を張ることで、天井を形成することなく、空気の流れを均一にすることができる。
図2(a)には、側壁14aの正面図を示し、図2(b)には、一部拡大図を示す。側壁14a、14bに設けられる貫通孔14ah、14bhには、送風機20a、20bが、設置される。送風機20a、20bは、それぞれの側壁14a、14bに同数ずつ配置され側壁14a、14bの全面に配置されるのが望ましい。また、配置は隣接する送風機同士が等間隔になるように配置するのが望ましく、隣接する送風機同士の間隔は、使用するファンの直径20d以内の距離であるのが望ましい。均一な空気の流れを作るためには、隣接する送風機同士の間隔が開きすぎていては、空気が流れない空間ができてしまうからである。ただし、後述するように、上記の条件を満たしていなくとも、均一な空気の流れを作ることができる態様を排除しない。
図4には、1台の送風機20の例を示す。図4(a)は側面視、図4(b)は平面視である。送風機20は1120mm×1120mmの大きさであり、幅20wおよび高さとも同じ寸法である。ファンの直径20dは、1000mmの大きさを有する。送風機20の前面20fと後面20rには、ワイヤで形成された羽根ガードが設けられている。空気は後面20rから入り、前面20fから吹き出される。図4で例示した送風機20は、吸込側と吹出側が決まっているタイプの送風機20を示したが、ファンの回転方向によってどちらの面も吸込側にできるタイプの送風機20であればより好ましい。
図2を再度参照する。図2(a)に示すように、送風機20は、一方の側壁の全面に配置している。但し、後述するように後述するエリアに少なくとも1つ以上設けられていればよい。図2では、側壁14aに縦に接近して設けられた貫通孔14ah1、14ah2が設けられており、それぞれの貫通孔14ah1、14ah2に、送風機20aが設置されている様子を示す。つまり、縦方向に2段に送風機20aを配置した構成である。
横方向を見ると、それぞれの貫通孔14ah1、14ah2の間隔には、狭い部分15aと広い部分15bがある。広い部分15bは、側壁14a(14b)の柱等を設ける箇所である。狭い部分15aおよび広い部分15bともに、送風機20aのファンの直径20dより狭い間隔で設置されている。なお、ここで、隣接する送風機の間隔とは、隣接する送風機のファンの先端同士が最も短くなる距離を言う。
また、側壁14aの両端でも、端14at1、14at2から最初の送風機20aまでの距離は、送風機20aのファンの直径20dよりも短い間隔で配置されている。また、図2で示すように、送風機20aを縦方向に重ねる場合も、各送風機20a間の距離はファンの直径20dよりも短い間隔で配置されている。なお、送風機20aは、1段だけで配置してもよい。床面10から牛の頭の高さまでに均一な空気の流れができればよいからである。また、送風機20aは、3段以上の配置にすることを排除しない。
図示してないが、他方の側壁14bの全面にも同じように送風機20bが配置されている。一方の側壁14aの全面に配置された送風機20aと、他方の側壁14bに配置された送風機20bは、それぞれの送風機20a、20b同士が対向する位置に配置されている。ここで対向する位置とは、互いに向かい合う送風機20a、20bのファンの軸心がほぼ一致する位置関係をいう。ただし、上記の条件を満たしていなくとも、均一な空気の流れを作ることができる態様を排除しない。
しかしながら、一方の側壁14aから他方の側壁14bまでの十分長い距離(少なくとも10m以上の距離)を空気が流れるため、送風機20a、20b同士が対向する位置になくても、均一な空気の流れを作ることはできる。なお、図4に示すように吸引と排出の方向が決まった送風機を用いる場合は、畜舎1の一方の側壁に配置した送風機は吸引側を畜舎の外側に向け(プッシュ側送風機)、他方の側壁に配置した送風機は、排出側を畜舎の外側に向ける(プル側送風機)。
また、プッシュ側送風機とは、送風機を吸引方向に配設した送風機であり、プル側送風機とは、送風機を排出方向に配設した送風機と言ってもよい。また、プル側送風機が配置されている側壁14bを第1側壁と呼び、プッシュ側送風機が配置されている側壁14aを第2側壁と呼ぶ。
図5は床面10の平面図である。図5はフリーストール方式の畜舎1(牛舎)を例示するが、フリーバーン方式であってもよい。ストールの列60はLst列(図では2列)あるとし、ストール列60には、Nst個(図では10個)のストール62が設けられているとする。なお、一部のストール62は水槽64となっている。ストール62と水槽64および摂餌ゾーン66を乳牛の生活ゾーン68と呼ぶ。床面10のその他のエリアは、ユーティリティゾーン70と呼ぶ。本発明の畜舎1では、床面10の生活ゾーン68を複数のエリアに分ける。ここでエリア数を「Na」とする。
今この畜舎を4つのエリアに分ける場合で説明を続けける(エリア数Na=4)。それぞれエリアA、エリアB、エリアC、エリアDとする。エリアA、エリアDには、6頭分のストール62がある。また、エリアB、エリアCでは、ストール4つ分の面積を水槽64に当てている。したがって、エリアBおよびエリアCでは、4頭分のストール62が設けられている。結果、畜舎1全体での全頭数Nは、20頭となる。
エリアを4つ設けたので、プッシュ側送風機20aおよびプル側送風機20bも各エリアに対面するものが決められる。これらの符号の後にエリアの符号をつけることで区別する。例えばエリアBのプッシュ側送風機は符号「20aB」であり、プル側送風機は「20bB」である。
なお、プッシュ側送風機20aとプル側送風機20bは連動して動作させるので、これらをまとめて送風機20と呼ぶ。したがって、送風機20Bは、エリアBを間に挟む、プッシュ側送風機20aBと、プル側送風機20bBを言う。他のエリアにおいても同様である。また、生活ゾーン68にかからない送風機20があってもよい。
各エリアには、位置センサとしてのカメラ40と温度センサ42、湿度センサ44が設けられている。また風力センサ46が設けられていてもよい。なお、エリア毎に各機器を区別する際は、それぞれの符号の後ろには、エリアの符号をつける。例えば、図5では、エリアAのカメラはカメラ40A、温度センサは温度センサ42A、湿度センサは湿度センサ44A、風力センサ46Aと記載した。また、エリアCにおいても、カメラはカメラ40C、温度センサは温度センサ42C、湿度センサは湿度センサ44C、風力センサは風力センサ46Cと記載した。エリアBおよびエリアDにおいても図には記載していない場合もあるが、同様であるとする。位置センサとしては、カメラ以外に、家畜に装着した情報端末のGPSも使用できる。
畜舎1には、制御器50が備えられている。制御器50は、カメラ40、温度センサ42、湿度センサ44と接続しており、各機器から映像信号Sa、温度情報St(温度Trに相当。)、湿度情報Sh(湿度Hrに相当。)をそれぞれ受信する。また風力センサ46がある場合は、風力情報Sw(風力vに相当。)を得てもよい。また、制御器50は、送風機20とも接続されており、それぞれの送風機20を制御信号Cfで制御することができる。
なお、送風機20へ駆動電力Wdを送信する変電機52へ制御器50から制御信号Cfを送信し、送風機20を制御するとした。しかし、制御器50から変電機52へ直接駆動電力Wdを送信してもよい。図5では、制御信号Cfは、各エリア毎の制御をするという意味で、CfA(送風機20A用の制御信号)、CfB(送風機20B用の制御信号)、CfC(送風機20C用の制御信号)、CfD(送風機20D用の制御信号)を送信するとした。なお、制御器50は1つでよい。もちろん、複数のマイクロプロセッサ(MPU)をまとめて1つの制御器50として使ってもよい。また、各エリア毎に制御器50を設けてもよい。
次に制御器50の動作を説明する。まず、各エリアの定員数Rnの数を決める。これは、各エリアの面積と、送風機20の性能で決めることができる。例えば、全頭数Nをエリア数Naで割ることで定員数Rnを求めることができる。また、エリアA、エリアC、エリアDのストールの数Stnを定員数Rnとしてもよい。以下では、ストール数Stnを各エリアの定員数Rnとする。したがって、エリアA、エリアB、エリアC、エリアDのそれぞれの定員数Rnは、6頭、4頭、4頭、6頭である。
なお、送風機20は、運転する際の駆動電力をWdとする。また、各エリア毎に送風機20は制御可能である。そして、以下の説明において送風機20を駆動電力Wdで運転することを「Fan(Wd)」と表記する。なお、送風機20は、駆動電力Wdが増加するとファンの回転数が高くなり、駆動電力Wdが減少するとファンの回転数も低くなるように制御される。この制御はインバーター制御で行われてもよい。また、この表記もエリア符号をつけることで区別してよい。例えば、エリアBの送風機20を駆動電力Wdで運転する場合は「Fan(Wd)B」と表記してよい。
図6には、制御器50の処理フローの一例を示す。処理がスタートしたら(ステップS100)、終了判断を行う(ステップS102)。終了判断は、電源オフなどで判断してよい。終了する場合(ステップS102のY分岐)は、停止する(ステップS104)。終了しない場合(ステップS102のN分岐)は、処理を次のステップS106に移す。
ステップS106以下は、エリア毎にそれぞれのステップが実行される。ステップS106では、制御器50は、各エリアのカメラ40で、エリア内の映像信号Saを取得し、温度センサ42によって、温度Trを取得し、湿度センサ44によって湿度Hrを取得する。また、風力センサ4によって風力vを取得してもよい。
次に、各エリア内の映像信号Saを画像処理し、何頭の乳牛が各エリア内にいるかをカウントし、各エリア毎の乳牛の存在数Pnを決定する(ステップS108)。そして、各エリア毎の乳牛の存在数Pnと、定員数Rnとの差Dnを求める(ステップS110)。
次に温度Trと湿度Hrに基づいて、駆動電力Wdを求める(ステップS112)。駆動電力Wdの求め方は、特に限定されない。図では任意の関数が使用できるという意味で「f(Tr,Hr)」と記載した。送風機20の定格出力における送風量、各エリアに割り当てられる台数(少なくとも1台以上)、エリアの面積、定員数Rn等で決定される。また、パラメータとして、少なくとも温度Trは用いられるが、湿度Hrおよび風力vは用いなくてもよい。
また、湿度Hrを用いる場合はTHI(温湿度指数)を用いてもよい。一般に温湿度指数THIは(1)式で求められる。
Figure 2021185759
ここでTrはエリア毎の温度(℃)でありHrはエリア毎の相対湿度(%)である。
したがって、ステップS112において、駆動電力Wdを温湿度指数に基づいて決定する場合は、Wd=f(THI(Tr,Hr))と記載できる。なお、この駆動電力Wdは、エリア内に定員数Rnだけいた場合の送風量を得るための電力である。これを「定員数電力」と呼ぶ。また、THIの代わりに風力センサ46で取得する風速vを加味した(2)式で求められる補正THIを用いてもよい。
Figure 2021185759
なおここでTrはエリア毎の温度(℃)を表し、Hrはエリア毎の相対湿度(%)を表し、vはエリア毎の風速(m/s)を表す。また偏差定数とは地域等による畜舎の環境に対応する為の数値幅を持たせた調節の値である。通常偏差定数は0から8の値をとる。
THIも補正THIもいわば、乳牛にとっての不快指数を表すと考えられている。したがって、ステップS112時点では、各センサで温度、湿度、風力を取得した際の環境を乳牛がどれくらい不快に感じるかを示す指標としてTHIや補正THIが求められる。したがって、ステップS112時点の駆動電力Wdは、不快指数が高ければ(THI若しくは補正THIの値が大きければ)、駆動電力Wdを高くし、不快指数が低ければ(THI若しくは補正THIの値が小さければ)駆動電力Wdを低くするように制御される。
次に差Dnの符号を調べる(ステップS114)。差Dnの符号がプラスであった場合(ステップS114のプラス分岐)、そのエリアには定員数Rnより多くの乳牛が集まっている。したがって、そのエリアには、定員数Rnがいる場合より多い風量を流すことが必要である。
そこで、駆動電力WdはステップS112で求めた駆動電力Wd(定員数電力)に差Dnのα倍を加えた値に修正する(ステップS116)。駆動電力Wdはそのエリアに定員数Rnがいる場合(定員数電力)よりも大きな値となる。これは送風機20の回転数が高くなる事を意味する。
差Dnの符号がマイナスであった場合(ステップS114のマイナス分岐)は、そのエリアには、定員数Rnより少ない乳牛しかない。そこで、そのエリアには、定員数Rnがいる場合より少ない風量を流すだけでよい。ステップ112で求めた駆動電力Wd(定員数電力)に差Dnのβ倍を加えた値に修正する(ステップS118)。ここで、差Dnの符号はマイナスなので、駆動電力Wdは定員数電力より小さな値となる。
差Dnがゼロであった場合(ステップS114のゼロ分岐)は、そのエリアには、定員数Rnの乳牛が存在している。したがって、定員数電力の風を流せばよい。つまり、駆動電力WdはステップS112で求めた駆動電力Wd(定員数電力)の値に設定する(ステップS120)。もちろん、駆動電力Wdに何もせずに処理のフローを移すだけでもよい。
以上のようにここでは、分散状態の好適な判断方法として、エリアに毎に設けられた家畜の定員数Rnと実際に存在している存在数Pnの差Dnとした。そして、分散状態が高ければ駆動電力を増やし、分散状態が低ければ駆動電力を減らす制御を行った。しかし、エリア毎の家畜の分散状態はこの方法に限定されるものではない。
例えば、エリア毎の存在数Pnをエリア面積で除した値を分散状態としてもよいし、個々の家畜間の距離に基づく統計値を分散状態としてもよい。なお、統計値とは、平均値、分散、標準偏差といった統計学的な指標をいう。いずれにしても、分散状態が密になれば、駆動電力を増やし、疎になれば駆動電力を減らす制御を行う。
なお、上記の修正係数α、βは、基本的に異なる値であるが、生活ゾーン68の大きさ、送風機20の出力と配置、乳牛の数、定員数Rn等の条件によっては、αとβは同じ値となることを排除しない。ただし、暑熱対策としては、αはβより大きくする方が好ましい。
次にステップS106で取得した温度Trが、冷却のために送風機20を使用とされる温度T0以上であるか否かを判断する(ステップS122)。エリア内の温度が十分に低ければ、送風機20を使用する必要はない(N分岐)。なお、ステップS122では、送風機20の使用の要否を、温湿度指数THIで判断してもよい。
すなわち、ステップS106で取得した温度Tr、湿度Hrから求められる温湿度指数をTHI(Tr,Hr)とすると、閾値の温度湿度をそれぞれT0、H0とした時の温湿度指数THI[T0,H0]を比較して、THI(Tr,Hr)がTHI[T0,H0]以上であれば、ステップS122の要件を満たしている(Y分岐)としてもよい。
なお、THI[T0,H0]は、温度T0、湿度H0の時のTHIの値そのものであり、エリア内の温度、湿度がT0、H0であることを意味するのではない。温度と湿度がそれぞれT0、H0でなくてもTHI[T0,H0]の値となる温度と湿度の組み合わせがあってもよい。また、ここでTHIの代わりに補正THIを用いて風力まで考慮してもよい。
温度Trが閾値温度T0以上であれば(ステップS122のY分岐)、駆動電力Wdで送風機20を駆動する(ステップS124)。若しくは温湿度指数THI(Tr,Hr)が閾値温湿度指数THI[T0,H0]以上であれば、駆動電力Wdで送風機20を駆動する(ステップS124)としてもよい。
温度Trが閾値温度T0以上でなければ(ステップS122のN分岐)、駆動電力Wd=Minで送風機20を駆動する(ステップS126)。若しくは温湿度指数THI(Tr,Hr)が閾値温湿度指数THI[T0,H0]以上であれば、駆動電力Wd=Minで送風機20を駆動する(ステップS126)としてもよい。ここで、駆動電力WdがMinであるとは、畜舎を換気するために最低限必要な換気量を確保するための駆動電力である。すなわち、送風機20は家畜の呼吸による発生する二酸化炭素ガスを排気するため最低換気量を維持する運転を行う。なお、駆動電量Minは各エリアの送風機20の間欠運転であってもよい。
ステップS124若しくはステップS126を実行したら、処理のフローをステップS102に戻して、再び処理を繰り返す。
以上の処理は、各エリア毎に行われる。したがって、エリアを亘って乳牛が移動した場合、頭数が定員数Rnから減ったエリアでは、定員数電力の時の風量より少ない風量を発生させる駆動電力Wdが、そのエリアの送風機20に与えられる。
一方、他のエリアから乳牛が移動してきて、定員数Rnより頭数が増えたエリアでは、定員数電力の時の風量より多い風量を発生させる駆動電力Wdがそのエリアの送風機20に与えられる。
具体的に上記の動作を図5において説明する。図5の各エリアの下方には定員数Rnと、存在数Pnを「(存在数Pn/定員数Rn)」という形で示した。具体的には、エリアAは定員数6頭に対して存在数5頭である。また、エリアBは定員数4頭に対して存在数2頭である。また、エリアCは定員数4頭に対して存在数7頭である。また、エリアDは定員数6頭に対して存在数6頭である。
エリアAおよびエリアBは、定員数Rnより存在数Pnが少ないので、ステップS114の差Drの符号はマイナスとなる。したがって、これらのエリアでは、定員数電力より少ない駆動電力が送風機20Aおよび送風機20Bに送電される。これらの送風機20のファンの回転数は定員数電力の場合の回転数より低くなる。送風量も当然少なくなる。
また、エリアCは定員数Rnより存在数Pnが多い。したがって、エリアCでは、定員数電力より大きい駆動電力が送風機20Cに送電される。送風機20Cのファンの回転数は定員数電力の場合の回転数より高くなる。送風量も当然多くなる。
また、エリアDでは定員数Rnと存在数Pnが同じである。したがって、エリアDでは、ステップS112で求めた定員数電力がそのまま駆動電力Wdとして送風機20Dに送電される。
以上のように、本発明に係る畜舎の換気システムでは、畜舎内をエリアにわけ、乳牛の分散程度を考慮して送風機の出力を制御するようにした。より具体的には、定員数Rnを定めたエリア毎の頭数をカウントして定員数Rnとの差Dnに応じて送風機の出力を変化させた。したがって、乳牛のような大きな動物であっても、エリア毎の管理が可能になった。
本発明に係る畜舎の換気システムは、乳牛を飼育する際に用いる畜舎として好適に利用することができる。
1 畜舎
10 床面
12a、12b 端壁
13a、13b 開閉扉
14a、14b 側壁
14ah 貫通孔
14bh 貫通孔
14ah、14bh 貫通孔
14at1、14at2 端
15a 狭い部分
15b 広い部分
16 屋根
20 送風機
20a、20b 送風機
20d 直径
20w 幅
20f 前面
20r 後面
20a プッシュ側送風機
20b プル側送風機
40 カメラ
42 温度センサ
44 湿度センサ
46 風力センサ
50 制御器
52 変電機
60 ストール列
62 ストール
64 水槽
66 摂餌ゾーン
68 生活ゾーン
70 ユーティリティゾーン
Sa 映像信号
St 温度情報
Sh 湿度情報
Sw 風力情報
Cf 制御信号
Wd 駆動電力
Tr 温度
Hr 湿度
v 風力
Rn 定員数
N 全頭数
Na エリア数
Stn ストール数
Pn 存在数
Dn 差

Claims (6)

  1. 畜舎内を複数のエリアに分け、
    前記エリア毎に少なくとも一台の送風機と、前記畜舎内の家畜の位置を検出する位置センサと、温度センサを設け、
    前記温度センサで検知した温度および、前記位置センサで把握した家畜の分散状態に基づき、前記送風機の運転を制御する制御器を有することを特徴とする畜舎の換気システム。
  2. さらに、湿度センサを備え、
    前記制御器は、前記送風機の運転をTHIに基づいて制御することを特徴とする請求項1に記載された畜舎の換気システム。
  3. さらに、風力センサを備え、
    前記制御器は、前記送風機の運転を補正THIに基づいて制御することを特徴とする請求項2に記載された畜舎の換気システム。
  4. 前記分散状態は、前記エリア内で定められた定員数と前記エリア内にいる存在数の差であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一の請求項に記載された畜舎の換気システム。
  5. 前記送風機は、
    前記畜舎の一対の側壁の一方側にプッシュ側送風機が設けられ、
    他方の側壁には、プル側送風機が設けられることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一の請求項に記載された畜舎の換気システム。
  6. 前記送風機はインバーター駆動であることを特徴とする請求項1乃至5何れか一の請求項に記載された畜舎の換気システム。
JP2020091328A 2020-05-26 2020-05-26 畜舎の換気システム Pending JP2021185759A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020091328A JP2021185759A (ja) 2020-05-26 2020-05-26 畜舎の換気システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020091328A JP2021185759A (ja) 2020-05-26 2020-05-26 畜舎の換気システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021185759A true JP2021185759A (ja) 2021-12-13

Family

ID=78849785

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020091328A Pending JP2021185759A (ja) 2020-05-26 2020-05-26 畜舎の換気システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021185759A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023149430A1 (ja) * 2022-02-01 2023-08-10 株式会社エヌ・ビー・エル 鶏舎換気システム及び鶏舎換気方法
WO2023229113A1 (ko) * 2022-05-27 2023-11-30 서울대학교 산학협력단 축사시설의 환기 시스템 및 환기 제어 방법

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10318572A (ja) * 1997-05-21 1998-12-04 Matsushita Seiko Eng Kk 畜舎等の換気装置
JP2014008043A (ja) * 2012-07-02 2014-01-20 Miyazaki Prefecture 家畜体の環境緩和装置
JP2015062404A (ja) * 2013-08-30 2015-04-09 パナソニックIpマネジメント株式会社 畜舎
JP2015204766A (ja) * 2014-04-18 2015-11-19 パナソニックIpマネジメント株式会社 畜舎
JP2018161079A (ja) * 2017-03-24 2018-10-18 パナソニックIpマネジメント株式会社 畜舎
US20190239484A1 (en) * 2018-02-08 2019-08-08 National Taiwan University Dairy cowshed monitoring system and method thereof

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10318572A (ja) * 1997-05-21 1998-12-04 Matsushita Seiko Eng Kk 畜舎等の換気装置
JP2014008043A (ja) * 2012-07-02 2014-01-20 Miyazaki Prefecture 家畜体の環境緩和装置
JP2015062404A (ja) * 2013-08-30 2015-04-09 パナソニックIpマネジメント株式会社 畜舎
JP2015204766A (ja) * 2014-04-18 2015-11-19 パナソニックIpマネジメント株式会社 畜舎
JP2018161079A (ja) * 2017-03-24 2018-10-18 パナソニックIpマネジメント株式会社 畜舎
US20190239484A1 (en) * 2018-02-08 2019-08-08 National Taiwan University Dairy cowshed monitoring system and method thereof

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023149430A1 (ja) * 2022-02-01 2023-08-10 株式会社エヌ・ビー・エル 鶏舎換気システム及び鶏舎換気方法
WO2023229113A1 (ko) * 2022-05-27 2023-11-30 서울대학교 산학협력단 축사시설의 환기 시스템 및 환기 제어 방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2021185759A (ja) 畜舎の換気システム
JP5866547B2 (ja) 畜舎
EP2367415A1 (en) A ventilation duct system and a method for minimizing air pollution in and/or around an animal habitat structure
Bakhtiyarovna et al. The Importance of Microclimate Indicators in the Dairy
KR200441134Y1 (ko) 축사의 배기 및 환기장치
JP6277488B2 (ja) 畜舎
JP3110491U (ja) トンネル換気式牛舎構造
KR100980735B1 (ko) 돈사의 환기시스템
Anderson Biosecurity—a new term for an old concept: how to apply it
JP6741997B2 (ja) 畜舎
US20190133070A1 (en) Environmental control apparatus for animal housing facilities
JP6906200B2 (ja) 畜舎
Hristev et al. A study of the farm factors in buildings used for farming dairy cows.
KR20080004929U (ko) 사육장 환기 시스템
JP6312070B1 (ja) 畜舎
CN215500821U (zh) 一种防止接触性疾病传播的畜禽舍
Nordlund Housing factors to optimize respiratory health of calves in naturally ventilated calf barns in winter
Halbach et al. Ensuring optimal ventilation of calf buildings
RU2482667C2 (ru) Быстровозводимое облегченное помещение для выращивания телят молочного периода
CN212520336U (zh) 一种环境自动控制猪舍
CN217470958U (zh) 一种实验动物笼具
Wójcik et al. Environmental indicators for assessing the welfare of dairy cattle housed indoors
Tasheva et al. STUDI ON THE ENVIRONMENT IN HOUSING FOR DAIRY CATTLE.
JP2013201969A (ja) 鶏の飼育装置
Nordlund Ventilation Retrofits of Calf Barns

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220719

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230322

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20230926