JP2021185129A - 植物保護剤 - Google Patents

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Kentaro Yamamoto
聡 畠山
Satoshi Hatakeyama
友紀子 瀧口
Yukiko TAKIGUCHI
賢司 梅村
Kenji Umemura
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Abstract

【課題】植物に抵抗性を誘導することを特徴とするフッ素置換ピリジン化合物を有効成分とする、薬害が軽減された植物保護剤、及び植物保護方法を提供する。【解決手段】下記式(1)で示される化合物を有効成分として含有する植物保護剤。【化1】【選択図】なし

Description

本発明は、植物保護剤に関する。より詳細には、本発明は、卵菌類による植物病害からの植物保護剤及び保護法に関する。
植物は、外部の病原菌による攻撃に対して、物理的及び化学的な抵抗性機構を進化の過程で獲得してきた。物理的な抵抗性機構とは、例えば、ワックスなどからなるクチクラ層等の被覆物、あるいは細胞壁であり、病原菌の進入障壁となるものである。一方、化学的な抵抗性機構とは、病原菌の生育を阻害するシステムであり、例えば、植物に先天的に蓄積された抵抗性因子や、誘導的に生合成及び蓄積された抵抗性因子が挙げられる。
近年、植物を病害ストレスから守るために、外部から薬剤を投与して、化学的な抵抗性機構を活性化させ、植物の耐性を向上させる試みがなされている。このような薬剤は抵抗性誘導剤と呼ぶことができ、これまでに種々の誘導剤が検討されてきた。例えば、サリチル酸やアセチルサリチル酸でタバコを処理することにより、タバコモザイクウイルス(TMV)に対する抵抗性が誘導されることが明らかにされている(非特許文献1参照)。
このように植物の抵抗性を誘導して植物病原菌あるいは植物病原細菌の感染から植物を保護することは、健全な植物を成育し、食料を確保する点で非常に有用である。しかしながら、卵菌類に対し十分な保護効果を有する抵抗性誘導剤は開発されていない。
卵菌類によって引き起こされる病害は作物の重要病害のひとつであり、殺菌剤による防除方法が一般的である。しかしながら、殺菌剤は環境負荷が大きく、植物の抵抗性を利用する保護方法が実用化されれば、安全な方法として有用性が高い。
イソニコチン酸誘導体に関しては、植物病害防除効果があることが開示されている(特許文献1〜9)。この中で特許文献1、2、7、8、9には卵菌類に対する効果が示されているが、植物病害防除効果が弱い場合があることが知られている。また、イソニコチン酸化合物は植物を枯らす作用があることが知られており(特許文献10)、植物病害防除においては薬害が発生することが知られている。
特開昭63−93766号公報 特開平1−283270号公報 特開平9−165374号公報 特開平10−95772号公報 国際公開第2005−68430号 国際公開第2008−098928号 国際公開第96−03047号 特開平1−272569号公報 国際公開第2009−11305号 国際公開第2014−124988号
R.F.White, Acetylsalicylic acid (aspirin) induces resistance to tobacco mosaic virus in tobacco, Virology, 99, 410 (1979)
本発明は、植物保護剤及び植物保護方法を提供することを課題とする。
本発明者はフッ素置換ピリジン化合物について詳細に検討した結果、病原菌に対して直接抗菌活性を示さずに、抵抗性誘導活性を示すことで植物病害に対して高い防除効果を示す化合物を見出し、本発明を完成させた。
本発明は以下の態様を含む。
[1]下記式(1)で示される化合物を有効成分として含有することを特徴とする、植物保護剤。
Figure 2021185129
[式(1)中、X及びXは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、塩素原子又はトリフルオロメチル基を示すが、X及びXのいずれか1つはフッ素原子又はトリフルオロメチル基を示し、X及びXは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、塩素原子又はメチル基であり、但し、X、X及びXのいずれか1つがフッ素原子を示すとき、他の2つのいずれか1つは水素原子を示さず、
は下記式(2)、(3)、(4)又は(5)で示される基であり、
Figure 2021185129
式(2)中、Jは酸素原子又は硫黄原子を示し、
Aは、
下記C群の基、チオール基、メトキシカルボニル基及びN−tert−ブトキシカルボニルアミノ基からなる群から選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル基、
下記C群の基から選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよい炭素数2〜8のアルケニル基、
下記C群の基から選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよい炭素数2〜8のアルキニル基、
下記C群の基から選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキルカルボニル基、
下記C群の基から選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキルオキシ基、
下記C群の基から選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキルスルホニル基、
下記D群の基、ベンジル基、フェニル基及びフェノキシ基からなる群から選ばれる1〜4個の基で置換されていてもよいフェニルカルボニル基、
下記D群の基から選ばれる1〜4個の基で置換されていてもよいフェニルスルホニル基、
下記D群の基、フェノキシ基及びベンジル基からなる群から選ばれる1〜5個の基で置換されていてもよいフェニル基、
5,6,7,8−テトラヒドロナフチル基、
ナフチル基、
下記D群の基から選ばれる1〜4個の基で置換されていてもよいヘテロ環基(ここで、ヘテロ環基は下記E群から選ばれる基である。)、又は
下記式(2A)[式(2A)中、X、X、X及びXは前記式(1)における定義に同じである。]で示される基であり、
Figure 2021185129
Aが前記式(2A)で示される基である場合、Qは、式:−O−(CH−O−で示される2価の基、式:−NH−(CH−O−で示される2価の基、式:−NH−(CH−NH−で示される2価の基、式:−O−CH−CH=CH−CH−O−で示される2価の基、式:−NH−CH−CH=CH−CH−O−で示される2価の基、式:−NH−CH−CH=CH−CH−NH−で示される2価の基、シクロヘキサン−1,4−ジイルジオキシ基、シクロヘキサン−1,4−ジイルジアミノ基、式:−NH−(シクロヘキサン−1,4−ジイル)−O−で示される2価の基、1,3−フェニレンジアミノ基、1,4−フェニレンジアミノ基、1,4−フェニレンジオキシ基、式:−NH−(1,4−フェニレン)−O−で示される2価の基、又は下記式(2B)[式(2B)中、Gは、酸素原子、硫黄原子又は式:−SO−で示される2価の基である。]で示される2価の基であり(ここで、nは2〜8の整数を示す。)、
Figure 2021185129
Aが前記式(2A)で示される基でない場合、Qは、酸素原子、硫黄原子、式:−NH−で示される2価の基、又は式:−N(CH)−で示される2価の基であり、
式(3)中、Aaは、ピペリジン−1−イル基、1−メチル−1−1H−ピロール−2−イル基、モルホリン−4−イル基、インドリン−1−イル基、ベンゾイソチアゾール−3(2H)−オン−1,1−ジオキシド−2−イル基、ピペラジン−1−イル基、アゼチジン−1−イル基、2,5−ジオキソピロリジン−1−イル基、3−オキソイソチアゾール−2(3H)−イル基、ベンゾ[d]イソチアゾール−2(3H)−イル基、1,1−ジオキソ−3−オキソベンゾ[d]イソチアゾール−2(3H)−イル基、5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イル基、1H−ピロール−2−イル基又はイソインドリン−2−イル基を示し、
式(4)中、Qbは、酸素原子、硫黄原子、式:−NH−で示される2価の基又は式:−N(CH)−で示される2価の基を示し、
Abは、水素原子、
下記C群の基、メトキシカルボニル基及びN−tert−ブトキシカルボニルアミノ基からなる群から選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、
下記C群の基から選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよい炭素数2〜8のアルケニル基、
下記C群の基から選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよい炭素数2〜8のアルキニル基、
下記C群の基から選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキルカルボニル基、
フェニルカルボニル基、又は
下記D群の基から選ばれる1〜4個の基で置換されていてもよいヘテロ環基(ここで、ヘテロ環基は下記E群から選ばれる基である。)を示し、
式(5)中、mは1〜3の整数を示し、Zは水素原子、ハロゲン原子又はメチル基を示し、
C群は、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、5−メチル−1,3−ジオキソール−2−オン−4−イル基、フェニルカルボニル基、下記D群の基から選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよいピリジル基、及び下記D群の基から選ばれる1〜4個の基で置換されていてもよいフェニル基からなる群であり、
D群は、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、メチルチオ基、1〜3個のハロゲン原子により置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、1〜3個のハロゲン原子により置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキルオキシ基、炭素数1〜4のアルキルカルボニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ベンジルアミノカルボニル基、アセトキシ基、ニトロ基、及びシアノ基からなる群であり、
E群は、ピリジル基、チアゾリル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、イソチアゾリジル基、イソキサゾリル基、ピリミジニル基、ベンズイミダゾリル基、チエニル基、フラニル基、ベンゾオキサニル基、2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イル基、ジヒドロチアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、ベンゾイソチアゾール−3(2H)−オン−1,1−ジオキジニル基、ジベンゾフラニル基、イソチアゾリル基、及びトリアゾリル基からなる群である。]
[2]前記式(1)中、X、X、X及びXが水素原子又はフッ素原子であることを特徴とする、[1]に記載の植物保護剤。
[3]前記式(1)中、X及びXがフッ素原子を示し、X又はXが水素原子であることを特徴とする、[1]又は[2]に記載の植物保護剤。
[4]前記式(1)中、X及びXがフッ素原子を示し、X及びXが水素原子であることを特徴とする、[1]〜[3]のいずれかに記載の植物保護剤。
[5]前記式(2)中、Jが酸素原子であることを特徴とする、[1]〜[4]のいずれかに記載の植物保護剤。
[6]前記式(2)中、Qが式:−NH−で示される2価の基であることを特徴とする、[1]〜[5]のいずれかに記載の植物保護剤。
[7]前記式(2)中、Qが酸素原子であることを特徴とする、[1]〜[5]のいずれかに記載の植物保護剤。
[8]前記式(2)中、Aが
前記C群の基から選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル基、
前記C群の基から選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよい炭素数2〜8のアルケニル基、
前記C群の基から選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよい炭素数2〜8のアルキニル基、
前記C群の基から選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキルカルボニル基、
前記C群の基から選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキルオキシ基、
前記D群の基、ベンジル基、フェニル基及びフェノキシ基からなる群から選ばれる1〜4個の基で置換されていてもよいフェニルカルボニル基、
前記D群の基から選ばれる1〜4個の基で置換されていてもよいフェニルスルホニル基、
前記D群の基、フェノキシ基及びベンジル基からなる群から選ばれる1〜5個の基で置換されていてもよいフェニル基、又は
前記D群の基から選ばれる1〜4個の基で置換されていてもよいヘテロ環基(ここで、ヘテロ環基は前記E群から選ばれる基である。)であることを特徴とする、[1]〜[7]のいずれか一項に記載の植物保護剤。
[9][1]〜[8]のいずれかに記載の植物保護剤を、植物体又は種子と接触させるか、あるいは栽培床に含有させることを特徴とする、植物保護方法。
本発明によれば、植物保護剤及び植物保護方法を提供することができる。本発明の植物保護剤は、優れた抵抗性誘導活性を有しており、植物の保護に有用である。
1実施形態において、本発明は、下記式(1)で示される化合物を有効成分として含有する植物保護剤を提供する。また、1実施形態において、本発明は、下記式(1)で示される化合物を提供する。
Figure 2021185129
式(1)中、X及びXは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、塩素原子又はトリフルオロメチル基を示すが、X及びXのいずれか1つはフッ素原子又はトリフルオロメチル基を示す。また、X及びXは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、塩素原子又はメチル基である。但し、式(1)中、X、X及びXのいずれか1つがフッ素原子を示すとき、他の2つのいずれか1つは水素原子を示さない。
式(1)中、X及びXはフッ素原子であることが好ましく、X及びXは水素原子又はフッ素原子であることが好ましい。
式(1)中、Xは下記式(2)、(3)、(4)又は(5)で示される基である。
Figure 2021185129
式(2)中、Jは酸素原子又は硫黄原子を示す。また、式(2)中、Aは、下記C群の基、チオール基、メトキシカルボニル基及びN−tert−ブトキシカルボニルアミノ基からなる群から選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル基;下記C群の基から選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよい炭素数2〜8のアルケニル基;下記C群の基から選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよい炭素数2〜8のアルキニル基;下記C群の基から選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキルカルボニル基;下記C群の基から選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキルオキシ基;下記C群の基から選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキルスルホニル基;下記D群の基、ベンジル基、フェニル基及びフェノキシ基からなる群から選ばれる1〜4個の基で置換されていてもよいフェニルカルボニル基;下記D群の基から選ばれる1〜4個の基で置換されていてもよいフェニルスルホニル基;下記D群の基、フェノキシ基及びベンジル基からなる群から選ばれる1〜5個の基で置換されていてもよいフェニル基;5,6,7,8−テトラヒドロナフチル基;ナフチル基;下記D群の基から選ばれる1〜4個の基で置換されていてもよいヘテロ環基(ここで、ヘテロ環基は下記E群から選ばれる基である。);又は下記式(2A)[式(2A)中、X、X、X及びXは前記式(1)における定義に同じである。]で示される基である。
Figure 2021185129
式(2)中、Aが式(2A)で示される基である場合、Qは、式:−O−(CH−O−で示される2価の基、式:−NH−(CH−O−で示される2価の基、式:−NH−(CH−NH−で示される2価の基、式:−O−CH−CH=CH−CH−O−で示される2価の基、式:−NH−CH−CH=CH−CH−O−で示される2価の基、式:−NH−CH−CH=CH−CH−NH−で示される2価の基、シクロヘキサン−1,4−ジイルジオキシ基、シクロヘキサン−1,4−ジイルジアミノ基、式:−NH−(シクロヘキサン−1,4−ジイル)−O−で示される2価の基、1,3−フェニレンジアミノ基、1,4−フェニレンジアミノ基、1,4−フェニレンジオキシ基、式:−NH−(1,4−フェニレン)−O−で示される2価の基、又は下記式(2B)[式(2B)中、Gは、酸素原子、硫黄原子又は式:−SO−で示される2価の基である。]で示される2価の基である(ここで、nは2〜8の整数を示す。)。
Figure 2021185129
式(2)中、Aが前記式(2A)で示される基でない場合、Qは、酸素原子、硫黄原子、式:−NH−で示される2価の基、又は式:−N(CH)−で示される2価の基である。
式(3)中、Aaは、ピペリジン−1−イル基、1−メチル−1−1H−ピロール−2−イル基、モルホリン−4−イル基、インドリン−1−イル基、ベンゾイソチアゾール−3(2H)−オン−1,1−ジオキシド−2−イル基、ピペラジン−1−イル基、アゼチジン−1−イル基、2,5−ジオキソピロリジン−1−イル基、3−オキソイソチアゾール−2(3H)−イル基、ベンゾ[d]イソチアゾール−2(3H)−イル基、1,1−ジオキソ−3−オキソベンゾ[d]イソチアゾール−2(3H)−イル基、5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イル基、1H−ピロール−2−イル基又はイソインドリン−2−イル基を示す。
式(4)中、Qbは、酸素原子、硫黄原子、式:−NH−で示される2価の基又は式:−N(CH)−で示される2価の基を示す。式(4)中、Abは、水素原子;下記C群の基、
メトキシカルボニル基及びN−tert−ブトキシカルボニルアミノ基からなる群から選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基;下記C群の基から選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよい炭素数2〜8のアルケニル基;下記C群の基から選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよい炭素数2〜8のアルキニル基;下記C群の基から選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキルカルボニル基;フェニルカルボニル基;又は下記D群の基から選ばれる1〜4個の基で置換されていてもよいヘテロ環基(ここで、ヘテロ環基は下記E群から選ばれる基である。)を示す。
式(5)中、mは1〜3の整数を示し、Zは水素原子、ハロゲン原子又はメチル基を示す。
C群は、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、5−メチル−1,3−ジオキソール−2−オン−4−イル基、フェニルカルボニル基、下記D群の基から選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよいピリジル基、及び下記D群の基から選ばれる1〜4個の基で置換されていてもよいフェニル基からなる群である。
D群は、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、メチルチオ基、1〜3個のハロゲン原子により置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、1〜3個のハロゲン原子により置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキルオキシ基、炭素数1〜4のアルキルカルボニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ベンジルアミノカルボニル基、アセトキシ基、ニトロ基、及びシアノ基からなる群である。
E群は、ピリジル基、チアゾリル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、イソチアゾリジル基、イソキサゾリル基、ピリミジニル基、ベンズイミダゾリル基、チエニル基、フラニル基、ベンゾオキサニル基、2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イル基、ジヒドロチアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、ベンゾイソチアゾール−3(2H)−オン−1,1−ジオキジニル基、ジベンゾフラニル基、イソチアゾリル基、及びトリアゾリル基からなる群である。
本実施形態において、炭素数1〜12のアルキル基とは、炭素数1〜12の直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルキル基を意味する。炭素数1〜12のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられ、好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、n−オクチル基等が挙げられる。
炭素数2〜8のアルケニル基とは、炭素数2〜8のアルキル基の任意の位置に1個以上の二重結合を有する直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルケニル基を意味する。炭素数2〜8のアルケニル基としては、例えば、エテニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−ブテニル基、イソプロペニル基、3−ブテニル基、4−ペンテニル基、5−ヘキセニル基、1−シクロヘキセニル基等が挙げられ、好ましくは、2−プロペニル基である。
炭素数2〜8のアルキニル基とは、炭素数2〜8のアルキル基の任意の位置に1個以上の三重結合を有する直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルキニル基を意味する。炭素数2〜8のアルキニル基としては、例えば、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、3−ブチニル基、シクロプロピルエチニル基等が挙げられ、好ましくは、2−プロピニル基である。
炭素数1〜4のアルキルオキシ基とは、炭素数1〜4の直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルキル基で置換された酸素原子からなる基を意味する。炭素数1〜4のアルキルオキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基等が挙げられ、好ましくは、メトキシ基である。
炭素数1〜8のアルキルカルボニル基とは、炭素数1〜8の直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルキル基で置換されたカルボニル基を意味する。炭素数1〜8のアルキルカルボニル基としては、例えば、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、n−プロピルカルボニル基、イソプロピルカルボニル基、n−ブチルカルボニル基、sec−ブチルカルボニル基、イソブチルカルボニル基、tert−ブチルカルボニル基、n−オクチルカルボニル基、シクロプロピルカルボニル基、シクロブチルカルボニル基、シクロペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基等が挙げられる。
炭素数1〜8のアルキルスルホニル基とは、炭素数1〜8の直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルキル基で置換されたスルホニル基を意味する。炭素数1〜8のアルキルスルホニル基としては、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、n−プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、n−ブチルスルホニル基、sec−ブチルスルホニル基、イソブチルスルホニル基、tert−ブチルスルホニル基、n−オクチルスルホニル基、シクロプロピルスルホニル基、シクロブチルスルホニル基、シクロペンチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基等が挙げられる。
5,6,7,8−テトラヒドロナフチル基としては、例えば5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−イル基、5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル基等が挙げられる。
ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子である。
式:−NH−(シクロヘキサン−1,4−ジイル)−O−で示される2価の基とは、シクロヘキサン環の1位及び4位にそれぞれ式:−NH−で示される基及び酸素原子が結合した2価の基である。
式:−NH−(1,4−フェニレン)−O−で示される2価の基とは、ベンゼン環の1位及び4位にそれぞれ式:−NH−で示される基及び酸素原子が結合した2価の基である。
本明細書において、特に断りがない場合、構造式中の原子及び/又は基を結合する記号「−」は単結合を示し、「=」は二重結合を示す。例えば、式(1)において記号「−」は全て単結合を示し、記号「=」は全て二重結合を示す。また、例えば式(2)において、Qが式:−O−(CH−O−で示される2価の基、式:−NH−(CH−O−で示される2価の基、式:−NH−(CH−NH−で示される2価の基、式:−O−CH−CH=CH−CH−O−で示される2価の基、式:−NH−CH−CH=CH−CH−O−で示される2価の基、式:−NH−CH−CH=CH−CH−NH−で示される2価の基、シクロヘキサン−1,4−ジイルジオキシ基、シクロヘキサン−1,4−ジイルジアミノ基、式:−NH−(シクロヘキサン−1,4−ジイル)−O−で示される2価の基、1,3−フェニレンジアミノ基、1,4−フェニレンジアミノ基、1,4−フェニレンジオキシ基、式:−NH−(1,4−フェニレン)−O−で示される2価の基、又は式(2B)で示される2価の基である場合、これらの基における記号「−」は全て単結合を示し、記号「=」は全て二重結合を示す。
D群において、1〜3個のハロゲン原子により置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基とは、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、メトキシ基、エトキシ基等が挙げられる。
D群において、1〜3個のハロゲン原子により置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキルオキシ基とは、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、トリフルオロメチルオキシ基、クロロメチルオキシ基等が挙げられる。
式(2)において、Aのより好ましい態様は、C群の基から選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基;C群の基から選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよい炭素数2〜3のアルケニル基;C群の基から選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよい炭素数2〜3のアルキニル基、又はD群の基から選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよいフェニル基である。
式(2)において、Jのより好ましい態様は、酸素原子である。
式(2)において、Qのより好ましい態様は、酸素原子、又は式:−NH−で示される2価の基である。
式(1)で示される化合物は、水和物又は任意の溶媒和物として存在する場合があるが、これらの水和物又は溶媒和物も本実施形態に包含される。また、式(1)で示される化合物は、不斉炭素を有する場合があるが、これらの不斉炭素は任意の立体配置であってもよい。これらの不斉炭素に基づく純粋な形態の光学異性体又はジアステレオ異性体等の立体異性体、任意の立体異性体の混合物、ラセミ体等はいずれも本実施形態に包含される。また、式(1)で示される化合物は、1以上の二重結合を有する場合があり、二重結合又は環構造に由来する幾何異性体も存在する場合がある。純粋な形態の任意の幾何異性体又は任意の幾何異性体の混合物も本実施形態に包含されることはいうまでもない。
次に本実施形態の化合物の製造法について説明する。本実施形態の化合物は、例えば以下のA〜Kの方法にしたがって製造されるが、本実施形態化合物の製造方法はこれらに限定されるものではない。
[A法]
Figure 2021185129
式(1)で示される化合物のうち式(2’)で示される化合物は、式(51)の化合物(式(51)中、X、X、X及びXは、式(1)における定義に同じである。)と式(52)の化合物(式(52)中、Aは、式(2)における定義に同じであり、Q’は酸素原子、硫黄原子、式:−NH−で示される2価の基、又は式:−N(CH)−で示される2価の基を示す。)を塩基の存在下又は非存在下、縮合剤存在下で反応させることにより製造される。
出発原料である式(51)で示される化合物としては、市販されている試薬を用いてもよいし、合成した化合物を用いてもよい。式(51)で示される化合物は、例えば、特開昭63−93766号公報、特開平1−283270号公報、R. E. Banks, et al., Heterocyclic polyfluoro-compounds. Part XII. Synthesis and some reactions of 2,3,5,6-tetrafluoro-4-iodopyridine, J. Chem. Soc. (C), 2091-2095 (1967)等に記載された方法で合成することができる。
反応に用いられる溶媒は、例えばジクロロメタン、クロロホルム、アセトニトリル、酢酸エチル、トルエン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン及びジメチルスルホキシド等が挙げられる。
反応に用いられる縮合剤は、例えば1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド等が挙げられる。
反応に用いられる塩基は、例えば4−ジメチルアミノピリジンが挙げられる。塩基の使用量はカルボン酸(51)を基準に0.01〜1.2当量の範囲である。
縮合剤の使用量はカルボン酸(51)を基準に1.0〜1.2当量の範囲である。式(52)の化合物の使用量はカルボン酸(51)を基準に1.0〜1.2当量の範囲である。
反応温度は例えば0〜60℃の範囲で選択され、好ましくは10〜40℃の範囲である。反応時間は例えば10分〜24時間の範囲であり、好ましくは30分〜4時間の範囲である。
[B法]
Figure 2021185129
式(1)で示される化合物のうち式(2’)で示される化合物は、式(51)の化合物(式(51)中、X、X、X及びXは、式(1)における定義に同じである。)から式(53)の化合物(式(53)中、X、X、X及びXは、式(1)における定義に同じである。)を経由する下記の方法によっても製造できる。
まず第1工程において、式(51)の化合物を塩素化することにより式(53)の化合物を製造する。
反応に用いられる溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、トルエン、酢酸エチル、ジクロロメタン、クロロホルム、アセトニトリル等が挙げられるが、無溶媒で行うこともできる。
反応に用いられる塩素化剤としては、例えば塩化チオニル、塩化オキザリル等が挙げられる。塩素化剤の使用量は式(51)の化合物を基準に1〜5当量の範囲である。反応温度は、例えば−20〜100℃の範囲であり、好ましくは10℃〜80℃の範囲である。反応時間は10分〜6時間の範囲であり、好ましくは30分〜2時間の範囲である。
次に、第2工程において、式(53)の化合物と式(52)の化合物を塩基存在下で反応させることにより式(2’)で示される化合物を製造することができる。
反応に用いられる溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、トルエン、酢酸エチル、アセトニトリル、ジクロロメタン、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド及びこれらの混合溶媒が挙げられる。
反応に用いられる塩基は、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。塩基の使用量はカルボン酸塩化物(53)を基準に1〜10当量の範囲である。
式(52)で示される化合物の使用量はカルボン酸塩化物(53)を基準に、1〜2当量の範囲である。反応温度は、例えば−20〜100℃の範囲であり、好ましくは10℃〜50℃の範囲である。反応時間は10分〜6時間の範囲であり、好ましくは30分〜3時間の範囲である。
また、式(2’)で示される化合物は、式(53)で示される化合物を単離せずに同一容器内で、式(51)で示される化合物に溶媒、塩素化剤、式(52)で示される化合物、及び塩基を加えて反応させることによっても製造することができる。
[C法]
Figure 2021185129
式(1)で示される化合物のうち式(55)で示される化合物は、式(51)の化合物(式(51)中、X、X、X及びXは、式(1)における定義に同じである。)と式(54)の化合物(式(54)中、Aは、式(2)における定義に同じであり、Xはハロゲン原子を示す。)を塩基存在下で反応させることにより製造することができる。
反応に用いられる溶媒は、例えばテトラヒドロフラン、トルエン、酢酸エチル、アセトニトリル、ジクロロメタン、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
反応に用いられる塩基は、例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。塩基の使用量はカルボン酸(51)を基準に、1.0〜1.5当量の範囲である。
式(54)で示される化合物の使用量はカルボン酸(51)を基準に1〜2当量の範囲である。反応温度は、例えば−20〜120℃の範囲であり、好ましくは10〜80℃の範囲である。反応時間は10分〜8時間の範囲であり、好ましくは30分〜6時間の範囲である。
[D法]
Figure 2021185129
式(1)で示される化合物のうち式(55)で示される化合物は、式(51)で示される化合物(式(51)中、X、X、X及びXは、式(1)における定義に同じである。)と式(56)で示される化合物(式(56)中、Aは、式(2)における定義に同じである。)を酸存在下で反応させることによっても製造できる。
反応に用いられる溶媒は、例えばテトラヒドロフラン、トルエン、酢酸エチル、アセトニトリル、ジクロロメタン、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等が挙げられるが、無溶媒で反応を行うこともできる。
式(56)で示される化合物の使用量はカルボン酸(51)を基準に1〜10当量の範囲である。反応に用いられる酸は、硫酸、塩化水素等が挙げられ、酸の使用量はカルボン酸(51)を基準に、0.01〜3当量の範囲である。反応温度は、例えば−20〜120℃の範囲であり、好ましくは10〜90℃の範囲である。反応時間は10分〜8時間の範囲であり、好ましくは30分〜6時間の範囲である。
[E法]
Figure 2021185129
式(1)で示される化合物のうち式(71)で示される化合物は、式(51)で示される化合物(式(51)中、X、X、X及びXは、式(1)における定義に同じである。)と式(57)で示される化合物(式(57)中、Q’は、酸素原子、硫黄原子、式:−NH−で示される2価の基、又は式:−N(CH)−で示される2価の基であり、Eは、式:−(CH−で示される2価の基(ここで、nは2〜4の整数を示す。)、式:−CH−CH=CH−CH−で示される2価の基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基、1,4−フェニレン基、又は下記式(2B’)で示される2価の基(式(2B’)中、Gは酸素原子、硫黄原子又は式:−SO−で示される2価の基を示す。))を塩基の存在下又は非存在下、縮合剤存在下で反応させることにより製造することができる。
Figure 2021185129
反応に用いられる溶媒は、例えばジクロロメタン、クロロホルム、アセトニトリル、酢酸エチル、トルエン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、及びジメチルスルホキシド等が挙げられる。
反応に用いられる縮合剤は、例えば1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド等が挙げられる。
反応に用いられる塩基は、例えば4−ジメチルアミノピリジンが挙げられる。塩基の使用量はカルボン酸(51)を基準に0.01〜1.2当量の範囲である。
縮合剤の使用量はカルボン酸(51)を基準に1.0〜1.2当量の範囲である。式(57)で示される化合物の使用量はカルボン酸(51)を基準に0.5〜0.6当量の範囲である。反応温度は例えば0〜60℃の範囲であり、好ましくは10〜40℃の範囲である。反応時間は10分〜24時間の範囲であり、好ましくは30分〜18時間の範囲である。
[F法]
Figure 2021185129
式(1)で示される化合物のうち式(71)で示される化合物は、式(53)で示される化合物(式(53)中、X、X、X及びXは、式(1)における定義に同じである。)と式(57)で示される化合物(式中、Q’及びEは、前記E法における式(57)の定義に同じである。)を塩基存在下反応させることによっても製造することができる。
反応に用いられる溶媒は、例えばテトラヒドロフラン、トルエン、酢酸エチル、アセトニトリル、ジクロロメタン、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド及びこれらの混合物が挙げられる。
反応に用いられる塩基は、例えばトリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。塩基の使用量はカルボン酸塩化物(53)を基準に1〜10当量の範囲である。
式(57)で示される使用量はカルボン酸塩化物(53)を基準に、0.5〜0.6当量の範囲である。反応温度は、例えば−20〜100℃の範囲であり、好ましくは10〜50℃の範囲である。反応時間は10分〜6時間の範囲であり、好ましくは30分〜4時間の範囲である。
[G法]
Figure 2021185129
式(1)で示される化合物のうち式(59)で示される化合物は、式(51)で示される化合物(式(51)中、X、X、X及びXは、式(1)における定義に同じである。)と式(58)で示される化合物(式(58)中、Xはハロゲン原子を示し、Eは、前記E法における式(57)の定義に同じである。)を塩基存在下反応させることにより製造することができる。
反応に用いられる溶媒は、例えばテトラヒドロフラン、トルエン、酢酸エチル、アセトニトリル、ジクロロメタン、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
反応に用いられる塩基は、例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。塩基の使用量はカルボン酸(51)を基準に、1.0〜1.1当量の範囲である。
式(58)で示される化合物の使用量はカルボン酸(51)を基準に0.5〜0.6当量の範囲である。反応温度は、−20〜120℃で、好ましくは10〜80℃の範囲である。反応時間は10分〜8時間の範囲であり、好ましくは30分〜6時間の範囲である。
[H法]
Figure 2021185129
式(1)で示される化合物のうち式(3’)で示される化合物は、式(51)で示される化合物(式(51)中、X、X、X及びXは、式(1)における定義に同じである。)と式(60)で示される化合物(式(60)中、Aaは、式(3)における定義に同じである。)を塩基の存在下又は非存在下、縮合剤存在下で反応させることにより製造することができる。
反応に用いられる溶媒は、例えばジクロロメタン、クロロホルム、アセトニトリル、酢酸エチル、トルエン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
反応に用いられる縮合剤は、例えば1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド等が挙げられる。
反応に用いられる塩基は、例えば4−ジメチルアミノピリジンが挙げられる。塩基の使用量はカルボン酸(51)を基準に0.01〜1.2当量の範囲である。
縮合剤の使用量はカルボン酸(51)を基準に1.0〜1.2当量の範囲である。式(60)で示される化合物の使用量はカルボン酸(51)を基準に1.0〜1.2当量の範囲である。反応温度は0〜60℃の範囲であり、好ましくは10〜40℃の範囲である。反応時間は10分〜6時間の範囲であり、好ましくは30分〜3時間の範囲である。
[I法]
Figure 2021185129
式(1)で示される化合物のうち式(3’)で示される化合物は、式(53)で示される化合物(式(53)中、X、X、X及びXは、式(1)における定義に同じである。)と式(60)で示される化合物(式(60)中、Aaは、式(3)における定義に同じである。)を塩基存在下反応させることによっても製造することができる。
反応に用いられる溶媒は、例えばテトラヒドロフラン、トルエン、酢酸エチル、アセトニトリル、ジクロロメタン、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド及びこれらの混合溶媒が挙げられる。
反応に用いられる塩基は、例えばトリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。塩基の使用量はカルボン酸塩化物(53)を基準に1〜10当量の範囲である。
式(60)で示される化合物の使用量はカルボン酸塩化物(53)を基準に、1〜2当量の範囲である。反応温度は、−20〜100℃の範囲であり、好ましくは10〜50℃の範囲である。反応時間は10分〜6時間の範囲であり、好ましくは30分〜4時間の範囲である。
[J法]
Figure 2021185129
式(1)で示される化合物のうち式(4’)で示される化合物は、式(51)で示される化合物(式(51)中、X、X、X及びXは、式(1)における定義に同じである。)から式(61)で示される化合物(式(61)中、X、X、X及びXは、式(1)における定義に同じである。)を経由する下記の方法により製造することができる。
まず、第1工程において、式(51)で示される化合物を還元することにより式(61)で示される化合物を製造することができる。
反応に用いられる溶媒は、例えばテトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、ジクロロメタン、クロロホルム、トルエン等が挙げられる。
反応に用いられる還元剤は、例えばボラン−テトラヒドロフラン錯体、ボラン−ジメチルスルフィド錯体等が挙げられる。還元剤の使用量は式(51)で示される化合物を基準に3〜6当量の範囲である。
反応温度は−20〜80℃の範囲であり、好ましくは0〜40℃の範囲である。反応時間は10分〜8時間の範囲であり、好ましくは30分〜6時間の範囲である。
次に、第2工程において、式(61)で示される化合物と式(54)で示される化合物(式(54)中、Abは、式(4)における定義に同じであり、Xはハロゲン原子を示す。)を塩基存在下で反応させることにより式(4’)で示される化合物を製造することができる。
反応に用いられる溶媒は、例えばテトラヒドロフラン、トルエン、酢酸エチル、アセトニトリル、ジクロロメタン、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド及びこれらの混合物が挙げられる。
反応に用いられる塩基は、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。塩基の使用量は式(61)で示される化合物を基準に1〜10当量の範囲である。
式(54)で示される化合物の使用量は式(61)で示される化合物を基準に、1〜2当量の範囲である。反応温度としては、−20〜100℃の範囲であり、好ましくは10〜60℃の範囲である。反応時間は10分〜6時間の範囲であり、好ましくは30分〜3時間の範囲である。
[K法]
Figure 2021185129
式(1)で示される化合物のうち式(5’)で示される化合物は、式(53)で示される化合物(式(53)中、X、X、X及びXは、式(1)における定義に同じである。)と式(62)で示される化合物(式(62)中、Xはハロゲン原子を示し、Lは、水素原子及び炭素数1〜4のアルキル基を示す。)を塩基存在下反応させることにより製造することができる。
反応に用いられる溶媒は、例えばテトラヒドロフラン、トルエン、酢酸エチル、アセトニトリル、ジクロロメタン、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド及びこれらの混合溶媒が挙げられる。
反応に用いられる塩基は、例えばトリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。塩基の使用量はカルボン酸塩化物(53)を基準に1〜10当量の範囲である。
式(62)の使用量はカルボン酸塩化物(53)を基準に1〜2当量の範囲である。反応温度は−20〜100℃の範囲であり、好ましくは10〜90℃の範囲である。反応時間は10分〜10時間の範囲であり、好ましくは30分〜8時間の範囲である。
[L法]
Figure 2021185129
式(1)で示される化合物のうち式(3’)で示される化合物は、式(53)で表される化合物(式(53)中、X、X、X及びXは、式(1)における定義に同じである。)と式(60)で表される化合物(式(60)中、Aaは、式(3)における定義に同じである。)を酸存在下又は非存在下反応させることによっても製造することができる。
反応に用いられる溶媒は、例えばトルエン、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ニトロメタン、ニトロベンゼン及びこれらの混合溶媒が挙げられるが、無溶媒でも行うことができる。
反応に用いられる酸としては、例えば三塩化アルミニウム、三臭化アルミニウム、ランタノイドトリフラート、ゼオライト、硫酸、リン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、塩酸、パラトルエンスルホン酸、三塩化鉄、二塩化亜鉛、ポリリン酸、四塩化チタン、四臭化チタン、塩化すず、トリフルオロメタンスルホン酸亜鉛等が挙げられる。酸の使用量はカルボン酸塩化物(53)を基準に0.01〜10当量の範囲である。
式(60)で表される化合物の使用量はカルボン酸塩化物(53)を基準に、0.5〜2当量の範囲である。反応温度は、−20〜250℃の範囲であり、好ましくは10〜100℃の範囲である。反応時間は10分〜48時間の範囲であり、好ましくは30分〜16時間の範囲である。
[式(2’’)で示される具体的な化合物]
式(1)で示される化合物のうち式(2’’)で示される化合物の具体的な態様を下記表1〜8に示す。
式(2’’)で示される具体的な化合物としては、X、X、X及びXが下記表1に示される置換基の組み合わせであり、Q及びAが表2〜表8で示される置換基の組み合わせである化合物が挙げられる。また、Jは酸素原子又は硫黄原子を示す。
以下、本明細書において、以下の略語を用いる場合がある。
n:ノルマル
sec:セカンダリー
tert:ターシャリー
Figure 2021185129
Figure 2021185129
Figure 2021185129
Figure 2021185129
Figure 2021185129
Figure 2021185129
Figure 2021185129
Figure 2021185129
Figure 2021185129
式(2’’)で示される化合物のうち、Aが式(2A)で示される基である化合物としては、X、X、X及びXが下記表9に示される置換基の組み合わせであり、Qが、式:−O−(CH−O−で示される2価の基、式:−NH−(CH−O−で示される2価の基、式:−NH−(CH−NH−で示される2価の基、式:−O−CH−CH=CH−CH−O−で示される2価の基、式:−NH−CH−CH=CH−CH−O−で示される2価の基、式:−NH−CH−CH=CH−CH−NH−で示される2価の基、シクロヘキサン−1,4−ジイルジオキシ基、シクロヘキサン−1,4−ジイルジアミノ基、式:−NH−(シクロヘキサン−1,4−ジイル)−O−で示される2価の基、1,3−フェニレンジアミノ基、1,4−フェニレンジアミノ基、1,4−フェニレンジオキシ基、式:−NH−(1,4−フェニレン)−O−で示される2価の基、又は式(2B)で示される2価の基である化合物が挙げられる。
Figure 2021185129
Figure 2021185129
[式(3’)で示される具体的な化合物]
式(1)で示される化合物のうち式(3’)で示される化合物の具体的な態様を下記表10に示す。
式(3’)で示される具体的な化合物としては、X、X、X及びXが下記表10に示される置換基の組み合わせであり、Aaが、ピペリジン−1−イル基、1−メチル−1−1H−ピロール−2−イル基、モルホリン−4−イル基、インドリン−1−イル、ベンゾイソチアゾール−3(2H)−オン−1,1−ジオキシド−2−イル、ピペラジン−1−イル基、アゼチジン−1−イル基、2,5−ジオキソピロリジン−1−イル基、3−オキソイソチアゾール−2(3H)−イル基、ベンゾ[d]イソチアゾール−2(3H)−イル基、1,1−ジオキソ−3−オキソベンゾ[d]イソチアゾール−2(3H)−イル基、5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イル基、1H−ピロール−2−イル基又はイソインドリン−2−イル基である化合物が挙げられる。
Figure 2021185129
Figure 2021185129
[式(5’)で示される具体的な化合物]
式(1)で示される化合物のうち式(5’)で示される化合物の具体的な態様を下記表11及び12に示す。
式(5’)で示される具体的な化合物としては、X、X、X及びXが下記表11に示される置換基の組み合わせであり、Zの置換基及びその置換位置、並びにmが、下記表12に示す組み合わせである化合物が挙げられる。
Figure 2021185129
Figure 2021185129
Figure 2021185129
[植物病原体]
本実施形態の植物保護剤が防除の対象とする植物病原体としては、特に限定されるものではないが、例えば真菌、細菌、放線菌、ウイルス等が挙げられ、特に卵菌類が挙げられる。
植物病原真菌としては、例えば、野菜類苗立枯病菌(Pythium ultimum)、野菜類立枯病菌(Rhizoctonia solani)、ウリ類つる割病菌(Fusarium oxysporum)、野菜類萎凋病菌(Fusarium oxysporum)、ウリ類ホモプシス根腐病菌(Phomopsis sclerotioides)、アブラナ科野菜根こぶ病菌(Plasmodiophora brassicae)、ジャガイモ粉状そうか病菌(Spongospora subterranea)、果樹紫紋羽病菌(Helicobasidum mompa)、果樹白紋羽病菌(Rosellinia necatrix)、ダイズ白絹病菌(Sclerotium rolfsii)、トマト褐色根腐病菌(Pyrenochaeta lycopersici)、コムギ条斑病菌(Cephalosporium gramineum)、ダイズ落葉病菌(Phialophora gregata)、ダイズ茎疫病菌(Phytophthora sojae)、ダイズ黒根腐病菌(Cylindrocladium crotalariae)、雪腐褐色小粒菌核病菌(Typhula incarnata)、雪腐黒色小粒菌核病菌(Typhula ishikariensis)、テンサイ苗立枯病菌(Aphanomyces cochlioides)、タバコ黒根病菌(Thielaviopsis basicola)、コムギ立枯病菌(Gaeumanonomyces graminis)、ナシ黒斑病菌(Alternaria alternata)、ナシ黒斑病菌(Alternaria kikutiana)、灰色かび病菌(Botrytis cinerea)、イネごま葉枯病菌(Cochliobolus miyabeanus)、ジャガイモ炭疽病菌(Colletotrichum atramentarium)、キュウリ灰色疫病菌(Phytophthora capsici)、キュウリ炭疽病菌(Colletotrichum lagenarium)、トマト萎ちょう病菌(Fusarium oxysporum f. sp. lycopersici)、イネばか苗病菌(Gibberella fujikuroi)、ブドウべと病菌(Plasmopara viticola)、ブドウ晩腐病菌(Glomerella cingulata)、イネいもち病菌(Pyricularia oryzae)、イネ苗立枯病菌(Pythium graminicola)、トマト小粒菌核病菌(Sclerotinia minor)、ジャガイモ半身萎ちょう病菌(Verticillium albo−atrum)、コムギ赤さび病菌(Puccinia recondita)、オオムギうどんこ病菌(Erysiphe graminis)、ジャガイモ疫病菌(Phytophthora infestans)、キュウリべと病菌(Pseudoperonospora cubensis)、キュウリうどんこ病菌(Sphaerotheca fuliginea)、スイカ疫病菌(Phytophthora cryptogea)、トマト輪紋病菌(Alternaria solani)、ダイコン白さび病菌(Alburo macrospora)、野菜類菌核病菌(Sclerotinia sclerotiorum)、リンゴ黒星病菌(Venturia inaequalis)、モモ灰星病菌(Monilinia fructicola)、イチゴ炭疸病菌(Colletotrichum gloeosporioides)、ダイズ紫斑病菌(Cercospora kikuchii)、テンサイ褐斑病菌(Cercospora beticola)、コムギふ枯病菌(Leptosphaeria nodorum)、コムギうどんこ病菌(Blumeria graminis)、キャベツ苗立枯病菌(Pythium zingiberis)、タマネギべと病菌(Peronospora destructor)、トウモロコシ斑点病菌(Physoderma maydis)等が挙げられる。前記植物病原真菌の特に好ましい例としては、ジャガイモ疫病菌(Phytophthora infestans)、キュウリべと病菌(Pseudoperonospora cubensis)、ブドウべと病菌(Plasmopara viticola)、キュウリ灰色疫病菌(Phytophthora capsici)、イネ苗立枯病菌(Pythium graminicola)、キャベツ苗立枯病菌(Pythium zingiberis)、タマネギべと病菌(Peronospora destructor)、ダイコン白さび病菌(Alburo macrospora)、スイカ疫病菌(Phytophthora cryptogea)、野菜類苗立枯病菌(Pythium ultimum)、トウモロコシ斑点病菌(Physoderma maydis)、ダイズ茎疫病菌(Phytophthora sojae)が挙げられる。
また、植物病原細菌としては、例えばPseudomonas属、Erwinia属、Pectobacterium属、Xanthomonas属、Burkholderia属、Streptomyces属、Ralstonia属、Clavibacter属、Rhizomonas属、Agrobacterium属、Bacillus属、Clostridium属、Curtobacterium属、Pantoea属、Acidovorax属、Arthrobacter属、Rhodococcus属等が挙げられる。前記植物病原細菌の好ましい例としては、Pseudomonas属、Agrobacterium属、Ralstonia属、Erwinia属が挙げられる。
植物病原放線菌としては、Streptomyces属が挙げられる。
さらに、植物病原ウイルスとしては、ムギ類萎縮ウイルス(Soil−borne wheatmosaic virus)、ダイズモザイクウイルス(Soybean mosaic virus)、アルファルファモザイクウイルス(Alfalfa mosaic virus)、ジャガイモ葉巻ウイルス(Potato leaf roll virus)、キュウリモザイクウイルス(Cucumber mosaic virus)、タバコモザイクウイルス(Tobacco mosaic virus)等が挙げられる。
本実施形態の植物保護剤は、式(1)で示される化合物を有効成分として含有する。本明細書において、「式(1)で示される化合物を有効成分として含有する」とは、式(1)で示される化合物を、植物保護効果が得られる程度の量含有することを意味し、式(1)で表される化合物を、フリー体、水和物、任意の溶媒和物、塩等の形態で活性成分として含むものであれば、その含有量は特に限定されない。
本実施形態の植物保護剤を、農園芸用病害保護剤の有効成分として用いる場合には、上述した化合物をそのまま用いてもよいし、農園芸用病害保護剤の常法にしたがって、農園芸用として許容される担体、例えば、固体担体、液体担体、ガス状担体、界面活性剤、分散剤と混合して、乳剤、液剤、懸濁剤、水和剤、粉剤、粒剤、錠剤、油剤、エアゾール、フロアブル剤等の任意の剤型の植物保護用組成物(製剤)の形態で用いてもよい。植物保護用組成物は、その他の製剤用補助剤を更に含有していてもよい。
使用可能な担体としては、液体担体、固体担体、ガス状担体、界面活性剤、分散剤等が挙げられる。また、製剤用補助剤としては、植物保護用組成物に通常用いられるものが挙げられる。
固体担体としては、例えば粘土類(カリオンクレー、珪藻土、ベントナイト、酸性白土等)、合成含水酸化珪素、タルク、セラミック、その他の無機鉱物(セリナイト、石英、硫黄、活性炭、炭酸カルシウム、水和シリカ等)等の微粉末や粒状物、でんぷん、乳糖、塩化ビニル系重合体、ポリウレタン等の合成ポリマーが挙げられる。
液体担体としては、例えば、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセリン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、芳香族炭化水素類(ベンジルアルコール、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メチルナフタレン等)、脂肪族炭化水素類(パラフィン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、ケロシン、灯油等)、エーテル類(ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、エステル類(炭酸プロピレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸ベンジル、ミスチリン酸イソプロピル、プロピレングリコールの脂肪酸エステル等)、ニトリル類(アセトニトリル、イソブチロニトリル等)、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン、トリクロロエタン、四塩化炭素等)、ダイズ油、綿実油等の動植物油類、ジメチルスルホキシド、シリコーンオイル、高級脂肪酸、グリセロールホルマール、水等が挙げられる。
ガス状担体としてはLPG、空気、窒素、炭酸ガス、ジメチルエーテル等が挙げられる。
乳化、分散、展着等のための界面活性剤、分散剤としては、例えばアルキル硫酸エステル類、アルキル(アリール)スルホン酸塩類、ポリオキシアルキレンアルキル(アリール)エーテル類、多価アルコールエステル類、リグニンスルホン酸塩等が用いられる。更に、製剤の性状を改善するための補助剤としては、例えばカルボキシメチルセルロース、アラビアガム、ポリエチレングリコール、ステアリン酸カルシウム等が用いられる。
上記の担体、界面活性剤、分散剤、及び補助剤は、必要に応じて各々単独で、あるいは組み合わせて用いることができる。
植物保護用組成物中の植物保護剤(式(1)で示される化合物)の含有量は、特に限定されず、例えば、乳剤では通常1〜50質量%、水和剤では通常1〜50質量%、粉剤では通常0.1〜30質量%、粒剤では通常0.1〜15質量%、油剤では通常0.1〜10質量%、エアゾールでは通常0.1〜10質量%である。
本実施形態の植物保護剤又は植物保護用組成物は、そのまま用いてもよく、必要に応じて希釈して用いてもよい。
植物保護剤又は植物保護用組成物は、他の有害生物防除剤と共に用いることができ、例えば、抵抗性誘導剤及び他の有害生物防除剤を混合して散布してもよいし、別々に時間差を設けて又は同時に散布してもよい。
他の有害生物防除剤としては、例えば、殺虫剤、殺菌剤、殺ダニ剤、除草剤、植物成長調節剤、肥料等が挙げられ、具体的には、例えば、ペスティサイド マニュアル(The Pesticide Manual、第17版 The British Crop Protection Council 発行)及びシブヤインデックス(SHIBUYA INDEX 第17版、2014年、SHIBUYA INDEX RESEARCH GROUP 発行)に記載のものが挙げられる。
前記殺虫剤としては、例えば、アセフェート(acephate)、ジクロルボス(dichlorvos)、EPN、フェニトロチオン(fenitrothion)、フェナミホス(fenamifos)、プロチオホス(prothiofos)、プロフェノホス(profenofos)、ピラクロホス(pyraclofos)、クロルピリホスメチル(chlorpyrifos−methyl)、クロルフェンビンホス(chlorfenvinphos)、デメトン(demeton)、エチオン(ethion)、マラチオン(malathion)、クマホス(coumaphos)、イソキサチオン(isoxathion)、フェンチオン(fenthion)、ダイアジノン(diazinon)、チオジカルブ(thiodicarb)、アルジカルブ(aldicarb)、オキサミル(oxamyl)、プロポキスル(propoxur)、カルバリル(carbaryl)、フェノブカルブ(fenobucarb)、エチオフェンカルブ(ethiofencarb)、フェノチオカルブ(fenothiocarb)、ピリミカーブ(pirimicarb)、カルボフラン(carbofuran)、カルボスルファン(carbosulfan)、フラチオカルブ(furathiocarb)、ヒキンカルブ(hyquincarb)、アラニカルブ(alanycarb)、メソミル(methomyl)、ベンフラカルブ(benfuracarb)、カルタップ(cartap)、チオシクラム(thiocyclam)、ベンスルタップ(bensultap)、ジコホル(dicofol)、テトラジホン(tetradifon)、アクリナトリン(acrinathrin)、ビフェントリン(bifenthrin)、シクロプロトリン(cycloprothrin)、シフルトリン(cyfluthrin)、ジメフルトリン(dimefluthrin)、エンペントリン(empenthrin)、フェンフルトリン(fenfluthrin)、フェンプロパトリン(fenpropathrin)、イミプロトリン(imiprothrin)、メトフルトリン(metofluthrin)、ペルメトリン(permethrin)、フェノトリン(phenothrin)、レスメトリン(resmethrin)、テフルトリン(tefluthrin)、テトラメトリン(tetramethrin)、トラロメトリン(tralomethrin)、トランスフルトリン(transfluthrin)、シペルメトリン(cypermethrin)、デルタメトリン(deltamethrin)、シハロトリン(cyhalothrin)、フェンバレレート(fenvalerate)、フルバリネート(fluvalinate)、エトフェンプロックス(ethofenprox)、フルフェンプロックス(flufenprox)、ハルフェンプロックス(halfenprox)、シラフルオフェン(silafluofen)、シロマジン(cyromazine)、ジフルベンズロン(diflubenzuron)、テフルベンズロン(teflubenzuron)、フルシクロクスロン(flucycloxuron)、フルフェノクスロン(flufenoxuron)、ヘキサフルムロン(hexaflumuron)、ルフェヌロン(lufenuron)、ノバルロン(novaluron)、ペンフルロン(penfluron)、トリフルムロン(triflumuron)、クロルフルアズロン(chlorfluazuron)、ジアフェンチウロン(diafenthiuron)、メトプレン(methoprene)、フェノキシカルブ(fenoxycarb)、ピリプロキシフェン(pyriproxyfen)、ハロフェノジド(halofenozide)、テブフェノジド(tebufenozide)、メトキシフェノジド(methoxyfenozide)、クロマフェノジド(chromafenozide)、ジシクラニル(dicyclanil)、ブプロフェジン(buprofezin)、ヘキシチアゾクス(hexythiazox)、アミトラズ(amitraz)、クロルジメホルム(chlordimeform)、ピリダベン(pyridaben)、フェンピロキシメート(fenpyroxymate)、フルフェネリム(flufenerim)、ピリミジフェン(pyrimidifen)、テブフェンピラド(tebufenpyrad)、トルフェンピラド(tolfenpyrad)、フルアクリピリム(fluacrypyrim)、アセキノシル(acequinocyl)、シフルメトフェン(cyflumetofen)、フルベンジアミド(flubendiamide)、エチプロール(ethiprole)、フィプロニル(fipronil)、エトキサゾール(ethoxazole)、イミダクロプリド(imidacloprid)、ニテンピラム(nitenpyram)、クロチアニジン(c1othianidin)、アセタミプリド(acetamiprid)、ジノテフラン(dinotefuran)、チアクロプリド(thiacloprid)、チアメトキサム(thiamethoxam)、ピメトロジン(pymetrozine)、ビフェナゼート(bifenazate)、スピロジクロフェン(spirodiclofen)、スピロメシフェン(spiromesifen)、フロニカミド(flonicamid)、クロルフェナピル(chlorfenapyr)、ピリプロキシフェン(pyriproxyfene)、インドキサカルブ(indoxacarb)、ピリダリル(pyridalyl)、スピノサド(spinosad)、アベルメクチン(avermectin)、ミルベマイシン(milbemycin)、アザジラクチン(azadirachtin)、ニコチン(nicotine)、ロテノン(rotenone)、BT剤、昆虫病原ウイルス剤、エマメクチン安息香酸塩(emamectinbenzoate)、スピネトラム(spinetoram)、ピリフルキナゾン(pyrifluquinazon)、クロルアントラニリプロール(chlorantraniliprole)、シアントラニリプロール(cyantraniliprole)、シエノピラフェン(cyenopyrafen)、スピロテトラマット(spirotetramat)、レピメクチン(lepimectin)、メタフルミゾン(metaflumizone)、ピラフルプロール(pyrafluprole)、ピリプロール(pyriprole)、ジメフルスリン(dimefluthrin)、フェナザフロル(fenazaflor)、ヒドラメチルノン(hydramethylnon)、トリアザメート(triazamate)、アフィドピロペン(afidopyropen)、フルピリミン(flupyrimin)等が挙げられる。
前記殺菌剤としては、例えば、アゾキシストロビン(azoxystrobin)、クレソキシムメチル(kresoxym−methyl)、トリフロキシストロビン(trifloxystrobin)、オリサストロビン(orysastrobin)、ピコキシストロビン(picoxystrobin)、フロキサストロビン(fuoxastrobin)等のストロビルリン系化合物;メパニピリム(mepanipyrim)、ピリメサニル(pyrimethanil)、シプロジニル(cyprodinil)等のアニリノピリミジン系化合物;トリアジメホン(triadimefon)、ビテルタノール(bitertanol)、トリフルミゾール(triflumizole)、エタコナゾール(etaconazole)、プロピコナゾール(propiconazole)、ペンコナゾール(penconazole)、フルシラゾール(flusilazole)、ミクロブタニル(myclobutanil)、シプロコナゾール(cyproconazole)、テブコナゾール(tebuconazole)、ヘキサコナゾール(hexaconazole)、プロクロラズ(prochloraz)、シメコナゾール(simeconazole)等のアゾール系化合物;キノメチオネート(quinomethionate)等のキノキサリン系化合物;マンネブ(maneb)、ジネブ(zineb)、マンコゼブ(mancozeb)、ポリカーバメート(polycarbamate)、プロビネブ(propineb)等のジチオカーバメート系化合物;ジエトフェンカルブ(diethofencarb)等のフェニルカーバメート系化合物;クロロタロニル(chlorothalonil)、キントゼン(quintozene)等の有機塩素系化合物;ベノミル(benomyl)、チオファネートメチル(thiophanate−methyl)、カーベンダジム(carbendazole)等のベンズイミダゾール系化合物;メタラキシル(metalaxyl)、オキサジキシル(oxadixyl)、オフラセ(ofurase)、ベナラキシル(benalaxyl)、フララキシル(furalaxyl)、シプロフラン(cyprofuram)等のフェニルアミド系化合物;ジクロフルアニド(dichlofluanid)等のスルフェン酸系化合物;水酸化第二銅(copper hydroxide)、オキシキノリン銅(oxine−copper)等の銅系化合物;ヒドロキシイソキサゾール(hydroxyisoxazole)等のイソキサゾール系化合物;ホセチルアルミニウム(fosetyl−aluminium)、トルクロホス−メチル(tolclofos−methyl)等の有機リン系化合物;キャプタン(captan)、カプタホール(captafol)、フォルペット(folpet)等のN−ハロゲノチオアルキル系化合物;プロシミドン(procymidone)、イプロジオン(iprodione)、ビンクロゾリン(vinchlozolin)等のジカルボキシイミド系化合物;フルトラニル(flutolanil)、メプロニル(mepronil)等のベンズアニリド系化合物;フェンプロピモルフ(fenpropimorph)、ジメトモルフ(dimethomorph)等のモルフォリン系化合物;水酸化トリフェニルスズ(fenthin hydroxide)、酢酸トリフェニルスズ(fenthin acetate)等の有機スズ系化合物;フルジオキソニル(fludioxonil)、フェンピクロニル(fenpiclonil)等のシアノピロール系化合物;その他、フサライド(fthalide)、プロベナゾール(probenazole)、アシベンゾラルSメチル(acibenzolar−S−methyl)、チアジニル(tiadinil)、イソチアニル(isotianil)、カルプロパミド(carpropamid)、ジクロシメット(diclocymet)、フェノキサニル(fenoxanil)、トリシクラゾール(tricyclazole)、ピロキロン(pyroquilon)、フェリムゾン(ferimzone)、フルアジナム(fluazinam)、シモキサニル(cymoxanil)、トリホリン(triforine)、ピリフェノックス(pyrifenox)、フェナリモル(fenarimol)、フェンプロピディン(fenpropidin)、ペンシクロン(pencycuron)、シアゾファミド(cyazofamid)、シフルフェナミド(cyflufenamid)、ボスカリド(boscalid)、ペンチオピラド(penthiopyrad)、プロキナジド(proquinazid)、キノキシフェン(quinoxyfen)、ファモキサドン(famoxadone)、フェナミドン(fenamidone)、イプロバリカルブ(iprovalicarb)、ベンチアバリカルブイソプロピル(benthiavalicarb−isopropyl)、フルオピコリド(fluopicolide)、ピリベンカルブ(pyribencarb)、フルチアニル(flutianil)、イソピラザム(isopyrazam)、フェンピコキサミド(fenpicoxamid)、カスガマイシン(kasugamycin)、バリダマイシン(validamycin)等が挙げられる。
前記殺ダニ剤としては、例えば、ブロモプロピレート(bromopropylate)、テトラジホン(tetradifon)、プロパルギット(propargite)、アミトラズ(amitraz)、フェノチオカルブ(fenothiocarb)、ヘキシチアゾクス(hexythiazox)、フェンブタチンオキシド(fenbutatin oxide)、ジエノクロル(dienochlor)、フェンピロキシメート(fenpyroximate)、テブフェンピラド(tebufenpyrad)、ピリダベン(pyridaben)、ピリミジフェン(pyrimidifen)、クロフェンテジン(clofentezine)、エトキサゾール(etoxazole)、ハルフェンプロックス(halfenprox)、ミルベメクチン(milbemectin)、アセキノシル(acequinocyl)、ビフェナゼート(bifenazate)、フルアクリピリム(fluacrypyrim)、スピロジクロフェン(spirodichlofen)、スピロメシフェン(spiromesifen)、クロルフェナピル(chlorfenapyr)、アベルメクチン(Avermectin)、シエノピラフェン(cyenopyrafen)、シフルメトフェン(cyflumetofen)等が挙げられる。
前記除草剤としては、例えば、シハロホップブチル(cyhalofop−butyl)、2,4−D等のフェノキシ酸系化合物;エスプロカルブ(esprocarb)、デスメディファム(desmedipham)等のカーバメート系化合物;アラクロール(alachlor)、メトラクロール(metolachlor)等の酸アミド系化合物;ジウロン(diuron)、テブチウロン(tebuthiuron)等の尿素系化合物;ハロスルフロンメチル(halosulfuron)、フラザスルフロン(flazasulfuron)等のスルホニルウレア系化合物;ピリミノバックメチル(pyriminobac−methyl)等のピリミジルオキシ安息香酸系化合物;グリホサート(glyphosate)、ビアラホス(bilanafos)、グルホシネート(glufosinate−ammonium)等のアミノ酸系化合物等が挙げられる。
前記植物成長調節剤としては、例えば、エテホン(ethephon)等のエチレン剤;インドール酪酸(indolebutyric acid)、エチクロゼート(ethychlozate)等のオーキシン剤;サイトカイニン剤;ジベレリン剤;オーキシン拮抗剤;矮化剤;蒸散抑制剤等が挙げられる。
前記肥料としては、例えば、尿素、硝酸アンモニウム、硝酸苦土アンモニウム、塩化アンモニウム等の窒素質肥料;過リン酸石灰、リン酸アンモニウム、苦土過リン酸、苦土リン酸等のリン酸質肥料;塩化カリウム、重炭酸カリウム、硝酸カリ苦土、硝酸カリウム、硝酸カリナトリウム等のカリウム質肥料;硫酸マンガン、硝酸苦土マンガン等のマンガン質肥料;ホウ酸、ホウ酸塩等のホウ素質肥料等が挙げられる。
1実施形態において、本発明は、上述した植物保護剤又は上述した化合物を、植物体又は種子と接触させるか、あるいは栽培床に含有させる、植物保護方法を提供する。植物保護剤は、上述した植物保護用組成物の形態で用いてもよい。
上述した植物保護剤を植物体に接触させる場合、植物の茎葉部、根、根茎、塊茎、球根、発芽した芽等に接触させればよい。また、上述した植物保護剤を植物の種子に接触させてもよい。また、栽培床としては、土壌、イネを成育させる田面水、植物を成育する担体、水耕栽培の水等が挙げられる。水耕栽培の水は栄養分を含んでいてもよい。
本実施形態の方法において、上述した植物保護剤を植物体又は種子と接触させる方法、あるいは栽培床に含有させる方法としては、農業及び園芸において一般的に適用される施用方法であれば特に限定されず、例えば、茎葉散布、水面施用、土壌処理、育苗箱施用、種子処理、浸漬処理、肥料混和、灌水用水混和等が挙げられる。
本実施形態の植物保護剤の施用量は、施用方法の他、航空散布及び超微量散布等の施用態様を考慮し、対象病害の種類及び発病程度、対象作物の種類及び対象部位に応じて、決定することができる。
例えば、前記植物保護剤を植物の茎葉に散布する場合には、乳剤、水和剤又はフロアブル剤の形態で、10アールあたり、製剤1〜1000gを50〜1000Lの水で希釈したものを使用することができ、粉剤の形態では、10アールあたり製剤1〜10kg程度を使用することができる。
前記植物保護剤を土壌に施用する場合には、例えば、粒剤の形態では、10アールあたり1〜10kg程度を使用することができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下、実施例において以下の略語を用いる場合がある。
ESI:電子スプレーイオン化法
MS:質量スペクトル
IR:赤外吸収スペクトル
n:ノルマル
tert:ターシャリー
[実施例1]
2,3,6−トリフルオロイソニコチン酸(1.76g)をN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)に溶解させ、その溶液中に、ブロモエタン(1.08g)と炭酸カリウム(1.38g)を加えて、80℃で2時間撹拌した。次いで、反応混合物を室温に戻して、酢酸エチルを加えてから水で抽出した後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、実施例1−117の化合物を得た(収量1.44g)。
[実施例2]
2,3,6−トリフルオロイソニコチン酸(5.28g)を塩化チオニル(30mL)に溶解させ、1時間加熱還流した。この反応物を濃縮後、アセトニトリル(30mL)に溶解させ、3−クロロ−4−メチルアニリン(5.64g)とピリジン(3.20g)を加えて、1時間加熱還流した。次いで、反応混合物を室温に戻して、酢酸エチルを加えて1N塩酸、1N水酸化ナトリウムで順次洗浄した後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、実施例1−30の化合物を得た(収量7.70g)。
[実施例3]
2,3,6−トリフルオロ−4−ピリジンメタノール(106mg)をジクロロメタン(8mL)に溶解させ、その溶液中に、アセチルクロライド(65mg)を加えて、0℃に冷却し、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(130mg)を加えて、室温で終夜撹拌した。次いで、溶媒を留去した後、ジエチルエーテルに溶解させ、飽和炭酸ナトリウム、2%塩酸、飽和食塩水で順次洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒をエバポレーターで留去した後、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、実施例3−1の化合物を得た(収量63.2mg)。
[実施例4]
2,6−ジフルオロイソニコチン酸(50mg)をクロロホルム(3.1mL)に溶解し、その溶液中に、アニリン(29μL)と1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(65mg)、4−ジメチルアミノピリジン(触媒量)を加えて、室温で3時間撹拌した。次いで、反応混合物に水を加えて酢酸エチルで抽出した後、飽和塩化アンモニウムと飽和炭酸水素ナトリウムで順次洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、実施例1−143の化合物を得た(収量66.3mg)。
[実施例5]
2,3,6−トリフルオロイソニコチン酸(30mg)をクロロホルム(3.1mL)に溶解させ、その溶液中に、エチレンジアミン(6.0μL)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(38mg)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(27mg)、トリエチルアミン(30μL)を加えて、室温で終夜撹拌した。再度、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(38mg)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(27mg)を加えて、室温で3時間撹拌した。次いで、反応混合物に水を加えて酢酸エチルで抽出した後、飽和塩化アンモニウムと飽和炭酸水素ナトリウムで順次洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、実施例1−150の化合物を得た(収量20.1mg)。
[実施例6]
2,3,6−トリフルオロイソニコチン酸(100mg)をN,N−ジメチルホルムアミド(5.6mL)に溶解し、2−クロロエチルアミン塩酸塩(79mg)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(128mg)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(92mg)、トリエチルアミン(101μL)を加えて、室温で3時間撹拌した。次いで、反応混合物に水を加えて酢酸エチルで抽出した後、飽和塩化アンモニウムと飽和炭酸水素ナトリウムで順次洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、N−(2−クロロエチル)−2,3,6−トリフルオロイソニコチナミドを得た(収量100mg)。
上記で得られたN−(2−クロロエチル)−2,3,6−トリフルオロイソニコチナミド(20mg)をテトラヒドロフラン(8.4mL)に溶解し、氷冷下で55%水素化ナトリウム(3.8mg)を加えて、3時間撹拌した。次いで、反応混合物に水を加えて酢酸エチルで抽出した後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、実施例4−2の化合物を得た(収量16mg)。
[実施例7]
2,6−ジフルオロイソニコチン酸(80mg)をアセトニトリル(1mL)に溶解し、その溶液中に、シクロヘキシルアルコール(50mg)と1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(96mg)、4−ジメチルアミノピリジン(61mg)を加え、室温で24時間撹拌した。次いで、反応混合物に水を加えて酢酸エチルで抽出した後に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。残留物をPreparative TLCにより精製し、実施例1−205の化合物を得た(収量42mg)。
[実施例8]
2,3,6−トリフルオロイソニコチン酸(177mg、1.0mmol)をジクロロエタンに溶解させ、その溶液中に塩化チオニル(1mL)を加え、加熱還流させて2時間撹拌した。反応物をエバポレーターで溶媒を留去した後、ニトロメタン(3mL)と1−メチルピロール(54mg、0.67mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸亜鉛(II)(24mg、0.066mmol)を加えて、室温で終夜撹拌した。反応混合物に炭酸水素ナトリウムを加えた後に、水を加えてクロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒をエバポレーターで留去し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(移動相:ヘキサン/酢酸エチル=1/1(体積比))により精製後、ヘキサンで洗浄し、化合物2−2を得た(収量44mg、0.18mmol、収率27%)。
実施例1〜8の方法に準じて、下記表13〜34に示す、式(2’’)で示される実施例1−1〜実施例1−218の化合物を製造した。また、下記表35に示す、式(3’)で示される実施例2−1〜実施例2−5の化合物を製造した。また、下記表36に示す、式(4’)で示される実施例3−1、実施例3−2の化合物を製造した。また、下記表37に示す、式(5’)で示される実施例4−1〜実施例4−4の化合物を製造した。
実施例1〜8で得られた化合物と共に、式(2’’)、(3’)、(4’)及び(5’)で示される各化合物のMS、IR、H−NMRのデータを表13〜37に示す。なおH−NMR(400MHz、500MHz又は600MHz)の測定溶媒として、実施例1−8、実施例1−69、実施例1−175、実施例1−176及び実施例4−2の化合物では重アセトン、実施例1−93の化合物では重クロロホルム:重メタノール=1:1を使用し、それ以外の実施例化合物では重クロロホルムを使用した。MSはESI−MS法で測定した。IRはKBr法で測定した。
式(2’’)で示される実施例1−1〜実施例1−218の化合物を表13〜34に示す。
Figure 2021185129
Figure 2021185129
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Figure 2021185129
Figure 2021185129
Figure 2021185129
式(3’)で示される実施例2−1〜実施例2−5の化合物を表35に示す。
Figure 2021185129
Figure 2021185129
式(4’)で示される実施例3−1及び実施例3−2の化合物を表36に示す。
Figure 2021185129
Figure 2021185129
式(5’)で示される実施例4−1〜実施例4−4の化合物を表37に示す。
Figure 2021185129
Figure 2021185129
[実施例9]
<キュウリべと病に対する活性>
0.4mg/mLとなるように調製した実施例化合物のアセトン溶液を水で10倍に希釈し、試験に供した。ポットに栽培した1葉期のキュウリ(品種:四葉)の根元に、ポットあたり5mLを土壌灌注した。処理7日後に、5×10個/mLに調製したキュウリべと病菌(Pseudoperonospora cubensis)の胞子懸濁液を噴霧接種し、湿室(温度25℃、湿度100%)に24時間静置した。その後、温室内で栽培し、接種7日後に第2葉の病斑を下記の指数に従って調査した。この指数を基に発病度を算出し、得られた発病度から下記の数式により防除価を算出した。
指数 0:病斑なし
1:発病面積率5%未満
2:発病面積率5%以上、25%未満
3:発病面積率25%以上、50%未満
4:発病面積率50%以上、80%未満
5:発病面積率80%以上
防除価=((無処理区の発病度−処理区の発病度)/無処理区の発病度)×100
下記の化合物は70以上の防除価を示し、キュウリべと病に対する保護効果が確認された。
1−117、1−134、1−135、1−143、1−218、4−2
[実施例10]
<キュウリべと病に対する活性>
1mg/mLとなるように調製した実施例化合物のアセトン溶液を水で10倍に希釈し、試験に供した。ポットに栽培した1葉期のキュウリ(品種:四葉)に、ポットあたり1mLを散布した。散布7日後に、5×10個/mLに調製したキュウリべと病菌(Pseudoperonospora cubensis)の胞子懸濁液を噴霧接種し、湿室(温度25℃、湿度100%)に24時間静置した。その後、温室内で栽培し、接種7日後に2葉の病斑面積率を下記の指数に従って調査した。この指数を基に発病度を算出し、得られた発病度から下記の数式により防除価を算出した。
指数 0:病斑なし
1:発病面積率5%未満
2:発病面積率5%以上、25%未満
3:発病面積率25%以上、50%未満
4:発病面積率50%以上、80%未満
5:発病面積率80%以上
防除価=((無処理区の発病度−処理区の発病度)/無処理区の発病度)×100
実施例化合物1−143及び1−218は70以上の防除価を示し、キュウリべと病に対する保護効果が確認された。
[実施例11]
<トマト疫病に対する活性>
実施例化合物1−135及び1−168について、1mg/mLとなるように調製したアセトン溶液を水で10倍に希釈し、試験に供した。ポットに栽培した第一花房形成期のトマト(品種:タイニーティム)に、ポットあたり5mLを散布した。散布7日後に、1×10個/mLに調製した疫病菌(Phytophthora infestans)の胞子懸濁液を噴霧接種し、湿室(温度21℃、湿度100%)に1晩静置した。その後、温室内で栽培し、接種4日後に散布後展開の葉の病斑面積率を下記の指数に従って調査した。この指数を基に発病度を算出し、得られた発病度から下記の数式により防除価を算出した。
指数 0:病斑なし
1:発病面積率5%未満
2:発病面積率5%以上、25%未満
3:発病面積率25%以上、50%未満
4:発病面積率50%以上、80%未満
5:発病面積率80%以上
防除価=((無処理区の発病度−処理区の発病度)/無処理区の発病度)×100
実施例化合物1−135及び1−168は50以上の防除価を示し、トマト疫病に対する保護効果が確認された。
[実施例12]
<ブドウべと病に対する活性>
実施例化合物1−135及び1−168について、それぞれ製剤例1に従って水和剤を調製した後、水で1000倍に希釈し、散布液を調製した。開花期のブドウ(品種:甲州)に2回、調製した前記散布液を1L/樹の液量で散布した。3回目には、調整した前記散布液を2L/樹の液量で散布した。3回目の散布から10日後に葉の病斑を下記の指数に従って調査した。この指数を基に発病度を算出し、得られた発病度から下記の数式により防除価を算出した。指数 0:病斑なし
1:発病面積率10%未満
2:発病面積率10%以上、20%未満
3:発病面積率20%以上、30%未満
4:発病面積率30%以上、40%未満
5:発病面積率40%以上、50%未満
6:発病面積率50%以上、60%未満
7:発病面積率60%以上、70%未満
8:発病面積率70%以上、80%未満
4:発病面積率80%以上、90%未満
5:発病面積率90%以上
防除価=((無処理区の発病度−処理区の発病度)/無処理区の発病度)×100
実施例化合物1−135及び1−168は65以上の防除価を示し、ブドウべと病に対する保護効果が確認された。
[製剤例1]
実施例化合物10質量部、ラウリル硫酸塩2質量部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル2質量部、リグニンスルホン酸塩3質量部、ホワイトカーボン4質量部、及びクレー79質量部を混合粉砕し、水和剤を得た。
本発明によれば、植物保護方法を提供することができる。本発明の植物保護剤は、優れた抵抗性誘導活性を有しており、植物保護に有用である。

Claims (9)

  1. 下記式(1)で示される化合物を有効成分として含有することを特徴とする、植物保護剤。
    Figure 2021185129
    [式(1)中、X及びXは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、塩素原子又はトリフルオロメチル基を示すが、X及びXのいずれか1つはフッ素原子又はトリフルオロメチル基を示し、X及びXは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、塩素原子又はメチル基であり、但し、X、X及びXのいずれか1つがフッ素原子を示すとき、他の2つのいずれか1つは水素原子を示さず、
    は下記式(2)、(3)、(4)又は(5)で示される基であり、
    Figure 2021185129
    式(2)中、Jは酸素原子又は硫黄原子を示し、
    Aは、
    下記C群の基、チオール基、メトキシカルボニル基及びN−tert−ブトキシカルボニルアミノ基からなる群から選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル基、
    下記C群の基から選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよい炭素数2〜8のアルケニル基、
    下記C群の基から選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよい炭素数2〜8のアルキニル基、
    下記C群の基から選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキルカルボニル基、
    下記C群の基から選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキルオキシ基、
    下記C群の基から選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキルスルホニル基、
    下記D群の基、ベンジル基、フェニル基及びフェノキシ基からなる群から選ばれる1〜4個の基で置換されていてもよいフェニルカルボニル基、
    下記D群の基から選ばれる1〜4個の基で置換されていてもよいフェニルスルホニル基、
    下記D群の基、フェノキシ基及びベンジル基からなる群から選ばれる1〜5個の基で置換されていてもよいフェニル基、
    5,6,7,8−テトラヒドロナフチル基、
    ナフチル基、
    下記D群の基から選ばれる1〜4個の基で置換されていてもよいヘテロ環基(ここで、ヘテロ環基は下記E群から選ばれる基である。)、又は
    下記式(2A)[式(2A)中、X、X、X及びXは前記式(1)における定義に同じである。]で示される基であり、
    Figure 2021185129
    Aが前記式(2A)で示される基である場合、Qは、式:−O−(CH−O−で示される2価の基、式:−NH−(CH−O−で示される2価の基、式:−NH−(CH−NH−で示される2価の基、式:−O−CH−CH=CH−CH−O−で示される2価の基、式:−NH−CH−CH=CH−CH−O−で示される2価の基、式:−NH−CH−CH=CH−CH−NH−で示される2価の基、シクロヘキサン−1,4−ジイルジオキシ基、シクロヘキサン−1,4−ジイルジアミノ基、式:−NH−(シクロヘキサン−1,4−ジイル)−O−で示される2価の基、1,3−フェニレンジアミノ基、1,4−フェニレンジアミノ基、1,4−フェニレンジオキシ基、式:−NH−(1,4−フェニレン)−O−で示される2価の基、又は下記式(2B)[式(2B)中、Gは、酸素原子、硫黄原子又は式:−SO−で示される2価の基である。]で示される2価の基であり(ここで、nは2〜8の整数を示す。)、
    Figure 2021185129
    Aが前記式(2A)で示される基でない場合、Qは、酸素原子、硫黄原子、式:−NH−で示される2価の基、又は式:−N(CH)−で示される2価の基であり、
    式(3)中、Aaは、ピペリジン−1−イル基、1−メチル−1−1H−ピロール−2−イル基、モルホリン−4−イル基、インドリン−1−イル基、ベンゾイソチアゾール−3(2H)−オン−1,1−ジオキシド−2−イル基、ピペラジン−1−イル基、アゼチジン−1−イル基、2,5−ジオキソピロリジン−1−イル基、3−オキソイソチアゾール−2(3H)−イル基、ベンゾ[d]イソチアゾール−2(3H)−イル基、1,1−ジオキソ−3−オキソベンゾ[d]イソチアゾール−2(3H)−イル基、5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イル基、1H−ピロール−2−イル基又はイソインドリン−2−イル基を示し、
    式(4)中、Qbは、酸素原子、硫黄原子、式:−NH−で示される2価の基又は式:−N(CH)−で示される2価の基を示し、
    Abは、
    水素原子、
    下記C群の基、水素原子、メトキシカルボニル基及びN−tert−ブトキシカルボニルアミノ基からなる群から選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、
    下記C群の基から選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよい炭素数2〜8のアルケニル基、
    下記C群の基から選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよい炭素数2〜8のアルキニル基、
    下記C群の基から選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキルカルボニル基、
    フェニルカルボニル基、又は
    下記D群の基から選ばれる1〜4個の基で置換されていてもよいヘテロ環基(ここで、ヘテロ環基は下記E群から選ばれる基である。)を示し、
    式(5)中、mは1〜3の整数を示し、Zは水素原子、ハロゲン原子又はメチル基を示し、
    C群は、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、5−メチル−1,3−ジオキソール−2−オン−4−イル基、フェニルカルボニル基、下記D群の基から選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよいピリジル基、及び下記D群の基から選ばれる1〜4個の基で置換されていてもよいフェニル基からなる群であり、
    D群は、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、メチルチオ基、1〜3個のハロゲン原子により置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、1〜3個のハロゲン原子により置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキルオキシ基、炭素数1〜4のアルキルカルボニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ベンジルアミノカルボニル基、アセトキシ基、ニトロ基、及びシアノ基からなる群であり、
    E群は、ピリジル基、チアゾリル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、イソチアゾリジル基、イソキサゾリル基、ピリミジニル基、ベンズイミダゾリル基、チエニル基、フラニル基、ベンゾオキサニル基、2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イル基、ジヒドロチアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、ベンゾイソチアゾール−3(2H)−オン−1,1−ジオキジニル基、ジベンゾフラニル基、イソチアゾリル基、及びトリアゾリル基からなる群である。]
  2. 前記式(1)中、X、X、X及びXが水素原子又はフッ素原子であることを特徴とする、請求項1に記載の植物保護剤。
  3. 前記式(1)中、X及びXがフッ素原子を示し、X又はXが水素原子であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の植物保護剤。
  4. 前記式(1)中、X及びXがフッ素原子を示し、X及びXが水素原子であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の植物保護剤。
  5. 前記式(2)中、Jが酸素原子であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の植物保護剤。
  6. 前記式(2)中、Qが式:−NH−で示される2価の基であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の植物保護剤。
  7. 前記式(2)中、Qが酸素原子であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の植物保護剤。
  8. 前記式(2)中、Aが
    前記C群の基から選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル基、
    前記C群の基から選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよい炭素数2〜8のアルケニル基、
    前記C群の基から選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよい炭素数2〜8のアルキニル基、
    前記C群の基から選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキルカルボニル基、
    前記C群の基から選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキルオキシ基、
    前記D群の基、ベンジル基、フェニル基及びフェノキシ基からなる群から選ばれる1〜4個の基で置換されていてもよいフェニルカルボニル基、
    前記D群の基から選ばれる1〜4個の基で置換されていてもよいフェニルスルホニル基、
    前記D群の基、フェノキシ基及びベンジル基からなる群から選ばれる1〜5個の基で置換されていてもよいフェニル基、又は
    前記D群の基から選ばれる1〜4個の基で置換されていてもよいヘテロ環基(ここで、ヘテロ環基は前記E群から選ばれる基である。)であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の植物保護剤。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の植物保護剤を、植物体又は種子と接触させるか、あるいは栽培床に含有させることを特徴とする、植物保護方法。
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