以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、後述する実施形態に係る光学アクチュエータ、カメラモジュール、及びカメラ搭載装置は、本発明に係る光学アクチュエータ、カメラモジュール、及びカメラ搭載装置の一例であり、本発明は実施形態により限定されない。
[実施形態1]
図1〜図14Bを参照して、本発明の実施形態1に係るカメラモジュールについて説明する。以下、カメラモジュール1の概要について説明した後、カメラモジュール1が備える光路屈曲モジュール2、レンズモジュール80、及び撮像素子モジュール81の構造について説明する。尚、本発明に係る光学アクチュエータ、カメラモジュール、及びカメラ搭載装置は、後述する全ての構成を備えてもよいし、一部の構成を備えなくてもよい。
[カメラモジュール]
カメラモジュール1は、例えば、スマートフォンM(図13A及び図13B参照)、携帯電話機、デジタルカメラ、ノート型パソコン、タブレット端末、携帯型ゲーム機、及び薄型のカメラ搭載装置(車載カメラ等)に搭載される。
以下、本実施形態のカメラモジュール1を構成する各部については、カメラモジュール1に組み込まれた状態を基準として説明する。又、本実施形態のカメラモジュール1の構造を説明するにあたり、各図に示す直交座標系(X,Y,Z)を使用する。
カメラモジュール1は、カメラ搭載装置で実際に撮影が行われる場合に、たとえばX方向が左右方向、Y方向が上下方向、Z方向が前後方向となるように搭載される。被写体からの光(入射光)は、図1に一点鎖線α(第一光軸とも称する。)で示されるように、Z方向+側(プラス側)から光路屈曲モジュール2のプリズム5に入射する。プリズム5は、光路屈曲部材の一例に該当する。
プリズム5に入射した光(出射光)は、図1に一点鎖線β(第二光軸とも称する。)で示されるように、プリズム5の光路屈曲面で屈曲して、プリズム5に対して後段(つまり、X方向+側)に配置されたレンズモジュール80のレンズ部801へと導光される。
そして、レンズ部801により結像された被写体像が、レンズモジュール80の後段に配置された撮像素子モジュール81(図1参照)により撮像される。
本実施形態において、Z方向は、第一方向の一例に該当する。又、X方向は、第二方向の一例に該当する。X方向−側(マイナス側)からX方向+側に向かう方向は、第一方向における一方側に該当する。X方向+側からX方向−側に向かう方向は、第一方向における他方側に該当する。Y方向は、第三方向の一例に該当する。又、Y方向−側からY方向+側に向かう方向は、第三方向における一方側に該当する。Y方向+側からY方向−側に向かう方向は、第三方向における他方側に該当する。但し、第一方向及び第二方向は、本実施形態の場合に限定されない。第一方向と第二方向とは、互いに直交する方向であればよい。
又、XY平面は、第一方向に直交する面である。YZ平面は、第二方向に直交する面であり、XZ平面は、第三方向に直交する面である。
本実施形態のカメラモジュール1は、光路屈曲モジュール2に組み込まれた振れ補正装置6により、振れ補正(OIS:Optical Image Stabilization)を行う。つまり、光路屈曲モジュール2は、手振れ補正機能を有する。
又、本実施形態のカメラモジュール1は、レンズモジュール80に組み込まれたAF装置(不図示)によりレンズ部をX方向に変位させて、オートフォーカスを行う。つまり、レンズモジュール80は、オートフォーカス機能を有する。
又、レンズモジュール80のレンズ部801は、広角撮影(焦点距離:短)から望遠撮影(焦点距離:長)に対応できる、所謂ズームレンズである。本実施形態のカメラモジュール1は、レンズモジュール80に組み込まれたズーム装置(不図示)によって、広角撮影又は望遠撮影に応じたX方向の位置にレンズ部801を移動させる。つまり、レンズモジュール80は、ズーム機能を有する。
<光路屈曲モジュール>
図1〜図12を参照して光路屈曲モジュール2について説明する。光路屈曲モジュール2は、カバー3、ベース4、プリズム5、振れ補正装置6、及びFPC7を備える。
(カバー)
カバー3は、図1に示すように、例えば、合成樹脂製又は非磁性金属製であり、Z方向両側及びX方向+側が開口した箱状部材である。被写体側からの光は、カバー3のZ方向+側の開口部を通過してカバー3の内部空間に侵入可能である。以上のようなカバー3は、後述するベース4にZ方向+側から組み合わされている。
(ベース)
図2〜図4を参照してベース4について説明する。ベース4は、固定側部材の一例に該当する。ベース4は、底壁部40、左壁部41a、右壁部42b、コイルホルダ43、及びベースプレート44を有する。
(底壁部)
底壁部40は、XY平面に平行であり且つ長手方向がY方向に一致する矩形板状である。底壁部40は、ベース4の底部を構成している。底壁部40は、Y方向+側の端部である第一端部と、Y方向−側(マイナス側)の端部である第二端部と、を有する。底壁部40は、X方向−側の端部である第三端部と、X方向+側の端部である第四端部と、を有する。又、底壁部40は、Z方向−側の面である第一面(下側面)と、Z方向−側の面である第二面(上側面)と、を有する。
尚、以下、左右方向は、Z方向+側を上にしてX方向+側から光路屈曲モジュール2を見た場合の左右方向を意味する。よって、Y方向+側が左側に相当し、Y方向−側が右側に相当する。又、光路屈曲モジュール2において、X方向+側は前側に相当し、X方向−側は後側に相当する。更に、光路屈曲モジュール2において、Z方向+側は上側に相当し、Z方向−側は下側に該当する。
このような底壁部40は、下側軸受保持部401及び第一配置部402を有する。
下側軸受保持部401は、後述の第一揺動支持部65の下側軸受651a保持するためのものである。下側軸受保持部401は、底壁部40の後端部における左右方向の中央部に設けられている。
底壁部40において下側軸受保持部401が設けられた部分は、他の部分と比べて上下方向における厚さが厚いボス部401aが設けられている。下側軸受保持部401は、ボス部401aと、底壁部40の下側面においてボス部401aと対応する部分に設けられた凹部401bと、により構成されている。
ボス部401aは、ボス部401aを上下方向に貫通した貫通孔401cを有する。貫通孔401cの下端部は、凹部401bに接続されている。凹部401bには、下側軸受651aが固定されている。貫通孔401cには、第一揺動支持部65の第一揺動中心軸652が挿通されている。
第一配置部402は、後述の第一位置検出素子684を配置するための空間である。第一配置部402は、底壁部40の前端部且つ左右方向における中央部に設けられた切欠きにより構成されている。
(左壁部)
左壁部41aは、第一壁部の一例に該当し、板状である。左壁部41aは、底壁部40の左端部に沿うように設けられている。左壁部41aは、底壁部40の左端部から上方に延在している。
(右壁部)
右壁部42bは、第二壁部の一例に該当し、板状であって、底壁部40の右端部に沿うように設けられている。右壁部42bは、底壁部40の右端部から上方に延在している。
(コイルホルダ)
コイルホルダ43は、後述の第二駆動部69の左側第二コイル692a及び右側第二コイル692bを保持するためのものである。又、コイルホルダ43は、後述のFPC7と、左側第二コイル692a及び右側第二コイル692bとを電気的に接続するための複数のリード(不図示)を保持している。複数のリードは、コイルホルダ43に埋め込まれている。
具体的には、コイルホルダ43は、平面視で、X方向+側に開口するU字形の板状である。本明細書において、平面視とは、Z方向+側から見ることを意味する。換言すれば、平面視とは、第一方向に沿う方向から見ることを意味する。コイルホルダ43は、基部430と、左側板部431aと、右側板部431bと、を有する。
基部430は、YZ平面に平行であり、且つ、長手方向がY方向に一致する板状である。基部430は、Y方向+側の端部である第一端部(左端部)と、Y方向−側の端部である第二端部(右端部)と、Z方向−側の端部である第三端部(下端部)と、Z方向+側の端部である第四端部(上端部)と、を有する。又、基部430は、X方向+側の面である第一面(内側面又は前側面とも称する。)と、X方向−側の面である第二面(外側面又は後側面とも称する。)と、を有する。
基部430の下端部は、底壁部40の後端部に、例えば、接着により接続されている。基部430は、底壁部40の後端部から上方に延在している。
基部430は、前側面に、第二コイル保持部433を有する。第二コイル保持部433は、後述の左側第二コイル692a及び右側第二コイル692bを配置する部分である。
具体的には、第二コイル保持部433は、左側第二コイル保持部433a及び右側第二コイル保持部433bにより構成されている。左側第二コイル保持部433aは、基部430の前側面の左側半部に設けられている。右側第二コイル保持部433bは、基部430の前側面の右側半部に設けられている。
左側板部431aは、ZX平面に平行な板状である。左側板部431aは、基部430の左端部から、X方向+側に延在している。左側板部431aの後端部は、基部430の左端部に接続されている。左側板部431aの下端部は、左壁部41aの上端部に、例えば接着により接続されている。
右側板部431bは、ZX平面に平行な板状である。右側板部431bは、基部430の右端部から、前側に延在している。右側板部431bの後端部は、基部430の右端部に接続されている。右側板部431bの下端部は、右壁部42bの上端部に、例えば接着により接続されている。
コイルホルダ43は、後側面の左右方向における中央部に、板バネ固定部436有する。板バネ固定部436、後述の板バネ653を固定するためのものである。
コイルホルダ43は、前側面の左右方向における中央部に、上側軸受保持部437を有する。上側軸受保持部437は、後述の第一揺動支持部65の上側軸受651bを保持するための部分である。具体的には、上側軸受保持部437は、筒部437aと、底部437bと、を有する。
筒部437aは、コイルホルダ43の前側面から前側に突出した筒状である。本実施形態の場合、筒部437aは、二つの半円筒状の部材が組み合わされて構成されている。筒部437aは、前端部及び後端部に不連続な部分を有する。
底部437bは、円輪状であって、外周縁が筒部437aの下端部に接続されている。底部437bは、中心部に貫通孔を有する。この貫通孔には、後述の第一揺動支持部65の第一揺動中心軸652が挿通されている。筒部437aの内面及び底部437bの上側面により囲まれた空間に、上側軸受651bが固定されている。
(ベースプレート)
ベースプレート44は、XY平面に平行な板状である。ベースプレート44は、Z方向+側の面である第一面(上側面)と、Z方向−側の面である第二面(下側面)と、を有する。
ベースプレート44は、底壁部40に下側面に固定されている。ベースプレート44の上側面には、FPC7が設けられている。
(FPC)
FPC7は、撮像素子モジュール81が実装されているセンサ基板91(図1参照)に接続される第一端子部71(図2参照)と、コイルホルダ43に設けられたリード(不図示)に接続される第二端子部72(図3参照)と、を有する。
FPC7は、上側面に第一コイル固定部73を有する。第一コイル固定部73は、後述の左側第一コイル682a及び右側第一コイル682bを保持するための部分である。
具体的には、第一コイル固定部73は、左側第一コイル固定部73a及び右側第一コイル固定部73bを有する。左側第一コイル固定部73aは、FPC7の上側面において、後述のホルダ61の左側第一マグネット配置部619aと上下方向(Z方向)に対面する部分に設けられている。
又、右側第一コイル固定部73bは、FPC7の上側面において、後述のホルダ61の右側第一マグネット配置部619bと上下方向(Z方向)に対面する部分に設けられている。
FPC7は、上側面に素子固定部74(図12参照)を有する。素子固定部74は、FPC7の上側面において、支持プレート64の保持部641aと上下方向に対向する位置に設けられている。
<振れ補正装置>
次に、振れ補正装置6について説明する。振れ補正装置6は、駆動部であって、Z方向に平行な第一軸A1(図10参照)及びY方向に平行な第二軸A2(図11A及び図11B参照)を中心にプリズム5を揺動させることにより、第一軸A1を中心とした第一回転方向の振れ補正、及び、第二軸A2を中心とした第二回転方向の触れ補正を行う。このような振れ補正装置6は、カバー3とベース4とで覆われる収容空間に配置されている。
振れ補正装置6は、ホルダ61、支持プレート64、第一揺動支持部65、第二揺動支持部66、第一駆動部68、及び第二駆動部69を備える。
振れ補正装置6において、ホルダ61は、支持プレート64を介して、ベース4に支持されている。ホルダ61は、ベース4に対して、第一軸A1を中心とした揺動可能、且つ、第二軸A2を中心とした揺動可能である。この状態でホルダ61は、第一駆動部68が発生する駆動力(第一駆動力とも称する。)に基づいて第一軸A1を中心に揺動し、第二駆動部69が発生する駆動力(第二駆動力とも称する。)に基づいて第二軸A2を中心に揺動する。
制御部92(図1参照)の制御下で第一駆動部68が駆動すると、ホルダ61及びプリズム5が、第一軸A1を中心に揺動する。これにより、第一軸A1を中心とした第一回転方向の振れが補正される。又、制御部92(図1参照)の制御下で第二駆動部69が駆動すると、ホルダ61及びプリズム5が、第二軸A2を中心に揺動する。これにより、第二軸A2を中心とした第一回転方向の振れが補正される。以下、振れ補正装置6が備える各部材の具体的構造について説明する。
(ホルダ)
図2、図5〜図7を参照して、ホルダ61について説明する。ホルダ61は、内側可動側部材の一例に該当し、プリズム5(図1参照)を保持している。又、ホルダ61は、プリズム5をベース4に対して揺動可能に支持するための保持部材の一例でもある。ホルダ61は、ベース4に対して、第一軸A1を中心とした揺動可能、且つ、第二軸A2を中心とした揺動可能である。よって、プリズム5も、ベース4に対して、第一軸A1を中心とした揺動可能、且つ、第二軸A2を中心とした揺動可能である。
ホルダ61は、例えば、合成樹脂製であって、後壁部610、左壁部612a、右壁部614b、載置部617、及び底壁部618を備える。
(後壁部)
後壁部610は、YZ平面に平行であり、且つ、長手方向がY方向に一致する板状である。後壁部610は、Y方向+側の端部である第一端部(左端部)と、Y方向−側の端部である第二端部(右端部)と、Z方向−側の端部である第三端部(下端部)と、Z方向+側の端部である第四端部(上端部)と、を有する。又、後壁部610は、X方向−側の面である第一面(後側面)を有する。
後壁部610は、後側面に、第二マグネット配置部611(図6及び図7参照)を有する。第二マグネット配置部611は、後述の左側第二マグネット691a及び右側第二マグネット691b(第二マグネット)を配置するためのものである。
具体的には、第二マグネット配置部611は、左側第二マグネット配置部611a及び右側第二マグネット配置部611bを有する。左側第二マグネット配置部611aは、後壁部610における後側面の左側半部に設けられている。又、右側第二マグネット配置部611bは、後壁部610における後側面の右側半部に設けられている。
左側第二マグネット配置部611a及び右側第二マグネット配置部611bはそれぞれ、例えば、矩形状の凹部又は貫通孔により画定される空間により構成されている。左側第二マグネット配置部611aには、後述の左側第二マグネット691aが配置されている。右側第二マグネット配置部611bには、後述の右側第二マグネット691bが配置されている。
後壁部610は、ベース4のコイルホルダ43における基部430に対して前側に配置されている。後壁部610は、基部430と前後方向(X方向)に対面している。第二マグネット配置部611は、基部430の第二コイル保持部433に対して前側に配置されている。第二マグネット配置部611は、基部430の第二コイル保持部433と前後方向に対面している。
具体的には、左側第二マグネット配置部611aは、左側第二コイル保持部433aと前後方向に対面している。右側第二マグネット配置部611bは、右側第二コイル保持部433bと前後方向に対面している。
(左壁部)
左壁部612aは、第一側壁部の一例に該当し、XZ平面に平行な板状である。左壁部612aは、X方向−側の端部である第一端部(後端部)と、X方向+側の端部である第二端部(前端部)と、を有する。左壁部612aの後端部は、後壁部610の左端部に接続されている。左壁部612aは、後壁部610の左端部から前側に延在している。
左壁部612aは、左側バネ固定部613a(図2及び図6参照)を有する。左側バネ固定部613aは、後述の左側軸受部66aの板バネ666aを固定するためのものである。左側バネ固定部613aは、左壁部612aの左側面(外側面)に設けられている。
左側バネ固定部613aは、左壁部612aにおいて第二軸A2を中心とした矩形領域の四隅に設けられた凸部により構成されている。
左壁部612aは、ベース4の左壁部41a及びコイルホルダ43の左側板部431aに対して右側に配置されている。左壁部612aは、左壁部41a及び左側板部431aと左右方向(Y方向)に対面している。
(右壁部)
右壁部614bは、第二側壁部の一例に該当し、XZ平面に平行な板状である。右壁部614bは、X方向−側の端部である第一端部(後端部)と、X方向+側の端部である第二端部(前端部)と、を有する。右壁部614bの後端部は、後壁部610の右端部に接続されている。右壁部614bは、後壁部610の右端部からX方向+側に延在している。
右壁部614bは、右側バネ固定部615b(図5参照)を有する。右側バネ固定部615bは、後述の右側軸受部67bの板バネ676bを固定するためのものである。右側バネ固定部615bは、右壁部614bの右側面(外側面)に設けられている。
右側バネ固定部615bは、右壁部614bにおいて第二軸A2を中心とした矩形領域の四隅に設けられた凸部により構成されている。
右壁部614bは、ベース4の右壁部42b及びコイルホルダ43の右側板部431bに対して左側に配置されている。右壁部614bは、右壁部42b及び右側板部431bと左右方向(Y方向)に対面している。
(載置部)
載置部617は、長手方向がY方向に一致する板状である。載置部617は、X方向+側の端部である第一端部(前端部)と、X方向−側の端部である第二端部(後端部)と、Y方向+側の端部である第三端部(左端部)と、Y方向−側の端部である第四端部(右端部)と、を有する。
載置部617の後端部は、後壁部610の前側面に接続されている。載置部617の前端部は、後述の底壁部618の前端部に接続されている。載置部617の左端部は、左壁部612aの右側面(内側面)に接続されている。載置部617の右端部は、右壁部614bの左側面に接続されている。
載置部617の第一端部は、載置部617の第二端部に対して下側に位置している。即ち、載置部617は、後壁部610から離れるほど下方に向かう方向に傾斜している。載置部617の上面は、プリズム5を配置するための載置面である。
載置面は、プリズム5の裏面(Z方向−側の面)に対面している。載置面は、例えば、プリズム5の裏面と平行な面である。尚、載置部は、本実施形態の構造に限定されず、例えば、プリズム5の位置決めを可能なボス等でもよい。
(底壁部)
底壁部618は、ホルダ61の底部を構成する。底壁部618は、Y方向+側の端部である第一端部(左端部)と、Y方向−側の端部である第二端部(右端部)と、X方向+側の端部である第三端部(前端部)と、X方向−側の端部である第四端部(後端部)と、を有する。底壁部618は、Z方向−側の面である第一側面(下側面)を有する。
底壁部618の左端部は、左壁部612aの下端部に接続されている。底壁部618の右端部は、右壁部614bの下端部に接続されている。底壁部618の前端部は、載置部617の前端部に接続されている。底壁部618の後端部は、後壁部610の下端部に接続されている。
底壁部618は、下側面に第一マグネット配置部619を有する。第一マグネット配置部619は、後述の左側第一マグネット681a及び右側第一マグネット681bを配置するためのものである。
具体的には、第一マグネット配置部619は、左側第一マグネット配置部619a及び右側第一マグネット配置部619bを有する。左側第一マグネット配置部619a及び右側第一マグネット配置部619bはそれぞれ、底壁部618の下側面に設けられた凹部又は貫通孔により画定される空間により構成されている。
第一マグネット配置部619は、FPC7の第一コイル固定部73に対して上側に設けられている。第一マグネット配置部619は、第一コイル固定部73と上下方向(Z方向)に対面している。
具体的には、左側第一マグネット配置部619aは、左側第一コイル固定部73aと上下方向に対面している。右側第一マグネット配置部619bは、右側第一コイル固定部73bと上下方向に対面している。
(支持プレート)
図2及び図8を参照して、支持プレート64について説明する。支持プレート64は、外側可動側部材及び外側プレートの一例に該当し、側面視で、Z方向+側に開口するU字形の板状である。支持プレート64の側面視とは、X方向+側又はX方向−側から支持プレート64を見ることを意味する。又、支持プレート64は、プリズム5をベース4に対して揺動可能に支持するための保持部材の一例でもある。
又、支持プレート64は、平面視で、T字形である。支持プレート64の平面視とは、Z方向+側又はZ方向−側から支持プレート64を見ることを意味する。
本実施形態の場合、外側可動側部材は、一つの部材(支持プレート64)で構成されている。但し、外側可動側部材は、組み合わされた複数の部材により構成されてもよい。
支持プレート64は、後述の第一揺動支持部65の第一揺動中心軸652(図9参照)を介して、ベース4に支持されている。支持プレート64は、ベース4に対して、第一軸A1(図10参照)を中心とした揺動可能である。
又、支持プレート64は、支持プレート64(外側可動側部材)に対してホルダ61を、第二軸A2を中心に揺動可能に、ホルダ61及び支持プレート64(外側プレート)の係合を介して支持している。尚、本実施形態の場合、ホルダ61と支持プレート64(外側プレート)とは、後述の第二揺動支持部66を介して係合している。
つまり、本実施形態の場合、ホルダ61と支持プレート64(外側プレート)との係合は、ホルダ61と支持プレート64(外側プレート)とが他の部材(本実施形態の場合、第二揺動支持部66)を介して係合することを意味する。ただし、ホルダ61と支持プレート64(外側プレート)との係合は、ホルダ61と支持プレート64(外側プレート)とが他の部材を介さずに直接係合することを意味してもよい。
支持プレート64は、基部641と、左側腕部642aと、右側腕部644bと、後側腕部646と、軸支持部647と、ホルダ固定部648と、を有する。
(基部)
基部641は、XY平面に平行であり、且つ、長手方向がY方向に一致する板状である。基部641は、Y方向+側の端部である第一端部(左端部)と、Y方向−側の端部である第二端部(右端部)と、X方向−側の端部である第三端部(後端部)と、を有する。
又、基部641は、Z方向−側の面である第一面(下側面)と、Z方向+側の面である第二面(上側面)と、を有する。
基部641は、ベース4の底壁部40に対して上側に配置されている。基部641の下側面は、底壁部40の上側面と僅かな隙間を介して対面している。
基部641は、左右方向における中央部に、保持部641aを有する。保持部641aは、基部641を上下方向に貫通した矩形状の貫通孔により構成されている。基部641は、保持部641aの内側面における左側面に、左側凸部641bを有する。左側凸部641bは、保持部641aの内側面における左側面から保持部641aの中央部に向かって延在している。
基部641は、保持部641aの内側面における右側面に、右側凸部641cを有する。右側凸部641cは、保持部641aの内側面における右側面から保持部641aの中央部に向かって延在している。
基部641は、保持部641aの内側面における後側面に、後側凸部641dを有する。後側凸部641dは、保持部641aの内側面における後側面から保持部641aの中央部に向かって延在している。
左側凸部641bの先端部と、右側凸部641cの先端部と、後側凸部641dの先端部とにより囲まれた空間に、後述の第一駆動部68の第一位置検出マグネット683が配置されている。
左側凸部641bの先端部は、第一位置検出マグネット683の左側面と当接している。右側凸部641cの先端部は、第一位置検出マグネット683の右側面と当接している。後側凸部641dの先端部は、第一位置検出マグネット683の後側面と当接している。
左側凸部641b、右側凸部641c、及び後側凸部641dは、第一位置検出マグネット683との当接に基づいて、第一位置検出マグネット683を、左右方向及び前後方向に位置決めしている。
(左側腕部)
左側腕部642aは、第一外側腕部の一例に該当し、XZ平面に平行な板状である。左側腕部642aは、Z方向−側の端部である第一端部(下端部)と、Z方向+側の端部である第二端部(上端部)と、を有する。左側腕部642aの下端部は、基部641の左端部に接続されている。左側腕部642aは、基部641の左端部から上方に延在している。
左側腕部642aは、左側軸受保持部643aを有する。左側軸受保持部643aは、後述の左側軸受部66aの外側軸受要素663aを保持するためのものである。左側軸受保持部643aは、左側腕部642aを左右方向に貫通する貫通孔により構成されている。
左側腕部642aは、ホルダ61の左壁部612aに対して左側に配置されている。左側腕部642aは、左壁部612aと左右方向に対面している。
(右側腕部)
右側腕部644bは、第二外側腕部の一例に該当し、XZ平面に平行な板状である。右側腕部644bは、Z方向−側の端部である第一端部(下端部)と、Z方向+側の端部である第二端部(上端部)と、を有する。右側腕部644bの下端部は、基部641の右端部に接続されている。右側腕部644bは、基部641の右端部からZ方向+側に延在している。
右側腕部644bは、右側軸受保持部645bを有する。右側軸受保持部645bは、後述の右側軸受部67bの外側軸受要素673bを保持するためのものである。右側軸受保持部645bは、右側腕部644bを左右方向に貫通する貫通孔により構成されている。
右側腕部644bは、ホルダ61の右壁部614bに対して右側に配置されている。右側腕部644bは、右壁部614bと左右方向に対面している。
(後側腕部)
後側腕部646は、第三外側腕部の一例に該当し、X方向+側の端部である第一端部(前端部)と、X方向−側の端部である第二端部(後端部)と、を有する。後側腕部646の前端部は、基部641の後端部における左右方向の中央部に接続されている。後側腕部646は、基部641の後端部から後方に延在している。
後側腕部646は、前側から順に、前側板部646a、接続段部646b、及び後側板部646cを有する。前側板部646aは、XY平面に平行な矩形板状であって、X方向+側の端部である第一端部(前端部)と、X方向−側の端部である第二端部(後端部)と、を有する。前側板部646aの前端部は、基部641の後端部に接続されている。
接続段部646bは、YZ平面に平行な矩形板状であって、Z方向−側の端部である第一端部(下端部)と、Z方向+側の端部である第二端部(上端部)と、を有する。接続段部646bの下端部は、前側板部646aの後端部に接続されている。接続段部646bは、前側板部646aの後端部から上方に延在している。
後側板部646cは、XY平面に平行な矩形板状であって、X方向+側の端部である第一端部(前端部)と、X方向−側の端部である第二端部(後端部)と、を有する。後側板部646cの前端部は、接続段部646bの上端部に接続されている。後側板部646cは、接続段部646bの上端部から後方に延在している。
(軸支持部)
軸支持部647は、後側板部646cに設けられている。具体的には、軸支持部647は、後側板部646cをZ方向に貫通する貫通孔により構成されている。軸支持部647には、後述の第一揺動支持部65の第一揺動中心軸652(図10参照)が挿通されている。
軸支持部647は、ベース4の底壁部40における下側軸受保持部401及びコイルホルダ43における上側軸受保持部437と、上下方向に対面している。軸支持部647は、上下方向において、下側軸受保持部401と上側軸受保持部437との間に配置されている。
ホルダ固定部648は、基部641の上側面において、保持部641aを囲む領域に設けられている。ホルダ固定部648には、後述の第一駆動部68のマグネットホルダ685が固定されている。
(第一揺動支持部)
図2、図9、及び図10を参照して、第一揺動支持部65について説明する。第一揺動支持部65は、支持プレート64を、ベース4に対して、第一軸A1(図10参照)を中心とした揺動可能な状態で支持するためのものである。第一揺動支持部65は、支持プレート64の後側板部646cと、ベース4との間に設けられている。具体的には、第一揺動支持部65は、下側軸受651aと、上側軸受651bと、第一揺動中心軸652と、板バネ653と、を有する。
下側軸受651aは、第一軸受の一例に該当し、焼結金属製であり、円筒状の滑り軸受である。下側軸受651aは、例えば、焼結金属製の本体部に、潤滑油が含浸されている。このような下側軸受651aは、ベース4の底壁部40における下側軸受保持部401(凹部401b)に固定されている。下側軸受651aは、下側軸受保持部401(凹部401b)に、接着等の固定手段により固定されている。
上側軸受651bは、第二軸受の一例に該当し、焼結金属製であり、円筒状の滑り軸受である。上側軸受651bは、例えば、焼結金属製の本体部に、潤滑油が含浸されている。このような上側軸受651bは、ベース4におけるコイルホルダ43の上側軸受保持部437に固定されている。上側軸受651bは、上側軸受保持部437に、接着等の固定手段により固定されている。
下側軸受651aの中心軸と上側軸受651bの中心軸とは、上下方向に平行な同一直線上に位置している。よって、下側軸受651aと上側軸受651bとは同軸である。
第一揺動中心軸652は、中心軸が上下方向に一致した軸部材である。第一揺動中心軸652の中心軸は、第一軸A1に一致する。第一揺動中心軸652は、Z方向−側の端部である第一端部(下端部)と、Z方向+側の端部である第二端部(上端部)と、を有する。第一揺動中心軸652の下端面及び上端面は、球面状である。
第一揺動中心軸652の下端部(第一部分)は、下側軸受651aに回転可能な状態で挿通されている。第一揺動中心軸652の上端部(第二部分)は、上側軸受651bに回転可能な状態で挿通されている。このような第一揺動中心軸652は、下端部及び上端部の2箇所を、下側軸受651a及び上側軸受651bにより回転可能に支持されている。このような構成は、第一揺動中心軸652の傾きの抑制に寄与する。
第一揺動中心軸652は、支持プレート64の軸支持部647、接着等の固定手段により固定されている。よって、第一揺動中心軸652は、支持プレート64とともに、第一軸A1(図10参照)を中心に回転可能である。
本実施形態の場合、第一揺動中心軸652の下端部寄り部分(下側軸受651aに挿通された部分に対して僅かに上側の部分)が、軸支持部647固定されている。第一揺動中心軸652の下端面は、ベースプレート44の上側面に当接している。又、第一揺動中心軸652の上端面は、上側軸受651bに対して上側に位置している。
板バネ653は、付勢部材の一例に該当し、弾性を有する板状である。板バネ653は、第一揺動中心軸652をベース4に向けて(下方に)付勢するためのものである。板バネ653は、図9に示すように、固定部654と、押付部655と、接続部656と、を有する。
固定部654は、YZ平面に平行な板状であって、板バネ653の第一端部に設けられている。固定部654は、ベース4におけるコイルホルダ43の板バネ固定部436に固定されている。
押付部655は、XY平面に平行な板状であって、板バネ653の第二端部に設けられている。押付部655の下側面は、第一揺動中心軸652の上端面に当接している。
接続部656は、YZ平面に平行な板状の第一部分と、XY平面に平行な第二部分とが接続されたL字状に構成されている。接続部656は、固定部654と押付部655とを接続している。
このような板バネ653の押付部655は、組付状態において、第一揺動中心軸652の上端面を下方に押している。板バネ653から受ける下向きの付勢力に基づいて、第一揺動中心軸652の第一端面(下端面)は、ベースプレート44の上面に押し付けられている。
(第二揺動支持部)
図2、図9、図11A、及び図11Bを参照して、第二揺動支持部66について説明する。図11Aは、第二揺動支持部66の左側軸受部66aの断面図である。図11Bは、第二揺動支持部66の右側軸受部67bの断面図である。
第二揺動支持部66は、ホルダ61を、第二軸A2(図11A及び図11B参照)を中心とした揺動可能な状態で、支持プレート64に支持するためのものである。
第二揺動支持部66は、ホルダ61と支持プレート64との間に設けられている。具体的には、第二揺動支持部66は、左側軸受部66aと、右側軸受部67bとを有する。左側軸受部66aと右側軸受部67bとは、同軸上に設けられている。左側軸受部66a及び右側軸受部67bの中心軸は、第二軸A2に一致する。
(左側軸受部)
左側軸受部66aは、ホルダ61の左壁部612aと支持プレート64の左側腕部642aとの間に設けられている。左側軸受部66aは、内側軸受要素661aと、外側軸受要素663aと、ボール665aと、板バネ666aと、を有する。
内側軸受要素661aは、第一内側軸受要素の一例に該当し、ステンレス等の金属製である。内側軸受要素661aの概略形状は、中心軸が左右方向に平行な筒状である。
内側軸受要素661aは、Y方向+側の端部である第一端部(左端部)と、Y方向−側の端部である第二端部(右端部)と、を有する。又、内側軸受要素661aは、Y方向+側の端面である第一端面(左端面)と、Y方向−側の端面である第二端面(右端面)と、を有する。
このような内側軸受要素661aは、右端部に底部を有し、且つ、左端部に開口部を有する。換言すれば、内側軸受要素661aは、YZ平面に平行な平面で切断した場合の断面形状が、左端面に開口部を有する略U字形である。
具体的には、内側軸受要素661aは、左端面に開口した内側凹部662aを有する。内側凹部662aは、内側軸受要素661aの左端面から右端面に向けて凹んでいる。内側凹部662aは、左側から順に、内側円筒面662cと、内側転動面662dと、を有する。
内側円筒面662cは、外側軸受要素663aの右端部を、外側軸受要素663aの径方向における外側から囲むように配置されている。内側円筒面662cの内径は、外側軸受要素663aの右端部の外径と比べて大きい。よって、内側円筒面662cと、外側軸受要素663aの右端部の外周面との間には、隙間が存在している。
内側転動面662dは、右側に向かうほど(換言すれば、外側軸受要素663aから離れるほど)内径が小さくなる円錐面である。内側転動面662dは、後述のボール665aの外周面と当接している。
内側軸受要素661aの右端面は、平坦面である。このような内側軸受要素661aの右端面は、ホルダ61の左壁部612aの左側面と、所定の隙間を介して左右方向に対面している。よって、内側軸受要素661aの右端面は、ホルダ61の左壁部612aに当接していない。このような内側軸受要素661aは、板バネ666aを介して、左壁部612aに弾性的に支持されている。
外側軸受要素663aは、第一外側軸受要素の一例に該当し、ステンレス等の金属製である。外側軸受要素663aの概略形状は、中心軸が左右方向に平行な円柱状である。
外側軸受要素663aは、Y方向+側の面である第一面(左側面)と、Y方向−側の面である第二面(右側面)を有する。外側軸受要素663aは、Y方向+側の端部である第一端部(左端部)と、Y方向−側の端部である第二端部(右端部)を有する。
外側軸受要素663aは、内側軸受要素661aと比べて左側に設けられている。外側軸受要素663aは、内側軸受要素661aと同軸上に設けられている。
外側軸受要素663aは、右側面に、外側転動面663cを有する。外側転動面663cは、内側転動面662dと左右方向に対面している。
外側転動面663cは、左側に向かうほど(換言すれば、内側軸受要素661aから離れるほど)内径が小さくなる円錐状の凹部により構成されている。
外側軸受要素663aは、左端部の外周面に外側鍔部663dを有する。外側鍔部663dは、外側軸受要素663aの外周面における左端部から、径方向における外側に延在している。
外側軸受要素663aの左側面は、平坦面である。このような外側軸受要素663aは、支持プレート64の左側腕部642aにおける左側軸受保持部643aに挿通され、且つ、接着等の固定手段により固定されている。この状態で、外側鍔部663dは、左側腕部642aと比べて左側に配置されている。外側鍔部663dの右側面(Y方向−側の側面)は、左側腕部642aの左側面に当接している。
又、外側軸受要素663aの右端部は、内側軸受要素661aの左端部により、外側軸受要素663aの径方向における隙間を介した状態で覆われている。このような構成は、例えば、カメラモジュール1に衝撃が加わった状況において、ボール665aの脱落を抑制できる。
ボール665aは、第一転動体の一例に該当する。ボール665aは、内側軸受要素661aの内側転動面662dと、外側軸受要素663aの外側転動面663cとの間に、転動自在な状態で設けられている。
内側軸受要素661a、外側軸受要素663a、及びボール665aにより構成される軸受装置は、第三軸受の一例に該当する。第三軸受の中心軸は、第二軸A2に一致している。
板バネ666aは、弾性支持部材の一例に該当し、ホルダ61の左壁部612aに対して、左側軸受部66aを弾性的に支持するためのものである。板バネ666aは、内側軸受要素661aを外側軸受要素663aに向けて付勢している。
具体的には、板バネ666aは、内側固定部666cと、外側固定部666dと、弾性変形部666eと、を有する。
内側固定部666cは、円輪状である。内側固定部666cは、内側軸受要素661aの外周面に固定されている。
外側固定部666dは、板バネ666aをホルダ61に固定するための部分である。具体的には、外側固定部666dは、ホルダ61における左壁部612aの左側バネ固定部613aに、接着等の固定手段により固定されている。
本実施形態の場合、外側固定部666dの数は、4個である。外側固定部666dはそれぞれ、第二軸A2を中心とし、且つ、Z軸に平行な2辺及びX方向に平行な2辺を有する仮想矩形の頂点に対応する位置に設けられている。
弾性変形部666eは、少なくともY方向に弾性変形可能であり、内側固定部666cと外側固定部666dとを接続している。本実施形態の場合、弾性変形部666eの数は、4個である。組付状態において、弾性変形部666eは、Y方向に弾性変形する。
すると、弾性変形部666eの復元力に基づいて、内側固定部666cに左向きの弾性力が作用する。この弾性力は、内側軸受要素661aを外側軸受要素663aに向けて付勢する。この結果、ボール665aが、内側軸受要素661aの内側転動面662dと、外側軸受要素663aの外側転動面663cとの間で所定の圧力値で挟持される。この所定の圧力値は、弾性変形部666eの諸元(例えば、材質、形状)を変えることにより、適宜設定可能である。尚、弾性変形部666eは、Y方向以外の方向に弾性変形可能であってもよい。
(右側軸受部)
右側軸受部67bは、ホルダ61の右壁部614bと支持プレート64の右側腕部644bとの間に設けられている。右側軸受部67bは、内側軸受要素671bと、外側軸受要素673bと、ボール675bと、板バネ676bと、を有する。
内側軸受要素671bは、第一内側軸受要素の一例に該当し、ステンレス等の金属製である。内側軸受要素671bの概略形状は、中心軸が左右方向に平行な筒状である。
内側軸受要素671bは、Y方向+側の端部である第一端部(左端部)と、Y方向−側の端部である第二端部(右端部)と、を有する。又、内側軸受要素671bは、Y方向+側の端面である第一端面(左端面)と、Y方向−側の端面である第二端面(右端面)と、を有する。
このような内側軸受要素671bは、左端部に底部を有し、且つ、右端部に開口部を有する。換言すれば、内側軸受要素671bは、YZ平面に平行な平面で切断した場合の断面形状が、右端面に開口部を有する略U字形である。
具体的には、内側軸受要素671bは、右端面に開口した内側凹部672bを有する。内側凹部672bは、内側軸受要素671bの右端面から左端面に向けて凹んでいる。内側凹部672bは、右側から順に、内側円筒面672cと、内側転動面672dと、を有する。
内側円筒面672cは、外側軸受要素673bの左端部を、外側軸受要素673bの径方向における外側から囲むように配置されている。内側円筒面672cの内径は、外側軸受要素673bの左端部の外径と比べて大きい。よって、内側円筒面672cと、外側軸受要素673bの左端部の外周面との間には、隙間が存在している。
内側転動面672dは、左側に向かうほど(換言すれば、外側軸受要素673bから離れるほど)内径が小さくなる円錐面である。内側転動面672dは、後述のボール675bの外周面と当接している。
内側軸受要素671bの左端面は、平坦面である。このような内側軸受要素671bの左端面は、ホルダ61の右壁部614bの右側面と、所定の隙間を介して左右方向に対面している。よって、内側軸受要素671bの左端面は、ホルダ61の右壁部614bに当接していない。このような内側軸受要素671bは、板バネ676bを介して、右壁部614bに弾性的に支持されている。
外側軸受要素673bは、第一外側軸受要素の一例に該当し、ステンレス等の金属製である。外側軸受要素673bの概略形状は、中心軸が左右方向に平行な円柱状である。
外側軸受要素673bは、Y方向+側の面である第一面(左側面)と、Y方向−側の面である第二面(右側面)を有する。外側軸受要素673bは、Y方向+側の端部である第一端部(左端部)と、Y方向−側の端部である第二端部(右端部)を有する。
外側軸受要素673bは、内側軸受要素671bと比べて右側に設けられている。外側軸受要素673bは、内側軸受要素671bと同軸上に設けられている。
外側軸受要素673bは、左側面に、外側転動面673cを有する。外側転動面673cは、内側転動面672dと左右方向に対面している。
外側転動面673cは、右側に向かうほど(換言すれば、内側軸受要素671bから離れるほど)内径が小さくなる円錐状の凹部により構成されている。
外側軸受要素673bは、右端部の外周面に外側鍔部673dを有する。外側鍔部673dは、外側軸受要素673bの外周面における右端部から、径方向における外側に延在している。
外側軸受要素673bの右側面は、平坦面である。このような外側軸受要素673bは、支持プレート64の右側腕部644bにおける右側軸受保持部645bに挿通され、且つ、接着等の固定手段により固定されている。この状態で、外側鍔部673dは、右側腕部644bと比べて右側に配置されている。外側鍔部673dの左側面(Y方向+側の側面)は、右側腕部644bの右側面に当接している。
又、外側軸受要素673bの左端部は、内側軸受要素671bの右端部により、外側軸受要素673bの径方向における隙間を介した状態で覆われている。このような構成は、例えば、カメラモジュール1に衝撃が加わった状況において、ボール675bの脱落を抑制できる。
ボール675bは、第一転動体の一例に該当する。ボール675bは、内側軸受要素671bの内側転動面672dと、外側軸受要素673bの外側転動面673cとの間に、転動自在な状態で設けられている。
内側軸受要素671b、外側軸受要素673b、及びボール675bにより構成される軸受装置は、第三軸受の一例に該当する。第三軸受の中心軸は、第二軸A2に一致している。
板バネ676bは、弾性支持部材の一例に該当し、ホルダ61の右壁部614bに対して、右側軸受部67bを弾性的に支持するためのものである。板バネ676bは、内側軸受要素671bを外側軸受要素673bに向けて付勢している。
具体的には、板バネ676bは、内側固定部676cと、外側固定部676dと、弾性変形部676eと、を有する。
内側固定部676cは、円輪状である。内側固定部676cは、内側軸受要素671bの外周面に固定されている。
外側固定部676dは、板バネ676bをホルダ61に固定するための部分である。具体的には、外側固定部676dは、ホルダ61における右壁部614bの右側バネ固定部615bに、接着等の固定手段により固定されている。
本実施形態の場合、外側固定部676dの数は、4個である。外側固定部676dはそれぞれ、第二軸A2を中心とし、且つ、Z軸に平行な2辺及びX方向に平行な2辺を有する仮想矩形の頂点に対応する位置に設けられている。
弾性変形部676eは、少なくともY方向に弾性変形可能であり、内側固定部676cと外側固定部676dとを接続している。本実施形態の場合、弾性変形部676eの数は、4個である。組付状態において、弾性変形部676eは、Y方向に弾性変形する。
すると、弾性変形部676eの復元力に基づいて、内側固定部676cに左向きの弾性力が作用する。この弾性力は、内側軸受要素671bを外側軸受要素673bに向けて付勢する。この結果、ボール675bが、内側軸受要素671bの内側転動面672dと、外側軸受要素673bの外側転動面673cとの間で所定の圧力値で挟持される。この所定の圧力値は、弾性変形部676eの諸元(例えば、材質、形状)を変えることにより、適宜設定可能である。尚、弾性変形部676eは、Y方向以外の方向に弾性変形可能であってもよい。
(第二揺動支持部に関する付記)
以上のように、本実施形態の場合、第二揺動支持部66は、第一揺動支持部65のように、揺動の中心となる軸部材(第一揺動支持部65の第一揺動中心軸652)を備えていない。つまり、第二揺動支持部66は、軸部材を用いることなく、ホルダ61を、第二軸A2(図11A及び図11B参照)を中心とした揺動可能な状態で、支持プレート64に支持している。このような構成によれば、左右方向における光路屈曲モジュール2の寸法を小さくできる。
(第一駆動部)
第一駆動部68は、第一軸A1(図10参照)を中心に、ホルダ61を揺動させる。第一軸A1は、Z方向に平行な軸である。具体的には、第一軸A1は、第一揺動支持部65の第一揺動中心軸652の中心軸に一致する。
第一駆動部68は、左側第一駆動部68aと、右側第一駆動部68bと、第一位置検出マグネット683と、第一位置検出素子684と、を有する。
左側第一駆動部68aは、ホルダ61の底壁部618と、ベース4に固定されたFPC7との間に設けられている。FPC7は、固定側部材の一部と捉えてよい。
左側第一駆動部68aは、ボイスコイルモータであって、左側第一マグネット681aと、左側第一コイル682aと、を備える。
左側第一マグネット681aは、可動側部材であるホルダ61の底壁部618における左側第一マグネット配置部619aに配置されている。左側第一マグネット681aは、左側第一マグネット配置部619aに、左側第一ヨーク686a(図12参照)を介して、接着等の固定手段により固定されている。
左側第一マグネット681aは、前後方向に隣り合う2個のマグネット素子からなる。これら各マグネット素子はそれぞれ、上下方向に着磁され、片側に一つの磁極を有する。各マグネット素子の磁極の向きは、互いに反対である。
左側第一コイル682aは、振れ補正時に給電される長円形状のいわゆる空心コイルである。左側第一コイル682aは、長軸が左右方向に一致した状態で、FPC7における左側第一コイル固定部73aに、接着等の固定手段により固定されている。
左側第一コイル682aは、左側第一マグネット681aと比べて下方に設けられている。左側第一コイル682aは、左側第一マグネット681aと上下方向に所定の間隔をあけて対面している。
尚、本実施形態の場合、左側第一マグネット681aが可動側部材に設けられ、左側第一コイル682aが固定側部材に設けられている。ただし、左側第一マグネット681aが固定側部材に設けられ、左側第一コイル682aが可動側部材に設けられてもよい。
右側第一駆動部68bは、ボイスコイルモータであって、右側第一マグネット681bと、右側第一コイル682bと、を備える。
右側第一マグネット681bは、可動側部材であるホルダ61の底壁部618における右側第一マグネット配置部619bに配置されている。右側第一マグネット681bは、右側第一マグネット配置部619bに、右側第一ヨーク686b(図12参照)を介して、接着等の固定手段により固定されている。
右側第一マグネット681bは、前後方向に隣り合う2個のマグネット素子からなる。これら各マグネット素子はそれぞれ、上下方向に着磁され、片側に一つの磁極を有する。各マグネット素子の磁極の向きは、互いに反対である。
右側第一コイル682bは、振れ補正時に給電される長円形状のいわゆる空心コイルである。右側第一コイル682bは、長軸が左右方向に一致した状態で、FPC7における右側第一コイル固定部73bに、接着等の固定手段により固定されている。
右側第一コイル682bは、右側第一マグネット681bと比べて下方に設けられている。右側第一コイル682bは、右側第一マグネット681bと上下方向に所定の間隔をあけて対面している。左側第一コイル682aと右側第一コイル682bとは、FPC7の配線(不図示)を介して電気的に接続されている。
尚、本実施形態の場合、右側第一マグネット681bが可動側部材に設けられ、右側第一コイル682bが固定側部材に設けられている。ただし、右側第一マグネット681bが固定側部材に設けられ、右側第一コイル682bが可動側部材に設けられてもよい。
本実施形態の場合、左側第一駆動部68aと右側第一駆動部68bとは、第一軸A1及び第二軸A2に直交する第三軸(前後方向に平行な軸)を通り、XZ平面に平行な面に関して対称な構造を有する。又、左側第一駆動部68aと右側第一駆動部68bとは、第一方向であるZ方向に直交する面(XY平面)に平行な状態で設けられている。
第一位置検出マグネット683は、直方体状の磁石である。本実施形態の場合、第一位置検出マグネット683は、左右方向に着磁されている。
第一位置検出マグネット683は、Z方向+側の面である第一面(上側面)と、Z方向−側の面である第二面(下側面)と、を有する。又、第一位置検出マグネット683は、Y方向+側の面である第三面(左側面)と、Y方向−側の面である第四面(右側面)と、X方向−側の面である第五面(後側面)と、を有する。
第一位置検出マグネット683は、マグネットホルダ685(図2参照)を介して、支持プレート64の保持部641aに配置されている。マグネットホルダ685は、非磁性金属製の板状である。マグネットホルダ685は、Z方向−側の面である第一側面(下側面)を有する。
マグネットホルダ685の下側面は、支持プレート64のホルダ固定部648に、接着等の固定手段により固定されている。
第一位置検出マグネット683の上側面は、マグネットホルダ685の下側面に接着等の固定手段により固定されている。
第一位置検出マグネット683の左側面は、保持部641aの左側凸部641bに当接している。第一位置検出マグネット683の右側面は、保持部641aの右側凸部641cに当接している。第一位置検出マグネット683の後側面は、保持部641aの後側凸部641dに当接している。
このような構成により、第一位置検出マグネット683は、マグネットホルダ685により、支持プレート64に対して、上下方向に位置決めされている。又、第一位置検出マグネット683は、保持部641aにより、支持プレート64に対して、左右方向及び前後方向に位置決めされている。
第一位置検出素子684は、FPC7の素子固定部74に固定されている。第一位置検出素子684は、第一位置検出マグネット683と比べて下方に設けられている。第一位置検出素子684は、第一位置検出マグネット683と上下方向において対面している。
第一位置検出素子684は、FPC7を介して電源に接続されている。第一位置検出素子684は、第一位置検出マグネット683の磁束(位置に関する情報とも称する。)を検出し、検出値を、センサ基板91に実装された制御部92に送る。制御部92は、第一位置検出素子684から受け取った検出値に基づいて、第一位置検出マグネット683(支持プレート64及びホルダ61)の、第一軸A1周りの位置を求める。
本実施形態の場合、第一位置検出素子684は、第一位置検出素子684を上下方向に通過する磁束の変化を検出する。支持プレート64(ホルダ61)が第一軸A1を中心に揺動していない状態(ホルダの基準状態とも称する。)で、第一位置検出素子684を上下方向に通過する磁束がゼロとなるように、第一位置検出マグネット683と第一位置検出素子684との配置が設定されている。
支持プレート64(ホルダ61)が、基準状態から第一軸A1を中心に揺動すると、支持プレート64(ホルダ61)とともに、第一位置検出マグネット683が揺動して(左右方向に移動して)、第一位置検出素子684を上下方向に通過する磁束が変化する。
(第一駆動部の動作)
以上のような構成を有する第一駆動部68の場合、制御部92の制御下で、FPC7を介して左側第一コイル682a及び右側第一コイル682bに電流が流れると、左側第一マグネット681a及び右側第一マグネット681bを前後方向に変位させるローレンツ力が生じる。
左側第一マグネット681aには、前後方向における一方を向いた上記ローレンツ力が作用する。一方、右側第一マグネット681bには、前後方向における他方を向いた上記ローレンツ力が作用する。このように左側第一マグネット681aと右側第一マグネット681bとに、前後方向において互いに逆方向を向いた力が作用する。
左側第一マグネット681a及び右側第一マグネット681bはそれぞれ、ホルダ61に固定されているため、上記ローレンツ力に基づいてホルダ61が、第一軸A1を中心に揺動する。尚、左側第一コイル682a及び右側第一コイル682bに流れる電流の向きを制御することにより、ホルダ61の移動方向(回転方向)が切り換わる。
(第一駆動部に関する付記)
本実施形態の場合、第一駆動部は、ベース4(固定側部材)とホルダ61(内側可動側部材)との間に設けられている。但し、第一駆動部の位置は、本実施形態の場合に限定されない。例えば、第一駆動部は、ベース4(固定側部材)と支持プレート64(外側可動側部材)との間に設けられてもよい。このような構成の場合、第一駆動部の第一駆動力に基づいて、支持プレート64が、ベース4に対して第一軸A1を中心に揺動する。この結果、ホルダ61は、ベース4に対して第一軸A1を中心に揺動する。
(第二駆動部)
第二駆動部69は、第二軸A2(図11A及び図11B参照)を中心に、ホルダ61を揺動させる。第二軸A2は、Y方向に平行な軸であり、第二揺動支持部66の中心軸に一致する。
第二駆動部69は、左側第二駆動部69aと、右側第二駆動部69bと、第二位置検出マグネット693と、第二位置検出素子694と、を有する。
左側第二駆動部69aと右側第二駆動部69bとは、左右方向において、第一揺動中心軸652を挟むように配置されている。左側第二駆動部69aと右側第二駆動部69bとは、XZ平面に平行な面に関して対称な構造を有する。
又、左側第二駆動部69aと右側第二駆動部69bとは、第二方向であるX方向に直交する面(YZ平面)に平行な状態で設けられている。又、左側第二駆動部69a及び右側第二駆動部69bは、第一揺動中心軸652と、同一のYZ平面上に設けられている。このような構成は、光路屈曲モジュール2の前後方向(X方向)における寸法を小さくできるため、光路屈曲モジュール2の小型化に寄与する。
具体的には、左側第二駆動部69aは、ホルダ61の後壁部610と、ベース4との間に設けられている。左側第二駆動部69aは、左側第二マグネット691aと、左側第二コイル692aと、を備える。
左側第二マグネット691aは、可動側部材であるホルダ61の後壁部610における左側第二マグネット配置部611aに配置されている。左側第二マグネット691aは、左側第二マグネット配置部611aに、左側第二ヨーク695aを介して、接着等の固定手段により固定されている。
左側第二マグネット691aは、上下方向に隣り合う2個のマグネット素子からなる。これら各マグネット素子はそれぞれ、前後方向に着磁され、片側に一つの磁極を有する。各マグネット素子の磁極の向きは、互いに反対である。
左側第二コイル692aは、振れ補正時に給電される長円形状のいわゆる空心コイルである。左側第二コイル692aは、長軸が左右方向に一致した状態で、ベース4におけるコイルホルダ43の左側第二コイル保持部433aに、接着等の固定手段により固定されている。左側第二コイル692aは、左側第二マグネット691aと比べて後方に設けられている。左側第二コイル692aは、左側第二マグネット691aと前後方向に所定の間隔をあけて対面している。
左側第二コイル692aは、第一端部及び第二端部と、を有する。左側第二コイル692aの第一端部は、FPC7における第二端子部72の第一端子に接続されている。この第一端子は、例えば、電源のプラス側に接続された端子である。つまり、左側第二コイル692aの第一端部は、電源のプラス側に接続されている。尚、第二端子部72の第一端子は、電源のマイナス側に接続された端子であってもよい。
又、左側第二コイル692aの第二端部は、FPC7における第二端子部72の第二端子に接続されている。この第二端子は、FPC7の配線を介して、第二端子部72の第三端子に接続された端子である。尚、第二端子部72の第三端子には、後述のように右側第二コイル692bの第一端部が接続されている。
右側第二駆動部69bは、右側第二マグネット691bと、右側第二コイル692bと、を備える。
右側第二マグネット691bは、可動側部材であるホルダ61の後壁部610における右側第二マグネット配置部611bに配置されている。右側第二マグネット691bは、右側第二マグネット配置部611bに、右側第二ヨーク695bを介して、接着等の固定手段により固定されている。
右側第二マグネット691bは、上下方向に隣り合う2個のマグネット素子からなる。これら各マグネット素子はそれぞれ、前後方向に着磁され、片側に一つの磁極を有する。各マグネット素子の磁極の向きは、互いに反対である。
右側第二コイル692bは、振れ補正時に給電される長円形状のいわゆる空心コイルである。右側第二コイル692bは、長軸が左右方向に一致した状態で、ベース4におけるコイルホルダ43の右側第二コイル保持部433bに、接着等の固定手段により固定されている。
右側第二コイル692bは、右側第二マグネット691bと比べて後方に設けられている。右側第二コイル692bは、右側第二マグネット691bと前後方向に所定の間隔をあけて対面している。
右側第二コイル692bは、第一端部及び第二端部と、を有する。右側第二コイル692bの第一端部は、FPC7における第二端子部72の第三端子に接続されている。この第三端子は、FPC7の配線を介して、第二端子部72の第二端子に接続された端子である。
つまり、右側第二コイル692bの第一端部は、左側第二コイル692aの第二端部に接続されている。このように左側第二コイル692aと右側第二コイル692bとは、FPC7の配線(不図示)を介して電気的に接続されている。
又、右側第二コイル692bの第二端部は、FPC7における第二端子部72の第四端子に接続されている。この第四端子は、例えば、電源のマイナス側に接続された端子である。つまり、左側第二コイル692aの第二端部は、電源のマイナス側に接続されている。尚、第二端子部72の第一端子が、電源のマイナス側に接続された端子である場合、第四端子は、電源のプラス側に接続された端子であってよい。
第二位置検出マグネット693は、左側第二位置検出マグネット693a及び右側第二位置検出マグネット693bを有する。
左側第二位置検出マグネット693aは、第一駆動部68における左側第一マグネット681aの左端部により構成されている。よって、左側第二位置検出マグネット693aは、上下方向に着磁されている。尚、左側第二位置検出マグネット693aは、左側第一マグネット681aとは別のマグネットであってもよい。
右側第二位置検出マグネット693bは、第一駆動部68における右側第一マグネット681bの右端部により構成されている。よって、右側第二位置検出マグネット693bは、上下方向に着磁されている。尚、右側第二位置検出マグネット693bは、右側第一マグネット681bとは別のマグネットであってもよい。又、第二位置検出マグネット693は、一つのマグネットにより構成されてもよい。
第二位置検出素子694は、FPC7の上側面に固定されている。第二位置検出素子694は、FPC7を介して電源に接続されている。第二位置検出素子694は、第二位置検出マグネット693と比べて下方に設けられている。第二位置検出素子694は、第二位置検出マグネット693と上下方向において対面している。
具体的には、第二位置検出素子694は、左側第二位置検出素子694a及び右側第二位置検出素子694bを有する。
左側第二位置検出素子694aは、FPC7の上側面において、左側第二位置検出マグネット693aと上下方向に対向する位置に設けられている。左側第二位置検出素子694aは、左側第二位置検出マグネット693aと比べて下方に設けられている。左側第二位置検出素子694aは、左側第二位置検出マグネット693aと上下方向において対面している。
右側第二位置検出素子694bは、FPC7の上側面において、右側第二位置検出マグネット693bと上下方向に対向する位置に設けられている。右側第二位置検出素子694bは、右側第二位置検出マグネット693bと比べて下方に設けられている。右側第二位置検出素子694bは、右側第二位置検出マグネット693bと上下方向において対面している。
左側第二位置検出素子694aは、左側第二位置検出マグネット693aの磁束(位置に関する情報とも称する。)を検出し、検出値を、センサ基板91に実装された制御部92に送る。又、右側第二位置検出素子694bは、右側第二位置検出マグネット693bの磁束(位置に関する情報とも称する。)を検出し、検出値を、センサ基板91に実装された制御部92に送る。
制御部92は、左側第二位置検出素子694a及び右側第二位置検出素子694bから受け取った検出値に基づいて、左側第二位置検出マグネット693a及び右側第二位置検出マグネット693b(ホルダ61)の、第二軸A2周りの位置を求める。
本実施形態の場合、左側第二位置検出素子694aは、左側第二位置検出素子694aを上下方向に通過する磁束の変化を検出する。支持プレート64(ホルダ61)が第二軸A2を中心に揺動していない状態(ホルダの基準状態とも称する。)で、左側第二位置検出素子694aを上下方向に通過する磁束がゼロとなるように、左側第二位置検出マグネット693aと左側第二位置検出素子694aとの配置が設定されている。
又、右側第二位置検出素子694bは、右側第二位置検出素子694bを上下方向に通過する磁束の変化を検出する。支持プレート64(ホルダ61)が第二軸A2を中心に揺動していない状態(ホルダの基準状態とも称する。)で、右側第二位置検出素子694bを上下方向に通過する磁束がゼロとなるように、右側第二位置検出マグネット693bと右側第二位置検出素子694bとの配置が設定されている。
支持プレート64(ホルダ61)が、基準状態から第二軸A2を中心に揺動すると、支持プレート64(ホルダ61)とともに、左側第二位置検出マグネット693a及び右側第二位置検出マグネット693bが揺動して、左側第二位置検出素子694a及び右側第二位置検出素子694bを上下方向に通過する磁束が変化する。
ただし、ホルダ61が第一軸A1周りに揺動している場合、左側第二位置検出素子694aの検出値と、右側第二位置検出素子694bの検出値には、第一軸A1周りの揺動に基づく磁束の変化に対応する値(以下、「ノイズ値」と称する。)が含まれる。
このようなノイズ値は、左側第二位置検出素子694aと右側第二位置検出素子694bとで正負が反対となる。この理由は、第一軸A1周りの揺動に基づく左側第二位置検出マグネット693aの移動方向と、右側第二位置検出マグネット693bの移動方向が互いに反対になるからである。
そこで、本実施形態の場合、ノイズ値を取り除くために、制御部92は、左側第二位置検出素子694aの検出値と、右側第二位置検出素子694bの検出値との和を求め、この和に基づいて、左側第二位置検出マグネット693a及び右側第二位置検出マグネット693b(ホルダ61)の、第二軸A2周りの位置を求める。
(第二駆動部の動作)
以上のような構成を有する第二駆動部69の場合、制御部92の制御下で、FPC7を介して左側第二コイル692a及び右側第二コイル692bに電流が流れると、左側第二マグネット691aを前後方向における一方に変位させるローレンツ力及び右側第二マグネット691bを前後方向における他方に変位させるローレンツ力が生じる。
このように左側第二マグネット691aと右側第二マグネット691bとに、前後方向において互いに逆方向を向いた力が作用する。
左側第二マグネット691a及び右側第二マグネット691bはそれぞれ、ホルダ61に固定されているため、上記ローレンツ力に基づいてホルダ61が、第二軸A2を中心に揺動する。尚、左側第二コイル692a及び右側第二コイル692bに流れる電流の向きを制御することにより、ホルダ61の移動方向(回転方向)が切り換わる。
[レンズモジュール]
レンズモジュール80は、光路屈曲モジュール2と比べてX方向+側に配置されている。被写体からの光は、図1に一点鎖線α(第一光軸とも称する。)で示されるように、Z方向+側から光路屈曲モジュール2のプリズム5に入射する。
プリズム5に入射した光は、図1に一点鎖線β(第二光軸とも称する。)で示されるように、プリズム5の光路屈曲面で屈曲して、プリズム5と比べて後段(つまり、X方向+側)に配置されたレンズモジュール80のレンズ部801へと導光される。
レンズモジュール80は、カバー800と、ベース(不図示)と、レンズ部801と、AF装置(不図示)と、を備える。カバー800は、光路屈曲モジュール2のカバー3と一体であってもよいし、別体であってもよい。
レンズ部801は、レンズガイド(不図示)に保持された状態で、カバーとベースとの間に存在する収容空間に配置されている。レンズ部801は、レンズバレル801a及びレンズバレル801aに保持された1以上のレンズ801bを有する。レンズ部801は、レンズガイドを介して、X方向に変位可能に、ベースに支持されている。
AF装置は、駆動部であって、オートフォーカスを目的として、レンズ部801をX方向に変位させる。尚、AF装置の構造は、特に限定されない。例えば、モータ(不図示)と、モータの回転運動を変換機構によりX方向の直線運動に変換して、レンズ部801をX方向に移動させるようなAF装置であってよい。
[撮像素子モジュール]
撮像素子モジュール81は、レンズ部801と比べてX方向+側に配置されている。撮像素子モジュール81は、例えばCCD(charge-coupled device)型イメージセンサー、CMOS(complementary metal oxide semiconductor)型イメージセンサー等の撮像素子を含んで構成される。撮像素子モジュール81の撮像素子は、レンズ部801により結像された被写体像を撮像し、被写体像に対応する電気信号を出力する。撮像素子モジュール81にはセンサ基板91が電気的に接続され、センサ基板91を介して撮像素子モジュール81への給電及び撮像素子モジュール81で撮像された被写体像の電気信号の出力が行われる。このような撮像素子モジュール81は、従来から知られている構造のものを採用できる。
(本実施形態の作用・効果)
以上のような構成を有する本実施形態によれば、カメラモジュール1の耐久性の向上と小型化との両立を図ることができる。
即ち、本実施形態の場合、ホルダ61をベース4に対して揺動可能に支持するための保持部材としてホルダ61と支持プレート64とを有している。支持プレート64は金属製であるため、支持プレート64を厚くせずに、プリズム5を保持する保持部材の強度を高めることができる。この結果、カメラモジュール1の耐久性を向上しつつ、カメラモジュール1の小型化を図れる。
(付記)
以上、本発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
上述の各実施形態では、カメラモジュール1を備えるカメラ搭載装置の一例として、カメラ付き携帯端末であるスマートフォンM(図11A及び図11B参照)を挙げて説明したが、本発明は、カメラモジュールとカメラモジュールで得られた画像情報を処理する画像処理部を有するカメラ搭載装置に適用できる。カメラ搭載装置は、情報機器及び輸送機器を含む。情報機器は、例えば、カメラ付き携帯電話機、ノート型パソコン、タブレット端末、携帯型ゲーム機、webカメラ、及びカメラ付き車載装置(例えば、バックモニター装置、ドライブレコーダー装置)を含む。又、輸送機器は、例えば自動車を含む。
図14A及び図14Bは、車載用カメラモジュールVC(Vehicle Camera)を搭載するカメラ搭載装置としての自動車Vを示す図である。図14Aは自動車Vの正面図であり、図14Bは自動車Vの後方斜視図である。自動車Vは、車載用カメラモジュールVCとして、実施の形態で説明したカメラモジュール1を搭載する。図14A及び図14Bに示すように、車載用カメラモジュールVCは、例えば前方に向けてフロントガラスに取り付けられたり、後方に向けてリアゲートに取り付けられたりする。この車載用カメラモジュールVCは、バックモニター用、ドライブレコーダー用、衝突回避制御用、及び自動運転制御用等として使用される。
[実施形態2]
図15〜図28Bを参照して、本発明の実施形態2に係るカメラモジュールについて説明する。尚、本実施形態に係るカメラモジュールが備える構成のうち、実施形態1のカメラモジュール1と同様の構成については、説明を省略又は簡略することもある。尚、本実施形態に係るカメラモジュールは、光路屈曲モジュール2Bの構成が、実施形態1に係るカメラモジュール1と異なる。このため、以下、光路屈曲モジュール2Bにおいて、実施形態1の光路屈曲モジュール2と異なる構成について、主に説明する。
<光路屈曲モジュール>
光路屈曲モジュール2Bは、カバー3、ベース4B、プリズム5、振れ補正装置6B、及びFPC7Bを備える。カバー3及びプリズム5の構成は、実施形態1のカバー3及びプリズム5の構成と同様である。
(ベース)
図15〜図17を参照してベース4Bについて説明する。ベース4Bは、固定側部材の一例に該当する。ベース4Bは、底壁部40b、左壁部41c、右壁部42d、コイルホルダ43b、及びベースプレート44を有する。尚、ベースプレート44の構成は、実施形態1のベースプレート44の構成と同様である。
(底壁部)
底壁部40bは、XY平面に平行であり且つ長手方向がY方向に一致する矩形板状である。底壁部40bは、ベース4Bの底部を構成している。底壁部40bは、下側軸受保持部401d及び第一配置部402bを有する。
下側軸受保持部401dは、第一揺動支持部65Bの下側軸受651a保持するためのものである。下側軸受保持部401dは、底壁部40bの後端部における左右方向の中央部に設けられている。
底壁部40bは、下側軸受保持部401dが設けられた部分に、他の部分と比べて上下方向における厚さが厚いボス部401a(図10参照)を有する。下側軸受保持部401dは、ボス部401aと、底壁部40bの下側面においてボス部401aと対応する部分に設けられた凹部401b(図10参照)と、により構成されている。
ボス部401aは、ボス部401aを上下方向に貫通した貫通孔401c(図10参照)を有する。貫通孔401cの下端部は、凹部401bに接続されている。凹部401bには、下側軸受651aが固定されている。貫通孔401cには、第一揺動支持部65Bの第一揺動中心軸652が挿通されている。
又、ボス部401aは、後側面に、板バネ固定部436bを有する。板バネ固定部436bには、後述の板バネ653Bの固定部654Bが固定されている。
第一配置部402bは、後述の第一位置検出素子684Bを配置するための空間である。第一配置部402bは、底壁部40bの右端部寄り部分に設けられた貫通孔により囲まれた空間である。
(左壁部)
左壁部41cは、第一壁部の一例に該当し、板状である。左壁部41cは、底壁部40bの左端部に沿うように設けられている。左壁部41cは、底壁部40bの左端部から上方に延在している。左壁部41cは、後端部の高さが、前端部の高さと比べて低い。
左壁部41cは、左側係止部411を有する。左側係止部411は、左壁部41cの後端部に設けられている。ここで、後述の第一揺動支持部65Bにおける第一揺動中心軸652を通り且つYZ平面に平行な面を、第一YZ平面とする。
本実施形態の場合、左側係止部411は、左壁部41cにおいて、第一YZ平面が通る位置に設けられている。左側係止部411には、後述の第一復帰機構62の左側スプリング621における第二係止部624が係止されている。
(右壁部)
右壁部42dは、第二壁部の一例に該当し、板状である。右壁部42dは、底壁部40bの右端部に沿うように設けられている。右壁部42dは、底壁部40bの右端部から上方に延在している。右壁部42dは、後端部の高さが、前端部の高さと比べて低い。
右壁部42dは、右側係止部421を有する。右側係止部421は、右壁部42dの後端部に設けられている。本実施形態の場合、右側係止部421は、右壁部42dにおいて、第一YZ平面が通る位置に設けられている。
右側係止部421には、後述の第一復帰機構62の右側スプリング622における第二係止部624が係止されている。
(コイルホルダ)
コイルホルダ43bは、後述の第二駆動部69Bの左側第二コイル692a及び右側第二コイル692bを保持するためのものである。又、コイルホルダ43bは、後述のFPC7Bと、左側第二コイル692a及び右側第二コイル692bとを電気的に接続するための複数のリード(不図示)を保持している。複数のリードは、コイルホルダ43bに埋め込まれている。
具体的には、コイルホルダ43bは、YZ平面に平行な板状である。本実施形態のコイルホルダ43bは、実施形態1に係るコイルホルダ43の左側板部431a及び右側板部431bを備えていない。コイルホルダ43bは、実施形態1に係るコイルホルダ43における基部430とほぼ同様の構成を有する。ただし、コイルホルダ43bは、実施形態1に係るコイルホルダ43における基部430の板バネ固定部436を有していない。
その他のコイルホルダ43bの構成は、実施形態1に係るコイルホルダ43の基部430とほぼ同様であるため、コイルホルダ43bの詳しい説明は省略する。尚、各図において、コイルホルダ43bの構成には、実施形態1のコイルホルダ43と同様の符号が付されている。
(FPC)
FPC7Bは、撮像素子モジュール81が実装されているセンサ基板91(図1参照)に接続される第一端子部71(図2参照)と、コイルホルダ43bに設けられたリード(不図示)に接続される第二端子部72(図3参照)と、を有する。
FPC7Bは、上側面に第一コイル固定部73Bを有する。第一コイル固定部73Bには、後述の左側第一コイル682a及び右側第一コイル682bが固定されている。
具体的には、第一コイル固定部73Bは、左側第一コイル固定部73c及び右側第一コイル固定部73dを有する。左側第一コイル固定部73cと右側第一コイル固定部73dとは、FPC7Bの上側面において、左右方向に離隔している。
ここで、後述の第二揺動支持部66Bにおける第二軸A2を通り且つYZ平面に平行な面を、第二YZ平面とする。本実施形態の場合、左側第一コイル固定部73c及び右側第一コイル固定部73dはそれぞれ、FPC7Bにおいて、第二YZ平面が通る位置に設けられている。
又、左側第一コイル固定部73cは、FPC7Bの上側面において、後述のホルダ61Bの左側第一マグネット配置部619cと上下方向(Z方向)に対面する部分に設けられている。
又、右側第一コイル固定部73dは、FPC7Bの上側面において、後述のホルダ61Bの右側第一マグネット配置部619dと上下方向(Z方向)に対面する部分に設けられている。
FPC7Bは、上側面に第一素子固定部75a(図26参照)を有する。第一素子固定部75aには、後述の第一駆動部68Bの第一位置検出素子684Bが固定されている。第一素子固定部75aは、FPC7Bの上側面において、支持プレート64Bの保持部641jと上下方向に対向する位置に設けられている。第一素子固定部75aは、FPC7Bにおいて、第一YZ平面が通る位置に設けられている。
FPC7Bは、上側面に第二素子固定部75b(図26参照)を有する。第二素子固定部75bには、後述の第二駆動部69Bの第二位置検出素子694Bが固定されている。第二素子固定部75bは、FPC7Bにおける前端寄り部分且つ左右方向における中央部に設けられている。第二素子固定部75bは、FPC7Bにおいて、第二YZ平面が通る位置に設けられている。
<振れ補正装置>
次に、振れ補正装置6Bについて説明する。振れ補正装置6Bは、駆動部であって、Z方向に平行な第一軸A1(図22参照)及びY方向に平行な第二軸A2(図25A及び図25B参照)を中心にプリズム5を揺動させることにより、第一軸A1を中心とした第一回転方向の振れ補正、及び、第二軸A2を中心とした第二回転方向の触れ補正を行う。このような振れ補正装置6Bは、カバー3とベース4Bとで覆われる収容空間に配置されている。
振れ補正装置6Bは、ホルダ61B、支持プレート64B、第一揺動支持部65B、第二揺動支持部66B、第一駆動部68B、第二駆動部69B、第一復帰機構62、及び第二復帰機構63を備える。
振れ補正装置6Bにおいて、ホルダ61Bは、支持プレート64Bを介して、ベース4Bに支持されている。ホルダ61Bは、ベース4Bに対して、第一軸A1を中心とした揺動可能、且つ、第二軸A2を中心とした揺動可能である。
ホルダ61Bは、第一駆動部68Bが発生する駆動力(第一駆動力)に基づいて第一軸A1を中心に揺動し、第二駆動部69Bが発生する駆動力(第二駆動力)に基づいて第二軸A2を中心に揺動する。
制御部92(図1参照)の制御下で第一駆動部68Bが駆動すると、ホルダ61B及びプリズム5が、第一軸A1を中心に揺動する。これにより、第一軸A1を中心とした第一回転方向の振れが補正される。又、制御部92(図1参照)の制御下で第二駆動部69Bが駆動すると、ホルダ61B及びプリズム5が、第二軸A2を中心に揺動する。これにより、第二軸A2を中心とした第一回転方向の振れが補正される。以下、振れ補正装置6Bが備える各部材の具体的構造について説明する。
(ホルダ)
図15、図18〜図21を参照して、ホルダ61Bについて説明する。ホルダ61Bは、内側可動側部材の一例に該当し、プリズム5(図1参照)を保持している。又、ホルダ61Bは、プリズム5をベース4Bに対して揺動可能に支持するための保持部材の一例でもある。
ホルダ61Bは、ベース4Bに対して、第一軸A1を中心とした揺動可能、且つ、第二軸A2を中心とした揺動可能である。よって、プリズム5も、ベース4Bに対して、第一軸A1を中心とした揺動可能、且つ、第二軸A2を中心とした揺動可能である。
ホルダ61Bは、例えば、合成樹脂製であって、後壁部610B、左壁部612b、右壁部614c、載置部617B、及び底壁部618Bを備える。載置部617Bの構成は、実施形態1に係る載置部617の構成とほぼ同様である。
(後壁部)
後壁部610Bは、YZ平面に平行であり、且つ、長手方向がY方向に一致する板状である。後壁部610Bは、後側面に、第二マグネット配置部611B(図19及び図20参照)を有する。第二マグネット配置部611Bには、後述の左側第二マグネット691c及び右側第二マグネット691dが配置されている。
具体的には、第二マグネット配置部611Bは、左側第二マグネット配置部611c及び右側第二マグネット配置部611dを有する。左側第二マグネット配置部611cは、後壁部610Bにおける後側面の左側半部に設けられている。又、右側第二マグネット配置部611dは、後壁部610Bにおける後側面の右側半部に設けられている。
左側第二マグネット配置部611c及び右側第二マグネット配置部611dはそれぞれ、例えば、矩形状の凹部又は貫通孔により画定されている。左側第二マグネット配置部611cには、後述の左側第二マグネット691cが配置されている。右側第二マグネット配置部611dには、後述の右側第二マグネット691dが配置されている。
後壁部610Bは、ベース4Bのコイルホルダ43bと比べて前側に配置されている。後壁部610Bは、コイルホルダ43bと前後方向(X方向)に対面している。第二マグネット配置部611Bは、コイルホルダ43bの第二コイル保持部433と比べて前側に配置されている。第二マグネット配置部611Bは、コイルホルダ43bの第二コイル保持部433と前後方向に対面している。
具体的には、左側第二マグネット配置部611cは、コイルホルダ43bの左側第二コイル保持部433aと前後方向に対面している。右側第二マグネット配置部611dは、コイルホルダ43bの右側第二コイル保持部433bと前後方向に対面している。
(左壁部)
左壁部612bは、第一側壁部の一例に該当し、XZ平面に平行な板状である。左壁部612bは、左側面(外側面)に、左側軸受固定部613bを有する。左側軸受固定部613bは、左壁部612bの外側面に設けられた円形の凹部と、この凹部を囲むように設けられた円輪状のボス部と、により構成されている。このような左側軸受固定部613bは、後述する第二揺動支持部66Bにおける左側軸受部66bの内側軸受要素661bが固定される部分である。
左壁部612bは、ベース4Bの左壁部41cと比べて右側に配置されている。左壁部612bは、左壁部41cと左右方向(Y方向)に対面している。
(右壁部)
右壁部614cは、第二側壁部の一例に該当し、XZ平面に平行な板状である。右壁部614cは、右側面(外側面)に、右側軸受固定部615cを有する。右側軸受固定部615cは、外側面に設けられた円形の凹部と、この凹部を囲むように設けられた円輪状のボス部と、により構成されている。このような右側軸受固定部615cは、後述する第二揺動支持部66Bにおける右側軸受部67cの内側軸受要素671cが固定される部分である。
右壁部614cは、ベース4Bの右壁部42dと比べて左側に配置されている。右壁部614cは、右壁部42dと左右方向(Y方向)に対面している。
(底壁部)
底壁部618Bは、ホルダ61Bの底部を構成する。底壁部618Bは、下側面に第一マグネット配置部619Bを有する。第一マグネット配置部619Bには、後述の左側第一マグネット681a及び右側第一マグネット681bが配置されている。
具体的には、第一マグネット配置部619Bは、左側第一マグネット配置部619c及び右側第一マグネット配置部619dを有する。左側第一マグネット配置部619c及び右側第一マグネット配置部619dはそれぞれ、底壁部618Bの下側面に設けられた凹部又は貫通孔により画定されている。
左側第一マグネット配置部619c及び右側第一マグネット配置部619dは、ホルダ61の下側面において、第二YZ平面が通る位置に設けられている。
第一マグネット配置部619Bは、FPC7Bの第一コイル固定部73Bと比べて上側に設けられている。第一マグネット配置部619Bは、第一コイル固定部73Bと上下方向(Z方向)に対面している。
具体的には、左側第一マグネット配置部619cは、左側第一コイル固定部73cと上下方向に対面している。右側第一マグネット配置部619dは、右側第一コイル固定部73dと上下方向に対面している。
底壁部618Bは、下側面に、位置検出マグネット配置部619kを有する。位置検出マグネット配置部619kには、第二駆動部69Bの第二位置検出マグネット693Bが配置されている。
位置検出マグネット配置部619kは、底壁部618Bの下側面における左右方向中央部に設けられている。換言すれば、位置検出マグネット配置部619kは、左右方向において、左側第一マグネット配置部619cと右側第一マグネット配置部619dとの間に設けられている。
位置検出マグネット配置部619kは、ホルダ61Bの下側面において、第二YZ平面が通る位置に設けられている。位置検出マグネット配置部619kは、FPC7Bの第二素子固定部75bと上下方向に対面している。
(支持プレート)
図15、図22、及び図23を参照して、支持プレート64Bについて説明する。支持プレート64Bは、外側可動側部材及び外側プレートの一例に該当し、側面視で、Z方向+側に開口するU字形の板状である。支持プレート64Bの側面視とは、X方向+側又はX方向−側から支持プレート64Bを見ることを意味する。又、支持プレート64Bは、プリズム5をベース4Bに対して揺動可能に支持するための保持部材の一例でもある。
又、支持プレート64Bは、平面視で、X方向+側が開口したU字形である。支持プレート64Bの平面視とは、Z方向+側又はZ方向−側から支持プレート64Bを見ることを意味する。
本実施形態の場合も、外側可動側部材は、一つの部材(支持プレート64B)で構成されている。但し、外側可動側部材は、組み合わされた複数の部材により構成されてもよい。
支持プレート64Bは、後述の第一揺動支持部65Bの第一揺動中心軸652を介して、ベース4Bに支持されている。支持プレート64Bは、ベース4Bに対して、第一軸A1(図22参照)を中心とした揺動可能である。
又、支持プレート64Bは、支持プレート64B(外側可動側部材)に対してホルダ61Bを、第二軸A2(図25A参照)を中心に揺動可能に、ホルダ61B及び支持プレート64B(外側プレート)の係合を介して支持している。尚、本実施形態の場合、ホルダ61Bと支持プレート64B(外側プレート)とは、後述の第二揺動支持部66Bを介して係合している。
つまり、本実施形態の場合も、ホルダ61Bと支持プレート64B(外側プレート)との係合は、ホルダ61Bと支持プレート64B(外側プレート)とが他の部材(本実施形態の場合、第二揺動支持部66B)を介して係合することを意味する。ただし、ホルダ61Bと支持プレート64B(外側プレート)との係合は、ホルダ61Bと支持プレート64B(外側プレート)とが他の部材を介さずに直接係合することを意味してもよい。
支持プレート64Bは、基部641Bと、左側腕部642bと、右側腕部644cと、軸支持部647Bと、保持部641jと、ホルダ固定部648Bと、を有する。
(基部)
基部641Bは、XY平面に平行であり、且つ、長手方向がY方向に一致する板状である。本実施形態の場合、基部641Bは、前後方向において、第二軸A2と比べて後方に設けられている。基部641Bは、ベース4Bの底壁部40bと比べて上方に配置されている。基部641Bの下側面は、ベース4Bの底壁部40bの上側面と僅かな隙間を介して対面している。
具体的には、基部641Bは、中央部に設けられた上側板部641eと、上側板部641eの左側に設けられた左側板部641fと、上側板部641eの右側に設けられた右側板部641gと、を有する。
上側板部641eは、左側板部641f及び右側板部641gと比べて上側に設けられている。上側板部641eと左側板部641fとは、上下方向に延在する左側接続板部641hにより接続されている。上側板部641eと右側板部641gとは、上下方向に延在する右側接続板部641iにより接続されている。
このような構成により、上側板部641eの下方には、後述の第一揺動支持部65Bの下側軸受651aを配置するための空間が設けられている。
(左側腕部)
左側腕部642bは、第一外側腕部の一例に該当し、XZ平面に平行な板状である。又、左側腕部642bは、略L字状である。具体的には、左側腕部642bは、左側第一板部642jと、左側第二板部642kと、を有する。
左側第一板部642jは、上下方向に延在する板状である。左側第一板部642jの下端部は、基部641B(具体的には左側板部641f)の左端部(第一端部)に接続されている。左側第一板部642jは、上端縁に、左側係止部642n(図27A参照)を有する。
左側係止部642nは、左側第一板部642jの上端縁に設けられた凹部により構成されている。本実施形態の場合、左側係止部642nは、左側第一板部642jの上端縁において、第一YZ平面が通る位置に設けられている。左側係止部642nには、後述の第一復帰機構62の左側スプリング621における第一係止部623が係止されている。
左側第一板部642jは、左側マグネット保持部642qを有する。左側マグネット保持部642qは、左側第一板部642jを左右方向に貫通した貫通孔により構成されている。左側マグネット保持部642qには、後述の第二復帰機構63の左側復帰機構631における外側マグネット633aが保持されている。
左側第一板部642jは、左側面(外側面)において左側マグネット保持部642qを囲む部分に、左側ホルダ固定部642rを有する。左側ホルダ固定部642rには、後述の第二復帰機構63の左側復帰機構631におけるマグネットホルダ634aが固定されている。
左側第二板部642kは、左側第一板部642jの前端部から、前方に延在している。左側第二板部642kは、左側軸受保持部643bを有する。左側軸受保持部643bは、左側第二板部642kを左右方向に貫通する貫通孔により構成されている。このような左側軸受保持部643bは、基部641Bと比べて前側に設けられている。
左側第二板部642kは、外側面における左側軸受保持部643bの周囲に、バネ固定部642mを有する。バネ固定部642mには、後述の第二揺動支持部66Bの板バネ666kが固定されている。
(右側腕部)
右側腕部644cは、第一外側腕部の一例に該当し、XZ平面に平行な板状である。又、右側腕部644cは、略L字状である。具体的には、右側腕部644cは、右側第一板部644jと、右側第二板部644kと、を有する。
右側第一板部644jは、上下方向に延在する板状である。右側第一板部644jの下端部は、基部641B(具体的には右側板部641g)の右端部(第二端部)に接続されている。右側第一板部644jは、上端縁に、右側係止部644n(図27B参照)を有する。
右側係止部644nは、右側第一板部644jの上端縁に設けられた凹部により構成されている。本実施形態の場合、右側係止部644nは、右側第一板部644jの上端縁において、第一YZ平面が通る位置に設けられている。右側係止部644nには、後述の第一復帰機構62の右側スプリング622における第一係止部623が係止されている。
右側第一板部644jは、右側マグネット保持部644qを有する。右側マグネット保持部644qは、右側第一板部644jを左右方向に貫通した貫通孔により構成されている。右側マグネット保持部644qには、後述の第二復帰機構63の右側復帰機構632における外側マグネット633bが保持されている。
右側第一板部644jは、右側面(外側面)において右側マグネット保持部644qを囲む部分に、右側ホルダ固定部644rを有する。右側ホルダ固定部644rには、後述の第二復帰機構63の右側復帰機構632におけるマグネットホルダ634bが固定されている。
右側第二板部644kは、右側第一板部644jの前端部から、前方に延在している。右側第二板部644kは、右側軸受保持部645cを有する。右側軸受保持部645cは、右側第二板部644kを左右方向に貫通する貫通孔により構成されている。右側軸受保持部645cは、左側軸受保持部643bと左右方向に対面している。右側軸受保持部645cは、基部641Bと比べて前側に設けられている。
(軸支持部)
軸支持部647Bは、基部641Bの上側板部641eに設けられている。具体的には、軸支持部647Bは、上側板部641eをZ方向に貫通する貫通孔により構成されている。軸支持部647Bには、後述の第一揺動支持部65Bの第一揺動中心軸652が挿通されている。
軸支持部647Bは、ベース4Bの底壁部40bにおける下側軸受保持部401d及びコイルホルダ43bにおける上側軸受保持部437と、上下方向に対面している。軸支持部647Bは、上下方向において、下側軸受保持部401dと上側軸受保持部437との間に配置されている。
(保持部)
保持部641jは、右側板部641gに設けられている。保持部641jは、右側板部641gを上下方向に貫通した矩形状の貫通孔により構成されている。保持部641jは、右側板部641gにおいて、第一YZ平面が通る位置に設けられている。
保持部641jは、後述の第一駆動部68Bの第一位置検出マグネット683Bを、左右方向及び前後方向の移動を阻止した状態で保持している。尚、保持部641jの位置は、本実施形態の位置に限定されない。保持部641jは、左側板部641fに設けられてもよい。
(ホルダ固定部)
ホルダ固定部648Bは、基部641B(具体的には、右側板部641g)の上側面において、保持部641jを囲む領域に設けられている。ホルダ固定部648Bには、後述の第一駆動部68Bのマグネットホルダ685が固定されている。
(第一揺動支持部)
第一揺動支持部65Bの構成は、実施形態1の第一揺動支持部65とほぼ同様である。ただし、本実施形態の場合、板バネ653Bの構造及び板バネ653Bの取付態様が、実施形態1の第一揺動支持部65の板バネ653と異なる。又、第一揺動中心軸652の位置が、実施形態1の第一揺動中心軸652の位置と異なる。
先ず、板バネ653Bの構造及び板バネ653Bの取付態様について説明する。板バネ653Bは、付勢部材の一例に該当し、弾性を有する板状である。板バネ653Bは、第一揺動中心軸652をベース4Bに向けて(下方に)付勢するためのものである。板バネ653Bは、図15及び図16に示すように、固定部654Bと、押付部655Bと、接続部656Bと、を有する。
固定部654Bは、YZ平面に平行な板状であって、板バネ653Bの第一端部を構成している。固定部654Bは、ベース4Bにおける底壁部40bの板バネ固定部436bに固定されている。つまり、固定部654Bが固定される位置が、実施形態1の固定部654が固定される位置と異なる。
接続部656Bは、YZ平面に平行な板状の第一部分と、XY平面に平行な第二部分とが接続されたL字状に構成されている。接続部656Bは、固定部654Bと押付部655Bとを接続している。本実施形態の場合、接続部656Bの上下方向における長さが、実施形態1の接続部656Bの上下方向における長さと比べて長い。
このような板バネ653Bの押付部655Bは、組付状態において、第一揺動中心軸652の上端面を下方に押している。板バネ653Bから受ける下向きの付勢力に基づいて、第一揺動中心軸652の第一端面(下端面)は、ベースプレート44の上面に押し付けられている。
又、第一揺動中心軸652は、支持プレート64Bの軸支持部647Bに挿通されている。第一揺動中心軸652は、軸支持部647Bに接着等の固定手段により固定されている。本実施形態の場合、図21に示すように、平面視において、第一揺動中心軸652は、プリズム5と重畳している。換言すれば、第一揺動中心軸652の中心О652の位置は、プリズム5(プリズム5の反射面)の後端縁51と比べて前側に位置している。第一揺動中心軸652は、全体がプリズム5の後端縁51と比べて前側に位置していると好ましい。
(第二揺動支持部)
図15及び図24〜図25Bを参照して、第二揺動支持部66Bについて説明する。図25Aは、第二揺動支持部66Bの左側軸受部66bの断面図である。図25Bは、第二揺動支持部66Bの右側軸受部67cの断面図である。
第二揺動支持部66Bは、ホルダ61Bを、第二軸A2(図25A及び図25B参照)を中心とした揺動可能な状態で、支持プレート64Bに支持するためのものである。
第二揺動支持部66Bは、ホルダ61Bと支持プレート64Bとの間に設けられている。具体的には、第二揺動支持部66Bは、左側軸受部66bと、右側軸受部67cと、を有する。左側軸受部66bと右側軸受部67cとは、同軸上に設けられている。左側軸受部66b及び右側軸受部67cの中心軸は、第二軸A2に一致する。
(左側軸受部)
左側軸受部66bは、ホルダ61Bの左壁部612bと支持プレート64Bの左側腕部642bとの間に設けられている。左側軸受部66bは、内側軸受要素661bと、外側軸受要素663kと、ボール665aと、板バネ666kと、を有する。
内側軸受要素661bは、第一内側軸受要素の一例に該当し、ステンレス等の金属製である。内側軸受要素661bの概略形状は、中心軸が左右方向に平行な筒状である。内側軸受要素661bは、右端部に底部を有し、且つ、左端部に開口部を有する。換言すれば、内側軸受要素661bは、YZ平面に平行な平面で切断した場合の断面形状が、左端面に開口部を有する略U字形である。
具体的には、内側軸受要素661bは、左端面に開口した内側凹部662aを有する。内側凹部662aは、内側軸受要素661bの左端面から右端面に向けて凹んでいる。内側凹部662aは、左側から順に、内側円筒面662cと、内側転動面662dと、を有する。
内側円筒面662cは、外側軸受要素663kの右端部を、外側軸受要素663kの径方向における外側から囲むように配置されている。内側円筒面662cの内径は、外側軸受要素663kの右端部の外径と比べて大きい。よって、内側円筒面662cと、外側軸受要素663kの右端部の外周面との間には、隙間が存在している。
内側転動面662dは、右側に向かうほど(換言すれば、外側軸受要素663kから離れるほど)内径が小さくなる円錐面である。内側転動面662dは、後述のボール665aの外周面と当接している。
このような内側軸受要素661bは、ホルダ61Bに保持されている。具体的には、内側軸受要素661bは、ホルダ61Bにおける左壁部612bの左側軸受固定部613bに接着等の固定手段により固定されている。
外側軸受要素663kは、第一外側軸受要素の一例に該当し、ステンレス等の金属製である。外側軸受要素663kの概略形状は、中心軸が左右方向に平行な円柱状である。
外側軸受要素663kは、内側軸受要素661bと比べて左側に設けられている。外側軸受要素663kは、内側軸受要素661bと同軸上に設けられている。
外側軸受要素663kは、右側面に、外側転動面663cを有する。外側転動面663cは、内側転動面662dと左右方向に対面している。
外側転動面663cは、左側に向かうほど(換言すれば、内側軸受要素661bから離れるほど)内径が小さくなる円錐状の凹部により構成されている。
外側軸受要素663kは、左端部に小径部663eを有する。小径部663eは円筒面状の外周面を有する。小径部663eの外径は、外側軸受要素663kにおける他の部分の外径と比べて小さい。
このような外側軸受要素663kは、支持プレート64Bの左側腕部642bにおける左側軸受保持部643bに挿通されている。外側軸受要素663kは、左側軸受保持部643bに固定されていない。換言すれば、外側軸受要素663kは、左側軸受保持部643bに対して、左右方向の移動可能である。
又、外側軸受要素663kの右端部は、内側軸受要素661bの左端部により、外側軸受要素663kの径方向における隙間を介した状態で覆われている。このような構成は、例えば、カメラモジュール1に衝撃が加わった状況において、ボール665aの脱落を抑制できる。
ボール665aは、第一転動体の一例に該当する。ボール665aは、内側軸受要素661bの内側転動面662dと、外側軸受要素663kの外側転動面663cとの間に、転動自在な状態で設けられている。
内側軸受要素661b、外側軸受要素663k、及びボール665aにより構成される軸受装置は、第三軸受の一例に該当する。第三軸受の中心軸は、第二軸A2に一致している。
板バネ666kは、外側軸受要素663kに対して、内側軸受要素661bに向かう方向(右方向)の弾性力を加えるための部材である。板バネ666kの弾性力は、ホルダ61Bを介して右側軸受部67cの内側軸受要素671cに伝わる。この結果、内側軸受要素671cには、右側軸受部67cの外側軸受要素673kに向かう弾性力が作用する。このように、左側軸受部66b及び右側軸受部67cには、板バネ666kの弾性力に基づく与圧が付与されている。この与圧は、左側軸受部66b及び右側軸受部67cのがたつきの抑制、及び、ボール665a及びボール675bの脱落の抑制に寄与する。
具体的には、板バネ666kは、内側固定部666mと、外側固定部666nと、弾性変形部666pと、を有する。
内側固定部666mは、円輪状である。内側固定部666mは、外側軸受要素663kの外周面に、接着等の固定手段により固定されている。
外側固定部666nは、板バネ666kを支持プレート64Bに固定するための部分である。本実施形態の場合、外側固定部666nの数は、2個である。外側固定部666nは、第二軸A2に対して点対称となる位置に設けられている。外側固定部666nは、支持プレート64Bにおける左側腕部642bのバネ固定部642mに、接着等の固定手段により固定されている。
弾性変形部666pは、少なくともY方向に弾性変形可能であり、内側固定部666mと外側固定部666nとを接続している。
具体的には、弾性変形部666pは、環状部666qと、一対の内側接続部666rと、一対の外側接続部666sとを有する。
環状部666qは、略8角形であって、内側固定部666mの径方向における外側から内側固定部666mを囲んでいる。一対の内側接続部666rはそれぞれ、環状部666qと内側固定部666mとを接続している。一対の内側接続部666rは、第二軸A2に対して点対称となる位置に設けられている。
一対の外側接続部666sはそれぞれ、環状部666qと外側固定部666nとを接続している。一対の外側接続部666sは、第二軸A2に対して点対称となる位置に設けられている。一対の外側接続部666sと一対の内側接続部666rとは、第二軸A2を中心とした位相が90度ずれている。
(右側軸受部)
右側軸受部67cは、ホルダ61Bの右壁部614cと支持プレート64Bの右側腕部644cとの間に設けられている。右側軸受部67cは、内側軸受要素671cと、外側軸受要素673kと、ボール675bと、を有する。
内側軸受要素671cは、第一内側軸受要素の一例に該当し、ステンレス等の金属製である。内側軸受要素671cの概略形状は、中心軸が左右方向に平行な筒状である。内側軸受要素671cは、左端部に底部を有し、且つ、右端部に開口部を有する。換言すれば、内側軸受要素671cは、YZ平面に平行な平面で切断した場合の断面形状が、右端面に開口部を有する略U字形である。
具体的には、内側軸受要素671cは、右端面に開口した内側凹部672bを有する。内側凹部672bは、内側軸受要素671cの右端面から左端面に向けて凹んでいる。内側凹部672bは、右側から順に、内側円筒面672cと、内側転動面672dと、を有する。
内側円筒面672cは、外側軸受要素673kの左端部を、外側軸受要素673kの径方向における外側から囲むように配置されている。内側円筒面672cの内径は、外側軸受要素673kの左端部の外径と比べて大きい。よって、内側円筒面672cと、外側軸受要素673kの左端部の外周面との間には、隙間が存在している。
内側転動面672dは、左側に向かうほど(換言すれば、外側軸受要素673kから離れるほど)内径が小さくなる円錐面である。内側転動面672dは、後述のボール675bの外周面と当接している。
このような内側軸受要素671cは、ホルダ61Bに保持されている。具体的には、内側軸受要素671cは、ホルダ61Bの右壁部614cにおける右側軸受固定部615cに接着等の固定手段により固定されている。
外側軸受要素673kは、第一外側軸受要素の一例に該当し、ステンレス等の金属製である。外側軸受要素673kの概略形状は、中心軸が左右方向に平行な円柱状である。
外側軸受要素673kは、内側軸受要素671cと比べて右側に設けられている。外側軸受要素673kは、内側軸受要素671cと同軸上に設けられている。
外側軸受要素673kは、左側面に、外側転動面673cを有する。外側転動面673cは、内側転動面672dと左右方向に対面している。
外側転動面673cは、右側に向かうほど(換言すれば、内側軸受要素671cから離れるほど)内径が小さくなる円錐状の凹部により構成されている。
外側軸受要素673kは、右端部の外周面に外側鍔部673dを有する。外側鍔部673dは、外側軸受要素673kの外周面における右端部から、径方向における外側に延在している。外側鍔部673dの外径は、外側軸受要素673kにおける他の部分の外径と比べて大きい。
このような外側軸受要素673kは、支持プレート64Bの右側腕部644cにおける右側軸受保持部645cに挿通され、且つ、接着等の固定手段により固定されている。この状態で、外側鍔部673dは、右側腕部644cと比べて右側に配置されている。外側鍔部673dの左側面は、右側腕部644cの右側面に当接している。
又、外側軸受要素673kの左端部は、内側軸受要素671cの右端部により、外側軸受要素673kの径方向における隙間を介した状態で覆われている。このような構成は、例えば、カメラモジュール1に衝撃が加わった状況において、ボール675bの脱落を抑制できる。
ボール675bは、第一転動体の一例に該当する。ボール675bは、内側軸受要素671cの内側転動面672dと、外側軸受要素673kの外側転動面673cとの間に、転動自在な状態で設けられている。
内側軸受要素671c、外側軸受要素673k、及びボール675bにより構成される軸受装置は、第三軸受の一例に該当する。第三軸受の中心軸は、第二軸A2に一致している。
(第一駆動部)
第一駆動部68Bは、第一軸A1(図22参照)を中心に、ホルダ61Bを揺動させる。第一軸A1は、Z方向に平行な軸である。具体的には、第一軸A1は、第一揺動支持部65Bの第一揺動中心軸652の中心軸に一致する。
第一駆動部68Bは、左側第一駆動部68cと、右側第一駆動部68dと、第一位置検出マグネット683Bと、第一位置検出素子684Bと、を有する。第一駆動部68Bは、第二YZ平面が通る位置に設けられている。
左側第一駆動部68cは、ホルダ61Bの底壁部618Bと、ベース4Bに固定されたFPC7Bとの間に設けられている。FPC7Bは、固定側部材の一部と捉えてよい。
左側第一駆動部68cは、ボイスコイルモータであって、左側第一マグネット681aと、左側第一コイル682aと、を備える。左側第一マグネット681a及び左側第一コイル682aの構造は、実施形態1の左側第一マグネット681a及び左側第一コイル682aの構造と同様である。
左側第一マグネット681aは、ホルダ61Bの底壁部618Bにおける左側第一マグネット配置部619cに配置されている。左側第一マグネット681aは、左側第一マグネット配置部619cに、左側第一ヨーク686a(図26参照)を介して、接着等の固定手段により固定されている。
左側第一コイル682aは、振れ補正時に給電される長円形状のいわゆる空心コイルである。左側第一コイル682aは、長軸が左右方向に一致した状態で、FPC7Bにおける左側第一コイル固定部73cに、接着等の固定手段により固定されている。
左側第一コイル682aは、左側第一マグネット681aと比べて下方に設けられている。左側第一コイル682aは、左側第一マグネット681aと上下方向に所定の間隔をあけて対面している。
右側第一駆動部68dは、ボイスコイルモータであって、右側第一マグネット681bと、右側第一コイル682bと、を備える。右側第一マグネット681b及び右側第一コイル682bの構造は、実施形態1の右側第一マグネット681b及び右側第一コイル682bの構造と同様である。
右側第一マグネット681bは、可動側部材であるホルダ61Bの底壁部618Bにおける右側第一マグネット配置部619dに配置されている。右側第一マグネット681bは、右側第一マグネット配置部619dに、右側第一ヨーク686b(図26参照)を介して、接着等の固定手段により固定されている。
右側第一コイル682bは、振れ補正時に給電される長円形状のいわゆる空心コイルである。右側第一コイル682bは、長軸が左右方向に一致した状態で、FPC7Bにおける右側第一コイル固定部73dに、接着等の固定手段により固定されている。
右側第一コイル682bは、右側第一マグネット681bと比べて下方に設けられている。右側第一コイル682bは、右側第一マグネット681bと上下方向に所定の間隔をあけて対面している。左側第一コイル682aと右側第一コイル682bとは、FPC7Bの配線(不図示)を介して電気的に接続されている。
第一位置検出マグネット683Bは、直方体状の磁石である。本実施形態の場合、第一位置検出マグネット683Bは、前後方向に着磁されている。
第一位置検出マグネット683Bは、マグネットホルダ685(図23参照)を介して、支持プレート64Bの保持部641jに配置されている。マグネットホルダ685は、非磁性金属製の板状である。マグネットホルダ685は、Z方向−側の面である第一側面(下側面)を有する。
マグネットホルダ685の下側面は、支持プレート64Bのホルダ固定部648Bに、接着等の固定手段により固定されている。第一位置検出マグネット683の上側面は、マグネットホルダ685の下側面に接着等の固定手段により固定されている。
第一位置検出マグネット683Bは、マグネットホルダ685により、支持プレート64Bに対して、上下方向に位置決めされている。又、第一位置検出マグネット683Bは、保持部641jにより、支持プレート64Bに対して、左右方向及び前後方向に位置決めされている。
第一位置検出素子684Bは、FPC7Bの第一素子固定部75aに固定されている。第一位置検出素子684Bは、第一位置検出マグネット683Bと比べて下方に設けられている。第一位置検出素子684Bは、第一位置検出マグネット683Bと上下方向において対面している。
第一位置検出素子684Bは、FPC7Bを介して電源に接続されている。第一位置検出素子684Bは、第一位置検出マグネット683Bの磁束(位置に関する情報とも称する。)を検出し、検出値を、センサ基板91(図1参照)に実装された制御部92(図1参照)に送る。制御部92は、第一位置検出素子684Bから受け取った検出値に基づいて、第一位置検出マグネット683B(支持プレート64B及びホルダ61B)の、第一軸A1周りの位置を求める。
本実施形態の場合、第一位置検出素子684Bは、第一位置検出素子684Bを上下方向に通過する磁束の変化を検出する。支持プレート64B(ホルダ61B)が第一軸A1を中心に揺動していない状態(ホルダの第一基準状態とも称する。)で、第一位置検出素子684Bを上下方向に通過する磁束がゼロとなるように、第一位置検出マグネット683と第一位置検出素子684Bとの配置が設定されている。
尚、ホルダの第一基準状態とは、ホルダ61Bの左壁部612b及び右壁部614cと、ベース4Bの左壁部41c及び右壁部42dとが、平行な状態を意味する。ホルダの第一基準状態におけるホルダ61B及び支持プレート64Bの第一軸周りの位置は、ホルダ及び支持プレートの第一軸周りの初期位置である。
支持プレート64B(ホルダ61B)が、第一基準状態から第一軸A1を中心に揺動すると、支持プレート64B(ホルダ61B)とともに、第一位置検出マグネット683Bが揺動して(前後方向に移動して)、第一位置検出素子684Bを上下方向に通過する磁束が変化する。尚、第一駆動部68Bの動作は、実施形態1の第一駆動部68の動作と同様である。
(第二駆動部)
第二駆動部69Bは、第二軸A2(図25A及び図25B参照)を中心に、ホルダ61Bを揺動させる。第二軸A2は、Y方向に平行な軸であり、第二揺動支持部66Bの中心軸に一致する。
第二駆動部69Bは、左側第二駆動部69cと、右側第二駆動部69dと、第二位置検出マグネット693Bと、第二位置検出素子694Bと、を有する。
左側第二駆動部69cと右側第二駆動部69dとは、左右方向において、第一揺動中心軸652を挟むように配置されている。左側第二駆動部69cと右側第二駆動部69dとは、XZ平面に平行な面に関して対称な構造を有する。
具体的には、左側第二駆動部69cは、ホルダ61Bの後壁部610Bと、ベース4Bとの間に設けられている。左側第二駆動部69cは、左側第二マグネット691cと、左側第二コイル692aと、を備える。
左側第二マグネット691cは、ホルダ61Bの後壁部610Bにおける左側第二マグネット配置部611cに配置されている。左側第二マグネット691cは、左側第二マグネット配置部611cに、左側第二ヨーク695a(図26参照)を介して、接着等の固定手段により固定されている。
左側第二マグネット691cは、上下方向に隣り合う上側マグネット素子691j及び下側マグネット素子691kを含む。上側マグネット素子691j及び下側マグネット素子691kはそれぞれ、前後方向に着磁され、片側に一つの磁極を有する。上側マグネット素子691jの磁極の向きと、下側マグネット素子691kの磁極の向きとは、逆である。
具体的には、上側マグネット素子691jの前側が第一極(例えば、N極)であり、上側マグネット素子691jの後側が第二極(例えば、S極)である。
本実施形態の場合、上側マグネット素子691jの左右方向における長さは、下側マグネット素子691kの左右方向における長さと比べて長い。又、上側マグネット素子691jの第一端部(左端部)は、下側マグネット素子691kの第一端部(左端部)と比べて、左側に突出している。
上側マグネット素子691jの第一端面(左端面)は、ホルダ61Bにより覆われていない。換言すれば、上側マグネット素子691jの第一端面(左端面)は、ホルダ61Bから露出している。
左側第二コイル692aは、振れ補正時に給電される長円形状のいわゆる空心コイルである。左側第二コイル692aは、長軸が左右方向に一致した状態で、ベース4Bにおけるコイルホルダ43bの左側第二コイル保持部433aに、接着等の固定手段により固定されている。
左側第二コイル692aは、左側第二マグネット691cと比べて後側に設けられている。左側第二コイル692aは、左側第二マグネット691cと前後方向に所定の間隔をあけて対面している。
左側第二コイル692aとFPC7Bとの接続態様は、実施形態1の左側第二コイル692aとFPC7との接続態様と同様である。その他、左側第二駆動部69cの説明については、実施形態1の左側第二駆動部69aの説明を適宜援用してよい。
右側第二駆動部69dは、右側第二マグネット691dと、右側第二コイル692bと、を備える。
右側第二マグネット691dは、ホルダ61Bの後壁部610Bにおける右側第二マグネット配置部611dに配置されている。右側第二マグネット691dは、右側第二マグネット配置部611dに、右側第二ヨーク695b(図26参照)を介して、接着等の固定手段により固定されている。
右側第二マグネット691dは、上下方向に隣り合う上側マグネット素子691m及び下側マグネット素子691nを含む。上側マグネット素子691m及び下側マグネット素子691nはそれぞれ、前後方向に着磁され、片側に一つの磁極を有する。上側マグネット素子691mの磁極の向きと下側マグネット素子691nの磁極の向きは、互いに反対である。
本実施形態の場合、上側マグネット素子691mの左右方向における長さは、下側マグネット素子691nの左右方向における長さと比べて長い。又、上側マグネット素子691mの第一端部(右端部)は、下側マグネット素子691nの第一端部(右端部)と比べて、右側に突出している。
上側マグネット素子691mの第一端面(右端面)は、ホルダ61Bにより覆われていない。換言すれば、上側マグネット素子691mの第一端面(右端面)は、ホルダ61Bから露出している。
右側第二コイル692bは、振れ補正時に給電される長円形状のいわゆる空心コイルである。右側第二コイル692bは、長軸が左右方向に一致した状態で、ベース4Bのコイルホルダ43bにおける右側第二コイル保持部433bに、接着等の固定手段により固定されている。
右側第二コイル692bは、右側第二マグネット691dと比べて後側に設けられている。右側第二コイル692bは、右側第二マグネット691dと前後方向に所定の間隔をあけて対面している。右側第二コイル692b、左側第二コイル692a、及びFPC7Bの接続態様は、実施形態1の右側第二コイル692b、左側第二コイル692a、及びFPC7の接続態様と同様である。その他、右側第二駆動部69dの説明については、実施形態1の右側第二駆動部69bの説明を適宜援用してよい。
第二位置検出マグネット693Bは、直方体状の磁石である。本実施形態の場合、第二位置検出マグネット693Bは、前後方向に着磁されている。第二位置検出マグネット693Bは、ホルダ61Bの底壁部618Bにおける位置検出マグネット配置部619kに配置されている。第二位置検出マグネット693Bの上側面は、接着等の固定手段により、ホルダ61Bに固定されている。
第二位置検出素子694Bは、FPC7Bの第二素子固定部75bに固定されている。第二位置検出素子694Bは、第二位置検出マグネット693Bと比べて下側に設けられている。第二位置検出素子694Bは、第二位置検出マグネット693Bと上下方向において対面している。
第二位置検出素子694Bは、FPC7Bを介して電源に接続されている。第二位置検出素子694Bは、第二位置検出マグネット693Bの磁束(位置に関する情報とも称する。)を検出し、検出値を、センサ基板91(図1参照)に実装された制御部92(図1参照)に送る。制御部92は、第二位置検出素子694Bから受け取った検出値に基づいて、第二位置検出マグネット693B(ホルダ61B)の、第二軸A2周りの位置を求める。
本実施形態の場合、第二位置検出素子694Bは、第二位置検出素子694Bを上下方向に通過する磁束の変化を検出する。ホルダ61Bが第二軸A2を中心に揺動していない状態(ホルダの第二基準状態とも称する。)で、第二位置検出素子694Bを上下方向に通過する磁束がゼロとなるように、第二位置検出マグネット693Bと第二位置検出素子694Bとの配置が設定されている。
尚、ホルダの第二基準状態とは、ホルダ61Bの底壁部618Bとベース4Bの底壁部40bとが、平行な状態を意味する。又、ホルダの第二基準状態におけるホルダ61Bの第二軸周りの位置は、ホルダの第二軸周りの初期位置である。
ホルダ61Bが、第二軸周りの初期位置から第二軸A2を中心に揺動すると、ホルダ61Bとともに、第二位置検出マグネット693Bが揺動する(前後方向に移動する)。この結果、第二位置検出素子694Bを上下方向に通過する磁束が変化する。尚、第二駆動部69Bの動作は、実施形態1の第二駆動部69の動作と同様である。
(第一復帰機構)
図27A及び図27Bを参照して、第一復帰機構62の構成を説明する。第一復帰機構62は、支持プレート64B(ホルダ61B)が第一軸A1を中心に揺動した状態において第一駆動部68Bが停止した場合に、支持プレート64B(ホルダ61B)を第一軸周りの初期位置に復帰させるための機構である。
第一復帰機構62は、第一駆動部68Bが駆動していない状態(第一駆動部の非駆動状態とも称する。)において、支持プレート64B(ホルダ61B)を第一軸周りの初期位置に位置決めするための機構でもある。
具体的には、第一復帰機構62は、左側スプリング621及び右側スプリング622を有する。左側スプリング621と右側スプリング622とは、第一YZ平面が通る位置に設けられている。左側スプリング621と右側スプリング622はそれぞれ、弾性部材の一例に該当する。
左側スプリング621及び右側スプリング622はそれぞれ、第一係止部623、第二係止部624、及び弾性変形部625を有する。
第一係止部623は、左側スプリング621及び右側スプリング622それぞれの上端部を構成している。第一係止部623は、支持プレート64Bに係止されている。具体的には、左側スプリング621の第一係止部623は、支持プレート64Bの左側係止部642nに係止されている。一方、右側スプリング622の第一係止部623は、支持プレート64Bの右側係止部644nに係止されている。
第二係止部624は、左側スプリング621及び右側スプリング622それぞれの下端部を構成している。第二係止部624は、ベース4Bに係止されている。具体的には、左側スプリング621の第二係止部624は、ベース4Bの左側係止部411に係止されている。一方、右側スプリング622の第二係止部624は、ベース4Bの右側係止部421に係止されている。
弾性変形部625は、第一係止部623と第二係止部624とを上下方向に接続している。弾性変形部625は、上下方向に複数回折り返された蛇行形状を有する線材である。弾性変形部625は、ホルダ61B(支持プレート64B)が第一軸A1を中心に揺動した場合に、弾性変形する。弾性変形部625の復元力は、ホルダ61Bを第一軸周りの初期位置に戻す方向を向いた力(以下、第一復帰力と称する。)として、支持プレート64Bを介してホルダ61Bに作用する。
以上のような構成を有する第一復帰機構62は、ホルダ61Bが第一軸周りの初期位置に位置した状態で、左側スプリング621及び右側スプリング622の弾性変形部625が変形しない中立状態となる。ホルダ61Bが第一軸A1を中心に揺動すると、ホルダ61Bには、支持プレート64Bを介して第一復帰力が作用する。
第一駆動部68Bが駆動している状態(第一駆動部の駆動状態)では、第一駆動部68Bの駆動力の方が、第一復帰機構62(具体的には、左側スプリング621及び右側スプリング622)からホルダ61Bに加わる第一復帰力と比べて大きい。
このため、ホルダ61Bは、第一駆動部68Bの駆動力に基づいて、第一軸A1を中心に揺動する。一方、第一駆動部68Bが駆動していない状態(第一駆動部の非駆動状態)では、ホルダ61Bは、第一復帰機構62から受ける第一復帰力に基づいて、第一軸周りの初期位置に戻る。そして、第一駆動部68Bの非駆動状態において、ホルダ61Bは、第一復帰機構62により、第一軸周りの初期位置に位置決めされる。よって、第一駆動部68Bの非駆動状態における、ホルダ61Bの第一軸周りの揺動が抑制される。
(第二復帰機構)
図28A及び図28Bを参照して、第二復帰機構63の構成を説明する。第二復帰機構63は、ホルダ61Bが第二軸A2を中心に揺動した状態において第二駆動部69Bが停止した場合に、ホルダ61Bを第二軸周りの初期位置に復帰させるための機構である。
第二復帰機構63は、第二駆動部69Bが駆動していない状態(第二駆動部の非駆動状態とも称する。)において、ホルダ61Bを第二軸周りの初期位置に位置決めするための機構でもある。
具体的には、第二復帰機構63は、左側復帰機構631及び右側復帰機構632を有する。左側復帰機構631及び右側復帰機構632は、XZ平面に平行な面に関して対称な構造を有する。本実施形態の場合、左側復帰機構631及び右側復帰機構632はそれぞれ、第一YZ平面が通る位置に設けられている。
左側復帰機構631は、外側マグネット633a、マグネットホルダ634a(図27A参照)、及び内側マグネット635aを有する。
外側マグネット633aは、直方体状の磁石であり、左右方向に着磁されている。外側マグネット633aの右側が第一極(例えば、S極)であり、外側マグネット633aの左側が第二極(例えば、N極)である。
外側マグネット633aは、支持プレート64Bの左側マグネット保持部642qに保持されている。外側マグネット633aの外側面は、マグネットホルダ634aに、接着等の固定手段により固定されている。マグネットホルダ634aは、非磁性金属製の矩形板状であって、支持プレート64Bの左側ホルダ固定部642rに、接着等の固定手段により固定されている。
内側マグネット635aは、第二駆動部69Bの左側第二マグネット691cにおける上側マグネット素子691jにより構成されている。内側マグネット635aの第一端面(左端面)は、外側マグネット633aの第一端面(右端面)と左右方向に対面している。
内側マグネット635aは、前後方向に着磁されている。一方、外側マグネット633aは、左右方向に着磁されている。このように内側マグネット635aの着磁方向と、外側マグネット633aの着磁方向とは、直交している。又、外側マグネット633aの右側(内側)の磁極と、内側マグネット635aの前側の磁極とは、逆である。
本実施形態の場合、内側マグネット635aと外側マグネット633aとは、左右方向に引き付けあう位置関係で設けられている。具体的には、外側マグネット633aの右端面は、内側マグネット635aの前半部のみと左右方向に対向している。
右側復帰機構632は、外側マグネット633b、マグネットホルダ634b(図27B参照)、及び内側マグネット635bを有する。
外側マグネット633bは、直方体状の磁石であり、左右方向に着磁されている。外側マグネット633bの左側(内側)が第一極(例えば、S極)であり、外側マグネット633bの右側(内側)が第二極(例えば、N極)である。
外側マグネット633bは、支持プレート64Bの右側マグネット保持部644qに保持されている。外側マグネット633aの外側面は、マグネットホルダ634bに、接着等の固定手段により固定されている。マグネットホルダ634bは、非磁性金属製の板状であって、支持プレート64Bの右側ホルダ固定部644rに、接着等の固定手段により固定されている。
内側マグネット635bは、第二駆動部69Bの右側第二マグネット691dにおける上側マグネット素子691mにより構成されている。内側マグネット635bの第一端面(右端面)は、外側マグネット633aの第一端面(左端面)と左右方向に対面している。
内側マグネット635bは、前後方向に着磁されている。一方、外側マグネット633bは、左右方向に着磁されている。このように内側マグネット635bの着磁方向と、外側マグネット633bの着磁方向とは、直交している。又、外側マグネット633bの左側(内側)の磁極と、内側マグネット635bの前側の磁極とは、逆である。
本実施形態の場合、内側マグネット635bと外側マグネット633bとは、左右方向に引き付けあう位置関係で設けられている。具体的には、外側マグネット633bの左端面は、内側マグネット635bの前半部のみと左右方向に対向している。
以上のような構成を有する第二復帰機構63は、ホルダ61Bが第二軸周りの初期位置に位置した状態で、外側マグネット633a、633bと内側マグネット635a、635bとの引力が最も安定した状態となるように設定されている。
ホルダ61Bが第二軸A2を中心に揺動すると、ホルダ61Bには、第二復帰機構63(具体的には、左側復帰機構631及び右側復帰機構632)から、第二復帰力が作用する。第二復帰力は、外側マグネット633a、633bと内側マグネット635a、635bとの引力に基づいて発生する力であって、ホルダ61Bを第二軸周りの初期位置に戻す方向を向いた力である。
第二駆動部69Bが駆動している状態(第二駆動部の駆動状態)では、第二駆動部69Bの駆動力の方が、第二復帰機構63からホルダ61Bに加わる第二復帰力と比べて大きい。このため、ホルダ61Bは、第二駆動部69Bの駆動力に基づいて、第二軸A2を中心に揺動する。
一方、第二駆動部69Bが駆動していない状態(第二駆動部の非駆動状態)では、ホルダ61Bは、第二復帰機構63から受ける第二復帰力により、第二軸周りの初期位置に戻る。そして、第二駆動部69Bの非駆動状態において、ホルダ61Bは、第二復帰機構63により、第二軸周りの初期位置に位置決めされる。よって、第二駆動部69Bの非駆動状態における、ホルダ61Bの第二軸周りの揺動が抑制される。その他の構成及び作用・効果は、実施形態1と同様である。
[実施形態3]
図29〜図40を参照して、本発明の実施形態3に係るカメラモジュールについて説明する。尚、本実施形態に係るカメラモジュールが備える構成のうち、実施形態1又は実施形態2のカメラモジュールと同様の構成については、説明を省略又は簡略することもある。本実施形態に係るカメラモジュールは、光路屈曲モジュール2Cの構成が、実施形態1及び実施形態2に係るカメラモジュールと異なる。このため、以下、光路屈曲モジュール2Cの構成のうち実施形態1に係る光路屈曲モジュール2及び実施形態2に係る光路屈曲モジュール2Bの構成と異なる構成について、主に説明する。
<光路屈曲モジュール>
光路屈曲モジュール2Cは、カバー3、ベース4C、プリズム5(図35参照)、振れ補正装置6C、及びFPC7Cを備える。カバー3及びプリズム5の構成は、実施形態1のカバー3及びプリズム5の構成と同様である。よって、カバー3及びプリズム5の説明には、実施形態1のカバー3及びプリズム5の説明を援用できる。
(ベース)
図29〜図31を参照してベース4Cについて説明する。ベース4Cは、固定側部材の一例に該当する。ベース4Cは、底壁部40c、左壁部41e、右壁部42f、コイルホルダ43c、及びベースプレート44を有する。尚、ベースプレート44の構成は、実施形態1のベースプレート44の構成と同様である。よって、ベースプレート44の説明には、実施形態1のベースプレート44の説明を援用できる。
(底壁部)
底壁部40cは、XY平面に平行であり且つ長手方向がY方向に一致する矩形板状である。底壁部40cは、ベース4Cの底部を構成している。底壁部40cは、下側軸受保持部401e、第一配置部402c、及び第二配置部403cを有する。
下側軸受保持部401eは、第一揺動支持部65Cの下側軸受651a(図36及び図37参照)保持するためのものである。下側軸受保持部401eは、底壁部40cの後端部における左右方向の中央部に設けられている。
底壁部40cは、下側軸受保持部401eが設けられた部分に、他の部分と比べて上下方向における厚さが厚いボス部401a(図10及び図29照)を有する。下側軸受保持部401eは、ボス部401aと、底壁部40cの下側面においてボス部401aと対応する部分に設けられた凹部401b(図10参照)と、により構成されている。
ボス部401aは、ボス部401aを上下方向に貫通した貫通孔401c(図10及び図29参照)を有する。貫通孔401cの下端部は、凹部401bに接続されている。凹部401bには、下側軸受651aが固定されている。貫通孔401cには、第一揺動支持部65Cの第一揺動中心軸652が挿通されている。
又、ボス部401aは、後側面に、板バネ固定部436b(図30参照)を有する。板バネ固定部436bには、後述の板バネ653Cの固定部654Cが固定されている。
第一配置部402c(図31参照)は、後述の第一位置検出素子684Cを配置するための空間である。第一配置部402cは、底壁部40cの右端部寄り部分に設けられた貫通孔により囲まれた空間である。
第二配置部403c(図31参照)は、後述の第二位置検出素子694Cを配置するための空間である。第二配置部403cは、底壁部40cの前端寄り部分且つ左右方向における中央部に設けられた貫通孔により囲まれた空間である。
(左壁部)
左壁部41eは、第一壁部の一例に該当し、板状である。左壁部41eは、底壁部40cの左端部に沿うように設けられている。左壁部41eは、底壁部40cの左端部から上方に延在している。左壁部41eは、後端部の高さが、前端部の高さと比べて低い。
左壁部41eは、左側係止部411を有する。左側係止部411は、左壁部41eの後端部に設けられている。ここで、後述の第一揺動支持部65Cにおける第一揺動中心軸652を通り且つYZ平面に平行な面を、第一YZ平面とする。
本実施形態の場合、左側係止部411は、左壁部41eにおいて、第一YZ平面が通る位置に設けられている。左側係止部411には、後述の第一復帰機構62Cの左側スプリング621Cにおける第二係止部624Cが係止されている。
(右壁部)
右壁部42fは、第二壁部の一例に該当し、板状である。右壁部42fは、底壁部40cの右端部に沿うように設けられている。右壁部42fは、底壁部40cの右端部から上方に延在している。右壁部42fは、後端部の高さが、前端部の高さと比べて低い。
右壁部42fは、右側係止部421を有する。右側係止部421は、右壁部42fの後端部に設けられている。本実施形態の場合、右側係止部421は、右壁部42fにおいて、第一YZ平面が通る位置に設けられている。
右側係止部421には、後述の第一復帰機構62C(図37参照)の右側スプリング622Cにおける第二係止部624Cが係止されている。
(コイルホルダ)
コイルホルダ43cは、後述の第二駆動部69Cの左側第二コイル692a及び右側第二コイル692bを保持するためのものである。又、コイルホルダ43cは、後述のFPC7Cと、左側第二コイル692a及び右側第二コイル692bとを電気的に接続するための複数のリード(不図示)を保持している。複数のリードは、コイルホルダ43cに埋め込まれている。
具体的には、コイルホルダ43cは、YZ平面に平行な板状である。本実施形態のコイルホルダ43cは、実施形態1に係るコイルホルダ43の左側板部431a及び右側板部431bを備えていない。コイルホルダ43cは、実施形態1に係るコイルホルダ43における基部430とほぼ同様の構成を有する。ただし、コイルホルダ43cは、実施形態1に係るコイルホルダ43における基部430の板バネ固定部436を有していない。
又、本実施形態の場合、コイルホルダ43cは、付勢バネ固定部438を有する。付勢バネ固定部438は、コイルホルダ43cの後側面に設けられている。具体的には、付勢バネ固定部438は、コイルホルダ43cの後側面における右半部に設けられた凹部と、この凹部に設けられた一対の凸部とにより構成されている。このような付勢バネ固定部438には、後述の付勢バネ657bの固定部657cが固定されている。
又、コイルホルダ43cは、複数(本実施形態の場合、4個)のはんだ配置部439を有する。はんだ配置部439は、コイルホルダ43cを前後方向に貫通する貫通孔により構成されている。具体的には、コイルホルダ43cの右半部に、上下方向に離間した状態で一対のはんだ配置部439(以下、左側のはんだ配置部439と称する。)が設けられている。又、コイルホルダ43cの左半部にも、上下方向に離間した状態で一対のはんだ配置部439(以下、右側のはんだ配置部439と称する。)が設けられている。
左側のはんだ配置部439はそれぞれ、コイルホルダ43cに埋め込まれたリードと後述の第二駆動部69Cの左側第二コイル692aとを接続するはんだ(不図示)が配置される。このようなはんだは、溶接作業時において、コイルホルダ43cの後側から、左側のはんだ配置部439に配置される。
又、右側のはんだ配置部439はそれぞれ、コイルホルダ43cに埋め込まれたリードと後述の第二駆動部69Cの右側第二コイル692bとを接続するはんだ(不図示)が配置される。このようなはんだは、溶接作業時において、コイルホルダ43cの後側から、右側のはんだ配置部439に配置される。このようなはんだ配置部439に関する構成は、はんだの屑等が、コイルホルダ43cよりも前方の部分に侵入することを抑制できるため、はんだの屑等に起因したカメラモジュールの損傷を抑制できる。
又、コイルホルダ43cの上側軸受保持部437Cにおける筒部437cは、全周にわたり連続した筒状に構成されている。つまり、筒部437cは、周方向に不連続な部分を有していない。
その他のコイルホルダ43cの構成は、実施形態1に係るコイルホルダ43の基部430とほぼ同様であるため、コイルホルダ43cの詳しい説明は省略する。
(FPC)
図40等を参照して、FPC7Cについて説明する。FPC7Cは、撮像素子モジュール81が実装されているセンサ基板91(図1参照)に接続される第一端子部71(図2参照)と、コイルホルダ43cに設けられたリード(不図示)に接続される第二端子部72(図3参照)と、を有する。
FPC7Cは、上側面に第一コイル固定部73Cを有する。第一コイル固定部73Cには、後述の左側第一コイル682c及び右側第一コイル682dが固定されている。
具体的には、第一コイル固定部73Cは、左側第一コイル固定部73e及び右側第一コイル固定部73fを有する。左側第一コイル固定部73eと右側第一コイル固定部73fとは、FPC7Cの上側面において、左右方向に離間している。
ここで、本実施形態の場合も、後述の第二揺動支持部66Cにおける第二軸A2を通り且つYZ平面に平行な面を、第二YZ平面とする。本実施形態の場合、左側第一コイル固定部73e及び右側第一コイル固定部73fはそれぞれ、FPC7Cにおいて、第二YZ平面が通る位置に設けられている。
又、左側第一コイル固定部73eは、FPC7Cの上側面において、後述のホルダ61Cの左側第一マグネット配置部619e(図34参照)と上下方向(Z方向)に対面する部分に設けられている。
又、右側第一コイル固定部73fは、FPC7Cの上側面において、後述のホルダ61Cの右側第一マグネット配置部619f(図34参照)と上下方向(Z方向)に対面する部分に設けられている。
FPC7Cは、上側面に第一素子固定部75cを有する。第一素子固定部75cには、後述の第一駆動部68Cの第一位置検出素子684Cが固定されている。第一素子固定部75cは、FPC7Cの上側面において、支持プレート64Cの保持部641kと上下方向に対向する位置に設けられている。換言すれば、第二素子固定部75dは、FPC7Cの上側面において、ベース4Cの第一配置部402c(図31参照)と上下方向に対面する位置に設けられている。第一素子固定部75cは、FPC7Cにおいて、第一YZ平面が通る位置に設けられている。
FPC7Cは、上側面に第二素子固定部75dを有する。第二素子固定部75dには、後述の第二駆動部69Cの第二位置検出素子694Cが固定されている。第二素子固定部75dは、FPC7Cにおける前端寄り部分且つ左右方向における中央部に設けられている。換言すれば、第二素子固定部75dは、FPC7Cの上側面において、ベース4Cの第二配置部403c(図31参照)と上下方向に対面する位置に設けられている。第二素子固定部75dは、FPC7Cにおいて、第二YZ平面が通る位置に設けられている。
<振れ補正装置>
次に、振れ補正装置6Cについて説明する。振れ補正装置6Cは、駆動部であって、Z方向に平行な第一軸A1(図38参照)及びY方向に平行な第二軸A2(図38参照)を中心にプリズム5を揺動させることにより、第一軸A1を中心とした第一回転方向の振れ補正、及び、第二軸A2を中心とした第二回転方向の触れ補正を行う。このような振れ補正装置6Cは、カバー3とベース4Cとで覆われる収容空間に配置されている。
振れ補正装置6Cは、ホルダ61C、支持プレート64C、第一揺動支持部65C、第二揺動支持部66C、第一駆動部68C、第二駆動部69C、第一復帰機構62C、及び第二復帰機構63Cを備える。
振れ補正装置6Cにおいて、ホルダ61Cは、支持プレート64Cを介して、ベース4Cに支持されている。ホルダ61Cは、ベース4Cに対して、第一軸A1を中心とした揺動可能、且つ、第二軸A2を中心とした揺動可能である。
ホルダ61Cは、第一駆動部68Cが発生する駆動力(第一駆動力)に基づいて第一軸A1を中心に揺動し、第二駆動部69Cが発生する駆動力(第二駆動力)に基づいて第二軸A2を中心に揺動する。
制御部92(図1参照)の制御下で第一駆動部68Cが駆動すると、ホルダ61C及びプリズム5が、第一軸A1を中心に揺動する。これにより、第一軸A1を中心とした第一回転方向の振れが補正される。又、制御部92(図1参照)の制御下で第二駆動部69Cが駆動すると、ホルダ61C及びプリズム5が、第二軸A2を中心に揺動する。これにより、第二軸A2を中心とした第一回転方向の振れが補正される。以下、振れ補正装置6Cが備える各部材の具体的構造について説明する。
(ホルダ)
図29及び図32〜図35を参照して、ホルダ61Cについて説明する。ホルダ61Cは、内側可動側部材の一例に該当し、プリズム5(図1参照)を保持している。又、ホルダ61Cは、プリズム5をベース4Cに対して揺動可能に支持するための保持部材の一例でもある。
ホルダ61Cは、ベース4Cに対して、第一軸A1を中心とした揺動可能、且つ、第二軸A2を中心とした揺動可能である。よって、プリズム5も、ベース4Cに対して、第一軸A1を中心とした揺動可能、且つ、第二軸A2を中心とした揺動可能である。
ホルダ61Cは、例えば、合成樹脂製であって、後壁部610C、左壁部612c、右壁部614d、載置部617C、及び底壁部618Cを備える。載置部617Cの構成は、実施形態1に係る載置部617の構成とほぼ同様である。
(後壁部)
後壁部610Cは、YZ平面に平行であり、且つ、長手方向がY方向に一致する板状である。後壁部610Cは、後側面に、第二マグネット配置部611Cを有する。第二マグネット配置部611Cには、後述の左側第二マグネット691c及び右側第二マグネット691dが配置されている。
具体的には、第二マグネット配置部611Cは、左側第二マグネット配置部611c及び右側第二マグネット配置部611dを有する。左側第二マグネット配置部611cは、後壁部610Cにおける後側面の左側半部に設けられている。又、右側第二マグネット配置部611dは、後壁部610Cにおける後側面の右側半部に設けられている。
左側第二マグネット配置部611c及び右側第二マグネット配置部611dはそれぞれ、例えば、矩形状の凹部又は貫通孔により画定されている。左側第二マグネット配置部611cには、後述の左側第二マグネット691cが配置されている。右側第二マグネット配置部611dには、後述の右側第二マグネット691dが配置されている。
後壁部610Cは、ベース4Cのコイルホルダ43cと比べて前側に配置されている。後壁部610Cは、コイルホルダ43cと前後方向(X方向)に対面している。第二マグネット配置部611Cは、コイルホルダ43cの第二コイル保持部433と比べて前側に配置されている。第二マグネット配置部611Cは、コイルホルダ43cの第二コイル保持部433と前後方向に対面している。
具体的には、左側第二マグネット配置部611cは、コイルホルダ43cの左側第二コイル保持部433a(図31参照)と前後方向に対面している。右側第二マグネット配置部611dは、コイルホルダ43cの右側第二コイル保持部433b(図31参照)と前後方向に対面している。
(左壁部)
左壁部612cは、第一側壁部の一例に該当し、XZ平面に平行な板状である。左壁部612cは、左側面(外側面)に、左側軸受配置部613cを有する。
左側軸受配置部613cは、左壁部612cの外側面に設けられた円形の凹部により構成されている。左側軸受配置部613cは、左壁部612cの外側面に開口している。左側軸受配置部613cは、円筒面部と、底部と、を有する。
左側軸受配置部613cの円筒面部の内径は、後述の外側軸受要素663mの外径よりも僅かに大きい。又、左側軸受配置部613cは、底部の中央部に、左側転動面613dを有する。
左側転動面613dは、右側に向かうほど(換言すれば、後述の外側軸受要素663mから離れるほど)内径が小さくなる円錐面である。左側転動面613dは、後述のボール665aの外周面と当接している。
このような左側軸受配置部613cは、第二揺動支持部66Cにおける左側軸受部66cの外側軸受要素663mの内端部が配置される部分である。左側軸受配置部613cの円筒面部は、外側軸受要素663mの大径部663fの外周面を、僅かな隙間を介して覆っている。
左壁部612cは、ベース4Cの左壁部41eと比べて右側に配置されている。左壁部612cは、左壁部41eと左右方向(Y方向)に対面している。
(右壁部)
右壁部614dは、第二側壁部の一例に該当し、XZ平面に平行な板状である。右壁部614dは、右側面(外側面)に、右側軸受配置部615dを有する。
右側軸受配置部615dは、右壁部614dの外側面に設けられた円形の凹部により構成されている。右側軸受配置部615dは、右壁部614dの外側面に開口している。右側軸受配置部615dは、円筒面部と、底部と、を有する。
右側軸受配置部615dの円筒面部の内径は、後述の外側軸受要素673mの外径よりも僅かに大きい。又、右側軸受配置部615dは、底部の中央部に、右側転動面615eを有する。
右側転動面615eは、左側に向かうほど(換言すれば、後述の外側軸受要素673mから離れるほど)内径が小さくなる円錐面である。右側転動面615eは、後述のボール675bの外周面と当接している。
このような右側軸受配置部615dは、後述する第二揺動支持部66Cにおける右側軸受部67dの外側軸受要素673mの内端部が配置される部分である。右側軸受配置部615dの円筒面部は、外側軸受要素673mの内端部の外周面を、僅かな隙間を介して覆っている。
右壁部614dは、ベース4Cの右壁部42fと比べて右側に配置されている。右壁部614dは、右壁部42fと左右方向(Y方向)に対面している。
(底壁部)
底壁部618Cは、ホルダ61Cの底部を構成する。具体的には、底壁部618Cは、基部618a、左側張り出し部618b、及び右側張り出し部618cを有する。
基部618aは、底壁部618Cにおいて、載置部617Cの下側に設けられた部分により構成されている。換言すれば、基部618aは、底壁部618Cにおいて、左壁部612cと右壁部614dとの間に設けられた部分により構成されている。
左側張り出し部618bは、底壁部618Cにおいて、基部618aの左端部から、左壁部612cよりも左側に延在した部分により構成されている。左側張り出し部618bは、XY平面に平行な板状である。
右側張り出し部618cは、底壁部618Cにおいて、基部618aの右端部から、右壁部614dよりも右側に延在した部分により構成されている。右側張り出し部618cは、XY平面に平行な板状である。
底壁部618Cは、下側面に第一マグネット配置部619Cを有する。第一マグネット配置部619Cには、後述の左側第一マグネット681c及び右側第一マグネット681dが配置されている。
具体的には、第一マグネット配置部619Cは、左側第一マグネット配置部619e及び右側第一マグネット配置部619fを有する。左側第一マグネット配置部619e及び右側第一マグネット配置部619fはそれぞれ、底壁部618Cの下側面に設けられた凹部により画定されている。
本実施形態の場合、左側第一マグネット配置部619eは、基部618aにおける左側半部の下面から左側張り出し部618bの下面にわたり設けられた凹部により構成されている。一方、右側第一マグネット配置部619fは、基部618aにおける右側半部の下面から右側張り出し部618cの下面にわたり設けられた凹部により構成されている。
左側第一マグネット配置部619e及び右側第一マグネット配置部619fは、ホルダ61Cの下側面において、第二YZ平面が通る位置に設けられている。
第一マグネット配置部619Cは、FPC7Cの第一コイル固定部73Cと比べて上側に設けられている。第一マグネット配置部619Cは、第一コイル固定部73Cと上下方向(Z方向)に対面している。
具体的には、左側第一マグネット配置部619eは、第一コイル固定部73Cの左側第一コイル固定部73eと上下方向に対面している。右側第一マグネット配置部619fは、右側第一コイル固定部73fと上下方向に対面している。
底壁部618Cは、下側面に、位置検出マグネット配置部619mを有する。位置検出マグネット配置部619mには、第二駆動部69Cの第二位置検出マグネット693Cが配置されている。
位置検出マグネット配置部619mは、底壁部618Cの下側面における左右方向中央部に設けられている。換言すれば、位置検出マグネット配置部619mは、左右方向において、左側第一マグネット配置部619e、右側第一マグネット配置部619f、及び位置検出マグネット配置部619mは、底壁部618Cの下側面に設けられた凹部であって、左右方向に連続した凹部により構成されている。
位置検出マグネット配置部619mは、ホルダ61Cの下側面において、第二YZ平面が通る位置に設けられている。位置検出マグネット配置部619mは、FPC7Cの第二素子固定部75dと上下方向に対面している。
(支持プレート)
図36及び図37を参照して、支持プレート64Cについて説明する。支持プレート64Cは、外側可動側部材及び外側プレートの一例に該当し、側面視で、Z方向+側に開口するU字形の板状である。支持プレート64Cの側面視とは、X方向+側又はX方向−側から支持プレート64Cを見ることを意味する。又、支持プレート64Cは、プリズム5をベース4Cに対して揺動可能に支持するための保持部材の一例でもある。
又、支持プレート64Cは、平面視で、X方向+側が開口したU字形である。支持プレート64Cの平面視とは、Z方向+側又はZ方向−側から支持プレート64Cを見ることを意味する。
本実施形態の場合も、外側可動側部材は、一つの部材(支持プレート64C)で構成されている。但し、外側可動側部材は、組み合わされた複数の部材により構成されてもよい。
支持プレート64Cは、後述の第一揺動支持部65Cの第一揺動中心軸652を介して、ベース4Cに支持されている。支持プレート64Cは、ベース4Cに対して、第一軸A1(図38参照)を中心とした揺動可能である。
又、支持プレート64Cは、支持プレート64C(外側可動側部材)に対してホルダ61Cを、第二軸A2(図38参照)を中心に揺動可能に、ホルダ61C及び支持プレート64C(外側プレート)の係合を介して支持している。尚、本実施形態の場合、ホルダ61Cと支持プレート64C(外側プレート)とは、後述の第二揺動支持部66Cを介して係合している。
つまり、本実施形態の場合も、ホルダ61Cと支持プレート64C(外側プレート)との係合は、ホルダ61Cと支持プレート64C(外側プレート)とが他の部材(本実施形態の場合、第二揺動支持部66C)を介して係合することを意味する。ただし、ホルダ61Cと支持プレート64C(外側プレート)との係合は、ホルダ61Cと支持プレート64C(外側プレート)とが他の部材を介さずに直接係合することを意味してもよい。
支持プレート64Cは、基部641Cと、左側腕部642cと、右側腕部644dと、軸支持部647Cと、保持部641kと、ホルダ固定部648Cと、を有する。
(基部)
基部641Cは、XY平面に平行であり、且つ、長手方向がY方向に一致する板状である。本実施形態の場合、基部641Cは、前後方向において、第二軸A2と比べて後方に設けられている。基部641Cは、ベース4Cの底壁部40cと比べて上方に配置されている。基部641Cの下側面は、ベース4Cの底壁部40cの上側面と僅かな隙間を介して対面している。
このような基部641Cの構成は、既述の実施形態2に係る支持プレート64Bの基部641Bと同様である。よって、基部641Cの説明には、実施形態2に係る支持プレート64Bの基部641Bの説明を援用できる。
(左側腕部)
左側腕部642cは、既述の実施形態2に係る支持プレート64Bの左側腕部642bと同様に、左側第一板部642jと、左側第二板部642sと、を有する。
左側第一板部642jは、左側係止部642n、左側マグネット保持部642q、及び左側ホルダ固定部642rを有する。このような左側第一板部642jの構成は、既述の実施形態2に係る支持プレート64Bの左側第一板部642jと同様である。よって、左側第一板部642jの説明には、実施形態2に係る支持プレート64Bの左側第一板部642jの説明を援用できる。
左側第二板部642sは、左側第一板部642jの前端部から、前方に延在している。左側第二板部642sは、左側軸受保持部643cを有する。左側軸受保持部643cは、左側第二板部642sを左右方向に貫通する貫通孔により構成されている。このような左側軸受保持部643cは、基部641Cと比べて前側に設けられている。
左側軸受保持部643cは、内周面の一部に、周り止め凹部643c1を有する。周り止め凹部643c1は、後述の第二揺動支持部66Cにおける左側軸受部66cの外側軸受要素663mに設けられた周り止め凸部663f1(図38参照)と係合している。このような周り止め凹部643c1は、第二揺動支持部66Cにおける左側軸受部66cの外側軸受要素663mの回転を防止するためのものである。
(右側腕部)
右側腕部644dは、既述の実施形態2に係る支持プレート64Bの左側腕部642bと同様に、右側第一板部644jと、右側第二板部644sと、を有する。
右側第一板部644jは、右側係止部644n、右側マグネット保持部644q、及び右側ホルダ固定部644rを有する。このような右側第一板部644jの構成は、既述の実施形態2に係る支持プレート64Bの右側第一板部644jと同様である。よって、右側第一板部644jの説明には、実施形態2に係る支持プレート64Bの右側第一板部644jの説明を援用できる。
右側第二板部644sは、右側第一板部644jの前端部から、前方に延在している。右側第二板部644sは、右側軸受保持部645dを有する。右側軸受保持部645dは、右側第二板部644sを左右方向に貫通する貫通孔により構成されている。
本実施形態の場合、右側軸受保持部645dは、外縁の形状が、非円形(具体的には、略平行四辺形)である。右側軸受保持部645dは、左側軸受保持部643cと左右方向に対面している。右側軸受保持部645dは、基部641Cと比べて前側に設けられている。
(軸支持部)
軸支持部647Cの構成は、既述の実施形態2に係る支持プレート64Bの軸支持部647Bと同様である。よって、軸支持部647Cの説明には、実施形態2に係る支持プレート64Bの軸支持部647Bの説明を援用できる。
(保持部)
保持部641kの構成は、既述の実施形態2に係る支持プレート64Bの保持部641jと同様である。よって、保持部641kの説明には、実施形態2に係る支持プレート64Bの保持部641jの説明を援用できる。
(ホルダ固定部)
ホルダ固定部648Cの構成は、既述の実施形態2に係る支持プレート64Bのホルダ固定部648Bと同様である。よって、ホルダ固定部648Cの説明には、実施形態2に係る支持プレート64Bのホルダ固定部648Bの説明を援用できる。
(第一揺動支持部)
図36〜図38を参照して、第一揺動支持部65Cについて説明する。第一揺動支持部65Cは、実施形態2に係る第一揺動支持部65Bと同様に、下側軸受651aと、上側軸受651bと、第一揺動中心軸652と、板バネ653Cと、を有する。下側軸受651a、上側軸受651b、第一揺動中心軸652、及び板バネ653Cは、実施形態2に係る第一揺動支持部65Bの下側軸受651a、上側軸受651b、第一揺動中心軸652、及び板バネ653Bと同様である。
本実施形態の場合、第一揺動支持部65Cは、付勢機構657を有する。付勢機構657は、第一揺動中心軸652を、第一揺動中心軸652の中心軸に直交する方向に付勢することにより、第一揺動中心軸652の傾きの変動を抑制するためのものである。
付勢機構657は、中間軸受657aと、付勢バネ657bと、を有する。
中間軸受657aは、付勢用軸受の一例に該当し、焼結金属製であり、円筒状の滑り軸受である。中間軸受657aは、例えば、焼結金属製の本体部に、潤滑油が含浸されている。このような中間軸受657aには、第一揺動中心軸652の軸方向における中間部(具体的には、中央部を含む部分)が挿通されている。
中間軸受657aは、上下方向において、下側軸受651aと上側軸受651bとの間に設けられている。本実施形態の場合、中間軸受657aは、第一揺動中心軸652に対して固定されていない。中間軸受657aの下面は、支持プレート64Cの基部641C(具体的には、上側板部641e)の上面に当接している。
尚、中間軸受657aの内周面における下端部には、面取り部が設けられている。この面取り部は、支持プレート64Cの軸支持部647Cと第一揺動中心軸652との固定部に設けられた溶接部と、中間軸受657aとの接触を回避するための逃げ部として機能する。中間軸受657aの内周面における上端部にも、面取り部が設けられている。
付勢バネ657bは、ベース4Cに固定されている。付勢バネ657bは、自身の弾性変形に基づいて、第一揺動中心軸652を、第一揺動中心軸652の中心軸に直交する方向(本実施形態の場合、前方)に付勢している。
具体的には、付勢バネ657bは、板状であって、固定部657cと、付勢部657dと、接続部657eと、を有する。
固定部657cは、略矩形の板状であって、付勢バネ657bの第一端部(基端部)に設けられている。固定部657cは、ベース4Cのコイルホルダ43cにおける付勢バネ固定部438に接着等の固定手段により固定されている。
付勢部657dは、複数回折り返された板状の構造を有し、付勢バネ657bの第二端部(先端部)に設けられている。本実施形態の場合、付勢部657dは、左右方向に複数回(本実施形態の場合、2回)折り返された板状の構造を有している。
付勢部657dは、中間軸受657aの外周面における後端部に当接しており、中間軸受657aを前方に付勢している。つまり、付勢部657dは、中間軸受657aを介して、第一揺動中心軸652を前方に付勢している。
接続部657eは、固定部657cと付勢部657dとを接続している。
組付状態に置いて、付勢部657d及び/又は接続部657eは、前後方向に弾性変形する。付勢バネ657bは、付勢部657d及び/又は接続部657eが弾性変形することにより発揮する弾性力に基づいて、第一揺動中心軸652を前方に付勢している。
第一揺動中心軸652は、付勢機構657により前方に押されると、第一揺動中心軸652は上側軸受651bの内周面及び下側軸受651aの内周面に押し付けられる。この結果、第一揺動中心軸652の傾きの変動が抑制される。
尚、付勢バネ657bの構造は、本実施形態の場合に限定されない。付勢バネ657bの構造は、第一揺動中心軸652を、第一揺動中心軸652の中心軸に直交する方向に付勢できる種々の構造であってよい。
又、付勢バネ657bが第一揺動中心軸652を付勢する方向は、第一揺動中心軸652の中心軸に直交する方向に平行であってもよいし、平行でなくてもよい。付勢バネ657bが第一揺動中心軸652を付勢する方向は、第一揺動中心軸652の中心軸に直交する方向の成分を含んでいればよい。
又、本実施形態の場合、付勢バネ657bは、板バネ653Cとは別に設けられた部材により構成されている。このような付勢バネ657bの構成によれば、付勢バネ657b及び板バネ653Cの特性を個別に設定できる。ただし、付勢バネ657bと板バネ653Cとは、分離不可能な一部品又は分離可能に組み付けられた一部品により構成されてもよい。このような構成によれば、部品点数を低減できる。
又、付勢バネ657bが固定される位置には、本実施形態の場合に限定されない。付勢バネ657bは、ベース4Cにおける任意の位置に固定されてよい。
(第二揺動支持部)
図38〜図39Bを参照して、第二揺動支持部66Cについて説明する。図39Aは、第二揺動支持部66Cの左側軸受部66cの断面図である。図39Bは、第二揺動支持部66Cの右側軸受部67dの断面図である。
第二揺動支持部66Cは、ホルダ61Cを、第二軸A2を中心とした揺動可能な状態で、支持プレート64Cに支持するためのものである。
第二揺動支持部66Cは、ホルダ61Cと支持プレート64Cとの間に設けられている。具体的には、第二揺動支持部66Cは、左側軸受部66cと、右側軸受部67dと、を有する。左側軸受部66cと右側軸受部67dとは、同軸上に設けられている。左側軸受部66c及び右側軸受部67dの中心軸は、第二軸A2に一致する。
(左側軸受部)
左側軸受部66cは、ホルダ61Cの左壁部612cと支持プレート64Cの左側腕部642cとの間に設けられている。左側軸受部66cは、既述のホルダ61Cの左壁部612cにおける左側転動面613dと、外側軸受要素663mと、ボール665aと、板バネ666yと、を有する。
ホルダ61Cの左壁部612cは、既述の実施形態2に係る第二揺動支持部66Bの内側軸受要素661b(つまり、第一内側軸受要素)に相当する。
外側軸受要素663mは、第一外側軸受要素の一例に該当し、ステンレス等の金属製である。外側軸受要素663mの概略形状は、中心軸が左右方向に平行な円柱状である。
外側軸受要素663mは、右側面に、外側転動面663cを有する。外側転動面663cは、左側転動面613dと左右方向に対面している。
外側転動面663cは、左側に向かうほど(換言すれば、左側転動面613dから離れるほど)内径が小さくなる円錐状の凹部により構成されている。
外側軸受要素663mは、左端部に設けられた小径部663nと、右端部に設けられた大径部663fと、を有する。
小径部663nは、円筒面状の外周面を有する。小径部663nの外径は、大径部663fの外径と比べて小さい。小径部663nの外周面には、回り止め凸部663n1が設けられている。回り止め凸部663n1は、後述の第二揺動支持部66Cの板バネ666yにおける回り止め係止666tと係合している。
大径部663fは、円筒面状の外周面を有する。大径部663fの外形は、小径部663nの外形よりも大きい。大径部663fの外周面には、回り止め凸部663f1が設けられている。本実施形態の場合、回り止め凸部663f1と回り止め凸部663n1とは、外側軸受要素663mの周方向において同位相となる位置に設けられている。
このような外側軸受要素663mは、大径部663fが支持プレート64Cの左側腕部642cにおける左側軸受保持部643cに挿通された状態で、支持プレート64Cに保持されている。
又、回り止め凸部663f1は、支持プレート64Cの周り止め凹部643c1と、外側軸受要素663mの周方向において係合している。つまり、外側軸受要素663mは、回り止め凸部663f1と周り止め凹部643c1との係合に基づいて、支持プレート64Cに対して回り止めされている。
外側軸受要素663mは、左側軸受保持部643cに固定されていない。換言すれば、外側軸受要素663mは、左側軸受保持部643cに対して、外側軸受要素663mの軸方向(左右方向)の移動可能である。
又、外側軸受要素663mの大径部663fは、ホルダ61Cの左側軸受配置部613cにより、外側軸受要素663mの径方向における隙間を介した状態で覆われている。このような構成は、例えば、カメラモジュール1に衝撃が加わった状況において、ボール665aの脱落を抑制できる。
ボール665aは、第一転動体の一例に該当する。ボール665aは、左側転動面613dと、外側軸受要素663mの外側転動面663cとの間に、転動自在な状態で設けられている。
ホルダ61Cの左壁部612c(内側軸受要素)、外側軸受要素663m、及びボール665aにより構成される軸受装置は、第三軸受の一例に該当する。第三軸受の中心軸は、第二軸A2に一致している。
板バネ666yは、外側軸受要素663mに対して、ホルダ61Cの左壁部612cに向かう方向(右方向)の弾性力を加えるための部材である。板バネ666yの弾性力は、ホルダ61Cを介して、ホルダ61Cの右壁部614dに伝わる。
この結果、右壁部614dには、右側軸受部67dの外側軸受要素673mに向かう弾性力が作用する。このように、左側軸受部66c及び右側軸受部67dには、板バネ666yの弾性力に基づく与圧が付与されている。この与圧は、左側軸受部66c及び右側軸受部67dのがたつきの抑制、及び、ボール665a及びボール675bの脱落の抑制に寄与する。
具体的には、板バネ666yは、内側固定部666uと、外側固定部666vと、弾性変形部666wと、を有する。
内側固定部666uは、略円輪状である。内側固定部666uは、内側固定部666uの周方向の一部に、回り止め係止部666tを有する。内側固定部666uは、外側軸受要素663mの外周面に、接着等の固定手段により固定されている。
外側固定部666vは、板バネ666yを支持プレート64Cに固定するための部分である。外側固定部666vは、略矩形の板状である。外側固定部666vは、支持プレート64Cにおける左側腕部642cの左側ホルダ固定部642rに、マグネットホルダ634aを介して、固定されている。外側固定部666vは、マグネットホルダ634aに接着等の固定手段により固定されている。
本実施形態の場合、外側固定部666vは、内側固定部666uから後側に所定距離離れた位置に設けられている。
弾性変形部666wは、少なくともY方向に弾性変形可能であり、内側固定部666uと外側固定部666vとを接続している。
本実施形態の場合、弾性変形部666wは、上下方向に離間した状態で設けられた一対の腕部を有する。一対の腕部の第一端部(後端部)はそれぞれ、外側固定部666vに接続されている。一対の腕部の第二端部はそれぞれ、内側固定部666uに接続されている。
具体的には、一対の腕部はそれぞれ、上記第一端部から前方に延在する第一部分と、略U字状の折り返し部と、折り返し部から上記第二端部に向けて後方に延在する第二部分と、を有する。折り返し部は、内側固定部666uよりも前方に位置している。
(右側軸受部)
右側軸受部67dは、ホルダ61Cの右壁部614dと支持プレート64Cの右側腕部644dとの間に設けられている。右側軸受部67dは、既述のホルダ61Cの右壁部614dにおける右側転動面615eと、外側軸受要素673mと、ボール675bと、を有する。
ホルダ61Cの右壁部614dは、既述の実施形態2に係る第二揺動支持部66Bの内側軸受要素671c(つまり、第二内側軸受要素)に相当する。
外側軸受要素673mは、第二外側軸受要素の一例に該当し、ステンレス等の金属製である。外側軸受要素673mの概略形状は、中心軸が左右方向に平行な円柱状である。
外側軸受要素673mは、左側面に、外側転動面673cを有する。外側転動面673cは、右側転動面615eと左右方向に対面している。
外側転動面673cは、右側に向かうほど(換言すれば、右側転動面615eから離れるほど)内径が小さくなる円錐状の凹部により構成されている。
外側軸受要素673mは、右端部の外周面に外側鍔部673dを有する。外側鍔部673dは、外側軸受要素673mの外周面における右端部から、径方向における外側に延在している。外側鍔部673dの外径は、外側軸受要素673mにおける他の部分の外径と比べて大きい。
又、外側軸受要素673mは、外側軸受要素673mの軸方向における中間部の外周面に、一対のフランジ部673gを有する。一対のフランジ部673gと外側鍔部673dとは、外側軸受要素673mの軸方向に離間している。一対のフランジ部673gはそれぞれ、略三角形状である。一対のフランジ部673g同士の外側軸受要素673mの周方向における位相は、180°ずれている。
このような外側軸受要素673mは、支持プレート64Cの右側腕部644dにおける右側軸受保持部645dに挿通され、且つ、接着等の固定手段により固定されている。この状態で、外側鍔部673dは、右側腕部644dと比べて右側に配置されている。外側鍔部673dの左側面は、右側腕部644dの右側面に当接している。
又、一対のフランジ部673gは、右側腕部644dと比べて左側に配置されている。一対のフランジ部673gの右側面は、右側腕部644dの左側面に当接している。
ここで、外側軸受要素673mを支持プレート64Cの右側軸受保持部645dに組み付ける手順について説明する。
先ず、本実施形態の場合、右側軸受保持部645dの外縁の形状は、非円形(具体的には、略平行四辺形)である。一方、外側軸受要素673mにおける一対のフランジ部673gが設けられた部分(以下、フランジ付き部分と称する。)は、右側軸受保持部645dの外縁の形状に沿う形状を有している。
このフランジ付き部分は、右側軸受保持部645dに対する位相が所定条件を満たした場合にのみ、右側軸受保持部645dを通過できる。換言すれば、フランジ付き部分は、右側軸受保持部645dに対する位相が所定条件を満たさない場合、右側軸受保持部645dを通過できない。
作業者又は組み付け装置は、フランジ付き部分を右側軸受保持部645dに挿通した後、外側軸受要素673mを回転させる。すると、フランジ付き部分は、右側軸受保持部645dを通過できない状態となる。その後、外側軸受要素673mは、右側軸受保持部645dに対して、接着等の固定手段により固定される。
組付状態において、外側軸受要素673mの左端部は、ホルダ61Cの右側軸受配置部615dにより、外側軸受要素673mの径方向における隙間を介した状態で覆われている。このような構成は、例えば、カメラモジュール1に衝撃が加わった状況において、ボール675bの脱落を抑制できる。
ボール675bは、第一転動体の一例に該当する。ボール675bは、右側転動面615eと、外側軸受要素673mの外側転動面673cとの間に、転動自在な状態で設けられている。
ホルダ61Cの右壁部614d、外側軸受要素673m、及びボール675bにより構成される軸受装置は、第三軸受の一例に該当する。第三軸受の中心軸は、第二軸A2に一致している。
(第一駆動部)
第一駆動部68Cは、第一軸A1(図38参照)を中心に、ホルダ61Cを揺動させる。第一軸A1は、Z方向に平行な軸である。具体的には、第一軸A1は、第一揺動支持部65Cの第一揺動中心軸652の中心軸に一致する。
第一駆動部68Cは、左側第一駆動部68eと、右側第一駆動部68fと、第一位置検出マグネット683Cと、第一位置検出素子684Cと、を有する。第一駆動部68Cは、第二YZ平面が通る位置に設けられている。
左側第一駆動部68eは、ホルダ61Cの底壁部618Cと、ベース4Cに固定されたFPC7Cとの間に設けられている。FPC7Cは、固定側部材の一部と捉えてよい。
左側第一駆動部68eは、ボイスコイルモータであって、左側第一マグネット681cと、左側第一コイル682cと、を備える。左側第一マグネット681c及び左側第一コイル682cの構造は、実施形態1の左側第一マグネット681a及び左側第一コイル682aの構造とほぼ同様である。
ただし、本実施形態の場合、左側第一マグネット681c及び左側第一コイル682cの左右方向における長さが、実施形態1の左側第一マグネット681a及び左側第一コイル682aの左右方向における長さよりも長い。このような左側第一マグネット681c及び左側第一コイル682cの構成により、左側第一駆動部68eが発揮する駆動力は、実施形態1に係る左側第一駆動部68aが発揮する駆動力よりも大きい。
左側第一マグネット681cは、ホルダ61Cの底壁部618Cにおける左側第一マグネット配置部619eに配置されている。左側第一マグネット681cは、左側第一マグネット配置部619eに、左側第一ヨーク686cを介して、接着等の固定手段により固定されている。本実施形態の場合、左側第一ヨーク686c、後述の右側第一ヨーク686d、及び中央側第二ヨーク696とは、左右方向に連続した一体のヨークにより構成されている。尚、図40において、左側第一ヨーク686c、右側第一ヨーク686d、及び中央側第二ヨーク696は、透明で示されている。
左側第一コイル682cは、振れ補正時に給電される長円形状のいわゆる空心コイルである。左側第一コイル682cは、長軸が左右方向に一致した状態で、FPC7Cにおける左側第一コイル固定部73eに、接着等の固定手段により固定されている。
左側第一コイル682cは、左側第一マグネット681cと比べて下方に設けられている。左側第一コイル682cは、左側第一マグネット681cと上下方向に所定の間隔をあけて対面している。
右側第一駆動部68fは、ボイスコイルモータであって、右側第一マグネット681dと、右側第一コイル682dと、を備える。右側第一マグネット681d及び右側第一コイル682dの構造は、実施形態1の右側第一マグネット681b及び右側第一コイル682bの構造と同様である。
ただし、本実施形態の場合、右側第一マグネット681d及び右側第一コイル682dの左右方向における長さが、実施形態1の右側第一マグネット681b及び右側第一コイル682bの左右方向における長さよりも長い。このような右側第一マグネット681d及び右側第一コイル682dの構成により、右側第一駆動部68fが発揮する駆動力は、実施形態1に係る右側第一駆動部68bが発揮する駆動力よりも大きい。
右側第一マグネット681dは、可動側部材であるホルダ61Cの底壁部618Cにおける右側第一マグネット配置部619fに配置されている。右側第一マグネット681dは、右側第一マグネット配置部619fに、右側第一ヨーク686d(図40参照)を介して、接着等の固定手段により固定されている。
右側第一コイル682dは、振れ補正時に給電される長円形状のいわゆる空心コイルである。右側第一コイル682dは、長軸が左右方向に一致した状態で、FPC7Cにおける右側第一コイル固定部73fに、接着等の固定手段により固定されている。
右側第一コイル682dは、右側第一マグネット681dと比べて下方に設けられている。右側第一コイル682dは、右側第一マグネット681dと上下方向に所定の間隔をあけて対面している。左側第一コイル682cと右側第一コイル682dとは、FPC7Cの配線(不図示)を介して電気的に接続されている。
第一位置検出マグネット683Cは、マグネットホルダ685(図37参照)を介して、支持プレート64Cの保持部641kに配置されている。マグネットホルダ685は、非磁性金属製の板状である。マグネットホルダ685は、Z方向−側の面である第一側面(下側面)を有する。
マグネットホルダ685の下側面は、支持プレート64Cのホルダ固定部648Cに、接着等の固定手段により固定されている。第一位置検出マグネット683Cの上側面は、マグネットホルダ685の下側面に接着等の固定手段により固定されている。
本実施形態の場合、第一位置検出マグネット683Cは、直方体状の2個のマグネットにより構成されている。2個のマグネットはそれぞれ、長手方向が左右方向に平行であり、且つ、短手方向が前後方向に平行である。2個のマグネットはそれぞれ、上下方向に着磁されている。
2個のマグネットの着磁方向は、互いに逆方向である。つまり、一方(後側)のマグネットの上面がN極であり且つ下面がS極の場合、他方(前側)のマグネットの上面がS極であり且つ下面がN極である。このような2個のマグネット同士は、所定方向(本実施形態の場合、前後方向)に離間した状態で設けられている。
2個のマグネット同士が所定方向に離間した構成は、後述の第一位置検出素子684Cの出力とホルダ61Cの第一軸A1周りの揺動角度との関係を、ホルダ61Cの第一軸A1周りの揺動ストロークの全範囲において線形関係又はほぼ線形関係とすることができる。
換言すれば、ホルダ61Cの第一軸A1周りの揺動ストロークの全範囲において、ホルダ61Cの揺動に連動して、第一位置検出素子684Cの出力が変化する。この結果、第一駆動部68Cの動作の精度及び動作の安定性を向上できる。
第一位置検出素子684Cは、第一位置検出マグネット683Cとともに位置検出装置を構成している。第一位置検出素子684Cは、FPC7Cの第一素子固定部75cに固定されている。第一位置検出素子684Cは、第一位置検出マグネット683Cと比べて下方に設けられている。第一位置検出素子684Cは、第一位置検出マグネット683Cと上下方向において対面している。
第一位置検出素子684Cは、FPC7Cを介して電源に接続されている。第一位置検出素子684Cは、第一位置検出マグネット683Cの磁束(位置に関する情報とも称する。)を検出し、検出値を、センサ基板91(図1参照)に実装された制御部92(図1参照)に送る。制御部92は、第一位置検出素子684Cから受け取った検出値に基づいて、第一位置検出マグネット683Cと(支持プレート64C及びホルダ61C)の、第一軸A1周りの位置を求める。
本実施形態の場合、第一位置検出素子684Cは、第一位置検出素子684Cを上下方向に通過する磁束の変化を検出する。支持プレート64C(ホルダ61C)が第一軸A1を中心に揺動していない状態(ホルダの第一基準状態とも称する。)で、第一位置検出素子684Cを上下方向に通過する磁束がゼロとなるように、第一位置検出マグネット683Cと第一位置検出素子684Cとの配置が設定されている。
尚、ホルダの第一基準状態とは、ホルダ61Cの左壁部612c及び右壁部614dと、ベース4Cの左壁部41e及び右壁部42fとが、平行な状態を意味する。ホルダの第一基準状態におけるホルダ61C及び支持プレート64Cの第一軸A1周りの位置は、ホルダ及び支持プレートの第一軸A1周りの初期位置である。
支持プレート64C(ホルダ61C)が、第一基準状態から第一軸A1を中心に揺動すると、支持プレート64C(ホルダ61C)とともに、第一位置検出マグネット683Cが揺動して(前後方向に移動して)、第一位置検出素子684Cを上下方向に通過する磁束が変化する。尚、第一駆動部68Cの動作は、実施形態1の第一駆動部68の動作と同様である。
(第二駆動部)
第二駆動部69Cは、第二軸A2(図38参照)を中心に、ホルダ61Cを揺動させる。第二軸A2は、Y方向に平行な軸であり、第二揺動支持部66Cの中心軸に一致する。
第二駆動部69Cは、左側第二駆動部69cと、右側第二駆動部69dと、第二位置検出マグネット693Cと、第二位置検出素子694Cと、を有する。
左側第二駆動部69c及び右側第二駆動部69の構成は、既述の実施形態2に係る第二駆動部69Bにおける左側第二駆動部69c及び右側第二駆動部69の構成と同様である。よって、左側第二駆動部69c及び右側第二駆動部69の説明には、実施形態2に係る第二駆動部69Bにおける左側第二駆動部69c及び右側第二駆動部69の説明を援用できる。
第二位置検出マグネット693Cは、中央側第二ヨーク696を介して、ホルダ61Cの底壁部618Cにおける位置検出マグネット配置部619mに固定されている。
本実施形態の場合、第二位置検出マグネット693Cは、直方体状の2個のマグネットにより構成されている。2個のマグネットはそれぞれ、長手方向が左右方向に平行であり、且つ、短手方向が前後方向に平行である。2個のマグネットはそれぞれ、上下方向に着磁されている。
2個のマグネットの着磁方向は、互いに逆方向である。つまり、一方(後側)のマグネットの上面がS極であり且つ下面がN極の場合、他方(前側)のマグネットの上面がN極であり且つ下面がS極である。このような2個のマグネット同士は、所定方向(本実施形態の場合、前後方向)に隣接した状態で設けられている。
第二位置検出素子694Cは、FPC7Cの第二素子固定部75dに固定されている。第二位置検出素子694Cは、第二位置検出マグネット693Cと比べて下側に設けられている。第二位置検出素子694Cは、第二位置検出マグネット693Cと上下方向において対面している。
第二位置検出素子694Cは、FPC7Cを介して電源に接続されている。第二位置検出素子694Cは、第二位置検出マグネット693Cの磁束(位置に関する情報とも称する。)を検出し、検出値を、センサ基板91(図1参照)に実装された制御部92(図1参照)に送る。制御部92は、第二位置検出素子694Cから受け取った検出値に基づいて、第二位置検出マグネット693C(ホルダ61C)の、第二軸A2周りの位置を求める。
本実施形態の場合、第二位置検出素子694Cは、第二位置検出素子694Cを上下方向に通過する磁束の変化を検出する。ホルダ61Cが第二軸A2を中心に揺動していない状態(ホルダの第二基準状態とも称する。)で、第二位置検出素子694Cを上下方向に通過する磁束がゼロとなるように、第二位置検出マグネット693Cと第二位置検出素子694Cとの配置が設定されている。
尚、ホルダの第二基準状態とは、ホルダ61Cの底壁部618Cとベース4Cの底壁部40cとが、平行な状態を意味する。又、ホルダの第二基準状態におけるホルダ61Cの第二軸周りの位置は、ホルダの第二軸周りの初期位置である。
ホルダ61Cが、第二軸周りの初期位置から第二軸A2を中心に揺動すると、ホルダ61Cとともに、第二位置検出マグネット693Cが揺動する(前後方向に移動する)。この結果、第二位置検出素子694Cを上下方向に通過する磁束が変化する。尚、第二駆動部69Cの動作は、実施形態1の第二駆動部69の動作と同様である。
(第一復帰機構)
第一復帰機構62C(図29、図36、及び37参照)は、支持プレート64C(ホルダ61C)が第一軸A1を中心に揺動した状態において第一駆動部68Cが停止した場合に、支持プレート64C(ホルダ61C)を第一軸周りの初期位置に復帰させるための機構である。
第一復帰機構62Cは、第一駆動部68Cが駆動していない状態(第一駆動部の非駆動状態とも称する。)において、支持プレート64C(ホルダ61C)を第一軸周りの初期位置に位置決めするための機構でもある。
具体的には、第一復帰機構62Cは、左側スプリング621C及び右側スプリング622Cを有する。左側スプリング621Cと右側スプリング622Cとは、第一YZ平面が通る位置に設けられている。左側スプリング621Cと右側スプリング622Cはそれぞれ、弾性部材の一例に該当する。
左側スプリング621C及び右側スプリング622Cはそれぞれ、第一係止部623C、第二係止部624C、及び弾性変形部625Cを有する。
第一係止部623Cは、左側スプリング621C及び右側スプリング622Cそれぞれの上端部を構成している。第一係止部623Cは、支持プレート64Cに係止されている。具体的には、左側スプリング621Cの第一係止部623Cは、支持プレート64Cの左側係止部642nに係止されている。一方、右側スプリング622Cの第一係止部623Cは、支持プレート64Cの右側係止部644nに係止されている。
第二係止部624Cは、左側スプリング621C及び右側スプリング622Cそれぞれの下端部を構成している。第二係止部624Cは、ベース4Cに係止されている。具体的には、左側スプリング621Cの第二係止部624Cは、ベース4Cの左側係止部411に係止されている。一方、右側スプリング622Cの第二係止部624Cは、ベース4Cの右側係止部421に係止されている。
弾性変形部625Cは、第一係止部623Cと第二係止部624Cとを上下方向に接続している。本実施形態の場合、弾性変形部625Cの形状が、既述の実施形態2の弾性変形部625の形状と異なる。
弾性変形部625Cは、左右方向に複数回折り返された蛇行形状を有する線材である。弾性変形部625Cは、ホルダ61C(支持プレート64C)が第一軸A1を中心に揺動した場合に、弾性変形する。弾性変形部625Cの復元力は、ホルダ61Cを第一軸周りの初期位置に戻す方向を向いた力(以下、第一復帰力と称する。)として、支持プレート64Cを介してホルダ61Cに作用する。
以上のような構成を有する第一復帰機構62Cは、ホルダ61Cが第一軸周りの初期位置に位置した状態で、左側スプリング621C及び右側スプリング622Cの弾性変形部625Cが変形しない中立状態となる。ホルダ61Cが第一軸A1を中心に揺動すると、ホルダ61Cには、支持プレート64Cを介して第一復帰力が作用する。その他の第一復帰機構62Cの作用及び効果は、実施形態2の第一復帰機構62と同様である。
(第二復帰機構)
第二復帰機構63Cの構成は、図28A及び図28Bを参照して説明した、実施形態2に係る第二復帰機構63の構成と同様である。よって、第二復帰機構63Cの説明には、実施形態2に係る第二復帰機構63の説明を援用できる。
本実施形態に係るカメラモジュールの動作は、既述の実施形態1及び実施形態2に係るカメラモジュールの動作と同様である。
(付記)
(基本構成)
本発明に係る光学アクチュエータは、
固定側部材と、
第一方向に沿う入射光を第二方向における一方に向かって進むように屈曲させる光路屈曲部材を保持可能な内側可動側部材と、
固定側部材に対して第一軸を中心に揺動可能に支持された外側可動側部材であって、外側可動側部材に対して内側可動側部材を、第一軸に直交する方向に平行な第二軸を中心に揺動可能に支持する外側可動側部材と、
外側可動側部材を、第一軸を中心に揺動させる第一駆動部と、
内側可動側部材を、前記第二軸を中心に揺動させる第二駆動部と、
を、基本的な構成(以下、「基本構成」と称する。)として、備えている。
本発明は、上記基本構成とともに、後述の追加構成1〜9のうちの少なくとも一つの構成を備えてもよい。
(追加構成1)
又、本発明を実施する場合に、追加的に、
外側可動側部材は、内側可動側部材と係合する金属製の外側プレートを有してもよい。
この場合に、第一軸は、第二軸と比べて第二方向における他方側に位置していてもよい。
(追加構成2)
又、本発明を実施する場合に、追加的に、
光学アクチュエータは、外側可動側部材と固定側部材との間に設けられ、固定側部材に対して外側可動側部材を、第一軸を中心に揺動可能な状態で支持する第一揺動支持部と、
外側可動側部材と内側可動側部材との間に設けられ、外側可動側部材に対して内側可動側部材を、第二軸を中心に揺動可能に支持する第二揺動支持部とを、更に備えてもよい。
(追加構成3)
又、本発明を実施する場合に、追加的に、
第一揺動支持部は、
外側可動側部材に固定され、中心軸が第一軸に一致する軸部材と、
軸部材の第一部分を固定側部材に対して回転可能に支持する第一軸受と、
軸部材の第二部分を前記固定側部材に対して回転可能に支持する第二軸受と、を有してもよい。
(追加構成4)
又、本発明を実施する場合に、追加的に、
外側可動側部材は、軸部材を固定する軸支持部を有してもよい。
この場合に、軸支持部は、第一方向において、第一軸受と第二軸受との間に配置されていてもよい。
(追加構成5)
又、本発明を実施する場合に、追加的に、
外側可動側部材は、内側可動側部材と係合する金属製の外側プレートを有してもよい。
この場合に、外側プレートは、第二軸上に設けられ、第二軸に平行な方向に対面する第一外側腕部及び第二外側腕部を有してもよい。
更に、外側プレートは、第二揺動支持部と、第一外側腕部及び第二外側腕部との係合に基づいて、内側可動側部材に支持されていてもよい。
(追加構成6)
又、本発明を実施する場合に、追加的に、
外側プレートは、第一外側腕部と第二外側腕部とを、第二軸に平行な方向に接続する基部と、基部から第二方向における他方に延在する第三外側腕部と、を有してもよい。
この場合に、第三外側腕部は、前記軸支持部を有してもよい。
(追加構成7)
又、本発明を実施する場合に、追加的に、
外側プレートは、内側可動側部材に対して、第二揺動支持部を介して弾性的に支持されていてもよい。
(追加構成8)
又、本発明を実施する場合に、追加的に、
第二揺動支持部は、
外側プレートに固定された第三軸受と、
第三軸受と内側可動側部材との間に設けられ、第三軸受を外側プレートに向けて付勢する弾性支持部材と、を有してもよい。
この場合に、第三軸受の中心軸は、第二軸に一致していてもよい。
(追加構成9)
又、本発明を実施する場合に、追加的に、
光学アクチュエータは、
外側可動側部材が前記第一軸を中心に揺動した状態において、外側可動側部材に、第一軸周りの初期位置に戻す方向を向いた力である第一復帰力を加える第一復帰機構と、
内側可動側部材が第二軸を中心に揺動した状態において、内側可動側部材に、第二軸周りの初期位置に戻す方向を向いた力である第二復帰力を加える第二復帰機構と、を備えてもよい。
尚、本発明は、技術的に矛盾しない範囲において、上記基本構成とともに、上記追加構成1〜9を適宜組み合わせた構成を備えていてもよい。