JP2021181922A - 非接触型金属製材検査装置および非接触型金属製材健全性診断装置 - Google Patents

非接触型金属製材検査装置および非接触型金属製材健全性診断装置 Download PDF

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Abstract

【課題】金属素線の断線や損傷部分を検出するとともに,樹脂の損傷や飛び出し等も検出することができるようにする。【解決手段】ロープテスタ10は,ワイヤロープ5が移動する経路上に設けられ,ワイヤロープ5を両側から挟む第1,第2のロープテスタ半体10A,10Bを備える。第1の半体10Aは,ワイヤロープ5の移動方向と直交する向きに配列された複数の素子をそれぞれが含む,ホール素子アレイ41,42,面発光素子アレイ31,面発光素子アレイ51,およびラインセンサ(受光素子アレイ)52を備える。第2の半体10Bは,上記ワイヤロープ5の移動方向と直交する向きに配列された複数の素子をそれぞれが含む,ホール素子アレイ41,42,ラインセンサ(受光素子アレイ)32,発光素子アレイ51,およびラインセンサ(受光素子アレイ)52を備えている。【選択図】図3

Description

この発明は,非接触型金属製材検査装置および非接触型金属製材健全性診断装置に関する。金属製材はワイヤロープ,鋼板等を含み,その形状は問わない。
複数本の金属素線を束にまとめたワイヤロープが強磁性体であることを利用して,ワイヤロープを長手方向に磁化し,金属素線の断線や損傷部分から漏れ出す漏洩磁束を磁気センサによって検出する検査装置が知られている(特許文献1)。ワイヤロープの直径に沿う断面U字の溝内に磁化されたワイヤロープを滑らせ,断線や損傷がある場合の磁束変化をコイルによって検出する検査装置も知られている(特許文献2)。
特開2013−96950号公報 特開2019−105507号公報
心材に繊維心の代わりに樹脂心が用いられているワイヤロープ,外周面全体に樹脂が被覆されたワイヤロープ,ストランド間の溝内に樹脂を充填したワイヤロープ等が開発されている。これらの樹脂を利用したワイヤロープであっても漏洩磁束または磁束変化の検出は可能である。しかしながら,樹脂の損傷や樹脂の飛び出し等,樹脂部分の欠陥については,樹脂が非磁性体であるので検出することはできない。
この発明は,金属素線の断線や損傷部分を検出するとともに,樹脂の損傷や樹脂の飛び出し等の樹脂部分の欠陥も検出することができるようにすることを目的とする。
この発明はまた,ロープ直径,ロープピッチ,複数本のロープが用いられている場合のロープ本数およびロープ間隔も同時に検出(測定)できるようにすることを目的とする。
この発明による非接触型金属製材検査装置は,金属製の検査対象物が移動する経路上に設けられ,上記検査対象物を両側から非接触に挟む第1,第2の検査装置半体を備えている。
第1の検査装置半体は,上記検査対象物の移動方向と直交する向きに配列され,磁化された上記検査対象物からの漏洩磁束を検出する複数の磁気センサを含む第1の磁気センサ・アレイ,上記検査対象物の移動方向と直交する向きに配列され,上記検査対象物に向けて垂直に光を出射する複数個の発光素子を含む第1の発光素子アレイ,上記検査対象物の移動方向と直交する向きに配列され,上記検査対象物に向けて斜めに光を出射する複数個の発光素子を含む第2の発光素子アレイ,および上記検査対象物の移動方向と直交する向きに配列され,上記第2の発光素子アレイからの出射光に起因する上記検査対象物からの反射光を受光する上記第1の受光素子アレイを備えている。
第2の検査装置半体は,上記検査対象物の移動方向と直交する向きに配列され,磁化された上記検査対象物からの漏洩磁束を検出する複数の磁気センサを含む第2の磁気センサ・アレイ,上記検査対象物の移動方向と直交する向きに配列され,かつ上記第1の発光素子アレイと対向して設けられ,上記第1の発光素子アレイからの出射光に起因する透過光を受光する第2の受光素子アレイ,上記検査対象物の移動方向と直交する向きに配列され,上記検査対象物に向けて斜めに光を出射する複数個の発光素子を含む第3の発光素子アレイ,および上記検査対象物の移動方向と直交する向きに配列され,上記第2の発光素子アレイからの出射光に起因する上記検査対象物からの反射光を受光する第3の受光素子アレイを備えている。
この発明による非接触型金属製材検査装置は,磁気(漏洩磁束)検査および画像検査の両方に用いることができる。検査対象物は金属製であるので磁化することができ,損傷部分からの漏洩磁束を利用することで検査対象物の損傷(断線,腐食,摩耗など)を検出することができる。加えて,検査対象物を第1〜第3の受光素子アレイ(ラインセンサ)を用いて撮像することによって画像を用いた外観検査により検査対象物の損傷を検出することもできる。
検査対象物が樹脂を備え,その樹脂部分が損傷しているとする。樹脂部分は磁化することができないので漏洩磁束を用いた磁気検査では樹脂部分の損傷を見つけることができない。この発明による非接触型金属製材検査装置は,画像を用いた外観検査に利用可能であるので,金属部分の損傷については磁束を用いた磁気検査に,樹脂部分の損傷については画像を用いた外観検査に,それぞれ利用することができる。
第1の検査装置半体が備える第1の発光素子アレイと,第2の検査装置半体が備える第2の受光素子アレイとは,透過式光学センサを構成する。第1の発光素子アレイが検査対象物の一方側に,第2の受光素子アレイが第1の発光素子アレイと対向して検査対象物の他方側に,それぞれ設けられるので,検査対象物によって光が遮られる範囲が暗く,検査対象物によって光が遮られない範囲が明るい画像が,第2の受光素子アレイによって撮像される。透過式光学センサでは検査対象物の外縁形状が鮮明な画像を取得することができる。たとえば,検査対象物が,心材と,心材の周囲に撚り合わされた複数本のストランドとから構成される心材入りワイヤロープであり,ワイヤロープの経年劣化によって心材が外方に飛び出しているとする。心材の飛び出しは透過式光学センサの第2の受光素子アレイによって撮像されるワイヤロープ画像の外縁に鮮明に表れる。ワイヤロープ画像を検査担当者が画面上で確認することで損傷を判断してもよいし,画像処理,たとえば正常な心材入りワイヤロープの画像と検査されたワイヤロープの画像とを比較し(重ね合わせ),ワイヤロープの外縁外側に飛び出した心材が検査画像に存在するかどうかを判断することによって,損傷を判断することもできる。
第1の検査装置半体が備える第2の発光素子アレイと第1の受光素子アレイの組,および第2の検査装置半体が備える第3の発光素子アレイと第3の受光素子アレイの組は,それぞれが反射式光学センサを構成する。検査対象物の両面の画像を外観検査に用いることができる。
この発明は,非接触型金属製材健全性診断装置も提供する。この発明による非接触型金属製材健全性診断装置は,上述した非接触型金属製材検査装置の第1,第2の磁気センサ・アレイから出力される漏洩磁束に基づく出力信号,ならびに上述した非接触型金属製材検査装置の第1,第2および第3の受光素子アレイから出力される画像データの入力を受け付ける検査データ入力手段,上記検査データ入力手段によって受け付けられた漏洩磁束に基づく出力信号を用いて上記検査対象物を検査する磁気利用検査手段,ならびに上記検査データ入力手段によって受け付けられた画像データを用いて上記検査対象物を検査する画像利用検査手段を備えている。
一実施態様では,上記磁気利用検査手段は,上記検査データ入力手段によって受け付けられた漏洩磁束に基づく出力信号を用いて検査対象物の寸法または構造の少なくとも一方を検出する磁気利用寸法/構造検出手段を備えている。検査対象物がたとえばエレベータに用いられる,互いに平行に配列された複数本のワイヤロープであるとすると,ワイヤロープの本数(構造の一つ),隣り合うワイヤロープの間隔(構造の一つ),ワイヤロープのロープピッチ(寸法の一つ)およびワイヤロープの直径(寸法の一つ)を,漏洩磁束に基づく出力信号を用いて検出(計測)することができる。ワイヤロープは経年劣化によってロープピッチが伸びたり,直径が減少したりすることがある。検出されるワイヤロープのロープピッチや直径をワイヤロープの健全性診断に利用することができる。
好ましい実施態様では,上記検査対象物が互いに間隔をあけて配列された複数本のワイヤロープであり,上記磁気利用検査手段は,上記検査データ入力手段によって受け付けられた漏洩磁束に基づく出力信号を用いて,複数本のワイヤロープのうち損傷(欠陥)が発生しているワイヤロープの特定,損傷の程度および大きさを確認可能な損傷状態確認画像データを生成する手段を備えている。損傷状態確認データは,たとえば三次元画像または二次元画像とすることができる。
他の実施態様では,上記画像利用検査手段は,上記検査データ入力手段によって受け付けられた画像データを用いて検査対象物の寸法/構造の少なくとも一方を検出する画像利用寸法/構造検出手段を備えている。画像を用いることでも,検査対象物がたとえばエレベータに用いられる互いに平行に配列された複数本のワイヤロープである場合に,ワイヤロープの本数(構造の一つ),隣り合うワイヤロープの間隔(構造の一つ),ワイヤロープのロープピッチ(寸法の一つ)およびワイヤロープの直径(寸法の一つ)を検出(計測)することができる。検出されるデータをワイヤロープの健全性診断に利用することができる
好ましくは,上記検査対象物が互いに間隔をあけて配列された複数本のワイヤロープであり,非接触型金属製材健全性診断装置は,上記検査データ入力手段によって受け付けられた画像データを用いて,複数本のワイヤロープのうち損傷が発生しているワイヤロープの特定,損傷の程度および大きさを確認可能な損傷状態確認データを生成する手段を備えている。画像データから生成される損傷状態確認データは,たとえばワイヤロープの損傷個所を強調処理した画像データとすることができる。
エレベータの構造および健全性診断装置の構成を示している。 ワイヤロープの拡大断面図である。 ロープテスタの縦断面図である。 図3のIV−IV線に沿うロープテスタの内面である。 ロープテスタの平面図である。 漏洩磁束を用いたワイヤロープの損傷検査の様子を示す。 5本のワイヤロープと垂直方向ホール素子アレイを構成する複数のホール素子との位置関係を示している。 垂直方向ホール素子アレイからの出力信号を三次元グラフ画像によって示している。 垂直方向ホール素子アレイからの出力信号を二次元画像によって示している。 (A)はワイヤロープと垂直方向ホール素子アレイとの位置関係を,(B)はホール素子からの時系列の出力信号を,それぞれ示している。 垂直方向ホール素子アレイの全体からの出力信号波形である。 ワイヤロープの透過画像の一部を模式的に示す。 (A)はワイヤロープの撮像画像を,(B)は(A)に示す撮像画像を画像処理した処理後画像を,それぞれ示している。 他のワイヤロープの撮像画像を示している。
図1はエレベータの構造を示している。
エレベータは,昇降路1,昇降路1の上方に設けられた機械室2,昇降路1内を上下に移動し人および貨物を運搬するかご3,上記かご3の上部(天井の外側)に一端が固定され,かつ他端に釣合おもり4が固定されたワイヤロープ5を備えている。
エレベータに用いられる場合,一般には複数本のワイヤロープ5が用いられ,複数本のワイヤロープ5は互いに間隔をあけて平行に配列される。エレベータの耐荷重性能に応じてエレベータに設置されるワイヤロープ5の本数およびワイヤロープ5の直径は適宜調整される。一般には3本から22本のワイヤロープ5がエレベータに設置され,その直径は5〜25mmの間とされる。この実施例では,5本のワイヤロープ5が用いられているものとする。図1では,分かりやすくするために1本のワイヤロープ5のみが示されている。
互いに間隔をあけて平行に配列された5本のワイヤロープ5はその中間部分が機械室2の内部を通っており,このワイヤロープ5の中間部分が機械室2に設けられた巻上機6に巻付けられかつそらせ車7にかけられている。巻上機6が正回転および逆回転することによってワイヤロープ5が移動し,これにより昇降路1内を上記かご3が昇降する。
機械室2内にはさらに,ワイヤロープ5の損傷(断線や傷の存在および程度)ならびにワイヤロープ5の構造および寸法(直径,ロープ本数,ロープ間間隔およびロープピッチ)をセンシングするためのロープテスタ10,およびロープテスタ10から出力されるデータをコンピュータ装置9に送信するための通信装置8が設けられている。通信装置8は無線または有線によってコンピュータ装置9に接続されており,ロープテスタ10によって取得されるデータ(後述する漏洩磁束を表すデータおよび画像データ)をコンピュータ装置9に送信することができる。コンピュータ装置9は,ワイヤロープ5の状態(後述する損傷の有無,減径の程度など)を,ロープテスタ10から送信されるデータに基づいて検査担当者に分かりやすく示す健全性診断装置として用いられる。
ロープテスタ10は,以下に示すようにワイヤロープ5とは非接触に設けられる。ワイヤロープ5と接触せず,したがってワイヤロープ5の表面を摩耗させることがないので,ロープテスタ10は機械室2内に固定的に常時設置することができる。もちろん,ワイヤロープ5を点検等するときにだけ一時的に機械室2内に設置してもよい。
図2はワイヤロープ5の一例を示す拡大断面図である。
ワイヤロープ5は,中央に配置された断面円形の心材5Aと,心材5Aの周囲に撚り合わされた6本の断面円形のストランド5Bから構成されている。心材5Aはポリエチレン,ポリプロピレンその他の合成樹脂または合成繊維から構成される。ストランド5Bは直径の異なる断面円形の複数本の鋼製の素線を撚り合わせることによって構成される。ワイヤロープ5を構成するストランド5Bの本数,およびストランド5Bを構成する複数本の素線の本数は任意に設計することができる。また,ストランド5Bのタイプは,シール形,フィラー形,ウォーリントン形またはウォーリントンシール形のいずれであってもよい。
図3はロープテスタ10の縦断面を,図4は図3のIV−IV線に沿うロープテスタ10の内面を,図5はロープテスタ10の平面を,それぞれ示している。
ロープテスタ10は,2つのロープテスタ半体10A,10Bを組み合わせることによって構成される。図5を参照して,2つのロープテスタ半体10A,10Bは,一列に配列された複数本(ここでは5本)のワイヤロープ5を非接触に挟むように間隔をあけて設けられる。非磁性材料製の接続具60を用いることで,2つのロープテスタ半体10A,10Bは,所定の隙間をあけて,それらの内面を向かい合わせにして固定される。好ましくは,一列に並ぶ複数本のワイヤロープ5が2つのロープテスタ半体10A,10Bのちょうど中間に位置するようにロープテスタ10は設置される。
図3を参照して,一方(図3において左側)のロープテスタ半体10Aは,直方体状のヨーク21と,ヨーク21の両側上面に固定された一対の磁石22,23と,1対の磁石22,23の間に設けられた面発光素子アレイ31,垂直方向ホール素子アレイ41,水平方向ホール素子アレイ42,ラインセンサ(受光素子群)52および面発光素子アレイ51を備えている。他方(図3において右側)のロープテスタ半体10Bは,直方体状の磁性材料製のヨーク21と,ヨーク21の両側上面に固定された一対の磁石22,23と,1対の磁石22,23の間に設けられたラインセンサ(受光素子群)32,垂直方向ホール素子アレイ41,水平方向ホール素子アレイ42,ラインセンサ(受光素子群)52および面発光素子アレイ51を備えている。
ロープテスタ半体10Aが備える面発光素子アレイ31と,ロープテスタ半体10Bが備えるラインセンサ32は,ワイヤロープ5を挟んで互いに対向する位置に設けられている。面発光素子アレイ31とラインセンサ32の組を,以下「透過式光学センサ部」と呼ぶ。面発光素子アレイ31はワイヤロープ5の移動方向(長手方向)と直交する向きに一列に設けられた複数個の面発光素子を含み,ワイヤロープ5に向けて垂直に(ワイヤロープ5の法線方向に)光を照射する。他方,ラインセンサ32はワイヤロープ5の移動方向(長手方向)と直交する向きに一列に並べられた複数個の受光素子を含み,その受光面がワイヤロープ5をまっすぐに向いている。
面発光素子アレイ31から出射される光の一部はワイヤロープ5によって遮られるので,ラインセンサ32によって撮像される画像において,ワイヤロープ5が存在する部分は暗部となる。他方,ワイヤロープ5が存在しない部分(隣り合うワイヤロープ5の間および両端に位置するワイヤロープ5の外側)は光が透過するので明部となる。透過式光学センサ部(面発光素子アレイ31およびラインセンサ32の組)によって取得される画像ではワイヤロープ5の外縁(エッジ)が明瞭化され,これをワイヤロープ5のロープピッチ,ロープ径,ロープ本数およびロープ間隔の検出(計測)に用いることができる。透過式光学センサ部を用いた処理の詳細は後述する。
ロープテスタ半体10A,10Bがそれぞれ備える面発光素子アレイ51およびラインセンサ52の組は,ワイヤロープ5の一方側および他方側の表面をそれぞれ撮像するものである。ロープテスタ半体10A,10Bのそれぞれが備える面発光素子アレイ51およびラインセンサ52の組を,以下「反射式光学センサ部」と呼ぶ。
反射式光学センサ部を構成する面発光素子アレイ51はワイヤロープ5の移動方向(長手方向)と直交する向きに並べられた複数個の面発光素子を含み,その発光面(光出射面)が,ワイヤロープ5に対して斜めに光を照射するようにワイヤロープ5の長手方向に対して約45°の角度をつけて設けられている。ラインセンサ52は複数個の受光素子がワイヤロープ5の移動方向(長手方向)と直交する向きに一列に並べられたもので,面発光素子アレイ51から出射され,ワイヤロープ5において反射された光を受光するために,その光受光面がワイヤロープ5に対して約45°に向けられている。ロープテスタ半体10Aが備えるラインセンサ52によってワイヤロープ5の一方側の表面が,ロープテスタ半体10Bが備えるラインセンサ52によって,ワイヤロープ5の他方側の表面が,それぞれ詳細に撮像される。
ロープテスタ半体10A,10Bのそれぞれにおいて,磁石22,23のほぼ中間位置に,垂直方向ホール素子アレイ41および水平方向ホール素子アレイ42が設けられている。垂直方向ホール素子アレイ41は,ワイヤロープ5の移動方向(長手方向)と直交する向きに配列された複数個のホール素子を含み,そのいずれもが,ワイヤロープ5の半径方向に沿う磁束に感応する向きを向いて配置されている。他方,水平方向ホール素子アレイ42は,ワイヤロープ5の移動方向(長手方向)と直交する向きに配列された複数個のホール素子を含み,そのいずれもが,ワイヤロープ5の長手方向に沿う磁束に感応する向きを向いて配置されている。
垂直方向ホール素子アレイ41および水平方向ホール素子アレイ42は,いずれもワイヤロープ5から漏洩する磁束(以下,漏洩磁束という)を検出する。垂直方向ホール素子アレイ41および水平方向ホール素子アレイ42は必ずしもその両方は必要とされず,垂直方向ホール素子アレイ41または水平方向ホール素子アレイ42の一方のみを設けるようにしてもよい。また,ホール素子に代えて,検出コイル,磁気抵抗効果素子,磁気インピーダンス素子,その他の磁気センサを用いて,ワイヤロープ5からの漏洩磁束を検出することもできる。一般には,ワイヤロープ5の損傷が断線の場合,垂直方向ホール素子アレイ41の方が水平方向ホール素子アレイ42よりも漏洩磁束の検出精度が高い。ワイヤロープ5の損傷が腐食または摩耗の場合,水平方向ホール素子アレイ42の方が垂直方向ホール素子アレイ41よりも漏洩磁束の検出精度が高い。
図4および図5を参照して,ロープテスタ10の寸法(幅)は,エレベータに設置されている複数本のワイヤロープ5の全体幅を超えている。ワイヤロープ5の全体幅に応じてロープテスタ10の寸法は適宜調整される。いずれにしても,ロープテスタ10は検査すべき複数本のワイヤロープ5の幅全体を跨いで設けられる。
図6は,図5に相当するロープテスタ半体10A,10Bの断面図であり,漏洩磁束を用いた損傷(欠陥)検査の様子(原理)を模式的に示している。図6では,上述した透過式光学センサ部および反射式光学センサ部の図示が省略されている。
点検時,5本のワイヤロープ5は所定速度でロープテスタ10(ロープテスタ半体10A,10Bの間)を通過する。ロープテスタ半体10A,10Bがそれぞれ備える一対の磁石22,23が発生する磁束は,磁石22,ワイヤロープ5,磁石23およびヨーク21を通る磁気ループを形成し,これにより,ロープテスタ10を通過するときにワイヤロープ5は磁化される。ワイヤロープ5は飽和磁化させてもよいし,未飽和磁化にとどめてもよい。
ワイヤロープ5を構成するストランド5B(より詳細にはストランド5Bを構成する一本または複数本の素線の一部)に断線Kが存在していると,ストランド5Bを通る磁束に乱れが生じ,断線Kが存在する箇所においてワイヤロープ5の外側に磁束が漏れる。磁化されたワイヤロープ5の断線Kがロープテスタ10の垂直方向ホール素子アレイ41および水平方向ホール素子アレイ42を通過するとき,漏洩磁束は垂直方向ホール素子アレイ41および水平方向ホール素子アレイ42と鎖交する。垂直方向ホール素子アレイ41を構成する複数の垂直方向ホール素子,および水平方向ホール素子アレイ42を構成する複数の水平方向ホール素子のうち,漏洩磁束と鎖交したホール素子はその出力信号が増加する。後述するように,ホール素子からの出力信号に基づいて,断線Kの有無,範囲,程度等を検出することができる。
図7は,5本のワイヤロープ5とロープテスタ半体10Aまたは10Bが備える垂直方向ホール素子アレイ41との位置関係を示している。水平方向ホール素子アレイ42も同様の位置関係になるので,以下の説明では垂直方向ホール素子アレイ41についてのみ説明する。
垂直方向ホール素子アレイ41は,上述したように,ワイヤロープ5の半径方向に沿う磁束に感応する向きを向いて設置された複数個のホール素子41nを一列に並べたもので,たとえば100個のホール素子41n(n=1,2,3,…100)を含む。隣り合うホール素子41nとの間隔は一定である。複数本のワイヤロープ5の並び方向に沿って複数個のホール素子41nも間隔あけて一列に並ぶ。
ワイヤロープ5の断線Kからの漏洩磁束に起因する出力信号の変動は,100個のホール素子41nのすべてに同じようには現れず,漏洩磁束と鎖交する一部のホール素子41n(断線Kの近くに配置されている一または複数のホール素子41n)からの出力信号に現れる。漏洩磁束に起因する出力信号の変動(典型的には増大)が観察されたホール素子41nの位置に基づいて,5本のワイヤロープ5のうちのいずれのワイヤロープ5に断線Kが存在するかを検出することができる。たとえば,複数個のホール素子41nのそれぞれに,並び順にセンサ番号1〜100を付与しておき,複数個のホール素子41nのそれぞれから出力される出力信号にセンサ番号を対応づける。以下に詳細に説明するが,漏洩磁束に起因する出力信号の変動(たとえば所定の閾値を超える値の出力信号)が観察されたホール素子41nを特定することができ,これによって断線Kが存在するワイヤロープ5を特定することができる。
図8は,垂直方向ホール素子アレイ41からの出力信号を三次元グラフ画像70Aによって示したものである。図8の三次元グラフ画像70Aにおいて,X軸は垂直方向ホール素子アレイ41を構成する複数のホール素子41nの配置位置(センサ配置位置)に対応する。Y軸は時間軸であり,Z軸は出力信号である。ワイヤロープ5は垂直方向ホール素子アレイ41を所定速度で通過するので,垂直方向ホール素子アレイ41に含まれる100個のホール素子41n(X軸)からの出力信号の大きさを,経過時間(Y軸)に沿って累積させ,出力信号の大きさをグラフ画像の高さ(Z軸)に対応づけることによって,図8に示す三次元グラフ画像70Aをコンピュータ装置9において描画することができる。
ワイヤロープ5に断線Kが存在すると,垂直方向ホール素子アレイ41を構成するホール素子41nのうち断線Kからの漏洩磁束と鎖交するホール素子41nからの出力信号が一時的に増大する。増大する出力信号,すなわち断線Kの存在は,図8に示す三次元グラフ画像70Aにおいて突出形状71によって分かりやすく示される。
断線Kがワイヤロープ5の長手方向に比較的長い距離にわたって発生していれば,突出形状71はY軸方向に広がりを持つものになる。断線Kの長さ(ワイヤロープ5における断線Kの長手方向への広がりの程度)も三次元グラフ画像70Aに示される。
さらに,図8に示す三次元グラフ画像70Aにおいて,突出形状71はX軸(センサ配置位置)の原点から2/5程度の位置に出現しているので,5本のワイヤロープ5のうちの2番目に位置するワイヤロープ5に,断線Kが生じていることが分かる。三次元グラフ画像70Aによって,複数本のワイヤロープ5のうち断線Kが発生しているワイヤロープ5を特定することができる。
ホール素子41nからの出力信号(図8のグラフにおけるZ軸方向の値,突出形状71の高さ)は断線Kが密集して発生している(断線している素線数が多い)場合に大きくなる。三次元グラフ画像70Aによって断線Kの密集の程度(損傷の程度)も特定することができる。
三次元グラフ画像70Aに代えてまたは加えて,二次元画像によってワイヤロープ5に存在する断線Kを可視的に表すこともできる。図9は,垂直方向ホール素子アレイ41からの出力信号を二次元画像70Bによって示したものである。図9の二次元画像70Bにおいて,横方向は複数のホール素子41nの配置位置(センサ配置位置)を,縦方向は時間にそれぞれ対応する。二次元画像70Bの場合,ホール素子41nからの出力信号の大きさ(損傷の程度)は,輝度(出力信号が大きければ明るくまたは暗く,小さければ暗くまたは明るく表現する),色相(出力信号が大きければ暖色によって,小さければ寒色によって表現する)などを用いて表すことができる。図9に示す二次元画像70Bでは暗画素72によって断線Kの存在が示されており,図8に示す三次元グラフ画像70Aと同様に,複数本のワイヤロープ5のうちの断線Kが発生しているワイヤロープ5を特定することができ,かつ断線Kの密集の程度(損傷の程度)も表される。
図10(A)はワイヤロープ5と垂直方向ホール素子アレイ41の配置関係を,図10(B)は垂直方向ホール素子アレイ41を構成する複数のホール素子41nのうちワイヤロープ5に最も近い一つのホール素子41nからの時系列の出力信号(ストランド凹凸信号)74を概略的に示している。
ワイヤロープ5は,上述したように,心材5Aを中心に配置し,その周囲に複数本のストランド5Bを撚り合わせることによって構成されているので,その表面には凹凸(山谷)が存在し,断線等の損傷が全くないワイヤロープ5であってもその表面には漏洩磁束が常に存在する。垂直方向ホール素子アレイ41(水平方向ホール素子アレイ42も同様)は,断線Kが存在しないワイヤロープ5であっても,図10(B)に示すような出力信号(ストランド凹凸信号)74を出力する。
垂直方向ホール素子アレイ41を構成する複数のホール素子41nのうち,ワイヤロープ5に近いホール素子41nほど,ストランド凹凸信号74の振幅が大きくなる。また,ストランド凹凸信号74は,ワイヤロープ5の表面の凸部(山部)において正のピークを示し,凹部(谷部)(隣り合うストランド5B間の溝部)において負のピークを示す波形になる。
図10(B)に示すストランド凹凸信号74の波形から,ワイヤロープ5のロープピッチRP(1本のストランド5Bが心材5Aの周りを一周するのに要するワイヤロープ5の長手方向に沿う長さ)を求めることができる。ワイヤロープ5の移動速度は一定であるから,ストランド凹凸信号74の波形を高速フーリエ変換(FFT)することで時系列データから周波数成分列データに変換すると,その主成分の周波数はワイヤロープ5の隣り合う凸部間の周期を示す。これに移動速度を乗算することで隣り合う凸部間の平均間隔が算出される。隣り合う凸部間の平均間隔にワイヤロープ5を構成するストランド数を乗算すれば,ワイヤロープ5のロープピッチRPを算出(計測)することができる。ロープピッチRPはコンピュータ装置9において算出することができる。
ワイヤロープ5が長期間にわたって使用され続けると,ワイヤロープ5に伸びが生じ,ロープピッチRPが初期状態よりも長くなることがある。垂直方向ホール素子アレイ41(水平方向ホール素子アレイ42も同様)は,上述のように,ワイヤロープ5に発生している断線Kを検出する(漏洩磁束を検出する)のみならず,ロープピッチRPの変動の検出にも用いることができ,ワイヤロープ5の健全性診断に利用することができる。
図11は垂直方向ホール素子アレイ41の全体(複数のホール素子41nのそれぞれ)からの出力信号75を示している。図11のグラフにおいて,横軸は垂直方向ホール素子アレイ41に含まれる複数(100個)のホール素子41nの配置位置に対応する。縦軸は複数のホール素子41nのそれぞれから出力される出力信号を示している。図11は,時間経過(ワイヤロープ5の移動)に伴って,所定時間間隔(たとえば1ms間隔)で,垂直方向ホール素子アレイ41(センサ番号1〜100の100個のホール素子41nのそれぞれ)から出力信号75が出力される様子を示している。
垂直方向ホール素子アレイ41(水平方向ホール素子アレイ42も同様)の全体(垂直方向ホール素子アレイ41を構成する複数のホール素子41nのそれぞれ)から出力される出力信号75(図11)は,ワイヤロープ5の本数,隣り合うワイヤロープ5の間隔(掛けピッチ),およびワイヤロープ5の直径の検出(測定)に用いることができる。出力信号75を用いて以下に説明するように測定されるワイヤロープ5の本数,隣り合うワイヤロープ5の間隔,およびワイヤロープ5の直径も,コンピュータ装置9によって算出することができる。
図11に示す出力信号75のグラフにおいて5つのピーク値が確認される。図9に示す出力信号75のグラフのピーク値をカウントすることによって,ロープテスタ10を用いて点検しているワイヤロープ5の本数RN(=5)を計測することができる。
図11の出力信号75のグラフから,センサ番号10,30,50,70および90のホール素子41nのそれぞれにおいて20個おきにピーク値が得られていることが分かる。垂直方向ホール素子アレイ41を構成するホール素子41nの配置ピッチ(隣り合うホール素子41nの間の距離)は既知であるので,ピーク値が得られたホール素子に挟まれるホール素子数に配置ピッチを乗算することによって,ロープ間間隔DBRを計測することができる。
図11の出力信号75のグラフに示すように,複数のホール素子41nには,出力信号を出力するホール素子41nと出力しないホール素子41nとが存在する。たとえば,センサ番号の小さいものから大きいものに向かって,はじめて出力信号を出力するホール素子41nのセンサ番号をN1,出力信号を出力しなくなるホール素子41nのセンサ番号をN2とすると,センサ番号N1のホール素子41nとセンサ番号N2のホール素子41nとの間に挟まれる出力信号を出力するホール素子数は,N2−N1となるから,これにホール素子41nの配置ピッチを乗算することでワイヤロープ5の直径RDを計測することができる。
以上のように,垂直方向ホール素子アレイ41(水平方向ホール素子アレイ42も同様)を用いることによって,ワイヤロープ5に発生している断線K,およびロープピッチRPが検出されるのみならず,ワイヤロープ5の本数,隣り合うワイヤロープ5の間隔,およびワイヤロープ5の直径も計測することもできる。
図12は透過式光学センサ部(面発光素子アレイ31とラインセンサ32の組)におけるラインセンサ32によって撮像される画像(以下,透過画像と呼ぶ)81の一部を示している。
上述のように透過式光学センサ部は,ワイヤロープ5を挟んで向かい合わせに配置される面発光素子アレイ31とラインセンサ32とから構成され(図3参照),ワイヤロープ5が存在する部分が暗部,ワイヤロープ5が存在しない部分が明部となる透過画像81が撮像される。透過式光学センサ部によって撮像される透過画像81を用いることでも,ロープピッチRPを算出することができる。
ラインセンサ32の動作周波数(サンプリング周波数)をf(Hz),透過画像81において隣り合う凸部間に挟まれるライン数(隣り合う凸部間に挟まれる画像を構成する横ライン数)をnとする。凸部間の撮像に要する時間tは次式によって表される。
t=n/f
ワイヤロープ5の移動速度をRS(m/min)とすると,凸部間の間隔M(mm)は,以下のように表される。
M=(1000RS)/60・t=50/3・RS・n/f(mm)
凸部間の間隔Mにワイヤロープ5を構成するストランド数を乗算すれば,ロープピッチRPを算出(計測)することができる。
また,透過式光学センサ部によって撮像される透過画像81の幅RDはそのままワイヤロープ5の直径を表すので,透過画像81からワイヤロープ5の直径RDも容易に計測することができ,たとえば長期間のワイヤロープ5の使用によって生じることがあるワイヤロープ5の減径を,透過画像81を用いて検査することができる。
また,図示は省略するが,透過式光学センサ部によって撮像される透過画像の全体には,ワイヤロープ5の本数に応じて,図12に示すような透過画像81が間隔をあけて現れるので,ワイヤロープ5の本数についても,透過式光学センサ部によって撮像される透過画像から計測することができる。
さらに,透過式光学センサ部によって撮像される透過画像81では,ワイヤロープ5の外縁が明瞭化されるで,たとえばワイヤロープ5の経年劣化によって心材5Aがワイヤロープ5の外にはみ出しているとすれば,正常なワイヤロープ5の透過画像に表れない心材5Aの飛び出しが,経年劣化したワイヤロープ5の透過画像には鮮明に表れ,これによって心材5Aの損傷の有無を画像診断することができる。
図13(A)は反射式光学センサ部(面発光素子アレイ51とラインセンサ52の組)によって取得されるワイヤロープ5の画像(以下,撮像画像と呼ぶ)82を,図13(B)は撮像画像82の画像処理後の画像(以下,処理後画像と呼ぶ)83をそれぞれ示している。
たとえば,図13(A)に示す撮像画像82(ここでは,グレースケール画像であるとする)に対し,ワイヤロープ5の長手方向に移動平均化処理を行うことによってストランド間の溝部を表す画像を除去する。次にストランド間の溝部が除去された画像に対し所定の閾値を用いて2値化処理し,2値化画像を生成する。グレースケール画像を2値化画像によってマスクし,さらに白色化する。白色化後の画像を2値化処理することで,断線箇所が白に,その他の領域が黒に対応づけられた処理後画像83が生成される。処理後画像83中の白画素の有無によってワイヤロープ5に発生している損傷(断線,腐食,摩耗など)の有無および程度を検出することができる。
撮像画像82はワイヤロープ5の表面を詳細に表すので,撮像画像82を用いてワイヤロープ5の直径,ロープピッチ,ワイヤロープ5の本数,隣り合うワイヤロープ5の間隔を計測可能であるのは言うまでもない。
図14は,反射式光学センサ部(面発光素子アレイ51とラインセンサ52の組)によって取得された他のワイヤロープ5(心材5Aの飛び出しがあるワイヤロープ)の撮像画像84を示している。
長期間にわたってワイヤロープ5が使用され続けると,図14に示すように,心材5Aがワイヤロープ5の外に飛び出してくることがある。たとえば撮像画像84と正常画像との比較処理や,撮像画像84を2値化して,2値化画像を処理対象とするエッジ処理をすることで,心材5Aの飛び出しの有無を検出することもできる。
上述した画像処理によるワイヤロープ5の外観検査も,ロープテスタ10から送信された画像データを用いてコンピュータ装置9において実行される。
上述した実施例では,ワイヤロープ5を検査対象としたが,ワイヤロープ5に限られず,平板状の鋼板であっても,ロープテスタ10によって検査可能である。鋼板に存在する欠陥(傷,凹み等),鋼板の厚さ,幅などを,検査ないし計測することができる。
5 ワイヤロープ(金属製検査対象物)
5A 心材
5B ストランド
9 コンピュータ装置(健全性診断装置)
10 ロープテスタ(非接触型金属製材検査装置)
10A,10B ロープテスタ半体(検査装置半体)
22,23 磁石
31,51 面発光素子アレイ
32,52 ラインセンサ
41 垂直方向ホール素子アレイ
42 水平方向ホール素子アレイ

Claims (6)

  1. 金属製の検査対象物が移動する経路上に設けられ,上記検査対象物を両側から非接触に挟む第1,第2の検査装置半体を備え,
    第1の検査装置半体は,
    上記検査対象物の移動方向と直交する向きに配列され,磁化された上記検査対象物からの漏洩磁束を検出する複数の磁気センサを含む第1の磁気センサ・アレイ,
    上記検査対象物の移動方向と直交する向きに配列され,上記検査対象物に向けて垂直に光を出射する複数個の発光素子を含む第1の発光素子アレイ,
    上記検査対象物の移動方向と直交する向きに配列され,上記検査対象物に向けて斜めに光を出射する複数個の発光素子を含む第2の発光素子アレイ,および
    上記検査対象物の移動方向と直交する向きに配列され,上記第2の発光素子アレイからの出射光に起因する上記検査対象物からの反射光を受光する複数の受光素子を含む第1の受光素子アレイを備え,
    第2の検査装置半体は,
    上記検査対象物の移動方向と直交する向きに配列され,磁化された上記検査対象物からの漏洩磁束を検出する複数の磁気センサを含む第2の磁気センサ・アレイ,
    上記検査対象物の移動方向と直交する向きに配列され,かつ上記第1の発光素子アレイと対向して設けられ,上記第1の発光素子アレイからの出射光に起因する透過光を受光する第2の受光素子アレイ,
    上記検査対象物の移動方向と直交する向きに配列され,上記検査対象物に向けて斜めに光を出射する複数個の発光素子を含む第3の発光素子アレイ,および
    上記検査対象物の移動方向と直交する向きに配列され,上記第2の発光素子アレイからの出射光に起因する上記検査対象物からの反射光を受光する第3の受光素子アレイを備えている,
    非接触型金属製材検査装置。
  2. 請求項1に記載の非接触型金属製材検査装置の第1,第2の磁気センサ・アレイから出力される漏洩磁束に基づく出力信号,ならびに請求項1に記載の非接触型金属製材検査装置の第1,第2および第3の受光素子アレイから出力される画像データの入力を受け付ける検査データ入力手段,
    上記検査データ入力手段によって受け付けられた漏洩磁束に基づく出力信号を用いて上記検査対象物を検査する磁気利用検査手段,ならびに
    上記検査データ入力手段によって受け付けられた画像データを用いて上記検査対象物を検査する画像利用検査手段を備えている,
    非接触型金属製材健全性診断装置。
  3. 上記磁気利用検査手段は,上記検査データ入力手段によって受け付けられた漏洩磁束に基づく出力信号を用いて検査対象物の寸法または構造の少なくとも一方を検出する磁気利用寸法/構造検出手段を備えている,
    請求項2に記載の非接触型金属製材健全性診断装置。
  4. 上記検査対象物が互いに間隔をあけて配列された複数本のワイヤロープであり,
    上記磁気利用検査手段は,上記検査データ入力手段によって受け付けられた漏洩磁束に基づく出力信号を用いて,複数本のワイヤロープのうち損傷が発生しているワイヤロープの特定,損傷の程度および大きさを確認可能な損傷状態確認画像データを生成する手段を備えている,
    請求項3に記載の非接触型金属製材健全性診断装置。
  5. 上記画像利用検査手段は,上記検査データ入力手段によって受け付けられた画像データを用いて検査対象物の寸法/構造の少なくとも一方を検出する画像利用寸法/構造検出手段を備えている,
    請求項2に記載の非接触型金属製材健全性診断装置。
  6. 上記検査対象物が互いに間隔をあけて配列された複数本のワイヤロープであり,
    上記画像利用検査手段は,上記検査データ入力手段によって受け付けられた画像データを用いて,複数本のワイヤロープのうち損傷が発生しているワイヤロープの特定,損傷の程度および大きさを確認可能な損傷状態確認データを生成する手段を備えている,
    請求項5に記載の非接触型金属製材健全性診断装置。
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