JP2021180704A - 芳香剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、香料及びポリフェノールを含有していながらも、経時的に生じる変色を抑制できる芳香剤組成物を提供することである。【解決手段】香料及びポリフェノールを含む芳香剤組成物に顔料を配合することによって、経時的な変色を抑制して、良好な外観性状を維持できる。【選択図】なし

Description

本発明は、香料及びポリフェノールを含有していながらも、経時的に生じる変色を抑制できる芳香剤組成物に関する。
室内等に香気を分散させて快適な空間を生み出すため、香料を配合した芳香剤組成物が広く使用されている。また、芳香剤組成物の機能性の多様化を図るべく、香料と共に消臭成分を配合して、芳香機能と消臭機能を兼ね備える芳香剤組成物が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
従来、緑茶カテキンやカキタンニン等のポリフェノールは、優れた消臭効果があることが知られており、芳香剤組成物に配合することが試みられている。しかしながら、芳香剤組成物にポリフェノールを配合すると、経時的に芳香剤組成物が変色し、良好な外観が維持できないという問題があった。特に、容器に収容した芳香剤組成物を揮散部材に吸液させて揮散させる場合には、揮散部材の空気と接触している部位でポリフェノールによる変色が顕著になり、著しい外観悪化を招くという問題があった。
このように、ポリフェノールを含む芳香剤組成物については、経時的な変色という特有の問題があるが、従来、当該変色を抑制し、良好な外観を維持させる技術については、十分な検討は行われていない。
特開2010−284511号公報
本発明の目的は、香料及びポリフェノールを含有していながらも、経時的に生じる変色を抑制できる芳香剤組成物を提供することである。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、香料及びポリフェノールを含む芳香剤組成物に顔料を配合することによって、経時的な変色を抑制して、良好な外観性状を維持できることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて、更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 香料、ポリフェノール、及び顔料を含有する、芳香剤組成物。
項2. 前記顔料が、タンニン及び/又はカテキンである、項1に記載の芳香剤組成物。
項3. 前記顔料が、青色顔料及び/又は緑色顔料である、項1又は2に記載の芳香剤組成物。
項4. 前記顔料が、フタロシアニン系青色顔料及び/又はフタロシアニン系緑色顔料である、項1〜3のいずれかに記載の芳香剤組成物。
項5. 揮散部材に吸液させて揮散させて使用される、項1〜4のいずれかに記載の芳香剤組成物。
項6. 香料及びポリフェノールを含む芳香剤組成物の変色を抑制する方法であって、
芳香剤組成物中で、香料、ポリフェノール、及び顔料を含有させる、変色抑制方法。
本発明の芳香剤組成物は、香料及びポリフェノールを含んでいながらも、経時的な変色を抑制できるので、良好な外観性状を維持することができ、意匠的観点から満足感を与えることができる。また、本発明の芳香剤組成物は、ポリフェノールによる消臭機能等の機能性を発揮できるので、消費者に対して機能性の点からも満足感を与えることができる。
1.芳香剤組成物
本発明の芳香剤組成物は、香料、ポリフェノール、及び顔料を含有することを特徴とする。以下、本発明の芳香剤組成物について詳述する。
[香料]
本発明の芳香剤組成物には、芳香成分として香料が含まれる。本発明で使用される香料については、天然香料、天然香料から分離された単品香料、合成された単品香料、これらの調合香料等のいずれの油性香料であってもよく、従来公知の香料を使用することができる。具体的には、単品香料として、炭化水素系香料、アルコール系香料、エーテル系香料、アルデヒド系香料、アセタール系香料、エステル系香料、ケトン系香料、カルボン酸系香料、ラクトン系香料、ムスク系香料、ニトリル系香料、硫黄含有香料等が挙げられる。また、天然香料としては、チュベローズ油、ムスクチンキ、カストリウムチンキ、シベットチンキ、アンバーグリスチンキ、ペパーミント油、ペリラ油、プチグレン油、パイン油、ローズ油、ローズマリー油、しょう脳油、芳油、クラリーセージ油、サンダルウッド油、スペアミント油、スパイクラベンダー油、スターアニス油、ラバンジン油、ラベンダー油、レモン油、レモングラス油、ライム油、ネロリ油、オークモス油、オコチア油、パチュリ油、タイム油、トンカ豆チンキ、テレピン油、ワニラ豆チンキ、バジル油、ナツメグ油、シトロネラ油、クローブ油、ボアドローズ油、カナンガ油、カルダモン油、カシア油、シダーウッド油、オレンジ油、マンダリン油、タンジェリン油、アニス油、ベイ油、コリアンダー油、エレミ油、ユーカリ油、フェンネル油、ガルバナム油、ゼラニウム油、ヒバ油、桧油、ジャスミン油、ベチバー油、ベルガモット油、イランイラン油、グレープフルーツ油、ゆず油等が挙げられる。これらの香料は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて調香して使用することもできる。
本発明の芳香剤組成物における香料の含有量については、使用する香料の種類、付与すべき香気の強さ等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜10重量%、より好ましくは1〜5重量%が挙げられる。
[ポリフェノール]
本発明の芳香剤組成物には、ポリフェノールが含まれる。従来の芳香剤組成物では、ポリフェノールが含まれていると、経時的な変色が生じ、外観性状の悪化を招くという問題点があったが、本発明では、後述する顔料を含むことにより、経時的な変色を抑制して、良好な外観性状を維持することが可能になっている。
本発明で使用されるポリフェノールの種類については、芳香剤組成物に付与すべき機能性に応じて適宜設定すればよいが、好適な一例として、消臭成分として機能できるポリフェノールが挙げられる。消臭成分として機能できるポリフェノールとしては、具体的には、タンニン、カテキン、アントシアニン、ルチン、フラボン等のフラボノイド;エラグ酸、クマリン等のフェノール酸等が挙げられる。これらのポリフェノールの中でも、好ましくはフラボノイド、より好ましくはタンニン、及びカテキンが挙げられる。
これらのポリフェノールの由来については、特に制限されず、使用するポリフェノールの種類に応じて適宜設定すればよいが、好適な例として、柿由来のタンニン(カキタンニン)、及び緑茶由来のカテキン(緑茶カテキン)が挙げられる。カキタンニン及び緑茶カテキンは、優れた消臭機能を有しているが、従来技術では、芳香剤組成物に配合すると、経時的に著しい褐変を生じるという問題点があったが、本発明の芳香剤組成物では、カキタンニン及び/又は緑茶カテキンを含んでいても、褐変を効果的に抑制することができる。
また、本発明では、ポリフェノールとして、ポリフェノールを含む植物抽出物を使用してもよい。ポリフェノールを含む植物抽出物は、ポリフェノールを含む植物を抽出処理したものを使用してもよく、また市販品を使用してもよい。
本発明の芳香剤組成物において、1種のポリフェノールを単独で使用してもよく、また2種以上のポリフェノールを組み合わせて使用してもよい。
本発明の芳香剤組成物におけるポリフェノールの含有量については、使用するポリフェノールの種類、付与すべき機能性等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、0.05〜30重量%、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜8重量%が挙げられる。
[顔料]
本発明の芳香剤組成物は、前記成分に加えて顔料を含有する。本発明の芳香剤組成物において、顔料を含有させることによって、香料及びポリフェノールを含んでいながらも、経時的な変色を抑制できるので、良好な外観性状を維持することが可能になる。
本発明で使用される顔料は、有機顔料又は無機顔料のいずれであってもよいが、水性顔料(即ち、水に分散でききる含量)であることが好ましい。また本発明で使用される顔料は、呈する色の種類についても特に制限されないが、例えば、青色顔料、緑色顔料、赤色顔料、黄色顔料、紫色顔料、黒色顔料、白色顔料等が挙げられる。
青色顔料として、具体的には、C.I.ピグメントブルー1、2、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、22、28、60、64、66、79、80等が挙げられる、これらの青色顔料の中でも、好ましくはC.I.ピグメントブルー−15(銅フタロシアニン)、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、28(アルミン酸コバルト)が挙げられる。なお、本書において、「C.I.」はカラーインデックス(Colour Index International)の略記である。
緑色顔料として、具体的には、C.I.ピグメントグリーン−7、10、18、20、36、37、50、58、59等が挙げられる。これらの緑色顔料の中でも、好ましくはC.I.ピグメントグリーン−7(ヘキサデカクロロフタロシアニナト銅(II))、18(含水酸化クロム)、36が挙げられる。
赤色顔料として、具体的には、C.I.ピグメントレッド−1、2、3、4、5、6、7、9、10、14、17、22、23、31、38、41、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、49:2、52:1、52:2、53:1、57:1、60:1、63:1、66、67、81:1、81:2、81:3、83、88、90、105、112、119、122、123、144、146、149、150、155、166、168、169、170、171、172、175、176、177、178、179、184、185、187、188、190、200、202、206、207、208、209、210、216、220、224、226、242、246、254、255、264、270、272、279等が挙げられる。これらの赤色顔料の中でも、好ましくはC.I.ピグメントレッド−5(パーマネントカーミンFB)が挙げられる。
黄色顔料として、具体的には、C.I.ピグメントイエロー−1、2、3、4、5、6、10、11、12、13、14、15、16、17、18、20、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、86、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、125、126、127、128、129、137、138、139、147、148、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、199、213、214等が挙げられる。これらの黄色顔料の中でも、好ましくはC.I.ピグメントイエロー−17(2、2'-[(3'-ジクロ2、2'-[(3'-ビフェニル]-4、4'-ジイル)ビス(2、1-ジアゼンジイル))-N、N'-ビス]-N、N'-メトキシフェニル)-3、3'-ジオキソジブタンアミド)が挙げられる。
紫色顔料として、具体的には、C.I.ピグメントバイオレット−1、2、3、4、5、6、7、9、10、14、17、19、22、23、27、31、32、37、38、41、42、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、49:2、52:1、52:2、53:1、57:1、60:1、63:1、66、67、81:1、81:2、81:3、83、88、90、105、112、119、122、123、144、146、149、150、155、166、168、169、170、171、172、175、176、177、178、179、184、185、187、188、190、200、202、206、207、208、209、210、216、220、224、226、242、246、254、255、264、270、272、279等が挙げられる。これらの紫色顔料の中でも、好ましくはC.I.ピグメントバイオレット−23(8、18-ジクロロ-5、15-ジエチル-5、15-ジヒドロジインドロ[3、2-b:3'、2'-m]トリフェノジオキサジン)が挙げられる。
黒色顔料として、具体的には、C.I.ピグメントブラック−1、6、7等が挙げられる。これらの黒色顔料の中でも、好ましくはC.I.ピグメントブラック−7(カーボンブラック)が挙げられる。
白色顔料として、具体的には、スチレン、酸化チタン、亜鉛白、リトポン等が挙げられる。これらの白色顔料の中でも、好ましくはスチレンが挙げられる。
これらの顔料の中でも、経時的な変色をより一層効果的に抑制するという観点から、好ましくは青色顔料及び緑色顔料が挙げられる。とりわけ、C.I.ピグメントブルー−15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6等のフタロシアニン系青色顔料、及びC.I.ピグメントグリーン−7、36等のフタロシアニン系緑色顔料は、経時的な変色を格段効果的に抑制できるので、特に好適に使用できる。
本発明の芳香剤組成物において、1種の顔料を単独で使用してもよく、また2種以上の顔料を組み合わせて使用してもよい。
本発明の芳香剤組成物における顔料の含有量については、使用する顔料の種類等に応じて、芳香剤組成物が有色透明(半透明を含む)になる範囲で適宜設定すればよいが、例えば、0.01〜1000ppm、好ましくは0.05〜500ppm、より好ましくは0.1〜250ppm、更に好ましくは0.1〜100ppm、より一層好ましくは0.5〜50ppm、特に好ましくは2〜8ppmが挙げられる。
[溶剤]
本発明の芳香剤組成物は、基材として溶剤が含まれる。本発明で使用される溶剤は、水性溶剤又は油性溶剤のいずれであってもよいが、好ましくは水性溶剤が挙げられる。
水性溶剤としては、具体的には、水;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール等のアルコール類;及びエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール類等が挙げられる。これらの水性溶剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの水性溶剤の中でも、好ましくは水、エタノール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール;更に好ましくは水が挙げられる。
本発明の芳香剤組成物における溶剤の含有量については、各添加成分の含有量に応じて適宜設定されるが、例えば、24〜99重量%、好ましくは65〜98重量%、より好ましくは80〜97重量%が挙げられる。
[界面活性剤]
本発明の芳香剤組成物が基材として水性溶剤を含む場合には、香料及びポリフェノールを可溶化又は分散させるために界面活性剤が含まれていることが好ましい。
本発明で使用される界面活性剤の種類については、特に制限されず、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、及び両イオン性界面活性剤のいずれであってもよい。
界面活性剤としては、具体的には、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレン硬化ひまし油エーテル、ポリオキエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステル、アルキルアルカノールアミド、アルキルポリグルコシド、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール等の非イオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、スルホコハク酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、N-アシルアミノ酸塩、カルボン酸塩、スルホン酸、リン酸エステル等の陰イオン性界面活性剤;アルキルアンモニウム塩等の陽イオン性界面活性剤;アルキルアミドベタイン、アルキルジメチルアミンオキシド等の両イオン性界面活性剤が挙げられる。これらの界面活性剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの界面活性剤の中でも、好ましくは非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤が挙げられる。
本発明の芳香剤組成物に界面活性剤を含有させる場合、その含有量については、特に制限されないが、例えば、0.1〜15重量%、好ましくは0.5〜10重量%、より好ましくは1〜5重量%が挙げられる。
[その他の成分]
本発明の芳香剤組成物は、上記配合成分に加えて、本発明の効果を妨げないことを限度として、他の成分を配合しても良い。本発明の芳香剤組成物に配合可能な他の成分としては、例えば、防腐剤、溶剤、消臭剤(ポリフェノール以外)、除菌剤、紫外線吸収剤、pH調整剤、殺虫成分、防虫成分、忌避成分等の成分が挙げられる。
[形態・用途]
本発明の芳香剤組成物の形態については、特に制限されず、例えば、液状、ゲル状が挙げられる。本発明の芳香剤組成物の形態として、好ましくは液状である。本発明の芳香剤組成物は、居室、トイレ、車内等の芳香剤として使用される。
[揮散部材]
本発明の芳香剤組成物を揮散させる方法については、特に制限されないが、好適な一例として、揮散部材に吸液させて揮散させる方法が挙げられる。揮散部材を備える揮散器の一例としては、開口部を有する容器と、揮散部材と、当該容器に収容された本発明の芳香剤組成物とを含んで構成され、当該揮散部材の少なくとも一部が本発明の芳香剤組成物に浸漬され、且つ当該揮散部材の少なくとも一部が当該開口部から空気中に露出可能に設置されている揮散器が挙げられる。このような揮散器を使用することにより、揮散部材によって本発明の液体芳香剤組成物の吸液と揮散が行われ、効率的に空間に香気を揮散させることができる。
前記揮散部材の素材については、芳香剤組成物を含浸して揮散させ得る特性を備えていることを限度として特に制限されないが、例えば、綿、植物繊維、パルプ等の天然繊維、レーヨン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート等の合成繊維、又はそれらの混合繊維等の繊維質材料;木片、籐、竹、ソラ等の木質材料;発泡ウレタンの樹脂製スポンジ材料等が挙げられる。揮散部材が繊維質材料で形成されている場合、濾紙又は不織布であることが好ましいが、織物、編物等であってもよい。揮散部材の形状については、特に制限されず、シート状、ブロック状、棒状、帯状、紐状等のいずれであってもよい。
従来技術では、繊維質材料で形成された揮散部材を使用してポリフェノールを含む芳香剤組成物を揮散させると、当該揮散部材の空気と接触している部位でポリフェノールによる変色が顕著になり、著しい外観悪化を招くという問題点があったが、本発明の芳香剤組成物では、このような問題点が克服されており、繊維質材料で形成された揮散部材を使用しても、当該揮散部材における変色を効果的に抑制することができる。このような本発明の格別な効果を鑑みれば、本発明の芳香剤組成物の好適な一態様として、繊維質材料で形成された揮散部材で揮散させることが挙げられる。
2.変色抑制方法
本発明の変色抑制方法は、香料及びポリフェノールを含む芳香剤組成物の変色を抑制する方法であって、芳香剤組成物中で、香料、ポリフェノール、及び顔料を含有させることを特徴とする。
本発明の変色抑制方法において、使用する香料、ポリフェノール、顔料、芳香剤組成物に配合される他の成分の種類や含有量、芳香剤組成物の形態や用途、使用する揮散部材等については、前記「1.芳香剤組成物」の欄に記載の通りである。
以下、実施例を挙げて、本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
試験例1
表1に示す組成の液状芳香剤組成物を調製した。得られた芳香剤組成物400mlを450ml容の容器(開口部の面積:約7cm2)に収容し、当該容器に揮散部材(ポリエチレンテレフタレートとパルプの不織布状の複合繊維物;長さ295mm、幅39mm、厚さ6mmの不織布状シートを長さ方向の中心を起点として折り曲げて重ね合わせた構造)を差し込み、揮散部材の一部が容器の開口部の外にでるように配して、芳香剤組成物を含浸させた。この状態で、日光暴露を受ける室内に1カ月間保存した。
色調評価について訓練された5名のパネラーによって保存開始時と1カ月保存後の芳香剤組成物の色調の差、及び保存開始時と1カ月保存後の揮散部材の空気と接している部分の色調差をそれぞれ観察し、保存開始時と1カ月保存後で色調の変化が全く認められないを「5点」、保存前と1カ月保存後で色調が著しく変化しているを「0点」として、0点、1点、2点、3点、4点、3点及び5点のいずれかに評点化した。5名のパネラーの評点を合計し、以下の分類基準に従って、色調安定性を評価した。
<色調安定性の分類基準>
◎:評点の合計が41〜50点
○:評点の合計が31〜40点
△:評点の合計が21〜30点
×:評点の合計が0〜20点
結果を表1に示す。顔料を含まず、香料及びポリフェノールを含む芳香剤組成物を使用した場合では、保存後に芳香剤組成物の変色(褐変)が認められ、特に保存後に揮散部材での変色が顕著になっていた(比較例1及び2)。これに対して、香料及びポリフェノールと共に顔料を含む芳香剤組成物では、保存後でも、芳香剤組成物及び揮散部材の変色を効果的に抑制できていた(実施例1〜14)。特に、実施例1及び3と、実施例2及び4〜9との対比から分かるように、フタロシアニン系青色顔料であるC.I.ピグメントブルー−15及びフタロシアニン系緑色顔料であるピグメントグリーン−7を使用した場合には、芳香剤組成物及び揮散部材の双方において、保存後の変色を格段顕著に抑制できていた。
Figure 2021180704

Claims (6)

  1. 香料、ポリフェノール、及び顔料を含有する、芳香剤組成物。
  2. 前記顔料が、タンニン及び/又はカテキンである、請求項1に記載の芳香剤組成物。
  3. 前記顔料が、青色顔料及び/又は緑色顔料である、請求項1又は2に記載の芳香剤組成物。
  4. 前記顔料が、フタロシアニン系青色顔料及び/又はフタロシアニン系緑色顔料である、請求項1〜3のいずれかに記載の芳香剤組成物。
  5. 揮散部材に吸液させて揮散させて使用される、請求項1〜4のいずれかに記載の芳香剤組成物。
  6. 香料及びポリフェノールを含む芳香剤組成物の変色を抑制する方法であって、
    芳香剤組成物中で、香料、ポリフェノール、及び顔料を含有させる、変色抑制方法。
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