JP2021180640A - 分岐オリゴ糖およびキシロースの製造方法 - Google Patents

分岐オリゴ糖およびキシロースの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、低分子化キシランから分岐オリゴ糖を得るに当たり、酵素を作用させた後の混合物からの分離が容易で、かつ、産生した分岐オリゴ糖を分解させずに保持できる技術を提供することを課題とする。【解決手段】本発明は、低分子化キシランに、CAZyの分類でGH52に分類されるβ−キシロシダーゼを作用させることで分岐オリゴ糖を得ることを特徴とする分岐オリゴ糖の製造方法である。また、この製造方法では、同時にキシロースも製造することができる。【選択図】図3

Description

本発明は、低分子化キシランから分岐オリゴ糖およびキシロースを製造する方法に関する。
キシランは、セルロースに次ぐバイオマス資源であり、その構造は以下の式で示されるように、キシロースがβ−1,4−結合でつながった主鎖にアラビノース(α−1,3−)や4−O−メチル−グルクロン酸またはグルクロン酸(α−1,2−)の側鎖を持つヘテロ多糖である。
Figure 2021180640
このキシランに、従来より知られているキシラナーゼ(エンド型酵素)を作用させると、分解物は分岐オリゴ糖と直鎖状オリゴ糖の混合物となってしまうため、この混合物からは分岐オリゴ糖の分離が困難となる。そのため、キシラナーゼ分解物にキシロシダーゼを作用させ、直鎖状オリゴ糖を単糖に分解し、分岐オリゴ糖とキシロースを活性炭や膜分離により容易に分離する手法が考えられるが、分岐オリゴ糖にもキシロシダーゼが作用してしまい、非還元末端に分岐のあるオリゴ糖ばかりになってしまう。
また、CAZyの分類でGH3に分類されるキシロシダーゼ(カビ由来)では、アラビノース側鎖を有するオリゴ糖の非還元末端キシロースの結合が切れないという報告がある(非特許文献1)。
しかしながら、GH3に分類される酵素は作用させる際に酵素を大量に用いると、アラビノース側鎖を有するオリゴ糖の非還元末端キシロースの結合を切ってしまうことが知られている。更に、GH3に分類される酵素はアラビノフラノシダーゼ活性をサイドアクテビティーとして有するため、多量の酵素を使う、または反応時間が長い場合には、アラビノース側鎖を遊離し、主鎖を分解するという反応も起こってしまう。
Carbohydrate Research Volume249,Issue2,3,Pages355-367(1993)
従って、本発明では低分子化キシランから分岐オリゴ糖を得るに当たり、酵素を作用させた後のキシロースと分岐オリゴ糖の混合物からの分岐オリゴ糖の分離が容易で、かつ、得られた分岐オリゴ糖を分解させずに保持できる技術を提供することを課題とした。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究した結果、CAZyの分類で特定のカテゴリーに分類される酵素を用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。また、この低分子化キシランから分岐オリゴ糖を得る際に、同時にキシロースも得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、低分子化キシランに、CAZyの分類でGH52に分類されるβ−キシロシダーゼを作用させることで分岐オリゴ糖を得ることを特徴とする分岐オリゴ糖の製造方法である。
また、本発明は、低分子化キシランに、CAZyの分類でGH52に分類されるβ−キシロシダーゼを作用させることでキシロースを得ることを特徴とするキシロースの製造方法である。
本発明の分岐オリゴ糖の製造方法は、酵素を作用させた後のキシロースと分岐オリゴ糖の混合物からの分岐オリゴ糖の分離が容易で、かつ、得られた分岐オリゴ糖を分解させずに保持できる。
そのため、本発明の分岐オリゴ糖の製造方法は、分岐オリゴ糖を大量に製造することができるため、これまで不明であった分岐オリゴ糖の種々の性質の探索に貢献できる。
また、本発明の分岐オリゴ糖の製造方法は、酵素を作用させた後のキシロースと分岐オリゴ糖の混合物からキシロースを単離することができるため、キシロースの製造方法としても有用である。
図1は精製した酵素のSDS−PAGEの結果である(図中、レーン1はマーカー、レーン2は精製した酵素)。 図2は酵素の性質を示す図である(図中、aは酵素のpHと比活性の関係を示し、bは酵素の温度と比活性の関係を示し、cはpHと残存活性の関係を示し、dが温度と残存活性の関係を示す)。 図3はバガスを原料とした分岐オリゴ糖の製造スキームを示す図である。
本発明の分岐オリゴ糖の製造方法(以下、「本発明製法」という)は、低分子化キシランに、CAZyの分類でGH52に分類されるβ−キシロシダーゼを作用させることで分岐オリゴ糖を得ることを特徴とする。なお、本明細書において分岐オリゴ糖とは、糖の重合度が2〜10のものをいう。
本発明製法において用いられる低分子化キシランは、分子量が2000以下、好ましくは280〜1500のものである。なお、この分子量の測定法は特に限定されるものではなく、例えば、質量分析やゲル濾過法で測定することができる。また、この分子量は薄層クロマトグラフィー(TLC)等で低分子化キシランを構成する糖の数から推測することもできる。このような低分子化キシランは、キシランを含む原料にキシラナーゼを作用させたり、酸を作用させたりすること等により得られるが、キシランを含む原料にキシラナーゼを作用させることが分岐オリゴ糖の構造を制御する点から好ましい。キシランを含む原料は、植物細胞壁を有するものであれば特に限定されず、例えば、バガス、イナワラ、コーンストーバー、木粉等が挙げられる。これらの中でもバガス、イナワラ、コーンストーバーが好ましい。
また、上記キシラナーゼは、特に限定されず、例えば、CAZyの分類でファミリー分類されるGH8キシラナーゼ、GH10、GH11に分類されるβ−キシラナーゼ等が挙げられる。これらキシラナーゼの中でも非還元末端から2番目のキシロースに分岐を持つオリゴ糖を主生産物とすることから、GH11に分類されるβ−キシラナーゼが好ましい。なお、キシラナーゼの種類により、得られる分岐オリゴ糖の種類も変化させることができる。
更に、キシランを含む原料にキシラナーゼを作用させる条件は特に限定されないが、例えば、キシランを含む原料1に対して、キシラナーゼを0.05〜5質量%(以下、単に「%」という)、好ましくは0.1〜0.5%添加し、30〜60℃、好ましくは40〜50℃、pHが5.5〜9.5、好ましくは5.5〜7で、1〜96時間、好ましくは3〜48時間保持する条件である。
また、上記酸は、特に限定されず、例えば、硫酸、塩酸、トリフルオロ酢酸等が挙げられる。これら酸の中でも硫酸、塩酸が好ましい。
更に、キシランを含む原料に酸を作用させる条件は特に限定されないが、例えば、キシランを含む原料1に対して、0.1〜5%、好ましくは0.5〜1%の酸を添加し、80〜200℃、好ましくは100〜120℃、0.1〜24時間、好ましくは2〜3時間保持する条件である。
なお、キシランを含む原料を低分子化キシランにする時期は、後記するβ−キシロシダーゼの添加と同じでも、前でもよい。
本発明製法において用いられるCAZyの分類でGH52に分類されるβ−キシロシダーゼは特に限定されず、例えば、CAZyのホームページ(http://www.cazy.org/)でGH52に分類されるβ−キシロシダーゼを検索し(検索結果:http://www.cazy.org/GH52_all.html)、これを産生する微生物を入手し、これを培養してGH52に分類されるβ−キシロシダーゼを産生させ、それを必要により精製等したものや、GH52に分類されるβ−キシロシダーゼのアミノ酸配列やこれをコードする塩基配列、遺伝子を利用して大腸菌等でGH52に分類されるβ−キシロシダーゼを産生させ、それを必要により精製等したもの等が挙げられる。
なお、GH52に分類されるβ−キシロシダーゼの一般的な性質は以下の通りである。
・pH6付近に反応の至適がある。
・分子量は8万弱程度。
・アノマー保持型の反応機構であり、大量に使用すると糖転移反応を触媒する。
・キシロビオース、キシロトリオースを最も良く分解し、キシロテトラオース、キシロペンタオース、キシロヘキサオースと鎖長が長くなるにつれ活性が低下する。
・アラビノース側鎖、グルクロン酸側鎖いずれの場合も非還元末端にキシロースを1つ有する分岐オリゴ糖を分解しない。
これらGH52に分類されるキシロシダーゼとしては、Bacillus halodurans C−125株(JCM9153株:理化学研究所・バイオリソースセンター・微生物材料開発室(http://jcm.brc.riken.jp/ja/)から入手可能)由来のものが好ましい。このBacillus halodurans C−125株由来のGH52に分類されるキシロシダーゼのアミノ酸配列のアクセッションナンバーはBAB05833.1(配列番号1)である。そして、上記アミノ酸配列をコードする遺伝子としては、上記Bacillus halodurans C−125株の全ゲノム配列(アクセッションナンバーはNC002570)を利用することができる。
低分子化キシランに、GH52に分類されるキシロシダーゼを作用させる条件は特に限定されないが、例えば、低分子化キシラン1に対して、GH52に分類されるキシロシダーゼを0.000005〜0.0005、好ましくは0.00001〜0.00005%で添加し、30〜60℃、好ましくは40〜50℃、pHが5.5〜9.5、好ましくは5.5〜7で、1〜96時間、好ましくは3〜48時間である。
低分子化キシランに、GH52に分類されるキシロシダーゼを作用させた後は、キシロースと分岐オリゴ糖の混合物が得られる。なお、この分岐オリゴ糖は、非還元末端キシロースに分岐を持たない分岐オリゴ糖を含むものである。非還元末端キシロースに分岐を持たない分岐オリゴ糖としては、例えば、キシラナーゼとしてGH11に分類されるβ−キシラナーゼを用いた場合には、O-β-D-xylopyranosyl-(1→4)-[O-α-L-arabinofuranosyl-(1→3)]-O-β-D-xylopyranosyl-(1→4)-β-D-xylopyranosyl-(1→4)-β-D-xylopyranose、O-β-D-xylopyranosyl-(1→4)-[O-4-O-methyl-α-D-glucuronopyranosyl-(l→2)]-β-D-xylopyranosyl-(1→4)-β-D-xylopyranosyl-(1→4)-β-D-xylopyranose等が得られる。
本発明製法においては、上記で得られるキシロースと分岐オリゴ糖の混合物からキシロースを分離することが好ましい。キシロースと分岐オリゴ糖の混合物からキシロースを分離する方法は特に限定されず、例えば、活性炭クロマトグラフィーや膜分離法等の方法が挙げられる。
また、本発明製法においては、上記分離の後に、更に、精製、乾燥等の処理を行ってもよい。
斯くして得られる分岐オリゴ糖は、例えば、腸内細菌、腸内細菌の増殖作用、整腸作用等を有する。そのため、この分岐オリゴ糖は、そのまま、または各種飲食品に利用することにより健康の増進に役立つ。
また、この分岐オリゴ糖は、従来は入手が困難で有り、その機能の解明もあまり進んでいなかったため、その機能の解明にも役立つ。
なお、上記した低分子化キシランに、CAZyの分類でGH52に分類されるβ−キシロシダーゼを作用させた後のキシロースと分岐オリゴ糖の混合物から分岐オリゴ糖を分離することでキシロースを得ることができる。
キシロースと分岐オリゴ糖の混合物から分岐オリゴ糖を分離する方法は特に限定されず、例えば、活性炭クロマトグラフィーや膜分離法等の方法が挙げられる。
上記分離の後には、更に、精製、乾燥等の処理を行ってもよい。
斯くして得られるキシロースは、例えば、甘味料、焼き色改良、風味改善、矯臭作用、テリの付与、酸化防止等を有する。そのため、このキシロースは、そのまま、または各種飲食品の製造に役立つ。また、キシロースは、キシロースを炭素源として多糖等を産生する微生物の発酵原料としても役立つ。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
実 施 例 1
β−キシロシダーゼの製造:
(1)酵素の調製
Bacillus halodurans C−125のゲノム(アクセッションナンバーNC002570)において、CAZyの分類でGH52に分類されるキシロシダーゼと推定されるタンパク(アクセッションナンバーBAB05833.1:配列番号1)をコードする遺伝子を以下のプライマーを用いてPCRで増幅した。
・forwardプライマー(配列番号2):CATATGAATCGAGGAGAAACTGGTTATGAAACATG
・reverseプライマー(配列番号3):GCGGCCGCTATCGGATAAATGGTT
上記で得た増幅物をpET28a(NcoI-HindIII)の間に挿入してpET28-bhxyl52プラスミドを得た。このプラスミドを用いたエレクトロポレーション法でEscherichia coli BL21(DE3)(Merck KGaA,Darmstadt,Germany)を形質転換した。形質転換体はKanamycineを含むLuria-Bertani培地を使用し37℃で振盪(200rpm)しながら増殖させた。培養液のOD600nmが0.2に達したときにイソプロピルβ-D-チオガラクトピラノシド(IPTG)を最終濃度0.1mMで培養液に添加し、その後、培養液を25℃で振盪(200rpm)しながら22時間酵素を発現させた.遠心分離(6,000rpm,15min,4℃)によって細胞を回収し,50mMリン酸緩衝液(pH7.0)に懸濁して5分間超音波破砕した後、遠心分離(10,000rpm,30min,4℃)により不溶物を取り除いた。回収した上清もHisTrap HP(GE Healthcare,USA)を添加し、C末端の6xヒスチジンタグを利用して活性画分を精製した。活性画分を回収し、蒸留水に対して透析して得られた溶液を精製酵素とした。得られた精製酵素の純度はSDS-PAGEで確認した。
pET28にクローニングしBL21(DE3)に形質転換したbhxyl52をIPTGにより誘導し発現させ、金属アフィニティークロマトグラフィーによりBhXyl52を精製した。精製酵素の純度をSDS-PAGEで確認したところ、電気泳動的に単一なバンドを得た(図1)。SDS-PAGEの結果から計算した精製酵素の分子量はおよそ76,382であり、アミノ酸配列から想定される分子量(78,580)と一致した。得られた精製酵素の活性と安定性に対するpHと温度の影響を調べた。本酵素の諸性質を図2に示す。本酵素の至適はpH6.2、50℃であった。pHに対する酵素の安定性では30℃、30分の処理でpH6.0〜8.0の間、40℃以下で安定だった。
(2)酵素と基質の反応
PNP-基質(Sigma)に対する活性は、2mM基質25μl、McIlvaine buffer(pH6.2)20μLを混ぜたものを5分プレインキュベーションし、酵素5μL(36nM)を添加して50℃、10分反応した後、0.2M Na2CO350μLを添加して反応を停止した。発色はA405nmを測定して行った。
キシロオリゴ糖に対する活性は、表1に記載の基質を用い、基質濃度100μM 30μL、0.005% fucose35μL、McIlvaine budffer(pH6.2)100μL、DW73μL、enzyme100μL(final 5.5nM for GH52)を混ぜたものを0、10、20、40、60、80、100、150、200分インキュベーションした後、100℃で10分加熱することにより失活させた。反応停止液はDionex社HPLC装置によって分析した。分析条件は既報の通り(S. Kaneko, H. Ichinose, Z. Fujimoto, A. Kuno, K. Yura, M. Go, H. Mizuno, I. Kusakabe, and H. Kobayashi: Structure and function of a family 10 β-xylanase chimera of Streptomyces olivaceoviridis E-86 FXYN and Cellulomonas fimi Cex. J. Biol. Chem., 279, 26619-26626(2004).)。オリゴ糖のピークの減少を定量し、分解率を得た。
なお、基質のうち、キシロビオース(X2)、キシロトリオース(X3)、キシロテトラオース(X4)、キシロペンタオース(X5)、キシロヘキサオース(X6)は先の報告に従い調製した(Kusakabe et al. xylooligosaccharide)。また、O-β-D-xylopyranosyl-(1→4)-[O-α-L-arabinofuranosyl-(1→3)]-O-β-D-xylopyranosyl-(1→4)-β-D-xylopyranosyl-(1→4)-β-D-xylopyranose (A1X4)とO-β-D-xylopyranosyl-(1→4)-[O-4-O-methyl-α-D-glucuronopyranosyl-(l→2)]-β-D-xylopyranosyl-(1→4)-β-D-xylopyranosyl-(1→4)-β-D-xylopyranose (MeGlcA3Xyl4)は先の報告に従い調製した(I. Kusakabe, S. Ohgushi, T. Yasui, and T. Kobayashi: Structures of the arabinoxylo-oligosaccharides from the hydrolytic products of corncob arabinoxylan by a xylanase from Streptomyces. Agric. Biol.Chem.,47,2713-2723(1983).)。
BhXyl52はPNP-基質に対してはPNP-Xylにのみ反応した。多糖には作用させた場合、還元力の増加は見られなかった(結果は省略)。直鎖状のキシロオリゴ糖に作用させたところ、X2とX3をもっとも早く分解した。X2=X3>X4>X5>X6と、X2とX3の分解速度はほぼ同じであり、主鎖が長くなるにつれて反応速度が低下した(表1)。また、分岐した基質には作用しなかった。分岐した基質に酵素量を1000倍に増やして作用させたが、結果は同じであった(結果は省略)。
Figure 2021180640
以上の結果から、BhXyl52は、β−キシロシダーゼであり、直鎖状のキシロオリゴ糖は分解するものの、非還元末端キシロースに分岐を持たない分岐オリゴ糖は分解しないことが分かった。また、BhXyl52は酵素量を多くしても非還元末端キシロースに分岐を持たない分岐オリゴ糖は分解しないことが分かった。
実 施 例 2
バガスを原料とした分岐オリゴ糖の製造:
図3のスキームに従って、バガスを原料として、これにβ−キシラナーゼ(SoXyn11B)を作用させて、低分子化キシラン(TLCの結果から低分子化キシランが5糖以下で構成されていることを確認した(分子量は700以下)。)を得て、それに更にβ−キシロシダーゼ(GhXyl52)を作用させて分岐オリゴ糖(A)を得た。なお、β−キシラナーゼは文献(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jag/66/1/66_jag.JAG-2018_0008/_article)に基づいて調製したものを用いた。また、β−キシロシダーゼは、実施例1で得られたものを用いた。
低分子化キシラン(C5を810mg含む)にβ−キシロシダーゼを作用させることにより分岐オリゴ糖(A)が640mg(乾燥後)得られた。また、同時にキシロースも得られた(結果は省略)。
本発明製法は健康の増進に役立つ分岐オリゴ糖や飲食品の製造に役立つキシロースを大量に製造することができる。

Claims (9)

  1. 低分子化キシランに、CAZyの分類でGH52に分類されるβ−キシロシダーゼを作用させることで分岐オリゴ糖を得ることを特徴とする分岐オリゴ糖の製造方法。
  2. β−キシロシダーゼを作用させた後のキシロースと分岐オリゴ糖の混合物からキシロースを分離することで分岐オリゴを得るものである請求項1記載の分岐オリゴ糖の製造方法。
  3. 分岐オリゴ糖が、非還元末端キシロースに分岐を持たない分岐オリゴ糖を含むものである請求項1または2記載の分岐オリゴ糖の製造方法。
  4. 低分子化キシランが、キシランを含む原料にキシラナーゼを作用させたものである請求項1〜3の何れか1に記載の分岐オリゴ糖の製造方法。
  5. CAZyの分類でGH52に分類されるβ−キシロシダーゼが、Bacillus halodurans C−125株由来のβ−キシロシダーゼである請求項1〜4の何れか1に記載の分岐オリゴ糖の製造方法。
  6. 低分子化キシランに、CAZyの分類でGH52に分類されるβ−キシロシダーゼを作用させることでキシロースを得ることを特徴とするキシロースの製造方法。
  7. β−キシロシダーゼを作用させた後のキシロースと分岐オリゴ糖の混合物から分岐オリゴ糖を分離することでキシロースを得るものである請求項1記載のキシロースの製造方法。
  8. 低分子化キシランが、キシランを含む原料にキシラナーゼを作用させたものである請求項6または7記載のキシロースの製造方法。
  9. CAZyの分類でGH52に分類されるβ−キシロシダーゼが、Bacillus halodurans C−125株由来のβ−キシロシダーゼである請求項6〜8の何れか1に記載のキシロースの製造方法。
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