JP2021180160A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池の過乾燥の抑制と調圧弁の凍結防止とを両立できる燃料電池システムを提供する。【解決手段】燃料電池システム10は、燃料電池40と、燃料電池40に吸排されるガスの圧力を調整する調圧弁16と、燃料電池40内に残留している水分を発電停止時に掃気する掃気手段としてのエアコンプレッサ14と、調圧弁16の開度を制御する調圧弁制御部と、燃料電池40の乾燥度合を測定する燃料電池乾燥度測定部としてのコントローラ60とを備える。調圧弁制御部は、燃料電池乾燥度測定部が測定した燃料電池乾燥度が目標値に到達したときに、掃気手段の稼働時間が予め決められた所定時間未満である場合、調圧弁16を一定時間開放する。【選択図】図4

Description

本開示は、燃料電池システムに関する。
燃料電池システムにおいて、燃料電池の発電を停止したときには、システム内部に反応ガスの電気化学反応により生成された水が残留する。この残留水をシステム内部に放置すると、例えば寒冷地など低温環境下などでは残留水が凍結してしまい、燃料電池システムの動作を阻害する虞がある。
この問題に対して、例えば特許文献1には、燃料電池の発電停止時に、燃料電池スタック内に掃気ガスを供給し、燃料電池スタック内の排水を行う燃料電池システムが開示されている。
特開2008−103169号公報
しかしながら、特許文献1などに記載の従来の掃気手法では、調圧弁の凍結防止の観点から改善の余地がある。
また、従来の燃料電池システムでは、発電停止時に予め決められた一定の設定量で掃気処理されることが多く、不必要に長い時間掃気してしまうことがあり、この場合、燃料電池が乾燥し過ぎ、これにより電解質膜を劣化させるなどして、発電性能が低下することがある。
本開示は、燃料電池の過乾燥の抑制と調圧弁の凍結防止とを両立できる燃料電池システムを提供することを目的とする。
本発明の実施形態の一観点に係る燃料電池システムは、燃料電池と、前記燃料電池に吸排されるガスの圧力を調整する調圧弁と、前記燃料電池内に残留している水分を発電停止時に掃気する掃気手段と、前記調圧弁の開度を制御する調圧弁制御部と、前記燃料電池の乾燥度合を測定する燃料電池乾燥度測定部と、を備え、前記調圧弁制御部は、前記燃料電池乾燥度測定部が測定した燃料電池乾燥度が目標値に到達したときに、前記掃気手段の稼働時間が予め決められた所定時間未満である場合、前記調圧弁を一定時間開放する。
本開示によれば、燃料電池の過乾燥の抑制と調圧弁の凍結防止とを両立できる燃料電池システムを提供することができる。
実施形態に係る燃料電池システムの概略構成を示す図 図2は、掃気処理におけるインピーダンス(乾燥度)と掃気時間との関係を示す図 図2の状態Bの場合の残留水の状況を説明する模式図 エア調圧弁水切り処理のフローチャート
以下、添付図面を参照しながら実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
図1は、実施形態に係る燃料電池システム10の概略構成を示す図である。
燃料電池システム10は、燃料電池車両の車載用発電システムとして機能するものであり、複数のセルを積層してなるスタック構造からなる固体高分子電解質型の燃料電池スタック40を備えている。セルは、電解質膜の一方の面にアノード極を配置し、他方の面にカソード極を配置してなる膜−電極接合体と、膜−電極接合体に反応ガス(燃料ガス、酸化ガス)を流すためのガスチャンネル(アノードガスチャンネル、カソードガスチャンネル)や冷媒を流すための冷媒流路が形成されたセパレータとから成る。燃料電池スタック40は、アノード極に水素ガス(燃料ガス)の供給を受けるともに、カソード極に酸素ガス(酸化ガス)の供給を受けて発電する。
燃料電池スタック40では、アノード極において(1)式の酸化反応が生じ、カソード極において(2)式の還元反応が生じる。燃料電池スタック40全体としては(3)式の起電反応が生じる。
→2H+2e …(1)
(1/2)O+2H+2e→HO …(2)
+(1/2)O→HO …(3)
燃料電池システム10の酸素ガス供給系には、燃料電池スタック40に酸素ガスを供給するための酸素ガス供給路11と、燃料電池スタック40から排出される酸素オフガスを外部に排気するための酸素オフガス排出路12とが配設されている。酸素ガス供給路11には、大気中の酸素ガスに含有されている粉塵等を除去するためのフィルタ13と、酸素ガスを加圧するためのエアコンプレッサ14と、が配設されている。
酸素オフガス排出路12には、燃料電池スタック40内の酸素ガス圧を調圧する調圧弁16が配設されている。酸素オフガス排出路12を流れる酸素オフガスは、調圧弁16を通った後、排ガスとしてシステム外の大気中に排気される。
また、酸素ガス供給系には、酸素ガス供給路11を介して供給される酸素ガスを、燃料電池スタック40を介さずに酸素オフガス排出路12へと流通させるバイパス流路15が配設されている。バイパス流路15には、酸素オフガス排出路12へ向けて流れる酸素ガスを遮断して当該バイパス流路15を流れる酸素ガスの流量を調整するための分流弁18が設けられている。酸素ガス供給路11には、エアコンプレッサ14と燃料電池スタック40との間の酸素ガスの流れを遮断するための入口弁17が設けられている。
燃料電池システム10の水素ガス供給系には、高圧の水素ガスを貯蔵した水素供給源としての水素タンク21と、水素タンク21内に充填されている水素ガスを燃料電池スタック40に供給する水素ガス供給路22と、水素タンク21から水素ガス供給路22への水素ガス供給/停止を制御する遮断弁29と、燃料電池スタック40から排出された水素オフガス(未反応水素ガス)を水素ガス供給路22に還流させるための循環路23、循環路23を流れる水素オフガスを水素ガス供給路22に圧送する水素ポンプ24と、が配設されている。
水素ガス供給路22の上流側には、水素タンク21から流出される高圧水素ガスの圧力を調整するレギュレータ27が介設され、レギュレータ27の下流側に、レギュレータ27により調圧された水素ガスを燃料電池スタック40へ向けて供給するためのインジェクタ25が設けられ、インジェクタ25の下流側に循環路23が合流している。水素タンク21から水素ガス供給路22へ流出する水素ガスと、循環路23を還流する水素オフガスとは、水素ガス供給路22と循環路23との接続点で合流し、混合ガスとなって燃料電池スタック40に供給される。
水素ポンプ24の上流側には、循環路23を流れる水素オフガスから水分を分離させるための気液分離器30が介設されている。循環路23を流れる流体には、燃料電池スタック40から排出される水素オフガスと、燃料電池スタック40での電気化学反応によって生成された生成水とが含まれている。気液分離器30は、この生成水を水素オフガスから分離する。水分が分離された水素オフガスは、水素ポンプ24によって燃料電池スタック40に還流させられる一方、気液分離器30にて回収された水分は、流体配管32から酸素オフガス排出路12に排出される。
流体配管32には、これを開閉するシャットバルブとして機能するパージ弁33が配設されている。流体配管32には、パージ弁33を適宜開閉させることで、気液分離器30で分離された水分を酸素オフガス排出路12に流入させることができる。
燃料電池システム10の電力系には、燃料電池スタック40の発電電力又は車両制動時の回生エネルギーを蓄電するための蓄電装置としての二次電池42と、燃料電池スタック40の出力電圧を調整して燃料電池スタック40と二次電池42との電力供給分配を制御するDC/DCコンバータ41と、燃料電池スタック40又は二次電池42から供給される直流電力を交流電力に変換してトラクションモータ(車両走行モータ)44に供給するトラクションインバータ43とが配設されている。
二次電池42は、電力の蓄電及び放電が可能な蓄電装置であり、ブレーキ回生時の回生エネルギー貯蔵源、燃料電池車両の加速又は減速に伴う負荷変動時のエネルギーバッファとして機能する。二次電池42としては、例えば、ニッケル・カドミウム蓄電池、ニッケル・水素蓄電池、リチウム二次電池等が好適である。二次電池42に替えてキャパシタ等の蓄電装置を搭載してもよい。
燃料電池システム10の冷却系には、燃料電池スタック40内を循環する冷媒を流すための冷媒流路51と、冷媒流路51に沿って冷媒を圧送するための冷媒ポンプ54と、冷媒を冷却するためのラジエータ53と、ラジエータ53をバイパスさせて冷媒流路51上に冷媒を流すためのバイパス弁52とが配設されている。ラジエータ53をバイパスする冷媒のバイパス量を加減することで、冷媒温度を調整できる。
燃料電池システム10の制御系には、燃料電池システム10全体を制御するためのコントローラ60が配設されている。コントローラ60は、中央処理装置(CPU)、記憶装置(ROM,RAM)、入出力インタフェース等を備える制御ユニット(ECU)である。コントローラ60は、各種センサ類からのセンサ出力を基に運転状態をモニタリングし、燃料電池システム10を制御する。
センサ類として、起動/停止信号を出力するイグニッションスイッチ71、車速を検出する車速センサ72、アクセル開度を検出するアクセルセンサ73、燃料電池スタック40を構成する各セルの出力電圧を検出する電圧センサ74、燃料電池スタック40の出力電流(FC電流)を検出する電流センサ75、燃料電池スタック40の温度(FC温度)を検出する温度センサ76、燃料電池スタック40のカソード出口から流出するエアの流量を検出するエア流量センサ77、燃料電池スタック40のカソード出口から流出するエアの圧力を検出するエア圧力センサ78、二次電池42のSOCを検出するSOC(State of charge)センサ79等がある。
例えば、コントローラ60は、イグニッションスイッチ71から出力される起動信号を受信すると、燃料電池システム10の運転を開始し、アクセルセンサ73から出力されるアクセル開度信号や、車速センサ72から出力される車速信号などを基にシステム全体の要求電力を求める。システム全体の要求電力は、車両走行電力と補機電力との合計値である。補機電力には、例えば、車載補機類(加湿器、エアコンプレッサ、水素ポンプ、及び冷却水循環ポンプ等)で消費される電力、車両走行に必要な装置(変速機、車輪制御装置、操舵装置、及び懸架装置等)で消費される電力、乗員空間内に配設される装置(空調装置、照明器具、及びオーディオ等)で消費される電力などが含まれる。
そして、コントローラ60は、燃料電池スタック40と二次電池42の出力電力の配分を決定し、燃料電池スタック40の発電量が目標電力に一致するように、エアコンプレッサ14の回転数やレギュレータ27の弁開度を調整し、燃料電池スタック40への反応ガス供給量を調整するとともに、DC/DCコンバータ41を制御して燃料電池スタック40の出力電圧を調整することにより燃料電池スタック40の運転ポイント(出力電圧、出力電流)を制御する。更に、コントローラ60は、アクセル開度に応じた目標車速が得られるように例えば、スイッチング指令として、U相、V相、及びW相の各交流電圧指令値をインバータ43に出力し、トラクションモータ44の出力トルク、及び回転数を制御する。
コントローラ60は、発電停止要求を受けると、二次電池42に蓄電された電力を用いてエアコンプレッサ14を駆動し、燃料電池スタック40内部のガスチャンネルに掃気ガスを供給することで、ガスチャンネル内の水分を掃気する。エアコンプレッサ14は、燃料電池スタック40内に残留している水分を発電停止時に掃気するための掃気手段として機能する。
コントローラ60は、燃料電池の乾燥度合を測定する燃料電池乾燥度測定部としても機能する。コントローラ60は、燃料電池スタック40の交流インピーダンスに基づき、燃料電池スタック40の乾燥度合を示す燃料電池乾燥度を算出する。
燃料電池乾燥度は、例えば、掃気処理時に燃料電池スタック40から排水される水分量に関する指標である。交流インピーダンスは、燃料電池スタック40に残留する水分量と相関関係を有することが知られているので、コントローラ60は、例えば、掃気処理中の交流インピーダンスの変動量に基づき、燃料電池乾燥度を求めることができる。
コントローラ60は、DC/DCコンバータ41を制御して燃料電池スタック40に交流信号を重畳し、その電圧応答を電圧センサ74によって検出することにより、交流インピーダンスを計測することができる。交流インピーダンスを計測するための他の方法として、コントローラ60は、内部抵抗計測器を用いて燃料電池スタック40の交流インピーダンスを計測してもよい。内部抵抗計測器は、燃料電池スタック40に高周波電流を印加し、その電圧応答を検出することにより燃料電池スタック40の交流インピーダンスを求めることのできる高周波インピーダンス計測器である。
また、コントローラ60は、調圧弁16の開度を制御する調圧弁制御部としても機能する。特に本実施形態では、後述する「エア調圧弁水切り処理」において、燃料電池乾燥度測定部が測定した燃料電池乾燥度が目標値に到達したときに、掃気手段の稼働時間が予め決められた所定時間未満である場合、調圧弁16を一定時間開放する。
掃気処理が短時間であり、燃料電池内の掃気が不十分の状態では、燃料電池スタック40内の残留水が下流側にしみ出て、酸素オフガス排出路12のうち燃料電池スタック40に一番近い弁である調圧弁16にこの残留水が溜まる場合がある。調圧弁16に残留水が溜まったまま放置すると、例えば寒冷地など低温環境下などでは残留水が凍結してしまい、調圧弁16が動作不能となって、燃料電池システムの動作を阻害する虞がある。そこで本実施形態では、掃気処理が短時間であり、燃料電池内の掃気が不十分な状態では、調圧弁16を開放して、調圧弁16に溜まった液だれ水を排水することで、調圧弁16の凍結を防止できる。以降ではこの制御を「エア調圧弁水切り処理」とも表記する。
なお、エア調圧弁水切り処理において開放される弁は、燃料電池スタック40の下流側の最も近い位置に配置される弁であるのが好ましい。本実施形態では、図1に示すようにこの条件を満たす弁は調圧弁16であるが、調圧弁16よりも燃料電池スタック40により近い弁があれば、その弁を開放する構成でもよい。また、燃料電池スタック40に吸排されるガスの圧力を調整する調圧弁であれば、本実施形態のエア調圧弁16以外の弁を開放する構成でもよい。
図2を参照して、エア調圧弁水切り処理を実施する条件についてさらに説明する。図2は、掃気処理におけるインピーダンス(乾燥度)と掃気時間との関係を示す図である。図2の横軸は掃気時間を表し、縦軸はインピーダンスを表す。
図2には、掃気処理において生じ得る5つの状態A〜Eの時間推移のグラフを示す。状態Cのグラフは、状態Bのグラフと同じ傾きであり、状態Bから延長したものである。同様に、状態Eのグラフは、状態Dのグラフと同じ傾きであり、状態Dから延長したものである。
状態Aは、MEA(Membrane Electrode Assembly:膜/電極接合体)乾燥要件(インピーダンス(乾燥度)がMEA乾燥目標値に到達すること)と、マニホールド排水要件(掃気手段の稼働時間が予め定められた「マニホールド排水に必要な時間(所定時間)」に到達すること)を共に満たす掃気ラインである。
状態Bは、MEA乾燥要件は満たすが、掃気時間が短く、マニホールド排水要件を満たさない掃気ラインである。
このときの状況について図3を参照して説明する。図3は、図2の状態Bの場合の残留水の状況を説明する模式図である。図3には、図1にも示したコンプレッサ14と、燃料電池スタック40(FCスタック)と、調圧弁16とが図示され、さらに、酸素ガス供給路11に設けられる入口弁17と、酸素ガス供給路11と酸素オフガス排出路12との間のバイパス流路15に設けられる分流弁18も図示されている。図3に示すように、状態Bの場合には、マニホールド排水要件が未達の為、状態Bで掃気処理が終わると、燃料電池スタック40内の残水が下流側の酸素オフガス排出路12にしみ出る液だれが生じ、直近に配置される調圧弁16に液だれの水が溜まる。このような液だれにより調圧弁16の凍結の虞がある。
図2に戻り、状態Cは、状態Bからマニホールド排水要件を満たす為に掃気時間を延長した掃気ラインである。この場合、マニホールド排水要件を満たすと、MEAが過乾燥になり次回始動時に出力低下の虞がある。
状態Dは、マニホールド排水要件は満たすが、インピーダンスが低く、MEA乾燥要件を満たさない掃気ラインである。状態Dの場合、MEA乾燥要件が未達の為、状態Dで掃気処理が終わると、次回氷点下始動時にガス欠負電位の虞がある。
状態Eは、状態DからMEA乾燥要件を満たす為に掃気時間を延長した掃気ラインである。この場合、終了処理時間は長くなるが、両方の条件を満たすので、次回始動性に問題は無くなる。
つまり、掃気処理では、状態Aと状態Eの場合には、MEA乾燥要件(インピーダンス(乾燥度)がMEA乾燥目標値に到達すること)と、マニホールド排水要件(掃気時間が「マニホールド排水に必要な時間」に到達すること)を共に満たすので、掃気処理が適切に行われている。また、状態Dの場合には、掃気時間を延長して状態Eに遷移すればよい。
一方、状態Cは既に燃料電池が過乾燥の状態になってしまっているので、状態Cからはリカバリ不可能である。また、状態Bは、状態Dのように掃気時間を延長すると状態Cとなるため、掃気時間を延長することができない。このため、マニホールド排水要件を満たすために、掃気時間延長以外の手法で液だれ水を別途排水すればよい。つまり本実施形態の「エア調圧弁水切り処理」は、状態Bからマニホールド排水要件を満たすための制御である。
図4は、エア調圧弁水切り処理のフローチャートである。
ステップS01では、例えば車両のイグニッションオフなどをトリガとして、燃料電池システム10の終了処理が開始されると、まずは掃気処理が行われる。掃気処理では、掃気手段としてのエアコンプレッサ14から燃料電池スタック40の内部へ掃気ガスが供給されて、燃料電池スタック40内部に残留する水分が掃気される。また、燃料電池乾燥度測定部としてのコントローラ60により、燃料電池スタック40の出力電圧などの情報に基づき交流インピーダンスが算出され、算出されたインピーダンスに基づき燃料電池乾燥度が求められる。
ステップS02では、掃気処理によって燃料電池乾燥度がMEA乾燥目標値に到達した時に、「マニホールド排水に必要な時間」以上排気できたか否かが判定される。掃気処理の掃気時間が「マニホールド排水に必要な時間」以上の場合(ステップS02のYES)には、MEA乾燥要件(インピーダンス(乾燥度)がMEA乾燥目標値に到達すること)と、マニホールド排水要件(掃気時間が「マニホールド排水に必要な時間」に到達すること)を共に満たす状態(図2の状態AまたはE)であるので、掃気処理が十分に行えたものと判断して終了処理が完了する。
一方、掃気処理の掃気時間が「マニホールド排水に必要な時間」未満の場合(ステップS02のNO)には、MEA乾燥要件のみを満たし、マニホールド排水要件を満たさない状態(図2の状態B)であるので、ステップS03以降のエア調圧弁水切り処理が実行される。
ステップS03では、一定時間経過後にエア調圧弁16のみが開かれ、排水に必要な一定時間以上経過するまで(ステップS04のNO)、調圧弁16の開弁状態が維持されて、調圧弁16に溜まった残留水が排出される。これにより、液だれ水を排水することでエア調圧弁16の凍結を回避することができる。
調圧弁16の開弁後、排水に必要な一定時間以上経過すると(ステップS04のYES)、ステップS05にてエア調圧弁16が閉弁される。そして、ステップS06では、ステップS03〜S05の調圧弁16の開弁動作によって、エア調圧弁16から燃料電池スタック40内にエアが流入し、燃料電池スタック40劣化の懸念がある為、燃料電池スタック40内の酸素を消費させるために必要な分の水素が、水素ガス供給路22から燃料電池スタック40に補填される。これにより、エア調圧弁水切り処理の調圧弁16開弁に伴う燃料電池スタック40の劣化を回避できる。
このように、本実施形態の燃料電池システム10では、MEA乾燥要件(測定したインピーダンス(燃料電池乾燥度)がMEA乾燥目標値に到達すること)を満たしたときに、かつ、マニホールド排水要件(掃気手段の稼働時間が予め定められた「マニホールド排水に必要な時間(所定時間)」に到達すること)を満たさない場合に、エア調圧弁水切り処理を実施して、燃料電池スタック40の下流側の最も近い位置に配置される弁である調圧弁16を一定時間開放する。
この構成により、エア調圧弁水切り処理を実施して開放された調圧弁16から残留水を排出でき、調圧弁16の凍結を防止できる。また、エア調圧弁水切り処理の実施時にも、さらなる掃気処理は行われず、既にMEA乾燥目標値に到達している燃料電池スタック40からさらに排水されることがないので、燃料電池スタック40の過乾燥を抑制できる。この結果、本実施形態の燃料電池システム10は、燃料電池スタック40の過乾燥の抑制と調圧弁16の凍結防止とを両立できる。
以上、具体例を参照しつつ本実施形態について説明した。しかし、本開示はこれらの具体例に限定されるものではない。これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素およびその配置、条件、形状などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。
10 燃料電池システム
14 エアコンプレッサ(掃気手段)
16 調圧弁
40 燃料電池スタック
60 コントローラ(調圧弁制御部、燃料電池乾燥度測定部)

Claims (1)

  1. 燃料電池と、
    前記燃料電池に吸排されるガスの圧力を調整する調圧弁と、
    前記燃料電池内に残留している水分を発電停止時に掃気する掃気手段と、
    前記調圧弁の開度を制御する調圧弁制御部と、
    前記燃料電池の乾燥度合を測定する燃料電池乾燥度測定部と、を備え、
    前記調圧弁制御部は、
    前記燃料電池乾燥度測定部が測定した燃料電池乾燥度が目標値に到達したときに、前記掃気手段の稼働時間が予め決められた所定時間未満である場合、前記調圧弁を一定時間開放する、
    燃料電池システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE102023114017A1 (de) 2022-08-24 2024-02-29 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Brennstoffzellensystem

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