以下図面により本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の計算装置の実施形態に係る電卓10の外観構成を示す正面図である。
本実施形態では、前記電卓10を、図1(A)に示すプリンタ付き電卓10A、図1(B)に示す一般電卓10Bとして実現している。前記電卓10A,10Bは、プリンタ付きか否かとキーが異なるだけで、印刷以外は実質的に同じ処理を実行可能である。
前記電卓10は、前記プリンタ付き電卓10A,一般電卓10Bとして構成する他、計算機能を有する(計算データ表示処理プログラムが実装された)パーソナルコンピュータ、タブレット型コンピュータ、スマートフォン、携帯電話機、タッチパネル式PDA(personal digital assistants)、電子ブック、携帯ゲーム機等として構成することができる。
なお、前記電卓10のような物理的なキー(ボタン)が実装されていない計算装置は、前記電卓10のキーと同様なソフトウェアキーボードを表示し、当該ソフトウェアキーボードに対するキー操作に応じて計算処理を実行する。また、前記プリンタ付き電卓10Aのような印刷装置が実装されていない計算装置は、近距離無線通信等により外部の印刷装置と通信接続し、当該印刷装置に印刷制御信号と印刷データを送信して印刷処理を実行する。
図1(A)に示すプリンタ付き電卓10Aについて説明する。
本実施形態におけるプリンタ付き電卓10Aには、加減乗除等の通常の計算機能、表示機能、印刷機能の他、ユーザ操作に応じて入力された数値データと「+」「−」「×」「÷」の演算データとに基づき合計(計算結果)データの計算を実行させる実行機能「=」、前記合計(計算結果)データである支払額データを対象に預り額データからお釣りデータを計算するお釣り機能「CHANGE」、前記計算機能と実行機能「=」とお釣り機能「CHANGE」との組み合わせからなる一連の計算データを保存する計算データ保存機能、この計算データ保存機能により保存された計算データを印刷する保存データ印刷機能等が備えられる。
より詳細には、ユーザ操作に応じて入力された数値データと、ユーザ操作に応じて入力された演算データ「+」「−」「×」「÷」と、ユーザ操作に応じて入力された実行機能データ「=」とを、計算データとして後述の計算データメモリ22cに保存していき、前記実行機能「=」のキー操作を受け付けると、合計(計算結果)データの計算が実行され、合計(計算結果)データである支払額データが、計算データメモリ22cに保存された計算データに対応付けて保存される。また、ユーザ操作に応じて入力された預り額データとしての数値データと、ユーザ操作に応じたお釣り機能「CHANGE」のキー操作を受け付けると、預り額データとお釣り機能「CHANGE」データとお釣りデータとが、前記計算データメモリ22cに保存された計算データに対応付けて保存される。そして、保存データ印刷機能により計算データメモリ22cに保存された計算データが印刷され、さらに、計算データが合計された合計(計算結果)データが印刷され、さらに、お釣り機能「CHANGE」に対応付けられた計算データ中の預り額データと前記預り額データから前記合計(計算結果)データである支払額データを減算したお釣りデータとが印刷される。
なお、本実施形態における電卓10Aの計算データ保存機能は、ユーザ操作に応じて、数値データと演算データ「+」「−」「×」「÷」の組み、数値データと実行機能データ「=」の組み、数値データ(預り額データ)とお釣り機能データ「CHANGE」の組みからなる一連の計算データが順次入力されて表示される際と、前記実行機能データ「=」の入力に応じて計算実行された合計(計算結果)データが表示される際と、前記お釣り機能データ「CHANGE」の入力に応じて計算されたお釣りデータが表示される際とにおいて、表示されたそれぞれの計算データを前記計算データメモリ22cに順番に保存するその保存先の行番号を併せて表示する行番号表示機能を有し、さらに、前記お釣り機能データ「CHANGE」の入力直後に再び数値データ(預り額データ)とお釣り機能データ「CHANGE」の組みからなる計算データが入力されて表示される際に、当該再入力された計算データとそのお釣りデータの保存先の行番号をユーザに分かり易く表示する行番号仮表示機能を有する。
前記プリンタ付き電卓10は、机上に置いて操作し易い置き型の本体ケースの手前側にキー入力部11を備え、キー入力部11の奥側に表示部12、印刷部13を備えている。
前記キー入力部11には、数値キー、演算キー、実行機能キー、お釣り機能キー、印刷機能キー、その他の機能キーが設けられる。
前記数値キーは、例えば[00][0]〜[9]のそれぞれに対応する複数のキーを含む。前記演算キーは、例えば[+](加算)キー、[−](減算)キー、[×](乗算)キー、[÷](除算)キーのそれぞれに対応する複数のキーを含み、前記実行機能キーは[=](イコール)キーである。
前記お釣り機能キーは、入力された数値データを預り額データとし、前記合計データである支払額データを減算してお釣りデータを計算させる[CHANGE](お釣り機能)キー11dを含む。
前記印刷機能キーは、[PRT](プリントモード)キー11a、[REPRINT](保存データ印刷)キー11eを含む。前記[PRT](プリントモード)キー11aは、プリントモードのON/OFFを切り替える。
その他の機能キーには、例えばオールクリアキー([AC]キー11b)、クリアキー([C]キー)などが含まれる。
前記表示部12は、ドットマトリクス型の液晶表示ユニットからなる。表示部12には、キー入力部11のキーに対する操作により入力された数値データや計算結果の数値データが表示される。また、表示部12の辺に沿って設けられた状態表示エリアには、表示中の計算データの保存先の行番号、表示中の数値データの内容(お釣り“CHANGE”)等、各種の状態を示す数字、文字、記号(シンボル)が表示される。
前記印刷部13は、例えば熱転写式の印刷機構を備え、前記[PRT](プリントモード)キー11aの操作に応じたプリントモードON/OFFの設定状態と前記[REPRINT]キー11eの操作状態とに基づいて、入力された数値データと演算データからなる計算データ、前記計算データを計算した合計(支払額)データやお釣りデータ等の計算結果データを記録紙Pに印刷して出力する。
図2は、前記プリンタ付き電卓10Aの電子回路の構成を示すブロック図である。
前記プリンタ付き電卓10Aの電子回路は、コンピュータであるCPU(プロセッサ)21を備えている。前記CPU21は、メモリ22に記憶される計算機制御プログラムに従い回路各部の動作を制御し、前記キー入力部11のユーザ操作に応じた各種の計算機能や計算データの印刷機能を実行する。
前記CPU(プロセッサ)21には、前記キー入力部11、表示部12、印刷部13、メモリ22が接続される他に、メモリカード等の外部記録媒体23に記録されたデータを読み取る記録媒体読取部24、外部機器(30)との通信を行なう通信部25も接続される。なお、前記一般電卓20Bの場合は前記印刷部13を備えない。
前記計算機制御プログラムは、前記メモリ22に予め記憶されるか、外部記録媒体23から記録媒体読取部24により読み取られて前記メモリ22に記憶されるか、通信ネットワークN上のWebサーバ(プログラムサーバ)30から前記通信部25を介してダウンロードされ前記メモリ22に記憶される。
前記計算機制御プログラムには、ユーザ操作に応じた各種の計算処理プログラムの他、前記計算処理プログラムに従い実行される計算処理の計算データを表示するための計算データ表示処理プログラム22aが含まれる。
また、前記メモリ22には、PRINTモードメモリ22b、計算データメモリ22c、行番号データ/行番号仮表示データメモリ22d、行番号表示モードメモリ22e、支払額メモリ22fが確保される。なお、前記一般電卓20Bの場合は前記PRINTモードメモリ22bを備えない。
前記PRINTモードメモリ22bには、前記[PRT](プリントモード)キー11aが操作される毎に切り替えられるプリントモードON又はプリントモードOFFの設定データが記憶される。なお、プリントモードONの状態では、計算データの入力・合計(支払額)・お釣りが確定(表示/印刷指示)する毎に印刷が行われる。
前記計算データメモリ22cには、ユーザ操作に応じて入力された一連の計算データが受け付けられて、順次増加される行番号に対応付けられたメモリエリアに保存される。
図3、図4は、前記プリンタ付き電卓10Aの計算データメモリ22cに保存された計算データの具体例を示す図である。図3は入力された計算データの合計(支払額)データに対して[CHANGE]キー11dに従い異なる預り額データから繰り返しお釣りデータを再計算した場合に当該再計算に対応する計算データを上書きして保存する具体例(第1実施形態(行番号表示モード1〜3))を示す図、図4は入力された計算データの合計(支払額)データに対して[CHANGE]キー11dに従い異なる預り額データから繰り返しお釣りデータを再計算した場合に当該再計算に対応する計算データも新規に続けて保存する具体例(第2実施形態(行番号表示モード4))を示す図である。
前記行番号データ/行番号仮表示データメモリ22dには、前記数値データと演算データを含む一連の計算データを受け付けて保存する計算データ保存モード、前記[REPRINT]キー11eの操作に応じたリプリントモード(保存データ印刷モード)の各モードにおいて、前記計算データメモリ22cの処理対象とするメモリエリアの行番号のデータが記憶される。また、前記行番号データ/行番号仮表示データメモリ22dには、前記計算データメモリ22cの処理対象とするメモリエリアの行番号のデータとは別に、前記[CHANGE]キー11dに従い異なる預り額データから繰り返しお釣りデータを再計算する場合に、前記表示部12の行番号の状態表示エリアに仮表示する行番号(仮表示)のデータが記憶される。
ここで、前記行番号(仮表示)のデータについて説明する。
前記預り額データとしての数値データが入力され、[CHANGE](お釣り機能)キー11dの操作に従いお釣りデータが計算されて表示された直後に数値データが再入力された場合、当該再入力された数値データが、お釣りデータを再計算するために入力された数値データ(預り額データ)であるのか、次の計算の被演算数として入力された数値データであるかが不明である。
この場合、行番号表示モード1では、前記行番号(仮表示)のデータを「―――」(又は空白)として仮表示させ、前記再入力された数値データの保存先の行番号を示さない。
また、行番号表示モード2では、前記再入力された数値データがお釣りデータを再計算するための預り額データであると仮定し、直前のお釣りデータの保存先である現在の行番号を(−1)した前記預り額データの上書き先となる行番号(仮表示)のデータを表示させる。
また、行番号表示モード3では、前記再入力された数値データが次の計算の被演算数として入力された数値データであると仮定し、直前のお釣りデータの保存先である現在の行番号を(+1)した新たな行番号(仮表示)のデータを表示させる。
なお、行番号表示モード4では、前記再入力された数値データが、お釣りデータを再計算するための預り額データであるか、次の計算の被演算数として入力された数値データであるかに関係なく、その数値データは順次更新される次の行番号のデータに対応する計算データメモリ22cのメモリエリアに保存されるので、当該計算データメモリ22cの処理対象とするメモリエリアの行番号のデータがそのまま表示され、前記行番号(仮表示)による表示は行われない。
前記行番号表示モードメモリ22eには、前記行番号表示モード1〜4の中からユーザ操作に応じて設定された何れかの行番号表示モードnのデータが記憶される。
前記支払額メモリ22fには、前記数値データと演算データ「+」「−」「×」「÷」と実行機能データ「=」との組み合わせからなる計算データが入力された際に、当該実行機能データ「=」が入力される直前までに入力された数値までの合計(計算結果)データが支払額データとして記憶される。
なお、前記支払額メモリ22fに記憶された合計(計算結果)データは、電源ON時の初期設定処理の際、又は前記[AC](オールクリア)キー11bが操作された際、又は前記[=](実行機能)キー11cが操作された後の最初の数値データが入力された際にクリアされる。
このように構成されたプリンタ付き電卓10Aは、前記CPU21が前記計算機制御プログラム(計算データ表示処理プログラム22a含む)に記述された命令に従い回路各部の動作を制御し、ソフトウエアとハードウエアとが協働して動作することにより、以下の動作説明で述べるような、各種の計算機能や計算データの表示・印刷機能を実現する。
次に、前記構成のプリンタ付き電卓10Aの動作について説明する。
図5,図6,図7は、前記プリンタ付き電卓10Aの計算データ表示処理(その1,2,3(行番号表示モード切替え処理))を示すフローチャートである。
図8は、前記計算データ表示処理(その1)における行番号仮表示処理(SA)を示すフローチャートである。
前記プリンタ付き電卓10Aにおいて、ユーザ操作に応じて電源がONにされると、CPU21により、この電源のONに応じた初期設定の処理として、前記PRINTモードメモリ22bにプリントモード(ON)の設定データが記憶され、動作モードが計算データ保存モードに設定され、前記行番号データ/行番号仮表示データメモリ22dに行番号“0”のデータが記憶される(ステップS1)。
前記プリントモード(ON)の状態で、前記[PRT](プリントモード)キー11aが操作されると(ステップS2(Yes))、前記プリントモード(ON)の設定データがプリントモード(OFF)の設定データに切り替えられる(ステップS3)。
このように前記プリンタ付き電卓10Aでは、前記[PRT](プリントモード)キー11aの操作に応じて、プリントモード(ON)での動作状態とするか、プリントモード(OFF)での動作状態とするかを切り替えて設定することができる。
図9は、前記計算データ表示処理(その3(行番号表示モード切替え処理))でのユーザ操作に応じた表示動作を示す図である。
図9(A)に示すように、ユーザにより、[AC](オールクリア)キー11bと[CHANGE](お釣り機能)キー11dが同時に操作されると(ステップS4,S5(Yes))、行番号表示モードの設定を行なう表示状態となり、先ず、初期設定で行番号表示モード「1」の設定データが行番号表示モードメモリ22eに記憶される(ステップS5a)。
ここで、[=](実行機能)キー11cが操作されると、図9(A)→(B)→(C)→(D)→(A)に示すように、当該[=]キー11cの操作毎に、前記行番号表示モードが「1」→「2」→「3」→「4」→「1」の順で切り替えられて設定される(ステップS5b(Yes),S5c)。
そして、前記[=]キー11c以外の他のキーが操作されると(ステップS5d(Yes))、前記ステップS2以降の処理に戻る。
(第1実施形態)
図10は、前記計算データ表示処理の第1実施形態(行番号表示モード「1」)のユーザ操作に応じた表示・印刷動作を示す図である。
図10(A1)に示すように、[AC]キー11bが操作されると(ステップS4(Yes))、前記行番号のデータが改めて“0”にクリアされる(ステップS6)。
ここで、前記CPU21により、プリントモード(ON)の状態であると判断されると(ステップS7(Yes))、図10(B1)に示すように、前記プリントモード(ON)の状態での[AC](All Clear)キー11bの操作に応じた印刷であることを示す通常印刷開始マーク「・・0・・」が、前記印刷部13により記録紙Pに対して印刷される(ステップS8)。
そして、図10(A2)に示すように、前記数値キーのユーザ操作に応じて、例えば商品価格である数値データ「120」が入力されると(ステップS9(Yes))、前記行番号のデータが(+1)されて“01”に更新され、前記表示部12に対して、前記入力された数値データ「120」が行番号“01”に対応付けて表示される(ステップS11)。この際、前記行番号のデータが“0”であった場合には、前記計算データメモリ22cの内容をクリアしてから前記行番号が“01”に更新される。
ここで、図10(A3)に示すように、[+](加算)キーが操作されると(ステップS12(Yes))、前記行番号データ/行番号仮表示データメモリ22dに記憶されている現在の行番号“01”に対応した前記計算データメモリ22c(図3(A)参照)のメモリエリアに、前記表示された数値データ「120」と前記[+](加算)キーにより入力された演算データ「+」からなる計算データが保存される(ステップS13)。
そして、前記入力された演算データ「+」のシンボル“+”が表示部12に表示される(ステップS14)。なお、前記数値データと演算データとの組み合わせを2回以上連続して入力する連続計算が行われた場合は、直前に入力した数値データまでを含む合計(計算結果)データが表示される。
ここで、前記プリントモード(ON)の状態であると判断されると(ステップS15(Yes))、図10(B1)に示すように、前記計算データメモリ22cの現在の行番号“01”に対応して保存された数値データ“120”と演算データ「+」が、前記記録紙Pに対して印刷される(ステップS16)。
この後、図10(A4)に示すように、次の商品価格である数値データ“240”が入力されると(ステップS9(Yes))、前記同様に、行番号データ/行番号仮表示データメモリ22dに記憶されている行番号が(+1)されて“02”に更新され、前記表示部12に対して、前記入力された数値データ“240”が行番号“02”に対応付けて表示される(ステップS11)。
そして、図10(A5)に示すように、[=](実行機能)キー11cが操作されると(ステップS17(Yes))、前記入力された数値データ“240”と前記[=]キー11cに対応した実行機能データ「=」が、前記計算データメモリ22cの現在の行番号“02”に対応したメモリエリアに保存される(ステップS18)。
すると、行番号データ/行番号仮表示データメモリ22dに記憶されている行番号が(+1)されて“03”に更新され、前記計算データメモリ22cに保存された一連の計算データ「120+240=」の計算が実行され、その合計(計算結果)データ“360”が行番号“03”に対応付けて表示される。また、前記合計(計算結果)データ“360”が、前記計算データメモリ22cの現在の行番号“03”に対応したメモリエリアに保存される(ステップS19)。
また、前記合計(計算結果)データ“360”は、支払額メモリ22fに保存される(ステップS20)。
そして、プリントモード(ON)の状態であると判断されると(ステップS21(Yes))、図10(B1)に示すように、前記計算データメモリ22cの行番号“02”に対応して保存された数値データ“240”と実行機能データ「=」、及び現在の行番号“03”に対応して保存された合計(計算結果)データ“360”が、前記記録紙Pに対して印刷される(ステップS22)。
ここで、ユーザ(店員)が、前記合計(計算結果)データである支払額データ“360”を対象に、顧客からの預り額に対するお釣りの計算を行なうために、図10(A6)(A7)に示すように、預り額としての数値データ(第1数値データ)“500”を入力し(ステップS9,S11(行番号“04”に更新))、[CHANGE](お釣り機能)キー11dを操作すると(ステップS23(Yes))、その直前にユーザ操作された機能がお釣り機能データ「CHANGE」であるか否か、つまりお釣りの計算を行なった直後であるか否かが判断される(ステップS24)。
ここでは、直前にユーザ操作された機能がお釣り機能データ「CHANGE」ではなく、お釣りの計算を行なった直後ではないと判断されるので(ステップS24(No))、前記図10(A6)に示すように表示された預り額データとしての数値データ(第1数値データ)“500”から前記支払額メモリ22fに記憶されている支払額データ“360”を減算した計算結果データ“140”が、図10(A7)に示すように、お釣りデータ(第1お釣りデータ)として表示される(ステップS25)。
そして、前記計算データメモリ22cの現在の行番号“04”のメモリエリアに、前記預り額データ“500”とお釣り機能データ「CHANGE」とが保存され、更に、前記行番号が(+1)されて“05”に更新され、前記計算結果データであるお釣りデータ“140”が保存される(ステップS26)。
そして、前記プリントモード(ON)である場合は(ステップS27(Yes))、図10(B2)に示すように、前記計算データメモリ22cに保存された預り額データ“500”とお釣りデータ“140”が記録紙Pに印刷される(ステップS28)。
ここで、例えば、前記顧客が前記お釣りデータ(第1お釣りデータ)“140”の端数を無くしたいために、図10(A8)に示すように、ユーザ(店員)が、前記顧客から改めて差し出された預り額としての数値データ“560”を入力すると(ステップS9(Yes))、その直前にユーザ操作された機能がお釣り機能データ「CHANGE」である、つまりお釣りの計算を行なった直後であると判断され(ステップS10(Yes))、図8における行番号仮表示処理に移行される(ステップSA)。
前記行番号仮表示処理では、先ず、前記行番号表示モードメモリ22eに記憶されている行番号表示モードの設定データに基づき、現在の行番号表示モードが「1」「2」「3」の何れであるかが判断される(ステップA1,A2)。
ここで、現在の行番号表示モード「1」と判断されると(ステップA1(Yes))、前記行番号データ/行番号仮表示データメモリ22dに行番号(仮表示)データ「―――」(又は空白)が記憶される(ステップA3)。
すると、現在の行番号“05”が(+1)されて“06”に更新されるものの、ここでは、図10(A8)に示すように、前記入力された数値データ“560”が前記行番号(仮表示)データ“―――”に対応付けられて表示される(ステップS11)。
すなわちここでは、前記入力された数値データ“560”について、本電卓10Aとしては、当該数値データ“560”がお釣りデータを再計算するために入力された数値データ(預り額データ)であるのか、次の計算の被演算数として入力された数値データであるかが不明であるため、前記行番号(仮表示)データ「―――」(又は空白)を表示させ、前記入力された数値データ“560”の保存先の行番号を示さない。
そして、図10(A9)に示すように、[CHANGE](お釣り機能)キー11dが操作されると(ステップS23(Yes))、直前にユーザ操作された機能がお釣り機能データ「CHANGE」であり、お釣りの計算を行なった直後である(つまり今回の[CHANGE](お釣り機能)キー11dの入力は繰り返しの入力である)と判断される(ステップS24(Yes))。
すると、現在の行番号“06”が(−2)されて“04”に更新され(ステップS24a)、前記図10(A8)に示すように表示された今回の預り額データとしての数値データ(第2数値データ)“560”から前記支払額メモリ22fに記憶されている支払額データ“360”を減算した計算結果データ(第2お釣りデータ)“200”が、図10(A9)に示すように、お釣りデータとして改めて表示される(ステップS25)。
そして、図3(B)に示すように、前記計算データメモリ22cの現在の行番号“04”のメモリエリアに、前記預り額データ(第2数値データ)“560”とお釣り機能データ「CHANGE」とが上書きで保存され、更に、前記行番号が(+1)されて“05”に更新され、前記計算結果データであるお釣りデータ(第2お釣りデータ)“200”が上書きで保存される(ステップS26)。
そして、前記プリントモード(ON)である場合は(ステップS27(Yes))、図10(B3)に示すように、前記計算データメモリ22eに改めて保存された預り額データ“560”とお釣りデータ“200”が記録紙Pに印刷される(ステップS28)。
ここで、図10(A10)に示すように、ユーザが、次の計算の被演算数としての数値データ“5”を入力すると(ステップS9(Yes))、前記同様に、お釣りの計算を行なった直後であると判断され(ステップS10(Yes))、図8における行番号仮表示処理に移行される(ステップSA)。
そして、現在の行番号表示モード「1」と判断され(ステップA1(Yes))、前記行番号データ/行番号仮表示データメモリ22dに行番号(仮表示)データ「―――」(又は空白)が記憶される(ステップA3)。
すると、現在の行番号“05”が(+1)されて“06”に更新されるものの、ここでは、図10(A10)に示すように、前記入力された数値データ“5”が前記行番号(仮表示)データ“―――”に対応付けられて表示される(ステップS11)。
すなわちここでは、前記入力された数値データ“5”について、本電卓10Aとしては、当該数値データ“5”がお釣りデータを再計算するために入力された数値データ(預り額データ)であるのか、次の計算の被演算数として入力された数値データであるかが不明であるため、前記行番号(仮表示)データ「―――」(又は空白)を表示させ、前記入力された数値データ“5”の保存先の行番号を示さない。
そして、図10(A11)に示すように、[×](乗算)キーが操作されると(ステップS12(Yes))、現在の行番号“06”に対応した前記計算データメモリ22c(図3(B)参照)のメモリエリアに、前記表示された数値データ「5」と前記[×](乗算)キーにより入力された演算データ「×」からなる計算データが保存される(ステップS13)。
そして、前記入力された演算データ「×」のシンボル“×”が表示部12に表示される(ステップS14)。
ここで、前記プリントモード(ON)の状態であると判断されると(ステップS15(Yes))、図10(B3)に示すように、前記計算データメモリ22cの現在の行番号“06”に対応して保存された数値データ“5”と演算データ「×」が、前記記録紙Pに対して印刷される(ステップS16)。
この後、図10(A12)に示すように、前記被演算数“5”に対する演算数である数値データ“110”が入力されると(ステップS9(Yes))、前記同様に、現在の行番号が(+1)されて“07”に更新され、前記表示部12に対して、前記入力された数値データ“110”が行番号“07”に対応付けて表示される(ステップS11)。
そして、図10(A13)に示すように、[=](実行機能)キー11cが操作されると(ステップS17(Yes))、前記入力された数値データ“110”と前記[=]キー11cに対応した実行機能データ「=」が、前記計算データメモリ22cの現在の行番号“07”に対応したメモリエリアに保存される(ステップS18)。
すると、現在の行番号が(+1)されて“08”に更新され、前記計算データメモリ22cに保存された一連の計算データ「5×110=」の計算が実行され、その合計(計算結果)データ“550”が行番号“08”に対応付けて表示される。また、前記合計(計算結果)データ“110”が、前記計算データメモリ22cの現在の行番号“08”に対応したメモリエリアに保存される(ステップS19)。
そして、プリントモード(ON)の状態であると判断されると(ステップS21(Yes))、図10(B3)に示すように、前記計算データメモリ22cの行番号“07”に対応して保存された数値データ“110”と実行機能データ「=」、及び現在の行番号“08”に対応して保存された合計(計算結果)データ“550”が、前記記録紙Pに対して印刷される(ステップS22)。
この後、ユーザが、前記合計(計算結果)データである支払額データ「360」と最終の預り額データ「560」とお釣りデータ「200」も含めた印刷の控えを得るために、図10(A14)に示すように、[REPRINT](保存データ印刷)キー11eを操作すると(ステップS29(Yes))、図10(B4)に示すように、前記[REPRINT]キー11eの操作に応じた一連の計算データの印刷であることを示す保存データ印刷開始マーク「・・・・0・・・・」が記録紙Pに印刷される(ステップS30)。
そして、前記計算データメモリ22c(図3(B)参照)に保存されている一連の計算データが読み出され、図10(B4)に示すように、前記記録紙Pに「120+」「240=」「360*」「560」「200C=」「5×」「110=」「550」として再印刷される(ステップS31)。
これにより、一連の計算データに対応した合計(計算結果)データである支払額データに対して、預り額データを入力してお釣りデータを一旦計算し表示させた直後に、異なる預り額データを再入力してお釣りデータを再計算するための数値データ(預り額データ)を入力したり、次の計算のための数値データを入力したりすることがあっても、当該入力された数値データは、前記行番号仮表示処理(モード1)に従い行番号(仮表示)データ“―――”(又は空白)に対応付けられて表示されるので、本電卓10Aとして、当該入力された数値データの保存先が現時点では不明であることを明確に示すことができる。
よって、預り額を入力してお釣りを計算した後に、繰り返し新たな預り額を入力してお釣りを再計算した場合でも、その再計算の操作に応じてユーザに分かり易い行番号を表示することが可能になる。
なお、前記プリンタ付き電卓10Aではなく、一般電卓10Bの場合は、前記計算データ表示処理のうち印刷に係る処理(ステップS2,S3,S7,S8,S15,S16,S21,S22,S27〜S31/図10(A14)(B1〜B4))を備えないだけであり、その他の処理は同じになる。
図11は、前記計算データ表示処理の第1実施形態(行番号表示モード「2」「3」)のユーザ操作に応じた表示動作を示す図であり、同図(A1)〜(A13)は行番号表示モード「2」に応じた表示動作を示す図、同図(B1)〜(B13)は行番号表示モード「3」に応じた表示動作を示す図である。
(行番号表示モード「2」)
前記図11(A1)〜(A13)に示す行番号表示モード「2」に応じた表示動作では、前記図10(A1)〜(A13)で示した行番号表示モード「1」に応じた表示動作に対して、お釣りデータを一旦計算して表示させた直後に数値データを入力したときの行番号(仮表示)データの表示動作(図11(A8)(A10))が異なる。
すなわち、図11(A1)〜(A5)に示すように計算された合計(計算結果)データ(支払額データ)“360”を対象に、図11(A6)に示すように、預り額データとしての数値データ“500”を入力し(ステップS9,S11)、図11(A7)に示すように、[CHANGE](お釣り機能)キー11dを操作する(ステップS23(Yes))。
すると、前記預り額データとしての数値データ(第1数値データ)“500”から前記支払額データ“360”を減算した計算結果データ“140”がお釣りデータ(第1お釣りデータ)として表示され(ステップS25)、現在の行番号“04”のメモリエリア(図3(A)参照)に、前記預り額データ“500”とお釣り機能データ「CHANGE」が保存され、更に、前記行番号が(+1)されて“05”に更新され、前記計算結果データであるお釣りデータ“140”が保存される(ステップS26)。
ここで、図11(A8)に示すように、ユーザ(店員)が、顧客から改めて差し出された預り額としての数値データ(第2数値データ)“560”を入力すると(ステップS9(Yes))、前記同様に、その直前にユーザ操作された機能がお釣り機能データ「CHANGE」である、つまりお釣りの計算を行なった直後であると判断され(ステップS10(Yes))、図8における行番号仮表示処理に移行される(ステップSA)。
前記行番号仮表示処理において、現在の行番号表示モード「2」と判断されると(ステップA2(Yes))、前記行番号データ/行番号仮表示データメモリ22dにおいて、現在の行番号“05”を(−1)した行番号(仮表示)データ「04」が記憶される(ステップA4)。
すると、前記現在の行番号“05”が(+1)されて“06”に更新されるものの、ここでは、図11(A8)に示すように、前記入力された数値データ(預り額データ)“560”が前記行番号(仮表示)データ“04”に対応付けられて表示される(ステップS11)。
すなわちここでは、前記入力された数値データ(第2数値データ)“560”について、本電卓10Aとしては、お釣りデータを再計算するための預り額データであると仮定し、直前のお釣りデータ(第1お釣りデータ)“140”の保存先である行番号“05”を(−1)した前記預り額データの上書き先となる行番号(仮表示)データ“04”を表示させる。
そして、図11(A9)に示すように、[CHANGE](お釣り機能)キー11dが操作されると(ステップS23(Yes))、直前にユーザ操作された機能がお釣り機能データ「CHANGE」であり、お釣りの計算を行なった直後である(つまり今回の[CHANGE](お釣り機能)キー11dの入力は繰り返しの入力である)と判断される(ステップS24(Yes))。
すると、現在の行番号“06”が(−2)されて“04”に更新され(ステップS24a)、前記図11(A8)に示すように表示された今回の預り額データとしての数値データ“560”から前記支払額メモリ22fに記憶されている支払額データ“360”を減算した計算結果データ(第2お釣りデータ)“200”が、図11(A9)に示すように、お釣りデータとして改めて表示される(ステップS25)。
そして、前記同様に、図3(B)に示すように、前記計算データメモリ22cの現在の行番号“04”のメモリエリアに、前記預り額データ(第2数値データ)“560”とお釣り機能データ「CHANGE」とが上書きで保存され、更に、前記行番号が(+1)されて“05”に更新され、前記計算結果データであるお釣りデータ(第2お釣りデータ)“200”が上書きで保存される(ステップS26)。
ここで、図11(A10)に示すように、ユーザが、次の計算の被演算数としての数値データ“5”を入力すると(ステップS9(Yes))、前記同様に、お釣りの計算を行なった直後であると判断され(ステップS10(Yes))、図8における行番号仮表示処理に移行される(ステップSA)。
すると、現在の行番号表示モード「2」と判断され(ステップA2(Yes))、前記行番号データ/行番号仮表示データメモリ22dにおいて、現在の行番号“05”を(−1)した行番号(仮表示)データ「04」が記憶される(ステップA4)。
そして、現在の行番号“05”が(+1)されて“06”に更新されるものの、ここでは、図11(A10)に示すように、前記入力された数値データ“5”が前記行番号(仮表示)データ“04”に対応付けられて表示される(ステップS11)。
すなわちここでも、前記入力された数値データ“5”について、本電卓10Aとしては、お釣りデータを再計算するための預り額データであると仮定し、直前のお釣りデータ“200”の保存先である行番号“05”を(−1)した行番号(仮表示)データ“04”を表示させる。
そして、図11(A11)に示すように、[×](乗算)キーが操作されると(ステップS12(Yes))、現在の行番号“06”に対応した前記計算データメモリ22c(図3(B)参照)のメモリエリアに、前記表示された数値データ「5」と前記[×](乗算)キーにより入力された演算データ「×」からなる計算データが保存される(ステップS13)。
これにより、一連の計算データに対応した合計(計算結果)データである支払額データに対して、預り額データを入力してお釣りデータを一旦計算して表示させた直後に、異なる預り額データを再入力してお釣りデータを再計算するための数値データ(預り額データ)を入力したり、次の計算のための数値データを入力したりすることがあっても、前記行番号仮表示処理(モード2)に従い、当該入力された数値データは、お釣りデータを再計算するための預り額データであると仮定され、直前のお釣りデータの計算に伴い入力された預り額データの保存先である行番号(仮表示)データ“04”に対応付けられて表示される。このため、本電卓10Aとして、前記入力された数値データの保存先が現時点ではお釣りデータ再計算のために預り額データを上書きする保存先であることを明確に示すことができる。
よって、預り額を入力してお釣りを計算した後に、繰り返し新たな預り額を入力してお釣りを再計算した場合でも、その再計算の操作に応じてユーザに分かり易い行番号を表示することが可能になる。
(行番号表示モード「3」)
前記図11(B1)〜(B13)に示す行番号表示モード「3」に応じた表示動作でも、前記行番号表示モード「2」の場合と同様に、前記図10(A1)〜(A13)で示した行番号表示モード「1」に応じた表示動作に対して、お釣りデータを一旦計算して表示させた直後に数値データを入力したときの行番号(仮表示)データの表示動作(図11(B8)(B10))が異なる。
すなわち、図11(B1)〜(B5)に示すように計算された合計(計算結果)データ(支払額データ)“360”を対象に、図11(B6)に示すように、預り額データとしての数値データ(第1数値データ)“500”を入力し(ステップS9,S11)、図11(B7)に示すように、[CHANGE](お釣り機能)キー11dを操作する(ステップS23(Yes))。
すると、前記預り額データとしての数値データ(第1数値データ)“500”から前記支払額データ“360”を減算した計算結果データ(第1お釣りデータ)“140”がお釣りデータとして表示され(ステップS25)、現在の行番号“04”のメモリエリア(図3(A)参照)に、前記預り額データ“500”とお釣り機能データ「CHANGE」が保存され、更に、前記行番号が(+1)されて“05”に更新され、前記計算結果データであるお釣りデータ(第1お釣りデータ)“140”が保存される(ステップS26)。
ここで、前記同様に、図11(B8)に示すように、ユーザ(店員)が、顧客から改めて差し出された預り額としての数値データ“560”(第2数値データ)を入力すると(ステップS9(Yes))、その直前にユーザ操作された機能がお釣り機能データ「CHANGE」である、つまりお釣りの計算を行なった直後であると判断され(ステップS10(Yes))、図8における行番号仮表示処理に移行される(ステップSA)。
前記行番号仮表示処理において、現在の行番号表示モード「3」と判断されると(ステップA2(No))、前記行番号データ/行番号仮表示データメモリ22dにおいて、現在の行番号“05”を(+1)した行番号(仮表示)データ「06」が記憶される(ステップA5)。
すると、前記現在の行番号“05”が(+1)されて“06”に更新されるものの、ここでは、図11(B8)に示すように、前記入力された数値データ(預り額データ)“560”が前記行番号(仮表示)データ“06”に対応付けられて表示される(ステップS11)。
すなわちここでは、前記入力された数値データ“560”(第2数値データ)について、本電卓10Aとしては、次の計算の被演算数として入力された数値データであると仮定し、直前のお釣りデータ(第1お釣りデータ)“140”の保存先である行番号“05”を(+1)した新たな行番号(仮表示)のデータ“06”を表示させる。
そして、図11(B9)に示すように、[CHANGE](お釣り機能)キー11dが操作されると(ステップS23(Yes))、直前にユーザ操作された機能がお釣り機能データ「CHANGE」であり、お釣りの計算を行なった直後である(つまり今回の[CHANGE](お釣り機能)キー11dの入力は繰り返しの入力である)と判断される(ステップS24(Yes))。
すると、現在の行番号“06”が(−2)されて“04”に更新され(ステップS24a)、前記図11(B8)に示すように表示された今回の預り額データとしての数値データ(第2数値データ)“560”から前記支払額メモリ22fに記憶されている支払額データ“360”を減算した計算結果データ(第2お釣りデータ)“200”が、図11(B9)に示すように、お釣りデータとして改めて表示される(ステップS25)。
そして、前記同様に、図3(B)に示すように、前記計算データメモリ22cの現在の行番号“04”のメモリエリアに、前記預り額データ(第2数値データ)“560”とお釣り機能データ「CHANGE」とが上書きで保存され、更に、前記行番号が(+1)されて“05”に更新され、前記計算結果データであるお釣りデータ(第2お釣りデータ)“200”が上書きで保存される(ステップS26)。
ここで、図11(B10)に示すように、ユーザが、次の計算の被演算数としての数値データ“5”を入力すると(ステップS9(Yes))、前記同様に、お釣りの計算を行なった直後であると判断され(ステップS10(Yes))、図8における行番号仮表示処理に移行される(ステップSA)。
すると、現在の行番号表示モード「3」と判断され(ステップA2(No))、前記行番号データ/行番号仮表示データメモリ22dにおいて、現在の行番号“05”を(+1)した行番号(仮表示)データ「06」が記憶される(ステップA5)。
そして、現在の行番号“05”が(+1)されて“06”に更新されるものの、ここでは、図11(B10)に示すように、前記入力された数値データ“5”が前記行番号(仮表示)データ“06”に対応付けられて表示される(ステップS11)。
すなわちここでも、前記入力された数値データ“5”について、本電卓10Aとしては、次の計算の被演算数として入力された数値データであると仮定し、直前のお釣りデータ“200”の保存先である行番号“05”を(+1)した新たな行番号(仮表示)のデータ“06”を表示させる。
そして、図11(B11)に示すように、[×](乗算)キーが操作されると(ステップS12(Yes))、現在の行番号“06”に対応した前記計算データメモリ22c(図3(B)参照)のメモリエリアに、前記表示された数値データ「5」と前記[×](乗算)キーにより入力された演算データ「×」からなる計算データが保存される(ステップS13)。
これにより、一連の計算データに対応した合計(計算結果)データである支払額データに対して、預り額データを入力してお釣りデータを一旦計算して表示させた直後に、異なる預り額データを再入力してお釣りデータを再計算するための数値データ(預り額データ)を入力したり、次の計算のための数値データを入力したりすることがあっても、前記行番号仮表示処理(モード3)に従い、当該入力された数値データは、次の計算の被演算数として入力された数値データであると仮定され、現在の行番号“05”を(+1)した新たな行番号(仮表示)データ“06”に対応付けられて表示される。このため、本電卓10Aとして、前記入力された数値データの保存先が、現時点では次の計算のために入力された数値データの保存先であることを明確に示すことができる。
よって、預り額を入力してお釣りを計算した後に、繰り返し新たな預り額を入力してお釣りを再計算した場合でも、その再計算の操作に応じてユーザに分かり易い行番号を表示することが可能になる。
なお、前記行番号表示モード「3」での計算データ表示処理では、図11(B8)で示したように、お釣りデータを計算した直後に入力した数値データ(ここでは、預り額データ)“560”について、次の計算の被演算数として入力した数値データであると仮定し、現在の行番号“05”を(+1)した行番号(仮表示)データ“06”に対応付けて表示した(S9,S10,SA,S11)。そして、図11(B9)で示したように、[CHANGE](お釣り機能)キー11dの操作に従い、繰り返しのお釣りデータの計算であるとの判断から、前記入力した数値データ(預り額データ)“560”とお釣り機能データ「CHANGE」を、前回の預り額データの保存先である行番号“04”のメモリエリアに上書きして保存し、今回のお釣りデータ“200”を、行番号“05”のメモリエリアに上書きして保存し、当該行番号“05”に対応付けて表示した(S23,S24,S24a,S25,S26)。
これに対し、前記[CHANGE](お釣り機能)キー11dの操作に従い、繰り返しのお釣りデータの計算であると判断した場合は、図11(B8´)に示すように、前記入力した数値データ(預り額データ)“560”を、その保存先(上書き先)である行番号“04”に対応付けて表示した後に、図11(B9)で示したように、今回のお釣りデータ“200”を、行番号“05”に対応付けて表示することで、再入力された数値データ(預り額データ)“560”から再計算されたお釣りデータ“200”までの上書きによる保存先をより分かり易く表示する構成としてもよい。
したがって、前記構成の電卓10(10A,10B)によれば、ユーザ操作に応じて、数値データと演算データ「+」「−」「×」「÷」の組み、数値データと実行機能データ「=」の組み、数値データ(預り額)とお釣り機能データ「CHANGE」の組みからなる一連の計算データが順次入力されて表示される際と、前記実行機能データ「=」の入力に応じて計算実行された合計(計算結果)データが表示される際と、前記お釣り機能データ「CHANGE」の入力に応じて計算されたお釣りデータが表示される際とにおいて、表示されたそれぞれの計算データを順次、計算データメモリ22cの行番号に対応付けて保存する計算データ保存モードを有し、前記それぞれの計算データはその保存先である行番号に対応付けて表示される。
前記お釣りデータが一旦計算された直後に、繰り返し数値データ(預り額)とお釣り機能データ「CHANGE」が入力されてお釣りデータが再計算されると、再計算に伴う数値データ(預り額)とお釣り機能データ「CHANGE」の組みとそのお釣りデータは、直前のお釣りデータの計算に応じて保存された各データに上書きされて保存される。
そして、前記お釣りデータが一旦計算された直後に、数値データが再入力された場合、当該再入力された数値データは、行番号表示モード「1」では、当該数値データがお釣りデータ再計算のための預り額データなのか次の計算のための数値データなのか不明のため、行番号(仮表示)データ「―――」(又は空白)に対応付けて表示させるようにしている。また、行番号表示モード「2」では、前記再入力された数値データは、お釣りデータを再計算するための預り額データであると仮定し、直前のお釣りデータの保存先である現在の行番号を(−1)した前回の預り額データの保存先に対応する行番号(仮表示)データに対応付けて表示させる。また、行番号表示モード「3」では、前記再入力された数値データは、次の計算の被演算数として入力された数値データであると仮定し、直前のお釣りデータの保存先である現在の行番号を(+1)した次の計算データの保存先に対応する行番号(仮表示)データに対応付けて表示させる。
この後、[CHANGE](お釣り機能)キー11dが入力された場合は、前記再入力された数値データは預り額データ(第2数値データ)として上書きで保存され、[+][−][×][÷]の演算データが入力された場合は、前記再入力された数値データは次の計算のための数値データとして次の行番号に対応付けて保存される。行番号表示モード「1」では、ユーザにより[CHANGE](お釣り機能)が操作されると、前記第2数値データから前記支払額データを減算した第2お釣りデータを算出する。
これにより、例えば、ユーザは、お釣りデータの再計算を行なう機会が頻繁にあるか無いかに応じて、予め前記行番号表示モード「1〜4」の何れかを選択して設定しておくことで、預り額を入力してお釣りを計算した後に、繰り返し新たな預り額を入力してお釣りを再計算した場合でも、その再計算の操作に応じてユーザに分かり易い行番号を表示させることが可能になる。
そして、前記行番号表示モード「1〜3」の何れかに設定した場合は、お釣りデータの再計算に従い入力された数値データ(預り額データ)と再計算されたお釣りデータは、前記計算データメモリ22cの前回入力された数値データ(預り額データ)と前回計算されたお釣りデータの保存先に上書きで保存されるので、繰り返しお釣りデータを計算することがあっても、前記計算データメモリ22cのメモリエリアを節約して使用できる。
なお、前記各実施形態において記載した電卓10(10A,10B)による各処理の手法、すなわち、図5,図6,図7のフローチャートに示す計算データ表示処理(その1〜3)、図8のフローチャートに示す前記計算データ表示処理での行番号仮表示処理等の各手法は、何れもコンピュータに実行させることができるプログラムとして、メモリカード(ROMカード、RAMカード等)、磁気ディスク(フロッピ(登録商標)ディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等の外部記録装置の媒体に格納して配布することができる。そして、表示機能を備えた電子式計算機のコンピュータ(CPU)は、この外部記録装置の媒体に記録されたプログラムを記憶装置に読み込み、この読み込んだプログラムによって動作が制御されることにより、前記各実施形態において説明した計算データ表示機能を実現し、前述した手法による同様の処理を実行することができる。
また、前記各手法を実現するためのプログラムのデータは、プログラムコードの形態として通信ネットワーク(N)上を伝送させることができ、この通信ネットワーク(N)に接続されたコンピュータ装置(プログラムサーバ)から前記プログラムのデータを、表示機能を備えた電子式計算機に取り込んで記憶装置に記憶させ、前述した計算データ表示機能を実現することもできる。
本願発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、前記各実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、各実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されたり、幾つかの構成要件が異なる形態にして組み合わされても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除されたり組み合わされた構成が発明として抽出され得るものである。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[請求項1]
ユーザ操作に応じて入力された計算データに基づいて支払額データを算出する支払額算出手段と、
前記支払額算出手段により支払額データが算出された後に、ユーザ操作に応じて第1数値データが入力された状態で、ユーザにより第1操作が行われると、前記第1数値データから前記支払額データを減算した第1お釣りデータを算出する第1お釣り算出手段と、
前記計算データと、前記支払額データと、前記第1数値データと、前記第1お釣りデータとを含む表示データを表示させるとともに、前記表示データを表示させる際に順次更新される各行番号を対応付けて表示させる計算データ表示制御手段と、
を備え、
前記計算データ表示制御手段は、前記第1お釣りデータが表示された状態でユーザ操作に応じて第2数値データが入力されると、前記第2数値データと前記更新される行番号に代わる仮表示データとを併せて表示させる、
計算装置。
[請求項2]
前記計算データ表示制御手段により前記第2数値データと前記仮表示データとが表示された状態で、ユーザにより前記第1操作が行われると、前記第2数値データから前記支払額データを減算した第2お釣りデータを算出する第2お釣り算出手段を備え、
前記計算データ表示制御手段は、前記第2お釣りデータが算出されると、前記第2お釣りデータと前記第1お釣りデータに対応づけて表示された行番号とを表示させる、
請求項1に記載の計算装置。
[請求項3]
前記入力された計算データと、前記支払額データと、前記第1数値データと、前記第1お釣りデータとを、前記対応づけて表示された各行番号に対応付けて保存する計算データ保存手段を備え、
前記計算データ保存手段は、前記算出された第2お釣りデータを、前記第1お釣りデータを保存した保存先の行番号に対応付けて上書きして保存する、
請求項2に記載の計算装置。
[請求項4]
前記計算データ表示制御手段は、前記第2お釣りデータと、前記第1お釣りデータを保存した保存先の行番号とを併せて表示させる、
請求項3に記載の計算装置。
[請求項5]
前記計算データ表示制御手段は、前記第1お釣りデータが表示された状態でユーザ操作に応じて第2数値データが入力されると、
第1モードでは、前記更新される行番号に代わる仮表示データとして、行番号を非表示として、所定のマーク又は空白を表示させ、
第2モードでは、前記更新される行番号に代わる仮表示データとして、第1数値データに対応づけられた行番号を表示させる、
請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記載の計算装置。
[請求項6]
前記仮表示データは空白データであるか又は数字以外のマークである、
請求項1に記載の計算装置。
[請求項7]
前記仮表示データは、前記計算データ保存手段により前記第1数値データとしての数値データを保存した保存先の行番号の数値データである、
請求項3に記載の計算装置。
[請求項8]
前記仮表示データは、前記計算データ保存手段により前記第1お釣りデータを保存した保存先の行番号の次の行番号の数値データである、
請求項3に記載の計算装置。
[請求項9]
前記第1操作は、お釣りキーの操作である、請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の計算装置。
[請求項10]
ユーザ操作に応じて入力された計算データに基づいて支払額データを算出する支払額算出ステップと、
前記支払額算出ステップにより支払額データが算出された後に、ユーザ操作に応じて第1数値データが入力された状態で、ユーザにより第1操作が行われると、前記第1数値データから前記支払額データを減算した第1お釣りデータを算出する第1お釣り算出ステップと、
前記計算データと、前記支払額データと、前記第1数値データと、前記第1お釣りデータとを含む表示データを表示させるとともに、前記表示データを表示させる際に順次更新される各行番号を対応付けて表示させる計算データ表示制御ステップと、
を備え、
前記計算データ表示制御ステップは、前記第1お釣りデータが表示された状態でユーザ操作に応じて第2数値データが入力されると、前記第2数値データと前記更新される行番号に代わる仮表示データとを併せて表示させる、
ことを特徴とする計算方法。
[請求項11]
計算装置のコンピュータを、
ユーザ操作に応じて入力された計算データに基づいて支払額データを算出する支払額算出手段、
前記支払額算出手段により支払額データが算出された後に、ユーザ操作に応じて第1数値データが入力された状態で、ユーザにより第1操作が行われると、前記第1数値データから前記支払額データを減算した第1お釣りデータを算出する第1お釣り算出手段、
前記計算データと、前記支払額データと、前記第1数値データと、前記第1お釣りデータとを含む表示データを表示させるとともに、前記表示データを表示させる際に順次更新される各行番号を対応付けて表示させる計算データ表示制御手段、
として機能させ、
前記計算データ表示制御手段は、前記第1お釣りデータが表示された状態でユーザ操作に応じて第2数値データが入力されると、前記第2数値データと前記更新される行番号に代わる仮表示データとを併せて表示させる、
コンピュータ読み込み可能なプログラム。