JP2021178440A - 加飾パネル構造及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、良好なレーダ波の透過性能を有しながらも効率よく融雪することができる加飾パネル構造を提供する。【解決手段】本発明は、電熱層4を備えるエンブレム1(加飾パネル構造)であって、エンブレム1の表側に配置されるパネル状の透明カバー部材2と、前記透明カバー部材2の裏面に接合されるレーダ波透過可能な加飾部材3と、を備え、前記電熱層4は、エンブレム1の表裏間で面方向に沿って配置され、前記電熱層4よりもエンブレム1の裏側寄りに前記電熱層4からの熱を断熱する断熱層9をさらに備えることを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、加飾パネル構造及びその製造方法に関する。
従来、オートクルーズ用のレーダ波(ミリ波)を透過するヒータ付きエンブレム(加飾パネル構造)が知られている(例えば、特許文献1参照)。このエンブレムは、フロントグリルの車幅方向略中央にあって、後方のミリ波レーダ装置から発信されるミリ波が透過可能となっている。そして、このエンブレムは、付着した雪をヒータにて除去することによって、雪によるレーダ波(ミリ波)の減衰を抑制している。
特開2017−215242号公報
ところで、従来のエンブレム(例えば、特許文献1参照)は、特に寒冷地において気温が著しく低下すると、エンブレムに付着した雪を十分に除去することができない問題があった。そこで、ヒータでの発熱量を高めるべくエンブレムにおける電熱線の配線密度を高めることも考えられる。
しかしながら、エンブレムにおける電熱線の配線密度を高めると、エンブレムにおけるレーダ波(ミリ波)の透過性能が低下することとなる。そのため、良好なレーダ波(ミリ波)の透過性能を有しながらも効率よく融雪することができるエンブレム(加飾パネル構造)が望まれている。
本発明の課題は、良好なレーダ波の透過性能を有しながらも効率よく融雪することができる加飾パネル構造及びその製造方法を提供することにある。
前記課題を解決した本発明の加飾パネル構造は、電熱層を備える加飾パネル構造であって、加飾パネル構造の表側に配置されるパネル状の透明カバー部材と、前記透明カバー部材の裏面に接合されるレーダ波透過可能な加飾部材と、を備え、前記電熱層は、加飾パネル構造の表裏間で面方向に沿って配置され、前記電熱層よりも加飾パネル構造の裏側寄りに前記電熱層からの熱を断熱する断熱層をさらに備えることを特徴とする。
また、前記課題を解決した本発明の加飾パネル構造の製造方法は、電熱層を含むパネル状の透明カバー部材を備える加飾パネル構造の製造方法であって、前記透明カバー部材の両面のうち裏面側に、断熱性の接着剤層を介して加飾部材を接合する工程を有することを特徴とする。
本発明によれば、良好なレーダ波の透過性能を有しながらも効率よく融雪することができる加飾パネル構造及びその製造方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係る加飾パネル構造(エンブレム)を有する車体前部の部分拡大正面図である。 図1の部分拡大正面図において、フロントグリルを省略した図である。 図2のIII−III断面図である。 図2のIV−IV断面図である。 本発明の実施形態に係る加飾パネル構造(エンブレム)の製造方法の工程説明図であり、透明カバー部材に電熱層を形成する工程説明図である。 本発明の実施形態に係る加飾パネル構造(エンブレム)の製造方法の工程説明図であり、透明カバー部材に着色樹脂の塗膜(加飾層)を形成する工程説明図である。 本発明の実施形態に係る加飾パネル構造(エンブレム)の製造方法の工程説明図であり、透明カバー部材に接着剤層を形成する工程説明図である。 本発明の実施形態に係る加飾パネル構造(エンブレム)の製造方法の工程説明図であり、ベース部材の表面に金属調加飾フィルム(金属調加飾層)を付与する工程説明図である。 図5Dにおける金属調加飾フィルムを構成するインジウムフィルムの表面の様子を模式的に表す部分拡大図である。 図5DにおけるVf部に対応する部分拡大図であり、金属調加飾フィルムのカット位置を示す図である。 本発明の実施形態に係る加飾パネル構造(エンブレム)の製造方法の工程説明図であり、透明カバー部材の凹部に加飾部材を嵌め込む工程説明図である。
次に、本発明を実施するための形態(本実施形態)の加飾パネル構造及びその製造方法について適宜図面を参照しつつ詳細に説明する。
以下では、本実施形態の加飾パネル構造である車両用のエンブレムを例にとって説明した後に、このエンブレムの製造方法について説明する。なお、以下の説明における前後上下の方向は、エンブレムを取り付ける車体の前後上下の方向を基準とする。
なお、本実施形態のエンブレムは、加飾パネル構造の一例であり、後に詳しく説明するように、電熱層を備える加飾パネル構造であって、電熱層よりも加飾パネル構造の裏側寄りに断熱層を備えることを主な特徴とする。したがって、本発明は、このエンブレムに限定されずに、このような特徴点を有する種々の加飾パネル構造に適用することができる。
<エンブレム>
図1は、本実施形態に係るエンブレム1(加飾パネル構造)を有する車体前部の部分拡大正面図である。図2は、図1の部分拡大正面図において、フロントグリルを省略した図である。図3は、図2のIII−III断面図である。
図1に示すように、エンブレム1は、車体前部に配置されるフロントグリル(ラジエータグリルともいう)20の車幅方向の略中央に配置されている。
このようなエンブレム1は、図示しない支持部を介してフロントグリル20の裏面に取り付けられている。
フロントグリル20は、図示しないフロントバルクヘッドの前方に配置されるとともに、フロントバンパフェース21の上部に設けられている。
本実施形態でのエンブレム1は、楕円形状の図柄部分14をフロントグリル20の開口枠20aを介して前方(図1の紙面手前側)に臨ませている。
また、本実施形態でのエンブレム1のうち、フロントグリル20の後方に配置されて隠れる部分は、図1中、隠れ線(点線)で示している。
フロントグリル20を省略した図2に示すように、本実施形態でのエンブレム1は、車体前部における正面視で、略矩形を呈している。
なお、図2中、エンブレム1の図柄部分14は、後記するように、この図柄部分14よりも前方(図2の紙面の手前側)に位置する後記の電熱層4(図3参照)を実線にて示したことで、作図の便宜上、細い隠れ線(点線)にて示している。また、図2中、太い隠れ線(点線)にて示した電熱線4aと端子4bとは、この電熱層4を構成している。また、図2中、符号4dは、端子4bと後記のコネクタピン4c(図4参照)とを電気的に接続する導電ペーストである。
図3に示すように、エンブレム1の後方には、図示を省略したフロントグリル20(図1参照)を介して仮想線(二点鎖線)で示すレーダ装置22が配置されている。このレーダ装置22は、図示しないレーダマウントを介してフロントグリル20(図1参照)の後面に取り付けられている。
ちなみに、本実施形態でのレーダ装置22は、車両前方に向かって、例えば、波長1〜10mm程度のレーダ波(ミリ波)を発信するものを想定しているがこれに限定するものではない。そして、レーダ装置22は、このような送信波を出力し、対応物にて反射された反射波を、電子スキャン方式を用いて複数の受信アンテナにて受信する。これによりレーダ装置22は、反射波の受信結果をオートクルーズシステム(図示省略)に供することとなる。
そして、このようなレーダ波(ミリ波)が透過可能なエンブレム1は、図3に示すように、電熱層4が設けられる透明カバー部材2と、加飾部材3と、背面部材5と、を主に備えている。また、エンブレム1は、後記の所定位置に第一の加飾層6と、第二の加飾層7と、接着剤層8と、をさらに備えている。
(透明カバー部材)
図3に示すように、電熱層4が設けられる透明カバー部材2は、エンブレム1の外周部を縁取る後記の背面部材5を除いて、エンブレム1の前面部の殆どを占めるように配置されている。
ちなみに、このような透明カバー部材2によれば、図3に示すように、エンブレム1の前側からユーザが見ると、後記する第一の加飾層6と、後記する透明の接着剤層8によって透明カバー部材2の裏面(後面)に接着される加飾部材3(第二の加飾層7)とを見通すことができる。
つまり、図1は、不図示の電熱層4と透明カバー部材2とを介して、エンブレム1の前側(図1の紙面手前側)から第一の加飾層6と、加飾部材3(第二の加飾層7)とを見た様子を示している。
そして、本実施形態での透明カバー部材2は、図2においては、略矩形のエンブレム1の外周部を縁取る背面部材5の内側で、略矩形の平面形状を呈している。
このような透明カバー部材2の外周部には、図3に示すように、ステップ状の段差11が形成されている。この段差11には、後記するように、背面部材5の外周部が外側から嵌り込むように一体成形されることとなる。
(電熱層)
次に、電熱層4(図3参照)について説明する。
図3に示すように、電熱層4は、透明カバー部材2の表面に設けられている。このような電熱層4は、透明であり、前記の電熱線4aを有して構成されている。
なお、図3中、電熱線4aは、作図の便宜上、誇張して描かれており、電熱線4aの断面形状、断面積、及び電熱層4中における位置等は、実際のものと異なっている。
本実施形態での電熱層4は、透明カバー部材2の表面に貼付されたフィルムヒータにて形成されている。ちなみに、本実施形態でのフィルムヒータは、樹脂フィルム上で蛇行するように形成された酸化インジウムスズからなる透明電熱線を、他の樹脂フィルムで挟み込んだ市販品を想定しているがこれに限定されるものではない。したがって、電熱線4aは、例えば、ニクロム線、カーボン発熱体、銀ペースト等からなるものであってもよい。
そして、電熱層4で蛇行するように延びる電熱線4aは、図2に示すように、両端のそれぞれが電気的に一対の端子4bのそれぞれに接続されている。
なお、本実施形態での一対の端子4bのそれぞれと電熱線4aとの接続部は、透明カバー部材2の下辺における車幅方向の両端部に設定されているが、これに限定されるものではない。
図4は、図2のIV−IV断面図である。
図4に示すように、電熱線4aが接続される端子4bは、コネクタピン4cに、導電ペースト4dを介して電気的に接続されている。
具体的には、電熱線4aが接続される端子4b部分に対応する位置で、エンブレム1を前後方向に貫通する孔部Hが形成される。
そして、前後方向に延びる孔部Hのうち、後部には、先端部がエンブレム1の裏側(後側)に向けて突出するように、コネクタピン4cが配置されている。また、前部には、コネクタピン4cと端子4bとを電気的に接続するように、導電ペースト4dが充填されている。
なお、コネクタピン4cは、ECU(Electronic Control Unit)によって制御される図示しない電源側と電気的に接続されることとなる。
ちなみに、本実施形態での電熱層4(図3参照)は、前記のように、透明カバー部材2(図3参照)の表面に設けられているが、後記する他の実施形態の欄でも説明するように、後記する断熱層9よりも表側(前側)に配置されることを条件に、エンブレム1(図3参照)の表裏間で面方向に沿って配置されていればよい。
このような透明カバー部材2の裏面側(後側)には、図3に示すように、加飾部材3が嵌め込まれる凹部12が形成されている。
そして、透明カバー部材2の裏面側(後側)には、凹部12を除く裏面全体に、前記の第一の加飾層6が形成されている。この第一の加飾層6は、特許請求の範囲にいう「着色層」に相当する。
本実施形態での第一の加飾層6は、着色樹脂の塗膜を想定している。塗料としては、特に制限はなく、例えば、ウレタン系、アクリル系、ポリエステル系、ラッカー系、メラミン系等が挙げられる。
塗装方法としては、特に制限はなく、例えば、スクリーン印刷、グラビア印刷などの印刷法や、所定のマスキングを施した上でのスプレー法等の塗布法が挙げられる。
塗膜の厚さは、特に制限はなく、例えば、5〜50μm程度に設定することができる。
ただし、第一の加飾層6は、このような塗膜に限定されずに、透明カバー部材2の裏面側(後側)に積層した着色樹脂フィルムで構成することもできる。
第一の加飾層6は、エンブレム1に浮かび上がる図柄の背景色を設定するとともに、後記するように接着剤層8を選択的に光硬化させる際のマスク層としても機能する。
本実施形態での透明カバー部材2は、ポリカーボネートからなる樹脂製のものを想定している。ただし、透明カバー部材2の材料は、レーダ波を透過するとともに、可視光を透過するいわゆる透明(半透明、着色透明を含む)であれば特に制限はなく、例えば、アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂を使用することもできる。
なお、このような透明カバー部材2の表面側(前側)には、後記のハードコート層10(図5A等参照)を形成することもできる。このハードコート層10としては、使用する透明カバー部材2の材料に応じて公知のものを使用することができ、例えばポリカーボネートからなる透明カバー部材2に適用するハードコート層としては、例えばシリコーンハードコート塗膜(オルガノポリシロキサン塗膜)が挙げられる。
(加飾部材)
加飾部材3は、図3に示すように、ベース部材(インナベース)13の透明カバー部材2と向き合う側の表面に第二の加飾層7を設けて構成されている。
図1に示すように、加飾部材3は、平面視でのエンブレム1において、フロントグリル20の開口枠20a内で、ロゴタイプ(logotype)、ロゴタイプを囲む枠部等の図柄を形成する。
ちなみに、本実施形態での加飾部材3は、図1に示す平面視で、フロントグリル20の開口枠20a内で、白抜きで表された部分である。この加飾部材3は、後記の第一の加飾層6(図1中の網掛け部分)によって枠取りや縁取りがなされている。
そして、加飾部材3は、図3に示すように、透明カバー部材2の凹部12に嵌め込まれている。
加飾部材3は、ベース部材13と、このベース部材13の表面に形成された第二の加飾層7とで形成されている。
ベース部材13は、加飾部材3の表面に付される第二の加飾層7の下地となる。ベース部材13としては、例えば熱可塑性樹脂の成形品を使用することができるが、中でも耐候性、耐衝撃性に富むアクリロニトリル・エチレン・スチレン樹脂からなる成形品が好ましい。
本実施形態での第二の加飾層7は、レーダ波(ミリ波)の透過可能な金属調加飾層を想定している。
具体的には、第二の加飾層7は、ベース部材13の表面に金属調加飾フィルムを三次元表面加飾工法(Three dimension Overlay Method;TOM)にて付与したものである。
この工法では、大気圧を利用した真空成形にてベース部材13の表面(凹部12側に向き合う面)に沿うように、金属調加飾フィルムが三次元的に熱成形される。
金属調加飾フィルムとしては、例えば、インジウム蒸着層を含む積層複合フィルムを使用することができる。ちなみに、金属調加飾フィルムとしては、インジウム蒸着層が10〜100nm程度で、全厚が25μm〜100μm程度の市販品を使用することができる。
このような加飾部材3は、凹部12に接着剤層8を介して嵌め込まれる。
本実施形態での接着剤層8を構成する接着剤は、硬化後に透明であって断熱層9となるものを想定している。
(断熱層)
次に、断熱層9(図3参照)について説明する。
この断熱層9は、融雪や除霜のために電熱層4(図3参照)によって加熱される透明カバー部材2(図3参照)よりも裏側(後側)への伝熱を抑制する。
このような断熱層9は、電熱層4よりも裏側(後側)に配置される。
そして、本実施形態での断熱層9を兼ねる接着剤層8は、加熱される透明カバー部材2と比較して熱伝導率(W/m・K)が小さい材料で形成されるものが好ましい。また、例えば、寒冷地の厳冬期に、エンブレム1の裏側から透明カバー部材2が冷却されることを想定すると、接着剤層8は、加飾部材3と比較して熱伝導率(W/m・K)が小さい材料で形成されるものが好ましい。また、接着剤層8は、後記の背面部材5と比較して熱伝導率(W/m・K)が小さい材料で形成されるものが好ましい。
このような接着剤層8を形成する接着剤としては、シリコーン接着剤が好ましく、さらには後記の製造方法の説明において例示する光熱硬化型シリコーン接着剤(オルガノポリシロキサン組成物)がより好ましい。
断熱層9(接着剤層8)の厚さとしては、特に制限はないが、例えば100μm〜2mm程度に設定することができる。
(背面部材)
図3に示すように、背面部材5は、エンブレム1の裏打ち部材である。
背面部材5は、透明カバー部材2等を所定の金型内に配置して樹脂材料にて最終的にエンブレム1をインサート成形する際に形成される。
このような背面部材5は、エンブレム1の裏側と側面側の外形を形作る。
つまり、背面部材5は、加飾部材3と、第一の加飾層6(着色層)上に積層される接着剤層8と、に密着してこれらを覆うこととなる。そして、背面部材5は、前記のように、透明カバー部材2の外周部に形成される段差11を覆うことでエンブレム1の外周側面を形成する。
このような背面部材5の材料としては、レーダ波(ミリ波)が透過可能で成形性を有していれば特に制限はなく、例えば、ポリカーボネート、アクリロ二トリル・ブタジエン・スチレン樹脂、アクリロニトリル・エチレン・スチレン樹脂、ポリプロピレン、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂が挙げられる。
<製造方法>
次に、図3に示すエンブレム1(加飾パネル構造)の製造方法について説明する。図5Aから図5D、図5F及び図5Gは、この製造方法の工程説明図である。図5Aは、透明カバー部材2に電熱層4を形成する工程説明図である。図5Bは、透明カバー部材2に第一の加飾層6(着色層)を形成する工程説明図である。図5Cは、透明カバー部材2に接着剤層8を形成する工程説明図である。図5Dは、ベース部材13の表面に第二の加飾層7(金属調加飾層)を付与する工程説明図である。図5Eは、図5Dにおける第二の加飾層7(金属調加飾層)を構成するインジウム蒸着フィルム17の表面の様子を模式的に表す部分拡大図である。図5Fは、図5DにおけるVf部に対応する部分拡大図であり、第二の加飾層7(金属調加飾層)を形成する金属調加飾フィルム16のカット位置を示す図である。図5Gは、透明カバー部材2の凹部12に加飾部材3を嵌め込む工程説明図である。
本実施形態での製造方法においては、図5Aに示すように、まず所定形状の透明カバー部材2を用意する。この透明カバー部材2は、射出成形などの公知の樹脂成形法にて得ることができる。そして、透明カバー部材2の表面側(前側)には、電熱層4が接着剤などを介して貼付される。
また、電熱層4の表面側(前側)には、仮想線(二点鎖線)で示した前記のハードコート層10をシリコーンハードコート塗膜などによって形成することができる。
次に、この製造方法においては、図5Bに示すように、凹部12を除く範囲で、第一の加飾層6(着色層)を形成する。具体的には、透明カバー部材2の裏面側(後側)には、前記のように、着色樹脂の塗膜が形成される。
次に、この製造方法においては、図5Cに示すように、透明カバー部材2の裏面側(後側)接着剤層8を形成する。接着剤層8は、凹部12内及び第一の加飾層6を含めて透明カバー部材2の裏面側(後側)の全てに前記の接着剤が塗布されることで形成される。
ちなみに、この製造方法において使用する接着剤は、前記のシリコーン接着剤を想定している。
その一方で、この製造方法においては、図5Dに示すベース部材13を用意する。
このベース部材13は、前記のように、加飾部材3(図3参照)に対応するように形成されている。
次いで、この工程では、図5Dに示すように、ベース部材13の表面、つまり透明カバー部材2(図3参照)と向き合う側の面に、図3に示す第二の加飾層7(金属調加飾層)を形成するための金属調加飾フィルム16が三次元表面加飾工法(Three dimension Overlay Method;TOM)にて付与される。
これによりベース部材13の表面13aには、金属調加飾フィルム16が密着することによって、三次元表面加飾成形樹脂層である第二の加飾層7(金属調加飾層)が形成される。そして、ベース部材13の開口部13bには、この開口部13bを塞ぐように、第二の加飾層7の形成に関与しない余分な金属調加飾フィルム16が残される。この余分な金属調加飾フィルム16は、後の工程で切り取られる。
この金属調加飾フィルム16は、前記のように、例えばインジウム蒸着フィルム(インジウム蒸着層)を含む積層複合フィルムを使用することができる。
図5Eに示すように、このようなインジウム蒸着フィルム17は、例えば平面視で長径が50nm〜500nm程度のインジウム粒子17aが海島状に広がるように形成される。
インジウム蒸着フィルム17を含む積層複合フィルムからなる第二の加飾層7(図3参照)は、金属光沢を有している。そして、第二の加飾層7(図3参照)は、インジウム蒸着フィルム17におけるインジウム粒子17a同士の間に形成される海部17bにてミリ波の透過を可能にする。
そして、図5Fに示すように、加飾部材3の外端で、つまり図5Fの矢示Ct部分にて余分な金属調加飾フィルム16が切り取られることによって、図3に示す加飾部材3が得られる。
次に、この製造方法においては、図5Gに示すように、透明カバー部材2の凹部12に加飾部材3が嵌め込まれ、透明カバー部材2に対して加飾部材3が接着剤層8(断熱層9)を形成する接着剤によって接着される。
本実施形態での接着剤は、前記のように、シリコーン接着剤を想定している。このシリコーン接着剤は、付加硬化型触媒を含むオルガノポリシロキサン組成物を想定しているが、シリコーン接着剤は、縮合型のオルガノポリシロキサン組成物を使用することもできる。
また、シリコーン接着剤は、光熱硬化型触媒を含むオルガノポリシロキサン組成物を使用することもできる。
ちなみに、光熱硬化型シリコーン接着剤としては、例えばアルケニル基含有のオルガノポリシロキサンと、オルガノハイドロジェンポリシロキサンと、光熱活性触媒と、を含むものが挙げられる。
なお、この光熱硬化型シリコーン接着剤は、経時的に硬化していく前記の付加硬化型及び縮合型のシリコーン接着剤と異なって、透明カバー部材2側から照射された紫外光によって凹部12内に配置されたシリコーン接着剤がまず硬化する。これにより透明カバー部材2に対して加飾部材3が接合される。この際、背景色を設定する透明カバー部材2の第一の加飾層6(着色層)は、この第一の加飾層6に重ねて塗布されたシリコーン接着剤8a(図5G参照)のマスク層として機能する。つまり、第一の加飾層6に重ねて塗布されたシリコーン接着剤8aは、透明カバー部材2側から照射された紫外光が第一の加飾層6によって遮られることで未硬化の状態を維持する。そして、この未硬化のシリコーン接着剤8aは、次に説明する金型内でのインサート成形時に加熱されて硬化することとなる。
次に、この製造方法においては、図示は省略するが、所定の金型内に、図5Gに示す加飾部材3が嵌め込まれた透明カバー部材2が配置されるとともに、この金型内に所定の溶融樹脂材料が注入される。これにより、金型内には、インサート部材としての加飾部材3を有する透明カバー部材2が背面部材5(図3参照)にて裏打ちされたエンブレム1(図3参照)の外形が形作られる。なお、第一の加飾層6に重ねて塗布された前記の未硬化の光熱硬化型シリコーン接着剤8a(図5G参照)は、この金型内で加熱されて硬化することとなる。
そして、導電ペースト4d(図4参照)によって端子4b(図4参照)と電気的に接続されるコネクタピン4c(図4参照)が取り付けられて本実施形態のエンブレム1(図2参照)が完成する。
≪作用効果≫
次に、本実施形態のエンブレム1(加飾パネル構造)及びその製造方法の奏する作用効果について説明する。
本実施形態のエンブレム1においては、電熱層4よりもエンブレム1の裏側寄りに断熱層9が配置されることとなる。
このようなエンブレム1によれば、断熱層9によって、エンブレム1の裏面側から電熱層4で発生した熱が逃げることを効果的に抑制する。これによりエンブレム1は、電熱線4aの配線密度を高めて電熱層4での発熱量を高める必要がない。つまり、このエンブレム1は、電熱線4aによるレーダ波(ミリ波)の透過性能が低下することもなく、効率よく融雪、除霜等を行うことができる。
また、本実施形態のエンブレム1においては、断熱層9(接着剤層8)が透明カバー部材2の裏面に形成されている。
このようなエンブレム1によれば、電熱層4で発生した熱を断熱層9によって、より効果的に透明カバー部材2に留めることができる。
また、本実施形態のエンブレム1においては、接着剤層8が断熱層9を兼ねている。
このようなエンブレム1によれば、接着剤層8とは別に断熱層9を設けるものと比較して構造が簡素化する。これによりエンブレム1は、薄型化や製造工程の簡素化、製造コストの低減を図ることができる。
また、本実施形態のエンブレム1においては、接着剤層8は、透明カバー部材2の裏面側の全体にわたって形成されている。
このようなエンブレム1によれば、接着剤層8が兼ね備える断熱性能によって、電熱層4で発生した熱を、より一層効果的に透明カバー部材2に留めることができる。
また、本実施形態のエンブレム1においては、接着剤層8を形成する接着剤が光熱硬化型シリコーン接着剤である。
このエンブレム1においては、透明カバー部材2と加飾部材3との間に介在する接着剤は、透明カバー部材2側から照射される紫外光にて光硬化され、透明カバー部材2の第一の加飾層6(着色層)に重ねて塗布された接着剤は、金型内でインサード成形される際に、熱硬化する。
このようなエンブレム1によれば、透明カバー部材2(第一の加飾層6)に対する接着剤層8を介しての背面部材5の接合強度が向上する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々変更することができる。
前記実施形態のエンブレム1においては、電熱層4を透明カバー部材2の表面に形成したが、電熱層4は、断熱層9よりも表側(前側)に形成されていればその形成位置に特に制限はない。したがって、電熱層4は、透明カバー部材2の裏面(後面)に形成することもできる。また、電極層4は、透明カバー部材2内にインサート成形することもできる。
また、実施形態の略矩形のエンブレム1は、フロントグリル20の後方に配置されるものを想定しているが、エンブレム1は、フロントグリル20の開口枠20a内に臨む楕円形の部分のみとし、フロントグリル20の前部に取り付ける構成とすることもできる。
また、前記実施形態では、車体前部に配置されるエンブレム1について説明したが、本発明の加飾パネル構造は、これが取り付けられる対象物を車体に限定するものではない。したがって、加飾パネル構造は、船舶、航空機などの他の移動体に取り付けることもできる。また、加飾パネル構造は、対象物の前後左右上下のいずれにも配置可能である。
1 エンブレム
2 透明カバー部材
3 加飾部材
4 電熱層
4a 電熱線
4b 端子
5 背面部材
6 第一の加飾層(着色層)
7 第二の加飾層(金属調加飾層)
8 接着剤層
9 断熱層
12 透明カバー部材の凹部
13 加飾部材のベース部材
16 金属調加飾フィルム
17 インジウム蒸着フィルム
17a インジウム粒子
18 金属調加飾フィルムの切断部
22 レーダ装置

Claims (6)

  1. 電熱層を備える加飾パネル構造であって、
    加飾パネル構造の表側に配置されるパネル状の透明カバー部材と、
    前記透明カバー部材の裏面に接合されるレーダ波透過可能な加飾部材と、
    を備え、
    前記電熱層は、加飾パネル構造の表裏間で面方向に沿って配置され、
    前記電熱層よりも加飾パネル構造の裏側寄りに前記電熱層からの熱を断熱する断熱層をさらに備えることを特徴とする加飾パネル構造。
  2. 前記断熱層は、前記透明カバー部材の裏面に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の加飾パネル構造。
  3. 前記加飾部材は、接着剤を介して前記透明カバー部材の裏面に形成された凹部に嵌め入れられて接合され、
    前記接着剤からなる接着剤層は、前記断熱層を兼ねていることを特徴とする請求項1に記載の加飾パネル構造。
  4. 前記接着剤層は、前記透明カバー部材の裏面側の全体にわたって形成されていることを特徴とする請求項3に記載の加飾パネル構造。
  5. 前記凹部を除いて前記透明カバー部材の裏面に形成される着色層をさらに備え、
    前記凹部に付与される前記接着剤と前記着色層を介して前記透明カバー部材の裏面側に付与される前記接着剤とは、光熱硬化型シリコーン接着剤であることを特徴とする請求項4に記載の加飾パネル構造。
  6. 電熱層を含むパネル状の透明カバー部材を備える加飾パネル構造の製造方法であって、
    前記透明カバー部材の両面のうち裏面側に、断熱性の接着剤層を介して加飾部材を接合する工程を有することを特徴とする加飾パネル構造の製造方法。
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