JP2021176997A - 漆喰シート及び漆喰塗膜糸の製造方法 - Google Patents

漆喰シート及び漆喰塗膜糸の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】エンベロープウイルス対策の一環として必要不可欠なマスク、防護服、白衣などの素材として、あるいは壁紙やカーテンなど住環境を改善する素材としても有効な漆喰シートの製造方法及び織って漆喰シートにする漆喰塗膜糸の製造方法を提供する。【解決手段】布地又は和紙に漆喰素材を塗膜した漆喰シートの製造方法であって、消石灰と水とを1対1乃至1対5の割合で配合したものに、ふのり、澱粉のり、ゼラチン若しくは化学のりの何れかの接着剤を少量加えて攪拌し、生成された消石灰水溶液に、上記布地又は上記和紙を浸して該消石灰を塗膜する塗膜工程と、上記塗膜工程を経た上記布地又は上記和紙を、陰干する陰干工程と、を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、布地又は和紙に漆喰素材を塗膜した漆喰シート及び繊維の糸に漆喰素材を塗膜した漆喰塗膜糸の製造方法に関するものである。
漆喰は、主成分の消石灰に、ふのり、麻すさ(麻の繊維)などの有機物を混ぜて練り上げたもので、消石灰は、空気中の二酸化炭素を吸収して水分を放出しながら、長い年月をかけて徐々に硬化する。従って、不燃性があり、土壁に較べて防水性もあるため古来から、城郭や寺社、家屋の外壁、土蔵、内外壁の上塗り材、瓦や石材の接着や目地等に用いられてきた。
漆喰は、さらに、調湿性、消臭性など住宅の空気環境を調整する機能があるうえ、シックハウス症候群の原因物質や揮発性有機化合物などを含まないので安全性の高い建築材料と言える。また、漆喰の主成分である消石灰の水溶液は強アルカリ性を呈するので、微生物の繁殖を抑止し、不活性化する抗菌機能がある。
しかしながら、漆喰の施工には熟練した左官作業が必要であることから、その代替えとして、消石灰を主成分とする水性塗料組成物が提案されている(特許文献1参照)。
このような漆喰塗膜面は、多孔質であるため吸放湿性に優れるものの、液状汚染物が付着すると内部に速やかに浸透し、その除去が困難となるうえ、抗菌性や防かび性、調湿性などの機能が低下するという課題があった。
そこで、シリコーン樹脂エマルションと湿潤材とを併用し、汚染物の付着を防止すると共に、水拭きなどによって汚染物を除去することが可能となる防汚処理材が提案されている(特許文献2参照)。
また、基材シート上に半固化状態の漆喰層を有する積層シートを形成し、着色材料を塗布して描画し、次いで漆喰層上に樹脂層を形成することで、画像のインクが深く浸透し、その後、その色材が炭酸カルシウムで被覆されるため色あせしない印刷を可能とする積層シートが提案されている(特許文献3参照)。
さらに、積層シートなどでは、漆喰塗膜が薄いため漆喰特有の性能を持続的に発揮することが困難であることからシート基材の表面に、漆喰塗膜、多孔質溝坑塗膜を形成し、必要に応じて抗菌塗膜を加えた、2層又は3層構造の漆喰シートも提案されている(特許文献4参照)。
特許第3083519号公報 特許第5974323号公報 特開2015−16395号公報 特開2019−55487号公報
昨今、インフルエンザや新型コロナウイルスなどエンベロープを有するウイルスが猛威を振るっている。エンベロープは、脂質を主成分とする膜状構造の表面に、Spike蛋白、 Envelope蛋白、 Membrane蛋白が配置されたものであり、アルカリ性の次亜塩素酸ナトリウムや有機溶媒、石鹸などで処理することにより破壊できることが知られている。これは、アルカリ水溶液が、エンベロープの脂質を鹸化し、蛋白質を変性させて加水分解することによってエンベロープウイルスを不活性化させるためと考えられている。
一方、漆喰の主成分である消石灰(水酸化カルシウム)は、水に溶けると強アルカリ性を呈することはよく知られている。そこで、本出願人等は、多孔質の漆喰塗布面に水分が付着し、それが内部に侵入すると、消石灰が溶け出して、強アルカリ性を呈するので、漆喰材を塗布した布地を作成し、その布地の衣服等を着用すれば、エンベロープウイルスの防御に極めて有効であるという知見を得た。
本発明は、エンベロープウイルス対策の一環として必要不可欠なマスク、防護服、白衣などの素材として、あるいは壁紙やカーテンなど住環境を改善する素材としても使用可能な漆喰シートの製造方法、及び織って漆喰シートにする漆喰塗膜糸の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、布地又は和紙に漆喰素材を塗膜した漆喰シートの製造方法であって、
消石灰と水とを1対1乃至1対5の割合で配合したものに、ふのり、澱粉のり、ゼラチン若しくは化学のりの何れかの接着剤を少量加えて攪拌し、生成された消石灰水溶液に、上記布地又は上記和紙を浸して該消石灰を塗膜する塗膜工程と、上記塗膜工程を経た上記布地又は上記和紙を、陰干しする陰干工程と、を含むことを特徴とする。
その場合、上記塗膜工程は、上記布地又は上記和紙を上記消石灰水溶液に浸す前に、苛性ソーダ水溶液に浸して脱脂し、水洗いして乾燥させる脱脂工程を含むことが好ましい。
このように、接着剤を含む消石灰水溶液に布地又は和紙を浸すことにより、布地又は和紙に漆喰材の塗膜ができるので、風通しのよい日陰でゆっくりと乾燥させることにより、布地に多孔質の漆喰素材で、強アルカリ性を有する水酸化カルシウムが定着し、エンベロープウイルスが飛沫となって付着しても、それを不活性化させることが可能な漆喰シートを製造することができる。なお、布地又は和紙の種類や状態によっては、苛性ソーダ水溶液に浸して脱脂すれば消石灰が付着しやすいが、脱脂工程は必ずしも必要としない。
また、上記布地は、少なくとも0.3ミリメートル程度の目開きを有する麻布地であれば、漆喰材との親和性がよいうえに、伸縮性が少ないので塗膜する漆喰材が剥がれにくい。また、粗目のものであれば、漆喰材がよく付着し、定着し易い。
さらに、上記陰干工程で陰干しした上記布地又は上記和紙を、上記接着剤を5乃至20%程度に希釈した接着剤水溶液に浸した後、消石灰粉末を散布して乾燥させる粉末塗布工程を含むことは好ましい態様であり、上記陰干工程で陰干しした上記布地又は上記和紙に、上記接着剤を5乃至20%程度に希釈した接着剤水溶液を噴霧した後、消石灰粉末を散布して乾燥させる粉末塗布工程を含むことも好ましい態様である。
このようにすれば、漆喰材の塗膜の上にさらに消石灰の粉末が付着して定着するので、アルカリ性をさらに高め、エンベロープウイルスを不活性化させる働きが強化される。
本発明は、布地又は和紙を、ふのり、澱粉のり、ゼラチン若しくは化学のりの何れかを水で5乃至20%程度に希釈した接着剤水溶液に浸し、引き上げた直後に、消石灰粉末を散布して乾燥させることを特徴とする漆喰シートの製造方法である。
また、布地又は和紙に、ふのり、澱粉のり、ゼラチン若しくは化学のりの何れかを水で5乃至20%程度に希釈した接着剤水溶液を噴霧し、直後に、消石灰粉末を散布して乾燥させることを特徴とする漆喰シートの製造方法である。
これらのように、布地又は和紙に接着剤を付し、その上から消石灰粉末を散布して
も漆喰シートを製造することができる。
本発明は、繊維の糸に漆喰素材を塗膜した漆喰塗膜糸の製造方法であって、消石灰と水とを1対1乃至1対5の割合で配合したものに、ふのり、澱粉のり、ゼラチン若しくは化学のりの何れかの接着剤を少量加えて攪拌し、生成された消石灰水溶液に、上記糸を浸して該消石灰を塗膜する塗膜工程と、上記塗膜工程を経た上記糸を陰干しする陰干工程と、含むことを特徴とする。
その場合、上記塗膜工程は、上記糸を上記消石灰水溶液に浸す前に、苛性ソーダ水溶液に浸して脱脂し、水洗いして乾燥させる脱脂工程を含むことが好ましい。
このように、接着剤を含む消石灰水溶液に繊維の糸を浸すことにより、糸に漆喰材の塗膜ができるので、日陰でゆっくりと乾燥させることにより、多孔質で、強アルカリ性を有する水酸化カルシウムが定着した糸を製造することができる。
なお、糸の種類や状態によっては、苛性ソーダ水溶液に浸して脱脂すれば消石灰が付着しやすくなるが、脱脂工程は必ずしも必要としない。
また上記糸は、太さが0.5乃至1.2mmの麻糸であれば、消石灰との親和性がよいうえに消石灰の定着性もよい。従って、この漆喰塗膜糸で織った布地で、マスクや白衣などを作れば、エンベロープウイルスが飛沫となって付着しても、それを不活性化することができる。
本発明の製造方法で製造した漆喰シートは、多孔質の漆喰素材が塗膜されており、それを使用して作成した衣類などに唾液等の飛沫が付着しても、その飛沫に含まれるエンベロープウイルスを不活性化することができる。また、本発明の製造方法で製造した漆喰塗膜糸も、それを織って布地にすれば同様の効果を有する。
図1は、第1実施形態の漆喰布地の製造工程の概略を一例として示す図である。 図2は、第2実施形態の漆喰布地の製造工程の概略を一例として示す図である。 図3は、第3実施形態の漆喰布地の製造工程の概略を一例として示す図である。
以下に、本発明の漆喰シートの製造方法の実施形態について説明する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態の漆喰シートの製造工程の概略を一例として示す図である。
図1に示すように、本実施形態では、目開きが少なくとも0.3ミリメートル程度の粗目の麻布地1を用いて漆喰シート10を製造する。
粗目の麻布地1は、漆喰材である消石灰との親和性が良いうえに、伸縮性がほとんどないので、漆喰材を含侵若しくは塗布した塗膜は、多孔質で、かつ剥がれにくいという長所を有する。
ただし、本実施形態では麻布地1を用いているが、綿・羊毛・絹を素材とする天然繊維の布地や化学繊維の布地、若しくは繊維を接着または絡み合わせて作成した不織布、又は和紙であってもよい。ただし、和紙以外の伸縮性のある布地は、漆喰材が剥がれやすい。また、化学繊維は、漆喰材との親和性が劣り、粗目の布地であっても、表面が滑らかなため漆喰材が剥離し易いので、長期に亘って剥がれにくくするには、接着剤を高濃度にせざるを得ない。そのため漆喰塗膜面は、多孔質にはなりにくく、エンベロープウイルスを不活性化する効力が弱い。
次に、濃度が5%程度の苛性ソーダ水溶液2を作成し、その苛性ソーダ水溶液2に麻布地1を浸し、脱脂する脱脂工程を行う。
浸す時間は、少なくとも3秒、好ましくは10秒程度浸すことが好ましい。その苛性ソーダ水溶液2から麻布地1を引き上げて、脂肪かすや苛性ソーダ分を水でよく洗い流す。そして、水洗い3を行った麻布地1は、乾燥4させて脱水する。
ここで、本実施形態では、5%の苛性ソーダ水溶液で布地を脱脂しているが、苛性ソーダ水溶液は、5%に限定する必要はなく、布地の状態や素材如何に応じて濃度を変えてもよいし、脱脂工程自体を省いてもよい。
次に、消石灰と同じ重量の水を入れ、さらに消石灰の重量の2%から20%の接着剤を加えてよくかき混ぜ、消石灰水溶液5を作成する。
ここで、接着剤としては、ふのり、澱粉のり、ゼラチン若しくは水溶性化学のりの何れかを使用する。なお、水の量は、必ずしも消石灰と同量にする必要はなく、布地の用途によっては、消石灰の5倍程度の水を入れて消石灰水溶液5を作成してもよい。
作成した消石灰水溶液5に、乾燥させた麻布地1を少なくとも2秒程度浸して麻布地1に漆喰材を塗膜させる(塗膜工程)。そして消石灰水溶液5から引き上げた麻布地1を乾燥させる(乾燥工程)。その場合、湿度が20%から70%程度の、風通しのよい日陰で陰干6することにより、ゆっくりと乾燥させる。
漆喰材の消石灰は、空気中の炭酸ガスと化合して、徐々に炭酸カルシウムと水になり、水分は蒸発して次第に硬化し、麻布地1に定着して漆喰布地10が完成する。
漆喰布地10は、多孔質の漆喰素材の塗膜で覆われているので、表面に付着した水分が内部に侵入すると強アルカリ性の水酸化カルシウム水溶液を生じ、エンベロープウイルス等に対する殺菌作用が生じる。
[第2実施形態]
第2実施形態の漆喰シート20は、第1実施形態の漆喰シート10の上に消石灰粉末を散布する工程を付加して製造する。従って、重複説明を回避するため、付加した工程についてのみ説明する。
図2は、第2実施形態の漆喰シートの製造工程の概略を一例として示す図である。
図2に一例を示すように、本実施形態においては、第1実施形態で作成した漆喰シート10の表面に、ふのり、澱粉のり、ゼラチン若しくは化学のりの何れかの接着剤の10%水溶液を噴霧器21に入れ、漆喰シート10に万遍なく噴霧する。そして、噴霧された接着剤が乾かないうちに、消石灰の粉末22を入れた篩23を揺すりながら、漆喰シート10の上に消石灰の粉末をふりかける。次に、接着剤に付着した消石灰の粉末を乾燥24させる(粉末塗布工程)。
ここで、噴霧器21に入れる接着剤の水溶液は、濃度を10%程度にしているが、必ずしも10%に限定する必要はなく、布地の種類に応じて5乃至20%程度にすればよい。
消石灰の粉末が漆喰シート10に定着したら、本実施形態の漆喰シート20が完成する。
漆喰シート20は、下地の漆喰素材が硬化して炭酸カルシウムになっても、その表面には消石灰の粉末22が付着しているので、唾液などの飛沫が付着したときに強アルカリ性の水酸化カルシウム水溶液が生じ易く、エンベロープウイルス等に対する殺菌作用は、漆喰布地10よりも強化される。
[第3実施形態]
第3実施形態の漆喰シート30は、第2実施形態の漆喰シート20と同様に、第1実施形態の漆喰シート10の上に消石灰粉末を散布する工程を付加して製造するが、付加する工程の一部が相違する。従って、重複説明を回避するため、付加する工程についてのみ説明する。
図3は、第3実施形態の漆喰布地の製造工程の概略を一例として示す図である。
図3に一例を示すように、本実施形態においては、第1実施形態で作成した漆喰シート10の表面に消石灰の粉末22を散布する前に、ふのり、澱粉のり、ゼラチン若しくは水溶性化学のりの何れかを接着剤する、濃度が5%程度の接着剤水溶液31を作成し、その接着剤水溶液31に漆喰布地10を少なくとも1秒程度浸してから引き上げる。
そして、接着剤が乾かないうちに、消石灰の粉末22を入れた目の細かい篩23を揺すって、漆喰シート10の上から消石灰の粉末22を万遍なく散布する。
ここでは、接着剤水溶液31の濃度を5%にしているが、布地の種類などに応じて、5乃至20%にすることができる。
次に、消石灰の粉末22が付着した漆喰布地10を乾燥24させて漆喰シート10に定着させて、本実施形態の漆喰シート30が完成する。
漆喰シート30は、下地の漆喰素材が硬化しても、その表面に消石灰が付着しているので、唾液などの飛沫が付着したときに強アルカリ性の水酸化カルシウム水溶液が生じ易く、エンベロープウイルス等に対する殺菌作用は、漆喰布地10よりも強化される。
[第4実施形態]
第4実施形態の漆喰シートは、第2実施形態の漆喰シート20に比べて、第1実施形態で作成した漆喰シート10に接着剤を噴霧器21で噴霧する代わりに、麻布地1などの布地又は和紙に接着剤を噴霧器21で噴霧する点は相違する。しかしながら、接着剤を噴霧した直後に消石灰粉末を散布して乾燥させる点は共通するので説明は省略する。
[第5実施形態]
第5実施形態の漆喰シートは、第3実施形態の漆喰シート30に比べて、第1実施形態で作成した漆喰シート10を接着剤水溶液31に浸す代わりに、麻布地1などの布地又は和紙を接着剤水溶液31に浸す点は相違する。しかしながら、接着剤水溶液31から引き上げた後に消石灰粉末22を散布して乾燥させる点は共通するので、説明を省略する。
次に、本発明の漆喰塗膜糸の製造方法の実施形態について説明する。
なお、漆喰塗膜糸は、公知の手織機、若しくは自動織機を用いて低速度で漆喰布地に織ることができる。
本実施形態の漆喰塗膜糸は、麻・綿・羊毛・絹などの天然繊維や化学繊維の糸を撚った所定の太さのものを使用して製造することが出来るが、漆喰材との親和性に優れ、伸縮性がほとんどない麻糸を使用することが好ましい。また、本実施形態では、0.5mm乃至1.2mmの太さの糸を用いているが、必ずしもこの太さに限定する必要はない。
まず、図1で説明したように、濃度が5%程度の苛性ソーダ水溶液2を作成し、その苛性ソーダ水溶液2に麻糸を浸し、脱脂する。浸す時間は、10秒程度でよい。その苛性ソーダ水溶液2から麻糸を引き上げ、脂肪かすや苛性ソーダ分を水でよく洗い流す。そして、水洗い3を行った麻糸は、乾燥させて脱水する。
ここで、本実施形態では、濃度が5%程度の苛性ソーダ水溶液で糸を脱脂する脱脂工程を行っているが、苛性ソーダ水溶液は、必ずしも5%のものに限定する必要はない。また、糸の素材やその状態如何によっては、脱脂工程自体を省いてもよい。
次に、図1で説明したように、消石灰と同じ重量の水を入れ、さらに消石灰の重量の5乃至20%程度の分量の接着剤を加えてよくかき混ぜ、消石灰水溶液5を作成する。
ここで、接着剤としては、ふのり、澱粉のり、ゼラチン若しくは水溶性化学のりの何れかを使用する。
作成した消石灰水溶液5に、乾燥させた麻糸を少なくも2秒程度浸した後、引き上げて乾燥させる。その場合、日陰となっている場所に干し、ゆっくりと乾燥させ漆喰塗膜糸が完成する。
この漆喰塗膜糸には、消石灰の塗膜が生じているが、空気中の炭酸ガスを吸収して硬化するまでには長時間必要である。従って、織機で織る際は、消石灰成分が剥離しないように低速度でゆっくり、丁寧に実施する必要がある。
本発明の漆喰シートは、エンベロープウイルスを不活性化する効果があり、マスク、防護服、白衣に加工してウイルスの防護用に着用するほか、壁紙やカーテンなどに加工して住環境を改善するのに役立つ。
1 麻布地
2 苛性ソーダ水溶液
3 水洗い
4、24 乾燥
5 消石灰水溶液
6 陰干
10、20、30 漆喰シート
21 噴霧器
22 消石灰粉末
23 篩
31 接着剤水溶液

Claims (10)

  1. 布地又は和紙に漆喰素材を塗膜した漆喰シートの製造方法であって、
    消石灰と水とを1対1乃至1対5の割合で配合したものに、ふのり、澱粉のり、ゼラチン若しくは化学のりの何れかの接着剤を少量加えて攪拌し、生成された消石灰水溶液に、前記布地又は前記和紙を浸して該消石灰を塗膜する塗膜工程と、
    前記塗膜工程を経た前記布地又は前記和紙を、陰干しする陰干工程と、を含むことを特徴とする漆喰シートの製造方法。
  2. 前記塗膜工程は、前記布地又は前記和紙を前記消石灰水溶液に浸す前に、苛性ソーダ水溶液に浸して脱脂し、水洗いして乾燥させる脱脂工程を含むことを特徴とする請求項1記載の漆喰シートの製造方法。
  3. 前記陰干工程で陰干した前記布地又は前記和紙を、前記接着剤を5乃至20%程度に希釈した接着剤水溶液に浸した後、消石灰粉末を散布して乾燥させる粉末塗布工程を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の漆喰シートの製造方法。
  4. 前記陰干工程で陰干した前記布地又は前記和紙に、前記接着剤を5乃至20%程度に希釈した接着剤水溶液を噴霧した後、消石灰粉末を散布して乾燥させる粉末塗布工程を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の漆喰シートの製造方法。
  5. 布地又は和紙を、ふのり、澱粉のり、ゼラチン若しくは化学のりの何れかを水で5乃至20%程度に希釈した接着剤水溶液に浸し、引き上げた直後に、消石灰粉末を散布して乾燥させることを特徴とする漆喰シートの製造方法。
  6. 布地又は和紙に、ふのり、澱粉のり、ゼラチン若しくは化学のりの何れかを水で5乃至20%程度に希釈した接着剤水溶液を噴霧し、直後に、消石灰粉末を散布して乾燥させることを特徴とする漆喰シートの製造方法。
  7. 前記布地は、少なくとも0.3ミリメートル程度の目開きを有する麻布地であることを特徴とする請求項1から6記載の漆喰シートの製造方法。
  8. 繊維の糸に漆喰素材を塗膜した漆喰塗膜糸の製造方法であって、
    消石灰と水とを1対1乃至1対5の割合で配合したものに、ふのり、澱粉のり、ゼラチン若しくは化学のりの何れかの接着剤を少量加えて攪拌し、生成された消石灰水溶液に、前記糸を浸して該消石灰を塗膜する塗膜工程と、
    前記塗膜工程を経た前記糸を陰干する陰干工程と、含むことを特徴とする漆喰塗膜糸の製造方法。
  9. 前記塗膜工程は、前記糸を前記消石灰水溶液に浸す前に、苛性ソーダ水溶液に浸して脱脂し、水洗いして乾燥させる脱脂工程を含むことを特徴とする請求項8記載の漆喰塗膜糸の製造方法。
  10. 前記糸は、太さが0.5乃至1.2mmの麻糸であることを特徴とする請求項8記載の漆喰塗膜糸の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022196393A1 (ja) * 2021-03-17 2022-09-22 株式会社トクヤマ 抗ウイルス性シート

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