JP2021176984A - 金属微粒子の作製装置 - Google Patents

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伸治 石谷
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Akio Furusawa
亮 藤田
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Abstract

【課題】微細な金属微粒子を効率よく製造するための金属微粒子の作製装置を提供する。【解決手段】金属微粒子の作製装置は、金属組成物と金属組成物の融点以上の沸点を有する第1溶剤とを満たした粒子発生槽と、第1溶剤の中で溶融した金属組成物を物理的に切断して金属組成物の一次粒子を発生させる撹拌子と、を含む、粒子発生部と、粒子発生槽の周囲とその上方を囲み、第1溶剤で満たされていると共に、粒子発生部の上方で連通されている、粒子分裂槽と、粒子分裂層に超音波を照射する超音波振動子と、を含む粒子分裂部と、を備え、粒子分裂部では、粒子発生槽の上方を介して粒子分裂槽へ輸送された一次粒子が超音波振動子から照射された超音波を受け、一次粒子が分裂して金属微粒子となる。【選択図】図2

Description

本開示は、主として電子回路基板のはんだ付けに用いるソルダーペースト等における金属微粒子の作製装置に関する。特に、粒子径10μm以下の球状はんだ粒子の作製装置に関する。
近年では電子部品の更なる微細化に伴う電子回路基板の高密度化に対応するために、粒子径が10〜25μmである金属粒子が実用化されており、今後は10μm以下の金属粒子も必要となってくる。従来、金属粒子の製造方法として、気体中で造粒を行う遠心噴霧法、ガス噴霧を併用した遠心噴霧法、液体中で造粒を行う機械的攪拌による分散法、超音波振動による分散法、超音波キャビテーションによる分散法等が知られている。特に、微細な金属粒子を製造する場合には、液体中で造粒を行う方法が用いられることが多い。
攪拌による分散法は、金属組成物の融点以上の温度に保持した高温の加熱媒体中に金属組成物を投入し、攪拌によるせん断力を負荷する方法である。溶融した金属組成物を液滴として分散させ、ついで冷却凝固させることで、金属粒子を製造することができる(例えば、特許文献1参照。)。攪拌は溶融した金属組成物全体に作用させることができるため、粒子の生成効率が高い。ただし、当該方法で製造できる粒子の平均粒子径はおよそ11μm〜13μm程度であり、粒子径が10μm以下である金属粒子を効率よく製造することは困難である。
超音波振動による分散法は、金属組成物の融点以上の温度に保持した高温の加熱媒体中に金属組成物を投入し、超音波エネルギーを負荷する方法である。溶融した金属組成物を微細な液滴として分散させ、ついで冷却凝固させることで、金属粒子を製造することができる(例えば、特許文献2参照。)。ただし、当該方法で製造できる粒子の平均粒子径はおよそ11μm〜98μmの範囲であり、粒子径が10μm以下である金属粒子を効率よく製造することは困難である。
超音波キャビテーションによる分散法は、金属組成物の融点以上の温度に保持した高温の加熱媒体中に金属組成物を投入し、機械的な撹拌をすることなく超音波を照射する方法である。超音波を照射することでキャビテーションが発生し、キャビテーション圧壊時の衝撃圧を利用して、溶融した金属組成物を微細な液滴として分散させる。この方法によれば、粒子径が1〜6μmである金属粒子を全体の50〜80%の質量比で製造することができる(例えば、特許文献3参照。)。
しかしながら、微細な粒子を得るためには超音波を30分間以上照射しなければならない。また、超音波キャビテーションは加熱媒体中で発生し、溶融した金属組成物の表面でしか作用しないため、溶融した金属組成物からの粒子発生の効率が低い。さらに、超音波照射時間が長くなると粒子の発生速度が低下するため、生産性が低下する。これらのことから、多くの量を製造することは困難である。
また、機械的な撹拌と超音波振動とを複合して印加する造粒方法も報告されている。機械的に混合することによって金属粒子を生成し、さらに超音波振動により微細な液滴として分散させる。この方法によっても、平均粒子径が1〜10μmの範囲内の金属粒子を、収率が高く製造できる(例えば、特許文献4参照。)。
特開2004−18890号公報 特開平9−49007号公報 特開2017−150005号公報 特開昭62−263902号公報
しかしながら、従来の機械的な撹拌と超音波振動とを複合して印加する造粒方法では、超音波振動によって金属粒子同士の衝突による再凝集で粒子径の大きな金属粒子が残存してしまう。そのため、生成した金属粒子同士の衝突を防止するために、溶融した金属組成物の濃度を一定以下にする必要があり、バッチでの処理または金属組成物の投入量を小さくしなければならない。結果として、この方法によっても金属微粒子の生産性に問題がある。
本開示は、従来の課題を解決するもので、粒子径が1〜10μmである金属微粒子を効率よく作製する金属微粒子の作製装置を提供することを目的とする。
上記目標を達成するために、本開示に係る金属微粒子の作製装置は、金属組成物と前記金属組成物の融点以上の沸点を有する第1溶剤とを満たした粒子発生槽と、前記第1溶剤の中で溶融した前記金属組成物を物理的に切断して前記金属組成物の一次粒子を発生させる撹拌子と、を含む、粒子発生部と、
前記粒子発生槽の周囲とその上方を囲み、前記第1溶剤で満たされていると共に、前記粒子発生部の上方で連通されている、粒子分裂槽と、前記粒子分裂層に超音波を照射する超音波振動子と、を含む、粒子分裂部と、
を備え、
前記粒子分裂部では、前記粒子発生槽の上方を介して前記粒子分裂槽へ輸送された前記一次粒子が前記超音波振動子から照射された超音波を受け、前記一次粒子が分裂して金属微粒子となる。
本開示の金属微粒子の作製装置によれば、粒子発生部の粒子発生槽では攪拌によって一次粒子を発生させ、その後、粒子分裂部の粒子分裂槽に一次粒子が輸送される構成を備えている。このような構成にすることで効率よく金属微粒子を作製することができる。
つまり、本開示の金属微粒子の作製装置では、機械的攪拌による粒子発生部と、超音波による粒子分裂部とがそれぞれ別の構成として分かれている。そのため、原料となる金属組成物から効率的に一次粒子を発生させつつ、超音波振動による再凝集を抑制でき、かつ発生した一次粒子を効率的に所望のサイズに微細化し金属微粒子とすることができる。したがって、粒子径が1〜10μmである金属微粒子を効率的に作製することが可能となる。
本開示の実施の形態1に係る金属微粒子の作製装置による作製方法の各工程を示すフローチャートである。 本開示の実施の形態1に係る金属微粒子の作製装置の断面構造を示す模式断面図である。 粒子発生槽の金属組成物への撹拌子による流れの向きと一次粒子生成量との関係を示す図である。 粒子発生槽の金属組成物への撹拌子による回転数と一次粒子生成量との関係を示す図である。 粒子分裂槽内における超音波振動子の動作時間と、金属微粒子のD10粒子径およびD90粒子径との関係を示す図である。
第1の態様に係る金属微粒子の作製装置は、金属組成物と前記金属組成物の融点以上の沸点を有する第1溶剤とを満たした粒子発生槽と、前記第1溶剤の中で溶融した前記金属組成物を物理的に切断して前記金属組成物の一次粒子を発生させる撹拌子と、を含む、粒子発生部と、
前記粒子発生槽の周囲とその上方を囲み、前記第1溶剤で満たされていると共に、前記粒子発生部の上方で連通されている、粒子分裂槽と、前記粒子分裂層に超音波を照射する超音波振動子と、を含む粒子分裂部と、
を備え、
前記粒子分裂部では、前記粒子発生槽の上方を介して前記粒子分裂槽へ輸送された前記一次粒子が前記超音波振動子から照射された超音波を受け、前記一次粒子が分裂して金属微粒子となる。
第2の態様に係る金属微粒子の作製装置は、上記第1の態様において、前記攪拌子は、回転型であってもよい。
第3の態様に係る金属微粒子の作製装置は、上記第1又は第2の態様において、前記粒子分裂部は、さらに、
前記粒子分裂槽の周囲と下方を囲んでおり、ヒーターが載置され、第2溶剤を満たした加熱槽と、
前記加熱槽の下方に載置され、前記超音波振動子が載置され、第3溶剤を満たした冷却槽と、
を含んでもよい。
第4の態様に係る金属微粒子の作製装置は、上記第1から第3のいずれかの態様において、前記第1溶剤および前記第2溶剤が、前記金属組成物の融点より高い沸点を有し、かつ
前記第1溶剤は、金属組成物と反応しない溶剤であってもよい。
第5の態様に係る金属微粒子の作製装置は、上記第1から第4のいずれかの態様において、前記粒子発生槽に前記金属組成物を供給する原料供給部が接続され、
前記粒子分裂槽の下方に作製された金属微粒子および前記第1溶剤を回収する回収部が接続されていてもよい。
以下、本開示の実施の形態に係る金属微粒子の作製装置について、図面を参照しながら説明する。なお、図面において実質的に同一の部材については同一の符号を付している。
(実施の形態1)
<金属微粒子の作製プロセス>
図1は、本開示の実施の形態1に係る金属微粒子の作製装置による作製方法の各工程を示すフローチャートである。本開示の金属微粒子の作製装置では、粒子発生工程102を行う粒子発生部および粒子分裂工程103を行う粒子分裂部を少なくとも含んでいればよいが、図1に示すように、本実施の形態1では、原料供給工程101や、粒子形成工程104、粒子回収工程105等を行うための原料供給部や回収部も備える。
以下に、この金属微粒子の作製方法の各工程について説明する。
(1)原料供給工程101は、金属微粒子の原料である金属組成物を供給する工程であり、その融点以上に加熱して溶融させた液体状の金属組成物を溶剤の中に供給する工程である。
(2)粒子発生工程102は、溶剤内に供給した液体状の金属組成物を撹拌子で攪拌して一次粒子を発生させる工程であり、粒子発生部で行われる。粒子発生工程102では、撹拌子によるせん断力を作用させて、溶融した金属組成物を物理的に切断し液滴(一次粒子)を発生させる。
(3)粒子分裂工程103は、粒子発生工程102で得られた液滴(一次粒子)に超音波を照射して、液滴(一次粒子)を分裂させる。つまり、上述の液滴(一次粒子)にキャビテーション衝撃圧を作用させて、液滴(一次粒子)をさらに微細な液滴(金属微粒子)に分裂させる工程である。粒子分裂工程103は粒子分裂部で行われる。
本明細書では、粒子発生工程102を行って得られた粒子を一次粒子と称し、粒子分裂工程103を行って得られた粒子を金属微粒子と称する。
ここで、粒子分裂工程103は、主に溶剤と一次粒子とを含む混合物に対して行う。つまり、上述の粒子発生工程102で得られた溶剤および一次粒子を、粒子発生部から粒子分裂部へと移動させ、超音波を照射する。なお、後述の実施例1で説明するように、粒子発生工程102および粒子分裂工程103は、一つの金属微粒子の作製装置内で行うことが、金属微粒子の作製効率の点で好ましい。
(4)粒子形成工程104は、分裂させた液滴(金属微粒子)を表面張力によって球状に変化させ、その後に金属組成物の融点未満に冷却して固体とする工程である。粒子形成工程は粒子分裂部にて行われる。
(5)粒子回収工程105は、作製した金属微粒子を溶剤と分離して回収する工程であり、回収部で行われる。
以上の各工程によって、金属微粒子が得られる。
以下、金属微粒子の作製装置の説明では、粒子発生工程102および粒子分裂工程103が行われる粒子発生部と粒子分裂部とを中心に説明する。
<金属微粒子の作製装置>
本開示の実施の形態1に係る金属微粒子の作製装置200を次に説明する。
図2は、本開示の実施の形態1に係る金属微粒子の作製装置200の断面構造を示す模式断面図である。本実施の形態1に係る金属微粒子の作製装置200は、金属微粒子の原料である金属組成物206に、攪拌によるせん断力を負荷して粒子発生工程102を行う粒子発生部201と、発生した一次粒子に超音波を照射して粒子分裂工程103を行い金属微粒子とする粒子分裂部203と、を少なくとも有していればよく、これらをそれぞれ別の構成として備えている。このような構成にすることで、一次粒子を効率よく発生させつつ、金属微粒子を作製することができる。
粒子発生部201の粒子発生槽202と、粒子分裂部203の粒子分裂槽204とには、それぞれ、金属組成物206の融点以上の沸点を持つ第1溶剤205が満たされる。粒子発生槽202にはさらに、金属微粒子の原料となる金属組成物206が供給される。ここで、金属組成物206は、溶融状態で供給してもよく、非溶融状態で供給してもよい。本実施の形態1では、粒子発生槽202の下部に原料供給部208を接続し、溶融状態で金属組成物206を供給する。また、粒子発生槽202には回転式の攪拌子209が設置される。粒子分裂槽204は、ヒーター207が設置された加熱槽212の内側に設置される。加熱槽212には、第2溶剤213が満たされる。粒子発生部201および粒子分裂部203では、金属組成物206(および第1溶剤205)を、ヒーター207で第2溶剤213を加熱することによって、金属組成物206の融点以上に加熱できる構造になっている。粒子分裂部203には、粒子分裂槽204の下部に第3溶媒211で満たされた冷却槽210が設置される。冷却槽210には超音波振動子214、冷却装置215、脱気器217が設置される。
<粒子発生部201>
以下、粒子発生部201について詳細を示す。
粒子発生部201は、粒子発生層202と、撹拌子209とを含む。
粒子発生部201の粒子発生槽202は、第1溶剤205および金属組成物206が設けられている。粒子発生槽202には上側から攪拌子209が浸漬され、金属組成物206の全体にせん断力を作用させることができる。
図2に示すように、粒子発生部201における粒子発生槽202と粒子分裂部203における粒子分裂槽204とは、第1溶剤205および一次粒子が、粒子発生槽202側から粒子分裂槽204側に、粒子発生槽202の上部を介して流動できるように接続されている。
粒子発生槽202では、撹拌子209によって粒子発生槽202の下部で撹拌による流動が発生している。また、粒子発生槽202は、粒子分裂槽204と接続されている上部のみ開放されている。そのため、粒子発生槽202内で生成した一次粒子は、撹拌子による流れにより上部に輸送され、粒子分裂槽204側に移動する。
金属組成物206は、原料供給部208から追加供給することができる。原料供給部208は、金属組成物206のみを供給してもよく、金属組成物206および第1溶剤205をそれぞれ個別に、もしくは混合物として供給してもよい。
<粒子発生工程102>
以下、粒子発生工程102について詳細を示す。
粒子発生工程102で攪拌子によるせん断力を負荷する方法は特に制限されず、一般的な撹拌子を用いることができる。撹拌子は、回転型や振動型等、何れであってもよいが、安全面で回転型であることが好ましい。
・攪拌子209による流れ方向
撹拌子として回転型を用いる場合、撹拌子209の回転方向によっては、粒子発生槽202の一次粒子および第1溶剤205に発生する流れは上向きまたは下向きになる。図3は、粒子発生槽202の金属組成物206への撹拌子209による流れの向きと一次粒子生成量との関係を示す図である。回転数は2,000rpmで、投入する金属組成物206は100gである。図3に示すように、上向きの流れの場合は一次粒子生成量が87gであるのに対し、下向きの流れの場合は12gである。これは、下向きの流れの場合、生成した一次粒子が粒子発生槽202から粒子分裂槽204へ移動するのを妨げ、一次粒子が再度金属組成物206に接触、凝集してしまうためと考えられる。
以上のことを考慮すると、撹拌子209によって上向きの流れを生成することが望ましい。
・回転数
粒子発生工程102における撹拌子の回転数について説明する。図4は、粒子発生槽202の金属組成物206への撹拌子209による回転数と一次粒子生成量との関係を示す図である。攪拌の時間は1分間である。図4において、一次粒子生成量は、撹拌前に供給した金属組成物206の質量と、攪拌後に一次粒子にならずに残っていた金属組成物206の質量との差分である。
図4に示すように、撹拌子209の回転数が500rpmよりも小さいときには、一次粒子はほとんど発生しない。一方、500rpm以上のとき、2000rpmまでは一次粒子の生成量は回転数とともになだらかに増加する。2000rpmから3000rpmまでは、回転数の増加に対する一次粒子の生成量はほとんど変化しない。一方で、3000rpmより大きくなると一次粒子生成量は急激に低下し、3250rpmより大きいと、回転数が500rpmよりも小さいときと同様に一次粒子の生成量は非常に小さい。
この理由については、次のように考える。攪拌子209の回転数が500rpmより小さい場合、攪拌によるせん断力や上向きの流れは小さい。そのため、金属組成物206の切断による一次粒子の生成が小さいと考える。また、粒子発生槽202から粒子分裂槽204への一次粒子の輸送量が小さいため、発生した一次粒子が金属組成物206と接触し、再度凝集するためと考える。
撹拌子209の回転数が3,000rpmより大きい場合、攪拌による上向きの流れ金属組成物206にかかる遠心力が大きくなる。それにより、金属組成物206が粒子発生槽202の壁面に密着する形になり、撹拌子209による金属組成物206のせん断が円滑に行われないためと考える。
以上のことを考慮すると、回転数は500rpm以上3,000rpm以下が好ましく、1,000rpm以上3000rpm以下が特に好ましい。
<粒子分裂部203>
以下、粒子分裂部203について詳細を示す。
粒子分裂部203は、図2に示されるように、粒子分裂層202と、加熱層212と、冷却層210とによって構成される。
粒子発生槽202と接続している粒子分裂槽204には、第1溶剤205が満たされている。粒子分裂槽204の下部には、加熱槽212および第2溶剤213、冷却槽210および第3溶剤211、超音波振動子214が設置されている。
加熱槽212の下部には、投げ込み型の超音波振動子214と、当該超音波振動子214を冷却するための冷却槽210とが設けられている。冷却槽210には沸点70℃以上の第3溶剤211が満たされている。
冷却槽210の底部に設置された投げ込み型の超音波振動子214によって、第3溶剤211、加熱槽212の底部、および第2溶剤213を介して、粒子分裂槽204内部の第1溶剤205に超音波キャビテーションを作用させることができる。また、第1溶剤205は、金属組成物206の融点以上に加熱されているが、投げ込み型の超音波振動子214は、第3溶剤211によって、耐熱温度である60℃以下に保たれている。
粒子分裂槽204内は、加熱槽212に設置するヒーター207を用いて、第1溶剤205の温度が金属組成物206の融点以上となるように制御している。このように温度制御することで、粒子分裂部203で十分に一次粒子を分裂させやすくすることができる。
上述のように、粒子分裂部203の粒子分裂槽204の下部には、超音波振動子214を冷却するための第3溶剤211を満たした冷却槽210が設けられる。またその底部に超音波振動子214が設置される。このように設置することで、粒子発生部201で発生した一次粒子は、粒子分裂部203において粒子分裂槽204の下部から超音波キャビテーションによる作用がなされる。粒子発生部201で発生した一次粒子は、その粒子径は所望の1〜10μmの大きさと比較して大きく、さらにばらつきを持っている。粒子径が大きいものほど沈降しやすいため、粒子分裂槽204の下部に存在しやすい。また、粒子分裂槽204内における超音波キャビテーションの作用は、超音波振動子214に近い粒子分裂槽204下部ほど大きいため、粒子分裂の速度が大きくなる。これにより、粒子径が大きい金属微粒子219は粒子分裂の速度が大きく、粒子径が小さい金属微粒子219は粒子分裂の速度が小さいため、より粒子径の分布が小さい金属微粒子219を生成することができる。
<粒子分裂工程103>
以下、粒子分裂工程103について詳細を示す。
粒子分裂工程103では、粒子発生工程102で得られる一次粒子、すなわち第1溶剤205中に分散する一次粒子に、粒子分裂槽204で超音波を照射する。超音波の照射方法は特に制限されない。超音波の照射は、一般的な超音波振動子を用いて照射することができる。このとき、超音波は本実施の形態の目的および効果を損なわなければ、どの方向から照射してもよいが、超音波の減衰が少ない方向から照射することが好ましい。超音波を照射するための超音波振動子は、ホーン型であってもよく、投げ込み型であってもよい。
・超音波照射条件
粒子分裂工程103で照射する超音波の照射条件は、本実施の目的および効果を損なわなければ、特に制限されない。例えば、周波数は、22〜130kHzとすることができる。
また、粒子分裂工程103の開始から終了までの間に温度勾配を設けてもよい。粒子分裂工程103を粒子分裂槽204内で行う場合には、粒子分裂槽204内の温度を測定し、温度制御することが好ましい。
<金属微粒子>
金属微粒子219の原料である金属組成物206は、電子回路基板のはんだ付けに用いるソルダーペースト用の合金等とすることができ、本実施の形態では、Bi−45質量%Inとしている。ただし、当該金属組成物206(ひいては金属微粒子219)はBi−45質量%Inに限らず、BiとInの混合比率を変化させたBi−In合金であってもよい。また、Bi−Inの組み合わせに限らず、Sn、Ag、Cu、Sb、Bi、Inから選ばれる少なくとも1種類の金属もしくはその合金とすることができる。また、これらの金属や合金から得られる金属酸化物としてもよい。
また、本実施の形態1に係る金属微粒子の作製方法では、粒子径が1〜10μmである金属微粒子219を効率的に作製することができる。さらに、粒子分裂工程103における超音波照射時間を長くすることで1μm未満のサブミクロン粒子を作製することも可能である。一方、粒子分裂工程103における超音波照射時間を短くすると10μm以上の金属微粒子を作製することもできる。
<溶剤>
本実施の形態1に係る金属微粒子の作製方法に用いる溶剤は、金属組成物206の融点より高い沸点を有し、かつ金属組成物206と反応しない溶剤であれば特に制限しない。例えば沸点が200〜500℃程度の溶剤とすることができ、その例にはトリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、シリコーンオイル、植物油等を含む。また揮発性の低いイオン液体等であってもよい。
<粒子回収工程105>
粒子回収工程105は、次のとおりである。
粒子分裂槽204で金属微粒子219を生成した後、金属微粒子219および第1溶剤205は、金属組成物206の融点以下に冷却されたのちに、回収部216に送られる。
<効果>
かかる構成によれば、粒子発生工程で、金属微粒子219の原料である金属組成物206に、撹拌子209による攪拌を作用させることで一次粒子を発生させる。そして、粒子発生工程102とは異なる粒子分裂工程103で超音波を照射して一次粒子を分裂させることで、粒子径1μm〜10μmの金属微粒子219を効率的に作製することができる。さらに、粒子径を小さくしたい場合は、粒子分裂工程103での超音波照射時間を長くすることで、粒子発生量を低下させることなく粒子径の小さな金属微粒子219を作製することができる。
つまり、本開示の金属微粒子作製方法によれば、粒子生成速度を律速する粒子発生工程102を撹拌子204によって効率的に行い、かつ粒子微細化に有効な超音波照射による粒子分裂工程103とを分けている。このため、粒子径が1〜10μmである金属微粒子の作製において、粒子の生成効率が高いという利点がある。
(実施例1)
実施例1では、上述の実施の形態1における金属微粒子の作製装置を用いたより具体的な金属微粒子生成方法を以下で説明する。
<粒子作製性能>
本開示の実施の形態1に係る金属微粒子の作製装置を用い、金属組成物206をBi−45質量%In(液相95℃、固相89℃)として金属微粒子219の作製を実際に行う。なお、本実施例1では、第1溶剤205および第2溶剤213としてトリエチレングリコールモノブチルエーテル(沸点:278℃)を用い、第3溶剤211として水道水を用いる。粒子発生槽202は、直径が60mmのものを用いる。回転型の攪拌子209には回転数最大6000rpm、撹拌羽根の直径が50mmであるものを用いる。投げ込み型の超音波振動子214は、周波数25kHzで最大出力が1200Wである。粒子分裂槽204は、直径が130mmである装置を用いる。
加熱槽212内のヒーター207を用いて第2溶剤213を加熱し、第1溶剤205を110℃に加熱する。第1溶剤205の液温が110℃に達したときには、第1溶剤205に浸漬している金属組成物206が溶融して液体状態になる。
ここで、回転型の攪拌子209を動作させると、撹拌子においてせん断力と上向きの流れが発生する。このせん断力が溶融した金属組成物206の表面に作用して、金属組成物206の液滴(一次粒子)が得られる。しかしながら、撹拌子206の金属組成物206への浸漬が浅いと、液滴へのせん断力が小さくなるため、一次粒子の生成効率が低下する。そのため、液滴を効率的に発生させるためには、液面が低くならないように撹拌子209の位置や金属組成物206の量を調整することが重要である。
本実施の形態1に係る金属微粒子の作製装置では、撹拌子209によって発生する上向きの流れで、粒子発生槽202内の第1溶剤205および一次粒子の上向きの流動が発生する。粒子発生槽202は粒子分裂槽204と上方で接続されているため、粒子発生槽202内の第1溶剤205と、粒子発生槽202内で発生した一次粒子とが、粒子分裂槽204側に流れ込む。したがって、粒子発生槽202内の液滴である一次粒子が粒子分裂槽204に効率的に移動する。また、流れ込む量は、粒子発生槽202内の攪拌子209の回転数および攪拌羽根の形状によって制御することができる。
粒子分裂槽204(粒子分裂部203)に流れ込んだ液滴(一次粒子)には、投げ込み型の超音波振動子214でキャビテーションを作用させる。投げ込み型の超音波振動子214を450Wで動作させると、振動子表面から粒子分裂槽204の方向に超音波が伝播し、粒子分裂槽204内の第1溶剤205でキャビテーションが発生する。このキャビテーションが圧壊する際に発生する衝撃圧が一次粒子に作用する。そして、更に微細な液滴(金属微粒子219)が得られる。金属微粒子219の大きさは超音波振動子214の出力とキャビテーションを作用させる時間によって制御することが可能であり、時間が長くなるのに伴い、金属微粒子219の粒子径は小さくなる。なお、本実施例1では、超音波振動子214の動作時間を1min〜20minに制御した。
図5は、粒子分裂槽204内における超音波振動子214の動作時間と、金属微粒子219のD10粒子径およびD90粒子径との関係を示す図である。D10粒子径およびD90粒子径とは、レーザー回折・散乱式粒子径分布測定装置で測定した際、体積の小さい方からそれぞれ10%、90%の大きさの粒子径である。なお、超音波振動子214を動作させない場合のD10粒子径およびD90粒子径は、それぞれ100μm以上、1mm以上である。動作時間が大きくなるのに伴いD90粒子径が小さくなり、動作時間6minでD90粒子径が10μmになる。このことから、動作時間は6min以上とすることが望ましい。また、D10粒子径も同様に、動作時間が大きくなるのに伴い小さくなり、15minで1μmとなる。動作時間が20min以上になると、D10粒子径が1μmよりも小さくなる。
これらのことから、本実施例1において粒子径1μm〜10μmの金属微粒子を効率的に作成するためには、動作時間は6min以上15min以下とすることが望ましい。
本実施例1では、金属組成物206に、撹拌子209を用いてせん断力を作用させる粒子発生部201と、粒子発生部201とは異なる超音波振動子214を用いてキャビテーションによる圧力を作用させる粒子分裂部203とで、それぞれ一次粒子の発生と一次粒子の分裂とを行う。これにより、粒子径の小さい金属微粒子を効率的に作製することができる。
なお、本開示においては、前述した様々な実施の形態及び/又は実施例のうちの任意の実施の形態及び/又は実施例を適宜組み合わせることを含むものであり、それぞれの実施の形態及び/又は実施例が有する効果を奏することができる。
本開示に係る金属微粒子の作製装置によれば、一次粒子の発生と一次粒子の分裂とを異なる方式、異なる工程で行うため、一次粒子を効率的に発生させながら一次粒子を分裂させることができる。そのため、効率的に金属微粒子を作製することができる。さらに粒子分裂部における溶剤(ひいては一次粒子)の流速を撹拌子の回転数や溶剤投入速度を調整することによって、超音波照射時間を変化させることができる。したがって、任意の粒子径の金属微粒子を得ることが可能となり、当該金属微粒子は、例えば、微細接合を必要とする電子回路基板のはんだ付け等に適用できる。
101 原料供給工程
102 粒子発生工程
103 粒子分裂工程
104 粒子形成工程
105 粒子回収工程
200 金属微粒子の作製装置
201 粒子発生部
202 粒子発生槽
203 粒子分裂部
204 粒子分裂槽
205 第1溶剤
206 金属組成物
207 ヒーター
208 原料供給部
209 撹拌子
210 冷却槽
211 第3溶剤
212 加熱槽
213 第2溶剤
214 超音波振動子
215 冷却装置
216 回収部
217 脱気器
219 金属微粒子

Claims (5)

  1. 金属組成物と前記金属組成物の融点以上の沸点を有する第1溶剤とを満たした粒子発生槽と、前記第1溶剤の中で溶融した前記金属組成物を物理的に切断して前記金属組成物の一次粒子を発生させる撹拌子と、を含む、粒子発生部と、
    前記粒子発生槽の周囲とその上方を囲み、前記第1溶剤で満たされていると共に、前記粒子発生部の上方で連通されている、粒子分裂槽と、前記粒子分裂層に超音波を照射する超音波振動子と、を含む粒子分裂部と、
    を備え、
    前記粒子分裂部では、前記粒子発生槽の上方を介して前記粒子分裂槽へ輸送された前記一次粒子が前記超音波振動子から照射された超音波を受け、前記一次粒子が分裂して金属微粒子となる、金属微粒子の作製装置。
  2. 前記攪拌子は、回転型である、請求項1に記載の金属微粒子の作製装置。
  3. 前記粒子分裂部は、さらに、
    前記粒子分裂槽の周囲と下方を囲んでおり、ヒーターが載置され、第2溶剤を満たした加熱槽と、
    前記加熱槽の下方に載置され、前記超音波振動子が載置され、第3溶剤を満たした冷却槽と、
    を含む、
    請求項1または2に記載の金属微粒子の作製装置。
  4. 前記第1溶剤および前記第2溶剤が、前記金属組成物の融点より高い沸点を有し、かつ
    前記第1溶剤は、金属組成物と反応しない溶剤である、
    請求項1から3の何れか1項に記載の金属微粒子の作製装置。
  5. 前記粒子発生槽に前記金属組成物を供給する原料供給部が接続され、
    前記粒子分裂槽の下方に作製された金属微粒子および前記第1溶剤を回収する回収部が接続されている、
    請求項1から4の何れか1項に記載の金属微粒子の作製装置。
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