JP2021175867A - 基礎上面の水抜き装置及び水抜き方法 - Google Patents

基礎上面の水抜き装置及び水抜き方法 Download PDF

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Abstract

【課題】基礎のコンクリートに地中へ通じる貫通穴を形成することなく、基礎のコンクリート上面から効率的に水抜き可能な装置及び方法を提供する。【解決手段】建物1の基礎コンクリート6打設前の区画3cごとに、取水口14を有する排水口部材10を設置する。各排水口部材10と吸水接続部材20とを接続管30によって接続する。コンクリート6の打設によって各排水口部材10をコンクリート6に埋設し、かつ取水口14がコンクリート6上に現れるようにする。吸水ポンプ41を、吸水接続部材20の接続口部21と接続して駆動する。【選択図】図6

Description

本発明は、建物の基礎のコンクリート上面から水抜きする装置及び水抜き方法に関し、特に戸建て住宅、集合住宅などの建物のベタ基礎に適した基礎上面水抜き装置及び水抜き方法に関する。
戸建て住宅、集合住宅などの建物の施工においては、例えばベタ基礎などの基礎を構築した後、その上に柱、梁、屋根、外壁、床、内壁などを構築していく。基礎のコンクリート施工後、床を敷設するまでの間に降雨が有ると、基礎コンクリートの上面に雨水が溜まる。水中養生のために基礎コンクリート上に意図的に水を張ることもある。このような基礎コンクリート上面の水をそのままにして床を敷設すると、長期間、床下の湿気が高い状態が続き、腐朽菌が発生しやすく、建物の木材が痛みやすい。
その対策として、例えば特許文献1においては、基礎コンクリートに集水部材が埋め込まれている。集水部材は、基礎コンクリートの上面に大きく開口された四角形の皿状に形成されている。該集水部材の最も低くなった中央部から下方へ排水管が延びている。排水管は、基礎コンクリートの底面から下方へ突出して、地中に埋設配管されている。基礎コンクリートの上面の水は、集水部材から排水管を経て排出される。
特開2016−079721号公報(図2)
特許文献1の構造においては、集水部材及び排水管を収めるための貫通穴が、基礎コンクリートの上面から底面に貫通して直下の地中に通じている。該貫通穴の内周面と集水部材及び排水管の外周面との間をシロアリが通って建物に侵入するおそれがあり、防蟻処理が必要となる。また、基礎の施工に先立って排水管を地中に埋設配管しておく手間を要し、工期が長くなる。
本発明は、かかる事情に鑑み、基礎コンクリートに地中へ通じる貫通穴を形成することなく、基礎コンクリート上面から効率的に水抜き可能な装置及び方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明装置は、建物の基礎のコンクリートの上面から水抜きする装置であって、
前記コンクリート上に現れた取水口を有して、前記基礎における区画ごとに前記コンクリートに埋設された複数の排水口部材と、
接続口部を有して、吸水ポンプと接続される吸水接続部材と、
前記吸水接続部材と各排水口部材とを接続する接続管と
を備えたことを特徴とする。
吸水ポンプの吸水駆動によって、各区画の水を取水口から排水口部材に取り込んで、接続管を経て、吸水接続部材から吸水ポンプに吸い込んで排出できる。複数の区画から一度に効率的に水抜きできる。
排水口部材は、基礎コンクリートの底面に達しないようにして埋設することが好ましい。これによって、地中に通じる貫通穴が形成されないようにして、シロアリが建物に侵入するのを確実に防止できる。
前記接続口部が前記コンクリート上に現れるようにして、前記吸水接続部材が前記コンクリートに埋設されていることが好ましい。
コンクリートに固定された1つの吸水接続部材に吸引ポンプを接続することで、複数の区画から一度に水抜きできる。
吸水接続部材は、基礎コンクリートの底面に達しないようにして埋設することが好ましい。これによって、地中に通じる貫通穴が形成されないようにして、シロアリが建物に侵入するのを確実に防止できる。
前記吸水接続部材が、前記建物の床開口部の直下に配置されていることが好ましい。
床の敷設後、床開口部を開けることで、吸水ポンプを吸水接続部材に接続できる。
前記接続管が、前記コンクリートに埋設されていることが好ましい。
接続管は、基礎コンクリートの底面に達しないようにして埋設することが好ましい。これによって、地中に通じる貫通穴が形成されないようにして、シロアリが建物に侵入するのを確実に防止できる。
複数の接続管が、吸水接続部材から複数方向へそれぞれ配管されて各排水口部材と接続されていることが好ましい。
前記排水口部材が、周側部の上下に延びるスリットを有して、前記コンクリートの上面から突出されており、前記スリットが前記コンクリートの上面と交差していることが好ましい。
これによって、排水口部材の上端高さを基礎コンクリートの上面高さに対して厳密に調整しなくても済み、基礎コンクリート上の水が排水口部材のスリットから排水口部材内に確実に取り込まれて排出されるようにできる。また、排水口部材を基礎コンクリートの上面から上へ突出させることで、落ち葉、砂塵その他の夾雑物が取水口から排水口部材の内部に入り込むのを防止できる。さらに、スリットを幅細にすることによって、落ち葉、砂塵その他の夾雑物がスリットを介して排水口部材の内部に入り込むのを防止できる。
吸水接続部材が、当該吸水接続部材のまわりの基礎コンクリート上面の水を取り込む排水口部材の役目を兼ねていてもよく、吸水接続部材にも前記と同様のスリットを形成してもよい。
前記排水口部材には、前記スリットの両縁間に架かるブリッジ部が形成されていることが好ましい。これによって、排水口部材におけるスリットの間隔が狭く、隣接するスリット間の縦板部の幅が狭くても、各縦板部が撓み変形するのを防止でき、排水口部材の保形強度を高めることができる。なお、強度に問題が無ければ、ブリッジ部を省略又は切断してもよい。
前記排水口部材及び吸水接続部材の少なくとも一方の底部には、前記基礎の鉄筋組体に係止される係止部が設けられていることが好ましい。
これによって、排水口部材又は吸水接続部材を鉄筋組体に支持させることができ、排水口部材又は吸水接続部材の設置作業を容易化できる。
前記係止部が、第1係止爪と、前記第1係止爪に対して上下にずれ、かつ前記第1係止爪に対して90度をなす方向へ向けられた第2係止爪とを含むことが好ましい。
これによって、鉄筋組体における互いに直交する2つの鉄筋の交差部上に排水口部材又は吸水接続部材を配置し、かつこれら2つの鉄筋にそれぞれ第1係止爪及び第2係止爪を係止させることで、排水口部材又は吸水接続部材を鉄筋組体に安定的に保持させることができる。
本発明方法は、建物の基礎のコンクリートの上面から水抜きする方法であって、
コンクリート打設前の前記基礎の区画ごとに、取水口を有する排水口部材を設置し
コンクリート打設によって、前記取水口が前記コンクリート上に現れるようにして、各排水口部材を前記コンクリートに埋設し、
吸水接続部材と各排水口部材とを接続管によって接続し、
吸水ポンプを、前記吸水接続部材と接続して駆動することを特徴とする。
前記コンクリート打設前に、前記接続管を鉄筋組体に支持されるように配管し、かつ前記吸水接続部材を前記建物の床開口部が設けられる予定位置の直下に設置し、
コンクリート打設によって前記接続管を前記コンクリートに埋設するとともに、前記吸水接続部材の前記吸水ポンプとの接続口部が前記コンクリート上に現れるようにして、前記吸水接続部材を前記コンクリートに埋設することが好ましい。
前記排水口部材及び吸水接続部材を前記基礎の鉄筋組体に支持させることが好ましい。これによって、排水口部材及び吸水接続部材の設置作業を容易化できる。かつ、排水口部材及び吸水接続部材を安定的に配置でき、コンクリート打設によって排水口部材及び吸水接続部材が倒れたり位置ずれしたりするのを防止できる。
本発明によれば、基礎のコンクリートに地中へ通じる貫通穴を形成することなく、基礎のコンクリート上面から効率的に水抜きすることができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る基礎上面水抜き装置を含む建物の基礎を示し、図2のI−I線に沿う正面断面図である。 図2は、前記基礎上面水抜き装置を含む建物の基礎の平面図である。 図3は、前記基礎上面水抜き装置の排水口部材及び接続管の先端部の斜視図である。 図4は、図1の円部IVの拡大断面図である。 図5は、前記基礎上面水抜き装置の吸水接続部材及び接続管の基端部の斜視図である。 図6は、前記基礎上面水抜き装置の使用状態を示す正面断面図である。 図7は、本発明の第2実施形態に係る基礎上面水抜き装置を使用状態で示す、建物の基礎の正面断面図である。 図8は、前記第2実施形態における排水口部材と接続管との接続構造を示し、図7の円部VIIIの拡大断面図である。 図9は、前記第2実施形態の接続構造の変形態様を示す拡大断面図である。 図10は、本発明の第3実施形態に係る排水口部材の正面図である。 図11は、前記第3実施形態に係る排水口部材の側面図である。 図12は、前記第3実施形態に係る排水口部材を、二点鎖線で示す鉄筋に係止しようとする状態で示す斜視図である。 図13は、前記第3実施形態に係る排水口部材を、二点鎖線で示す鉄筋に係止された状態で示す底面図である。 図14は、前記第3実施形態に係る吸水接続部材の正面図である。 図15は、前記第3実施形態に係る吸水接続部材の側面図である。 図16は、前記第3実施形態に係る吸水接続部材を、二点鎖線で示す鉄筋に係止しようとする状態で示す斜視図である。 図17は、前記第3実施形態に係る吸水接続部材を、二点鎖線で示す鉄筋に係止された状態で示す底面図である。 図18は、本発明の第4実施形態に係る排水口部材の斜視図である。 図19は、前記第4実施形態に係る吸水接続部材の斜視図である。
以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
<第1実施形態(図1〜図6)>
図1に示すように、戸建て住宅、集合住宅などの建物1においては、捨てコンクリート2上にベタ基礎3(基礎)が構築され、その上に、図1において二点鎖線にて簡略的に図示する柱、梁、屋根、外壁、床4(図6)、内壁などが構築されている。ベタ基礎3は、鉄筋組体5及び基礎コンクリート6を含む。鉄筋組体5は、縦横に配筋された鉄筋5a,5bを含む。図において鉄筋組体5は簡略化されている。
捨てコンクリート2の厚みは、例えば50mm程度である。基礎コンクリート6の厚みは、例えば150mm程度である。鉄筋5a,5bの径は例えば13mm程度である。
図2に示すように、ベタ基礎3は、建物1の間取りなどに応じた複数の区画3cを有している。区画3cどうしの境界及び外周には立ち上がり部3bが設けられている。
図1及び図2に示すように、ベタ基礎3には基礎上面水抜き装置9が設けられている。水抜き装置9は、複数の排水口部材10と、吸水接続部材20と、複数本の接続管30を含む。
図3に示すように、排水口部材10は、例えば筒状ないしはカップ形状に形成されている。排水口部材10の上面は、開放されて開口部11となっている。排水口部材10の周側部12の上端部分には、1又は複数のスリット13が周方向に間隔を置いて形成されている。スリット13は、上下に延びている。スリット13の上端部は、開口部11に達している。図1に示すように、排水口部材10の底部近くの周側部12には、接続ポート15が設けられている。
なお、接続ポート15は、排水口部材10の底部(下面)に設けられていてもよい。
図2に示すように、排水口部材10は、区画3cごとに配置されている。各区画3c内の基礎コンクリート6に少なくとも1の排水口部材10が埋設されている。図1に示すように、排水口部材10の高さ寸法は、基礎コンクリート6の厚みより小さい。排水口部材10の底部は、基礎コンクリート6の厚み方向の中間に位置しており、基礎コンクリート6の底面6bに達していない。好ましくは、排水口部材10の底部は、正面視で鉄筋組体5とほぼ重なる高さに配置されている。
図4に示すように、排水口部材10の上端部分は、基礎コンクリート6の上面6aから少し(例えば数mm〜数十mm)突出されている。開口部11及びスリット13の上端部によって、取水口14が構成されている。開口部11は、基礎コンクリート6上に現れることで取水口14の主部を構成している。かつスリット13の上端部が、基礎コンクリート6上に現れることで取水口14の一部を構成している。すなわちスリット13の少なくとも上端部が、取水口14の少なくとも一部を構成している。
コンクリート6の上面6aが、スリット13と交差されている。
なお、排水口部材10の上端部(開口部11)がコンクリート上面6aと面一であってもよい。スリット13を省略してもよい。
図5に示すように、吸水接続部材20は、接続口部21を有している。例えば、吸水接続部材20は、上面が開口された筒状ないしはカップ形状に形成されており、その上面開口部が接続口部21を構成している。好ましくは、吸水接続部材20は、排水口部材10より大径であり、排水口部材10より容積が大きい。吸水接続部材20の周側部22には、複数の接続ポート25が互いに周方向に間隔を置いて設けられている。
図2に示すように、吸水接続部材20は、床4に設けられた床下点検口4c(床開口部)の直下の基礎コンクリート6に埋設されている。図1に示すように、吸水接続部材20の上端部ひいては接続口部21が、基礎コンクリート6の上面6aから少し(例えば数mm〜数十mm)突出されて、基礎コンクリート6上に現れている。
なお、吸水接続部材20の上端部(接続口部21)がコンクリート上面6aと面一であってもよい。
吸水接続部材20の高さ寸法は、基礎コンクリート6の厚みより小さい。吸水接続部材20の底部は、基礎コンクリート6の厚み方向の中間に位置しており、基礎コンクリート6の底面6bに達していない。好ましくは、吸水接続部材20の底部は、正面視で鉄筋組体5とほぼ重なる高さに配置されている。
図6に示すように、吸水接続部材20は、吸水ポンプ装置40と接続可能である。
吸水ポンプ装置40は、吸水ポンプ41と、吸水管42と、吸水ノズル43を含む。吸水ポンプ41から吸水管42が延びている。吸水管42の先端部に吸水ノズル43が設けられている。吸水ノズル43には、先端部に吸水口43aが形成され、更に好ましくは周側部にも吸水口43bが形成されている。
吸水ノズル43は、接続口部21から吸水接続部材20に挿し入れられることで、吸水接続部材20と接続される。要するに、接続口部21ひいては吸水接続部材20は、吸水ノズル43に合わせた形状及び構造になっている。吸水接続部材20は、吸水ノズル43と接続可能であればよく、必ずしも上面開口の筒状ないしはカップ形状である必要はない。
図5に示すように、吸水接続部材20から複数本の接続管30が分岐されている。吸水接続部材20の各接続ポート25に接続管30の基端部が接続されている。
接続管30は、好ましくは可撓性を有する樹脂管によって構成され、より好ましくは波形管(CD管)によって構成されている。接続管30の管径は、吸水容易性、並びにコンクリート6の厚み及び鉄筋5a,5bの径を考慮して、好ましくは20mm〜30mm程度である。可撓性樹脂からなる接続管30は、カッター工具によって簡単に切断でき、引き回しも容易である。
なお、接続管30がポリ塩化ビニル管などの硬質の樹脂管によって構成されていてもよい。
図2に示すように、各接続管30は、吸水接続部材20から、対応する1の排水口部材10へ延びて、該排水口部材10の接続ポート15に接続されている。接続管30を介して各排水口部材10と吸水接続部材20とが繋げられている。複数の接続管30が、吸水接続部材20から複数方向へそれぞれ配管されて各排水口部材10と一対一に接続されている。
図1に示すように、好ましくは、接続管30は、全長にわたって基礎コンクリート6内に埋設されている。少なくとも接続管30は、基礎3の底面に達しておらず、捨てコンクリート2の上面と接する部分を有していない。
建物1の施工方法を、基礎上面水抜き装置9の構築方法及び使用方法ひいては基礎上面からの水抜き方法を中心に説明する。
捨てコンクリート2上に鉄筋5a,5bを縦横に配筋し、鉄筋組体5を構築する。
かつ、決められた区画3cごとに排水口部材10を設置する。例えば、捨てコンクリート2上に、図示しない第1支持スペーサを立設し、その上に排水口部材10を設置する。好ましくは、排水口部材10の上端部が基礎コンクリート6の予定打設高さより低くならないように、前記第1支持スペーサの高さを設定しておく。
排水口部材10を鉄筋組体5に支持させることで、第1支持スペーサを省略してもよい。
排水口部材10には、図1において二点鎖線にて示す蓋16を設け、取水口14及びスリット13を塞いでおく。蓋16の代わりに養生テープを用いてもよい。
図2に示すように、床下点検口4cの設置予定位置の直下には、吸水接続部材20を設置する。例えば、捨てコンクリート2上に、図示しない第2支持スペーサを立設し、その上に吸水接続部材20を設置する。好ましくは、吸水接続部材20の上端部が基礎コンクリート6の予定打設高さより低くならないように、前記第2支持スペーサの高さを設定しておく。
吸水接続部材20を鉄筋組体5に支持させることで、第2支持スペーサを省略してもよい。
吸水接続部材20には、図1において二点鎖線にて示す蓋26を設け、接続口部21を塞いでおく。蓋26の代わりに養生テープを用いてもよい。
さらに、吸水接続部材20と各排水口部材10とを接続管30によって接続する。
接続管30は、鉄筋組体5上に這わすことによって、鉄筋組体5に支持されるように配管する。このとき、接続管30の一部が垂れて捨てコンクリート2の上面と接することがないよう留意する。
以上の作業をコンクリート6の打設前に行う。
そのうえで、コンクリート6を打設する。これによって、鉄筋組体5がコンクリート6に埋設されるとともに、接続管30の全体がコンクリート6に埋設され、更に各排水口部材10がコンクリート6に埋設され、かつ吸水接続部材20がコンクリート6に埋設される。
排水口部材10の取水口14を蓋16によって塞いでおくことで、排水口部材10内にコンクリートが入り込むのを防止できる。
吸水接続部材20の接続口部21を蓋26によって塞いでおくことで、吸水接続部材20内にコンクリートが入り込むのを防止できる。
コンクリート6が予定打設高さに達することで規定の厚み(例えば150mm)になったら打設を終了する。すると、各排水口部材10の上端部が、基礎コンクリート6の上面6aから少しだけ突出された状態(又は基礎コンクリート上面6aと面一)になる。これによって、蓋16を撤去することで、取水口14がコンクリート6上に確実に現れるようにできる。取水口14における開口部11はもちろんのこと、スリット13の上端部がコンクリート6上に確実に現れるようにできる。
コンクリート6からの排水口部材10の突出高さがある程度ばらついていても、スリット13が上下に延びているために、スリット13がコンクリート上面6aと確実に交差されるようにでき、スリット13の上端部がコンクリート上面6aから確実に突出されるようにできる。
排水口部材10の上端高さを、コンクリート上面6aの高さに対して厳密に調整する必要がなく、施工が容易である。
さらに、コンクリート上面6aを排水口部材10へ向かって下がる勾配面にする必要が無く、施工が容易であり、かつ勾配を付けるために排水口部材10から離れた部分のコンクリートの厚みを増やす必要が無く、材料費の上昇を避けることができる。
コンクリート6を前記規定厚みまで打設することで、吸水接続部材20の上端部が、コンクリート上面6aから少しだけ突出された状態(又は基礎コンクリート上面6aと面一)になる。蓋26を撤去することで、接続口部21がコンクリート6上に確実に現れるようにできる。
吸水接続部材20の上端高さを、コンクリート上面6aの高さに対して厳密に調整する必要がなく、施工が容易である。
このようにして、基礎コンクリート6に水抜き装置9が埋設される。水抜き装置9は、前記第1、第2支持スペーサを除き、基礎コンクリート6の底面6bに達する部分を有さない。したがって、水抜き装置9は、コンクリート6,2の直下の地中8には達していない。
なお、図示しない前記第1、第2支持スペーサの底部についても、捨てコンクリート2の上面に接しているだけで捨てコンクリート2を貫通することはない。前記第1、第2支持スペーサの外周面と基礎コンクリート6との界面が、地中8に通じることはない。
基礎コンクリート6の打設後、養生を行う。このとき、コンクリート6の品質を高めるために、コンクリート6上に水を張って水中養生してもよい。
養生後の基礎コンクリート6上に柱、梁、屋根、外壁、床4(図6)、内壁などを構築する。
コンクリート6の打設後、床4を敷設するまでの間に雨が降ることもある。
このため、図6に示すように、床4で覆われた基礎コンクリート6の上面6aには、雨水や養生水に起因する水wが溜まっていることがある。
そこで、敷設後の床4の上に吸水ポンプ装置40を持ち込み、床下点検口4cの蓋4dを開けて、吸水ノズル43を床下7に挿し入れる。床下点検口4cの直下には接続口部21が臨んでいる。該接続口部21から吸水接続部材20内に吸水ノズル43を挿し入れる。これによって、接続口部21が吸水ノズル43と接続され、ひいては吸水接続部材20が吸水管42を介して吸水ポンプ41と接続される。
該吸水ポンプ41を駆動すると、その吸引力によって、各区画3cにおけるコンクリート上面6aの水wが、取水口14から排水口部材10内に取り込まれる。そして、接続管30を通って、更に吸水接続部材20、吸水ノズル43、吸水管42を順次経て、吸水ポンプ41に吸い込まれる。
これによって、床4の敷設後であっても、基礎3上の水wを吸引して排出できる。各区画3cから水wを吸引排出できる。すなわち、排水口部材10がそれぞれ配置された複数の区画3cから一度に水wを吸引排出でき、水wの除去作業を効率的に行うことができる。
コンクリート上面6aから突出された排水口部材10の開口部11の高さよりも上方の水waは、開口部11から吸い込んで排出できる。開口部11の高さより低い水wb、すなわち開口部11の高さとコンクリート上面6aとの間の水wbは、スリット13から排水口部材10に吸い込んで排出できる。したがって、排水口部材10がコンクリート上面6aから突出されていても、水wを確実に排出できる。
言い換えると、排水口部材10にスリット13を設けておくことで、開口部11がコンクリート上面6aと面一になるように厳密に施工しなくても、排水性が損なわることがなく、施工が容易である。
このようにして、水wを除去しておくことで、床下7が湿気の高い状態に保たれるのを避けることができ、建物1の木材が痛むのを防止できる。
なお、水抜き装置9によって水wを完全に抜けなくても、残った水wの厚みが1〜2mm程度であれば、一般に建物の床下7には通風性が確保されているから、前記残った水wもやがて蒸発して、床下7を乾燥状態にできる。
水抜き装置9の設置に際して、特許文献1のような排水管を地中8に埋設する必要は無い。水抜き装置9の埋設によって、基礎コンクリート6内に、地中8へ通じる貫通穴が形成されることもない。したがって、シロアリが地中8から水抜き装置9由来の貫通穴を通って建物1内に侵入してくるのを防止することができる。
水抜き装置9は、排水口部材10及び吸水接続部材20の上端部が僅かにコンクリート上面6aから突出されているだけであり、接続管30は完全にコンクリート6中に埋まっている。したがって、床下7に給水給湯管やガス管などを配管する際に、水抜き装置9が配管施工の邪魔になることがない。
更に、付加的用途として、水抜き装置9を施工後ないしは供用中の建物1の床下点検路として利用できる。具体的には、床下点検口4cを開けて、ファイバースコープを接続口部21から内に挿し入れ、1の接続管30を通して開口部11から出すことによって、床下7の状況をファイバースコープにより観察して点検できる。
次に、本発明の他の実施形態を説明する。以下の実施形態において既述の形態と重複する構成に関しては、図面に同一符号を付して説明を省略する。
<第2実施形態(図7〜図9)>
図7に示すように、第2実施形態の基礎上面水抜き装置9Bにおいては、排水口部材10だけが基礎コンクリート6に埋設されている。ベタ基礎3の施工時には、水抜き装置9Bのうち排水口部材10だけを各区画3c内に配置してコンクリート6の打設を行う。
したがって、コンクリート6の打設前は、埋設接続管30(図1参照)による各排水口部材10と吸水接続部材20(図1参照)との接続作業を行わない。
コンクリート6を打設して、更に養生後、吸水接続部材20Bから分岐された複数の非埋設接続管32をベタ基礎3上に引き回し、各排水口部材10に接続管32を接続する。
詳しくは、図8に示すように、接続管32の先端32eを取水口14から排水口部材10内に挿し入れる。
図9に示すように、排水口部材10の底部又は周側部12から吸水管17が延び出て、排水口部材10の近くのコンクリート上面6aに臨んでおり、該吸水管17の外周に接続管32の先端部32eを嵌め込むことで、排水口部材10と接続管32とを接続するようになっていてもよい。
図示は省略するが、接続管32の先端にドーム状ないしは吸盤状の接続口部を設けて、該接続口部を取水口14に被せることで、排水口部材10に接続管32を接続してもよい。
図7に示すように、このようにして、接続管32を介して各排水口部材10と吸水接続部材20Bを接続し、かつ吸水接続部材20Bの接続ポート25Bに吸水ポンプ装置40の吸水ノズル43を接続した後、吸引ポンプ41を駆動する。これによって、複数の区画3cのコンクリート上面6aから水wを一度に、効率的に吸い込んで除去できる。
<第3実施形態(図10〜図17)>
図10〜図12に示すように、第3実施形態においては、第1実施形態よりも排水口部材10Cのスリット13の数が多く、スリット13どうしの間隔が狭い。このため、排水口部材10Cの周側部12における隣接するスリット13の間の部分が、上下に延びる幅細の縦板部18となっている。多数(複数)の縦板部18が、排水口部材10Cの周方向に一定ピッチで並べられている。
各スリット13は、排水口部材10Cの上端縁に達している。各縦板部18の上端部は、隣接する縦板部18とは繋がっておらずフリーになっている。なお、縦板部18が撓み易いときは、各スリット13の両縁間にブリッジ部を架け渡して、隣接する縦板部18どうしを連結してもよい(図18参照)。
各縦板部18の下端部は、排水口部材10Cの周側部12の下側部分12bと一体に連なっている。周側部12の下側部分12bの一箇所に接続ポート15が設けられている。
排水口部材10Cの材質は、好ましくはポリエチレン(PE)、ポリプロプレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)などの樹脂である。
図10〜図13に示すように、排水口部材10Cの底部10bには、基礎の鉄筋組体5に係止される係止部50が一体形成されている。係止部50は、一対の第1係止爪51と、一対の第2係止爪52とを含む。これら係止爪51,52が、それぞれ底部10bから下方へ突出されている。4つの係止爪51,52は、底部10bの周方向の90°置きに配置されている。かつ第1係止爪51と第2係止爪52とが前記周方向に交互に配置されている。すなわち、一対の第1係止爪51どうしが、底部10bの1の直径方向の両側部にそれぞれ配置され、一対の第2係止爪52どうしが前記1の直径方向と直交するもう1つの直径方向の両側部にそれぞれ配置されている。
図13に示すように、第1係止爪51が第1鉄筋5aに係止され、第2係止爪52が第2鉄筋5bに係止される。
なお、第1鉄筋5aと第2鉄筋5bは互いに直交されるとともに、第2鉄筋5bが第1鉄筋5aの下方(図13において紙面手前)を通るように配筋されている。
図10及び図12に示すように、各第1係止爪51は、円形の鉄筋保持穴51aと、該鉄筋保持穴51aの一側部に連なる切欠開口51cとを有し、第1係止爪51どうしの対向方向から見て概略C字形状に形成されている。鉄筋保持穴51aの直径は、鉄筋5aの直径と実質的に同等の大きさになっている。切欠開口51cの開口幅は、前記鉄筋5aの直径より少し小さい。好ましくは、切欠開口51cは、鉄筋保持穴51aから係止爪51の側縁への開口端へ向かって拡開されている。
図12に示すように、一対の第1係止爪51の切欠開口51cは、これら第1係止爪51どうしの対向方向と直交する方向の互いに逆側へ向かって開口されている。一対の第1係止爪51どうしは、排水口部材10Cの中心軸線L10C(図10)に関して180°回転対称をなしている。
図10〜図12に示すように、各第2係止爪52は、第1係止爪51よりも下方へ突出されることで第1係止爪51に対して上下にずれている。かつ第2係止爪52は、第1係止爪51に対して90°をなす方向へ向けられている。詳しくは、第2係止爪52は、ベース板部52bと、爪部52fを含む。ベース板部52bが、排水口部材10Cの底部10bから垂下されている。ベース板部52bの下端部に、段違い部52dを介して、爪部52fが設けられている。
なお、ベース板部52bと爪部52fを面一にして、段違い部52dを省略してもよい。
爪部52fは、第1係止爪51より鉄筋5aの直径相当分だけ下方にずれて配置されている。爪部52fは、円形の鉄筋保持穴52aと、該鉄筋保持穴52aの一側部に連なる切欠開口52cとを有し、一対の第2係止爪52どうしの対向方向から見て概略C字形状に形成されている。鉄筋保持穴52aの直径は、鉄筋5bの直径と実質的に同等の大きさになっている。切欠開口52cの開口幅は、前記鉄筋5bの直径より少し小さい。好ましくは、切欠開口52cは、鉄筋保持穴52aから爪部52fの側縁への開口端へ向かって拡開されている。
一対の第2係止爪52の切欠開口52cは、これら第2係止爪52どうしの対向方向と直交する方向の互いに逆側へ向かって開口されている。一対の第2係止爪52どうしは、排水口部材10Cの中心軸線L10C(図10)に関して180°回転対称をなしている。さらに、係止部50の4つの係止爪51,52は、平面投影視で中心軸線L10Cに関して90°回転対称状に配置されている。
図14〜図16に示すように、第3実施形態の吸水接続部材20Cは、排水口部材10Cと似た形状になっている。吸水接続部材20Cの周側部22の上側部には、周方向に狭い間隔で多数(複数)のスリット23が形成されている。吸水接続部材20Cの周側部22における隣接するスリット23の間の部分が、上下に延びる幅細の縦板部28となっている。多数(複数)の縦板部28が、吸水接続部材20Cの周方向に一定ピッチで並べられている。
各スリット23は、吸水接続部材20Cの上端縁に達している。各縦板部28の上端部は、隣接する縦板部28とは繋がっておらずフリーになっている。なお、縦板部28が撓み易いときは、各スリット23の両縁間にブリッジ部を架け渡して、隣接する縦板部18どうしを連結してもよい(図19参照)。
各縦板部28の下端部は、吸水接続部材20Cの周側部22の下側部分22bと一体に連なっている。周側部22の下側部分22bには、複数の穴状の接続ポート25が互いに周方向に間隔を置いて設けられている。接続ポート25の数は、図においては6つであるが、これに限らず、5つ以下でもよく、7つ以上でもよい。
吸水接続部材20Cの材質は、好ましくはポリエチレン(PE)、ポリプロプレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)などの樹脂である。吸水接続部材20Cの材質は、排水口部材10Cの材質と好ましくは同じであるが、異なっていてもよい。
図14〜図17に示すように、吸水接続部材20Cの底部20bには、基礎の鉄筋組体5に係止される係止部60が一体形成されている。係止部60は、一対の第1係止爪61と、一対の第2係止爪62とを含む。これら係止爪61,62が、それぞれ底部20bから下方へ突出されている。4つの係止爪61,62は、底部20bの周方向の90°置きに配置されている。かつ第1係止爪61と第2係止爪62とが底部20bの周方向に交互に配置されている。すなわち、一対の第1係止爪61どうしが、底部20bの1の直径方向の両側部にそれぞれ配置され、一対の第2係止爪62どうしが前記1の直径方向と直交するもう1つの直径方向の両側部にそれぞれ配置されている。
第1係止爪61が第1鉄筋5aに係止され、第2係止爪62が第1鉄筋5aの下方を通る第2鉄筋5bに係止される。
図14及び図16に示すように、各第1係止爪61は、円形の鉄筋保持穴61aと、該鉄筋保持穴61aの一側部に連なる切欠開口61cとを有し、第1係止爪61どうしの対向方向から見て概略C字形状に形成されている。鉄筋保持穴61aの直径は、鉄筋5aの直径と実質的に同等の大きさになっている。切欠開口61cの開口幅は、前記鉄筋5aの直径より少し小さい。好ましくは、切欠開口61cは、鉄筋保持穴61aから第1係止爪61の側縁への開口端へ向かって拡開されている。
一対の第1係止爪61の切欠開口61cは、これら第1係止爪61どうしの対向方向と直交する方向の互いに逆側へ向かって開口されている。一対の第1係止爪61どうしは、吸水接続部材20Cの中心軸線L20C(図14)に関して180°回転対称をなしている。
図14〜図16に示すように、各第2係止爪62は、第1係止爪61よりも下方へ突出されることで第1係止爪651に対して上下にずれている。かつ第2係止爪62は、第1係止爪61に対して90°をなす方向へ向けられている。詳しくは、第2係止爪62は、ベース板部62bと、爪部62fを含む。ベース板部62bが、吸水接続部材20Cの底部20bから垂下されている。ベース板部62bの下端部に、段違い部62dを介して、爪部62fが設けられている。
なお、ベース板部62bと爪部62fを面一にして、段違い部62dを省略してもよい。
爪部62fは、第1係止爪61より鉄筋5aの直径相当分だけ下方にずれて配置されている。爪部62fは、円形の鉄筋保持穴62aと、該鉄筋保持穴62aの一側部に連なる切欠開口62cとを有し、一対の第2係止爪62どうしの対向方向から見て概略C字形状に形成されている。鉄筋保持穴62aの直径は、鉄筋5bの直径と実質的に同等の大きさになっている。切欠開口62cの開口幅は、前記鉄筋5bの直径より少し小さい。好ましくは、切欠開口62cは、鉄筋保持穴62aから爪部62fの側縁への開口端へ向かって拡開されている。
一対の第2係止爪62の切欠開口62cは、これら第2係止爪62どうしの対向方向と直交する方向の互いに逆側へ向かって開口されている。一対の第2係止爪62どうしは、吸水接続部材20Cの中心軸線L20C(図14)に関して180°回転対称をなしている。さらに、係止部60の4つの係止爪61,62は、平面投影視で中心軸線L20Cに関して90°回転対称状に配置されている。
第3実施形態においては、基礎の施工に際して、複数の排水口部材10Cをそれぞれ対応する区画3c(図1、図2参照)内における鉄筋組体5に支持させる。
詳しくは、図12に示すように、鉄筋5a,5bの配筋後、基礎コンクリート6の打設前に、排水口部材10Cを鉄筋5a,5bの交差部5c上に配置する。排水口部材10Cの底部10bを交差部5cに載置し、4つの係止爪51,52を交差部5cのまわりの4つの鉄筋間空間5d(図13)にそれぞれ差し入れ、各第1係止爪51の切欠開口51cを上側鉄筋5aの側部に宛がい、各第2係止爪52の切欠開口52cを下側鉄筋5bの側部に宛がう。
そして、図12において白抜き矢印線aに示すように、排水口部材10Cを平面視で時計まわりに少しだけ回転させる。これによって、鉄筋5aが、第1係止爪51を弾性変形させながら切欠開口51cを通り抜けて鉄筋保持穴51aに嵌るとともに、鉄筋5bが、第2係止爪52を弾性変形させながら切欠開口52cを通り抜けて鉄筋保持穴52aに嵌る。切欠開口51c,52cがそれぞれ開口端へ向かって拡開されていることによって、鉄筋5a,5bの嵌め込み操作を容易化できる。
この結果、図13に示すように、第1係止爪51が鉄筋5aに係止され、第2係止爪52が鉄筋5bに係止される。4つの係止爪51,52をほぼ同時に鉄筋5a,5bに係止させることができる。一対の第1係止爪51は、鉄筋5aにおける交差部5cを挟んで両側部分にそれぞれ係止される。一対の第2係止爪52は、鉄筋5bにおける交差部5cを挟んで両側部分にそれぞれ係止される。
このようにして、排水口部材10Cの設置作業を容易に行うことができ、排水口部材10Cを鉄筋組体5に安定的に保持させることができる。
同様にして、図16に示すように、吸水接続部材20Cを、対応する区画3c(図1、図2参照)における鉄筋5a,5bの交差部5c上に配置する。吸水接続部材20Cの底部20bを交差部5cに載置し、4つの係止爪61,62を交差部5cのまわりの4つの鉄筋間空間5d(図17)にそれぞれ差し入れ、各第1係止爪61の切欠開口61cを上側鉄筋5aの側部に宛がい、各第2係止爪62の切欠開口62cを下側鉄筋5bの側部に宛がう。
続いて、図16において白抜き矢印線bに示すように、吸水接続部材20Cを平面視で時計まわりに少しだけ回転させる。これによって、鉄筋5aが、第1係止爪61を弾性変形させながら切欠開口61cを通り抜けて鉄筋保持穴61aに嵌るとともに、鉄筋5bが、第2係止爪62を弾性変形させながら切欠開口62cを通り抜けて鉄筋保持穴62aに嵌る。切欠開口61c,62cがそれぞれ開口端へ向かって拡開されていることによって、鉄筋5a,5bの嵌め込み操作を容易化できる。
この結果、図17に示すように、第1係止爪61が鉄筋5aに係止され、第2係止爪62が鉄筋5bに係止される。4つの係止爪61,62をほぼ同時に鉄筋5a,5bに係止させることができる。一対の第1係止爪61は、鉄筋5aにおける交差部5cを挟んで両側部分にそれぞれ係止される。一対の第2係止爪62は、鉄筋5bにおける交差部5cを挟んで両側部分にそれぞれ係止される。
このようにして、吸水接続部材20Cの設置作業を容易に行うことができ、吸水接続部材20Cを鉄筋組体5に安定的に保持させることができる。
さらに、図13及び図17に示すように、第1実施形態と同様にして、接続管30で、各排水口部材10Cの接続ポート15と吸水接続部材20の接続ポート25とを接続する。
そして、図10及び図14において二点鎖線で示すように、基礎コンクリート6を打設する。打設の際は、各排水口部材10Cのスリット13及び取水口14、並びに吸水接続部材20Cの上端の接続口部21及びスリット23を養生テープや蓋16,26(図1参照)等で覆っておくことで、コンクリートが排水口部材10及び吸水接続部材20内に入り込むのを防止する。
排水口部材10C及び吸水接続部材20Cが、それぞれ底部の四箇所において鉄筋組体5にしっかりと保持されているため、コンクリート打設によって排水口部材10C及び吸水接続部材20Cが倒れたり位置ずれしたりするのを防止できる。
スリット13,23の上端部がコンクリート上面6aから突出されるようにさえすれば、排水口部材10C及び吸水接続部材20Cの上端高さを、コンクリート上面6aの高さに対して厳密に調整する必要がない点は、第1実施形態と同様である。
排水口部材10Cを基礎コンクリート6の上面から上へ突出させることで、基礎コンクリート6の養生中や建物の構築施工中、落ち葉、砂塵その他の夾雑物が取水口14から排水口部材10Cの内部に入り込むのを防止できる。さらに、スリット13を幅細にすることによって、落ち葉、砂塵その他の夾雑物がスリット13から排水口部材10Cの内部に入り込むのを防止できる。同様に、吸水接続部材20Cを基礎コンクリート6の上面から上へ突出させることで、吸水接続部材20Cの接続口部21やスリット23から落ち葉、砂塵その他の夾雑物が吸水接続部材20Cの内部に入り込むのを防止できる。
その後、第1実施形態と同様にして、吸水接続部材20Cからの吸水によって、各区画3cの排水を行う(図6参照)。排水口部材10Cのスリット13の上端部が基礎コンクリート6から上へ突出されるだけでなく、排水口部材10Cの全周に多数のスリット13が配置されているために、基礎コンクリート6上に溜まった水を確実に排水口部材10Cに取り込んで排水できる。
さらに、吸水接続部材20Cの配置区画の基礎コンクリート6上に溜まった水は、スリット23の上端部から吸水接続部材20C内へ取り込まれることで排水できる。したがって、スリット23付きの吸水接続部材20Cは、排水口部材としての役割を兼ねることができる。
<第4実施形態(図18〜図19>
第4実施形態は、前記第3実施形態の変形態様に係る。図18に示すように、第4実施形態の排水口部材10Dにおいては、各スリット13の両縁の上端間に架かるブリッジ部19が形成されている。スリット13を挟んで隣接する縦板部18の上端部どうしが、ブリッジ部19によって連結される。スリット13の上端部は、ブリッジ部19によって塞がれ、排水口部材10Dの上端縁には達していない。
これによって、スリット13の間隔が狭く、縦板部18の幅が狭くても、縦板部18が撓み変形するのを防止でき、排水口部材10Dの保形強度を高めることができる。
図19に示すように、同様に、排水口部材を兼ねた吸水接続部材20Dにおいては、スリット23の両縁の上端間に架かるブリッジ部29が形成され、スリット23を挟んで隣接する縦板部28の上端部どうしが、ブリッジ部29によって連結されていてもよい。スリット23の上端部は、ブリッジ部29によって塞がれ、吸水接続部材20Dの上端縁には達していない。
これによって、縦板部28の撓み変形を防止でき、吸水接続部材20Dの保形強度を高めることができる。
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の改変をなすことができる。
例えば、排水口部材10の上面が閉塞されていてもよく、周側部12のスリット13が基礎コンクリート6上に現れることで、該スリット13が取水口14の主部を構成していてもよい。
排水口部材10及び吸水接続部材20を基礎コンクリート6に埋設し、接続管30は、基礎3上に配管してもよい。
水抜き装置9,9Bによる水抜き工程は、床4の敷設後に限らず、コンクリート6の養生後であれば床4の敷設前に行ってもよい。
係止部は、排水口部材10C及び吸水接続部材20Cの少なくとも一方の底部に設けられていればよい。
複数の排水口部材のうち一部の排水口部材どうしが直列接続管を介して接続され、吸水接続部材に対して相対的に遠い排水口部材に取り込まれた水が、前記直列接続管及び相対的に近い排水口部材経由で、吸水接続部材へ送られるようにしてもよい。
ブリッジ部19,29は、好ましくは各スリット13,23の上端に配置されるが(図18、図19)、これに限らず、スリット13,23の中間部に設けられていてもよい。
本発明は、例えば基礎コンクリート上面の水抜きに適用できる。
1 建物
2 捨てコンクリート
3 ベタ基礎(基礎)
3c 区画
3b 立ち上がり壁部
4 床
4c 床下点検口(床開口部)
5 鉄筋組体
5a,5b 鉄筋
5c 交差部
6 基礎コンクリート(コンクリート)
6a コンクリート上面
6b コンクリート底面
7 床下
8 地中
9,9B 基礎上面水抜き装置
10 排水口部材
10C,10D 排水口部材
10b 底部
11 開口部
12 周側部
13 スリット
14 取水口
15 接続ポート
16 蓋
17 吸水管
18 縦板部
19 ブリッジ部
20 埋設型の吸水接続部材
20B 非埋設型の吸水接続部材
20C,20D 排水口部材を兼ねた吸水接続部材
20b 底部
21 接続口部
22 周側部
23 スリット
25,25B 接続ポート
26 蓋
28 縦板部
29 ブリッジ部
30 接続管
34 接続口部
40 吸水ポンプ装置
41 吸水ポンプ
42 吸水管
43 吸水ノズル
43a 吸水口
50 係止部
51 第1係止爪
51a 鉄筋保持穴
51c 切欠開口
52 第2係止爪
52f 爪部
52a 鉄筋保持穴
52c 切欠開口
60 係止部
61 第1係止爪
61a 鉄筋保持穴
61c 切欠開口
62 第2係止爪
62f 爪部
62a 鉄筋保持穴
62c 切欠開口

Claims (11)

  1. 建物の基礎のコンクリートの上面から水抜きする装置であって、
    前記コンクリート上に現れた取水口を有して、前記基礎における区画ごとに前記コンクリートに埋設された複数の排水口部材と、
    接続口部を有して、吸水ポンプと接続される吸水接続部材と、
    前記吸水接続部材と各排水口部材とを接続する接続管と
    を備えたことを特徴とする基礎上面水抜き装置。
  2. 前記接続口部が前記コンクリート上に現れるようにして、前記吸水接続部材が前記コンクリートに埋設されていることを特徴とする請求項1に記載の水抜き装置。
  3. 前記吸水接続部材が、前記建物の床開口部の直下に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の水抜き装置。
  4. 前記接続管が、前記コンクリートに埋設されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の水抜き装置。
  5. 前記排水口部材が、周側部の上下に延びるスリットを有して、前記コンクリートの上面から突出されており、前記スリットが前記コンクリートの上面と交差していることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の水抜き装置。
  6. 前記排水口部材には、前記スリットの両縁間に架かるブリッジ部が形成されていることを特徴とする請求項5に記載の水抜き装置。
  7. 前記排水口部材及び吸水接続部材の少なくとも一方の底部には、前記基礎の鉄筋組体に係止される係止部が設けられていることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の水抜き装置。
  8. 前記係止部が、第1係止爪と、前記第1係止爪に対して上下にずれ、かつ前記第1係止爪に対して90度をなす方向へ向けられた第2係止爪とを含むことを特徴とする請求項7に記載の水抜き装置。
  9. 建物の基礎のコンクリートの上面から水抜きする方法であって、
    コンクリート打設前の前記基礎の区画ごとに、取水口を有する排水口部材を設置し、
    吸水接続部材と各排水口部材とを接続管によって接続し、
    コンクリート打設によって、前記取水口が前記コンクリート上に現れるようにして、各排水口部材を前記コンクリートに埋設し、
    吸水ポンプを、前記吸水接続部材と接続して駆動することを特徴とする基礎上面水抜き方法。
  10. 前記コンクリート打設前に、前記接続管を前記基礎の鉄筋組体に支持されるように配管し、かつ前記吸水接続部材を前記建物の床開口部が設けられる予定位置の直下に設置し、
    コンクリート打設によって前記接続管を前記コンクリートに埋設するとともに、前記吸水接続部材の前記吸水ポンプとの接続口部が前記コンクリート上に現れるようにして、前記吸水接続部材を前記コンクリートに埋設することを特徴とする請求項9に記載の水抜き方法。
  11. 前記排水口部材及び吸水接続部材を前記基礎の鉄筋組体に支持させることを特徴とする請求項9又は10に記載の水抜き方法。
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