JP2021175098A - 回路装置、電子機器及び移動体 - Google Patents

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Abstract

【課題】適切な切断検出の判定電圧を設定して、デバイス接続中にデバイス切断の誤検出が行われるのを防止して安定した接続状態を維持できる回路装置等の提供。【解決手段】回路装置10は、USB規格のバスBS1が接続される物理層回路11と、USB規格のバスBS2が接続される物理層回路と、一端がバスBS1に接続され、他端がバスBS2に接続され、バスBS1とバスBS2との間の接続を、オン又はオフにするバススイッチ回路14を含む。物理層回路12は、USBのDP信号及びDM信号の一方の信号の電圧レベル情報を第1電圧レベル情報とした場合に、バススイッチ回路14のオフ期間においてバスBS2にホストチャープが送信されているときに測定された第1電圧レベル情報を保持する。そして第1電圧レベル情報に基づいて、バスBS2におけるデバイス切断の検出を行う。【選択図】図18

Description

本発明は、回路装置、電子機器及び移動体等に関する。
USB(Universal Serial Bus)では、デバイス機器が取り外されたか否かを判断するために切断検出が行われる。特許文献1には、このようなUSBの切断検出を行う通信装置が開示されている。特許文献1の通信装置は、制御信号に応じて変化する基準電圧を出力する基準電圧生成回路と、入力信号を増幅し、制御信号に応じて変化する差動出力信号をレセプタクルに出力する差動増幅回路と、切断検出回路を有している。基準電圧生成回路は、レセプタクルが終端されている場合の差動振幅電圧よりも大きく、レセプタクルが開放されている場合の差動振幅電圧よりも小さい基準電圧を、切断検出回路に出力する。そして切断検出回路は、USBの差動振幅電圧が、基準電圧以上である場合に、切断検出信号を出力する。この特許文献1には、制御信号に基づいて差動出力信号の電圧レベルを上昇させた場合に、それに応じて、切断検出の判定電圧となる基準電圧の電圧レベルを上昇させる点が開示されている。
特開2011−129042号公報
近年のホスト機器やデバイス機器では、機器の内部抵抗が増加している。特許文献1では、このような機器の内部抵抗の増加にも対応できるような切断検出の判定電圧を設定することができない。このため、機器の内部抵抗の増加等が原因で、切断の誤検出が行われてしまうおそれがある。
本開示の一態様は、USB規格の第1バスが接続される第1物理層回路と、前記USB規格の第2バスが接続される第2物理層回路と、一端が前記第1バスに接続され、他端が前記第2バスに接続され、前記第1バスと前記第2バスとの間の接続を、オン又はオフにするバススイッチ回路と、を含み、前記第2物理層回路は、前記USBのDP信号及びDM信号の一方の信号の電圧レベル情報を第1電圧レベル情報とした場合に、前記バススイッチ回路のオフ期間において前記第2バスにホストチャープが送信されているときに測定された前記第1電圧レベル情報を保持し、前記第1電圧レベル情報に基づいて、前記第2バスにおけるデバイス切断の検出を行う回路装置に関係する。
また本開示の一態様は、上記に記載の回路装置を含む電子機器に関係する。
また本開示の一態様は、上記に記載の回路装置を含む移動体に関係する。
本実施形態の回路装置の構成例。 回路装置の具体的な構成例。 ホストとデバイスの接続構成例。 ホストとデバイスの接続構成例。 送出波に反射波が重畳することにより発生する問題点の説明図。 送出波に反射波が重畳することにより発生する問題点の説明図。 デバイス切断が行われていないときのSOF波形。 デバイス切断が行われケーブル長が短いときのSOF波形例。 デバイス切断が行われケーブル長が長いときのSOF波形例。 ホストとデバイスの接続後のタイミング波形図。 FSモードのホストチャープJでの電流経路の説明図。 FSモードのホストチャープKでの電流経路の説明図。 HSモードのホストチャープJでの電流経路の説明図。 HSモードのホストチャープKでの電流経路の説明図。 切断検出回路の第1構成例。 切断検出回路の第2構成例。 切断検出回路の第3構成例。 本実施形態の回路装置の構成例。 回路装置を含むホスト機器の構成例。 回路装置の詳細な構成例。 回路装置の動作を説明するタイミング波形図。 回路装置の動作を説明するタイミング波形図。 電子機器の構成例。 移動体の構成例。
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲の記載内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが必須構成要件であるとは限らない。
なお図1〜図17では、回路装置10の切断検出回路30の構成及び動作を主に説明する。図1〜図17では回路装置10がホストに設けられる場合について例にとり説明する。一方、図18〜図22では、物理層回路11、12とバススイッチ回路14を含む構成の回路装置10について説明する。図18〜図22では回路装置10はホストとデバイスの間に設けられる。
1.回路装置
図1に本実施形態の回路装置10の構成例を示す。この回路装置10はUSBのホストに設けられるホスト側の回路装置である。一方、回路装置150はUSBのデバイスに設けられるデバイス側の回路装置である。回路装置10、150は、例えば半導体回路により実現される集積回路装置(IC)である。
図1に示すように本実施形態の回路装置10は、HSドライバー20と切断検出回路30を含む。また回路装置10は、FSドライバー90や、終端抵抗RS1、RS2や、プルダウン抵抗RD1、RD2を含むことができる。
HSドライバー20は、USBのHS(High Speed)モードの送信回路であり、DP信号、DM信号の信号線LDP、LDMに駆動電流を出力する電流ドライバーである。DP信号、DM信号は、USBの差動出力信号であり、差動対となる信号である。HSドライバー20は電流源22を含む。電流源22は例えば定電流回路などにより実現される。またHSドライバー20は、電流源22からの送電電流である駆動電流を信号線LDP、LDMのいずれに出力するかを選択するスイッチなどを含むことができる。
切断検出回路30はUSBの切断検出を行う回路である。具体的には切断検出回路30は、USBからデバイス機器が取り外されるデバイス切断を検出する回路である。切断検出回路30はDP信号、DM信号の電圧レベルを検出することでデバイス切断を検出する。
FSドライバー90は、USBのFS(Full Speed)モードの送信回路であり、信号線LDP、LDMを電圧駆動する電圧ドライバーである。FSドライバー90は、信号線LDPを駆動するドライバー回路DR1と信号線LDMを駆動するドライバー回路DR2を含む。なおFSドライバー90はLS(Low Speed)用にも使用され、FSとLSの兼用のドライバーである。
終端抵抗RS1、RS2は、信号線LDP、LDMとFSドライバー90のドライバー回路DR1、DR2の出力ノードとの間に設けられる。終端抵抗RS1、RS2の抵抗値は45Ωである。FSドライバー90が終端抵抗RS1、RS2の一端にGNDレベルであるLレベルを出力することで、RS1、RS2は終端抵抗として機能するようになる。プルダウン抵抗RD1、RD2は、信号線LDP、LDMとGNDノードとの間に設けられる。なお終端抵抗RS1、RS2、プルダウン抵抗RD1、RD2は、回路装置10に内蔵されていなくてもよく、回路装置10の外付け部品であってもよい。
デバイス側の回路装置150は、HSドライバー160、FSドライバー170、終端抵抗RS3、RS4、プルアップ抵抗RU、スイッチSWUを含む。HSドライバー160はUSBのHSモードの送信回路であり、電流源162により信号線LDP、LDMを電流駆動する。終端抵抗RS3、RS4は、信号線LDP、LDMとFSドライバー170のドライバー回路DR3、DR4の出力ノードとの間に設けられる。プルアップ抵抗RU及びスイッチSWUは電源ノードと信号線LDPとの間に設けられる。
そして本実施形態では、切断検出回路30が、保持回路40と、判定電圧生成回路60と、検出回路80を含む。保持回路40は第1保持回路であり、判定電圧生成回路60は第1判定電圧生成回路である。保持回路40は、HSドライバー20がホストチャープを送信しているとき、USBのDP信号及びDM信号の一方の信号の電圧レベル情報である第1電圧レベル情報を測定して保持する。そして判定電圧生成回路60は、保持された第1電圧レベル情報に基づいて第1判定電圧を生成し、検出回路80は、生成された第1判定電圧に基づいて、USBの切断検出を行って、切断検出信号を出力する。
即ち後述の図10で詳細に説明するように、ケーブルアタッチ後のバスリセット期間において、ホスト側のHSドライバー20はホストチャープの信号を出力する。このときに保持回路40は、DP信号及びDM信号の一方の信号の電圧レベルを測定し、測定された電圧レベルの情報である第1電圧レベル情報を保持する。判定電圧生成回路60は、保持回路40に保持された第1電圧レベル情報に基づいて例えば所定の演算処理を行うことで、第1判定電圧の電圧レベルを決定し、決定された電圧レベルの第1判定電圧を検出回路80に出力する。検出回路80は、この第1判定電圧に基づいて、USBの切断検出を行う。例えばHS通信時にデバイス機器が取り外されるデバイス切断が発生したか否かを検出するUSBの切断検出を行う。具体的にはDP信号と第1判定電圧の電圧比較を行ったり、DM信号と第1判定電圧の電圧比較を行うことで、USBの切断検出を行う。そして切断検出によりデバイ切断が検出されると、切断検出信号をアクティブレベルにして出力する。このように本実施形態では、ホストチャープの送信時におけるDP信号及びDM信号の一方の信号の電圧レベルの測定結果に基づいて、切断検出の判定電圧である第1判定電圧が生成され、この第1判定電圧を用いてUSBの切断検出が行われる。このようにすることで、現在の接続条件での適切な切断検出の判定電圧を設定することが可能になる。従って、例えばUSB機器に種々の部品が付加されるような接続構成においても、デバイス接続中に切断の誤検出が行われるのを防止して安定した接続状態を維持することが可能になる。
図2に本実施形態の回路装置10の具体的な構成例を示す。図2では回路装置10はUSBのホストコントローラーとして動作する。なお回路装置10はUSBのハブの回路装置であってもよい。この場合には回路装置10にアップストリームポート回路を更に設ければよい。
回路装置10は、ダウンストリームポート回路100と制御回路110を含む。制御回路110は、ダウンストリームポート回路100の制御等を行う回路である。制御回路110は、ゲートアレイ等の自動配置配線によるASIC(Application Specific Integrated Circuit)や、或いはMPU又はCPU等のプロセッサーにより実現できる。制御回路110は、USBのホストコントローラーやハブとして動作するための各種の制御処理や信号処理を実行する。例えば回路装置10がホストコントローラーである場合には、制御回路110は、EHCI(Enhanced Host Controller Interface)、XHCI(Extensible Host Controller Interface)、OHCI(Open Host Controller Interface)又はUHCI(Universal Host Controller Interface)等の方式に従ったホスト処理を行う。なおベンダー独自規格に従ったホスト処理を行ってもよい。また回路装置10がUSBのハブの回路装置である場合には、トランザクションの変換処理やハブリピートのロジック処理などを行う。
ダウンストリームポート回路100は、ダウンストリーム用のポート回路である物理層回路PHY1、PHY2・・・PHYnを含む。物理層回路PHY1、PHY2・・・PHYnはUSBを介してデバイス機器DEV1、DEV2・・・DEVnに接続される。図1のHSドライバー20、切断検出回路30、FSドライバー90等は、これらの各物理層回路PHY1〜PHYnに設けられる。なお物理層回路PHY1〜PHYnは、HSドライバー20、切断検出回路30、FSドライバー90以外にも、HSモードの受信回路であるHSレシーバー、FSモードの受信回路であるFSレシーバー、シングルエンドの受信回路でアルシングルエンドレシーバーなどを含むことができる。またダウンストリームポート回路100は、USBを介して受信したシリアルデータをパラレルデータに変換するシリアル/パラレル変換処理や、パラレルデータをシリアルデータに変換するパラレル/シリアル変換処理や、NRZIの処理などのリンク層の処理を行う。
次にUSBの切断検出の問題の詳細について説明する。図3にUSB機器におけるデバイス接続時の構成例を示す。ホスト機器400のDP、DMの信号線は、ホストコントローラー410内に設けられる45Ωの終端抵抗RS1、RS2から、DP、DMの端子TP1、TM1を介して、Type−Aのレセプタクル452のDP、DMの端子に配線される。なお終端抵抗RS1、RS2の一端とGNDノードとの間に設けられるスイッチSW1、SW2は、図1ではFSドライバー90により実現される。またホストコントローラー410には、電流源412からの駆動電流をDP、DMの信号線のいずれに出力するかを選択するスイッチSWH1や、USBの切断検出を行う切断検出回路414が設けられる。またホスト機器400には、VBUSの電圧を生成するレギュレーター420が設けられる。
デバイス機器500のDP、DMの信号線は、デバイスコントローラー510内に設けられる45Ωの終端抵抗RS3、RS4から、DP、DMの端子TP2、TM2を介して、Type−Bのレセプタクル458のDP、DMの端子に配線される。そしてホスト機器400にはUSBケーブル450のType−Aのプラグ454が接続され、デバイス機器500にはUSBケーブル450のType−Bのプラグ456が接続される。なお終端抵抗RS3、RS4の一端とGNDノードとの間に設けられるスイッチSW3、SW4は、図1ではFSドライバー170により実現される。またデバイスコントローラー510には、電流源512からの駆動電流をDP、DMの信号線のいずれに出力するかを選択するスイッチSWH2が設けられる。またデバイス機器500には、VBUSの電圧に基づいて3.3Vの電圧を生成するレギュレーター520が設けられる。なお本実施形態では、ホスト機器400やホストコントローラー410を、適宜、単にホストと記載したり、デバイス機器500やデバイスコントローラー510を、適宜、単にデバイスと記載する。
図3の構成例において、回路基板上の配線抵抗及びUSBケーブル450の内部抵抗を0Ωであるとすると、USBのDP、DMの信号線のHSパケットの振幅は以下のようになる。
即ち、デバイス接続時には、ホスト機器400の終端抵抗RS1、RS2とデバイス機器500の終端抵抗RS3、RS4の双方に対して、ホスト機器400の電流源412からの駆動電流が流れる。このためHSパケットの振幅は、((45Ω×45Ω)/(45Ω+45Ω))×17.78mA=22.5Ω×17.78mA=400.05mVになる。一方、デバイス切断時には、ホスト機器400の終端抵抗RS1、RS2にだけ電流源412からの駆動電流が流れるため、HSパケットの振幅は、45Ω×17.78mA=800.1mVになる。
そしてホストコントローラー410には、HS通信時にデバイス機器500の切断を検出する切断検出回路414が設けられている。この切断検出回路414が切断を判定する切断検出レベルVDISは、USB規格において、525mV<VDIS<625mVとなるように規定されている。従って、切断検出回路414の切断検出の判定電圧を、切断検出レベルVDISの範囲である525mV〜625mVの範囲内に設定することで、デバイス機器500の切断検出を行うことが可能となる。即ち、デバイス機器500が接続されている場合には、SOF(Start of Frame)パケットのEOP(End of Packet)の振幅が例えば400mVになるため、切断検出回路414は、デバイス切断が検出されていないと判定する。一方、デバイス機器500の接続が切断された場合には、EOPの振幅が例えば800mVになるため、切断検出回路414は、デバイス切断が検出されたと判定する。なお本実施形態ではSOFパケットを、適宜、SOFと記載する。
一方、近年においてはUSB機器の回路基板に対して種々の部品が設けられるようになってきた。図4に、このようなUSB機器におけるデバイス接続時の構成例を示す。ホスト機器400のDPの信号線は、終端抵抗RS1から、DPの端子TP1、給電制御IC422、保護部品424を介して、Type−Cのレセプタクル462のDPの表用端子とDPの裏用端子に配線される。ホスト機器400のDMの信号線は、終端抵抗RS2から、DMの端子TM1、給電制御IC422、保護部品424を介して、レセプタクル462のDMの表用端子とDMの裏用端子に配線される。
ホスト機器400の給電制御IC422としては、USBのBC規格(Battery Charging Specification)に準拠のものが用いられ、USBの接続が行われる前に独自プロトコルによってホストとデバイスとが供給電力の取り決めを行う。ホスト機器400の保護部品424は、静電保護や天絡保護や地絡保護などを目的としたものが用いられる。
デバイス機器500のDPの信号線は、終端抵抗RS3から、DPの端子TP2、給電制御IC522、バススイッチIC524を介して、Type−Cのレセプタクル468のDPの表用端子とDPの裏用端子に配線される。デバイス機器500のDMの信号線は、終端抵抗RS4から、DMの端子TM2、給電制御IC522、バススイッチIC524を介して、レセプタクル468のDMの表用端子とDMの裏用端子に配線される。
デバイス機器500の給電制御IC522は、ホスト機器400の給電制御IC422と同様に、供給電力の取り決めを行うために用いられる。デバイス機器500のバススイッチIC524は、レセプタクル468の表用端子(DPの表/DMの表)と裏用端子(DPの裏/DMの裏)のいずれかを選択するために用いられる。そしてホスト機器400にはUSBケーブル450のType−Cのプラグ464が接続され、デバイス機器500にはUSBケーブル450のType−Cのプラグ466が接続される。
図4の構成例では、図3の構成例に比べて、ホストとデバイスの間のDP、DMの信号線に対して種々の部品が追加されることになるため、終端抵抗RS1、RS2、RS3、RS4に加えて、これらの部品の内部抵抗を考慮する必要が生じる。
図4の構成例において、仮にホスト機器400とデバイス機器500に搭載される各部品の内部抵抗が20Ωであるとすると、USBのDP、DMの信号線のHSパケットの振幅は以下のようになる。
即ち、デバイス接続時には、ホスト機器400とデバイス機器500の双方の終端抵抗RS1、RS2、RS3、RS4と部品の内部抵抗に対して駆動電流が流れる。このためHSパケットの振幅は、((45Ω×(45Ω+20Ω+20Ω))/(45Ω+(45Ω+20Ω+20Ω)))×17.78mA=29.423Ω×17.78mA=523.14mVになる。一方、デバイス切断時には、ホスト機器400の終端抵抗RS1、RS2にだけ電流源412からの駆動電流が流れるため、HSパケットの振幅は、45Ω×17.78mA=800.1mVになる。
そして前述したように、切断検出回路414が切断を判定する切断検出レベルVDISは、525mV<VDIS<625mVとなるように規定されている。従って、図4の構成例において、切断検出回路414の切断検出の判定電圧を、切断検出レベルの下限値である525mV付近に設定した場合、SOFのEOPの振幅がデバイス接続時には、前述のように523.14mVに達するため、デバイス接続中に切断の誤検出が行われる可能性がある。更には、USBケーブル450による信号レベルの減衰を補償するために、ホストコントローラー410が駆動電流を、17.78mAよりも増加している場合は、EOPの振幅がさらに増加するため、切断の誤検出が行われる可能性が高くなる。
このような、切断の誤検出を防ぐために、切断検出の判定電圧を切断検出レベルの上限値である625mV付近に設定することが考えられるが、この場合は逆にUSBケーブル450のケーブル長に依存する反射波の影響で、デバイス切断時に切断検出が機能しなくなるおそれがある。図5〜図8はケーブル長に依存する反射波の影響についての説明図である。ここでのデバイス切断は、図3の構成例においてデバイス機器500のレセプタクル458からUSBケーブル450のプラグ456を抜去した状態とする。このときホスト機器400にはUSBケーブル450が接続された状態になっている。
デバイス切断により45Ω終端のHSターミネーションが失われると、ホストが検出するSOFのEOPに対して反射波が重畳する。図5は、USBケーブル450のケーブル長が短く、反射波の遅延DEL=DEL1が小さい場合を示し、図6は、ケーブル長が長く、反射波の遅延DEL=DEL2が大きい場合を示している。図5では、ケーブル長が短く、遅延DELが小さいため、ホストの送出波のEOPと反射波のEOPとの間に、時間的な重畳箇所VLP1が存在する。そして、この重畳箇所VLP1では、EOPの信号振幅が低下しないため、ホストはデバイス切断を検出できる。一方、図6では、ケーブル長が長く、遅延DELが大きいため、ホストの送出波のEOPと反射波のEOPとの間には重畳箇所が存在しない。そして図6では、ホストの送出波のEOPと反射波のSYNCやPIDとが、重畳箇所VLP2において重畳している。このため、重畳箇所VLP2では、EOPの信号振幅がDC的に上昇しなくなってしまい、ホストがデバイス切断を検出できなくなるおそれがある。
図7は、デバイス切断が行われていないときのSOF波形の例である。図7では、デバイス切断が行われておらず、デバイスによる45Ω終端のHSターミネーションにより、インピーダンス整合の状態になっているため、反射波は生じていない。そしてHSターミネーションにより、ホストのSOFの送出波のEOPの信号振幅V1は、例えば400mV程度になっている。
図8は、デバイス切断が行われており、USBケーブル450のケーブル長が比較的短い場合のSOF波形の例である。図8では、インピーダンス不整合により、送出波のEOPに対してH1に示す反射波が重畳している。図8では、前述の図5のように送出波のEOPと反射波のEOPとが重畳箇所VLP1において重畳している。そして送出波のEOPの信号振幅V3は、切断検出レベルを越えているため、ホストはデバイス切断を検出できる。
一方、図9は、デバイス切断が行われており、USBケーブル450のケーブル長が長い場合のSOF波形の例である。図9では、インピーダンス不整合により、送出波に対してH2に示す反射波が重畳している。図9では、前述の図6のように送出波のEOPと反射波のSYNCやPIDとが重畳箇所VLP2において重畳している。これにより送出波のEOPの信号振幅V4が低下しており、本来の切断時の振幅である800mVを保つことができず、切断検出レベルの上限値である625mVに近づいている。従って、切断検出回路414での切断検出の判定電圧を、切断検出レベルの上限値である625mV付近に設定している場合には、ホストがデバイス切断を検出できなくなるおそれがある。
以上のように、USB機器においては、ホスト機器400やデバイス機器500に搭載される部品の内部抵抗や、接続に使用されるUSBケーブル450の長さなどの各条件に応じて、切断検出レベルの最適な判定電圧が異なるようになってしまう。一方、USB規格は汎用的な通信規格であるため、ホスト機器400に対しては、様々な条件でデバイス機器500が接続されることになり、その接続条件によっては、デバイス機器500が接続されているのにデバイス切断を誤って検出したり、デバイス機器500の接続が切断されているのにデバイス切断を検出できないなどの問題が発生する。
以上のような問題を解決するために、図1に示す本実施形態の回路装置10は、HSドライバー20と切断検出回路30を含み、切断検出回路30は、保持回路40と判定電圧生成回路60と検出回路80を含む。そして保持回路40は、HSドライバー20がホストチャープを送信しているときに、USBのDP信号及びDM信号の一方の信号の電圧レベル情報である第1電圧レベル情報を保持する。即ち保持回路40は、後述の図10で説明するホストチャープ時におけるDP信号及びDM信号の一方の信号の第1電圧レベル情報を保持する。そして判定電圧生成回路60は、保持された第1電圧レベル情報に基づいて判定電圧を生成する。即ち、DP信号及びDM信号の一方の信号の第1電圧レベル情報に基づく所定の演算処理を行うことで第1判定電圧を生成して、生成した第1判定電圧を検出回路80に出力する。そして検出回路80は、この第1判定電圧に基づいて、USBの切断検出を行って、切断検出信号を出力する。このようにすれば、HS通信前のホストチャープ時におけるDP信号やDM信号の電圧レベル情報を保持回路40に保持し、保持された電圧レベル情報に基づき生成された判定電圧を用いて、HS通信時におけるUSBの切断検出を行えるようになる。従って、図3〜図9で説明したようにホスト機器400やデバイス機器500に搭載される部品の内部抵抗やUSBケーブル450の長さなどの接続条件が変化した場合にも、そのときの接続条件に応じた最適な判定電圧を生成して、USBの切断検出を行えるようになる。従って、接続条件に応じた最適な切断検出の判定電圧を設定することが可能になり、デバイス切断を誤って検出したり、デバイス切断を適切に検出できないなどの問題の発生を防止できるようになる。
2.切断検出の判定電圧
次に切断検出の判定電圧の設定について詳細に説明する。まずホストとデバイスの接続後の動作について図10のタイミング波形図を用いて説明する。
ホストとデバイスが接続されるケーブルアタッチ後、USB接続が行われる前に、ホスト、デバイスの給電制御ICが、独自プロトコルであるBCプロトコルによってホストからデバイスへの供給電力の取り決めを行う(タイミングt1)。
デバイスは、ホストへの接続を通知するため、1.5kΩのプルアップ抵抗をオンすることで、USBのDPの信号線を3.3V(FS_J)にして、FSアイドルに移行させる(タイミングt2)。ホストはこの状態を検出することで、デバイスが接続されたと判断する。
ホストは、接続されたデバイスとの通信を開始するにあたり、終端抵抗をオンすることで、USBのDP、DMの信号線を0V(SE0)にして、バスリセットを開始する(タイミングt3)。デバイスは、この状態を検出することで、デバイスの接続がホストに認識されたと判断する。
デバイスは、ホストに対してHS対応であることを通知するため、電流源をDMの信号線側に接続することで、DMの信号線を800mVにして、デバイスチャープKを送出する(タイミングt4)。ホストは、この状態を検出することで、接続されているデバイスがHS対応であると判断する。
ホストは、デバイスとのHS接続を開始するにあたり、電流源をDPの信号線側とDMの信号線側に交互に接続することで、DP、DMの信号線を交互に800mVにして、ホストチャープK/J(FS)を送出する(タイミングt6)。デバイスは、この状態を検出することで、デバイスがHS対応であることがホストに認識されたと判断する。
デバイスは、ホストに対してHS通信可能であることを通知するため、終端抵抗をオンにし、これによりDP、DMの信号線の高電位側の電圧レベルが400mVに設定され、ホストチャープK/J(HS)が示される(タイミングt7)。ホストは、この状態を検出することで、接続されているデバイスがHS通信可能であると判断する。
ホストは、デバイスとのHS通信を開始するにあたり、ホストチャープK/J(HS)を停止することで、DP、DMの信号線を0V(SE0)にして、バスリセットを終了させる(タイミングt8)。以降は、ホストは、SOFを含む各種のHSパケットをデバイスに送出することで、デバイスとのHS通信を実行する。
次に図10のタイミング波形におけるホストチャープK/Jの部分に注目し、各状態での電流経路について図11〜図14を用いて説明する。なお、ホストのプルダウン抵抗及びデバイスのプルアップ抵抗は終端抵抗に比べて抵抗値が大きく、チャープ波形への影響は軽微であるため、各状態での電流経路の説明には含まないものとする。また図11〜図14においてRP1、RP2は、USBの経路に設けられる部品の内部抵抗を表している。また本実施形態では、図10のタイミングt6〜t7のホストチャープを、FSモードでのホストチャープであるとして、ホストチャープK(FS)、ホストチャープJ(FS)、ホストチャープK/J(FS)などと記載する。またタイミングt7〜t8のホストチャープを、HSモードでのホストチャープであるとして、ホストチャープK(HS)、ホストチャープJ(HS)、ホストチャープK/J(HS)などと記載する。タイミングt7において、ホスト及びデバイスの両方がHSに対応していることが確定しており、USBの転送モードがFSモードからHSモードに移行しているからである。
図11に、USBのDPの信号線が800mVに設定されるホストチャープJ(FS)の状態での電流経路を示す。この状態ではホストが終端抵抗RS1、RS2をオンにし、デバイス(FSモード)の終端抵抗RS3、RS4はオフであり、ホストの電流源22がDP側に接続されている。このため、図11に示すように、ホストのDP側の終端抵抗RS1にのみ、電流源22からの定電流の駆動電流IDCが流れる電流経路になる。ここで、ホストやデバイスに搭載される給電制御IC、保護部品等の各部品を通る経路は、図11の電流経路には含まれないため、これらの各部品の内部抵抗はホストチャープJ(FS)の振幅には影響しない。なおホストが終端抵抗RS1、RS2をオンにするとは、ホストのFSドライバー90が終端抵抗RS1、RS2の一端をLレベルにすることである。デバイスが終端抵抗RS3、RS4をオンにするとは、デバイスのFSドライバー170が終端抵抗RS3、RS4の一端をLレベルにすることである。
図12に、USBのDMの信号線が800mVに設定されるホストチャープK(FS)の状態での電流経路を示す。この状態ではホストが終端抵抗RS1、RS2をオンにし、デバイス(FSモード)の終端抵抗RS3、RS4はオフであり、ホストの電流源22がDM側に接続されている。このため図12に示すように、ホストのDM側の終端抵抗RS2にのみ駆動電流IDCが流れる電流経路になる。ここで、ホストやデバイスに搭載される給電制御IC、保護部品等の各部品を通る経路は、図12の電流経路には含まれないため、これらの各部品の内部抵抗はホストチャープK(FS)の振幅には影響しない。
図13に、USBのDPの信号線が400mVに設定されるホストチャープJ(HS)の状態での電流経路を示す。この状態ではホストが終端抵抗RS1、RS2をオンにし、デバイス(HSモード)が終端抵抗RS3、RS4をオンにし、ホストの電流源22がDP側に接続されている。このためホスト及びデバイスのDP側の終端抵抗RS1、RS3に駆動電流IDCが流れる電流経路になる。ここで、ホストやデバイスに搭載される給電制御IC、保護部品等の各部品を通る経路は、図13の電流経路に含まれるため、これらの各部品の内部抵抗は、ホストチャープJ(HS)の振幅を増加させる方向に影響する。
図14に、USBのDMの信号線が400mVに設定されるホストチャープK(HS)の状態の電流経路を示す。この状態ではホストが終端抵抗RS1、RS2をオンにし、デバイス(HSモード)が終端抵抗RS3、RS4をオンにし、ホストの電流源22がDM側に接続されている。このためホスト及びデバイスのDM側の終端抵抗RS2、RS4に駆動電流IDCが流れる電流経路になる。ここで、ホストやデバイスに搭載される給電制御IC、保護部品等の各部品を通る経路は、図14の電流経路に含まれるため、これらの各部品の内部抵抗は、ホストチャープK(HS)の振幅を増加させる方向に影響する。
以上の図11〜図14で説明した各ホストチャープ状態の電流経路を比較すると、ホストチャープK/J(FS)状態とホストチャープK/J(HS)状態との差異は、デバイスの終端抵抗RS3、RS4がオフであるかオンであるかの違いである。また、ホストから見たデバイスの終端抵抗RS3、RS4の有無は、HS通信時のデバイス切断の前後のときにも同様に生じるが、その際の電流経路は以下に相当するということができる。
即ち、HS通信時におけるデバイス切断前のDPの電流経路は、図13のホストチャープJ(HS)の状態の電流経路に相当する。HS通信時におけるデバイス切断前のDMの電流経路は、図14のホストチャープK(HS)の状態の電流経路に相当する。
一方、HS通信時におけるデバイス切断後のDPの電流経路は、図11のホストチャープJ(FS)の状態の電流経路に相当する。HS通信時におけるデバイス切断後のDMの電流経路は、図12のホストチャープK(FS)の状態の電流経路に相当する。
ホストとデバイスの接続中において、一般的にホストの電流源22の電流値は常に一定であり、ホストチャープ時とHS通信時とで差異は生じない。振幅の拡大のための電流調整機能を持つホストにおいても、デバイス接続前に静的に電流源22の電流値の調整を行うことが可能であるが、デバイス接続状態において動的に電流値を変動させることはない。また、ホストとデバイスとの接続中において、ホストとデバイスを接続するUSBケーブルの構成は常に同一であり、変えることはできない。更に、ホスト及びデバイスの終端抵抗、並びに、USBのDP、DMの信号線に設けられる給電制御IC、保護部品等の各部品の内部抵抗の抵抗値も、ホストとデバイスの接続中は常に一定である。
これらの状況を踏まえると、ホストチャープ時とHS通信時とでは電流経路の条件である電流値や抵抗値が同じであるため、振幅も同等であると考えられる。ここで電流経路の関連性を考慮すると、デバイス切断の前後のHSパケット振幅は以下に相当するということができる。
即ち、デバイス切断前のDP側のHSパケット振幅は、図10のタイミングt7〜t8や図13に示されるホストチャープJ(HS)の振幅に相当する。デバイス切断前のDM側のHSパケット振幅は、図10のタイミングt7〜t8や図14に示されるホストチャープK(HS)の振幅に相当する。
一方、デバイス切断後のDP側のHSパケット振幅は、図10のタイミングt6〜t7や図11に示されるホストチャープJ(FS)の振幅に相当する。デバイス切断後のDM側のHSパケット振幅は、図10のタイミングt6〜t7や図12に示されるホストチャープK(FS)の振幅に相当する。
以上のように、ホストとデバイスの接続後の各ホストチャープの振幅を測定することで、HS通信時でのデバイス切断の前後のHSパケットの振幅を把握することが可能となる。即ち、図10のタイミングt6〜t8でのホストチャープの振幅を測定することで、タイミングt8以降のHS通信時におけるデバイス切断の前後のHSパケットの振幅を把握できる。そして把握した各HSパケット振幅から、現在の接続条件における最適な切断検出レベルとなる判定電圧を推定することができる。
そこで本実施形態では、ホストとデバイスが接続された後、保持回路40が、図10のタイミングt6〜t8のホストチャープでのDP信号やDM信号の電圧レベル情報を測定して、保持する。そして判定電圧生成回路60が、保持された電圧レベル情報に基づいて、現在の接続条件における最適な切断検出レベルとなる判定電圧を生成する。そして検出回路80が、生成された判定電圧に基づいて、図10のタイミングt8以降のHS通信時におけるUSBのデバイス切断の検出を行う。このようにすれば、現在の接続条件における最適な判定電圧を用いて、USBのデバイス切断を検出できるようになる。
3.切断検出回路
次に切断検出回路30の詳細な構成例について説明する。なお以下では、DP信号及びDM信号の一方の信号がDP信号であり、他方の信号がDM信号であるとして説明を行う。但し、当該一方の信号がDM信号であり、他方の信号がDP信号であってもよい。
図15に切断検出回路30の第1構成例を示す。切断検出回路30は、保持回路40と判定電圧生成回路60と検出回路80を含む。そして検出回路80は比較回路81を含む。比較回路81は、判定電圧生成回路60が生成した判定電圧VJPと、DP信号及びDM信号の一方の信号であるDP信号の電圧とを比較する。そして検出回路80は、比較回路81の比較結果に基づいて、切断検出信号HSDISを出力する。保持回路40は第1保持回路であり、判定電圧生成回路60は第1判定電圧生成回路であり、判定電圧VJPは第1判定電圧であり、比較回路81は第1比較回路である。例えば保持回路40は、図10のタイミングt6〜t8のHSモードやFSモードでのホストチャープの電圧レベル情報を例えば検出値VDPとして保持する。検出値VDPは、例えばHSモードやFSモードでのホストチャープの振幅の電圧値を表すデジタル値である。そして判定電圧生成回路60は、保持回路40に保持された検出値VDPに基づいて判定電圧VJPを求める演算を行い、求められた判定電圧VJPを検出回路80に出力する。そして検出回路80は、例えばDP信号の電圧と判定電圧VJPを比較し、例えばDP信号の電圧が判定電圧VJPを越えた場合に、切断検出信号HSDISをアクティブレベルにして出力する。例えばアクティブレベルであるHレベルの切断検出信号HSDISを出力する。また検出回路80は、例えばDM信号の電圧と判定電圧VJPを比較し、例えばDM信号の電圧が判定電圧VJPを越えた場合に、切断検出信号HSDISをアクティブレベルにして出力することができる。このような比較回路81を設ければ、ホストチャープの電圧レベル情報に応じて設定された判定電圧と、DP信号及びDM信号の一方の信号の電圧との比較により、デバイス切断を検出して、切断検出信号HSDISを出力できるようになる。
また本実施形態では、保持回路40が保持するホストチャープは、例えばHSモードのホストチャープである。即ち保持回路40は、図10のタイミングt7〜t8においてHSドライバー20がHSモードのホストチャープを送信しているときに、HSモードでのホストチャープの電圧レベル情報を保持し、判定電圧生成回路60は保持された電圧レベル情報に応じた判定電圧VJPを検出回路80に出力する。
例えば保持回路40は、図13で説明したHSモードのホストチャープJが送出されるDP信号の電圧レベル情報を測定して保持する。HSモードのホストチャープJではDP信号の電圧レベルは400mVに設定されるが、図4のようにUSBの経路に部品が設けられる場合には、当該部品の内部抵抗が原因で、DP信号の電圧レベルが400mVよりも上昇する。またUSBケーブルの内部抵抗によってもDP信号の電圧レベルが上昇する。そして、このように部品等の内部抵抗によりDP信号の電圧レベルが400mVよりも上昇した場合には、DP信号の電圧レベル情報に基づき生成される判定電圧VJPも上昇するようになる。従って、HSモードのホストチャープの電圧レベル情報を測定して判定電圧VJPを生成することで、USBの経路に設けられる部品等の内部抵抗に応じた最適な判定電圧VJPを生成して、USBの適切な切断検出を実現できるようになる。
なお保持回路40は、図14で説明したHSモードのホストチャープKが送出されるDM信号の電圧レベル情報を測定して保持してもよい。この場合には判定電圧生成回路60は、HSモードのホストチャープKの電圧レベル情報に応じた判定電圧を生成し、検出回路80が生成された判定電圧に基づいてUSBの切断検出を行う。
また図15に示すように保持回路40は、保持レジスター41を含む。保持レジスター41は、第1保持レジスターであり、HSドライバー20がホストチャープとしてHSモードのホストチャープを送信しているときの一方の信号であるDP信号の電圧レベル情報を、検出値VDP1として保持する。DP信号の電圧レベル情報は第1電圧レベル情報であり、検出値VDP1は第1検出値である。そして判定電圧生成回路60は、検出値VDP1に基づいて、第1判定電圧である判定電圧VJPを生成する。
このようにすれば、図10のタイミングt7〜t8のHSモードのホストチャープでのDP信号の電圧レベル情報を、第1検出値である検出値VDP1として保持レジスター41に保持できるようになる。そして保持された検出値VDP1に基づいて判定電圧VJPが生成されて、USBの切断検出が行われるようになる。これにより、HSモードのホストチャープの電圧レベル情報を測定して判定電圧VJPを生成できるようになる。従って、USBの経路に設けられる部品等の内部抵抗に応じた最適な判定電圧VJPを生成して、USBの適切な切断検出を実現できるようになる。
また保持回路40は、保持レジスター42を含む。保持レジスター42は、第2保持レジスターであり、HSドライバー20がホストチャープとしてFSモードのホストチャープを送信しているときの一方の信号であるDP信号の電圧レベル情報を、検出値VDP2として保持する。DP信号の電圧レベル情報は第1電圧レベル情報であり、検出値VDP2は第2検出値である。そして判定電圧生成回路60は、図10のタイミングt7〜t8のHSモードのホストチャープにおいて保持レジスター41に保持された検出値VDP1と、タイミングt6〜t7のFSモードのホストチャープにおいて保持レジスター42に保持された検出値VDP2とに基づいて、第1判定電圧である判定電圧VJPを生成する。
このようにすれば、HSモードのホストチャープでのDP信号の電圧レベル情報を、検出値VDP1として保持レジスター41に保持し、FSモードのホストチャープでのDP信号の電圧レベル情報を、検出値VDP2として保持レジスター42に保持できる。そして保持レジスター41、42に保持された検出値VDP1、VDP2に基づいて判定電圧VJPが生成されて、USBの切断検出が行われるようになる。従って、HSモードのホストチャープでのDP信号の電圧レベル情報と、FSモードのホストチャープでのDP信号の電圧レベル情報の両方を測定して判定電圧VJPを生成できるようになり、USBの適切な切断検出を実現できるようになる。
即ち、前述したように、図10のタイミングt7〜t8のHSモードのホストチャープの振幅は、デバイス切断前のHSパケットの振幅に相当し、タイミングt6〜t7のFSモードのホストチャープの振幅は、デバイス切断後のHSパケットの振幅に相当する。従って図15の構成によれば、デバイス切断前のHSパケットの振幅に対応するHSモードのホストチャープの電圧レベル情報を、検出値DP1として保持レジスター41に保持できる。またデバイス切断後のHSパケットの振幅に対応するFSモードのホストチャープの電圧レベル情報を、検出値DP2として保持レジスター42に保持できる。従って、判定電圧生成回路60は、デバイス切断前のHSパケットの振幅に対応する検出値DP1と、デバイス切断後のHSパケットの振幅に対応する検出値DP2に基づいて、判定電圧VJPを生成できるようになる。この結果、例えばデバイス切断前のHSパケットの振幅の電圧とデバイス切断後のHSパケットの振幅の電圧の中間電圧に、判定電圧VJPを設定できるようになり、より適切な判定電圧VJPを設定して、USBの切断検出を実行できるようになる。
図16に切断検出回路30の第2構成例を示す。図16では図15の構成に加えて、切断検出回路30が保持回路50と判定電圧生成回路70を更に含む。保持回路50は第2保持回路であり、判定電圧生成回路70は第2判定電圧生成回路である。保持回路50は、HSドライバー20がホストチャープを送信しているとき、DP信号及びDM信号の他方の信号の電圧レベル情報である第2電圧レベル情報を測定して保持する。図16では保持回路50は、他方の信号としてDM信号の電圧レベル情報を、第2電圧レベル情報として保持している。判定電圧生成回路70は、保持回路50に保持された第2電圧レベル情報に基づいて判定電圧VJMを生成する。判定電圧VJMは第2判定電圧である。そして検出回路80は、第1判定電圧である判定電圧VJPと、第2判定電圧である判定電圧VJMとに基づいて、USBの切断検出を行って、切断検出信号HSDISを出力する。例えば検出回路80は、DP信号の電圧と判定電圧VJPの電圧比較と、DM信号の電圧と判定電圧VJMの電圧比較を行うことで、USBの切断検出を行って、切断検出信号HSDISを出力する。
このようにすれば、DP信号の電圧レベル情報に基づく判定電圧VJPと、DM信号の電圧レベル情報に基づく判定電圧VJMの両方を用いて、USBの切断検出を実現できるようになる。従って、DP信号とDM信号の一方の信号の電圧レベル情報のみを用いる場合に比べて、より正確で適切なUSBの切断検出を実現できるようになる。
また図16では検出回路80は、比較回路81と比較回路82と出力回路84を含む。比較回路81は第1比較回路であり、比較回路82は第2比較回路である。例えば比較回路81は、DP信号、DM信号の一方の信号であるDP信号の電圧と、第1判定電圧である判定電圧VJPを比較する。そして比較結果信号VCPを出力回路84に出力する。例えば比較回路81は、DP信号の電圧が判定電圧VJPを越えた場合に、比較結果信号VCPをアクティブレベルにして、出力回路84に出力する。例えばHレベルの比較結果信号VCPを出力する。比較回路82は、DP信号、DM信号の他方の信号であるDM信号の電圧と、第2判定電圧である判定電圧VJMを比較する。そして比較結果信号VCMを出力回路84に出力する。例えば比較回路82は、DM信号の電圧が判定電圧VJMを越えた場合に、比較結果信号VCMをアクティブレベルにして、出力回路84に出力する。例えばHレベルの比較結果信号VCMを出力する。そして出力回路84は、比較回路81、82からの比較結果信号VCP、VCMに基づいて、切断検出信号HSDISを出力する。例えば出力回路84は、比較結果信号VCM、VCMのいずれか一方がアクティブレベルになった場合に、切断検出信号HSDISをアクティブレベルにして出力する。例えばアクティブレベルであるHレベルの切断検出信号HSDISを出力する。
このようにすれば、HS通信時に、DP信号の電圧とDM信号の電圧の両方が判定電圧と比較されて、USBの切断検出が行われるようになるため、より確実なデバイスの切断検出を実現できるようになる。例えばDP信号の電圧が判定電圧VJPを越えた場合には、比較結果信号VCPがアクティブレベルになることで、切断検出信号HSDISがアクティブレベルになり、デバイス切断が検出される。またDM信号の電圧が判定電圧VJMを越えた場合には、比較結果信号VCMがアクティブレベルになることで、切断検出信号HSDISがアクティブレベルになり、デバイス切断が検出される。従って、DP信号とDM信号の一方の信号の電圧のみを判定電圧と比較する場合に比べて、デバイス切断を、より確実に検出できるようになる。
また図16では保持回路50は保持レジスター51を含む。保持レジスター51は、第3保持レジスターであり、HSドライバー20がホストチャープとしてHSモードのホストチャープを送信しているときの他方の信号であるDM信号の電圧レベル情報を、検出値VDM1として保持する。検出値VDM1は第3検出値である。そして判定電圧生成回路70は、検出値VDM1に基づいて、第2判定電圧である判定電圧VJMを生成する。
このようにすれば、HSモードのホストチャープでのDM信号の電圧レベル情報を測定して判定電圧VJMを生成できるようになる。従って、USBの経路に設けられる部品等の内部抵抗に応じた最適な判定電圧VJMを生成して、USBの適切な切断検出を実現できるようになる。
また保持回路50は、保持レジスター52を含む。保持レジスター52は、第4保持レジスターであり、HSドライバー20がホストチャープとしてFSモードのホストチャープを送信しているときの他方の信号であるDM信号の電圧レベル情報を、検出値VDM2として保持する。検出値VDM2は第4検出値である。そして判定電圧生成回路70は、HSモードのホストチャープにおいて保持レジスター51に保持された検出値VDM1と、FSモードのホストチャープにおいて保持レジスター52に保持された検出値VDM2とに基づいて、第2判定電圧である判定電圧VJMを生成する。
このようにすれば、HSモードのホストチャープでのDM信号の電圧レベル情報を、検出値VDM1として保持レジスター51に保持し、FSモードのホストチャープでのDM信号の電圧レベル情報を、検出値VDM2として保持レジスター52に保持できる。そして保持レジスター51、52に保持された検出値VDM1、VDM2に基づいて判定電圧VJMが生成されて、USBの切断検出が行われるようになる。従って、HSモードのホストチャープでのDM信号の電圧レベル情報と、FSモードのホストチャープでのDM信号の電圧レベル情報の両方を測定して判定電圧VJMを生成できるようになり、USBの適切な切断検出を実現できるようになる。
図17に切断検出回路30の第3構成例を示す。図17では保持回路40は、A/D変換回路44と保持レジスター41、42を含む。判定電圧生成回路60は、演算回路62とD/A変換回路64を含む。保持回路50は、A/D変換回路54と保持レジスター51、52を含む。判定電圧生成回路70は、演算回路72とD/A変換回路74を含む。検出回路80は、比較回路81、82と出力回路84を含む。また図17の切断検出回路30はバスモニター回路88を更に含む。
A/D変換回路44は、DP信号の信号振幅となる電圧レベル情報を測定してA/D変換し、A/D変換値ADPを出力する。保持レジスター41は、HSモードのホストチャープ時におけるA/D変換値ADPを、検出値VDP1として保持する。具体的には保持レジスター41は、HSモードのホストチャープ時において、バスモニター回路88からの検出信号S1により指示されるタイミングでのA/D変換値ADPを、検出値VDP1として保持する。保持レジスター42は、FSモードのホストチャープ時におけるA/D変換値ADPを、検出値VDP2として保持する。具体的にはFSモードのホストチャープ時において、バスモニター回路88からの検出信号S2により指示されるタイミングでのA/D変換値ADPを、検出値VDP2として保持する。演算回路62は、検出値VDP1、VDP2に基づく演算処理を行って、切断検出判定用の演算値DQPを求める。D/A変換回路64は、演算値DQPをD/A変換することで判定電圧VJPを生成して、比較回路81に出力する。
A/D変換回路54は、DM信号の信号振幅となる電圧レベル情報を測定してA/D変換し、A/D変換値ADMを出力する。保持レジスター51は、HSモードのホストチャープ時におけるA/D変換値ADMを、検出値VDM1として保持する。具体的には保持レジスター51は、HSモードのホストチャープ時において、バスモニター回路88からの検出信号S3により指示されるタイミングでのA/D変換値ADMを、検出値VDM1として保持する。保持レジスター52は、FSモードのホストチャープ時におけるA/D変換値ADMを、検出値VDM2として保持する。具体的にはFSモードのホストチャープ時において、バスモニター回路88からの検出信号S4により指示されるタイミングでのA/D変換値ADMを、検出値VDM2として保持する。演算回路72は、検出値VDM1、VDM2に基づく演算処理を行って、切断検出判定用の演算値DQMを求める。D/A変換回路74は、演算値DQMをD/A変換することで判定電圧VJMを生成して、比較回路82に出力する。
比較回路81は、SOFのEOPのタイミングでのDP信号の信号振幅となる電圧と、判定電圧VJPを比較する。そして比較回路81は、DP信号の電圧が判定電圧VJPを越えた場合に、比較結果信号VCPをHレベルにして出力する。比較回路82は、SOFのEOPのタイミングでのDM信号の信号振幅となる電圧と、判定電圧VJMを比較する。そして比較回路82は、DM信号の電圧が判定電圧VJMを越えた場合に、比較結果信号VCMをHレベルにして出力する。出力回路84は、NOR回路NORとインバーター回路INVを含む。そして比較結果信号VCP、VCMのいずれかが、アクティブレベルであるHレベルになると、切断検出信号HSDISをHレベルにして出力する。
バスモニター回路88はUSBの信号状態をモニターする。例えばDP、DMの信号線の電圧レベル等をモニターすることで、USBのバス状態のモニター動作を実現する。そしてモニター結果に基づいて、検出信号S1、S2、S3、S4を保持回路40、50に出力する。保持回路40は、バスモニター回路88からの検出信号S1、S2に基づいて、DP信号の第1電圧レベル情報である検出値VDP1、VDP2の保持を行う。保持回路50は、バスモニター回路88からの検出信号S3、S4に基づいて、DM信号の第2電圧レベル情報である検出値VDM1、VDM2の保持を行う。
具体的には、バスモニター回路88は、HSモードのホストチャープ時に、検出信号S1、S3をアクティブレベルにする。例えばHSモードのホストチャープの期間の所与のタイミングにおいて、検出信号S1、S3を、Hレベルなどのアクティブレベルに変化させる。これにより、保持レジスター41は、HSモードのホストチャープ時のDP信号の第1電圧レベル情報を、検出値VDP1として保持する。また保持レジスター51は、HSモードのホストチャープ時のDM信号の第2電圧レベル情報を、検出値VDM1として保持する。またバスモニター回路88は、FSモードのホストチャープ時に、検出信号S2、S4をアクティブレベルにする。例えばFSモードのホストチャープの期間の所与のタイミングにおいて、検出信号S2、S4をアクティブレベルに変化させる。これにより、保持レジスター42は、FSモードのホストチャープ時のDP信号の第1電圧レベル情報を、検出値VDP2として保持する。また保持レジスター52は、FSモードのホストチャープ時のDM信号の第2電圧レベル情報を、検出値VDM2として保持する。
このようにすれば、バスモニター回路88が、USBの信号状態をモニターして、ホストチャープが行われている期間において検出信号S1、S2、S3、S4をアクティブレベルにすることで、保持回路40、50に保持動作を行わせて、信号DP、DMの電圧レベル情報を保持させることが可能になる。
また図17に示すように保持回路40は、DP信号、DM信号の一方の信号であるDP信号が入力されるA/D変換回路44を含む。そして保持レジスター41は、A/D変換回路44からのA/D変換値ADPを検出値VDP1として保持する。A/D変換回路44は第1A/D変換回路であり、検出値VDP1は第1検出値である。例えば保持レジスター41は、バスモニター回路88からの検出信号S1がアクティブレベルになるタイミングで、A/D変換値ADPを検出値VDP1として保持する。このようにすれば、DP信号の電圧レベルをA/D変換回路44がデジタルのA/D変換値ADPに変換し、保持レジスター41は、このデジタルのA/D変換値ADPを検出値VDP1として保持できるようになる。そして判定電圧生成回路60の演算回路62は、このデジタルの検出値VDP1等を用いて、判定電圧VJPを生成するための演算処理を実行できるようになる。
同様に保持レジスター42は、A/D変換回路44からのA/D変換値ADPを検出値VDP2として保持する。検出値VDP2は第2検出値である。例えば保持レジスター42は、バスモニター回路88からの検出信号S2がアクティブレベルになるタイミングで、A/D変換値ADPを検出値VDP2として保持する。
また保持回路50は、DP信号、DM信号の他方の信号であるDM信号が入力されるA/D変換回路54を含む。そして保持レジスター51は、A/D変換回路54からのA/D変換値ADMを検出値VDM1として保持する。A/D変換回路54は第2A/D変換回路であり、検出値VDM1は第3検出値である。例えば保持レジスター51は、バスモニター回路88からの検出信号S3がアクティブレベルになるタイミングで、A/D変換値ADMを検出値VDM1として保持する。このようにすれば、DM信号の電圧レベルをA/D変換回路54がデジタルのA/D変換値ADMに変換し、保持レジスター51は、このデジタルのA/D変換値ADMを検出値VDM1として保持できるようになる。そして判定電圧生成回路70の演算回路72は、このデジタルの検出値VDM1等を用いて、判定電圧VJMを生成するための演算処理を実行できるようになる。
同様に保持レジスター52は、A/D変換回路54からのA/D変換値ADMを検出値VDM2として保持する。検出値VDM2は第4検出値である。例えば保持レジスター52は、バスモニター回路88からの検出信号S4がアクティブレベルになるタイミングで、A/D変換値ADMを検出値VDM2として保持する。
また判定電圧生成回路60は、演算回路62とD/A変換回路64を含む。演算回路62は、検出値VDP1に基づいて判定電圧VJPを求めるための演算処理を行う。即ち判定電圧VJPは検出値VDP1に基づき決定される。更に具体的には判定電圧VJPは検出値VDP1及び検出値VDP2に基づき決定される。そしてD/A変換回路64は、演算回路62の演算値DQPをD/A変換することで判定電圧VJPを出力する。判定電圧VJPは第1判定電圧である。また演算値DQPは、演算回路62の演算結果値であり、判定電圧VJPに対応するデジタル値である。このようにすれば、演算回路62がデジタルの検出値VDP1等に基づくデジタル演算処理を行うことで、判定電圧VJPに対応する演算値DQPを出力し、D/A変換回路64がこの演算値DQPをD/A変換することで、判定電圧VJPを検出回路80に出力できるようになる。
また判定電圧生成回路70は、演算回路72とD/A変換回路74を含む。演算回路72は、検出値VDM1等に基づいて判定電圧VJMを求めるための演算処理を行う。即ち判定電圧VJMは検出値VDM1に基づき決定される。更に具体的には判定電圧VJMは検出値VDM1及び検出値VDM2に基づき決定される。そしてD/A変換回路74は、演算回路72の演算値DQMをD/A変換することで判定電圧VJMを出力する。判定電圧VJMは第2判定電圧である。また演算値DQMは、演算回路72の演算結果データであり、判定電圧VJMに対応するデジタル値である。
次に本実施形態の動作について更に具体的に説明する。本実施形態では、USBのバス状態がどのような状態であるかを検出するバスモニター回路88が設けられており、デバイス接続後にホストチャープが開始されると、ホストチャープ毎に検出信号S1〜S4を出力する。なお、一般にFSモードのホストチャープK/Jは2〜3回、繰り返され、HSモードのホストチャープK/Jは任意の回数、繰り返されるが、ここでは各検出信号S1〜S4の出力回数がそれぞれ1回以上であれば、出力回数ならびに出力タイミングは問わないものとする。
またDPの信号線にはA/D変換回路44が設けられている。そしてHSモードのホストチャープJの検出信号S1がバスモニター回路88から出力されたときの検出値VDP1が、保持レジスター41に保持され、FSモードのホストチャープJの検出信号S2が出力されたときの検出値VDP2が、保持レジスター42に保持される。同様にDMの信号線にはA/D変換回路54が設けられている。そしてHSモードのホストチャープJの検出信号S3が出力されたときの検出値VDM1が、保持レジスター51に保持され、FSモードのホストチャープJの検出信号S4が出力されたときの検出値VDM2が、保持レジスター52に保持される。
DPの信号線において、図13で説明したようにデバイス切断前のHSパケットの振幅はHSモードのホストチャープJの振幅APHに相当し、図11で説明したようにデバイス切断後のHSパケット振幅はFSモードのホストチャープJの振幅APFに相当する。従って、DP側の切断検出の判定電圧VJPを、APHより大きく、APFより小さな電圧に設定する。このため演算回路62は、APH<VJP<APFを満たすような最適値の演算値DQPを算出する。
またDMの信号線において、図14で説明したようにデバイス切断前のHSパケットの振幅はHSモードのホストチャープKの振幅AMHに相当し、図12で説明したようにデバイス切断後のHSパケット振幅はFSモードのホストチャープKの振幅AMFに相当する。従って、DM側の切断検出の判定電圧VJMを、AMHより大きく、AMFより小さな電圧に設定する。このため演算回路72は、AMH<VJM<AMFを満たすような最適値の演算値DQMを算出する。
そしてDP側のD/A変換回路64が、DP側の切断検出レベルの演算値DQPをD/A変換することで、DP側の判定電圧VJPを生成し、SOFのEOPのタイミングで、比較回路81がDPの信号振幅と判定電圧VJPを比較する。これによりホストチャープから算出した最適な切断検出レベルでDP側の切断検出判定を行うことが可能となる。
同様にDM側のD/A変換回路74が、DM側の切断検出レベルの演算値DQMをD/A変換することで、DM側の判定電圧VJMを生成し、SOFのEOPのタイミングで、比較回路82がDMの信号振幅と判定電圧VJMを比較する。これによりホストチャープから算出した最適な切断検出レベルでDM側の切断検出判定を行うことが可能となる。
DP側の比較回路81の比較結果信号VCPと、DM側の比較回路82の比較結果信号VCMのいずれかが、アクティブレベルであるHレベルになると、切断検出信号HSDISもHレベルになるため、ホストはデバイスが切断されたとみなして、以降の処理を行うことが可能になる。
ここで判定電圧VJP、VJMは、例えばVJP=((APH+APF)/2)−70、VJM=((AMH+AMF)/2)−70というような演算式により求めることができる。例えば演算回路62、72がこの演算式に基づく演算処理を行う。
例えばUSBの経路に部品が設けられておらず、部品の内部抵抗が介在しない場合に、HSモードのホストチャープK/Jの振幅APH、AMHは、((45Ω×45Ω)/(45Ω+45Ω))×17.78mA=400.05mVとなり、約400mVになる。またFSモードのホストチャープK/Jの振幅APF、AMFは、約800mVになる。このため判定電圧として、VJP=VJM=((400+800)/2)−70=530mVが生成される。従って、判定電圧VJP、VJMはUSB規格での切断検出レベルVDISの範囲である525mV<VDIS<625mV内に入るようになる。
一方、USBの経路に部品が設けられており、DP、DMの信号線のそれぞれに、部品の内部抵抗となる40Ωが付加されていたとする。この場合には、HSモードのホストチャープK/Jの振幅APH、AMHは、((45Ω×(45Ω+40Ω+40Ω))/(45Ω+(45Ω+40Ω+40Ω)))×17.78mA=588.31mVとなり、約588mVになる。またFSモードのホストチャープK/Jの振幅APF、AMFは、約800mVになる。このため判定電圧として、VJP=VJM=((588+800)/2)−70=624mVが生成される。従って、判定電圧VJP、VJMはUSB規格での切断検出レベルVDISの範囲である525mV<VDIS<625mV内に入るようになる。
なお本実施形態では、DP側ではDP側の判定電圧VJPを生成し、DM側ではDM側の判定電圧VJMを生成して、比較回路81、82での比較用の電圧として入力している。一般的なUSB機器においては、DPとDMとは経路が対称的であるため、双方の終端抵抗及び部品の内部抵抗は同等である。また、DPとDMとでは電流源も共通であるため、DP側のホストチャープJとDM側のホストチャープKとの振幅に大きな差異は生じない。そのため、DP側とDM側の双方の判定電圧を個別に生成せずに、どちらか一方のみの判定電圧を生成して、この判定電圧を双方の比較回路81、82の比較用の電圧として入力する変形実施も可能である。
また本実施形態では、デバイスの終端抵抗がオフのときのFSモードのホストチャープの振幅と、デバイスの終端抵抗がオンの時のHSモードのホストチャープの振幅とから、デバイス切断の検出値を算出して、判定電圧を生成している。近年のUSB機器の構成における主な課題は、USBの経路に付加される部品の内部抵抗により、デバイス接続時のHSパケットの振幅が増大し、それにより切断検出レベルを下限である525mV付近に設定すると、デバイス接続中に切断の誤検出が行われることである。それに対し、ホストが駆動電流を増加させなければ、デバイス切断後のHSパケットの振幅は、従来の構成の場合と変わらず、またこのときの振幅は、切断の誤検出動作には直接影響はないため、デバイス切断の検出値への反映は必ずしも必要ではない。そのため、デバイス切断後の振幅に相当するFSモードのホストチャープの振幅は考慮せず、デバイス切断前の振幅に相当するHSモードのホストチャープの振幅に基づいてマージンを付加することで、デバイス切断の検出値を算出して判定電圧を生成する変形実施も可能である。
また本実施形態では、A/D変換回路を用いてホストチャープの電圧レベルを取得し、演算回路を用いてデバイス切断の検出値を算出し、D/A変換回路を用いて判定電圧を生成している。このような構成では高精度な制御を行うことが可能であるが、回路規模の増大によりコスト増になる。そのため、ホストチャープの電圧レベルを、複数のコンパレーターを用いてどの電圧範囲であるかを判定し、その判定結果に基づいて判定電圧を調整するような簡易的な回路構成にする変形実施も可能である。
4.物理層回路、バススイッチ回路を有する回路装置
図18に本実施形態の回路装置10の構成例を示す。この回路装置10は、物理層回路11、12とバススイッチ回路14を含む。また回路装置10は処理回路18を含むことができる。物理層回路11は例えば第1物理層回路であり、物理層回路12は例えば第2物理層回路である。
物理層回路11にはUSB規格のバスBS1が接続される。物理層回路12にはUSB規格のバスBS2が接続される。バスBS1は例えば第1バスであり、バスBS2は例えば第2バスである。物理層回路11、12の各々は、物理層のアナログ回路により構成される。物理層のアナログ回路は、例えば送信回路であるHSドライバー、FSドライバーや、受信回路であるHSレシーバー、FSレシーバーや、各種の検出回路や、プルアップ抵抗回路などである。なお、USBを介して受信したシリアルデータをパラレルデータに変換するシリアル/パラレル変換回路や、パラレルデータをシリアルデータに変換するパラレル/シリアル変換回路や、エラスティックバッファーや、NRZI回路などのリンク層に相当する回路は、処理回路18に含まれる。例えばUSBのトランシーバマクロセルのうちのリンク層等に相当する回路は処理回路18に含まれ、HS、FSのドライバー、レシーバーや、検出回路等のアナログ回路が物理層回路11、12に含まれる。
バスBS1は例えばホストが接続されるバスであり、バスBS2は例えばデバイスが接続されるバスである。但し本実施形態はこのような接続構成に限定されるものではなく、バスBS1にデバイスが接続され、バスBS2にホストが接続されるような接続態様にも対応できる。バスBS1、BS2は、差動信号を構成する第1、第2信号である信号DP、DMの信号線を含むUSB規格のバスである。バスBS1、BS2は電源VBUS、GNDの信号線を含むことができる。USB規格は広義には所与のデータ転送の規格である。
バススイッチ回路14は、一端がバスBS1に接続され、他端がバスBS2に接続される。そしてバスBS1とバスBS2との間の接続をオン又はオフにする。即ち、バスBS1とバスBS2を電気的に接続したり、電気的に非接続にする。バスBS1とバスBS2との間の接続をオン又はオフにするとは、例えばバスBS1のDP、DMの信号線とバスBS2のDP、DMの信号線の間に設けられるスイッチ素子などをオン又はオフにすることである。また本実施形態における回路間の接続やバス又は信号線と回路との接続は、電気的な接続である。電気的な接続とは、電気信号が伝達可能に接続されていることであり、電気信号による情報の伝達が可能となる接続である。電気的な接続は例えば信号線や能動素子等を介した接続であってもよい。
具体的には、バススイッチ回路14は、バスBS1とバスBS2との間の接続を、第1期間においてオンにする。即ち、バススイッチ回路14は、バスBS1とバスBS2との間に設けられるスイッチ素子を有し、第1期間において、当該スイッチ素子がオンになる。これにより、バスBS1に接続されるホストとバスBS2に接続されるデバイスとが、USBのバスにより直接にUSBの信号転送を行うことが可能になる。なおスイッチ素子としては例えば信号DP用の第1スイッチ素子と信号DM用の第2スイッチ素子が設けられる。またホストは例えばメインコントローラーであり、デバイスは例えばペリフェラルデバイスである。またバススイッチ回路14は、バスBS1とバスBS2との間の接続を、第2期間においてオフにする。即ち、第2期間において、バスBS1とバスBS2との間に設けられるスイッチ素子がオフになる。処理回路18は、この第2期間において、下述する転送処理を行うことになる。
処理回路18は、転送処理や各種の制御処理を行う回路であり、ゲートアレイなどの自動配置配線によるロジック回路などにより実現できる。なお処理回路18をCPU、MPU等のプロセッサーにより実現してもよい。
そして処理回路18は再同期化処理を行う。具体的には処理回路18は、バスBS1から物理層回路11を介して受信したパケットを物理層回路12を介してバスBS2に送信し、バスBS2から物理層回路12を介して受信したパケットを物理層回路11を介してバスBS1に送信する転送処理を、バススイッチ回路14がオフのときに行う。即ち、当該転送処理を第2期間において行う。例えば少なくとも第2期間の一部において当該転送処理を行う。例えばバスBS1側からバスBS2側に、或いはバスBS2側からバスBS1側に、パケットフォーマットを変更することなくパケットを転送する。このとき処理回路18は、当該転送処理において、所定の信号処理を行う。所定の信号処理は、パケット転送のための信号処理であり、受信したパケットのリピートパケットを転送するための信号処理である。例えば処理回路18は、所定の信号処理として、所定パケットのビットの再同期化処理を行う。例えばパケットの受信の際には、回路装置10で生成されたクロック信号に基づいてパケットの各ビットをサンプリングする。パケットの送信の際には、回路装置10で生成されたクロック信号に同期してパケットの各ビットを送信する。処理回路18を経由した転送経路でパケット転送を行う際に、処理回路18が所定の信号処理である再同期化処理を行うことで、USBの送信信号の信号特性の劣化を改善した高品質な信号転送を実現できるようになる。
なお図18では、このような再同期化処理を行う処理回路18を設けたが、再同期化処理を行わない変形実施も可能である。この場合には、少なくとも後述するようなHS検出のハンドシェークの制御処理を行う処理回路18が、物理層回路11と物理層回路12の間に設けられていればよい。
図19に、本実施形態の回路装置10を含むホスト機器2の構成例を示す。ホスト機器2は、例えばホスト3、給電制御IC4、回路装置10、保護部品5、USBコネクター6を含む。ホスト3は例えばメインコントローラーであり、SOC(System-on-a-Chip)などにより実現される。給電制御IC4は、電源が供給されて、BCプロトコルなどに準拠した給電制御を行う。これにより大電流を流すことが可能な電源をVBUSとしてデバイス7に供給できるようになる。保護部品5は例えば静電保護素子などである。USBコネクター6は例えばUSBのレセプタクルであり、USBケーブルの一端が接続される。USBケーブルの他端に接続されるデバイス7は、例えばスマートフォンなどのペリフェラルデバイスである。
図19に示すように、回路装置10のバスBS1は、給電制御IC4を介してホスト3に接続され、バスBS2は、保護部品5、USBコネクター6、USBケーブルを介してデバイス7に接続される。このように、バスBS1、BS2は、直接にホスト3、デバイス7に接続される必要はなく、回路素子やケーブルなどを介して接続されていてもよい。また図19では、バスBS1にホスト3に接続され、バスBS2にデバイス7に接続されているが、本実施形態の回路装置10は、バスBS1にデバイス7が接続され、バスBS2にホスト3が接続されるような接続態様にも対応可能である。
そして図19の場合に、USBケーブルを介してデバイス7が接続されたり、接続が切断されたりするため、回路装置10は、デバイス7の切断であるデバイス切断を検出する必要がある。例えば図18の切断検出回路30がデバイス切断を検出する。この場合に、図1〜図17のように回路装置10がホストに設けられる構成の場合には、ホスト3のHSドライバーがホストチャープを送信して、その時のUSBの電圧レベル情報を保持し、当該電圧レベル情報に基づく判定電圧を用いて、デバイス切断の検出を行えばよい。しかしながら、図18、図19のようにホスト3とデバイス7の間に設けられる構成の回路装置10の場合には、ホストチャープが送信されるHS検出のハンドシェーク期間においては、バススイッチ回路14がオンになっており、ホスト3とデバイス7との間でHS検出のハンドシェークが行われる。従って、HS検出のハンドシェーク期間において、例えばホスト3のHSドライバーがホストチャープを送信し、その時のUSBの電圧レベル情報を保持して判定電圧を生成したとしても、生成された判定電圧は、デバイス切断を適切に検出できる判定電圧にはならない。即ち、図10の切断検出回路30に対して、前述したような保持回路40、判定電圧生成回路60を単に設けただけでは、バスBS2の接続環境に適した適切なデバイス切断の判定電圧を生成できない。例えばバススイッチ回路14がオンである期間においては、ホスト3に設けられるHSドライバーがホストチャープを送信しており、物理層回路12に設けられたHSドライバー20はホストチャープを送信していない。そしてホスト3のHSドライバーのホストチャープの送信時におけるUSBの電圧レベル情報を保持したとしても、当該電圧レベル情報に基づく判定電圧は、バスBS2の接続環境に適した適切な判定電圧にはならない。なお、本実施形態では、バススイッチ回路14がバスBS1とバスBS2との間の接続をオンにすることを、適宜、バススイッチ回路14がオンになると記載する。またバススイッチ回路14がバスBS1とバスBS2との間の接続をオフにすることを、適宜、バススイッチ回路14がオフになると記載する。
例えば回路装置10により実現されるHS通信の波形改善としては、処理回路18を用いた再同期化処理によるジッタの改善の他に、HSドライバー20に設けられた送信電流調整機能を用いたHSパケットの振幅改善が考えられる。回路装置10とデバイス7の間でのHSパケットによるHS通信には、このHSドライバー20の送信電流調整機能が用いられてHSパケットの振幅調整が行われる。従って、バスBS2の接続環境に適した切断検出レベルを設定するためには、自らのHSドライバー20と終端抵抗を用いてホストチャープを実施することが望ましい。しかしながら、上述のとおり、ホスト3からのホストチャープが、バススイッチ回路14を介してデバイス7に送信される構成の回路装置10では、接続環境に適した切断検出の判定電圧を適正に設定できないという課題がある。
そこで本実施形態では、物理層回路12は、バススイッチ回路14のオフ期間においてバスBS2にホストチャープが送信されているときに測定された第1電圧レベル情報を保持する。例えば物理層回路12は、HSドライバー20がホストチャープを送信しているときの第1電圧レベル情報を保持する。例えば物理層回路12は、ホストチャープ送信時におけるバスBS2の第1電圧レベル情報を測定して保持する。ここで第1電圧レベル情報は、USBのDP信号及びDM信号の一方の信号の電圧レベル情報である。そして物理層回路12は、保持された第1電圧レベル情報に基づいて、バスBS2におけるデバイス切断の検出を行う。例えば物理層回路12は、第1電圧レベル情報に基づき生成された判定電圧を用いて、バスBS2におけるデバイス切断の検出を行う。
このようにバススイッチ回路14のオフ期間においてバスBS2にホストチャープが送信された際の第1電圧レベル情報に基づいて、デバイス切断を検出すれば、バスBS2の接続環境に適した最適な判定電圧によりデバイス切断を検出できるようになる。例えばHSパケットによるHS通信時には、バススイッチ回路14はオフになっており、物理層回路12のHSドライバー20によりHSパケットがデバイス7に送信される。このHS通信の際には、例えばHSドライバー20の送信電流調整機能によりHSパケットの振幅改善による波形改善が行われる。そしてデバイス切断の検出は、バスBS2でのデバイス7の切断を検出するものである。従って、この場合のデバイス切断の検出には、バススイッチ回路14のオフ期間において、バスBS2にホストチャープが送信された際のバスBS2でのDP信号又はDM信号の第1電圧レベル情報に基づく判定電圧が適切である。この点、本実施形態では、物理層回路12は、バススイッチ回路14のオフ期間においてバスBS2にホストチャープが送信されているときに測定された第1電圧レベル情報を保持し、保持された第1電圧レベル情報に基づいて、バスBS2におけるデバイス切断の検出を行う。従って、バスBS2の接続環境に適した最適な判定電圧でのデバイス切断検出を実現できるようになる。
また図18に示すように物理層回路12は、HSドライバー20と切断検出回路30を含む。HSドライバー20は、バスBS2におけるHSモードの送信回路である。切断検出回路30は、バスBS2におけるデバイス切断の検出を行う回路である。例えばHSドライバー20は、電流源を用いた電流駆動によりUSBのバスBS2を駆動することで、HSモードでのHSパケットの送信を行う。そして切断検出回路30は、バスBS2でのデバイス7の接続の切断が行われた場合に、その切断を検出する。そして切断検出回路30は、バススイッチ回路14のオフ期間においてHSドライバー20がホストチャープを送信しているときに測定された第1電圧レベル情報を保持する。例えば切断検出回路30は、HSドライバー20によりホストチャープK/Jが送信されている際のDP信号及びDM信号の一方の信号の電圧レベル情報である第1電圧レベル情報を保持する。そして切断検出回路30は、保持された第1電圧レベル情報に基づいて、デバイス切断の検出を行う。例えば切断検出回路30は、保持された第1電圧レベル情報に基づいて判定電圧を生成し、例えばHS通信時におけるバスBS2でのデバイス切断検出を行う。このようにすれば、バススイッチ回路14がオフの状態でHSドライバー20がホストチャープを送信し、そのときのバスBS2のDP信号又はDM信号の第1電圧レベル情報を保持して、保持された第1電圧レベル情報を用いて、バスBS2でのデバイス切断検出を実現できるようになる。従って、バスBS2の接続環境に適した最適な判定電圧でのデバイス切断検出を実現できるようになる。
図20に回路装置10の詳細な構成例を示す。なお回路装置10は図20の構成には限定されず、これらの一部の構成要素を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
回路装置10は、物理層回路11、12と、バススイッチ回路14と、処理回路18と、バスモニター回路88を含む。物理層回路12は、電流源22を有するHSドライバー20と、FSドライバー24と、HSレシーバー26と、FSレシーバー28と、切断検出回路30を含む。物理層回路11は、電流源23を有するHSドライバー21と、FSドライバー25と、HSレシーバー27と、FSレシーバー29と、切断検出回路31を含む。
処理回路18はHSハンドシェーク制御回路19を含む。HSハンドシェーク制御回路19は、HS検出のハンドシェークのための制御回路であり、その内部にステートマシンやタイマーを備える。
切断検出回路30は、保持回路40と、判定電圧生成回路60と、検出回路80を含む。これらの切断検出回路30、保持回路40、判定電圧生成回路60、検出回路80の構成及び動作は、図1〜図17で説明したものと同様であるため、詳細な説明は省略する。また切断検出回路31は、保持回路39と、判定電圧生成回路59と、検出回路79を含む。これらの切断検出回路31、保持回路39、判定電圧生成回路59、検出回路79の構成及び動作は、切断検出回路30、保持回路40、判定電圧生成回路60、検出回路80と同様であるため、詳細な説明は省略する。
バスモニター回路88は、バスBS1、BS2のモニター動作を行う。具体的にはバスモニター回路88は物理層回路11、12を用いてバスBS1、BS2のモニター動作を行う。即ち物理層回路11からの信号や物理層回路12からの信号に基づいて、バスBS1やバスBS2の状態を監視するモニター動作を行う。そしてバススイッチ回路14は、バスモニター回路88でのモニター結果に基づいて、バスBS1、BS2の間の接続をオン又はオフにする。例えばバススイッチ回路14は、バスモニター回路88でのモニター結果に基づいて、バスBS1、BS2の間の接続を第1期間においてオンにし、第2期間においてオフにする。そして処理回路18は、第2期間において、前述した再同期化処理による転送処理を行う。これにより、パケットのビットの再同期化処理等の所定の信号処理が、処理回路18により実行される。即ちパケットのリピート処理が実行される。これによりUSBの送信信号の信号特性の劣化を改善した高品質な信号転送を実現できる。
バスBS2のHS信号は、HSレシーバー26により受信され、HS受信信号RHSAとして処理回路18及びバスモニター回路88に入力される。そしてHS受信信号RHSAは、処理回路18により再同期化され、HS送信信号THSBとしてHSドライバー21に入力され、HSドライバー21によりバスBS1に出力される。同様にバスBS1のHS信号は、HSレシーバー27により受信され、HS受信信号RHSBとして処理回路18及びバスモニター回路88に入力される。そしてHS受信信号RHSBは、処理回路18により再同期化され、HS送信信号THSAとしてHSドライバー20に入力され、HSドライバー20によりバスBS2に出力される。
バスBS2のFS信号はFSレシーバー28により受信され、FS受信信号RFSAとしてバスモニター回路88に入力される。同様にバスBS1のFS信号はFSレシーバー29により受信され、FS受信信号RFSBとしてバスモニター回路88に入力される。
HSハンドシェーク制御回路19は、ホストチャープK/Jの出力信号CJKAを生成する。そして出力信号CJKAはHSドライバー20に入力され、HSドライバー20によりバスBS2に出力される。同様にHSハンドシェーク制御回路19は、ホストチャープK/Jの出力信号CJKBを生成する。そして出力信号CJKBはHSドライバー21に入力され、HSドライバー21によりバスBS1に出力される。
またHSハンドシェーク制御回路19は、FS送信信号TFSAを生成して、FSドライバー24に出力し、FS送信信号TFSBを生成して、FSドライバー25に出力する。
バスモニター回路88は、ホストチャープK/J(FS)の保持信号LFSAを生成して、切断検出回路30の保持回路40に出力し、ホストチャープK/J(FS)の保持信号LFSBを生成して、切断検出回路31の保持回路39に出力する。保持信号LFSA、LFSBが非アクティブからアクティブになることで、ホストチャープK/J(FS)の送信時におけるバスBS2、BS1での電圧レベル情報が、保持回路40、39に保持される。またバスモニター回路88は、ホストチャープK/J(HS)の保持信号LHSAを生成して、保持回路40に出力し、ホストチャープK/J(HS)の保持信号LHSBを生成して、保持回路39に出力する。保持信号LHSA、LHSBが非アクティブからアクティブになることで、ホストチャープK/J(HS)の送信時におけるバスBS2、BS1での電圧レベル情報が、保持回路40、39に保持される。
またバスモニター回路88は、切断検出回路30をイネーブル制御するイネーブル信号ENAを生成して、切断検出回路30に出力し、切断検出回路31をイネーブル制御するイネーブル信号ENBを生成して、切断検出回路31に出力する。イネーブル信号ENA、ENBがアクティブになることで、切断検出回路30、31の動作がイネーブルにされる。
本実施形態では、デバイス接続時にバススイッチ回路14を介してホスト3とデバイス7の間でHS検出ハンドシェークが行われる前に、回路装置10とデバイス7の間で、一旦、HS検出ハンドシェークを実施する。そして、このときのホストチャープK/Jの振幅レベルを保持し、その値を元に生成した判定電圧を用いてデバイス切断を検出する。このために、回路装置10にデバイス7が接続された場合に、初めにバススイッチ回路14をオフにし、HSハンドシェーク制御回路19の動作をオンにして、回路装置10とデバイス7の間でHS検出のハンドシェークを実施する。このときのホストチャープK/Jの振幅レベルを保持し、その値を元に切断検出回路30が用いる判定電圧を生成する。ホストチャープK/Jの振幅レベルは第1電圧レベル情報のレベルである。次にバススイッチ回路14をオンにし、HSハンドシェーク制御回路19の動作をオフにして、ホスト3にデバイス7が接続されていることを通知する。これにより、バススイッチ回路14を介して接続されたホスト3とデバイス7の間で、HS検出のハンドシェークが行われ、ホスト3とデバイス7とのHS接続が確立する。その後は、回路装置10は、信号経路をバススイッチ回路14を介した経路から、物理層回路11、処理回路18、物理層回路12を介した経路に切り替えることにより、回路装置10による再同期化処理を伴ったHS通信が開始される。このとき、回路装置10は、自らが行ったホストチャープK/Jの振幅レベルを元にした最適な判定電圧により、切断検出回路30にデバイス検出を行わせる。
次に図21、図22を用いて本実施形態の詳細な動作について説明する。なお以下では、バスBS2においてデバイス切断を検出する処理について主に例にとり説明を行うが、バスBS1においてデバイス切断を検出する処理も同様の処理に実現できる。
まず初期状態において回路装置10にはデバイス7が接続されていない状態とする。このとき回路装置10の信号経路はバススイッチ回路14を経由した経路に設定されており、ホスト側のバスBS1とデバイス側のバスBS2とがバススイッチ回路14を介して接続されている。
回路装置10にデバイスが接続されたとき(タイミングt1)、回路装置10の信号経路はバススイッチ回路14の経路に維持される。このとき、ホスト機器2内においてホスト3と回路装置10との間に設けられている給電制御IC4と、デバイス7とが、バススイッチ回路14を介して、BCプロトコルなどのUSB規格以外の通信プロトコルで通信を行い、デバイス7に対する給電能力などを決定する。
この給電能力の取り決めが完了すると、デバイス7は、バスBS2のDPの信号線に接続される1.5kΩのプルアップ抵抗を有効にすることで、バスBS2をFS_Jの状態にする(タイミングt2)。回路装置10は、この一度目のデバイス7からのFS_Jを検出したら、バスモニター回路88によりバススイッチ回路14をオフにして、ホスト3とデバイス7の間の信号経路を閉じ、デバイス7からホスト3へのFS_Jの通知を遮断する。USB規格では、FS_Jが2.5us以上(TDCNN)、経過したら、ホスト3はデバイス接続を検出することが可能であるので、上記の遮断はこの時間内に行う必要がある。
なお、このときにFS_JではなくLS_Jが検出されたら、回路装置10にはLSのデバイス7が接続されていることになるので、回路装置10は、バススイッチ回路14のオンを維持し、ホスト3とLSのデバイス7との間のLS信号を通過させて、両者にLS通信を行わせる。
回路装置10は、デバイス7からホスト3へのFS_Jの通知を遮断した後、バスモニター回路88により、図20のFSレシーバー28から出力されるFS受信信号RFSA及びFSレシーバー29から出力されるFS受信信号RFSBの値を判定する(タイミングt2)。この場合は、バスBS2がFS_Jの状態になるので、バスモニター回路88がFS受信信号RFSAからFS_Jを検出できる。これにより回路装置10は、バスBS2にデバイス7が接続され、バスBS1にホスト3が接続されていると判断できる。なお本実施形態の回路装置10では、バスBS1にデバイス7が接続され、バスBS2にホスト3が接続されることも許容される。この場合は、バスBS1がFS_Jの状態になるので、バスモニター回路88がFS受信信号RFSBからFS_Jを検出することで、回路装置10は、バスBS1にデバイス7が接続され、バスBS2にホスト3が接続されていると判断できる。
また回路装置10は、バスモニター回路88によりFS_Jが一定時間安定して示されていることを検出する(タイミングt2〜t3)。USB規格において、100ms以上(TATTDB)の安定時間が定められているため、回路装置10は、この安定時間の間、FS_Jが継続していることを確認する。
回路装置10は、一定時間の安定したFS_Jを検出した後に、バスモニター回路88によりHSハンドシェーク制御回路19の動作をオンにする。そしてHSハンドシェーク制御回路19は、FS送信信号TFSAを用いてFSドライバー24によりデバイス側のバスBS2に対してSE0を出力させる(タイミングt3)。これにより、回路装置10からデバイス7へのバスリセットが行われ、HS検出のハンドシェークが開始される。なお、ホスト側のバスBS1は、ホスト3のプルダウン抵抗によりSE0の状態になっているため、回路装置10によるバス制御は不要である。
回路装置10は、デバイス7へのバスリセットの出力後、バスモニター回路88によりHSレシーバー26からのHS受信信号RHSAの値を判定することで、デバイス7から返されるデバイスチャープKを検出する(タイミングt4)。USB規格では、デバイスチャープKの開始時間(タイミングt3〜t4:TFILTSE0)、及び持続時間(タイミングt4〜t5:TUCH/TUCHEND)が定められているので、これらの時間が規定の時間であることをバスモニター回路88により判定する。
なお、デバイスチャープKが検出されない場合は、回路装置10にはHS非対応のFSのデバイス7が接続されていることになるので、回路装置10は、HSハンドシェーク制御回路19の動作をオフにし、バススイッチ回路14をオンにして、ホスト3とFSのデバイス7との間のFS信号を通過させて、両者にFS通信を行わせる。
回路装置10は、規定時間のデバイスチャープKを検出後、デバイス7に対してホストチャープの送出を開始する(タイミングt6)。HSハンドシェーク制御回路19が所定時間(TDCHBIT)毎にホストチャープJとホストチャープKの出力信号CJKAを繰り返し出力することで、HSドライバー20からバスBS2を介してデバイス7に対して、ホストチャープJ、ホストチャープK、ホストチャープJ、ホストチャープK・・・が出力される。そして回路装置10は、デバイス7に対してホストチャープを出力すると同時に、バスモニター回路88により、バスBS2に出力されるホストチャープを監視して、以下のような信号を生成して切断検出回路30に出力する。
即ち、デバイス7が終端抵抗をオンする前においては(タイミングt6〜t7)、HSドライバー20は、振幅が約800mVとなるホストチャープK/J(FS)をバスBS2に出力する。そしてバスモニター回路88は、ホストチャープJ(FS)の検出時にホストチャープJ(FS)の保持信号LFSAをHレベルにして保持回路40に出力する。これによりホストチャープJ(FS)の電圧レベル情報が保持回路40に保持される。またバスモニター回路88は、ホストチャープK(FS)の検出時にホストチャープK(FS)の保持信号LFSAをHレベルにして保持回路40に出力する。これによりホストチャープK(FS)の電圧レベル情報が保持回路40に保持される。
デバイス7が終端抵抗をオンした後においては(タイミングt7〜t8)、HSドライバー20は、振幅が約400mVとなるホストチャープK/J(HS)をバスBS2に出力する。バスモニター回路88は、ホストチャープJ(HS)の検出時にホストチャープJ(HS)の保持信号LHSAをHレベルにして保持回路40に出力する。これによりホストチャープJ(HS)の電圧レベル情報が保持回路40に保持される。またバスモニター回路88は、ホストチャープK(HS)の検出時にホストチャープK(HS)の保持信号LHSAをHレベルにして保持回路40に出力する。これによりホストチャープK(HS)の電圧レベル情報が保持回路40に保持される。
このように、これらの保持信号LFSA、LHSAにより、ホストチャープK/J(FS)及びホストチャープK/J(HS)の振幅レベルである電圧レベル情報が、切断検出回路30の保持回路40に保持される。そして、保持された電圧レベル情報から、判定電圧生成回路60により切断検出の判定電圧が生成される。
回路装置10は、切断検出の判定電圧の生成が終了した後、ホストチャープの出力を終了する(タイミングt8)。回路装置10は、HSハンドシェーク制御回路19の動作をオフにして、FSドライバー24からのSE0の出力とHSドライバー20からのホストチャープの出力を停止すると共に、バススイッチ回路14をオンにして、ホスト3とデバイス7の間の信号を通過させる。このとき、ホスト3はデバイス接続を認識しておらず停止状態であるため、バスBS1にSE0を示しており、そのSE0がバススイッチ回路14を通じてデバイス側のバスBS2に示される。一方、デバイス7はホストチャープによりHS検出ハンドシェークが完了したため、以降はホスト3からのHS通信が行われることを期待して、SOFなどのHSパケットの受信を待機している。しかしながら、ホスト3が停止状態であるため、デバイス7はHSパケットを得ることができない。図21では、この状態をHS接続中断と記載している。
図22に示すように、HS通信の待機状態のデバイス7は、停止状態のホスト3と接続された後、SE0が一定時間(TWTREV)、継続すると、サスペンドを示すためにDPのプルアップ抵抗を有効にする(タイミングt9)。これによりバスBS2がFS_Jの状態になる。回路装置10は、この二度目のデバイス7からのFS_Jを検出したら、一度目とは異なり、バスモニター回路88によりバススイッチ回路14のオンを維持して、ホスト3に対してデバイス7からのFS_Jの通知を通過させる。USB規格において、FS_Jが2.5us以上(TDCNN)、経過したら、ホスト3はデバイス接続を検出することが可能であるので、以降はホスト3がデバイス7との接続を開始する。
ホスト3がデバイス7の接続を検出した後、回路装置10のバススイッチ回路14を介して、ホスト3とデバイス7とのHS検出のハンドシェークが行われる(タイミングt10〜t15)。この間は、回路装置10は、バスモニター回路88によりホストチャープの終了までバスの状態を監視し続ける。
ホスト3とデバイス7とのHS検出のハンドシェークが終了した後、回路装置10は、バスモニター回路88によりバススイッチ回路14をオフにし、処理回路18の動作をオンにする。これにより信号経路が、バススイッチ回路14を経由する経路から、物理層回路11、処理回路18、物理層回路12を経由する経路に切り替わる。従って、ホスト3とデバイス7とのHS通信が、回路装置10による再同期化処理を伴って行われることになり、HS通信波形の改善が実現される。
このとき回路装置10は、バスモニター回路88によりデバイス側の切断検出回路30の動作をオンにして、デバイス7の切断検出に備える。例えばバスモニター回路88が、切断検出回路30のイネーブル信号ENAをHレベルにすることで、切断検出回路30がオンになり、検出回路80による切断検出がイネーブルになる。そして検出回路80は、判定電圧生成回路60により生成された判定電圧により切断検出の判定を行うため、接続環境に最適な判定電圧でデバイス切断を適切に検出できるようになる。
以上のように本実施形態によれば、ホスト3とデバイス7の中継器である回路装置10においても、現在の接続条件における最適な切断検出レベルを設定することが可能になる。従って、図19のようにUSBのバス上に各種部品が付加された近年のUSB機器の接続構成の場合でも、接続中に切断の誤検出が行われることなく、安定した接続状態を実現することが可能となる。
また本実施形態では、図21のタイミングt1のUSBのケーブルアタッチの後、タイミングt2の後にバスBS2においてFS_Jが検出されたときに、バススイッチ回路14がオンからオフになる。即ちバススイッチ回路14がバスBS1とバスBS2との間の接続をオンからオフにする。つまり、デバイス7がDPの信号線のプルアップ抵抗を有効にしてバスBS2をFS_Jの状態にすると、バスモニター回路88がこれを検出して、バススイッチ回路14をオンからオフに切り替える。このようにバススイッチ回路14がオフになることで、デバイス7によるFS_Jの通知はホスト3に伝わらなくなる。そしてt6〜t8に示すように、HSドライバー20は、バススイッチ回路14がオフになった後のHS検出のハンドシェーク期間において、ホストチャープをバスBS2に送信する。具体的にはHSドライバー20は、ホストチャープJとホストチャープKを交互に送信する。そして切断検出回路30は、HSドライバー20がホストチャープを送信しているときに測定された第1電圧レベル情報を保持する。具体的には切断検出回路30は、ホストチャープJやホストチャープKが送信されているときのバスBS2での振幅レベルである第1電圧レベル情報を保持する。
このようにすれば、デバイス7からのFS_Jが検出されたときにバススイッチ回路14がオフになることで、このFS_Jがホスト3に伝わるのが防止される。そしてその後のHS検出のハンドシェーク期間において、HSドライバー20によりホストチャープが送信されているときのバスBS2の第1電圧レベル情報を保持して、この第1電圧レベル情報に基づく切断検出の判定電圧により、バスBS2でのデバイス切断を適正に検出できるようになる。
また本実施形態では、図21のタイミングt8でHS検出のハンドシェーク期間が終了した後に、バススイッチ回路14はオフからオンになる。即ちバススイッチ回路14はバスBS1とバスBS2との間の接続をオフからオンにする。具体的にはバスモニター回路88は、HS検出のハンドシェーク期間が終了すると、バススイッチ回路14をオフからオンに切り替える。
このようにすれば、HS検出のハンドシェーク期間において切断検出のための第1電圧レベル情報が保持された後に、バススイッチ回路14がオンになることで、ホスト3とデバイス7がバススイッチ回路14を介して接続されるようになる。これによりホスト3とデバイス7との間で、再度のHS検出のハンドシェークが行われるようになり、ホスト3とデバイス7のHS通信の接続を確立できるようになる。そして、保持された第1電圧レベル情報に基づくデバイス切断の検出も実現できるようになる。
また本実施形態では、図21のタイミングt1のケーブルアタッチの後、バスBS2においてのLS_Jが検出されたときに、バススイッチ回路14はオンからオフにならずにオンに維持される。即ちバススイッチ回路14はバスBS1とバスBS2との間の接続をオンからオフにせずにオンに維持する。つまり、前述のようにケーブルアタッチの後にFS_Jが検出された場合には、切断検出用の第1電圧レベル情報を保持するためのHS検出のハンドシェークが行われるが、LS_Jが検出された場合には、このようなHS検出のハンドシェークは行われない。そしてバススイッチ回路14がオンに維持されることで、ホスト3と、LSのデバイス7との間で、LS通信が行われるようになる。
また本実施形態では、ケーブルアタッチ後のバスリセット期間においてバスBS2においてデバイスチャープKが検出されなかったときに、バススイッチ回路14はオフからオンになる。即ちバススイッチ回路14はバスBS1とバスBS2との間の接続をオフからオンにする。例えば図21では、ケーブルアタッチの後、タイミングt3でバスリセット期間が開始した後、デバイス7がデバイスチャープKを送出している。このデバイスチャープKが検出された場合には、HS検出のハンドシェークが行われる。これに対して、デバイスチャープKが検出されなかった場合には、回路装置10には、HS非対応のFSのデバイス7が接続されていると判断されて、バススイッチ回路14がオフからオンになる。これにより、ホスト3とFSのデバイス7との間で、オンになったバススイッチ回路14を介して、FSの通信を行えるようになる。
また図1等において詳細に説明したように、切断検出回路30は、第1電圧レベル情報を保持する保持回路40と、第1電圧レベル情報に基づいて第1判定電圧を生成する判定電圧生成回路60と、第1判定電圧に基づいて、デバイス切断検出を行って、切断検出信号を出力する検出回路80を含む。保持回路40は第1保持回路であり、判定電圧生成回路60は第1判定電圧生成回路である。このようにすれば、ホストチャープの送信時におけるDP信号及びDM信号の一方の信号の電圧レベルの測定結果に基づいて、切断検出の判定電圧である第1判定電圧が生成され、この第1判定電圧を用いてUSBの切断検出が行われるようになる。
また図15において詳細に説明したように、検出回路80は、判定電圧VJPと、DP信号及びDM信号の一方の信号の電圧とを比較する比較回路81を含み、比較回路81の比較結果に基づいて、切断検出信号HSDISを出力する。判定電圧VJPは第1判定電圧であり、比較回路81は第1比較回路である。このような比較回路81を設ければ、ホストチャープの第1電圧レベル情報に応じて設定された判定電圧VJPと、DP信号及びDM信号の一方の信号の電圧との比較により、デバイス切断を検出して、切断検出信号HSDISを出力できるようになる。
また図16で説明したように、切断検出回路30は、バスBS2にホストチャープが送信されているときに測定された、DP信号及びDM信号の他方の信号の電圧レベル情報である第2電圧レベル情報を保持する保持回路50と、第2電圧レベル情報に基づいて判定電圧VJMを生成する判定電圧生成回路70を含む。保持回路50は第2保持回路であり、判定電圧VJMは第2判定電圧であり、判定電圧生成回路70は第2判定電圧生成回路である。そして検出回路80は、判定電圧VJPと判定電圧VJMとに基づいて、USBの切断検出を行って、切断検出信号HSDISを出力する。このようにすれば、DP信号及びDM信号の一方の信号の電圧レベル情報に基づく判定電圧VJPと、他方の信号の電圧レベル情報に基づく判定電圧VJMの両方を用いて、USBの切断検出を実現できるようになる。
なお図16に示すように保持回路40は保持レジスター41、42を含むことができ、保持回路50は保持レジスター51、52を含むことができる。また検出回路80は、比較回路81、82、出力回路84を含むことができる。また保持回路40、50、判定電圧生成回路60、70、検出回路80の具体的な構成としては、例えば図17に示すような構成を採用できる。
また本実施形態では、ホストチャープはHSモードのホストチャープである。このようにHSモードのホストチャープの第1電圧レベル情報を測定して判定電圧を生成することで、USBの経路に設けられる部品等の内部抵抗に応じた最適な判定電圧を生成して、USBの適切な切断検出を実現できるようになる。
また本実施形態の回路装置10は、USBの信号状態をモニターするバスモニター回路88を含む。そして物理層回路12は、バスモニター回路88からの検出信号に基づいて、第1電圧レベル情報の保持を行う。このようにすれば、バスモニター回路88が、USBの信号状態をモニターし、ホストチャープが行われている期間において検出信号を用いて、保持回路40に保持動作を行わせて、第1電圧レベル情報を保持させることが可能になる。
なお以上に説明した本実施形態では、デバイス接続のごとに、毎回、回路装置10がデバイス7とのHS検出のハンドシェークを実施しながら、切断検出の判定電圧を生成する場合を例にとり説明したが、これを実施するか否かを選択できるようにしてもよい。例えば図19のホスト機器2内の部品構成や、内部配線のバス配線長、或いは回路装置10の送信電流調整機能が切断検出の判定電圧のレベル変動に与える影響が大きい場合に、これらの要因は、ホスト機器2内の構成に起因するため、常に一定の状態であると考えられる。このような場合を想定し、回路装置10に対して、切断検出の判定電圧の生成の有効/無効を切り替える端子又はレジスターを設ける。そして、これらの端子又はレジスターが有効設定のときには、上述したように切断検出の判定電圧を生成し、無効設定のときには判定電圧を生成しないようにしてもよい。このようにすれば、例えば工場出荷時においてだけ、切断検出の判定電圧を生成し、以降の通常使用時は当該判定電圧を生成せずに、デバイス接続するような使い方が可能になり、利便性を向上できる。
5.電子機器、移動体
図23に、本実施形態の回路装置10を含む電子機器300の構成例を示す。この電子機器300は、本実施形態の回路装置10を含む。図1〜図17で説明した構成の場合には、回路装置10がホストコントローラーやメインコントローラーになり、図18〜図22で説明した構成の場合には、回路装置10に接続されるホストコントローラーやメインコントローラーが更に設けられる。回路装置10は、携帯型端末装置等のペリフェラルデバイス350に接続される。回路装置10は、電子機器300の制御処理や、種々の信号処理等を行う。ペリフェラルデバイス350としては、例えば携帯型端末装置などを想定できるが、これには限定されない。ペリフェラルデバイス350はウェアラブル機器などであってもよい。
電子機器300は、メモリー320、操作インターフェース330、通信インターフェース340を更に含むことができる。メモリー320は、例えば操作インターフェース330や通信インターフェース340からのデータを記憶したり、或いは、回路装置10のワークメモリーとして機能する。メモリー320は、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などの半導体メモリー、或いはハードディスクドライブ等の磁気記憶装置により実現できる。操作インターフェース330は、ユーザーからの種々の操作を受け付けるユーザーインターフェースである。例えば操作インターフェース330は、各種のボタンやタッチパネル等により実現できる。通信インターフェース340は、制御データや画像データなどの各種データの通信を行うインターフェースである。通信インターフェース340の通信処理は、有線の通信処理であってもよいし、無線の通信処理であってもよい。
電子機器300の具体例としては、カーナビゲーション機器や車載オーディオ機器やメーターパネルなどの車載機器、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイ、印刷装置、携帯情報端末、携帯型ゲーム端末、ロボット、或いは情報処理装置などの種々の電子機器がある。或いは電子機器300は、生体情報測定機器、距離、時間、流速又は流量等の物理量を計測する計測機器、基地局又はルーター等のネットワーク関連機器、コンテンツを配信するコンテンツ提供機器、或いはデジタルカメラ又はビデオカメラ等の映像機器などであってもよい。
図24に、本実施形態の回路装置10を含む移動体の構成例を示す。移動体は、例えばエンジンやモーター等の駆動機構、ハンドルや舵等の操舵機構、各種の電子機器を備えて、地上や空や海上を移動する機器又は装置である。本実施形態の移動体として、例えば、車、飛行機、バイク、船舶、或いはロボット等を想定できる。図24は移動体の具体例としての自動車206を概略的に示している。自動車206は、車体207や車輪209を有する。自動車206には、回路装置10を有する車載機器220と、自動車206の各部を制御する制御装置210が組み込まれている。制御装置210は例えばECU(Electronic Control Unit)などを含むことができる。本実施形態の回路装置10は制御装置210に設けられるものであってもよい。車載機器220は、例えばカーナビゲーション機器、車載オーディオ機器、或いはメーターパネル等のパネル機器である。
以上に説明したように本実施形態の回路装置は、USB規格の第1バスが接続される第1物理層回路と、USB規格の第2バスが接続される第2物理層回路と、一端が第1バスに接続され、他端が第2バスに接続され、第1バスと第2バスとの間の接続を、オン又はオフにするバススイッチ回路を含む。そして第2物理層回路は、USBのDP信号及びDM信号の一方の信号の電圧レベル情報を第1電圧レベル情報とした場合に、バススイッチ回路のオフ期間において第2バスにホストチャープが送信されているときに測定された第1電圧レベル情報を保持する。そして第1電圧レベル情報に基づいて、第2バスにおけるデバイス切断の検出を行う。
本実施形態によれば、USB規格の第1バスに第1物理層回路が接続されると共にUSB規格の第2バスに第2物理層回路が接続され、バススイッチ回路により、第1バスと第2バスとの間の接続がオン又はオフにされる。そして第2物理層回路は、バススイッチ回路のオフ期間において第2バスにホストチャープが送信された際の第1電圧レベル情報を保持する。そして保持した第1電圧レベル情報に基づいて、第2バスにおけるデバイス切断の検出が行われる。このように、バススイッチ回路のオフ期間において第2バスにホストチャープが送信された際の第1電圧レベル情報に基づいて、デバイス切断を検出すれば、第2バスの接続環境に適した最適な判定電圧によりデバイス切断を検出できるようになる。従って、適切な切断検出の判定電圧を設定して、デバイス接続中にデバイス切断の誤検出が行われるのを防止して安定した接続状態を維持できる回路装置等の提供が可能になる。
また本実施形態では、第2物理層回路は、第2バスにおけるHSモードの送信回路であるHSドライバーと、第2バスにおけるデバイス切断の検出を行う切断検出回路を含んでもよい。そして切断検出回路は、バススイッチ回路のオフ期間においてHSドライバーがホストチャープを送信しているときに測定された第1電圧レベル情報を保持し、保持された第1電圧レベル情報に基づいて、デバイス切断の検出を行ってもよい。
このようにすれば、バススイッチ回路がオフの状態でHSドライバーがホストチャープを送信し、そのときの第2バスのDP信号又はDM信号の第1電圧レベル情報を保持して、保持された第1電圧レベル情報を用いて、第2バスでのデバイス切断検出を実現できるようになる。従って、第2バスの接続環境に適した最適な判定電圧でのデバイス切断検出を実現できるようになる。
また本実施形態では、USBのケーブルアタッチの後、第2バスにおいてFS_Jが検出されたときに、バススイッチ回路は第1バスと第2バスとの間の接続をオンからオフにしてもよい。そしてHSドライバーは、第1バスと第2バスとの間の接続がオフになった後のHS検出のハンドシェーク期間において、ホストチャープを第2バスに送信し、切断検出回路は、HSドライバーがホストチャープを送信しているときに測定された第1電圧レベル情報を保持してもよい。
このようにすれば、第2バスにおいてFS_Jが検出されたときに第1バスと第2バスの接続がオフになることで、FS_Jが第1バスに伝わるのが防止される。そしてその後のHS検出のハンドシェーク期間において、HSドライバーによりホストチャープが送信されているときの第2バスの第1電圧レベル情報を保持して、この第1電圧レベル情報に基づく切断検出の判定電圧により、第2バスでのデバイス切断を適正に検出できるようになる。
また本実施形態では、HS検出のハンドシェーク期間が終了した後に、バススイッチ回路は第1バスと第2バスとの間の接続をオフからオンにしてもよい。
このようにすれば、HS検出のハンドシェーク期間において切断検出のための第1電圧レベル情報が保持された後に、第1バスと第2バスがバススイッチ回路を介して接続されるようになる。これにより、例えば第1バスと第2バスの接続がオンになった後にHS検出のハンドシェークが行われることで、HS通信の接続を確立できるようになる。そして、保持された第1電圧レベル情報に基づくデバイス切断の検出も実現できるようになる。
また本実施形態では、ケーブルアタッチの後、第2バスにおいてのLS_Jが検出されたときに、バススイッチ回路は第1バスと第2バスとの間の接続をオンからオフにせずにオンに維持してもよい。
このように第1バスとの第2バスの接続がオンに維持されることで、第1バスと第2バスとの間でバススイッチ回路を介したLS通信を行わせることが可能になる。
また本実施形態では、ケーブルアタッチの後のバスリセット期間において第2バスにおいてデバイスチャープKが検出されなかったときに、バススイッチ回路は第1バスと第2バスとの間の接続をオフからオンにしてもよい。
このようにバススイッチ回路がオンになることで、第1バスと第2バスとの間でバススイッチ回路を介したFS通信を行わせることが可能になる。
また本実施形態では、切断検出回路は、第1電圧レベル情報を保持する第1保持回路と、第1電圧レベル情報に基づいて第1判定電圧を生成する第1判定電圧生成回路と、第1判定電圧に基づいて、デバイス切断検出を行って、切断検出信号を出力する検出回路とを含んでもよい。
このようにすれば、ホストチャープの送信時におけるDP信号及びDM信号の一方の信号の電圧レベルの測定結果に基づいて、切断検出の判定電圧である第1判定電圧が生成され、この第1判定電圧を用いてUSBの切断検出が行われるようになる。これにより、現在の接続条件での適切な切断検出の判定電圧を設定することが可能になる。
また本実施形態では、検出回路は、第1判定電圧と一方の信号の電圧とを比較する第1比較回路を含み、第1比較回路の比較結果に基づいて、切断検出信号を出力してもよい。
このような第1比較回路を設ければ、ホストチャープの第1電圧レベル情報に応じて設定された第1判定電圧と、DP信号及びDM信号の一方の信号の電圧との比較により、デバイス切断を検出して、切断検出信号を出力できるようになる。
また本実施形態では、切断検出回路は、第2バスにホストチャープが送信されているときに測定された、DP信号及びDM信号の他方の信号の電圧レベル情報である第2電圧レベル情報を保持する第2保持回路と、第2電圧レベル情報に基づいて第2判定電圧を生成する第2判定電圧生成回路とを含んでもよい。そして検出回路は、第1判定電圧と第2判定電圧とに基づいて、USBの切断検出を行って、切断検出信号を出力してもよい。
このようにすれば、DP信号及びDM信号の一方の信号の電圧レベル情報に基づく第1判定電圧と、他方の信号の電圧レベル情報に基づく第2判定電圧の両方を用いて、USBの切断検出を実現できるようになり、より正確で適切なUSBの切断検出を実現できるようになる。
また本実施形態では、ホストチャープはHSモードのホストチャープであってもよい。
このようにHSモードのホストチャープの第1電圧レベル情報を測定して第1判定電圧を生成することで、USBの経路に設けられる部品等の内部抵抗に応じた最適な第1判定電圧を生成して、USBの適切な切断検出を実現できるようになる。
また本実施形態では、USBの信号状態をモニターするバスモニター回路を含み、第2物理層回路は、バスモニター回路からの検出信号に基づいて、第1電圧レベル情報の保持を行ってもよい。
このようにすれば、バスモニター回路が、USBの信号状態をモニターし、ホストチャープが行われている期間において検出信号を用いて、保持回路に保持動作を行わせて、第1電圧レベル情報を保持させることが可能になる。
また本実施形態では、第1バスから第1物理層回路を介して受信したパケットを第2物理層回路を介して第2バスに送信し、第2バスから第2物理層回路を介して受信したパケットを第1物理層回路を介して第1バスに送信する転送処理を、バススイッチ回路がオフのときに行う処理回路を含んでもよい。
このようにすれば、処理回路を経由した転送経路で転送処理を行う際に、処理回路が所定の信号処理を行うことで、USBの送信信号の信号特性の劣化を改善した高品質な信号転送を実現できるようになる。
また本実施形態は、上記に記載の回路装置を含む電子機器に関係する。
また本実施形態は、上記に記載の回路装置を含む移動体に関係する。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本開示の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本開示の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また本実施形態及び変形例の全ての組み合わせも、本開示の範囲に含まれる。また回路装置、電子機器、移動体の構成・動作等も本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
3…ホスト、4…給電制御IC、
5…保護部品、6…USBコネクター、7…デバイス、
10…回路装置、11、12…物理層回路、14…バススイッチ回路、
18…処理回路、19…HSハンドシェーク制御回路、20、21…HSドライバー、
22、23…電流源、24、25…FSドライバー、26、27…HSレシーバー、
28、29…FSレシーバー、30、31…切断検出回路、39、40…保持回路、
41、42…保持レジスター、44…A/D変換回路、50…保持回路、
51、52…保持レジスター、54…A/D変換回路、
59、60…判定電圧生成回路、62…演算回路、64…D/A変換回路、
70…判定電圧生成回路、72…演算回路、74…D/A変換回路、
79、80…検出回路、81、82…比較回路、84…出力回路、
88…バスモニター回路、90…FSドライバー、
100…ダウンストリームポート回路、110…制御回路、
150…回路装置、160…HSドライバー、162…電流源、170…FSドライバー、
206…自動車、207…車体、209…車輪、210…制御装置、220…車載機器、
300…電子機器、320…メモリー、330…操作インターフェース、
340…通信インターフェース、350…ペリフェラルデバイス、
400…ホスト機器、410…ホストコントローラー、412…電流源、
414…切断検出回路、420…レギュレーター、424…保護部品、
450…USBケーブル、452…レセプタクル、454、456…プラグ、
458、462…レセプタクル、464、466…プラグ、468…レセプタクル、
500…デバイス機器、510…デバイスコントローラー、512…電流源、
520…レギュレーター、524…バススイッチIC、
BS1、BS2…バス、LFSA、LFSB、LHSA、LHSB…保持信号、
RFSA、RFSB…FS受信信号、RHSA、RHSB…HS受信信号、
TFSA、TFSB…FS送信信号、THSA、THSB…HS送信信号、
CKJA、CKJB…出力信号、
ADP、ADM…A/D変換値、DGP、DGM、DQP、DQM…演算値、
DP1、DP2…検出値、DR1、DR2、DR3、DR4…ドライバー回路、
HSDIS…切断検出信号、LDP、LDM…信号線、
RD1、RD2…プルダウン抵抗、RS1、RS2、RS3、RS4…終端抵抗、
RU…プルアップ抵抗、S1、S2、S3、S4…検出信号、
SW1〜SW4、SWH1、SWH2、SWU…スイッチ、
TM1、TM2、TP1、TP2…端子、VJP、VJM…判定電圧、
VDP、VDP1、VDP2、VDM、VDM1、VDM2…検出値、

Claims (14)

  1. USB規格の第1バスが接続される第1物理層回路と、
    前記USB規格の第2バスが接続される第2物理層回路と、
    一端が前記第1バスに接続され、他端が前記第2バスに接続され、前記第1バスと前記第2バスとの間の接続を、オン又はオフにするバススイッチ回路と、
    を含み、
    前記第2物理層回路は、
    前記USBのDP信号及びDM信号の一方の信号の電圧レベル情報を第1電圧レベル情報とした場合に、前記バススイッチ回路のオフ期間において前記第2バスにホストチャープが送信されているときに測定された前記第1電圧レベル情報を保持し、
    前記第1電圧レベル情報に基づいて、前記第2バスにおけるデバイス切断の検出を行うことを特徴とする回路装置。
  2. 請求項1において、
    前記第2物理層回路は、
    前記第2バスにおけるHSモードの送信回路であるHSドライバーと、
    前記第2バスにおける前記デバイス切断の検出を行う切断検出回路と、
    を含み、
    前記切断検出回路は、
    前記バススイッチ回路のオフ期間において前記HSドライバーが前記ホストチャープを送信しているときに測定された前記第1電圧レベル情報を保持し、保持された前記第1電圧レベル情報に基づいて、前記デバイス切断の検出を行うことを特徴とする回路装置。
  3. 請求項2において、
    前記USBのケーブルアタッチの後、前記第2バスにおいてFS_Jが検出されたときに、前記バススイッチ回路は前記第1バスと前記第2バスとの間の接続をオンからオフにし、
    前記HSドライバーは、
    前記第1バスと前記第2バスとの間の接続がオフになった後のHS検出のハンドシェーク期間において、前記ホストチャープを前記第2バスに送信し、
    前記切断検出回路は、
    前記HSドライバーが前記ホストチャープを送信しているときに測定された前記第1電圧レベル情報を保持することを特徴とする回路装置。
  4. 請求項3において、
    前記HS検出のハンドシェーク期間が終了した後に、前記バススイッチ回路は前記第1バスと前記第2バスとの間の接続をオフからオンにすることを特徴とする回路装置。
  5. 請求項3又は4において、
    前記ケーブルアタッチの後、前記第2バスにおいてのLS_Jが検出されたときに、前記バススイッチ回路は前記第1バスと前記第2バスとの間の接続をオンからオフにせずにオンに維持することを特徴とする回路装置。
  6. 請求項3乃至5のいずれかにおいて、
    前記ケーブルアタッチの後のバスリセット期間において前記第2バスにおいてデバイスチャープKが検出されなかったときに、前記バススイッチ回路は前記第1バスと前記第2バスとの間の接続をオフからオンにすることを特徴とする回路装置。
  7. 請求項2乃至6のいずれかにおいて、
    前記切断検出回路は、
    前記第1電圧レベル情報を保持する第1保持回路と、
    前記第1電圧レベル情報に基づいて第1判定電圧を生成する第1判定電圧生成回路と、
    前記第1判定電圧に基づいて、前記デバイス切断検出を行って、切断検出信号を出力する検出回路と、
    を含むことを特徴とする回路装置。
  8. 請求項7において、
    前記検出回路は、
    前記第1判定電圧と前記一方の信号の電圧とを比較する第1比較回路を含み、
    前記第1比較回路の比較結果に基づいて、前記切断検出信号を出力することを特徴とする回路装置。
  9. 請求項7又は8において、
    前記切断検出回路は、
    前記第2バスに前記ホストチャープが送信されているときに測定された、前記DP信号及び前記DM信号の他方の信号の電圧レベル情報である第2電圧レベル情報を保持する第2保持回路と、
    前記第2電圧レベル情報に基づいて第2判定電圧を生成する第2判定電圧生成回路と、
    を含み、
    前記検出回路は、
    前記第1判定電圧と前記第2判定電圧とに基づいて、前記USBの切断検出を行って、前記切断検出信号を出力することを特徴とする回路装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれかにおいて、
    前記ホストチャープはHSモードのホストチャープであることを特徴とする回路装置。
  11. 請求項1乃至10のいずれかにおいて、
    前記USBの信号状態をモニターするバスモニター回路を含み、
    前記第2物理層回路は、
    前記バスモニター回路からの検出信号に基づいて、前記第1電圧レベル情報の保持を行うことを特徴とする回路装置。
  12. 請求項1乃至11のいずれかにおいて、
    前記第1バスから前記第1物理層回路を介して受信したパケットを前記第2物理層回路を介して前記第2バスに送信し、前記第2バスから前記第2物理層回路を介して受信したパケットを前記第1物理層回路を介して前記第1バスに送信する転送処理を、前記バススイッチ回路がオフのときに行う処理回路を含むことを特徴とする回路装置。
  13. 請求項1乃至12のいずれかに記載の回路装置を含むことを特徴とする電子機器。
  14. 請求項1乃至12のいずれかに記載の回路装置を含むことを特徴とする移動体。
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