JP2021174514A - 情報共有化システム及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のシステムより情報を整理して利用者にとって本当に必要な情報を必要な形で表示でき、利用者の要望に沿った情報の共有化が可能な情報共有化システム及びプログラムを提供する。【解決手段】サーバー5、サーバーと通信可能で、且つ、ディスプレイ部12を有する多数の端末3を有し、端末に所定の情報を提示するための、電子データを利用した情報共有化システム1であって、患者のカルテ情報をサーバーの記憶媒体に保存するカルテ情報保存手段、カルテ情報におけるイベントを把握するイベント情報把握手段、イベントに対するコメントを、コメントが入力された日時と結びつけて記憶媒体に保存するコメント情報保存手段、カルテ情報、イベント情報及びコメント情報のすべてをディスプレイ部に表示する情報表示手段であって、コメントを所定の評価基準に従って表示する情報表示手段、を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、従来のシステムより情報を整理して利用者にとって本当に必要な情報を必要な形で表示でき、利用者の要望に沿った情報の共有化が可能な情報共有化システム及びプログラムに関するものである。
近年、Information Technology(IT)の進歩に伴い、各種情報の共有化が進行している。情報を共有化することで各種技術や知識を絶えず最新のものとして、利用者の技能向上、研修及び教育に用いることが試みられている。中でも医療分野においてはこのような試みが顕著であり、各種の提案がなされている。
例えば、特許文献1〜3には、それぞれ、患者の情報と医療行為情報とをわかりやすく表示する提案がなされている。
また、特許文献4〜6には、それぞれ、患者の情報及び医療行為情報の他に利用者のコメントを記入し表示できるシステムに関する提案がなされている。
具体的には、特許文献4には、使用者が効率的にシェーマ記録画面を作成することができると共に、使用者がコメント表示を主体にシェーマ記録画面に表された病変部を直接的に認識することができ、結果として、電子カルテ画面を閲覧しながら患者に対する問診に十分な時間を確保することができる電子カルテ作成装置として、入力された患者情報に基づいてシェーマ下絵画像情報及び当該シェーマ下絵画像に関連付けられたコメント候補情報を取得してシェーマ下絵画像及びコメント候補画面からなる電子カルテ画面を表示し、前記コメント候補画面に含まれる所定のコメントが選択されたときに、当該コメントに関連付けられて前記シェーマ下絵画像上に病変部を描画し、病変部が描画されたシェーマ下絵画像及び前記選択されたコメントを含むコメント一覧画面を同一画面に表示する装置が提案されている。
また、特許文献5には、症例を情報共有サーバに登録し、登録した症例についてのコメントを閲覧する投稿者端末と、症例についてのコメントを行うアドバイザ端末を選択するコーディネータ端末と、症例についてのコメントを行うアドバイザ端末と、投稿者端末からの症例の登録を受け付け、症例が登録された旨をコーディネータ端末へ通知するとともに、当該症例のアドバイザとして記憶されている端末を抽出してコーディネータ端末に表示し、コーディネータ端末の選択した端末を投稿者端末の登録した症例のアドバイザ端末に登録し、当該アドバイザ端末から書き込まれたコメントを投稿者端末に開示する情報共有サーバと、を備える、情報共有化システムが提案されている。
また、特許文献6には、最適な転棟/退院のタイミング決定に必要な患者の情報を自動的に抽出して把握しやすく表示し、さらに、そのタイミング決定に係る各関係者側の情報を共有することを目的として、在院患者情報と、患者基本情報と、を取得し、取得した在院患者情報に含まれる診療科コード及び病棟コードに基づいて診療科マスタと病棟マスタとから診療科名及び病棟名を取得することによって、在院患者毎に、患者ID、患者名、年齢、病棟名、診療科名、主治医名を表示させると共に、当該患者の病状・診療状況と退院先確保状況とリハビリ状況とのそれぞれについて関係者のコメントを入力させるための入力欄を表示させるシステムが提案されている。
特開2010−205227号公報 特開2016−177323号公報 特開2006−338521号公報 特開2005−338521号公報 特開2013−242691号公報 特開2019−101612号公報
しかしながら、上述の提案では、患者の情報、医療行為の情報及びコメント等種々情報を確認でき、更に必要に応じてコメントを入れることができるものではあったが、情報過多になり、利用者において情報の取捨選択を行う必要が生じ、かえって利用者が錯綜するという問題があった。このため、より情報を整理して必要な情報を必要な形で表示でき、利用者の要望に沿った情報の共有化が可能な情報共有化システムの開発が要望されている。
したがって、本発明の目的は、従来のシステムより情報を整理して利用者にとって本当に必要な情報を必要な形で表示でき、利用者の要望に沿った情報の共有化が可能な情報共有化システム及びプログラムを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解消すべく鋭意検討した結果、医療系の情報共有化システムの利用者は、患者個々人の情報を欲しいと欲するのではなく、症例に応じて情報の取得を欲していることを知見し、かかる知見に基づき更に検討したところ、症例に関する情報よりもむしろコメントを参考にすることを知見した。
本発明は、かかる知見に基づいてなされたものであり、以下の各発明を提供するものである。
1. サーバー、該サーバーと通信可能で且つディスプレイ部を有する多数の端末を有し、該端末に所定の情報を提示するための、電子データを利用した情報共有化システムであって、
患者のカルテ情報をサーバーの記憶媒体に保存するカルテ情報保存手段、
上記カルテ情報におけるイベントを把握するイベント情報把握手段、
上記イベントに対するコメントを当該コメントが入力された日時と結びつけて上記記憶媒体に保存するコメント情報保存手段、
上記カルテ情報、上記イベント情報及び上記コメント情報のすべてを上記ディスプレイ部に表示する情報表示手段であって、上記コメントを所定の評価基準に従って表示する情報表示手段、
を含む情報共有化システム。
2. 上記の所定の評価基準が、コメントの文言を分析し、予め設定されている文言のカテゴリーにより重み付けを行うとともに、閲覧数及び評価ボタンのクリック数を加味し、更にコメントの記入者による重み付けを加算して得られる点数に基づく基準である
1記載の情報共有化システム。
3. カテゴリーによる重み付けの点数(以下「A」とする)、クリック数による点数(以下「B」とする)及びコメントの記入者の重み付けの点数(以下「C」とする)を下記の式に代入して得られる点数を評価基準とする2記載の情報共有化システム。
評価点数=A×B+C
4.上記情報共有化システムは、複数のカテゴリーに属する利用者が利用するシステムであり、そのうち少なくとも一つのカテゴリーに属する利用者の教育用のシステムである、1〜3のいずれか記載の情報共有化システム。
5.上記情報共有化システムは、症例に対する処方薬又は対処法の調査用である、1〜3のいずれか記載の情報共有化システム。
6.サーバー、該サーバーと通信可能な多数の端末に格納され、これらに以下のステップを実行させて、情報の共有化を実現するためのプログラム。
入力された患者のカルテ情報からなり、該サーバーに構築されたデータベースにアクセスして、患者のカルテ情報から当該患者の疾病に関する情報をイベント情報として抽出する抽出ステップ、
上記イベント情報を、端末の利用者からコメントを入力可能に、端末のディスプレイに出力する出力ステップ、
上記の利用者のコメントをコメント情報として上記データベースに格納するコメント格納ステップ、
及び
格納されたコメント情報をカルテ情報及びイベント情報と共に、端末のディスプレイに表示する表示ステップ。
本発明の情報共有化システム及びプログラムによれば、従来のシステムより情報を整理して利用者にとって本当に必要な情報を必要な形で表示でき、利用者の要望に沿った情報の共有化が可能である。
図1は、本発明のシステムを示す模式図である。 図2は、本発明のプログラムのフローシートである。 図3は、本発明のプログラムのシーケンス図である。 図4は、端末に表示される画面の一例を示す説明図である。 図5は、端末に表示される画面の一例を示す説明図である。 図6は、端末に表示される画面の一例を示す説明図である。 図7は、端末に表示される画面の一例を示す説明図である。 図8は、端末に表示される画面の一例を示す説明図である。 図9は、端末に表示される画面の一例を示す説明図である。
1:情報共有化システム、3:端末、5:サーバー、12:ディスプレイ部
以下、本発明をさらに詳細に説明する。以下の説明においては、本発明のプログラムを具備する本発明の情報共有化システムを例示して説明する。
本実施形態の情報共有化システム1は、図1に示すように、サーバー5、サーバー5と通信可能で且つディスプレイ部12を有する多数の端末3(図1においては便宜上3つがそれぞれサーバーとネットワークを介して相互にアクセス可能に接続された例をもって示す)を有し、端末3に所定の情報を提示するための、電子データを利用した情報共有化システムであって、
患者のカルテ情報をサーバー5の記憶媒体(図示せず)に保存するカルテ情報保存手段、
上記カルテ情報におけるイベントを把握するイベント情報把握手段、
上記イベントに対するコメントを当該コメントが入力された日時と結びつけて上記記憶媒体に保存するコメント情報保存手段、
上記カルテ情報、上記イベント情報及び上記コメント情報のすべてを上記ディスプレイ部12に表示する情報表示手段であって、上記コメントを所定の評価基準に従って表示する情報表示手段、を含むシステムである。
以下、更に詳細に説明する。
<端末及びサーバー(コンピュータ)>
(端末)
本実施形態において端末3は、コンピュータとしての機能を有しディスプレイ部12が一体化されてなるものであり、「ディスプレイ装置を具備する、コンピュータ」として用いられるものである。
本実施形態において端末3は、特に図示しないが、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、少なくとも一つの中央処理演算装置(CPU)、記憶媒体を備え、特に図示しないキーボードやポインティングデバイス(例えば、 マウスやタッチパッド)等の1以上のユーザ・インターフェース機器、インターネット等のデータ通信ネットワークにコンピュータシステムを接続するネットワーク・インタフェースを備える。タッチセンサー内蔵の液晶ディスプレイ(LCD)パネル装置等のディスプレイ部12を有しており、ディスプレイ上において各種情報を表示するとともにディスプレイ部12上で入力や選択を行うことができる。
また、オペレーティングシステムとしては、通常の32ビットまたは64ビットのものが用いられる他、一般的にコンピュータシステムに用いられる、ウェブサーバーソフトウェアやスクリプト言語モジュール等の標準的な多数のソフトウェアモジュールを含む。
そして、この端末には、その記憶媒体に後述するプログラムが格納されている。
(サーバー)
サーバー5は、端末3と同様に、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、少なくとも一つの中央処理演算装置(CPU)、記憶媒体を備え、キーボード14やポインティングデバイス(例えば、 マウスやタッチパッド)等の1以上のユーザ・インターフェース機器、インターネット等のデータ通信ネットワークにコンピュータシステムを接続するネットワーク・インタフェースを備える。そして、記憶媒体には、多数の患者の個人データとカルテ情報が格納されて形成されたデーターベースが設けられている。
データベースについては、後述するが、随時データを更新するようになされている。すなわち、サーバーは、データ保存更新部として機能し、ネットワーク・インターフェースを介して端末と通信し、端末に各種情報を移送するとともに携帯端末から送信されるカルテ情報への追加情報等の新規情報を受信し記憶媒体のデータベースに格納する。
<他の部材>
本発明の情報共有化システムにおいては、通常この種の装置に用いられる情報取得デバイスを設けて種々データを端末又はサーバーに格納可能に設定することもできる。
そして、本実施形態においては、端末3及びサーバー5にプログラムが格納されており、端末及びサーバーに後述する各ステップを実行させることで、端末及びサーバーが上記各手段を具備する、本発明の情報共有化システムとして機能する。
以下、本実施形態において用いられるプログラムを説明する。
〔プログラム〕
プログラムは、図2のフローシート及び図3のシーケンス図に示すように、後述する情報共有化方法を実行するためのものであり、以下の各ステップを端末及びサーバーに実行させるためのものである。
入力された患者のカルテ情報からなり、該サーバーに構築されたデータベースにアクセスして、患者のカルテ情報から当該患者の疾病に関する情報をイベント情報として抽出する抽出ステップ、
上記イベント情報を、端末の利用者からコメントを入力可能に、端末のディスプレイに出力する出力ステップ、
上記の利用者のコメントをコメント情報として上記データベースに格納するコメント格納ステップ、
及び
格納されたコメント情報をカルテ情報及びイベント情報と共に、端末のディスプレイに表示する表示ステップ。
以下、各ステップについて、図2及び3を参照しつつ、また必要に応じて端末の表示画面を示す図4〜図9を参照しつつ説明する。
(事前準備ステップS0)
本発明のプログラムを構成するには、まず、電子カルテのデータを取得することで後述する各ステップで用いるのに適したデータベースを構築する事前準備ステップを行う。本ステップにおいては、各端末3から又は直接サーバーにカルテデータを送り、送られたデータを項目ごとに患者データと結びつけてサーバーの記憶媒体に格納することで形成する。
具体的には、カルテ情報保存ステップとして、各種入力デバイスから入力されるカルテ情報を電子情報としてサーバーの記憶媒体に保存するか、電子化されていないカルテ情報を読み込みサーバーに保存されている既存の電子化アプリケーション(OCR等)を用いて電子化してサーバーの記憶媒体に保存することを、サーバーまたは各端末に実行させるステップを行う。そして、ここで保存されたカルテ情報を個人情報と症例と処方薬と処置法とに分類すると共にそれぞれを関連付けて整理することでデータベースを構築するようにサーバーに指示して、データベースを作成する。
また、データベースを作成するに際して、個人情報を匿名化する匿名化ステップを行うこともできる。すなわち、上述のカルテ情報保存ステップにおいてはカルテ情報がそのままサーバーに保存されるが、その際に、氏名、住所、各種公的番号を記号化又は簡略化することで個人情報を匿名化する。たとえば、氏名及び各種公的番号を記号化し、住所を県名のみとすることで匿名化する。
また、データベース上は、症例と薬が関連付けられているだけだが、同じ病名であっても、なんらかの検査値が所定の閾値を超える場合に、処方薬や処置法が変わる場合がある。その場合には、病名に対して処方薬・処置法が変わった場合に、全ての検査値を処方薬が変わる前後で抽出し、処方薬・処置法が変わる前後における検査値の変化を判別し、検査値の変化がある場合を抽出することで、処方薬や処置法が変化していた場合の、基準となる検査値及び変化する場合の閾値を抽出することをサーバー又は各端末に指示し、この指示に従ってサーバー又は各端末がこの検査値および閾値を求め、サーバーのデータベースに保存する。そして、当該症例を表示する際に、上述の各情報に加えて、更にこの処方薬や処置法の変化する検査値及び閾値を表示することができる。
ここで、電子カルテとは、一般には、従来医師が診療の経過を記入していた、紙のカルテ(診療録)を電子的なシステムに置き換え、電子情報として一括してカルテを編集・管理し、データベースに記録するシステムまたはその記録であり、具体的には、患者に関する個人情報、症例(疾病の情報及び健康診断データを含む)、医師所見等の情報を患者に結びつけて整理した電子情報である。
また、個人情報には、個人を特定できる情報、氏名、年齢、性別、既往症歴、健康診断データが含まれる。
症例とは、過去罹患した又は現在罹患している病気とその程度の他、病気を罹患しているとは言えないが、健康診断データにおける正常であるとは言えない項目とその数値を含む。
医師所見とは、上記症例に対しての担当医師の見解である。
なお、上記匿名化ステップにより、患者の個人を特定できる情報は匿名化されており、利用者は患者の個人を特定できるデータは閲覧不可能になっているが、これに加えて、医師の氏名、コメントを記入した利用者の氏名は、匿名化又は非表示とすることができるように、氏名情報を加工する指示をサーバーに出して実行させることができるようになされている。
(抽出ステップS1)
上記抽出ステップS1は、上記データベースにアクセスして、患者のカルテ情報から当該患者の疾病に関する情報をイベント情報として抽出するステップである。
ここでイベント情報は、上記症例に関する情報である。
本ステップにおいて、「抽出する」とは、データーベースにサーバーのCPUがアクセスして上記症例に関する情報を検索可能な状態とできるようにすることを意味する。すなわち、症例に関する情報を予め用意された各カテゴリーに属する言葉と照合することで、疾病名、異常数値の健康診断(検査)項目、使用薬剤(処方薬)、YJコード(個別医薬品コード)、使用処置(対処)法(処置法)の各項目(カテゴリー)に準じて検索し抽出して表示可能とできるように、各症例における文言を抽出してマーキングを行う。マーキングは、ヒットした文言を、その文言が属するカテゴリーと紐付けておくことで行う。
さらに、抽出ステップS1においては、後述するコメント格納ステップS3と同様に症例に対して点数をつけるように指示することもできる。その場合には、症例(疾病名、検査項目)に対しての閲覧数、コメント数、評価ボタンのクリック数、後述する組織における管理者の推薦度合いの高低、等を個別に認識させると共に合計して、これらの症例に対しての合計点の高いものから順位が高いとサーバー等に認識させる順位付けを行う。この順位付けにより順位の高いから順に表示させるように検索をかけることが可能となり、また、閲覧数、コメント数、評価ボタンのクリック数などの個別の順位の高い順又は低い順に表示させることも可能となる。
このように抽出を行うことにより、後の出力ステップにおける操作を行いやすくする事ができ、より良好に本発明の所望の効果を得ることができる。
(出力ステップS2)
上記出力ステップS2は、上記イベント情報を、端末の利用者からコメントを入力可能に、端末のディスプレイに出力するステップである。
具体的には、利用者の通常の情報閲覧に際しては、患者毎のデータを閲覧する、症例毎のデータを閲覧する、薬剤毎又は処置法ごとのデータを閲覧するといった閲覧形態等の種々の閲覧形態をとることが想定される。そこで、本ステップにおいては、まず端末に検索画面を表示する。
検索画面の一例を図4及び5に、検索結果の表示画面を図6に示す。
まず、図4に示すように、検索窓101がある検索画面を表示する。この検索画面には、検索窓101のみではなく、検索履歴、ブックマークした履歴、また利用者の属する組織での閲覧数の多い症例が表示され、検索の参考となるようになっている。
また、図5に示すように、検索画面において、検索補助画面102が表示されるように設定されている。この検査補助画面102には、病理検査項目に基づいて症例検索ができるようになっている。このように症例そのものの名称がわからない場合でも検査項目から症例を検索できるようになっている。
そして、検索の実行を行うことにより、図6に示すように、症例に基づき、当該症例に該当する患者データが症例とその簡単な説明とともに表示される。図6に示すボタン103をクリックすることで情報が表示される表示画面を表示することができる。
このように検索画面に、利用者によってキーワードを入力させることで、当該キーワードが、患者の氏名など個人情報かをデータベースに照合する。ここで個人情報に関する文言でない場合には、上記抽出ステップで抽出された、疾病や健康診断データに関する文言、薬剤に関する文言、処置法に関する文言のいずれに該当するかを判定し、それぞれの文言に応じて、各文言の情報を主情報として端末の画面に表示する。
表示画面の一例を図7に示す。図7に示すように、表示画面には、検索画面が表示されているとともに、症例に関する情報を表示する症例表示画面104aとグラフ表示部分104bとコメント記入欄105とが表示され、コメント記入欄105に利用者がコメントを記入すると、そのコメントをもってコメント格納ステップS3へと移行する。
グラフ表示部分104bについて説明すると、このグラフ表示部分には、表示されている患者データについて、データベースにおける症例における疾病名とそれに関連する検査項目値とを抽出し、所望の検査項目値をグラフ化するようにサーバーのCPUに指示し、この指示を受けたCPUがグラフ化し、このグラフ表示部分104bに表示する。
この際、グラフ化する検査項目値は、利用者がグラフ表示部分104bの1軸目の項目変更用プルダウン104c及び2軸目の項目変更用プルダウン104dから任意に選択して指定することができる。デフォルトには、上記の抽出ステップS1における当該症例において閲覧、コメント及びクリック数の多い症例を2つ抽出して、グラフ化するように設定されている。そして、このグラフとカルテ情報とは相互にリンクされており、グラフの一部分をクリック(タップ)すると、当該一部分の時期におけるイベント情報をカルテ情報から抽出して、閲覧することが可能となっている。このように設定されていることにより、必要な検査項目値のみをグラフ化する事が可能であり、2軸に任意の項目を設定できるので、異なる検査項目値の推移を確認することで治療上、効能上、又は副作用等の様々な知見を得ることが可能である。更に、一つの軸を、検査項目値に変えて処方薬の投薬期間、処置法の処理期間等とすることで、経時的な変化を確認する事もできる。
さらに、他の実施形態として、本ステップにおいて、このようなグラフ表示部分にイベントの情報を表示することもできる。その場合、利用者においてイベント相互の関係性を認識することが可能である。例えば、重要なイベント(例えば心筋梗塞)には予兆イベント(頻脈、息切れ等)がある場合が多く、その予兆イベントを確認して、注意喚起のコメントを入れることができる。
(コメント格納ステップS3)
上記コメント格納ステップS3(以下、単に「格納ステップ」という場合もある)は、図7に示す画面において上記利用者がコメントを入力した場合に、当該コメントをコメント情報として上記データベースに格納するステップである。
本ステップにおけるコメントは、表示された症例等についてのコメントを意味し、症例についての医師の見解は、本ステップにおける「コメント」には含まれない。当該医師の見解は、症例に関するデータに付随して閲覧することが可能となるように構成されている。そして、本ステップにおけるコメントは図7におけるコメント記入欄104に利用者が何らかのコメントを行った場合に、当該コメントを、当該症例、患者データなどと関連付けてサーバーに格納する。
また、特に図示しないが、いずれかの利用者においてコメントがなされると、他の利用者の端末においてコメントがあることが通知されるように構成されている。このように作用するプログラムは、コメントの投稿がなされてサーバーに格納されると、当該コメントの対象となっている症例とコメントの内容とをサーバーに抽出させ、各端末コメントされた症例及びコメントがあったこと、及びコメントが入った図8に示す画面へのリンクを各端末にサーバーから通知される。当該通知に従ってリンクを開くことにより、各利用者が図8に示す表示画面を閲覧することができる。図8に示す表示画面に示すように、利用者がコメントを加入するとそのコメントはコメント表示欄106に表示される。これによって症例検索としたときにコメントが表示されることとなる。なお、コメントは症例と関連付けられており、各コメントは症例毎に振り分けられるので症例を検索して表示することで、当該症例に関するコメントが、下記の評価基準に従った評価点数順に表示される。そして、このコメントがいいと思った他の利用者は、適宜評価ボタン107をクリックしてコメントの評価を行うことができる。
また、本ステップにおいては、上記の所定の評価基準が、コメントの文言を分析し、予め設定されている文言のカテゴリーにより重み付けを行うとともに、閲覧数及び評価ボタンのクリック数を加味し、更にコメントの記入者による重み付けを加算して得られる点数に基づく基準である、評価基準によりコメントの評価を行う。そしてかかる評価結果もコメントに関連付けてサーバーに格納する。なお、この欄では単に「コメント」と称するが、このコメントには、一つのコメントに対してなされたコメント、いわゆるレスポンスもコメントに含める。なお、上記の文言の分析は、通常用いられているテキスト分析手法を特に制限なく用いて行う事ができるが、文言のカテゴリーによる重み付けは、文言を予め下記のカテゴリー毎に整理した文言データベースを作成し、分析して抽出された文言がこの文言データベースと照合することで行う。この文言データベースは、新しい症例、薬、対処法が発表などされた場合にはすぐに、手動または公知の手法を用いて自動的に更新される。
カテゴリーによる重み付けにおける「カテゴリー」は、症例に対する薬(処方薬)、症例に対する処置法、症例そのものの等が挙げられる。点数は、症例に対する薬(処方薬)1点、症例に対する処置法3点、「症例そのもののについて(例えば、症例が高血圧症である、等)」が2点である。カテゴリーに対する点数(以下「A」とする)はこれらの合計点となる。
本発明のプログラムによるカテゴリーによる重み付けは、予め評価用のカテゴリー毎にワードを分類して分類ワード集がデータベースに構成されており、コメントの構成ワードを単語ごとに分解して、分解された単語を分類ワード集に照会して、いかなるカテゴリーの単語なのかを抽出して、当該コメントがいかなるカテゴリーに該当するかを判定するように設定されており、これらをサーバー又は端末に実行させることで行う。
そして、後述する表示ステップS4でコメントを表示することでコメントに対しての利用者のリアクションがあると、そのリアクション、すなわち評価ボタンのクリック数をもってコメントに点数付けをする。ここで、本発明においては、利用者に重み付けを行う。すなわち、利用者を、利用者の属する組織(会社、病院、またはそれ以外)かそれ以外かで重み付けを行う。利用者については、利用者が属する組織を把握しておき、利用者が属する組織の利用者からのクリックか、それ以外の組織の利用者からのクリックかを判定する。利用者が属する組織の利用者からのクリックの場合には1点、それ以外の組織の利用者からのクリックの場合には2点とする。このクリック数による点数(以下「B」とする)はこれらの合計点となる。
そして、コメントとクリックとは相乗的に評価されるべきであるので、AとBとはその積をとる。
また、コメントの記入者にも重み付けがなされて、点数(以下「C」とする)が加算される。具体的には、記入者が医師の場合には、更に点数10点を加点する。医師以外の場合には1点を加算する。
以上の通り、本ステップにおける評価基準の基となる評価点数は以下の式で表すことができる。
評価点数=A×B+C
例えば、以下のように点数をつける
例1:田中さんは、某社の社員であり医薬営業職である。彼は、疾患についてコメントをし、社内から「いいね」8クリック、社外から「いいね」1クリックを得た。
評価点数=A×B+C=(1+3+2)×(1×8+2×1)+1=61
例2:佐藤さんは、医師で処置法についてコメントをし、某社から「いいね」20クリック、社外からはクリックがなかった。
評価点数=A×B+C=(0+3+0)×(1×20+2×0)+10=70
そして、評価点数の多いコメントから順に端末画面に表示するようにサーバーに実行させ、サーバーから端末に指示を出して、端末でその指示を受取り、以下の表示ステップS4へと移行する。
さらに、本ステップにおいては、上述のグラフ表示部分にグラフを表示する機能を応用して、イベント相互の関係性をもって格納することができる。すなわり、重要なイベントにおける予兆イベントとして、コメントがあり、かかるコメントに対してクリックが行われた場合、当該グラフにおける検査項目値の相互の関係を予兆イベントとして抽出し、データベースに保存する。このコメントにおける予兆イベントに関するものか否かの確認は、コメント中に「予兆、前提、今後」などの文言がある場合には、予兆イベントに関するコメントであるとCPUが認識して、データベースに予兆コメントとして保存するように設定されている。そして、患者の症例を確認する際に、データベースに登録された予兆イベントと同様の検査項目値の相互の関係がある場合には、予兆イベント有り、と表示させ、今後生じうるイベントとして重要なイベントを列挙して、利用者に注意喚起を促すように後述の表示ステップS4にて表示を実行させることができる。
(表示ステップS4)
表示ステップS4は、格納されたコメント情報をカルテ情報及びイベント情報と共に、端末のディスプレイに表示するステップである。
本ステップでは、格納ステップS3で順位付けがなされた結果を受けて、コメントを画面に表示する。
例えば、図9に示すようにコメント表示欄に、時系列でコメントを表示する。次に、コメントに対して返答等のレスポンス(以下「レス」ともいう)を行う場合にはスレッドが形成され、表示される(図示せず)。そして、コメント又はレスに対して、上述の重みづけがなされた場合、当該コメント及びレスに対しては“高評価ピックアップ”がなされ、高評価のみを表示したい場合には、この高評価ピックアップボタン(図示せず)をクリックすると上位から順にコメント又はレスを画面表示させることができ、利用者が選択してクリックすると当該コメント又はレスとそのスレッドを図7〜9に示す画面表示にて表示させることができる。
また、管理者が特に確認を促すべきと考えるコメント又はレスに対しては“管理者ピックアップ”として、データベースに保存することができ、その場合、画面上に管理者ピックアップボタンを表示し(図示せず)、利用者が当該ボタンをクリックすることで、管理者の推奨するコメント又はレスを表示させることができる。
また、評価点数の高いものから順に表示するように設定することもできる。さらに、評価点数(図示せず)をコメントの下に表示することで、どの程度評価されているコメントであるのかを利用者に示すことができ、これにより利用者に重要なコメントであるか否かの判断を促すことができる。なお、コメントの表示は、一連のコメント群毎になされる。詳しくは、コメントは単独で成り立っていない場合が多く、まず、質問コメントや意見コメントがなされ、その質問に答える回答コメント、意見に応答する応答コメント等最初の問題提起を行うコメントに追従して複数のコメントが関連してコメント群(いわゆるスレッド)を形成する場合が多い。したがって、本表示ステップにおいては、評価点数が高いコメントを含むコメント群を抽出して、コメント群毎に表示する。また、図9においては一つのコメント群が表示されているだけであるが、実際にはコメントはスクロールする事により多数のコメントを端末の利用者は確認することができる。すなわち、評価点数の高い順に上から下へとコメント群が整列されており、画面に表示されていないコメント群は、コメント欄をスクロールすることで確認することができる。ここで、コメントに対して更にコメントを行う場合、コメント群が多くなるとどのコメントに対する応答又は対応なのかを明確にするため、応答又は対応の対象コメントを1回クリックしてアクティブにした上でコメント欄に記入することで、このアクティブになっているコメントに対する応答又は対応コメントであることが明確にできるように構成されている。
そして、この表示ステップS4でコメントを順位付けして表示した上で、更にコメント記入欄にコメントが記入された場合には、再度格納ステップS3に戻り、再度コメントの評価を行う。再度コメントの評価を行った後、再度本ステップS4を実行し、新たなコメントの評価点数に従って、コメント評価点数順にコメントを再表示する。また、コメントに対しての評価ボタンのクリックが行われた場合にも、再度格納ステップS3に戻り、上記の評価基準に従っての処理を行い、再度コメントの評価を行う。
このように、表示ステップS4と格納ステップS3とは、新たなコメントの記入及びコメントの評価ボタンのクリックが行われるたびに、端末におけるこれらの操作がサーバーにネットワークを介して移送され、サーバーで格納ステップS3が実行され、その結果により新たな画面として表示ステップS4が実行されるというサイクルを繰り返すことになる。
(他のステップ)
本発明のプログラムは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述の各ステップに加えて更に他のステップをコンピュータに実行させるようにしても良い。
上記の他のステップとしては、例えば、利用者評価ステップを挙げることができる。
利用者評価ステップは、例えば利用者が製薬会社に属している場合に、上述のコメントの評価基準に従って付与されるクリック数による点数をそのまま利用者の点数とし、得られた利用者の点数をもって、当該組織である製薬会社の利用者の評価として、特別な評価画面(図示せず)等の態様にて出力する。
また、ランキング出力ステップを行うこともでき、利用者の閲覧を症例ごと、薬毎、処置法毎にカウントしておき、利用者からランキング表示の指示を受けた場合に、閲覧数の多い症例ランキング、コメントの多い利用者ランキング、コメントへの評価クリックの多いコメントランキング等のランキング表示を行うようにサーバーに実行させることもできる。
〔情報共有化システム〕
本発明の情報共有化システムは、上記プログラムが格納されてなるサーバー及び多数の端末からなり、上記カルテ情報保存手段、上記イベント情報把握手段、上記コメント情報保存手段、上記情報表示手段、を含むシステムである。
(カルテ情報保存手段)
上記カルテ情報保存手段は、患者のカルテ情報をサーバー5の記憶媒体(図示せず)に保存するものであり、上記サーバー及び上記端末、並びにこれらの入力デバイス(キーボード、カメラ)及び接続されたスキャナなどの他の入力デバイスを基本の構成デバイスとして構成されている。そして、カルテ情報を電子情報としてサーバーの記憶媒体に入力し保存するか、カルテ情報を読み込みサーバーに保存されている既存の電子化アプリケーションを用いて電子化してサーバーの記憶媒体に保存する作用を実行するプログラム(上記事前準備ステップS0)をサーバー更には端末に格納することより、構成される手段である。
(イベント情報把握手段)
上記イベント情報把握手段は、カルテ情報におけるイベントを把握するものであり、上述の本発明のプログラムにおける上記抽出ステップS1を実行する上記サーバーにより構成される。具体的には、プログラムの指令を受けて、データベースにアクセスし、各症例データ等所望のカテゴリーのデータを抽出し、出力可能にするサーバーの各構成デバイスにより、構成される。
(コメント情報保存手段)
上記コメント情報保存手段は、イベントに対するコメントを当該コメントが入力された日時と結びつけて上記記憶媒体に保存するものであり、上述の本発明のプログラムにおける上記出力ステップS2及び上記格納ステップS3を実行する上記サーバー及び上記端末により構成される。具体的には、上述の検索画面をディスプレイ部12に表示する端末、検索が実行された場合に、検索の信号をサーバーに送信する端末の通信部(図示せず)、当該検索の信号を受信するサーバーの通信部(図示せず)、データベースにアクセスして所定の検索結果を当該信号を送信した端末に表示するように指示するサーバーのCPU、検索結果を表示し、いずれの患者データ等特定のデータを表示するかの信号を送受信する上記のサーバー及び端末の通信部、更にコメント入力可能な画面を構成し、端末に表示するように指示するサーバーのCPU、コメント入力可能な画面を表示し、コメントが入力された場合に、当該コメントをサーバーに送信する端末とその通信部、最終に受信したコメントをデータベースに保存するサーバー(通信部、CPU及び記憶媒体)、により構成されている。
(情報表示手段)
上記情報表示手段は、上記カルテ情報、上記イベント情報及び上記コメント情報のすべてを上記ディスプレイ部12に表示する情報表示手段であり、もっぱら各端末により構成される。具体的には、上述の格納ステップを行い、上述の評価基準に従って評価点数を付け、評価点数順に表示されるようにサーバーで表示画面に表示されるコメントの調整が行われた表示画面を端末で表示するように指示するサーバーと、かかるサーバーの指示を受けて図9に示すような調整後の表示画面を表示する端末とからなる。
〔使用方法(作用効果)〕
そして、本実施形態のプログラムを具備する本実施形態の情報共有化システムは、以下の情報共有化方法を実施することで使用することができる。
(情報共有化方法)
情報共有化方法は、
上記事前準備ステップS0を実行して、カルテ情報をデータベース化するデータベース化工程、
上記抽出ステップS1を実行して、所定の症例または所定の検査項目における異常データから所定の症例に関する使用薬剤、処置法に関する情報を表示可能な状態とする抽出工程、
上記出力ステップS2を実行することで、検索結果から所望の対象データをコメント入力可能な状態に端末に表示させる出力工程、
上記格納ステップS3を実行させてコメントを所定の評価基準に従って点数化し、得られた評価点数順にコメントを表示できるようにコメントをサーバーの記憶媒体(データベース)に格納する格納工程、
及び
評価点数順にコメントを表示するように調整された表示画面を端末に表示する表示工程を有して構成される。
上記データベース化工程は、事前準備ステップS0を実行し、端末又はサーバーから電子化されたカルテ情報をサーバーの記憶媒体に格納するか、サーバーにおいて電子化されていないカルテ情報を電子化した上で記憶媒体に格納し、データベース化することで実施できる。
上記抽出工程は、上記抽出ステップS1を実行して、データベースにおける各患者データから症例データを抽出可能な状態にすることで実施できる。
上記出力工程は、上記出力ステップS2を実行して、端末に検索画面を表示させるとともに、検索の指示が端末からサーバーにあった場合に、サーバーにおいてデータベースにアクセスして検索結果を得、得られた検索結果を端末の画面に表示させ、表示された検索結果から任意の症例又は患者を利用者が指定し、指定の指示をサーバーに送信し、サーバーで当該指定に合致する所望の対象データをコメント入力可能な画面表示をサーバーで構成し、この構成された表示画面を端末に表示させることで実施できる。
上記格納工程は、上記格納ステップS3を実行して、端末に表示された上記表示画面を見た利用者が、コメントを記入した場合の当該コメント、更にはこのコメント等他の利用者のコメントの通知を受けた他の利用者が当該コメントに応答すべく行った他のコメントをそれぞれ関連付けながらサーバーに格納し、更には、上述の評価基準に従って各コメントに評価点数を付与することで実施できる。
そして、上記表示工程は、上記表示ステップS4を実行して、コメントの評価点数順に配置されるように、サーバーにおいてコメントを整理し、対象データの画面を再構成し、端末の表示画面に表示することで実施できる。
(用途)
本実施形態の情報共有化システムは、複数のカテゴリーに属する利用者が利用するシステムであり、そのうち少なくとも一つのカテゴリーに属する利用者の教育用のシステムとして使用できる。ここで、上記のカテゴリーは、組織毎に把握するための考え方であり、例えば製薬会社を一つのカテゴリーとしたとき、他の組織(他の会社、病院という分類とともに、医師、看護師等職種による分類も可能である)をそれぞれ他のカテゴリーとして認識することで複数のカテゴリーを設定することができる。これにより、例えば、製薬会社、病院勤務医師、病院勤務看護師、病院勤務薬剤師、管理運営会社等種々のカテゴリーにおいて、各カテゴリーに適した運用により、各組織の構成員の教育に際して活用することができる。特に、上述の管理者によるピックアップなどを活用することで、各組織に適した情報を当該組織の構成員に強く認識付けることが可能なプログラムの構成を採用しているため、教育効果を高めることができる。
また、本実施形態の情報共有化システムは、症例に対する処方薬又は処置法の調査用としても使用できる。上述のように検索が可能であり、特にコメントやレスに重み付けがなされている他、予兆イベントの把握も可能であるため、調査用として有用である。
(効果)
本実施形態のプログラム、情報共有化システム及び情報共有化方法は、上述のように構成されているので、各利用者が、各々閲覧したいと考える症例、異常値を基にして、症状、使用すべき薬、処置法を確認することができる。さらに、利用者において疑問点がある場合や、症例について発信すべき、と考える情報をコメントとして書き込み、他の利用者に確認させて、更に応答又は対応のコメントを他の利用者が書き込むことにより、更に最新の情報、カルテには書き込むことのないノウハウ情報、検証されてはいないが有用又は禁忌すべき、と考えられる情報等、単なるカルテデータからは得られない情報を得ることができる。また、これらのコメントの情報を単に利用者に開示するだけではなく、有用性の高いと考えられる情報を優先的に開示するために、上述の評価基準により評価点数を付け、この評価点数順に開示することで、利用者において有用な情報から優先的にアクセスすることができる。このため、従来の情報共有化システムに比して、情報過多になることを防止することが可能であり、必要な情報を優先的に共有化することができる。
そして、このような利点を有するため、本実施形態のプログラム、情報共有化システムでは、単に情報を共有化するだけではなく、例えば、匿名のカルテデータを利用して、製薬会社における医薬営業職(通称MR)に、特定の症例を閲覧させ、コメントのやり取りを行わせることで、症例ごとの最適な薬の選択や、その際に気をつけなければならないことを確認させる、いわゆる擬似的なOJT教育を行うためのツールとして使用することもできる。更に、上述の利用者評価ステップを行う事により、利用者の評価を行い、例えば製薬会社における社員のうち、成績上位者を抽出して、社員の競争意識を刺激して教育効果を向上させることもできる。
なお、本発明は上述の実施形態に何ら制限されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
たとえば、上述の実施形態においては、端末及びサーバーに各プログラムが格納された例を示したが、プログラムはサーバーのみに格納して、端末はデータの入力と出力のみに使用することも可能である。
また、端末としては、タブレット端末ではなく、パソコンを用いてシステムを構成することができる。


Claims (2)

  1. サーバー、該サーバーと通信可能で且つディスプレイ部を有する多数の端末を有し、該端末に所定の情報を提示するための、電子データを利用した情報共有化システムであって、
    患者のカルテ情報をサーバーの記憶媒体に保存するカルテ情報保存手段、
    上記カルテ情報におけるイベントを把握するイベント情報把握手段及び
    上記カルテ情報に基づき、症例における疾病名とそれに関連する検査項目値とを抽出し、所望の検査項目値をグラフ化し、表示するグラフ表示の機能を含む情報表示手段、
    を含む情報共有化システム。
  2. サーバー、該サーバーと通信可能な多数の端末に格納され、これらに以下のステップを実行させて、情報の共有化を実現するためのプログラムであって、
    入力された患者のカルテ情報からなり、該サーバーに構築されたデータベースにアクセスして、患者のカルテ情報から当該患者の疾病に関する情報をイベント情報として抽出する抽出ステップ
    及び
    抽出されたイベント情報を端末のディスプレイに表示する表示ステップであって、カルテ情報として検査データを任意の検査値に基づくグラフとして表示する工程を含む表示ステップ
    を実行させるプログラム。

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