JP2021173209A - Pmフィルタ再生システム - Google Patents
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Abstract
【課題】PMフィルタ内におけるPMの過燃焼を抑制し、PMフィルタの熱による損傷および劣化を適切に防止することが可能なPMフィルタ再生システムを提供する。【解決手段】PM(粒子状物質)を捕集するPMフィルタ2と、PMフィルタ2に流入させる気体を加熱してPMフィルタ2を加熱する加熱部4と、PMフィルタ2から流出する気体中の二酸化炭素濃度を検出する検出部5と、PMフィルタ2の加熱状態を制御するコントローラ6とを備え、PMフィルタ2を加熱してPMフィルタ2に捕集されたPMを燃焼させることにより、PMフィルタ2からPMを除去してPMフィルタ2を再生させるPMフィルタ再生システムにおいて、前記二酸化炭素濃度の変化量に基づいてPMの過燃焼の有無を判定し、PMの過燃焼が生じていることを判定した場合に、PMフィルタ2の加熱を抑制する。【選択図】図3
Description
この発明は、内燃機関の排気中に含まれる有害な粒子状物質(以下、PM)を分離して捕集するフィルタ(以下、PMフィルタ)の再生を行うものであって、PMフィルタに捕集されたPMを高温で燃焼させて除去するPMフィルタ再生システムに関するものである。
特許文献1には、PMフィルタを備えた内燃機関の排気浄化システムが記載されている。この特許文献1に記載された内燃機関の排気浄化システムは、排気通路内に設けられ、内燃機関の排気中のPMを捕集するPMフィルタ、PMフィルタを加熱してPMフィルタに捕集されたPMを燃焼・酸化させて除去する(フィルタ再生制御を実行する)フィルタ再生手段、PMフィルタに流入する排気中の二酸化炭素濃度(流入側CO2濃度)を検出する流入側CO2濃度検出手段、および、PMフィルタから流出する排気中の二酸化炭素濃度(流出側CO2濃度)を検出する流出側CO2濃度検出手段を備えている。そして、フィルタ再生手段によるフィルタ再生制御の実行中に、流入側CO2濃度と流出側CO2濃度との差が所定の濃度差以下になった場合に、フィルタ再生制御の実行を停止する。
なお、特許文献2には、PMフィルタを備えたディーゼル機関の制御システムが記載されている。また、この特許文献2に記載されたディーゼル機関の制御システムは、PMフィルタに捕集されているPMを燃焼させることによってPMフィルタの再生を行う再生手段を備えている。そして、PMフィルタの再生中に、ディーゼル機関の運転状態が無負荷または低負荷になる場合には、PMフィルタに流入する排気の酸素濃度が4%以下となるように、ディーゼル機関のEGR弁および排気絞り弁を調整する。
上記の特許文献1に記載された内燃機関の排気浄化システムでは、フィルタ再生制御でPMフィルタ内のPMを燃焼させるために、PMフィルタに流入する排気通路の排気を加熱し、高温になった排気によってPMフィルタを加熱する。また、PMフィルタに捕集されたPMを燃焼・酸化させる。そして、加熱されるPMフィルタには、PMフィルタ内の温度を管理するための温度センサーが設けられている。しかしながら、そのような温度センサーを用いたPMフィルタの温度管理では、PMフィルタ内で局所的に発生するPMの過燃焼の有無を正確に判定することは困難である。また、特許文献1に記載された内燃機関の排気浄化システムでは、PMフィルタの流入側CO2濃度と、流出側CO2濃度とを比較してフィルタ再生制御の停止を判断する。すなわち、流入側CO2濃度と流出側CO2濃度と差が小さくなった場合に、PMを燃焼させるためのPMフィルタの加熱を停止する。しかしながら、PMフィルタ内でPMの過燃焼が生じると、流出側CO2濃度が急激に上昇するため、上記のように流入側CO2濃度と流出側CO2濃度と差を比較してからPMフィルタの加熱の停止を判断していたのでは、PMの過燃焼を十分に抑制することはできない。PMフィルタ内でPMの過燃焼が進行すると、その際に過剰に上昇する熱によってPMフィルタを損傷させてしまい、その結果、PMフィルタの劣化を早めてしまうおそれがある。
この発明は上記のような技術的課題に着目して考え出されたものであり、PMフィルタ内におけるPMの過燃焼を抑制し、PMフィルタの熱による損傷および劣化を適切に防止することが可能なPMフィルタ再生システムを提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、この発明は、粒子状物質を捕集するPMフィルタと、前記PMフィルタに流入させる気体を加熱して前記PMフィルタを加熱する加熱部と、前記PMフィルタから流出する気体中の二酸化炭素濃度および酸素濃度の少なくともいずれかを検出する検出部と、前記PMフィルタの加熱状態を制御するコントローラとを備え、前記PMフィルタを加熱して前記PMフィルタに捕集された前記粒子状物質を燃焼させることにより、前記PMフィルタから前記粒子状物質を除去して前記PMフィルタを再生させるPMフィルタ再生システムにおいて、前記コントローラは、前記二酸化炭素濃度および前記酸素濃度の少なくともいずれかの変化量(もしくは、変化率)に基づいて前記粒子状物質の過燃焼の有無を判定し、前記過燃焼が生じていることを判定した場合に、前記PMフィルタの加熱を(一時的に)停止または抑制することを特徴とするものである。
なお、この発明では、前記コントローラは、前記二酸化炭素濃度の増加率(単位時間あたりの増加量)が所定の増加率よりも大きい場合に、前記過燃焼が生じていることを判定するように構成してもよい。
また、この発明では、前記コントローラは、前記酸素濃度の低下率(単位時間あたりの低下量)が所定の低下率よりも小さい場合に、前記過燃焼が生じていることを判定するように構成してもよい。
また、この発明は、前記PMフィルタに圧縮空気を供給する空気供給部を備えることができ、その場合、前記加熱部は、前記空気供給部から前記PMフィルタに流入させる前記圧縮空気を加熱するように構成してもよい。
そして、この発明は、内燃機関を動力源とする車両に搭載することができ、その場合、前記PMフィルタは、前記内燃機関の排気管の下流側に設けられ、前記加熱部は、前記排気管から前記PMフィルタに流入する前記内燃機関の排気を加熱するように構成してもよい。
この発明のPMフィルタ再生システムでは、PMを捕集したPMフィルタを加熱し、そのPMフィルタに捕集されているPMを燃焼させることにより、PMフィルタを再生する。そして、PMフィルタ内でPMを燃焼させる際には、PMフィルタから流出する気体中の二酸化炭素濃度または酸素濃度の少なくともいずれかをモニターして、その二酸化炭素濃度の変化量または酸素濃度の変化量に基づいて、PMフィルタ内におけるPMの過燃焼の有無を判断する。例えば、PMフィルタから流出する気体中の二酸化炭素濃度の増加率が所定の増加率よりも大きくなった場合に、PMフィルタ内でPMの過燃焼が発生していると判定する。あるいは、PMフィルタから流出する気体中の酸素濃度の低下率が所定の低下率よりも小さくなった場合に、PMフィルタ内でPMの過燃焼が発生していると判定する。PMの過燃焼が生じていることを判定した場合には、PMフィルタの加熱を停止する。あるいは、PMフィルタの加熱を抑制する。一般に、PMフィルタ内でPMの過燃焼が生じると、通常のPMの燃焼時と比較して、PMの燃焼によって発生する二酸化炭素量が増大し、PMフィルタから流出する気体中の二酸化炭素濃度が増加する。同時に、PMの燃焼に伴う酸化によって酸素量が減少し、PMフィルタから流出する気体中の酸素濃度が低下する。そのため、PMフィルタから流出する気体中の二酸化炭素濃度の変化量(増加量)、または、酸素濃度の変化量(低下量)に基づいてPMフィルタ内におけるPMの過燃焼の有無を判断することにより、PMの過燃焼の発生を速やかに判定できる。PMの過燃焼が生じていることを判定した場合には、速やかに、PMフィルタの加熱を停止する。あるいは、PMフィルタの加熱を抑制する。
したがって、この発明のPMフィルタ再生システムによれば、PMフィルタを加熱してPMフィルタの再生を行う際に、PMフィルタ内におけるPMの過燃焼の発生を迅速に判定し、PMフィルタの加熱を速やかに停止または抑制できる。そのため、PMフィルタ内におけるPMの過燃焼を抑制し、PMフィルタの熱による損傷および劣化を適切に防止することができる。
この発明の実施形態を、図を参照して説明する。なお、以下に示す実施形態は、この発明を具体化した場合の一例に過ぎず、この発明を限定するものではない。
この発明の実施形態におけるPMフィルタ再生システムは、PM(粒子状物質)を捕集したPMフィルタを加熱し、そのPMフィルタに捕集されているPMを燃焼させることにより、PMフィルタからPMを除去してPMフィルタを再生させる。この発明の実施形態におけるPMフィルタ再生システムは、内燃機関を動力源とする車両に搭載することができる。また、車両から取り外したPMフィルタを、外部に設けたPMフィルタ再生システムによって効率的に再生させることもできる。図1には、例えば、車両の整備工場や生産工場など(図示せず)、外部に設けられたPMフィルタ再生システム1において、車両(図示せず)から取り外したPMフィルタ2の再生を行う例を示してある。
図1に示すPMフィルタ再生システム1は、主要な構成要素として、再生の対象となるPMフィルタ(PMF)2、空気供給部(AIR)3、加熱部(HEATER)4、検出部(SENSOR)5、および、コントローラ(ECU)6を備えている。
PMフィルタ2は、一般に、例えば、GPF[Gasoline Particulate Filter]、あるいは、DPF[Diesel Particulate Filter]と称され、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃機関(図示せず)を動力源にしている車両(図示せず)に搭載される。PMフィルタ2は、本来は、内燃機関の排気管の下流側に設けられ、内燃機関の排気中に含まれる有害な粒子状物質、すなわち、PM[Particulate Matter]を捕集する。図1に示す例では、PMフィルタ2は、車両の排気系統から取り外されて、車両の外部に設置されたPMフィルタ再生システム1に組み付けられている。
例えば、図2に示すように、PMフィルタ2は、後述する空気供給部3の流入側配管8と排気側配管7との間に組み付けられる。排気側配管7は、PMフィルタ2および排気側配管7の長さ方向(図2の左右方向)で前後動が可能なように構成されている。図2の(a)に示すように、排気側配管7を後退させ(図2の右側に移動させ)、流入側配管8と排気側配管7との間の距離をPMフィルタ2の長さ寸法よりも広げたスペースに、PMフィルタ2をセットする。その後、例えばパンタグラフジャッキのような推力機構9を用いて排気側配管7を前進させ(図2の左側に移動させ)、ガスケット10を介して、流入側配管8と排気側配管7とでPMフィルタ2を挟み付けることにより、図2の(b)に示すように、PMフィルタ2がPMフィルタ再生システム1に組み付けられる。
空気供給部3は、PMフィルタ2に圧縮空気を供給する。空気供給部3は、例えば、空気を圧縮するコンプレッサ(図示せず)、および、圧縮空気をPMフィルタ2に流入させる流入側配管8を有している。流入側配管8は、コンプレッサの吐出口(図示せず)と、PMフィルタ2の流入口2aとを連通する。
加熱部4は、PMフィルタ2に流入させる気体を加熱する。図1に示す例では、加熱部4は、空気供給部3からPMフィルタ2に流入させる圧縮空気を加熱する。具体的には、加熱部4は、空気供給部3の流入側配管8の途中に設置されたヒータであり、後述するコントローラ6によって稼働状態が制御される。加熱部4は、PMフィルタ2に流入させる圧縮空気を加熱することにより、PMフィルタ2を加熱する。PMフィルタ2では、加熱された高温の圧縮空気が送り込まれることにより、PMフィルタ2が加熱される。それとともに、PMフィルタ2に捕集されていたPMが燃焼して酸化する。
検出部5は、PMフィルタから流出する気体中の二酸化炭素濃度および酸素濃度の少なくともいずれかを検出する。図1に示す例では、検出部5は、分析器5a、および、温度センサー5bを有している。分析器5aは、PMフィルタ2から流出する空気中の二酸化炭素濃度を分析して検出する。具体的には、PMフィルタ2の流出口2bから排気側配管7を通って排出される空気中の二酸化炭素濃度を分析して検出する。分析器5aは、例えば、ガス分析計やCO2センサーであり、また、酸素濃度を検出する場合は、分析器5aとして、例えば、A/FセンサーやO2センサーを用いることができる。温度センサー5bは、PMフィルタ2の内部の温度を検出する。そして、検出部5は、後述するコントローラ6と電気的に接続されており、上記のような二酸化炭素濃度(および/または、酸素濃度)の検出値あるいは分析結果、および、PMフィルタ2の内部温度の検出値に応じた電気信号を検出データとしてコントローラ6に出力する。
コントローラ6は、例えば、マイクロコンピュータを主体にして構成される電子制御装置であり、上述した加熱部4の稼働状態を制御して、PMフィルタ2の加熱状態を制御する。コントローラ6には、上記の検出部5で検出または算出された各種データが入力される。コントローラ6は、入力された各種データおよび予め記憶させられているデータや計算式等を使用して演算を行う。そして、コントローラ6は、その演算結果を制御指令信号として出力し、加熱部4の稼働状態を制御するとともに、PMフィルタ2の加熱状態を制御するように構成されている。
この図1に示す例のように、車両からPMフィルタ2を取り外した状態で、PMフィルタ再生システム1によるPMフィルタ2の再生を実施することにより、大気成分で、安定したガス濃度および流量の圧縮空気をPMフィルタ2に供給することができ、PMフィルタ2の再生に必要な酸素量を安定して供給することができる。そのため、PMフィルタ2を車両に搭載した状態でPMフィルタ2の再生を行う場合と比較して、エンジンの運転状態変化の影響を受けることなく、短時間で、安定してPMフィルタ2の再生を行うことができる。また、PMの過燃焼が発生した際の二酸化炭素濃度の変化が検知しやすくなる。そのため、PMフィルタ2の損傷および劣化をより適切に防止できる。なお、PMフィルタ2には、PMフィルタ2を覆う保温カバー2cを設けてもよい。それにより、PMフィルタ2全体を均一に昇温させることができる。
前述したように、この発明の実施形態におけるPMフィルタ再生システム1は、PMフィルタ2に捕集されたPMの過燃焼を抑制し、PMフィルタ2の熱による損傷および劣化を適切に防止することを目的としている。そのために、この発明の実施形態におけるPMフィルタ再生システム1は、以下の図3のフローチャートに示す制御を実行するように構成されている。
図3のフローチャートにおいて、先ず、ステップS1では、PMフィルタ2への圧縮空気の供給、および、加熱部4によるPMフィルタ2に流入させる圧縮空気の加熱が開始される(送風ON、ヒータON)。例えば、PMフィルタ再生システム1の起動スイッチがONにされ、PMフィルタ2への圧縮空気の供給が開始される。それとともに、図4のタイムチャートに示すように、時刻t1でコントローラ6から加熱部4のヒータに制御指令信号が出力され、加熱部4のヒータがONにされる。なお、ヒータをONにする制御指令は、パルス信号のデューティ比で指示してもよい。例えば、加熱開始時のデューティ比を100%とし、PMフィルタ2の温度が目標温度に近づくにつれて徐々にデューティ比を低下させてもよい。それにより、オーバーシュートや制御のハンチングを防止して、安定した温度制御を行うことができる。
ステップS2では、排気側配管7を通って排出される空気中の二酸化炭素濃度、すなわち、PMフィルタから流出する気体中の二酸化炭素濃度が急上昇していないか否かが判断される。具体的には、二酸化炭素濃度の増加率または増加速度(すなわち、単位時間あたりの増加量)が、基準値(閾値として定めた所定の増加率または増加速度)以上であるか否かが判断される。この場合の基準値は、例えば、PMの燃焼実験やシミュレーション等の結果を基に、予め定められている。
PMフィルタ2に流入させる圧縮空気の加熱が開始されると、図4のタイムチャートに示すように、時刻t1以降、PMフィルタ2の温度が上昇し始める。それとともに、PMフィルタから流出する気体中の二酸化炭素濃度が増加し始める。すなわち、PMフィルタ2内のPMが燃焼(酸化)し始める。PMの燃焼は、開始当初は比較的緩やかに進行するが、PMの過燃焼が発生すると、PMの酸化が急激に進行する。例えば、図4のタイムチャートに示すように、時刻t1から時刻t2の期間は、徐々に二酸化炭素濃度が増加しているが、PMの過燃焼が発生することにより、時刻t2以降、二酸化炭素濃度が急増する。すなわち、時刻t1から時刻t2までの通常の燃焼時における二酸化炭素濃度の増加率(単位時間あたりの増加量)と比較して、時刻t2以降(図4に示す例では、時刻t3まで)の過燃焼発生時における二酸化炭素濃度の増加率が大きくなる。したがって、このステップS2では、二酸化炭素濃度の増加率または増加速度を基準値と比較することにより、PMフィルタ2内におけるPMの過燃焼の有無を判定する。
二酸化炭素濃度の増加率または増加速度が、基準値以上になった、すなわち、PMフィルタから流出する気体中の二酸化炭素濃度が急上昇したことにより、このステップS2で否定的に判断された場合は、ステップS3へ進む。
ステップS3では、一定時間、加熱部4のヒータがOFFにされる。この場合は、二酸化炭素濃度の増加傾向からPMの過燃焼が発生していることを推定し、PMフィルタ2の加熱を一時的に停止する。図4のタイムチャートに、時刻t3から時刻t4の期間で示すように、加熱部4のヒータをOFFにする時間は、例えば、PMの燃焼実験やシミュレーション等の結果を基に、予め定められている。このステップS3で加熱部4のヒータがOFFにされると、ステップS1に戻り、従前と同様の制御が実行される。例えば、図4のタイムチャートに、時刻t5から時刻t6の期間で示すように、再度、PMの過燃焼が発生した場合は、従前のステップS2およびステップS3の制御が実行される。すなわち、図4のタイムチャートに、時刻t6から時刻t7の期間で示すように、再度、PMフィルタ2の加熱を一時的に停止する。
一方、二酸化炭素濃度の増加率または増加速度が、未だ、基準値よりも小さい、すなわち、未だ、PMフィルタから流出する気体中の二酸化炭素濃度が急上昇していないことにより、ステップS2で肯定的に判断された場合には、ステップS4へ進む。
ステップS4では、PMフィルタ2の温度が目標温度以上であるか否かが判断される。この場合の目標温度は、例えば、PMが適切に燃焼しやすい650℃付近の温度であり、理論上あるいは経験上、PMの過燃焼を発生させることなく、PMを正常に燃焼させるPMフィルタ2の温度である。例えば、PMの燃焼実験やシミュレーション等の結果を基に、予め定められている。
未だ、PMフィルタ2の温度が目標温度未満であることにより、このステップS4で否定的に判断された場合は、ステップS2に戻り、従前と同様の制御が実行される。それに対して、PMフィルタ2の温度が目標温度以上になったことにより、ステップS4で肯定的に判断された場合には、ステップS5へ進む。
ステップS5では、PMフィルタから流出する気体中の二酸化炭素濃度が、大気中の平均的な二酸化炭素濃度(例えば、約400ppm)と同等であるか否かが判断される。例えば、PMフィルタから流出する気体中の二酸化炭素濃度が、閾値として予め定めた所定の低レベルの二酸化炭素濃度以下になったか否かが判断される。
未だ、PMフィルタから流出する気体中の二酸化炭素濃度が、大気中の平均的な二酸化炭素濃度よりも大きいことにより、このステップS5で否定的に判断された場合は、ステップS2に戻り、従前と同様の制御が実行される。それに対して、PMフィルタから流出する気体中の二酸化炭素濃度が、大気中の平均的な二酸化炭素濃度になったことにより、ステップS5で肯定的に判断された場合には、ステップS6へ進む。
ステップS6では、加熱部4によるPMフィルタ2に流入させる圧縮空気の加熱を終了する。それとともに、PMフィルタ2への圧縮空気の供給を終了する(ヒータOFF、送風OFF)。具体的には、図4のタイムチャートに示すように、時刻t8でコントローラ6から加熱部4のヒータに制御指令信号が出力され、加熱部4のヒータがOFFにされる。その後、例えば、PMフィルタ2の温度が常温程度に低下した時点で、例えば、PMフィルタ再生システム1の起動スイッチがOFFにされ、PMフィルタ2への圧縮空気の供給が終了する。そして、その後、この図4のフローチャートで示すルーチンを一旦終了する。
なお、上述した実施形態の例では、PMフィルタ2から流出する気体中の二酸化炭素濃度の変化量に基づいて、PMフィルタ2内におけるPMの過燃焼の有無を判定しているが、この発明の実施形態におけるPMフィルタ再生システム1では、PMフィルタ2から流出する気体中の酸素濃度の変化量に基づいて、PMフィルタ2内におけるPMの過燃焼の有無を判定してもよい。その場合は、例えば、PMフィルタ2から流出する気体中の酸素濃度の低下率が所定の低下率よりも小さくなった場合に、PMフィルタ2内でPMの過燃焼が発生していると判定する。
また、この発明の実施形態におけるPMフィルタ再生システム1は、例えば、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃機関(図示せず)を動力源とする車両(図示せず)に搭載することができる。その場合、PMフィルタ2は、内燃機関の排気管(図示せず)の下流側に設けられる。また、加熱部4は、内燃機関の排気管からPMフィルタ2に流入する内燃機関の排気を加熱するように構成される。例えば、前述の特許文献1に記載された内燃機関の排気浄化システムにおける燃料添加弁のように、ディーゼルエンジンの排気中にディーゼル燃料を添加して燃焼させることにより、ディーゼルエンジンの排気管からPMフィルタ2に流入させる排気を加熱する。したがって、コントローラ6は、加熱部4として燃料添加弁の動作を制御することにより、ディーゼルエンジンの排気管内における排気の加熱状態を調整して、PMフィルタ2の加熱状態を制御する。
以上のように、この発明の実施形態におけるPMフィルタ再生システム1では、PMを捕集したPMフィルタ2を加熱し、PMフィルタ2に捕集されているPMを燃焼・酸化させることにより、PMフィルタ2を再生する。そして、PMフィルタ2内でPMを燃焼・酸化させる際には、PMフィルタ2から流出する気体中の二酸化炭素濃度または酸素濃度の少なくともいずれかをモニターして、その二酸化炭素濃度の変化量または酸素濃度の変化量に基づいて、PMフィルタ2内におけるPMの過燃焼の有無を判定する。そして、PMの過燃焼が生じていることを判定した場合には、速やかに、PMフィルタ2の加熱を停止する(あるいは、PMフィルタ2の加熱を抑制する)。したがって、この発明の実施形態におけるPMフィルタ再生システム1によれば、PMフィルタ2を加熱してPMフィルタ2の再生を行う際に、PMフィルタ2内におけるPMの過燃焼の発生を迅速に判定し、PMフィルタ2の加熱を速やかに停止または抑制できる。そのため、PMフィルタ2内におけるPMの過燃焼を抑制し、PMフィルタ2の熱による損傷および劣化を適切に防止することができる。
1 PMフィルタ再生システム
2 PMフィルタ(PMF)
2a (PMフィルタの)流入口
2b (PMフィルタの)流出口
2c (PMフィルタの)保温カバー
3 空気供給部(AIR)
4 加熱部(HEATER)
5 検出部(SENSOR)
5a (検出部の)分析器
5b (検出部の)温度センサー
6 コントローラ(ECU)
7 排気側配管
8 流入側配管
9 推力機構
10 ガスケット
2 PMフィルタ(PMF)
2a (PMフィルタの)流入口
2b (PMフィルタの)流出口
2c (PMフィルタの)保温カバー
3 空気供給部(AIR)
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6 コントローラ(ECU)
7 排気側配管
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10 ガスケット
Claims (1)
- 粒子状物質を捕集するPMフィルタと、前記PMフィルタに流入させる気体を加熱して前記PMフィルタを加熱する加熱部と、前記PMフィルタから流出する気体中の二酸化炭素濃度および酸素濃度の少なくともいずれかを検出する検出部と、前記PMフィルタの加熱状態を制御するコントローラとを備え、前記PMフィルタを加熱して前記PMフィルタに捕集された前記粒子状物質を燃焼させることにより、前記PMフィルタから前記粒子状物質を除去して前記PMフィルタを再生させるPMフィルタ再生システムにおいて、
前記コントローラは、
前記二酸化炭素濃度および前記酸素濃度の少なくともいずれかの変化量に基づいて前記粒子状物質の過燃焼の有無を判定し、
前記過燃焼が生じていることを判定した場合に、前記PMフィルタの加熱を停止または抑制する
ことを特徴とするPMフィルタ再生システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020077123A JP2021173209A (ja) | 2020-04-24 | 2020-04-24 | Pmフィルタ再生システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020077123A JP2021173209A (ja) | 2020-04-24 | 2020-04-24 | Pmフィルタ再生システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021173209A true JP2021173209A (ja) | 2021-11-01 |
Family
ID=78281643
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020077123A Pending JP2021173209A (ja) | 2020-04-24 | 2020-04-24 | Pmフィルタ再生システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2021173209A (ja) |
-
2020
- 2020-04-24 JP JP2020077123A patent/JP2021173209A/ja active Pending
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