JP2021172615A - ビニルスルホニルフルオリドの製造方法 - Google Patents

ビニルスルホニルフルオリドの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】繰り返し可能な反応サイクル工程を有する、ビニルスルホニルフルオリドの製造方法の提供。【解決手段】一般式(1)で表されるビニルスルホニルフルオリドの製造方法であって、一般式(3)で表される環状化合物(3)を調製する環化工程と、前記環状化合物(3)から前記ビニルスルホニルフルオリドを含有する混合物(1)を生成する反応混合物生成工程と、を含むビニルスルホニルフルオリドの製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、ビニルスルホニルフルオリドの製造方法に関する。より詳細には、燃料電池用隔膜、燃料電池用触媒バインダーポリマー、食塩電解用隔膜等のフッ素系高分子電解質の原材料となり得るビニルスルホニルフルオリドすなわちスルホン酸基含有モノマーを収率良く製造する方法に関する。
従来、燃料電池用隔膜、食塩電解用隔膜等の主要成分として、下記一般式(I)で表されるペルフルオロポリマーが主に採用されている。
Figure 2021172615
(式(I)中、pは0〜6の整数、qは1〜6の整数、k及びlは1以上の整数である。)
一般式(I)で表されるポリマーは、下記一般式(II)で表されるフッ素化モノマーとテトラフルオロエチレン(TFE)との共重合体をケン化反応及び酸処理を施すことによって製造できることが知られている。
Figure 2021172615
(式(II)中、p及びqは上記一般式(I)と同じである。)
上記一般式(II)で表されるフッ素化モノマーの中でも、p=1かつq=2〜4であるモノマーから製造されるポリマーが上記隔膜の主要成分として広く用いられている。このようなp=1かつq=2〜4であるモノマーは、下記のルートで製造できることが知られている。
Figure 2021172615
ところで、上記一般式(I)においてp=0であるポリマーは、pが1以上のポリマーと比べて、主鎖とスルホン酸基との間のスペーサー部が短いため、pが1以上の場合よりも高いガラス転移温度と高い強度を発現することが知られている。
しかしながら、このポリマーの原材料となる、p=0の上記一般式(II)で表されるフッ素化モノマーは、合成が困難であるという問題があった。すなわち、p=1の上記一般式(II)で表されるフッ素化モノマーの場合と同様にして、CFCF(COF)O(CFSOFから脱炭酸・ビニル化反応を行うと、環化反応が主反応となるため、短鎖構造を有するp=0の上記一般式(II)で表されるフッ素化モノマーの収率が極めて低くなることが知られている。
例えば、下記のスキームに示すように、q=2の場合、環化反応のみが進行し、上記一般式(II)においてp=0、q=2であるフッ素化モノマーを得ることは困難である(例えば、非特許文献1参照)。
Figure 2021172615
このような環化反応を起こさないスルホン酸基含有モノマー(CF=CFO(CFSONa)も開発されており、その製造法として、CFCF(COF)O(CFSOFを水酸化ナトリウム水溶液で中和処理して粉末状のCFCF(CONa)O(CFSONaを得た後、加熱・脱炭酸反応によりCF=CFO(CFSONaを取得する方法が開示されている。(例えば、特許文献1参照)
しかしながら、当該特許文献1に記載の方法ではCFCF(CONa)O(CFSONaを加熱・脱炭酸反応させる前に、乾燥温度が異なる2段階の乾燥工程により水分を除去する工程を必要とするため、反応操作が煩雑となる。
そして、特許文献1に記載の方法において水分の除去が十分でない場合、或いは他の水素源が存在する場合には加熱・脱炭酸反応において水素含有化合物CF−CHFO(CFSONaが生成することが知られている(例えば、非特許文献2参照)。
一方、下記一般式(III)で表される環状化合物から、下記一般式(IV)で表されるスルホン酸基含有モノマー((IV))を製造する方法を開示しているが、当該方法においても環状化合物を反応させるときに水分の除去が十分でない場合、或いは他の水素源が存在する場合には水素含有化合物CF−CHFO(CFSONaが生成することがわかっている(例えば、特許文献2参照)。
Figure 2021172615
(式(III)中、AはF又はCFであり、dは1〜6の整数であり、dが2以上の場合、各々のCFAは同じでも異なっていてもよい。)
Figure 2021172615
(式(IV)中、d及びAのそれぞれは、上記一般式(III)のd及びAと同一であり、Gは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はRa1a2a3Siである。(Ra1〜Ra3は各々独立に、置換されていてもよい炭素数1〜10個の一価の炭化水素基又はOM(Mはアルカリ金属又はアルカリ土類金属を表す。)である。))
特開2004−18454号公報 国際出願公開特許2019/176425号
日本学術振興会・フッ素化学第155委員会、「フッ素化学入門2010 基礎と応用の最前線」p.353−355 Journal of FLUORINE CHEMISTRY 129(2008)535−540
上記のように水分又は他の水素源の存在によって生成したCF−CHFO(CFSONaは、目的物の中間体であるCF=CFO(CFSONaと同様の反応性を有する。そのため、ビニルスルホニルフルオリドの製造においては、副生物CF−CHFO(CFSOFが生成する。このような副生物の生成を抑制するために煩雑な水分除去工程が必要であった。
本発明の目的は、上記現状を考慮し、ビニルスルホニルフルオリド、すなわちスルホン酸基含有モノマーを製造する方法であって、煩雑な水分除去工程を必要とせず、生成する水素含有化合物を環状化合物に変換し回収して再利用することで、ビニルスルホニルフルオリドを製造できる方法を提供することである。
本発明者は上記課題を解決するため鋭意検討した結果、水素含有化合物に塩基を接触・混合させることにより環状化合物を回収する方法を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
[1]本発明は、下記一般式(1)で表されるビニルスルホニルフルオリドの製造方法であって、
Figure 2021172615
(式(1)中、Xはフッ素原子又は炭素数1〜3のフルオロアルキル基であり、nは1又は2である。)
下記一般式(2)で表される水素含有化合物(2)及び前記ビニルスルホニルフルオリドを含有する混合物(1)から前記水素含有化合物(2)を分離する分離工程と、
Figure 2021172615
(式(2)中、Xはフッ素原子又は炭素数1〜3のフルオロアルキル基であり、nは1又は2である。)
前記水素含有化合物(2)に塩基化合物(a)を接触・混合させて、下記一般式(3)で表される環状化合物(3)
Figure 2021172615
(式(3)中、Xはフッ素原子又は炭素数1〜3のフルオロアルキル基であり、nは1又は2である。)
を調製する環化工程と、
前記環状化合物(3)から前記混合物(1)を生成する反応混合物生成工程と、
を含むビニルスルホニルフルオリドの製造方法である。
[2]本実施形態において、前記塩基化合物(a)が、ジアルキルリチウムアミド又は炭化水素系リチウム化合物と配位性窒素化合物との組み合わせであることが好ましい。
[3]本実施形態において、前記反応混合物生成工程は、前記環状化合物(3)と下記一般式(4)で表されるシラノール化合物(4)と
Figure 2021172615
(式(4)中、Mはアルカリ金属又はアルカリ土類金属であり、R〜Rは各々独立して、水素原子、置換されていてもよい炭素数1〜10個の一価の炭化水素基、又はOM(Mはアルカリ金属又はアルカリ土類金属である。)であり、Mが2以上存在する場合は、それぞれ同一又は異なってもよい。)
を混合攪拌することにより、下記一般式(5)で表される(ビニル)スルホン酸化合物(5)
Figure 2021172615
(式(5)中、WはCF=CF−又はCF−CHF−であり、Xはフッ素原子又は炭素数1〜3のフルオロアルキル基であり、nは1又は2であり、Yは水素原子、M又はRSi−である。但し、M及びR〜Rは、前記一般式(4)のM及びR〜Rと同義である。−は結合手を表す。)
を含有する混合物(2)を調製する工程(I)を含むことが好ましい。
[4]本実施形態において、前記反応混合物生成工程は、前記混合物(2)と、誘導体化剤とを接触・混合することにより下記一般式(6)で表される(ビニル)スルホン酸誘導体(6)
Figure 2021172615
(式(6)中、WはCF=CF−又はCF−CHF−であり、Xはフッ素原子又は炭素数1〜3のフルオロアルキルであり、nは1又は2であり、ZはCF=CFO(CF CFXSO−又はCF−CHFO(CF CFXSO−又はClであり、X及びXはそれぞれ独立して、フッ素原子又は炭素数1〜3のフルオロアルキルであり、m及びmはそれぞれ独立して、1又は2であり、−は結合手を表す。)
を含有する混合物(3)を調製する工程(II)をさらに含む、請求項1〜3に記載のビニルスルホニルフルオリドの製造方法。
[5]本実施形態において、前記反応混合物生成工程は、前記混合物(3)とフッ素化剤とを接触・混合することにより、前記混合物(1)を調製する工程(III)をさらに含むことが好ましい。
[6]本実施形態において、前記一般式(4)中のMが、アルカリ金属であることが好ましい。
[7]本実施形態において、前記シラノール化合物(4)が、リチウムトリメチルシラノラート、リチウムトリエチルシラノラート、リチウムトリイソプロピルシラノラート、リチウム(tert−ブチル)ジメチルシラノラート、リチウムトリフェニルシラノラート、ジリチウムジメチルシランジオラート、ジリチウムジエチルシランジオラート、ジリチウムジフェニルシランジオラート、ナトリウムトリメチルシラノラート、ナトリウムトリエチルシラノラート、ナトリウムトリイソプロピルシラノラート、ナトリウム(tert−ブチル)ジメチルシラノラート、ナトリウムトリフェニルシラノラート、ジナトリウムジメチルシランジオラート、ジナトリウムジエチルシランジオラート、及びジナトリウムジフェニルシランジオラートからなる群より選択される1種又は2種以上の化合物であることが好ましい。
[8]本実施形態において、前記誘導体化剤が、五酸化リン、五塩化リン、酢酸無水物、トリフルオロ酢酸無水物、メタンスルホン酸無水物、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、p−トルエンスルホン酸無水物、塩化チオニル、ジシクロへキシルカルボジイミド、シアヌール酸クロリド、四塩化チタン、及びベンゼンスルホニルクロリドからなる群より選択される1種又は2種以上の化合物であることが好ましい。
[9]本実施形態において、前記フッ素化剤が、フッ化水素、金属フッ化物、4級アンモニウムフルオリド、及び4級ホスホニウムフルオリドからなる群より選択される1種又は2種以上の化合物であることが好ましい。
本発明によれば、煩雑な水分除去工程を必要とせず、含有する水分によって生成した水素含有化合物をビニルスルホニルフルオリド製造の中間体である環状化合物に変換し回収して再利用することでビニルスルホニルフルオリドを製造できる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。
本発明に係るビニルスルホニルフルオリドの製造方法は、当該ビニルスルホニルフルオリドの副生成物である水素含有化合物(2)を反応混合物(=混合物(1))から分離する分離工程と、前記水素含有化合物(2)を環化する環化工程と、前記水素含有化合物(2)が環化した環状化合物(3)から混合物(1)を生成する反応混合物生成工程とを有する。
換言すると、本実施形態におけるビニルスルホニルフルオリドの製造方法は、当該ビニルスルホニルフルオリドが生成される際に生じる副生成物(水素含有化合物(2))を、環状化合物(3)に変えた後、必要により当該環状化合物(3)から前記ビニルスルホニルフルオリド及び水素含有化合物(2)の前駆体への合成を介して、前記ビニルスルホニルフルオリド及び副生成物(水素含有化合物(2))を、前記前駆体或いは前記環状化合物(3)から生成するという工程が繰り返し可能な反応サイクルである。以下、各工程について説明する。
「分離工程」
本発明は、下記一般式(1)で表されるビニルスルホニルフルオリドと、
Figure 2021172615
(式(1)中、Xはフッ素原子又は炭素数1〜3のフルオロアルキル基であり、nは1又は2である。)
下記一般式(2)で表される水素含有化合物(2)と、
Figure 2021172615
(式(2)中、Xはフッ素原子又は炭素数1〜3のフルオロアルキル基であり、nは1又は2である。)
を含有する混合物(1)から前記水素含有化合物(2)を分離する分離工程を有する。
本実施形態において、最終目的物である一般式(1)で表わされるビニルスルホニルフルオリドは、反応物である混合物(1)から回収される。その際、ビニルスルホニルフルオリドを回収する前又は回収した後、或いはビニルスルホニルフルオリドの回収と併せて、前記混合物(1)から一般式(2)で表わされる水素含有化合物(2)を分離することができる。
したがって、本実施形態におけるビニルスルホニルフルオリドの製造方法は、上記式(1)で表わされるビニルスルホニルフルオリドを、混合物(1)から回収する回収工程を有しうる。
上記分離工程において、ビニルスルホニルフルオリドを含有する混合物(1)から水素含有化合物(2)を分離する方法としては、蒸留、又はカラムクロマトグラフィー等の公知の方法で行うことができる。
例えば、蒸留による分離工程では、単蒸留又は精留のいずれでも実施可能であるが、高純度の目的物及び高い蒸留収率で得る観点から、精留を行うことが好ましい。当該精留条件としては、精留塔の理論段数が好ましくは2段以上20段以下であり、還流比が好ましくは0.1以上20以下である。
また、カラムクロマトグラフィーによる分離工程では、分離対象である化合物分子中の二重結合の数等に応じて分離が行われる銀イオンクロマトグラフィーなどが好ましい。
上記一般式(1)中、Xは、フッ素原子又は炭素数1〜3のフルオロアルキル基であり、好ましくはF又はCFである。
上記一般式(2)中、Xは、フッ素原子又は炭素数1〜3のフルオロアルキル基であり、好ましくはF又はCFである。
また、目的物である一般式(1)で表されるビニルスルホニルフルオリドを回収する回収工程は、上記分離工程と同様に、蒸留、又はカラムクロマトグラフィー等の公知の方法で行うことができる。
「環化工程」
本発明は、上記式(2)で表わされる水素含有化合物(2)に、塩基化合物(a)を接触・混合させて、下記式(3)で表わされる環状化合物(3)
Figure 2021172615
(式(3)中、Xはフッ素原子又は炭素数1〜3のフルオロアルキル基であり、nは1又は2である。)
を調製する環化工程を有する。
上記式(3)において、Xは、F又はCFであることが好ましい。
上記水素含有化合物(2)から環状化合物(3)への環化反応のメカニズムは以下のように推定される。水素含有化合物(2)から塩基化合物(a)の作用によって水素が引き抜かれ、生成したカルボアニオンが分子内の硫黄原子を攻撃し環化することにより環状化合物(3)が生成する。
本発明における塩基化合物(a)は、水素含有化合物(2)から水素を引き抜くことができる塩基性の化合物であればよい。塩基化合物(a)は、反応性の観点から、例えば、ジアルキルリチウムアミド、又は炭化水素系リチウム化合物と配位性窒素化合物の組み合わせであることが好ましい。
上記ジアルキルリチウムアミドとしては、リチウムジイソプロピルアミド、リチウム−2,2,6,6−テトラメチルピペリジドなどが挙げられる。また、前記ジアルキルリチウムアミドは、n−ブチルリチウムなどの塩基性物質(b)と、ジアルキルアミン等の第二級アミン化合物とを混合して合成することができる。また、予め合成した塩基化合物(a)を水素含有化合物(2)と反応させてもよく、あるいは水素含有化合物(2)と反応させる際に塩基性物質(b)と第二級アミン化合物(例えば、ジアルキルアミン)とを同時に添加して使用してもよい。
当該塩基性物質(b)としてはメチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、フェニルリチウム等が挙げられる。上記第二級アミン化合物としては、ジn−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジn−ブチルアミン、ジtert−ブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ピペリジン、ピロリジン、2,6−ジメチルピペリジン、若しくは2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどのジアルキルアミン;或いは、ジフェニルアミン、ジベンジルアミン等の芳香族アミン;又はこれらを有する炭化水素化合物が挙げられる。
上記炭化水素系リチウム化合物と配位性窒素化合物の組み合わせとしては、該配位性窒素化合物が炭化水素系リチウム化合物(例えば、アルキルリチウム)に対して配位可能であればよい。例えば、前記炭化水素系リチウム化合物としては、メチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、若しくはtert−ブチルリチウム等のアルキルリチウム、フェニルリチウム等の芳香族リチウムが挙げられる。また、前記配位性窒素化合物としては、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、N,N’−ジメチルプロピレン尿素、ヘキサメチルリン酸トリアミド等が挙げられる。
操作性の観点から、本発明における塩基化合物(a)は、溶媒で希釈して使用することが好ましい。当該溶媒としては、反応時に不活性であればよく、各種の非プロトン性溶媒を用いることができ、例えば、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素溶媒、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素溶媒、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,4−ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、4−メチルテトラヒドロピラン等の各種のエーテル基含有溶媒、アセトニトリル等のニトリル基含有溶媒、スルホラン等のスルホン基含有溶媒等が挙げられる。
本実施形態の製造方法において、溶媒の使用量は、撹拌及び溶媒除去の容易さの観点から、水素含有化合物(2)100質量部に対して10〜2000質量部であることが好ましく、より好ましくは50〜1000質量部である。
本実施形態の製造方法において、塩基化合物(a)の使用量は、反応成績の観点から、水素含有化合物(2)のモル当量に対して0.5〜6倍用いることが好ましく、水素含有化合物(2)のモル当量に対して1〜3倍用いることがより好ましい。
本実施形態において、塩基化合物(a)と溶媒との混合撹拌の温度は、反応成績の観点から、−100℃〜100℃であることが好ましく、より好ましくは−80℃〜50℃である。
本実施形態において、塩基化合物(a)と溶媒との混合撹拌の時間は、生産性の観点から、0.01〜50時間であることが好ましく、より好ましくは0.1〜10時間である。
「反応混合物生成工程」
本発明は、上記環状化合物(3)から上記混合物(1)を生成する反応混合物生成工程を有する。当該反応混合物生成工程は、前記環状化合物(3)を開環し、上記一般式(1)で表されるビニルスルホニルフルオリドと、上記一般式(2)で表される水素含有化合物(2)と、を含有する混合物(1)を調製できる合成ルートであればよい。本実施形態における反応混合物生成工程である合成ルートの好ましい態様について以下説明する。
本実施形態において、反応混合物生成工程は、環状化合物(3)と後述のシラノール化合物(4)とを反応させて混合物(2)を調製する工程(I)を有することが好ましい。また、本実施形態において、反応混合物生成工程は、前記混合物(2)と、後述の誘導体化剤とを接触・混合することにより、後述の(ビニル)スルホン酸誘導体(6)を含有する混合物(3)を調製する工程(II)をさらに有することが好ましい。
そして、本実施形態において、反応混合物生成工程は、前記混合物(3)とフッ素化剤とを接触・混合することにより、混合物(1)を調製する工程(III)をさらに有することが好ましい。
本実施形態において、反応混合物生成工程の特に好ましい態様は、上記工程(I)、上記工程(II)及び上記工程(III)を有する態様である。以下、上記工程(I)〜(III)について詳説する。
<工程(I):環状化合物(3)とシラノール化合物(4)との反応>
本実施形態において、反応混合物生成工程は、前記環状化合物(3)と下記一般式(4)で表されるシラノール化合物(4)と
Figure 2021172615
(式(4)中、Mはアルカリ金属又はアルカリ土類金属であり、R〜Rは各々独立して、水素原子、置換されていてもよい炭素数1〜10個の一価の炭化水素基、又はOM(Mはアルカリ金属又はアルカリ土類金属である。)であり、Mが2以上存在する場合は、それぞれ同一又は異なってもよい。)
を混合攪拌することにより、下記一般式(5)で表される(ビニル)スルホン酸化合物(5)
Figure 2021172615
(式(5)中、WはCF=CF−又はCF−CHF−であり、Xはフッ素原子又は炭素数1〜3のフルオロアルキル基であり、nは1又は2であり、Yは水素原子、M又はRSi−であり、但し、M及びR〜Rは、上記一般式(4)のM及びR〜Rと同義である。また、−は結合手を表す。)
を含有する混合物(2)を調製する工程(I)を含むことが好ましい。
上記一般式(4)において、Mはアルカリ金属又はアルカリ土類金属であるが、シラノール化合物(4)の入手性、合成のし易さの観点から、Mはアルカリ金属が好ましい。当該アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、又はカリウムが好ましい。
上記一般式(4)において、R〜Rは、各々独立して、水素原子又は置換されていてもよい炭素数1〜10個の一価の炭化水素基であることが好ましい。
上記一般式(4)中の「一価の炭化水素基」とは、例えば、脂肪族炭化水素基、又はフェニル基等の芳香族炭化水素基が挙げられる。また「置換してもよい」とは、ハロゲン原子(フッ素原子又は塩素原子)又は後述の官能基等の置換基により、前記一価の炭化水素基中の水素原子の一部又は全部が置換されてもよいことをいう。したがって、「置換されていてもよい一価の炭化水素基」とは、例えば、脂肪族炭化水素基、フェニル基等の芳香族炭化水素基、及び炭化水素基中の水素原子が全てフッ素原子に置換された、トリフルオロメチル基等のフッ素置換炭化水素基等が挙げられる。また、一価の炭化水素基は、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基が好ましい。
上記一般式(5)において、Xは、F又はCFであることが好ましい。また、(ビニル)とは、ビニル基を有する場合があることをいう。そのため、例えば、(ビニル)スルホン酸化合物(5)とは、ビニル基を1以上含有してもよいスルホン酸系化合物をいう。
なお、上記炭化水素基は、必要に応じて、官能基を有していてもよい。当該官能基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、ニトリル基(−CN)、エーテル基(−O−)、カーボネート基(−OCO−)、エステル基(−CO−)、カルボニル基(−CO−)、スルフィド基(−S−)、スルホキシド基(−SO−)、スルホン基(−SO−)、ウレタン基(−NHCO−)等が挙げられる。
本実施形態におけるシラノール化合物(4)としては、リチウムトリメチルシラノラート、リチウムトリエチルシラノラート、リチウムトリイソプロピルシラノラート、リチウム(tert−ブチル)ジメチルシラノラート、リチウムトリフェニルシラノラート、ジリチウムジメチルシランジオラート、ジリチウムジエチルシランジオラート、ジリチウムジフェニルシランジオラート、ナトリウムトリメチルシラノラート、ナトリウムトリエチルシラノラート、ナトリウムトリイソプロピルシラノラート、ナトリウム(tert−ブチル)ジメチルシラノラート、ナトリウムトリフェニルシラノラート、ジナトリウムジメチルシランジオラート、ジナトリウムジエチルシランジオラート、及びジナトリウムジフェニルシランジオラート等が例示される。
上記シラノール化合物(4)は市販品を使用してもよく、或いはハロゲン化シラン、シラノール、シロキサン等の入手可能な化合物から合成してもよい。
本実施形態の製造方法において、環状化合物(3)とシラノール化合物(4)と混合撹拌時には、溶媒を用いることが好ましい。
上記溶媒としては、反応時に不活性であればよく、各種の非プロトン性溶媒を用いることができ、例えば、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素溶媒、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素溶媒、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,4−ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、4−メチルテトラヒドロピラン等の各種のエーテル基含有溶媒、アセトニトリル等のニトリル基含有溶媒、スルホラン等のスルホン基含有溶媒等が挙げられる。中でも、(ビニル)スルホン酸化合物(5)を収率良く得るため、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、4−メチルテトラヒドロピラン等のエーテル基含有溶媒の使用が好ましい。
本実施形態の製造方法において、上記溶媒の使用量は、撹拌及び溶媒除去の容易さの観点から、環状化合物(3)100質量部に対して10〜1000質量部であることが好ましく、より好ましくは50〜500質量部である。
本実施形態の製造方法において、シラノール化合物(4)の使用量は、反応成績の観点から、環状化合物(3)のモル当量に対して0.95〜4倍用いることが好ましい。
本実施形態において、環状化合物(3)とシラノール化合物(4)との混合撹拌の温度は、反応成績の観点から、−100℃〜200℃であることが好ましい。
本実施形態において、環状化合物(3)とシラノール化合物(4)との混合撹拌の時間は、生産性の観点から、0.01〜100時間であることが好ましい。
本実施形態における工程(I)により得られる混合物(2)は、下記一般式(5−1)で表わされるビニルスルホン酸化合物(5−1)と、
Figure 2021172615
(式(5−1)中、W、X、n及びYは、上記一般式(5)中のW、X、n及びYと同義である。)
下記式(5−2)で表わされるスルホン酸化合物(5−2)と、
Figure 2021172615
(式(5−2)中、W、X、n及びYは、上記一般式(5)中のW、X、n及びYと同義である。)
を含有することが好ましい。
上記ビニルスルホン酸化合物(5−1)はビニルスルホニルフルオリドの前駆体に対応し、スルホン酸化合物(5−2)は水素含有化合物(2)の前駆体に対応する。
本実施形態の好ましい態様において、ビニルスルホン酸化合物(5−1)は、後述のビニルスルホン酸誘導体(6−1)を介して、目的物のビニルスルホニルフルオリドへ変換されうる。一方、スルホン酸化合物(5−2)は、後述のスルホン酸誘導体(6−2)を介して、水素含有化合物(2)に変換されうる。
これにより、副生成物である水素含有化合物(2)をビニルスルホニルフルオリド製造の中間体である環状化合物(3)に変換し回収して再利用することでビニルスルホニルフルオリドを製造できる。
<工程(II):混合物(2)と、誘導体化剤との反応>
本実施形態において、反応混合物生成工程は、前記混合物(2)と、誘導体化剤とを接触・混合することにより下記一般式(6)で表される(ビニル)スルホン酸誘導体(6)
Figure 2021172615
(式(6)中、WはCF=CF−又はCF−CHF−であり、Xはフッ素原子又は炭素数1〜3のフルオロアルキルであり、nは1又は2であり、ZはCF=CFO(CF CFXSO−、CF−CHFO(CF CFXSO−、Cl、又はOH基であり、X及びXはそれぞれ独立してフッ素原子又は炭素数1〜3のフルオロアルキルであり、m及びmはそれぞれ独立して1又は2であり、−は結合手を表す。)
を含有する混合物(3)を調製する工程(II)をさらに含むことが好ましい。
上記一般式(6)において、X、X及びXは、それぞれ独立して、F又はCFであることが好ましい。
上記誘導体化剤としては、五酸化リン、酢酸無水物、トリフルオロ酢酸無水物、メタンスルホン酸無水物、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、p−トルエンスルホン酸無水物、塩化チオニル、ジシクロへキシルカルボジイミド、シアヌール酸クロリド、四塩化チタン、ベンゼンスルホニルクロリド、塩化オキサリル、三塩化リン、五塩化リン、塩化スルフリル等が例示されるが、入手性、反応操作の容易性の観点から、五酸化リン、トリフルオロ酢酸無水物、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、塩化チオニルが好ましい。上記誘導体化剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の製造方法において、溶媒を使用して反応を行っても、無溶媒下で反応を行っても構わない。溶媒を使用する場合、原料及び反応生成物に不活性な溶媒が好ましい。
上記混合物(2)と、誘導体化剤との反応温度は通常、−40℃〜300℃で行われるが、原料及び反応生成物の熱安定性、及び反応性の観点から、−20℃〜280℃が好ましく、0℃〜250℃がより好ましく、10℃〜200℃が特に好ましい。
上記混合物(2)と、誘導体化剤との反応時間は通常、0.01〜200時間で行われるが、好ましくは0.1〜180時間である。
本実施形態の工程(II)において、接触・混合方法は、無溶媒下で反応を行う場合、溶媒を使用して反応を行う場合であっても、一般的に使用される方法であれば特に限定されない。例えば攪拌翼(例えば、ファン、プロペラ、十字、バタフライ、とんぼ、タービン、ディスクタービン、ディスパ、パドル、傾斜パドル、スクリュー等)を用いる方法、粉砕機(ジョークラッシャー、ジャイレトリークラッシャー、インパクトクラッシャー、コーンクラッシャー、ロールクラシャー、カッターミル、スタンプミル、リングミル、ローラーミル、回転ミル、振動ミル、遊星ミル、ハンマーミル、ビーズミル、アトライター、ピンミル等)を用いる方法、共振現象を用いる方法(例えば、共振音響ミキサー)等が挙げられる。これらの方法は、単独で使用しても、複数を組み合わせて使用しても良い。また、接触・混合をより効率的に行える場合があることから、アルミナビーズ、ガラスビーズ、ジルコニアビーズ、ジルコンビーズ、スチールビーズ等、一般的にビーズミル等で用いられる粉砕メディアを用いることもできる(前記ビーズは、ボールとしても良い)。これらの粉砕メディアは、単独で使用しても、複数を組み合わせて使用しても良い。
本実施形態における工程(II)により得られる混合物(3)は、下記一般式(6−1)で表されるビニルスルホン酸誘導体(6−1)と、
Figure 2021172615
(式(6−1)中、X 及びZは、上記一般式(6)中のX 及びZと同義である。)
下記式(6−2)で表される(ビニル)スルホン酸誘導体(6−2)と、
Figure 2021172615
(式(6−2)中、X 及びZは、上記一般式(6)中のX 及びZと同義である。)
を含有することが好ましい。
上記ビニルスルホン酸誘導体(6−1)はビニルスルホニルフルオリドの前駆体である。(ビニル)スルホン酸誘導体(6−2)のうち、両端にビニル基を有さないスルホン酸誘導体は、水素含有化合物(2)の前駆体である。より詳細には、上記混合物(3)中には、以下の化合物(6−1.1)〜(6−2.3):
Figure 2021172615
(上記化合物(6−1.1)〜(6−2.3)中の記号は、一般式(6)と同様である。)
で表される化合物群が少なくとも混在されていると推定している。現状のNMR測定では、上記化合物群中、(6−1.1)〜(6−1.2)及び(6−2.1)〜(6−2.2)のグループと、(6−1.3)及び(6−2.3)のグループとは判別できる。また、CF=CFO−又はCF−CHFO−も判別は可能である。しかし、(6−1.1)〜(6−1.2)及び(6−2.1)〜(6−2.2)の各化合物の存在比を特定することが困難である。そのため、本明細書では、(6−1.1)〜(6−1.2)及び(6−2.1)〜(6−2.2)のグループを、便宜上、(6−1.1)で表される化合物と、(6−2.2)で表される化合物との2つに分けて存在比を確認した。
また、化合物(6−1.1)〜(6−2.3)のうち、(6−2.2)及び(6−2.3)で表される化合物は、水素含有化合物(2)の前駆体になり、それ以外は、ビニルスルホニルフルオリドの前駆体になると考えられる。
<工程(III):混合物(3)とフッ素化剤との反応>
本実施形態において、反応混合物生成工程は、前記混合物(3)とフッ素化剤とを接触・混合することにより混合物(1)を調製することが好ましい。
本実施形態におけるフッ素化剤としては、フッ化水素、金属フッ化物、4級アンモニウムフルオリド、4級ホスホニウムフルオリド等が挙げられ、フッ化水素、金属フッ化物、4級アンモニウムフルオリド、4級ホスホニウムフルオリドから少なくとも1種を選択してもよい。
本実施形態におけるフッ素化剤としてフッ化水素を使用する場合、フッ化水素のみ、もしくは有機塩基存在下、フッ化水素を反応させる方法が挙げられる。有機塩基を使用する場合、以下の一級アミン、二級アミン、三級アミン、又は含窒素芳香族複素環式化合物が挙げられる。
・一級アミン:メチルアミン、エチルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン等
・二級アミン:ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、モルホリン等
・三級アミン:トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等
・含窒素芳香族複素環式化合物:ピリジン、2,6−ルチジン、イミダゾール、キノリンこれらの有機塩基は単独でも2種以上の有機塩基を組み合わせて使用することができる。
本実施形態におけるフッ素化剤として金属フッ化物を使用する場合、金属としてアルカリ金属(Li、Na、K、Rb、Cs)、アルカリ土類金属(Mg、Ca)、Agが挙げられる。具体例としては、LiF、NaF、KF、RbF、CsF、MgF、CaF、AgF等が例示されるが、反応性の観点から、LiF、NaF、KF、RbF、CsF、及びAgFからなる群から選択される少なくとも1種以上の金属フッ化物がより好ましく、NaF又はKFが特に好ましい。
上記フッ素化剤として4級アンモニウムフルオリドを使用する場合、具体例としてはテトラメチルアンモニウムフルオリド、テトラエチルアンモニウムフルオリド、テトラブチルアンモニウムフルオリド等が例示される。
上記フッ素化剤として4級ホスホニウムフルオリドを使用する場合、具体例としてはテトラメチルホスホニウムフルオリド、テトラエチルホスホニウムフルオリド、テトラブチルホスホニウムフルオリド等が例示される。
上記フッ素化剤は単独、もしくは2種以上を混合して使用することができる。使用するフッ素化剤の量は、(ビニル)スルホン酸誘導体(6)1モルに対して通常0.95〜20モルであるが、未使用のフッ素化剤が残存すると分離が煩雑となるため、好ましくは0.98〜10モルである
本実施形態の工程(III)において、溶媒を使用して反応を行っても、無溶媒下で反応を行っても構わない。溶媒を使用する場合、原料及び反応生成物に不活性な溶媒が好ましい。
本実施形態において、上記混合物(3)とフッ素化剤との反応温度は通常、−40℃〜300℃で行われるが、原料及び反応生成物の熱安定性、及び反応性の観点から、−20℃〜280℃が好ましく、0℃〜250℃がより好ましく、10℃〜200℃が特に好ましい。
本実施形態において、上記混合物(3)とフッ素化剤との反応時間は通常、0.01〜40時間で行われるが、好ましくは0.1〜20時間である。
以上のように、本発明は、高い耐熱性を備えた燃料電池用隔膜、燃料電池用触媒バインダーポリマー、食塩電解用隔膜等の各種のフッ素系高分子電解質の原材料となり得るビニルスルホニルフルオリドすなわちスルホン酸基含有モノマーを収率良く製造することができる。
以下、本発明の実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。実施例及び比較例において使用された分析方法は、以下の通りである。
核磁気共鳴分析(NMR):H−NMR及び19F−NMRによる分子構造解析を用いて、定量を行った。
測定装置:JNM−ECZ400S型核磁気共鳴装置(日本電子株式会社製)
溶媒:重クロロホルム又は重水
基準物質:CFCl(0ppm)
ガスクロマトグラフィー(GC):化合物の定量
測定装置:GC−2010Plus(島津製作所)
カラム:Rtx−200(RESTEK社製)、長さ60m、内径0.25mm、膜厚1μm
検出器:FID
昇温プロファイル:40℃で10分保持した後、20℃/分で280℃まで昇温し、20分保持した。
[実施例1]
<工程(I):環状化合物(3)とシラノール化合物(4)との反応>
窒素雰囲気下、1Lの4口フラスコに、下記式(3−a)で表される環状化合物(3)(140.0g、0.50mol)
Figure 2021172615
及び4−メチルテトラヒドロピラン280.0gを加え、0℃に冷却した。次に、4−メチルテトラヒドロピラン300.0gにナトリウムトリメチルシラノラート(シグマアルドリッチ社製、112.1g、1.00mol)を溶解させた溶液をこのフラスコの中へ1時間かけて滴下した後、さらに室温で2時間攪拌した。得られた反応混合物を減圧濃縮すると固体状の残渣(171.9g)が得られた。この固体状の残渣は19F−NMR(内部標準:トリフルオロエタノール)より、CF=CFOCFCFSONaが79.2質量%(収率91%)、CF−CHFOCFCFSONaが8.6質量%(収率9%)含まれていることがわかった。
Figure 2021172615
Figure 2021172615
500mLの四つ口フラスコに、上記で得られたCF=CFOCFCFSONa(129.4g、0.43mol)、CF−CHFOCFCFSONa(14.0g、0.044mol)の混合物と硫酸(163.0g、1.7mol)を入れた後、フラスコ内を30kPaにして70℃で撹拌し、しばらくすると均一に溶解した。次にフラスコ内を0.33kPaにして、このフラスコを145℃まで徐々に昇温すると、液体が留出した(取得量127.6g)。この液体は19F−NMRより、CF=CFOCFCFSOH(0.41mol、収率96%)、CF−CHFOCFCFSOH(0.042mol、収率96%)の混合物(2)であることがわかった。
<工程(II):(ビニル)スルホン酸化合物(5)と、誘導体化剤との反応>
乾燥空気雰囲気下のグローブボックス内で500mLの四つ口フラスコに五酸化リン(P)(129.4g、0.91mol)を加えた後、このフラスコにリービッヒ冷却管、滴下ロートを備え付け、窒素気流下で50℃に加熱した。次に滴下ロートから上記で得られたCF=CFOCFCFSOH(115.1g、0.41mol)、CF−CHFOCFCFSOH(12.5g、0.042mol)の混合物を滴下した後、フラスコを140℃に昇温するとともに、フラスコ内の圧力を常圧から60kPaにした。さらに160℃に昇温するとともに、フラスコ内の圧力を20kPaに減圧すると液体が留出した(182.1g)。この液体は、19F−NMRより(CF=CFOCFCFSOOが85質量%(0.15mol、収率74%)、CF=CFOCFCFSOHが10質量%(0.033mol)、(CF−CHFOCFCFSOOが9質量%(0.016mol、収率74%)、及びCF−CHFOCFCFSOHが1質量%(0.003mol)含有した混合物(3)であることがわかった。
Figure 2021172615
Figure 2021172615
<工程(III):(ビニル)スルホン酸誘導体(6)とフッ素化剤との反応>
300mLの三つ口フラスコにNaF(10.6g、0.25mol)を秤量後、150℃で1時間、真空下で乾燥後、常圧下、室温に戻した。このフラスコにリービッヒ冷却管、滴下ロートを備え付け、窒素気流下、室温で滴下ロートから、上記で得られた(CF=CFOCFCFSOO、CF=CFOCFCFSOH、(CF−CHFOCFCFSOO、CF−CHFOCFCFSOHの混合物(182.1g)を滴下した後、減圧下(95kPa)、190℃に加熱すると、液体が留出した(46.6g)。この液体は、19F−NMRより、CF=CFOCFCFSOF(0.15mol)と、CF−CHFOCFCFSOF(0.015mol)とを含有した混合物(1)であることがわかった。
Figure 2021172615
Figure 2021172615
<分離工程及び回収工程:水素含有化合物(2)の分離、ビニルスルホニルフルオリドの回収>
上記で得られたCF=CFOCFCFSOF(0.15mol)、CF−CHFOCFCFSOF(0.015mol)の混合物(1)46.6gを、スルザーケムテック社製EXパッキンを充填した充填塔(内径25mm、充填高さ1200mm)を有する蒸留装置で大気圧下、蒸留分離したところ、CF=CFOCFCFSOFを主に含む液36.6g(0.13mol、GC純度99.9%)、及びCF−CHFOCFCFSOFを主に含む液3.9g(0.013mol、GC純度99.0%)が得られた。これにより、ビニルスルホニルフルオリドを製造し、かつ水素含有化合物(2)を混合物(1)から分離した。
<環化工程:水素含有化合物(2)と塩基化合物(a)との反応>
窒素雰囲気下、50mLのフラスコに上記で得られたCF−CHFOCFCFSOF1.0g(3.3mmol)、テトラヒドロフラン4.0gを加え−80℃に冷却した。次にリチウムジイソプロピルアミドのn‐ヘキサン‐テトラヒドロフラン溶液(関東化学製、1M)を4.0mL(4.0mmol)を加え、−80℃で2時間撹拌した。その後反応液を分析したところ下記式(3−a)で表される環状化合物(3)が生成していることがわかった。(1.8mmol、収率54%)
Figure 2021172615
Figure 2021172615
回収した式(3−a)の環状化合物(3)を用い下記に示す製造工程に従ってビニルスルホニルフルオリドを得た。
<2回目の工程(I):環状化合物(3)とシラノール化合物(4)との反応
上記反応(4)で得た環状化合物(3)を含む液に4−メチルテトラヒドロピラン5.0g、水5.0gを加えて振り混ぜた後、油層を回収した。さらに水5.0gを加えて振り混ぜたのち、油層を回収し、モレキュラシーブス3A1/8(富士フイルム和光純薬製、1.0g)を加えて水分を除去し、環状化合物(3)1.8mmolを含む液4.50gを得た。
窒素雰囲気下、50mLの3口フラスコに、上記の液を入れ0℃に冷却した。次に、4−メチルテトラヒドロピラン2.0gにナトリウムトリメチルシラノラート(シグマアルドリッチ社製、0.40g、3.6mmol)を溶解させた溶液をこのフラスコの中へ1時間かけて滴下した後、さらに室温で2時間撹拌した。得られた反応混合物を減圧濃縮すると固体状の残渣(0.62g)が得られた。この固体状の残渣は19F−NMR(内部標準:トリフルオロエタノール)より、CF=CFOCFCFSONaが80.3質量%(収率92%)、CF−CHFOCFCFSONaが7.5質量%(収率8%)含まれていることがわかった。
上記で得られたCF=CFOCFCFSONaとCF−CHFOCFCFSONaとの混合物にシクロペンチルメチルエーテル3.0g、30%硫酸1.0g(3.1mmol)を加えて振り混ぜた後、油層を回収し減圧濃縮すると液体0.53gを得た。この液体は、19F−NMRより、CF=CFOCFCFSOH(1.6mmol、収率96%)、及びCF−CHFOCFCFSOH(0.14mmol、収率96%)を含有する混合物(2)であることがわかった。
<2回目の工程(II):(ビニル)スルホン酸化合物(5)と、誘導体化剤との反応>
乾燥空気雰囲気下のグローブボックス内で25mLの試験管型フラスコに五酸化リン(P)(0.78g、5.53mmol)、上記で得られたCF=CFOCFCFSOH(0.44g、1.59mmol)、CF−CHFOCFCFSOH(0.04g、0.14mmol)の混合物を加えた後、窒素気流下でフラスコを140℃に昇温した。30分後にフラスコを室温に戻し、ヘキサフルオロベンゼン4.0gを加えて混合した後、五酸化リンの残渣をろ過分離し液体を得た。この液体は、19F−NMRより(CF=CFOCFCFSOO(0.60mmol、収率75%)、CF=CFOCFCFSOH(0.10mmol)、(CF−CHFOCFCFSOO(0.05mmol、収率75%)、及びCF−CHFOCFCFSOH(0.01mmol)を含有した混合物(3)であることがわかった。
<2回目の工程(III):(ビニル)スルホン酸誘導体(6)とフッ素化剤との反応>
25mLの試験管型フラスコにNaF(0.04g、0.97mmol)を秤量後、150℃で1時間、真空下で乾燥後、常圧下、室温に戻した。窒素気流下、上記で得られた(CF=CFOCFCFSOO、CF=CFOCFCFSOH、(CF−CHFOCFCFSOO、CF−CHFOCFCFSOHの混合物0.36gを加えた後、190℃に加熱し、30分かけて50kPaまで徐々に減圧していくと、液体が留出した(0.15g)。この液体は19F−NMRより、CF=CFOCFCFSOF(0.51mmol、収率87%)、CF−CHFOCFCFSOF(0.04mmol)の混合物(1)であることがわかった。これにより、上記環化工程において生成した式(3−a)の環状化合物(3)から、最終生成物であるCF=CFOCFCFSOF(0.51mol、収率87%)を製造した。
また、実施例1の反応サイクルは、環状化合物(3)を利用しているため水分除去工程は必要としていない点が確認される。
[実施例2]
上記実施例1の環化工程「水素含有化合物(2)と塩基化合物(a)との反応」以外の工程は、実施例1と同様に行った。実施例2で行った環化工程は以下の通りである。
窒素雰囲気下、50mLのフラスコに上記で得られたCF−CHFOCFCFSOF1.0g(3.3mmol)、テトラヒドロフラン8.0gを加え−80℃に冷却した。次にリチウム−2,2,6,6−テトラメチルピペリジド(シグマアルドリッチ社製、0.74g、5.0mmol)を加え、−80℃で2時間撹拌した。その後反応液を分析したところ環状化合物(3)が生成していることがわかった。(1.5mmol、収率45%)
[実施例3]
上記実施例1の環化工程「水素含有化合物(2)と塩基化合物(a)との反応」以外の工程は、実施例1と同様に行った。実施例3で行った環化工程は以下の通りである。
窒素雰囲気下、50mLのフラスコに上記で得られたCF−CHFOCFCFSOF1.0g(3.3mmol)、テトラヒドロフラン4.0gを加え−80℃に冷却した。次にテトラメチルエチレンジアミン(東京化成製、0.74g、6.4mmol)を加え、続けてn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(東京化成製、1.6M)を4.0mL(6.4mmol)を加え、−80℃で2時間撹拌した。その後反応液を分析したところ環状化合物(3)が生成していることがわかった。(1.0mmol、収率30%)
本発明により、高い耐熱性を備えた燃料電池用隔膜、燃料電池用触媒バインダーポリマー、食塩電解用隔膜等の各種のフッ素系高分子電解質の原材料となり得るビニルスルホニルフルオリドすなわちスルホン酸基含有モノマーを収率良く製造することができる。

Claims (9)

  1. 下記一般式(1)で表されるビニルスルホニルフルオリドの製造方法であって、
    Figure 2021172615
    (式(1)中、Xはフッ素原子又は炭素数1〜3のフルオロアルキル基であり、nは1又は2である。)
    下記一般式(2)で表される水素含有化合物(2)及び前記ビニルスルホニルフルオリドを含有する混合物(1)から前記水素含有化合物(2)を分離する分離工程と、
    Figure 2021172615
    (式(2)中、Xはフッ素原子又は炭素数1〜3のフルオロアルキル基であり、nは1又は2である。)
    前記水素含有化合物(2)に塩基化合物(a)を接触・混合させて、下記一般式(3)で表される環状化合物(3)
    Figure 2021172615
    (式(3)中、Xはフッ素原子又は炭素数1〜3のフルオロアルキル基であり、nは1又は2である。)
    を調製する環化工程と、
    前記環状化合物(3)から前記混合物(1)を生成する反応混合物生成工程と、
    を含むビニルスルホニルフルオリドの製造方法。
  2. 前記塩基化合物(a)が、ジアルキルリチウムアミド、又は炭化水素系リチウム化合物と配位性窒素化合物との組み合わせである、請求項1に記載のビニルスルホニルフルオリドの製造方法。
  3. 前記反応混合物生成工程は、前記環状化合物(3)と、下記一般式(4)で表されるシラノール化合物(4)と、
    Figure 2021172615
    (式(4)中、Mはアルカリ金属又はアルカリ土類金属であり、R〜Rは各々独立して、水素原子、置換されていてもよい炭素数1〜10個の一価の炭化水素基、又はOM(Mはアルカリ金属又はアルカリ土類金属である。)であり、Mが2以上存在する場合は、それぞれ同一又は異なってもよい。)
    を混合攪拌することにより、下記一般式(5)で表される(ビニル)スルホン酸化合物(5)
    Figure 2021172615
    (式(5)中、WはCF=CF−又はCF−CHF−であり、Xはフッ素原子又は炭素数1〜3のフルオロアルキル基であり、nは1又は2であり、Yは水素原子、M又はRSi−である。但し、M及びR〜Rは、前記一般式(4)のM及びR〜Rと同義である。−は結合手を表す。)
    を含有する混合物(2)を調製する工程(I)を含む、請求項1又は2に記載のビニルスルホニルフルオリドの製造方法。
  4. 前記反応混合物生成工程は、前記混合物(2)と、誘導体化剤とを接触・混合することにより下記一般式(6)で表される(ビニル)スルホン酸誘導体(6)
    Figure 2021172615
    (式(6)中、WはCF=CF−又はCF−CHF−であり、Xはフッ素原子又は炭素数1〜3のフルオロアルキルであり、nは1又は2であり、ZはCF=CFO(CF CFXSO−又はCF−CHFO(CF CFXSO−、Cl又はOH基であり、X及びXはそれぞれ独立して、フッ素原子又は炭素数1〜3のフルオロアルキルであり、m及びmはそれぞれ独立して、1又は2であり、−は結合手を表す。)
    を含有する混合物(3)を調製する工程(II)をさらに含む、請求項1〜3に記載のビニルスルホニルフルオリドの製造方法。
  5. 前記反応混合物生成工程は、前記混合物(3)とフッ素化剤とを接触・混合することにより、前記混合物(1)を調製する工程(III)をさらに含む、請求項1〜4に記載のビニルスルホニルフルオリドの製造方法。
  6. 前記一般式(4)中のMが、アルカリ金属である、請求項3〜5のいずれか1項に記載のビニルスルホニルフルオリドの製造方法。
  7. 前記シラノール化合物(4)が、リチウムトリメチルシラノラート、リチウムトリエチルシラノラート、リチウムトリイソプロピルシラノラート、リチウム(tert−ブチル)ジメチルシラノラート、リチウムトリフェニルシラノラート、ジリチウムジメチルシランジオラート、ジリチウムジエチルシランジオラート、ジリチウムジフェニルシランジオラート、ナトリウムトリメチルシラノラート、ナトリウムトリエチルシラノラート、ナトリウムトリイソプロピルシラノラート、ナトリウム(tert−ブチル)ジメチルシラノラート、ナトリウムトリフェニルシラノラート、ジナトリウムジメチルシランジオラート、ジナトリウムジエチルシランジオラート、及びジナトリウムジフェニルシランジオラートからなる群より選択される1種又は2種以上の化合物である、請求項3〜6のいずれか1項に記載のビニルスルホニルフルオリドの製造方法。
  8. 前記誘導体化剤が、五酸化リン、五塩化リン、酢酸無水物、トリフルオロ酢酸無水物、メタンスルホン酸無水物、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、p−トルエンスルホン酸無水物、塩化チオニル、ジシクロへキシルカルボジイミド、シアヌール酸クロリド、四塩化チタン、及びベンゼンスルホニルクロリドからなる群より選択される1種又は2種以上の化合物である、請求項4〜7のいずれか1項に記載のビニルスルホニルフルオリドの製造方法。
  9. 前記フッ素化剤が、フッ化水素、金属フッ化物、4級アンモニウムフルオリド、及び4級ホスホニウムフルオリドからなる群より選択される1種又は2種以上の化合物である、請求項5〜8のいずれか1項に記載のビニルスルホニルフルオリドの製造方法。
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