JP2021172037A - ラミネート材 - Google Patents

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Abstract

【課題】成形時およびシール時において、また高温多湿等のやや苛酷な環境下で使用された時であっても、耐熱性樹脂層が剥離することのないラミネート材を提供する。【解決手段】ラミネート材1は、外側層としての耐熱性樹脂層13と、内側層としての熱融着性樹脂層15と、これら両層間に配設された金属箔層10と、該金属箔層10と前記耐熱性樹脂層13との間に配設された着色層12とを含み、前記着色層12は、樹脂バインダーと着色料を含む着色組成物からなり、着色料の含有率の異なる2層以上が積層された複層であり、前記耐熱性樹脂層13に接する層12aにおける着色料の含有率が他の層12bにおける含有率よりも低い。【選択図】 図2

Description

本発明は、例えば、ノートパソコン用、携帯電話用、車載用、定置型の二次電池(リチウムイオン二次電池)のケースとして好適に用いられ、また食品の包装材、医薬品の包装材として好適に用いられるラミネート材に関する。
リチウムイオン二次電池等の電池は、装着対象の電気機器等の機器の外観と色彩を統一させるために、着色することを要求されることが多くなってきている。例えば、重厚感、高級感の付与のために、機器を黒色とすることが多く、この場合には電池も黒色にすることが多くなってきている。
この種の電池は、電池本体が包装材(成形ケース)で包装されたものからなり、該包装材としては、金属箔の両面に基材樹脂層を積層した積層体が一般的である。而して、電池を着色するには、電池の包装材に使用されている基材樹脂層を着色する、基材樹脂層の下に着色印刷層を設ける、基材樹脂層と金属箔との間の接着剤層を着色する、基材樹脂層が複数層で構成されている場合はこれら層間の接着剤層を着色する、等の手段がある。
従来、着色層を有する電池用包装材としては、基材層、接着剤層、金属箔層、熱接着性樹脂層がこの順に積層された構造を有し、基材層、接着剤層、金属箔層のいずれかの層に識別標識としてのパール顔料や蛍光顔料を含有せしめた構成のもの(特許文献1参照)、基材層、接着剤層、金属箔層、熱接着性樹脂層がこの順に積層された構造を有し、基材層、接着剤層、金属箔層のいずれかの層に識別標識としての顔料が添加されたもの(特許文献2参照)が公知である。
また、電池の放熱性向上のために、金属箔層と外層フィルムの間に炭素材料等の黒体材料層を備えた電池用外装材(特許文献3参照)が公知である。
国際公開第2011/016506号パンフレット 特開2011−054563号公報 特開2011−096552号公報
一般に、フィルム材、シート材を黒色に着色する場合には、カーボンブラック等の無機顔料を含む印刷インキで印刷層を設けることが一般的である。
しかしながら、電池を黒色に着色するべく、電池包装材を構成する外側樹脂層の内面にカーボンブラックを顔料として含む黒色印刷層を設けた場合には、次のような問題があった。
即ち、上記黒色包装材を深絞り成形や張り出し成形により容器(ケース)形状に成形する際に、包装材の黒色印刷層から外側樹脂層が剥離するという問題があった。このような外側樹脂層の剥離は、電極や電解液を封入した後の黒色包装材のシール時や、黒色包装材で包装された電池が高温多湿等のやや苛酷な環境下で使用された時にも発生する。上記諸問題は、カーボンブラックを用いた黒色包装材に限らず、他の無機顔料で同様にして各種の色に着色してなる着色包装材においても生じる。
本発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、成形時およびシール時において、また高温多湿等のやや苛酷な環境下で使用された時であっても、耐熱性樹脂層が剥離することのないラミネート材を提供することを目的とする。
即ち、本発明は、[1]〜[8]に記載の構成を有する。
[1]外側層としての耐熱性樹脂層と、内側層としての熱融着性樹脂層と、これら両層間に配設された金属箔層と、該金属箔層と前記耐熱性樹脂層との間に配設された着色層とを含むラミネート材であって、
前記着色層は、樹脂バインダーと着色料を含む着色組成物からなり、着色料の含有率の異なる2層以上が積層された複層であり、前記耐熱性樹脂層に接する層における着色料の含有率が他の層における含有率よりも低い、
ことを特徴とするラミネート材。
[2]前記着色層の前記耐熱性樹脂層に接する層を構成する着色組成物において、着色組成物の固形成分中の着色料の含有率が5質量%以下である前項1に記載のラミネート材。
[3]前記着色層の前記耐熱性樹脂層に接する層を除く層を構成する着色組成物において、着色組成物の固形成分中の着色料の含有率が5質量%〜60質量%である前項1または2記載のラミネート材。
[4]前記着色層の各層の着色組成物は共通の樹脂バインダーを含有する前項1〜3のいずれかに記載のラミネート材。
[5]前記着色層と金属箔層の間に、前記着色層を構成する着色組成物の樹脂バインダーと同種の樹脂成分を含む接着剤層が配置されている前項1〜4のいずれかに記載のラミネート材。
[6]前記着色組成物において、
前記樹脂バインダーが、主剤としてのポリエステル樹脂と硬化剤としての多官能イソシアネート化合物とによる二液硬化型ポリエステルウレタン樹脂バインダーであり、
前記主剤としてのポリエステル樹脂は、数平均分子量(Mn)が8000〜25000であり、質量平均分子量(Mw)が15000〜50000であり、これらの比率(Mw/Mn)が1.3〜2.5であり、
前記硬化剤としての多官能イソシアネート化合物の50モル%以上が芳香族系多官能イソシアネート化合物である前項1〜5のいずれかに記載のラミネート材。
[7]前記耐熱性樹脂層の外側に、樹脂成分とフィラー成分を含む保護層が積層されている前項1〜6のいずれかに記載のラミネート材。
[8]前項1〜7のいずれかに記載されたラミネート材が熱融着性樹脂層同士を内側に向けて合わされ、縁部を熱封止することにより電池要素を収納する電池要素室が形成された電池用外装体。
上記[1]に記載のラミネート材によれば、複層の着色層のうちの耐食性樹脂層に接する層の着色料含有率を他の層よりも低く設定することにより、耐熱性樹脂層に対する密着性を高めることができる。このため、ラミネート材が高温多湿等のやや苛酷な環境下で使用された時であっても耐熱性樹脂層が剥がれにくくなる。しかも、耐熱性樹脂層と着色料含有率の高い他の層と間に無着色層を介在させないことによって着色層の発色がかすれたりぼやけたりすることがなく安定した発色状態を得ることができる。
上記[2]に記載のラミネート材は、複層の着色層のうちの耐食性樹脂層に接する層を構成する着色組成物において、着色組成物の固形成分中の着色料の含有率が5質量%以下であるから、耐熱性樹脂層に対して高い密着性が得られる。
上記[3]に記載のラミネート材は、複層の着色層のうちの耐食性樹脂層に接する層を除く層を構成する着色組成物において、着色組成物の固形成分中の着色料の含有率が5質量%〜60質量%であるから、金属箔層を隠蔽する効果が十分に得られて金属光沢が視認されることがなく重厚感、高級感を十分に付与できるとともに、色ムラを生じることもない。また、前記層が硬くなったり、脆くなったりすることがなく、接着力を十分に確保できる。
上記[4]に記載のラミネート材は、着色層の各層の着色組成物が共通の樹脂バインダーを含有しているから、層間の密着性が高まり、着色料含有率の高い層がなお一層剥がれにくくなる。
上記[5]に記載のラミネート材は、着色層と金属箔層の間に前記着色層を構成する着色組成物の樹脂バインダーと同種の樹脂成分を含む接着剤層が配置されているから、金属箔層と着色層がなお一層剥がれにくなる。
上記[6]に記載のラミネート材によれば、着色層の各層を構成する着色組成物の規定された樹脂バインダーによって特に高い密着性が得られる。
上記[7]に記載のラミネート材は、マットコート層によって表面に良好な滑り性を持たせることができるため、成形時等に耐熱性樹脂層と着色層間の滑りが起きにくくなり耐熱性樹脂層が着色層から剥離しにくくなる。
上記[8]に記載の電池用外装体によれば、ラミネート材の耐熱性樹脂層が剥離しにくいため、電池が高温多湿等のやや苛酷な環境下で使用された時であっても、耐熱性樹脂層が部分的に割れて剥離することがない。
本発明のラミネート材の一実施形態の断面図である。 試験材の斜視図である。
図1に本発明にかかるラミネート材1の一実施形態を示す。このラミネート材は、リチウムイオン2次電池用外装体(ケース)の材料として用いられるものである。
ラミネート材1は、金属箔層10の一方の面に、金属箔層10側から順に第1接着剤層11、着色層12および耐熱性樹脂層13が積層され、前記金属箔層10の他方の面に、金属箔層10側から順に第2接着剤14および熱融着性樹脂層15が積層一体化されている。前記ラミネート材1は、電池用外装体として使用される場合に、前記耐熱性樹脂層13が外側層となり、前記熱融着性樹脂層15が内側層となる。
前記着色層12は金属箔層10と耐熱性樹脂層13との間に配置される層であり、上記実施形態では、前記第1接着剤層11と前記耐熱性樹脂層13との接合を担うととともに、ラミネート材1の外面側に色(無彩色を含む)を付与する層である。
[着色層]
前記着色層12は、前記耐熱性樹脂層13に接して配置された第1層12aと、金属箔層10側の第2層12bとが積層された2層構造である。各層ともに樹脂バインダーと着色料とを含有する着色組成物で構成されている。前記第1層12aを構成する第1着色組成物中の着色料の含有率(A)は第2層12bを構成する第2着色組成物中の着色料の含有率(B)よりも低く設定されている。このように、第1層12a中の着色料含有率(A)を低く設定することにより耐熱性樹脂層13に対する密着性を高めて第1層12aをプライマーとして機能させ、かつ耐熱性樹脂層13と第2層12bと間に無着色層を介在させないことによって着色層12の発色がかすれたりぼやけたりすることがなく安定した発色状態を得ることができる。
また、前記着色層12の厚さ(硬化膜)は、第1層12aが0.1μm〜3μm、第2層12bが2μm〜5μmに設定されていることが好ましい。
(着色組成物)
上述したように、第1層12aおよび第2層12bは、それぞれ樹脂バインダーと着色料とを含有する着色組成物で構成されている。
前記着色層12の第1層12aを構成する第1着色組成物において、第1着色組成物の固形成分中の着色顔料の含有率(A)は、前記耐熱性樹脂層13に対する密着性を高めるという観点から5質量%以下に設定されていることが好ましい。着色料の多量添加は密着性低下の要因となるが、5質量%以下であれば十分な密着性を確保でき、成形時およびシール時において、また高温多湿等のやや苛酷な環境下で使用された時において、耐熱性樹脂層13が着色層12から剥離することを十分に防止できる。また、着色層12の安定した発色状態を得るという観点からは含有率(A)は0.005質量%以上であることが好ましい。前記第1層12a中の着色料の特に好ましい含有質量の割合(A)は0.01質量%〜1質量%である。
また、前記第1層12aの面積当たりの着色料の好ましい付着量は、第1層12aが0.5g/m〜2g/m、第2層12bが2g/m〜5g/mである。
一方、前記着色層12の第2層12bを構成する第2着色組成物の固形成分中の着色顔料の含有率(B)は第1層12a中の含有率(A)よりも高いことが必須要件であり、5質量%〜60質量%に設定されていることが好ましい。着色料の含有率(B)が5質量%以上であることで金属箔層10を隠蔽する効果が十分に得られて金属光沢が視認されることがなく重厚感、高級感を十分に付与できるとともに、成形した時に該成形部において部分的な色ムラを生じることもない。また、60質量%以下であることで、第2層12bが硬くなったり、脆くなったりすることがなく、接着力を十分に確保できる。前記第2層12bにおける着色料の特に好ましい含有率(B)は15質量%〜50質量%である。
前記第1層12aおよび第2層12bを構成する着色組成物の樹脂バインダーが共通であることが好ましい。共通の樹脂バインダーとは同一または同種の樹脂バインダーであり、このような樹脂バインダーを用いることによって第1層12aと第2層12bの密着性が高まり、着色料含有率の高い第2層12bがなお一層剥がれにくくなる。
また、前記ラミネート材1の作製工程においては、例えば、耐熱性樹脂層13の一方の面に第1着色組成物を塗布して第1層12aの硬化膜を形成し、次いで第2着色組成物を塗布して第2層12bの硬化膜を形成することにより、2層構造の着色層12を形成することができる。
前記着色料としては顔料、染料のどちらでも良いが、発色性および耐候性が優れている点で顔料を推奨できる。顔料としては、カーボンブラック、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、アルミニウム粉を例示できる。また、顔料の平均粒径は0.1μm〜5μmの範囲が好ましく、特に0.5μm〜2.5μmの範囲が好ましい。
前記樹脂バインダーを構成する樹脂成分としては、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ニトロセルロース(硝化綿)、塩酢ビ系樹脂等を例示できる。これらの樹脂の中で特にウレタン系樹脂が好ましく、さらにポリエステルウレタン樹脂がより好ましい。
さらに、前記樹脂バインダーは、主剤としてのポリエステル樹脂と硬化剤としての多官能イソシアネート化合物とによる二液硬化型ポリエステルウレタン樹脂バインダーであり、前記主剤としてのポリエステル樹脂は、数平均分子量(Mn)が8000〜25000であり、質量平均分子量(Mw)が15000〜50000であり、これらの比率(Mw/Mn)が1.3〜2.5であり、前記硬化剤としての多官能イソシアネート化合物の50モル%以上が芳香族系多官能イソシアネート化合物であることが好ましい。
以下に、前記二液硬化型ポリエステルウレタン樹脂バインダーにおける主剤および硬化剤について詳述する。
前記主剤としてのポリエステル樹脂は、ジカルボン酸およびジアルコールを原料とする共重合体であり、好ましい材料および組成は、以下のとおりである。
前記ジカルボン酸としては、脂肪族ジカルボン酸と芳香族ジカルボン酸の両方を用いるのが好ましい。また、脂肪族ジカルボン酸のメチレン鎖のメチレン数の奇偶は、樹脂の結晶性に影響を及ぼす因子であり、偶数のメチレンを有するカルボン酸は、結晶性の高い硬い樹脂を生成するので、偶数のメチレンを有する脂肪族ジカルボン酸を用いるのが好ましい。メチレン数が偶数の脂肪族ジカルボン酸として、コハク酸(メチレン数2)、アジピン酸(メチレン数4)、スベリン酸(メチレン数6)、セバシン酸(メチレン数8)等を例示できる。前記芳香族ジカルボン酸として、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、無水フタル酸等を例示できる。
また、脂肪族ジカルボン酸と芳香族ジカルボン酸の合計量に対する芳香族ジカルボン酸の含有率を40モル%〜80モル%の範囲とすることにより、換言すると、脂肪族ジカルボン酸の含有率を20モル%〜60モル%の範囲にとどめることにより、接着強度が高くかつ成形性の良い樹脂を生成し、成形性が良く側壁の高いケースへの成形が可能であり、かつ耐熱性樹脂層13の着色層12からの剥離を十分に防止しうるラミネート材となし得る。芳香族ジカルボン酸の含有率が40モル%未満では、膜物性が低下して凝集剥離が発生しやすくなって、耐熱性樹脂層13の着色層12からの剥離が発生し易くなるので、好ましくない。一方、芳香族ジカルボン酸の含有率が80モル%を超えると、樹脂が硬くなって密着性能が低下する傾向があるので、好ましくない。中でも、脂肪族ジカルボン酸と芳香族ジカルボン酸の合計量に対する芳香族ジカルボン酸の含有率を50モル%〜70モル%の範囲とするのが特に好ましい。
前記ジアルコールとしては、特に限定されるものではないが、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、オクタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール等を例示できる。
前記ポリエステル樹脂(主剤)の分子量は、数平均分子量(Mn)を8000〜25000、重量平均分子量(Mw)を15000〜50000の範囲にそれぞれ規定し、さらにこれらの比率(Mw/Mn)を1.3〜2.5とする。数平均分子量(Mn)が8000以上であり、重量平均分子量(Mw)が15000以上であることで、適性な塗膜強度と耐熱性が得られ、数平均分子量(Mn)が25000以下であり、重量平均分子量(Mw)が50000以下であることで、硬くなり過ぎずに適性な塗膜伸びが得られる。また、これらの比率(Mw/Mn)が1.3〜2.5であることで、適性な分子量分布となり接着剤塗布適性(分布が広い)と性能(分布が狭い)のバランスを保つことができる。前記ポリエステル樹脂の特に好ましい数平均分子量(Mn)は10000〜23000であり、特に好ましい重量平均分子量(Mw)は20000〜40000であり、特に好ましい(Mw/Mn)は1.5〜2.3である。
前記ポリエステル樹脂(主剤)の分子量は、多官能性のイソシアネートで鎖伸長することで調整することができる。即ち、主剤中のポリエステル成分をNCOで連結すると末端が水酸基のポリマーが生成され、イソシアネート基とポリエステルの水酸基との当量比の調整によりポリエステル樹脂(主剤)の分子量を調整することができる。本発明においては、これらの当量比(OH/NCO)が1.01〜10となるように連結したものを用いることが好ましい。また、他の分子量調整方法として、ジカルボン酸とジアルコールの共重合反応の反応条件(ジカルボン酸とジアルコールの配合モル比)の調整を挙げることができる。
前記主剤の添加剤(着色インキ組成物の添加剤)として、エポキシ系樹脂やアクリル系樹脂を添加しても良い。
なお、前記ポリエステル樹脂(主剤)として、好適な構成として挙げた限定構成のいずれか1つ以上を採用した場合には、着色層としてより十分な密着力を確保することができる利点がある。前記ポリエステル樹脂(主剤)の好適な構成は、このような効果が得られる点において、特に技術的に重要である。
前記硬化剤としての多官能イソシアネート化合物は、芳香族系、脂肪族系、脂環族系の各種多官能イソシアネート化合物を使用できる。具体例としては、例えば、脂肪族系のヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、芳香族系のトリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)等のジイソシアネートの1種類又は2種類以上をベースにして変性した多官能イソシアネート変性体が挙げられる。変性手段として、水、グリセリン、トリメチロールプロパン等の多官能活性水素化合物とのアダクト体の他に、イソシアヌレート化、カルボジイミド化、ポリメリック化等の多量化反応による多官能イソシアネート変性体が挙げられ、これらの1種または2種以上を混合して用いることもできる。
前記硬化剤としての多官能イソシアネート化合物としては、その50モル%以上(50モル%以上100モル%以下)を芳香族系多官能イソシアネート化合物で構成する。即ち、多官能イソシアネート化合物の全量100モル%に対して50モル%以上を芳香族系多官能イソシアネート化合物で構成する。50モル%以上を芳香族系多官能イソシアネート化合物で構成することによって、硬化後の接着強度を増大させることができるので、より深い成形を行った場合であっても、成形時やシール時において、さらに高温多湿等のやや苛酷な環境下で使用された時において、耐熱性樹脂層13が着色層12から剥離することを十分に防止できる。中でも、前記硬化剤としての多官能イソシアネート化合物としては、その70モル%以上を芳香族系多官能イソシアネート化合物で構成するのが好ましく、さらにその80モル%以上を芳香族系多官能イソシアネート化合物で構成するのが特に好ましい。
なお、前記多官能イソシアネート化合物(硬化剤)として、好適な構成として挙げた限定構成のいずれか1つ以上を採用した場合には、着色層としてより十分な密着力を確保することができる利点がある。前記多官能イソシアネート化合物(硬化剤)の好適な構成は、このような効果が得られる点において、特に技術的に重要である。
前記二液硬化型ポリエステルウレタン樹脂バインダーにおいて、主剤と硬化剤との配合割合はポリオール水酸基(OH)1モルに対してイソシアネート官能基(NCO)2〜25モルの割合で配合されていることが好ましい。これらのモル比(NCO)/(OH)が2未満でイソシアネート官能基(NCO)が少なくなると、十分な硬化反応が行われずに適性な塗膜強度および耐熱性が得られなくなるおそれがある。一方、(NCO)/(OH)が25を超えてイソシアネート官能基(NCO)が多くなると、ポリオール以外の官能基との反応が進み過ぎて塗膜が硬くなりすぎて適性な伸びが得られなくなるおそれがある。特に好ましいポリオール水酸基とイソシアネート官能基のモル比(NCO)/(OH)は5〜20である。
前記二液硬化型ポリエステルウレタン樹脂を含む接着剤は、ポリエステル樹脂の原料であるジカルボン酸およびジアルコールを縮重合し、要すればさらに多官能性であるイソシアネートで鎖伸長し、溶媒及びウレタン化反応触媒、接着力向上の為のカップリング剤やエポキシ樹脂、消泡剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の各種添加剤を混合して流動状のポリエステル樹脂液とし、これに硬化剤である多官能イソシアネート化合物あるいはさらに溶媒を配合して低粘度流動状物として調製することができる。
前記二液硬化型ポリエステルウレタン樹脂バインダーを用いた着色組成物における固形成分は、二液硬化型ポリエステルウレタン樹脂バインダーの主剤であるポリエステル樹脂と着色料である。従って、着色料の含有量はポリエステル樹脂と着色料の合計量に対する着色料の含有率として設定される。
[着色層以外の層の材料]
(耐熱性樹脂層)
耐熱性樹脂層13は、ケースとして用いたときの外側層(基材層)であり、該耐熱性樹脂層13を構成する耐熱性樹脂としては、ヒートシールする際のヒートシール温度で溶融しない耐熱性樹脂を用いる。前記耐熱性樹脂としては、熱融着性樹脂層15を構成する熱融着性樹脂の融点より10℃以上高い融点を有する耐熱性樹脂を用いるのが好ましく、熱融着性樹脂の融点より20℃以上高い融点を有する耐熱性樹脂を用いるのが特に好ましい。例えば、ポリアミドフィルム、ポリエステルフィルム等が挙げられ、これらの延伸フィルムが好ましく用いられる。中でも、前記耐熱性樹脂層13としては、成形性および強度の点で、二軸延伸ポリアミドフィルム、二軸延伸ポリブチレンテレフタレート(PBT)フィルム、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムまたは二軸延伸ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムを用いるのが特に好ましい。前記ポリアミドフィルムとしては、特に限定されるものではないが、例えば、6ナイロンフィルム、6,6ナイロンフィルム、MXDナイロンフィルム等が挙げられる。なお、前記耐熱性樹脂層2は、単層で形成されていても良いし、或いは、例えばPETフィルム/ポリアミドフィルムからなる複層で形成されていても良い。
前記耐熱性樹脂層13の厚さは、9μm〜50μmであるのが好ましい。ポリエステルフィルムを用いる場合には厚さは9μm〜50μmであるのが好ましく、ポリアミドフィルムを用いる場合には厚さは10μm〜50μmであるのが好ましい。上記好適下限値以上に設定することで包装材として十分な強度を確保できるとともに、上記好適上限値以下に設定することで張り出し成形時や絞り成形時の応力を小さくできて成形性を向上させることができる。
また、前記耐熱性樹脂層13は着色層12が透けて見える点で透明樹脂であることが好ましい。
(熱融着性樹脂層)
前記熱融着性樹脂層(内側層)15は、リチウムイオン二次電池等で用いられる腐食性の強い電解液などに対しても優れた耐薬品性を具備させるとともに、ラミネート材にヒートシール性を付与する役割を担うものである。
前記熱融着性樹脂層15としては、特に限定されるものではないが、熱可塑性樹脂未延伸フィルム層であるのが好ましい。前記熱可塑性樹脂未延伸フィルム層は、特に限定されるものではないが、耐薬品性およびヒートシール性の点で、ポリエチレン、ポリプロピレン、オレフィン系共重合体、これらの酸変性物およびアイオノマーからなる群より選ばれた少なくとも1種の熱可塑性樹脂からなる未延伸フィルムにより構成されるのが好ましい。
前記熱融着性樹脂層15の厚さは、20μm〜80μmに設定されるのが好ましい。20μm以上とすることでピンホールの発生を十分に防止できるとともに、80μm以下に設定することで樹脂使用量を低減できてコスト低減を図り得る。中でも、前記熱融着性樹脂層15の厚さは30μm〜50μmに設定されるのが特に好ましい。なお、前記熱融着性樹脂層15は、単層であってもよいし、複層であってもよい。複層構成の熱融着性樹脂層15として、ブロックポリプロピレンフィルムの両面にランダムポリプロピレンフィルムを積層した三層フィルム等を例示できる。
(金属箔層)
前記金属箔層10は、ラミネート材1に酸素や水分の侵入を阻止するガスバリア性を付与する役割を担うものである。前記金属箔層10としては、特に限定されるものではないが、例えば、アルミニウム箔、銅箔、ステンレス箔等が挙げられ、アルミニウム箔が一般的に用いられる。前記金属箔層10の厚さは、20μm〜100μmであるのが好ましい。20μm以上であることで金属箔を製造する際の圧延時のピンホール発生を防止できるとともに、100μm以下であることで張り出し成形時や絞り成形時の応力を小さくできて成形性を向上させることができる。
前記金属箔層10は、少なくとも内側の面(第2接着剤層14側の面)に、化成処理が施されているのが好ましい。このような化成処理が施されていることによって内容物(電池の電解液、食品、医薬品等)による金属箔表面の腐食を十分に防止できる。例えば次のような処理をすることによって金属箔に化成処理を施す。即ち、例えば、脱脂処理を行った金属箔の表面に、
1)リン酸と、クロム酸と、フッ化物の金属塩及びフッ化物の非金属塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、を含む混合物の水溶液
2)リン酸と、アクリル系樹脂、キトサン誘導体樹脂及びフェノール系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂と、クロム酸及びクロム(III)塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、を含む混合物の水溶液
3)リン酸と、アクリル系樹脂、キトサン誘導体樹脂及びフェノール系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂と、クロム酸及びクロム(III)塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、フッ化物の金属塩及びフッ化物の非金属塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、を含む混合物の水溶液
のいずれかを塗工した後、乾燥することにより化成処理を施す。
(第1接着剤層)
前記第1接着剤層11は前記金属箔層10と耐熱性樹脂層13との接合を担う層であり、前記ラミネート材1の作製工程においては金属箔層10と着色層12を積層した耐熱性樹脂層13との接合を担う層となる。前記第1接着剤層11としては、特に限定されるものではないが、例えば、二液硬化型接着剤により形成された接着剤層等が挙げられる。前記二液硬化型接着剤としては、例えば、ポリウレタン系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール及びポリエステルウレタン系ポリオールからなる群より選ばれるポリオールの1種または2種以上からなる第1液と、イソシアネートからなる第二液(硬化剤)とで構成される二液硬化型接着剤などが挙げられる。中でも、ポリエステル系ポリオール及びポリエステルウレタン系ポリオールからなる群より選ばれるポリオールの1種または2種以上からなる第1液と、イソシアネートからなる第二液(硬化剤)とで構成される二液硬化型接着剤を用いるのが好ましい。前記第1接着剤層11は、例えば、前記二液硬化型接着剤等の接着剤が、前記金属箔層10の上面および/または前記耐熱性樹脂層13の下面(例えば着色層12の下面)に、グラビアコート法等の手法により塗布されることによって形成される。
前記金属箔層10と前記耐熱性樹脂層13(着色層12を積層した耐熱性樹脂層)との貼り合わせ方法は、特に限定されないが、ドライラミネートと呼ばれる方法を推奨できる。具体的には、金属箔層10の上面または耐熱性樹脂層13の下面(上記実施形態では着色層12の下面)、あるいはこれらの両方の面に、調製した第1接着剤を塗布し、溶媒を蒸発させて乾燥皮膜とした後に、金属箔層10と耐熱性樹脂層13とを貼り合わせる。その後、第1接着剤の硬化条件に従って硬化させる。これにより、金属箔層10と着色層12を積層した耐熱性樹脂層13とが第1接着剤層11を介して接合される。なお、第1接着剤の塗布手法としては、グラビアコート法、リバースロールコート法、リップロールコート法等を例示できる。
(第2接着剤層)
前記第2接着剤層14としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリオレフィン系接着剤、エラストマー系接着剤、フッ素系接着剤、酸変性ポリプロピレン接着剤等により形成された接着剤層が挙げられる。中でも、アクリル系接着剤、ポリオレフィン系接着剤を用いるのが好ましく、この場合には、ラミネート材1の耐電解液性及び水蒸気バリア性を向上させることができる。
前記金属箔層10と前記熱可塑性樹脂層15との貼り合わせ方法は、特に限定されないが、上述した金属箔層10と耐熱性樹脂層13との貼り合わせと同様に、第2接着剤を塗布して乾燥させた後に、金属箔層10と熱融着性樹脂層15とを貼り合わせるドライラミネート法を例示できる。
[ラミネート材の他の形態]
本発明のラミネート1は、図1に示した積層構造に特に限定されるものではなく、さらに層を追加して包装材として機能を向上させることもできる。例えば、前記耐熱性樹脂層13の外面(着色層12とは反対側の面)にマットコート層を形成したラミネート材を例示できる。
前記マットコート層は、ラミネート材1の表面に良好な滑り性を付与して成形性を向上させるために設けられる表面層である。かかるマットコート層を設けることにより、成形時等に耐熱性樹脂層と着色層間の滑りが起きにくくなり耐熱性樹脂層が着色から剥離しにくくなる。
前記マットコート層は、耐熱性樹脂成分中に無機微粒子が分散含有された樹脂組成物からなる層である。中でも、前記マットコート層は、二液硬化型の耐熱性樹脂に、平均粒径が0.1μm〜10μmの無機微粒子が0.1質量%〜1質量%含有された樹脂組成物からなる構成であるのが好ましい。前記耐熱性樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、フェノキシ系樹脂等が挙げられるが、耐熱性、耐薬品性に優れる点で、テトラフルオロエチレン又はフルオロエチレンビニルエーテルをベースにしたフッ素系樹脂を用いるのが好ましい。前記無機微粒子としては、特に限定されるものではないが、例えば、シリカ、アルミナ、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、ケイ酸カルシウム等が挙げられ、中でもシリカを用いるのが好ましい。
前記マットコート層の形成は、上述した無機微粒子と耐熱性樹脂とを含むマットコート組成物を、前記耐熱性樹脂層13の表面に塗布して硬化させることにより行うことができる。
前記マットコート層の厚さ(硬化後の厚さ)は、0.5μm〜5μmであるのが好ましい。前記好適下限値以上であることで滑り性向上効果が十分に得られると共に、前記好適上限値以下であることでコストを抑制できる。中でも、前記マットコート層の厚さ(硬化後の厚さ)は、1μm〜3μmであるのが特に好ましい。
前記マットコート層の表面のグロス値は、JIS Z8741に基づく60°反射角測定値で1%〜15%に設定されるのが好ましい。前記グロス値は、BYK社製のグロス測定器「micro−TRI−gloss−s」により60°反射角で測定して得られた値である。
なお、前記マットコート層を形成する工程の実施時期(実施順序)は、特に限定されないが、金属箔層10に着色層12を積層した耐熱性樹脂層13を貼り合わせる工程に続けて行うのが好ましい。
また、上記実施形態では、第1接着剤層11と第2接着剤層14を設けた構成を採用しているが、これら両層11、14は、いずれも必須の構成層ではなく、これらを設けない構成を採用することもできる。ただし、これらの接着剤層11、14を設けることにより金属箔層10との密着性を高めることができる。特に、第1接着剤層11に着色層12の第2層12bの樹脂バインダーと同種の樹脂成分を含む接着剤を用いることが好ましく、第2層12bをなお一層剥がれくにくすることができる。
また、前記耐熱性樹脂層13と着色層12との間に、着色料を含まない易接着層を介在させてもよい。
本発明のラミネート材1は、各層の貼り合わせ方法等を含めて上記例示した製造方法で製造されるものに限定されるものではなく、他の製造方法で製造されたものも本発明に含まれる。
本発明のラミネート材は、所要寸法に裁断し、あるいは要すれば成形(深絞り成形、張り出し成形等)することにより、電池用外装体等の成形ケースを得ることができる。電池用外装体は、ラミネート材が熱融着性樹脂層同士を内側に向けて合わされ、縁部を熱封止することにより電池要素を収納する電池要素室が形成されたものである。本発明のラミネート材は耐熱性樹脂層が剥離しにくいため、このラミネート材を電池用外装体として用いた電池が高温多湿等のやや苛酷な環境下で使用された時であっても、耐熱性樹脂層が部分的に割れて剥離することがない。
また、本発明のラミネート材は、リチウムイオン二次電池ケース用包材として好適に用いられるが、特にこのような用途に限定されるものではない。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。なお、本発明はこれら実施例のものに特に限定されるものではない。
[ラミネート材の作製]
以下の実施例1〜11および比較例2において、図1に示した積層構造のラミネート材1を作製した。これらは2層構造の着色層12を有している。また、比較例1として、単層の着色層を有するラミネート材(図示なし)を作製した。これらは着色層の構造および組成のみが異なり、その他の材料は共通である。共通材料は以下のとおりである。
(共通材料)
金属箔層10は厚さ35μmのJIS H4160のA8079−Oからなるアルミニウム箔であり、このアルミニウム箔の両面に、ポリアクリル酸、三価クロム化合物、水、アルコールからなる化成処理液を塗布し、150℃で乾燥を行って化成皮膜を形成した。この化成皮膜によるクロム付着量は片面につき50mg/mである。
外側層である耐熱樹脂層13は厚さ15μmの二軸延伸ナイロンフィルムであり、内側層である熱融着性樹脂層15は厚さ30μmの未延伸ポリプロピレンフィルムである。また、第1接着剤層11として二液硬化型ポリエステルウレタン樹脂接着剤を使用し、第2接着剤層146にはポリアクリル接着剤を使用した。
着色料として、平均粒径が0.2μmのカーボンブラックを使用した。
(実施例1〜3、8〜11、比較例2)
着色層12の第1層12aを構成する第1着色組成物および第2層12aを構成する第2着色組成物は、二液硬化型ポリエステルウレタン樹脂バインダーに着色料を分散させた組成物である。各例において第1着色組成物および第2着色組成物の樹脂バインダーは共通であり、着色料の含有率のみが異なる。
まず、樹脂バインダーの主剤であるポリエステル樹脂(ポリエステルポリオール)を作製する。ネオペンチルグリコール30モル部、エチレングリコール30モル部、1,6−ヘキサンジオール40モル部を80℃で溶融し、攪拌しながら、脂肪族ジカルボン酸であるアジピン酸30モル部と芳香族ジカルボン酸であるイソフタル酸70モル部とからなるジカルボン酸混合物を210℃で20時間縮重合反応させて、主剤としてのポリエステルポリオール(ポリエステル樹脂)を得た。このポリエステルポリオールは、数平均分子量(Mn)が12000、重量平均分子量(Mw)が20500、これらの比率(Mw/Mn)が1.71である。更に、前記得られたポリエステルポリオール40質量部に、酢酸エチル60質量部を加えて、流動状のポリエステルポリオール樹脂溶液を得た。このポリエステルポリオール樹脂溶液においてポリエステルポリオールの水酸基価は2.2mgKOH/g(溶液値)であった。
次に、上記ポリエステルポリオール樹脂溶液100質量部(ポリエステルポリオールが40質量部)、酢酸エチル64.4質量部を混合した後、顔料分散機を使用して表1に示す着色料含有率となる量の着色料を分散させることによって、第1層用主剤組成物および第2層用主剤組成物を得た。
前記第1層用主剤組成物100質量部に対して、硬化剤として、トリレンジイソシアネート(TDI)とトリメチロールプロパンとのアダクト体(NCO%:13.0%、固形分75質量%;芳香族系多官能イソシアネート化合物)を7.1質量部配合し、さらに酢酸エチル34.1質量部を配合して撹拌することによって、第1着色組成物を得た。同様にして、前記第2層用主剤組成物と前記硬化剤を配合攪拌することによって第2着色組成物を得た。前記第1着色組成物および第2着色組成物において、イソシアネート官能基(NCO)とポリエステルポリオール水酸基(OH)のモル比(NCO/OH)は10である。
次に、耐熱性樹脂層13の一方の面に前記第1着色組成物を塗布して乾燥させることにより着色層12の第1層12aを形成した。次いで、前記第1層12aに第2着色組成物を塗布して乾燥させることにより着色層12の第2層12bを形成した。これにより、耐熱性樹脂層13の一方の面に2層構造の着色層12を形成した。前記第1層12aおよび第2層の乾燥後の皮膜厚さおよび着色料の付着量は表1に示すとおりである。
次に、前記両面に化成皮膜を形成した金属箔層10の一方の面に接着剤を塗布して乾燥させて第1接着剤層11を形成し、該第1接着剤層11の表面に前記耐熱性樹脂層13の着色層12側を貼り合わせるととともに、金属箔層10の他方の面に接着剤を塗布して乾燥させて第2接着剤層14とし、第2接着剤層14の表面に熱融着性樹脂層15を貼り合わせた。この積層体を40℃環境下で5日間放置することよって、図1に示す構成のラミネート材1を得た。
(実施例4)
着色層12の第1層12aの樹脂バインダーとしてアクリルウレタンを用いて第1着色組成物を調製したことを除いて実施例1と同じ材料および同じ手法でラミネート材1を作製した。
前記アクリルウレタンの数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、これらの比率(Mw/Mn)、前記第1着色組成物における着色料の含有率、第1層12aおよび第2層12bの乾燥後の皮膜厚さおよび着色料の付着量は表1に示すとおりである。
(実施例5)
着色層12の第1層12aの樹脂バインダーとしてポリウレタンを用いて第1着色組成物を調製したことを除いて実施例1と同じ材料および同じ手法でラミネート材1を作製した。
前記ポリウレタンの数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、これらの比率(Mw/Mn)、前記第1着色組成物における着色料の含有率、第1層12aおよび第2層12bの乾燥後の皮膜厚さおよび着色料の付着量は表1に示すとおりである。
(実施例6)
上記の実施例1と同じ出発材料を用いて、ジカルボン酸全量に対するジオール成分全量の配合モル比や反応条件を実施例1より変更することにより、数平均分子量(Mn)が8900、重量平均分子量(Mw)が13000、これらの比率(Mw/Mn)が1.46であるポリエステルポリオールを得た。
次いで、実施例1と同様の手法で第1着色組成物および第2着色組成物を調製し、耐熱性樹脂層13の一方の面に2層構造の着色層12を形成し、他の材料ととも図1に示す構成のラミネート材を得た。前記第1着色組成物および第2着色組成物において、イソシアネート官能基(NCO)とポリエステルポリオール水酸基(OH)のモル比(NCO/OH)は10である。また、前記第1着色組成物および第2着色組成物における着色料の含有率、第1層12aおよび第2層12bの乾燥後の皮膜厚さおよび着色料の付着量は表1に示すとおりである。
(実施例7)
上記の実施例1と同じ出発材料を用いて、ジカルボン酸全量に対するジオール成分全量の配合モル比や反応条件を実施例1より変更することにより、数平均分子量(Mn)が2100、重量平均分子量(Mw)が43000、これらの比率(Mw/Mn)が2.05であるポリエステルポリオールを得た。
次いで、実施例1と同様の手法で第1着色組成物および第2着色組成物を調製し、耐熱性樹脂層13の一方の面に2層構造の着色層12を形成し、他の材料ととも図1に示す構成のラミネート材を得た。前記第1着色組成物および第2着色組成物において、イソシアネート官能基(NCO)とポリエステルポリオール水酸基(OH)のモル比(NCO/OH)は10である。また、前記第1着色組成物および第2着色組成物における着色料の含有率、第1層12aおよび第2層12bの乾燥後の皮膜厚さおよび着色料の付着量は表1に示すとおりである。
(比較例1)
着色層を、実施例1の第2層12bと同じ組成および厚さの単層にしたことを除いて実施例1と同じ手法でラミネート材を作製した。
Figure 2021172037
上記のようにして得られた各ラミネート材について下記評価法に基づいて評価を行った。これらの結果を表2に示す。
(着色)
分光測色計(KONICA MINOLTA製CM2500C)で、ラミネート材の耐熱性樹脂層の面のL値を測色した。測定したL値が50未満を〇(着色良好)、50以上を×(着色不良)と判定した。
(剥離の有無)
各各ラミネート材に対し、パンチとダイス等を用いて、内側の熱融着性樹脂層15をパンチと接触させる態様で、縦33mm×横54mm×深さ4.0mmの凸部31を形成する深絞り成形を行い、凸部31の周囲にフラットなフランジを有する形状の試験材30を作製した(図2参照)。
前記試験材30の凸部31の天面32を潰し、潰した試験材30に対して高温高湿試験および温水水没試験を行い、耐熱性樹脂層13の剥離の有無を調べた。
高温高湿試験では、潰した試験材30を温度70℃、湿度90%の雰囲気中に2週間保持した。そして、耐熱性樹脂層が剥離しなかったものを〇、剥離したものを×と判定した。
温水水没試験では、潰した試験材30を45℃の温水中に水没させて2週間保持した。そして、耐熱性樹脂層が剥離しなかったものを〇、極微小は剥離が発生したものを〇、剥離したものを×と判定した。
Figure 2021172037
表1、2より、着色層を2層構造とし、耐熱性樹脂層に接する第1層の着色料含有率を第2層より低く設定することにより、安定した発色状態を得つつ耐熱性樹脂層の剥離を抑制できることを確認した。
本発明にかかるラミネート材は、ノートパソコン用、携帯電話用、車載用、定置型のリチウムイオンポリマー二次電池等の電池のケースとして好適に用いられ、これ以外にも、食品の包装材、医薬品の包装材として好適であるが、特にこれらの用途に限定されるものではない。中でも、電池ケース用として特に好適である。
1…ラミネート材
10…金属箔層
11…第1接着剤層
12…着色層
12a…第1層
12b…第2層
13…耐熱性樹脂層
14…第2接着剤層
15…熱融着性樹脂層

Claims (8)

  1. 外側層としての耐熱性樹脂層と、内側層としての熱融着性樹脂層と、これら両層間に配設された金属箔層と、該金属箔層と前記耐熱性樹脂層との間に配設された着色層とを含むラミネート材であって、
    前記着色層は、樹脂バインダーと着色料を含む着色組成物からなり、着色料の含有率の異なる2層以上が積層された複層であり、前記耐熱性樹脂層に接する層における着色料の含有率が他の層における含有率よりも低い、
    ことを特徴とするラミネート材。
  2. 前記着色層の前記耐熱性樹脂層に接する層を構成する着色組成物において、着色組成物の固形成分中の着色料の含有率が5質量%以下である請求項1に記載のラミネート材。
  3. 前記着色層の前記耐熱性樹脂層に接する層を除く層を構成する着色組成物において、着色組成物の固形成分中の着色料の含有率が5質量%〜60質量%である請求項1または2記載のラミネート材。
  4. 前記着色層の各層の着色組成物は共通の樹脂バインダーを含有する請求項1〜3のいずれかに記載のラミネート材。
  5. 前記着色層と金属箔層の間に、前記着色層を構成する着色組成物の樹脂バインダーと同種の樹脂成分を含む接着剤層が配置されている請求項1〜4のいずれかに記載のラミネート材。
  6. 前記着色組成物において、
    前記樹脂バインダーが、主剤としてのポリエステル樹脂と硬化剤としての多官能イソシアネート化合物とによる二液硬化型ポリエステルウレタン樹脂バインダーであり、
    前記主剤としてのポリエステル樹脂は、数平均分子量(Mn)が8000〜25000であり、質量平均分子量(Mw)が15000〜50000であり、これらの比率(Mw/Mn)が1.3〜2.5であり、
    前記硬化剤としての多官能イソシアネート化合物の50モル%以上が芳香族系多官能イソシアネート化合物である請求項1〜5のいずれかに記載のラミネート材。
  7. 前記耐熱性樹脂層の外側に、樹脂成分とフィラー成分を含む保護層が積層されている請求項1〜6のいずれかに記載のラミネート材。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載されたラミネート材が熱融着性樹脂層同士を内側に向けて合わされ、縁部を熱封止することにより電池要素を収納する電池要素室が形成された電池用外装体。
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