JP2021171437A - ドラム式洗濯機 - Google Patents

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卓也 立山
Takuya Tateyama
康博 松井
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Abstract

【課題】運転時間の増加を抑制したドラム式洗濯機を提供する。【解決手段】本発明のドラム式洗濯機は、筐体1と、筐体内に支持され、内部に洗濯水を貯溜可能な外槽11と、外槽内に、回転軸が水平または奥側が下になるように傾斜し、回転自在に支持されるドラム21と、ドラムの背面に対して略平行に、外槽の背面に設けられ、ドラムを加熱する加熱部50と、を備えるようにした。さらに、ドラムを回転駆動するモーター22と、モーターを制御して、ドラムによる脱水動作を制御するとともに、脱水動作中に、ドラム内の洗濯物のアンバランスを検出する脱水制御部82と、を備え、脱水制御部は、アンバランスを検出して脱水動作をリトライする際に、加熱部により、ドラムの背面を加熱するようにした。【選択図】 図2

Description

本発明は、ドラム式洗濯機に関する。
ドラム式洗濯乾燥機は、筐体が水を溜める外槽を内包し、外槽が衣類を投入するドラムを内包して構成され、洗い工程とすすぎ工程と脱水工程と乾燥工程の各工程を行って、衣類の洗濯・乾燥を行う。
ドラム式洗濯乾燥機では、水や衣類を加熱することで洗浄や乾燥の性能が向上することが知られている。例えば、特許文献1には、洗濯槽(外槽)本体の外壁面の近傍に、同一平面上に螺旋状に巻線された、一層からなる電磁誘導コイル(加熱部)が対向して設けられた洗濯機が開示されている。
詳しくは、特許文献1の洗濯機では、電磁誘導コイルが配電され、洗濯槽が支持体回転軸および洗濯槽回転軸を中心に回転することで、洗濯槽本体は、全体的に均一に加温されるので、乾燥動作のときには、洗濯物を均一に乾燥しやすくなり、洗濯動作およびすすぎ動作のときには、洗濯槽本体の内側の水および洗濯物を効率よく加温して、洗濯物の洗浄効果を向上させることができる。
特開2009−050684号公報
ところで、近年の共働き世帯の増加により、運転時間の短縮や、洗濯機が表示している洗濯所要時間のとおりに運転が終了する洗濯機が求められている。
表示している洗濯所要時間で運転が終了しない、すなわち、運転時間の増加は、脱水工程の脱水やり直しによる脱水時間の増加と、乾燥工程の乾き不足による乾燥時間の増加が原因となっていることがある。
特許文献1の洗濯機によれば、洗濯槽が加温されるので、乾燥工程の乾き不足による乾燥時間の増加が低減されるが、脱水工程の脱水やり直しによる脱水時間の増加については、考慮されていない問題がある。
本発明の目的は、運転時間の増加を抑制したドラム式洗濯機を提供することにある。
前記課題を解決するため、本発明のドラム式洗濯機は、筐体と、前記筐体内に支持され、内部に洗濯水を貯溜可能な外槽と、前記外槽内に、回転軸が水平または奥側が下になるように傾斜し、回転自在に支持されるドラムと、前記ドラムの背面に対して略平行に、前記外槽の背面に設けられ、前記ドラムを加熱する加熱部と、を備えるようにした。
本発明によれば、運転時間の増加を抑制したドラム式洗濯機を提供することができる。
実施形態のドラム式洗濯機の外観斜視図である。 ドラム式洗濯機の内部構造を示す側面図である。 ドラム式洗濯機の制御装置の構成図である。 脱水工程におけるドラムの回転数と、加熱部を制御する加熱制御部の制御状態を示すタイムチャートである。 低速回転数域における処理を詳細に示すタイムチャートである。 脱水制御部の処理フロー図である。 乾燥制御部の処理フロー図である。 加熱部の他の構成を説明する図である 他の加熱部における小容量衣類時の制御状態を説明する図である。 他の加熱部における中容量衣類時の制御状態を説明する図である。 他の加熱部における大容量衣類時の制御状態を説明する図である。
まず、実施形態のドラム式洗濯機100(図1、図2参照)の概要について説明する。
一般に、脱水工程では、衣類のアンバランスによる振動や騒音を抑止するために、ほぐし動作やリトライが発生して、運転時間が増加することがある。特に、小容量衣類時には、アンバランス状態が生じやすい。
このため、実施形態のドラム式洗濯機100では、ドラム21の背面に対して略平行に、外槽11の背面に設けられ、ドラム21を加熱する加熱部50を設けている。そして、脱水工程で、加熱部50によりドラム21を加熱して、衣類を温度上昇する。これにより、衣類に含まれる水の表面張力を低下させて、脱水しやすくする。特に、少量容量衣類における脱水工程の初期のアンバランス状態を解消しやすくする。
以下、実施形態のドラム式洗濯機100について、図面を参照して説明する。なお、上下方向、左右方向、前後方向については図1に示す方向とする。
図1は、実施形態のドラム式洗濯機100の外観斜視図、図2はドラム式洗濯機100の内部構造を示す側面図を、それぞれ示している。図1と図2を用いて、ドラム式洗濯機100の構成と動作を説明する。
図1に示すドラム式洗濯機100の外郭を構成する筐体1は、ベース1aの上に取付けられており、左右の側板1b(図1では右の側板のみを図示)、前面カバー1c、背面カバー1d(図2参照)、上面カバー1e、下部前面カバー1fで構成されている。筐体1は、ベース1aを含めて箱状の外枠を形成し、外枠として十分な強度を有している。
ベース1aには、排水を行うための排水ホース14が取り付けられている。
上面カバー1eには、水道栓からのドラム式洗濯機100に給水するための給水ホース接続口30を設けている。
ドア2は、前面カバー1cの略中央に設けた衣類を出し入れするための投入口(図示せず)を塞ぐためのものであり、前面カバー1cに設けたヒンジによって開閉可能に支持されている。また、ドア2は、ドア開放取手2aを引くことでロック機構(図示せず)が外れて開き、ドア2を前面カバー1cに押し付けることでロックされて閉じる。前面カバー1cは、後記する外槽11(図2参照)の開口部と略同心に、衣類を出し入れするための円形の開口部を有している。
筐体1の上部には、操作・表示パネル3が設けられている。この操作・表示パネル3は、電源スイッチ4、操作スイッチ5、表示器6を備える。また、操作・表示パネル3は、筐体1の上部に設けた補強部材13(図2参照)に備えられている制御装置7(図2参照)と電気的に接続されている。
制御装置7(図2、図3参照)は、ドラム式洗濯機100を統括的に制御するものであり、例えばマイコン(Microcomputer)と周辺回路とが基板に実装されることで構成される。マイコンは、ROM(Read Only Memory)に記憶された制御プログラムを読み出してRAM(Random Access Memory)に展開し、CPU(Central Processing Unit)が実行することで各種処理が実行される。
図2は、実施形態のドラム式洗濯機100の内部構造を右側面から見た断面図である。
図2に示すように、外槽11は、水を溜めるものであり、筐体1の内部に設けられている。また、外槽11は、衣類を収納するためのドラム21を内包する。また、外槽11の後方には、ドラム21を回転させるためのモーター22を備える。
モーター22は、回転軸となるシャフト22aが外槽11を貫通し、ドラム21と結合している。モーター22が駆動すると、ドラム21は、正転(ドラム式洗濯機100を正面から見て時計回り)、逆転(ドラム式洗濯機100を正面から見て反時計回り)の両方向に回転駆動される。図2に示すドラム21の回転軸Azは、ドラム式洗濯機100の前方から後方に向けて下るように傾斜している(図2は奥側が下になるように傾斜している)。なお、ドラム21の回転軸Azは、水平に構成されていてもよい。
また、外槽11の下部は、筐体1に固定された左右一対のサスペンション26(コイルばねとダンパで構成)で防振支持されている。外槽11の上部は、外槽11の姿勢を保持するために、懸架手段8と懸架手段9の二組の懸架手段(コイルばねで構成)が接続されている。
ドラム21の内周面には、ドラム21内の洗濯水(すすぎ水)を外槽11に排水するための複数個の脱水孔21bが形成されている。またドラム21の内周面には、ドラム21の周方向に間隔をおいて、ドラム21内に投入された衣類を持ち上げるための複数個(図2では1個のみを図示)のバッフル23が設けられている。このバッフル23は、ドラム21の前後方向に延在している。ドラム21の前端には、円筒状の流体バランサ21cが設けられている。
外槽11は、前方を開口として、後方を閉じた有底の略円筒を形成している。この外槽11の開口部と筐体1の投入口は、前後方向に伸縮しやすいベローズ16により接続される。ベローズ16は、環状のパッキンであるエラストマーで成形され、ドア2を閉めることでドラム21を水封する。また、筐体1の投入口、外槽11の開口部、ドラム21の開口部は連通しており、ドア2を開くことでドラム21内への衣類の出し入れが可能となる。なお、外槽11は、開口部を含む側と、モーター22の取り付けられる側とに分割することができるように構成されている。
外槽11のドラム21の背面と対面する面、つまり、外槽11の底面には、ドラム21の背面に対して略平行に、ドラム21の直径に対して略同等の直径となる加熱部50が備えられている。
加熱部50は、例えば、高調波交流電力により磁力線を発生するパンケーキコイル形状または渦巻コイル型の誘導加熱コイルにより構成する。また、その他、加熱部50を電熱コイルにより構成してもよい。
詳細は後述するが、実施形態のドラム式洗濯機100は、脱水工程または乾燥工程で、加熱部50を駆動して、ドラム21を加熱する。このため、ドラム21は、加熱部50(誘導加熱コイル)により誘導された渦電流により誘導加熱されるように、ステンレスを用いる。
給水ホース接続口30の下部には、給水弁15を備えており、給水弁15には、外槽11に給水するための給水ホース17の一端が接続されている。給水弁15の弁を開くことで、給水ホース接続口30から給水ホース17に水が流れて、洗剤容器12を介して外槽11内に給水される。
外槽11の下部に備えられた排水ホース14の排水経路には、排水弁14aが備えられる。排水弁14aを閉じると外槽11内に給水した水が外槽11内に溜まり、排水弁14aを開くと、外槽11内の洗濯水(すすぎ水)が排水ホース14からドラム式洗濯機100の機外に排水される。
外槽11の上方には、乾燥工程時にドラム21内に温風を送風するための、送風ファン61とヒーター62で形成された送風ユニット60と、送風路63と、温風吹き出し口65とが備えられる。送風ユニット60は補強部材13と接続して固定される。送風路63の一端は、送風ユニットと接続され、送風路63の他端は、温風吹き出し口65に蛇腹ホース64を介して、接続される。
外槽11の後方には、乾燥ダクト66が設置される。乾燥ダクト66の一端は、外槽11の後部に設けた吸気口67にゴム製の蛇腹ホース68を介して、接続される。また、乾燥ダクト66の他端は、送風ユニット60と接続している。
乾燥工程で、送風ユニット60によりドラム21内に温風が吹き込まれ、衣類の水分が蒸発する。ドラム21に吹き込まれた空気は、乾燥ダクト66に吸い込まれ、ヒーター62で加熱され、再度、ドラム21内に吹き込まれる。
詳細は後述するが、制御装置7は、振動センサ18と、排水部温度センサ69と、筐体内部温度センサ69aとの検出値に基づいて、ドラム21を回転駆動するモーター22の回転数(r/min)、送風ファン61の回転数(r/min)、ヒーター62の入力(W)、加熱部50の入力(W)を制御して、実施形態のドラム式洗濯機100の各工程の制御を行う。
詳しくは、振動センサ18は、外槽11の下部に設けられ、外槽11の振動(周波数・振幅)を検知する。
制御装置7は、脱水工程で、振動センサ18により、外槽11の振動を検出する。
制御装置7は、検出した振動値が所定値を超えると、ドラム21の投入した衣類がアンバランス状態にあるとして、脱水工程を一時停止する。そして、制御装置7は、ドラム21を正転・逆転させて衣類のアンバランスを修正し、脱水工程に復帰する(リトライ)。
排水部温度センサ69は、排水弁14aに設けられ、外槽11内部の温度(外槽近傍温度)を検出する。
筐体内部温度センサ69aは、筐体1内の背面カバー1dの下部に設けられ、筐体1内の温度(筐体内部温度)を検出する。
制御装置7は、排水部温度センサ69で検出した外槽近傍温度と、筐体内部温度センサ69aで検出した筐体内部温度とに基づいて、実施形態のドラム式洗濯機100の乾燥工程において加熱部50を駆動する。
つぎに、図3により、実施形態のドラム式洗濯機100の制御装置7の構成を説明する。なお、図3は、ドラム式洗濯機100の制御装置7に係り、実施形態の機能を実現する構成について記述したものであり、ドラム式洗濯機100の他の機能に係る構成は省略している。
制御装置7のマイコン71は、内部の制御プログラムに従って、運転パターン選択部81、工程制御部82、ドラム回転数検出部83、衣類容量算出部84、アンバランス検出部85、加熱制御部86、ヒーター制御部87、振動検出部88として機能する。
運転パターン選択部81は、操作スイッチ5から入力された運転コースにあった運転パターンを選択し、洗濯または/および乾燥を開始する機能を有する。
工程制御部82は、運転パターン選択部81で選択された運転パターンに基づき、洗い工程821、すすぎ工程822、脱水工程823、乾燥工程824の各工程においてモーター22、給・排水弁(不図示)、ヒーター62、送風ファン61、加熱部50を駆動制御する。
ドラム回転数検出部83は、ドラム回転数センサ76の検出値に基づいて、ドラム21の回転数を検出する。
衣類容量算出部84は、洗い工程において、ドラム21に注水する前に、モーター駆動回路72によりモーター22を駆動してドラム21を回転し、ドラム回転数検出部83で検出したドラム回転数と、モーター電流センサ77で検出した電流値から、衣類容量を算出する。衣類容量が多い程、モーター22に負荷が加わるため、モーター電流センサ77で検出した電流値が大きくなるので、電流値から衣類容量を算出することができる。
アンバランス検出部85は、ドラム回転数センサ76で検出したドラム回転数の変動を求め、回転変動が所定値より大きいか否かにより、ドラム21のアンバランス状態を判定する。詳細は後述するが、制御装置7は、脱水工程の低速回転域において、アンバランス検出部85によりドラム21のアンバランス状態を検出する。
なお、ドラム21の回転変動は、ドラム21の内面に張り付いた衣類の重力により生じる変動であり、衣類の配置が偏在しているほど大きく、かつ、衣類が洗濯水(すすぎ水)を多く含むほど大きくなる。したがって、回転変動が小さい場合には、衣類の配置が均一で、バランスがとれていると判定できる。
振動検出部88は、振動センサ18で検出した外槽11の振動数が、所定値より大きいか否かにより、外槽11の振動状態を判定する。詳細は後述するが、制御装置7は、ドラム21の衣類のアンバランスにより外槽11の振動振幅が大きくなったことを振動検出部88により検出すると、ドラム21の回転数を低下、またはドラム21の回転を停止して、ドラム21の正転と逆転を繰り返すほぐし運転や、注水を行い、ドラム21における衣類のアンバランスを修正する動作を行う。
加熱制御部86は、例えば、誘導加熱コイルにより構成された加熱部50に、加熱部駆動回路75により高調波交流電力を供給して、ドラム21の背面の少なくとも外周側を加熱する制御部である。詳細は後述するが、制御装置7は、脱水工程の低速回転域において、または、脱水工程で、アンバランス検出部85によりドラム21のアンバランス状態を検出して、脱水動作をリトライする際に、加熱制御部86により、加熱部50によるドラム21の加熱を行う。
ヒーター制御部87は、ヒータースイッチ73を制御してヒーター62を駆動し、ファン駆動回路74により駆動される送風ファン61の送風を温風にする。詳細は後述するが、制御装置7は、乾燥工程で、ヒーター62と送風ファン61により温風を送風するとともに、排水部温度センサ69と筐体内部温度センサ69aの検出値に基づいて、加熱制御部86により、ドラム21を加熱する。
つぎに、実施形態のドラム式洗濯機の脱水工程(すすぎ工程の後の脱水工程)におけるドラム21の回転数の制御状態を詳細に説明する。
図4は、脱水工程におけるドラム21の回転数と、加熱部50を制御する加熱制御部86の制御状態を示すタイムチャートである。
図4のタイムチャートは、洗い工程の後のすすぎ工程において、衣類から洗剤を含む洗濯水を脱水する動作(中間脱水)においても適用される。
まず、ドラム21の回転数ωのタイムチャートを説明する。
実施形態のドラム式洗濯機100の脱水工程は、ドラム21の回転数をドラム21の内周面に衣類を広げながら張り付ける低速回転数域(t1〜t2)と、外槽11の共振区間(t2〜t3)と、筐体1の共振区間(t3〜t4)と、筐体1の共振後区間(t4〜t5)とに分けて、アンバランス状態・振動状態を確認しながら、ドラム21の回転数を目標回転数まで上昇させ、目標回転数区間(t5〜t6)、ドラム21を回転して、衣類に含まれるすすぎ水(洗濯水)を遠心脱水していく。
実施形態では、t1〜t7の期間を脱水工程と称する。
なお、外槽11の共振区間は、ドラム21を遠心脱水する目標回転数に上昇する過程において、外槽11が共振する回転数を通過する期間である。同様に、筐体1の共振区間は、筐体1が共振する回転数を通過する期間である。外槽11または筐体1が共振する回転数は、ドラム21の衣料容量により変わる。
詳しくは、工程制御部82における脱水工程823の制御部(以下、脱水制御部と記す)は、まず、低速回転数域(t1〜t2)で、ドラム21の回転数をω0(例えば50r/min)まで上昇させる。このとき、洗濯水(すすぎ水)を含んだ衣類がドラム21の回転時にバッフル23によって持ち上げられ、衣類が落下する際にドラム21の内周面に広げられる。
ドラム21の回転数がω0に到達したら、脱水制御部は、ω0における衣類のアンバランスを検知するため、ドラム21をω0でT1(例えば10秒)時間運転する。
この衣類のアンバランス検知は、アンバランス検出部85によりドラム21の回転変動の大きさを判定することで行う。
上記の低速回転数域のアンバランス検知では、回転変動が小さければ小さいほど、衣類のバランスがとれていると判定できる。
そこで、上記のアンバランス検知において、回転変動が予め設定した閾値以下であると判定した場合には、脱水制御部は、衣類がバランスして配置しているとし、モーター駆動回路72を制御してドラム21の回転数をω0からω1(例えば80r/min)まで上昇する。
ドラム21の回転数がω1に到達したら、脱水制御部は、ω1における衣類のアンバランス検知を行うため、ω1でT2(例えば5秒)時間運転する。
この衣類のアンバランス検知は、アンバランス検出部85によりドラム21の回転変動の大きさを判定することで行う。
ここで、上記のω0とω1は、衣類のドラム21への張り付き具合を検知する回転数とする。すなわち、ω0は衣類がドラム21の内周面に張り付き始める回転数、ω1は衣類がドラム21の内周面に完全に張り付く回転数とする。
脱水制御部は、ω1でT2時間運転した後、ω1でのアンバランス検知において、回転変動が予め設定した閾値以下であると判定した場合には、ドラム21の回転数をω2(例えば400r/min)まで徐々に上昇させて、外槽11の共振区間(t2〜t3)を通過させる。
脱水制御部は、ω0における衣類のアンバランス検知、または、ω1でのアンバランス検知において、衣類のアンバランスを検知した場合には、ドラム21の回転数を低下、またはドラム21の回転を停止して、ドラム21の正転と逆転を繰り返すほぐし動作や、注水を行い、衣類のアンバランスを修正する動作を行う。
図4では、外槽11が左右方向と前後方向の共振点を有するために、ω1から、ω1より大きく、かつ、ω2より小さな回転数に上昇して、所定時間運転した後に、ドラム21の回転数をω2に上昇している。このように、外槽11が複数の共振点を有する場合には、外槽の共振区間において、ドラム21の回転数を階段状に上昇する。
脱水制御部は、外槽11の共振区間では、振動検出部88により外槽11の振動振幅を検出し、振動振幅が所定値を超えると、衣類がアンバランス状態にあるとして、脱水工程を一時停止して、衣類のアンバランスを修復する。そして、脱水制御部は、脱水工程のやり直しを行う(リトライ)。
脱水制御部は、外槽11の共振区間で、外槽11の振動振幅が所定値よりも小さい場合は、ドラム21の回数数をω3(例えば600r/min)まで徐々に上昇させて、筐体1の共振区間(t3〜t4)を通過させる。
脱水制御部は、筐体1の共振区間では、振動検出部88により筐体1の振動振幅を検出し、振動振幅が所定値を超えると、衣類がアンバランス状態にあるとして、脱水工程を一時停止して、衣類のアンバランスを修復する。そして、脱水制御部は、脱水工程のやり直しを行う(リトライ)。
この際、振動検出部88は、検出した振動の周波数帯域により、筐体1または外槽11の振動状態を識別する。
脱水制御部は、筐体1の共振区間で、筐体1の振動振幅が所定値よりも小さい場合は、ドラム21の回数数を脱水工程の目標回転数(例えば900r/min)まで徐々に上昇させ、筐体1の共振後区間(t4〜t5)を通過させる。
脱水制御部は、筐体1の共振後区間でも、振動検出部88により筐体1の振動振幅を検出し、振動振幅が所定値を超えると、衣類がアンバランス状態にあるとして、脱水工程を一時停止して、衣類のアンバランスを修復する。そして、脱水制御部は、脱水工程のやり直しを行う(リトライ)。
脱水制御部は、目標回転数区間(t5〜t6)で、所定時間T3の間、ドラム21を目標回転数で運転し、ドラム21の内周面に張り付いた衣類の脱水を行う。
ここで、所定時間T3は、すすぎ工程中の脱水動作である中間脱水では、例えば、180秒とし、すすぎ工程後の最終脱水工程では、例えば、300秒とする。
脱水制御部は、ドラム21をT3(例えば180秒)で所定時間運転した後、ドラム21の回転数を0r/minまで低下(t6〜t7)させて、脱水工程を終了する。
実施形態のドラム式洗濯機は、最終脱水工程を終了すると、乾燥工程に進む。
詳細は後述するが、乾燥工程では、工程制御部82における乾燥工程824の制御部(以下、乾燥制御部と記す)が、モーター駆動回路72を制御して、ドラム21が洗い工程時より低回転数(例えば、40r/min)で回転するように、モーター22を駆動する。この際、乾燥制御部は、ヒータースイッチ73を制御してヒーター62により加熱された温風が衣類に吹き付けられるように、ファン駆動回路74を制御して送風ファン61を駆動する。
上記のとおり、脱水工程で、ドラム21の回転変動、または、外槽11もしくは筐体1の振動振幅により、衣類のアンバランスを検知した場合に、衣類のアンバランスを修正する動作、または、脱水工程のリトライを行う。
実施形態のドラム式洗濯機100では、以下に詳細説明する、加熱部50によりドラム21を加熱することで、衣類のアンバランスを修正する動作、または、脱水工程のリトライの頻度低下もくしは抑止を行う。
脱水制御部は、図4における低速回転数域(t1〜t2)と、筐体1の共振後区間(t4〜t5)と、目標回転数区間(t5〜t6)とで、加熱制御部86が、誘導加熱コイルにより構成された加熱部50に、加熱部駆動回路75により高調波交流電力を供給して、ドラム21の背面の外周側を誘導加熱するよう制御する。
これにより、ドラム21の衣類が加熱されて、衣類に含まれる洗濯水(すすぎ水)の表面張力が低下するので、衣類から洗濯水(すすぎ水)が抜けやすくなる。衣類が脱水すると、衣類の重量配置のアンバランスが低減するので、ドラム21の回転変動および振動振幅を低減できる。つまり、衣類のアンバランスを検知する頻度の低下や抑止を行うことでき、衣類のアンバランスを修正する動作、または、脱水工程のリトライの頻度低下や抑止を行える。したがって、脱水時間の増加を抑制でき、当初の所要時間でドラム式洗濯機100の運転が終了しやすくなる。
特に、小容量衣類(例えばバスマットやGパン、洗濯容量の1割など)において、脱水工程の低速回転数域(t1〜t2)で、加熱部50によりドラム21の背面の外周側を加熱することは有用である。
詳しくは、小容量衣類では、バッフル23で持ち上げられて落下する際、ドラム21の背面側に落下しやすく、また、ドラム21の内周面の背面側に張り付きやすい。さらに、衣類同士でバランス修正を行う低速回転数域において、小容量衣類は容量が少ないため、衣類同士でバランス修正を行うことが困難となる。そこで、低速回転数域で加熱部50の通電をONにすることで、少なくともドラム21の背面の外周側を加熱して、ドラム21の背面に張り付いた小容量衣類の温度が上昇しやすくして、水の表面張力の低下や蒸発により、衣類に含まれる水分が抜けやすくする。衣類に含まれる水分が抜けると、アンバランスが低減するため、アバランス修正が困難な小容量衣類のリトライ回数を低減できる。
また、衣類がドラム21に偏在しやすい小容量時では、衣類に含まれる水分が抜けることにより重量バランスが大きく変化するので、ドラム21のアンバランス状態を解消できる。
これに対して、中容量衣類以上(例えば、洗濯容量の3割以上)では、衣類量が多いため、衣類同士でバランス修正を行える。このため、低速回転数域で衣類がアンバランス状態になる頻度は低い。
したがって、脱水制御部は、衣類容量算出部84で算出した衣類容量が、中容量衣類以上の場合には、低速回転数域において、加熱部50によるドラム21の背面の外周側の加熱を行わなくてもよい。言い換えれば、脱水制御部は、衣類容量算出部84で算出した衣類容量が小容量衣類の場合のみ、低速回転数域において、加熱部50により少なくともドラム21の背面の外周側の加熱を行う。これにより、ドラム式洗濯機100の消費電力量の増加を低減できる。
もちろん、衣類容量算出部84で算出した衣類容量が中容量衣類以上でも、加熱部50によりドラム21の背面の外周側を加熱すれば、低速回転数域で衣類がアンバランス状態になる頻度がより低くなることは言うまでもない。
脱水制御部は、外槽11の共振区間(t2〜t3)と筐体1の共振区間(t3〜t4)では、加熱部50によるドラム21の背面の外周側の加熱を行わない。これにより、加熱部50の加熱によって、衣類の水分が急激に低減することで、衣類のバランス状態が変化して、ドラム21の異常振動が発生することを防止する。
脱水制御部は、筐体1の共振後区間(t4〜t5)と目標回転数区間(t5〜t6)で、加熱部50によりドラム21の背面の外周側を加熱する。加熱部50によって、衣類の温度が上昇することで、遠心脱水による衣類の脱水量を向上することができる。
上記のように、脱水制御部が、筐体1の共振後区間と目標回転数区間で、加熱部50によりドラム21の背面の外周側を加熱することで、遠心脱水による衣類の脱水量を向上することができるので、目標回転数区間のドラム21の回転数を低減することができる(例えば当初の900r/minから800r/minに抑制)。
これにより、衣類に含まれる水を十分に脱水しながら、回転数低減により運転音を低減することができる。
つぎに、図5により、脱水制御部の低速回転数域(t1〜t2)の処理を詳細に説明する。t2〜t6の外槽11の共振区間と、筐体1の共振区間と、筐体1の共振後区間と、目標回転数区間については、図4と同じため、説明は省略する。
図4では、脱水制御部が、低速回転数域の全域で、加熱部50によりドラム21の背面の外周側を加熱する場合について説明したが、図5では、脱水制御部が、アンバランスを検出した際に、加熱部50によりドラム21の背面の外周側を加熱する場合の制御を説明する。
脱水制御部は、上記のとおり、低速回転数域で、ドラム21の回転数をω0まで上昇して、T1時間運転した後に、アンバランス検出部85によりドラム21の回転変動の大きさを判定して、アンバランス検知を行う。
アンバランス状態でなかった場合には、さらに、ドラム21の回転数をω1まで上昇して、T2時間運転した後に、アンバランス検出部85によりドラム21の回転変動の大きさを判定して、アンバランス検知を行う。
脱水制御部は、いずれかのアンバランス検知でアンバランス状態を検知した場合には、ドラム21の回転数を低下または停止して、ドラム21の正転と逆転を繰り返すほぐし動作を行うが、この際、ドラム21の回転制御に連動して、加熱部50をON制御して、ドラム21の背面の外周側を加熱する。これにより、衣類を脱水しやすい状態にして、衣類のアンバランス低減を促進する。
詳しくは、図5に示すように、脱水制御部は、ドラム21を回転数ω0でT1時間運転した最初の時間で、アンバランス検出部85によりアンバランスを検知すると、モーター駆動回路72を制御してモーター22を減速し、ドラム21を停止する。そして、脱水制御部は、モーター駆動回路72を制御してモーター22を正逆回転し、ドラム21の正転と逆転を所定時間繰り返す。
脱水制御部は、アンバランス状態を検知した際に、加熱部50をON制御する。具体的には、脱水制御部は、加熱制御部86に加熱部50の加熱動作を指示し、加熱制御部86が加熱部駆動回路75を制御して、誘導加熱コイルである加熱部50に高調波交流電流を印加し、ドラム21の背面の外周側を加熱する。
脱水制御部は、ドラム21を正転/逆転して、衣類のアンバランスを解消する動作を所定時間行った後に、ドラム21の回転数をω0にしてT1時間運転し、アンバランス検知を行う。衣類のほぐし動作によりアンバランス状態が解消されているので、今回はチェックを通過し、ドラム21の回転数をω1にしてT2時間運転し、アンバランス検知を行う。
脱水制御部は、アンバランス検出部85によりアンバランスを検知すると、モーター駆動回路72を制御してモーター22を減速し、ドラム21を停止する。そして、脱水制御部は、モーター駆動回路72を制御してモーター22を正逆回転し、ドラム21の正転と逆転を所定時間繰り返す。
脱水制御部は、アンバランス状態を検知した際に、加熱部50をON制御するが、既に、加熱部50はON制御済のため、加熱部50のON制御状態を維持する。
脱水制御部は、一旦、加熱部50をON制御状態に設定すると、低速回転数域(t1〜t2)を抜けるまで、ON制御状態を維持する。
また、脱水制御部は、T1時間運転後ではアンバランス検知せず、T2時間運転後のアンバランス検知で初めてアンバランス状態を検知した場合には、その時点で、加熱部50をON制御状態に設定する。
脱水制御部は、上記のT2時間運転後にアンバランス状態を検知した場合、衣類のアンバランスを解消する動作を所定時間行った後に、ドラム21の回転数をω0、ω1に順次上昇し、それぞれの回転数で、再度、アンバランス検知を行う。
脱水制御部は、ドラム21の回転数をω1にしてT2時間運転し、アンバランス検知を行い、アンバランス状態でなければ、低速回転数域の運転を終了する。
脱水制御部は、所定期間上記の運転を繰り返しても、ドラム21の回転数をω1にしてT2時間運転し、アンバランス状態を解消できない場合には、脱水異常として、ドラム式洗濯機の運転を中断する。
上記のように、図5の脱水制御部では、アンバランス状態を検知した際に、加熱部50をON制御状態に設定している。中容量衣類または大容量衣類の場合には、衣類がアンバランス状態となる可能性が低いので、加熱部50がON制御状態になることが少ない。このため、衣類容量を算出することなく、衣類のアンバランスを修正する動作、または、リトライの頻度低下もしくは抑止を行うととともに、ドラム式洗濯機100の消費電力の増加を抑えることができる。
もちろん、衣類容量算出部84により小容量衣類を算出し、かつ、脱水制御部がアンバランス状態を検知した際に、加熱部50をON制御状態に設定するように制御してもよく、低速回転数域で、加熱部50をON制御状態に設定する場合に比べて、ドラム式洗濯機100の消費電力の増加を抑えることができる。
つぎに、図6により、工程制御部82における脱水工程823の制御部である脱水制御部の処理フローを詳細に説明する。
図6の処理フローは、脱水制御部が、衣類のアンバランス状態を検知した際に、加熱部50によりドラム21を加熱制御するフローを説明する。
ステップS61で、脱水制御部は、モーター駆動回路72を制御してモーター22を駆動し、ドラム21の回転数をω0に上昇し、T1時間運転する。
ステップS62で、脱水制御部は、アンバランス検出部85によりドラム21の回転変動の大きさを判定して、アンバランス検知を行う。アンバランス状態でない場合には(S62のNo)、ステップS63に進み、アンバランス状態である場合には(S62のYes)、ステップS65に進む。
ステップS63で、脱水制御部は、モーター駆動回路72を制御してモーター22を駆動し、ドラム21の回転数をω1に上昇し、T2時間運転する。
ステップS64で、脱水制御部は、アンバランス検出部85によりドラム21の回転変動の大きさを判定して、アンバランス検知を行う。アンバランス状態でない場合には(S64のNo)、ステップS67に進み、アンバランス状態である場合には(S64のYes)、ステップS65に進む。
ステップS65で、脱水制御部は、加熱部50をON制御する。具体的には、加熱制御部86を制御して、誘導加熱コイルにより構成された加熱部50に、加熱部駆動回路75により高調波交流電力を供給して、ドラム21の背面の外周側を誘導加熱する。これにより、アンバランス状態の衣類に含まれる洗濯水(すすぎ水)の脱水を容易にする。
ステップS66で、脱水制御部は、モーター駆動回路72を制御してモーター22を駆動し、ドラム21の回転数を低下または停止して、ドラム21の正転と逆転を繰り返すほぐし動作を行う。脱水制御部は、所定回数または所定時間のほぐし動作を行い、ステップS61に戻る。
脱水制御部が、低速回転数域で加熱部50のON制御する場合には、ステップS65に替えて、ステップS61の位置で、加熱部50のON制御する処理を実行する。
また、小容量衣類の脱水工程で加熱部50をON制御する場合には、ステップS65(または、ステップS61の位置)で、衣類容量算出部84で算出した衣類容量が少容量であるか否かを判定し、小容量衣類の場合に、加熱部50のON制御する処理を実行する。
上記のステップS61〜ステップS66の処理により、脱水制御部は、図4および図5で説明した低速回転数域におけるドラム21と加熱部50の動作を制御する。
つぎに、図4および図5の外槽の共振区間のフローを説明する。
ステップS67で、脱水制御部は、加熱部50をOFF制御する。具体的には、加熱制御部86を制御して、加熱部50への高調波交流電力の供給を停止し、ドラム21の背面の外周側の誘導加熱を止める。
ステップS68で、脱水制御部は、モーター駆動回路72を制御してモーター22を駆動し、ドラム21の回転数をω2に階段状に上昇する。この際、段となる回転数は、外槽の共振周波数を避けた値とする。
ステップS69で、脱水制御部は、ドラム21の回転数の上昇中に(特に、段となる回転数)、振動検出部88により外槽11の振動振幅を検出し、アンバランス状態であるか否かを検知する。振動振幅が所定値を超え、アンバランス状態を検知した場合には(S69のYes)、ステップS615に進む。アンバランス状態でないと検知した場合には(S69のNo)、ステップS610に進む。
ステップS615で、脱水制御部は、衣類がアンバランス状態にあるとして、脱水工程を一時停止する。そして、脱水制御部は、所定時間、モーター駆動回路72を制御してドラム21の正転と逆転を繰り返すほぐし動作を行い、衣類のアンバランスを修正する。そして、脱水制御部は、ステップS61に戻り、脱水工程のやり直しを行う(リトライ)。
つぎに、図4および図5の筐体の共振区間のフローを説明する。
ステップS610で、脱水制御部は、モーター駆動回路72を制御してモーター22を駆動し、ドラム21の回転数をω3に上昇する。
ステップS611で、脱水制御部は、ドラム21の回転数の上昇中に、振動検出部88により外槽11の振動振幅を検出し、アンバランス状態であるか否かを検知する。振動振幅が所定値を超え、アンバランス状態を検知した場合には(S611のYes)、ステップS615に進む。アンバランス状態でないと検知した場合には(S611のNo)、ステップS612に進む。
つぎに、図4および図5の筐体の共振後区間のフローを説明する。
ステップS612で、脱水制御部は、加熱部50をON制御する。
ステップS613で、脱水制御部は、モーター駆動回路72を制御してモーター22を駆動し、ドラム21の回転数を脱水工程の目標回転数に上昇する。
ステップS614で、脱水制御部は、脱水制御部は、ドラム21の回転数の上昇中に、振動検出部88により外槽11の振動振幅を検出し、アンバランス状態であるか否かを検知する。振動振幅が所定値を超え、アンバランス状態を検知した場合には(S614のYes)、ステップS615に進む。アンバランス状態でないと検知した場合には(S614のNo)、ステップS616に進む。
つぎに、図4および図5の目標回転数区間のフローを説明する。
ステップS616で、脱水制御部は、すすぎ工程中の脱水動作である中間脱水、または、すすぎ工程後の(最終)脱水工程に応じた所定時間、ドラム21を目標回転数で運転する。
ステップS617で、所定時間経過すると、脱水制御部は、加熱部50をOFF制御する。
そして、ステップS618で、ドラム21を回転停止して脱水工程の処理を終了する。
以上のように、実施形態のドラム式洗濯機100において、脱水工程で加熱部50により、ドラム21の背面を加熱することで、ほぐし動作の低減およびリトライの抑止を行えるので、表示した所要時間で運転終了できるようになる。
また、衣類に含まれる洗濯水またはすすぎ水が脱水しやすくなるので、脱水工程の目標回転数を小さくすることができ、ドラム式洗濯機100の運転音を低下することができる。
実施形態のドラム式洗濯機100では、乾燥工程においても、以下に説明するフローに従い、加熱部50によるドラム21の加熱を行っている。これにより、乾燥工程の後期の衣類のシワが伸びた状態で、加熱部50をON制御するので、乾燥仕上がりの悪化を抑制しながら、乾燥不足による乾燥時間の増加を抑制することができ、所定時間でドラム式洗濯機100の運転を終了できる。
図7により、工程制御部82における乾燥工程824の制御部(以下、乾燥制御部と記す)の処理フローを説明する。
乾燥工程が開始すると、ステップS71で、乾燥制御部は、ファン駆動回路74により送風ファン61の回転数を所定回転数(例えば14000r/min)に上昇するとともに、ヒーター制御部87を制御してヒーター62をONする。これにより、乾燥制御部は、温風を、ドラム21に内部に吹き込む。乾燥制御部は、同時に、モーター駆動回路72を制御して、ドラム21を、衣類がドラム21の内周面に張り付かない回転数(例えば40r/min)で回転する。
ステップS72で、乾燥制御部は、ステップS71の乾燥工程の開始後、所定時間(例えば10分)の経過を待機し、所定時間経過すると、ステップS73に進む。
ステップS73で、乾燥制御部は、乾燥工程の初期温度として、排水部温度センサ69により外槽近傍温度T1aを取得し、筐体内部温度センサ69aにより筐体内部温度T2aを取得する。
ステップS74で、乾燥制御部は、ステップS73の乾燥工程の初期温度の取得後、所定時間(例えば30分)の経過を待機し、所定時間経過すると、ステップS75に進む。
ステップS75で、乾燥制御部は、乾燥工程の中期温度として、排水部温度センサ69により外槽近傍温度T1bを取得し、筐体内部温度センサ69aにより筐体内部温度T2bを取得する。
ステップS76で、乾燥制御部は、乾燥初期と乾燥中期における、外槽近傍温度の差ΔT1(ΔT1=T1b−T1a)と筐体内部温度の差ΔT2(ΔT2=T2b−T2a)を算出し、さらに、外槽近傍温度の差ΔT1と筐体内部温度の差ΔT2との温度差ΔT3(ΔT3=ΔT1−ΔT2)を算出する。
なお、外槽近傍温度は、送風ユニット60(送風ファン61とヒーター62)によって温風が流れるため、乾燥初期に比べて、乾燥時間が経過した乾燥中期の温度が高くなる。また、筐体内部は、温風が流れる外槽近傍に比べて、乾燥時間が経過しても温度が上昇しにくい。このため、ΔT1はΔT2よりも大きくなる。
ステップS77で、乾燥制御部は、ステップS76で算出したΔT3と予め設定した閾値とを比較する。ΔT3が閾値より小さい、すなわち外槽近傍の温度上昇が十分でない場合には(S77の“ΔT3が閾値より小さい”)、ステップS78に進む。
ステップS78で、乾燥制御部は、所定時間(例えば10分)の乾燥運転を追加運転して、ドラム式洗濯機100の内部温度を上昇させる。そして、乾燥制御部は、所定時間の運転追加後に、ステップS75に戻る。
ステップS77で、乾燥制御部は、ΔT3が閾値より大きくなる場合には(S77の“ΔT3が閾値より大”)、外槽近傍の温度上昇が十分な場合として、ステップS79に進む。なお、外槽近傍の温度上昇が十分な場合には、筐体1とドラム21の温度が乾燥初期に比べて、十分に上昇しているため、衣類が乾き始める。また、乾燥工程の開始から行っている送風によって、衣類のシワが伸びた状態となる。
ステップS79で、乾燥制御部は、加熱部50をON状態に制御して、所定時間(例えば20分)運転する。加熱部50によりドラム21が加熱されるので、衣類全体の温度がΔT3の温度判定後よりも上昇する。所定時間の運転後、ステップS710に進む。
ステップS710で、乾燥制御部は、加熱部50をOFF状態に制御(通電OFF)して、乾燥工程を終了する。
上記の乾燥制御部の処理により、乾燥工程の後期の衣類のシワが伸びた状態で、加熱部50によりドラム21を加熱することで、乾燥仕上がりの悪化を抑制しながら、乾燥不足による乾燥時間の増加を抑制することができ、所定時間でドラム式洗濯機100の運転を終了できる。
つぎに、加熱部50を他の構成にしたドラム式洗濯機100について説明する。
図8は、図1、図2で説明したドラム式洗濯機100の加熱部50に替えて設けた加熱部51の構成を説明する図である。ドラム式洗濯機100の他の構成は変わらないため、説明は省略する。
図8は、加熱部51(加熱部51a、51b、51cの総称)を外槽11の背面方向からみた図である。
加熱部51は、対面する外槽11の径方向に分割され、異なる直径を有する誘導加熱コイル等の加熱部51a、51b、51cから構成されている。最外周に位置する加熱部51aの直径は、ドラム21の直径と略同等になっている。
なお、図8の加熱部51は3分割しているが、分割数はこれに限らない。
上記したように、小容量衣類の場合には、ドラム21の衣類は、バッフル23で持ち上げられて落下する際、ドラム21の背面側に落下しやすく、また、ドラム21の内周面の背面側に張り付きやすい。
このため、実施形態のドラム式洗濯機100では、加熱部51a、51b、51cが、衣類容量算出部84により算出した衣類容量に応じて、加熱部駆動回路75により、別々に、高調波交流電力が印加され、加熱部51a、51b、51cに対面する、ドラム21の底面を誘導加熱する。
図9A、図9B、図9Cにより、図4または図5で説明した加熱部50替えて、直径が異なる誘導加熱コイルから構成される加熱部51a、51b、51cの制御状態を説明する。
図9Aは、小容量衣類の脱水工程における加熱部51a、51b、51cのそれぞれの制御状態を示す図である。
小容量衣類時には、脱水制御部は、低速回転数域と筐体の共振後区間、目標回転数区間で、加熱部51aのみをON状態に制御し、ドラム21の背面の外周側を加熱する。
これにより、低速回転数域においては、ドラム21の底面の外周側に貼り付いた衣類の温度が上昇し、洗濯水(すすぎ水)の表面張力が低下して、脱水しやすくなるので、アンバランス状態を低減する。また、筐体の共振後区間と目標回転数区間では、遠心脱水しやすくなるとともに、衣類量に応じて加熱部51aのみ通電しているので、電力消費の無駄がない。
図9Bは、中容量衣類(例えば、洗濯容量の3割から5割)の脱水工程における加熱部51a、51b、51cのそれぞれの制御状態を示す図である。
中容量衣類時には、脱水制御部は、筐体の共振後区間と目標回転数区間とで、加熱部51aと加熱部51bをON状態に制御し、ドラム21の背面を加熱する。中容量衣類では、低速回転数域では、衣類同士によるバランス修正を行えるため、脱水制御部は、低速回転数域では、加熱部51aと加熱部51bとを、OFF状態にする。
中容量衣類は、ドラム21の背面における内周面からドラム21の中心までの距離の半分以下の範囲に張り付きやすい。したがって、加熱部51aと加熱部51bとをON状態にすることで、ドラム21の背面側に張り付いた衣類が加熱され、衣類温度が上昇して、脱水しやすくなる。
図9Cは、大容量衣類(例えば洗濯容量の6割から定格量)の脱水工程における加熱部51a、51b、51cのそれぞれの制御状態を示す図である。
大容量衣類時には、脱水制御部は、筐体の共振後区間と目標回転数区間とで、加熱部51aと加熱部51bと加熱部51cをON状態に制御し、ドラム21の背面を加熱する。大容量衣類では、低速回転数域で衣類同士によるバランス修正を行えるため、脱水制御部は、大容量衣類で、加熱部51aと加熱部51bと加熱部51cとを、OFF状態にする。
大容量衣類は、ドラム21の背面における内周面からドラム21の中心までの範囲に張り付きやすい。したがって、加熱部51aと加熱部51bと加熱部51cをON状態にすることで、ドラム21の背面側に張り付いた衣類が加熱され、衣類温度が上昇して、脱水しやすくなる。
小容量衣類、中容量衣類、大容量衣類に関わらず、外槽の共振区間と筐体の共振区間では、衣類バランスの急激な変化による異常振動を防ぐため、加熱部51aと加熱部51bと加熱部51cはOFF状態にする。
乾燥工程では、加熱部51aと加熱部51bと加熱部51cをON状態にして、ドラム21の全体を加熱することで、衣類全体の温度を上昇でき、乾燥不足による乾燥時間の増加を抑制でき、所定時間でドラム式洗濯機100の運転が終了しやすくなる。
また、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記の実施例は本発明で分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。
上記では、乾燥機能を有するドラム式洗濯機100について説明したが、乾燥機能を有しないドラム式洗濯機においても、加熱部50または加熱部51を備え、脱水工程において、上記で説明した制御を行うことで、ほぐし動作等の衣類のアンバランス修正やリトライ動作を抑止または低減できるので、運転時間の増加を抑止し、所要時間とおりに運転することができる。
1 筐体
7 制御装置
11 外槽
21 ドラム
22 モーター
50、51 加熱部
51a、51b、51c 加熱部(加熱領域)
69 排水部温度センサ
69a 筐体内部温度センサ
82 工程制御部(脱水制御部、乾燥制御部)
83 ドラム回転数検出部
84 衣類容量算出部
85 アンバランス検出部
86 加熱制御部
87 ヒーター制御部
88 外槽振動検出部
76 ドラム回転数センサ
72 モーター駆動回路
77 モーター電流センサ
75 加熱部駆動回路
73 ヒータースイッチ
74 ファン駆動回路
100 ドラム式洗濯機

Claims (9)

  1. 筐体と、
    前記筐体内に支持され、内部に洗濯水を貯溜可能な外槽と、
    前記外槽内に、回転軸が水平または奥側が下になるように傾斜し、回転自在に支持されるドラムと、
    前記ドラムの背面に対して略平行に、前記外槽の背面に設けられ、前記ドラムを加熱する加熱部と、
    を備えることを特徴とするドラム式洗濯機。
  2. 請求項1に記載のドラム式洗濯機において、
    前記加熱部は、前記ドラムの背面の少なくとも外周側を加熱する
    ことを特徴とするドラム式洗濯機。
  3. 請求項1または2に記載のドラム式洗濯機において、さらに、
    前記ドラムを回転駆動するモーターと、
    前記モーターを制御して、前記ドラムによる脱水動作を制御するとともに、前記脱水動作中に、前記ドラム内の洗濯物のアンバランスを検出する脱水制御部と、を備え、
    前記脱水制御部は、前記アンバランスを検出して前記脱水動作をリトライする際に、前記加熱部により、前記ドラムの背面を加熱する
    ことを特徴とするドラム式洗濯機。
  4. 請求項1または2に記載のドラム式洗濯機において、さらに、
    前記ドラムを回転駆動するモーターと、
    前記モーターを制御して、前記ドラムによる脱水動作を制御するとともに、前記ドラムが低速回転数で脱水動作する脱水工程の初期において、前記加熱部により前記ドラムの背面を加熱する脱水制御部と、
    を備えることを特徴とするドラム式洗濯機。
  5. 請求項3または4に記載のドラム式洗濯機において、さらに、
    衣類容量を検出する衣類容量検出部を備え、
    前記脱水制御部は、前記衣類容量検出部で検出した衣類容量が所定値より小さい時に、前記加熱部により前記ドラムの背面を加熱する
    ことを特徴とするドラム式洗濯機。
  6. 請求項3から5のいずれかに記載のドラム式洗濯機において、
    前記脱水制御部は、前記ドラムの回転数が、前記外槽と前記筐体の共振回転数よりも上昇する区間で、前記加熱部により前記ドラムの背面を加熱する
    ことを特徴とするドラム式洗濯機。
  7. 請求項3から6のいずれかに記載のドラム式洗濯機において、
    前記脱水制御部は、前記ドラムの回転数が、前記外槽の共振区間と前記筐体の共振区間では、前記ドラムの背面を加熱しない
    ことを特徴とするドラム式洗濯機。
  8. 請求項3または4に記載のドラム式洗濯機において、さらに、
    衣類容量を検出する衣類容量検出部を備え、
    前記加熱部は、径方向に分割された複数の環状の加熱領域を有し、
    前記脱水制御部は、前記衣類容量検出部で検出した衣類容量に応じて、加熱制御する前記加熱領域を選択する
    ことを特徴とするドラム式洗濯機。
  9. 請求項3から8のいずれかに記載のドラム式洗濯機において、さらに、
    前記ドラムに送風を行う送風機と、
    前記外槽の近傍温度と前記筐体の内部温度を検出する温度検出部と、
    前記送風機を動作させて前記ドラムに通風するとともに、前記温度検出部により検出した前記外槽の近傍温度の増加値と前記筐体の内部温度の増加値との差が、所定値より大きい時に前記加熱部により前記ドラムの背面を加熱する乾燥制御部と、
    を備えることを特徴とするドラム式洗濯機。
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