以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を詳細に説明する。以下の実施形態は、例示であり、本開示による発光装置は、以下の実施形態に限られない。例えば、以下の実施形態で示される数値、形状、材料、ステップ、そのステップの順序等は、あくまでも一例であり、技術的に矛盾が生じない限りにおいて種々の改変が可能である。以下に説明する各実施形態は、あくまでも例示であり、技術的に矛盾が生じない限りにおいて種々の組み合わせが可能である。
図面が示す構成要素の寸法、形状等は、わかり易さのために誇張されている場合があり、実際の発光装置および面発光光源における寸法、形状および構成要素間の大小関係を反映していない場合がある。また、図面が過度に複雑になることを避けるために、一部の要素の図示を省略することがある。
以下の説明において、実質的に同じ機能を有する構成要素を共通の参照符号で示し、説明を省略することがある。以下の説明では、特定の方向または位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「右」、「左」およびそれらの用語を含む別の用語)を用いる場合がある。しかしながら、それらの用語は、参照した図面における相対的な方向または位置をわかり易さのために用いているに過ぎない。参照した図面における「上」、「下」等の用語による相対的な方向または位置の関係が同一であれば、本開示以外の図面、実際の製品、製造装置等において、参照した図面と同一の配置でなくてもよい。本開示において「平行」とは、特に他の言及がない限り、2つの直線、辺、面等が0°から±5°程度の範囲にある場合を含む。また、本開示において「垂直」または「直交」とは、特に他の言及がない限り、2つの直線、辺、面等が90°から±5°程度の範囲にある場合を含む。
[1.発光装置200の構造]
図1は、本開示のある実施形態に係る発光装置200の構造の一例を示す断面図である。図2は、発光装置200の構造の他の一例を示す断面図である。図3は、本実施形態に係る発光装置200の例示的な上面図である。図1および図2に示す模式的な断面は、図3に示すA−A’線断面の一部に相当する。これらの図には、互いに直交するx軸、y軸、およびz軸が記載されている。本開示の図面中に示すx軸、y軸、およびz軸のそれぞれが示す方向は、全ての図面の間で共通である。
発光装置200は、配線基板10と、配線基板10上に実装された光源部100とを有する。図1および図2に例示する構成において、光源部100は、複数の発光素子20と、各発光素子20の少なくとも側面を覆う光反射部材30と、複数の波長変換層40と、複数の光反射層50と、保護層60とを有する。発光装置200の全体の厚さ(z方向の高さ)は、例えば0.60mm程度である。図3に例示するように、光源部100の平面視形状の典型例は、矩形である。光源部100のx方向の長さLx1およびy方向の長さLy1は、例えば52.0mm程度である。
複数の発光素子20は、配線基板10の上面10aにおいて、1次元または2次元に配列され得る。本実施形態では、複数の発光素子20は、互いに直交する2方向(ここではx方向およびy方向)に沿って2次元に配列されている。図3に示す例では、x方向に沿って26個の発光素子20が配列され、かつ、y方向に沿って26個の発光素子20が配列されている。すなわち、光源部100は、676個の発光素子20を有している。この
例では、x方向の配列ピッチpxとy方向の配列ピッチpyとは、等しい。ここで、発光素子の配列ピッチとは、隣接する2つの発光素子の出射面に垂直な光軸L間の距離(例えば図1参照)を意味する。配列ピッチpx、pyのそれぞれは、0.5mm以上10.0mm以下に設定し得る。本実施形態において、配列ピッチpxおよびpyのそれぞれは、2.0mm程度であり得る。
図1および図2に模式的に示すように、複数の発光素子20は、光源部100内に配置されている。図3に例示する構成において、光源部100は、それぞれが1つの発光素子20を有する676個の領域を含んでいる。以下では、説明の便宜のために、1つの発光素子を有する単位をセグメントまたは単位領域と呼ぶことがある。以下、各構成要素を詳細に説明する。
(配線基板10)
配線基板10は上面10aおよび下面10bを有する。配線基板10の上面10a側に複数の発光素子20が配置され、支持される。配線基板10は、それぞれが配線パターンを有する複数の導体配線層(または金属層)と、絶縁層11とを有する。本実施形態では、配線基板10は、第1導体配線層12aおよび第2導体配線層12bを積層した構造を有する。第1導体配線層12aおよび第2導体配線層12bは、絶縁層11内に設けられたビア13を介して電気的に接続されている。絶縁層11の一部は、配線基板10の上面10aのうち発光素子20が実装された領域以外の領域を覆っている。なお、導体配線層が有する配線パターンについては後で詳しく説明する。
配線基板10の典型例は、ロール・ツー・ロール方式で製造可能なフレキシブルプリント基板(FPC)である。本実施形態では、光源部100が実装される配線基板10としてFPCを例示する。FPCは、フィルム状の絶縁体(樹脂)と、例えば銅から形成された導体配線層とを有する。FPCの絶縁体を構成する樹脂材料として、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、BTレジン、ポリフタルアミド(PPA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等を挙げることができる。配線基板10としてFPCを用いることにより、発光装置を軽量化、薄型化することができる。
例えば、配線基板10のx方向の長さLx2は、55.0mm程度であり、y方向の長さLy2は、60.0mm程度である。配線基板10の厚さ(図中のz方向の高さ)は、適宜選択することができ、その厚さ(図中のz方向の高さ)は、0.170mm程度であり得る。
耐熱性および耐光性に優れるという観点から、配線基板10の材料として、セラミックスを選択してもよい。その場合において、配線基板10は、リジット基板である。リジット基板は、湾曲可能な程度に薄型の基板であり得る。セラミックスとしては、例えば、アルミナ、ムライト、フォルステライト、ガラスセラミックス、窒化物系(例えば、AlN)、炭化物系(例えば、SiC)等が挙げられる。
また、配線基板10の絶縁体は、ガラス繊維強化樹脂(ガラスエポキシ樹脂)等の複合材料によって形成されていてもよい。すなわち、上述した樹脂材料に、ガラス繊維、SiO2、TiO2、Al2O3等の無機フィラーを混合してもよい。これにより、配線基板10の機械的強度を向上させることができる。また、熱膨張係数を低減させ、光反射率を向上させることが可能になる。
図1および図2に例示する構成のそれぞれにおいて、第1導体配線層12aは、配線基板10の上面10a側に設けられている。複数の発光素子20のそれぞれが有する正極(アノード)21aおよび負極(カソード)21cは、第1導体配線層12aに電気的に接
続されている。他方、第2導体配線層12bは、配線基板10の下面10b側に設けられている。第2導体配線層12bは、外部の制御回路(不図示)から配線基板10のコネクタC(図3参照)を介して複数の発光素子20に電力を供給するため配線パターンを有している。導体配線層の材料は、配線基板10の絶縁体に用いられる材料、製造方法等に応じて適宜選択され得る。例えば、配線基板10の絶縁体の材料としてエポキシ樹脂を用いる場合は、導体配線層の材料には、加工し易い材料を選択することが好ましい。例えば、銅、ニッケル等の金属層をメッキ、スパッタリング、蒸着、プレスによる貼り付けによって形成し、フォトリソグラフィー等によって金属層を所定の配線パターンに加工することにより、配線基板10の導体配線層を得られる。あるいは、印刷により、導体配線層を得てもよい。配線パターン上にソルダレジストをコーティングすることにより、配線パターンの表面の酸化が抑制される。
配線基板10の絶縁体の材料としてセラミックスを用いる場合、導体配線層の材料として、セラミックスと同時焼成が可能な高融点金属を適用し得る。例えば、タングステン、モリブデン等の高融点金属から導体配線層を形成し得る。導体配線層は、多層構造を有していてもよい。例えば、導体配線層は、上述した方法で形成される高融点金属のパターンと、このパターン上にメッキ、スパッタリング、蒸着等により形成されたニッケル、金、銀等の他の金属を含む金属層とを有していてもよい。
図4および図5を参照しながら、配線基板10に設けられ得る配線パターンの例を詳しく説明する。
図4は、図3に示される破線の矩形で囲まれた4×4個のセグメントを含む領域(以下、単に「セグメント領域」と呼ぶことがある。)を拡大して示している。図5は、セグメント領域における配線パターンのレイアウト例を示している。
2次元に配列された676個の発光素子20は、第1導体配線層12aに設けられた配線パターンに電気的に接続されている。第1導体配線層12aに設けられた配線パターンは、第2導体配線層12bに設けられた配線パターンにビア13を介して電気的に接続されている。第2導体配線層12bに設けられた配線パターンは、コネクタCに電気的に接続されている。このような電気的な接続関係により、外部の制御回路(不図示)から配線基板10のコネクタCを介して複数の発光素子20に電力を供給することが可能となる。
図5は、各セグメントの発光素子20が有する正極21a、負極21cを、第1導体配線層12aに設けられた配線パターンに実装するための、アノード側およびカソード側のランド15a、15bの形状例を示す。図4および図5に示す例では、第1導体配線層12aは、それぞれがx方向に延びる複数の配線パターンPA1を含む。これら配線パターンPA1は、セグメントの4行4列の配列のy方向に沿って配置されており、各配線パターンPA1は、同一行に位置する複数のランド15aとの間の接続を有する。すなわち、各配線パターンPA1は、同一行に位置する複数の発光素子20の正極21a同士を電気的に接続する。複数の行に位置する複数の配線パターンPA1は、第2導体配線層12bに設けられた共通の配線パターンPA2にビア13を介して電気的に接続されている。配線パターンPA2は、y方向に沿って延びており、コネクタCに接続されている。この接続関係により、全ての発光素子20の正極21aに配線パターンPA2から共通の電圧駆動信号が供給される。
また、第1導体配線層12aは、セグメント毎に設けられた、カソードの配線パターンPC1も含んでいる。カソードの配線パターンPC1は、カソード側のランド15bに接続されており、ビア13を介して配線パターンPC2に電気的に接続される。配線パターンPC2は、第2導体配線層12bにセグメント毎に設けられ、コネクタCに接続されて
いる。この接続関係により、配線パターンPC2を介して、発光素子20の負極21cに電圧駆動信号がセグメント単位で供給される。
上述したアノードおよびカソードの配線パターンは、発光素子をセグメント単位でマトリクス駆動することを可能とする。光源部100は、ローカルディミング動作を行うことができる。
再び、図1を参照する。
(発光素子20)
上述したとおり、本実施形態では、複数の発光素子20は、x方向およびy方向に沿って2次元に配列されており、x方向の配列ピッチpxとy方向の配列ピッチpyは、等しい。しかしながら、複数の発光素子20の配列は、この例に限られない。x方向とy方向との間で発光素子20の配列ピッチが異なっていてもよいし、複数の発光素子20の2次元配列の2方向は、直交していなくてもよい。また、配列ピッチは、等間隔に限られず、不等間隔であってもよい。例えば、配線基板10の中央から周辺に向かって間隔が広くなるように複数の発光素子20が配列されていてもよい。
発光素子20は、半導体発光素子であり、発光素子20として、半導体レーザ、発光ダイオード等、公知の発光素子を利用することができる。本実施形態においては、発光素子20として発光ダイオードを例示する。発光素子20から出射される光の波長は、任意の波長を選択することができる。例えば、青色〜緑色の波長を有する光を発する発光素子として、ZnSe、窒化物系半導体(InxAlyGa1−x−yN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)、GaPを用いた素子を用いることができる。また、赤色の波長を有する光を発する発光素子として、GaAlAs、AlInGaP等の半導体を含む半導体発光素子を用いることができる。さらに、これら以外の材料から形成される半導体発光素子を発光素子20に用いることもできる。用いる半導体の組成、ならびに、発光素子の発光色、大きさおよび個数等は、目的、設計仕様に応じて適宜選択することができる。
発光素子20は、例えば、透光性の基板と、基板の上に積層された半導体積層構造を有する。半導体積層構造は、活性層と、活性層を挟むn型半導体層およびp型半導体層とを含む。発光素子20は、短波長の光を出射することが可能な窒化物半導体(InxAlyGa1−x−yN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)を含むことが好ましい。これにより、後述する波長変換層40中の蛍光体を効率良く励起することができる。半導体の材料および/またはその混晶度によって発光波長を種々選択することができる。
n型半導体層およびp型半導体層に負極21cおよび正極21aがそれぞれ電気的に接続されている。発光素子20は、光を出射する上面(または出射面)20aおよび上面20aとは反対側に位置する下面20bを有する。発光素子20は、同一面側に正負の電極を有していてもよいし、異なる面に正負の電極を有していてもよい。本実施形態における正極21aおよび負極21cは、ともに下面20b側に位置している。
発光素子20の正極21aおよび負極21cは、配線基板10の上面10aに設けられた第1導体配線層12aに電気的に接続され、かつ、固定されている。本実施形態では、配線基板10にFPCを用いることができる。発光素子20は、光源部100の形で配線基板10に実装されてもよいし、配線基板10に直接実装されてもよい。
発光素子20は、典型的にはベアチップである。発光素子20は、上面20aから出射する光の出射角度を広くするためのレンズ等を備えていてもよい。配線基板10の上面10aから発光素子20の上面20aまでのz方向の高さは、例えば約0.425mmであ
り得る。
発光装置200に設ける複数の発光素子20は、2種類以上の発光素子20を含み得る。複数の発光素子20は、例えば、青色の波長を有する光を発する発光素子、緑色の波長を有する光を発する発光素子および赤色の波長を有する光を発する発光素子を含み得る。発光装置200に用いる発光素子の種類を、発光装置200から出射される光の演色性を高める観点から決定することができる。
(光反射部材30)
光反射部材30は、配線基板10上に配置され、配線基板10の上面10aおよび複数の発光素子20のそれぞれの側面20cを覆う部材である。光反射部材30は、正極21aおよび負極21cを覆い、かつ、発光素子20の下面20bと配線基板10の上面10aの間の隙間を埋めるように形成され得る。ただし、アンダーフィル樹脂がその隙間に充填されていてもよい。アンダーフィル樹脂によって、発光素子20と配線基板10との間の熱膨張係数の差によって生じ得る応力を緩和したり、放熱性を高めたりすることが可能となる。
光反射部材30は、樹脂と、樹脂に分散した反射材の粒子とを含む材料から形成される。反射材の粒子の例は、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化亜鉛等の酸化物の粒子である。酸化物の粒子の平均粒子径は、例えば0.05μm以上30μm以下程度である。光反射部材30は、顔料、光吸収材、蛍光体等をさらに含んでいてもよい。光反射部材30を形成するための樹脂材料に、アクリレート樹脂、エポキシ樹脂等を主成分とした光硬化性樹脂を用いることができる。光反射部材30における、光を散乱させる反射材の粒子は、均一に分布していてもよい。
光反射部材30の上面30aは、少なくとも1つの凹面31cを含む凹部31(第2凹部)を有し得る。凹部31の形状は、光反射部材30の製造時に樹脂材料を硬化させた後に生じ得るひけによって規定され得る。凹部31は、連続的に形成された複数の凹面31cを有する構造を備え得る。例えば、上面30aは、平面視において、光反射部材30の上面30aのうち複数の発光素子20の間の領域に連続的に形成された複数の凹面31cを有する凹部31を有し得る。より詳しく説明すると、凹部31は、それぞれがx方向に延びる複数の溝およびそれぞれがy方向に延びる複数の溝を含み得る。平面視において、x方向に延びる複数の溝のそれぞれは、y方向に隣接する2つの発光素子20の上面20aの間に位置し、y方向に延びる複数の溝のそれぞれは、x方向に隣接する2つの発光素子20の上面20aの間に位置する。x方向に延びる複数の溝とy方向に延びる複数の溝とは、互いに交差し得る。光反射部材30の上面30aのうち複数の発光素子20の複数の上面20aの領域以外の領域に、x方向に延びる複数の溝とy方向に延びる複数の溝とが形成され、これらが互いに交差することにより、凹部31は、上面30aに格子状に形成され得る。凹部の形状、具体的には、ひけの凹面の曲率は、樹脂に含有される反射材の濃度を調整することによって制御することが可能であり、理論上は、複数の凹面の形状を精密に制御することも可能である。後述するように、凹部31は、保護層60を形成する樹脂材料によって充填される。
光反射部材30は、複数の発光素子20を保護する機能を有する。また、光反射部材30は、発光素子20のとりわけ側面20cから発せられる光を反射して、発光素子20の上方に導光する機能を有する。その結果、発光素子20から発せられる光の利用効率を向上させることができる。光反射部材30は、さらに、後述する波長変換層40から保護層60に入射する光を反射して、光源部100の、配線基板10とは反対側に導光する機能を有する。加えて、上面30aが凹部31を有する場合には、ひけの凹面によって光の反射回数が光反射部材30内で増え得るので、光の取り出し効率をさらに向上させることが
可能となる。発光素子20の下面20b側にも光反射部材30を設けることにより、配線基板10の上面10aに向かう光を光反射部材30で反射して発光素子20の上方に導光することができる。その結果、発光素子20から発せられる光の利用効率を向上させることができる。
(波長変換層40)
波長変換層40は、複数の発光素子20のうちの対応する発光素子20が有する出射面20aの上方に配置されている。換言すると、複数の波長変換層40が、複数の発光素子20の上方に位置している。図2に示されるように、発光装置200は、複数の発光素子20が有する複数の出射面20aと複数の波長変換層40との間に位置する複数の接着層45をさらに有し得る。つまり、複数の発光素子20のそれぞれが有する上面20aと、複数の波長変換層40のうちの、その発光素子20に対応する波長変換層40との間に接着層45が配置されていてもよい。
波長変換層40は、典型的には、樹脂中に蛍光体の粒子が分散された材料から形成される。波長変換層40は、発光素子20から出射された光の少なくとも一部を吸収し、発光素子20から発せられる光の波長とは異なる波長の光を発する。例えば、波長変換層40は、発光素子20からの青色光の一部を波長変換して黄色光を発する。このような構成によれば、波長変換層40を通過した青色光と、波長変換層40から発せられた黄色光との混色によって、白色光が得られる。波長変換層40の厚さは、例えば、100μm以上200μm以下の範囲に設定し得る。本実施形態における波長変換層40の厚さは、例えば100μm程度であり得る。
蛍光体等の粒子を分散させる母材としては、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、ユリア樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂もしくはフッ素樹脂、または、これらの樹脂の2種以上を含む樹脂を用いることができる。波長変換層40の材料に母材とは屈折率の異なる材料を分散させることにより、波長変換層40に光拡散の機能を付与してもよい。例えば、波長変換層40の母材に、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化亜鉛等の粒子を分散させてもよい。
蛍光体には、公知の材料を適用することができる。蛍光体の例は、KSF系蛍光体等のフッ化物系蛍光体、CASN等の窒化物系蛍光体、YAG系蛍光体、βサイアロン蛍光体等である。YAG系蛍光体は、青色光を黄色光に変換する蛍光体の例であり、KSF系蛍光体およびCASNは、青色光を赤色光に変換する蛍光体の例であり、βサイアロン蛍光体は、青色光を緑色光に変換する蛍光体の例である。蛍光体は、量子ドット蛍光体であってもよい。
波長変換層40は、例えば青色光を、赤色光および緑色光にそれぞれ変換する複数種の蛍光体を含有し得る。その場合において、発光装置200は、発光素子20から発せられる青色光を波長変換層40に入射させることにより、赤、青、緑の光を混合して白色光を出射してもよい。発光装置200に設ける複数の波長変換層40に含まれる蛍光体がこれらの間で共通であることは、必須ではない。複数の波長変換層40の間で、蛍光体を異ならせることも可能である。
(光反射層50)
図1および図2に示すように、複数の光反射層50が複数の波長変換層40上に配置される。光反射層50のそれぞれは、入射光の一部を透過し、一部を反射する半遮光層である。光反射層50の厚さは、例えば50μm以上100μm以下の範囲に設定し得る。本実施形態における光反射層50の厚さは、例えば50μm程度であり得る。光反射層50は、光反射部材30と同様に、樹脂と、樹脂に分散した反射材の粒子である、酸化チタン
、酸化アルミニウム、酸化ケイ素等の酸化物の粒子とを含む材料から形成され得る。酸化物の粒子の平均粒子径は、例えば0.05μm以上30μm以下程度である。光反射層50は、顔料、光吸収材、蛍光体等をさらに含んでいてもよい。光反射層50を形成するための樹脂材料には、アクリレート樹脂、エポキシ樹脂等を主成分とした光硬化性樹脂を用いることができる。
平面視において、複数の波長変換層40は、複数の光反射層50と重なる。ただし、複数の波長変換層40のそれぞれは、複数の光反射層50のうちの、対応する光反射層50の少なくとも一部と重なっていればよい。波長変換層40または光反射層50の領域は、複数の発光素子20のうちの対応する発光素子20が有する出射面20aを包含する。すなわち、ある1つのセグメントに注目したとき、平面視における、波長変換層40または光反射層50の領域の面積は、出射面20aの面積に等しいか、またはそれよりも大きい。光反射層50の領域の中心および波長変換層40の領域の中心は、対応する発光素子20の出射面20aに垂直な方向に延びる光軸L上に位置していることが好ましい。
複数の光反射層50(または複数の波長変換層40)のそれぞれの領域は、平面視において、典型的には矩形の形状を有する。例えば、光反射層50の領域は、正方形であり、その一辺の長さは、0.5mm程度であり得る。ただし、光反射層50の領域が円形状を有することもあり得る。
光反射層50を発光素子20の直上の位置に設けることにより、波長変換層40から光軸Lに平行な方向に発せられる光が効果的に遮光され、発光素子20の直上以外の領域における輝度を向上させることができる。換言すれば、発光装置200の上面における輝度ムラを効果的に抑制して、より均一な光を得ることができる。
本実施形態では、発光素子20の出射面20aから光反射層50までの距離は、100μm程度と非常に短い。そのため、平面視において、例えば、光反射層50の領域が出射面20aに完全に重なるようにすることにより、光反射層50の面積を最小限としながら、発光素子20の直上の領域における輝度を抑制し、発光素子20の直上以外の領域における輝度を向上させることができる。光反射層50の領域が円形状であり、かつ発光素子20の出射面20aが正方形状を有する場合、光反射層50の領域の直径は、出射面20aの正方形状の対角線の長さに一致していてもよい。
複数の光反射層50のそれぞれは、平面視において、ドット状の光反射パターンを有していてもよい。すなわち、各光反射層50は、それぞれがドット状に形成された複数の光反射部材の集合であってもよい。その場合において、光反射層50内における光反射パターンのドット密度は、光反射層50の領域の外側から中心に向けて高くされ得る。一例として、ドット状の光反射パターンは、光反射層50における光を散乱させる反射材の粒子の分布によって規定されるパターンであり得る。反射材の粒子は、発光素子20の配光角の絶対値が小さい領域(すなわち光軸Lからの傾きが小さい角度範囲)において、配光角の絶対値が大きい領域よりも高密度で分布し得る。このように、配光角の絶対値に応じて光透過率を変えることが可能であり、ドットの密度によって光の反射率または透過率を制御することができる。また、他の一例として、光反射層50の膜厚を制御することにより、配光角の絶対値に応じて光透過率を変えることが可能である。発光素子20の配光角の絶対値が小さくなるにつれて、つまり、光反射層50の領域の外側から光軸に近づくにつれて、光反射層50の膜厚を次第に大きくしてもよい。
(保護層60)
保護層60は、光反射部材30上に配置され、複数の波長変換層40および複数の光反射層50の少なくとも側面を覆う層である。図1に示されるように、保護層60は、さら
に、複数の光反射層50が有する複数の上面50aを覆うように形成され得る。
図1に示す例においては、保護層60の上面60aのうち光反射層50の上方に位置する領域は、平坦面である。ただし、保護層60の上面60aのうち光反射層50の上方に位置する領域は、保護層60の上方に向かって凸の曲面であってもよい。この場合、保護層60の上面60aのうち光反射層50の上方に位置する領域における中心部の高さと周縁部の高さとの間の差を例えば10nm以上50μm以下の範囲とできる。
図2に示されるように、複数の上面50aが保護層60によって覆われていないこともあり得る。つまり、複数の上面50aは、保護層60から露出されていてもよい。
本実施形態において、保護層60は、透光性の樹脂層であり、保護層60と対向する光反射部材30の上面30aは、保護層60に接している。保護層60の材料として、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂またはこれらを混合した樹脂材料を用いることができる。保護層60は、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化亜鉛等の光拡散材を含有していてもよい。これにより、波長変換層40から保護層60に入射する光または光反射部材30で反射された光を拡散させることができる。その結果、発光装置200の上面における輝度ムラを抑制することができる。保護層60の厚さ(光反射部材30の上面30aから保護層60の上面60aまでの、図のz方向に沿った距離)は、例えば150μm程度であり得る。
保護層60の上面60aは、少なくとも1つの凹面61cを含む凹部61(第1凹部)を有する。凹部61の形状は、保護層60の形成時に樹脂材料を硬化させた後に生じ得るひけによって規定され得る。例えば、凹部61は、連続的に形成された複数の凹面61cを有する構造を備え得る。本願の図1、図2等の図面において、理解を容易にする観点から、特に凹部61の形状を誇張して図示している。平面視において、保護層60の上面60aは、上面60aのうちの複数の光反射層50の間の領域に連続的に形成された複数の凹面61cを有し得る。凹部61は、保護層60の上面60aのうち平面視において複数の光反射層50と重なる領域以外においてx方向またはy方向に延びる複数の凹面を含む形状を有し得る。例えば、凹部61は、それぞれがx方向に延びる複数の溝およびそれぞれがy方向に延びる複数の溝が交差することにより上面60aに格子状に形成され得る。図1に示される断面構造において、それぞれの凹面61cの底61a(上面60aのうち最も低い部分)は、波長変換層40の上面の位置よりも下方、つまり、光反射部材30側に位置している。凹部の形状、具体的には、ひけの凹面の曲率は、樹脂材料の濃度を調整することによって制御することが可能である。また、複数の凹面の形状を精密に制御することも可能である。
発光装置200は、材料の異なる複数の部材から構成される。そのため、各部材の熱膨張係数の差に起因して応力が発生し、発光装置200に反りが生じることがあり得る。一般に、主として樹脂材料から形成された部材の方が、FPCよりも熱膨張し易い。例えば、発光装置200の動作時に発光素子20が発熱することによって内部温度が上昇し、配線基板10と、保護層60または光反射部材30等の部材との間の熱膨張係数の差に起因して発光装置200に反りが生じる場合がある。保護層60および光反射部材30の少なくとも一方は、配線基板10よりも大きな熱膨膨張係数を有し得る。例えば、配線基板10の熱膨膨張係数は、20ppm/℃程度であり、光反射部材30の熱膨張係数は、100ppm/℃程度であり、保護層60の熱膨張係数は、200ppm/℃程度である。そのため、発光素子20の発熱によって、熱膨張係数の大きい保護層60側に発光装置200が反る(発光装置200の中央部が図中の+z方向に凸となるように反る)可能性がある。
本実施形態に係る発光装置200は、保護層60の上面60aに凹部61を有する。保護層60の上面60aに凹部61を有する構成によれば、凹部61が発光装置200の反りとは逆(図中の−z方向)に窪んでいることにより、保護層60および光反射部材30のように主として樹脂から形成された部材が膨張した場合であっても反りの程度が緩和される利点が得られる。さらに、図1に例示する構成および図2に例示する構成では、光反射部材30の上面30aにも凹部31が形成されている。凹部31も、発光装置200が反りやすい方向とは逆の方向に(図中の−z方向に)窪んでいるので、反りの程度がより緩和され得る。このように、本開示の実施形態によれば、光反射部材30または保護層60と配線基板10との間の熱膨張係数の差に起因して生じ得る反りの程度を緩和することができる。
図6は、本開示の他のある実施形態に係る発光装置200Aの構造の一例を模式的に示す断面図である。図7は、発光装置200Aの構造の他の一例を模式的に示す断面図である。図1および図2と同様に、図6および図7は、図3に示すA−A’線と同様の位置で発光装置200Aを切断したときの断面の一部を模式的に示している。図6に例示する構成では、図1を参照しながら説明した例と同様に、保護層60が光反射層50の上面50aを覆っている。他方、図7に例示する構成では、図2を参照しながら説明した例と同様に、光反射層50の上面50aが保護層60から露出されている。
本実施形態に係る発光装置200Aは、図6および図7において点線の楕円で示すように、配線基板10に配列された複数の発光素子20の配列において互いに隣接する2つの発光素子20の間に位置する区画構造DVを有する。後述するように、区画構造DVは、例えば複数の発光素子20を取り囲むように設けられ、それぞれが複数の発光素子20のうちの1つを含む単位領域を規定する。
図1および図2に示す発光装置200と比較して、発光装置200Aは、光源部100に代えて光源部100Aを有する。光源部100Aは、光反射部材30に代えて光反射部材30Aを含んでいる。光反射部材30Aは、その上面30a側に、光反射部材30Aから保護層60内に突出している凸部30wを有する。すなわち、この例では、光反射部材30Aの上面30aに位置する凸部30wの形で区画構造DVが発光装置200Aに設けられている。
この例では、凹部31の内部に凸部30wが形成されている。平面視において例えば凹部31がある方向に沿って延びている場合、凸部30wも凹部31に沿って線状に形成され得る。換言すれば、凸部30wは、凹部31に沿って延びる壁状の構造であり得る。
光反射部材30Aの上面30aを基準としたときの凸部30wのうち最も高い部分(頂部)は、図中のZ方向に関し、例えば波長変換層40の下面と上面との間に位置する。後述するように、凸部30wは、例えば光反射部材30Aの材料と共通の材料から形成されることにより、光反射性を有する。すなわち、区画構造DVとしての凸部30wは、互いに隣接する2つの単位領域の一方の単位領域中の発光素子20から発せられた光が他方の単位領域内に入射することを抑制する機能を有する。
各単位領域の発光素子20を取り囲むようにこのような区画構造DVを設けることにより、例えば、互いに隣接する2つの単位領域のうちの一方の発光素子20を点灯状態とし、他方の発光素子20を消灯状態としたときに、発光素子20が消灯された単位領域への光の進入を抑制できる。したがって、単位領域間の境界におけるコントラスト比が向上する結果、より有利にローカルディミング動作を適用し得る。
図8および図9は、凸部30wの断面形状の例を示す。凸部30wの断面形状は、図6
および図7に例示するような矩形状に限定されず、台形状、図8に示すような三角形状または図9に示すような半円形状であってもよい。凸部30wの断面形状は、あるいは、半楕円形状、不定形状であってもよい。凸部30wの表面の断面視における形状も、直線状または円弧状に限定されず、任意の曲線状、または、段差もしくは屈曲を含むような形状であってもよい。
図10は、本開示の他のさらにある実施形態に係る発光装置200Bの構造の一例を模式的に示す断面図である。図11は、発光装置200Bの構造の他の一例を模式的に示す断面図である。図6および図7と同様に、図10および図11も、図3に示すA−A’線と同様の位置で発光装置200Bを切断したときの断面の一部を模式的に示している。
図1および図2に示す発光装置200と比較して、図10および図11に例示する発光装置200Bは、光源部100に代えて、保護層60Bをその一部に含む光源部100Bを有する。図11は、保護層60Bから光反射層50の上面50aが露出された例である。
保護層60Bには、区画構造DVとしての溝60gが設けられている。上述の凸部30wと同様に、溝60gは、凹部31に沿って線状に延びる構造であり得る。光反射層50から保護層60Bに導入され、溝60gの形状を規定する側面に入射した光の一部は、溝60gの側面の位置で反射される。すなわち、保護層60Bに溝60gを設けることにより、区画構造DVとして光反射部材30Aに凸部30wを形成した場合と同様に、互いに隣接する2つの単位領域間における光の漏れを抑制する効果が得られる。
図12は、区画構造DVとしての溝60gの配置の一例を模式的に示す。図12は、光源部100Bが、18行18列の単位領域の配列を有する場合の溝60gの配置の一例を示している。図12に例示する構成において、区画構造DVは、複数の溝60gを含んでいる。これら溝60gのそれぞれは、2次元に配列された単位領域URのうち互いに隣接する2つの単位領域間にx方向またはy方向に沿って直線状に延びている。換言すれば、この例における区画構造DVは、光源部100Bの保護層60Bに設けられた格子状の溝である。各溝60gの上面視における幅は、例えば220μm程度である。
溝60gは、x方向またはy方向に沿って光源部100Bの一端から他端まで連続的に直線状に延びる構造に限定されない。図13に例示する構成において、2次元に配列された複数の単位領域URのうち最外周に位置する単位領域以外の単位領域の1つに注目すると、その単位領域に含まれる発光素子20を取り囲むように4つの溝60gが配置されている。このように、溝60gは、単位領域UR中の発光素子20を取り囲むように設けられればよい。各単位領域URにおいて発光素子20を取り囲む連続した形状(例えば矩形状)を有していることは、必須ではない。また、単位領域URの2次元配列において最外周に位置する単位領域については、溝60gが平面視において発光素子20の四方を取り囲んでいることは、必須ではない。
上述の凸部30wの配置についても、溝60gの配置と同様のことがいえる。溝60gと同様に、凸部30wも各単位領域URの発光素子20を取り囲むように光源部100Aに設けられ得る。例えば、区画構造DVとしての凸部30wは、格子状の壁部の形で光反射部材30Aの上面30aに形成され得る。
図14〜図16は、溝60gの断面形状の例を示す。溝60gの形状は、図10および図11に例示するようなV溝に限定されず、種々の形状を採用し得る。図14は、溝60gをU溝の形で保護層60Bに設けた例である。このように、溝60gの形状を規定する1以上の側面の形状は、平面状に限定されず、曲面を含む形状であってもよい。溝60g
の側面の断面視における形状は、直線状もしくは円弧状、またはこれらの組み合わせに限定されず、段差または屈曲を含むような形状であってもよい。
溝60gの深さは、例えば、保護層60Bの上面60aから光反射部材30の上面30aまでの距離の例えば20%以上100%以下の範囲である。互いに隣接する2つの単位領域URの間におけるコントラスト比の向上の観点からは、光反射部材30の上面30aに達するように溝60gを形成することが有利である。この場合、溝60gの断面形状は、図15に例示するように台形状であり得る。図16は、光反射部材30の上面30aに対して側面が概ね垂直となるように溝60gを形成した例である。なお、光反射部材30の上面30aに達する深さで溝60gを形成した場合、保護層60Bは、単位領域URごとに空間的に分離された複数の部分を含む。なお、溝60gの幅が保護層60Bの上面60aから光反射部材30の上面30aに向かって窄まっていることは、必須ではない。保護層60Bの上面60aに位置する、溝60gの開口の幅が、溝60gのうち保護層60Bの内部に位置する部分の幅よりも狭いような形状も採用し得る。
図17は、本開示の他のさらにある実施形態に係る発光装置200Cの構造の一例を模式的に示す断面図である。図18は、発光装置200Cの構造の他の一例を模式的に示す断面図である。図10を参照しながら説明した例と同様に、図17に示す発光装置200Cは、配線基板10と、光源部100Bとを含み、この例における区画構造DVは、溝60gに加えて、溝60gの内部に位置する区画部材65を有する。同様に、図18に示す発光装置200Cは、図11に示す例と比較して、溝60gの内部に位置する区画部材65を含んでいる。
区画部材65は、例えば光反射層50または光反射部材30と同様の材料から形成されることにより、光反射性を有する。図17に示す例および図18に示す例では、溝60gの内部が区画部材65で充填されている。溝60gの内部に区画部材65を配置することにより、互いに隣接する2つの単位領域URの間におけるコントラスト比をより有利に向上させ得る。区画部材65は、全ての溝60g内に配置されてもよいし、一部の溝60g内に配置されてもよい。溝60gの内部は、これらの例のように区画部材65で充填されていてもよいし、空気で満たされていてもよい。
図19は、溝60gの内部に設けられ得る区画部材の形状の他の例を示す。図19に示す例では、溝60gの側面を覆うように層状の区画部材65fが区画構造DVに配置されている。この例のように、例えば樹脂層の形で溝60g内に区画部材を形成してもよい。区画部材65fは、金属膜、誘電体多層膜等の反射膜であってもよい。
図20は、本開示のさらに他のある実施形態に係る発光装置200Dの構造の一例を模式的に示す断面図である。図21は、発光装置200Dの構造の他の一例を模式的に示す断面図である。図1を参照しながら説明した構成と比較して、図20に示す発光装置200Dは、光源部100に代えて光源部100Dを有する。光源部100Dは、光反射層50に代えて光反射層50Dを含んでいる。図21に示す例でも同様に、発光装置200Dは、複数の光反射層50Dをその一部に含む光源部100Dを有する。図20に例示する構成において光反射層50Dの上面50aが保護層60に覆われていることに対し、図21に例示する構成では、光反射層50Dの上面50aが保護層60から露出されている。
図20に例示する構成および図21に例示する構成において、光反射層50Dの側面50cは、波長変換層40の側面40cとは一致しておらず、光反射層50Dの一部は、波長変換層40の上面40aからはみ出している。換言すれば、z方向に沿って見たとき、光反射層50Dの上面50aの面積は、波長変換層40の上面40aの面積よりも大きい。
上述したように、波長変換層40上に設けられる光反射層(ここでは光反射層50D)は、入射光の一部が透過可能な半遮光層である。したがって、波長変換層40上に設けられる光反射層を設けてもなお、保護層60の上面60aのうち波長変換層40の直上の領域と、その周囲の領域との間に大きな輝度差が生じ得る。平面視において波長変換層40の上面40aよりも大きな面積を有する光反射層50Dを波長変換層40上に配置することによって、光反射層50Dと光反射部材30との間で反射が繰り返されることにより、波長変換層40から保護層60に導入された光を発光素子20からより離れた位置まで伝播させ得る。発光素子20からより離れた位置まで光が到達するようになる結果、z方向に沿って見たときに、保護層60の上面60aのうち波長変換層40の直上の領域と、その周囲の領域との間の輝度差が緩和される。すなわち、輝度ムラ改善の効果が得られ、波長変換層40の直上の領域が点光源のように見えることを回避し得る。波長変換層40の側面40cから光反射層50Dの側面50cまでの距離(図20中に両矢印OHで示す)は、例えば50μm程度である。
図22は、本開示のさらに他のある実施形態に係る発光装置200Eの構造の一例を模式的に示す断面図である。図23は、発光装置200Eの構造の他の一例を模式的に示す断面図である。図22に例示する構成と、図23に例示する構成との間の相違点は、図23に示す例では、光反射層50の上面50aが保護層60から露出されている点である。
図1を参照しながら説明した構成と比較して、図22および図23に示す発光装置200Eは、配線基板10の導体配線層に電気的に接続された回路素子であって、発光素子20とは異なる回路素子をさらに有している。この例では、発光素子20とともに回路素子25が配線基板10に実装されており、回路素子25は、その全体が光反射部材30に覆われている。
回路素子25は、例えば、2以上の発光素子20に接続されるドライバ、または、ツェナーダイオード等の保護素子であり得る。回路素子25として保護素子を配線基板10に配置する場合、回路素子25は、各単位領域URの発光素子20に電気的に直列または並列に接続され得る。換言すれば、回路素子25は、それぞれが発光素子20を含む単位領域URごとに配線基板10に実装され得る。
発光素子20だけでなく回路素子25を配線基板10に実装することにより、コネクタCに接続される外部の制御回路の構造を簡略化し得る。また、配線基板10上の回路素子25を光源部100の例えば光反射部材30に埋め込むことにより、発光素子20から出射された光の回路素子25による吸収を回避でき、回路素子25を配線基板10に実装したことに起因して光の利用効率が低下することを回避できる。
図24は、本開示のさらに他のある実施形態に係る面発光光源300の構造の一例を示す断面図である。図25は、面発光光源300の構造の他の一例を示す断面図である。面発光光源300は、上述の発光装置200または200A〜200Eのいずれかと、拡散板71、プリズムアレイ層72および73を有する透光積層体70とを有する。透光積層体70の形状は、平面視において例えば矩形である。図24は、図1に示される断面構造を有する発光装置200上に透光積層体70を積層して得られる面発光光源300の断面構造を例示しており、他方、図25は、図2に示される断面構造を有する発光装置200上に透光積層体70を積層して得られる面発光光源300の断面構造を例示している。
(拡散板71)
面発光光源300においては、保護層60の上に拡散板71を設けてもよい。換言すれば、拡散板71は、保護層60の上面60aから間隔をあけて面発光光源300に設けら
れてもよいし、上面60aの少なくとも一部に直接に接していてもよい。拡散板71は、入射する光を拡散させ、透過させる。光を拡散させる構造は、拡散板71の表面に凹凸を設けたり、拡散板71中に屈折率の異なる材料を分散させたりすることによって拡散板71に設けられる。拡散板71は、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂等、可視光に対して光吸収の少ない材料から形成される。拡散板71として、光拡散シート、ディフューザーフィルム等の名称で市販されている光学シートを利用してもよい。拡散板71の厚さは、例えば約0.443mmであり得る。
図24に例示する構成および図25に例示する構成において、面発光光源300は、保護層60の上面60aが有する凹部61と拡散板71の下面71bとの間に形成された空間を有している。この空間は、例えば空気によって満たされている。換言すれば、本実施形態において、面発光光源300は、上面60aの凹部61の凹面61cと、拡散板71の下面71bとの間に位置する空気層を有している。保護層60と拡散板71との間に空気層を設けることにより、波長変換層40から保護層60に入射する光のうち大きな入射角で凹面61cに入射する成分を光反射部材30の上面30aに向けて反射させ得る。凹面61cと光反射部材30の上面30aとの間で反射を繰り返させることにより、発光素子20から離れた位置から取り出される光に関する取り出し効率を向上させることができる。
(プリズムアレイ層72、73)
拡散板71の上方に位置するプリズムアレイ層72、73のそれぞれは、それぞれが所定の方向に延びる複数のプリズムが配列された構造を有する。例えば、プリズムアレイ層72は、図24および図25において、それぞれがy方向に延びる複数のプリズムを有し、プリズムアレイ層73は、それぞれがx方向に延びる複数のプリズムを有する。本明細書では、プリズムアレイ層72、73を積層した構造を「プリズムシート」と呼ぶ。プリズムアレイ層72、73は、種々の方向から入射する光を、発光装置200に対向する表示パネル(不図示)に向かう方向(図中の+z方向)に屈折させる。これにより、面発光光源300の発光面である透光積層体70の上面70aから出射する光が主として上面70aに垂直(z軸に平行)な成分を多く含むこととなる結果、面発光光源300を正面(z方向)から見た場合の輝度を高めることができる。プリズムアレイ層72、73として、市販されているバックライト用の光学部材を広く利用できる。プリズムアレイ層72、73の厚さは、それぞれ、例えば0.07mm、0.09mm程度であり得る。
透光積層体70は、2枚のプリズムアレイ層を積層した構造を有するシート状のプリズムシートを有し得る。プリズムシートの厚さは、0.08mm程度であり得る。このように、プリズムシートの厚さは、2枚のプリズムアレイ層を単純に積層した場合の厚さの半分程度に抑えることが可能である。プリズムシートとして、例えば3M社の高度構造光学複合体(ASOC)を用いることができる。このようなプリズムシートを採用することにより、面発光光源300を一層薄型化することが可能となる。そのような薄型の面発光光源300は、スマートフォン等の用途に特に有用である。プリズムシートは、拡散板71に直接に接していてもよいし、拡散板71から間隔をあけて透光積層体70に設けられてもよい。
面発光光源300は、プリズムアレイ層73の上方に位置する反射型偏光層(不図示)をさらに有し得る。反射型偏光層は、表示パネル、例えば液晶表示パネルのバックライト側に配置された偏光板の偏光方向に一致する偏光方向の光を選択的に透過し、その偏光方向に垂直な方向の偏光をプリズムアレイ層72、73側へ反射させる。反射型偏光層から戻ってきた偏光の一部はプリズムアレイ層72、73および拡散板71で再度反射する際に偏光方向が変化し、液晶表示パネルの偏光板の偏光方向を有する偏光に変換され、再び反射型偏光層に入射し、表示パネルへ出射する。これにより、発光装置200から出射す
る光の偏光方向を揃え、表示パネルの輝度向上に有効な偏光方向の光を高効率で得られる。
近年、ビデオゲーム機、スマートフォン等の市場において要求される発光装置の厚さに関する仕様は、2.0mm未満であり、例えば1.5mm以上1.65mm以下という非常に厳しい仕様が要求されることがある。本開示の実施形態に係る発光装置200は、その要求を十分に満足し得る。さらに、波長変換層40の直上に設けられた光反射層50によって、発光装置200の発光面から出射される光の輝度ムラを適切に抑制することが可能となる。
図26は、図3に示されるA−A’線に沿って切断した場合における面発光光源300の断面構造のうちの光源部100の縁の部分を例示している。図26に例示する構成において、配線基板10および光源部100は、それらの周囲を覆うテープ80によって固定されている。テープ80の一部は、光源部100の保護層60の上面60aの縁に沿って枠状に形成されている。テープ80のうち保護層60の上面60a上に位置する部分は、接着層として機能し、その接着層により、光源部100の周囲を囲む矩形の枠90が光源部100上に固定される。拡散板71、プリズムアレイ層72および73を有する透光積層体70は、枠90によって光源部100上に固定される。この例では、枠90と透光積層体70との境界線70sに沿って、枠状のテープ81が枠90および透光積層体70の上面に設けられている。テープ80、81として、例えば日東電工社製の両面接着テープ(型番:No.5606BN)を用いることができる。
このような組立て構造によれば、FPCの縁に枠を配置するスペースを確保する必要がなくなるため、光源部100を配置する領域を配線基板10の外縁付近まで拡大することが可能となる。このように、配線基板10としてのFPCのサイズを変更することなく、FPC上の領域を最大限に利用して光源部100をFPC上に配置することが可能となる。
[2.発光装置200の製造方法]
図26、および、図27から図30を参照して、発光装置200および面発光光源300の製造方法の一例を説明する。図27から図29に、発光装置200の製造方法に含まれる各製造工程を説明するための工程断面図を示している。図30に、面発光光源300の製造方法に含まれる製造工程を説明するための工程断面図を示している。
まず、配線基板10としての例えばFPCと、複数の発光素子20とを準備する。次に、図27に示されるように、配線基板10に発光素子20を実装する。配線基板10に対する発光素子20の接合の強度を高める観点から、発光素子20の下面20bと配線基板10の上面10aとの間の空間にアンダーフィル樹脂を充填してもよい。
次に、発光素子20が実装された状態の配線基板10を型枠内に配置し、図28に示されるように、例えばポッティングにより、光硬化樹脂材料を型枠内に注入する。配線基板10上に付与された樹脂材料を紫外線で照射して硬化させることにより、複数の発光素子20のそれぞれの側面を覆う光反射部材30を形成する。このとき、例えば、樹脂材料の硬化に伴うひけの形で樹脂材料の表面に凹部31を形成できる。
波長変換層40および光反射層50を発光素子20の直上に形成する前のいずれかの段階で、それぞれが波長変換層上に光反射層を有する積層構造の複数のシート片を準備する。例えば、まず、波長変換層上に光反射層を積層したシート状の積層体を準備する。例えば以下のようにしてこのような積層体を得ることができる。まず、樹脂中に蛍光体の粒子が分散された材料を型枠内に注入して硬化させることにより、シート状の波長変換層を得
る。次に、波長変換層上に光反射層の樹脂材料を塗布して硬化させることにより、シート状の積層体が完成する。その積層体を、例えば0.8mm角のサイズに個片化することにより、上述の複数のシート片が得られる。
光反射部材30の形成後、例えば、複数の発光素子20のそれぞれの出射面20aに接着材を塗布し、図29に示されるように、各出射面20aにシート片を貼付する。接着材が塗布された出射面20a上へのシート片の配置には、例えばダイボンディング装置(ダイボンダ)を適用できる。このとき、ダイボンディング装置は、シート片の中心が光軸L上に位置するようにアライメントを行う。発光素子20の出射面20aの全体がシート片によって覆われるようにする観点から、シート片の面積が出射面20aの面積よりも大きいことが好ましい。これにより、アライメント精度に対する要求が緩和され得る。このようにして、複数の発光素子20の直上に、複数の波長変換層40および複数の光反射層50を形成することができる。図示されるように、光源部100は、発光素子20の上面20aと波長変換層40との間に位置する接着層45を有し得る。
次に、各発光素子20の出射面20aの上方に波長変換層40および光反射層50が配置された構造を型枠内に配置し、ポッティング等により透明樹脂材料を光反射部材30に付与する。このとき、光反射層50の上面50aが覆われるように透明樹脂材料を光反射部材30に付与してもよい。その後、紫外線の照射、加熱等によって樹脂材料を硬化させることにより、複数の波長変換層40および複数の光反射層50の少なくとも側面を覆う保護層60を形成できる。このとき、硬化した樹脂材料の表面に例えばひけが形成されることにより、保護層60に凹部61が形成される。上記の工程を経て、図1に示す構造と同様の構造を有する発光装置200が得られる。なお、硬化した樹脂材料の一部を研削等によって除去し、光反射層50の上面50aを硬化した樹脂材料から露出させてもよい。あるいは、光反射部材30への透明樹脂材料の付与の工程において光反射層50の上面50a以外の領域に透明樹脂材料を付与し、透明樹脂材料を硬化させることによって保護層60を形成してもよい。このような工程によれば、図2に示す構造と同様の構造を有する発光装置200が得られる。
なお、光反射部材30の形成前に配線基板10に回路素子25を実装することにより、図22および図23に例示する発光装置200Eが得られる。光反射部材30の材料の硬化後、硬化された材料の表面に光反射部材30の材料をディスペンサ等で例えば線状にさらに付与して硬化させることにより、図6等に例示した凸部30wを形成可能である。図10等を参照しながら説明した区画構造DVとしての溝60gは、保護層60の形成後に、レーザ照射、または、回転砥石を用いた切削等によって保護層60の一部を除去することによって形成できる。溝60gの形成後、例えば光反射部材30の材料で溝60gを充填し、光反射部材30の材料を硬化させることにより、図17、図18に示すような区画部材65を有する発光装置200Cが得られる。印刷等によって光反射部材30の材料を溝60gの表面に付与することにより、図19に示すような区画部材65fを形成してもよい。
複数の発光素子20のそれぞれの出射面20aに、波長変換層上に光反射層を有する積層構造のシート片を貼付することに代えて、蛍光体の粒子が分散された樹脂等から形成された蛍光シート片を各出射面20aに貼付してもよい。透明樹脂材料を光反射部材30に付与して硬化させた後、研削等によって蛍光シート片の表面を露出させる。蛍光シート片の表面に光反射層の樹脂材料を塗布して硬化させたり、光反射層の樹脂材料から形成された樹脂シート片を蛍光シート片の表面に貼付したりすることにより、図20および図21に示すような、波長変換層40の上面40aからはみ出す形状の光反射層50Dを形成できる。
必要に応じ、拡散板等の光学部材を保護層60の上方に配置する。例えば、図26に示されるように、配線基板10および発光装置200の周囲をテープ80で覆う。このとき、発光装置200の保護層60の縁に沿ってテープ80の一部を保護層60の上面60a上に配置する。これにより、保護層60の上面60aに枠状の接着層を形成できる。次に、接着層によって発光装置200の上に枠90を固定する。
次に、図26および図30に示されるように、発光装置200の保護層60の上に透光積層体70を配置して枠90によって透光積層体70を発光装置200に固定する。このとき、保護層60の凹部61と拡散板71の下面71bとの間に空気層が形成される。透光積層体70が有するプリズムアレイ層72としては、例えば、3M社製のプリズムフィルム(型番:BEF4 DML)を用いることができ、プリズムアレイ層73としては、3M社製のプリズムフィルム(型番:TBEF2 DT LS)を用いることができる。その後、透光積層体70の上面側に現れた、枠90と透光積層体70との境界線70sに沿って、枠状のテープ81を貼付する。枠90を利用した固定に代えて、レーザ溶着によって保護層60の上に透光積層体70を固定してもよい。上記の工程を経て、面発光光源300が得られる。
配線基板10上に付与された樹脂材料を硬化させることによって光反射部材30を形成することに代えて、配線基板10上に樹脂シート等を配置することにより、光反射部材を有する光源部を得てもよい。例えば、配線基板10への発光素子20の実装後、図31に例示するように、配線基板10上の複数の発光素子20と対応する位置に貫通孔32が設けられた樹脂シートを接着シート等によって配線基板10上に配置してもよい。これにより、複数の発光素子20と対応する位置に貫通孔32を有する光反射部材30Sを配線基板10上に形成することができる。
光反射部材30Sとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)等を母材とする光反射性の樹脂シートを適用できる。複数の貫通孔32の形成方法に特に限定はない。例えばパンチングによって樹脂シートに貫通孔を形成することにより、所望の位置に貫通孔32が設けられた光反射部材30Sを得ることができる。なお、図22および図23に示す例のように配線基板10上に回路素子25を配置する場合には、回路素子25に対応した位置にも貫通孔32を形成しておけばよい。
光反射部材30Sの形成に樹脂シートを適用した場合、光反射部材30Sの上面30aは、基本的に平坦面である。換言すれば、光反射部材30Sの上面30aは、基本的に凹部を有しない。しかしながら、樹脂シート上に樹脂材料を線状に付与して樹脂材料を硬化させたり、線状あるいは格子状の樹脂部材を樹脂シート上に接合したりすることにより、光反射部材30Sの上面30a側に、平面視において発光素子20を取り囲む形状の凸部30wを形成することが可能である。
光反射部材30Sの形成後、図32に示すように、必要に応じて各貫通孔32の内部を樹脂材料で充填する。貫通孔32の内部に配置される樹脂材料は、透明な樹脂材料であってもよいし、光反射層50等の材料と同様の光反射性の樹脂材料であってもよい。その後、貫通孔32内の樹脂材料を硬化させることにより、貫通孔32内に封止部材34を形成できる。封止部材34の上面34aは、光反射部材30Sの上面30aと概ね整合する。封止部材34の一部は、発光素子20の下面20bと配線基板10の上面10aの間の隙間にも位置し得る(アンダーフィル)。なお、配線基板10上の各発光素子20の側面を覆う光反射部材の全体を、樹脂シートと、樹脂シートに設けられた貫通孔32内に配置された樹脂材料とから形成してもよい。あるいは、上述の光反射部材30または光反射部材30Aの一部を、樹脂シートと、樹脂シートに設けられた貫通孔32内に配置された樹脂材料とに置き換えることによって各発光素子20の側面を覆う光反射部材を形成してもよ
い。
封止部材34の形成後、各発光素子20の上方に波長変換層40および光反射層50を配置する。このとき、波長変換層40は、封止部材34を覆うように発光素子20の出射面20aの上方に形成され得る。さらに、図29を参照しながら説明した例と同様にして、光反射部材30Sおよび封止部材34を覆う保護層60を形成する(図33参照)。保護層60は、光反射層50の上面50aを覆っていてもよいし、覆っていなくてもよい。保護層60の形成により、光反射部材30Sをその一部に含む光源部100Sを配線基板10上に得ることができる。以上の工程により、光源部100Sおよび配線基板10を有する発光装置200Sが得られる。
図34に例示するように、上述の発光装置200Sの保護層60の上に透光積層体70を配置してもよい。例えば枠90によって透光積層体70を発光装置200Sに固定することにより、光源部100Sをその一部に含む面発光光源300Sが得られる。
本開示の実施形態に係る発光装置は、面発光光源300、300Sの部品として製造および販売され得る。例えば、部品のサプライヤーから発光装置200の供給を受けるメーカーは、本開示の実施形態に係る発光装置と、透光積層体70等の残りの構成部材とを上述した方法によって組み上げることにより、発光装置を備える面発光光源を製造および販売し得る。そのような面発光光源は、例えば液晶表示装置のバックライト光源として好適に利用され得る。