JP2021170489A - シート状電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 信頼性に優れたシート状電池を提供する。【解決手段】 本発明のシート状電池は、熱溶着性樹脂層を有するラミネートフィルムで構成された外装体内に、正極、負極、およびそれらの間に介在するセパレータが積層された電極積層体を収容してなり、前記正極および前記負極には、それぞれ端子部が取り付けられており、前記正極の端子部の一端および前記負極の端子部の一端が、前記電極積層体の両側にそれぞれ配置された前記ラミネートフィルム同士が熱溶着されてなる溶着部を介して外部に引き出されており、前記正極および前記負極のうちの少なくとも一方の電極の端子部は、前記溶着部よりも前記電極側において、少なくとも前記電極の対極が存在する側に耐熱性を有する絶縁層が形成されている。【選択図】 図3

Description

本発明は、信頼性に優れたシート状電池に関するものである。
種々の機器の電源用途などに利用されている一次電池や二次電池は、正極と負極とをセパレータを介して重ねて渦巻状に巻回した巻回電極体を筒形の金属容器に収容した形態のものや、正極と負極とをセパレータを介して重ねた積層電極体を扁平状の金属容器に収容した、コイン形やボタン形と称される扁平状の形態のものが一般的である。
しかし、近年では、例えば薄型の電子機器のように、前記の金属容器では適用し難い用途へのニーズもあり、こうした要請に応えるべく、ラミネートフィルム外装体を用いたシート状電池も開発されている。ラミネートフィルム外装体を用いたシート状電池の場合、薄型の形態にしやすいといった点以外にも、金属容器と異なり外装体に可撓性があるために必要に応じてある程度形状を変え得ることから、前記のような金属容器を用いた電池よりも適用機器の範囲が広いといった利点がある。
前記のようなシート状電池においては、通常、ラミネートフィルム同士の熱溶着によって外周を封止してなるラミネートフィルム外装体の内部に、正極および負極を含む電極体や電解質を収容しており、電極と適用機器とを接続するための端子部が、外装体の前記熱溶着した箇所を介して外部に引き出されている。そのため、ラミネートフィルム外装体の溶着部のうちの前記端子部が介在する箇所のシール性が、他の部分より弱くなるといった問題がある。また、例えばシート状電池の製造時において、正極の端子部と負極の端子部との接触による短絡が発生する虞もある。
一方、シート状電池における前記のような問題を解決する技術の提案もある。例えば、特許文献1には、ラミネートフィルム外装体の溶着部と正極および負極の端子部(接続端子)との間にシール部材を配置し、前記端子部の、前記シール部材よりも正極側や負極側の少なくとも一部の箇所を、前記シール部材よりも融点が低い絶縁部材で覆い、前記ラミネートフィルム外装体および前記シール部材を、前記熱溶着部で溶着する電池などの電気化学素子を提案している。
特許文献1に記載の技術によれば、前記絶縁部材によって正極の端子部と負極の端子部との接触による短絡を防止できるとともに、絶縁部材がラミネートフィルム外装体と端子部のシール部材との間に位置するようにすることが可能であり、その場合に、絶縁部材の融点がシール部材よりも低いため、ラミネートフィルム外装体、絶縁部材およびシール部材を溶着することができることから、ラミネートフィルム外装体のシール性の低下を防止できる。
特開2019−160659号公報
特許文献1に記載の技術は、正極の端子部と負極の端子部との接触による短絡の発生を良好に防止でき、例えば電池製造時の歩留まりを高めることが可能であるが、電池の組み立て時に絶縁部材が熱溶着部に入り込んだ場合、絶縁部材の融点が低いため、電池の発熱時には、外装体のシール性が低下する虞がある。また、絶縁部材が熱溶着部に入り込んでいなくても、電池の発熱時には絶縁部材が軟化して、絶縁性が低下する虞がある。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、信頼性に優れたシート状電池を提供することにある。
本発明のシート状電池は、熱溶着性樹脂層を有するラミネートフィルムで構成された外装体内に、正極、負極、およびそれらの間に介在するセパレータが積層された電極積層体を収容してなり、前記正極および前記負極には、それぞれ端子部が取り付けられており、前記正極の端子部の一端および前記負極の端子部の一端が、前記電極積層体の両側にそれぞれ配置された前記ラミネートフィルムが熱溶着されてなる溶着部を介して外部に引き出されており、前記正極および前記負極のうちの少なくとも一方の電極の端子部は、前記溶着部よりも前記電極側において、少なくとも前記電極の対極が存在する側に耐熱性を有する絶縁層が形成されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、信頼性に優れたシート状電池を提供することができる。
本発明のシート状電池の一例を模式的に表す平面図である。 図1のI−I線断面図である。 図2の要部拡大図である。 本発明のシート状電池の他の例を模式的に表す要部断面拡大図である。 本発明のシート状電池の他の例を模式的に表す要部断面拡大図である。 正極合剤層の一部のみを集電体と接合した正極を有する積層電極体の一例を模式的に表す断面図である。
図1および図2に、本発明のシート状電池の一例を模式的に表している。図1は平面図であり、図2は、図1のI−I線断面図である。
図1および図2に示すシート状電池1においては、ラミネートフィルムで構成された外装体内に、1枚の正極10と2枚の負極20、20とが、セパレータ30、30を介して重ねられてなる電極積層体と、電解質(図示しない)とが収容されている。
正極10の集電体には、端子部3が溶接などによって接続されている。そして、端子部3の端部(正極10と接続している側と反対側の端部)は、ラミネートフィルム外装体2の外部に引き出されている。また、図示していないが、負極20の集電体にも端子部4が電池内で溶接などによって接続されており、端子部4の端部(負極20と接続している側と反対側の端部)が、ラミネートフィルム外装体2の外部に引き出されている。これらの端子部3、4は、シート状電池の適用機器との電気的接続に利用される。
また、図3に、図2の要部拡大図を示す。図3に示すシート状電池1において、正極10は、正極集電体12の両面に正極合剤層11、11を有している。また、負極20は、負極集電体22の片面に負極活物質層21を有している。
ラミネートフィルム外装体2は、電池の内側となる面に熱溶着性樹脂層を有する多層構造のラミネートフィルムで構成されており、図中上側のラミネートフィルムと下側のラミネートフィルムとが、それらの熱溶着性樹脂層同士で熱溶着されることで封止されている。ただし、図2および図3では、図面が煩雑になることを防止する観点から、ラミネートフィルム外装体を構成するラミネートフィルムの各層を示していない。
また、ラミネートフィルム外装体のラミネートフィルムが熱溶着された溶着部において、正極10の端子部3が介在する箇所では、例えば、アイオノマー樹脂40、40を介して、ラミネートフィルムと端子部3とが接合されている。
そして、正極10の端子部3には、溶着部(アイオノマー樹脂40が存在する箇所)よりも正極10側(図中左側)において、負極20、20が存在する側に耐熱性を有する絶縁層50、50が形成されている。
このように、本発明のシート状電池においては、ラミネートフィルム外装体における 溶着部において、正極の端子部および負極の端子部とラミネートフィルムとは、例えば、アイオノマー樹脂を介して接合されている。そして、正極および負極のうちの少なくとも一方の電極の端子部(図3に示すシート状電池では正極の端子部3)は、溶着部(アイオノマー樹脂が存在する箇所)よりも電極側において、少なくとも前記電極(同正極10)の対極(同負極20)が存在する側に耐熱性を有する絶縁層が形成されている。
電極の端子部は、例えばシート状電池の製造時において、対極やその端子部などと接触しやすいが、端子部のうち、露出させておくことを要する箇所(適用機器の端子部などと接触させる箇所など)以外の部分を、耐熱性を有する絶縁層で被覆しておくことで、こうした短絡の発生を防止できる。また、電池の使用時などにおいて、電池の発熱により絶縁部材が軟化して絶縁性が低下する虞も生じないため、シート状電池の信頼性を高めることが可能となる。
また、ラミネートフィルム外装体の溶着部のうち、電極の端子部が介在している箇所においては、熱溶着性樹脂層を直接端子部に接触させると、そのシール性が低下することもあるが、そのような場合には、アイオノマー樹脂を介してラミネートフィルムと端子部とを接合することで、そのシール性を高めて、電池の信頼性をより一層向上させることができる。
ところが、電極の端子部の表面に絶縁層を形成し、この絶縁層がラミネートフィルム外装体の溶着部に介在すると、溶着部のシール性を低下させる要因となる。
そこで、本発明では、絶縁層が、ラミネートフィルム外装体における溶着部には介在しないように、電極の端子部における絶縁層の被覆箇所を、前記溶着部(例えば、アイオノマー樹脂の存在箇所)よりも前記電極側にした。これにより、ラミネートフィルム外装体における溶着部において、絶縁層が介在することによるシール性の低下の問題を防ぐことができる。
本発明のシート状電池においては、これらの作用によって、その信頼性を高めることができる。
また、図4には、本発明のシート状電池の他の例を模式的に表す要部断面拡大図を示している。図4に示すシート状電池1においては、正極10の端子部3が、セパレータ30を介して負極20と対向する対向部3aを有しており(端子部3の図中上側の面)、絶縁層50の一部が、セパレータ30(図中上側のセパレータ30)の負極20側の面上にも形成されている。なお、図4においては、正極の各層などの厚みを表現する関係上、例えば端子部3の対向部3aとセパレータ30とが離れて配置しているように示しているが、実際のシート状電池においては、各層は非常に薄いため、端子部3の対向部3aとセパレータ30とは接している場合が多い(後記の図5においても同様である)。
図4に示すように、正極および負極のうちの一方の電極の端子部が、対極と対向する対向部を有する場合、この対向部において対極と接触して短絡する虞もある。例えば、前記電極とセパレータとをあらかじめ積層した後に、この積層体と対極とを重ねる手順で積層電極体を形成する場合には、前記電極の端子部に形成する絶縁層の一部を、重ねたセパレータの対極側の面上にまで形成しておくことで、電極の端子部が対向部において対極と接触することを良好に抑制できるため、シート状電池の信頼性や生産性がさらに向上する。
なお、図4に示すシート状電池1では、正極10の端子部3のうち、対向部3aを持たない面(図中下側の面)においても、対向部3aを有する面と同様に、絶縁層50の一部が、セパレータ30(図中下側のセパレータ30)の負極20側の面上にも形成されている。このように、電極の端子部の対向部を持たない面側においても、絶縁層の一部を、セパレータの対極側の面上にまで形成してもよい。
絶縁層の一部をセパレータの面上にまで形成する場合、セパレータを覆う部分の長さ(図4中セパレータ30の右端から、絶縁層50の左端までの長さ)については、電池のサイズなどによって変動し得るが、通常は、0.5〜3mm程度とすればよい。
さらに、図5には、本発明のシート状電池の他の例を模式的に表す要部断面拡大図を示している。図5に示すシート状電池1においても、正極10の端子部3が、セパレータ30を介して負極20と対向する対向部3aを有しており(端子部3の図中上側の面)、絶縁層50(図中上側の絶縁層50)の一部が、対向部3aを超えて正極10上にも形成されている。
例えば、端子部を有する一方の電極の対極とセパレータとをあらかじめ積層し、この積層体を前記電極と積層して積層電極体を形成する場合には、前記電極の端子部に形成する絶縁層の一部を、対向部を超えて前記電極上にも形成することで、電極の端子部が対向部において対極と接触することを良好に抑制できるため、シート状電池の信頼性や生産性がさらに向上する。
なお、図5に示すシート状電池1では、正極10の端子部3のうち、対向部3aを持たない面(図中下側の面)においても、対向部3aを有する面と同様に、絶縁層50の一部が、正極10上(図中下側の面上)にも形成されている。このように、電極の端子部の対向部を持たない面側においても、絶縁層の一部を、電極上にまで形成してもよい。
絶縁層の一部を電極上にまで形成する場合、電極上を覆う部分の長さ(図5中正極10における正極合剤層11の右端から、絶縁層50の左端までの長さ)については、電池のサイズなどによって変動し得るが、通常は、0.5〜3mm程度とすればよい。
絶縁層は、溶着部(アイオノマー樹脂の存在箇所)と、図3〜図5中の横方向において接していてもよく、絶縁層と溶着部とが離間した状態で配置されていてもよいが、絶縁層と溶着部とが近く、端子部における露出した部分ができるだけ小さいことが好ましく、絶縁層と溶着部とが接していることがより好ましい。
絶縁層は、端子部と対極との接触を良好に防止できればよく、例えば、電気絶縁性の材料(樹脂など)のシート(フィルム)を、粘着剤を介して端子部の所定箇所に貼り付ける方法(前記シートと粘着剤層とを有するテープを貼り付ける方法を含む);電気絶縁性の材料を溶媒とを含む組成物を、端子部の所定箇所に塗布し、乾燥して形成する方法;などによって形成することができる。
絶縁層の素材としては、耐熱性を付与するため、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)などのフッ素樹脂;ポリメチルペンテン;ポリフェニレンサルファイド(PPS);ポリエーテルエーテルケトン(PEEK);ポリブチレンテレフタレート(PBT);ポリアミド(アラミドを含む);ポリイミド;セルロース;などの、融点が180℃以上であるかあるいは融点を持たない耐熱性の樹脂を使用する。
絶縁層は、空孔を有してなくてもよく、多孔質層であってもよい。なお、図4に示すように、絶縁層の一部をセパレータ上にまで形成する場合には、絶縁層を多孔質層とすると、正極と負極との間での電解質の移動(イオンの移動)を妨げないようにすることができる。また、図5に示すように、絶縁層の一部を電極上にまで形成する場合には、絶縁層を多孔質層とすると、絶縁層の形成による電極の活物質の利用率の低下を可及的に抑制することができる。
絶縁層を多孔質層とする場合には、前記樹脂製の不織布や微多孔膜を、粘着剤を介して端子部に貼り付けたり、粒子状の前記樹脂を、これを溶解しない溶媒に分散させた分散液を調製し、この分散液を端子部に塗布し乾燥したりする方法で形成することができる。
樹脂製のシート(不織布、微多孔膜などの多孔質シートを含む)を端子部に貼り付ける際の粘着剤には、各種の電池において、内部の部材の接着に利用されている公知の粘着剤(アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ゴム系粘着剤など)を使用すればよい。
絶縁層の厚みは、端子部と対極との接触による短絡をより良好に防止する観点から、10μm以上であることが好ましく、30μm以上であることがより好ましく、また、通常は、50μm以下とすることが好ましい。
本発明のシート状電池は、非水電解質を有する一次電池および二次電池、並びに水系の電解質を有する一次電池および二次電池のいずれの形態を取ることもできるが、以下には、本発明の主要な形態である非水一次電池を例にとって、シート状電池の構成を詳細に説明する。
シート状電池が非水一次電池の場合、正極には、正極活物質、導電助剤およびバインダなどを含有する正極合剤層と集電体とを有する構成のものが使用できる。
正極活物質としては、二酸化マンガン、リチウム含有マンガン酸化物〔例えば、LiMnや、二酸化マンガンと同じ結晶構造(β型、γ型、またはβ型とγ型が混在する構造など)を有し、Liの含有量が3.5質量%以下、好ましくは2質量%以下、より好ましくは1.5質量%以下、特に好ましくは1質量%以下である複合酸化物など〕、LiTi5/3(4/3≦a<7/3)などのリチウム含有複合酸化物;バナジウム酸化物;ニオブ酸化物;チタン酸化物;二硫化鉄などの硫化物;フッ化黒鉛;などが挙げられる。
また、正極の導電助剤としては、例えば、鱗片状黒鉛、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンブラックなどが挙げられ、これらのうちの1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
さらに、正極のバインダとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、六フッ化プロピレンの重合体などのフッ素樹脂などが挙げられ、これらのうちの1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
正極は、例えば、正極活物質に導電助剤やバインダを配合し、必要に応じて水などを添加してなる正極合剤(スラリー)を、ロールなどを用いて圧延するなどして予備シート化し、これを乾燥・粉砕したものを再度ロール圧延などによってシート形状に成形して正極合剤シートとし、これを集電体に圧着するなどして形成することができる。
正極においては、正極合剤層の片面全体を集電体と接合してもよいが、正極合剤層の一部のみを集電体と接合してもよい。
ラミネートフィルム外装体を有するシート状電池は外装体が可撓性を有することから、必要に応じて形状をある程度変形できるが、正極合剤層を厚くした場合、電池を曲げるなどすると、正極合剤層の割れや欠けが生じて容量が十分に引き出せないことがある。この場合、正極合剤層の一部のみが集電体と接合し、他の部分が接合していない非接合部である正極であれば、正極合剤層が、非接合部において正極集電体との間で位置ずれを起こし得ることから、過度の応力が正極合剤層に付加されることを抑制でき、正極合剤層の割れや欠けを抑えることが可能となる。よって、正極合剤層と集電体とが一部でのみ接合している正極を使用することで、設置に際しシート状電池に多少の変形を要する機器に適用しても、容量低下を良好に抑制できることから、種々の機器への適用が容易となる。
正極合剤層の一部のみを集電体と接合した正極としては、例えば、複数の正極合剤層が、集電体を介して積層されて構成されており、前記複数の正極合剤層が、それぞれ、一部分が隣接する集電体と接合されている正極などが挙げられる。
図6に、正極合剤層の一部のみを集電体と接合した正極を有する積層電極体の一例を模式的に表す断面図を示す。
図6に示す電極体100は、正極10と負極20とがセパレータ30を介して重ねられて形成された積層電極体である。正極10は、正極集電体12の両面に1枚ずつ正極合剤層11、11が配置されて構成されている。
なお、正極10は、前記のように正極集電体12の両面に1枚ずつ正極合剤層11、11を配置する以外に、1枚の正極合剤層を折り返し、正極集電体12を挟むようにすることにより構成することもできる。
また、負極20は、負極集電体22の片面(セパレータ30側の面)に負極活物質層21が配置されて構成されている。さらに、電極体100において、セパレータ30は、1枚のシート状のものが折り返され正極10を挟むことで、正極10の両面に配置されており、負極20は、1枚のシート状のものが折り返され正極10の外側に配置されたセパレータ30を挟むことで、セパレータ30の外側で正極10と対向するよう配置されている。
そして、正極10においては、正極合剤層11、11は、これらと隣接する正極集電体12と、その一部分(正極合剤層接合部11a)が接合されており、前記正極合剤層接合部のみが一体化されている。図1の電極体100において、正極合剤層接合部11aは、正極合剤層11、11における図中点線部分よりも左側の網掛の箇所の、正極集電体12との接触部分である。
また、正極は、複数の正極合剤層が積層されて構成されており、前記複数の正極合剤層が、それぞれ、一部分が隣接する正極合剤層と接合されており、かつ内部に集電体を有している態様でもよい。
このように、複数の正極合剤層のそれぞれを、隣接する正極合剤層と一部でのみ接合し、他の部分においては互いに接合しない非接合部とした正極の場合にも、正極に多少の曲げを加えても、各正極合剤層は、隣接する正極合剤層との非接合部において位置ずれを起こし得ることから、過度の応力が正極合剤層に付加されることを抑制でき、正極合剤層の割れを抑えることが可能となる。これにより、設置に際しシート状電池に多少の変形を要する機器に適用しても、容量低下を良好に抑制できることから、種々の機器への適用が容易となる。
正極合剤層の一部のみを集電体と接合した正極は、例えば、2枚の正極合剤シート(比較的厚い正極合剤シート)を、正極集電体を間に挟みつつ重ね、プレス処理などにより、それぞれの正極合剤シートの一部分のみを正極集電体と接合して製造することができる。
また、1枚の正極合剤シート(比較的厚い正極合剤シート)を、正極集電体を間に挟むように折り返すことで、正極集電体の両面に正極合剤シート(正極合剤層)を配置し、プレス処理などにより、折り返した正極合剤シートの一部分のみ(折り目付近)を正極集電体と接合して正極を製造してもよい。
正極集電体としては、例えば、SUS316、SUS430、SUS444などのステンレス鋼やアルミニウムを素材とするものが挙げられ、その形態としては、平織り金網、エキスパンドメタル、ラス網、パンチングメタルなどの多孔性の基材のほか、正極を2枚の正極合剤シートにより構成する場合には、箔(板)などの無孔性の基材も用いることができる。
正極集電体の厚みは、0.05〜0.15mmであることが好ましい。
正極集電体の表面には、ペースト状の導電材を塗布しておくことができる。正極集電体として立体構造を有する網状のものを用いた場合も、金属箔やパンチングメタルなどの本質的に平板からなる材料を用いた場合と同様に、導電材の塗布により集電効果の著しい改善が認められる。これは、網状の集電体の金属部分が正極合剤層と直接的に接触する経路のみならず、網目内に充填された導電材を介しての経路が有効に利用されていることによるものと推測される。
導電材としては、例えば、銀ペーストやカーボンペーストなどを用いることができる。特にカーボンペーストは、銀ペーストに比べて材料費が安く済み、しかも銀ペーストと略同等の接触効果が得られるため、非水電解液一次電池の製造コストの低減化を図る上で好適である。導電材のバインダとしては、水ガラスやイミド系のバインダなどの耐熱性の材料を用いることが好ましい。これは正極合剤層中の水分を除去する際に200℃を超える高温で乾燥処理するためである。
正極合剤層の厚み(集電体の両面に正極合剤層が形成されている場合は、片面当たりの厚み)は、例えば、0.1〜1mmとすることができる。
なお、正極合剤層の一部のみを集電体と接合した正極の場合、電池の高容量化・高エネルギー密度化を図る観点から、個々の正極合剤層の厚みが、0.3mm以上であることが好ましく、0.6mm以上であることがより好ましい。ただし、各正極合剤層が厚すぎると、正極合剤層の内部抵抗が大きくなり、正極が有する容量が十分に引き出せなくなる虞がある。よって、電池の高容量化効果をより良好に確保する観点から、各正極合剤層の厚みは、1mm以下であることが好ましく、0.9mm以下であることがより好ましい。
正極合剤層における各成分の組成としては、正極活物質の量が80〜95質量%であることが好ましく、導電助剤の含有量が1.5〜10質量%であることが好ましく、バインダの含有量が0.3〜10質量%であることが好ましい。
シート状電池が非水一次電池の場合、その負極は、例えば負極活物質を含有する負極活物質層が集電体の片面または両面に形成された構造のものが使用できる。
負極活物質層は、例えば、リチウムシート(リチウム金属箔またはリチウム合金箔)で構成することができる。負極活物質層がリチウム合金箔で構成される場合、そのリチウム合金としては、リチウム−アルミニウムなどが挙げられる。特に、負極活物質層には、リチウム金属箔とアルミニウムの薄箔とを貼り合わせてなる積層体を用い、アルミニウムの薄箔側を、少なくとも、正極合剤層側に配置することが好ましい。リチウム金属箔とアルミニウム箔との積層体は、電池内で後記の非水電解液と触れることで、その界面においてリチウム−アルミニウム合金を生成する。よって、リチウム金属箔とアルミニウム薄箔との積層体を用いると、電池内において、負極活物質層を構成するリチウムシートの表面でリチウム−アルミニウム合金が生成するが、このとき、リチウム−アルミニウム合金が微粉化するため、リチウムシートの前記合金含有面では、その比表面積が増大する。従って、この合金含有面を、正極合剤層との対向面とすることで、電池がより効率よく放電できるようになる。
負極活物質層を構成するリチウムシートの厚みは、0.1〜1mmであることが好ましい。また、前記のリチウム金属箔とアルミニウムの薄箔との積層体を用いる場合には、リチウム金属箔の厚みが0.1〜1mmであり、アルミニウムの薄箔の厚みが0.005〜0.05mmであることが好ましい。
負極集電体には、銅、ニッケル、鉄、ステンレス鋼などの箔を用いることができる。負極集電体の厚み分だけ電池容器(外装体)の内部体積が減少するため、負極集電体の厚みは可及的に小さいことが好ましく、具体的には、例えば、0.1mm以下であることが推奨される。すなわち、負極集電体が厚すぎると、負極活物質層を構成するリチウムシートなどの仕込み量を少なくせざるを得ず、正極を前記のように厚くすることによる電池容量の向上効果が小さくなる虞がある。また、負極集電体が薄すぎると、破れやすくなるため、負極集電体の厚みは、0.005mm以上であることが好ましい。また、負極集電体は、その幅が負極活物質層を構成するリチウムシートの幅と同じか、それよりも広いことが好ましく、また、その面積が、リチウムシートの面積の100〜130%であることが好ましい。負極集電体の面積を前記のようにすることによって、負極集電体の幅がリチウムシートの幅と同じかまたは広く、長さが長くなるため、負極集電体の周囲に沿ってリチウムシートが切れて電気的接続が断たれることを防ぐことができる。
シート状電池が非水一次電池の場合、正極と負極との間に介在させるセパレータには、従来から知られている非水一次電池で使用されているセパレータ、すなわち、微孔性樹脂フィルムからなるセパレータや樹脂不織布からなるセパレータが使用できる。その材質としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィンの他、耐熱用として、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)などのフッ素樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などが挙げられる。また、前記材質の微孔性フィルムと不織布とを複数積層するか、または微孔性フィルム同士や不織布同士を複数積層することによって構成される複層構造のセパレータを用いることにより、高温環境下で使用する場合の信頼性を高めることもできる。
セパレータの厚みは、例えば、10〜500μmであることが好ましい。また、セパレータの空孔率は、好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上であって、好ましくは90%以下、より好ましくは70%以下である。ここでいうセパレータの空孔率は、一定面積の試料を切り出してその質量と厚みを測定し、これらの測定値から算出することで求められる値である。
正極の両面にセパレータを介して負極を配置する電極体の場合、図2に示すように、2枚のセパレータを使用し、それぞれを正極の負極との対向面に配置してもよいが、図6に示すように、1枚のセパレータを折り返して、正極を挟むように配置してもよい。また、負極についても、2枚の負極を使用し、それぞれを、セパレータを挟んで正極と対向するように配置してもよく、図6に示すように、1枚の負極を折り返して、正極の外側に配置したセパレータを挟むように配置してもよい。
シート状電池が非水一次電池の場合の非水電解質には、有機溶媒に電解質を溶解させた非水電解液が使用できる。有機溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネートなどの環状炭酸エステル;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネートなどの鎖状炭酸エステル;1,2−ジメトキシエタン、ジグライム(ジエチレングリコールジメチルエーテル)、トリグライム(トリエチレングリコールジメチルエーテル)、テトラグライム(テトラエチレングリコールジメチルエーテル)、メトキシエトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフランなどのエーテル;などが挙げられる。特に、前記の炭酸エステルとエーテルとを併用することが好ましい。
非水電解液溶媒として、炭酸エステルとエーテルとを併用する場合には、全溶媒中の炭酸エステルとエーテルとの量比(混合比)は、体積比で、炭酸エステル:エーテル=30:70〜70:30とすることが好ましい。
非水電解液に溶解させる電解質としては、例えば、LiBF、LiPF、LiAsF、LiSbF、LiClO、LiC2n+1SO(n≧1)[LiCFSO、LiCSOなど]、リチウムイミド塩[LiN(CFSO、LiN(CSOなど]、LiC(CFSO、LiCFCO、LiB10Cl10、低級脂肪酸カルボン酸リチウム、LiAlCl、LiCl、LiBr、LiI、クロロボランリチウム、四フェニルホウ酸リチウムなどが挙げられ、それらのうちの少なくとも1種が用いられる。
非水電解液中における電解質の濃度は、特に限定されるものではないが、0.2〜2mol/lが好ましく、0.3〜1.5mol/lがより好ましい。
シート状電池において、前記非水電解液は、通常、液状のまま用いるが、ポリマーなどでゲル化したゲル状のもの(ゲル状電解質)を用いてもよい。
電池は、正極と負極とをセパレータを介しつつ重ねて形成した電極体(積層電極体)と非水電解質とを、ラミネートフィルム外装体内に封入して製造される。
なお、図6に示す態様の正極の場合、複数の正極合剤層は、その隣接する正極集電体または正極合剤層との接合部を一部のみに設けるが、電池製造時や電池内において、各正極合剤層と正極集電体同士、または各正極合剤層同士が散けてしまう虞もある。よって、電極体における正極の非接合部が位置する箇所を、クリップやストラップ、リングなどを用いて、正極の非接合部での電池の変形に伴う位置ずれを損なわない範囲で固定してもよい。
ラミネートフィルム外装体を構成するラミネートフィルムは、熱溶着性樹脂層を有するが、より具体的には、例えば、外装樹脂層/金属層/内装樹脂層(熱溶着性樹脂層)からなる3層構造の金属ラミネートフィルムが使用される。
金属ラミネートフィルムにおける金属層としてはアルミニウムフィルム、ステンレス鋼フィルムなどが、内装樹脂層としては熱溶着性樹脂〔例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)などの低融点のポリオレフィンなど〕で構成されたフィルムが挙げられる。また、金属ラミネートフィルムの外装樹脂層としては、ナイロンフィルム(ナイロン66フィルムなど)、ポリエステルフィルム(ポチエチレンテレフタレートフィルムなど)などが挙げられる。
金属ラミネートフィルムにおいては、金属層の厚みは10〜150μmであることが好ましく、内装樹脂層の厚みは20〜100μmであることが好ましく、外装樹脂層の厚みは20〜100μmであることが好ましい。
ラミネートフィルム外装体の形状については特に制限はないが、例えば、平面視で、3角形、4角形、5角形、6角形、7角形、8角形などの多角形であることが挙げられ、平面視で4角形(矩形または正方形)が一般的である。また、ラミネートフィルム外装体のサイズについても特に制限はなく、所謂薄型や大型などの種々のサイズとすることができる。
なお、平面視で多角形のラミネートフィルム外装体を有するシート状電池の場合、正極の端子部と負極の端子部とは、前記多角形の同一辺から外部に引き出してもよく、それぞれ他の辺から外部に引き出してもよいが、同一辺から外部に引き出す場合に、端子部と対極やその端子部との接触がより生じやすいことから、このような形態を取る場合に、本発明の効果がより顕著となる。
ラミネートフィルム外装体は、1枚の金属ラミネートフィルムを二つ折りにして構成したものであってもよく、2枚の金属ラミネートフィルムを重ねて構成したものであってもよい。
本発明のシート状電池は、従来から知られている各種の一次電池および二次電池と同様の用途に適用できる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は、本発明を制限するものではない。
実施例1
(正極の作製)
まず、以下の手順で、正極合剤(質量比で、固形分:水分=100:30のもの)を調製した。BET比表面積が600m/gのカーボンブラック:3%と二酸化マンガン:92%とを、プラネタリーミキサーを用いて乾式で5分間混合した後、水を固形分の20%(質量比)となるように添加して5分間混合した。PTFEディスパージョンを、固形分が、正極合剤の固形分で5%に当たる量だけ用意し、これを残りの水で希釈して、前記の混合物に添加し、5分間混合して正極合剤を得た。
前記の正極合剤を、直径:250mmの2本ロールを用い、ロール温度を125±5℃に調整し、プレス圧:7トン/cm、ロール間隔:0.4mm、回転速度:10rpmの条件で、ロール圧延してシート化した。ロールを通過した正極合剤(予備シート)を105±5℃で残水分が2%以下になるまで乾燥した。次いで乾燥後の予備シートを粉砕機を用いて粉砕した。この際、前記予備シートが、元の見かけ体積の2倍以上になるまで粉砕した。粉砕後の粒子径は、大部分が1mm以下であり、バインダとして添加したPTFEも1mm以下の長さの繊維状に切断されていた。粉砕後の材料について、再度ロールによるシート化を行った。ロールの間隔は0.6±0.05mmに調整し、ロール温度:125±10℃、プレス圧:7トン/cm、回転速度:10rpmの条件でシート化して正極合剤シートを得た。得られた正極合剤シートは、厚みが0.65mmであった。また、正極合剤シートの密度は2.5g/cmであり、空隙率は42%であった。この正極合剤シートを切断して、幅:26mm、長さ:65mmの正極合剤シートを2枚得た。
正極集電体には、厚みが0.1mmのステンレス鋼(SUS304)製の網を用いた。この網を、幅:23.5mm、長さ:60mmの矩形の本体部と、幅:10mm、長さ:5mmのタブ部とを有する形状に切断した。さらに、この網に、カーボンペーストを、網の目をつぶさない程度に塗布した後、105±5℃の温度で乾燥して正極集電体とした。なお、カーボンペーストの塗布量は、乾燥後の塗布量で5mg/cmとなるようにした。
次に、前記2枚の正極合剤シートの間に正極集電体を挟み、端部およびその近傍のみで各正極合剤シートと正極集電体とを接合して三者を一体化し、正極を得た。
前記正極集電体のタブ部には、幅:6mm、長さ11mm、厚み:0.1mmのニッケル製の正極外部端子を溶接し、正極の端子部とした。なお、この正極外部端子の両面には、溶着部となる部分と対応する位置に、長さ5.5mmの範囲でアイオノマー層をあらかじめ形成しておいた。
(負極の作製)
厚みが0.27mmの金属リチウム箔を、幅:25.5mm、長さ:130mmに切断した。負極集電体には、厚みが10μmの銅箔を、幅:26.5mm、長さ:130mmの本体部と、幅:10mm、長さ:3mmのタブ部とを有する形状に切断して用いた。前記金属リチウム箔を、前記銅箔の本体部の幅方向の中央部に配置して貼り付けて、金属リチウムからなる負極活物質層を負極集電体の片面に有する負極を得た。
(電極体の作製)
セパレータに、幅:31mm、長さ:138mm、厚み:16μmの微孔性ポリエチレンフィルムと、幅:31mm、長さ:138mm、厚み:40μmのポリエチレン製不織布とを重ねて使用し、これを、前記正極を両面から挟むように折り返して配置した。この後、厚みが50μmのイミドテープを正極外部端子のアイオノマー層に接しかつ電池内側となる箇所に貼り付けた。なお、このイミドテープは正極外部端子の表裏両面それぞれに貼り付け、かつセパレータ端部から5mmの位置まで、セパレータを覆っている。そして、前記負極を、正極を挟んで折り畳んだセパレータの外側を挟むように折り返して配置して、図4に示すような断面構造の電極体を形成した。前記電極体の負極のタブ部には、幅:6mm、長さ11mm、厚み:0.1mmのニッケル製の負極外部端子を溶接し、負極の端子部とした。
(シート状電池の組み立て)
厚み:0.085mm、幅:37mm、長さ:156mmのアルミニウムラミネートフィルムを、前記電極体を挟むように折り返し、電極体の上下のアルミニウムラミネートフィルムの2辺を熱溶着した。そして、両アルミニウムラミネートフィルムの残りの1辺から非水電解液(エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメトキシエタンとの体積比15:25:60の混合溶媒に、トリフルオロメタンスルホン酸リチウムを0.45mol/Lの濃度で溶解させた溶液)を注入した。その後、両アルミニウムラミネートフィルムの前記残りの1辺を真空熱封止して、図1に示す外観の非水一次電池(シート状電池)を作製した。
実施例2
正極外部端子の表裏両面それぞれの、アイオノマー層に接しかつ電池内側となる箇所にイミドテープを貼り付けた後、セパレータを正極両面から挟むように折り返して配置した以外は、実施例1と同様にして非水一次電池を作製した。
比較例1
正極外部端子にイミドテープを貼り付けなかった以外は、実施例1と同様にして非水一次電池を作製した。
比較例2
イミドテープに代えて、融点が110℃のポリエチレン製のシートを貼り付けた以外は、実施例1と同様にして非水一次電池を作製した。
実施例および比較例の非水一次電池について、作製から24時間後の電圧を測定した。このとき、電圧が3V以下に低下した電池を内部短絡と判断し、その発生率を求めた。
また、内部短絡を生じなかった電池について、直径が40mmの円柱の外周に沿って湾曲させ、115℃の環境下で2時間保持した後、電池の電圧を測定した。このとき、電圧が3V以下に低下した電池を内部短絡と判断し、その発生率を求めた。
それぞれの結果を表1に示す。
Figure 2021170489
表1に示す通り、正極の端子部(正極外部端子)の適正箇所に耐熱性を有するイミドテープを絶縁層として貼り付けた実施例1、2の非水一次電池は、組み立て時、および湾曲状態で昇温させた時のいずれにおいても、内部短絡が認められず、優れた信頼性を有していた。
これに対し、正極の端子部に絶縁層を持たない比較例1の電池は、組み立て時、および湾曲させた状態で昇温させた時のいずれにおいても、内部短絡したものが生じた。また、耐熱性に劣るポリエチレン製のシートを絶縁層として正極の端子部に貼り付けた比較例2の電池は、組み立て時においては内部短絡が認められなかったが、湾曲状態で昇温させた時には内部短絡したものが生じており、実施例の電池に比べて信頼性が劣っていた。
1 非水一次電池
2 ラミネートフィルム外装体
3 正極の端子部
4 負極の端子部
10 正極
11 正極合剤層
12 正極集電体
20 負極
21 負極活物質層
22 負極集電体
30 セパレータ
40 アイオノマー樹脂
50 絶縁層
100 電極体

Claims (4)

  1. 熱溶着性樹脂層を有するラミネートフィルムで構成された外装体内に、正極、負極、およびそれらの間に介在するセパレータが積層された電極積層体を収容してなるシート状電池であって、
    前記正極および前記負極には、それぞれ端子部が取り付けられており、
    前記正極の端子部の一端および前記負極の端子部の一端が、前記電極積層体の両側にそれぞれ配置された前記ラミネートフィルムが熱溶着されてなる溶着部を介して外部に引き出されており、
    前記正極および前記負極のうちの少なくとも一方の電極の端子部は、前記溶着部よりも前記電極側において、少なくとも前記電極の対極が存在する側に耐熱性を有する絶縁層が形成されていることを特徴とするシート状電池。
  2. 前記電極の端子部の一部が、セパレータを介して前記電極の対極と対向する対向部を有しており、
    前記対向部において、前記絶縁層の一部が、前記セパレータの前記対極側の面上にも形成されている請求項1に記載のシート状電池。
  3. 前記電極の端子部の一部が、セパレータを介して前記電極の対極と対向する対向部を有しており、
    前記絶縁層の一部が、前記対向部を超えて前記電極上にも形成されている請求項1に記載のシート状電池。
  4. 前記絶縁層が、耐熱性の樹脂フィルムで構成されている請求項1〜3のいずれかに記載のシート状電池。
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