JP2021170094A - 加熱装置、定着装置、画像形成装置 - Google Patents

加熱装置、定着装置、画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】反射部材から加熱体への反射熱を抑制することを課題とする。【解決手段】定着ベルト21と、定着ベルト21に対向する加圧ローラ22と、ハロゲンヒータ23と、定着ベルト21の内側に設けられ、定着ベルト21を介して加圧ローラ22との間に定着ニップNを形成するニップ形成部材24と、反射部材26と、を備えた定着装置5であって、反射部材26は、第1の層261と、第1の層261よりもハロゲンヒータ23側に設けられた第2の層262とを有し、第2の層262は、第1の層261よりも熱膨張係数の大きい金属材によって構成されることを特徴とする。【選択図】図7

Description

本発明は、加熱装置、定着装置および画像形成装置に関する。
ヒータなどの加熱体を備えた加熱装置として、被加熱物としての記録媒体上のトナーを定着させる定着装置が存在する。このような定着装置には、定着ベルト等の回転部材を加熱する加熱体と加熱体からの熱を反射する反射部材等が設けられる。
例えば特許文献1(特開2013−114053号公報)の定着装置では、ハロゲンランプの輻射熱をニップ板へ反射する反射板が設けられる。反射板は、定着ベルトの内側で、ハロゲンランプの外周面側を囲むようにして設けられる。
このような定着装置では、定着装置が長時間使用された場合に、反射部材から加熱体への反射熱が蓄積し、加熱体が過度に加熱されるという問題があった。
反射部材から加熱体への反射熱を抑制することを課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明は、回転部材と、前記回転部材に対向する対向回転体と、加熱体と、前記回転部材の内側に設けられ、前記回転部材を介して前記対向回転体との間にニップ部を形成するニップ形成部材と、反射部材と、を備えた加熱装置であって、前記反射部材は、第1の層と、前記第1の層よりも前記加熱体側に設けられた第2の層とを有し、前記第2の層は、前記第1の層よりも熱膨張係数の大きい金属材によって構成されることを特徴とする。
本発明によれば、反射部材から加熱体への反射熱を抑制できる。
画像形成装置の概略構成図である。 本発明の第一実施形態に係る定着装置の側面断面図である。 定着装置の斜視断面図である。 定着装置の正面断面図である。 ベルト支持部材の斜視図である。 ベルト支持部材の変形例を示す斜視図である。 反射部材の層構成を示す図である。 図7と異なる実施形態の反射部材の層構成を示す図である。 反射部材が熱変形した様子を示す、定着装置の側面断面図である。 長手方向に分割された反射部材の斜視図である。 反射部材と用紙の長手方向の位置関係を示す図である。 図11と異なる実施形態の反射部材について、反射部材と用紙の長手方向の位置関係を示す図である。
以下、添付の図面に基づき、本発明について説明する。なお、本発明を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
図1は、本発明の実施の一形態に係る画像形成装置の概略構成図である。まず、図1を参照して、画像形成装置の全体構成及び動作について説明する。
図1に示す画像形成装置1は、電子写真方式のモノクロレーザプリンタである。なお、本発明は、プリンタのほか、複写機、ファクシミリ、あるいは、これらのいずれか2つ又は3つの機能を備える複合機であってもよい。また、モノクロ画像形成装置に限らず、カラー画像形成装置であってもよい。
図1に示すように、画像形成装置1には、画像を形成する画像形成部2と、記録媒体としての用紙Pを画像形成部2に供給する記録媒体供給部3と、供給された用紙Pに画像を転写する転写部4と、用紙Pに転写された画像を定着する定着装置5と、画像が定着された用紙Pを装置外に排出する排出部6と、が設けられている。
画像形成部2は、ドラム状の感光体7と、感光体7の表面を帯電させる帯電手段としての帯電ローラ8と、感光体7の表面を露光して潜像を形成する潜像形成手段としての露光装置9と、感光体7の表面にトナー(現像剤)を供給して潜像を可視画像化する現像手段としての現像ローラ10と、感光体7の表面をクリーニングするクリーニング手段としてのクリーニングブレード11と、を備えている。
印刷動作開始の指示があると、画像形成部2において、感光体7が回転を開始し、帯電ローラ8によって感光体7の表面が均一な高電位に帯電される。次いで、原稿読取装置によって読み取られた原稿の画像情報、あるいは端末からプリント指示されたプリント情報に基づいて、露光装置9が感光体7の表面を露光することで、露光された部分の電位が低下して静電潜像が形成される。そして、この静電潜像に対して現像ローラ10からトナーが供給され、感光体7上にトナー画像が形成される。
感光体7上に形成されたトナー画像は、転写部4に配置された転写ローラ15と感光体7との間の転写ニップにおいて用紙Pに転写される。この用紙Pは、記録媒体供給部3から供給されたものである。記録媒体供給部3では、給紙カセット12に収容されている用紙Pが給紙ローラ13によって1枚ずつ送り出される。送り出された用紙Pは、タイミングローラ対14によって感光体7上のトナー画像とタイミングを合わせて転写ニップへ搬送される。そして、転写ニップにおいて、感光体7上のトナー画像が用紙Pに転写される。また、トナー画像の転写が行われた後、感光体7上に残留するトナーは、クリーニングブレード11によって除去される。
トナー画像が転写された用紙Pは、定着装置5へ搬送される。そして、定着装置5において、用紙Pが定着ベルト21と加圧ローラ22との間を通過する際に加熱及び加圧されることで、トナー画像が用紙Pに定着される。その後、用紙Pは、排出部6に搬送され、排紙ローラ対16によって装置外に排出されて、一連の印刷動作が完了する。
以下、加熱装置の一例として、記録媒体としての用紙に画像を定着する定着装置を、図2〜図6に基づき詳しく説明する。ただし、加熱装置と定着装置が必ずしも同一である必要はなく、定着装置が備えた装置の一つとして加熱装置があってもよい。
図2は、定着装置の側面断面図、図3は、定着装置の斜視断面図、図4は、定着装置の正面断面図である。また、図5は、定着ベルトを支持するベルト支持部材の斜視図、図6は、ベルト支持部材の変形例を示す斜視図である。
図2に示すように、加熱装置としての定着装置5は、定着部材あるいは回転部材としての定着ベルト21と、定着ベルト21に対向する対向回転体、あるいは加圧部材としての加圧ローラ22と、加熱体としてのハロゲンヒータ23と、ニップ形成部材24と、支持部材としてのステー25と、反射部材26と、温度センサ28等を備えている。定着ベルト21は、ハロゲンヒータ23によって加熱される被加熱部材である。定着ベルト21、加圧ローラ22、ハロゲンヒータ23、ニップ形成部材24、ステー25、および、反射部材26は、図2の紙面に直交する方向(図4の両矢印B方向参照)に延在しており、以下、この方向を各部材の長手方向、定着装置5の長手方向、あるいは、加圧ローラ22の軸方向と呼ぶ。また、この長手方向は、定着装置5に通紙される用紙の幅方向でもある。ただし、ハロゲンヒータ23や反射部材26の長手方向とその他の部材や定着装置の長手方向が必ずしも一致する必要はない。
定着ベルト21は、用紙Pに未定着画像Tを定着させる筒状の定着部材であり、用紙Pの未定着画像担持面側に配置される。本実施形態では、定着ベルト21が、ニッケルやSUS等の金属材料やポリイミドなどの樹脂材料で形成された内周側の基材と、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)やPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などで形成された外周側の離型層と、を有する無端状のベルト(フィルムも含む。)で構成されている。また、基材と離型層との間に、シリコーンゴム、発泡シリコーンゴム、あるいはフッ素ゴムなどのゴム材料で形成された弾性層を介在させてもよい。この弾性層の厚さを100μm程度にすれば、未定着画像(未定着トナー)を押し潰して定着させるときに弾性層の弾性変形により、ベルト表面の微小な凹凸を吸収でき、光沢ムラの発生を回避できる。また、本実施形態では、定着ベルト21の低熱容量化の観点から、定着ベルト21として、薄肉で小径のベルトを採用している。具体的には、定着ベルト21を構成する基材、離型層のそれぞれの厚さを、20〜50μm、10〜50μmの範囲に設定し、定着ベルト21全体としての厚さを1mm以下に設定している。また、定着ベルト21が弾性層を有する場合は、弾性層の厚さを、100〜300μmに設定するとよい。さらに低熱容量化を図るには、定着ベルト21全体としての厚さを0.2mm以下にするのがよく、さらに望ましくは、0.16mm以下の厚さとするのがよい。また、本実施形態では、定着ベルト21の直径が、20〜40mmに設定されており、望ましくは、直径を30mm以下とするのがよい。
加圧ローラ22は、定着ベルト21の外側に対向するように配置された対向回転体である。本実施形態では、加圧ローラ22が、芯金と、芯金の表面に設けられた発泡性シリコーンゴムやフッ素ゴムなどから成る弾性層と、弾性層の表面に設けられたPFAやPTFEなどから成る離型層と、で構成されている。また、本実施形態では、加圧ローラ22を中実のローラとしているが、中空のローラであってもよい。中空ローラの場合、加圧ローラ22の内部にハロゲンヒータなどの加熱体を配置することも可能である。また、加圧ローラ22の弾性層は、ソリッドゴムでもよいが、内部に加熱体が配置されていない場合は、弾性層にスポンジゴムを用いて加圧ローラ22の断熱性を高めることが望ましい。これにより、定着ベルト21の熱が加圧ローラ22に奪われにくくなり、定着ベルト21の熱効率が向上する。
また、加圧ローラ22は、画像形成装置本体に設けられた駆動源によって図2中の矢印Aで示す方向に回転駆動するように構成されている。一方、定着ベルト21は、加圧ローラ22が回転駆動することにより、これに伴って図2中の矢印B方向に従動回転する。定着ベルト21と加圧ローラ22との間(定着ニップN)に未定着画像Tが転写された用紙Pが搬送されると、回転する定着ベルト21と加圧ローラ22とによって用紙Pが搬送され、ニップ部としての定着ニップNを通過する。このとき、用紙Pに対して熱と圧力が付与されることで、未定着画像Tが用紙Pに定着される。
また、加圧ローラ22と定着ベルト21は、互いに接近離間するように構成されている。万が一、定着ニップNに用紙が詰まった場合は、加圧ローラ22と定着ベルト21を互いに離間させ、定着ニップNを開放することで、詰まった用紙のジャム処理などのメンテナンス作業を行うことが可能である。加圧ローラ22と定着ベルト21とは、いずれか一方に対して他方を動かして接近離間させるように構成されていてもよいし、両方を動かすことで接近離間させる構成であってもよい。
ハロゲンヒータ23は、定着ベルト21の内側に配置され、赤外線光を放射することで、定着ベルト21を輻射熱により内側から加熱する加熱体である。ハロゲンヒータ23は、ガラス管の内部にフィラメント等の発熱体が保持された構成をしている。加熱体として、ハロゲンヒータ23以外に、カーボンヒータやセラミックヒータなどを用いることも可能である。本実施形態では、定着ベルト21内にハロゲンヒータ23が1本だけ配置されているが、用紙の幅サイズに応じて異なる発熱領域を有する複数のハロゲンヒータ23を用いてもよい。
ニップ形成部材24は、加圧ローラ22との間で定着ベルト21を挟んで定着ニップNを形成するものである。詳しくは、ニップ形成部材24は、定着ベルト21の内側で長手方向に渡って長手状に配置されており、定着ベルト21の内周面に接触する平板状のニップ形成部24aと、ニップ形成部24aのベルト回転方向Bの両端部から加圧ローラ22側とは反対側に屈曲する一対の屈曲部24bと、を有している。加圧ローラ22がバネなどの加圧手段によってニップ形成部材24側に加圧されることで、加圧ローラ22と定着ベルト21とが接触し、これらの間に定着ニップNが形成される。
ニップ形成部材24の定着ベルト21側のニップ形成面24cは、定着ベルト21の内周面に対して直接接触している。このため、定着ベルト21が回転したとき、定着ベルト21はニップ形成面24cに対して摺動する。ニップ形成面24cの耐摩耗性や摺動性を向上させるために、ニップ形成面24cにアルマイト処理やフッ素樹脂系材料を塗布してもよい。さらに、経時的な摺動性の確保のために、ニップ形成面24cにフッ素系グリース等の潤滑剤を塗布してもよい。本実施形態では、ニップ形成面24cが、平坦面状となっているが、凹形状やその他の形状であってもよい。例えば、ニップ形成面24cが加圧ローラ22側とは反対側へ凹んだ凹形状である場合は、定着ニップNの出口部が加圧ローラ22寄りになり、定着ベルト21に対する用紙の分離性が向上する。
また、ニップ形成部材24は、ステー25よりも熱伝導率が大きい材料で形成されている。例えば、ニップ形成部材24の材料として、銅(熱伝導率:398W/mk)やアルミニウム(熱伝導率:236W/mk)などが好ましい。このように、ニップ形成部材24が熱伝導率の大きい材料で形成されていることで、ハロゲンヒータ23からの輻射熱はニップ形成部材24によって吸収され定着ベルト21へ効率良く伝達される。例えば、ニップ形成部材24の厚みを1mm以下に設定することで、ニップ形成部材24から定着ベルト21への熱伝達時間を短くすることができるため、定着装置5の立ち上がり速度を速める点において有利である。反対に、ニップ形成部材24の厚みを1mmより大きく5mm以下に設定した場合は、ニップ形成部材24の蓄熱性を高めることができる。
ステー25は、加圧ローラ22の加圧力に抗してニップ形成部材24を支持する支持部材である。ステー25は、ニップ形成部材24と同様、定着ベルト21の内側で長手方向に渡って長手状に配置されている。本実施形態では、ステー25は、図2の上下方向(加圧ローラ22の加圧方向D1あるいはその反対方向D2)に延在する一対の部材である。ニップ形成部材24は、そのベルト回転方向Bの両端部にて、ステー25によって支持されている。ステー25が、図2の上下方向に延在していることで、加圧方向の剛性が高まり、加圧ローラ22の加圧力によるニップ形成部材24の撓みが抑制される。このため、長手方向に渡って均一な幅の定着ニップNが得られる。ステー25は、その剛性を確保するため、SUSやSECCなどの鉄系金属材料によって形成されることが好ましい。
なお、ステー25は、加圧ローラ22の加圧方向(図2の上下方向)に幅を持った部分を、ニップ形成部材24に対して、加圧ローラ22と反対側(図2の上側)から当接させることで、ニップ形成部材24を支持する。これにより、加圧ローラ22からの加圧力によるニップ形成部材24の撓み(本実施形態では、特に長手方向の撓み)を抑制する。ただし、上記の当接には、ステー25がニップ形成部材24に直接当接している場合に限らず、他の部材を介して当接してもよい。
反射部材26は、定着ベルト21の内側でハロゲンヒータ23と対向するように配置されており、ハロゲンヒータ23から放射される輻射熱(赤外線光)をニップ形成部材24側へ反射するものである。反射部材26は、ステー25よりも熱または光の反射率が高くなっている。
本実施形態では、反射部材26は、ステー25の延在方向と直交する方向で、用紙搬送方向(図2の左右方向)に延在する。反射部材26は、その一端26aが一方のステー25にネジなどの固定手段によって固定されており、他端が自由端になっている。
反射部材26のハロゲンヒータ23側の面は、反射率を高くするような鏡面処理や表面処理がなされている。本実施形態では、反射率を分光光度計(日立ハイテクサイエンス社製の紫外可視赤外分光光度計UH4150)を用いて測定し、測定時の入射角は5°である。一般的に、ハロゲンヒータは用途により色温度が異なるが、定着装置の加熱用としては色温度が2500K程度のものが用いられている。本実施形態で用いられる反射部材26の反射率は、発光強度の高いハロゲンヒータ23の波長、具体的には900〜1600nmの波長、より好ましくは1000〜1300nmの波長に対して70%以上であるのがよい。
また、反射部材26の反射と断熱の機能を、ステー25に持たせてもよい。例えば、ステー25の内面(ハロゲンヒータ23側の面)に断熱処理又は鏡面処理を施すことができる。また、ステー25を鏡面処理した場合のステー25の反射率は、上記反射部材26の反射率と同等であることが望ましい。
温度センサ28は、定着ベルト21の外側に配置され、定着ベルト21の温度を検知するものである。本実施形態では、温度センサ28を、定着ベルト21に対して長手方向の中央部と一端部側との2箇所に配置している。温度センサ28による定着ベルト21の表面温度の検知結果に基づいてハロゲンヒータ23の出力制御が行われる。これにより、定着ベルト21の温度が所望の温度(定着温度)となるように制御される。また、温度センサ28は、接触型又は非接触型のいずれでもよい。温度センサ28としては、例えばサーモパイル、サーモスタット、サーミスタ、NCセンサなど、公知の温度センサを適用可能である。
印刷動作が開始されると、ハロゲンヒータ23に電力が供給されて発熱し、被加熱部材としての定着ベルト21が加熱される。また、加圧ローラ22が回転駆動され、定着ベルト21が従動回転を開始する。そして、定着ベルト21の温度が所定の目標温度(定着温度)に到達した状態で、図2に示すように、未定着トナー画像が担持された用紙Pが、定着ベルト21と加圧ローラ22との間(定着ニップN)に搬送されることで、未定着トナー画像が加熱および加圧されて用紙Pに定着される。
図4に示すように、定着ベルト21は、その両端部に挿入された一対のベルト支持部材30によって回転可能に支持されている。このように、定着ベルト21の内周にベルト支持部材30が挿入されることによって、定着ベルト21は非回転状態では基本的に周方向の張力が付与されない状態、いわゆるフリーベルト方式で支持されている。
図3〜図5に示すように、ベルト支持部材30は、定着ベルト21の内周に挿入されて定着ベルト21を支持するC字状の支持部30aと、定着ベルト21の端面に接触して定着ベルト21の幅方向移動(片寄り)を規制するフランジ状の規制部30bと、を有している。支持部30aは、図6に示す例のように、全周に渡って連続する筒状であってもよい。各ベルト支持部材30は、定着装置5を構成するフレームである一対の側板31(図4参照)に固定されている。また、ベルト支持部材30には、開口部30c(図5参照)が設けられており、この開口部30cを通してハロゲンヒータ23やステー25の両端部が各側板31に固定されている。ハロゲンヒータ23やステー25は、ベルト支持部材30に固定されてもよい。
次に、本実施形態の反射部材26について、より詳細に説明する。
本実施形態の反射部材26は、バイメタル構造を有する。具体的には、図6に示すように、反射部材26は、熱膨張係数の相対的に小さい金属材からなる第1の層261と、第1の層261を構成する金属材よりも熱膨張係数の大きい金属材からなる第2の層262とを有する。第2の層262は、100℃〜700℃の温度域において、第1の層261よりもその熱膨張係数が大きくなる。第2の層262が、第1の層261に対して矢印D2方向の側に設けられる。つまり、ハロゲンヒータ23側に設けられる(図2参照)。
第1の層261を構成する材料として、例えば鉄を、第2の層262を構成する材料として、例えばアルミニウムを用いることができる。アルミニウムは、熱または光の反射率が高く、かつ、熱膨張係数が鉄よりも大きいため、第2の層262の材料に適している。このように、第1の層261と第2の層262とを構成する金属の組成は異なっている。ただし、各層を構成する金属元素の一部が共通していてもよい。
また、反射部材26を3層以上の構成とすることもできる。例えば、図7に示すように、反射部材26は、第1の層261および第2の層262に加えて、第3の層263を有する。第3の層263は、熱または光の反射率が高い部材により構成される。第3の層263は、第2の層262の表面に反射材料を塗布または蒸着することにより形成するのが望ましい。
第3の層263を設けることで、第2の層262に熱または光の反射率が低い材料を採用することができる。
また、第2の層262を構成する金属材として、アンバー(登録商標、約36wt%のNiを含むFe−Ni系合金)を用いることもできる。アンバー(登録商標)は、200℃付近で熱膨張係数が大きくなる特性を有している。この場合、第2の層262をアンバーにより形成し、第1の層261を室温〜高温域で熱膨張係数が一定の材料、例えばタングステンにより形成する。これにより、200℃付近までは反射部材26の変形量を小さくでき、200℃以上では第2の層262の熱による変形量を大きくできる。つまり、主な加熱温度域において、ハロゲンヒータ23のニップ形成部材24に対する加熱効率の低下を抑制すると共に、200℃以上において、反射部材26からハロゲンヒータ23への反射熱を抑制できる。
以上のように、本実施形態の反射部材26は、ハロゲンヒータ側に配置された第2の層262の方が熱膨張しやすい。従って、定着装置5を長時間使用する等して、定着装置内や定着ベルト21の内側に蓄熱されていくと、第2の層262の側が優先的に膨張していく。これにより、反射部材26は、ニップ形成部材24やハロゲンヒータ23側(図7の矢印D2側)へ凸状に変形する。つまり、反射部材26が、ニップ形成部材24やハロゲンヒータ23側への反射熱を小さくする方向へ変形する。従って、定着装置5を長時間使用した場合にハロゲンヒータ23を構成するガラス管の熱変形を抑制できる。言い換えると、本実施形態の定着装置5は、ハロゲンヒータ23を構成するガラス管の熱変形が生じにくい構成のため、より長時間の連続印刷が可能になる。
特に本実施形態では、図9に示すように、反射部材26の用紙搬送方向上流側の一端26aがステー25に固定され、他端26bが自由端になっている。このような構成により、反射部材26が熱膨張すると、他端26bがハロゲンヒータ23側と反対側(矢印D1側)へ変形する。つまり、反射部材26の一端26a側、言い換えると、用紙搬送方向の上流側部分は変形することがなく、熱の反射量に大きな変化はない。定着ベルト21は定着ニップNの用紙搬送方向上流側部分で特に熱を必要とするため、上記構成により、必要な部分への反射熱を極力減らすことなく、ハロゲンヒータ23を構成するガラス管の熱変形を抑制できる。
反射部材26の変形量を示す角度αは45度未満であることが好ましい。αを45度未満とすることで、反射部材26からニップ形成部材24への反射熱を過度に損なうことなく、ハロゲンヒータ23を構成するガラス管の熱変形を抑制できる。従って、角度αが45度以下になるように、反射部材26の各層を構成する金属材や、その厚みを設定することが望ましい。なお、角度αは、定着装置の長手方向に垂直な面上(図9の紙面上)において、反射部材26のハロゲンヒータ23側の面で、変形前の一端部26a1と他端部26b1とを通る直線L(本実施形態では、ステー25の矢印D1方向の端部同士を結ぶ線でもある)に対する、変形後の一端部26a1と他端部26b1とを通る直線の角度である。
また、反射部材26を長手方向に分割した構成とすることもできる。
例えば図10に示すように、本実施形態では、反射部材26が、長手方向中央側に設けられた反射部材26Aと、両端部側にそれぞれ設けられた26B,26Bとに3分割される。このような分割構成により、個々の反射部材26がそれぞれ独立して熱変形する。なお、それぞれの反射部材26は、前述の実施形態の様に、用紙搬送方向上流側の一端がステー25に固定されており、他端が自由端になっている。
ところで、定着装置5は複数の幅の用紙に対応しており、最大幅よりも小さな幅の用紙を通紙した場合には、長手方向で用紙が通過しない非通紙領域で定着ベルト21の温度が上昇する、いわゆる端部温度上昇が発生する。つまり、非通紙領域では定着ベルト21の熱が用紙に奪われないため、通紙領域よりも定着ベルト21の温度が高くなる。このような端部温度上昇の問題に対して、例えば、端部側の温度センサ28(図9参照)の検知温度が一定温度を超えると、通紙する間隔を広げて紙間でハロゲンヒータ23をOFFにし、非通紙領域で定着ベルト21の温度が過昇温することを抑制する制御がなされる。これにより、非通紙領域における定着ベルト21の熱変形や破損を抑制できるが、一方で、定着装置5の生産性が低下してしまう。なお、上記の非通紙領域とは、長手方向の用紙が通紙されない領域のうち、ハロゲンヒータ23が発熱体を有する領域のことである。
これに対して本実施形態では、長手方向中央側の反射部材26Aが配置された長手方向の領域E1を、小サイズの用紙(例えばA6サイズの用紙)の通紙領域に合わせる。長手方向中央側の反射部材26Aとは、通紙領域の長手方向中央位置あるいはハロゲンヒータ23の加熱領域の長手方向中央位置を含む反射部材26のことである。
定着装置に小サイズの用紙が連続通紙されると、反射部材26Bに対応する領域が非通紙領域になり、上記端部温度上昇によって反射部材26Bの熱変形量が反射部材26Aと比較して大きくなる。これにより、非通紙領域で、反射部材26Bからニップ形成部材24への反射熱が減少し、非通紙領域における定着ベルト21の温度上昇を抑制できる。従って、上記の端部温度上昇を抑制できるため、小サイズ紙を連続通紙時の紙間をより狭めることができる。このように本実施形態では、非通紙領域における定着ベルト21の熱変形や破損を抑制すると共に、定着装置の生産性を向上できる。
特に長手方向中央側の反射部材26Aは、定着装置に通紙される最小幅の用紙の通紙領域に配置されることが望ましい。例えば図11に示すように、反射部材26Aの長手方向領域E1は、A6サイズの用紙P1の短辺に対応して設けられ、その幅が105mmに設定される。また、反射部材26全域の幅(図11の領域E1とその両側の領域E2を足した幅)は、定着装置に通紙される最大幅の用紙に対応した幅に設定される。これにより、非通紙領域となり得る領域全てを反射部材26Bの長手方向領域E2で覆うことができるため、定着装置に通紙される最大幅の用紙以外の全ての用紙、つまり、端部温度上昇が生じ得る全てのサイズの用紙を通紙した場合において、上記効果を得ることができる。
反射部材26の長手方向の分割数は3つに限らない。例えば、図12に示すように、長手方向に5つの反射部材26A〜26Cを設けることができる。具体的に、本実施形態では、長手方向の中央に反射部材26Aを、その両側に反射部材26Bを、さらにその両側に反射部材26Cを設ける。
前述の実施形態と同様、中央側の反射部材26Aの領域E1は定着装置に通紙される最小幅の用紙P1(本実施形態ではA6サイズの短辺)の通紙領域に合わせて設定される。そして、反射部材26Aの領域E1とその両側の反射部材26Bの領域E2を合わせた領域は中サイズの用紙P2(本実施形態ではA4サイズの短辺)の幅に合わせた長さに設定され、その幅が210mmに設定される。そして、全ての反射部材26A〜26Cの領域は、定着装置に通紙される最大幅の用紙の通過領域に対応して設定される。
本実施形態の様に、反射部材26の長手方向の分割数を増やすことで、上記の端部温度上昇の抑制効果をより高めることができる。つまり、図11の実施形態の様に反射部材26の分割数が少ないと、最大幅と最小幅の間のサイズの用紙が通紙された場合に、反射部材26Bの領域E2に通紙領域と非通紙領域が両方存在することになる。これにより、反射部材26Bが十分に変形しなかったり、非通紙領域と通紙領域との間で反射部材26の変形量の差が十分に生じなくなるおそれがある。反射部材26の分割数を増やすことで、反射部材26の分割位置に対応した用紙の種類を増やすことができる。つまり、図12の実施形態では、A6サイズの短辺に加えて、A4サイズ短辺の両端を、反射部材26Bと反射部材26Cとの間の分割位置に合わせることができ、A4サイズ通紙時の端部温度上昇の抑制効果を高めることができる。このように、反射部材26の分割位置を増やすことで、端部温度上昇の抑制効果をより高めることができる。なお、反射部材26の分割位置とは、隣接する反射部材26同士の間の位置を指している。
また、長手方向に分割したそれぞれの反射部材26で異なるバイメタル構造を有していてもよい。例えば、中央側の反射部材26Aを相対的に熱膨張係数の小さい金属材により構成し、端部側の反射部材26B,26Cをより低い温度で変形する、熱膨張係数の相対的に大きい金属材により構成することができる。これにより、反射部材26Aの変形量を抑制して長手方向中央側のニップ形成部材24や定着ベルト21の加熱効率を極力落とすことなく、端部温度上昇を効果的に抑制できる。ただし上記の構成に限らず、長手方向中央側の温度上昇を避けたい場合には、中央側の反射部材26Aを相対的に熱膨張係数の大きい金属材で構成することもできる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。
本発明に係る画像形成装置は、図1に示すモノクロ画像形成装置に限らず、カラー画像形成装置や、複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等であってもよい。
また、本発明の加熱装置を備えた装置としては、上記の実施形態で説明したような定着装置に限らず、用紙に塗布されたインクを乾燥させる乾燥装置、さらには、被覆部材としてのフィルムを用紙等のシートの表面に熱圧着するラミネータや、包材のシール部を熱圧着するヒートシーラーなどの熱圧着装置であってもよい。このような装置にも本発明の加熱装置を適用することで、反射部材から加熱体への反射熱を抑制できる。
記録媒体としては、用紙P(普通紙)の他、厚紙、はがき、封筒、薄紙、塗工紙(コート紙やアート紙等)、トレーシングペーパ、OHPシート、プラスチックフィルム、プリプレグ、銅箔等が含まれる。
1 画像形成装置
5 定着装置(加熱装置)
21 定着ベルト(回転部材あるいは定着部材あるいは被加熱部材)
22 加圧ローラ(対向回転体あるいは加圧部材)
23 ハロゲンヒータ(加熱体)
24 ニップ形成部材
25 ステー(支持部材)
26 反射部材
C 長手方向
N 定着ニップ(ニップ部)
P 用紙(記録媒体あるいは被加熱物)
特開2013−114053号公報

Claims (10)

  1. 回転部材と、
    前記回転部材に対向する対向回転体と、
    加熱体と、
    前記回転部材の内側に設けられ、前記回転部材を介して前記対向回転体との間にニップ部を形成するニップ形成部材と、
    反射部材と、を備えた加熱装置であって、
    前記反射部材は、第1の層と、前記第1の層よりも前記加熱体側に設けられた第2の層とを有し、
    前記第2の層は、前記第1の層よりも熱膨張係数の大きい金属材によって構成されることを特徴とする加熱装置。
  2. 前記反射部材は、前記加熱体に対向する第3の層を有し、
    前記第3の層は、前記第2の層に、前記第2の層よりも反射率の高い反射材が塗布された層である請求項1記載の加熱装置。
  3. 長手方向に複数の前記反射部材を有する請求項1または2いずれか記載の加熱装置。
  4. いずれかの前記反射部材は、前記長手方向において、加熱装置が加熱する最小幅の被加熱物の通過領域に対応した範囲で設けられる請求項3記載の加熱装置。
  5. 複数の前記反射部材の長手方向の分割位置が、加熱装置を通過する特定の幅の被加熱物の端部位置にそれぞれ対応して設けられる請求項4記載の加熱装置。
  6. 前記加熱体の長手方向中央側に配置された前記反射部材を構成する金属材は、その他の前記反射部材を構成する金属材と異なる請求項3から5いずれか1項に記載の加熱装置。
  7. 前記加熱体の長手方向中央側に配置された前記反射部材は、その他の前記反射部材よりも熱膨張係数が大きい請求項6記載の加熱装置。
  8. 前記ニップ部に搬送される被加熱物の搬送方向において、前記反射部材は、その中央位置よりも上流側部分が他の部材に固定され、下流側端部が他の部材に固定されない自由端になっている請求項1から7いずれか1項に記載の加熱装置。
  9. 請求項1から8いずれか1項に記載の加熱装置を備えた、被加熱物としての記録媒体の表面上の画像を定着させる定着装置。
  10. 請求項9記載の定着装置を備えた画像形成装置。
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