JP2021169880A - 傾動式溶解炉の集塵装置及びこれを用いた溶解炉設備 - Google Patents

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Abstract

【課題】既設の傾動式溶解炉に容易に適用可能で、溶解炉内上部の温度を下げることなく、溶解炉内から漏れ出た物質の集塵を確実に行う。
【解決手段】溶解炉1と、溶解炉1を略鉛直姿勢に保持する保持位置と溶解炉1の姿勢を傾斜させる排出位置との間で溶解炉1を移動可能に支持する傾動手段2と、一部に塞ぎ可能な材料被装入部3aを有し、溶解炉1の開口を開閉可能に塞ぐ炉蓋3と、溶解炉1の開口を炉蓋3で塞いだ状態で、溶解炉1の炉蓋3周縁から漏れ出た物質を集塵する集塵装置4と、を備え、集塵装置4は、炉蓋3の材料被装入部3aを除いた上面部及び側面部を包囲するように設けられ、炉蓋3との間に空洞部6を確保する炉蓋カバー5と、炉蓋カバー5の一部に連通して接続され、排気路8を形成する排気路形成手段7と、溶解炉1の開口を炉蓋3で塞いだ状態で、排気路8を介して空洞部6内を負圧にするように吸引する吸引手段9と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、傾動式溶解炉の集塵装置及びこれを用いた溶解炉設備に関する。
一般に、リチウムイオン電池等の使用済み或いは工程内の不良品である電池(以下廃電池という)はリサイクルされ、含有する有価金属の回収処理が実施されている。
この種の回収処理方法としては、大きく分けて乾式法と湿式法とがある。
乾式法は、破砕した廃電池を熔融処理し、回収対象である有価金属と、付加価値の低いその他の金属等とを、それらの間の酸素親和力の差を利用して分離回収するものである。すなわち、鉄等の付加価値の低い元素を極力酸化してスラグとし、かつコバルト等の有価物は酸化を極力抑制して合金として回収するものである。
ここで、前記の熔融処理は、例えば、溶解室の一端(上部)が開放した溶解炉本体を有する傾動式溶解炉で行うことができるが、前記の熔融処理は有毒性のヒュームや煤塵の発生を伴うために、こうしたヒュームや煤塵を極力回収することが必要である。
こうしたヒュームや煤塵を回収するための技術としては、例えば特許文献1乃至4に記載のものが既に知られている。
特許文献1には、電気炉の開口部を囲むリングフードに、除塵ボックスを介して集塵機に通じる吸引ダクトを接続し、この吸引ダクトに風量調節用のダンパーを取付け、リングフードの内部を整流板によって電気炉側に通じる通路と、出湯口に通じる通路に区画形成して、この通路に設けた開閉弁を出湯の時だけ開くようにする電気炉用集塵装置が開示されている。
特許文献2には、被溶解金属を溶解させる場合に、開口部及び注ぎ口を上方から覆う集塵フードを備えており、その集塵フードには炉蓋が設けられ、この炉蓋は、集塵フードが開口部及び注ぎ口の上方に設置されると、坩堝の開口部に配置されるようになっている金属溶解炉が開示されている。
特許文献3には、炉体の上面開口部を囲繞するようにリングフードを配設した電気炉において、炉蓋の外周及びその上面に連続して集塵路を形成した集塵フードを一体的に形成し、更に、集塵フードより耐熱自在管を介設した集塵ダクトを連設すると共に、これら一体化した炉蓋を上下に回動し且つ旋回自在とする炉蓋腕の先端に取着してなる集塵フード付電気炉蓋が開示されている。
特許文献4には、溶解炉の炉蓋の中心にフードを設け、このフードから側方に突出されて上方へ向かう排煙ダクトを設け、排煙ダクトの途中に上方へ向けて補助排煙ダクトを分岐させ、当該補助排煙ダクトに開閉弁を設けるとともに、補助排煙ダクトの上端開口を、集塵開口の周囲に設けた集塵フードの下方に位置させる溶解炉の集塵構造が開示されている。
特開2000−199691号公報(発明の実施の形態,図1) 特開2017−67306号公報(発明を実施するための形態,図3) 実開平1−153496号公報(実施例,図1) 特開2017−138054号公報(発明を実施するための形態,図2)
しかしながら、特許文献1にあっては、上昇するヒュームや煤塵を、リングフードを用いて横方向から回収する方法であり、また、溶解室の一端が外部に向けて開放したままの状態であるために、リングフードとしては強力に吸引する必要があり、その吸引によって溶融物が冷却されて溶解効率の低下や、外部へ漏洩するヒュームや煤塵によって、作業環境の悪化を招く懸念があった。
また、特許文献2にあっては、特許文献1の方法に比して、溶融物の温度低下が抑えられ、溶解効率の低下を抑制できるものの、炉蓋を支持する手段を備えるなど構造が大掛かりであるため、既設の傾動式溶解炉に取り付けることが困難である。
更に、特許文献3にあっては、電気炉内に溶解材料投入時には集塵フードと一体化した炉蓋を、稍上方に回動せしめて旋回し炉体の上面を開口してリングフードにより吸引しつつ材料を投入した後、再度炉蓋を元の位置に復帰せしめて該炉体の上面開口部を被覆し、次いで、リングフードよりの吸引を停止し、集塵フードより吸引を開始すると同時に溶解を始めれば、溶解時に発生するガス、粉塵はこの集塵フードにより的確に吸引される。しかしながら、溶解材料投入時には炉蓋を開放した状態でリングフードを使用し、それ以外では別の集塵フードを使用するため、集塵装置の大型化は避けられないばかりか、リングフード使用時に、吸引力を強くすると、周囲の空気を巻き込んで吸引することになり、炉内上部の温度が低下してしまう一方、吸引力を弱くすると、炉内の物質を集塵しきれず、周囲に拡散する懸念がある。
更にまた、特許文献4にあっては、溶解炉の上部空間に専用の集塵フードを設置することになるため、集塵装置の大型化は避けられないばかりか、集塵フードの集塵開口と補助排煙ダクトの上端開口とは直結されておらず、空間部を介して連通しているため、集塵開口における吸引力を強くせざるを得ない。
このように、特許文献1乃至4に記載の先行技術はいずれも専用の集塵装置を設置するものであり、既設の傾動式溶解炉に対して簡単に取り付ける構造にはなっていない。
このため、最近においては、既設の傾動式溶解炉に容易に取り付けることができ、溶融物の温度低下を抑制し、より確実にヒュームや煤塵を回収する上で有利な集塵装置が強く要請されている。
そこで、本発明が解決しようとする技術的課題は、既設の傾動式溶解炉に容易に適用可能で、溶解炉内上部の温度を下げることなく、溶解炉内から漏れ出た物質の集塵を確実に行うことにある。
本発明の第1の技術的特徴は、一端が開口する溶解室に挿入された被溶解物材料を溶解する溶解炉と、前記溶解炉を略鉛直姿勢に保持する保持位置と前記溶解炉の姿勢を傾斜させることにより当該溶解炉内の溶解物を排出可能とする排出位置との間で前記溶解炉を移動可能に支持する傾動手段と、一部に塞ぎ可能な材料被装入部を有し、前記溶解炉の開口を開閉可能に塞ぐ炉蓋と、を備えた傾動式溶解炉に用いられる集塵装置であって、前記炉蓋の前記材料被装入部を除いた上面部及び側面部を包囲するように設けられ、前記炉蓋との間に空洞部を確保する炉蓋カバーと、前記炉蓋カバーの一部に連通して接続され、排気路を形成する排気路形成手段と、前記溶解炉の開口を炉蓋で塞いだ状態で、前記排気路を介して前記空洞部内を負圧にするように吸引する吸引手段と、を有することを特徴とする傾動式溶解炉の集塵装置である。
本発明の第2の技術的特徴は、第1の技術的特徴を備えた傾動式溶解炉の集塵装置において、前記排気路形成手段は、前記炉蓋カバーと別部材で構成されていることを特徴とする傾動式溶解炉の集塵装置である。
本発明の第3の技術的特徴は、第1又は第2の技術的特徴を備えた傾動式溶解炉の集塵装置において、前記排気路形成手段は、前記炉蓋の開閉支持手段を一部兼用して構成されていることを特徴とする傾動式溶解炉の集塵装置である。
本発明の第4の技術的特徴は、第1乃至第3の技術的特徴のいずれかを備えた傾動式溶解炉の集塵装置において、前記空洞部は少なくとも容積に差のある広い空洞部と狭い空洞部とを有し、前記排気路形成手段は前記広い空洞部に対して前記排気路を連通させることを特徴とする傾動式溶解炉の集塵装置である。
本発明の第5の技術的特徴は、第1乃至第4の技術的特徴のいずれかを備えた傾動式溶解炉の集塵装置において、前記排気路形成手段は、前記炉蓋カバーと前記炉蓋の上面部との間の空洞部の略中央付近に対して前記排気路を連通させることを特徴とする傾動式溶解炉の集塵装置である。
本発明の第6の技術的特徴は、第1乃至第5のいずれかの技術的特徴を備えた傾動式溶解炉の集塵装置において、前記炉蓋カバーの外周縁部には前記溶解炉の開口縁部との間を封止する耐熱封止材が設けられていることを特徴とする傾動式溶解炉の集塵装置である。
本発明の第7の技術的特徴は、第1乃至第6のいずれかの技術的特徴を備えた傾動式溶解炉の集塵装置において、前記炉蓋は、前記材料被装入部として炉蓋本体に着脱可能に装着され且つ前記溶解炉に通じる装入口を塞ぎ可能に開閉する材料被装入治具を有し、前記炉蓋カバーは前記材料被装入治具が貫通する貫通孔を有していることを特徴とする傾動式溶解炉の集塵装置である。
本発明の第8の技術的特徴は、第1乃至第7のいずれかの技術的特徴を備えた傾動式溶解炉の集塵装置において、前記炉蓋は、炉蓋本体の一部に前記溶解炉内の状態を確認する開閉可能な確認窓を有し、前記炉蓋カバーは、前記確認窓に対応した箇所に開閉可能な作業窓を有することを特徴とする傾動式溶解炉の集塵装置である。
本発明の第9の技術的特徴は、第1乃至第8のいずれかの技術的特徴を備えた傾動式溶解炉の集塵装置において、前記炉蓋カバーは、前記炉蓋又は前記炉蓋の開閉支持手段に対し保持手段を介して保持されていることを特徴とする傾動式溶解炉の集塵装置である。
本発明の第10の技術的特徴は、一端が開口する溶解室に挿入された被溶解物材料を溶解する溶解炉と、前記溶解炉を略鉛直姿勢に保持する保持位置と前記溶解炉の姿勢を傾斜させることにより当該溶解炉内の溶解物を排出可能とする排出位置との間で前記溶解炉を移動可能に支持する傾動手段と、一部に塞ぎ可能な材料被装入部を有し、前記溶解炉の開口を開閉可能に塞ぐ炉蓋と、前記溶解炉の開口を炉蓋で塞いだ状態で、前記溶解炉の炉蓋周縁から漏れ出た物質を集塵する集塵装置と、を備え、前記集塵装置には請求項1乃至9のいずれかに記載の傾動式溶解炉の集塵装置を採用したことを特徴とする溶解炉設備である。
本発明の第11の技術的特徴は、第10の技術的特徴を備えた溶解炉設備において、前記炉蓋の前記材料被装入部に対して着脱可能な材料装入治具を有し、前記炉蓋カバーよりも上方に突出する材料装入治具を介して前記被溶解物材料を装入する材料装入装置を備えていることを特徴とする溶解炉設備である。
本発明の第1の技術的特徴によれば、既設の傾動式溶解炉に容易に適用可能で、溶解炉内上部の温度を下げることなく、溶解炉内から漏れ出た物質の集塵を確実に行うことができる。
本発明の第2の技術的特徴によれば、炉蓋カバーと排気路形成手段とを一体的に構成する態様に比べて、排気路のレイアウトの自由度を確保することができる。
本発明の第3の技術的特徴によれば、炉蓋の開閉支持手段を一部兼用しない態様に比べて、排気路のレイアウトを簡略化することができる。
本発明の第4の技術的特徴によれば、狭い空洞部に排気路を連通させる場合に比べて、空洞部内の浮遊物質を広範囲に亘って集塵することができる。
本発明の第5の技術的特徴によれば、空洞部の中央付近から偏って排気する構造に比べて、空洞部内に浮遊する物質を広範囲に亘って集塵することができる。
本発明の第6の技術的特徴によれば、溶解炉内から漏れた物質が炉蓋カバーの周縁から漏れる事態を抑制することができる。
本発明の第7の技術的特徴によれば、炉蓋に材料被装入治具を装備した態様であっても、炉蓋カバーによる材料被装入治具周りからの漏れを抑制して集塵作用を良好に保つことができる。
本発明の第8の技術的特徴によれば、炉蓋に確認窓がある態様であっても、炉蓋カバーによる炉蓋周囲の漏れを抑制して集塵作用を良好に保つことができる。
本発明の第9の技術的特徴によれば、炉蓋カバーを取り外さずに、炉蓋カバーと一体的に炉蓋を開放することができる。
本発明の第10の技術的特徴によれば、既設の傾動式溶解炉に容易に適用可能で、解炉内上部の温度を下げることなく、溶解炉内から漏れ出た物質の集塵を確実に行うことが可能な集塵装置を含む溶解炉整備を提供することができる。
本発明の第11の技術的特徴によれば、材料装入治具を用いない場合に比べて、溶解炉への被溶解物材料の装入作業を容易に実現することができる。
(a)は本発明が適用された傾動式溶解炉の集塵装置を備えた溶解炉設備の実施の形態の概要を示す説明図、(b)は(a)に用いられる傾動式溶解炉の集塵装置の要部を示す説明図である。 実施の形態1に係る溶解炉設備の平面説明図である。 図2中III方向から見た矢視図である。 図3中IV方向から見た矢視図である。 (a)は図4中V方向から見た矢視図、(b)は(a)中B方向から見た矢視図、(c)は(a)中C方向から見た矢視図、(d)は(a)中D部詳細図である。 (a)は実施の形態1に係る傾動式溶解炉の炉蓋周りの構成例を示す説明図、(b)は炉蓋に設けられた材料被装入部の開閉構造の一例を示す説明図である。 図6(a)中、VII−VII線断面説明図である。 実施の形態1に係る溶解炉設備において、傾動式溶解炉に対して材料を装入する際の設備例を示す説明図である。 図8で用いられる材料装入治具の一例を示す説明図である。 実施の形態1に係る傾動式溶解炉に対して材料を装入する際の炉蓋周りの構成例を示す説明図である。 図10中XI−XI線断面図である。 実施の形態1に係る傾動式溶解炉に対して材料を装入する際における集塵装置の集塵作用を示す説明図である。 (a)は実施の形態1に係る傾動式溶解炉において、溶解炉内の被溶解物材料の溶解状態を観察若しくはサンプリングする際の作業過程を示す説明図、(b)は材料装入治具のうち、材料被装入部としての治具本体を炉蓋から取り外した炉蓋周りの構成例を示す説明図である。 変形の形態1に係る傾動式溶解炉における炉蓋周りの構成例を示す説明図である。 (a)は変形の形態2に係る傾動式溶解炉における炉蓋周りの構成例を示す説明図、(b)は(a)中B部拡大断面図である。
◎実施の形態の概要
図1(a)は本発明が適用された溶解炉設備の実施の形態の概要を示す。
同図において、溶解炉設備は、一端が開口する溶解室1aに挿入された被溶解物材料Mを溶解する溶解炉1と、溶解炉1を略鉛直姿勢に保持する保持位置と溶解炉1の姿勢を傾斜させることにより当該溶解炉1内の溶解物を排出可能とする排出位置との間で溶解炉1を移動可能に支持する傾動手段2と、一部に塞ぎ可能な材料被装入部3aを有し、溶解炉1の開口を開閉可能に塞ぐ炉蓋3と、溶解炉1の開口を炉蓋3で塞いだ状態で、溶解炉1の炉蓋3周縁から漏れ出た物質を集塵する集塵装置4と、を備えたものである。
そして、本例において、集塵装置4は、図1(a)(b)に示すように、炉蓋3の材料被装入部3aを除いた上面部及び側面部を包囲するように設けられ、炉蓋3との間に空洞部6を確保する炉蓋カバー5と、炉蓋カバー5の一部に連通して接続され、排気路8を形成する排気路形成手段7と、溶解炉1の開口を炉蓋3で塞いだ状態で、排気路8を介して空洞部6内を負圧にするように吸引する吸引手段9と、を有するものである。
尚、本例では、傾動手段2は、溶解炉1が保持位置に位置するときには作業者の足場を構成し、保持位置と排出位置との間で溶解炉1を傾動可能に設置する傾動作業台11を有している。
このような技術的手段において、溶解炉1の溶解方式は電磁誘導方式が代表的であるが、電磁誘導方式に限らず適宜選定して差し支えない。
また、傾動手段2は溶解炉1を傾動させるものであり、例えば駆動モータ等の駆動手段によって駆動される。更に、傾動手段2としては、溶解炉1が保持位置に位置するときには作業者の足場を構成し、保持位置と排出位置との間で溶解炉1を傾動可能に配置する傾動作業台11が通常用いられる。
更に、炉蓋3としては、溶解炉1の開口を塞いだまま被溶解物材料Mを装入可能とする構成であることを要し、炉蓋3の一部には塞ぎ可能な材料被装入部3aを有する構造が採用される。ここでいう「材料被装入部3a」は、炉蓋3が溶解炉1の開口を塞いだ状態で、被溶解物材料Mが装入される機能部を意味する。また、塞ぎ可能としたのは、材料装入時以外では炉蓋3の装入口35(図7参照)を塞ぐことを想定している。仮に、装入口35が開口したままであると、溶解炉1内で発生する物質(ヒュームや煤塵W)が装入口35から外部へと漏れる懸念がある。
また、集塵装置4の炉蓋カバー5は、炉蓋3の上面部と側面部を空洞部6を介在させて包囲するものであれば適宜選定して差し支えない。
ここで、炉蓋カバー5の保持構造としては、炉蓋3や炉蓋3の開閉支持手段10に保持手段を介して保持する態様に限らず、溶解炉1周縁の傾動作業台11に保持手段を介して保持するようにしてもよい。但し、傾動作業台11に保持する場合にあっては、炉蓋3を開放するときには、炉蓋3から炉蓋カバー5を一端取り外すようにすればよい。
更に、炉蓋カバー5と炉蓋3との間の空洞部6構造の好ましい態様としては、吸引手段9による吸引力を弱くしても、空洞部6の負圧状態を確保し易い構造が好ましい。例えば炉蓋カバー5と炉蓋3の側面部との間の隙間を狭くし、炉蓋カバー5と炉蓋3の上面部との間の空洞部6での負圧状態を確保し易くする態様、あるいは、炉蓋カバー5と炉蓋3の上面部との間の空洞部6の周縁部領域を狭く設定することで、当該空洞部6周縁部領域の空気抵抗を高め、これにより、空洞部6内の負圧状態を確保し易くする態様、あるいは、空洞部6内に空気流路を屈曲させる風向規制部を配置し、空気流路の空気抵抗を高め、これにより、空洞部6内の負圧状態を確保し易くする態様などが挙げられる。
また、集塵装置4による集塵原理は以下のようである、つまり、溶解炉1の開口は炉蓋3で塞がれるとき、炉蓋3と溶解炉1の開口縁(本例では傾動作業台11の開口縁)との間に隙間が生ずることは避けられない。その理由は、炉蓋3は例えば図1(b)に示す開閉支持手段10により溶解炉1の開口を開閉する上で略水平方向に沿って揺動し、溶解炉1の開口の上方位置に至った段階で停止するという挙動を示すが、溶解炉1の開口縁は溶解炉1の運転に起因する上下方向の熱変形が伴っており、この熱変形を伴った開口縁と炉蓋3との接触を避けるため、この溶解炉1の開口縁と炉蓋3との間には、通常、隙間が設けられるためである。
このような状態において、図1(a)(b)に示すように、吸引手段9によって炉蓋カバー5内の空洞部6を負圧状態にすると、溶解炉1の開口縁の隙間部分から溶解炉1内の物質(ヒュームや煤塵W)が空気流Afに乗って漏れ、空洞部6側に吸い込まれ、空洞部6、排気路8を経て図示外の集塵部へと排気される。
次に、本実施の形態に係る傾動式溶解炉の集塵装置4の代表的態様又は好ましい態様について説明する。
先ず、排気路形成手段7の代表的態様としては、炉蓋カバー5と別部材で構成されている態様が挙げられる。ここで、炉蓋カバー5と排気路形成手段7とを一体的に構成した態様にあっては、炉蓋カバー5に対する排気路形成手段7の位置関係が一律に決まってしまうが、別部材とすれば、炉蓋カバー5に対して排気路形成手段7を任意の箇所に接続することが可能になり、その分、排気路形成手段7による排気路8のレイアウトの自由度が増す。
また、排気路形成手段7の好ましい態様としては、炉蓋3の開閉支持手段10を一部兼用して構成されている態様が挙げられる。一方、炉蓋3の開閉支持手段10を兼用せず、例えば、排気路形成手段7を開閉支持手段10とは別に炉蓋カバー5に設置する態様も可能であるが、本例では、炉蓋3の開閉支持手段10を一部兼用して排気路形成手段7を構築するため、開閉支持手段10の内部スペースを排気路8として有効利用することが可能である。
更に、排気路形成手段7の別の好ましい態様としては、空洞部6は少なくとも容積に差のある広い空洞部61と狭い空洞部62とを有し、排気路形成手段7は広い空洞部61に対して排気路8を連通させる態様が挙げられる(図5(a)参照)。本例は、空洞部6内に浮遊する物質を広範囲に集塵する上で有効である。仮に、狭い空洞部62に排気路8を連通させると、浮遊物質の排気路8への集塵領域が狭いことから、空洞部6内の浮遊物質の集塵効率が悪化する懸念がある。
更にまた、炉蓋カバー5と炉蓋3の上面部との間の空洞部6の略中央付近に対して排気路8を連通させる態様が挙げられる。本例は、炉蓋カバー5と炉蓋3の上面部との間の空洞部6の略中央付近から排気させることで、空洞部6内に浮遊する物質を広範囲に集塵する上で有効である。尚、本例では、炉蓋3の略中央部に材料被装入部3aが設けられ、炉蓋カバー5は材料被装入部3aを除いた箇所に設けられていることから、本例でいう空洞部6の略中央付近とは空洞部6のうち材料被装入部3aの近傍を意味する。
また、炉蓋カバー5の好ましい態様としては、炉蓋カバー5の外周縁部には溶解炉1の開口縁部との間を封止する耐熱封止材90(図1では図示せず)が設けられている態様が挙げられる(図15参照)。本例は、炉蓋カバー5と溶解炉1の開口縁部との間を封止する態様であり、溶解炉1内から漏れた物質の全ては、炉蓋カバー5の周縁から漏れることなく、空洞部6を経由して排気路8から排気される。
更に、炉蓋カバー5の別の好ましい態様としては、炉蓋3は、材料被装入部3aとして炉蓋本体31に着脱可能に装着され且つ溶解炉1に通じる装入口35を塞ぎ可能に開閉する材料被装入治具40を有し、炉蓋カバー5は材料被装入治具40が貫通する貫通孔50を有している態様が挙げられる(図6、図7、図13(b)参照)。本例は、炉蓋3に着脱可能な材料被装入治具40を備えているが、炉蓋カバー5を着脱することなく、材料被装入治具40を着脱することが可能である。ここで、材料被装入治具40は炉蓋本体31から着脱可能であるため、洗浄などの保守作業がし易い点で好ましい。
更にまた、炉蓋カバー5の別の好ましい態様としては、炉蓋3は、炉蓋本体の一部に溶解炉1内の状態を確認する開閉可能な確認窓36(図1では図示せず)を有し、炉蓋カバー5は、確認窓36に対応した箇所に開閉可能な作業窓51を有する態様が挙げられる(図13(a)参照)。本例は、炉蓋3に確認窓36がある態様で、炉蓋カバー5の作業窓51を開放することで溶解炉1内の状態を確認するサンプリングや温度測定作業を可能とするものである。
また、炉蓋カバー5の別の好ましい態様としては、炉蓋3又は炉蓋3の開閉支持手段10に対し保持手段を介して保持されている態様が挙げられる。本例は、炉蓋3を開閉するときに炉蓋カバー5を追従移動させる上で有効である。
また、溶解炉設備において、溶解炉1に被溶解物材料Mを装入する上で好ましい態様としては、炉蓋3の材料被装入部3aに対して着脱可能な材料装入治具130(図1では図示せず)を有し、炉蓋カバー5よりも上方に突出する材料装入治具130を介して被溶解物材料Mを装入する材料装入装置121(図1では図示せず)を備えている態様が挙げられる(図8参照)。本例は、材料装入装置121からの被溶解物材料Mを材料装入治具130を介して溶解炉1内に装入する態様で、例えば材料装入治具130の上部に別途排気手段を接続するようにすれば、炉蓋3の材料被装入部3aからの漏れる物質を集塵することが可能である。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明を更に詳細に説明する。
◎実施の形態1
−溶解炉設備の全体構成−
図2は実施の形態1に係る溶解炉設備の全体構成を示す。
同図において、溶解炉設備は、一端が開口する溶解室1aに装入された被溶解物材料を溶解する溶解炉1と、溶解炉1と共に傾動可能に設置される傾動作業台11と、傾動作業台11の周辺に、非傾動時の傾動作業台11と連なるように設置される固定作業台12と、傾動作業台11の手前に設置され、溶解炉1の溶解室1aから排出された溶解物を収容する容器又は鋳型が設置される排出ブース13と、溶解炉1の溶解室1a内に被溶解物材料を装入する材料装入設備14(図8参照)と、溶解炉1の溶解処理、被溶解物材料の装入処理、溶解物の排出処理に伴って発生するヒューム、煤塵等を排気する排気設備15と、を備えている。
−溶解炉−
本実施の形態において、溶解炉1は、図2乃至図4に示すように、一端が開口した溶解室1aを有するるつぼ状の溶解炉本体1bと、この溶解炉本体1bの開口縁の一部に設けられる排出用樋1cと、溶解炉本体1bの外周壁に設けられる加熱要素としての加熱コイル1d(例えば高周波電磁誘導方式を使用、図7参照)と、溶解炉1内の溶解物の溶解状態を検出するために溶解炉本体1bに適宜設置される図示外の温度センサと、を備えている。
本例において、溶解室1aに装入される被溶解物材料としては、使用済みの電池や、ニッケル、コバルト、鉄等の各種金属材料が挙げられる。また、必要に応じて、雰囲気ガスやフラックス等の副資材が装入されることもある。
<炉蓋>
また、溶解炉1の開口は炉蓋3によって開閉されるようになっている。
本例において、炉蓋3は、図2乃至図7に示すように、略円形状の炉蓋本体31を有し、開閉支持手段10としての炉蓋開閉機構32によって、溶解炉1の開口を塞ぐ閉塞位置と溶解炉1の開口を開く開放位置との間で炉蓋本体31を略水平方向の姿勢で揺動可能に支持されている。
本例において、炉蓋開閉機構32は、傾動作業台11上に揺動支点33を中心に揺動可能な支持アーム34を有し、この支持アーム34の揺動自由端側を炉蓋本体31の上面部に連結固定するようにしたものである。尚、閉塞位置と開放位置との間で炉蓋本体31を揺動する際には、炉蓋本体31を閉塞位置から僅かに上方に持ち上げた位置で略水平方向に沿って揺動させるようになっている。
また、炉蓋本体31の略中央には材料被装入部としての材料被装入治具40が着脱可能に設けられ、更に、炉蓋本体31の一部には溶解炉1内の溶解物を確認する、若しくは、サンプリングするための確認窓36が設けられている。
尚、符号37は炉蓋本体31の上面部周囲に適宜数設けられた把手、符号38は炉蓋本体31の揺動範囲を規制するストッパ、符号39は炉蓋開閉機構32の支持アーム34に設けられた把手である。
<材料被装入治具>
本例において、炉蓋本体31の略中央には被溶解物材料Mの装入口35が開設されており、この装入口35に材料被装入治具40が着脱可能に装着されている。ここで、材料被装入治具40は、円筒状の治具本体41下部に漏斗状に絞り込まれた接続部42を有し、炉蓋本体31の装入口35に接続部42を例えば雄ねじ部、雌ねじ部によるねじ込みにより着脱可能に連結するようにしたものである。
また、本例では、図6及び図7に示すように、治具本体41の上部開口は開閉蓋43によって着脱可能に開閉されるようになっている。ここで、開閉蓋43は有底の円筒状に形成され、例えば治具本体41の開口周縁部に被係止突起41aを形成する一方、開閉蓋43の内周面には係止突起43aを形成し、被係止突起41aの下面部に対して係止突起43aの上面部を係止させることで、開閉蓋43が治具本体41から脱落するのを阻止しつつ、治具本体41の上部開口を塞ぐようになっている。また、符号44は開閉蓋43を把持するための把手である。
更に、治具本体41の周壁部の上部開口寄りには後述する材料装入治具130(図8参照)を接続時に当該材料装入治具130を受け止める断面L字状のサポートフランジ45が設けられている。
尚、本例では、材料被装入治具40は、図13(b)に示すように、炉蓋3の装入口35に対して着脱可能であり、必要に応じて、炉蓋3から取り外して材料被装入治具40を清掃などするようにしてもよい。
−傾動作業台−
本実施の形態において、傾動作業台11は、図2乃至図4に示すように、基準面(地上設置面に相当)から所定の高さ寸法Hだけ上方に位置する略矩形状の作業ステージで略水平姿勢を保持するように設置されており、溶解炉1の設置スペースに対応した箇所に取付開口を有し、当該取付開口に溶解炉本体1bの開口周縁部を嵌め込んだ状態で保持し、傾動作業台11の作業ステージの下方に溶解炉本体1bが収容可能なピット空間部20を確保するようにしたものである。
尚、本例では、炉蓋3は溶解炉1の開口を塞ぐ閉塞位置では傾動作業台11の開口縁上に配置されており、傾動作業台11の開口縁には、図5(a)(d)に示すように、断面L字状のリング状補強フレーム26がねじ等の止め具27にて止着されている。
そして、本例では、傾動作業台11は、図2及び図3に示すように、排出ブース13側の端部に図示外の支持部材によって支持される傾動支点SPを有しており、また、駆動アクチュエータ21による駆動力を受けて、傾動支点SPを中心に傾動可能になっている。
ここで、駆動アクチュエータ21は例えば油圧シリンダによってピストン21aを進退移動させるものが採用されており、傾動作業台11のうち傾動支点SPから離れた部位にピストン21aの先端部が回転可能に連結され、傾動作業台11を所定の位置に傾動させることによって溶解炉1を後述する保持位置と排出位置との間で傾動させるようになっている。
本例では、溶解炉1を略鉛直姿勢に保持する保持位置(図3中実線で示す)では、傾動作業台11は作業者の足場を構成し、保持位置に対して溶解炉1の姿勢を傾斜させることにより当該溶解炉1内の溶解物を排出可能とする排出位置(図3中仮想線で示す)では、溶解炉1の溶融物を排出ブース13内の容器(鋳型)に排出する処理が実施されるようになっている。このとき、傾動作業台11が傾動することに伴ってピット空間部20の上方開口が露呈し、傾動作業台11の作業ステージが開放された状態に至る。
尚、本例では、駆動アクチュエータ21は油圧シリンダが採用されているが、これに限られるものではなく、駆動モータと駆動伝達機構とを組み合わせたものを採用してもよい。
−固定作業台−
本実施の形態において、固定作業台12は、基準面から所定の高さ寸法Hだけ上方に位置して略水平姿勢を保持するように設置されており、非傾動時の傾動作業台11を取り囲む矩形状の切欠開口12aを有し、非傾動時の傾動作業台11と連なるように略同一面を構成するようになっている。尚、固定作業台12には作業者は図示外の階段などで上り下りするようになっている。
更に、本実施の形態では、傾動作業台11及び固定作業台12に跨がって防護柵25が設置され、溶解炉1周辺の作業において作業者を防護するようになっている。本例では、防護柵25は、図2に示すように、固定作業台12の傾動作業台11の周辺領域(固定作業台12の切欠開口12a周辺領域に相当)のうち傾動作業台11の傾動支点SPから離れた側の対向周辺領域及びこれに隣接する両側方周辺領域を取り囲むように設置される内側防護柵25aと、固定作業台12の切欠開口12aを除く外周縁を取り囲むように設置される外側防護柵25bと、を備えている。尚、内側防護柵25aの一部は、傾動作業台11傾動時には、傾動作業台11の作業ステージから退避可能に構成されている。
−排出ブース−
本実施の形態において、排出ブース13は、図2及び図3に示すように、溶解炉1が排出位置に傾斜したときに、溶解炉1の排出用樋1cがブース開口101内に入り込むようになっている。また、排出ブース13内には扉102を開放することで排出された溶解物を受け止める容器又は鋳型が設置されるようになっている。よって、溶解炉1による溶解物の排出処理前に排出ブース13内に容器等を設置するようにすれば、溶解炉1の溶解室1a内の溶解物はブース開口101を通じて排出ブース13内の容器等に排出される。
尚、符号141は溶解物の排出処理時において、排出ブース13内で発生するガス等を排気する排気ダクトである。
−材料装入設備−
本実施の形態において、溶解炉1には材料の溶解処理を実施する前に、溶解炉1の溶解室1a内に被溶解物材料を装入する作業が必要であり、この要請を満たすために、本例では、材料装入設備14が設けられている。
ここで、材料装入設備14は、図8及び図9に示すように、材料装入装置121に装填された被溶解物材料を材料装入治具130を介して溶解炉1の溶解室1aに装入するものである。
本例では、材料装入装置121は、溶解対象となる被溶解物材料を貯留し、材料排出口122から逐次排出するものであり、溶解炉1の一方の側方に位置する固定作業台12に設置された移動貨車123を上に載せられ、固定作業台12及び傾動作業台11に予め形成された案内溝124に沿って移動貨車123を進退移動させることで、固定作業台12の初期位置と、傾動作業台11の溶解炉1付近の作業位置との間で移動可能になっている。
また、材料装入治具130は、溶解炉1の炉蓋3に着脱可能に取り付けられる治具本体131を有し、治具本体131には材料装入装置121の排出口122から排出される材料が装入可能な装入口132を形成すると共に、装入口132から材料被装入治具40に至るまで連通する連通路を形成したものである。尚、治具本体131の頂部には、別の排気ダクト142の接続部142aが接続可能な被接続部134が設けられている。
−排気設備−
本実施の形態において、排気設備15は、溶解炉1の開口を炉蓋3で塞いだ状態で、溶解炉1の炉蓋3周縁から漏れ出た物質を集塵する集塵装置4からなる第1の排気系と、前述した排出ブース13からの排気を担う第2の排気系と、前述した材料装入設備14からの排気を担う第3の排気系とを含み、第1乃至第3の排気系に通じる各種排気ダクト70,141,142を分岐したまま若しくは途中から合流した形で設置し、各排気ダクト70,141,142には吸引手段9としての吸引ブロワ150を接続することで排気動作を実施するようにしたものである。この場合、必要に応じて、各ダクト間を接続する接続配管74,75を含んで構成するようにしてもよい。
−集塵装置−
本実施の形態において、第1の排気系を担う集塵装置4は、炉蓋3の材料被装入治具40を除いた上面部及び側面部を包囲するように設けられ、炉蓋3との間に空洞部6を確保する炉蓋カバー5を備えている。以下に、その代表的な装置構成の一態様について説明する。
<炉蓋カバー>
本例において、炉蓋カバー5は、例えば薄板鋼板等の耐熱性材料を用いて一体的に形成されている。ここで、炉蓋カバー5は、図5(a)に示すように、炉蓋3の上面部に対向する略円形状の対向壁部5aを有し、この対向壁部5aの周囲には側面壁部5bを形成するようにしたものである。特に、本例では、側面壁部5bは、対向壁部5aの周囲から炉蓋3の上面部に向かって内径がやや拡がる略円筒状の第1の周壁部5b1を形成すると共に、この第1の周壁部5b1の炉蓋3側には外方に張り出す張出し部5b2を形成し、この張出し部5b2の外周端には炉蓋3の側面部に沿って延びる第2の周壁部5b3を形成したものである。
このため、本例では、空洞部6は、炉蓋カバー5と炉蓋3の上面部との間で高さ寸法が異なって容積に広狭の差がある広い空洞部61と狭い空洞部62と有し、更に、炉蓋カバー5と炉蓋3の側面部との間には狭い通路部63を有している。
尚、本例では、炉蓋カバー5の側面壁部5bの形状は段付きに構成されているが、これに限られるものではなく、張出し部5b2を設けることなく、滑らかな周壁部として構成してもよい。また、本例では、炉蓋カバー5は一体的に形成されているが、必ずしも一体的である必要はない。例えば対向壁部5aと側面壁部5bとを夫々別部材で構成し、ねじ等の止め具(図示せず)によって両者を接合することが可能である。このように各部材を細分化することにより、より軽量化することが可能になり、各部材を薄板鋼板で作成することにより、より一層の軽量化が可能である。更に、各部材の外表面に把手等を設けるようにすれば、人の手により安全に持ち運びすることも可能である。
また、本実施の形態では、炉蓋カバー5の対向壁部5aの略中央には、炉蓋3に装着された材料被装入治具40が貫通する貫通孔50が形成され、また、図5(b)に示すように、炉蓋カバー5の周壁部の一部には、後述の支持アーム34を一部兼用して構成される排気ダクト70が貫通配置される略矩形状の切欠56が形成されている。そして、図10、図11及び図13(a)に示すように、炉蓋3の観察窓36に対応した炉蓋カバー5には開閉可能な作業窓51が設けられている。
更に、本例では、炉蓋カバー5は、図5(a)〜(d)及び図6に示すように、炉蓋3及び炉蓋3の炉蓋開閉機構32の一要素である支持アーム34に対し保持手段としての保持具52を介して着脱可能に保持されている。保持具52としては、例えば頂部にねじ孔53aを設けたスペーサ部材53を採用し、このスペーサ部材53のねじ孔53aが上を向く向きで炉蓋3および支持アーム34の適宜箇所にスペーサ部材53を固着し、このスペーサ部材53を介してねじ等の止め具54で炉蓋カバー5を保持するようにすればよい。これにより、スペーサ部材53の高さ方向の厚みを隙間として炉蓋カバー5を保持することが可能である。このとき、図3に二点鎖線で示すように、傾動作業台11を傾動し、炉蓋カバー5が炉蓋3と共に傾動した場合においても、炉蓋カバー5が炉蓋3から分離して落下することはない。
そして、スペーサ部材53の高さ方向の厚みを調節することにより、炉蓋3との隙間の大きさを調節することが可能である。この場合、炉蓋3の上に炉蓋カバー5が載ることとなり、炉蓋3へ炉蓋カバー5の重量が付加されることになるが、炉蓋3及び炉蓋カバー5を軽量化するようにすれば、炉蓋開閉機構32による炉蓋3の旋回性に及ぼす影響は軽微である。
そして、本例の保持構造によれば、炉蓋カバー5を保持するための懸架部材をこの炉蓋カバー5の上方に設ける必要がないので、炉蓋3への取り付けが容易となるばかりでなく、炉蓋カバー5を構成する対向壁部5aに開口部を設けたり、計測装置等を設けたりすることも容易である。例えば、炉蓋カバー5を構成する対向壁部5aに材料被装入治具40が貫通する貫通孔50や、炉蓋3の観察窓36に対応して作業窓51を設ける、あるいは、観察窓36の上方に温度センサ等の測温装置を設けることは容易である。
尚、本例では、保持具52としてスペーサ部材53のような隙間調整部材を用いるようにしているが、これに限られるものではなく、例えば炉蓋3と炉蓋カバー5との間に隙間調整部を別途設けることで両者の位置関係を規制するようにすれば、保持具52として、スペーサ部材53を用いることなく、炉蓋3や支持アーム34に炉蓋カバー5を直接保持するようにしてもよい。あるいは、後述のカバー保持アームを介して保持することも可能である。
<排気路形成手段>
更に、本例では、図5(a)〜(d)及び図6に示すように、炉蓋カバー5の一部に連通して接続され、排気路形成手段7としての排気ダクト70が設けられている。特に、本例では、排気ダクト70は炉蓋開閉機構32の支持アーム34を一部兼用して構成されている。つまり、本例では、支持アーム34は断面矩形状の中空部を有するダクト部材71からなり、このダクト部材71は、炉蓋カバー5の周壁部に形成された略矩形状の切欠56に貫通配置され、さらに、このダクト部材71は空洞部6(本例では広い空洞部61に相当)の略中央付近まで延びて設置されている。このダクト部材71の先端には通気孔72が開設され、また、ダクト部材71の途中には接続孔73が開設され、この接続孔73には接続配管74、75(図2及び図4参照)が接続され、吸引ブロワ150によって吸引されるようになっている。このため、排気ダクト70には空洞部6の略中央付近に連通する排気路8が形成され、空洞部6内が負圧状態になるように吸引される。
また、本例では、炉蓋3の上面部のうち、ダクト部材71の通気孔72に隣接した箇所には空洞部6内の空気流Afを通気孔72に向かって案内する風向規制部材としての風向規制板57(図6参照)が設けられている。
<炉蓋カバーの他の保持構造例>
また、本例では、炉蓋カバー5は炉蓋3,支持アーム34に保持具52を介して保持されているが、これとは別に、炉蓋カバー5を専用のカバー保持手段であるカバー保持アーム(図示せず)で保持する態様も採用することができる。
このとき、カバー保持アームについては排気路形成手段7としての排気ダクト70とは切り離して構成してもよいが、部品点数を低減させるという観点からすれば、排気ダクト70を兼用する構成を採用することが好ましい。
この場合において、カバー保持アームとしては、例えば炉蓋カバー5に連通する中空断面を有する部材が用いられるが、炉蓋カバー5と一体で形成される必要はなく、それぞれ別々の部材として形成してもよい。カバー保持アームを、炉蓋カバー5と別部材として構成することにより、軽量化することができ、且つ、取り扱いが容易となって、カバー保持アームの取付け性が向上する。例えば炉蓋開閉機構32の支持アーム34の長手方向に直交する断面形状を包囲する断面形状を有するカバー保持アームは、その内部に支持アーム34の長手方向を包囲するようにして取り付けることができる。これにより、省スペースとすることが可能である。
そして、このカバー保持アームは、炉蓋カバー5内の空洞部6に連通するようにして接続される。例えば、炉蓋カバー5に接続する側の端部に開放部を設けて通気孔として機能させ、一方で、炉蓋カバー5の側面壁部5bには接続可能な開口部(例えば切欠)を設け、この開口部にカバー保持アームを挿通させることによって接続することが可能である。この場合、前述した挿通構成は、より効率的な煤塵の回収を目的として、開放部が煤塵の発生源に出来るだけ近づくような位置となるように、挿通させてもよい。
更に、カバー保持アームは、炉蓋カバー5に接続されたときに、炉蓋カバー5の外側となる位置に、例えば接続配管74を接続可能な接続孔を設けることが好ましい。これにより、炉蓋3の上方に炉蓋カバー5を保持したときに形成される排気路8とカバー保持アームとは接続孔を介して、接続配管74に接続することができ、煤塵を系外へ排出可能である。
これに対し、カバー保持アームに接続配管74と連接可能な接続孔を設けない場合には、炉蓋カバー5の外表面に設ければよい。但し、接続配管74に接続する際、カバー保持アームに設けたほうが、炉蓋3の開閉の際に連接した接続配管74の可動範囲が小さくなり、傾動作業台11上で作業する際に邪魔になりにくいので、より有利である。
尚、カバー保持アームは、上記の態様に限定されることはなく、炉蓋開閉機構32の支持アーム34を包囲せず単に支持アーム34の横隣に併設する態様としてもよい。
−溶解炉設備の作業手順−
1) 炉蓋3を傾動作業台11に略平行に旋回し、溶解室1aの上部開口部を閉め、炉蓋3の上方に保持された炉蓋カバー5を溶解室1aの上部開口部の上部へ移動させて、吸引ブロアをONにする。これにより、炉蓋3と傾動作業台11との間に形成される隙間から漏洩する煤塵が排気設備15の排気ダクト70を介して排気される。この場合、吸引ブロアの風量は前記の隙間から漏洩する煤塵が回収可能な最低限の風量に調整する。
2) 炉蓋3の材料被装入治具40の開閉蓋43を開放した後、当該材料被装入治具40に対して材料装入治具130を取り付ける。さらに、材料装入治具130の頂部に、排気ダクト142の接続部142aを取り付ける。
3) 材料装入治具130に向けて、材料装入装置121を移動させる。
4) 材料装入治具130の装入口132に、材料装入装置121の排出口122を接続して、原材料(破砕した廃電池、フラックス等)を材料装入治具130内へ予め決められた量(例えば90kg)だけ装入する。装入された原材料は、材料被装入治具40を介して溶解炉1の溶解室1a内へ落とし込まれる。この場合、装入の際に発生する粉塵は、排気ダクト142の接続部142aを介して排気される。
5) 材料の装入が完了したら、材料装入装置121を初期の位置に退避させる。
6) 炉蓋3の材料被装入治具40に取り付けられた材料装入治具130を取り外し、炉蓋3の材料被装入治具40の上面開口部を開閉蓋43で塞ぐ。この後、溶解炉1の加熱処理作業に移行する。
7) 操作盤の加熱開始スイッチを操作して溶解炉1に通電し、装入された原材料を溶解する。
8) 溶解炉1への通電を行いつつ、原材料の追装入(例えば、200kg)を行い、2)〜6)の作業を繰り返す。
9) 溶解された原材料(溶解物)の状況(例えば、溶解物の温度、溶解物の上面に形成されるスラグの状態等)を炉蓋カバー5に設けられた作業窓51を介して確認しつつ、反応を保持する。
10) 溶解物を静置して、スラグとメタルとに分離する。
11) 確認窓36を開放した後、材料被装入治具40の上面開口部の開閉蓋43を取り外して開け、材料被装入治具40を介して柄杓を溶解室1a内へ装入してサンプリングを行い、反応終了を判定する。
この後、溶解炉1による溶解物の排出処理を実施する。尚、確認窓36の代わりに、材料被装入治具40の上面開口部の開閉蓋43を取り外して開け、サンプリングを行うことも可能である。
12) 排出ブース13内にスラグ用の容器(鋳型)を設置し、溶解炉1を傾動させて、溶解融物の上面に形成されたスラグのみ容器(鋳型)へ排出する。但し、メタルは溶解炉1に残す。
13) しかる後、溶解炉1の傾動姿勢を略鉛直な姿勢に戻し、溶解炉1への通電を行いつつ、2)〜6)の作業操作を繰り返し、原材料の追装入(例えば、220kg)を行う。
14) 9)〜12)の作業操作を繰り返し、溶解物の上面に形成されたスラグのみ容器(鋳型)へ排出する。
15) スラグと分離され、溶解室1aに残存したメタルを保持しつつ、溶解炉1の溶解室1aへの空気吹込み用のランスパイプ(図示せず)を、材料被装入治具40を介して装入し、空気を吹き込む。
16) メタルの酸化反応を保持する。
17) 排出ブース13内にメタル用の容器(鋳型)を設置し、溶解炉1を傾動させて、メタルを容器(鋳型)へ排出する。
メタルの排出動作が終了すると、溶解炉1の傾動姿勢を略鉛直な姿勢に戻す。
<材料装入時の排気処理>
溶解炉1内に被溶融物材料Mを装入する作業過程1)〜5)においては、第1の排気系及び第3の排気系が機能する。
つまり、第1の排気系では、図12に示すように、吸引ブロワ150がONすると、排気ダクト70を介して炉蓋カバー5と炉蓋3との間の空洞部6が負圧状態になる。この状態において、炉蓋3と傾動作業台11との間の隙間からは溶解炉1内の煤塵Wが漏れ出ると、当該煤塵Wは負圧状態の空洞部6側に空気流Afと共に吸引され、排気ダクト70内の排気路8を経由して図示外の集塵部へと排気される。
このとき、煤塵Wを回収し系外へ排出する際に必要な吸引ブロワ150による吸引力は、比較的弱いものであったとしても、空洞部6の構成からして、空洞部6内を直ちに負圧状態に移行することが可能である。このため、特許文献1等のように、リングフードを介して煤塵を回収する場合のように、強力な吸引力を必要とせず、その吸引によって溶融物が冷却されてしまうことを抑制することが可能である。
また、第3の排気系では、炉蓋3の材料被装入治具40に材料装入治具130が接続され、材料装入装置121から被溶解物材料Mが挿入される。このとき、材料装入治具130はその上部において排気ダクト142に接続されているため、仮に、炉蓋3の装入口35から被溶解物材料Mが溶解炉1内に装入されるときに、溶解炉1内から煤塵Wが発生し、炉蓋3の装入口35から外部に漏れ出たとすると、この煤塵Wは排気ダクト142から図示外の集塵部へと有効に排気される。
<加熱処理時の排気処理>
次に、溶解炉1内に被溶解物材料Mが装入された後、材料被装入治具40の上面開口部を開閉蓋43で塞ぐ作業過程である6)と、溶解炉1内で加熱処理を行う作業過程である7)〜17)においては、第1の排気系が機能する。
このとき、炉蓋3の装入口35については材料被装入治具40の上面開口部は開閉蓋43で塞がれているため、溶解炉1内の物質(ヒュームや煤塵W)は炉蓋3と傾動作業台11との間の隙間から主として漏れ出ることになる。このため、第1の排気系が働くことにより、炉蓋3の周縁部から漏れ出た物質(ヒュームや煤塵W)は、炉蓋カバー5と炉蓋3との間の空洞部6が負圧状態であることから、空洞部6側に吸引され、排気ダクト70内の排気路8を経由して図示外の集塵部に排気される。
<排出ブースへの排出処理>
溶解炉1による加熱処理に加え、12)及び17)の作業過程においては、排出ブース13への排出処理が行われ、第1の排気系に加えて第2の排気系が機能する。
つまり、第1の排気系については、溶解炉1及び傾動作業台11が傾動し、溶解炉1の排出用樋1cを通じて排出ブース13へ溶解物のスラグが排出される。このとき、炉蓋3は溶解炉1を塞いだままの状態であることから、溶解炉1内の物質(ヒュームや煤塵W)は炉蓋3と傾動作業台11との間の隙間から主として漏れ出ることになる。このため、第1の排気系が引き続き働くことにより、炉蓋3の周縁部から漏れ出た物質(ヒュームや煤塵W)は、炉蓋カバー5と炉蓋3との間の空洞部6が負圧状態であることから、空洞部6側に吸引され、排気ダクト70内の排気路8を経由して図示外の集塵部に排気される。
また、第2の排気系にあっては、排気ブース13内の物質(ヒュームや煤塵W)は排気ダクト141を介して図示外の集塵部へと有効に排気される。
このように、本例では、1)〜17)の全ての作業過程において、吸引ブロアがONとなっており、溶解室1aからの物質(ヒュームや煤塵W)の回収が途切れなく実施されることになる。よって、この1)〜18)の各作業過程においては、排気ダクトを付け替えが行われることがないため、作業効率が向上するとともに、排気ダクトの付け替えに伴って外部へ漏洩するヒュームや煤塵Wが発生しない。
◎変形の形態1
図14は変形の形態1に係る傾動式溶解炉の炉蓋周りの構造の要部を示す。
同図において、炉蓋3はその略中央部に材料被装入治具40を備えているが、その開閉蓋構造が実施の形態1と異なっている。尚、実施の形態1と同様な構成要素について実施の形態1と同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
本例において、材料被装入治具40は、治具本体41の下部の漏斗状の取付部42に対し開閉可能な小蓋47を備えたものである。この小蓋47は取付部42に漏斗状のテーパ部に係止可能な円板状の小蓋本体47aと、この小蓋本体47aの下部に下方に突出して設けられ、取付部42のうち装入口35に対応した孔部に嵌合する円筒状の位置決めボス47bと、小蓋本体47aの上面部に設けられる把手47cとを備えたものである。尚、位置決めボス47bと取付部42との間には例えばねじ込み式の着脱可能な係脱機構が設けられている。
◎変形の形態2
図15は変形の形態2に係る傾動式溶解炉の炉蓋周りの構造の要部を示す。
同図において、炉蓋3周りの構造は、実施の形態1と略同様であるが、実施の形態1と異なり、炉蓋カバー5の周縁部と傾動作業台11の開口縁部との間を耐熱封止材90にて封止するようにしたものである。ここで、耐熱封止材90としては例えば炉蓋カバー5の周縁部に耐火性のウール等のシール材を設け、溶解炉1の開口を炉蓋3で塞いだ状態で炉蓋カバー5の周縁部に設けられた耐熱封止材90を傾動作業台11の表面に接触させ、両者間の隙間を塞ぐようにすればよい。このようにすることで、煤塵の回収に必要な吸引力をさらに抑制することが可能になるだけでなく、煤塵の傾動作業台11やその周囲への漏洩をより確実に抑制することが可能になる。
以上説明したように、本発明に係る傾動式溶解炉の集塵装置によれば、溶解炉の開口を炉蓋で塞いだまま被溶解物材料を装入可能とし、炉蓋の上面部及び側面部を包囲するように炉蓋カバーを付加し、炉蓋カバーと炉蓋との間の空洞部を負圧状態に吸引して排気可能な構造を採用することで、溶解炉内で発生するヒューム、煤塵等が、炉蓋と溶解炉の開口周縁部との間の隙間から漏れ出たとしても、負圧状態の空洞部を経由して集塵、排気することが可能である。
この場合、煤塵を回収する上で必要な吸引力として強力な吸引力は必要なく、既設の傾動式溶解炉に容易に適用することができ、溶融物の温度低下を抑制し、より確実にヒューム、煤塵等を回収することが可能である。
1 溶解炉
1a 溶解室
1b 溶解炉本体
1c 排出用樋
2 傾動手段
3 炉蓋
3a 材料被装入部
4 集塵装置
5 炉蓋カバー
5a 対向壁部
5b 側面壁部
5b1 第1の周壁部
5b2 張出し部
5b3 第2の周壁部
6 空洞部
7 排気路形成手段
8 排気路
9 吸引手段
10 開閉支持手段
11 傾動作業台
12 固定作業台
12a 切欠開口
13 排出ブース
14 材料装入設備
15 排気設備
20 ピット空間部
21 駆動アクチュエータ
21a ピストン
25 防護柵
25a 内側防護柵
25b 外側防護柵
26 補強フレーム
27 止め具
SP 傾動支点
31 炉蓋本体
32 炉蓋開閉機構
33 揺動支点
34 支持アーム
35 装入口
36 確認窓
37 把手
38 ストッパ
39 把手
40 材料被装入治具
41 治具本体
41a 被係止突起
42 取付部
43a 係止突起
43 開閉蓋
44 把手
45 サポートフランジ
47 小蓋
47a 小蓋本体
47b 位置決めボス
47c 把手
50 貫通孔
51 作業窓
52 保持具
53 スペーサ部材
53a ねじ孔
54 止め具
56 切欠
57 風向規制板
61 広い空洞部
62 狭い空洞部
63 通路部
70 排気ダクト
71 ダクト部材
72 通気孔
73 接続孔
74 接続配管
75 接続配管
90 耐熱封止材
101 ブース開口
102 扉
121 材料装入装置
122 材料排出口
123 移動貨車
124 案内溝
130 材料装入治具
131 治具本体
132 装入口
134 被接続部
141 排気ダクト
142 排気ダクト
142a 接続部
150 吸引ブロワ
M 被溶解物材料
Af 空気流
W 煤塵

Claims (11)

  1. 一端が開口する溶解室に挿入された被溶解物材料を溶解する溶解炉と、
    前記溶解炉を略鉛直姿勢に保持する保持位置と前記溶解炉の姿勢を傾斜させることにより当該溶解炉内の溶解物を排出可能とする排出位置との間で前記溶解炉を移動可能に支持する傾動手段と、
    一部に塞ぎ可能な材料被装入部を有し、前記溶解炉の開口を開閉可能に塞ぐ炉蓋と、
    を備えた傾動式溶解炉に用いられる集塵装置であって、
    前記炉蓋の前記材料被装入部を除いた上面部及び側面部を包囲するように設けられ、前記炉蓋との間に空洞部を確保する炉蓋カバーと、
    前記炉蓋カバーの一部に連通して接続され、排気路を形成する排気路形成手段と、
    前記溶解炉の開口を炉蓋で塞いだ状態で、前記排気路を介して前記空洞部内を負圧にするように吸引する吸引手段と、
    を有することを特徴とする傾動式溶解炉の集塵装置。
  2. 請求項1に記載の傾動式溶解炉の集塵装置において、
    前記排気路形成手段は、前記炉蓋カバーと別部材で構成されていることを特徴とする傾動式溶解炉の集塵装置。
  3. 請求項1又は2に記載の傾動式溶解炉の集塵装置において、
    前記排気路形成手段は、前記炉蓋の開閉支持手段を一部兼用して構成されていることを特徴とする傾動式溶解炉の集塵装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の傾動式溶解炉の集塵装置において、
    前記空洞部は、少なくとも容積に差のある広い空洞部と狭い空洞部とを有し、前記排気路形成手段は前記広い空洞部に対して前記排気路を連通させることを特徴とする傾動式溶解炉の集塵装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の傾動式溶解炉の集塵装置において、
    前記排気路形成手段は、前記炉蓋カバーと前記炉蓋の上面部との間の空洞部の略中央付近に対して前記排気路を連通させることを特徴とする傾動式溶解炉の集塵装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の傾動式溶解炉の集塵装置において、
    前記炉蓋カバーの外周縁部には前記溶解炉の開口縁部との間を封止する耐熱封止材が設けられていることを特徴とする傾動式溶解炉の集塵装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の傾動式溶解炉の集塵装置において、
    前記炉蓋は、前記材料被装入部として炉蓋本体に着脱可能に装着され且つ前記溶解炉に通じる装入口を塞ぎ可能に開閉する材料被装入治具を有し、
    前記炉蓋カバーは前記材料被装入治具が貫通する貫通孔を有していることを特徴とする傾動式溶解炉の集塵装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の傾動式溶解炉の集塵装置において、
    前記炉蓋は、炉蓋本体の一部に前記溶解炉内の状態を確認する開閉可能な確認窓を有し、
    前記炉蓋カバーは、前記確認窓に対応した箇所に開閉可能な作業窓を有することを特徴とする傾動式溶解炉の集塵装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載の傾動式溶解炉の集塵装置において、
    前記炉蓋カバーは、前記炉蓋又は前記炉蓋の開閉支持手段に対し保持手段を介して保持されていることを特徴とする傾動式溶解炉の集塵装置。
  10. 一端が開口する溶解室に挿入された被溶解物材料を溶解する溶解炉と、
    前記溶解炉を略鉛直姿勢に保持する保持位置と前記溶解炉の姿勢を傾斜させることにより当該溶解炉内の溶解物を排出可能とする排出位置との間で前記溶解炉を移動可能に支持する傾動手段と、
    一部に塞ぎ可能な材料被装入部を有し、前記溶解炉の開口を開閉可能に塞ぐ炉蓋と、
    前記溶解炉の開口を炉蓋で塞いだ状態で、前記溶解炉の炉蓋周縁から漏れ出た物質を集塵する集塵装置と、
    を備え、
    前記集塵装置には請求項1乃至9のいずれかに記載の傾動式溶解炉の集塵装置を採用したことを特徴とする溶解炉設備。
  11. 請求項10に記載の溶解炉設備において、
    前記炉蓋の前記材料被装入部に対して着脱可能な材料装入治具を有し、前記炉蓋カバーよりも上方に突出する材料装入治具を介して前記被溶解物材料を装入する材料装入装置を備えていることを特徴とする溶解炉設備。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114413625A (zh) * 2022-01-27 2022-04-29 东北大学 镁液正压转移用熔炼炉炉盖自动密封与开启的装置及方法
CN115837396A (zh) * 2022-11-08 2023-03-24 恩森(台州)化学有限公司 一种塑料电镀件回收熔化炉

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