JP2021169817A - 冷却システム - Google Patents
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Abstract
【課題】冷却対象のそれぞれに適した温度の熱媒体を供給することのできる冷却システム、を提供する。【解決手段】冷却システム10が搭載される車両MVには、冷却対象であるインタークーラー310及びインバーター320がそれぞれ搭載されている。冷却システム10は、空気との熱交換により熱媒体の温度を低下させる低温用サブラジエータ210及び低温用メインラジエータ220を備える。冷却システム10は、インタークーラー310には、低温用サブラジエータ210及び低温用メインラジエータ220の両方を通った熱媒体が供給され、インバーター320には、低温用サブラジエータ210を通り且つ低温用メインラジエータ220を通らなかった熱媒体が供給されるように構成されている。【選択図】図1
Description
本開示は冷却システムに関する。
例えば車両には、車両の各部を冷却するための冷却システムが搭載される。例えば、ターボチャージャーを搭載する内燃機関を有する車両の場合には、内燃機関や過給空気等が冷却システムによって冷却される。また、回転電機を有する電動車両の場合には、回転電機やインバーター等が冷却システムによって冷却される。冷却システムは、冷却水などの熱媒体を車両内で循環させることにより、内燃機関等の冷却対象を冷却する。冷却対象から熱を奪い高温となった熱媒体は、ラジエータを通る際において空気との熱交換によりその温度を低下させた後、再び冷却対象の冷却に供される。
一般に、冷却システムにおいて熱媒体が循環する経路は、内燃機関のような比較的高温の冷却対象を冷却するための高温用経路と、インバーターのような比較的低温の冷却対象を冷却するための低温用経路に分けて構成されることが多い。
下記特許文献1には、インタークーラーと、空調用のコンデンサと、のそれぞれを、低温用経路を循環する熱媒体によって冷却する構成の冷却システムについて記載されている。このように、低温用経路においては、当該経路に沿って複数の冷却対象が配置され、これらが共通の熱媒体によって冷却されるのが一般的となっている。
上記特許文献1に記載されている冷却システムでは、低温用経路を構成する熱媒体の流路の途中が2つに分岐しており、一方の流路にインタークーラーが配置され、他方の流路のコンデンサが配置されている。つまり、冷却対象である2つの機器が、熱媒体の流路において互いに並列となるように配置されている。このような構成においては、一方の冷却対象に流入する熱媒体の温度と、他方の冷却対象に流入する熱媒体の温度とが、互いに同一の温度となる。
しかしながら、冷却対象である機器の適温範囲は、機器ごとに異なるのが一般的である。例えば車両において、過給空気は、インタークーラーによって冷却し温度を下げるほど内燃機関の出力性能を向上させ得る一方で、インバーターは、温度を下げ過ぎると正常に動作し得なくなってしまう。この例において、それぞれの機器に到達する熱媒体の温度(つまり共通の温度)を設定するにあたっては、インバーターが正常に動作し得る範囲の温度に設定する必要がある。この場合、インタークーラーについては、更に温度を下げてその性能を向上させる余地があるにも拘らず、インバーターに合わせた温度の熱媒体をインタークーラーに供給しなければならない。このため、車両の各部を、それぞれ最適な効率で冷却することは難しい。
このように、従来の冷却システムにおいては、冷却対象のそれぞれに適した温度の熱媒体を供給することに関し、更なる改良の余地があった。
本開示は、冷却対象のそれぞれに適した温度の熱媒体を供給することのできる冷却システム、を提供することを目的とする。
本開示に係る冷却システムの1つの態様は、車両(MV)用の冷却システム(10)である。冷却システムが設けられる車両には、冷却対象である第1被冷却部(310)及び第2被冷却部(320)がそれぞれ搭載されている。この冷却システムは、空気との熱交換により熱媒体の温度を低下させる第1熱交換部(210)及び第2熱交換部(220)を備えており、第1被冷却部には、第1熱交換部及び第2熱交換部の両方を通った熱媒体が供給され、第2被冷却部には、第1熱交換部を通り且つ第2熱交換部を通らなかった熱媒体が供給されるように構成されている。
本開示に係る冷却システムのもう1つの態様は、燃料電池装置(FCS)用の冷却システム(20)である。冷却システムが設けられる燃料電池装置には、冷却対象である第1被冷却部(731)及び第2被冷却部(CS)がそれぞれ搭載されている。この冷却システムは、空気との熱交換により熱媒体の温度を低下させる第1熱交換部(710)及び第2熱交換部(720)を備えており、第1被冷却部には、第1熱交換部及び第2熱交換部の両方を通った熱媒体が供給され、第2被冷却部には、第1熱交換部を通り且つ第2熱交換部を通らなかった熱媒体が供給されるように構成されている。
上記いずれの構成においても、第1被冷却部に供給される熱媒体は、第1熱交換部を通る際に冷却されて温度を低下させた後、第2熱交換部を通る際に再び冷却されて更に温度を低下させてから、第1被冷却部に到達する。一方、第2被冷却部に供給される熱媒体は、第1熱交換部を通る際に冷却されて温度を低下させた後、第2熱交換部を通ることなく第2被冷却部に到達する。このため、第1被冷却部に供給される熱媒体の温度は、第2被冷却部に供給される熱媒体の温度よりも低くなる。
上記構成の冷却システムによれば、冷却対象である被冷却部ごとに、到達する熱媒体の温度を異ならせることが可能となる。このため、例えば、車両用のインタークーラーのように可能な限り低温で動作させるべき機器を第1被冷却部として配置し、車両用のインバーターのように中程度の温度で動作させるべき機器を第2被冷却部として配置すれば、冷却対象であるそれぞれの機器に、適した温度の熱媒体を供給することができる。
本開示によれば、冷却対象のそれぞれに適した温度の熱媒体を供給することのできる冷却システム、が提供される。
以下、添付図面を参照しながら本実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
第1実施形態について説明する。本実施形態に係る冷却システム10は、車両MVに搭載され、車両MVの各部を冷却するためのシステムとして構成されている。図1には、車両MV及び冷却システム10の構成が模式的に示されている。
図1を参照しながら、車両MVの構成について先ず説明する。車両MVは、内燃機関EG及び回転電機MGの両方を備えたハイブリッド車両として構成されている。図1では、車両MVを上方側から見た上で、その内部構成が模式的に図示されている。同図における下側が車両の前方側であり、上側が車両の後方側である。以下では、図1に表記される方向に基づいて、「右」や「左」等の語を用いる。
内燃機関EGは、燃料を内部で燃焼させることにより、車両MVの走行用の駆動力を生じさせる装置である。車両MVには、内燃機関EGに対して過給された空気を送り込むためのターボチャージャー(不図示)等が搭載されている。内燃機関EG及びこれを動作させるためのシステムが、図1においてはエンジンシステムEGSとして模式的に示されている。エンジンシステムEGSには、内燃機関EGやターボチャージャーの他、インタークーラー310が含まれている。インタークーラー310は、後述の冷却システム10を循環する冷却水により、内燃機関EGに供給される高温の空気を予め冷却するための装置である。つまり、インタークーラー310は、冷却システム10の冷却対象の一つとなっている。
回転電機MGは、所謂モータージェネレータであって、バッテリから供給される電力により、車両MVの走行用の駆動力を生じさせる装置である。回転電機MG及びこれを動作させるためのシステムが、図1においてはEVシステムEVSとして模式的に示されている。EVシステムEVSには、回転電機MGやバッテリの他、インバーター320が含まれている。インバーター320は、バッテリからの電力を電力変換し、これを回転電機MGに供給するための装置である。
回転電機MG及びインバーター320は、いずれも、動作中においてその温度を上昇させる。そこで、回転電機MG及びインバーター320は、上記のインタークーラー310と共に、冷却システム10の冷却対象となっている。EVシステムEVSは、上記のエンジンシステムEGSと共に、車両MVの幅方向に沿って並ぶように配置される。
続いて、図1及び図2を参照しながら、本実施形態に係る冷却システム10の構成について説明する。尚、図2には、図1に示される構成のうち、冷却システム10において冷却水が循環する経路のみを抜き出して更に模式化した図が示されている。
冷却システム10は、配管100と、ウォーターポンプ250と、低温用サブラジエータ210と、低温用メインラジエータ220と、を備えている。
配管100は、熱媒体である冷却水を循環させるための配管である。配管100は、冷却システム10の冷却対象である各機器を冷却水が通るように、車両MVの内部において引き回されている。本実施形態では先に述べたように、インタークーラー310とインバーター320とのそれぞれが冷却システム10の冷却対象となっており、供給される冷却水によって冷却される。インタークーラー310は、本実施形態における「第1被冷却部」に該当する。インバーター320は、本実施形態における「第2被冷却部」に該当する。尚、本実施形態では、上記のようにインバーター320と共に回転電機MGも冷却されるので、回転電機MG及びインバーター320の両方を「第2被冷却部」と解してもよい。
尚、配管100を通り循環する熱媒体は、本実施形態のように冷却水であってもよいが、冷却水以外の流体であってもよい。
ウォーターポンプ250は、配管100に沿って冷却水が循環するように、冷却水を送り出すためのポンプである。ウォーターポンプ250は、車両MVの前方右側部分にあるタイヤハウスの前方となる位置に配置されている。その結果、ウォーターポンプ250は、車両MVの内部のうち、右側端部寄りとなる位置に配置されている。
尚、ウォーターポンプ250が配置される位置は、冷却水を送り出して循環させることができる位置であれば、上記とは異なる位置であってもよい。例えば、配管100のうち、低温用メインラジエータ220とインタークーラー310との間となる位置に、ウォーターポンプ250が配置されていてもよい。また、冷却システム10に設けられるウォーターポンプ250の数は、2つ以上であってもよい。
低温用サブラジエータ210は、冷却システム10を循環する冷却水を、空気との熱交換によって冷却しその温度を低下させるための熱交換器である。低温用サブラジエータ210は、配管100のうち、冷却水の流れる方向に沿ってウォーターポンプ250よりも下流側となる位置に配置されている。低温用サブラジエータ210は、本実施形態における「第1熱交換部」に該当する。
低温用メインラジエータ220は、上記の低温用サブラジエータ210と同様に、冷却システム10を循環する冷却水を、空気との熱交換によって冷却しその温度を低下させるための熱交換器である。低温用メインラジエータ220は、配管100のうち、冷却水の流れる方向に沿って低温用サブラジエータ210よりも更に下流側となる位置に配置されている。低温用メインラジエータ220は、本実施形態における「第2熱交換部」に該当する。
図1に示されるように、低温用メインラジエータ220の近傍となる位置には、コンデンサ230と、高温用ラジエータ510と、がそれぞれ配置されている。これらは、車両MVの前方側から取り込まれた空気の流れる方向に沿って、3つ並ぶように配置されている。
コンデンサ230は、車両MVに設けられた空調装置(不図示)の一部であって、空気との熱交換によって冷媒を凝縮させるための熱交換器である。
高温用ラジエータ510は、内燃機関EGを通り高温となった冷却水を、空気との熱交換によって冷却しその温度を低下させるための熱交換器である。図1においては、高温用ラジエータ510と内燃機関EGとの間で冷却水が循環する経路の図示が省略されている。当該経路は、内燃機関EGのような比較的高温の機器を冷却するための「高温用回路」に該当するものである。尚、低温用メインラジエータ220等を通り冷却水が循環する経路は、比較的低温の機器を冷却するための「低温用回路」に該当するものである。
低温用サブラジエータ210と低温用メインラジエータ220との間となる位置において、配管100は、配管101と配管102の2つに分岐している。一方の配管101の途中となる位置には、先に述べた低温用メインラジエータ220が配置されている。配管101のうち、冷却水の流れる方向に沿って低温用メインラジエータ220よりも下流側となる位置には、第1被冷却部であるインタークーラー310が配置されている。
もう一方の配管102の途中となる位置には、第2被冷却部であるインバーター320が配置されている。配管101の下流側端部と、配管102の下流側端部とは、いずれもウォーターポンプ250に向かう配管100へと繋がっている。
以上の構成により、ウォーターポンプ250から送り出された冷却水は、先ず低温用サブラジエータ210を通る際においてその温度を低下させる。その後、冷却水の一部は配管102を通ってインバーター320に到達し、インバーター320の冷却に供される。残りの冷却水は、配管101を通って低温用メインラジエータ220に到達し、低温用メインラジエータ220を通る際において更にその温度を低下させる。その後、当該冷却水はインタークーラー310に到達し、インタークーラー310の冷却に供される。
よく知られているように、インタークーラー310は、内燃機関EGに供給される高温の空気を冷却しその密度を高めておくためのものである。従って、インタークーラー310に供給される冷却水の温度は、低ければ低いほど好ましい。
本実施形態に係る冷却システム10は、低温用サブラジエータ210(第1熱交換部)及び低温用メインラジエータ220(第2熱交換部)の両方を通り十分に低温となった冷却水が、第1被冷却部であるインタークーラー310に供給されるように構成されている。これにより、インタークーラー310における過給用空気の冷却を十分に行うことができる。
インバーター320は、先に述べたように、動作中においてその温度を上昇させるので、配管102を通る冷却水によって冷却される。ただし、インバーター320が冷却され過ぎてしまうと、内部のパワーカード等が正常に動作し得ない状態になってしまうことがある。従って、インバーター320の温度は、低ければ低いほど好ましいのではなく、一定の適温範囲内に収めておくことが好ましい。回転電機MGについても同様である。回転電機MGが冷却され過ぎてしまうと、回転電機MGの内部においてオイルの粘度が大きくなり、回転電機MGの動作が妨げられてしまう可能性がある。従って、回転電機MGの温度も、低ければ低いほど好ましいのではなく、上記と同じ適温範囲内に収めておくことが好ましい。
本実施形態に係る冷却システム10は、低温用サブラジエータ210(第1熱交換部)を通り、低温用メインラジエータ220(第2熱交換部)を通らなかった冷却水が、第2被冷却部であるインバーター320に供給されるように構成されている。このため、インバーター320に供給される冷却水の温度は、インタークーラー310に供給される冷却水の温度に比べると高くなる。その結果、インバーター320の温度を、上記の適温範囲に収めることが可能となる。
尚、配管100のうち、低温用サブラジエータ210の下流側において配管101と配管102とに分岐する部分には、分岐具110が配置されている。分岐具110の内部には、配管101へと流出する冷却水と、配管102へと流出する冷却水と、の割合を調整するための弁体(不図示)が配置されている。当該弁体の開度を予め調整しておくことで、インバーター320に供給される冷却水の流量を調整し、インバーター320の温度を上記適温範囲に収めることができる。
本実施形態の構成の利点を説明するために、比較例に係る冷却システム10Aの構成について、図9を参照しながら説明する。この比較例では、ウォーターポンプ250が配置されている位置、及び、配管100の構成において、図1の第1実施形態と異なっている。
この比較例では、ウォーターポンプ250が、車両MVの前方左側部分にあるタイヤハウスの近傍となる位置に配置されている。その結果、ウォーターポンプ250は、車両MVの内部のうち、左側端部寄りとなる位置に配置されている。冷却水の流れる方向に沿ってウォーターポンプ250よりも下流側となる位置では、配管100が、配管101と配管102の2つに分岐している。一方の配管101の途中となる位置には、インタークーラー310が配置されている。他方の配管102の途中となる位置には、インバーター320が配置されている。配管101の下流側端部と、配管102の下流側端部とは、いずれも低温用サブラジエータ210に向かう配管100へと繋がっている。低温用サブラジエータ210から排出された冷却水は、ウォーターポンプ250へと戻る。
このような構成においては、インタークーラー310及びインバーター320が、冷却水の流路において互いに並列となるように配置されている。このため、インタークーラー310に流入する冷却水の温度と、インバーター320に流入する冷却水の温度とが、互いに同一の温度となってしまう。
しかしながら、車両MVに搭載される機器の適温範囲は、機器ごとに異なるのが一般的である。先に述べたように、インタークーラー310は、冷却し温度を下げるほどその性能を発揮し得る一方で、インバーター320は、温度を下げ過ぎると正常に動作し得なくなってしまう。比較例の構成において、それぞれの機器に到達する冷却水の温度(つまり共通の温度)を設定するにあたっては、インバーター320が正常に動作し得る範囲の温度に設定する必要がある。この場合、インタークーラー310については、更に温度を下げてその性能を向上させる余地があるにも拘らず、インバーター320に合わせた温度の冷却水をインタークーラー310に供給しなければならない。このため、車両MVの各部を、それぞれ最適な効率で冷却することは難しくなってしまう。
これに対し本実施形態に係る冷却システム10では、先に述べた通り、第1被冷却部であるインタークーラー310に供給される冷却水の温度と、第2被冷却部であるインバーター320に供給される冷却水の温度と、を互いに異ならせることができる。冷却対象であるそれぞれの機器ごとに、適した温度の冷却水を供給することで、全体の冷却効率を比較例に比べて高めることが可能となる。
また、図9に示されるような比較例の構成においては、配管100のうちウォーターポンプ250からインバーター320に至るまでの部分が、車両MVの幅方向に沿って長くなってしまう傾向がある。特に、EVシステムEVSとエンジンシステムEGSとが、車両MVの幅方向に沿って並ぶように配置される構成においては、比較例に係る構成を採用すると、配管100の上記部分が長くなってしまう傾向がある。
これに対し、図1に示される本実施形態の構成においては、配管100のうちウォーターポンプ250からインバーター320に至るまでの部分が、図9の構成に比べて短くなる。このため、例えば、高温用回路と低温用回路との両方を備え、複雑な配管100が必要となる構成においては、本実施形態の構成を採用することで、配管100の長さを一部において短くすることが可能となる。その結果、通水抵抗が小さくなるので、ウォーターポンプ250の動作負荷を低減することも可能となる。更に、配管100が短くなることに伴い、冷却システム10を循環する冷却水の総量が少なくなるので、各ラジエータにより冷却水の温度を低下させることが容易となる。
本実施形態では、内燃機関EGに供給される空気の温度を低下させるためのインタークーラー310が第1被冷却部となり、回転電機MGに電力を供給するためのインバーター320が第2被冷却部となっている。しかしながら、第1被冷却部や第2被冷却部としては、それぞれ、本実施形態の例とは異なる機器を採用することもできる。例えば、回転電機MGに電力を供給するバッテリが、第2被冷却部となっている構成としてもよい。また、複数の機器を組み合わせたものが、第1被冷却部や第2被冷却部となっている構成としてもよい。
特に、バッテリのように床下に配置される機器が被冷却部となる構成においては、冷却水を循環させるための配管の引き回しが複雑になる傾向がある。このため、本実施形態と同様の構成を採用し配管長を抑制することの効果が大きい。
本実施形態では、冷却システム10の搭載される車両MVが、内燃機関EGと回転電機MGの両方を備えたハイブリッド車両として構成されている。このような態様に替えて、例えば、内燃機関EGのみの駆動力で走行する従来型の車両に、冷却システム10が搭載されてもよい。また、回転電機MGのみの駆動力で走行する電気自動車に、冷却システム10が搭載されてもよい。
第2実施形態について説明する。以下では、第1実施形態と異なる点について主に説明し、第1実施形態と共通する点については適宜説明を省略する。本実施形態では、低温用サブラジエータ210及び低温用メインラジエータ220の構成において、第1実施形態と異なっている。
本実施形態に係る冷却システム10は、第1実施形態における低温用サブラジエータ210及び低温用メインラジエータ220に替えて、図3に示される熱交換器200を備えている。本実施形態では、車両MVのうち図1において低温用メインラジエータ220が配置されていた位置に、図3の熱交換器200が配置されている。
熱交換器200は、タンク201、202と、不図示のチューブ及びコルゲートフィンを備えている。熱交換器200では、これらの構成部品の全体がろう接により一体となっている。
タンク201、202はいずれも、熱媒体である冷却水を一時的に貯えるための容器である。これらは略円柱形状の細長い容器として形成されており、その長手方向を上下方向に沿わせた状態で配置されている。タンク201、202は、水平方向に沿って互いに離間した位置に配置されている。
タンク201とタンク202との間は、複数のチューブによって接続されている。それぞれのチューブはその長手方向を水平方向に沿わせた状態で、上下方向に並ぶように積層配置されている。タンク201の内部空間と、タンク202の内部空間との間は、それぞれのチューブによって接続されている。また、それぞれのチューブの間には、コルゲートフィンが配置されている。つまり、タンク201とタンク202との間では、複数のチューブ及びコルゲートフィンが、上下方向に交互に並ぶように積層配置されている。
冷却水は、それぞれのチューブの内側に形成された流路を通って流れる際に、外側を通る空気との熱交換によって冷却される。複数のチューブ及びコルゲートフィンが積層配置されている部分は、冷却水と空気との間で熱交換が行われる「熱交換コア部」に該当する。熱交換コア部のうち、後述のセパレータ203よりも上方側の部分のことを、以下では「熱交換コア部204」とも称する。また、熱交換コア部のうち、セパレータ203よりも下方側の部分のことを、以下では「熱交換コア部205」とも称する。
タンク202には、入口部206と出口部207が設けられている。入口部206は、タンク202のうち上方側部分に設けられている。出口部207は、タンク202のうち下方側部分に設けられている。タンク202の内部のうち、入口部206よりも下方側であり且つ出口部207よりも上方側となる位置には、セパレータ203が設けられている。タンク202の内部空間は、セパレータ203によって上下に分けられている。
タンク201には、出口部208が設けられている。出口部208は、タンク201のうち上方側部分に設けられている。
図示は省略するが、本実施形態の冷却システム10では、ウォーターポンプ250から伸びる配管100が、熱交換器200の入口部206に接続されている。また、熱交換器200の出口部207には、インタークーラー310へと伸びる配管が接続されている。更に、熱交換器200の出口部208には、インバーター320へと伸びる配管が接続されている。本実施形態の冷却システム10では、第1実施形態の分岐具110は設けられていない。
ウォーターポンプ250から送り出された冷却水は、本実施形態では、入口部206からタンク202の内部へと先ず供給される。当該冷却水は、図3において矢印AR1で示されるように、熱交換コア部204に配置されたそれぞれのチューブを通って、タンク201のうちセパレータ203よりも上方側の部分へと流入する。
冷却水は、上記のように熱交換コア部204を通る際に、空気との熱交換により冷却され、その温度を低下させる。熱交換コア部204からタンク201に流入した冷却水の一部は、出口部208から排出され、インバーター320へと供給される。
タンク201に流入した冷却水の残部は、図3において矢印AR2で示されるように、タンク201の内部を下方側に向かって流れて、セパレータ203よりも下方側の部分へと流入する。その後、冷却水は、図3において矢印AR3で示されるように、熱交換コア部205に配置されたそれぞれのチューブを通って、タンク202のうちセパレータ203よりも下方側の部分へと流入する。
冷却水は、上記のように熱交換コア部205を通る際に、空気との熱交換により再び冷却され、その温度を更に低下させる。熱交換コア部205からタンク202に流入した冷却水は、出口部207から排出され、インタークーラー310へと供給される。
以上のように、本実施形態に係る冷却システム10では、熱交換コア部204及び熱交換コア部205の両方を通り十分に低温となった冷却水が、出口部207から排出され、第1被冷却部であるインタークーラー310に供給される。また、熱交換コア部204を通り、熱交換コア部205を通らなかった冷却水が、出口部208から排出され、インバーター320に供給される。
熱交換コア部204は、第1実施形態の低温用サブラジエータ210と同様に機能するものであるから、本実施形態における「第1熱交換部」に該当する。また、熱交換コア部205は、第1実施形態の低温用メインラジエータ220と同様に機能するものであるから、本実施形態における「第2熱交換部」に該当する。本実施形態では、第1熱交換部である熱交換コア部204と、第2熱交換部である熱交換コア部205とが、互いに一体の熱交換器200として構成されている。このような態様でも、第1実施形態で説明したものと同様の効果を奏する。
このように、「第1熱交換部」及び「第2熱交換部」は、第1実施形態のように、それぞれが互いに別体の熱交換器として構成され、冷却システム10において互いに離れた位置に配置されていてもよいのであるが、本実施形態のように、両者が互いに一体の熱交換器200として構成されていてもよい。
また、第1熱交換部及び第2熱交換部に加えて、冷却システム10において追加の熱交換器が別途設けられているような態様としてもよい。例えば、本実施形態の構成において、ウォーターポンプ250と入口部206との間を繋ぐ配管の途中となる位置に、サブラジエータを別途設けた構成としてもよい。このような構成においては、ウォーターポンプ250から送り出された冷却水は、先ず上記のサブラジエータを通る際においてその温度を予め低下させた後、入口部206から熱交換器200へと供給されることとなる。このような構成により、熱交換器200の負荷を低減することができる。
また、本実施形態の構成においては、熱交換器200のタンク201が、第1実施形態における分岐具110と同様の機能を発揮することとなる。これにより、分岐具110を削減して部品コストを抑制することも可能となる。
尚、第1熱交換部と第2熱交換部とが「互いに一体」の熱交換器になっている構成とは、本実施形態のような、第1熱交換部及び第2熱交換部の全体がろう接により一体不可分とされている構成に限定されない。例えば、第1熱交換部である低温用サブラジエータ210と、第2熱交換コア部である低温用メインラジエータ220とが、ボルトの締結等によって互いに固定され、これにより一体となっている構成であってもよい。
第2実施形態の変形例について説明する。図4に示されるように、この変形例では、タンク201の内部のうち、セパレータ203と同じ高さとなる位置に、セパレータ203Aが設けられている。タンク201の内部空間は、セパレータ203Aによって上下に分けられている。
また、タンク201には出口部209が設けられている。出口部209は、出口部208と同様に、タンク201からの冷却水の出口として設けられている。出口部209は、タンク201のうち、セパレータ203Aよりも下方側となる位置に設けられている。
出口部208から伸びる配管103、及び、出口部209から伸びる配管104は、いずれも、分岐具110と同様に構成された分岐具110Aへと接続されている。分岐具110Aと、不図示のインバーター320との間は、配管105によって接続されている。
このような構成の変形例においては、熱交換コア部204を通った冷却水の全てが、出口部208から一旦排出される。その後、当該冷却水の一部は、分岐具110Aから配管105を通ってインバーター320へと向かうこととなる。残りの冷却水は、分岐具110Aから配管104を通って熱交換コア部205へと供給される。その後、当該冷却水は、出口部207から排出されてインタークーラー310へと向かうこととなる。
このように、第1熱交換部と第2熱交換部とが互いに一体の熱交換器200となっている構成において、タンク201が、第1実施形態における分岐具110と同様の機能を発揮しない構成とすることも可能である。
第3実施形態について説明する。以下では、第1実施形態と異なる点について主に説明し、第1実施形態と共通する点については適宜説明を省略する。
図5は、本実施形態に係る冷却システム10において冷却水が循環する経路を、図2と同様の方法により模式的に示したものである。同図に示されるように、本実施形態に係る冷却システム10では、配管100のうち、低温用サブラジエータ210の下流側において配管101と配管102とに分岐する部分に、分岐具110に替えて流量調整弁410が配置されている。流量調整弁410は、外部からの信号に応じてその開度を調整することにより、配管101と配管102とに分配される冷却水の比率を変化させるものである。
流量調整弁410の開度は制御装置400によって調整される。制御装置400は、CPU、ROM、RAM等を有するコンピュータシステムであって、冷却システム10の全体を統括制御する装置である。
配管100のうち、低温用サブラジエータ210と流量調整弁410との間となる位置には、温度センサ420が設けられている。温度センサ420は、当該位置における冷却水の温度を測定するためのセンサである。温度センサ420で測定された温度を示す信号は、制御装置400へと入力される。
冷却システム10を冷却水が循環しているときに、制御装置400は、温度センサ420で測定された冷却水の温度に基づいて、流量調整弁410の開度を調整する処理を行う。具体的には、制御装置400は、冷却水の温度が高くなる程、低温用メインラジエータ220を介してインタークーラー310へと流入する冷却水の流量が大きくなるよう、流量調整弁410の開度を調整する。
何らかの原因でインタークーラー310の温度が上昇し、それに伴い温度センサ420で測定された温度が上昇すると、上記のように、インタークーラー310へと流入する冷却水の流量を大きくする処理が行われる。これにより、インタークーラー310の温度を適正な温度に保つことが可能となる。
尚、温度センサ420が設けられる位置は、インタークーラー310における冷却水の温度を直接的又は間接的に測定し得る位置であれば、上記とは異なる位置であってもよい。例えば、配管100のうちインタークーラー310の近傍となる位置に、温度センサ420が設けられていてもよい。また、流量調整弁410が設けられる位置は、インタークーラー310に流入する冷却水の流量を調整し得る位置であれば、上記とは異なる位置であってもよい。例えば、配管100のうち、インタークーラー310を通った冷却水と、インバーター320を通った冷却水と、が互いに合流する位置に、流量調整弁410が設けられていてもよい。
第4実施形態について説明する。以下では、上記の第3実施形態(図5)と異なる点について主に説明し、第4実施形態と共通する点については適宜説明を省略する。
図6は、本実施形態に係る冷却システム10において冷却水が循環する経路を、図2や図5と同様の方法により模式的に示したものである。同図に示されるように、本実施形態に係る冷却システム10では、配管100のうち、低温用サブラジエータ210の下流側において配管101と配管102とに分岐する部分に、第1実施形態のような分岐具110や、第3実施形態のような流量調整弁410が配置されていない。
本実施形態では、配管100のうち、上記の分岐部分とインバーター320との間となる位置に、電磁開閉弁411が設けられている。電磁開閉弁411は、外部からの信号に応じてその開閉を切り換えることのできる開閉弁である。電磁開閉弁411の開閉動作は制御装置400によって制御される。
冷却システム10を冷却水が循環しているときに、制御装置400は、温度センサ420で測定された冷却水の温度に基づいて、電磁開閉弁411の動作を制御する。具体的には、制御装置400は、冷却水の温度が所定温度を超えると、電磁開閉弁411を閉状態とする処理を行う。また、制御装置400は、冷却水の温度が上記の所定温度以下になると、電磁開閉弁411を開状態とする処理を行う。このような制御によっても、先に述べた第3実施形態と同様に、インタークーラー310の温度を適正な温度に保つことが可能となる。本実施形態でも、電磁開閉弁411の位置や温度センサ420の位置は、適宜変更することが可能である。
第5実施形態について説明する。以下では、第1実施形態と異なる点について主に説明し、第1実施形態と共通する点については適宜説明を省略する。本実施形態では、内燃機関EGから伸びる排気配管のうち、インタークーラー310が設けられる部分の構成において、第1実施形態と異なっている。
図7は、本実施形態に係る冷却システム10において冷却水が循環する経路を、図2と同様の方法により模式的に示したものである。本実施形態において、ウォーターポンプ250から送り出された冷却水が循環する経路、すなわち、冷却システム10のうち低温用回路に該当する経路の構成は、図2に示される構成と同一である。この低温用回路のことを、以下では「低温用回路11」とも称する。
本実施形態に係る冷却システムは、低温用回路11に対し、図7に示されるような高温用回路12を加えたものとして構成されている。高温用回路12は、内燃機関EGを冷却するように冷却水を循環させるものであって、配管500と、ウォーターポンプ520と、高温用ラジエータ510と、を備えている。
配管500は、低温用回路11の配管100と同様に、熱媒体である冷却水を循環させるための配管である。配管500は、高温用回路12における冷却対象である内燃機関EGを冷却水が通るように、車両MVの内部において引き回されている。
ウォーターポンプ520は、配管500に沿って冷却水が循環するように、冷却水を送り出すためのポンプである。
高温用ラジエータ510は、内燃機関EGを通り高温となった冷却水を、空気との熱交換によって冷却しその温度を低下させるための熱交換器である。第1実施形態(図1)と同様に、高温用ラジエータ510は、低温用メインラジエータ220の近傍となる位置に配置されている。
ウォーターポンプ520によって冷却水の送り出しが行われているときには、高温用ラジエータ510には、内燃機関EGを通り高温となった冷却水が供給される。冷却水は、高温用ラジエータ510を通る際にその温度を低下させた後、再び内燃機関EGの冷却に供される。
図7においては、内燃機関EGに空気を供給するための吸気配管IPと、内燃機関EGから排ガスを排出するための排気配管EPと、が示されている。低温用回路11の一部であるインタークーラー310は、吸気配管IPの途中となる位置に設けられている。吸気配管IPの内部には、内燃機関EGに空気を供給するための吸気流路が形成されている。
吸気配管IPのうち、空気の流れる方向、すなわち吸気流れ方向に沿ってインタークーラー310よりも上流側となる位置、すなわち、第1被冷却部よりも上流側となる位置には、インタークーラー530が設けられている。インタークーラー530は、インタークーラー310と同様に、供給される空気の温度を冷却水との熱交換により予め低下させるための熱交換器である。
配管500には、内燃機関EGを迂回するようにバイパス配管501が設けられている。バイパス配管501の一端は、配管500のうち高温用ラジエータ510と内燃機関EGとの間となる位置に接続されている。バイパス配管501の他端は、配管500のうち内燃機関EGとウォーターポンプ520との間となる位置に接続されている。このバイパス配管501は、上記のインタークーラー530を通るように構成されている。このため、高温用ラジエータ510を通った後の冷却水は、その一部が内燃機関EGに供給され、他の一部がバイパス配管501を介してインタークーラー530に供給される。インタークーラー530では、吸気配管IPを通る空気と、バイパス配管501を通る冷却水との間で熱交換が行わることとなる。
吸気配管IPを通り内燃機関EGに向かう空気は、先ず、上流側のインタークーラー530において冷却水により冷却され、その温度を低下させる。その後、下流側のインタークーラー310において冷却水により再び冷却され、その温度を更に低下させる。このような構成によれば、インタークーラー310において空気から奪うべき熱量が少なくなる。このため、低温用回路11における熱負荷を低減し、低温用回路11を循環する冷却水の温度を下げることが可能となる。
尚、低温用回路11を循環する冷却水の温度が下がると、冷却水の粘度が上昇し、冷却水を循環させる際の通水抵抗は増大する。しかしながら、本実施形態の構成によれば、先に述べたように、配管の長さを短くし通水抵抗を従来よりも小さくすることができるので、冷却水の粘度上昇が問題になることは無い。
このように、本実施形態に係る冷却システムでは、内燃機関EGに空気を供給するための流路(つまり吸気配管IP)の途中となる位置であって、供給される空気の流れる方向(つまり吸気流れ方向)に沿ってインタークーラー310(つまり第1被冷却部)よりも上流側となる位置に、冷却水との熱交換により、供給される空気の温度を予め低下させるインタークーラー530が配置されている。インタークーラー530は、冷却システム10が有する高温用回路12の冷却対象であって、本実施形態における「第3被冷却部」に該当する。このような構成においても、第1実施形態で説明したものと同様の効果を奏する。
尚、本実施形態においても、第2実施形態(図3)と同様に、第1熱交換部と第2熱交換部とが「互いに一体」の熱交換器200となっている構成を組み合わせて採用することが可能である。
第6実施形態について説明する。以下では、上記の第5実施形態(図7)と異なる点について主に説明し、第5実施形態と共通する点については適宜説明を省略する。
本実施形態でも、第5実施形態と同様に、吸気配管IPにインタークーラー310とインタークーラー530とが設けられている。ただし、本実施形態においては、インタークーラー310とインタークーラー530とがそれぞれ別体の熱交換器として構成されているのではなく、両者が一体の熱交換器として構成されている。つまり、インタークーラー310とインタークーラー530とが一体となり、これらが一つの「インタークーラー」として機能するように構成されている。このように一体となったインタークーラーのことを、以下では「インタークーラー600」とも称する。
図8に示されるように、インタークーラー600は、ケース601と、タンク602、603と、を備えている。
ケース601は、金属により形成された略矩形の容器である。ケース601は、後に説明するように、内燃機関EGに供給される空気と冷却水との間の熱交換が、その内部で行われる部分である。ケース601の内側を空気が流れる方向は、図8において下方側から上方側へと向かう方向となっている。
タンク602は、空気の流れる方向に沿って、ケース601の下流側部分に接続されている筒状の部材である。タンク602は、過給される空気の流れる方向に沿って下流側に行く程、内部の流路が狭くなるようなテーパー状に形成されている。タンク602のうちケース601とは反対側の端部には、吸気配管IPのうち下流側部分が接続されている。
タンク603は、空気の流れる方向に沿って、ケース601の上流側部分に接続されている筒状の部材である。タンク603は、過給される空気の流れる方向に沿って上流側に行く程、内部の流路が狭くなるようなテーパー状に形成されている。タンク603のうちケース601とは反対側の端部には、吸気配管IPのうち上流側部分が接続されている。
ケース601の内部には、複数のプレート部材(不図示)が、図8の紙面奥行き方向に沿って並ぶように配置されている。互いに隣り合うプレート部材の間には、冷却水の流れる冷却水流路と、空気の流れる空気流路とが、図8の紙面奥行き方向に沿って交互に並ぶように形成されている。ケース601の内部では、冷却水流路を流れる冷却水と、空気流路を流れる空気との間で熱交換が行われる。
先ず、吸気配管IPを通る空気の流れについて説明する。空気は、タンク603を通ってケース601に流入した後、上記のように複数形成された空気流路のそれぞれに分配供給される。その後、空気流路のそれぞれから排出された空気は、タンク602において再び合流した後、吸気配管IPを通って内燃機関EGへと供給される。
続いて、ケース601における冷却水の流れについて説明する。ケース601には、第1水入口部311と、第1水出口部313と、第2水入口部531と、第2水出口部533と、が設けられている。
それぞれのプレート部材の間に形成された冷却水流路は、図8において示される点線DLを間に挟んで、図8の上下2つに分かれるように形成されている。インタークーラー600のうち、点線DLよりもタンク602側の部分では、第1水入口部311から供給された冷却水が、矢印で示されるようにUターンする経路でそれぞれの冷却水流路を通った後、第1水出口部313から外部へと排出される。
尚、それぞれのプレート部材には、第1水入口部311から流入した冷却水が紙面奥側へ向かって流れるように、貫通穴312が形成されている。冷却水は、貫通穴312を紙面奥側に向かって流れながら、プレート部材間に形成されたそれぞれの冷却水流路へと分配される。
同様に、それぞれのプレート部材には、冷却水流路を通った後の冷却水が、紙面手前側の第1水出口部313へ向かって流れるように、貫通穴314が形成されている。冷却水は、貫通穴314を紙面手前側に向かって流れた後、第1水出口部313から外部へと排出される。
第1水入口部311には、低温用メインラジエータ220を通った後の冷却水が供給される。また。第1水出口部313から排出される冷却水は、ウォーターポンプ250に向かって流れる。このため、ケース601のうち点線DLよりもタンク602側の部分は、第5実施形態(図7)におけるインタークーラー310として機能する部分となっている。当該部分は、本実施形態における「第1被冷却部」に該当する。
インタークーラー600のうち、点線DLよりもタンク603側の部分では、第2水入口部531から供給された冷却水が、矢印で示されるような直線状の経路でそれぞれの冷却水流路を通った後、第2水出口部533から外部へと排出される。
尚、それぞれのプレート部材には、第2水入口部531から流入した冷却水が紙面奥側へ向かって流れるように、貫通穴532が形成されている。冷却水は、貫通穴532を紙面奥側に向かって流れながら、プレート部材間に形成されたそれぞれの冷却水流路へと分配される。
同様に、それぞれのプレート部材には、冷却水流路を通った後の冷却水が、紙面手前側の第2水出口部533へ向かって流れるように、貫通穴534が形成されている。冷却水は、貫通穴534を紙面手前側に向かって流れた後、第2水出口部533から外部へと排出される。
第2水入口部531には、高温用ラジエータ510及びウォーターポンプ520を通りバイパス配管501へと流入した冷却水が供給される。また。第2水出口部533から排出される冷却水は、バイパス配管501を通り配管500へと合流した後、高温用ラジエータ510に向かって流れる。このため、ケース601のうち点線DLよりもタンク603側の部分は、第5実施形態(図7)におけるインタークーラー530として機能する部分となっている。当該部分は、本実施形態における「第3被冷却部」に該当する。
このように、本実施形態では、インタークーラー310として機能する第1被冷却部、及び、インタークーラー530として機能する第3被冷却部が、互いに一体のインタークーラー600として構成されている。このような態様であっても、第5実施形態で説明したものと同様の効果を奏する。
第7実施形態について説明する。本実施形態に係る冷却システム20は、燃料電池装置FCSに搭載され、燃料電池装置FCSの各部を冷却するためのシステムとして構成されている。図10には、燃料電池装置FCS及び冷却システム20の構成が模式的に示されている。
燃料電池装置FCSは、例えば車両に搭載され、当該車両の走行に必要な電力を生成する装置として用いられる。また、燃料電池装置FCSは、例えば一般の住宅に設置され、当該住宅で消費される電力を生成する装置として用いられてもよい。
燃料電池装置FCSは、セルスタックCSと、供給配管IP1と、排気配管EP1と、を有している。
セルスタックCSは、水素等の燃料と空気とを反応させることにより電力を生じさせるものである。セルスタックCSには、上記の反応を生じさせるための不図示のセルが複数設けられている。このようなセルとしては、例えばSOFCやPEFC等、様々な種類のセルを用いることができる。
セルスタックCSにおいては、発電に伴って熱が発生するので、セルスタックCSの温度が上昇する。そこで、セルスタックCSには、後述の冷却システム20を循環する冷却水の一部が供給される。これにより、セルスタックCSは冷却され、その温度は発電に適した温度に保たれる。このように、セルスタックCSは、冷却システム20の冷却対象の一つとなっている。
供給配管IP1は、セルスタックCSに空気を供給するための配管である。当該空気は、所謂酸化剤ガスとして用いられ、セルスタックCSにおける発電に供される。供給配管IP1の上流側には、不図示の過給機が設けられている。供給配管IP1には、過給機により圧縮され高温となった空気が供給される。
供給配管IP1の途中となる位置には、インタークーラー731が設けられている。インタークーラー731は、後述の冷却システム20を循環する冷却水により、供給配管IP1を流れる高温の空気を冷却するための装置である。つまり、インタークーラー731は、セルスタックCSに供給される空気の温度を、セルスタックCSに到達する前において予め低下させるための装置である。このように、インタークーラー731は、冷却システム20の冷却対象の一つとなっている。
排気配管EP1は、セルスタックCSにおける反応で生じた排ガスを、外部に導いて排出するための配管である。
引き続き図10を参照しながら、本実施形態に係る冷却システム20の構成について説明する。冷却システム20は、配管700と、ウォーターポンプ750と、高温用メインラジエータ710と、高温用サブラジエータ720と、を備えている。
配管700は、熱媒体である冷却水を循環させるための配管である。配管700は、冷却システム20の冷却対象である各機器を冷却水が通るように、燃料電池装置FCSにおいて引き回されている。本実施形態では先に述べたように、セルスタックCSとインタークーラー731とのそれぞれが冷却システム20の冷却対象となっており、供給される冷却水によって冷却される。インタークーラー731は、本実施形態における「第1被冷却部」に該当する。セルスタックCSは、本実施形態における「第2被冷却部」に該当する。
尚、配管700を通り循環する熱媒体は、本実施形態のように冷却水であってもよいが、冷却水以外の流体であってもよい。
ウォーターポンプ750は、配管700に沿って冷却水が循環するように、冷却水を送り出すためのポンプである。尚、冷却システム20に設けられるウォーターポンプ750の数は、2つ以上であってもよい。
高温用メインラジエータ710は、冷却システム20を循環する冷却水を、空気との熱交換によって冷却しその温度を低下させるための熱交換器である。高温用メインラジエータ710は、配管700のうち、冷却水の流れる方向に沿ってウォーターポンプ750よりも下流側となる位置に配置されている。高温用メインラジエータ710は、本実施形態における「第1熱交換部」に該当する。
高温用サブラジエータ720は、上記の高温用メインラジエータ710と同様に、冷却システム20を循環する冷却水を、空気との熱交換によって冷却しその温度を低下させるための熱交換器である。高温用サブラジエータ720は、配管700のうち、冷却水の流れる方向に沿って高温用メインラジエータ710よりも更に下流側となる位置に配置されている。高温用サブラジエータ720は、本実施形態における「第2熱交換部」に該当する。
配管700に沿って冷却水が循環する経路は、セルスタックCSのような比較的高温の機器を冷却するための「高温用回路」に該当するものである。尚、燃料電池装置FCSには、比較的低温の機器を冷却するための「低温用回路」も設けられているのであるが、図10においてはその図示が省略されている。「比較的低温の機器」としては、例えば、セルスタックCSで生じた電力を変換するインバーター等が挙げられる。
高温用メインラジエータ710と高温用サブラジエータ720との間となる位置において、配管700は、配管701と配管702の2つに分岐している。一方の配管701の途中となる位置には、先に述べた高温用サブラジエータ720が配置されている。配管701のうち、冷却水の流れる方向に沿って高温用サブラジエータ720よりも下流側となる位置には、第1被冷却部であるインタークーラー731が配置されている。
もう一方の配管702の途中となる位置には、第2被冷却部であるセルスタックCSが配置されている。配管701の下流側端部と、配管702の下流側端部とは、いずれもウォーターポンプ750に向かう配管700へと繋がっている。
以上の構成により、ウォーターポンプ750から送り出された冷却水は、先ず高温用メインラジエータ710を通る際においてその温度を低下させる。その後、冷却水の一部は配管702を通ってセルスタックCSに到達し、セルスタックCSの冷却に供される。残りの冷却水は、配管701を通って高温用サブラジエータ720に到達し、高温用サブラジエータ720を通る際において更にその温度を低下させる。その後、当該冷却水はインタークーラー731に到達し、インタークーラー731の冷却に供される。
よく知られているように、インタークーラー731は、セルスタックCSに供給される高温の空気を冷却しその密度を高めておくためのものである。インタークーラー731の温度は、発電中におけるセルスタックCSの温度よりも低い方が好ましい。
本実施形態に係る冷却システム20は、高温用メインラジエータ710(第1熱交換部)及び高温用サブラジエータ720(第2熱交換部)の両方を通り低温となった冷却水が、第1被冷却部であるインタークーラー731に供給されるように構成されている。これにより、インタークーラー731における過給用空気の冷却を十分に行うことができる。
セルスタックCSは、先に述べたように、発電中において発熱しその温度を上昇させるので、配管702を通る冷却水によって冷却される。ただし、セルスタックCSが冷却され過ぎてしまうと、セルスタックCSの発電性能が低下したり、セルの一部が破損してしまったりする可能性がある。従って、セルスタックCSの温度は、低ければ低いほど好ましいのではなく、一定の適温範囲内に収めておくことが好ましい。セルスタックCSが、低温用回路ではなく高温用回路によって冷却されるのは、このような理由による。
本実施形態に係る冷却システム20は、高温用メインラジエータ710(第1熱交換部)を通り、高温用サブラジエータ720(第2熱交換部)を通らなかった冷却水が、第2被冷却部であるセルスタックCSに供給されるように構成されている。このため、セルスタックCSに供給される冷却水の温度は、インタークーラー731に供給される冷却水の温度に比べると高くなる。その結果、セルスタックCSの温度を、上記の適温範囲に収めることが可能となる。
本実施形態の構成の利点を説明するために、比較例に係る冷却システム20Aの構成について、図13を参照しながら説明する。冷却システム20Aは、低温用回路21と高温用回路22とを備えており、図13においてはその両方が図示されている。
低温用回路21は、燃料電池装置FCSのうち、比較的低温の機器を冷却するための回路である。低温用回路21は、配管100と、ウォーターポンプ250と、低温用ラジエータ210Aと、を備えている。
配管100は、熱媒体である冷却水を循環させるための配管である。配管100は、冷却システム20の冷却対象である各機器を冷却水が通るように、燃料電池装置FCSにおいて引き回されている。図13においては、当該冷却機器としてインバーター810が図示されている。インバーター810は、セルスタックCSで生じた電力を変換する電力変換器である。ウォーターポンプ250は、配管100に沿って冷却水が循環するように、冷却水を送り出すためのポンプである。低温用ラジエータ210Aは、冷却システム20Aのうち低温用回路21を循環する冷却水を、空気との熱交換によって冷却しその温度を低下させるための熱交換器である。
高温用回路22は、図10に示される本実施形態の高温用回路と同様に、セルスタックCSやインタークーラー731を冷却するための回路である。図10と図13とを対比すると明らかなように、この比較例では、配管700の構成において第7実施形態と異なっている。
本実施形態では、高温用メインラジエータ710を通過した冷却水の全てが、下流側の高温用サブラジエータ720を通るように構成されている。
冷却水の流れる方向に沿って高温用サブラジエータ720よりも下流側となる位置では、配管700が、配管701と配管702の2つに分岐している。一方の配管701の途中となる位置には、インタークーラー731が配置されている。他方の配管702の途中となる位置には、セルスタックCSが配置されている。配管701の下流側端部と、配管702の下流側端部とは、いずれもウォーターポンプ750に向かう配管700へと繋がっている。
このような構成の比較例においては、インタークーラー731及びセルスタックCSが、冷却水の流路において互いに並列となるように配置されている。このため、インタークーラー731に流入する冷却水の温度と、セルスタックCSに流入する冷却水の温度とが、互いに同一の温度となってしまう。
しかしながら、燃料電池装置FCSに搭載される機器の適温範囲は、機器ごとに異なるのが一般的である。先に述べたように、インタークーラー731の温度は、発電中におけるセルスタックCSの温度よりも低い方が好ましい。このため、比較例の構成においては、燃料電池装置FCSの各部を、それぞれ最適な効率で冷却することは難しい。
これに対し、図10に示される本実施形態の構成では、先に述べたように、セルスタックCSに供給される冷却水の温度を、インタークーラー731に供給される冷却水の温度よりも高くすることができる。つまり、燃料電池装置FCSの各部を、それぞれ最適な効率で冷却することができる。
また、図13に示される比較例の構成においては、比較的小型の高温用サブラジエータ720において、冷却水の流量が大きくなる。このため、高温用サブラジエータ720の強度面に関するロバスト性が低下し、更には通水抵抗が大きくなり過ぎてしまうという問題もある。
これに対し、図10に示される本実施形態の構成では、高温用メインラジエータ710を通過した冷却水の全部ではなく一部のみが、高温用サブラジエータ720を通過する。高温用サブラジエータ720を通る冷却水の流量が抑制されるので、強度面に関するロバスト性を確保することができ、通水抵抗を低減することもできる。
第8実施形態について説明する。以下では、上記の第7実施形態と異なる点について主に説明し、第7実施形態と共通する点については適宜説明を省略する。
図11には、本実施形態に係る燃料電池装置FCS及び冷却システム20の構成が模式的に示されている。同図に示されるように、本実施形態の供給配管IP1のうち、空気の流れる方向に沿ってインタークーラー731よりも下流側となる位置には、インタークーラー732が設けられている。インタークーラー732は、インタークーラー731と同様に、供給される空気の温度を冷却水との熱交換により予め低下させるための熱交換器である。
本実施形態では、配管701のうち高温用サブラジエータ720よりも下流側となる位置に、インタークーラー731ではなくインタークーラー732が配置されている。
本実施形態の配管702は、途中で配管703と配管704の2つに分岐している。本実施形態のセルスタックCSは、配管703の途中となる位置に配置されている。本実施形態のインタークーラー731は、配管704の途中となる位置に配置されている。配管701の下流側端部と、配管704の下流側端部とは、いずれも配管705へと繋がっている。配管705の下流側端部と、配管703の下流側端部とは、いずれもウォーターポンプ750に向かう配管700へと繋がっている。
以上の構成により、ウォーターポンプ750から送り出された冷却水は、先ず高温用メインラジエータ710を通る際においてその温度を低下させる。その後、冷却水の一部は配管702を通った後に、セルスタックCS及びインタークーラー731のそれぞれに到達し、各部の冷却に供される。残りの冷却水は、配管701を通って高温用サブラジエータ720に到達し、高温用サブラジエータ720を通る際において更にその温度を低下させる。その後、当該冷却水はインタークーラー732に到達し、インタークーラー732の冷却に供される。このように、インタークーラー731を通る冷却水の温度は、インタークーラー732を通る冷却水の温度よりも高くなる。
供給配管IP1を通り燃料電池装置FCSに向かう空気は、先ず、上流側のインタークーラー731において高温の冷却水により冷却され、その温度を低下させる。その後、下流側のインタークーラー732において低温の冷却水により再び冷却され、その温度を更に低下させる。このような構成によれば、供給配管IP1を通る空気の温度に合わせて、インタークーラー731、732によって段階的に当該空気を冷却することができる。これにより、セルスタックCSに過給される空気を効率的に冷却することができる。
インタークーラー732は、本実施形態における「第1被冷却部」に該当する。セルスタックCS及びインタークーラー731は、本実施形態における「第2被冷却部」に該当する。以上のような構成の本実施形態においても、第7実施形態で説明したものと同様の効果を奏する。
第9実施形態について説明する。以下では、上記の第8実施形態と異なる点について主に説明し、第7実施形態と共通する点については適宜説明を省略する。
図12には、本実施形態に係る燃料電池装置FCS及び冷却システム20の構成が模式的に示されている。図12では、比較例の構成を示す図13と同様に、冷却システム20が備える低温用回路21と高温用回路22の両方が図示されている。
低温用回路21は、配管100と、ウォーターポンプ250と、低温用メインラジエータ211と、低温用サブラジエータ221と、を備えている。
配管100は、熱媒体である冷却水を循環させるための配管である。配管100は、冷却システム20の冷却対象である各機器を冷却水が通るように、燃料電池装置FCSにおいて引き回されている。図12においては、当該冷却機器としてインバーター810が図示されている。インバーター810は、セルスタックCSで生じた電力を変換する電力変換器である。ウォーターポンプ250は、配管100に沿って冷却水が循環するように、冷却水を送り出すためのポンプである。
低温用メインラジエータ211は、冷却システム20のうち低温用回路21を循環する冷却水を、空気との熱交換によって冷却しその温度を低下させるための熱交換器である。低温用メインラジエータ211は、本実施形態における「第1熱交換部」に該当する。
低温用サブラジエータ221は、上記の低温用メインラジエータ211と同様に、冷却システム20を循環する冷却水を、空気との熱交換によって冷却しその温度を低下させるための熱交換器である。低温用サブラジエータ221は、配管100のうち、冷却水の流れる方向に沿って低温用メインラジエータ211よりも更に下流側となる位置に配置されている。低温用サブラジエータ221は、本実施形態における「第2熱交換部」に該当する。
低温用メインラジエータ211と低温用サブラジエータ221との間となる位置において、配管100は、配管101と配管102の2つに分岐している。一方の配管101の途中となる位置には、先に述べた低温用サブラジエータ221が配置されている。配管101のうち、冷却水の流れる方向に沿って低温用サブラジエータ221よりも下流側となる位置には、冷却対象であるインバーター810が配置されている。
もう一方の配管102の途中となる位置には、インタークーラー732が配置されている。配管101の下流側端部と、配管102の下流側端部とは、いずれもウォーターポンプ250に向かう配管100へと繋がっている。
本実施形態の高温用回路22には、第8実施形態のように2つの熱交換器(高温用メインラジエータ710、高温用サブラジエータ720)が設けられているのではなく、単一の高温用ラジエータ711のみが設けられている。高温用ラジエータ711は、第8実施形態における高温用メインラジエータ710と同様に、冷却システム20を循環する冷却水を、空気との熱交換によって冷却しその温度を低下させるための熱交換器である。
冷却水の流れる方向に沿って高温用ラジエータ711よりも下流側となる位置では、配管700が、配管701と配管702の2つに分岐している。一方の配管701の途中となる位置には、インタークーラー731が配置されている。他方の配管702の途中となる位置には、セルスタックCSが配置されている。配管701の下流側端部と、配管702の下流側端部とは、いずれもウォーターポンプ750に向かう配管700へと繋がっている。
以上の構成により、ウォーターポンプ250から送り出された冷却水は、先ず低温用メインラジエータ211を通る際においてその温度を低下させる。その後、冷却水の一部は配管102を通った後に、インタークーラー732に到達し、インタークーラー732の冷却に供される。残りの冷却水は、配管101を通って低温用サブラジエータ221に到達し、低温用サブラジエータ221を通る際において更にその温度を低下させる。その後、当該冷却水はインバーター810に到達し、インバーター810の冷却に供される。このように、インバーター810を通る冷却水の温度は、インタークーラー732を通る冷却水の温度よりも低くなる。
インバーター810の動作に適した温度は、インタークーラー732の適正温度よりも低い。このため、本実施形態によれば、インバーター810及びインタークーラー732のそれぞれを、適正な温度の冷却水によって個別に冷却することができる。
インバーター810は、本実施形態における「第1被冷却部」に該当する。インタークーラー732は、本実施形態における「第2被冷却部」に該当する。以上のような構成の本実施形態においても、第8実施形態で説明したものと同様の効果を奏する。
以上、具体例を参照しつつ本実施形態について説明した。しかし、本開示はこれらの具体例に限定されるものではない。これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素およびその配置、条件、形状などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。
MV:車両
FCS:燃料電池装置
CS:セルスタック
10:冷却システム
20:冷却システム
210:低温用サブラジエータ
220:低温用メインラジエータ
310:インタークーラー
320:インバーター
710:高温用メインラジエータ
720:高温用サブラジエータ
731:インタークーラー
FCS:燃料電池装置
CS:セルスタック
10:冷却システム
20:冷却システム
210:低温用サブラジエータ
220:低温用メインラジエータ
310:インタークーラー
320:インバーター
710:高温用メインラジエータ
720:高温用サブラジエータ
731:インタークーラー
Claims (9)
- 車両(MV)用の冷却システム(10)であって、
前記車両には、冷却対象である第1被冷却部(310)及び第2被冷却部(320)がそれぞれ搭載されており、
空気との熱交換により熱媒体の温度を低下させる第1熱交換部(210)及び第2熱交換部(220)を備え、
前記第1被冷却部には、前記第1熱交換部及び前記第2熱交換部の両方を通った熱媒体が供給され、
前記第2被冷却部には、前記第1熱交換部を通り且つ前記第2熱交換部を通らなかった熱媒体が供給されるように構成されている冷却システム。 - 前記車両は、走行用の駆動力を生じさせるための内燃機関(EG)を有しており、
前記第1被冷却部は、前記内燃機関に供給される空気の温度を低下させるためのインタークーラーである、請求項1に記載の冷却システム。 - 前記内燃機関に空気を供給するための吸気流路の途中となる位置であって、吸気流れ方向に沿って前記第1被冷却部よりも上流側となる位置には、
熱媒体との熱交換により、過給される空気の温度を予め低下させる第3被冷却部(530)が配置されている、請求項2に記載の冷却システム。 - 前記第1被冷却部及び前記第3被冷却部が、互いに一体の前記インタークーラー(600)として構成されている、請求項3に記載の冷却システム。
- 前記車両は、走行用の駆動力を生じさせるための回転電機(MG)を有しており、
前記第2被冷却部は、前記回転電機に電力を供給するためのインバーターである、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の冷却システム。 - 前記第1熱交換部と前記第2熱交換部とが、互いに一体の熱交換器(200)として構成されている、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の冷却システム。
- 燃料電池装置(FCS)用の冷却システム(20)であって、
前記燃料電池装置には、冷却対象である第1被冷却部(731)及び第2被冷却部(CS)がそれぞれ搭載されており、
空気との熱交換により熱媒体の温度を低下させる第1熱交換部(710)及び第2熱交換部(720)を備え、
前記第1被冷却部には、前記第1熱交換部及び前記第2熱交換部の両方を通った熱媒体が供給され、
前記第2被冷却部には、前記第1熱交換部を通り且つ前記第2熱交換部を通らなかった熱媒体が供給されるように構成されている冷却システム。 - 前記燃料電池装置は、セルスタック(CS)と、前記セルスタックに供給される空気の温度を低下させるためのインタークーラー(731)と、を有しており、
前記第1被冷却部は前記インタークーラーであり、前記第2被冷却部は前記セルスタックである、請求項7に記載の冷却システム。 - 前記燃料電池装置は、セルスタックと、前記セルスタックに供給される空気の温度を低下させるためのインタークーラー(732)と、前記セルスタックで生じた電力を変換するインバーター(810)と、を有しており、
前記第1被冷却部は前記インバーターであり、前記第2被冷却部は前記インタークーラーである、請求項7に記載の冷却システム。
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PCT/JP2021/010513 WO2021210323A1 (ja) | 2020-04-15 | 2021-03-16 | 冷却システム |
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JP2020072841 | 2020-04-15 |
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JP (1) | JP2021169817A (ja) |
-
2021
- 2021-02-22 JP JP2021025940A patent/JP2021169817A/ja active Pending
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