JP2021169476A - 化合物の膜透過性を改善するための自己乳化型製剤 - Google Patents
化合物の膜透過性を改善するための自己乳化型製剤 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2021169476A JP2021169476A JP2021112799A JP2021112799A JP2021169476A JP 2021169476 A JP2021169476 A JP 2021169476A JP 2021112799 A JP2021112799 A JP 2021112799A JP 2021112799 A JP2021112799 A JP 2021112799A JP 2021169476 A JP2021169476 A JP 2021169476A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- oil
- drug
- self
- emulsifying
- preparation
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K9/00—Medicinal preparations characterised by special physical form
- A61K9/10—Dispersions; Emulsions
- A61K9/107—Emulsions ; Emulsion preconcentrates; Micelles
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K38/00—Medicinal preparations containing peptides
- A61K38/04—Peptides having up to 20 amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
- A61K38/12—Cyclic peptides, e.g. bacitracins; Polymyxins; Gramicidins S, C; Tyrocidins A, B or C
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K47/00—Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient
- A61K47/06—Organic compounds, e.g. natural or synthetic hydrocarbons, polyolefins, mineral oil, petrolatum or ozokerite
- A61K47/08—Organic compounds, e.g. natural or synthetic hydrocarbons, polyolefins, mineral oil, petrolatum or ozokerite containing oxygen, e.g. ethers, acetals, ketones, quinones, aldehydes, peroxides
- A61K47/10—Alcohols; Phenols; Salts thereof, e.g. glycerol; Polyethylene glycols [PEG]; Poloxamers; PEG/POE alkyl ethers
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K47/00—Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient
- A61K47/06—Organic compounds, e.g. natural or synthetic hydrocarbons, polyolefins, mineral oil, petrolatum or ozokerite
- A61K47/08—Organic compounds, e.g. natural or synthetic hydrocarbons, polyolefins, mineral oil, petrolatum or ozokerite containing oxygen, e.g. ethers, acetals, ketones, quinones, aldehydes, peroxides
- A61K47/12—Carboxylic acids; Salts or anhydrides thereof
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K47/00—Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient
- A61K47/06—Organic compounds, e.g. natural or synthetic hydrocarbons, polyolefins, mineral oil, petrolatum or ozokerite
- A61K47/08—Organic compounds, e.g. natural or synthetic hydrocarbons, polyolefins, mineral oil, petrolatum or ozokerite containing oxygen, e.g. ethers, acetals, ketones, quinones, aldehydes, peroxides
- A61K47/14—Esters of carboxylic acids, e.g. fatty acid monoglycerides, medium-chain triglycerides, parabens or PEG fatty acid esters
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K47/00—Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient
- A61K47/44—Oils, fats or waxes according to two or more groups of A61K47/02-A61K47/42; Natural or modified natural oils, fats or waxes, e.g. castor oil, polyethoxylated castor oil, montan wax, lignite, shellac, rosin, beeswax or lanolin
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Animal Behavior & Ethology (AREA)
- Public Health (AREA)
- Veterinary Medicine (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Pharmacology & Pharmacy (AREA)
- Epidemiology (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Dispersion Chemistry (AREA)
- Gastroenterology & Hepatology (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- Immunology (AREA)
- Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
- Medicinal Preparation (AREA)
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
Abstract
Description
(i)薬物のlogD (pH7.4)の値が3.2以上である。
(ii)薬物のCaco-2 Papp (cm/sec)の値が1.8E−6以下である。
[1]オレイン酸エステル、又はオレイルエーテルを部分構造として含む界面活性剤、油性成分、及び低膜透過性の薬物を含む、自己乳化型製剤。
[2]前記低膜透過性の薬物の膜透過性を促進するための、[1]に記載の自己乳化型製剤。
[3]リンパ移行性である、[1]または[2]に記載の自己乳化型製剤。
[4]前記薬物が、以下の(i)及び(ii)の特徴を有する、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の自己乳化型製剤:
(i)薬物のlogD (pH7.4)の値が3.2以上である、
(ii)薬物のCaco-2 Papp (cm/sec)の値が1.8E−6以下である。
[5]前記薬物が、以下の(i)及び/又は(ii)の特徴を有する環状部を有するペプチド化合物である、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の自己乳化型製剤:
(i)天然アミノ酸及びアミノ酸類縁体残基数の合計が5〜12からなる環状部を含み、天然アミノ酸及びアミノ酸類縁体残基の総数が9〜13である、
(ii)N置換アミノ酸を少なくとも2つ含み、N置換されていないアミノ酸を少なくとも1つ含む。
[6]さらに1種以上の親水性界面活性剤を含む、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の自己乳化型製剤。
[7]さらにオレイン酸を含む、[1]〜[6]のいずれか一項に記載の自己乳化型製剤。
[8]前記オレイン酸エステル、又はオレイルエーテルを部分構造として含む界面活性剤が、モノオレイン酸グリセリル、モノオレイン酸デカグリセリル、オレイン酸ポリグリセリル3、ジオレイン酸ポリグリセリル3、モノオレイン酸ポリエチレングリコール10、モノオレイン酸ポリエチレングリコール15、モノオレイン酸ポリエチレングリコール20、モノオレイン酸ポリエチレングリコール30、モノオレイン酸ポリエチレングリコール35、アプリコットカーネルオイルポリオキシエチレン6エステル、モノオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、ポリエチレングリコール10オレイルエーテル、ポリエチレングリコール15オレイルエーテル,ポリエチレングリコール20オレイルエーテル、及びポリエチレングリコール50オレイルエーテルからなる群より選ばれる一種以上の界面活性剤である、[1]〜[7]のいずれか一項に記載の自己乳化型製剤。
[9]前記油性成分が、オリーブ油、アーモンド油、ヤシ油、カカオ脂、マカデミアナッツ油、アボカド油、サフラワー油、ダイズ油、アマニ油、ナタネ油、ヒマシ油、パーム油、ハイオレイックヒマワリ油、ハイオレイックサフラワー油、ヒマワリ油、綿実油、トウモロコシ油、ゴマ油、ラッカセイ油、杏仁油、ククイナッツ油、ぶどう種子油、ピスタチオ種子油、ひまわり油、ヘーゼルナッツ油、ホホバ油、メドウフォーム油、ローズヒップ油、トリカプロイン(Tricaproin)、トリカプリリン(Tricaprylin)、トリカプリン(Tricaprin)、トリパルミトレイン(Tripalmitolein)、トリオレイン(Triolein)、トリリノレイン(Trilinolein)、トリリノレニン(Trilinolenin)、トリエイコセノイン(Trieicosenoin)、及びトリエルシン(Trierucin)からなる群より選ばれる一種以上の油性成分である、[1]〜[8]のいずれか一項に記載の自己乳化型製剤。
[10]前記油性成分が、オレイン酸を主油種成分とする油性成分である、[1]〜[8]のいずれか一項に記載の自己乳化型製剤。
[11]前記オレイン酸を主油種成分とする油性成分が、ツバキ油、ヒマワリ油、アボガド油、アボガド油、サフラワー油、アルモンド油、オリーブ油、ナタネ油、及びカシュー油からなる群より選ばれる1種以上の油性成分である、[10]に記載の自己乳化型製剤。
[12]前記親水性界面活性剤が、ポリオキシエチレンヒドロキシステアレート、ポリオキシエチレンヒドロキシオレート、ポリオキシル40硬化ヒマシ油、又はポリオキシル35ヒマシ油である、[6]〜[11]のいずれか一項に記載の自己乳化型製剤。
[13]前記油性成分が、製剤全体(薬物体積を除く)の8〜40体積%である、[1]〜[12]のいずれか一項に記載の自己乳化型製剤。
[14]製剤全体(薬物体積を除く)の9〜19体積%のモノオレイン酸グリセリル、51〜61体積%のポリオキシエチレンヒドロキシステアレート、17.5〜27.5体積%のオリーブ油、及び低膜透過性の薬物を含む、自己乳化型製剤。
[15]オレイン酸エステル、又はオレイルエーテルを部分構造として含む界面活性剤、油性成分、及び以下の(i)〜(iii)の特徴を有する低膜透過性の薬物を含む、自己乳化型製剤:
(i)薬物のlogD (pH7.4)の値が3.2以上である、
(ii)薬物のCaco-2 Papp (cm/sec)の値が1.8E−6以下である、及び
(iii)薬物の分子量が500以上である。
[16]前記薬物が、以下の(i)及び/又は(ii)の特徴を有する環状部を有するペプチド化合物である、[15]に記載の自己乳化型製剤:
(i)天然アミノ酸及びアミノ酸類縁体残基数の合計が5〜12からなる環状部を含み、天然アミノ酸及びアミノ酸類縁体残基の総数が9〜13である、
(ii)N置換アミノ酸を少なくとも2つ含み、N置換されていないアミノ酸を少なくとも1つ含む。
〔2−1〕オレイン酸エステル、又はオレイルエーテルを部分構造として含む界面活性剤、油性成分、及び低膜透過性の薬物を含む、前記薬物の膜透過性を促進させるリンパ移行性自己乳化型製剤。
〔2−2〕オレイン酸エステル、又はオレイルエーテルを部分構造として含む界面活性剤、油性成分、及び低膜透過性の薬物を含む、前記薬物の膜透過性を促進するリンパ移行性自己乳化型製剤。
〔2−3〕界面活性剤、油性成分、及び低膜透過性の薬物を含む、リンパ移行性自己乳化型製剤であって、オレイン酸含量が製剤全体(薬物体積を除く)の25体積%〜75体積%である、前記製剤。
〔2−4〕オレイン酸エステル、又はオレイルエーテルを部分構造として含む界面活性剤、油性成分、及び低膜透過性の薬物を含む、リンパ移行性自己乳化型製剤であって、オレイン酸含量が製剤全体(薬物体積を除く)の25体積%〜75体積%である、前記製剤。
〔2−5〕界面活性剤、オレイン酸を主油種成分とする油性成分、及び低膜透過性の薬物を含む、リンパ移行性自己乳化型製剤であって、オレイン酸含量が製剤全体(薬物体積を除く)の25体積%〜75体積%である、前記製剤。
〔2−6〕オレイン酸エステル、又はオレイルエーテルを部分構造として含む界面活性剤、油性成分、及び低膜透過性の薬物を含む、自己乳化型製剤。
〔2−7〕界面活性剤、オレイン酸を主油種成分とする油性成分、及び低膜透過性の薬物を含む、自己乳化型製剤。
〔2−8〕前記低膜透過性の薬物の膜透過性を促進するための、〔2−3〕〜〔2−7〕のいずれかに記載の自己乳化型製剤。
〔2−9〕オレイン酸エステル、又はオレイルエーテルを部分構造として含む界面活性剤、油性成分、及び低膜透過性の薬物を含む、小腸上皮細胞に発現するトランスポーターによる薬物の細胞外排出を回避するための自己乳化型製剤。
〔2−10〕界面活性剤、オレイン酸を主油種成分とする油性成分、及び低膜透過性の薬物を含む、小腸上皮細胞に発現するトランスポーターによる薬物の細胞外排出を回避するための自己乳化型製剤。
〔2−11〕オレイン酸エステル、又はオレイルエーテルを部分構造として含む界面活性剤、油性成分、及び低膜透過性の薬物を含む、小腸上皮細胞膜における薬物の単純拡散(受動拡散)を高めるためのリンパ移行性自己乳化型製剤。
〔2−12〕界面活性剤、オレイン酸を主油種成分とする油性成分、及び低膜透過性の薬物を含む、小腸上皮細胞膜における薬物の単純拡散(受動拡散)を高めるためのリンパ移行性自己乳化型製剤。
〔2−13〕オレイン酸エステル、又はオレイルエーテルを部分構造として含む界面活性剤、油性成分、及び低膜透過性の薬物を含む、該薬物の初回通過効果を回避するためのリンパ移行性自己乳化型製剤。
〔2−14〕界面活性剤、オレイン酸を主油種成分とする油性成分、及び低膜透過性の薬物を含む、該薬物の初回通過効果を回避するためのリンパ移行性自己乳化型製剤。
〔2−15〕オレイン酸エステル、又はオレイルエーテルを部分構造として含む界面活性剤、油性成分、及び低膜透過性の薬物を含む、リンパ移行性自己乳化型製剤であって、投与に続いて哺乳類被験体の血漿中で前記薬物の最高血中濃度到達時間(Tmax)をアッセイしたときに、当該Tmaxが、同じ用量で投与した同じ薬物の非自己乳化型製剤についてのTmaxよりも低い、前記製剤。
〔2−16〕界面活性剤、オレイン酸を主油種成分とする油性成分、及び低膜透過性の薬物を含む、リンパ移行性自己乳化型製剤であって、投与に続いて哺乳類被験体の血漿中で前記薬物の最高血中濃度到達時間(Tmax)をアッセイしたときに、当該Tmaxが、同じ用量で投与した同じ薬物の非自己乳化型製剤についてのTmaxよりも低い、前記製剤。
〔2−17〕オレイン酸エステル、又はオレイルエーテルを部分構造として含む界面活性剤、油性成分、及び低膜透過性の薬物を含む、リンパ移行性自己乳化型製剤であって、投与に続いて哺乳類被験体の血漿中で前記薬物の最高血中濃度到達時間(Tmax)をアッセイしたときに、当該Tmaxが、同じ用量で投与した同じ薬物の非自己乳化型製剤についてのTmaxの90%以下である、前記製剤。
〔2−18〕界面活性剤、オレイン酸を主油種成分とする油性成分、及び低膜透過性の薬物を含む、リンパ移行性自己乳化型製剤であって、投与に続いて哺乳類被験体の血漿中で前記薬物の最高血中濃度到達時間(Tmax)をアッセイしたときに、当該Tmaxが、同じ用量で投与した同じ薬物の非自己乳化型製剤についてのTmaxの90%以下である、前記製剤。
〔2−19〕オレイン酸エステル、又はオレイルエーテルを部分構造として含む界面活性剤、油性成分、及び低膜透過性の薬物を含む、リンパ移行性自己乳化型製剤であって、投与に続いて哺乳類被験体の血漿中で前記薬物のリンパ移行量をアッセイしたときに、当該リンパ移行量が同じ用量で投与した同じ薬物の非自己乳化型製剤についてのリンパ移行量よりも高い、前記製剤。
〔2−20〕界面活性剤、オレイン酸を主油種成分とする油性成分、及び低膜透過性の薬物を含む、リンパ移行性自己乳化型製剤であって、投与に続いて哺乳類被験体の血漿中で前記薬物のリンパ移行量をアッセイしたときに、当該リンパ移行量が同じ用量で投与した同じ薬物の非自己乳化型製剤についてのリンパ移行量よりも高い、前記製剤。
〔2−21〕オレイン酸エステル、又はオレイルエーテルを部分構造として含む界面活性剤、油性成分、及び低膜透過性の薬物を含む、リンパ移行性自己乳化型製剤であって、投与に続いて哺乳類被験体の血漿中で前記薬物のバイオアベイラビリティをアッセイしたときに、当該バイオアベイラビリティが、同じ用量で投与した同じ薬物の非自己乳化型製剤についてのバイオアベイラビリティよりも高い、前記製剤。
〔2−22〕界面活性剤、オレイン酸を主油種成分とする油性成分、及び低膜透過性の薬物を含む、リンパ移行性自己乳化型製剤であって、投与に続いて哺乳類被験体の血漿中で前記薬物のバイオアベイラビリティをアッセイしたときに、当該バイオアベイラビリティが、同じ用量で投与した同じ薬物の非自己乳化型製剤についてのバイオアベイラビリティよりも高い、前記製剤。
〔2−23〕オレイン酸エステル、又はオレイルエーテルを部分構造として含む界面活性剤、油性成分、及び低膜透過性の薬物を含む、リンパ移行性自己乳化型製剤であって、前記薬物についてin vitroで培養細胞による膜透過性をアッセイしたときに、当該膜透過性が、同じ薬物の非自己乳化型製剤についての膜透過性よりも高い、前記製剤。
〔2−24〕界面活性剤、オレイン酸を主油種成分とする油性成分、及び低膜透過性の薬物を含む、リンパ移行性自己乳化型製剤であって、前記薬物についてin vitroで培養細胞による膜透過性をアッセイしたときに、当該膜透過性が、同じ薬物の非自己乳化型製剤についての膜透過性よりも高い、前記製剤。
〔2−25〕前記薬物が、以下の(i)及び(ii)の特徴を有する、〔2−1〕〜〔2−24〕のいずれかに記載の自己乳化型製剤:
(i)薬物のlogD (pH7.4)の値が3.2以上である、
(ii)薬物のCaco-2 Papp (cm/sec)の値が1.8E−6以下である。
〔2−26〕前記薬物が、以下の(i)及び/又は(ii)の特徴を有する環状部を有するペプチド化合物である、〔2−1〕〜〔2−25〕のいずれかに記載の自己乳化型製剤:
(i)天然アミノ酸及びアミノ酸類縁体残基数の合計が5〜12からなる環状部を含み、天然アミノ酸及びアミノ酸類縁体残基の総数が9〜13である、
(ii)N置換アミノ酸を少なくとも2つ含み、N置換されていないアミノ酸を少なくとも1つ含む。
〔2−27〕さらに1種以上の親水性界面活性剤を含む、〔2−1〕〜〔2−26〕のいずれかに記載の自己乳化型製剤。
〔2−28〕さらにオレイン酸を含む、〔2−1〕〜〔2−27〕のいずれかに記載の自己乳化型製剤。
〔2−29〕前記オレイン酸エステル、又はオレイルエーテルを部分構造として含む界面活性剤が、モノオレイン酸グリセリル、モノオレイン酸デカグリセリル、オレイン酸ポリグリセリル3、ジオレイン酸ポリグリセリル3、モノオレイン酸ポリエチレングリコール10、モノオレイン酸ポリエチレングリコール15、モノオレイン酸ポリエチレングリコール20、モノオレイン酸ポリエチレングリコール30、モノオレイン酸ポリエチレングリコール35、アプリコットカーネルオイルポリオキシエチレン6エステル、モノオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、ポリエチレングリコール10オレイルエーテル、ポリエチレングリコール15オレイルエーテル,ポリエチレングリコール20オレイルエーテル、及びポリエチレングリコール50オレイルエーテルからなる群より選ばれる一種以上の界面活性剤である、〔2−1〕〜〔2−28〕のいずれかに記載の自己乳化型製剤。
〔2−30〕前記油性成分が、オリーブ油、アーモンド油、ヤシ油、カカオ脂、マカデミアナッツ油、アボカド油、サフラワー油、ダイズ油、アマニ油、ナタネ油、ヒマシ油、パーム油、ハイオレイックヒマワリ油、ハイオレイックサフラワー油、ヒマワリ油、綿実油、トウモロコシ油、ゴマ油、ラッカセイ油、杏仁油、ククイナッツ油、ぶどう種子油、ピスタチオ種子油、ひまわり油、ヘーゼルナッツ油、ホホバ油、メドウフォーム油、ローズヒップ油、トリカプロイン(Tricaproin)、トリカプリリン(Tricaprylin)、トリカプリン(Tricaprin)、トリパルミトレイン(Tripalmitolein)、トリオレイン(Triolein)、トリリノレイン(Trilinolein)、トリリノレニン(Trilinolenin)、トリエイコセノイン(Trieicosenoin)、及びトリエルシン(Trierucin)からなる群より選ばれる一種以上の油性成分である、〔2−1〕〜〔2−29〕のいずれかに記載の自己乳化型製剤。
〔2−31〕前記油性成分が、オレイン酸を主油種成分とする油性成分である、〔2−1〕〜〔2−30〕のいずれかに記載の自己乳化型製剤。
〔2−32〕前記オレイン酸を主油種成分とする油性成分が、ツバキ油、ヒマワリ油、アボガド油、アボガド油、サフラワー油、アルモンド油、オリーブ油、ナタネ油、及びカシュー油からなる群より選ばれる1種以上の油性成分である、〔2−31〕に記載の自己乳化型製剤。
〔2−33〕前記親水性界面活性剤が、ポリオキシエチレンヒドロキシステアレート、及びポリオキシル35ヒマシ油からなる群より選ばれる一種以上の親水性界面活性剤である、〔2−27〕〜〔2−32〕のいずれかに記載の自己乳化型製剤。
〔2−34〕前記油性成分が、製剤全体(薬物体積を除く)の8〜40体積%である、〔2−1〕〜〔2−33〕のいずれかに記載の自己乳化型製剤。
〔3−1〕 Caco-2細胞を用いた被験物質の膜透過性の測定方法であって、Caco-2細胞と該被験物質を混在させてプレインキュベートする工程を含む、前記方法。
〔3−2〕Caco-2細胞と該被験物質を混在させて2時間以上プレインキュベートする工程を含む、〔3−1〕に記載の方法。
〔3−3〕 Caco-2細胞と該被験物質を混在させて4時間以上プレインキュベートする工程を含む、〔3−1〕又は〔3−2〕に記載の方法。
〔3−4〕 Caco-2細胞と被験物質を混在させて6時間以上プレインキュベートする工程を含む、〔3−1〕〜〔3−3〕のいずれかに記載の方法。
〔3−5〕 Caco-2細胞と被験物質を混在させて8時間以上プレインキュベートする工程を含む、〔3−1〕〜〔3−4〕のいずれかに記載の方法。
〔3−6〕 Caco-2細胞と被験物質を混在させて12時間以上プレインキュベートする工程を含む、〔3−1〕〜〔3−5〕のいずれかに記載の方法。
〔3−7〕 Caco-2細胞と被験物質を混在させて24時間以上プレインキュベートする工程を含む、〔3−1〕〜〔3−6〕のいずれかに記載の方法。
〔3−8〕 前記プレインキュベートする工程におけるプレインキュベーション時間が48時間以下である、〔3−1〕〜〔3−7〕のいずれかに記載の方法。
〔3−9〕 Caco-2細胞と被験物質を混在させ4時間以上インキュベートする工程を含む、膜透過性の測定のためのプレインキュベーション方法。
〔3−10〕 Caco-2細胞と被験物質を混在させて24時間以上インキュベートする工程を含む、〔3−9〕に記載の方法。
〔3−11〕 前記プレインキュベートがCaco-2細胞と培地を接触させて行われる、〔3−1〕〜〔3−8〕のいずれかに記載の方法。
〔3−12〕 前記培地が細胞培養培地である、〔3−11〕に記載の方法。
〔3−13〕 前記培地がDMEMである、〔3−11〕に記載の方法。
〔3−14〕 前記被験物質が、ClogPが3以上の物質である、〔3−1〕〜〔3−13〕のいずれかに記載の方法。
〔3−15〕 前記被験物質が、ペプチド化合物である、〔3−1〕〜〔3−14〕のいずれかに記載の方法。
〔3−16〕 前記被験物質が、環状ペプチド化合物である、〔3−1〕〜〔3−15〕のいずれかに記載の方法。
〔3−17〕 更に以下の工程を含む、〔3−1〕〜〔3−16〕のいずれかに記載の方法:
Caco-2細胞層の一方面に被検物質を含む溶液が接するように配置し、当該Caco-2細胞層の他方面に前記被検物質を含まない溶液が接するように配置して、所定時間経過後に、前記他方面側の溶液における前記被検物質の量及び/又は前記一方面側の溶液における前記被検物質の量を測定することにより、被検物質の膜透過性を測定する工程。
〔3−18〕 以下の工程を含む、被験物質のスクリーニング方法:
(a)〔3−1〕〜〔3−17〕のいずれかに記載の方法により複数の被験物質の膜透過性を測定する工程;及び
(b)(a)で得られた膜透過性のデータに基づいて、前記複数の被験物質から所望の被験物質を選択する工程。
〔3−19〕 前記(b)の工程が、膜透過係数(Papp)が1.0×10-6 cm/秒以上の被験物質を選択することを含む、〔3−18〕に記載の方法。
〔3−20〕 以下の工程を含む、ペプチド化合物の製造方法:
(i) 〔3−1〕〜〔3−17〕のいずれかに記載の方法により複数のペプチド化合物の膜透過性を測定する工程;
(ii) (i)で得られた膜透過性のデータに基づいて、前記複数のペプチド化合物から所望のペプチド化合物を選択する工程;及び
(iii) (ii)で選択されたペプチド化合物のアミノ酸配列に基づき、ペプチド化合物を製造する工程。
〔3−21〕 〔3−20〕に記載の方法によって製造されるペプチド化合物。
本発明の用語「低膜透過性の薬物」は、経口投与時に消化管から吸収され難い化合物(薬物)を意味する。本発明における「低膜透過性の薬物」はそのような特徴を有するものであれば特に限定されることはないが、例えば、天然物、糖鎖、ペプチド、核酸医薬を含む中分子化合物(例えば、分子量500〜6000程度)を挙げることができ、好ましくは環状ペプチドを挙げることができる。
本発明における自己乳化型製剤により製剤化される化合物がペプチドの場合、ペプチドを構成するアミノ酸残基の選択に特に制限はない。ペプチドが化学修飾を有する非天然アミノ酸(アミノ酸類縁体)を含む場合、化学修飾が全て完了した形式の分子の形(主鎖構造)に考慮し直して、形成される分子のCLogP(コンピューターで計算した分配係数である。例えば、Daylight Chemical Information Systems, Inc. 社のDaylight Version 4.9を用いて計算できる)が、3以上、4以上、5以上、6以上、7以上、8以上である化合物が好ましく、20以下、19以下、18以下、17以下、16以下、15以下である化合物が好ましい。
非限定の一態様として、本願発明における自己乳化型製剤の対象となる薬物の膜透過性の評価は、後述するCaco-2測定によって確認することがより好ましい。より具体的には、実施例1−2−1に記載の方法に従って確認することができる。
1) Caco−2細胞を96wellトランスウェル上に3週間培養した後に、Apical側にDMEM、FaSSIF(1%DMSO)、及び薬物、Basal側にDMEMを添加し、5%CO2 、37℃、80rpmの条件下で、20〜24時間プレインキュベーションを実施する。
2) プレインキュベーション実施後、Apical側およびBasal側のプレインキュベーション溶液を吸引除去・洗浄し、Apical側に薬物を含むFaSSIF/HBSS buffer(pH6.0)を、Basal側に4%BSAを含むHBSS buffer(pH7.4)を添加する(透過性試験の開始)。
3) 各wellは5%CO2、 37℃、 80rpmで振盪し、開始180分後にBasal側のサンプルを採取し、LC/MSで薬物の透過量を測定する。
4) 測定された透過量から、薬物の透過係数を算出する(Caco-2 Papp(cm/sec))。
本発明は、このような、本願発明における自己乳化型製剤の対象となる薬物の膜透過性の評価方法をも提供する。
(i)薬物のlogD (pH7.4)の値が3.2以上である、
(ii)薬物のCaco-2 Papp (cm/sec)の値が1.8E−6以下である。
上記Caco-2測定によって得られる値(Caco-2 Papp(cm/sec))と上記LogD(pH7.4)測定の好ましい組み合わせの値(Caco-2:LogD)としては、3.2以上:1.8E−6以下、3.3以上:1.8E−6以下、3.4以上:1.8E−6以下、3.5以上:1.8E−6以下、3.6以上:1.8E−6以下、3.7以上:1.8E−6以下、3.8以上:1.8E−6以下、3.9以上:1.8E−6以下、4.0以上:1.0E−6以下、4.0以上:9.0E−7以下、4.0以上:8.0E−7以下、4.0以上:7.0E−7以下、4.0以上:6.0E−7以下、4.0以上:5.0E−7以下、4.0以上:4.0E−7以下、4.0以上:3.0E−7以下、4.0以上:2.0E−7以下、4.0以上:1.0E−7以下、4.1以上:9.0E−7以下、4.2以上:8.0E−7以下、4.3以上:7.0E−7以下、4.4以上:6.0E−7以下、4.5以上:5.0E−7以下、4.6以上:4.0E−7以下、4.7以上:4.0E−7以下、4.8以上:4.0E−7以下、4.9以上:4.0E−7以下、5.0以上:4.0E−7以下、5.2以上:4.0E−7以下、5.4以上:3.0E−7以下、5.6以上:2.0E−7以下である。
なお、本願明細書の実施例に記載されている化合物(1)−(6)のヒト肝ミクロソーム中の代謝安定性試験の結果は、それぞれ74、48、46、189、58、86(CLh int(μL/min/mg protein))である(WO2013/100132)。
in vivo試験のivのクリアランスから肝代謝を評価する方法として、肝血流速度と肝クリアランスの比から、肝アベイラビリティー(Fh)を計算する方法を挙げることができる。
非限定の一態様として、本発明における「低膜透過性の薬物」は、薬物の肝固有クリアランス(CLh int(μL/min/mg protein))の値が150以下、100以下、90以下、80以下、70以下、60以下、特に好ましくは、50以下、40以下、30以下である。
非限定の一態様として、本発明における「低膜透過性の薬物」は、薬物のFh値(肝アベイラビリティ)の値が10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上である。
本発明における自己乳化型製剤が対象とする化合物は、これに限定されることはないが、「環状部を有するペプチド化合物」であることが好ましい。本発明の用語「環状部を有するペプチド化合物」は、天然アミノ酸あるいはアミノ酸類縁体がアミド結合あるいはエステル結合を形成することにより形成されるペプチド化合物であって、環状部を有する化合物である限り、特に限定されることはない。環状部は、アミド結合、炭素−炭素結合形成反応、S−S結合、チオエーテル結合、トリアゾール結合などの共有結合を介して形成されることが好ましい(WO2013/100132、WO2012/026566, WO2012/033154, WO2012/074130, WO2015/030014, Comb Chem High Throughput Screen. 2010;13:75-87, Nature Chem. Bio. 2009, 5, 502, Nat Chem Biol. 2009, 5, 888-90, Bioconjugate Chem., 2007, 18, 469-476, ChemBioChem, 2009, 10, 787-798, Chemical Communications (Cambridge, United Kingdom) (2011), 47(36), 9946-9958)。当該化合物をさらに化学修飾して得られる化合物も、本発明のペプチド化合物に含まれる。本発明の環状部を有するペプチド化合物は、さらに、直鎖部を有していてもよい。アミド結合あるいはエステル結合の数(天然アミノ酸又はアミノ酸類縁体の数・長さ)は特に限定されないが、直鎖部を有する場合、環状部と直鎖部を併せて30残基以内が好ましい。高い代謝安定性を獲得するためには、総アミノ酸数が9以上であることがより好ましい。さらに、上の記載に加えて環状部を構成する天然アミノ酸及びアミノ酸類縁体の数は5〜12、6〜12、7〜12がより好ましく、7〜11、8〜11残基がさらに好ましい。特に9〜11残基(10または11残基)が好ましい。直鎖部のアミノ酸及びアミノ酸類縁体の数は0〜8、0〜7、0〜6、0〜5、0〜4であることが好ましく、0〜3であることがより好ましい。天然アミノ酸及びアミノ酸類縁体の総数は、好ましくは、6〜20、7〜19、7〜18、7〜17、7〜16、7〜15、8〜14、9〜13残基である。尚、本願では特に限定しない限り、アミノ酸は天然アミノ酸とアミノ酸類縁体を含む。
「天然アミノ酸」とは、α−アミノカルボン酸(α−アミノ酸)であり、タンパク質に含まれる20種類のアミノ酸を指す。具体的にはGly、Ala、Ser、Thr、Val、Leu、Ile、Phe、Tyr、Trp、His、Glu、Asp、Gln、Asn、Cys、Met、Lys、Arg、Proを指す。 「アミノ酸類縁体」は、特に限定されないが、β−アミノ酸、γ−アミノ酸、D型アミノ酸、N置換アミノ酸、α,α−二置換アミノ酸、ヒドロキシカルボン酸、非天然型アミノ酸(側鎖が天然と異なるアミノ酸;例えば、非天然型のα−アミノ酸、β−アミノ酸、γ−アミノ酸)を含む。α−アミノ酸の場合、D型アミノ酸でもよく、α,α−ジアルキルアミノ酸でもよい。β−アミノ酸やγ−アミノ酸の場合も、α−アミノ酸と同様に、任意の立体配置が許容される。アミノ酸側鎖の選択は特に制限を設けないが、水素原子の他にも例えばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、シクロアルキル基から自由に選択される。それぞれには置換基が付与されていてもよく、それら置換基も例えば、N原子、O原子、S原子、B原子、Si原子、P原子を含む任意の官能基の中から自由に選択される(すなわち、置換されていてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、シクロアルキル基など)。
ペプチド化合物を構成する「天然アミノ酸」、「アミノ酸類縁体」にはそれぞれに対応する全ての同位体を含む。「天然アミノ酸」、「アミノ酸類縁体」の同位体は、少なくとも1つの原子が、原子番号(陽子数)が同じで,質量数(陽子と中性子の数の和)が異なる原子で置換されたものである。本発明ペプチド化合物を構成する「天然アミノ酸」、「アミノ酸類縁体」に含まれる同位体の例としては、水素原子、炭素原子、窒素原子、酸素原子、リン原子、硫黄原子、フッ素原子、塩素原子などがあり、それぞれ、2H、3H、13C、14C、15N、17O、18O、31P、32P、35S、18F、36Cl等が含まれる。
非限定の一態様として、本発明は、オレイン酸エステル、又はオレイルエーテルを部分構造として含む界面活性剤、油性成分、及び低膜透過性の薬物を含む、リンパ移行性自己乳化型製剤を提供する。
非限定の一態様として、本発明は、界面活性剤、オレイン酸を主油種成分とする油性成分、及び低膜透過性の薬物を含む、リンパ移行性自己乳化型製剤を提供する。
(1)濁度測定によって、そのエマルジョンの粒子径を評価する方法;
(2)保存処理前後における濁度の変化を測定することにより、そのエマルジョンの分離安定性を評価する方法;及び/又は
(3)遠心分離処理前後における濁度の変化を測定することにより、そのエマルジョンの分離安定性を評価する方法を用いることができる。
さらに(1)〜(3)の二以上の評価方法を組み合わせて評価を実施し、その結果に基づいて、最適な製剤処方を決定することができる。
濁度測定による粒子径の評価方法としては、次の方法が挙げられる。一般的に、SEDDS水溶液の外観は、エマルジョンの粒子径に基づいて変化することが知られており、その外観の状態は、大きく3つの状態に分類できる。すなわち、
(1)約150nm以下のエマルジョンが形成されることによる、外観が澄明な状態(マイクロエマルジョン、以下「ME」という;200μl/ウェルで濁度が0.3未満)、
(2)エマルジョンがMEよりも大きくなることにより、あるいは、その大きくなったエマルジョンとMEが混在して形成されることにより、外観が透明ではあるが白みを帯びる状態(ホワイトマイクロエマルジョン、以下「WME」という;200μl/ウェルで濁度が0.3〜1)、
(3)1μmオーダーのエマルジョンが形成されることによる、外観が不透明な白濁した状態(マクロエマルジョン、以下「MacE」という;200μl/ウェルで濁度が1を超える)となる。
濁度の変化による分離安定性評価は、エマルジョンの保存処理前後における濁度の変化、あるいは、エマルジョンの遠心分離処理前後における濁度の変化を測定することにより、そのエマルジョンの分離安定性を評価することにより行うことができる。調製されたエマルジョンを、1℃以上40℃以下の条件で6時間以上72時間以下で保存し、その前後の濁度の変化を評価することで、SEDDSの分離の有無を評価することが可能である。
また、より厳しい条件かつ短時間で評価するために調製されたエマルジョンの遠心分離処理を行うこともできる。この場合は、例えば、1,500〜2,000rpmの条件で遠心分離を行いその前後で濁度の変化を測定する。この場合は、経時的なエマルジョン同士の凝集により粒子経が増大するが、遠心分離処理により、経が増大した粒子を分離させる。これにより濁度をより的確、迅速に評価できる。また、分離した状態として、(1)クリーム層と透明層に分離するケース、(2)透明層と透明層に分離するケースがあるが、このような分離も濁度により評価することができる。また、場合によっては薬物の析出や、処方成分同士の配合変化に伴う不溶物の発生も検出することができる。
非限定の一態様として、本発明のSEDDS処方には、油性成分、及び界面活性剤が含まれる。界面活性剤としては、親水性界面活性剤、親油性界面活性剤、あるいはその両者を用いることができる。必要に応じて、オレイン酸、さらには任意に吸収促進剤、補助溶媒などを添加することができる。
界面活性剤が果たす効果を表す指標の一つとして親水性親油性バランス(hydrophile−lipophile balance; HLB)が知られている。HLBとは、親水基を持たない物質をHLB=0とし、親油基を持たない物質をHLB=20として等分したもので、例えばGriffin法などの当業者に公知の方法によって算出することができる。一般的に、HLB値が9以上の界面活性剤は親水性界面活性剤、9未満の界面活性剤は親油性界面活性剤というように判断することができる。HLB値が大きく(20に近く)なるほど親水性が高くなり、HLB値が小さく(0に近く)なるほど親油性が高くなる。
本明細書の用語「主油種成分」とは、対象とする油性成分の中で、50%以上の含有比率を占めている成分のことをいい、好ましくは、60%以上、より好ましくは70%以上、80%以上の含有比率を占めている成分のことをいう。例えば、オリーブ油は、パルミチン酸約11.6%、パルミトレイン酸約1.0%、ステアリン酸約3.1%、オレイン酸約75.0%、リノール酸約7.8%を含んでいることから、オリーブ油の主油種成分はオレイン酸と判断することができる。例えば、ダイズ油は、リノール酸約54%、オレイン酸約22%、パルミチン酸約11%、リノレン酸約9%、ステアリン酸約4%を含んでいることから、ダイズ油の主油種成分はリノール酸と判断することができる。
オレイン酸を主油種成分とする油性成分として、好ましくは、ツバキ油、ヒマワリ油、アボガド油、サフラワー油、アルモンド油、オリーブ油、ナタネ油、カシュー油、杏仁油を挙げることができる。油性成分は、1種のみであってもよいし、2種以上が併用されてもよい。
複数の種類の脂肪酸が含まれる油性成分を原料として合成された界面活性剤の場合、オレイン酸が油性成分中に含まれていれば、そのような界面活性剤もオレイン酸エステルを部分構造として含む界面活性剤と判断することが出来る。例えば、杏仁油(アプリコットカーネルオイル)は、オレイン酸約70%、リノール酸約23%、パルミチン酸約4.3%、ステアリン酸約1.1%、パルミトレイン酸約0.7%を含んでいることから、アプリコットカーネルオイルを原料として合成された界面活性剤はオレイン酸エステルを部分構造として含む界面活性剤の一つと判断することができる。界面活性剤の原料となる油性成分中に含まれるオレイン酸の比率は20%以上、30%以上であることが好ましく、40%以上、50%以上であることがより好ましく、60%以上、70%以上、80%以上であることが特に好ましい。
非限定の一態様として、製剤全体(薬物体積を除く)中の油性成分の体積としては、0.1体積%以上、0.5体積%以上、1.0体積%以上、5.0体積%以上が好ましく、5.0〜50体積%、10〜50体積%、15〜50体積%、15〜40体積%が好ましく、20〜40体積%、20〜35体積%が特に好ましい。
これに限定されることはないが、上記界面活性剤が親油性界面活性剤であるときは、製剤全体(薬物体積を除く)中の該親油性界面活性剤の体積としては、0.1体積%以上、0.5体積%以上、1.0体積%以上、5.0体積%以上が好ましく、5〜80体積%、5〜70体積%、5〜60体積%、5〜50体積%、5〜40体積%、5〜30体積%、5〜20体積%、9〜19体積%が特に好ましい。
これに限定されることはないが、上記界面活性剤が親水性界面活性剤であるときは、製剤全体(薬物体積を除く)中の該親水性界面活性剤の体積としては、10〜90体積%、20〜80体積%、30〜70体積%が好ましく、40〜65体積%、45〜65体積%、50〜65体積%、51〜61体積%が特に好ましい。なお、上記界面活性剤は、1種のみ(親油性界面活性剤、又は親油性界面活性剤)であってもよいし、親油性界面活性剤、及び親水性界面活性剤が併用されてもよい。
非限定の一態様として、本発明における自己乳化型製剤中のオレイン酸エステル、又はオレイルエーテルを部分構造として含む親水性界面活性剤の体積とオレイン酸エステル、又はオレイルエーテルを部分構造として含む親油性界面活性剤の体積比(親水性:親油性)は、1:1、1.5:1、2:1、2.5:1、3:1、3.5:1、4:1、4.5:1、5:1、5.5:1、6:1、6.5:1、7:1が好ましい。
これに限定されることはないが、上記SEDDS処方に加えて、補助溶媒、乳化補助剤、安定化剤、防腐剤、界面活性剤、抗酸化剤等を当業者が適宜加えることが出来る。
非限定の一態様として、本発明は、界面活性剤、オレイン酸を主油種成分とする油性成分、及び低膜透過性の薬物を含む、前記薬物の膜透過性を促進させるためのリンパ移行性自己乳化型製剤を提供する。
例えば、in vitro試験では、以下の公知の方法を用いた薬物の膜透過性の評価法により、対照製剤と比較して、本発明の自己乳化型製剤における薬物の膜透過性が促進しているか否かを判断することができる。 例えば、膜透過性は、公知の方法、ラット腸管法、培養細胞(Caco-2, MDCK, HT-29, LLC-PK1など)単層膜法、Immobilized Artificial Membrane chromatography(固定化人工膜クロマトグラフィー)法、分配係数を用いる方法、リボソーム膜法、PAMPA(Parallel Artificial Membrane Permeation Assay)法等を用いて確認することができる。
非限定の一態様として、対照製剤と本発明の自己乳化型製剤における薬物の膜透過性の評価は、培養細胞であるCaco-2に、低膜透過性の薬物を含む対照製剤、及び本発明における自己乳化型製剤を添加することにより、それぞれの製剤に含まれる薬物のCaco-2膜透過を評価することによっても実施することが出来る。
例えば、in vivo試験では、P−gpおよびBCRPトランスポーター等、消化管に存在する薬物の排出機能を有するトランスポーターをノックアウトしたマウス、及びノーマルマウス(非ノックマウス)における、本発明の自己乳化型製剤の経口投与後の薬物血中動態を評価することによっても判断することができる。
特定の理論に拘束されることはないが、本発明における自己乳化型製剤は、製剤中に含まれる低膜透過性の薬物の細胞膜における単純拡散を促進することによって、上記トランスポーターによる該薬物の細胞外排出を回避しているとも考えることが出来る。非限定の一態様として、該トランスポーターの回避は、本発明における自己乳化型製剤によってトランスポーターによる薬物の細胞外排出機構が阻害され、該薬物の細胞外排出が回避されるというメカニズムも含むと考えることもできる。また本発明の一態様において、トランスポーターによる薬物の細胞外排出を回避するとは、トランスポーターの働きが阻害される意味が除かれ、本発明の自己乳化型製剤により細胞膜における薬物の単純拡散が促進されることによって、上記トランスポーターによる該薬物の細胞外排出が回避されることをいう場合がある。
上述した対照製剤としては、該薬物が製剤中で完全に溶解している非自己乳化型製剤である限り、特に限定されるものではないが、例えば、DMSO/CremophorELをベースとした処方が好ましい。
(i)薬物のlogD (pH7.4)の値が3.2以上である、
(ii)薬物のCaco-2 Papp (cm/sec)の値が1.8E−6以下である、及び
(iii)薬物の分子量が500以上である。
これに限定されることはないが、薬物の好ましいlogD (pH7.4)の値、Caco-2 Papp (cm/sec)の値、分子量の値は上述した基準を適用することが出来る。さらに、薬物の代謝安定性の基準(CLh int(μL/min/mg protein)等)も上述した基準を適用することが出来る。
非限定の一態様として、さらに前記薬物が、以下の(i)及び/又は(ii)の特徴を有する環状部を有するペプチド化合物である自己乳化型製剤を提供する。
(i)天然アミノ酸及びアミノ酸類縁体残基数の合計が5〜12からなる環状部を含み、天然アミノ酸及びアミノ酸類縁体残基の総数が9〜13である、
(ii)N置換アミノ酸を少なくとも2つ含み、N置換されていないアミノ酸を少なくとも1つ含む。
これに限定されることはないが、アミノ酸残基数(天然アミノ酸及びアミノ酸類縁体残基数)の好ましい数に関しては、上述した基準が適用される。
非限定の一態様として、本発明は、オレイン酸エステル、又はオレイルエーテルを部分構造として含む界面活性剤、油性成分、及び低膜透過性の薬物を含む、リンパ移行性自己乳化型製剤であって、オレイン酸の総含量が製剤全体(薬物体積を除く)の25体積%〜75体積%である、前記製剤を提供する。
非限定の一態様として、本発明は、界面活性剤、オレイン酸を主油種成分とする油性成分、及び低膜透過性の薬物を含む、リンパ移行性自己乳化型製剤であって、オレイン酸の総含量が製剤全体(薬物体積を除く)の25体積%〜75体積%である、前記製剤を提供する。
ここで、上記態様におけるオレイン酸総含量(オレイン酸自体、エステル化又はエーテル化されたオレイン酸を含む)とは、特に限定されることはないが、製剤全体(薬物を除く)中に存在する、オレイン酸として添加されたオレイン酸の含量、並びに界面活性剤中の部分構造として含まれるエステル化又はエーテル化されたオレイン酸の含量、及び油性成分に含まれるオレイン酸の含量を合わせた含量をいう。例えば、オリーブ油は、パルミチン酸約11.6%、パルミトレイン酸約1.0%、ステアリン酸約3.1%、オレイン酸約75.0%、リノール酸約7.8%を含んでいる。この場合、オリーブ油中に含まれているオレイン酸含量は、75.0%と判断することができる。例えば、10体積%オリーブ油、10体積%オレイン酸を含む、自己乳化型製剤の場合、該製剤のオレイン酸含量は、17.5体積%と判断することできる。
非限定の一態様として、オレイン酸総含量が製剤全体(薬物体積を除く)の20体積%〜80体積%、20体積%〜75体積%が好ましく、25体積%〜75体積%、25体積%〜70体積%、30体積%〜70体積%、30体積%〜65体積%、35体積%〜65体積%、35体積%〜65体積%、40体積%〜60体積%であることがより好ましい。
非限定の一態様として、界面活性剤、オレイン酸を主油種成分とする油性成分、及び低膜透過性の薬物を含む、小腸上皮細胞に発現するトランスポーターによる薬物の細胞外排出を回避するための自己乳化型製剤を提供する。
上記態様における小腸上皮細胞に発現するトランスポーターとは、消化管に存在する排出 (efflux) トランスポーターを意味し、化合物が細胞から汲み出される限り特に限定されないが、P−糖タンパク質(P-glycoprotein, P-gp)、BCRP(breast cancer resistance protein)やMRP(multidrug resistance associated protein)等のトランスポーターを挙げることが出来る。薬物が上記トランスポーターの基質になるか否か、薬物がトランスポーターによる薬物の細胞外排出を回避しているか否かは、例えば、Caco-2アッセイ、トランスポーターノックアウトマウス等の公知の手法を用いて当業者が適宜判断することが出来る。例えば、実施例6−1に記載の方法に従って確認することにより、本発明の自己乳化型製剤が薬物の細胞外排出を回避しているか否かを評価できる。
特定の理論に拘束されることはないが、上記態様における「薬物の細胞外排出を回避する」とは、細胞膜における薬物の単純拡散が促進されることによって上記トランスポーターによる該薬物の細胞外排出が回避されるだけではなく、例えば、トランスポーターの働きが阻害されることによって該薬物の細胞外排出が回避される意味を含んでいてもよい。また、本発明の一態様においては、「薬物の細胞外排出を回避する」とは、トランスポーターの働きが阻害される意味が除かれ、細胞膜における薬物の単純拡散が促進されることによって上記トランスポーターによる該薬物の細胞外排出が回避されることをいう場合がある。
非限定の一態様として、本発明は、界面活性剤、オレイン酸を主油種成分とする油性成分、及び低膜透過性の薬物を含む、小腸上皮細胞膜における薬物の単純拡散(受動拡散)を高めるためのリンパ移行性自己乳化型製剤を提供する。
上記態様において、薬物の単純拡散(受動拡散)が高められているかどうかは、非自己乳化型製剤(例えば、溶液製剤)と比較して、薬物の最高血中濃度到達時間 (Tmax)が早くなっているか、又は最高血中濃度(Cmax)が高くなっているかを指標として用いることができる。
最高血中濃度(Cmax)は、薬物投与後に観察される薬剤の最高またはピークの濃度を示し、最高血中濃度到達時間 (Tmax)は、薬物を投与してから最高血中濃度(Cmax)に到達するまでの時間を示す。
非限定の一態様として、本発明は、界面活性剤、オレイン酸を主油種成分とする油性成分、及び低膜透過性の薬物を含む、該薬物の初回通過効果を回避するためのリンパ移行性自己乳化型製剤を提供する。薬物の初回通過効果を回避することができたか否かは、薬物の静脈内投与時のCLと肝血流速度の比から求められる肝抽出率よりも経口投与時のバイオアベイラビリティが高まることを確認することで評価できる。
オレイン酸エステル、又はオレイルエーテルを部分構造として含む界面活性剤、油性成分、及び低膜透過性の薬物を含む、リンパ移行性自己乳化型製剤であって、投与に続いて哺乳類被験体の血漿中で前記薬物の最高血中濃度到達時間(Tmax)をアッセイしたときに、当該Tmaxが、同じ用量で投与した同じ薬物の非自己乳化型製剤についてのTmaxよりも低い、前記製剤。
界面活性剤、オレイン酸を主油種成分とする油性成分、及び低膜透過性の薬物を含む、リンパ移行性自己乳化型製剤であって、投与に続いて哺乳類被験体の血漿中で前記薬物の最高血中濃度到達時間(Tmax)をアッセイしたときに、当該Tmaxが、同じ用量で投与した同じ薬物の非自己乳化型製剤についてのTmaxよりも低い、前記製剤。
本発明においては、哺乳類被験体としてマウス、ラット、ハムスターなどのげっ歯類、ヒト、イヌ、サル、チンパンジー、ウサギ、ヒツジ、ウシ、ブタなどの非げっ歯類などを挙げることができるがこれらに限定されない。
オレイン酸エステル、又はオレイルエーテルを部分構造として含む界面活性剤、油性成分、及び低膜透過性の薬物を含む、リンパ移行性自己乳化型製剤であって、投与に続いて哺乳類被験体の血漿中で前記薬物の最高血中濃度到達時間(Tmax)をアッセイしたときに、当該Tmaxが、同じ用量で投与した同じ薬物の非自己乳化型製剤についてのTmaxの90%以下である、前記製剤。
界面活性剤、オレイン酸を主油種成分とする油性成分、及び低膜透過性の薬物を含む、リンパ移行性自己乳化型製剤であって、投与に続いて哺乳類被験体の血漿中で前記薬物の最高血中濃度到達時間(Tmax)をアッセイしたときに、当該Tmaxが、同じ用量で投与した同じ薬物の非自己乳化型製剤についてのTmaxの90%以下である、前記製剤。
非限定の一態様として、本発明の自己乳化型製剤についてのTmaxは、同じ用量で投与した同じ薬物の非自己乳化型製剤についてのTmaxの90%以下、80%以下、70%以下、60%以下、50%以下、40%以下、30%以下が好ましい。
オレイン酸エステル、又はオレイルエーテルを部分構造として含む界面活性剤、油性成分、及び低膜透過性の薬物を含む、リンパ移行性自己乳化型製剤であって、投与に続いて哺乳類被験体の血漿中で前記薬物のリンパ移行量をアッセイしたときに、当該リンパ移行量が同じ用量で投与した同じ薬物の非自己乳化型製剤についてのリンパ移行量よりも高い、前記製剤。
界面活性剤、オレイン酸を主油種成分とする油性成分、及び低膜透過性の薬物を含む、リンパ移行性自己乳化型製剤であって、投与に続いて哺乳類被験体の血漿中で前記薬物のリンパ移行量をアッセイしたときに、当該リンパ移行量が同じ用量で投与した同じ薬物の非自己乳化型製剤についてのリンパ移行量よりも高い、前記製剤。
薬物のリンパ移行量は、リンパ吸収を阻害したマウスのPK試験等、当業者公知の手法を用いて測定することができる(European Journal of Pharmaceutical Sciences 24(4), 2005, 381-388)。例えば、非自己乳化型製剤(例えば、薬物が完全に溶解した溶液製剤)と比較して、薬物のリンパ移行量が少なくとも1.05倍以上、1.1倍以上、1.2倍以上、1.3倍以上、1.4倍以上、1.5倍以上、1.6倍以上、1.7倍以上、1.8倍以上、1.9倍以上、2倍以上、3倍以上、4倍以上、5倍以上増加するリンパ移行性自己乳化型製剤が好ましいが、これに限定されることはない。
オレイン酸エステル、又はオレイルエーテルを部分構造として含む界面活性剤、油性成分、及び低膜透過性の薬物を含む、リンパ移行性自己乳化型製剤であって、投与に続いて哺乳類被験体の血漿中で前記薬物のバイオアベイラビリティをアッセイしたときに、当該バイオアベイラビリティが、同じ用量で投与した同じ薬物の非自己乳化型製剤についてのバイオアベイラビリティよりも高い、前記製剤。
界面活性剤、オレイン酸を主油種成分とする油性成分、及び低膜透過性の薬物を含む、リンパ移行性自己乳化型製剤であって、投与に続いて哺乳類被験体の血漿中で前記薬物のバイオアベイラビリティをアッセイしたときに、当該バイオアベイラビリティが、同じ用量で投与した同じ薬物の非自己乳化型製剤についてのバイオアベイラビリティよりも高い、前記製剤。
バイオアベイラビリティは、薬物の経口投与後のAUC(薬物血中濃度−時間曲線下面積)を薬物の非経口投与後のAUCと比較することによって評価することができる。
オレイン酸エステル、又はオレイルエーテルを部分構造として含む界面活性剤、油性成分、及び低膜透過性の薬物を含む、リンパ移行性自己乳化型製剤であって、前記薬物についてin vitroで培養細胞による膜透過性をアッセイしたときに、当該膜透過性が、同じ薬物の非自己乳化型製剤についての膜透過性よりも高い、前記製剤。
界面活性剤、オレイン酸を主油種成分とする油性成分、及び低膜透過性の薬物を含む、リンパ移行性自己乳化型製剤であって、前記薬物についてin vitroで培養細胞による膜透過性をアッセイしたときに、当該膜透過性が、同じ薬物の非自己乳化型製剤についての膜透過性よりも高い、前記製剤。
本明細書において「細胞膜透過性」を「膜透過性」ということがある。薬物等の膜透過性の測定方法として、ヒト大腸癌細胞株Caco-2細胞を用いた方法が報告されている(「従来法」ともいう。Artursson, P., 2001. Adv Drug Deliv Rev 46, 27-43.;Mason, A.K., 2013. Drug Metab Dispos 41, 1347-1366.;Polli, J.W., 2001. J Pharmacol Exp Ther 299, 620-628.;Sun, H. 2008. Expert Opin Drug Metab Toxicol 4, 395-411.)。この方法は、細胞培養したCaco-2細胞層の管腔側(Apical側)に測定対象物質(「被験物質」ともいう。)を添加後、基底膜側(Basal側)に移行した被験物質量から算出される膜透過係数(Papp)に基づき、被験物質の膜透過性を測定する方法である(図17参照)。このような実験において評価したCaco-2細胞の透過性はヒトにおける経口吸収率と相関することが明らかとなっており、この相関からヒトにおける経口吸収率を予測することが可能になっている。Caco-2細胞は一定の条件下で培養する事により単層膜を形成し、その単層膜に対する薬物の透過性がヒト経口吸収率と良好な相関を示す事から、in vitroでの経口吸収性評価の方法として広く汎用されている。しかしながら、次に述べるように、この従来法では、脂溶性が高い薬物等の膜透過性を正確に測定することは難しい。
すなわち、Apical側の濃度変化が大きいことが示唆される。また、プロプラノロール、シクロスポリン、ベラパミルはインキュベーション終了時に、添加した薬物の約8%が細胞内に分布しており、細胞内蓄積が示唆される。さらに、シクロスポリンのBasal側濃度推移にはラグタイム(直線領域の近似直線とx軸との交点)が存在し(Ozeki K., et al 2015, Int J Pharm. 495, 963-971.)、直線部分が開始されるまでの時間(ラグタイムの3倍)はApical側に薬物を添加してBasal側からサンプルリングする試験(AtoB)及びBasal側に薬物を添加してApical側からサンプリングする試験(BtoA)のいずれにおいても300分を超え、120分間のインキュベーション時間内に直線領域は存在しないことがわかった。すなわち、Basal側の薬物濃度が直線的に増加しないことが示唆される。AtoB試験における120分後のBasal側濃度のみから数式1を用いて算出したPappは、細胞内分布を加味したモデルの最適値を用いて算出したPappと比較して5倍過小評価していた。これは、シクロスポリンが細胞内マトリックスと強く結合するために、Basal側への出現が遅いためと考察されている(Ozeki K., et al 2015, Int J Pharm. 495, 963-971.)。また、Papp値が2.5x10-5cm/秒の化合物では120分間のインキュベーション時間内に直線領域が終了すること(「頭打ち」ともいう。)が報告されている。さらに、ClogPが大きい薬物は細胞内マトリックスと強く結合するために、直線領域の開始が遅くなるため、脂溶性が高い薬物のPappを正確に評価することは従来法では難しいことが示唆される(図18)。
〔実施例1〕環状ペプチドの合成と物性
(実施例1−1)環状ペプチドの合成
実施例に用いた表1に示したアミノ酸配列を有する環状ペプチドは、特許文献WO2013/100132に記載の方法と同様の手法を用いて合成を行い、最終物を乾燥物として得た。ここで、表1中の右端に存在する部位がC末端を形成する。ここで表記したpipとはC末端カルボン酸がピペリジンとアミド結合を形成してピペリジンアミドを形成したことを意味している。また、アミノ酸の略号の説明を表2に記載した。さらに、化合物(1)から(6)の構造式を表3に示した。
(実施例1−2−1)Caco−2膜透過性評価
Caco−2細胞を96wellトランスウェル上に3週間培養した後に、Apical側にDMEM+FaSSIF(1%DMSO)+化合物、Basal側にDMEMを添加し、5%CO2、 37℃、 80rpmで、20〜24時間プレインキュベーションを実施した。 プレインキュベーション実施後、Apical側およびBasal側のプレインキュベーション溶液を吸引除去・洗浄し、Apical側に化合物を含むFaSSIF/HBSS buffer(pH6.0)を、Basal側に4%BSAを含むHBSS buffer(pH7.4)を添加することによって透過性試験を開始した。各wellは5%CO2、 37℃、 80rpmで振盪し、開始180分後にBasal側のサンプルを採取し、LC/MSで透過量を測定した。その透過量から透過係数を算出した。
本願発明における自己乳化型製剤の対象となる薬物の脂溶性の評価(LogD(pH7.4)測定)を行った。n−OctanolとpH7.4緩衝液との二相分離液を調製し、調製した二相分離液に薬物のDMSO溶液を添加し、振盪(室温、1800rpm、2時間)後、遠心分離(3000rpm、10分)し、緩衝液画分のみ採取し、LC/MSで緩衝液画分の薬物濃度を測定した。測定された薬物濃度から、LogD(pH7.4)を算出した。
オリーブ油(Shigma−Aldrich社製)、オレイン酸(EXTRA OLEIN 99、日油(株)製)、Solutol HS−15(BASF製、一般名ポリオキシエチレンヒドロキシステアレート)およびPeceol(Gattefosse社製、一般名モノオレイン酸グリセリル)を表5に記載の割合で混合し、37℃で6時間以上撹拌し、組成物(1)を調製した。
化合物(1)に組成物(1)を10mg/mLとなるように加えて37℃で6時間以上撹拌し、化合物(1)を完全に溶解させ、SEDDS(1)を調製した。
(実施例3−1)SEDDS(2)の調製
表6に示した混合比に変更したこと以外は実施例2と同様の方法で行い、組成物(2)を調製した。その後、化合物(1)に組成物(2)を11.4mg/mLとなるように加えて37℃で6時間以上撹拌し、化合物(1)を完全に溶解させ、SEDDS(2)を調製した。
PeceolをNikkol SO−30V(日光ケミカルズ(株)製、一般名トリオレイン酸ソルビタン)に変更したこと以外は実施例3−1と同様の方法で行い、組成物(3)を調製した。その後、化合物(1)に組成物(3)を10mg/mLとなるように加えて37℃で6時間以上撹拌し、化合物(1)を完全に溶解させ、SEDDS(3)を調製した。
表7に示した混合比に変更したこと以外は実施例2と同様の方法で行い、組成物(4)を調製した。その後、化合物(1)に組成物(4)を10mg/mLとなるように加えて37℃で6時間以上撹拌し、化合物(1)を完全に溶解させ、SEDDS(4)を調製した。
オリーブ油を表8に示すオイルに変更したこと以外は実施例2と同様の方法で行い、組成物(5)〜(31)を調製した。使用したオイルは次のものを用いた。アーモンド油/ヤシ油/マカデミアナッツ油/アボカド油/サフラワー油/ダイズ油/アマニ油/ヒマシ油/ヒマワリ油/綿実油/トウモロコシ油/ゴマ油(和光純薬(株)製)、カカオ脂(MP biomedicals社製)、ナタネ油(ナカライテスク(株)製)、パーム油/Tricaprylin/Triolein(Shigma−Aldrich社製)、ハイオレイックヒマワリ油(オレインリッチ:昭和産業(株)製)、ハイオレイックサフラワー油(日清オイリオ(株)製)、ラッカセイ油(純正化学(株)製)、Tricaproin/Tricaprin/Trilinolein/Trierucin(東京化成(株)製)、Tripalmitolein/Torilinolenin/Trieicosenoin(Larodan社製)。その後、化合物(1)に組成物(5)〜(31)を10 mg/mLとなるように加えて37℃で6時間以上撹拌し、化合物(1)を完全に溶解させ、SEDDS(5)〜(31)を調製した。
化合物(1)〜(6)をジメチルスルホキシド(和光純薬(株)製)に10mg/mLとなるように溶解させた後、Cremophor EL(Shigma−Aldrich社製、一般名ポリオキシエチレンヒマシ油)を化合物濃度が5mg/mLとなるように加え、撹拌、混合した。さらに、化合物濃度が1mg/mLとなるように注射用水を加えて撹拌し、溶液投与製剤を調製した。
WO2002/102354やPharm Res(2010),27:878-893等に記載されているリンパ移行性自己乳化型製剤の処方例を参考にし、ダイズ油(Shigma−Aldrich社製)、Maisine35−1(Gattefosse社製、一般名モノリノレン酸グリセリル)、Cremophor EL(Shigma−Aldrich社製、一般名ポリオキシエチレンヒマシ油)を表9の割合で混合して37℃で1時間撹拌したのち、10体積%のエタノールを加えて撹拌し、組成物(32)を調製した。
化合物(1)に組成物(32)を10mg/mLとなるように加えて37℃で6時間以上撹拌し、化合物(1)を完全に溶解させ、SEDDS(32)を調製した。
(比較例3−1)SEDDS(33)の調製
表10に示した混合比に変更したこと以外は実施例3−2と同様の方法で行い、組成物(33)を調製した。その後、化合物(1)に組成物(33)を11.3mg/mLとなるように加えて37℃で6時間以上撹拌し、化合物(1)を完全に溶解させ、SEDDS(33)を調製した。
オリーブ油およびオレイン酸を用いなかったこと以外は実施例3−2と同様の方法で行い、表11に示す組成の組成物(34)を調製した。その後、化合物(1)に組成物(34)を12.5mg/mLとなるように加えて37℃で6時間以上撹拌し、化合物(1)を完全に溶解させ、SEDDS(34)を調製した。
(実施例5−1)SEDDS(35)の調製
溶解する化合物を化合物(1)から化合物(2)に変更したこと以外は、実施例2と同様の方法で行い、SEDDS(35)を調製した。
溶解する化合物を化合物(1)から化合物(3)に変更したこと以外は、実施例2と同様の方法で行い、SEDDS(36)を調製した。
(比較例4−1)SEDDS(37)の調製
溶解する化合物を化合物(1)から化合物(4)に変更したこと以外は、実施例2と同様の方法で行い、SEDDS(37)を調製した。
溶解する化合物を化合物(1)から化合物(5)に変更したこと以外は、実施例2と同様の方法で行い、SEDDS(38)を調製した。
溶解する化合物を化合物(1)から化合物(6)に変更したこと以外は、実施例2と同様の方法で行い、SEDDS(39)を調製した。
(実施例6−1)SEDDS投与製剤調製
実施例2〜5および比較例2〜4で調製したSEDDS製剤の評価にあたり、SEDDS(1)〜(39)に表12に記載の割合で注射用水を加えた後に室温で15分以上撹拌し、化合物濃度が1mg/mLのSEDDS投与製剤を調製した。
比較例1で調製した溶液投与製剤および、実施例2〜5、比較例2〜4で調製したSEDDS製剤の、マウスにおける経口投与後の血中動態を評価した。雄性マウス(C57BL/6J、6週齢、Beijing HFK Bioscience社製:1群3匹)に、化合物を10mg/kgの用量で経口投与し、投与後24時間までの血液を抗凝固剤としてヘパリン処理済みのヘマトクリット管を用い、背中足静脈より経時的に採取した。血液は遠心分離により血漿を分離し、アセトニトリルによる除タンパク処理後、LC/MS/MS装置(API4000、AB SCIEX社製)を用いて血漿中濃度を測定した。各製剤の血中濃度推移を図1〜13に示した。また、得られた血漿中濃度推移より、解析ソフトPhoenix WinNonlin 7.0(Certara L.P.社製)を用いて、ノンコンパートメント解析により薬物動態パラメータを算出した結果を表14および表15に示した。
また、実施例1−2に示したCaco−2膜透過性が1.80×10−6以下で、かつLogDが3.2以上の化合物(1)〜(3)はrBAが1以上となったのに対し、Caco−2膜透過性もしくはLogDが上記の範囲外である化合物(4)〜(6)はrBAが1以上を達成することができなかった(表15)。このことから、本発明に記載のSEDDS製剤処方を用いることによって、溶液投与製剤と比較して、経口投与時の吸収性を向上させることが可能な化合物のより好ましい物性範囲(logD (pH7.4), Caco-2 Papp (cm/sec))が特定された(図16)。
比較例1で調製した溶液投与製剤および、実施例2で調製したSEDDS製剤の、リンパ吸収を事前に阻害したマウスにおける経口投与後の血中動態を評価した。評価方法はシクロヘキシミドの生理食塩水溶液をマウスに事前に経口投与することで、リンパ吸収を阻害する方法を採用した(European Journal of Pharmaceutical Sciences 24(4), 2005, 381-388)。PK試験は溶液投与製剤もしくはSEDDS製剤の経口投与の1時間前に、シクロヘキシミド(Shigma−Aldrich社製)の1mg/mL生理食塩水溶液を6mg/kgで経口投与したこと以外は、実施例6−2と同様の方法で行い、薬物動態パラメータを算出した(表16)。血中濃度推移を図14に示す。シクロヘキシミドを投与しなかった場合はrBAが4.56であったのに対し(表14)、シクロヘキシミドを事前投与した場合はrBAが1.71となったことから、本発明のSEDDS製剤がリンパを介して吸収されることで、rBAが増大していることが示された。
比較例1で調製した溶液投与製剤および、実施例2で調製したSEDDS製の、P−gpおよびBCRPトランスポーターをノックアウトしたマウスにおける経口投与後の血中動態を評価した。PK試験は使用したマウスをMdr1a/b−Bcrpノックアウトマウス(日本クレア(株)製)に変更したこと以外は、実施例6−2と同様の方法で行い、薬物動態パラメータを算出した(表17)。血中濃度推移を図15に示す。正常マウスにおけるrBAが4.56であったのに対し(表14)、P−gpおよびBCRPトランスポーターをノックアウトしたマウスにおけるrBAが1.51となったことから、本発明のSEDDS製剤がトランスポーターを回避して吸収されることで、rBAが増大していることが示された。
表13に、分子量が約700〜約1200の範囲にある市販中分子化合物の物性値(Caco-2, LogD)を列挙した。市販中分子化合物の該物性値を、実施例6−2で得られた実験値とともに、図16にプロットした。実施例6−2で示された、本発明のリンパ移行性SEDDS製剤の好ましい適用対象である化合物群(図16中BA UP)の物性値は、市販されている従来の中分子化合物の物性値と比較して、更に脂溶性が高く(logD (pH7.4))、膜透過性が悪い(Caco-2 Papp (cm/sec))物性を有することは明らかである(図16)。本発明における自己乳化型製剤は、従来は経口医薬品として開発が困難であった化合物群を対象とした製剤であることが裏付けられた。
(1)細胞培養
Caco-2細胞 (CACO-2 Lot No.028;Riken BRC Cell Bank) を24wellのトランスウエル (Corning HTS Transwell、pore size 0.4 μm、 polycarbonate membrane) の膜上に1.0 × 105 cells/wellの濃度で播種し、温度37℃、5% CO2に維持されたインキュベータ内で、10% FBS、ペニシリン-ストレプトマイシン-グルタミン (100x) 、L-グルタミン塩化ナトリウム溶液及びNon-essenntial amino acid (Neaa) を含むDMEM培地で培養した。培地は2〜3日ごとに交換し、播種後21〜23日目にCaco-2細胞を膜透過性測定に供した。
膜透過性測定法の改良法として長時間のインキュベーションを実施するために、各種バッファーを用いてインキュベーション時間が細胞に与える影響について、transepithelial electric resistance (TEER) を評価する事で検討した。
環状ペプチドであるシクロスポリン(化合物A)とその他の環状ペプチド(化合物B〜H)を被験物質として、前記(2)で確立したプレインキュベーションの後に、従来法に準じてApical側からBasal側への膜透過性試験 (AtoB試験) を行った。プレインキュベーションは、Caco-2細胞を前記(1)に従い3週間培養した後に行った。すなわち、前記(2)に従いApical側にDMEM+FaSSIF (1% DMSO, 2% DMA)+被験物質、Basal側にDMEMの条件で、24時間プレインキュベーションした。プレインキュベーション後のAtoB試験は、Apical側及びBasal側のプレインキュベーション溶液を吸引除去し、Apical側に被験物質を含むFaSSIF/HBSS (with 1% DMSO, 2% DMA) (pH 6.0)を、Basal側にHBSS (4% BSA) (pH 7.4) を添加し開始した。各wellは37℃を維持するように加温しながら、220 rpmで振盪した。開始30、60、90、120分後にBasal側のサンプルを採取し、LC/MSで透過量を測定した。その透過量から膜透過係数 (Papp) を算出した。
Claims (16)
- オレイン酸エステル、又はオレイルエーテルを部分構造として含む界面活性剤、油性成分、及び低膜透過性の薬物を含む、自己乳化型製剤。
- 前記低膜透過性の薬物の膜透過性を促進するための、請求項1に記載の自己乳化型製剤。
- リンパ移行性である、請求項1または2に記載の自己乳化型製剤。
- 前記薬物が、以下の(i)及び(ii)の特徴を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の自己乳化型製剤:
(i)薬物のlogD (pH7.4)の値が3.2以上である、
(ii)薬物のCaco-2 Papp (cm/sec)の値が1.8E−6以下である。 - 前記薬物が、以下の(i)及び/又は(ii)の特徴を有する環状部を有するペプチド化合物である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の自己乳化型製剤:
(i)天然アミノ酸及びアミノ酸類縁体残基数の合計が5〜12からなる環状部を含み、天然アミノ酸及びアミノ酸類縁体残基の総数が9〜13である、
(ii)N置換アミノ酸を少なくとも2つ含み、N置換されていないアミノ酸を少なくとも1つ含む。 - さらに1種以上の親水性界面活性剤を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の自己乳化型製剤。
- さらにオレイン酸を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の自己乳化型製剤。
- 前記オレイン酸エステル、又はオレイルエーテルを部分構造として含む界面活性剤が、モノオレイン酸グリセリル、モノオレイン酸デカグリセリル、オレイン酸ポリグリセリル3、ジオレイン酸ポリグリセリル3、モノオレイン酸ポリエチレングリコール10、モノオレイン酸ポリエチレングリコール15、モノオレイン酸ポリエチレングリコール20、モノオレイン酸ポリエチレングリコール30、モノオレイン酸ポリエチレングリコール35、アプリコットカーネルオイルポリオキシエチレン6エステル、モノオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、ポリエチレングリコール10オレイルエーテル、ポリエチレングリコール15オレイルエーテル,ポリエチレングリコール20オレイルエーテル、及びポリエチレングリコール50オレイルエーテルからなる群より選ばれる一種以上の界面活性剤である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の自己乳化型製剤。
- 前記油性成分が、オリーブ油、アーモンド油、ヤシ油、カカオ脂、マカデミアナッツ油、アボカド油、サフラワー油、ダイズ油、アマニ油、ナタネ油、ヒマシ油、パーム油、ハイオレイックヒマワリ油、ハイオレイックサフラワー油、ヒマワリ油、綿実油、トウモロコシ油、ゴマ油、ラッカセイ油、杏仁油、ククイナッツ油、ぶどう種子油、ピスタチオ種子油、ひまわり油、ヘーゼルナッツ油、ホホバ油、メドウフォーム油、ローズヒップ油、トリカプロイン(Tricaproin)、トリカプリリン(Tricaprylin)、トリカプリン(Tricaprin)、トリパルミトレイン(Tripalmitolein)、トリオレイン(Triolein)、トリリノレイン(Trilinolein)、トリリノレニン(Trilinolenin)、トリエイコセノイン(Trieicosenoin)、及びトリエルシン(Trierucin)からなる群より選ばれる一種以上の油性成分である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の自己乳化型製剤。
- 前記油性成分が、オレイン酸を主油種成分とする油性成分である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の自己乳化型製剤。
- 前記オレイン酸を主油種成分とする油性成分が、ツバキ油、ヒマワリ油、アボガド油、アボガド油、サフラワー油、アルモンド油、オリーブ油、ナタネ油、及びカシュー油からなる群より選ばれる1種以上の油性成分である、請求項10に記載の自己乳化型製剤。
- 前記親水性界面活性剤が、ポリオキシエチレンヒドロキシステアレート、ポリオキシエチレンヒドロキシオレート、ポリオキシル40硬化ヒマシ油、又はポリオキシル35ヒマシ油である、請求項6〜11のいずれか一項に記載の自己乳化型製剤。
- 前記油性成分が、製剤全体(薬物体積を除く)の8〜40体積%である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の自己乳化型製剤。
- 製剤全体(薬物体積を除く)の9〜19体積%のモノオレイン酸グリセリル、51〜61体積%のポリオキシエチレンヒドロキシステアレート、17.5〜27.5体積%のオリーブ油、及び低膜透過性の薬物を含む、自己乳化型製剤。
- オレイン酸エステル、又はオレイルエーテルを部分構造として含む界面活性剤、油性成分、及び以下の(i)〜(iii)の特徴を有する低膜透過性の薬物を含む、自己乳化型製剤:
(i)薬物のlogD (pH7.4)の値が3.2以上である、
(ii)薬物のCaco-2 Papp (cm/sec)の値が1.8E−6以下である、及び
(iii)薬物の分子量が500以上である。 - 前記薬物が、以下の(i)及び/又は(ii)の特徴を有する環状部を有するペプチド化合物である、請求項15に記載の自己乳化型製剤:
(i)天然アミノ酸及びアミノ酸類縁体残基数の合計が5〜12からなる環状部を含み、天然アミノ酸及びアミノ酸類縁体残基の総数が9〜13である、
(ii)N置換アミノ酸を少なくとも2つ含み、N置換されていないアミノ酸を少なくとも1つ含む。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2023034603A JP2023078216A (ja) | 2016-12-28 | 2023-03-07 | 化合物の膜透過性を改善するための自己乳化型製剤 |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016255469 | 2016-12-28 | ||
JP2016255469 | 2016-12-28 | ||
JP2017114074 | 2017-06-09 | ||
JP2017114074 | 2017-06-09 | ||
JP2018559566A JP7173870B2 (ja) | 2016-12-28 | 2017-12-27 | 化合物の膜透過性を改善するための自己乳化型製剤 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018559566A Division JP7173870B2 (ja) | 2016-12-28 | 2017-12-27 | 化合物の膜透過性を改善するための自己乳化型製剤 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2023034603A Division JP2023078216A (ja) | 2016-12-28 | 2023-03-07 | 化合物の膜透過性を改善するための自己乳化型製剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021169476A true JP2021169476A (ja) | 2021-10-28 |
JP7241815B2 JP7241815B2 (ja) | 2023-03-17 |
Family
ID=62710620
Family Applications (3)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018559566A Active JP7173870B2 (ja) | 2016-12-28 | 2017-12-27 | 化合物の膜透過性を改善するための自己乳化型製剤 |
JP2021112799A Active JP7241815B2 (ja) | 2016-12-28 | 2021-07-07 | 化合物の膜透過性を改善するための自己乳化型製剤 |
JP2023034603A Pending JP2023078216A (ja) | 2016-12-28 | 2023-03-07 | 化合物の膜透過性を改善するための自己乳化型製剤 |
Family Applications Before (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018559566A Active JP7173870B2 (ja) | 2016-12-28 | 2017-12-27 | 化合物の膜透過性を改善するための自己乳化型製剤 |
Family Applications After (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2023034603A Pending JP2023078216A (ja) | 2016-12-28 | 2023-03-07 | 化合物の膜透過性を改善するための自己乳化型製剤 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
US (2) | US20190380958A1 (ja) |
EP (2) | EP3563833A4 (ja) |
JP (3) | JP7173870B2 (ja) |
WO (1) | WO2018124162A1 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023190283A1 (ja) * | 2022-03-28 | 2023-10-05 | 中外製薬株式会社 | ポリオキシエチレン構造を含む油性成分を含有する化合物製剤 |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2020122182A1 (ja) | 2018-12-12 | 2021-10-28 | 中外製薬株式会社 | 分子内水素結合可能な官能基を有するアミノ酸とそれらのアミノ酸を含むペプチド化合物、およびそれらの製造方法 |
CN113209052B (zh) * | 2021-03-16 | 2022-02-15 | 深圳市泰力生物医药有限公司 | 大麻二酚自纳米乳口颊膜制剂及其制备方法和用途 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007503461A (ja) * | 2003-05-01 | 2007-02-22 | コーネル リサーチ ファウンデイション インコーポレイテッド | 細胞に分子を送達する方法及び担体複合体 |
JP2013524987A (ja) * | 2010-04-28 | 2013-06-20 | キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド | 細胞間相互作用を強化させたナノパターンド医療デバイス |
Family Cites Families (19)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR970064620A (ko) * | 1996-03-05 | 1997-10-13 | 임성기 | 사이클로스포린-함유 외용약제 조성물 |
AU7833698A (en) * | 1997-06-09 | 1998-12-30 | Bridge Pharma, Inc. | Compounds with combined antihistaminic and mast cell stabilizing activities, intended for ophthalmic use |
US6281175B1 (en) * | 1997-09-23 | 2001-08-28 | Scimed Life Systems, Inc. | Medical emulsion for lubrication and delivery of drugs |
US6057289A (en) * | 1999-04-30 | 2000-05-02 | Pharmasolutions, Inc. | Pharmaceutical composition comprising cyclosporin in association with a carrier in a self-emulsifying drug delivery system |
US7732404B2 (en) * | 1999-12-30 | 2010-06-08 | Dexcel Ltd | Pro-nanodispersion for the delivery of cyclosporin |
AUPR573001A0 (en) | 2001-06-15 | 2001-07-12 | Glaxo Wellcome Australia Ltd | Lymphatic drug delivery system |
JP5250258B2 (ja) | 2005-04-20 | 2013-07-31 | 中外製薬株式会社 | 自己乳化型製剤処方の設計方法 |
BRPI0818459A2 (pt) * | 2007-10-16 | 2015-04-14 | Sun Pharma Advanced Res Co Ltd | Composição farmacêutica adequada para uso oftálmico. |
US8618168B2 (en) * | 2009-05-22 | 2013-12-31 | Mochida Pharmaceutical Co., Ltd. | Self-emulsifying composition of OMEGA3 fatty acid |
EP2523655A2 (en) * | 2010-01-12 | 2012-11-21 | Novo Nordisk A/S | Pharmaceutical compositions for oral administration of insulin peptides |
JP5725467B2 (ja) | 2010-08-27 | 2015-05-27 | 国立大学法人 東京大学 | 新規人工翻訳合成系 |
WO2012033478A1 (en) | 2010-09-07 | 2012-03-15 | Murty Pharmaceuticals, Inc. | An improved oral dosage form of tetrahydrocannabinol and a method of avoiding and/or suppressing hepatic first pass metabolism via targeted chylomicron/lipoprotein delivery |
JP5818237B2 (ja) | 2010-09-09 | 2015-11-18 | 国立大学法人 東京大学 | N−メチルアミノ酸およびその他の特殊アミノ酸を含む特殊ペプチド化合物ライブラリーの翻訳構築と活性種探索法 |
EP2647720B1 (en) | 2010-12-03 | 2019-06-19 | The University of Tokyo | Peptide library production method, peptide library, and screening method |
DK2813512T3 (da) | 2011-12-28 | 2021-04-26 | Chugai Pharmaceutical Co Ltd | Fremgangsmåde til cyklisering af en peptidforbindelse |
NZ631833A (en) * | 2013-03-15 | 2017-06-30 | Differential Drug Dev Ass Llc | Emulsion formulations |
CA2914841C (en) * | 2013-08-01 | 2021-11-02 | Mw Encap Limited | Compositions and preparation methods of low melting ionic salts of poorly-water soluble drugs |
JP6754997B2 (ja) | 2013-08-26 | 2020-09-16 | 国立大学法人 東京大学 | 大環状ペプチド、その製造方法、及び大環状ペプチドライブラリを用いるスクリーニング方法 |
EA036836B1 (ru) * | 2014-06-19 | 2020-12-25 | Солурал Фарма Апс | Фармацевтическая композиция для обеспечения лимфатической абсорбции липофильных соединений после еды и натощак |
-
2017
- 2017-12-27 EP EP17886597.8A patent/EP3563833A4/en active Pending
- 2017-12-27 JP JP2018559566A patent/JP7173870B2/ja active Active
- 2017-12-27 US US16/471,837 patent/US20190380958A1/en active Pending
- 2017-12-27 WO PCT/JP2017/046844 patent/WO2018124162A1/ja unknown
- 2017-12-27 EP EP21203289.0A patent/EP4039250A1/en active Pending
-
2021
- 2021-07-07 JP JP2021112799A patent/JP7241815B2/ja active Active
- 2021-10-15 US US17/502,525 patent/US20220096379A1/en active Pending
-
2023
- 2023-03-07 JP JP2023034603A patent/JP2023078216A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007503461A (ja) * | 2003-05-01 | 2007-02-22 | コーネル リサーチ ファウンデイション インコーポレイテッド | 細胞に分子を送達する方法及び担体複合体 |
JP2013524987A (ja) * | 2010-04-28 | 2013-06-20 | キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド | 細胞間相互作用を強化させたナノパターンド医療デバイス |
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
INTERNATIONAL JOURNAL OF PHARMACEUTICS, vol. 495, JPN6022035441, 2015, pages 963 - 971, ISSN: 0004862632 * |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023190283A1 (ja) * | 2022-03-28 | 2023-10-05 | 中外製薬株式会社 | ポリオキシエチレン構造を含む油性成分を含有する化合物製剤 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPWO2018124162A1 (ja) | 2019-10-31 |
JP7241815B2 (ja) | 2023-03-17 |
EP3563833A1 (en) | 2019-11-06 |
US20220096379A1 (en) | 2022-03-31 |
US20190380958A1 (en) | 2019-12-19 |
JP2023078216A (ja) | 2023-06-06 |
JP7173870B2 (ja) | 2022-11-16 |
EP4039250A1 (en) | 2022-08-10 |
EP3563833A4 (en) | 2020-07-01 |
WO2018124162A1 (ja) | 2018-07-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2021169476A (ja) | 化合物の膜透過性を改善するための自己乳化型製剤 | |
Cherniakov et al. | Self-nano-emulsifying drug delivery systems: an update of the biopharmaceutical aspects | |
O'driscoll et al. | Biopharmaceutical challenges associated with drugs with low aqueous solubility—the potential impact of lipid-based formulations | |
Lee et al. | Enhanced dissolution and oral absorption of tacrolimus by supersaturable self-emulsifying drug delivery system | |
JP2017014293A (ja) | 親油性医薬用薬剤の改良された非経口製剤ならびにそれを調製および使用するための方法 | |
Mitra et al. | Advanced drug delivery | |
KR20130024804A (ko) | 약리학적 활성물질의 서방성 지질 초기제제 및 이를 포함하는 약제학적 조성물 | |
JP6815728B2 (ja) | 新規の使用 | |
JPH06509577A (ja) | W/oミクロエマルジョン | |
JP2016529308A (ja) | フルベストラント組成物 | |
Abo Enin | Self-nanoemulsifying drug-delivery system for improved oral bioavailability of rosuvastatin using natural oil antihyperlipdemic | |
US9782399B2 (en) | Pharmaceutical compositions which inhibit FKBP52-mediated regulation of androgen receptor function and methods of using same | |
Pattewar et al. | Self microemulsifying drug delivery system: A lipid based drug delivery system | |
JP2023520273A (ja) | 治療化合物、製剤、およびその使用 | |
Miyake et al. | Novel oral formulation safely improving intestinal absorption of poorly absorbable drugs: utilization of polyamines and bile acids | |
Benito-Gallo et al. | Linking in vitro lipolysis and microsomal metabolism for the quantitative prediction of oral bioavailability of BCS II drugs administered in lipidic formulations | |
González et al. | Improved oral bioavailability of cyclosporin A in male Wistar rats: comparison of a Solutol HS 15 containing self-dispersing formulation and a microsuspension | |
US20060089406A1 (en) | Inhibitors of the fatty acid oxidation for the prophylaxis and/or the treatment of chronic and/or atopic skin diseases | |
von Suesskind-Schwendi et al. | Pharmacokinetics of a self-microemulsifying drug delivery system of tacrolimus | |
Wang et al. | Choline and PEG dually modified artemether nano delivery system targeting intra-erythrocytic Plasmodium and its pharmacodynamics in vivo | |
Dangi et al. | Effect of Amlodipine, Cilnidipine and Diltiazem on lipid profiles of hypertensive rats fed with high fat diet: a comparative study | |
Cerrato | Oleate: An Atypical Cellular Stress Inducer That Stalls Protein Secretion | |
US20220040193A1 (en) | Formulations of phosphoinositide 3-kinase inhibitors | |
Bunchongprasert | Self-Emulsified Nanoemulsion as Permeation Enhancer and Its Application for Intranasal Delivery of Insulin | |
WO2023230322A1 (en) | Addressing injection site reactions associated with the administration of elamipretide |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210721 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210721 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20220215 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20220216 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220830 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20221028 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20221028 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20221130 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20230207 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20230307 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7241815 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |