JP6815728B2 - 新規の使用 - Google Patents

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Description

本発明は、掻痒の治療のための化合物2−(R)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−4−(S)−((8aS)−6−オキソ−ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−α]−ピラジン−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸[1−(R)−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−メチルアミドまたはその薬学的に許容可能な塩およびそれを含有する医薬組成物の新しい使用、ならびにそのような使用のための配合剤に関する。
国際公開第2003/066635号は、NK1拮抗薬活性を有する多くのジアザビシクロ誘導体、例えば、2−(R)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−4−(S)−((8aS)−6−オキソ−ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−α]−ピラジン−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸[1−(R)−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−メチルアミド(別名オルブピタントとして知られている)を記載する。
オルブピタントは、別名2−(R)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−4−(S)−((8aS)−6−オキソ−ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−α]−ピラジン−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸[1−(R)−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−メチルアミドとして知られ、以下の化学構造(I)を有する。
Figure 0006815728
以下、オルブピタントへのいずれの言及は化合物(I)を指す。
オルブピタントは、
CAS索引名:
1−ピペリジンカルボキサミド,N−[(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−[(8aS)−ヘキサヒドロ−6−オキソピロロ[1,2−α]ピラジン−2(1H)−イル]−V−メチル−,(2R,4S)
および
IUPAC名:
(2R,4S)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N−メチル−4−[(8aS)−6−オキソヘキサヒドロピロロ[1,2−α]ピラジン−2(1H)−イル]−1−ピペリジンカルボキサミド
としても知られることがある
化合物(I)の好ましい塩は、別名オルブピタント塩酸塩として知られているその塩酸塩である。
化合物(I)のさらに好ましい塩は、別名オルブピタントマレイン酸塩として知られているそのマレイン酸塩である。
国際公開第2009/124996号は、オルブピタントマレイン酸塩の新しい結晶形、換言すれば無水結晶形(1型(Form 1))を記載する。
化合物(I)、その薬学的に許容可能な塩は、インビトロおよび生体内双方におけるタキキニン受容体、例えば、サブスタンスP(SP)および他のニューロキニン受容体の拮抗薬として前述の明細書に記載され、よって、タキキニン、例えば、SPおよび他のニューロキニンによって媒介される病態の治療に有用である。
特に、化合物(I)およびその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物は、中枢神経系(CNS)障害の治療に有用であると記載されている。
驚いたことに、今回我々は、化合物(I)またはその薬学的に許容可能な塩が掻痒の治療にも有用であることを見つけた。
特に、化合物(I)またはその薬学的に許容可能な塩が慢性掻痒の治療に有用であることを我々は見つけた。
掻痒は、掻きたいという欲求を引き起こす不快な感覚として定義できる。よって、国際疾病分類(ICD−10−CM)によれば、掻痒は皮膚をこすったり掻いたりして楽になる衝動を生む強い痒み感覚として定義される。
掻痒は、皮膚の感覚神経回路網内の生理学的知覚であり、痛みおよび物理的または機械的な刺激とともに、潜在的な身体上の脅威に対する警告システムとしての役割を果たし、多くの皮膚科疾患および全身性疾患における患者の症状の不可分の一部である。掻痒は、クオリティ・オブ・ライフに劇的な影響を及ぼす可能性があり、患者の全身状態および能力を著しく悪化させる可能性がある。
掻痒が科学研究の注目を受けるのはこの10年にすぎず、この病態の理解は著しく進展したにもかかわらず、依然としてその病態生理学における発症機序の多くは未知のままである(Stander S et al. Journal of the Germany Society of Dermatology (2011), 9:456-463)。
近年では、掻痒は自律神経系の、痛みに依存しない感覚として定義され、痒み特異的ニューロン、仲介物質、脊髄神経細胞、および皮質野は特定されてきている。
掻痒は、真皮表皮接合部に位置し、表皮内にある無髄神経線維の自由神経終末によって仲介される。アトピー性皮膚炎、結節性痒疹、およびアレルギー性接触皮膚炎などの痒みを伴う多くの疾患に関して、ケラチノサイトまたは肥満細胞などの常在皮膚細胞からの「神経成長因子」(NGF)の産生および放出の増加が、皮膚の表皮内の「痒み線維(itch fibres)」の増加につながり、恐らく掻痒の悪化を招いていることが示唆されている(Ikoma A et al. Nat Rev Neuroscience (2006), 7(7): 535-547)。神経線維にくわえて、皮膚の肥満細胞も掻痒の媒介に中心的な役割を果たす。肥満細胞は、特異的(受容体介在性)または非特異的(例えば、機械的または化学的)な刺激の結果として多くの生物学的活性仲介物質を放出できる(Metz and Maurer. Trends Immunol (2007), 28(5):234-241)。これらの肥満細胞生成物には、その痒みによって誘発される強力な効果を特徴とするものがいくつかある。肥満細胞生成物としては、例えば、ヒスタミン、プロテアーゼ、ロイコトリエンB4およびプロスタグランジンなどの脂質メディエーターが挙げられる。
また、直接的に神経線維に影響を及ぼすことなく掻痒を引き起こすか、間接的に皮膚肥満細胞の活性化を通して掻痒を媒介する物質も少数ある。これらは広くヒスタミン遊離物質と呼ばれるが、上記のように肥満細胞の活性化は他の掻痒を誘発する物質の放出にもつながる可能性がある。掻痒疾患において最も関連する肥満細胞活性化剤には、血管作動性腸管ペプチド(VIP)、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)、およびSPなどのニューロペプチドがある。
特に、SPは、感覚神経からの放出に続いて、皮膚肥満細胞および他の細胞タイプ(例えば、免疫系の細胞)の活性化によって痒みを誘発し、ヒスタミン(肥満細胞)および他の炎症誘発性仲介物質の遊離をもたらすと仮定されている(Divito SJ et al. Immunol Res (2011), 50(2-3) :195-201)。肥満細胞は、上皮成長因子受容体阻害剤エルロチニブでの治療を受けたがん患者の皮膚病変部に蓄積することが示されており、SPによるこれらの肥満細胞の活性化がそのような上皮成長因子受容体阻害剤を投与された対象が経験する掻痒の原因となることが示唆されている(Gerber PA et al. J Am Acad Dermatol (2010), 63(l):163-5; N Engl J Med (2011), 364(5) :486-7)。マウスでは、SPによって誘発された掻爬は抗ヒスタミンによっても阻害されず、また肥満細胞欠損動物においても阻害されないことから、SP主導の掻痒がヒスタミンに依存しない機序/肥満細胞に依存しない機序も伴う証拠が幾つかある。皮膚掻爬は、掻痒の患者によく見られる行動であり、しばしば元の病変を悪化させる。マウスモデルでは、皮膚掻爬刺激の後、SP陽性神経線維(SP-immunoreactive nerve fibre)が感覚神経線維から直ちに消失して、数分以内に肥満細胞は著しく脱顆粒し、SPの急速な分泌および枯渇を示した。NK−1拮抗薬による遮断は、これらの掻爬によって誘発されたSP陽性神経線維の減少を抑制した(Yamaoka et al. ; Dermatol Sci (2007), 48(2) :123-132)。
また、動物(Andoh T et al. The Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics (1998), 286(3):1140-1145)およびヒト(Thomsen JS et al. British J Dermatology (2002), 146(5):792-800)の両方における皮膚へのSPの皮内注射が痒みおよび掻爬を誘発することも示されている。SPは掻痒を媒介する重要なニューロペプチドであるにもかかわらず、NK−1拮抗薬の掻痒治療に対する臨床上の有効性は、まだ十分に評価、解明されていない(Tey HL & Yosipovitch G. British Journal Pharmacology (2011), 165:5-17)。慢性の痒みの症状は、社会全体および特定の集団において世界的な負担(worldwide burden)を表わす(Weisshaar E & Dalgard F. Acta Derm. Venereol (2009), 89:339-350)。掻痒の病態生理学の理解における最近のこれらの進歩が新しい治療に橋渡しされることが望ましい。
掻痒の治療選択肢は限られ、治療は最善には及ばず、大きな未解決の課題を満足する新しい効果的な止痒薬に対する要求がある。
掻痒の分類
掻痒は異なる病因の多くの疾患において起こるので、掻痒にはさまざまな分類系が存在する。最近になって、2007年に国際かゆみ学会(IFSI)によって掻痒は再分類された(Stander S et al. Acta Derm Venereol (2007), 87:291-294)。
この分類系によれば、掻痒は急性と慢性とに区別でき、後者は6週間以上続く掻痒として定義され、以下のグループに分類されている。
グループI.第一のグループは、原発性の疾患のある、炎症性の皮膚の掻痒と名付けられている。
多くの皮膚疾患が痒みを伴う。それは、炎症性、感染性、または自己免疫性の皮膚疾患、遺伝性皮膚症、薬物反応、妊娠性皮膚疾患、および皮膚リンパ腫を含み、それらのすべてが他に記載される特有の皮膚変化につながる。
グループIにかかる基礎疾患としてはカテゴリーIが挙げられる。
カテゴリーI 例えば以下の皮膚科障害、疾患または病態に併発または起因する掻痒
アトピー性皮膚炎/湿疹、乾癬、刺激性/接触皮膚炎、刺激性/接触性湿疹、蕁麻疹、乾燥肌、薬物有害反応、瘢痕、肛門そう痒症、陰嚢掻痒症、外陰掻痒症、および「目に見えない皮膚疾患(invisible dermatoses)」を含む炎症性皮膚病;
真菌感染、細菌感染、およびウイルス感染および毛嚢炎、疥癬、シラミ寄生症、節足動物反応、および昆虫咬傷を含む感染性皮膚病;
水疱性の皮膚病、とりわけ、ジューリング疱疹状皮膚炎、水疱性類天疱瘡、および皮膚筋炎を含む自己免疫の皮膚病;
ダリエ病、ヘイリーヘイリー病、魚鱗癬、シェーグレン・ラルソン症候群、および表皮水疱症痒疹型を含む遺伝性皮膚症;
多形妊娠疹、妊娠性類天疱瘡、および妊娠性痒疹を含む妊娠性皮膚疾患;
皮膚T細胞性リンパ腫(とりわけ、紅皮症異型およびセザリー症候群および菌状息肉症)、皮膚B細胞性リンパ腫、ならびに皮膚の白血病性浸潤を含む新生物
グループII.原発性の疾患のない、非炎症性の皮膚の掻痒
全身性、神経性、または心因性/精神に由来する掻痒疾患の患者は、二次的な掻爬病変が起こりうることを除いていずれの皮膚病変の掻痒を経験する。痒みを招く全身性疾患としては、内分泌および代謝障害、感染症、血液疾患およびリンパ球増殖性疾患、固形腫瘍および薬物によって誘発される掻痒が挙げられる。
グループIIにかかる基礎疾患としてはカテゴリーII〜IVが挙げられる。カテゴリーII 例えば以下の全身性障害、疾患、または病態に併発または起因する掻痒
慢性腎不全、胆汁うっ滞を伴う肝疾患または胆汁うっ滞を伴わない肝疾患、甲状腺機能亢進症、吸収不良、閉経周辺期掻痒、および糖尿病を含む内分泌疾患および代謝疾患;
HIV感染症、HCV感染症、水痘、蠕虫症、および寄生虫病を含む感染性疾患;
鉄欠乏症、真性多血症、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、および形質細胞腫を含む血液疾患およびリンパ球増殖性疾患;
子宮頸、前立腺、または結腸の固形腫瘍およびカルチノイド症候群を含む内蔵新生物;
例えば、胆汁うっ滞を伴う妊娠性掻痒および胆汁うっ滞を伴わない妊娠性掻痒を含む妊娠;
オピオイド、ACE阻害剤、アミオダロン、ヒドロクロロチアジド、エストロゲン、シンバスタチン、ヒドロキシエチルデンプン、アロプリノールなどの薬物によって誘発される掻痒;セクション(section)はまた、キナーゼ阻害剤(例えば、エルロチニブおよびセツキシマブといった上皮成長因子受容体阻害剤)などの薬剤での治療の結果としての化学療法によって誘発される掻痒も含む。
カテゴリーIII 例えば以下の神経原性障害、疾患、または病態に併発または起因する掻痒
内在性μ−オピオイドの増加を伴う肝臓の痒み(痒みの脱抑制)を含む神経原性原因(神経傷害を含まない);
多発性硬化症、新生物、膿瘍、脳梗塞または脊髄梗塞、腕橈骨筋掻痒、錯感覚性背痛、帯状疱疹後神経痛、外陰部痛、および小径線維ニューロパチーを含む神経障害性疾患(神経傷害が痒みを引き起こす)
カテゴリーIV うつ病、不安障害、強迫性障害、統合失調症、触覚性幻覚、および疲労を含む精神疾患/心身症などの身体表現性障害、疾患、または病態に併発または起因する掻痒
グループIII.重症で慢性の二次的な掻爬病変を呈する掻痒
慢性掻痒は、掻爬、擦過、またはつねりなどのなどの機械的反応を招くことが多い。掻爬は皮膚の多様な損傷を誘発することがあり、擦過傷、痂皮、苔癬化、丘疹、および結節として症状がみつかる。これらの病変は、色素沈着過剰または色素脱失および皮膚の萎縮性瘢痕を残して消散しうる。異なる段階および異なる大きさの数個の病変が、慢性掻痒の患者に同時に存在することがある。これらの臨床的症状の幾つかは、慢性単純性苔癬、ビダール苔癬、アミロイド苔癬、斑状アミロイドーシス、および結節性痒疹などの言い方でまとめられる。これらのすべては、慢性的な掻爬によって誘発される二次的な続発性後天性病変を表わす。
基礎にある原因は、カテゴリーI〜IVの皮膚疾患または全身性疾患でありうる。以下のカテゴリーも見つかっている。
カテゴリーV カテゴリーI〜IVに記載の障害、疾患、または病態の重複に併発する掻痒
カテゴリーVI 未知の障害、疾患、または病態に併発または起因する掻痒
発明の具体的説明
本発明によって提供される解決は、掻痒の治療における以下の化学構造(I)を有する2−(R)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−4−(S)−((8aS)−6−オキソ−ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−α]−ピラジン−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸[1−(R)−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−メチルアミド(別名オルブピタントとして知られている)
Figure 0006815728
またはその薬学的に許容可能な塩の使用である。
その第1の側面では、本発明は、掻痒の治療用薬剤の製造のための2−(R)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−4−(S)−((8aS)−6−オキソ−ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−α]−ピラジン−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸[1−(R)−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−メチルアミドまたはその薬学的に許容可能な塩の使用を提供する。
その更なる側面では、本発明は、掻痒の治療に使用するための2−(R)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−4−(S)−((8aS)−6−オキソ−ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−α]−ピラジン−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸[1−(R)−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−メチルアミドまたはその薬学的に許容可能な塩の使用を提供する。
一層更なる側面では、本発明は、それを必要としているヒトに、有効量の2−(R)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−4−(S)−((8aS)−6−オキソ−ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−α]−ピラジン−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸[1−(R)−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−メチルアミドまたはその薬学的に許容可能な塩を投与すること含んでなる掻痒の治療法を提供する。
別の側面では、本発明は、掻痒の治療に使用するための2−(R)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−4−(S)−((8aS)−6−オキソ−ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−α]−ピラジン−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸[1−(R)−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−メチルアミドまたはその薬学的に許容可能な塩を含んでなる医薬組成物を提供する。
別の実施態様では、オルブピタントのマレイン酸塩が掻痒の治療に利用される。
さらなる実施態様では、オルブピタントマレイン酸塩1型が掻痒の治療に利用される。
スナネズミにおける、オルブピタントマレイン酸塩の経口投与に続くNK−1受容体特異的作動薬GR73632の皮内注射によって誘発された後肢掻爬の累積頻度。 スナネズミにおける、オルブピタントマレイン酸塩の経口投与に続くNK−1受容体特異的作動薬GR73632の皮内注射によって誘発された後肢掻爬の累積継続時間。
本発明は、掻痒の治療用薬剤の製造のための2−(R)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−4−(S)−((8aS)−6−オキソ−ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−α]−ピラジン−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸[1−(R)−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−メチルアミドまたはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物の使用に関する。
2−(R)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−4−(S)−((8aS)−6−オキソ−ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−α]−ピラジン−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸[1−(R)−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−メチルアミド(別名オルブピタントとして知られている)は、以下の化学構造(I)を有する。
Figure 0006815728
化合物(I)またはその薬学的に許容可能な塩は、参照により本願明細書に組み込まれる国際特許出願番号、国際公開第2003/066635号、国際公開第2009/124996号、および国際公開第2007/048642号に記載される方法によって調製されうる。具体的には、国際公開第2003/066635号の実施例9aおよび11は、それぞれ化合物(I)の遊離塩基および塩酸塩としての合成を記載する。塩酸塩の特定の結晶形、換言すれば無水結晶形および二水和物結晶形が、それぞれ実施例11aおよび11bに記載される。
実施例11cは、マレイン酸塩としての化合物(I)の合成を記載する。国際公開第2009/124996号の実施例2〜8は、無水結晶形(1型)としての化合物(I)のマレイン酸塩の合成を記載する。国際公開第2007/048642号の実施例1は、化合物(I)の合成の中間体を作製する方法を開示する。
医学分野での使用のために化合物(I)の塩が製剤として許容可能であるべきであることが理解されよう。好適な薬学的に許容可能な塩は、当業者に明らかであると思われ、例えば、製剤として許容可能な有機酸または無機酸と形成される酸付加塩が挙げられる。塩としては、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、アルキルスルホン酸塩またはアリールスルホン酸塩、例えば、別名メシル酸塩として知られているメタンスルホン酸塩またはp−トルエンスルホン酸塩(別名トシラートとして知られている)、リン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、サクシネート、酒石酸塩、フマル酸塩、およびマレイン酸塩が挙げられる。本発明による使用のための化合物(I)のそのような薬学的に許容可能な塩の1つは、マレイン酸塩(オルブピタントマレイン酸塩)である。
化合物(I)のある種の塩は、立体異性体の形で存在しうる(例えば、それらは1つ以上の不斉炭素原子を含有しうる)。個々の立体異性体(鏡像異性体およびジアステレオマー)ならびにこれらの混合物は、本発明の範囲内に含まれる。同様に、化合物(I)の塩は互変異性形で存在することがあり、これらも本発明の範囲内に含まれることが理解される。
化合物(I)は、1当量以上の酸と酸付加塩を形成しうる。本発明は、本発明の製剤におけるそのすべての可能性のある化学量論的な形および非化学量論的な形を用いうる。
化合物(I)またはその薬学的に許容可能な塩は、溶媒和物の形で存在しうる。
多くの有機化合物が、その中で反応する溶媒、またはそこから沈殿もしくは結晶化する溶媒との複合体を形成できることが理解されよう。これらの複合体は「溶媒和物」として知られる。例えば、水との複合体は「水和物」として知られる。水、エタノール、イソプロピルアルコール、およびN−メチルピロリジノンなどの、高い沸点をもつ溶媒および/または水素結合を形成する傾向が高い溶媒が使用されて溶媒和物を形成しうる。溶媒和物の同定のための方法としては、限定されないが、NMRおよびマイクロ分析が挙げられる。
化合物(I)またはその薬学的に許容可能な塩は、異なる多型の形態で存在しうる。
多型は、1より多い異なる結晶相で結晶化される構成要素または化合物の能力として定義される。よって、多形体は同一の分子式を共有する個別の固体であるが、いずれの固体の性質もその構造に依存するので、異なる多形体は、異なる溶解度プロファイル、異なる融点、異なる溶出プロファイル、異なる熱および/または光安定性、異なる保存可能期間、異なる懸垂性、ならびに異なる生理学的吸収速度などの個別の物理的性質を呈しうる。結晶性固体に溶媒を含むことが溶媒和物につながり、溶媒が水の場合は水和物につながる。
化合物(I)またはその薬学的に許容可能な塩のすべての溶媒和物(例えば、水和物)および多形体が、化合物(I)の範囲内に包まれる。
今回、化合物(I)またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物が掻痒の治療に有用であることが明らかにされた。
2007年のIFSI(Stander S et al. Acta Derm Venereol (2007), 87:291-294)によれば、掻痒は急性および慢性に区別でき、後者は6週間以上続く掻痒として定義され、以下のグループに分類されている。
グループI.原発性の疾患のある、炎症性の皮膚の掻痒
グループII.原発性の疾患のない、非炎症性の皮膚の掻痒
グループIII.重症で慢性の二次的な掻破病変に伴って顕われる掻痒
本発明の1つの実施態様では、本発明による使用のための化合物は、2−(R)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−4−(S)−((8aS)−6−オキソ−ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−α]−ピラジン−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸[1−(R)−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−メチルアミドマレイン酸塩(オルブピタントマレイン酸塩)である。
本発明の1つの実施態様では、本発明にかかる使用のための化合物は、無水結晶形(態)(1型)としての2−(R)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−4−(S)−((8aS)−6−オキソ−ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−α]−ピラジン−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸[1−(R)−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−メチルアミドマレイン酸塩(オルブピタントマレイン酸塩1型)である。
明細書および請求項で使用される、量、百分率割合、または割合を表わす全ての数、および他の数値は、全ての場合において「約」という用語によって修飾されていることが理解されるべきである。
本明細書において使用される場合、「a」および「an」という用語は、「1つ以上の」の数えられる構成要素を言及することが理解されるべきである。単数形の使用が、特に別途記載のない限り、複数形を含むことは当業者に明らかであろう。
本明細書で使用される場合、「治療」、「治療すること」という用語は、対象、組織または細胞に影響を及ぼして所望の薬理学的、生理学的、皮膚科学的、または美容効果を得ることを指す。効果は、病態もしくは疾患もしくは障害またはその症状を完全または部分的に予防する点で予防的であってもよく、ならびに/または病態もしくは疾患もしくは障害および/または病態もしくは疾患もしくは障害に起因する有害症状もしくは有害作用の部分的もしくは完全な治癒の点で治療的であってもよい。
よって、「治療」は、例えば、哺乳類、特にヒトにおける病態または疾患のいずれの治療を包含し、(a)病態もしくは疾患、障害またはそれらの症状が、病態または疾患または障害にかかりやすい素因を有しうるが未だ病態または疾患または障害があると診断されていない対象に起こることを防止すること;(b)病態もしくは疾患、障害またはそれらの症状の進行を止めるなどの病態もしくは疾患、障害またはそれらの症状を抑制すること;および(c)例えば、病態もしくは疾患もしくは障害またはそれらの症状の退行を引き起こすことなどの病態もしくは疾患もしくは障害またはそれらの症状を和らげること、緩和すること、または寛解させることを含む。
本明細書で使用される場合、「有効量」という用語は、例えば、研究者、臨床医、または獣医によって求められている組織、系、動物、またはヒトの生物学的または医学的反応を引き起こすことになる薬物または医薬品の量を意味する。
「掻痒」という用語は当業者に公知である。掻痒は、掻きたいという欲求を招く不快な皮膚感覚を特徴とする病態である。
本明細書で使用される場合、「掻痒」という用語は、「痒み」という用語と互換可能であり、同じ意味をもつことが意図される。
本明細書で使用される場合、「掻痒」または「痒み」という用語は、特に別途明記しない限り、急性掻痒と慢性掻痒の両方を包含する。
本明細書で使用される場合、「慢性掻痒」という用語は6週間以上続く掻痒を指す。
「痒み」または「掻痒」は、多くの疾患、疾患状態、または障害の症状である可能性がある。
また、それは疾患、疾患状態、または障害と無関係に存在しうる。「痒み」または「掻痒」という用語は、痒みまたは掻痒の原因が、障害、疾患、または疾患状態に併発または起因する痒みまたは掻痒を包含し、原因または発生源がわかっていない痒みまたは掻痒を包含する。
「に併発する」という用語は、掻痒と、障害または疾患の両方が存在する症例を包含し、それらの間に関連性があると考えられているが証明はされていない。
「痒みまたは掻痒関連障害または疾患」は、当該技術分野で公知である。「痒みまたは掻痒関連障害または疾患」という用語は、障害または疾患に併発または起因する痒みまたは掻痒を意味する。
したがって、「痒みまたは掻痒関連障害または疾患」は、「掻痒または掻痒関連障害または疾患」を意味し、それは「障害または疾患に併発または起因する掻痒」を意味する。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容可能な賦形剤」または「薬学的に許容可能な担体」は、形態または稠度を医薬組成物に付与することにかかわる薬学的に許容可能な材料、組成物、またはビヒクルを意味する。患者に投与された際に本発明の化合物の有効性を実質的に減らすと思われる相互作用、および結果として薬剤的に許容されない医薬組成物をもたらすと思われる相互作用が回避されるように、各賦形剤は混合された場合に医薬組成物の他の成分と混合可能でなければならない。くわえて、各賦形剤はもちろん、薬剤的に許容可能、例えば十分に高純度でなければならない。
本明細書で使用される場合、「配合剤」という用語は、1つの単位剤形中の固定配合剤または非固定配合剤のいずれかを指す。
「固定配合剤」という用語は、活性成分、例えば、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩および配合パートナーがともに、患者に単一体または単一用量の形で同時に投与されることを意味する。
「非固定配合剤」という用語は、活性成分、例えば、化合物(I)またはその薬学的に許容可能な塩および配合パートナー、(例えば、下記で説明される別の薬物、「治療薬」または「共薬剤(co-agent)」とも呼ばれる)がともに、患者に別個のものとして同時に、並行して、または特定の時間制限なしに順次投与されることを意味し、そこにおいて、そのような投与は治療上有効なレベルの2つの化合物を患者の体に与える。後者はまた、カクテル療法、例えば、3つ以上の活性成分の投与にも当てはまる。
本明細書で用いられる「共投与」または「併用投与」などの用語は、化合物(I)および特定の配合パートナーを、必要とする個々の対象(例えば、患者)に投与することを包含することを意味し、薬剤が必ずしも同一投与経路または同時に投与される必要がない治療計画を含むことを意図する。
本明細書に記載の本発明を使用して治療される患者は、好ましくはヒトである。
代替的な実施態様では、本発明はヒト以外の哺乳類の獣医治療を可能にする。
本発明の1つの実施態様では、掻痒は慢性掻痒である。
本発明の1つの実施態様では、掻痒は急性掻痒である。
本発明の1つの実施態様では、掻痒は原因または発生源が未知または不明である。
本発明の1つの実施態様では、掻痒は疾患または障害または病態に起因または併発する。
本発明による掻痒としては、原発性の疾患のある、炎症性の皮膚の掻痒(グループI)、原発性の疾患のない、非炎症性の皮膚の掻痒(グループII)、または重症で慢性の二次的な掻爬病変を呈する掻痒(グループIII)が挙げられる。
本発明の1つの実施態様では、掻痒は、原発性の疾患のある、炎症性の皮膚(グループI)に併発する。
本発明の1つの実施態様では、掻痒は、原発性の疾患のない、非炎症性の皮膚(グループII)に併発する。
本発明のある実施態様では、掻痒は、重症で慢性の二次的な掻爬病変(グループIII)に併発する。
本発明の1つの実施態様では、掻痒は、限定されないが例えば以下の皮膚科障害、疾患、または病態(カテゴリーI)に併発または起因する。
例えば、アトピー性皮膚炎/湿疹、乾癬、刺激性/接触皮膚炎、刺激性/接触性湿疹、蕁麻疹、乾燥肌、薬物有害反応、瘢痕、肛門そう痒症、陰嚢掻痒症、外陰部掻痒症、および「目に見えない皮膚疾患」を含む炎症性皮膚病;
例えば、真菌感染、細菌感染、およびウイルス感染および毛嚢炎、疥癬、シラミ寄生症、節足動物反応、および昆虫咬傷を含む感染性皮膚病;
例えば、水疱性の皮膚病、とりわけ、ジューリング疱疹状皮膚炎、水疱性類天疱瘡、および皮膚筋炎を含む自己免疫の皮膚病;
例えば、ダリエ病、ヘイリーヘイリー病、魚鱗癬、シェーグレン・ラルソン症候群、および表皮水疱症痒疹型を含む遺伝性皮膚症;
例えば、多形妊娠疹、妊娠性類天疱瘡、および妊娠性痒疹を含む妊娠性皮膚疾患;
例えば、皮膚T細胞性リンパ腫(とりわけ、紅皮症異型およびセザリー症候群および菌状息肉症)、皮膚B細胞性リンパ腫、ならびに皮膚の白血病性浸潤を含む新生物
本明細書において使用する場合、皮膚科疾患に併発または起因する掻痒はまた、例えば、急性および慢性放射性皮膚炎を含む放射性皮膚炎(放射線皮膚炎としても知られる)に併発もしくは起因する掻痒、またはセルカリア皮膚炎もしくは住血吸虫セルカリア皮膚炎に起因する掻痒、起因する掻痒または、例えば、熱傷または外傷のいずれかの後の創傷治癒に続くケロイドもしくは肥厚性瘢痕に見られる掻痒などの熱傷に起因する掻痒もしくは瘢痕に併発する掻痒も包含する。
また、化合物(I)またはその薬学的に許容可能な塩は、例えば、皮膚炎/湿疹、乾癬、刺激性/接触皮膚炎、刺激性/接触性湿疹などの炎症性皮膚病、放射性皮膚炎(放射線皮膚炎としても知られる)、セルカリア皮膚炎または住血吸虫セルカリア皮膚炎、蕁麻疹、乾燥肌、例えば、真菌感染、細菌感染、およびウイルス感染および毛嚢炎、疥癬、シラミ寄生症、節足動物反応および昆虫咬傷を含む感染性皮膚病;例えば、水疱性の皮膚病、とりわけ、ジューリング疱疹状皮膚炎、水疱性類天疱瘡、および皮膚筋炎などの自己免疫の皮膚病;例えば、ダリエ病、ヘイリーヘイリー病、魚鱗癬、シェーグレン・ラルソン症候群、および表皮水疱症痒疹型を含む遺伝性皮膚症;例えば、多形妊娠疹、妊娠性類天疱瘡、または妊娠性痒疹を含む妊娠性皮膚疾患を含むある特定の皮膚疾患の治療に効果的な可能性があることもわかっている。
特に、化合物(I)局所的な使用は前記皮膚疾患の治療に有効である。
本発明の1つの実施態様では、掻痒は、限定されないが例えば以下の全身性障害、疾患、または病態(カテゴリーII)に併発または起因する。
例えば、慢性腎不全、胆汁うっ滞を伴う肝疾患または胆汁うっ滞を伴わない肝疾患、甲状腺機能亢進症、吸収不良、閉経周辺期掻痒、および糖尿病を含む内分泌疾患および代謝疾患;
例えば、HIV感染症、HCV感染症、水痘、蠕虫症、および寄生虫病を含む感染性疾患;
例えば、鉄欠乏症、真性多血症、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、および形質細胞腫を含む血液疾患およびリンパ球増殖性疾患;
例えば、子宮頸、前立腺、または結腸の固形腫瘍、およびカルチノイド症候群を含む内蔵新生物;
例えば、胆汁うっ滞を伴う妊娠性掻痒および胆汁うっ滞を伴わない妊娠性掻痒を含む妊娠;
オピオイド、ACE阻害剤、アミオダロン、ヒドロクロロチアジド、エストロゲン、シンバスタチン、ヒドロキシエチルデンプン、アロプリノールなどの薬物によって誘発される掻痒、または化学療法によって誘発される掻痒
本明細書において使用する場合、化学療法によって誘発される掻痒とは、抗がん剤を受ける患者における掻痒を意味する。
本明細書において使用する場合、化学療法によって誘発される掻痒としては、限定されないが、標的がん治療によって誘発される掻痒が挙げられる。
本明細書において使用する場合、「標的がん治療によって誘発される掻痒」とは、腫瘍の発生および進行に関与する特定のがん経路、タンパク質、またはその他の分子を妨害することによって、がんの増殖および広がりを阻む薬物または他の物質を受ける患者における、例えば、皮膚症状に併発する掻痒を含む掻痒を意味する。
本明細書において使用する場合、「標的がん治療」としては、限定されないが、例えば、エルロチニブ、ゲフィチニブ、パニツムマブ、およびセツキシマブなどのモノクローナル抗体含む上皮成長因子受容体(EGFR)阻害剤、例えば、ラパチニブ、ネラチニブ、およびアファチニブなどの二重阻害剤であるEGFRおよびヒト上皮成長因子受容体2(HER2)阻害剤、例えば、ダコミチニブなどのpan−成長因子受容体阻害剤、例えば、エベロリムスおよびテムシロリムスなどの哺乳類ラパマイシン標的タンパク質(mTOR)阻害剤、例えば、ダサチニブ、イマチニブ、ニロチニブなどのBcr−Abl阻害剤、例えば、ソラフェニブ、ベムラフェニブ、およびダブラフェニブなどのBRafキナーゼ阻害剤、例えば、バンデタニブなどの二重EGFR血管内皮成長因子受容体(VEGFR)阻害剤、例えば、セルメチニブおよびトラメチニブなどのMEKキナーゼ阻害剤、例えば、スニチニブなどのマルチチロシンキナーゼ阻害剤、例えば、リツキシマブおよびトシツモマブなどのCD20に対するモノクローナル抗体;例えば、ニボルマブおよびラムブロリズマブなどのプログラム死受容体に対するモノクローナル抗体、または例えば、イピリムマブなどのCTLA4に対するモノクローナル抗体が挙げられる。
本発明の1つの実施態様では、掻痒は化学療法によって誘発される掻痒である。
本発明のさらなる実施態様では、掻痒は標的がん治療によって誘発される掻痒である。
本発明のさらなる実施態様では、掻痒は、上皮成長因子受容体(EGFR)阻害剤、二重阻害剤であるEGFRおよびヒト上皮成長因子受容体2(HER2)阻害剤、pan−成長因子受容体阻害剤、哺乳類ラパマイシン標的タンパク質(mTOR)阻害剤、Bcr−Abl阻害剤、BRafキナーゼ、二重EGFR血管内皮成長因子受容体(VEGFR)阻害剤、MEKキナーゼ阻害剤、マルチチロシンキナーゼ阻害剤、CD20に対するモノクローナル抗体、プログラム死受容体に対するモノクローナル抗体、またはCTLA4に対するモノクローナル抗体から選択される標的がん治療に起因する。
本発明のさらなる実施態様では、掻痒は、上皮成長因子受容体(EGFR)阻害剤または二重阻害剤であるEGFRおよびヒト上皮成長因子受容体2(HER2)阻害剤から選択される標的がん治療に起因する。
本発明の1つの実施態様では、掻痒は、例えば以下の神経原性障害、疾患、または病態(カテゴリーIII)に併発または起因する。
内在性μ−オピオイドの増加を伴う肝臓の痒み(痒みの脱抑制)を含む神経原性発生源(神経傷害を含まない);
多発性硬化症、新生物、膿瘍、脳梗塞または脊髄梗塞、腕橈骨筋掻痒、錯感覚性背痛、帯状疱疹後神経痛、外陰部痛、および小径線維ニューロパチーを含む神経障害性疾患(神経傷害が痒みを引き起こす)
本発明の1つの実施態様では、掻痒は、例えば、うつ病、不安障害、強迫性障害、統合失調症、触覚性幻覚、および疲労を含む精神疾患または心身症などの身体表現性障害、疾患、または病態に併発または起因する(カテゴリーIV)。
本発明の1つの実施態様では、掻痒(カテゴリーV)は、カテゴリーI〜IVに記載される障害、疾患、または病態の重複に併発または起因する。
本発明の1つの実施態様では、掻痒(カテゴリーVI)は、未知の障害、疾患、または病態に併発または起因する掻痒に併発または起因する。
本発明の1つの実施態様では、障害または疾患は、皮膚科障害に起因する掻痒からなる群から選択される。
本発明の別の実施態様では、障害または疾患は、全身性障害に起因する掻痒からなる群から選択される。
本発明の別の実施態様では、障害または疾患は、神経原性疾患に起因する掻痒からなる群から選択される。
本発明の別の実施態様では、障害または疾患は、身体表現性疾患に起因する掻痒からなる群からから選択される。
異なる実施態様では、掻痒の発生源または原因は不明である。
別の実施態様では、本発明は、掻痒の治療に使用するための化合物(I)またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
前記掻痒の発生源または原因は、既知、不確か、または不明である場合があり、本発明は、いずれの原因または発生源の掻痒の治療も包含する。
本発明において使用される場合、掻痒という用語はまた、例えば、日焼けも含む火傷に起因する掻痒、または皮膚移植に起因する掻痒も包含する。
別の実施態様では、本発明は、掻痒の治療に使用するための2−(R)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−4−(S)−((8aS)−6−オキソ−ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−α]−ピラジン−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸[1−(R)−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−メチルアミドまたはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
別の実施態様では、本発明は、掻痒の治療に使用するための2−(R)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−4−(S)−((8aS)−6−オキソ−ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−α]−ピラジン−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸[1−(R)−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−メチルアミドマレイン酸塩を提供する。
別の実施態様では、本発明は、掻痒の治療に使用するための2−(R)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−4−(S)−((8aS)−6−オキソ−ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−α]−ピラジン−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸[1−(R)−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−メチルアミドマレイン酸塩を無水結晶形(1型)として提供する。
別の実施態様では、本発明は、慢性掻痒の治療に使用するための2−(R)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−4−(S)−((8aS)−6−オキソ−ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−α]−ピラジン−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸[1−(R)−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−メチルアミドまたはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
別の実施態様では、本発明は、急性掻痒の治療に使用するための2−(R)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−4−(S)−((8aS)−6−オキソ−ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−α]−ピラジン−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸[1−(R)−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−メチルアミドまたはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
別の実施態様では、本発明は、慢性掻痒の治療に使用するための2−(R)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−4−(S)−((8aS)−6−オキソ−ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−α]−ピラジン−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸[1−(R)−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−メチルアミドマレイン酸塩を提供する。
別の実施態様では、本発明は、慢性掻痒の治療に使用するための2−(R)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−4−(S)−((8aS)−6−オキソ−ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−α]−ピラジン−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸[1−(R)−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−メチルアミドマレイン酸塩を無水結晶形(1型)として提供する。
別の実施態様では、本発明は、急性掻痒の治療に使用するための2−(R)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−4−(S)−((8aS)−6−オキソ−ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−α]−ピラジン−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸[1−(R)−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−メチルアミドマレイン酸塩を提供する。
別の実施態様では、本発明は、急性掻痒の治療に使用するための2−(R)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−4−(S)−((8aS)−6−オキソ−ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−α]−ピラジン−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸[1−(R)−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−メチルアミドマレイン酸塩を無水結晶形(1型)として提供する。
別の実施態様では、本発明は、皮膚科疾患または障害または病態に起因または併発する掻痒の治療に使用するための2−(R)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−4−(S)−((8aS)−6−オキソ−ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−α]−ピラジン−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸[1−(R)−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−メチルアミドまたはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
別の実施態様では、本発明は、アトピー性皮膚炎、乾癬、蕁麻疹および紅斑、アレルギー性接触湿疹、アレルギー性接触皮膚炎、刺激性皮膚炎、刺激性湿疹、壊疽性皮膚炎、疱疹状皮膚炎、乾燥皮膚性皮膚炎、人工的皮膚炎、口囲皮膚炎、皮膚および皮下組織の放射線関連障害、うっ滞性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、おむつ皮膚炎、詳細不明の接触性膚炎、剥脱性皮膚炎、摂取物質による皮膚炎、その他および詳細不明の接触性膚炎、結節性痒疹、昆虫咬傷、疥癬、シラミ寄生症、扁平紅色苔癬、毛嚢炎、乾燥皮膚(角膜乾燥症)、「目に見えない皮膚疾患」、ならびに真菌感染、細菌感染、およびウイルス感染症および毛嚢炎、疥癬、シラミ寄生症、節足動物反応および昆虫咬傷、水疱性の皮膚病、とりわけ、ジューリング疱疹状皮膚炎、水疱性類天疱瘡および皮膚筋炎、ダリエ病、ヘイリーヘイリー病、魚鱗癬、シェーグレン・ラルソン症候群および表皮水疱症痒疹型、多形妊娠疹、妊娠性類天疱瘡および妊娠性痒疹、皮膚T細胞性リンパ腫(とりわけ、紅皮症異型およびセザリー症候群および菌状息肉症)、皮膚B細胞性リンパ腫、ならびに皮膚の白血病性浸潤の1つ以上から選択される皮膚科疾患または障害に起因または併発する掻痒の治療に使用するための2−(R)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−4−(S)−((8aS)−6−オキソ−ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−α]−ピラジン−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸[1−(R)−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−メチルアミドまたはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
別の実施態様では、本発明は、全身性障害、疾患、または病態に起因または併発する掻痒の治療に使用するための2−(R)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−4−(S)−((8aS)−6−オキソ−ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−α]−ピラジン−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸[1−(R)−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−メチルアミドまたはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
別の実施態様では、本発明は、例えば、慢性腎不全、胆汁うっ滞を伴う肝疾患または胆汁うっ滞を伴わない肝疾患、甲状腺機能亢進症、吸収不良、閉経周辺期掻痒および糖尿病を含む内分泌疾患および代謝疾患;例えば、HIV感染症、HCV感染症、水痘、蠕虫症、および寄生虫病を含む感染性疾患;例えば、鉄欠乏症、真性多血症、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、および形質細胞腫を含む血液疾患およびリンパ球増殖性疾患;例えば、子宮頸、前立腺、または結腸固形腫瘍およびカルチノイド症候群を含む内蔵新生物の1つ以上から選択される全身性障害、疾患、または病態に起因または併発する掻痒の治療に使用するための2−(R)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−4−(S)−((8aS)−6−オキソ−ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−α]−ピラジン−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸[1−(R)−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−メチルアミドまたはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
別の実施態様では、本発明は、化学療法によって誘発される掻痒の治療に使用するための2−(R)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−4−(S)−((8aS)−6−オキソ−ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−α]−ピラジン−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸[1−(R)−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−メチルアミドまたはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
別の実施態様では、本発明は、標的がん治療によって誘発される掻痒の治療に使用するための2−(R)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−4−(S)−((8aS)−6−オキソ−ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−α]−ピラジン−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸[1−(R)−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−メチルアミドまたはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
別の実施態様では、本発明は、上皮成長因子受容体(EGFR)阻害剤または二重阻害剤であるEGFRおよびヒト上皮成長因子受容体2(HER2)阻害剤から選択される標的がん治療に起因する掻痒の治療に使用するための2−(R)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−4−(S)−((8aS)−6−オキソ−ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−α]−ピラジン−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸[1−(R)−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−メチルアミドまたはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
別の実施態様では、本発明は、神経原性障害、疾患、または病態に起因または併発する掻痒の治療に使用するための2−(R)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−4−(S)−((8aS)−6−オキソ−ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−α]−ピラジン−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸[1−(R)−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−メチルアミドまたはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
別の実施態様では、本発明は、例えば、多発性硬化症、新生物、膿瘍、脳梗塞もしくは脊髄梗塞、腕橈骨筋掻痒、錯感覚性背痛、帯状疱疹後神経痛、外陰部痛、および小径線維ニューロパチーを含む神経障害性疾患(神経傷害が痒みを引き起こす)から選択される神経原性障害、疾患、または病態に起因または併発する掻痒、または例えば、内在性のμ−オピオイド(痒みの脱抑制)が増加した肝臓の痒みを含む神経原性(神経傷害を含まない)由来の掻痒の治療に使用するための2−(R)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−4−(S)−((8aS)−6−オキソ−ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−α]−ピラジン−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸[1−(R)−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−メチルアミドまたはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
別の実施態様では、本発明は、うつ病、不安障害、強迫性障害、統合失調症、触覚性幻覚、および疲労の1つ以上から選択される身体表現性障害、疾患、または病態に起因または併発する掻痒の治療に使用するための2−(R)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−4−(S)−((8aS)−6−オキソ−ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−α]−ピラジン−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸[1−(R)−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−メチルアミドまたはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
別の実施態様では、本発明は、以下に併発する掻痒の治療に使用するための2−(R)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−4−(S)−((8aS)−6−オキソ−ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−α]−ピラジン−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸[1−(R)−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−メチルアミドまたはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
a.結節性痒疹、苔癬化、慢性単純性苔癬、および限局性神経皮膚炎から選択される疾患群に起因する二次的な掻爬病変;
b.例えば、アトピー性皮膚炎/湿疹、乾癬、刺激性/接触皮膚炎、刺激性/接触性湿疹、および蕁麻疹を含む炎症性皮膚病;
c.例えば、皮膚T細胞性リンパ腫(とりわけ、紅皮症異型およびセザリー症候群および菌状息肉症)、皮膚B細胞性リンパ腫、ならびに皮膚の白血病性浸潤を含む新生物;
d.例えば、慢性腎不全および胆汁うっ滞を伴う肝疾患または胆汁うっ滞を伴わない肝疾患を含む全身性疾患;
e.例えば、標的がん治療によって誘発される掻痒を含む化学療法によって誘発される掻痒
f.例えば、うつ病、不安障害、強迫性障害、および統合失調症を含む精神疾患に併発または起因する掻痒。
結節性痒疹は、結節性痒疹(nodular prurigo)、結節性痒疹(Hyde's Disease)、または結節性痒疹(Picker's nodules)とも呼ばれる。
別の実施態様では、本発明は、結節性痒疹、苔癬化、慢性単純性苔癬、および限局性神経皮膚炎から選択される疾患の群に起因する二次的な掻爬病変に併発する掻痒の治療に使用するための2−(R)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−4−(S)−((8aS)−6−オキソ−ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−α]−ピラジン−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸[1−(R)−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−メチルアミドまたはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
別の実施態様では、本発明は、結節性痒疹に併発または起因する掻痒の治療に使用するための2−(R)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−4−(S)−((8aS)−6−オキソ−ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−α]−ピラジン−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸[1−(R)−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−メチルアミドまたはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
さらなる実施態様では、本発明は、有効量の2−(R)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−4−(S)−((8aS)−6−オキソ−ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−α]−ピラジン−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸[1−(R)−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−メチルアミドまたはその薬学的に許容可能な塩を、それを必要としているヒトに投与すること含んでなる掻痒の治療法を提供する。
1つの実施態様では、掻痒用薬剤を製造するための2−(R)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−4−(S)−((8aS)−6−オキソ−ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−α]−ピラジン−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸[1−(R)−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−メチルアミドまたはその薬学的に許容可能な塩の使用が提供される。
1つの実施態様では、掻痒用薬剤を製造するための2−(R)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−4−(S)−((8aS)−6−オキソ−ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−α]−ピラジン−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸[1−(R)−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−メチルアミドマレイン酸塩の使用が提供される。
1つの実施態様では、掻痒用薬剤を製造するための2−(R)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−4−(S)−((8aS)−6−オキソ−ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−α]−ピラジン−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸[1−(R)−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−メチルアミドマレイン酸塩の無水結晶形(1型)としての使用が提供される。
1つの実施態様では、本発明は、それを必要としているヒトに有効量の2−(R)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−4−(S)−((8aS)−6−オキソ−ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−α]−ピラジン−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸[1−(R)−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−メチルアミドまたはその薬学的に許容可能な塩を投与することを含んでなる掻痒の治療法を提供する。
1つの実施態様では、本発明は、それを必要としているヒトに有効量の2−(R)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−4−(S)−((8aS)−6−オキソ−ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−α]−ピラジン−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸[1−(R)−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−メチルアミドマレイン酸塩を投与することを含んでなる掻痒の治療法を提供する。
1つの実施態様では、本発明は、有効量の2−(R)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−4−(S)−((8aS)−6−オキソ−ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−α]−ピラジン−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸[1−(R)−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−メチルアミドマレイン酸塩を無水結晶形(1型)として、それを必要としているヒトに投与することを含んでなる掻痒の治療法を提供する。
1つの実施態様では、ヒトは小児の患者である。
本発明に即して使用するための医薬組成物は、1つ以上の薬学的に許容可能な担体または賦形剤を使用するヒトおよび獣医学に使用するための従来のやり方で製剤されうる。
よって、化合物(I)およびその薬学的に許容可能な塩は、経口、口腔内、非経口、局所(例えば、点眼および経鼻)、デポ剤、もしくは直腸投与用に、または(口もしくは鼻のいずれかを通した)吸入もしくはガス注入による投与に適した形態に製剤されうる。
経口投与のためには、医薬組成物は、例えば、結合剤(例えば、アルファー化トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドン、またはヒドロキシプロピルメチルセルロース);充填剤(例えば、乳糖、微結晶性セルロース、またはリン酸水素カルシウム);潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、またはシリカ);崩壊剤(例えば、ポテトデンプンもしくはデンプングリコール酸ナトリウム);または湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)などの薬学的に許容可能な賦形剤を用いる従来の手段によって調製される錠剤またはカプセル剤の形をとりうる。錠剤は当該技術分野において周知である方法によってコーティングされてもよい。経口投与用液体製剤は、例えば、溶液、シロップ、もしくは懸濁剤の形をとることがあり、またはそれらは使用前に水もしくは他の好適なビヒクルで構成する乾燥製品として提供されることがある。そのような液体製剤は、懸濁化剤(例えば、ソルビトールシロップ、セルロース誘導体、または硬化食用脂);乳化剤(例えば、レシチンまたはアカシア);非水性ビヒクル(例えば、扁桃油、油性エステル(oily ester)、エチルアルコール、または分別植物油);および保存剤(例えば、p−オキシ安息香酸メチルもしくはプロピル、またはソルビン酸)などの薬学的に許容可能な添加剤を用いる従来の手段によって調製されうる。また、製剤は、必要に応じて緩衝塩、矯味剤、着色料、および甘味料も含有しうる。
経口投与用製剤は適切に製剤されて活性化合物を制御して放出しうる。
口腔内投与のためには、組成物は、錠剤または従来のやり方で製剤された形をとりうる。
化合物(I)またはその薬学的に許容可能な塩は、ボーラス注射または持続注入による非経口投与用に製剤されうる。注射用製剤は、単位剤形、例えば、アンプルで提供されてもよく、添加保存剤を伴って複数回投与(multi-dose)容器で提供されてもよい。組成物は、油性ビヒクルまたは水性ビヒクル中の懸濁液、溶液、またはエマルションのような形をとることがあり、懸濁剤、安定化剤、および/または分散剤などの製剤用剤を含有しうる。代替的に、活性成分は、使用前に好適なビヒクル、例えば、滅菌発熱物質を含まない水で構成する粉末形態である場合がある。
化合物(I)またはその薬学的に許容可能な塩は、皮膚投与用に製剤できる。
皮膚投与としては、局所適用または経皮投与が挙げられうる。経皮適用は、当該技術分野において一般に公知であるように、随意に特異的な透過性増進剤の存在下で、活性薬剤経皮送達に特異的に設計された好適な貼付剤、エマルション、軟膏、溶液、懸濁剤、ペースト、泡、エアロゾル、ローション、クリーム、またはジェルによって達成できる。同様にして、局所適用組成物は、これらの形態の1つ以上をとることができる。1つ以上の活性化合物が、賦形剤、補助剤(例えば、緩衝剤)、担体、不活性固体稀釈剤、懸濁化剤、保存剤、充填剤、安定化剤、抗酸化物質、食品添加剤、生物学的利用能増強剤、コーティング材料、造粒剤および崩壊剤、結合剤などの非毒性製剤として許容可能な助剤の1つ以上、ならびに所望の場合、他の活性成分と併せて存在しうる。
医薬組成物は、例えば、即放性、徐放性、パルス放出、2段階以上の段階放出、もしくはデポ剤または他のいずれの種類の放出用に製剤されうる。
本発明主題に即した医薬組成物の製造は、当該技術分野において公知の方法に従って行われ、下記でさらに詳細に説明されることになる。意図された投与方法、および溶解度、生物学的利用能などの使用される活性化合物の特有の特徴に応じて、一般的に知られ、かつ使用されている薬学的に許容可能な助剤およびさらに好適な希釈剤、矯味剤、甘味料、着色料などが使用されてよい。
非毒性、不活性、および効果的な局所、経口など薬学的に許容可能な担体のいずれも、本明細書に記載の組成物を製剤するのに使用されうる。ヒトに投与するための他の局所治療組成物を製剤するのに使用される周知の担体はそれらの組成物に有用である。当業者に周知であるこれらの構成成分の例は、The Merck Index, Thirteenth Edition, Budavari et al., Eds., Merck & Co., Inc., Rahway, N.J. (2001); the CTFA (Cosmetic, Toiletry, and Fragrance Association) International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook, Tenth Edition (2004);およびthe "Inactive Ingredient Guide", U.S. Food and Drug Administration (FDA) Center for Drug Evaluation and Research (CDER) Office of Management, January 1996に記載され、該文献の内容は参照によりそれら全体が本明細書に組み込まれる。そのような有用な美容的に許容可能な賦形剤、担体、および希釈剤としては、例えば、蒸留水、生理食塩水、リンゲル液、デキストロース溶液、ハンクス液、およびDMSOが挙げられ、それらは本明細書での使用に適したものである。これらの付加的な不活性構成成分、および効果的な製剤、および投与手順は、当該技術分野において周知であり、Goodman and Gillman's: The Pharmacological Bases of Therapeutics, 8th Ed., Gilman et al. Eds. Pergamon Press (1990)およびRemington's Pharmaceutical Sciences, 17th Ed., Mack Publishing Co., Easton, Pa. (1990)などの標準的な教科書に記載されている。両文献は参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
ある実施態様では、本発明の局所適用組成物は、血清、ジェルクリーム、ローション、クリーム、軟膏、ジェル、エアロゾル、発泡体、発泡性液体、溶液(可溶化系)、ペースト、懸濁剤、分散体、エマルション、皮膚洗浄剤、ミルク、マスク、固形ステイック(solid stick)、(棒状石鹸などの)棒状のもの、カプセル化製剤、マイクロカプセル化された製剤、ミクロスフィアもしくはナノスフィアもしくは小胞性分散体、または他の美容的に許容可能な局所適用剤形で製剤される。小胞性分散体の場合、小胞は脂質から構成され、イオン性もしくは非イオン性のタイプ、またはその混合物であることができる。製剤は水性製剤および/または無水製剤の1つ以上を含んでなることができる。
別の実施態様では、本明細書に記載の主題に即した本発明の局所美容組成物は、無水製剤、水性製剤、もしくはエマルションを含んでなることができるか、またはそれらから成ることができる。
鼻腔内投与については、化合物(I)またはその薬学的に許容可能な塩は、好適な計量投与装置もしくは単位投与装置を介する投与用の溶液、または代替的に、好適な送給装置を使用して投与用の好適な担体との粉末混合物として製剤されうる。
化合物(I)の提案される投与量は、1日当たり約0.5〜30mgである。好ましくは、その提案投与量は1日当たり1〜30mgであり、より好ましくは1日当たり2.5〜30mgである。
1つの実施態様では、化合物(I)の投与量は、1日当たり10mgまたは1日当たり30mgである。
投与量に対して通常の変形がなされる必要がありうることが理解されよう。且つ、厳密な投与量は最終的には担当医師または担当獣医の裁量であろう。また、投与量は投与経路にも依存するであろう。
所望の場合、他の治療薬が上記組成で提供されるものと併せて用いられることができる。担体材料と組み合わせて単回剤形を作る活性成分の量は、治療される宿主、疾患、障害、または病態の性質、および活性成分の性質に応じて異なることになる。
本発明の医薬組成物は、毎日、単回投与または複数回投与で与えてよい。
1つの実施態様では、化合物(I)およびその薬学的に許容可能な塩は1日1回経口で投与される。
ある実施態様では、本組成物は1日1回または複数回局所的に適用してよい。ある実施態様では、本組成物は1日1〜4回局所的に適用してよい。例えば、1日1回で開始し、必要ならば、より多い頻度の適用に進むことは、1つの方法である。
ある実施態様では、本組成物は1日1〜6回、例えば、朝、正午、午後、および/または夕方に局所的に適用される。
しかし、いずれの特定の患者に対する具体的な投与レベルは、特定の有効薬剤の活性、患者の年齢、体重、全身の健康状態、性別、食事、投与時間、排出速度、考えられる併用薬物、治療中の特定の病態の重篤度、および投与の形態を含む多様な要因に応じて異なるであろうことが理解される。当業者ならそのような要因のばらつきを理解し、単なる通常の実験を用いて具体的な投与レベルを確立できるであろう。
生物学的利用能、吸収速度定数、見かけの分布容積、非結合率、総クリアランス、未変化体排泄率、初回通過代謝、消失速度定数、半減期、および平均滞留時間などの薬物動態パラメーターは、当該技術分野において周知である。
最適の製剤は、特定の成分および所望の投与量などの考慮事項に応じて、当業者によって決めることができる。例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th ed. (1990, Mack Publishing Co., Easton, PA 18042), pp. 1435-1712および"Harry's Cosmeticology", 8th ed. (2000, Chemical Publishing Co., Inc., New York, N.Y. 10016)を参照されたい。該参考文献各々の開示は本明細書における参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。そのような製剤は、物理的状態、安定性、生体内放出の速度、および生体内クリアランスの速度に影響を及ぼしうる。
特に、適用前に予混合または調合する必要なく、長期保存できる組成物を製剤する能力もまた企図される。具体的には、本組成物は予想外に、約3か月〜約3年、約3か月〜約2.5年、約3か月〜約2年、約3か月〜約20か月を含む期間、および代替的に約6か月〜約18か月のいずれの期間の保管において安定した状態を保つ。
よって、別の側面では、本発明は、掻痒の治療に使用するための2−(R)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−4−(S)−((8aS)−6−オキソ−ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−α]−ピラジン−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸[1−(R)−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−メチルアミドまたはその薬学的に許容可能な塩を含んでなる医薬組成物を提供する。
別の実施態様では、本発明は、掻痒の治療に使用するための2−(R)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−4−(S)−((8aS)−6−オキソ−ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−α]−ピラジン−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸[1−(R)−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−メチルアミドマレイン酸塩を含んでなる医薬組成物を提供する。
別の実施態様では、本発明は、掻痒の治療に使用するための2−(R)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−4−(S)−((8aS)−6−オキソ−ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−α]−ピラジン−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸[1−(R)−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−メチルアミドマレイン酸塩を無水結晶形(1型)として含んでなる医薬組成物を提供する。
別の実施態様では、本発明は、慢性掻痒の治療に使用するための2−(R)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−4−(S)−((8aS)−6−オキソ−ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−α]−ピラジン−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸[1−(R)−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−メチルアミドマレイン酸塩を含んでなる医薬組成物を提供する。
さらなる実施態様では、本発明は、慢性掻痒の治療に使用するための2−(R)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−4−(S)−((8aS)−6−オキソ−ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−α]−ピラジン−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸[1−(R)−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−メチルアミドまたはその薬学的に許容可能な塩を含んでなる医薬組成物を提供する。
別の実施態様では、本発明は、慢性掻痒の治療に使用するための2−(R)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−4−(S)−((8aS)−6−オキソ−ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−α]−ピラジン−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸[1−(R)−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−メチルアミドマレイン酸塩を無水結晶形(1型)として含んでなる医薬組成物を提供する。
別の実施態様では、本発明は、掻痒の治療に使用するための2−(R)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−4−(S)−((8aS)−6−オキソ−ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−α]−ピラジン−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸[1−(R)−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−メチルアミドマレイン酸塩を無水結晶形(1型)として含んでなる経口投与用医薬組成物を提供する。
別の実施態様では、本発明は、慢性掻痒の治療に使用するための2−(R)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−4−(S)−((8aS)−6−オキソ−ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−α]−ピラジン−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸[1−(R)−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−メチルアミドマレイン酸塩を無水結晶形(1型)として含んでなる経口投与用医薬組成物を提供する。
別の実施態様では、本発明は、掻痒の治療に使用するための2−(R)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−4−(S)−((8aS)−6−オキソ−ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−α]−ピラジン−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸[1−(R)−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−メチルアミドマレイン酸塩を含んでなる経口投与用医薬組成物を提供する。
別の実施態様では、本発明は、慢性掻痒の治療に使用するための2−(R)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−4−(S)−((8aS)−6−オキソ−ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−α]−ピラジン−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸[1−(R)−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−メチルアミドマレイン酸塩を含んでなる経口投与用医薬組成物を提供する。
別の実施態様では、本発明は、掻痒の治療に使用するための2−(R)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−4−(S)−((8aS)−6−オキソ−ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−α]−ピラジン−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸[1−(R)−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−メチルアミドマレイン酸塩を無水結晶形(1型)として含んでなる経口投与用医薬組成物を提供する。
別の実施態様では、本発明は、慢性掻痒の治療に使用するための2−(R)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−4−(S)−((8aS)−6−オキソ−ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−α]−ピラジン−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸[1−(R)−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−メチルアミドマレイン酸塩を無水結晶形(1型)として含んでなる経口投与用医薬組成物を提供する。
本発明にかかる化合物(I)またはその薬学的に許容可能な塩は、1つ以上の他の治療薬、例えば、皮膚軟化剤、プラモキシンなどの局所麻酔薬、経静脈免疫グロブリン、イブプロフェン、アスピリン、ジクロフェナク、およびテノキシカムなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、セレコキシブなどのシクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害剤、カプサイシンなどのTRPV−1チャネル作動薬などの一過性受容器電位(TRP)チャネル調節剤、PAC−14028などのTRPV−1チャネル拮抗薬、GRC15300などのTRPV−3チャネル拮抗薬、メントールおよびイシリンなどのTRPM−8チャネル活性化剤、カルバクロールなどのTRPA−1チャネル活性化剤、ならびにメントールおよびAP18などの阻害剤、「カイン」麻酔薬、例えば、リドカイン、ナルフラフィンなどのカッパ−オピオイド受容体作動薬、オピオイド受容体拮抗薬、例えば、ナルトレキソンおよびナルメフェン、オピオイド受容体逆作動薬、例えば、ナロキソン、ドキセピン、パロキセチン、フルボキサミン、セルトラリン、およびミルタザピンなどのモノアミンに基づく抗うつ薬、レナリドマイドおよびトラニラストなどの免疫および炎症反応抑制剤、GABA類似体、例えば、ガバペンチンおよびプレガバリン、GABA−A受容体調節剤、例えば、フェノバルビタール、オンダンセトロンなどの5HT−3拮抗薬、リファンピシンおよびロキシスロマイシンなどの抗生物質、胆汁酸、例えば、ウルソデオキシコール酸およびコレスチラミン、生薬、例えば、herose、カルシニューリン阻害剤、例えば、シクロスポリン、ピメクロリムス、およびタクロリムス、α2−アドレナリン作動薬、例えば、クロニジン、プロプラノロールなどのβ−アドレナリン拮抗薬、ヒスタミン−1(H1)受容体拮抗薬、例えば、アゼラスチン、フェキソフェナジン、ミゾラスチン、ロラタジン、およびセチリジン、ヒスタミン(H2)受容体拮抗薬、例えば、シメチジン、ヒスタミン−4(H4)受容体拮抗薬、例えば、JNJ−7777120、I型インターフェロン受容体(IFNAR1およびIFNAR2c)の作動薬、例えば、インターフェロンアルファおよびベータ、IFNガンマR1およびIFNガンマR2の複合体をもたらすII型インターフェロンガンマ受容体IFNガンマR1の作動薬、例えば、インターフェロン−ガンマ、内因性カンナビノイド調節剤、例えば、脂肪酸アミド加水分解酵素(FAAH)の阻害剤、デルタ9−テトラヒドロカンナビノールなどのカンナビノイド−1受容体作動薬、N−パルミトイルエタノールアミンなどのカンナビノイド−2受容体作動薬、肥満細胞脱顆粒阻害剤、例えば、クロモリン、エリスロポエチン受容体の作動薬、例えば、エリスロポエチン、Tリンパ球およびBリンパ球がその増殖の際に依存するグアノシンヌクレオチド合成を妨げるイノシン一リン酸脱水素酵素阻害剤、例えば、ミコフェノール酸モフェチル、グルココルチコイド抗炎症薬、例えば、プレドニゾロン、アルクロメタゾン、およびベタメタゾン、コルチコステロイド、例えば、ヒドロコルチゾン、アナボリックステロイド、例えば、スタノゾロール、腫瘍壊死因子(TNF)受容体の阻害剤、例えば、エタネルセプト、ロイコトリエン受容体拮抗薬、例えば、モンテルカストおよびザフィルルカスト、セリンプロテアーゼ阻害剤、例えば、ナファモスタットメシル酸塩およびカモスタットメシル酸塩;さらにまた例えば、チマーゼ阻害剤、例えば、SUN13834、プロテアーゼ活性化受容体2(PAR−2)の阻害剤、例えば、中和抗体およびPAR−2拮抗薬FSLLRY、神経成長因子(NGF)阻害剤およびNGF受容体複合体の阻害剤(トロポミオシン関連キナーゼA[TrkA]およびp75)例えば、TrkA阻害剤AG879およびK252a、ならびに抗−NGF抗体タネズマブ、アセチルコリン放出阻害剤、例えば、ボツリヌス毒素Aの放出阻害剤、TLR−7受容体の阻害剤、例えば、2’−O−メチル化修飾RNA、ガストリン放出ペプチド受容体の拮抗薬、例えば、RC−3095、インターロイキン−(IL)−31受容体複合体(IL−31受容体A(IL−31RA)とオンコスタチンM受容体[OSMRβ]のα−サブユニット)およびそのリガンドであるサイトカインIL−−31の阻害剤、例えば、IL−31抗体BMS−981164、II型T細胞上に発現する化学誘引物質受容体の拮抗薬(CRTH2)、例えば、ARRY−005、プロスタノイドDPI受容体作動薬、例えば、TS−022、ヤーヌスキナーゼ(JAK)1および2の阻害剤、例えば、ルキソリチニブ、ホスホジエステラーゼ−(PDE)−4阻害剤、例えば、アプレミラスト、NK−1および/もしくはNK−2もしくは/およびNK−3拮抗薬またはそれらの同系リガンドNK−AおよびNK−Bの阻害剤、SPの阻害剤、例えば、抗−SP抗体、ビタミンD3受容体の作動薬、例えば、カルシポトリオールと併用して有利に使用されうることを当業者なら理解するであろう。
1つの実施態様では、本発明は、掻痒の治療のための(a)2−(R)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−4−(S)−((8aS)−6−オキソ−ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−α]−ピラジン−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸[1−(R)−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−メチルアミドまたはその薬学的に許容可能な塩および(b)第二の原薬および随意に1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤を含む配合剤を提供する。
さらなる実施態様では、本発明は、掻痒の治療のための化合物(I)またはその薬学的に許容可能な塩と、H1受容体拮抗薬、H2受容体拮抗薬、H4受容体拮抗薬、ステロイド、TRPチャネル調節剤、オピオイド受容体作動薬または拮抗薬、カルシニューリン阻害剤、GABA類似体、ガストリン放出ペプチド受容体拮抗薬、プロテアーゼ活性化受容体2阻害剤、カンナビノイド受容体作動薬、神経成長因子(NGF)阻害剤およびNGF受容体複合体の阻害剤から選択される第二の原薬、ならびに随意に1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤との配合剤を提供する。
さらなる実施態様では、本発明は、掻痒の治療のための化合物(I)またはその薬学的に許容可能な塩と、H1受容体拮抗薬から選択される第二の原薬、および随意に1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤との配合剤を提供する。
化合物(I)またはその薬学的に許容可能な塩と併用して使用されうるH1受容体拮抗薬としては、限定されないが、アゼラスチン、フェキソフェナジン、ミゾラスチン、ロラタジン、およびセチリジンが挙げられる。
さらなる実施態様では、本発明は、掻痒の治療のための化合物(I)またはその薬学的に許容可能な塩と、H2受容体拮抗薬から選択される第二の原薬、および随意に1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤との配合剤を提供する。
化合物(I)またはその薬学的に許容可能な塩と併用して使用されうるH2受容体拮抗薬としては、限定されないが、シメチジンが挙げられる。
さらなる実施態様では、本発明は、掻痒の治療のための化合物(I)またはその薬学的に許容可能な塩と、H4受容体拮抗薬から選択される第二の原薬、および随意に1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤との配合剤を提供する。
化合物(I)またはその薬学的に許容可能な塩と併用して使用されうるH4受容体拮抗薬としては、限定されないが、JNJ−7777120が挙げられる。
さらなる実施態様では、本発明は、掻痒の治療のための化合物(I)またはその薬学的に許容可能な塩と、ステロイドから選択される第二の原薬、および随意に1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤との配合剤を提供する。
化合物(I)またはその薬学的に許容可能な塩と併用して使用されうるステロイドとしては、限定されないが、グルココルチコイド、例えば、プレドニゾロン、アルクロメタゾン、およびベタメタゾン、ならびにコルチコステロイド、例えば、ヒドロコルチゾンが挙げられる。
さらなる実施態様では、本発明は、掻痒の治療のための化合物(I)またはその薬学的に許容可能な塩と、TRPチャネル調節剤から選択される第二の原薬、および随意に1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤との配合剤を提供する。
化合物(I)またはその薬学的に許容可能な塩と併用して使用されうるTRPチャネル調節剤としては、限定されないが、カプサイシンなどのTRPV−1チャネル作動薬、PAC−14028などのTRPV−1チャネル拮抗薬、GRC15300などのTRPV−3チャネル拮抗薬、メントールおよびイシリンなどのTRPM−8チャネル活性化剤、カルバクロールなどのTRPA−1チャネル活性化剤またはメントールおよびAP18などの阻害剤が挙げられる。
さらなる実施態様では、本発明は、掻痒の治療のための化合物(I)またはその薬学的に許容可能な塩と、オピオイド受容体作動薬および拮抗薬から選択される第二の原薬、および随意に1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤との配合剤を提供する。
化合物(I)またはその薬学的に許容可能な塩と併用して使用されうるオピオイド受容体作動薬としては、限定されないが、ナルフラフィンおよびナロキソンが挙げられる。
化合物(I)またはその薬学的に許容可能な塩と併用して使用されうるオピオイド受容体拮抗薬としては、限定されないが、ナルトレキソンおよびナルメフェンが挙げられる。
さらなる実施態様では、本発明は、掻痒の治療のための化合物(I)またはその薬学的に許容可能な塩と、カルシニューリン阻害剤から選択される第二の原薬、および随意に1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤との配合剤を提供する。
化合物(I)またはその薬学的に許容可能な塩と併用して使用されうるカルシニューリン阻害剤としては、限定されないが、シクロスポリン、ピメクロリムス、およびタクロリムスが挙げられる。
さらなる実施態様では、本発明は、掻痒の治療のための化合物(I)またはその薬学的に許容可能な塩と、GABA類似体から選択される第二の原薬、および随意に1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤との配合剤を提供する。
化合物(I)またはその薬学的に許容可能な塩と併用して使用されうるGABA類似体としては、限定されないが、ガバペンチンおよびプレガバリンが挙げられる。
さらなる実施態様では、本発明は、掻痒の治療のための化合物(I)またはその薬学的に許容可能な塩と、ガストリン放出ペプチド受容体拮抗薬から選択される第二の原薬、および随意に1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤との配合剤を提供する。
化合物(I)またはその薬学的に許容可能な塩と併用して使用されうるガストリン放出ペプチド受容体拮抗薬としては、限定されないが、RC−3095が挙げられる。
さらなる実施態様では、本発明は、掻痒の治療のための化合物(I)またはその薬学的に許容可能な塩と、PAR−2阻害剤から選択される第二の原薬、および随意に1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤との配合剤を提供する。
化合物(I)またはその薬学的に許容可能な塩と併用して使用されうるPAR−2阻害剤としては、限定されないが、FSLLRYが挙げられる。
さらなる実施態様では、本発明は、掻痒の治療のための化合物(I)またはその薬学的に許容可能な塩と、カンナビノイド受容体作動薬から選択される第二の原薬、および随意に1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤との配合剤を提供する。
化合物(I)またはその薬学的に許容可能な塩と併用して使用されうるカンナビノイド受容体作動薬としては、限定されないが、デルタ9−テトラヒドロカンナビノールおよびN−パルミトイルエタノールアミンが挙げられる。
さらなる実施態様では、本発明は、掻痒の治療のための化合物(I)またはその薬学的に許容可能な塩と、NGF阻害剤およびNGF受容体複合体の阻害剤から選択される第二の原薬、および随意に1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤との配合剤を提供する。
化合物(I)またはその薬学的に許容可能な塩と併用して使用されうるNGF阻害剤およびNGF受容体複合体の阻害剤としては、限定されないが、AG879およびK252aが挙げられる。
さらなる実施態様では、本発明は、掻痒の治療のための化合物(I)またはその薬学的に許容可能な塩と、標的がん治療から選択される第二の原薬、および随意に1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤との配合剤を提供する。
さらなる実施態様では、本発明は、掻痒の治療のための化合物(I)またはその薬学的に許容可能な塩と、ホスファターゼ阻害剤である第二の原薬、および随意に1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤との配合剤を提供する。
化合物(I)またはその薬学的に許容可能な塩と併用して使用されうるホスファターゼ阻害剤としては、限定されないが、メナジオン(ビタミンK3)が挙げられる。
以下の例により、その範囲を限定することなく本発明を説明する。
薬理活性
前臨床研究
オルブピタントマレイン酸塩の止痒効果は、例えば、1つ以上の掻痒の動物モデルにおいて経時的に掻爬事象の回数を数えることによって評価できる。痒み反応の定量的測定は下記に記載のように行うことができる。
1)Tanaka A & Matsuda H. Evaluation of itch by using NC/NgaTnd mice: a model of human atopic dermatitis./ Biomed Biotechnol. (2010), 790436に記載されるようなNC/Nga皮膚炎マウスモデルでの掻爬行動の減少。
アトピー性皮膚炎を再現する特徴をもつ掻痒性皮膚炎表現型が、NC/Ngaマウスで自然発症的に起こる。または、塩化ピクリル(TNCBとも呼ばれる)などのハプテンの適用を繰り返すことによってこのマウス系統で誘発されうる。未処置イヌに対比して、1日1回用量の範囲でオルブピタントマレイン酸塩を処置したNC/Ngaに投与した。
2)Ueda Y et al. A new chronic itch model accompanied by skin lesions in hairless mice. Int Immunopharmacol (2006), 6(10) :1609-1615に記載されるようなハプテンによって誘発された掻痒性皮膚炎無毛マウスモデルでの掻爬の減少。
未処置マウスに対比して、1日1回用量の範囲でオルブピタントマレイン酸塩をTCNBのようなハプテンで処置した無毛マウスに投与して掻痒性皮膚炎を誘発した。
3) Bonneau S et al. Therapeutic efficacy of topical hydrocortisone aceponate in experimental flea-allergy dermatitis in dogs. Aust Vet J. (2009), 87(7) :287-291のようなノミによって誘発されたアレルギー性皮膚炎イヌモデルでの掻爬の減少
未処置イヌに対比して、1日1回用量の範囲でオルブピタントマレイン酸塩をノミによって誘発されたアレルギー性皮膚炎のイヌに投与した。
4)Fuchibe K et al. Delayed type allergic itch-associated response induced by toluene-2,4-diisocyanate in hairless mice. Pharmacol Sci. (2003), 93(l) :47-54に記載されるような、持続的な掻爬を示すトルエン−2,4−ジイソシアネート(TDI)によって誘発されるアレルギー性皮膚炎のマウスモデルでの掻爬行動の減少
未処置マウスに対比して、1日1回用量の範囲でオルブピタントマレイン酸塩をTDI)によって誘発されるアレルギー性皮膚炎のマウスに投与した。
5)特に、オルブピタントマレイン酸塩の止痒効果は、スナネズミにおけるGR73632によって誘発された掻爬行動で決定された。この方法によれば、掻爬行動はNK−1受容体の特異的作動薬であるGR73632によって誘発される。
材料
特に別途指定されない限り、実施例で使用される訳語は以下の通りである。
ANOVA 分散分析
cm センチメートル
DMSO ジメチルスルホキシド
g グラム
HCl 塩酸
HPMC ヒドロキシプロピルメチルセルロース
hr 時間
i.d. 皮内
mg/kg 動物1キログラム当たりの化合物のミリグラム
min 分
ml ミリリットル
ml/kg 動物1キログラム当たりの溶液のミリリットル
n 数
nmol ナノモル
p.o. 経口(per os)(経口(oral))
s 秒
s.c. 皮下注射
s.e.m. 平均標準誤差
v/v 容積に対する容積
w/v 容積に対する重量
ul マイクロリットル
動物
試験開始前10日間の最小限の馴化期間の後、72匹の雄スナネズミ(58〜78g)を、餌および水を自由に摂取可能にして、ホームケージ内の処置室に順応させた。
実験開始予定の前日に、肩甲骨の間1cm×1cmの正方形領域を剪毛して無毛にした。
GR73632を用いた掻爬行動の誘発の前に30分間、装置(特注の観察チャンバー;約30×30cm;観察当たり2匹の動物)の馴化を行った。
ビヒクルの調製
5mlのDMSOを95mlの0.5%HPMCに加えることによって、5%DMSO&95%HPMCを作製した。1.5gのHPMCを300mlの水に加えることによって、0.5%HPMCを作製した。
GR73632溶液の調製
1,305uLの食塩水に1mgのGR73632を溶かすことによって、GR73632の100nmolのストック液を作り、1305nmol/1305uL=100nmol/100uLの溶液を得た。
この溶液から、30nmolを1:3.33の希釈によって作った(例えば、1,050uLの100nmol:2,450uL食塩水=30nmol/100ul)。
GR73632(30nmol/100ul)の使用投与量は、初期投与量反応分析において顕著な掻爬反応を生みだすように決定した。
オルブピタントマレイン酸塩溶液の調製
オルブピタントマレイン酸塩の10mg/kgストック液を、20mgのオルブピタントマレイン酸塩1型を20mlのビヒクル(5%DMSO&95%HPMC(0.5%))に溶かすことによって作製した。
このストック液を段階希釈して、0.1、0.3、1.0、3.0、または10mg/kgのオルブピタントマレイン酸塩の投与量を調製した。
実験プロトコール
実験プロトコールを表1に報告する。
T=−60分で、オルブピタントマレイン酸塩(経口で0.1、0.3、1.0、3.0、または10mg/kg)をスナネズミに投与した。スナネズミをラテン方格法に基づいて投与群に割り当てた。30分後(T=−30分)、スナネズミを30分間馴化のために観察チャンバーに置いた。次に、T=0で、スナネズミの肩甲骨の間にGR73632(30nmol/100uL;皮内投与)を投与し、その後の後肢掻爬行動を30分間にわたってGeoVision監視ソフトウェアを使用して記録した。
表1
Figure 0006815728
結果
行動評価
掻爬行動を数えるのにビデオの再生を役立てた。スナネズミは大抵の場合、約1秒間持続する後足による素早い掻爬運動を数回示し、これを1回の動作(bout)として記録した。掻爬の累積頻度および時間(秒)を5分間の期間で記録した。処理群をラテン方格法に基づいて無作為に選んだ。
実験者は治療群に対しては知らされていなかった。
後肢掻爬の累積頻度の結果を表2および図1にまとめる。
後肢掻爬の累積期間の結果を表3および図2にまとめる。
統計解析
グラフパッドプリズムを使用する反復測定ANOVAに続く計画比較検定。(p<0.05を有意とみなした。)
各時点で治療群を対照群に比較することによってデータを分析した。
表2 後肢掻爬の累積頻度
Figure 0006815728
*p<0.05、**p<0.01、および***p<0.001 値は平均値±平均の標準誤差である。
表3 後肢掻爬の累積時間
Figure 0006815728
*p<0.05、**p<0.01、および***p<0.001
値は平均値±平均の標準誤差である。
上記結果は、オルブピタントが試験した全ての投与量(0.1〜10.0mg/kg)においてGR73632によって誘発された後肢掻爬の強い阻害を発揮したことを示している。
臨床試験
1.以前に結節性痒疹と診断された患者におけるオルブピタントの痒み緩和効果
アトピー素因をもち、結節性痒疹として現れるその原疾患に起因する二次的な掻爬病変に罹患する、多因子的な原因の慢性(>6週間)および重症(視覚的アナログ尺度(VAS)スコア≧7)の掻痒がある患者における6週間プラシーボ対照試験で、止痒剤としてのオルブピタントマレイン酸塩の有効性を評価する。試験化合物治療群とプラシーボの間の、VASスコアのベースラインからの変化の差として、有効性を評価した。第二の評価項目としては、不眠症およびうつ症状の評価と共にDermatology Quality of Life Index(DQLI)が挙げられるであろう。
VASは、’0=掻痒無しから’10=非常に重い掻痒の範囲に及ぶ、患者が評価する掻痒強度評点スケール(patient assessed pruritus intensity scoring scale)である。Reich A et al. Visual Analogue Scale: Evaluation of the Instrument for the Assessment of Pruritus. Acta Derm Venereol (2012), 92:497-501。DQLIは、患者クオリティ・オブ・ライフに対する治療の影響を評価する10問の検証済み質問票である。Finlay AY & Khan GK. Dermatology Life Quality Index (DLQI)-a simple practical measure for routine clinical use. Clin Exp Dermatol (1994), 19(3) :210-6。
臨床試験は、試験化合物の止痒効果に関する情報、急性期および長期維持双方、ならびに結節性掻爬病変に対する治癒効果の指標を提供する。
2.標的がん治療、例えば、EGFR阻害剤(EGFRi)または二重EGFRi/HER2阻害剤で治療中の患者におけるオルブピタントの痒み緩和効果
8週間二重盲検プラシーボ対照試験で、悪性固形腫瘍の診断を受け、次のEGFRi薬:セツキシマブ、パニツムマブ、エルロチニブ、もしくはゲフィチニブの1つ、または二重EGFRi−HER2阻害剤療法ラパチニブで治療中の対象において、止痒剤としてのオルブピタントマレイン酸塩の有効性を評価する。該薬は、ベースライン来院時数値的評価スケール(NRS)スコア≧7(そこでは、0=痒みなし、および10=考えられる最悪の痒み)と対象が報告することによって規定されるような強い掻痒症状を誘発する。
試験化合物治療群とプラシーボの間の、対象によって記録された主要評価項目でのNRSスコアのベースラインからの変化の差として、有効性を評価した。第二の評価項目としては、Skindex−16 Quality of Lifeスケールおよび不眠症状を評価するリーズ睡眠評価質問票(LSEQ)の両方でのベースラインからの変化が挙げられるであろう。
医薬組成物
オルブピタントマレイン酸塩1型は、必ずしも必要ないが通常は患者に投与する前に医薬組成物に製剤される。1つの側面では、本発明は、オルブピタントマレイン酸塩1型を含んでなる医薬組成物を対象とする。
オルブピタントマレイン酸塩1型の錠剤は、10mg、30mg、50mg、および60mgのオルブピタントを含有する白色からオフホワイト色のフィルムコーティングされた丸い錠剤として製剤され、該錠剤は経口投与用活性成分の即放性をもたらす。
錠剤の賦形剤および定量的組成物のリストを下の表4に報告する。
表4 オルブピタントマレイン酸塩1型錠剤の組成
Figure 0006815728
注:
1.オルブピタントとして10.0mgに相当
2.オルブピタントとして30.0mgに相当
3.オルブピタントとして50.0mgに相当
4.オルブピタントとして60.0mgに相当
5.加工中に除去された。最終製品には現れない。
オルブピタントマレイン酸塩錠剤、10mg、30mg、50mg、および60mgを、湿式造粒、乾式混合、錠剤圧縮、およびフィルムコーティング過程を用いて製造した。
原薬、乳糖一水和物、微結晶性セルロース、およびクロスカルメロースナトリウムをふるいにかけ、高速剪断力攪拌造粒機に約5分間乾燥混合した。造粒水を原薬、乳糖一水和物、微結晶性セルロース、およびクロスカルメロースナトリウム乾燥混合物に吹き付けた。湿った顆粒を約65℃にて流動層乾燥機で約45分間乾燥し(<2%LOD)、コニカルミル(スクリーンサイズ813μm)を用いて粉砕し、ビンブレンダーで乳糖一水和物、微結晶性セルロース、およびクロスカルメロースナトリウムに約20分間混合した。滑らかにするためにステアリン酸マグネシウムをビンブレンダーに加え、混合物を約3分間混合した。
混合物を好適な回転式錠剤圧縮機を使用して圧縮し、コーティングしていない錠剤を得た。オパドライ(商標)White OY−S−28876を、精製水および撹拌して調製したフィルムコーティング懸濁液とともに混合容器に詰めた。錠剤を好適なパンコーターでフィルムコーティングした(約3%の重量増加)。
上記の記載はその好ましい実施態様を含む本発明を全面的に開示する。本明細書に具体的に開示される実施態様の変更および改良は、後に続く請求項の範囲内である。これ以上の詳しい説明なしに、当業者は前述の記載を用いて本発明を最大限に利用できると考えられる。したがって、本明細書における実施例は、例示にすぎず、決して本発明の範囲を限定するものではないと解釈されるべきである。

Claims (4)

  1. 2−(R)−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−4−(S)−((8aS)−6−オキソ−ヘキサヒドロ−ピロロ[1,2−α]−ピラジン−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸[1−(R)−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−メチルアミド(オルブピタント)またはその薬学的に許容可能な塩を含んでなる、慢性の掻痒の治療のための経口投与用組成物であって、前記掻痒が、アトピー性皮膚炎/湿疹、乾癬、刺激性/接触皮膚炎、刺激性/接触性湿疹、蕁麻疹、乾燥肌、薬物有害反応、瘢痕、肛門そう痒症、陰嚢掻痒症、外陰掻痒症、または目に見えない皮膚疾患から選択される炎症性皮膚病に起因または併発する組成物。
  2. 前記炎症性皮膚病がアトピー性皮膚炎/湿疹または乾癬から選択される、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記オルブピタントの薬学的に許容可能な塩がマレイン酸塩である、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 前記オルブピタントマレイン酸塩が、無水結晶1型である、請求項3に記載の組成物。
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