JP2021168502A - スピーカ装置用振動板、及び、スピーカ装置用振動板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ヤング率が高く内部損失が大きいとともに長寿命化することができるスピーカ装置用振動板、及び、スピーカ装置用振動板の製造方法を提供すること。
【解決手段】第1バインダが第1層L1と第2層L2とに跨って設けられ、第2バインダが第3層L3と第2層L2とに跨っていることで、第1層L1と第2層L2とを確実に固定するとともに、第2層L2と第3層L3とを確実に固定することができる。さらに、第1層L1及び第3層L3のヤング率が高められていることで、第2層L2に適宜な第2繊維を用いて内部損失を大きくし、スピーカ装置用振動板1全体のヤング率を高くするとともに内部損失が大きくすることができる。
【選択図】図1
【解決手段】第1バインダが第1層L1と第2層L2とに跨って設けられ、第2バインダが第3層L3と第2層L2とに跨っていることで、第1層L1と第2層L2とを確実に固定するとともに、第2層L2と第3層L3とを確実に固定することができる。さらに、第1層L1及び第3層L3のヤング率が高められていることで、第2層L2に適宜な第2繊維を用いて内部損失を大きくし、スピーカ装置用振動板1全体のヤング率を高くするとともに内部損失が大きくすることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、スピーカ装置用振動板、及び、スピーカ装置用振動板の製造方法に関する。
一般に、スピーカ装置用振動板は、ヤング率が高く内部損失が大きいことが要求されるものの、一つの素材でこれらの特性を満足することは困難である。そこで、異なる素材を用いた複層構造のスピーカ装置用振動板が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された従来のスピーカ装置用振動板では、ヤング率の高い素材で一つの層を構成するとともに、内部損失の大きい素材で他の層を構成することで、振動板全体のヤング率が高くなるとともに内部損失が大きくなっている。
しかしながら、特許文献1に記載された従来のスピーカ装置用振動板では、各層を接着剤等によって接着する必要があるものの、経年劣化によって剥離してしまう可能性があり、寿命が短いという不都合があった。さらに、各層のヤング率の差が大きくなると、互いに異なる振幅で振動しようとし、剥離がより発生しやすくなる。
したがって、本発明の課題は、ヤング率が高く内部損失が大きいとともに長寿命化することができるスピーカ装置用振動板、及び、スピーカ装置用振動板の製造方法を提供することが一例として挙げられる。
前述した課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載の本発明のスピーカ装置用振動板は、第1繊維と第1バインダとが互いに絡み合った第1交絡体、及び、該第1交絡体中に分散された第1フィラーを有して構成された第1層と、第2繊維が絡み合った第2交絡体を有して構成された第2層と、第3繊維と第2バインダとが互いに絡み合った第3交絡体、及び、該第3交絡体中に分散された第2フィラーを有して構成された第3層と、が順に重ねられていることを特徴としている。
以下、本発明の実施形態を説明する。本発明の実施形態に係るスピーカ装置用振動板は、第1繊維と第1バインダとが互いに絡み合った第1交絡体、及び、該第1交絡体中に分散された第1フィラーを有して構成された第1層と、第2繊維が絡み合った第2交絡体を有して構成された第2層と、第3繊維と第2バインダとが互いに絡み合った第3交絡体、及び、該第3交絡体中に分散された第2フィラーを有して構成された第3層と、が順に重ねられていることを特徴とする。
第1層が第1バインダを備えることで、第1バインダが第2層の第2繊維と絡み合うことができ、第1層と第2層とを確実に固定することができる。また、第3層が第2バインダを備えることで、第2バインダが第2層の第2繊維と絡み合うことができ、第3層と第2層とを確実に固定することができる。このようにバインダと繊維とが絡み合って層同士が固定される構成は、接着剤を用いる構成と比較して、経年劣化によって剥離しにくく、長寿命化することができる。
さらに、第1層と第3層とがフィラーを有することで、ヤング率を高めることができ、第2層に適宜な第2繊維を用いることで、内部損失を大きくすることができ、振動板全体のヤング率を高くするとともに内部損失が大きくすることができる。また、ヤング率の高い第1層と第3層とが振動板の両面に形成されていることで、ヤング率の高い層が一面に形成される二層構造と比較して、振動板全体のヤング率を高くすることができ、間に挟まれる第2層においてより内部損失の大きい繊維を用いることができる。
前記第2層には、前記第1層から前記第1バインダが浸透した第1浸透層と、前記第3層から前記第2バインダが浸透した第2浸透層と、該第1浸透層と該第2浸透層との間の中間層と、が形成されていることが好ましい。それにより、第1浸透層によって第1層と第2層とを確実に固定することができるとともに、第2浸透層によって第3層と第2層とを確実に固定することができる。
前記第1浸透層と前記第2浸透層との厚さの和は、前記第2層の厚さの3%以上且つ20%以下であることが好ましい。それにより、各層同士を確実に固定するとともに、第2層の内部損失を確保することができる。一方、浸透層が薄すぎると、層同士を固定する力が弱くなってしまい、浸透層が厚すぎると、バインダによって浸透層のヤング率が高くなり、第2層の内部損失が小さくなってしまう。
前記第1浸透層と前記第2浸透層との厚さの和は、前記第2層の厚さの10%以下であることがさらに好ましい。それにより、第2層の内部損失を確保することができる。
前記第1浸透層及び前記第2浸透層のヤング率は、前記中間層のヤング率よりも高いことが好ましい。それにより、浸透層は中間層と第1層又は第3層との間のヤング率を有し、バッファとして機能することができる。即ち、中間層と第1層及び第3層とでヤング率の差が大きく振幅が大きく異なる場合でも、振幅の差を浸透層に吸収させることができる。
前記第2層のヤング率は、前記第1層及び前記第3層のヤング率よりも低いことが好ましい。それにより、第2層の内部損失を大きくすることができる。
前記第1浸透層及び前記第2浸透層の内部損失は、前記中間層の内部損失よりも小さいことが好ましい。それにより、浸透層のヤング率を高くしてバッファとして機能させることができる。
前記第2層の内部損失は、前記1層及び前記第3層の内部損失よりも大きいことが好ましい。それにより、第1層及び第3層のヤング率を高くするとともに第2層の内部損失を大きくすることができる。
前記第2層は、前記第1層及び前記第3層より厚く形成されていることが好ましい。それにより、第2層の内部損失を充分に大きくすることができる。
前記第1繊維と前記第3繊維とは、共通の繊維を含むことが好ましい。それにより、部材を共通化して低コスト化することができる。
前記第1繊維と前記第2繊維と前記第3繊維とは、共通の繊維を含むことが好ましい。それにより、部材を共通化して低コスト化することができる。
前記第1バインダと前記第2バインダとは、共通のバインダを含むことが好ましい。それにより、部材を共通化して低コスト化することができる。さらに、例えば加熱によって第1バインダ及び第2バインダを第2繊維に絡ませる際に、略同一の温度で同程度だけ絡ませることができ、各層間の固定力を容易に調節することができる。
前記第1フィラーと前記第2フィラーとは、共通のフィラーを含むことが好ましい。それにより、部材を共通化して低コスト化することができる。さらに、第1層と第3層との厚さを同程度とすれば、ヤング率を略同一とすることができ、第1層と第3層との振幅の差を小さくし、振動板全体を一体に振動させることができ、層同士の剥離をより確実に防ぐことができる。
順に重ねられた前記第1層と前記第2層と前記第3層とが、一対の金型によって厚さ方向から挟持されるとともに加熱及び加圧されて成形されていることが好ましい。それにより、各バインダを溶融させて第2層に浸透させ、第2繊維と絡ませることができる。
本発明の実施形態に係るスピーカ装置用振動板の製造方法は、前記スピーカ装置用振動板を製造する製造方法であって、前記第1交絡体及び該第1交絡体中に分散された第1フィラーを含む混合物と、前記第2交絡体と、前記第3交絡体及び該第3交絡体中に分散された第2フィラーを含む混合物と、を順に重ね、一対の金型によって厚さ方向から挟持して加熱及び加圧することを特徴とする。それにより、各バインダを溶融させて第2層に浸透させ、第2繊維と絡ませることができる。
以下、本発明の実施例について具体的に説明する。図1は、本発明の実施例に係るスピーカ装置用振動板1を示す断面図である。
スピーカ装置用振動板1は、全体がコーン型に形成されて図1中上下方向に振動可能に構成され、図1(B)に拡大して示すように、第1層L1と第2層L2と第3層L3とが上側から順に重ねられて構成されている。また、スピーカ装置用振動板1は、図1中上側を前方側とするとともに下側を後方側とし、後方側には例えばエンクロージャが設けられる。
第1層L1は、図示しない第1繊維と図示しない第1バインダとが互いに絡み合った第1交絡体2と、第1交絡体2中に分散された第1フィラー20と、を有して構成されている。
第2層L2は、図示しない第2繊維が絡み合った第2交絡体3を有して構成されている。また、第2層L2には、第1層L1から第1バインダが浸透した第1浸透層L21と、第3層L3から後述する第2バインダが浸透した第2浸透層L23と、第1浸透層L21と第2浸透層L23との間の中間層L22と、が形成されている。
第1浸透層L21において、第1バインダが第2繊維と絡み合い、第2浸透層L22において、第2バインダが第2繊維と絡み合っている。即ち、第1バインダが第1層L1と第2層L2とに跨って設けられ、第2バインダが第3層L3と第2層L2とに跨っている。
第3層L3は、図示しない第3繊維と図示しない第2バインダとが互いに絡み合った第3交絡体4と、第3交絡体4中に分散された第2フィラー40と、を有して構成されている。
第1〜第3繊維は、サルファイトパルプやクラフトパルプなどの木材パルプ繊維、竹やワラ等の非木材パルプ繊維や、レーヨン、ナイロン、ビニロン、ポリエステル、アクリル等で構成される化学繊維(合成繊維)、絹や羊毛などの動物繊維、マニラ麻や綿などの植物繊維、グラファイトなどで構成される有機繊維、シリコンカーバイト等で構成される無機繊維(ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維)、玄武岩等で構成される鉱物繊維等が例示される。また、第1〜第3繊維は、同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。
第1バインダ及び第2バインダは、第1繊維及び第3繊維を抄造する際の溶媒に分散するとともに、加熱によって溶融して第2繊維と絡み合うことができるものであればよく、第1バインダと第2バインダとが同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。バインダとしては、例えば、ホウ素を有するポリビニルアルコール系繊維が例示される。ホウ素を有するポリビニルアルコール系繊維としては、例えば、ホウ酸を有するポリビニルアルコール系樹脂や、ホウ素架橋を有するポリビニルアルコール系樹脂であればよい。
ホウ素架橋を有するポリビニルアルコール系樹脂は、例えば、ポリビニルアルコールにホウ酸、ホウ酸塩、ボロン酸などを添加することで、ホウ素による架橋構造を形成したものである。ここでのポリビニルアルコールは、ビニルアルコール単位を10モル%以上、好ましくは30モル%以上、さらに好ましくは50モル%以上含有する重合体であり、通常ビニルエステルやビニルエーテルの単独重合体や共重合体を加水分解(鹸化、加アルコール分解など)することによって得られる。ここで、ビニルエステルとしては酢酸ビニルが代表例として挙げられ、ギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バレイン酸ビニル、カプリン酸ビニル、安息香酸ビニル等であってもよい。ビニルエーテルとしてはt−ブチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテルなどが挙げられる。また、ここでのポリビニルアルコールは、下記の単量体単位を含んでいても良い。これらの単量体単位としては、エチレンを除くプロピレン、1−ブテン、イソブテンなどのオレフィン類;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸などの不飽和酸類あるいはその塩あるいは炭素数1〜18までのモノまたはジアルキルエステル類;アクリルアミド、炭素数1〜18のN−アルキルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、2−アクリルアミドプロパンスルホン酸あるいはその酸塩あるいはその4級塩などのアクリルアミド類;メタクリルアミド、炭素数1〜18のN−アルキルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、2−メタクリルアミドプロパンスルホン酸あるいはその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミンあるいはその酸塩あるいはその4級塩などのメタクリルアミド類;N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミドなどのN−ビニルアミド類;酢酸アリル、アリルアルコール、8−ヒドロキシ−1−オクテンなどのアリル化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル類、炭素数1〜18のアルキルビニルエーテル、アルコキシアルキルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;塩化ビニル、塩化ビニリデンなどフッ化ビニル、フッ化ビニリデンなどのハロゲン化ビニル類;ジメチルアリルアルコール、ビニルケトンなどが挙げられる。
スピーカ装置用振動板1の第1〜第3交絡体2、3、4は、後述する抄造法で得られる交絡体に限らず、ニードルパンチ法、ウォータージェット法、フラッシュ紡糸法などの方法で得られる交絡体(例:不織布)であってもよい。
第1フィラー20及び第2フィラー40は、各層に分散されることで強度を向上させる(即ち、ヤング率を高める)ものであって、マイカが例示され、第1フィラー20と第2フィラー40とが同一であってもよいし互いに異なっていてもよい。
上記の構成により、第1バインダが第1層L1と第2層L2とに跨って設けられ、第2バインダが第3層L3と第2層L2とに跨っていることで、第1層L1と第2層L2とを確実に固定するとともに、第2層L2と第3層L3とを確実に固定することができる。さらに、バインダと繊維とが絡み合っていることで、接着剤を用いる構成と比較して、経年劣化によって剥離しにくく、長寿命化することができる。
さらに、第1層L1及び第3層L3のヤング率が高められていることで、第2層L2に適宜な第2繊維を用いて内部損失を大きくし、スピーカ装置用振動板1全体のヤング率を高くするとともに内部損失が大きくすることができる。また、ヤング率の高い第1層L1と第3層L3とが前後の面に形成されていることで、ヤング率の高い層が一面に形成される二層構造と比較して、スピーカ装置用振動板1全体のヤング率を高くすることができ、間に挟まれる第2層L2においてより内部損失の大きい第2繊維を用いることができる。
次に、抄造法によってスピーカ装置用振動板1を製造する製造方法について説明する。まず、第1繊維と第1バインダと第1フィラー20とを適宜な溶媒(例えば水)に分散させた図示しない第1タンクと、第2繊維を適宜な溶媒に分散させた図示しない第2タンクと、第3繊維と第2バインダと第2フィラー40とを適宜な溶媒(例えば水)に分散させた図示しない第3タンクと、を用意する。なお、第1層L1と第3層L3とを同一の部材で構成する場合には、第1タンクのみ用意すればよい。
次に、図2に示すようなコーン形状(凸状)の網Mを第2タンク内に浸漬させて内側(図中上側)から吸引することで、外側に第2繊維を堆積させて第2交絡体3を抄造する。この網Mを第3タンクに浸漬させて内側から吸引することで、さらにその外側に第3繊維と第2バインダと第2フィラー40とを堆積させて第3交絡体4を形成する。図2(A)に示すように、網Mの外側を下側に向けて下金型D1に乗せ、その後、網Mを取り外す。
さらに、図示しない別の網を第1タンクに浸漬させて内側から吸引することで、外側に第1繊維と第1バインダと第1フィラー20とを堆積させて第1交絡体2を抄造する。この第1交絡体2を、図2(B)に示すように、第3交絡体4及び第2交絡体3のさらに上に乗せる。このように順に重ねられた第1交絡体2と第2交絡体3と第3交絡体4とを、図2(C)に示すように、一対の金型(上金型D2及び下金型D1)によって挟持し、加熱及び加圧する。このとき、加熱温度は、各バインダが溶融することができる温度であればよい。
以上のように一対の金型によって加熱及び加圧することで、第1〜第3層L1〜L3を形成するとともに、各バインダを溶融させることによって第2層L2に浸透させ、第2層L2に第1浸透層L21及び第2浸透層L22を形成する。このとき、上金型D2及び下金型D1には孔D21、D11が形成されており、加熱時に蒸発した溶媒を排出することができるようになっている。
次に、各部材の重量%、各層の厚さ、及び、特性について具体的に説明する。実施例1、2及び比較例1、2について表1〜3に示す。なお、表1は、第1層、第2層、及び、第3層それぞれの全体の重量を100とした際の各部材の重量%を示す。
〔振動板全体のヤング率について〕
実施例1の振動板は、第1浸透層と第2浸透層と厚さの和が第2層の厚さの15.7%であり、実施例2の振動板は、第1浸透層と第2浸透層と厚さの和が第2層の厚さの4.3%であり、比較例1の振動板は、第1浸透層と第2浸透層と厚さの和が第2層の厚さの21.1%であり、これらの振動板のヤング率は、7.2×109N/mm2以上という良好な値となった。一方、比較例2の振動板では、第1浸透層と第2浸透層と厚さの和が第2層の厚さの2.9%であり、ヤング率が2.5×109N/mm2という低い値となった。即ち、浸透層が厚くなるほど振動板全体のヤング率を向上させることができ、浸透層が薄いとヤング率が低下してしまう。
実施例1の振動板は、第1浸透層と第2浸透層と厚さの和が第2層の厚さの15.7%であり、実施例2の振動板は、第1浸透層と第2浸透層と厚さの和が第2層の厚さの4.3%であり、比較例1の振動板は、第1浸透層と第2浸透層と厚さの和が第2層の厚さの21.1%であり、これらの振動板のヤング率は、7.2×109N/mm2以上という良好な値となった。一方、比較例2の振動板では、第1浸透層と第2浸透層と厚さの和が第2層の厚さの2.9%であり、ヤング率が2.5×109N/mm2という低い値となった。即ち、浸透層が厚くなるほど振動板全体のヤング率を向上させることができ、浸透層が薄いとヤング率が低下してしまう。
〔振動板全体の内部損失について〕
実施例1、2の振動板の内部損失は、0.034以上という良好な値となった。一方、比較例1の振動板の内部損失は0.022、比較例2の振動板の内部損失は0.028という低い値となった。即ち、浸透層が適宜な厚さを有する場合に良好な内部損失が得られ、比較例1のように浸透層が厚いと振動板全体の内部損失が低下してしまい、比較例2のように浸透層が薄くても内部損失は低下してしまう。
実施例1、2の振動板の内部損失は、0.034以上という良好な値となった。一方、比較例1の振動板の内部損失は0.022、比較例2の振動板の内部損失は0.028という低い値となった。即ち、浸透層が適宜な厚さを有する場合に良好な内部損失が得られ、比較例1のように浸透層が厚いと振動板全体の内部損失が低下してしまい、比較例2のように浸透層が薄くても内部損失は低下してしまう。
〔層間の固定力について〕
実施例1、2及び比較例1の振動板では、各層同士を固定するための充分な固定力が得られ、一方、比較例2の振動板では、固定力が不十分となった。即ち、浸透層が厚いと充分な固定力を得ることができ、浸透層が薄いと固定力が不足してしまう。
実施例1、2及び比較例1の振動板では、各層同士を固定するための充分な固定力が得られ、一方、比較例2の振動板では、固定力が不十分となった。即ち、浸透層が厚いと充分な固定力を得ることができ、浸透層が薄いと固定力が不足してしまう。
なお、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、本発明の目的が達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、一つの網で第2交絡体3及び第1交絡体2を抄造し、別の網で第3交絡体4を抄造して重ね合わせるものとしたが、一つの網で三つの交絡体を抄造してもよいし、三つの網でそれぞれ抄造した交絡体を重ね合わせてもよい。
また、前記実施例1、2において、各部材の重量%及び各層の厚さを例示したが、スピーカ装置用振動板全体のヤング率が高くなるとともに内部損失が大きくなるように、材質が適宜に選択されるとともに、各部材の重量%や各層の厚さが適宜に設定されればよい。
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、且つ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部、もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
1 スピーカ装置用振動板
2 第1交絡体
3 第2交絡体
4 第3交絡体
20 第1フィラー
40 第2フィラー
L1 第1層
L2 第2層
L3 第3層
L21 第1浸透層
L22 中間層
L23 第2浸透層
D1 下金型(一対の金型)
D2 上金型(一対の金型)
2 第1交絡体
3 第2交絡体
4 第3交絡体
20 第1フィラー
40 第2フィラー
L1 第1層
L2 第2層
L3 第3層
L21 第1浸透層
L22 中間層
L23 第2浸透層
D1 下金型(一対の金型)
D2 上金型(一対の金型)
Claims (1)
- 第1繊維と第1バインダとが互いに絡み合った第1交絡体、及び、該第1交絡体中に分散された第1フィラーを有して構成された第1層と、
第2繊維が絡み合った第2交絡体を有して構成された第2層と、
第3繊維と第2バインダとが互いに絡み合った第3交絡体、及び、該第3交絡体中に分散された第2フィラーを有して構成された第3層と、が順に重ねられていることを特徴とするスピーカ装置用振動板。
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