JP2021166470A - ビブリオ属細菌の培地 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、ビブリオ属細菌の培養において、従来用いられてきた培地よりも、倍加時間が短く、且つ、到達生菌密度を高めることができる培地を提供することを目的とする。【解決手段】本発明のビブリオ属細菌を培養するための培地は、リン酸イオン換算濃度が8.8〜266mMであるリン(P)を含むことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、ビブリオ属細菌の培地に関する。
微生物を用いて有用物質を大量生産する場合、使用する微生物は、短時間に大量に増殖する能力をもつことが望ましい。ビブリオ(Vibrio)属細菌は増殖速度が速いものが多く、中でもビブリオ・ナトリージェンス(Vibrio natriegens)の倍加速度は、一般的に物質発酵生産に利用される大腸菌よりも速いことが知られている(非特許文献1、2)。したがって、Vibrio natriegens等のビブリオ属細菌は、大腸菌に代わる新たな有用物質の生産宿主として期待されている。
一方で、有用物質の生産性を高めるためには、ビブリオを効率よく培養する必要がある。これまでビブリオ属細菌の培地として、一般的な微生物発酵用培地(特許文献1)を用いることが知られている。また、微生物研究に広く用いられている天然培地若しくは最少培地に海水若しくは塩化ナトリウムを添加した培地(非特許文献1、2)を用いることも知られている。
しかしながら、ビブリオ属細菌の培地の組成は必ずしも最適化されていないのが現状である。ビブリオ属細菌の生育特性を十分に発揮させるためには、ビブリオ属細菌に最適な培養方法、とりわけ培養培地の開発が必要である。
特開2012−196144号公報
Henry H.Lee et al., "Vibrio natriegens, a new genomic powerhouse." bioRxiv preprintfirst posted online Jun. 12, 2016 (https://www.biorxiv.org/content/biorxiv/early/2016/06/12/058487.full.pdf) MatthewT Weinstock et al., "Vibrio natriegens as a fast-growing host for molecularbiology." Nature Methods 13, 849-851 (2016)
本発明は、ビブリオ属細菌の培養において、従来用いられてきた培地よりも、倍加時間が短く、且つ、到達生菌密度を高めることができる培地を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来技術の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ビブリオ属細菌の増殖は、培地中のリン(P)濃度によって影響され、そして、所定のリン(P)濃度を有する培地でビブリオ属細菌を培養することでビブリオ属細菌の増殖が促進されたことを見出した。
すなわち、本発明は、例えば、以下の各発明に関する。
[1]
リン酸イオン換算濃度が8.8〜266mMであるリン(P)を含むことを特徴とする、ビブリオ属細菌を培養するための培地。
[2]
上記ビブリオ属細菌がビブリオ・ナトリージェンス(Vibrio natriegens)である、[1]の培地。
[3]
リン酸イオン換算濃度が8.8〜79.8mMであるリン(P)を含む、[1]又は[2]の培地。
[4]
上記リンがリン酸イオンである、[1]〜[3]のいずれかの培地。
[5]
上記リンがアルカリ金属リン酸塩に由来する、[1]〜[4]のいずれかの培地。
[6]
上記培地が無機物質を含む、[1]〜[5]のいずれかの培地。
[7]
上記培地が少なくとも一種類のビタミン類を含む、[1]〜[6]のいずれかの培地。
[8]
[1]〜[7]のいずれかの培地を用いて、ビブリオ属細菌を培養することを含む、ビブリオ属細菌の培養方法。
[9]
[1]〜[7]のいずれかの培地を用いて、ビブリオ属細菌を培養することを含む、微生物製剤の製造方法。
[10]
上記ビブリオ属細菌がビブリオ・ナトリージェンス(Vibrio natriegens)である、[9]の微生物製剤の製造方法。
培地に所定濃度のリン(P)を添加することによって、ビブリオ属細菌の培養における生育特性を向上させることができる。それによって、ビブリオ属細菌の培養時間を短縮でき、かつ、菌体をより増殖することができる。
Vn培地1〜3を用いたV.natriegensの増殖曲線(実施例1)を示す。 Vn培地3〜5を用いたV.natriegensの増殖曲線(実施例2)を示す。 Vn培地6〜10を用いたV.natriegensの増殖曲線(実施例3)を示す。 Vn培地11〜13を用いたV.natriegensの増殖曲線(実施例4)を示す。 Vn培地14〜16を用いたV.natriegensの増殖曲線(実施例5)を示す。 Ec培地1〜3を用いたE.coliの増殖曲線(比較例1)を示す。
<培地>
本発明のビブリオ属細菌を培養するための培地(以下、場合によって「ビブリオ属細菌の培養用培地」という)の一実施形態は、リン酸イオン換算濃度が7.4〜220mMであるリン(P)を含む培地であり、液体培地であってもよく、固体培地であってもよい。
本実施形態において、リン(P)は元素のリン(燐)を指し、リンを含むリン源として無機リン化合物及び有機リン化合物が挙げられる。
無機リン化合物としては、リン酸塩が好適に用いられる。例えば、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属のリン酸塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属のリン酸塩、リン酸アンモニウム塩が挙げられ、リン源がアルカリ金属リン酸塩であることが好ましい。リン酸ナトリウム塩としては、例えば、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、テトラポリリン酸ナトリウム、ペンタポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、ウルトラポリンが挙げられる。リン酸カリウム塩としては、例えば、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウムが挙げられる。リン酸カルシウム塩としては、例えば、リン酸カルシウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム一水和物、リン酸水素カルシウム、リン酸水素カルシウム二水和物、リン酸三カルシウム、リン酸八カルシウム、水酸アパタイト、フッ素アパタイト、塩素アパタイト、炭酸アパタイトが挙げられる。リン酸マグネシウム塩としては、例えば、リン酸一マグネシウム、リン酸二マグネシウム、リン酸三マグネシウム、ピロリン酸マグネシウム、メタリン酸マグネシウムが挙げられる。リン酸アンモニウム塩としては、例えば、リン酸一アンモニウム、リン酸二アンモニウムが挙げられる。
リン酸塩は一般的には液体培地中において、強塩基性条件ではリン酸イオン(PO 3−)として、弱塩基性条件ではリン酸水素イオン(HPO 2−)として、弱酸性条件ではリン酸二水素イオン(HPO )として存在し、そして、強酸性条件では遊離リン酸(HPO)として存在する。リン酸塩はまた、重合化したリン酸イオンとして存在し得る。例えば、二リン酸又はピロリン酸(P 4−)、三リン酸(P10 5−)等が挙げられる。培地中のリンがリン酸イオンであることが好ましい。
有機リン化合物としては、リン酸が結合された(リン酸基を有する)生体分子が挙げられる。例えば、糖リン酸、及びヌクレオチドリン酸等が挙げられる。具体的に、例えば、アデノシン三リン酸(ATP)、グアノシン三リン酸(GTP)、シチジン三リン酸(CTP)、5−メチルウリジン三リン酸(mUTP)、ウリジン三リン酸(UTP)、デオキシアデノシン三リン酸(dATP)、デオキシグアノシン三リン酸(dGTP)、デオキシシチジン三リン酸(dCTP)、デオキシチミジン三リン酸(dTTP)、デオキシウリジン三リン酸等のヌクレオシド三リン酸が挙げられる。他に、ADP等のヌクレオシド二リン酸、AMP等のヌクレオシド一リン酸も挙げられる。例えば、ATPがADP、あるいはADPがAMPになる際にリン酸イオンが形成され放出される。他のヌクレオシド三リン酸やヌクレオシド二リン酸でも同様である。リン酸が結合された生体分子としてはまた、リン酸基を介したフォスフォジエステル結合がヌクレオチド分子同士を連結しているDNA又はRNA等の核酸も挙げられる。リン酸とグリセロールから誘導されたリン酸エステルで、グリセロリン脂質の構成要素の一つであるグリセロール3−リン酸も挙げられる。
有機リン化合物源としては、ペプトン類、エキス類、細胞残渣、浸出液等が挙げられるが、エキス類が好ましく用いられる。
本実施形態の培地において、リンを含むリン源は1種類であってもよく、2種類以上のリン源を任意の比率で混合してもよい。培地中のリン濃度(P濃度)は、リン酸イオン換算濃度で8.8〜266.0mMであってよく、好ましくは8.8〜132.7mM、若しくは8.8〜79.8mM程度、より好ましくは8.8〜43.9mM程度、さらに好ましくは10〜40mM、10〜35mM、12〜30mM、若しくは15〜25mM程度である。培養開始時のリンの好ましい初発濃度は上記のとおりであるが、培養中のリンの消費に応じて、適宜にリン源を添加してもよい。ここで、リン酸イオン換算濃度とは、単位液体培地(中に存在するリン原子を「リン酸イオン(PO 3−)」に換算したモル濃度である。リン酸イオン濃度の測定は、Cedex Bio HT(Roche社、製品番号632−25841)で、Phosphate Bio(Roche社、製品番号636−31471)を用いて測定することができる。
ビブリオ属細菌の培養用培地としては、ビブリオが生育できる培地であり、かつ、P濃度が上記範囲内であれば、組成に関して特に制限されないが、例えば、ビブリオが資化し得る炭素源、窒素源及び無機塩類(ミネラル)等の一般的な細菌を培養するための培地成分を含有する、天然培地又は合成培地であってよい。
炭素源としては、グルコース、シュクロース、ラクトース、ガラクトース、フラクトースやでんぷんの加水分解物等の糖類、グリセロール、ソルビトール等のアルコール類、フマール酸、クエン酸、コハク酸等の有機酸類が挙げられる。
炭素源としては、1種類であってもよく、2種類以上の炭素源を任意の比率で混合してもよい。培地における炭素源の濃度は、0.1w/v%〜50w/v%程度、好ましくは0.5w/v%〜40w/v%程度、より好ましくは1w/v%〜30w/v%程度、特に好ましくは5w/v%〜20w/v%程度であってよい。本実施形態において、炭素源としてグリセロール又はグルコースを用いることが好ましく、グリセロール又はグルコースと他の炭素源とを任意の比率で混合してもよい。炭素源中のグリセロール又はグルコースの比率は、好ましくは10重量%以上、より好ましくは50重量%以上、特に好ましくは70重量%以上であることが望ましい。培養開始時の炭素源の好ましい初発濃度は上記のとおりであるが、培養中の炭素源の消費に応じて、炭素源を適宜に添加してもよい。
窒素源としては、硝酸塩、アンモニウム塩、アンモニアガス、アンモニア水等の無機窒素塩、アミノ酸、ペプトン、エキス類、コーンスターチ製造工業における副産物であるコーンスティープリカー(CSL)等の有機窒素源が挙げられる。ペプトン類としては、カゼインペプトン、獣肉ペプトン、心筋ペプトン、ゼラチンペプトン、又は大豆ペプトン等が挙げられる。エキス類としては、肉エキス、酵母エキス、心臓浸出液(ハートインフュージョン)等が挙げられる。アミノ酸又はペプチドを含む窒素源としては、より低分子のペプチド及びアミノ酸の含有量が高いほうが好ましい。コーンスティープリカーは、窒素源である一方、リンも含むためリン源でもある。窒素源は、高濃度で使用すると、コストの上昇になり、また廃液処理の負担が上がる。
無機塩類(ミネラル)としては、リン(P)の他に、イオウ(S)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、鉄(Fe)、ナトリウム(Na)等が挙げられる。
培地には、ビタミン類、成長因子等の微量成分も含んでよい。ビタミン類としては、ビオチン、塩化コリン、シアノコバラミン、葉酸、イノシトール、ニコチン酸、4−アミノ安息香酸、パントテン酸、ピリドキシン、リボフラビン、チアンミン、チムジン等が挙げられる。ビタミン類の源としては、麦芽エキス、ポテトエキス、トマトジュース等の各種エキスが挙げられ、成長因子の源としては、例えば酵母エキスが挙げられる。
用いられる培地としては、肉汁培地、肉汁ゼラチン培地、硝酸塩培地、牛乳培地、コーンミール培地、MR−VP培地、トマトジュース培地、TSI培地、SIM培地、グルコース−ブイヨン培地、YM培地、Lennox培地(L培地)、LB培地等が挙げられる。これらの培地のP濃度を、各種リン源を用いてリン酸イオン換算濃度で8.8〜266mMに調整すればよい。
無機物質を主成分とする合成培地の場合は、リンのリン酸イオン換算濃度は8.8〜79.8mM程度が好ましく、8.8〜70mM、8.8〜60mM、8.8〜50mM、若しくは8.8〜40mM程度がより好ましく、8.8〜30mM、若しくは8.8〜20mM程度がさらに好ましい。合成培地は、例えば、カリウムイオン、ナトリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、鉄イオン、アンモニウム等の陽イオン、リン酸イオン、硫酸イオン、塩酸イオン等の陰イオンを含んでよく、必要に応じてグルコース等の糖類、さらに、ビタミン類を含んでもよい。具体的には、10mM KHPO、2.5mM NaCl、2mM MgSO・7HO、0.7mM CaCl、9μM FeSO・7HO、4mM (NHSO、10mM グルコースを含む培地、6g/L NaHPO、3g/L KHPO、0.5g/L NaCl、6g/L グルコース、1mM MgCl、及び0.04% Thiamine−HClを含む培地、或いは、16g/L NaHPO・12HO、3g/L KHPO、0.5g/L NaCl、1g/L NHCl、246.48mg/L MgSO・7HO、及び2g/L グルコースを含む培地、或いは7g/L KHPO4、3g/L KHPO4、1g/L (NHSO4、0.1g/L MgSO・7HO、2g/L グルコース、及び30μg/mLチアミンを含む培地が挙げられる。
培地のpHはビブリオ属細菌の種類によって変えることが可能であり、通常、5.0〜9.0とすることが好ましい。また、必要に応じてアンピシリンやテトラサイクリン等の抗生物質を培地に添加してもよい。プロモータとして誘導性のものを用いた発現ベクターで形質転換されたビブリオ属細菌を培養する場合は、必要に応じてインデューサを培地に添加してもよい。
<ビブリオ属細菌>
本発明の一実施形態におけるビブリオ属(Vibrio)細菌は、γ−プロピオバクテリアのVibrionanceae科に属するグラム陰性の通性嫌気性菌で、極在性の鞭毛1本を持って運動し、淡水や海水に見られる細菌である。本発明で用いるビブリオ属細菌は、非病原性のものが望ましく、病原性が知られていないビブリオ細菌は、Biosafety level 1(Office of Health and Safety (OHS)発行のBiosafety in Microbiological and Biomedical Laboratories(BMBL) 4th Edition)に挙げられており、以下のようなビブリオ属細菌が利用できる。
Vibrio abalonicus ATCC27390
Vibrio adaptatus ATCC19263
Vibrio aerogenes ATCC700797
Vibrio aestuarianus ATCC35048
Vibrio alginolyticus ATCC14582
Vibrio algosus ATCC14390
Vibrio anguillarum ATCC43305
Vibrio calviensis ATCC BAA−606
Vibrio campbellii ATCC25920
Vibrio carchariae ATCC35084
Vibrio coralliilyticus ATCC BAA−450
Vibrio costicola ATCC43147
Vibrio cyclitrophicus ATCC700982
Vibrio cyclosites ATCC14635
Vibrio diazotrophicus ATCC33466
Vibrio fischeri ATCC25918
Vibrio gazogenes ATCC29988
Vibrio halioticoli ATCC700680
Vibrio harveyi ATCC14126
Vibrio hispanica ATCC51589
Vibrio ichthyoenteri ATCC700023
Vibrio iliopiscarius ATCC51760
Vibrio lentus ATCC BAA−539
Vibrio liquefaciens ATCC17058
Vibrio logei ATCC15382
Vibrio marinagilis ATCC14398
Vibrio marinofulvus ATCC14395
Vibrio marinovulgaris ATCC14394
Vibrio mediterranei ATCC43341
Vibrio metschnikovii ATCC7708
Vibrio mytili ATCC51288
Vibrio natriegens ATCC14048
Vibrio navarrensis ATCC51183
Vibrio nereis ATCC25917
Vibrio nigripulchritudo ATCC27043
Vibrio ordalii ATCC33509
Vibrio orientalis ATCC33933
Vibrio pectenicida ATCC700783
Vibrio pelagius ATCC33504
Vibrio penaeicida ATCC51841
Vibrio ponticus ATCC14391
Vibrio proteolyticus ATCC53559
Vibrio psychroerythrus ATCC27364
Vibrio salmonicida ATCC43839
Vibrio shiloii ATCC BAA−91
Vibrio splendidus ATCC33125
Vibrio tyrosinaticus ATCC19378
Vibrio viscosus ATCC BAA−105
Vibrio wodanis ATCC BAA−104
Beneckea pelagia ATCC25916
Listonella anguillarum ATCC19264
また、Beneckea pelagia、Listonella anguillarumはビブリオ属細菌と近縁であり、ビブリオ属細菌に分類されるものもある(Thompson,F.L.et al.(2004) Microbiol.Mol.Biol.Rev.,23,403−431及びMacian,M.C.et al.(2000) Syst.Appl.Microbiol.,23,373−375.)。したがって、このような細菌も本発明におけるビブリオ属細菌として、本発明の培地を用いて培養することができる。
ビブリオ属細菌としては、ビブリオ・ナトリージェンス(Vibrio natriegens)を用いることが好ましい。ビブリオ・ナトリージェンスは、γ−プロピオバクテリアのVibrionanceae科に属する海洋性の通性嫌気性細菌であり、1958年にウロン酸酸化細菌として分離された(Payne,W.J.(1958) J.Bacteriology,76,301)。当初は同じγ−プロピオバクテリアのシュードモナス(Psuedomonas)に属するとされていたが、ベネケア(Beneckea)属に再分類された後、他のベネケア属と同様にビブリオ属に編入された。ATCCではBiosafety level 1に分類されており、DSMZ(the German National Resource Centre for Biological Material)でも、Risk Group 1(German classification))に分類されており、病原性は知られていない。ビブリオ・ナトリージェンスとしては、ビブリオ・ナトリージェンスNBRC15636株(ATCC 14048株)が挙げられる。
本実施形態におけるビブリオ属細菌は野生型であってもよく形質転換体であってもよい。形質転換体は、一般的に遺伝子工学的手法によって得ることができ、例えば目的成分をコードする核酸を有するベクターをビブリオ属細菌株に導入することによって得ることができる。また、各種育種技術により得られた変異株であってもよい。さらに、遺伝子工学的手法により得られた、遺伝子の挿入株や破壊株であってもよい。
<培養方法>
ビブリオ属細菌の培養方法は、上記培地を用いてビブリオ属細菌を培養することを含む。培養温度は、例えば、15〜40℃であってよく、特に好ましくは30〜42℃で通気培養を行うことが好ましい。培地のpHは5.0〜9.0に保持することが好ましい。培養液のpHは、無機酸、有機酸、アルカリ溶液、尿素、炭酸カルシウム及びアンモニア等を用いて調整することができる。酸素は、振とう、通気及び撹拌等の方法によって供給され、溶存酸素濃度を1〜50%に調節するのが好ましい。酸素濃度の調節は、振とう速度、通気量又は攪拌数等の設定によって行う。圧力制御が可能な容器であれば、加圧で溶存酸素濃度を調節するもできる。
<微生物製剤の製造方法>
本発明の一実施形態の微生物製剤の製造方法は、上記培地を用いてビブリオ属細菌を培養することを含む。所望の成分が産生される条件でビブリオ属細菌培養し、所望の成分を産生させ、該成分を回収し、必要に応じて精製することで微生物製剤を製造できる。
ビブリオ属細菌が産生する成分は、野生型のビブリオ属細菌が産生する成分であってもよく、遺伝子工学によって得られたビブリオ属細菌によって産生される成分であってもよい。
遺伝子工学によって得られたビブリオ属細菌としては、例えば所望の成分を産生する形質転換体が挙げられる。形質転換体が産生する成分としては、例えば構造タンパク質、例えばフィブロインが挙げられ、これらをコードする核酸によってビブリオ属細菌を形質転換することのよって、形質転換体が得られる。形質転換体と宿主としては、特に「ビブリオ・ナトリージェンス(Vibrio natriegens)が好ましくは用いられる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する。
実施例で用いたビブリオ属細菌は、ビブリオ・ナトリージェンス(V.natriegens)NBRC15636であり、これを培養するための培地の組成は表1〜6にします。比較例で用いた大腸菌(E.coli)を培養するための培地の組成は表7に示す。ここで用いた無機化合物は全て和光純薬工業株式会社より購入し、酵母エキス(Yeast extract)及びトリプトン(Trypton)はBD Biosciences社より購入した。
<実施例1>
V.natriegensを表1に示すシード培地LBv2で一晩ダブルアクションラボシェイカーSSR−2(アズワン社、製品番号1−226−01)を用いて、室温、200rpmで振とう培養した。一晩培養した培養液の5μLをそれぞれ5mLの表2に示すVn培地1〜3に植菌した。小型振盪培養装置(ADVANTEC社、製品番号TVS062CA)を用いて、37℃、60rpmで振とう培養し、660nmにおける濁度(OD660)を5分間隔で測定した。
Figure 2021166470

Figure 2021166470
結果を図1に示す。V.natriegensの増殖が、P濃度がVn培地1より低いVn培地2及びVn培地3では、より速くなり、最終OD660はP濃度が一番低いVn培地3(P濃度:43.9mM)で最大となった。
<実施例2>
より低いP濃度を検討するため、実施例1と同様に、Vn培地3と、P濃度がより低いVn培地4〜5(表3)との比較を行った。その結果を図2に示す。P濃度がより低いVn培地4及び5を用いた培養では、V.natriegensの増殖速度及び最終OD660は、Vn培地3を用いた場合に比べ、著しく増加した。
Figure 2021166470
<実施例3>
Vn培地の作製にKHPOを使用しているために、P濃度を下げる際に、カリウム濃度も減少する。そこで、得られた効果がP濃度の低下に起因するのか、あるいは、カリウム濃度の低下に起因するのか、あるいは両濃度の低下に起因するのかを確認した。
培地作製の際に、KHPOの代わりに、KClとNaHPOを用いることで、カリウムイオン濃度とP濃度を独立に調整し、Vn培地6〜10(表4)を作製した。これらの培地を使用して、実施例1と同様の方法で培養し、濁度を測定した。
Figure 2021166470
結果を図3に示す。カリウムイオン濃度のみを下げたVn培地9及び10で、Vn培地6と比べて、到達OD660及び比増殖速度に顕著な差は見られなかった。これに対し、P濃度のみを下げたVn培地7及び8では、Vn培地6と比べて、最終OD660及び増殖速度の顕著な増加が見られた。この結果からP濃度がV.natriegensの最終OD660及び増殖速度の増加に重要であると考えられる。
<実施例4>
次に、ビブリオ属細菌の培養に広く使用され、リン(P)を含まない培地であるVn培地11(特許文献2)にPを添加し、Vn培地12及び13(表5)を作製し、V.natriegensの生育に与える影響を調べた(図4)。
Figure 2021166470
結果を図4に示す。Pが含まれるVn培地12及び13での増殖速度は、Pが含まれないVn培地11に比べ、増加した。最終OD660については、17.8mMのVn培地13で著しい増加が見られた。
<実施例5>
続いて、合成培地であるVn培地14〜16(表6)におけるP濃度による影響を調べた。結果を図5に示す。V.natriegensの最終OD660及び増殖速度は、P濃度の低下により、著しく増加した。
Figure 2021166470
<比較例1>
大腸菌(E.coli)においてもP濃度による増殖への影響を調べた。E.coli BL21(DE3)(Novagen)をLB培地で37℃、200rpmで一晩振とう培養した。一晩培養した培養液の5μLを5mLのEc培地1〜3(表7)に植菌した。小型振盪培養装置(ADVANTEC社、製品番号TVS062CA)を用いて、37℃、60rpmで振とう培養し、660nmにおける濁度(OD660)を5分間隔で測定した。
Figure 2021166470
結果を図6に示す。V.natriegensとは異なり、E.coliでは177mMの濃度で、最終OD及び増殖速度が共に最大であり、P濃度の低下に伴い、減少する傾向を示した。

Claims (10)

  1. リン酸イオン換算濃度が8.8〜266mMであるリン(P)を含むことを特徴とする、ビブリオ属細菌を培養するための培地。
  2. 前記ビブリオ属細菌がビブリオ・ナトリージェンス(Vibrio natriegens)である、請求項1に記載の培地。
  3. リン酸イオン換算濃度が8.8〜79.8mMであるリン(P)を含む、請求項1又は2記載の培地。
  4. 前記リンがリン酸イオンである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の培地。
  5. 前記リンがアルカリ金属リン酸塩に由来する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の培地。
  6. 前記培地が無機物質を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の培地。
  7. 前記培地が少なくとも一種類のビタミン類を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の培地。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の培地を用いて、ビブリオ属細菌を培養することを含む、ビブリオ属細菌の培養方法。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の培地を用いて、ビブリオ属細菌を培養することを含む、微生物製剤の製造方法。
  10. 前記ビブリオ属細菌がビブリオ・ナトリージェンス(Vibrio natriegens)である、請求項9に記載の微生物製剤の製造方法。
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