JP2021165595A - 粉体燃料バーナ - Google Patents

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【課題】粉体燃料の種類が変わっても早期の安定着火とNOxの抑制とを両立させる。【解決手段】内側ダクトと、該内側ダクトの外周に二重筒状に設けられた外側ダクトと、内側ダクト及び外側ダクトの一方の先端近傍に外装された濃縮リングと、内側ダクト及び外側ダクトの他方の先端近傍に設けられた保炎板と、濃縮リングの軸方向における濃縮リングと保炎板との距離を可変させる移動装置とを備え、内側ダクトと外側ダクトとの間に形成される流路から粉体燃料を噴射する。【選択図】図1

Description

本発明は、粉体燃料バーナに関する。
下記特許文献1には、バイオマス燃焼バーナが開示されている。このバイオマス燃焼バーナは、バイオマス燃料ノズルの外周且つ燃焼ガスノズル内周に固体燃料の粒子を搬送する固体燃料ノズルを設け、固体燃料ノズルからバイオマス燃料ノズル内への粒子噴出口を燃料濃縮器と保炎器との間で且つ保炎器近傍に設けることにより、噴出口からの粒子によりバイオマス燃料ノズル内壁の保炎器近傍で集中した粒子が着火して安定燃焼が可能となる。なお、上記保炎器は、特許文献1の図3に描かれているように、外形が円形、かつ中心方向に突出すると共に周方向に等間隔で配列する複数の突出部を備える板部材である。
特開2013−145067号公報
ところで、上記バイオマス燃焼バーナでは、バイオマス燃料の一部が保炎板の突出部間を流れ、残りが歯よりも中心側を流れる。突出部間を流れるバイオマス燃料は燃焼用空気と早期に混合し、早期の安定着火に寄与する。一方、中心側を流れるバイオマス燃料は、バーナ近傍の揮発分放出領域を還元領域にし、NOxの生成を抑える。保炎板は、突出部間を流れるバイオマス燃料と中心側を流れるバイオマス燃料との割合を最適化するように設計される。
しかしながら、上記割合は燃料種によって最適値が異なる。したがって、従来のバイオマス燃焼バーナでは、炭種等、粉体燃料の種類が変わると早期の安定着火とNOxの抑制とを両立させることができない場合がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、粉体燃料の種類が変わっても早期の安定着火とNOxの抑制とを両立させることを目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明では、粉体燃料バーナに係る第1の解決手段として、内側ダクトと、該内側ダクトの外周に二重筒状に設けられた外側ダクトと、内側ダクト及び外側ダクトの一方の先端近傍に外装された濃縮リングと、内側ダクト及び外側ダクトの他方の先端近傍に設けられた保炎板と、濃縮リングの軸方向における濃縮リングと保炎板との距離を可変させる移動装置とを備え、内側ダクトと外側ダクトとの間に形成される流路から粉体燃料を噴射する、という手段を採用する。
本発明では、粉体燃料バーナに係る第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、前記内側ダクトは、ダクト本体と、該ダクト本体の先端に摺動自在に設けられると共に前記濃縮リングが外装された可動ダクトとを備え、前記移動装置は、前記可動ダクトを前記軸方向に移動させることにより前記濃縮リングを移動させる、という手段を採用する。
本発明では、粉体燃料バーナに係る第3の解決手段として、上記第1または第2の解決手段において、前記移動装置は、揮発分が比較的多い前記粉体燃料については前記濃縮リングを前記保炎板に近付け、揮発分が比較的少ない前記粉体燃料については前記濃縮リングを前記保炎板から遠ざける、という手段を採用する。
本発明では、粉体燃料バーナに係る第4の解決手段として、上記第1〜第3のいずれかの解決手段において、前記移動装置は、前記粉体燃料の種類毎に前記軸方向における前記濃縮リングと前記保炎板との距離に関する制御データを記憶し、前記種類の指定情報に基づいて前記制御データを検索することにより前記保炎板に対する前記濃縮リングの位置を設定する、という手段を採用する。
本発明では、粉体燃料バーナに係る第5の解決手段として、上記第1〜第4のいずれかの解決手段において、前記外側ダクトの内面にはディフレクタアングルが形成されている、という手段を採用する。
本発明によれば、軸方向における濃縮リングと保炎板との距離が調整自在なので、粉体燃料の種類が変わっても早期の安定着火とNOxの抑制とを両立させることが可能である。
本発明の一実施形態に係る粉体燃料バーナの全体構成を示す縦断面図である。 本発明の一実施形態における外筒部材の構成を示す右側面図である。 本発明の一実施形態に係る粉体燃料バーナの作用を示す模式図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
本実施形態に係る粉体燃料バーナAは、微粉炭やバイオマス等の粉体燃料(主燃料)を燃焼させるバーナであり、図1に示すように火炉壁Hに形成された火炉開口Rに設けられている。この粉体燃料バーナAは、図示するように内側ダクト1、外側ダクト2、オイルガン3、支持部材4、内側スロート部材5、内側ダンパ6、外側スロート部材7、外側ダンパ8、濃縮リング9、保炎板10及び移動装置11を備えている。
火炉壁Hは、ボイラの火炉を形成する構造物であり、地上において所定の高さ範囲に延在する。この火炉壁Hは、水平断面形状が矩形であり、互いに対抗する2壁に複数の粉体燃料バーナAが対向するように設けられている。図1では、このような複数の粉体燃料バーナAの1つを示している。
火炉開口Rは、火炉壁Hに形成された貫通孔である。すなわち、この火炉開口Rは、火炉の内外を貫通する円形の開口であり、上記2壁に複数設けられている。図1では、このような複数の火炉開口Rの1つを示している。本実施形態に係る粉体燃料バーナAは、火炉壁Hに複数形成された火炉開口R毎に、かつ火炉壁Hの外側に設けられている。このような粉体燃料バーナAにおいて、火炉壁Hに近い側が先端であり、火炉壁Hに遠い近い側が後端である。
内側ダクト1は、金属製の円筒状部材であり、図1に示すように火炉壁Hの外側かつ火炉壁Hに対して直交する姿勢で固定されている。この内側ダクト1において、火炉壁Hに近い側が先端であり、火炉壁Hに遠い近い側が後端である。すなわち、この内側ダクト1は、中心軸方向が火炉壁Hに直交する姿勢で設けられている。なお、内側ダクト1の先端近傍部位には、図示するように濃縮リング9が外装されている。
また、内側ダクト1は、図1に示すようにダクト本体1aと可動ダクト1bとを備えている。ダクト本体1aは、金属製の円筒状部材である。可動ダクト1bは、上記ダクト本体1aの先端に摺動自在に設けられると共に濃縮リング8が外装された金属製の円筒状部材である。この可動ダクト1bは、外径がダクト本体1aの外径よりも小さく生成されており、後端近傍部位がダクト本体1aの先端近傍部位内に収容されている。また、この可動ダクト1bは、後端部が後述する移動装置11に接続されている。
外側ダクト2は、上記内側ダクト1の外周に二重筒状に設けられた金属製の円筒状部材である。この外側ダクト2は、火炉壁Hの外側かつ火炉壁Hに対して直交する姿勢で固定されており、火炉壁Hに近い側が先端であり、火炉壁Hに遠い近い側が後端である。すなわち、この外側ダクト2は、上述した内側ダクト1と同様に、中心軸方向が火炉壁Hに直交する姿勢で設けられている。
この外側ダクト2と上記内側ダクト1とによって形成される円環状の空間は、粉体燃料が一次燃焼用空気と共に流通する主燃料流路である。粉体燃料は、一次燃焼用空気と混合された主燃料混合流Fとして主燃料流路を流通し、上記内側ダクト1及び外側ダクト2の先端から火炉内に噴射される。このような内側ダクト1及び外側ダクト2は、バーナノズルを構成している。
ここで、上記主燃料混合流Fは、主燃料流路の後端かつ接線方向から主燃料流路に流入する。すなわち、この主燃料混合流Fは、主燃料流路を中心軸周りに旋回流として流通して先端から火炉内に噴射される。このような主燃料混合流Fに含まれる粉体燃料には、上記旋回流に起因する遠心力が作用する。したがって、本実施形態における主燃料混合流Fは、粉体燃料が主燃料流路の半径方向において外側(外側ダクト2側)に濃縮された偏流である。
このような外側ダクト2は、図1に示すようにディフレクタアングル2aを備えている。ディフレクタアングル2aは、外側ダクト2の内面から突出する突条であり、外側ダクト2の内面において周方向に所定間隔を空けて複数条設けられている。また、このディフレクタアングル2aは、外側ダクト2の周方向における断面形状が例えば三角形である。このようなディフレクタアングル2aは、主燃料流路の周方向における粉体燃料の濃度分布を均一化させるものである。
オイルガン3は、内側ダクト1内に同軸状に設けられた直管状部材であり、前進後退自在である。このオイルガン3は、粉体燃料バーナAの着火時に前進して液体燃料を火炉内に向けて噴射し、粉体燃料への着火が完了すると、液体燃料の噴射を完了して後退する。
支持部材4は、外側ダクト2に外装されたリング状部材である。この支持部材4は、図1に示すように外側ダクト2に対して直交する姿勢で外側ダクト2の外面に固定されている。すなわち、支持部材4において平行対峙する2表面は、外側ダクト2の中心軸方向に対して直交している。
内側スロート部材5は、上記支持部材4と対峙するように外側ダクト2の外周側に同軸状に設けられた略円筒状部材である。この内側スロート部材5は、二次燃焼用空気の流れを内側流と外側流とに区画するためのものである。上記内側流は、外側ダクト2の外周において外側ダクト2により近い領域を流れる二次燃焼用空気の流れである。なお、上記外側流は、外側ダクト2の外周において内側流よりも外側ダクト2から遠い領域を流れる二次燃焼用空気の流れである。
内側ダンパ6は、図1に示すように内側スロート部材5の後側つまり外側ダクト2の先端部により近い側に設けられている。この内側ダンパ6は、支持部材4と内側スロート部材5とによって挟まれた状態、かつ支持部材4及び内側スロート部材5に対して回動自在に設けられている。このような内側ダンパ6は、図示しない駆動機構によって上記内側流が流通する内側流路の開口面積を可変調節する。
外側スロート部材7は、図1に示すように火炉壁Hの外側に設けられた略円板状部材である。この外側スロート部材7は、外側ダンパ8を挟んで支持部材4と対峙するように火炉壁Hの外側に設けられている。このような外側スロート部材7は、外側流が流通する外側流路を形成する。
外側ダンパ8は、図1に示すように内側スロート部材5の前側つまり外側ダクト2の先端部からより遠い側に設けられている。この外側ダンパ8は、内側スロート部材5と外側スロート部材7とによって挟まれた状態、かつ内側スロート部材5及び外側スロート部材7に対して回動自在に支持されている。このような外側ダンパ8は、図示しない駆動機構によって上記外側流が流通する外側流路の開口面積を可変調節する。
濃縮リング9は、内側ダクト1の外周面において、先端近傍部位に設けられた円環状の突条である。すなわち、この濃縮リング9は、内側ダクト1の中心軸線に直交する状態で内側ダクト1の外周面に設けられている。
このような濃縮リング9は、上述した主燃料流路を後端から先端に向かって流通する主燃料混合流Fに対して障害物として作用する。すなわち、濃縮リング9は、主燃料混合流Fを内側ダクト1から離して外側ダクト2に近付けるものであり、主燃料流路の内側への粉体燃料の集中を抑制する。したがって、この濃縮リング9は、粉体燃料を内側ダクト1及び外側ダクト2の半径方向つまり主燃料流路の半径方向における外側に濃縮するものである。
保炎板10は、上述した外側ダクト2の先端部に設けられた耐熱金属製の円板状部材である。この保炎板10は、図2に示すように、環状に配列すると共に中心側に突出する複数の保炎突起10aを備えている。すなわち、この保炎板10は、円板状の耐熱金属部材の中心側を複数の保炎突起10aを残した状態に切り欠いた部材である。
このような複数の保炎突起10aは、例えばディフレクタアングル2aに符合した位置に設けられている。すなわち、各々の保炎突起10aは、主燃料流路の周方向においてディフレクタアングル2aと同位置に設けられている。
複数の保炎突起10aは、主燃料混合流Fに対して障害物として作用するものであり、主燃料流路の所定幅W(周方向における寸法)を有すると共に所定高さL(外周端から中心方向の寸法)を有する略矩形状である。主燃料混合流Fに含まれる粉体燃料は、一部が複数の保炎突起10aを迂回して保炎突起10aの間の空隙を経由して火炉内に流れ込み、また残りが保炎突起10aの先端よりも中心側を経由して火炉内に流れ込む。
移動装置11は、濃縮リング9の中心軸方向における濃縮リング9と保炎板10との距離を可変させる装置であり、駆動機構11a、出力軸11b及び制御部11cを備えている。すなわち、この移動装置11は、可動ダクト1bの中心軸方向における位置を可変することにより、可動ダクト1bに外装された濃縮リング9の中心軸方向における位置を可変する。
駆動機構11aは、濃縮リング9を移動させるための動力源であり、出力軸11bを介して可動ダクト1bの後端部に接続されている。この駆動機構11aは、制御部11cによる制御の下で出力軸11bに駆動力を作用させることにより、濃縮リング9を中心軸方向に移動させる。このような駆動機構11aは、例えば油圧シリンダあるいはエアーシリンダである。
出力軸11bは、駆動機構11aと内側ダクト1の可動ダクト1bとを接続する棒状部材であり、内側ダクト1の内側空間を内側ダクト1の中心軸方向に延在する。すなわち、この出力軸11bは、後端が駆動機構11aに接続され、先端が内側ダクト1の内側空間に露出する可動ダクト1bの後端部に接続されている。なお、上記内側空間は、図1に示すように三次燃焼用空気が内側ダクト1の後端から先端に向けて流れる空気流通空間である。
制御部11cは、駆動機構11aを制御することにより、内側ダクト1の中心軸方向における濃縮リング9の位置を設定する。この制御部11cは、外部からの操作指示を受け付ける入力部、制御プログラム及び各種の制御データを記憶する記憶部、制御プログラムを実行する演算部、また駆動機構11aと信号の授受を行う入出力部を備えている。
すなわち、この制御部11cは、ソフトウエア制御装置として構成されており、制御プログラム及び各種の制御データに基づいて駆動機構11aを制御する。上記記憶部には、粉体燃料の種類毎に中心軸方向における濃縮リング9と保炎板10との距離に関する制御データ、つまり粉体燃料の種類毎に濃縮リング9の位置を示す位置設定テーブルが記憶されている。
このような位置設定テーブルに予め登録される濃縮リング9の位置(位置データ)は、事前実験等に基づいて適宜設定される。制御部11cは、入力部が操作指示として受け付けた粉体燃料の種類に関する指定情報に基づいて上記位置設定テーブルを検索することにより、濃縮リング9を粉体燃料の種類に応じた位置に設定する。
次に、本実施形態に係る粉体燃料バーナAの動作について、図3をも参照して詳しく説明する。
この粉体燃料バーナAでは、図1に示すように主燃料混合流Fが主燃料流路の後端から先端に向けて流通し、最終的に先端から火炉内に噴射される。そして、主燃料混合流Fに含まれる粉体燃料(主燃料)は、火炉内において一次燃焼用空気、二次燃焼用空気及び二次燃焼用空気(酸化剤)の存在下で燃焼することにより排ガス(燃焼排ガス)となる。そして、このような粉体燃料バーナAが複数備えられたボイラは、排ガスとの熱交換によって水蒸気を発生させる。
このような粉体燃料バーナAでは、主燃料混合流Fが主燃料流路に流入して火炉内に噴射されるまでの間に、以下のような流体作用を受ける。すなわち、主燃料混合流Fは、円筒状の主燃料流路に対して接線方向から流入するので、主燃料流路内を旋回流として流通する。この旋回流は、主燃料混合流Fに含まれる粉体燃料に対して遠心力を作用させる。
主燃料混合流Fは、この遠心力に起因して、粉体燃料が主燃料流路の半径方向において外側(外側ダクト2側)に濃縮された偏流となる。すなわち、粉体燃料は、主燃料流路内を旋回する間に徐々に主燃料流路の半径方向における外側(外側ダクト2側)に濃縮される。
また、この粉体燃料バーナAでは、主燃料流路の半径方向において内側に位置する場所に濃縮リング9が設けられている。この濃縮リング9は、主燃料流路の半径方向における外側に粉体燃料を濃縮させる。すなわち、本実施形態に係る粉体燃料バーナAでは、主燃料混合流Fの旋回流に起因する遠心力に加え、濃縮リング9の流体作用によって、粉体燃料が主燃料流路の半径方向における外側(外側ダクト2側)に濃縮される。
さらに、この粉体燃料バーナAでは、外側ダクト2の先端部つまり主燃料流路の先端部に保炎板10が設けられているので、主燃料混合流Fに含まれる粉体燃料は、一部が保炎板10の保炎突起10a間つまり主燃料流路の外側を流通し、残りが保炎突起10aの先端よりも中心側つまり主燃料流路の内側を流通する。
そして、主燃料流路の外側を流通する粉体燃料の量と主燃料流路の内側を流通する粉体燃料の量との割合は、濃縮リング9と保炎板10との距離つまり主燃料流路の中心軸方向における濃縮リング9と保炎板10との間隔及び粉体燃料の種類に依存する。
移動装置11は、揮発分が比較的多い粉体燃料(種類M)については濃縮リング9を保炎板10に近付ける。また、移動装置11は、揮発分が比較的少ない粉体燃料(種類N)については濃縮リング9を保炎板10から遠ざける。種類Mの粉体燃料は、揮発分が比較的多く、代表的なものは木質バイオマス燃料である。種類Nの粉体燃料は、揮発分が比較的少なく、代表的なものは石炭である。
種類Mの粉体燃料については、揮発分が多く、燃焼の初期段階で必要な空気が多いことから、種類Mの粉体燃料については、濃縮リング9を保炎板10に近付けることによって主燃料流路の外側を流通する粉体燃料の量を増大させ、以って早期の安定着火を確保する。
種類Nの粉体燃料については、揮発分が少なく、燃焼の初期段階で必要な空気が少ないことから、種類Nの粉体燃料については、濃縮リング9を保炎板10から遠ざけることによって、主燃料流路の内側を流通する粉体燃料の量を増大させる。この結果、粉体燃料バーナAの先端近傍に形成される揮発分放出領域を還元領域として機能させ、以って燃焼ガスの還元によるNOxの抑制を図る。
また、移動装置11は、揮発分が中程な種類Oの粉体燃料については濃縮リング9を保炎板10に中程の位置に設定する。すなわち、この種類Oの粉体燃料については、早期の安定着火とNOxの抑制とのバランスが比較的良好なので、早期の安定着火及びNOxの抑制のいずれか一方を優先させることなく、濃縮リング9を保炎板10に中程の位置に設定する。
より具体的には、移動装置11は、入力部が粉体燃料の種類を指定する操作指示を受け付けると、この操作指示に基づいて記憶部の位置設定テーブルを検索することにより、濃縮リング9を粉体燃料の種類に応じた位置に設定する。すなわち、移動装置11は、入力部が種類Mを受け付けると、濃縮リング9を保炎板10に比較的近い位置Pmに設定する。また、移動装置11は、入力部が種類Nを受け付けると、濃縮リング9を保炎板10から比較的遠い位置Pnに設定する。さらに、移動装置11は、入力部が種類Oを受け付けると、濃縮リング9を保炎板10に対して中程の位置Poに設定する。
本実施形態によれば、主燃料流路の中心軸方向における濃縮リング9と保炎板10との距離を粉体燃料の種類に応じて可変設定するので、粉体燃料の種類が変わっても早期の安定着火とNOxの抑制とを両立させることが可能である。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施形態では、内側ダクト1の先端近傍に濃縮リング9を外装し、外側ダクト2の先端近傍に保炎板10を設けたが、本発明はこれに限定されない。すなわち、濃縮リング9は、内側ダクト1及び外側ダクト2の一方の先端近傍に外装され、保炎板10は、内側ダクト1及び外側ダクト2の他方の先端近傍に設けられていればよい。
(2)上記実施形態では、移動装置11が粉体燃料の種類に基づいて濃縮リング9の位置を自動的に設定したが、本発明はこれに限定されない。例えば移動装置11に濃縮リング9の位置を指定する操作情報(位置操作情報)を入力し、この位置操作情報に基づいて濃縮リング9の位置を設定してもよい。
(3)上記実施形態では、ディフレクタアングル2aを備える外側ダクト2を採用したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、ディフレクタアングル2aを備えない外側ダクトを採用してもよい。
A 粉体燃料バーナ
F 主燃料混合流
H 火炉壁
R 火炉開口
1 内側ダクト
1a ダクト本体
1b 可動ダクト
2 外側ダクト
3 オイルガン
4 支持部材
5 内側スロート部材
6 内側ダンパ
7 外側スロート部材
8 外側ダンパ
9 濃縮リング
10 保炎板
10a 保炎突起
11 移動装置
11a 駆動機構
11b 出力軸
11c 制御部

Claims (5)

  1. 内側ダクトと、
    該内側ダクトの外周に二重筒状に設けられた外側ダクトと、
    前記内側ダクト及び前記外側ダクトの一方の先端近傍に外装された濃縮リングと、
    前記内側ダクト及び前記外側ダクトの他方の先端近傍に設けられた保炎板と、
    前記濃縮リングの軸方向における前記濃縮リングと前記保炎板との距離を可変させる移動装置とを備え、
    前記内側ダクトと前記外側ダクトとの間に形成される流路から粉体燃料を噴射することを特徴とする粉体燃料バーナ。
  2. 前記内側ダクトは、ダクト本体と、該ダクト本体の先端に摺動自在に設けられると共に前記濃縮リングが外装された可動ダクトとを備え、
    前記移動装置は、前記可動ダクトを前記軸方向に移動させることにより前記濃縮リングを移動させることを特徴とする請求項1に記載の粉体燃料バーナ。
  3. 前記移動装置は、揮発分が比較的多い前記粉体燃料については前記濃縮リングを前記保炎板に近付け、揮発分が比較的少ない前記粉体燃料については前記濃縮リングを前記保炎板から遠ざけることを特徴とする請求項1または2に記載の粉体燃料バーナ。
  4. 前記移動装置は、前記粉体燃料の種類毎に前記軸方向における前記濃縮リングと前記保炎板との距離に関する制御データを記憶し、前記種類の指定情報に基づいて前記制御データを検索することにより前記保炎板に対する前記濃縮リングの位置を設定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の粉体燃料バーナ。
  5. 前記外側ダクトの内面にはディフレクタアングルが形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の粉体燃料バーナ。
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