JP2021165571A - 駆動力伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】異音の発生を抑制した駆動力伝達装置提供する。【解決手段】駆動力伝達装置は、交互に配置される、クラッチハブに結合する複数のドライブプレートとクラッチドラムに結合する複数のドリブンプレートとを備え、駆動力を断接する多板乾式クラッチと、締結時、油圧力にてクラッチ締結方向にストロークするピストンと、クラッチドラムの側壁に形成した貫通孔に摺動可能に設けられ、突出するアーム先端部が、ピストンのストローク動作に追従してストロークし、複数のドライブプレートと複数のドリブンプレートとを押圧するピストンアームと、多板乾式クラッチの開放時、ピストンアームに対しクラッチ開放方向の付勢力を与えるリターンスプリングと、を備え、複数のドリブンプレートのうち少なくとも1つのドリブンプレートを、第1ドリブンプレートと第2ドリブンプレートの2枚に分割し、回転軸線方向の厚さを異ならせるようにした。【選択図】図2

Description

本発明は、駆動力伝達装置に関する。
特許文献1には、クラッチ締結時、ピストンアームのアーム先端部と多板乾式クラッチが接触する駆動力伝達装置が開示されている。
特開2013−29199号公報
上記特許文献1に開示された駆動力伝達装置では、多板乾式クラッチの摩擦面を滑らせながら、大きな押圧力により締結するときに、多板乾式クラッチのμ−V特性が負勾配であると、ピストンアーム構造の固有モードが発散する自励振動が発生し、この自励振動が加振源となって、異音が発生してしまうおそれがあった。
本発明の目的は、異音の発生を抑制した駆動力伝達装置提供することにある。
本発明の駆動力伝達装置は、交互に配置される、駆動力伝達系のクラッチハブにスプライン結合する複数のドライブプレートとクラッチドラムにスプライン結合する複数のドリブンプレートとを備え、クラッチ開放とクラッチ締結により駆動力を断接する多板乾式クラッチと、ハウジング部材に摺動可能に設けられ、多板乾式クラッチの締結時、油圧力にてクラッチ締結方向にストロークするピストンと、クラッチドラムの側壁に形成した貫通孔に摺動可能に設けられ、乾式クラッチを収めたクラッチ室に突出するアーム先端部が、ピストンのストローク動作に追従してストロークし、複数のドライブプレートと複数のドリブンプレートとを押圧するピストンアームと、クラッチドラムの側壁とピストンの間に介装され、多板乾式クラッチの開放時、ピストンアームに対しクラッチ開放方向の付勢力を与えるリターンスプリングと、を備え、複数のドリブンプレートのうち少なくとも1つのドリブンプレートを、第1ドリブンプレートと第2ドリブンプレートの2枚に分割し、第1ドリブンプレートと第2ドリブンプレートの回転軸線方向の厚さを異ならせるようにした。
よって、異音の発生を抑制することができる。
実施形態1の駆動力伝達装置を示す全体概略図である。 実施形態1の駆動力伝達装置におけるモータ&クラッチユニットの多板乾式クラッチの構成を示す要部断面図である。 実施形態1の駆動力伝達装置における多板乾式クラッチのピストン組立体を示す分解側面図である。 実施形態1の駆動力伝達装置における多板乾式クラッチのピストン組立体を示す分解斜視図である。 実施形態1の第1ドリブンプレートと第2ドリブンプレート振動伝達特性を示す図である。 実施形態2の駆動力伝達装置におけるモータ&クラッチユニットの多板乾式クラッチの構成を示す要部断面図である。
〔実施形態1〕
図1は、実施形態1の駆動力伝達装置を示す全体概略図である。
以下、図1に基づき実施形態1の駆動力伝達装置の全体構成を説明する。
(駆動力伝達装置の全体構成)
実施形態1の駆動力伝達装置は、エンジンEngと、モータ&クラッチユニットM/Cと、変速機ユニットT/Mと、エンジン出力軸1と、クラッチハブ軸2と、クラッチハブ3と、クラッチドラム軸4と、変速機入力軸5と、クラッチドラム6と、多板乾式クラッチ7と、スレーブシリンダー8と、モータ/ジェネレータ(モータ)9と、を備えている。
なお、多板乾式クラッチ7の締結・開放を油圧制御するスレーブシリンダー8は、一般に「CSC(Concentric Slave Cylinderの略)」と呼ばれる。
実施形態1の駆動力伝達装置は、ノーマルオープンである多板乾式クラッチ7を開放したとき、モータ/ジェネレータ9と変速機入力軸5を、クラッチドラム6とクラッチドラム軸4を介して連結し、「電気自動車走行モード」とする。
そして、多板乾式クラッチ7をスレーブシリンダー8により油圧締結したとき、エンジンEngとモータ/ジェネレータ9を、エンジン出力軸1とクラッチハブ軸2を、ダンパー21を介して連結する。
そして、クラッチハブ3とクラッチドラム6が締結された多板乾式クラッチ7を介して連結し、「ハイブリッド車走行モード」とする。
前記モータ&クラッチユニットM/Cは、多板乾式クラッチ7と、スレーブシリンダー8と、モータ/ジェネレータ9と、を有する。
多板乾式クラッチ7は、エンジンEngに連結接続され、エンジンEngからの駆動力伝達を断接する。
スレーブシリンダー8は、多板乾式クラッチ7の締結・開放を油圧制御する。
モータ/ジェネレータ9は、多板乾式クラッチ7のクラッチドラム6の外周位置に配置され、変速機入力軸5との間で動力の伝達をする。
このモータ&クラッチユニットM/Cには、スレーブシリンダー8への第1クラッチ圧油路85を有するシリンダハウジング(ハウジング部材)81が、O−リング10によりシール性を保ちながら設けられている。
モータ/ジェネレータ9は、同期型交流電動機であり、クラッチドラム6と一体に設けたロータ支持フレーム91と、ロータ支持フレーム91に支持固定され、永久磁石が埋め込まれたロータ92と、を有する。
そして、ロータ92にエアギャップ93を介して配置され、シリンダハウジング81に固定されたステータ94と、ステータ94に巻き付けられたステータコイル95と、を有する。
なお、シリンダハウジング81には、冷却水を流通させるウォータジャケット96が形成されている。
変速機ユニットT/Mは、モータ&クラッチユニットM/Cに連結接続され、変速機ハウジング41と、Vベルト式無段変速機機構42と、オイルポンプO/Pと、を有する。
Vベルト式無段変速機機構42は、変速機ハウジング41に内蔵され、2つのプーリ間にVベルトを掛け渡し、ベルト接触径を変化させることにより無段階の変速比を得る。
オイルポンプO/Pは、必要部位への油圧を作る油圧源であり、オイルポンプ圧を元圧とし、プーリ室への変速油圧やクラッチ・ブレーキ油圧、等を調圧する図外のコントロールバルブからの油圧を必要部位へ導く。
この変速機ユニットT/Mには、さらに前後進切換機構43と、オイルタンク44と、エンドプレート45と、が設けられている。エンドプレート45は、第2クラッチ圧油路47(図2参照)を有する。
前記オイルポンプO/Pは、変速機入力軸5の回転駆動トルクを、チェーン駆動機構を介して伝達することでポンプ駆動する。
チェーン駆動機構は、変速機入力軸5の回転軸線P周りの回転駆動に伴って回転する駆動側スプロケット51と、ポンプ軸57を回転駆動させる被動側スプロケット52と、両スプロケット51、52に掛け渡されたチェーン53と、を有する。
駆動側スプロケット51は、変速機入力軸5とエンドプレート45との間に介装され、変速機ハウジング41に固定されたステータシャフト54に対し、ブッシュ55を介して回転軸線P周りに回転可能に支持されている。
そして、変速機入力軸5にスプライン嵌合すると共に、駆動側スプロケット51に対して爪嵌合する第1アダプタ56を介し、変速機入力軸5からの回転駆動トルクを伝達する。
図2は、実施形態1の駆動力伝達装置におけるモータ&クラッチユニットの多板乾式クラッチの構成を示す要部断面図であり、図3は、実施形態1の駆動力伝達装置における多板乾式クラッチのピストン組立体を示す分解側面図であり、図4は、実施形態1の駆動力伝達装置における多板乾式クラッチのピストン組立体を示す分解斜視図である。
以下、図2〜図4に基づき、モータ&クラッチユニットM/Cの多板乾式クラッチ7とスレーブシリンダー8の構成を説明する。
(モータ&クラッチユニットの多板乾式クラッチとスレーブシリンダーの構成)
クラッチハブ3は、エンジンEngのエンジン出力軸1に連結される(図1参照)。
クラッチハブ3には、図2に示すように、多板乾式クラッチ7の両面に摩擦フェーシング73を貼り付けた4枚のドライブプレート71がスプライン結合により保持される。
クラッチドラム6は、変速機ユニットT/Mの変速機入力軸5に連結される。
クラッチドラム6には、図2に示すように、多板乾式クラッチ7の4組のドリブンプレート72と1枚のリテーナプレート74がスプライン結合により保持される。
なお、各ドリブンプレート72は、同じ材料からなる第1ドリブンプレート72aと、第1ドリブンプレート72aより回転軸線P方向において厚みの薄い第2ドリブンプレート72bとから構成されている。
また、リテーナプレート74の図示右側のクラッチドラム6には、内周面に溝6aが形成され、4組のドリブンプレート72と1枚のリテーナプレート74の抜け止めとしてのCリング75が、溝6aに嵌合している。
多板乾式クラッチ7は、クラッチハブ3とクラッチドラム6の間に、両面に摩擦フェーシング73、73を貼り付けたドライブプレート71と、第1ドリブンプレート72aと第2ドリブンプレート72bで構成されるドリブンプレート72と、を交互に配列することで介装される。
つまり、多板乾式クラッチ7を締結することで、クラッチハブ3とクラッチドラム6の間でトルク伝達可能とし、多板乾式クラッチ7を開放することで、クラッチハブ3とクラッチドラム6の間でのトルク伝達を遮断する。
スレーブシリンダー8は、多板乾式クラッチ7の締結・開放を制御する油圧アクチュエータであり、変速機ユニットT/M側とクラッチドラム6の間の位置に配置される。
このスレーブシリンダー8は、図2に示すように、シリンダハウジング81のシリンダー孔80に摺動可能に設けたピストン82と、シリンダハウジング81に形成し、変速機ユニットT/Mにより作り出したクラッチ圧を導く第1クラッチ圧油路85と、第1クラッチ圧油路85に連通するシリンダー油室86と、を有する。
ピストン82と多板乾式クラッチ7との間には、図2に示すように、ニードルベアリング87と、ピストンアーム83と、リターンスプリング84と、アーム固定プレート88と、が介装されている。
ピストンアーム83は、スレーブシリンダー8からの押圧力により多板乾式クラッチ7の押し付け力を発生させるもので、クラッチドラム6に形成した貫通孔61に摺動可能に設けている。
リターンスプリング84は、ピストンアーム83とクラッチドラム6の間に介装されている。
ニードルベアリング87は、ピストン82とピストンアーム83との間に介装され、ピストン82がピストンアーム83の回転に伴って連れ回るのを抑えている。
アーム固定プレート88は、蛇腹弾性シール部材89、89と一体に設けられ、蛇腹弾性シール部材89、89の外周部がクラッチドラム6に圧入固定されている。
アーム固定プレート88と蛇腹弾性シール部材89、89により、ピストンアーム83側からのリーク油が多板乾式クラッチ7へ流れ込むのを遮断する。
つまり、クラッチドラム6のピストンアーム取り付け位置に密封固定されたアーム固定プレート88および蛇腹弾性シール部材89により、スレーブシリンダー8を配置したウェット空間と、多板乾式クラッチ7を配置したドライ空間を分ける仕切り機能を持たせている。
ピストンアーム83は、図3および図4に示すように、リング状に形成したアームボディ83aと、アームボディ83aから4箇所で突設させたアーム突条(アーム先端部)83bと、によって構成されている。
リターンスプリング84は、図3および図4に示すように、リング状に形成したスプリング支持プレート84aと、スプリング支持プレート84aに固定した複数個(実施形態1では28個)のコイルスプリング84bと、により構成されている。
実施形態1のリーク油回収油路は、図2に示すように、第1ベアリング12と、第1シール部材31と、リーク油路32と、第1回収油路33と、第2回収油路34と、を備えている。
すなわち、ピストン82の摺動部からのリーク油を、第1シール部材31により密封された第1回収油路33および第2回収油路34を経過し、変速機ユニットT/Mに戻す回路である。
これに加えて、ピストンアーム83の摺動部からのリーク油を、仕切りシール構造(アーム固定プレート88、蛇腹弾性シール部材89、89)により密封されたリーク油路32と、第1シール部材31により密封された第1回収油路33および第2回収油路34を経過し、変速機ユニットT/Mに戻す回路である。
実施形態1のベアリング潤滑油路は、図2に示すように、ニードルベアリング20と、第2シール部材14と、第1軸心油路19と、第2軸心油路18と、潤滑油路16と、隙間17と、を備えている。
ベアリング潤滑油路は、変速機ユニットT/Mからのベアリング潤滑油を、ニードルベアリング20と、シリンダハウジング81に対しクラッチドラム6を回転可能に支持する第1ベアリング12と、ピストン82とピストンアーム83との間に介装されたニードルベアリング87と、を通過し、変速機ユニットT/Mへ戻す経路によりベアリング潤滑を行う。
第2シール部材14は、図2に示すように、クラッチハブ3とクラッチドラム6の間に介装している。
第2シール部材14により、スレーブシリンダー8を配置したウェット空間から、多板乾式クラッチ7を配置したドライ空間へとベアリング潤滑油が流れ込むのをシールしている。
次に、図2〜図4に基づき、モータ&クラッチユニットM/Cに設定されたクラッチ断接動作系の詳しい構成を説明する。
(モータ&クラッチユニットに設定されたクラッチ断接動作系の詳しい構成)
実施形態1のクラッチ断接動作系は、図2に示すように、多板乾式クラッチ7と、ピストン82と、ピストンアーム83と、リターンスプリング84と、蛇腹弾性シール部材89、89と、アーム固定プレート88と、を備えている。
多板乾式クラッチ7は、図2に示すように、駆動力伝達系のクラッチハブ3とクラッチドラム6との間に設けられ、クラッチ開放とクラッチ締結により駆動力を断接する。
ピストン82は、図2に示すように、シリンダハウジング81に摺動可能に設けられ、多板乾式クラッチ7の締結時、油圧力にてクラッチ締結方向(図2の右方向)にストロークする。
ピストンアーム83は、クラッチドラム6の側壁に形成した貫通孔61に摺動可能に設けられ、多板乾式クラッチを収めたクラッチ室64に突出するピストンアーム83の4個のアーム突条83bが、ピストン82のストローク動作に追従してストロークする(図3,図4)。
ピストンアーム83は、アルミ合金素材により製造される。なお、ドライ室は、シール部材62により、クラッチ室64とモータ室65に画成される。
リターンスプリング84は、クラッチドラム6の側壁とピストンアーム83の間に介装され、多板乾式クラッチ7の開放時、ピストンアーム83に対しクラッチ開放方向の付勢力を与える(図3,図4)。
蛇腹弾性シール部材89、89は、図2に示すように、貫通孔61とアーム突条83bをクラッチ室64からシールするクラッチドラム6の側壁位置に圧入固定され、アーム突条83bのストローク動作に追従して弾性変形する。
蛇腹弾性シール部材89、89は、素材がゴム系素材であり、多板乾式クラッチ7の開放時、クラッチ開放側に戻す弾性復元力をアーム固定プレート88に与えるS字蛇腹断面形状を有する。
そして、蛇腹弾性シール部材89、89のアーム固定プレート88に対する固定位置は、図2に示すように、アーム先端よりもシリンダハウジング81側にオフセットさせた位置としている。
つまり、アーム突条83bのクラッチ室64への突出量の中程位置を、蛇腹弾性シール部材89、89の固定位置とし、蛇腹弾性シール部材89、89が、クラッチドラム6の側壁面とアーム先端との間の軸方向領域に収まる設定としている。
この構成により、蛇腹弾性シール部材89、89を、S字蛇腹断面形状としても、乾式多板クラッチ7の締結/開放動作時、乾式多板クラッチ7に蛇腹弾性シール部材89、89が干渉しないようにすることができる。
前記アーム固定プレート88は、図2に示すように、加硫接着により蛇腹弾性シール部材89、89と一体に設けられると共にアーム突条83bの先端部に圧入固定され、多板乾式クラッチ7の締結時、ドリブンプレート72に接触してクラッチ締結力を伝達する。
このアーム固定プレート88は、素材として鋼板に比べて熱伝導率が低い金属素材(例えば、ステンレス材)が用いられる。
(スレーブシリンダーによるクラッチ締結/開放作用)
次に、作用を説明する。
以下、図2を用いてスレーブシリンダー8により多板乾式クラッチ7を締結・開放するクラッチ締結/開放作用を説明する。
スレーブシリンダー8による多板乾式クラッチ7を締結するときには、変速機ユニットT/Mにて作り出したクラッチ油圧を、シリンダハウジング81に形成した第1クラッチ圧油路85を経過してシリンダー油室86に供給する。
これにより、油圧と受圧面積を掛け合わせた油圧力がピストン82に作用し、ピストンアーム83とクラッチドラム6の間に介装されたリターンスプリング84による付勢力に抗して、ピストン82を図2の右方向にストロークさせる。
そして、油圧力と付勢力の差による締結力は、ピストン82→ニードルベアリング87→ピストンアーム83→アーム固定プレート88へと伝達され、リテーナプレート74にドライブプレート71とドリブンプレート72を押し付け、多板乾式クラッチ7が締結される。
締結状態の多板乾式クラッチ7を開放するときは、シリンダー油室86に供給されている作動油を、クラッチ圧油路85を経過して変速機ユニットT/Mへ抜き、ピストン82に作用する油圧力を低下させると、リターンスプリング84による付勢力が油圧力を上回り、一体に構成されたピストンアーム83とアーム固定プレート88を図2の左方向にストロークさせる。
これによりアーム固定プレート88へ伝達されていた締結力が解除され、多板乾式クラッチ7が開放される。
図5は、実施形態1の第1ドリブンプレートと第2ドリブンプレート振動伝達特性を示す図である。
縦軸は、振動伝達率τであり、横軸は、振動周波数比(f/fo)である。
回転軸線P方向において、厚みが厚く、質量が第2ドリブンプレート72bより大きな第1ドリブンプレート72aの振動伝達特性は、固有(共振)周波数fo1にて振動伝達率τがピークとなり、周波数(√2*fo1)で振動伝達率τが0となり、(√2*fo1)以上の周波数では、振動伝達率τが負となる。
すなわち、(√2*fo1)以上の周波数では、第1ドリブンプレート72aの振動伝達特性での防振領域となる。
また、質量が第1ドリブンプレート72aより小さな第2ドリブンプレート72bの単独の振動伝達特性は、破線で示すように、第1ドリブンプレート72aの固有(共振)周波数fo1より高い固有(共振)周波数fo2にて振動伝達率τがピークとなり、周波数(√2*fo2)で振動伝達率τが0となり、(√2*fo2)以上の周波数では、振動伝達率τが負となる。
なお、第2ドリブンプレート72bの固有(共振)周波数fo2は、第1ドリブンプレート72aの固有(共振)周波数fo1の1.4倍以上となるように設定している。
このため、多板乾式クラッチ7が締結中に分割された回転軸線P方向の厚みの異なる2枚の第1ドリブンプレート72aと第2ドリブンプレート72bの固有振動で、第1ドリブンプレート72aと第2ドリブンプレート72b間で、動的に微小なスリップによる摩擦力が発生し、減衰効果を発揮することができるとともに、第2ドリブンプレート72bの固有(共振)周波数fo2にて振動伝達率τのピークは、第1ドリブンプレート72aの振動伝達特性での防振領域内に存在することになり、第2ドリブンプレート72bの固有(共振)周波数fo2にて振動伝達率τのピークは、防振されることにより、単独の振動特性の振動伝達率τのピークの約半分以下に減衰される。
このように、ドリブンプレート72を厚さの厚い第1ドリブンプレート72aと厚さが薄い第2ドリブンプレート72bとで構成することにより、多板乾式クラッチ7が締結中に分割された2枚の第1ドリブンプレート72aと第2ドリブンプレート72bの固有振動で、第1ドリブンプレート72aと第2ドリブンプレート72b間で、動的に微小なスリップによる摩擦力が発生し、減衰効果を発揮することができ、自励振動による異音の発生を抑制することができる。
また、第2ドリブンプレート72bの固有(共振)周波数fo2は、第1ドリブンプレート72aの固有(共振)周波数fo1の1.4倍以上となるように設定しているので、両ドリブンプレート72a、72bの影響し合うエネルギが半分となり、両ドリブンプレート72a、72bの固有(共振)周波数が連成増幅しなくなるので、より、自励振動による異音の発生を抑制することができる。
さらに、回転軸線P方向において、厚みが厚い第1ドリブンプレート72aを、厚みが薄い第2ドリブンプレート72bよりも、ピストンアーム83側に配置しているので、多板乾式クラッチ7が締結中に押し付けるピストンアーム83の4個のアーム突条83bの形状にならって、第1ドリブンプレート72aと第2ドリブンプレート72bの摩擦締結面の当たりが不均一になることを防止することができるので、鳴きのきっかけとなる摩擦面不均一による局部的なμ−V特性を防止して、鳴きを抑制することができる。
次に、作用効果を説明する。
実施形態1の駆動力伝達装置にあっては、以下に列挙する作用効果を奏する。
(1)各ドリブンプレート72は、同じ材料からなる第1ドリブンプレート72aと、第1ドリブンプレート72aより厚みの薄い第2ドリブンプレート72bから構成するようにした。
よって、多板乾式クラッチ7が締結中に分割された回転軸線P方向の厚みの異なる2枚の第1ドリブンプレート72aと第2ドリブンプレート72bの固有振動で、第1ドリブンプレート72aと第2ドリブンプレート72b間で、動的に微小なスリップによる摩擦力が発生し、減衰効果を発揮することができる。
(2)第2ドリブンプレート72bの固有(共振)周波数fo2は、第1ドリブンプレート72aの固有(共振)周波数fo1の1.4倍以上となるように設定するようにした。
よって、両ドリブンプレート72a、72bの影響し合うエネルギが半分となり、両ドリブンプレート72a、72bの固有(共振)周波数が連成増幅しなくなるので、より、自励振動による異音の発生を抑制することができる。
(3)回転軸線P方向において、厚みが厚い第1ドリブンプレート72aを、厚みが薄い第2ドリブンプレート72bよりも、ピストンアーム83側に配置するようにした。
よって、板乾式クラッチ7が締結中に押し付けるピストンアーム83の4個のアーム突条83bの形状にならって、第1ドリブンプレート72aと第2ドリブンプレート72bの摩擦締結面の当たりが不均一になることを防止することができるので、鳴きのきっかけとなる摩擦面不均一による局部的なμ−V特性を防止して、鳴きを抑制することができる。
[実施形態2]
図6は、実施形態2の駆動力伝達装置におけるモータ&クラッチユニットの多板乾式クラッチの構成を示す要部断面図である。
実施形態1では、各ドリブンプレート72をすべて同じ材料からなる第1ドリブンプレート72aと第1ドリブンプレート72aより厚みの薄い第2ドリブンプレート72bから構成するようにしていたが、実施形態2では、雰囲気温度が高く、多板乾式クラッチ7が締結中の摩擦フェーシング73の表面温度も高くなり、もっとも鳴きが発生しやすい回転軸線P方向において、中央部付近に位置する2組のドリブンプレート72のみを、同じ材料からなる第1ドリブンプレート72aと第1ドリブンプレート72aより厚みの薄い第2ドリブンプレート72bから構成するようにしている。
この点を除き、実施形態1と同じ構成であるため、同じ構成には同一符号を付して、説明は省略する。
以上説明したように、実施形態2にあっては、実施形態1の作用効果に加え、以下の作用効果を奏する。
(1)雰囲気温度が高く、多板乾式クラッチ7が締結中の摩擦フェーシング73の表面温度も高くなり、もっとも鳴きが発生しやすい中央の2組のドリブンプレート72のみを、同じ材料からなる第1ドリブンプレート72aと第1ドリブンプレート72aより厚みの薄い第2ドリブンプレート72bから構成するようにした。
よって、部品点数の増加を抑制するとともに、効果的に鳴きを防止することができる。
[他の実施例]
以上、本発明を実施するための形態を実施形態に基づいて説明したが、本発明の具体的な構成は実施形態に示した構成に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、実施形態1では、複数のドリブンプレート72すべてを第1ドリブンプレート72aと第2ドリブンプレート72bの2枚に分割し、実施形態2では、中央部付近に位置する2枚のドリブンプレート72のみを第1ドリブンプレート72aと第2ドリブンプレート72bの2枚に分割しているが、少なくとも1枚のドリブンプレート72を第1ドリブンプレート72aと第2ドリブンプレート72bの2枚に分割すればよい。
3 クラッチハブ
6 クラッチドラム
64 クラッチ室
7 多板乾式クラッチ
71 ドライブプレート
72 ドリブンプレート
72a 第1ドリブンプレート
72b 第2ドリブンプレート
81 シリンダハウジング(ハウジング部材)
82 ピストン
83 ピストンアーム
83a アームボディ
83b アーム突条(アーム先端部)
84 リターンスプリング
9 モータ/ジェネレータ(モータ)
Eng エンジン
P 回転軸線

Claims (5)

  1. 交互に配置される、駆動力伝達系のクラッチハブにスプライン結合する複数のドライブプレートとクラッチドラムにスプライン結合する複数のドリブンプレートとを備え、クラッチ開放とクラッチ締結により駆動力を断接する多板乾式クラッチと、
    ハウジング部材に摺動可能に設けられ、前記多板乾式クラッチの締結時、油圧力にてクラッチ締結方向にストロークするピストンと、
    前記クラッチドラムの側壁に形成した貫通孔に摺動可能に設けられ、前記乾式クラッチを収めたクラッチ室に突出するアーム先端部が、前記ピストンのストローク動作に追従してストロークし、前記複数のドライブプレートと複数のドリブンプレートとを押圧するピストンアームと、
    前記クラッチドラムの側壁と前記ピストンの間に介装され、前記多板乾式クラッチの開放時、前記ピストンアームに対しクラッチ開放方向の付勢力を与えるリターンスプリングと、
    を備え、
    前記複数のドリブンプレートのうち少なくとも1つのドリブンプレートを、第1ドリブンプレートと第2ドリブンプレートの2枚に分割し、前記第1ドリブンプレートと第2ドリブンプレートの回転軸線方向の厚さを異ならせた、
    ことを特徴とする駆動力伝達装置。
  2. 請求項1に記載の駆動力伝達装置において、
    前記第1ドリブンプレートは、前記第2ドリブンプレートより回転軸線方向の厚さが厚く、
    前記第2ドリブンプレートの固有周波数を、前記第1ドリブンプレートの固有周波数の1.4倍以上とする、
    ことを特徴とする駆動力伝達装置。
  3. 請求項1に記載の駆動力伝達装置において、
    前記複数のドリブンプレートのうち、回転軸線方向において中央部付近に位置するドリブンプレートのみ、第1ドリブンプレートと第2ドリブンプレートの2枚に分割し、前記第1ドリブンプレートと第2ドリブンプレートの回転軸線方向の厚さを異ならせた、
    ことを特徴とする駆動力伝達装置。
  4. 請求項1から3までのいずれか1項に記載の駆動力伝達装置において、
    前記第1ドリブンプレートは、前記第2ドリブンプレートより回転軸線方向の厚さが厚く、
    前記第1ドリブンプレートを、前記ピストン側に配置した、
    ことを特徴とする駆動力伝達装置。
  5. 請求項1から4までのいずれか1項に記載された駆動力伝達装置において、
    前記多板乾式クラッチは、ハイブリッド駆動系のエンジンとモータの間に介装された多板乾式クラッチであり、
    前記多板乾式クラッチは、クラッチ締結による走行モードのとき、前記エンジンと前記モータを動力源とし、クラッチ開放による走行モードのとき、前記モータを動力源とする、
    ことを特徴とする駆動力伝達装置。
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