JP2021163900A - 発光素子および表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】信頼性が改善された発光素子および表示装置を提供すること。【解決手段】発光素子は、一対の電極と、一対の電極の間に、第1有機層および第1有機層に隣接する第2有機層と、を含み、第1有機層は、第1有機材料を含み、第2有機層は、第2有機材料を含み、第2有機層は、第1領域および第2領域を含み、第1領域は、第1有機層と接し、第1有機材料を含む。第1有機材料は、電子輸送性よりも正孔輸送性が高く、第1有機層の最低空軌道(LUMO)準位の絶対値は、第2有機層の最低空軌道(LUMO)準位の絶対値よりも小さい。【選択図】図1

Description

本発明の一実施形態は、発光素子および発光素子を含む表示装置に関する。
表示装置として、有機エレクトロルミネッセンス材料(有機EL材料)を表示領域の発光素子(有機EL素子)に用いた有機EL表示装置(Organic Electroluminescence Display)が知られている。有機EL表示装置は、有機EL材料を発光させることにより表示を実現する、いわゆる自発光型の表示装置である。
有機EL表示装置は、基板上に形成された複数の画素の各々に、表示素子として電界発光素子(以下、発光素子という)を有している。発光素子は、一対の電極間に、電界発光性を示す有機化合物を含む層(以下、発光層)を有している。一対の電極間に電流を供給することで、これらの電極から発光層へキャリア(正孔および電子)が注入されると正孔と電子は、発光層内で再結合して励起状態となる。励起状態が基底状態に緩和する過程のエネルギーが発光として取り出されることよって表示装置としての機能が発現される。
高輝度の有機EL表示装置の発光素子として、発光層に隣接して正孔ブロック層または電子ブロック層を設けた素子構造もしくは発光層に隣接した正孔ブロック層および電子ブロック層で挟まれた素子構造が知られている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1によれば、発光層に隣接する正孔ブロック層または電子ブロック層によって、正孔および電子を発光層中に効果的に閉じ込めることができるため、発光効率の高い発光素子が得られる。
特開2000−196140号公報
しかしながら、発光層に隣接して正孔ブロック層または電子ブロック層を設けた場合、発光層と正孔ブロック層との界面または発光層と電子ブロック層との界面にキャリアが蓄積しすぎるため、界面において発光に寄与しない酸化反応または還元反応が起きることがあった。そのため、発光素子の発光効率は向上するもの、酸化反応または還元反応が起きる結果、発光素子の信頼性を十分に確保することが難しかった。
本発明は、上記問題に鑑み、信頼性が改善された発光素子および表示装置を提供することを課題の一つとする。
本発明の一実施形態に係る発光素子は、一対の電極と、一対の電極の間に、第1有機層および第1有機層に隣接する第2有機層と、を含み、第1有機層は、第1有機材料を含み、第2有機層は、第2有機材料を含み、第2有機層は、第1領域および第2領域を含み、第1領域は、第1有機層と接し、第1有機材料を含む。
本発明の一実施形態に係る発光素子の模式的断面図である。 本発明の一実施形態に係る発光素子の模式的断面図である。 本発明の一実施形態に係る発光素子の模式的断面図である。 本発明の一実施形態に係る発光素子の模式的断面図である。 本発明の一実施形態に係る表示装置の構成を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係る表示装置の構成を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る表示装置の表示領域にマトリクス状に配列された複数の画素のレイアウトを示す平面図である。 本発明の一実施形態に係る表示装置の表示領域の断面図である。
以下、本発明の各実施形態において、図面等を参照しつつ説明する。但し、本発明は、その技術的思想の要旨を逸脱しない範囲において様々な態様で実施することができ、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、図示の形状そのものが本発明の解釈を限定するものではない。また、図面において、明細書中で既出の図に関して説明したものと同様の機能を備えた要素には、別図であっても同一の符号を付して、重複する説明を省略する場合がある。
ある一つの膜を加工して複数の構造体を形成した場合、各々の構造体は異なる機能、役割を有する場合があり、また各々の構造体はそれが形成される下地が異なる場合がある。しかしながら、これら複数の構造体は、同一の工程で同一層として形成された膜に由来するものであり、同一の材料を有する。従って、これら複数の膜は同一層に存在しているものと定義する。
ある構造体の上に他の構造体を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある構造体に接して、直上に他の構造体を配置する場合と、ある構造体の上方に、さらに別の構造体を介して他の構造体を配置する場合との両方を含むものとする。
「ある構造体が他の構造体から露出する」という表現は、ある構造体の一部が他の構造体によって覆われていない領域を意味する。ただしこの他の構造体によって覆われていない部分が、さらに別の構造体によって覆われている場合も含む。
<第1実施形態>
本発明の一実施形態に係る発光素子10の構成について、図1を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る発光素子10の模式的断面図である。具体的には、図1は、表示装置の表示領域に設けられた発光素子10の一部を拡大した断面図を示す。なお、表示装置の詳細については後述する。
発光素子10は、一対の電極(第1電極11および第2電極19)と、第1有機層14と、第2有機層15と、を含む。第1有機層14および第2有機層15は、一対の電極(第1電極11および第2電極19)の間に設けられている。第2有機層15は、第1有機層14に隣接して設けられている。第2有機層15は、第1領域15−1および第2領域15−2を含み、第1領域15−1は、第1有機層14に接している。また、発光素子10は、一対の電極(第1電極11および第2電極19)の間に、さらに、第2有機層15に隣接する第3有機層16を含む。第2領域15−2は、第3有機層16に接している。
例えば、第1電極11は陽極であり、第1有機層14は電子ブロック層であり、第2有機層15は発光層であり、第3有機層16は正孔ブロック層であり、第2電極19は陰極である。この場合、図1に示すように、発光素子10は、第1電極11(陽極)と、正孔注入層12と、正孔輸送層13と、第1有機層14(電子ブロック層)と、第2有機層15(発光層)と、第3有機層16(正孔ブロック層)と、電子輸送層17と、電子注入層18と、第2電極19(陰極)と、を含むことができる。但し、発光素子10の構成はこれに限られない。正孔注入層12、正孔輸送層13、電子輸送層17、または電子注入層18は、必要に応じて設けることができる。
また、例えば、第1電極11は陰極であり、第1有機層14は正孔ブロック層であり、第2有機層15は発光層であり、第3有機層16は電子ブロック層であり、第2電極19は陽極である。この場合においても、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、または電子注入層18を必要に応じて設けることができる。
以下では、本実施形態を理解しやすく説明するため、第1電極11、第1有機層14、第2有機層15、第3有機層16、および第2電極19が、それぞれ、陽極、電子ブロック層、発光層、正孔ブロック層、および陰極であるとして説明する。また、以下では、第1電極11と第2有機層15との間の層を第1機能層21とし、第2有機層15と第2電極19との間の層を第2機能層22として説明する場合がある。
[電子ブロック層]
第1有機層14は、電子ブロック層として機能することができる。すなわち、第1有機層14は、第2電極19から第2機能層22に注入された電子が再結合に寄与することなく第2有機層15を通過して正孔輸送層13へ注入されることを防ぐことができる。言い換えると、第1有機層14は、第2有機層15中に電子を閉じ込めるとともに、第2有機層15で得られる再結合の励起エネルギーが正孔輸送層13にエネルギー移動することを防ぐことができる。したがって、第1有機層14は、電子輸送性よりも正孔輸送性が高いことが好ましい。また、第1有機層14の最低空軌道(LUMO)準位の絶対値は、第2有機層15の最低空軌道(LUMO)準位の絶対値よりもが小さいことが好ましい。具体的には、第1有機層14のLUMO準位と第2有機層15のLUMO準位との差の絶対値は、0.2eV以上であり、好ましくは0.3eV以上であり、さらに好ましくは0.5eV以上である。
また、第1有機層14のバンドギャップは、第2有機層15のバンドギャップよりも大きいことが好ましい。
第1有機層14は、第1有機材料を含む。第1有機材料は、電子輸送性よりも正孔輸送性が高い材料である。第1有機材料は、例えば、共役系の比較的小さいカルバゾール誘導体、アリールアミン誘導体、またはチオフェン誘導体などを用いることができる。
[発光層]
第2有機層15は、発光層として機能することができる。すなわち、第2有機層15は、正孔と電子が再結合する層である。第2有機層15は、ホスト−ゲスト型の構成を有する。すなわち、第2有機層15は、ホストである第2有機材料に、ゲストである発光材料が含まれている。第2有機材料としては、例えば、スチルベン誘導体またはアントラセン誘導体などの縮合芳香族化合物、カルバゾール誘導体、キノリノール配位子を含む金属錯体、芳香族アミン、もしくはフェナントロリン誘導体などの含窒素ヘテロ芳香族化合物などを用いることができる。発光材料としては、例えば、クマリン誘導体、ピラン誘導体、キノクリドン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、またはアントラセン誘導体などの蛍光材料、もしくはイリジウム系オルトメタル錯体などの燐光材料を用いることができる。第2有機層15は、第2有機材料のバンドギャップが発光材料のバンドギャップよりも大きくなるように構成される。
本実施形態に係る発光素子10の第2有機層15は、さらに、第1有機材料を含む。第2有機層15に、電子輸送性よりも正孔輸送性が高い第1有機材料を添加することで、第2有機層15の正孔輸送性を向上させることができる。言い換えると、第1有機材料を用いて、第2有機層15の正孔輸送性と電子輸送性を調整することができる(キャリアバランスの調整)。
一般的に、第2有機層15の第2有機材料は、正孔輸送性よりも電子輸送性が高い。そのため、第2有機層15中のキャリアは正孔よりも電子が優位となり、電子は第1有機層14と第2有機層15との界面に蓄積しやすい。この場合、発光領域は界面近傍であるが、界面での電子密度が高くなることで濃度消光が起きやすい。すなわち、発光に寄与しないキャリアが増加する結果、表示素子の電流効率が低下する。
一方、第2有機層15に第1有機材料が添加されると、第2有機層15の正孔輸送性が高くなる。第2有機層15中において電子と再結合する正孔が増加するため、結果として、第1有機層14と第2有機層15との界面に到達する電子を減少させることができる。したがって、発光領域が第2有機層15全体に広がるため、発光素子10の電流効率が向上する。
また、第2有機層15は、第1領域15−1と、第2領域15−2と、を含む。第1領域15−1は、第1有機層14と接する。第2領域15−2は、第1有機層14から離れている。
第1領域15−1と第2領域15−2とは、第1有機材料の濃度が異なる。第1領域15−1における第1有機材料の濃度は、第2領域15−2における第1有機材料の濃度よりも大きいことが好ましい。例えば、第1領域15−1における第1有機材料の濃度は、20重量%以下であり、好ましくは15重量%以下であり、さらに好ましくは10重量%以下である。また、第2領域15−2における第1有機材料の濃度は、第1領域15−1における第1有機材料の濃度よりも小さく、15重量%以下であり、好ましくは10重量%以下であり、さらに好ましくは5重量%以下である。第2領域15−2における第1有機材料の濃度が高いと、第3有機層16と第2有機層15との界面に正孔が蓄積してしまう。そのため、第1領域15−1および第2領域15−2の各々における第1有機材料の濃度を上記範囲とし、第1領域15−1および第2領域15−2の正孔輸送性が調整されることが好ましい。
また、第1領域15−1と第2領域15−2とは、膜厚が異なっていてもよい。第1領域15−1の膜厚は、第2領域15−2の膜厚よりも小さいことが好ましい。例えば、第1領域15−1の膜厚は、第2有機層15の膜厚の0%よりも大きく、かつ、40%以下であり、好ましくは30%以下であり、さらに好ましくは20%である。第1領域15−1の膜厚を上記範囲にすることでも、第2有機層15の正孔輸送性を調整することができる。
第2有機層15を第1領域15−1と第2領域15−2とに分けることで、キャリアバランスを調整するだけでなく、発光領域の位置も調整することができる。すなわち、発光領域を、第1有機層14と第2有機層15との界面から遠ざけることができる。そのため、界面における化学反応が抑制され、発光素子10の信頼性が向上する。
[正孔ブロック層]
第3有機層16は、正孔ブロック層として機能することができる。すなわち、第3有機層16は、第1電極11から第1機能層21に注入された正孔が再結合に寄与することなく第2有機層15を通過して第3有機層16へ注入されることを防ぐことができる。言い換えると、第3有機層16は、第2有機層15中に正孔を閉じ込めるとともに、第2有機層15で得られる再結合の励起エネルギーが電子輸送層17にエネルギー移動することを防ぐことができる。したがって、第3有機層16は、正孔輸送性よりも電子輸送性が高いことが好ましい。また、第3有機層16の最高被占軌道(HOMO)準位の絶対値は、第2有機層15の最高被占軌道(HOMO)準位の絶対値よりも大きいことが好ましい。具体的には、第3有機層16のHOMO準位と第2有機層15のHOMO準位との差の絶対値は、0.2eV以上であり、好ましくは0.3eV以上であり、さらに好ましくは0.5eV以上である。
また、第3有機層16のバンドギャップは、第2有機層15のバンドギャップよりも大きいことが好ましい。
第3有機層16は、第3有機材料を含む。第3有機材料は、例えば、フェナントロリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、またはビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−ヒドロキシ−ビフェニリル)アルミニウムなどを用いることができる。
[陽極および陰極]
第1電極11は、陽極として機能することができる。すなわち、第1電極11は、第1機能層21に正孔を注入することができる。そのため、第1電極11は、仕事関数の大きい材料を用いることが好ましい。
第2電極19は、陰極として機能することができる。すなわち、第2電極19は、第2機能層22に電子を供給することができる。そのため、第2電極19は、仕事関数の小さい材料を用いることが好ましい。
第1電極11および第2電極19の少なくとも一方は、第2有機層15からの光が透過することができる透明導電材料を用いる。透明導電材料としては、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化アルミニウム亜鉛(AZO)、酸化ガリウム亜鉛(GZO)、または酸化アルミニウム亜鉛(AZO)などを用いることができる。また、透明導電材料の抵抗が高い場合、数nm程度の金属薄膜を透明導電材料で挟み込んだ積層体を第1電極11または第2電極19とすることもできる。金属薄膜の材料としては、例えば、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、または亜鉛(Zn)、もしくはこれらの合金などを用いることができる。
一方、第2有機層15からの光を反射させる場合、第1電極11または第2電極は、金属材料を用いることができる。金属材料としては、例えば、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、または亜鉛(Zn)、もしくはこれらの合金などを用いることができる。
[正孔注入層]
正孔注入層12は、第1電極11から第1機能層21へ正孔を注入しやすくする機能を有する。正孔注入層12は、酸化されやすい化合物(電子供与性化合物)、すなわち、最高被占軌道(HOMO)準位の絶対値の小さい化合物を用いることができる。正孔注入層12の材料として、例えば、ベンジジン誘導体やトリアリールアミンなどの芳香族アミン、カルバゾール誘導体、チオフェン誘導体、または銅フタロシアニンなどのフタロシアニン誘導体などを用いることができる。また、正孔注入層12の材料として、例えば、ポリチオフェンまたはポリアニリン誘導体などを用いることもできる。さらに、正孔注入層12の材料として、例えば、芳香族アミン、カルバゾール誘導体、または芳香族炭化水素などの電子供与性化合物と電子受容体との混合物を用いてもよい。電子受容体としては、例えば、酸化バナジウムまたは酸化モリブデンなどの遷移金属酸化物、含窒素ヘテロ芳香族化合物、もしくはシアノ基などの強い電子吸引基を有するヘテロ芳香族化合物などを用いることができる。これらの材料や混合物はイオン化ポテンシャルが小さいため、第1電極11からの正孔注入障壁が小さい。そのため、正孔注入層12は、発光素子10の駆動電圧の低減に寄与する。
[正孔輸送層]
正孔輸送層13は、第1電極11から正孔注入層12に注入された正孔を第2有機層15へ輸送する機能を有する。正孔輸送層13は、正孔注入層12で使用可能な材料と同様または類似する材料を用いることができる。正孔輸送層13のHOMO準位の絶対値は、正孔注入層12のHOMO準位の絶対値よりも小さいことが好ましいが、その差は小さいことが好ましい。すなわち、正孔輸送層13のHOMO準位と正孔注入層12のHOMO準位との差は、0.5eV以下であり、好ましくは0.3eV以下であり、さらに好ましくはそれ以下である。上述した材料は電子輸送性よりもホール輸送性が高いため、正孔を効率よく第2有機層15へ輸送することができ、発光素子10の低い駆動電圧を実現することができる。
[電子輸送層]
電子輸送層17は第2電極19から電子注入層18に注入された電子を第2有機層15へ輸送する機能を有する。電子輸送層17は、正孔輸送性よりも電子輸送性の高い化合物を用いることができる。電子輸送層17の材料として、例えば、8−キノリノールを基本骨格として有する配位子を含む金属錯体、オキサジアゾール誘導体やトリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体などの窒素含有ヘテロ芳香族化合物、シラシクロペンタジエン誘導体、もしくはアントラセン誘導体、ピレン誘導体、またはペリレン誘導体などの芳香族炭化水素などを用いることができる。金属錯体としては、例えば、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq)や(8−キノリノラト)リチウムなどを用いることができる。
[電子注入層]
電子注入層18は、第2電極19から第2機能層22へ電子を注入しやすくする機能を有する。電子注入層18の材料として、例えば、フッ化カルシウムまたはフッ化リチウムなどの金属フッ化物、リチウム、カルシウム、またはマグネシウムなどの第1族金属または第2族元素を用いることができる。また、電子注入層18として、電子輸送層17に使用可能な材料と電子供与体との混合物を用いてもよい。電子供与体としては、例えば、第1族金属または第2族元素、もしくはイッテルビウムなどのランタノイド金属などを用いることができる。
<具体例>
陽極、正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層、発光層、正孔ブロック層、電子輸送層、電子注入層、および陰極の積層構造を有する典型的な表示素子を作製した。素子1は、発光層を単層とし、発光層は、第2有機材料と発光材料のみからなる素子である。素子2は、発光層を単層とし、発光層は、第2有機材料と発光材料に加えて、第2有機材料に対して電子ブロック層の材料である第1有機材料を10重量%添加した素子である。素子3は、発光層を2つの領域(第1領域および第2領域)とし、電子ブロック層と接する第1領域は、第2有機材料と発光材料に加えて、第2有機材料に対して第1有機材料を10重量%添加し、電子ブロック層から離れた第2領域は、第2有機材料と発光材料に加えて、第2有機材料に対して第1有機材料を5重量%添加した素子である。
素子1〜素子3において、電流効率および初期輝度から95%の輝度となる時間(LT95)を評価した。表1に測定結果を示す。なお、表1では、電流効率およびLT95を素子1の値で規格化している。
表1からわかるように、素子1〜素子3の電流効率はほぼ同じであるが、素子1、素子2、素子3の順で信頼性が向上した。特に、発光層全体に第2有機材料を添加し、電子ブロック層と接する第1領域の第2有機材料の濃度を高くした素子3において、信頼性の向上が顕著であった。
Figure 2021163900
以上、本実施形態に係る発光素子10によれば、発光層として機能する第2有機層15中に、電子ブロック層として機能する第1有機層14の第1有機材料を添加することにより、第2有機層15のキャリアバランスを調整することができる。また、第1有機層14と第2有機層15との界面における電子の蓄積を抑制し、また、第1有機層14と第2有機層15との界面から発光領域を遠ざけることにより、発光素子10の電流効率および信頼性が向上する。
<変形例1>
発光素子10の別の実施形態に係る発光素子10aの構成について、図2を参照して説明する。なお、以下では、発光素子10と同様の構成については説明を省略し、主に、発光素子10と異なる構成について説明する。
図2は、本発明の一実施形態に係る発光素子10aの模式的断面図である。具体的には、図2は、表示装置の表示領域に設けられた発光素子10aの一部を拡大した断面図を示す。なお、表示装置の詳細については後述する。
発光素子10aは、一対の電極(第1電極11および第2電極19)と、第1有機層14と、第2有機層15aと、を含む。第1有機層14および第2有機層15aは、一対の電極(第1電極11および第2電極19)の間に設けられている。第2有機層15aは、第1有機層14に隣接して設けられている。第2有機層15aは、第1領域15a−1および第2領域15a−2を含み、第1領域15a−1は、第1有機層に接している。第1有機層14は第1有機材料を含み、第2有機層15aは第2有機材料を含む。
発光素子10aでは、第1領域15a−1は第1有機材料を含むが、第2領域15a−2は第1有機材料を含まない。すなわち、発光素子10aにおいては、第1領域15a−1の第1有機材料の濃度および膜厚によって、第2有機層15a中のキャリアバランスを調整することができる。そのため、発光素子10aにおいても、電流効率および信頼性が向上する。
<変形例2>
発光素子10の別の実施形態に係る発光素子10bの構成について、図3を参照して説明する。なお、以下では、発光素子10と同様の構成については説明を省略し、主に、発光素子10と異なる構成について説明する。
図3は、本発明の一実施形態に係る発光素子10bの模式的断面図である。具体的には、図3は、表示装置の表示領域に設けられた発光素子10bの一部を拡大した断面図を示す。なお、表示装置の詳細については後述する。
発光素子10bは、一対の電極(第1電極11および第2電極19)と、第1有機層14と、第2有機層15bと、を含む。第1有機層14および第2有機層15bは、一対の電極(第1電極11および第2電極19)の間に設けられている。第2有機層15bは、第1有機層14に隣接して設けられている。第2有機層15bは、第1領域15b−1、第2領域15b−2、および第3領域15b−3を含み、第1領域15b−1は、第1有機層に接している。第3領域15b−3は、第2領域15b−2よりも第1有機層14から離れている。第1有機層14は第1有機材料を含み、第2有機層15bは第2有機材料を含む。
発光素子10bでは、第1領域15b−1、第2領域15b−2、および第3領域15b−3の各々が第1有機材料を含む。第1領域15b−1における第1有機材料の濃度は、第3領域15b−3における第1有機材料の濃度よりも大きい。また、第2領域15b−2における第1有機材料の濃度は、第3領域15b−3における第1有機材料の濃度よりも大きく、第1領域15b−1における第1有機材料の濃度よりも小さい。
発光素子10bにおいても、第1領域15b−1、第2領域15b−2、および第3領域15b−3の各々の第1有機材料の濃度および膜厚によって、第2有機層15b中のキャリアバランスを調整することができる。そのため、発光素子10bにおいても、電流効率および信頼性が向上する。
なお、本実施形態では、第1領域15b−1、第2領域15b−2、および第3領域15b−3のように、第2有機層15における第1有機材料の濃度が3つに分離された構成について説明したが、第1有機材料の濃度の異なる領域は3つ以上であってもよい。また、第2有機層15における第1有機材料の濃度が、第1有機層14から第3有機層16に向かって小さくなるように連続的に設けられた構成とすることもできる。
<第2実施形態>
本発明の一実施形態に係る発光素子20の構成について、図4を参照して説明する。なお、以下では、発光素子10と同様の構成については説明を省略し、主に、発光素子10と異なる構成について説明する。
図4は、本発明の一実施形態に係る発光素子20の模式的断面図である。具体的には、図4は、表示装置の表示領域に設けられた発光素子20の一部を拡大した断面図を示す。なお、表示装置の詳細については後述する。
発光素子20は、一対の電極(第1電極11および第2電極19)と、第1ユニット20−1と、第2ユニット20−2と、電荷発生層23と、を含む。第1ユニット20−1、第2ユニット20−2、および電荷発生層23は、一対の電極(第1電極11および第2電極19)の間に設けられている。電荷発生層23は、第1ユニット20−1と第2ユニット20−2の間に設けられている。
第1ユニット20−1は、第1有機層24および第2有機層25を含む。第2有機層25は、第1領域25−1および第2領域25−2を含み、第1領域25−1は、第1有機層24に接している。また、第2ユニット20−2は、第1有機層26および第2有機層27を含む。第2有機層27は、第1領域27−1および第2領域27−2を含み、第1領域27−1は、第1有機層26に接している。第1ユニット20−1の第1有機層24は第1有機材料を含み、第2有機層25は第2有機材料を含む。また、第2ユニットの第1有機層26は第1有機材料を含み、第2有機層27は第2有機材料を含む。第1有機材料および第2有機材料は、第1実施形態で説明したとおりであるが、第1ユニット20−1の第1有機材料と第2ユニット20−2の第1有機材料とは同じであってもよく、異なっていてもよい。同様に、第1ユニット20−1の第2有機材料と第2ユニット20−2の第2有機材料も同じであってもよく、異なっていてもよい。
本実施形態においても、第1実施形態と同様に、第1ユニット20−1の第2有機層25は、第1有機層24の第1有機材料を含み、第2ユニット20−2の第2有機層27は、第1有機層26の第1有機材料を含む。
以下では、本実施形態を理解しやすく説明するため、第1電極11、第1有機層、第2有機層15、第3有機層16、および第2電極19が、それぞれ、陽極、電子ブロック層、発光層、正孔ブロック層、および陰極であるとして説明する。
第1ユニット20−1は、さらに、正孔注入層12と、正孔輸送層13と、第3有機層16(正孔ブロック層)と、電子輸送層17と、を含む。また、第2ユニット20−2は、さらに、正孔輸送層13と、第3有機層16(正孔ブロック層)と、電子輸送層17と、電子注入層18と、を含む。但し、発光素子20の構成はこれに限られない。第1ユニット20−1および第2ユニット20−2に含まれる層は、必要に応じて適宜設けることができ、または省略することができる。
電荷発生層23は、第1電極11と第2電極19との間に電圧を印加した場合に、第1ユニット20−1に電子を注入し、第2ユニット20−2に正孔を注入する機能を有する。電荷発生層23は、正孔輸送層13で使用可能な材料と同様または類似する材料と電子受容体の混合物、もしくは電子輸送層17で使用可能な材料と同様または類似する材料と電子供与体の混合物を用いることができる。
以上、本実施形態に係る発光素子20によれば、第1ユニット20−1および第2ユニット20−2から発光が得られるため、電流効率および信頼性の高い発光素子となる。発光層として機能する第2有機層25および27のそれぞれに、電子ブロック層として機能する第1有機層24および26の第1有機材料を添加することにより、第2有機層25および27のキャリアバランスを調整することができる。また、第1有機層24と第2有機層25との界面および第1有機層26と第2有機層27との界面における電子の蓄積を抑制し、また、第1有機層14と第2有機層15との界面および第1有機層26と第2有機層27との界面から発光領域を遠ざけることにより、発光素子20の電流効率および信頼性がさらに向上する。
<第3実施形態>
本発明の一実施形態に係る表示装置100の構成について、図5〜図8を参照して説明する。
図5は、本発明の一実施形態に係る表示装置100の構成を示す平面図である。表示装置100は、基板101と、周辺領域102と、表示領域103と、を含む。
表示領域103は基板101上に設けられている。表示領域103は、複数の画素109を含む。複数の画素109は、マトリクス状に配列されている。複数の画素109の配列数は任意である。例えば、行方向にm個、列方向にn個の画素109が配列される(mおよびnは整数)。複数の画素109の各々は、図5に図示されていないが、少なくとも選択トランジスタ、駆動トランジスタ、および発光素子を有する画素回路から構成される。
周辺領域102は表示領域103を囲むように設けられている。なお、周辺領域102とは、表示領域103から基板101の端部までの領域をいう。言い換えれば、周辺領域102は、基板101上で表示領域103が設けられる以外の領域(すなわち、表示領域103の外側の領域)をいうものとする。周辺領域102は、駆動回路104、端子107を含む。駆動回路104は、表示領域103を挟むように設けられている。また、周辺領域102には、ドライバIC105が設けられていていてもよい。ドライバIC105は、端子107と接続されている。端子107は、フレキシブルプリント回路基板108(FPC)と接続されている。
駆動回路104は、画素109と接続される走査線と接続され、走査線駆動回路として機能する。また、ドライバIC105は、画素109と接続される信号線に接続され、信号線駆動回路が組み込まれている。なお、図5においては、ドライバIC105に、信号線駆動回路が組み込まれている構成を示すが、ドライバIC105とは別に、基板101上に信号線駆動回路が設けられていてもよい。
ドライバIC105は、ICチップのような形態で基板101上に配置されている。また、ドライバIC105は、図示しないが、フレキシブルプリント回路基板108上に設けてもよい。
複数の画素109の各々には、ドライバIC105から信号線を介して、映像信号が与えられる。また、各画素109には、ドライバIC105から駆動回路104と、走査線とを介して各画素109を選択する信号が与えられる。これらの信号により、画素109が有するトランジスタを駆動させて、映像信号に応じた画面表示を行うことができる。
図6は、本発明の一実施形態に係る表示装置100の構成を示す断面図である。具体的には、図6は、図5に示す表示装置100のA1−A2線に沿って切断した断面図である。
図6に示すように、表示領域103は、複数の画素109R、109G、および109Bを有している。図6では、複数の画素109R、109G、および109Bのそれぞれが有する発光素子10R、10G、および10Bを、発光する色によって区別している。例えば、画素109Rの発光素子10Rは赤色を発光し、画素109Gの発光素子10Gは緑色を発光し、画素109Bの発光素子10Bは青色を発光する。
基板101上には、下地層110を介して、トランジスタ120および容量素子130が設けられている。
基板101として、ガラス基板、石英基板、またはフレキシブル基板(ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、トリアセチルセルロース、環状オレフィン・コポリマー、シクロオレフィンポリマー、その他の可撓性を有する樹脂基板)を用いることができる。基板101が透光性を有する必要がない場合には、金属基板、セラミックス基板、または半導体基板を用いることも可能である。基板101として、フレキシブル基板を用いることにより、表示装置100を折り曲げることができる。
基板101上には、下地層110が設けられる。下地層110は、酸化シリコン、窒化シリコン、または酸化アルミニウムなどの無機材料で構成される絶縁層である。下地層110は、単層構造であってもよく、例えば、酸化シリコン層と窒化シリコン層とを組み合わせた積層構造であってもよい。本実施形態では、下地層110として、窒化シリコン層111、酸化シリコン層112、および窒化シリコン層113の三層構造で設ける場合について示す。この構成は、基板101との密着性や、後述するトランジスタ120に対するガスバリア性を考慮して適宜決定すれば良い。
トランジスタ120は、半導体層114、ゲート絶縁膜115、ゲート電極117、ソース電極122、またはドレイン電極123を有する。トランジスタ120は、Nch型トランジスタであってもよいし、Pch型トランジスタであってもよい。本実施形態では、トランジスタ120は、Nch型トランジスタを用いる場合について説明する。
半導体層114は、アモルファス、ポリシリコン、または酸化物半導体を用いることができる。本実施形態では、ポリシリコンを用いる場合について説明する。Nch型トランジスタでは、半導体層114に、チャネル領域114aと、高濃度不純物領域114d、114e(ソース領域またはドレイン領域)との間に、低濃度不純物領域114b、114cを設けた構造を有する。
ゲート絶縁膜115として、酸化シリコン、窒化シリコン、または酸化アルミニウムなどの無機材料で構成される絶縁層を用いることができる。ゲート電極117としては、銅、モリブデン、タンタル、タングステン、アルミニウムなどの金属材料で構成される導電層を用いることができる。ソース電極122またはドレイン電極123の各々は、銅、チタン、モリブデン、またはアルミニウムなどの金属材料で構成される導電層を用いることができる。
容量素子130は、ゲート絶縁膜115を間に挟んで、一対の電極で形成される。容量素子130の一方の電極として、半導体層114の高濃度不純物領域114dを用い、他方の電極として、導電層118を用いる。導電層118は、ゲート電極と同じ膜から形成される。
トランジスタ120および容量素子130を覆うように、層間絶縁層119が設けられている。層間絶縁層119は、酸化シリコン、窒化シリコン、または酸化アルミニウムなどの無機材料で構成される絶縁層である。また、層間絶縁層119上には、ソース電極122またはドレイン電極123が設けられている。ソース電極122またはドレイン電極123は、ゲート絶縁膜115および層間絶縁層119に設けられたコンタクトホールを介して、半導体層114(高濃度不純物領域114d、114e)と接続される。
層間絶縁層119上に、平坦化膜121が設けられる。平坦化膜121は、有機樹脂材料を含む。有機樹脂材料としては、例えば、ポリイミド、ポリアミド、アクリル、またはエポキシなどの有機樹脂材料を用いることができる。これらの材料は、溶液塗布法により膜形成が可能であり、平坦化効果が高いという特長がある。平坦化膜121は、ソース電極122またはドレイン電極123の一部を露出させるコンタクトホールを有する。コンタクトホールは、後述する第1電極11とソース電極122またはドレイン電極123とを電気的に接続するために設けられる。
平坦化膜121に設けられたコンタクトホールには、透明導電層125が設けられる。透明導電層125は、平坦化膜121が有するコンタクトホールに重畳し、コンタクトホールの底面で露出されたソース電極122またはドレイン電極123と電気的に接続する。透明導電層125として、酸化インジウム系透明導電層(例えば、ITO)や酸化亜鉛系透明導電層(例えば、IZO、ZnO)を用いることができる。また、平坦化膜121上には、透明導電層124が設けられる。透明導電層125と透明導電層124とは、同じ材料により形成される。
また、透明導電層125上には、絶縁層211が設けられる。絶縁層211として、窒化シリコン層などを使用することが好ましい。絶縁層211には、ソース電極122またはドレイン電極123と、透明導電層125とが重畳する領域において、コンタクトホールが形成されている。
また、絶縁層211上には、第1電極11が設けられている。第1電極11は、絶縁層211に設けられたコンタクトホールを介して、透明導電層125と接続されている。これにより、第1電極11は、ソース電極またはドレイン電極123と電気的に接続される。また、第1電極11と、絶縁層211と、透明導電層124とにより、容量素子130が構成される。
絶縁層211上には、発光素子10R、10G、および10Bが設けられている。発光素子10R、10G、および10Bは、それぞれ、第1電極11、第1機能層21、第2機能層22、および第2電極19を有している。また、発光素子10R、10G、および10Bは、それぞれ、発光する色に応じて、第2有機層15R、15G、および15Bを有している。また、発光素子10R、10G、および10Bをそれぞれ分離するためのバンク213が設けられている。発光素子10R、10G、および10Bの各々の構成は、第1実施形態で説明したとおりである。
発光素子10R、10G、および10B上には、封止膜220が設けられている。封止膜220は、発光素子10R、10G、および10Bに水分が侵入することを防止すために設けられる。封止膜220として、酸化シリコン、窒化シリコン、または酸化アルミニウムなどの無機材料、もしくはポリイミド、ポリアミド、アクリル、またはエポキシなどの有機樹脂材料を用いることができる。図6では、封止膜220として、無機絶縁層221、有機絶縁層222、および無機絶縁層223を用いる構成を示している。
図示しないが、封止膜220上には、偏光板が設けられていてもよい。偏光板は、封止膜220上に、粘着材を用いて貼りつけられていてもよい。または、封止膜220上に粘着材を用いて基板が貼り付けられ、さらに基板上に粘着材を介して偏光板が貼り付けられていてもよい。
次に、本実施形態に係る表示装置100の画素が有する発光素子の構成について図7および図8を参照して説明する。
図7は、本発明の一実施形態に係る表示装置100の表示領域103にマトリクス状に配列された複数の画素109R、109G、および109Bのレイアウトを示す平面図である。また、図8は、本発明の一実施形態に係る表示装置100の表示領域の断面図である。具体的には、図8は、図7に示すB1−B2線に沿って切断したときの断面図である。図8に示すように、画素109R、109G、および109Bに設けられる発光素子10R、10G、および10Bの断面を示している。なお、図8では、発光素子10R、10G、および10Bの各々に接続されるトランジスタ120の断面については図示を省略しているが、その態様については図6の説明と同様である。
図7に示すように、表示領域103においては、複数の画素109R、109G、および109Bがマトリクス状に配置されている。図8では、画素109R、109G、および109Bを構成する一部の層を示している。また、図8では、第1電極11と、バンク213の開口部214と、第2有機層15R、15G、および15Bを示している。複数の第1電極11は、マトリクス状に配置されている。また、第2有機層15R、15G、および15Bは、それぞれ、行方向に隣接する第1電極11の間では不連続であり、列方向に隣接する第1電極11の間では連続している。
以上、本実施形態に係る表示装置100によれば、各画素109が発光素子10を含むため、表示装置100の電流効率および信頼性が向上する。
本発明の実施形態として上述した各実施形態は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜組み合わせて実施することができる。また、各実施形態を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったもの、または、工程の追加、省略もしくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
上述した各実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、または、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
10、10a、10b、10B、10G、10R、20:発光素子、 11:第1電極、 12:正孔注入層、 13:正孔輸送層、 14、24、26:第1有機層、 15、15a、15b、15G、15R、25、27:第2有機層、 15−1、15a−1、15b−1、25−1、27−1:第1領域、 15−2、15a−2、15b−2、25−2、27−2:第2領域、 15b−3:第3領域、 16:第3有機層、 17:電子輸送層、 18:電子注入層、 19:第2電極、 20−1:第1ユニット、 20−2:第2ユニット、 21:第1機能層、 22:第2機能層、 23:電荷発生層、 100:表示装置、 101:基板、 102:周辺領域、 103:表示領域、 104:駆動回路、 107:端子、 108:フレキシブルプリント回路基板、 109、109B、109G、109R:画素、 110:下地層、 111、113:窒化シリコン層、 112:酸化シリコン層、 114:半導体層、 114a:チャネル領域、 114b、114c:低濃度不純物領域、 114d、114e:高濃度不純物領域、 115:ゲート絶縁膜、 117:ゲート電極、 118:導電層、 119:層間絶縁層、 120:トランジスタ、 121:平坦化膜、 122:ソース電極、 123:ドレイン電極、 124、125:透明導電層、 130:容量素子、 211:絶縁層、 213:バンク、 214:開口部、 220:封止膜、 221、223:無機絶縁層、 222:有機絶縁層

Claims (15)

  1. 一対の電極と、
    前記一対の電極の間に、第1有機層および前記第1有機層に隣接する第2有機層と、を含み、
    前記第1有機層は、第1有機材料を含み、
    前記第2有機層は、第2有機材料を含み、
    前記第2有機層は、第1領域および第2領域を含み、
    前記第1領域は、前記第1有機層と接し、前記第1有機材料を含む発光素子。
  2. 前記第1有機材料は、電子輸送性よりも正孔輸送性が高く、
    前記第1有機層の最低空軌道(LUMO)準位の絶対値は、前記第2有機層の最低空軌道(LUMO)準位の絶対値よりも小さい請求項1に記載の発光素子。
  3. 前記第1有機層の最低空軌道(LUMO)準位と前記第2有機層の最低空軌道(LUMO)準位との差の絶対値は、0.2eV以上である請求項2に記載の発光素子。
  4. 前記第2有機材料は、正孔輸送性よりも電子輸送性が高い化合物である請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の発光素子。
  5. 前記第1領域の膜厚は、前記第2有機層の膜厚の0%よりも大きく、かつ、40%以下である請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の発光素子。
  6. 前記第1領域における前記第1有機材料の濃度は、前記第2有機材料に対して20重量%以下である請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の発光素子。
  7. 前記第2領域は、前記第1有機材料を含まない請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の発光素子。
  8. 前記第2領域は、前記第1有機材料を含み、
    前記第2領域における前記第1有機材料の濃度は、前記第1領域における前記第1有機材料の濃度よりも小さい請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の発光素子。
  9. 前記第2有機層は、さらに、前記第2領域よりも前記1有機層から離れた第3領域を含み、
    前記第3領域は、前記第1有機材料を含み、
    前記第3領域における前記第1有機材料の濃度は、前記第2領域における前記第1有機材料の濃度よりも小さい請求項8に記載の発光素子。
  10. さらに、前記一対の電極の間に、前記第2有機層に隣接する第3有機層を含み、
    前記第3有機層は、正孔輸送性よりも電子輸送性が高い第3有機材料を含み、
    前記第3有機層の最高被占軌道(HOMO)準位の絶対値は、前記第2有機層の最高被占軌道(HOMO)準位の絶対値よりも大きい請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の発光素子。
  11. 前記第3有機層の最高被占軌道(HOMO)準位と前記第2有機層の最高被占軌道(HOMO)準位との差の絶対値は、0.2eV以上である請求項10に記載の発光素子。
  12. 前記第3有機層は、前記第2領域と接する請求項10または請求項11に記載の発光素子。
  13. 前記第2有機層は、さらに、前記第2領域よりも前記1有機層から離れ、前記第3有機層と接する第3領域を含み、
    前記第3領域は、前記第1有機材料を含み、
    前記第3領域における前記第1有機材料の濃度は、前記第2領域における前記第1有機材料の濃度よりも小さい請求項10乃至請求項12のいずれか一項に記載の発光素子。
  14. 前記第2有機層は、発光層である請求項1乃至請求項13のいずれか一項に記載の発光素子。
  15. 請求項1乃至請求項14のいずれか一項に記載の発光素子を画素に含む表示装置。
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