JP2021163337A - 静電容量タッチパネル装置および静電容量タッチパネル装置の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】タッチパネルの一部が故障した場合にも、故障部分のタッチ操作を検出可能にする。【解決手段】静電容量タッチパネル装置100は、複数の第1電極と複数の第2電極との交差部分に設けられるセルとを有するタッチパネル110と、複数の第1電極にパルス信号を順次出力し、複数の第2電極のそれぞれから出力される応答信号をセルデータとして検出する電極制御部120と、正常なセルデータを検出できない故障セルの位置を示す位置情報を保持する故障情報保持部と、電極制御部が検出したセルデータと故障情報保持部に保持された故障セルの位置情報とに基づいて、各故障セルの周囲のセルのセルデータを使用し、各故障セルのセルデータを算出するセルデータ算出部134と、電極制御部120が検出したセルデータとセルデータ算出部134が算出したセルデータとに基づいてタッチパネル110のタッチされた位置を判定するタッチ判定部136と、を有する。【選択図】図1
Description
本発明は、静電容量タッチパネル装置および静電容量タッチパネル装置の制御方法に関する。
液晶表示装置等の表示装置に静電容量方式のタッチパネルを組み込んだカーナビゲーション装置や携帯端末等の情報機器が知られている。タッチパネルの一部が故障した場合、故障部分でのタッチ操作の検出はできなくなる。そこで、タッチパネルの故障部分に対応する表示画面の領域に、タッチパネルの故障により使用できないことを示す情報を表示する手法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、タッチパネルの複数の電極の一端に接続される共通の検査電極から検査電圧を入力し、各電極の他端に接続された端子に現れる電圧を観測することで、各電極の断線または抵抗値の増大を検出する手法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、タッチパネルの一部が故障した場合、情報機器を使用するユーザは、タッチパネルの故障部分のタッチ操作ができない状態で、情報機器を使い続けなければならない。あるいは、情報機器を使用するユーザは、タッチパネルが故障した情報機器を修理し、または、新たな情報機器を購入しなければならない。
上記の課題に鑑み、本発明は、タッチパネルの一部が故障した場合にも、故障部分のタッチ操作を検出可能にすることを目的とする。
一つの観点によれば、静電容量タッチパネル装置は、第1方向に並ぶ複数の第1電極と、前記第1方向に直交する第2方向に並ぶ複数の第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との交差部分に設けられるセルとを有するタッチパネルと、前記複数の第1電極にパルス信号を順次出力し、前記複数の第2電極のそれぞれから出力される応答信号をセルデータとして検出する電極制御部と、正常なセルデータを検出できない故障セルの位置を示す位置情報を保持する故障情報保持部と、前記電極制御部が検出したセルデータと前記故障情報保持部に保持された故障セルの位置情報とに基づいて、各故障セルの周囲のセルのセルデータを使用して、前記各故障セルのセルデータを算出するセルデータ算出部と、前記電極制御部が検出したセルデータと前記セルデータ算出部が算出したセルデータとに基づいて前記タッチパネルのタッチされた位置を判定するタッチ判定部と、を有することを特徴とする。
タッチパネルの一部が故障した場合にも、故障部分のタッチ操作を検出可能にすることができる。
以下、図面を参照して実施の形態の説明を行う。なお、各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
図1は、一実施形態における静電容量タッチパネル装置を含む表示装置の一例を示すブロック図である。例えば、図1に示す表示装置200は、液晶表示装置であり、相互容量方式を採用した静電容量タッチパネル装置100を搭載している。表示装置200は、例えば、カーナビゲーション装置に搭載される。
表示装置200は、LCD(Liquid Crystal Display)ドライバ210、ゲート出力回路220、ソース出力回路230および液晶ディスプレイ240を有する。LCDドライバ210は、外部装置から制御信号および映像信号(画像データ)を受け、液晶ディスプレイ240を駆動する制御信号をゲート出力回路220に出力し、液晶ディスプレイ240に表示する画像データを1ライン毎にソース出力回路230に出力する。
ゲート出力回路220は、LCDドライバ210から受信する制御信号に基づいて、液晶ディスプレイ240のゲート線を駆動するゲート信号を順次生成して液晶ディスプレイ240に出力する。ソース出力回路230は、LCDドライバ210から受信する1ライン毎の画像データを、ソース線(データ線)に出力する。これにより、液晶ディスプレイ240に画像が表示される。
静電容量タッチパネル装置100は、液晶ディスプレイ240の画面に対向して配置されるタッチパネル110、電極制御部120、CPU130およびメモリ140を有する。CPU130は、故障検出部132、セルデータ算出部134およびタッチ判定部136を有する。例えば、故障検出部132、セルデータ算出部134およびタッチ判定部136は、CPU130が実行する制御プログラムにより実現されるが、ハードウェアにより実現されてもよい。
タッチパネル110は、図1の第1方向D1に所定間隔をおいて並ぶ複数の電極TXと、第1方向D1に直交する第2方向D2に所定間隔をおいて並ぶ複数の電極RXとを有する。電極TXと電極RXとの交差部分には、タッチパネル110のタッチ操作の位置を検出するセルCELLが設けられる。電極TXは、第1電極の一例であり、電極RXは、第2電極の一例であり、セルCELLは、検出セルの一例である。
電極制御部120は、複数の電極TXにパルス信号PLSを順次出力し、パルス信号PLSに応答して複数の電極RXを介して伝送される応答信号RSPを、セルCELLからのセルデータCDとして検出する。電極制御部120は、検出したセルデータCDをセルデータ算出部134、タッチ判定部136および故障検出部132に出力する。
故障検出部132は、電極制御部120からのセルデータCDに基づいて、正常なセルデータを検出できないセルCELLである故障セルDCELL(図5)を検出する。故障検出部132は、検出した故障セルDCELLの位置を示す位置情報をメモリ140に格納する。例えば、故障セルDCELLの位置情報は、電極TX、RXを識別する番号で示される。メモリ140は、故障セルDCELLの位置を示す位置情報を保持する故障情報保持部の一例である。
特に限定されないが、故障検出部132は、表示装置200の電源投入時またはタッチパネル110のタッチ操作が所定期間行われない時に動作し、電極制御部120を制御して故障セルDCELLを検出する。なお、表示装置200の電源オン/オフと静電容量タッチパネル装置100の電源オン/オフとを独立に制御可能な場合、故障検出部132は、静電容量タッチパネル装置100の電源投入時に、電極制御部120を制御して故障セルDCELLを検出してもよい。
セルデータ算出部134は、電極制御部120が検出したセルデータCDとメモリ140に保持されている故障セルDCELLの位置情報とに基づいて、故障セルDCELLのセルデータCDを算出する。後述するように、例えば、セルデータ算出部134は、故障セルDCELLのセルデータCDを使用せずに、故障セルDCELLの周囲のセルCELLのセルデータCDを使用して故障セルDCELLのセルデータCDを補間する。
以下では、セルデータ算出部134が算出した故障セルDCELLのセルデータCDを補間データとも称する。故障セルDCELLのセルデータCDの補間方法については、図7で説明する。なお、タッチパネル110の全てのセルCELLが正常に動作し、故障セルDCELLの位置情報がメモリ140に保持されていない場合、セルデータ算出部134は動作しない。
タッチ判定部136は、電極制御部120が検出したセルデータCDに基づいてタッチパネル110のタッチされた位置を判定する。例えば、タッチ判定部136は、故障セルDCELLの位置情報がメモリ140に保持されていない場合、電極制御部120が検出したセルデータCDのみに基づいてタッチパネル110のタッチされた位置を判定する。
一方、タッチ判定部136は、故障セルDCELLの位置情報がメモリ140に保持されている場合、セルデータ算出部134が算出した故障セルDCELLの補間データを使用する。そして、タッチ判定部136は、電極制御部120が検出したセルデータCD(故障セルDCELLのセルデータCDを除く)と、セルデータ算出部134が算出した補間データとに基づいて、タッチパネル110のタッチされた位置を判定する。
すなわち、タッチ判定部136は、セルデータCDおよび補間データに基づいて、タッチパネル110のタッチ操作の有無と、タッチされた位置とを判定する。タッチ判定部136は、タッチされた位置とともに、タッチの強度を判定してもよい。メモリ140は、故障セルDCELLの位置を示す位置情報を保持するだけでなく、CPU130が実行する静電容量タッチパネル装置100の制御プログラムが格納されてもよい。
図2は、図1のタッチパネル110の一例を示す概要図である。タッチパネル110は、第1方向D1に並ぶ複数の電極TXを含む電極層LTXと、第2方向D2に並ぶ複数の電極RXを含む電極層LRXと、コモン電極COMを含むコモン電極層LCMとを有する。電極TX、RXおよびコモン電極COMは、図1に示した液晶ディスプレイ240から出力される光を透過させるために、透明電極(ITO;Indium Tin Oxide)により形成される。
各電極TX、RXは、間隔をおいて配置される複数のダイヤモンド形状(正方形)のセンサ電極を有しており、電極TXのセンサ電極と電極RXのセンサ電極との間の静電容量値の変化に応じて、タッチ操作が検出される。タッチパネル110のセルCELLは、電極TXのセンサ電極と電極RXのセンサ電極と対向部分に割り当てられる。
図3は、電極TX、RXへの静電気の印加により透明電極ITOが破壊する一例を示す説明図である。各電極TX、RXのセンサ電極は、正常状態では、電極層LTX、LRX内のそれぞれに規則正しく並んでおり、所定の間隔をおいてコモン電極に対向している。
例えば、電極TXのいずれかに静電気が印加され、センサ電極のいずれかがコモン電極COMとショートした場合、電極TX全体が、コモン電極COMに電気的に接続され、ショート破壊状態になる。同様に、電極RXのいずれかに静電気が印加され、センサ電極のいずれかがコモン電極COMとショートした場合、電極RX全体が、コモン電極COMに電気的に接続され、ショート破壊状態になる。ここで、電極TX、RXへの静電気の印加は、物体または人体が、帯電したタッチパネル110と接触し、または帯電した物体または人体が、タッチパネル110と接触することで行われる。
また、電極TXのいずれかに静電気が印加され、センサ電極が途中で断線した場合、断線した箇所で電極TXが分断され、オープン破壊状態になる。同様に、電極RXのいずれかに静電気が印加され、センサ電極が途中で断線した場合、断線した箇所で電極RXが分断され、オープン破壊状態になる。
ショート破壊状態およびオープン破壊状態は、電極TX、RXの物理的な破壊であるため、修復することができない。なお、以下では、ショート破壊状態およびオープン破壊状態は、電極TX0〜TX12または電極RX0〜X12のいずれかで発生するとして説明する。
図4は、図1のタッチパネル110によりタッチ操作を検出する動作の一例を示す説明図である。図4に示すタッチパネル110は、第1方向D1に配列される13本の電極TX(TX0〜TX12)と、第2方向D2に配列される13本の電極RX(RX0〜RX12)とを有する。そして、タッチパネル110は、電極TX、RXの交差部分に169個のセルCELLを有する。なお、電極TX、RXの数は、13本に限定されない。
各セルCELLに示す数値は、静電容量の変化を相対的に示しており、数値が大きいほどタッチ操作された場所に近く、タッチ操作による影響を大きく受けていることを示す。以下では、各セルCELLに示す数値を、容量変化値とも称する。
図4に示す例では、白抜きの矢印で示すように、電極TX6、RX6の交差部分に位置するセルCELL(着目セル)またはこの着目セルCELLを中心とする領域が、ユーザによりタッチ操作される。電極制御部120は、電極TX0〜TX12に順次パルス信号PLSを印加し、パルス信号PLSの印加毎に各電極RX0〜RX12から応答信号RSPを受信する。
例えば、電極制御部120は、細い直線の矢印で示すように、電極TX6にパルス信号PLSを印加し、各電極RX0〜RX12からの応答信号RSPの信号量に基づいて、電極TX6に対応する13個のセルCELLの静電容量の変化を容量変化値として検出する。図4では、静電容量値は、着目セルCELLをピークとして、着目セルCELLの周囲に向けて徐々に小さくなる。電極制御部120は、電極TX0〜TX12毎に、検出した13個の容量変化値をセルデータCDとしてタッチ判定部136等に出力する。
タッチ判定部136は、タッチパネル110内の169個のセルCELLに対応するセルデータCDに基づいて、タッチ操作されたセルCELLを判定する。この例では、タッチ判定部136は、着目セルCELL(TX=6、RX=6)がタッチされたと判定する。
図5は、電極RXへの静電気の印加によりショート不良が発生したタッチパネル110のタッチ操作を検出する一例を示す説明図である。図5に示す例では、電極RX6が、静電気の印加等により破壊してコモン電極COMに接続され、図3に示したショート破壊状態になる。この場合、各電極TX0〜TX12に順次パルス信号PLSが印加されても、電極TX6上に設けられる複数の連続するセンサ電極の静電容量は変化しない。このため、電極制御部120は、容量変化値が"0"の応答信号RSPを電極RX6から受信する。
白抜きの矢印の先に示すように、ショート破壊状態の電極RX6がユーザによりタッチ操作された場合、電極制御部120は、電極RX6に対応する故障セルDCELLから正しい容量変化値を得ることができない。このため、故障検出部132およびセルデータ算出部134を持たない静電容量タッチパネル装置100では、タッチ判定部136は、ショート不良が発生した電極RX6に対応する故障セルDCELLのタッチ操作を正しく判定することができない。
例えば、タッチ判定部136は、容量変化値が最も大きい電極TX6、RX5の交差部分のセルCELLと、電極TX6、RX7の交差部分のセルCELLとがタッチ操作されたと誤判定してしまう。そこで、この実施形態では、ショート破壊状態の電極RX、TXがある場合にも、故障検出部132およびセルデータ算出部134により、タッチ判定部136がタッチ操作の位置を正しく判定できるようにする。故障検出部132およびセルデータ算出部134を有する静電容量タッチパネル装置100の動作の例は、図7で説明する。
図6は、電極RXへの静電気の印加によりオープン不良が発生したタッチパネル110のタッチ操作を検出する一例を示す説明図である。図5と同様の動作については、詳細な説明を省略する。図6に示す例では、電極RX6において、TX6と交差する部分のセンサ電極が、電極RX6への静電気の印加等により破壊してオープン破壊状態が発生する。
電極RX6と電極TX7〜TX12との交差部分に位置するセンサ電極は、応答信号線RSPに接続されているため、各電極TX7〜TX12へのパルス信号PLSの印加に応答して、正常な応答信号RSPを出力する。一方、電極RX6と電極TX0〜TX6との交差部分に位置するセンサ電極は、応答信号線RSPとの接続が切れているため、各電極TX0〜TX6へのパルス信号PLSの印加に応答して発生する容量変化値は、応答信号RSPに伝達されない。
このため、電極制御部120は、電極RX6と電極TX0〜TX6との交差部分の故障セルDCELLからの容量変化値として、"0"の応答信号RSPを受信する。したがって、白抜きの矢印の先がタッチ操作された場合、電極制御部120は、電極RX6と電極TX0〜TX6の交差部分の故障セルDCELLから正しい容量変化値を得ることができない。このため、故障検出部132およびセルデータ算出部134を持たない静電容量タッチパネル装置100では、タッチ判定部136は、オープン不良が発生した電極RX6に対応する故障セルDCELLのタッチ操作を正しく判定することができない。
例えば、タッチ判定部136は、容量変化値が最も大きい電極TX6、RX5の交差部分のセルCELLと、電極TX7、RX6の交差部分のセルと、電極TX6、RX7の交差部分のセルとがタッチ操作されたと誤判定してしまう。そこで、この実施形態では、オープン破壊状態の電極RX、TXがある場合にも、故障検出部132およびセルデータ算出部134により、タッチ判定部136がタッチ操作の位置を正しく判定できるようにする。
図7は、電極RXにショート不良が発生したタッチパネル110のタッチ操作を正しく検出する一例を示す説明図である。図7では、図5に示したように、電極RX6にショート不良が発生した場合に、タッチ操作を正しく検出する例を示す。なお、タッチ操作が行われる前、故障検出部132が動作し、故障した電極RX6に対応する故障セルDCELLの位置を示す位置情報がメモリ140に格納される。故障検出部132の動作については、図8で説明する。
電極制御部120は、タッチパネル110の各CELLから図5に示した数値の容量変化値を応答信号RSPとして受信し、セルデータ算出部134およびタッチ判定部136に出力する。セルデータ算出部134は、メモリ140に保持された位置情報で示される故障セルDCELLに対応して電極制御部120から受信したセルデータCDを使用しない。そして、セルデータ算出部134は、故障セルDCELLの周囲に位置する正常なセルCELLに対応するセルデータCDを使用して故障セルDCELLのセルデータCDを補間する。
例えば、セルデータ算出部134は、電極RX6に対応する各故障セルDCELLに対して第2方向D2の両側に隣接する2つのセルCELLのセルデータCDの平均値を、故障セルDCELLのセルデータCDとする。これにより、セルデータ算出部134は、故障セルDCELLのセルデータCDを規則的に算出することができ、最小限の算出時間で故障セルDCELLのセルデータCDを補間することができる。この結果、タッチ判定部136によるタッチ操作の検出の応答性が、セルデータ算出部134の動作により劣化することを抑制することができ、タッチパネル110の性能が低下することを抑制することができる。
図7では、故障セルDCELLのセルデータCDの算出に使用するセルCELLを破線の枠で示す。例えば、電極TX6に対応する故障セルDCELLのセルデータCD(容量変化値)を"800"と算出し、電極TX5、TX7に対応する故障セルDCELLのセルデータCD(容量変化値)を"600"と算出する。
セルデータ算出部134は、算出した故障セルDCELLのセルデータCDを、故障セルDCELLの位置情報とともにタッチ判定部136に出力する。タッチ判定部136は、電極制御部120から受信したセルデータCDのうち、故障セルDCELLに対応するセルデータCDを、セルデータ算出部134が算出したセルデータCDに置き換える。
そして、タッチ判定部136は、置き換えたセルデータCDと、電極制御部120から受信した故障セルDCELL以外のセルCELLのセルデータCDとを使用して、タッチパネル110のタッチ操作が行われたか否かを判定する。この例では、タッチ判定部136は、セルデータCD(容量変化値)が最も大きい電極(TX6、RX5)、(TX6、RX6)、(TX6、RX7)の各交差部分の3つのセルCELLのうち、中央に位置する電極TX6、RX6がタッチ操作されたと判定する。
以上より、電極RX6にショート不良が発生した場合にも、故障セルDCELLに隣接する正常なセルCELLのセルデータCDを使用して故障セルDCELLのセルデータCDを補間することで、タッチ操作を正しく判定することができる。なお、電極RX6以外の他の電極RX0〜RX5、RX7〜RX12のいずれかにショート不良が発生した場合にも、上述と同様にタッチ操作を正しく判定することができる。
さらに、電極TX0〜TX12のいずれかにショート不良が発生した場合にも、上述と同様にタッチ操作を正しく判定することができる。この場合、上述の"RX"、"TX"を"TX"、"RX"にそれぞれ置き換え、"第2方向D2"を"第1方向D1"に置き換えればよい。
なお、故障検出部132は、故障セルDCELLの両側にそれぞれ並ぶ正常な複数のセルCELLのセルデータCDを使用して故障セルDCELLのセルデータCDを補間してもよい。この場合、例えば、故障検出部132は、故障セルDCELLの両側にそれぞれ並ぶ正常な複数のセルCELLのセルデータCD間の変化量(傾き等)を算出し、算出した変化量を使用して故障セルDCELLのセルデータCDを算出してもよい。さらに、故障検出部132は、故障セルDCELLの周囲の正常な複数のセルCELL間のセルデータCDの変化量を算出し、算出した変化量を使用して故障セルDCELLのセルデータCDを算出してもよい。
なお、図6で説明したオープン不良が発生した場合にも、図7と同様の手法を使用することで、故障セルDCELLのセルデータCDを補間することができる。例えば、図6に示すように、電極RX6、TX6の交差部分のセルCELLがオープン破壊状態になった場合、セルデータ算出部134は、電極RX6と各電極TX0〜TX6との交差部分の故障セルDCELLのセルデータCDを補間により算出することができる。
上述した故障セルDCELLのセルデータCDの補間方法は、複数の電極RXにショート不良が発生した場合にも適用することができ、互いに交差する電極RX、TXのそれぞれにショート不良が発生した場合にも適用することができる。
図8は、図1の静電容量タッチパネル装置100の動作の一例を示すフロー図である。すなわち、図8は、静電容量タッチパネル装置100の制御方法の一例を示す。例えば、図8に示すフローは、図1の表示装置200の電源が起動されたときに、図1のCPU130が制御プログラムを実行することで開始される。
まず、ステップS10において、電極制御部120は、CPU130からの指示に基づいて、タッチパネル110の各セルCELLの静電容量値を測定し、測定した静電容量値を故障検出部132に出力する。次に、ステップS20において、故障検出部132は、電極制御部120から受信した静電容量値が規定範囲外のセルCELLを故障セルDCELLとして検出する。ステップS20の判定は、セルCELL毎に実行される。
次に、ステップS30において、故障検出部132は、静電容量値が規定範囲外である故障セルDCELL毎に、故障セルDCELLの位置を示す位置情報をメモリ140に格納する。この際、故障検出部132は、不良モード(ショート不良またはオープン不良)が分かる場合、不良モードを示す不良モード情報をメモリ140に格納してもよい。
故障検出部132によるすべてのセルCELLの故障の有無が検出された後、ステップS40において、CPU130は、電極制御部120にタッチパネル110からのセルデータCDの取得を指示する。そして、図7で説明したように、セルデータ算出部134による故障セルDCELLのセルデータCDの算出が実行され、タッチ判定部136によるタッチ操作の判定が実行される。なお、故障セルDCELLがない場合、タッチ判定部136は、図4で説明したように、電極制御部120から受信するセルデータCDのみに基づいて、タッチ操作されたセルCELLを判定する。
次に、ステップS50において、CPU130は、表示装置200の電源がオフされた場合、図8に示す動作を終了し、表示装置200の電源のオン状態が継続する場合、動作をステップS40に戻し、タッチ操作の検出動作を継続する。故障セルDCELLがある場合、セルデータ算出部134は、故障セルDCELLのセルデータCDを算出する。そして、タッチ判定部136は、正常なセルCELLのセルデータCDと、セルデータ算出部134により算出された故障セルDCELLのセルデータCDとを使用して、タッチ操作の判定を実行する。
ステップS10、S20、S30に示す故障検出部132による故障セルDCELLの検出動作は、タッチ操作を検出するステップS40、S50のループには含まれない。このため、タッチ操作の判定毎に故障検出部132を動作させることなく、故障セルDCELLのセルデータCDを補間することができる。これにより、故障セルDCELLの位置の検出動作が、タッチ操作の検出期間に影響することを抑止することができ、タッチ操作の検出の応答性が劣化することを抑制することができる。なお、表示装置200の電源のオン/オフは、静電容量タッチパネル装置100の電源のオン/オフも示している。
図9は、図1の静電容量タッチパネル装置100の動作の別の例を示すフロー図である。すなわち、図9は、静電容量タッチパネル装置100の制御方法の別の例を示す。図8と同様の動作については、詳細な説明を省略する。図9は、図1の表示装置200の電源が起動されたとき、ステップS10の前にステップS8が実行されることを除き、図8の動作と同じである。
ステップS8において、CPU130は、メモリ140が故障セルDCELLの位置情報を保持している場合、ステップS10、S20、S30の動作を省略してステップS40の動作を実行する。例えば、静電破壊による電極TX、RXの故障は、固定不良であり、回復することはない。このため、故障検出部132が検出した故障セルDCELLの位置情報は、別の電極TX、RXが故障しなければ変化することはなく、電源の起動毎に故障セルDCELLを検出することは無駄である。
図9に示す例では、電源の起動時の故障セルDCELLの検出動作を省略することができ、電源の起動時間(初期化シーケンス時間)を短縮することができる。特に、タッチパネル110が大型でセルCELLの数が多く、故障セルDCELLの検出に時間がかかる場合に有用である。
図10は、図1の静電容量タッチパネル装置100の動作のさらなる別の例を示すフロー図である。すなわち、図10は、静電容量タッチパネル装置100の制御方法のさらなる別の例を示す。図8と同様の動作については、詳細な説明を省略する。図10は、ステップS40とステップS50との間にステップS42が挿入されることを除き、図8の動作と同じである。
CPU130は、ステップS40によるタッチ操作の検出動作を実行後、ステップS42において、タッチ操作がなく所定時間が経過したか否かを判定する。CPU130は、タッチ操作がなく所定時間が経過した場合、ステップS10を実行し、タッチ操作の検出後、所定時間が経過していない場合、ステップS50を実行する。例えば、CPU130は、ステップS40でタッチ操作を検出したときにリセットされるタイマを有し、タイマが所定時間を計測した場合、ステップS10を実行する。
図10に示す例では、ある頻度で故障セルDCELLの検出動作が実行可能なため、新たな電極TXまたは電極RXが静電破壊により故障した場合に有用である。この際、タッチ操作が行われないときを見計らってタッチ操作がない期間に故障セルDCELLの検出動作が実行される。このため、タッチ操作の検出動作を妨げることなく、所定の頻度で故障セルDCELLの検出動作を実行することができる。
以上、この実施形態では、ショート不良またはオープン不良が発生した電極TX、RXに対応する故障セルDCELLのセルデータCDを、故障セルDCELLに隣接する正常なセルCELLのセルデータCDを使用して補間することができる。これにより、故障セルDCELLを含むタッチパネル110のタッチ操作を正しく判定することができる。
故障検出部132が検出した故障セルDCELLの位置情報をメモリ140に保持することで、セルデータ算出部134は、メモリ140に保持された位置情報を使用して故障セルDCELLのセルデータCDを補間することができる。これにより、タッチ操作の判定毎に故障検出部132を動作させることなく、故障セルDCELLのセルデータCDを補間することができる。
例えば、故障セルDCELLが第1方向D1に並ぶ場合、セルデータ算出部134は、各故障セルDCELLの第2方向D2の両側に位置するセルCELLのセルデータCDを使用して、各故障セルDCELLのセルデータCDを算出する。また、故障セルDCELLが第2方向D2に並ぶ場合、セルデータ算出部134は、各故障セルDCELLの第1方向D1の両側に位置するセルCELLのセルデータCDを使用して、各故障セルDCELLのセルデータCDを算出する。
これにより、セルデータ算出部134は、故障セルDCELLのセルデータCDを規則的に算出することができ、最小限の算出時間で故障セルDCELLのセルデータCDを補間することができる。この結果、タッチ判定部136によるタッチ操作の検出の応答性が、セルデータ算出部134の動作により劣化することを抑制することができ、タッチパネル110の検出性能が低下することを抑制することができる。
電源の起動時に故障セルDCELLの位置を検出する動作を実行することで、故障セルDCELLの位置の検出動作が、タッチ操作の検出期間に影響を与えることを抑止することができる。また、メモリ140が故障セルDCELLの位置情報を保持している場合に故障検出部132の動作を省略することで、電源の起動時の故障セルDCELLの検出動作を省略することができる。この結果、電源の起動時間(初期化シーケンス時間)を短縮することができる。
さらに、タッチ操作のない期間に故障セルDCELLの検出動作を実行することで、タッチ操作の検出動作を妨げることなく、所定の頻度で故障セルDCELLの検出動作を実行可能にすることができる。
なお、上述した実施形態は、液晶表示装置等の表示装置200に搭載される静電容量タッチパネル装置100に適用する例を述べたが、他の装置に搭載される静電容量タッチパネル装置に適用されてもよい。
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
100 静電容量タッチパネル装置
110 タッチパネル
120 電極制御部
130 CPU
132 故障検出部
134 セルデータ算出部
136 タッチ判定部
140 メモリ
200 表示装置
210 LCDドライバ
220 ゲート出力回路
230 ソース出力回路
240 液晶ディスプレイ
CD セルデータ
CELL セル
COM コモン電極
DCELL 故障セル
LTX 電極層
LRX 電極層
LCM コモン電極層
PLS パルス信号
RSP 応答信号
RX 電極
TX 電極
110 タッチパネル
120 電極制御部
130 CPU
132 故障検出部
134 セルデータ算出部
136 タッチ判定部
140 メモリ
200 表示装置
210 LCDドライバ
220 ゲート出力回路
230 ソース出力回路
240 液晶ディスプレイ
CD セルデータ
CELL セル
COM コモン電極
DCELL 故障セル
LTX 電極層
LRX 電極層
LCM コモン電極層
PLS パルス信号
RSP 応答信号
RX 電極
TX 電極
Claims (5)
- 第1方向に並ぶ複数の第1電極と、前記第1方向に直交する第2方向に並ぶ複数の第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との交差部分に設けられるセルとを有するタッチパネルと、
前記複数の第1電極にパルス信号を順次出力し、前記複数の第2電極のそれぞれから出力される応答信号をセルデータとして検出する電極制御部と、
正常なセルデータを検出できない故障セルの位置を示す位置情報を保持する故障情報保持部と、
前記電極制御部が検出したセルデータと前記故障情報保持部に保持された故障セルの位置情報とに基づいて、各故障セルの周囲のセルのセルデータを使用して、前記各故障セルのセルデータを算出するセルデータ算出部と、
前記電極制御部が検出したセルデータと前記セルデータ算出部が算出したセルデータとに基づいて前記タッチパネルのタッチされた位置を判定するタッチ判定部と、
を有すること
を特徴とする静電容量タッチパネル装置。 - 前記第1方向に複数の前記故障セルがある場合、前記セルデータ算出部は、各故障セルの前記第2方向の両側に位置する検出セルのセルデータを使用して、前記各故障セルのセルデータを算出すること
を特徴とする請求項1に記載の静電容量タッチパネル装置。 - 前記第2方向に複数の前記故障セルがある場合、前記セルデータ算出部は、各故障セルの前記第1方向の両側に位置する検出セルのセルデータを使用して、前記各故障セルのセルデータを算出すること
を特徴とする請求項1に記載の静電容量タッチパネル装置。 - 電源投入時または前記タッチパネルのタッチ操作が所定期間行われない時に動作し、前記電極制御部を制御して前記故障セルを検出し、検出した故障セルの位置情報を前記故障情報保持部に格納する故障検出部を有すること
を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の静電容量タッチパネル装置。 - 第1方向に並ぶ複数の第1電極と、前記第1方向に直交する第2方向に並ぶ複数の第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との交差部分に設けられる検出セルとを有するタッチパネルと、前記複数の第1電極にパルス信号を順次出力し、前記複数の第2電極のそれぞれから出力される応答信号をセルデータとして検出する電極制御部と、正常なセルデータを検出できない検出セルである故障セルの位置を示す位置情報を保持する故障情報保持部と、を有する静電容量タッチパネル装置の制御方法であって、
前記電極制御部が検出したセルデータと前記故障情報保持部に保持された故障セルの位置情報とに基づいて、各故障セルの周囲の検出セルのセルデータを使用して、前記各故障セルのセルデータを算出し、
前記電極制御部が検出したセルデータと算出したセルデータとに基づいて前記タッチパネルのタッチされた位置を判定すること
を特徴とする静電容量タッチパネル装置の制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2020066255A JP2021163337A (ja) | 2020-04-01 | 2020-04-01 | 静電容量タッチパネル装置および静電容量タッチパネル装置の制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2020066255A JP2021163337A (ja) | 2020-04-01 | 2020-04-01 | 静電容量タッチパネル装置および静電容量タッチパネル装置の制御方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2021163337A true JP2021163337A (ja) | 2021-10-11 |
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ID=78003471
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JP2020066255A Pending JP2021163337A (ja) | 2020-04-01 | 2020-04-01 | 静電容量タッチパネル装置および静電容量タッチパネル装置の制御方法 |
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Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08339257A (ja) * | 1995-06-09 | 1996-12-24 | Fujitsu General Ltd | ディジタイザ装置 |
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JP2017041270A (ja) * | 2016-10-31 | 2017-02-23 | 株式会社ジャパンディスプレイ | 液晶表示装置 |
US20190324584A1 (en) * | 2018-04-18 | 2019-10-24 | Silicon Works Co., Ltd. | Touch sensing device |
-
2020
- 2020-04-01 JP JP2020066255A patent/JP2021163337A/ja active Pending
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