JP2021163040A - 待ち行列台数の算出装置及び算出方法 - Google Patents

待ち行列台数の算出装置及び算出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 流入路の待ち行列台数を正確に算出できるようにする。【解決手段】 本開示の一態様に係る装置は、信号制御の対象となる交差点の流入路における車両の待ち行列台数を算出する装置であって、前記流入路における推定渋滞長と、前記流入路における信号待ちによる車両1台当たりの遅れ時間と、前記流入路の飽和交通流率と、前記流入路の信号情報とに基づいて、渋滞中の車両の平均車頭距離を算出する第1算出部と、算出された前記平均車頭距離に基づいて、前記流入路の負荷率の算出に用いられる当該流入路の前記待ち行列台数を算出する第2算出部と、を備える。【選択図】 図2

Description

本発明は、待ち行列台数の算出装置及び算出方法に関する。
交通管制センターの中央装置が行う遠隔制御の方式として、MODERATO(Management by Origin-DEstination Related Adaptation for Traffic Optimization)、SCOOT(Split Cycle Offset Optimisation Technique)、及びSCATS(Sydney Coordinated Adaptive Traffic System)などが知られている。
このうち、日本で採用されているMODERATOは、交差点の流入路ごとの負荷率(=(流入交通量+待ち行列台数)/飽和交通流率)に基づいて、スプリット及びサイクル長などの信号制御パラメータを自動生成するシステムである(特許文献1参照)。
国際公開第2016/147350号 特開2009−15817号公報
交差点の流入路の待ち行列台数は、流入路の推定渋滞度を車両の平均車頭距離で除算することにより算出され、推定渋滞度は、流入路に配置された複数の車両感知器の感知地点における車両の平均速度から算出される。
一方、平均車頭距離は、車両感知器の感知信号からは導出できないので、従来の遠隔制御では、所定の固定値(例えば8〜10(m/台))が採用されている。
しかし、実際の車間距離は渋滞度合いなどにより変動するため、平均車頭距離を固定値とすると、待ち行列台数の値に誤差が生じ負荷率が交通状況と整合しなくなる。
このため、負荷率から算出される信号制御パラメータも不正確となり、却って渋滞や遅れを引き起こす可能性がある。従って、待ち行列台数を正確に算出できる装置及び方法が望まれる。
本開示は、かかる従来の問題点に鑑み、流入路の待ち行列台数を正確に算出できるようにすることを目的とする。
本開示の一態様に係る装置は、信号制御の対象となる交差点の流入路における車両の待ち行列台数を算出する装置であって、前記流入路における推定渋滞長と、前記流入路における信号待ちによる車両1台当たりの遅れ時間と、前記流入路の飽和交通流率と、前記流入路の信号情報とに基づいて、渋滞中の車両の平均車頭距離を算出する第1算出部と、算出された前記平均車頭距離に基づいて、前記流入路の負荷率の算出に用いられる当該流入路の前記待ち行列台数を算出する第2算出部と、を備える。
本開示の一態様に係る方法は、信号制御の対象となる交差点の流入路における車両の待ち行列台数を算出する方法であって、前記流入路における推定渋滞長と、前記流入路における信号待ちによる車両1台当たりの遅れ時間と、前記流入路の飽和交通流率と、前記流入路の信号情報とに基づいて、渋滞中の車両の平均車頭距離を算出する第1ステップと、算出された前記平均車頭距離に基づいて、前記流入路の負荷率の算出に用いられる当該流入路の前記待ち行列台数を算出する第2ステップと、を含む。
本開示によれば、流入路の待ち行列台数を正確に算出することができる。
図1は、交通信号制御システムの全体構成の一例を示す斜視図である。 図2は、交通信号制御システムに含まれる中央装置、及びプローブ車両の車載装置の内部構成の一例を示すブロック図である。 図3は、流入路に設置される車両感知器の配置例を示す平面図である。 図4は、車両感知器5の感知信号を元データとして算出される推定渋滞長の算出手順の一例を示すフローチャートである。 図5は、推定渋滞長の算出処理の一例を示す説明図である。 図6は、中央装置が実行する遠隔制御(MODERATO)の概要を示すフローチャートである。 図7は、推定渋滞長と平均車頭距離との関係を示す道路平面図である。 図8は、交差点を通過する車両の走行軌跡の一例を表すグラフである。 図9は、過飽和時における交差点の交通状況の一例を示す説明図である。
<本発明の実施形態の概要>
以下、本発明の実施形態の概要を列記して説明する。
(1) 本実施形態の算出装置は、信号制御の対象となる交差点の流入路における車両の待ち行列台数を算出する装置であって、前記流入路における推定渋滞長と、前記流入路における信号待ちによる車両1台当たりの遅れ時間と、前記流入路の飽和交通流率と、前記流入路の信号情報とに基づいて、渋滞中の車両の平均車頭距離を算出する第1算出部と、算出された前記平均車頭距離に基づいて、前記流入路の負荷率の算出に用いられる当該流入路の前記待ち行列台数を算出する第2算出部と、を備える。
本実施形態の算出装置によれば、第1算出部が、上記の推定渋滞長、遅れ時間、飽和交通流率及び信号情報に基づいて、渋滞中の車両の平均車頭距離を算出するので、平均車頭距離を固定値とする場合に比べて、交通状況の変化に応じて平均車頭距離の値を正確に算出することができる。
この場合、第2算出部が、正確な平均車頭距離に基づいて流入路の待ち行列台数を算出するので、流入路の待ち行列台数を正確に算出することができる。
(2) 本実施形態の算出装置において、前記第1算出部は、前記流入路を通行するプローブ車両の平均旅行時間に基づいて、前記遅れ時間を算出することが好ましい。
(3) 具体的には、前記第1算出部は、次の式(9)により前記遅れ時間を算出すればよい。この場合、プローブ車両から収集したプローブ情報を元データとして、平均車頭距離の算出に必要となる遅れ時間を正確に算出することができる。
dav=Tt−{L/(Ve/3.6)} ……(9)
ただし、dav:信号待ちによる車両1台当たりの遅れ時間(平均値)(秒)
L :交差点間のリンク長(m)
Tt:プローブ車両の平均旅行時間(秒)
Ve:想定速度(例えば規制速度)(km/時)
(4) 本実施形態の算出装置において、前記第1算出部は、次の式(10)により前記平均車頭距離を算出することが好ましい。この場合、下記の数式により、交通状況の変化に応じて平均車頭距離の値を正確に算出することができる。
H=J/〔{(dav−R/2)/R}×(1−R/C)×Sf×C〕 ……(10)
ただし、H :平均車頭距離(m/台)
dav:信号待ちによる車両1台当たりの遅れ時間(平均値)(秒)
J :推定渋滞長(m)
R :対象交差点の流入路の赤時間(秒)
C :対象交差点のサイクル長(秒)
(5) 本実施形態の算出装置において、前記第1算出部は、前記流入路に配列された複数の車両感知器の感知地点における車両の平均速度と、前記感知地点に設定された待ち行列波及度とに基づいて、前記推定渋滞長を算出することが好ましい。
このようにすれば、既設の複数の車両感知器の感知信号を元データとして、流入路の推定渋滞長を算出することができる。
(6) 本実施形態の算出装置において、前記第1算出部は、前記流入路の青時間内に車両感知器の感知地点を通過した車両台数を青時間で割った流率と、飽和交通流率の設定値との比較結果に基づいて、前記飽和交通流率を算出することが好ましい。
このようにすれば、飽和交通流率を設定値に固定する場合に比べて、飽和交通流率を正確に算出できる。このため、交通状況の変化に応じて平均車頭距離の値を正確に算出することができる。
(7) 本実施形態の算出装置において、前記第2算出部は、次の式(1)により前記待ち行列台数を算出することが好ましい。この場合、交通状況の変化に応じた正確な平均車頭距離の値が式(1)に代入されることにより、流入路の待ち行列台数を正確に算出することができる。
Qin=J/H/C ……(1)
ただし、Qin:待ち行列台数(台/秒)
J :推定渋滞長(m)
H :平均車頭距離(m/台)
C :交差点のサイクル長(秒)
(8) 本実施形態の算出方法は、上述の(1)〜(7)の算出装置が実行する算出方法である。従って、本実施形態の算出方法は、上述の(1)〜(7)の算出装置と同様の作用効果を奏する。
<本発明の実施形態の詳細>
以下、図面を参照して、本発明の実施形態の詳細を説明する。なお、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
〔用語の定義〕
本実施形態の詳細を説明するに当たり、まず、本明細書で用いる用語の定義を行う。
「車両」:道路を通行する車両全般のことをいう。従って、自動車、軽車両及びトロリーバスのほか、自動二輪車も車両に該当する。
本実施形態では、単に「車両」というときは、プローブ情報を送信可能な車載装置を有するプローブ車両と、その車載装置を有しない通常の車両の双方を含む。
「プローブ情報」:道路を走行中のプローブ車両がセンシングした当該車両に関する各種の情報のことをいう。プローブ情報は、プローブデータ或いはフローティングカーデータとも称される。プローブ情報には、プローブ車両の識別情報、車両位置、車両速度、車両方位及びこれらの発生時刻などの各種の車両データを含めることができる。プローブ情報には、車内のスマートフォンやタブレット等で取得された位置や加速度などの情報を利用するようにしてもよい。
「プローブ車両」:プローブ情報をセンシングして外部に送信する車両のことをいう。道路を通行する車両には、プローブ車両とこれ以外の車両の双方が含まれる。ただし、プローブ情報を送信可能な車載装置を有していない通常の車両であっても、車両の位置情報等のプローブ情報を外部に送信できる、上述のようなスマートフォン、タブレットPC等を有する車両はプローブ車両に含める。
「車両感知器」:交差点に流入する車両台数のカウント及び車両速度の検出などの目的で、交通管制エリア内の道路の適所に設置された感知器のことである。
車両感知器は、直下を通行する車両を超音波で感知する超音波式車両感知器、インダクタンスの変化で車両を感知する磁気式車両感知器、車両の通行状況を時系列に撮影する画像式車両感知器、或いは、車両と近赤外線による光通信を行う光ビーコン(光学式車両感知器)などよりなる。
「信号制御パラメータ」:信号表示の時間的要素であるサイクル長、スプリット及びオフセットを総称して信号制御パラメータ又は信号制御定数という。
「サイクル長」:交通信号機の青(又は赤)開始時刻から次の青(又は赤)開始時刻までの1サイクルの時間のことをいう。なお、日本では、緑色の信号灯色を青と呼ぶことが法令で定められている。
「スプリット」:各現示に割り当てられる時間の長さのサイクル長に対する割合のことをいう。一般に、百分率あるいは割合で表す。厳密には、有効青時間をサイクル長で割った値である。
「オフセット」:系統制御又は地域制御において、信号表示のある時点、例えば、主道路青信号の開始時点の当該信号機群に共通な基準時点からのずれ、或いは、隣接交差点間の同一表示開始点のずれのことをいう。前者を絶対オフセット、後者を相対オフセットといい、時間(秒)又は周期の百分率で表す。
「青時間」:交差点において車両に通行権がある時間帯のことをいう。青時間の終了時点は、最も早い場合で青灯器の消灯時点、最も遅い場合で黄灯器の消灯時点に設定すればよい。矢印灯器のある交差点の場合は、右折矢印の終了時点であってもよい。
「赤時間」:交差点において車両に通行権がない時間帯のことをいう。赤時間の開始時点は、最も早い場合で青灯器の消灯時点、最も遅い場合で黄灯器の消灯時点に設定すればよい。矢印灯器のある交差点の場合は、右折矢印の終了時点であってもよい。
上記の通り、本実施形態では、1サイクルに含まれる時間帯を、通行権ありの青時間と通行権なしの赤時間とに大別する。従って、青時間をG、赤時間をR、サイクル長をCとすると、C=G+Rの関係がある。
このため、Rが含まれる算出式(例えば、後述の式(10)及び式(11)など)については、Rの代わりに(C−G)を用いてもよい。すなわち、本実施形態の赤時間Rは、サイクル長Cと青時間Gから間接的に算出した値であってもよい。
「待ち行列」:赤信号による信号待ちなどのために、交差点の手前で停止している車両の行列のことをいう。
「リンク」:交差点などのノード間を繋ぐ、上り又は下りの方向を有する道路区間のことをいう。ある交差点から見て、当該交差点に向かって流入する方向のリンクのことを流入リンクといい、ある交差点から見て、当該交差点から流出する方向のリンクのことを流出リンクという。
「旅行時間」:車両がある区間を旅行するのに要した時間のことをいう。旅行時間には、途中の停止時間及び遅れ時間が含まれる。
「リンク旅行時間」:旅行時間の算出単位の道路区間が「リンク」である場合の旅行時間、すなわち、車両が1つのリンクの始端から終端までを通行するのに必要な旅行時間のことをいう。
「交通容量」:道路の交通容量は、道路の形状、幅員、勾配等の道路条件及び車種構成、速度制限等の交通条件の下で、一定時間内に一方向の道路、又は1車線の所定区間を無理なく通過できる車両の最大数をいう。ただし、2車線又は3車線の道路では両方の交通量をとる。
「交通量」:単位時間内の通過台数のことである。特に断らないときは、1時間の通過台数で表すが、制御や評価のためには、例えば秒単位、5分又は15分単位などの短時間の交通量を用いることがある。一般に交通量は、交通需要に応じて増加するが、交通需要が交通容量を超えると逆に減少する。
「負荷率」:過飽和状態においては、制御対象変量として、停止線通過交通量に捌け残り待ち行列台数を加えた「負荷交通量」を考える必要がある。
単位時間当たりの負荷交通量(交通流率)の飽和交通流率に対する比率を、負荷率という。過飽和状態による捌け残り台数が少ないときには、負荷率は需要率と等価である。
「交通需要」:ある交差点又は流入路ごと、或いは交通の方路別を対象として、一定時間内に流入路の停止線へ到着する交通量又は交通流率を交通需要という。
「交通流率」:車線又は車道のある断面をある時間(通常は1時間未満)に通過する台数を単位時間(通常は1時間)当たりに換算した値のことを、交通流率という。
例えば、15分間の交通量が90台の場合、この15分間の交通流率は360(台/時間)又は6(台/分)となる。交通流率は、対象としたある期間に通過した車両の平均車頭時間の逆数である。
「過飽和・非飽和・近飽和」:青表示終了時に信号待ち行列の捌け残りが生じる時は、交通需要は交通容量を超過している。この状態を「過飽和状態」という。
逆に、交通需要が交通容量以下の状態で、青表示終了時には信号待ち行列が解消する状態を「非飽和状態」という。過飽和ではないが、需要率が高い状態(例えば0.85以上の状態)を近飽和という。なお、需要率は1未満である。
「飽和交通流率」:交通需要が十分に存在する状態で、交差点の流入部において単位時間(例えば1秒)かつ一車線当たりに停止線を通過しうる、最大の車両数を飽和交通流率という。
直進車線の他に右折専用車線又は左折専用車線がある場合など、交通流の動線が異なると飽和交通流率の値は異なる。飽和交通流率の値は、車線幅員や大型車混入率など道路又は交通条件によっても異なる。
「地点制御」:交通信号制御を交差点数及び空間的な構成から分類すると、地点制御、系統制御、及び面制御の3つに分類できる。このうち、地点制御は、信号交差点を単独で制御する方式のことである。
「系統制御」:一連の隣接する交差点を相互に連動させて制御する方式のことをいう。この方式の特徴は,系統制御する複数の信号に対して共通のサイクル長(系統の共通サイクル長)とオフセットを定める点にある。
「面制御」:面的に広がる道路網に設置された多数の信号機を一括して制御する方式である。路線系統制御を面的に拡大したものである。
「定周期制御」:交通信号制御を信号制御パラメータの設定方式により分類すると、定周期制御、交通感応制御及び交通順応制御の3つに分類できる。
このうち、定周期制御は、時間帯に応じて予め信号制御パラメータが設定される方式である。時間帯や曜日(平日、土曜日、日曜日及び祝日)などに応じて予め設定された信号制御パラメータの組み合せ(プログラムと呼ぶ。)の中から1つを選んで実施される。
「交通感応制御」:車両感知器を用いる交通信号制御のうち、信号制御機ごとに実行される方式である。端末感応制御ともいう。
交通感応制御では、短時間の交通需要の変化に対応して青表示の開始や終了時点を決定し、その結果、青時間長及びサイクル長を変化させる。
「交通順応制御」:交通管制センターの中央装置が、重要交差点の交通信号制御機、或いは、系統制御又は面制御される複数の交差点の交通信号制御機を制御対象として、信号制御パラメータを変化させる制御方式である。中央装置が1又は複数の交通信号制御機を遠隔で制御するため、本実施形態では「遠隔制御」ともいう。
交通順応制御は、交通流の変動に対応した高度な系統制御が可能であるため、交通量やその時間変動が大きく、高い交通処理効率が要求される道路に適用される。
交通順応制御は、「プログラム選択制御」と「プログラム形成制御」の2種類に分類される。プログラム選択制御は,予め用意された複数の組合せ(プログラム)の中から、車両感知器の情報などから現時点の交通状況に適したものを選択する方式である。
プログラム形成制御は、有限個の信号制御パラメータの組み合せを用意せず、車両感知器の情報などに基づいて、即時に信号制御パラメータ又は信号灯色の切り替えタイミングを決定する方式である。
「MODERATO」(Management by Origin-DEstination Related Adaptation for Traffic Optimization):日本のUTMS(Universal Traffic Management System)におけるプログラム形成制御の名称である。
MORERATOは、交差点の流入路ごとの負荷率(=(流入交通量+待ち行列台数)/飽和交通流率)から信号制御パラメータを自動生成するシステムである。
〔交通信号制御システムの全体構成〕
図1は、交通信号制御システム1の全体構成の一例を示す斜視図である。
図2は、交通信号制御システム1に含まれる中央装置2、及びプローブ車両3の車載装置4の内部構成の一例を示すブロック図である。
図1及び図2に示すように、交通信号制御システム1は、交通管制センターの中央装置2、複数のプローブ車両3、プローブ車両3の車載装置4、交差点の流入路に設置された複数の車両感知器5、及び交差点に設置された複数の交通信号制御機6などを備える。
交通信号制御機6は、交通管制エリアに含まれる複数の交差点Ji(図例ではi=1〜12)に設置されている。本実施形態では、各交差点Jiの交通信号制御機6は、中央装置2による遠隔制御(例えばMODERATO)の制御対象である。
もっとも、中央装置2の交通管制エリアには、中央装置2による遠隔制御の対象ではなく、単独で信号灯色を決定する地点制御(定周期制御など)を行うスタンドアロンの交通信号制御機が含まれていてもよい。
交通信号制御機6は、電話線などの専用の通信回線9を介してルータ15に接続されている。ルータ15は、通信回線9を介して中央装置2に接続されている。
中央装置2は、各交差点Jiの交通信号制御機6とLAN(Local Area Network)を構成している。従って、中央装置2は、各交通信号制御機6との通信が可能であり、各交通信号制御機6は、他の交差点Jiの交通信号制御機6とも通信が可能である。
車両感知器5は、当該車両感知器5の下流側に位置する交通信号制御機6に、専用の信号線により接続されている。交通信号制御機6は、車両感知器5から受信した感知信号の中継機能を有する。
車両感知器5が計測する感知信号は、当該車両感知器5に繋がる交通信号制御機6が収集する。交通信号制御機6は、収集した感知信号を中央装置2にほぼリアルタイム(例えば0.1〜1.0秒周期)で送信する。
車両感知器5の感知領域は、車線の幅方向中央部にセットされている。感知信号は、車両感知器5の所定の感知地点(例えば、図3の感知地点A〜E)における車両の存在をオン信号とする、時系列のパルス信号よりなる。
従って、車両感知器5の感知信号は、車両の存在(車両感知)を表すオン信号と、不存在(車両非感知)を表すオフ信号が繰り返されるほぼ矩形波よりなる(図4参照)。
中央装置2は、交差点Jiの交通信号制御機6から受信した感知信号に基づいて、交差点Jiの負荷率の算出に必要となる交通指標を算出する。
負荷率の算出に必要となる交通指標には、例えば、交差点Jiに流入する車両の交通量、流入路における待ち行列台数及び飽和交通流率などがある。流入路における待ち行列台数は、感知信号を元データとする推定渋滞長から算出される。流入交通量及び推定渋滞長の算出手順(図4)の詳細については、後述する。
プローブ車両3の車載装置4は、各地の無線基地局7(例えば、携帯基地局)との無線通信が可能である。無線基地局7は、コアネットワーク及びインターネットなどの公衆通信網8を介して中央装置2と通信可能である。
従って、車載装置4は、中央装置2宛てのアップリンク情報S1を無線基地局7に無線送信することができる。また、中央装置2は、特定の車載装置4宛てのダウンリンク情報S2を公衆通信網8に送信することができる。
〔中央装置の構成〕
図2に示すように、中央装置2は、サーバコンピュータ10と、サーバコンピュータ10に繋がる複数のデータベース21〜23とを備える。
中央装置2のサーバコンピュータ10は、自装置の交通管制エリアに含まれる交差点Jiの交通信号制御機6を統括的に制御するサーバであり、処理部11、記憶部12及び通信部13を備える。
処理部11は、記憶部12の不揮発性メモリに格納されたコンピュータプログラム14を読み出し、当該プログラム14に従って各種の情報処理を行うCPU(Central Processing Unit)を含む演算処理装置よりなる。
記憶部12は、HDD(Hard Disk Drive)及びSSD(Solid State Drive)のうちの少なくとも1つの不揮発性メモリ(記録媒体)と、ランダムアクセスメモリ等よりなる揮発性メモリ(記録媒体)とを含む記憶装置である。不揮発性メモリは、リムーバブルであってもよい。
中央装置2のコンピュータプログラム14には、MODERATOなどの遠隔制御(交通順応制御)を処理部11のCPUに実行させるためのプログラムが含まれる。MODERATOには交差点Jiの流入路ごとの負荷率が必要である。
従って、中央装置2のコンピュータプログラム14には、負荷率の算出の元データである流入路の交通量、待ち行列台数及び飽和交通流率の算出、及び、待ち行列台数の算出の元データである流入路における推定渋滞度の算出などを、処理部11のCPUに実行させるためのプログラムも含まれる。
処理部11は、遠隔制御により信号制御パラメータを生成すると、遠隔制御の対象交差点に対応する交通信号制御機6に通知する信号制御指令を生成する。
信号制御指令は、新たに生成した信号制御パラメータに対応する、信号灯器の階梯(ステップ)ごとの継続時間の決定に必要な情報を含む指令である。信号制御指令は、例えば遠隔制御の制御周期(例えば1.0〜2.5分)ごとに生成される。
通信部13は、専用の通信回線9を介して交通信号制御機6と通信する通信インタフェースよりなる。
従って、通信部13は、制御周期ごとに処理部11が生成した信号制御パラメータを含む信号制御指令を、遠隔制御の対象である交通信号制御機6に送信する。通信部13は、交通信号制御機6が行った過去の制御内容を表す信号制御実行情報を、各交通信号制御機6から受信する。
通信部13には、公衆通信網8を介して無線基地局7と通信する通信インタフェースも含まれる。
従って、通信部13は、無線基地局7からアップリンク情報S1を受信可能であり、自装置で生成したダウンリンク情報S2を無線基地局7に送信可能である。アップリンク情報S1には、車載装置4が送信元のプローブ情報が含まれる。ダウンリンク情報S2には、処理部11が算出したリンク旅行時間などが含まれる。
なお、プローブ車両3と中央装置2との通信は、車載装置4と光ビーコンとの光通信を介在した通信であってもよいし、700MHz帯のITS(Intelligent Transport Systems)無線通信を介在した通信であってもよい。
各種のデータベース21〜23は、HDD又はSSDなどを含む大容量ストレージよりなる。これらのデータベース21〜23は、サーバコンピュータ10にそれぞれデータ転送可能に接続されている。
データベース21〜23には、地図データベース21、プローブデータベース22、及び会員データベース23が含まれる。
地図データベース21には、国内を網羅する道路地図データ25が記録されている。道路地図データ25には、「交差点データ」と「リンクデータ」が含まれる。
「交差点データ」は、国内の交差点に付与された交差点IDと、交差点の位置情報とを対応付けたデータである。「リンクデータ」は、国内の道路に対応して付与された特定リンクのリンクIDに対して、次の情報1)〜4)を対応付けたデータよりなる。
情報1)特定リンクの始点・終点・補間点の位置情報
情報2)特定リンクの始点に接続するリンクID
情報3)特定リンクの終点に接続するリンクID
情報4)特定リンクのリンクコスト
道路地図データ25は、実際の道路線形と道路の走行方向に対応したネットワークを構成する。このため、道路地図データ25は、交差点を表すノード間の道路区間を有向リンクl(小文字のエル)で繋いだネットワークになっている。
具体的には、道路地図データ25は、交差点ごとにノードnが設定され、各ノードn間が逆向きの一対の有向リンクlで繋がった有向グラフよりなる。従って、一方通行の道路の場合は、一方向の有向リンクlのみノードnが接続される。
道路地図データ25には、地図上の各道路に対応する特定の有向リンクlが、一般道路であるか有料道路であるかを表す道路種別情報、及び、有向リンクlに含まれる料金所又はパーキングエリアなど施設の種別を表す施設情報も含まれる。
道路地図データ25には、有効リンクlに含まれる車両感知器5の感知器IDと、車両感知器5の感知地点(例えば、図3の感知地点A〜E)の位置情報も含まれる。
プローブデータベース22には、予め登録されたプローブ車両3から受信したプローブ情報が、プローブ車両3の識別情報ごとに蓄積される。
蓄積されるプローブ情報には、少なくとも車両位置とその通過時刻が含まれる。プローブ情報には、車両速度、車両方位、車両の状態情報(停止/走行イベント)などの車両データが含まれていてもよい。プローブ情報のセンシング周期は、プローブ車両3の走行履歴を正確に特定可能な粒度であり、例えば0.1〜1.0秒である。
会員データベース23には、プローブ車両3の所有者(登録会員)の住所及び氏名などの個人情報、車両識別番号(VIN)、及び車載装置4の識別情報(例えば、MACアドレス、メールアドレス及び電話番号などのうちの少なくとも1つ)が記録される。
〔車載装置の構成〕
図2に示すように、車載装置4は、処理部31、記憶部32及び通信部33などを備えるコンピュータ装置よりなる。
処理部31は、記憶部32の不揮発性メモリに格納されたコンピュータプログラム34を読み出し、当該プログラム34に従って各種の情報処理を行うCPUを含む演算処理装置よりなる。
記憶部32は、HDD及びSSDのうちの少なくとも1つの不揮発性メモリ(記録媒体)と、ランダムアクセスメモリ等よりなる揮発性メモリ(記録媒体)とを含む記憶装置である。
車載装置4のコンピュータプログラム34には、プローブ情報のセンシング及び生成、プローブ車両3の経路探索処理、ナビゲーション装置のディスプレイに探索結果を表示するための画像処理などを処理部31のCPUに実行させるプログラムなどが含まれる。
通信部33は、プローブ車両3に恒常的に搭載された無線通信機、或いは、プローブ車両3に一時的に搭載されたデータ通信端末(例えば、スマートフォン、タブレット型コンピュータ又はノード型パソコンなど)よりなる。
通信部33は、例えばGNSS(Global Navigation Satellite System)の受信機を有する。処理部31は、GNSSの位置情報に基づいて、自車両の現在位置をほぼリアルタイムにモニタリングする。なお、車両の測位は他の方法で行ってもよい。
処理部31は、自車両の車両位置、車両速度、車両方位、及びCAN情報などの車両データを所定のセンシング周期(例えば0.1〜1.0秒)ごとに計測し、計測時刻とともに記憶部32に記録する。
記憶部32に所定の記録時間(例えば1〜2分)の分だけ車両データが蓄積されると、通信部33は、蓄積された車両データと自車両の識別情報を含むプローブ情報を生成し、生成したプローブ情報を中央装置2宛てにアップリンク送信する。
車載装置4には、運転者の操作入力を受け付ける入力インタフェース(図示せず)が含まれる。入力インタフェースは、例えばナビゲーション装置に付随する入力機器、或いは、プローブ車両3に搭載されたデータ通信端末の入力機器などよりなる。
〔車両感知器の配置例〕
図3は、流入路に設置される車両感知器5の配置例を示す平面図である。
図3において、交差点Jkは遠隔制御の対象交差点であり、交差点Jk+1は交差点Jkの上流側に隣接する交差点である。
図3の感知地点A〜E及び感知地点Rは、交差点Jkの上流側に設置された車両感知器5による車両の感知地点を示す。
交差点Jkの流入路の交通量と飽和交通流率を車両感知器5の感知信号から算出する場合には、停止線から例えば150mの感知地点A(全車線)に、車両感知器5が設置される。なお、感知地点Rは、右折車両の台数をカウントするための感知地点である。
交差点Jkと交差点Jk+1の間の道路区間の推定渋滞長を感知信号から算出する場合には、感知地点Aの他に、停止線から例えば300mの感知地点Bと、停止線から例えば500mの感知地点Cに車両感知器5が設置される。
交差点Jkの停止線から数えて3段目の感知地点Cから更に上流側の感知地点D,Eに、車両感知器5が配置されることもある。
感知地点Cより上流側の感知地点D,Eの配置間隔は、市街地の場合には例えば250m間隔であり、郊外の場合には例えば500m間隔である。
図3に含まれるグラフは、感知地点Aにおける待ち行列波及度(Congestion Degree)の算出に使用されるグラフである。もっとも、他の感知地点B〜Eにも、感知地点Aと同様のグラフが設定される。
すなわち、感知地点A〜Eには、当該感知地点A〜Eの待ち行列波及度を車両の平均速度から求めるための、速度閾値V1〜V3(V1<V2<V3)が予め設定される。
待ち行列波及度とは、車両感知器5の感知地点A〜Eにおいて、車両の待ち行列が波及している度合いを示す交通指標である。
例えば、感知地点の平均速度VがV1以下の場合は波及度が1であり、感知地点の平均速度VがV2の場合は波及度が0.5であり、平均速度VがV3以上の場合は波及度が0である。平均速度VがV1からV3の間の場合は、波及度が0〜1まで連続して線形的に変化する値となるように、V2以上とV2以下の範囲でそれぞれ一次関数が定義される。
道路地図データ25のリンクデータのうち、渋滞観測用の車両感知器5が設置された交差点Jkの流入路に対応するリンクデータには、上記の速度閾値V1〜V3とともに、速度閾値V1〜V3により区分される速度範囲ごとに、平均速度Vと待ち行列波及度との間に成立する一次関数が予め設定されている。以上を纏めると次のようになる。
待ち行列波及度は、0≦V≦V1の範囲では1.0(一定値)となり、V3≦Vの範囲では0(一定値)となる。
待ち行列波及度は、V1≦V≦V2の範囲では、1.0から0.5まで線形的に減少する負の傾きを有する平均速度Vの一次関数となる。
待ち行列波及度は、V2≦V≦V3の場合では、0.5から0.0まで線形的に減少する負の傾きを有する平均速度Vの一次関数となる。
感知地点A〜Eの平均速度Vに応じた待ち行列波及度の速度閾値V1〜V3は、感知地点A〜Eにおける交通状況などに基づいて、交通管制センターなどの交通技術者が感知地点A〜Eごとに決定する。
交通技術者は、サーバコンピュータ10に接続されたキーボードなどの入力機器を操作することにより、感知地点A〜Eの位置情報と、感知地点A〜Eについて決定した速度閾値V1〜V3の値を、地図データベース21の道路地図データ25に記憶させる。
〔感知信号に基づく推定渋滞長の算出手順〕
図4は、車両感知器5の感知信号を元データとして算出される推定渋滞長の算出手順の一例を示すフローチャートである。図4に示すように、推定渋滞長の算出手順には、次の算出処理C1〜C3が含まれる。
(算出処理C1:交通量、占有率及び平均速度の算出)
図4に示すように、車両感知器5の感知信号は、感知地点A〜Eでの車両感知を表すオン信号と、車両非感知を表すオフ信号とが繰り返されるパルス信号よりなる。
中央装置2の処理部11は、車両感知器5の感知信号から、サイクルと同期した流入路における「交通量」、「占有率」及び「平均速度」を感知地点A〜Eごとに算出する。
交通量は、所定期間T0に含まれる感知信号のパルス数(オン信号の数)である。占有率は、所定期間T0に含まれるオン信号の総時間帯が全時間に占める割合である。平均速度は、所定期間T0に車両感知器5を通過する各車両の速度の平均値である。
ここで、所定期間T0が車両感知器5の下流側の交差点Jkのサイクルと非同期であると、例えば所定期間T0内に2サイクル分の赤時間が含まれるなどが原因で、交通量、占有率及び平均速度の変動が大きくなる。
そこで、処理部11は、車両感知器5の下流側の交差点Jkのサイクルと同期して感知信号を集計し(サイクル同期収集)、最新の2〜3サイクル分の感知信号に基づいて、所定期間T0当たりの交通量及び占有率を算出する。すなわち、処理部11は、所定期間T0の交通量及び占有率を次式により算出する。
交通量=(nサイクルの総パルス数/nサイクルの総時間)×所定期間T0
占有率=(nサイクルの総オン時間/nサイクルの総時間)×所定期間T0
中央装置2の処理部11は、車両の平均速度を、交通量、占有率及び実効車長(=感知領域長+平均車長)から次式によって算出する。
平均速度=実効車長/(占有率/交通量)
平均車長は、大型車の混入率等に応じて変動するので、流入路の感知地点A〜Eごとに決定される。例えば、道路に設置した監視カメラ(図示せず)により所定期間内に通過した車種の比率を統計的に算出し、算出した車種の比率から平均車長が決定される。
(算出処理C2:待ち行列波及度の算出)
次に、中央装置2の処理部11は、算出処理C1により算出した平均速度を用いて、感知地点A〜Eごとの待ち行列波及度を算出する。
前述の通り、平均速度のランダムな変動に対応するため、感知地点A〜Eにそれぞれ対応する3つの速度閾値V1〜V3と、速度範囲ごとの待ち行列波及度を規定する一次関数が、予め地図データベース21の道路地図データ25に記録されている。
そこで、中央装置2の処理部11は、感知地点A〜Eに対応する速度閾値V1〜V3と一次関数を地図データベース21から読み出し、読み出した一次関数に算出処理C1で算出した平均速度を適用して、当該平均速度に対応する待ち行列波及度を求める。
例えば、処理部11は、感知地点Aの平均速度VaがVa<V1である場合は、当該感知地点Aにおける待ち行列波及度を1とする。
処理部11は、感知地点Bの平均速度VbがV1<Vb<V2である場合は、速度閾値V1,V2間の待ち行列波及度を規定する一次関数にVbを代入して、当該感知地点Bにおける待ち行列波及度を求める。
処理部11は、感知地点Cの平均速度VcがV2<Vc<V3である場合は、速度閾値V2,V3間の待ち行列波及度を規定する一次関数にVcを代入して、当該感知地点Cにおける待ち行列波及度を求める。
処理部11は、感知地点Dの平均速度VdがV3<Vdである場合は、当該感知地点Dにおける待ち行列波及度を0とする。
(算出処理C3:推定渋滞長の算出)
次に、中央装置2の処理部11は、交差点Jkの上流側の道路区間に含まれる複数の感知地点A〜Eの待ち行列波及度に基づいて、交差点Jkから延伸する推定渋滞長(渋滞末尾から停止線位置までの距離)を算出する。
図5は、推定渋滞長の算出処理の一例を示す説明図である。
図5のグラフは、横軸を交差点Jkからの距離とし、縦軸を待ち行列波及度として、感知地点A〜Eの待ち行列波及度の値をプロットした折れ線グラフである。
図5に示すように、中央装置2の処理部11は、待ち行列波及度が0.5(=速度閾値V2に対応する波及度)以上の区間を「渋滞」と判定し、0.5未満の区間を「非渋滞」と判定する。
従って、図例では、感知地点Aの波及度値と感知地点Cの波及度値を結ぶ直線と、波及度が0.5である水平線との交点Pcの位置が、交差点Jkの停止線から上流側に延伸する渋滞の末尾位置と判定される。
この場合、判定された末尾位置から交差点Jkの停止線までの距離値が、推定渋滞長の算出値となる。
〔中央装置による遠隔制御の概要〕
図6は、中央装置2が実行する遠隔制御(MODERATO)の概要を示すフローチャートである。
図6に示すように、中央装置2が実行する遠隔制御には、次のステップS1〜S4が含まれる。中央装置2の処理部11は、次のステップS1〜S4の各処理を、所定の制御周期(例えば1.0〜2.5分)ごとに繰り返し実行する。
ステップS1:「負荷率の元データの算出」(ステップS1)
ステップS2:「負荷率の算出」(ステップS2)
ステップS3:「信号制御パラメータの算出」
ステップS4:「信号制御パラメータの反映」
「負荷率の元データの算出」(ステップS1)は、各流入路の負荷率の算出に必要な元データを流入路ごとに算出する処理である。各流入路の負荷率の算出に必要な元データには、次の交通指標が含まれる。ただし、Qinは、交通量の換算値である。
Vin:対象交差点Jkの流入路の交通量(台/秒)(「流入交通量」ともいう。)
Qin:対象交差点Jkの流入路の待ち行列台数(台/秒)
Sf: 対象交差点Jkの流入路の飽和交通流率(台/秒)
交差点Jkの流入交通量Vinは、前述の通り、車両感知器5の感知信号に基づいて算出される(図4の算出処理C1)。
交差点Jkの流入路の待ち行列台数Qinは、待ち行列波及度が0.5以上の感知地点A〜Eが観測された場合に、次の式(1)により算出される。
Qin=J/H/C ……(1)
ただし、J:推定渋滞長(m)
H:平均車頭距離(m/台)
C:対象交差点Jkのサイクル長(秒)
式(1)の推定渋滞長Jは、前述の通り、流入路の複数の感知地点A〜Eにおける待ち行列波及度から算出される(図4の算出処理C2,C3)。
平均車頭距離Hは、渋滞中の複数の車両に含まれる、走行方向に隣接する2台の車両の車頭(先端)間距離の平均値を意味する。本実施形態では、式(1)に代入する平均車頭距離Hの値を制御周期ごとに動的に算出するが、その算出方法については後述する。
交差点Jkの流入路の飽和交通流率Sfは、流入路の青時間内に車両感知器5の感知地点Aを通過した車両台数を青時間で割った流率(台/秒)と、飽和交通流率の設定値(定数)とを比較し、大きい方を今回周期の飽和交通流率とする方法が採用される。
具体的には、飽和交通流率Sfは、交差点Jkの流入路の青時間(秒)をG、通過台数(台)をq、飽和交通流率の設定値をScとすると、次の式(2)により算出される。
Sf=Max{q/G,Sc} ……(2)
「負荷率の算出」(ステップS2)は、ステップS1で算出された流入交通量Vin、待ち行列台数Qin、及び飽和交通流率Sfを次の式(3)に代入することにより、各流入路の負荷率Lrを算出する処理である。
負荷率Lrは、遠隔制御がMODERATOである場合に使用される交通指標であり、1サイクル中に処理できる最大交通量に対する交通需要の比を意味する。
Lr=(Vin+k×Qin)/Sf ……(3)
ただし、k:重み係数(通常は1.0が用いられる。)
「信号制御パラメータの算出」(ステップS3)は、ステップS2で算出された負荷率Lrを用いて、制御対象の交差点Jkのスプリット及びサイクル長などの信号制御パラメータを算出する処理である。
ここでは、2つの現示のみを含む十字路交差点のスプリット及びサイクル長を算出する場合を想定する。また、現示の番号を「i」(i=1,2)で表し、各現示iの流入路の方向を「j」(j=1,2)で表す。
現示iの各流入路jの負荷率を「Lij」、流入路jにおける交通量を「Vij」、流入路jにおける待ち行列台数を「Qij」、流入路jにおける飽和交通流率を「Sij」とすると、負荷率Lijは、次の式(4)の通りである。
Lij=(Vij+Qij)/Sij ……(4)
中央装置2の処理部11は、現示iの負荷率Lriを次の式(5)により算出し、交差点全体の負荷率Lrtを次の式(6)により算出する。式(5)において、「Maxj」は、現示iに含まれるj個の負荷率Lijのうちの最大値を意味する。
Lri=Maxj(Lij) ……(5)
Lrt=Lr1+Lr2 ……(6)
そして、中央装置2の処理部11は、現示iのスプリットλi及びサイクル長Cを、次の式(7)及び(8)により算出する。なお、式(8)において、Kは損失時間を表し、a1〜a3は係数である。
λi=Lri/Lrt ……(7)
C=(a1×K+a2)/(1−a3×Lrt) ……(8)
「信号制御パラメータの反映」(ステップS4)は、ステップS3で算出された信号制御パラメータにより対象交差点Jkの交通信号制御機6を動作させる処理である。
具体的には、中央装置2の処理部11は、算出した信号制御パラメータに基づいて信号制御指令を生成し、生成した信号制御指令を交通信号制御機6に送信する。なお、歩進制御の場合には、処理部11は、算出した信号制御パラメータに基づいて灯器の点灯又は消灯を指令する歩進指令を生成し、生成した歩進指令を交通信号制御機6に送信する。
〔従来の遠隔制御の問題点と解決策〕
図7は、推定渋滞長Jと平均車頭距離H0,H1との関係を示す道路平面図である。
図7Aは、推定渋滞長Jが固定値の平均車頭距離H0で並ぶ複数の車両で構成される場合を示し、図7Bは、推定渋滞長Jが実際の平均車頭距離H1(>H0)で並ぶ複数の車両で構成される場合を示す。
上述の式(1)の通り、待ち行列台数Qinは、推定渋滞長Jを平均車頭距離Hで除算し、これを更にサイクル長Cで除算することにより算出される(式(1)参照)。
ここで、平均車頭距離Hは、車両感知器5の感知信号からは導出できないので、従来の遠隔制御では、式(1)に適用する平均車頭距離Hとして、所定の固定値H0(例えば8〜10(m/台))を採用している。
しかし、実際の車間距離は渋滞度合いなどにより変動するため、式(1)に用いる平均車頭距離Hを固定値H0とすると、待ち行列台数Qinの値に誤差が生じる。
例えば、図7Bに示すように、実際の平均車頭距離H1>固定値H0である場合は、推定渋滞長Jから算出される待ち行列台数Qin(=J/H/C)の値が実際よりも大きい値となる。
上記のように、実際と異なる待ち行列台数Qinの値を式(3)に代入すると、負荷率Lrが交通状況と整合しなくなるので、式(7)及び式(8)により負荷率Lrから算出されるスプリットλやサイクル長Cなどの信号制御パラメータも不正確となり、却って渋滞や遅れを引き起こす信号制御パラメータが生成される可能性がある。
そこで、本実施形態では、中央装置2の処理部11が、プローブ情報を元データとする次の式(9)により、対象交差点Jkでの信号待ちによる車両1台当たりの遅れ時間davを算出し、算出した遅れ時間davの値を次の式(10)に代入することにより、平均車頭距離Hの値を制御周期ごとに動的に算出する。
このため、流入路における交通状況の変化に応じて平均車頭距離Hの値を正確に算出することができる。
そして、中央装置2の処理部11は、式(10)により算出した平均車頭距離Hの値を式(1)に代入して、待ち行列台数Qinを算出する。従って、流入路の待ち行列台数Qinを正確に算出することができる。
dav=Tt−{L/(Ve/3.6)} ……(9)
ただし、L :交差点間のリンク長(m)
Tt:プローブ車両の平均旅行時間(秒)
Ve:想定速度(例えば規制速度)(km/時)
H=J/〔{(dav−R/2)/R}×(1−R/C)×Sf×C〕 ……(10)
ただし、dav:信号待ちによる車両1台当たりの遅れ時間(平均値)(秒)
J :推定渋滞長(m)
R :対象交差点Jkの流入路の赤時間(秒)
C :対象交差点Jkのサイクル長(秒)
以上から明らかな通り、中央装置2の処理部11は、次の第1及び第2算出部としての機能を有する。
第1算出部:感知信号を元データとする推定渋滞長Jと飽和交通流率Sfの値、プローブ情報を元データとする遅れ時間davの値、及び、対象交差点Jkの流入路の赤時間R及びサイクル長Cの値を式(10)に代入し、平均車頭距離Hの値を動的に算出する。
第2算出部:算出した平均車頭距離Hの値を式(1)に代入し、負荷率Lrの算出に必要な待ち行列台数Qinを算出する。
〔平均車頭距離の算出式の成立理由〕
以下、図8及び図9を参照しつつ、式(9)及び式(10)が成立する理由について説明する。図8は、対象交差点Jkを通過する車両の走行軌跡の一例を表すグラフである。
図8において、グラフの横軸は上流側の交差点Jk+1からの距離であり、グラフの縦軸は車両の旅行時間である。ここでは、Jk+1からJkに向かう流入路には、系統制御が行われていないものとする。
交差点Jk+1から交差点Jkに至るリンクを複数の車両が通行した場合、交差点Jkにおける信号待ちによる車両1台当たりの遅れ時間davは、信号待ちの後に交差点Jkを通過する全車両の総遅れ時間(図7の三角形の面積)を車両台数で割った値である。
そして、複数のプローブ車両3の平均旅行時間Ttには、上記の車両1台当たりの遅れ時間davが含まれると見なすことができる。
このため、信号待ちによる車両1台当たりの遅れ時間davは、複数のプローブ車両3の平均旅行時間Ttから、信号待ちなしでリンクを想定速度Veで走行した場合の旅行時間(=L/(Ve/3.6))を減算した値となる。従って、遅れ時間davは、次の式(9)で定義することができる。
dav=Tt−{L/(Ve/3.6)} ……(9)
中央装置2の処理部11は、プローブデータベース22に含まれるプローブ情報の位置及び時刻から、今回の制御周期に交差点Jk+1,Jk間のリンクを通過した複数のプローブ情報を抽出する。
そして、処理部11は、抽出した複数のプローブ情報の位置及び時刻に基づいて、プローブ車両3の平均旅行時間Ttを算出し、算出したTtを式(9)に代入して遅れ時間davを求める。
なお、信号待ち以外の停止が明らかなプローブ情報(例えば、駐車フラグ付きのプローブ情報)が含まれる場合には、平均旅行時間Ttの算出対象から外すことが好ましい。
また、信号待ち以外の停止時間が特定可能なプローブ情報(例えば、駐車時間を含むプローブ情報)の場合には、その停止時間を考慮して平均旅行時間Ttを算出することが好ましい。
図9は、過飽和時における交差点Jkの交通状況の一例を示す説明図である。
図9に示すように、流入路が過飽和か否かの判定は、R/2<davであるか否かにより行われる。ここでは、過飽和の流入路において、信号2回待ち以上の車両が含まれる過飽和状態のモデルとして、走行と停止のみの単純なモデルを想定する。この場合、2回目以降の信号待ち停止においては、1回当たりの停止時間は赤時間Rと等しくなる。
図9のパターン1は、今回のサイクルで待ち行列が捌けた場合(0サイクル待ち)、すなわち、交差点Jkがちょうど飽和状態の場合の交通状況を示す。
図9のパターン2は、次回のサイクルで待ち行列が捌けた場合(1サイクル待ち)の交通状況を示す。図9のパターン3は、次々回のサイクルで待ち行列が捌けた場合(2サイクル待ち)の交通状況を示す。
パターン1では、dav=0.5R、Qin=0となる。
パターン2では、dav=1.5R、Qin=(1−R/C)×Sfとなる。
パターン3では、dav=2.5R、Qin=2×(1−R/C)×Sfとなる。
従って、交差点Jkの流入路が過飽和である場合の、待ち行列台数Qinの算出式は、次の式(11)となる。
Qin={(dav−R/2)/R}×(1−R/C)×Sf ……(11)
式(1)からH=J/(Qin×C)となるので、右辺のQinに式(11)の算出式を代入すれば、平均車頭距離Hは次の式(10)で定義されることになる。
H=J/〔{(dav−R/2)/R}×(1−R/C)×Sf×C〕 ……(10)
〔本実施形態の効果〕
本実施形態によれば、中央装置2の処理部11が、プローブ情報を元データとする遅れ時間davの値、車両感知器5の感知信号を元データとする推定渋滞長Jの値、流入路の赤時間R及びサイクル長Cの値を用いて平均車頭距離Hを算出するので、平均車頭距離Hを固定値H0とする場合に比べて、交通状況の変化に応じて平均車頭距離Hの値を正確に算出することができる。
また、中央装置2の処理部11は、上記の正確な平均車頭距離Hに基づいて、流入路の待ち行列台数Qinを算出するので、待ち行列台数Qinの値も正確になる。
従って、遠隔制御に必要な流入路の負荷率Lrを正確に求めることができ、遠隔制御の精度を向上することができる。
〔第1の変形例〕
上述の実施形態において、待ち行列台数Qinを遠隔制御に使用したが、これを他の目的に活用することにしてもよい。
例えば、交通管制センターでは、各道路単位で、渋滞部と非渋滞部における車両の存在台数を演算し、それらを都道府県単位又は市区町村単位で集計することにより、車両の瞬間存在台数を算出している。
瞬間存在台数は、交通管制センターの中央表示板(図示せず)に常時表示される他、その統計値が信号制御の効果評価や道路交通計画などに活用される。
上述の通り、本実施形態では、正確な平均車頭距離Hに基づいて精度の高い待ち行列台数Qinを算出することができる。このため、渋滞部の存在台数(待ち行列台数)の推定精度が向上し、実態に合った瞬間存在台数を交通技術者に提供することが可能となる。
〔その他の変形例〕
上述の実施形態(変形例を含む。)は、すべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の権利範囲は、特許請求の範囲に記載された構成と均等の範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、上述の実施形態において、飽和交通流率Sfは設定値のみを採用しもよい。また、飽和交通流率Sfは、ほぼリアルタイムなプローブ車両3の速度情報と位置情報を含むプローブ情報から算出することもできる(特開2009−15817号公報参照)。
1 交通信号制御システム
2 中央装置(待ち行列台数の算出装置)
3 プローブ車両
4 車載装置
5 車両感知器
6 交通信号制御機
7 無線基地局
8 公衆通信網
9 通信回線
10 サーバコンピュータ
11 処理部(第1算出部、第2算出部)
12 記憶部
13 通信部
14 コンピュータプログラム
15 ルータ
21 地図データベース
22 プローブデータベース
23 会員データベース
25 道路地図データ
31 処理部
32 記憶部
33 通信部
34 コンピュータプログラム

Claims (8)

  1. 信号制御の対象となる交差点の流入路における車両の待ち行列台数を算出する装置であって、
    前記流入路における推定渋滞長と、前記流入路における信号待ちによる車両1台当たりの遅れ時間と、前記流入路の飽和交通流率と、前記流入路の信号情報とに基づいて、渋滞中の車両の平均車頭距離を算出する第1算出部と、
    算出された前記平均車頭距離に基づいて、前記流入路の負荷率の算出に用いられる当該流入路の前記待ち行列台数を算出する第2算出部と、を備える待ち行列台数の算出装置。
  2. 前記第1算出部は、
    前記流入路を通行するプローブ車両の平均旅行時間に基づいて、前記遅れ時間を算出する請求項1に記載の待ち行列台数の算出装置。
  3. 前記第1算出部は、
    次の式(9)により前記遅れ時間を算出する請求項1又は請求項2に記載の待ち行列台数の算出装置。
    dav=Tt−{L/(Ve/3.6)} ……(9)
    ただし、dav:信号待ちによる車両1台当たりの遅れ時間(平均値)(秒)
    L :交差点間のリンク長(m)
    Tt:プローブ車両の平均旅行時間(秒)
    Ve:想定速度(例えば規制速度)(km/時)
  4. 前記第1算出部は、
    次の式(10)により前記平均車頭距離を算出する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の待ち行列台数の算出装置。
    H=J/〔{(dav−R/2)/R}×(1−R/C)×Sf×C〕 ……(10)
    ただし、H :平均車頭距離(m/台)
    dav:信号待ちによる車両1台当たりの遅れ時間(平均値)(秒)
    J :推定渋滞長(m)
    R :対象交差点の流入路の赤時間(秒)
    C :対象交差点のサイクル長(秒)
  5. 前記第1算出部は、
    前記流入路に配置された複数の車両感知器の感知地点における車両の平均速度と、前記感知地点に設定された待ち行列波及度とに基づいて、前記推定渋滞長を算出する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の待ち行列台数の算出装置。
  6. 前記第1算出部は、
    前記流入路の青時間内に車両感知器の感知地点を通過した車両台数を青時間で割った流率と、飽和交通流率の設定値との比較結果に基づいて、前記飽和交通流率を算出する請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の待ち行列台数の算出装置。
  7. 前記第2算出部は、
    次の式(1)により前記待ち行列台数を算出する請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の待ち行列台数の算出装置。
    Qin=J/H/C ……(1)
    ただし、Qin:待ち行列台数(台/秒)
    J :推定渋滞長(m)
    H :平均車頭距離(m/台)
    C :対象交差点のサイクル長(秒)
  8. 信号制御の対象となる交差点の流入路における車両の待ち行列台数を算出する方法であって、
    前記流入路における推定渋滞長と、前記流入路における信号待ちによる車両1台当たりの遅れ時間と、前記流入路の飽和交通流率と、前記流入路の信号情報とに基づいて、渋滞中の車両の平均車頭距離を算出する第1ステップと、
    算出された前記平均車頭距離に基づいて、前記流入路の負荷率の算出に用いられる当該流入路の前記待ち行列台数を算出する第2ステップと、を含む待ち行列台数の算出方法。
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