JP2021162291A - 冷蔵庫 - Google Patents

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Tsubasa WASHIZAKI
正憲 武下
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Abstract

【課題】簡素な構成により扉間の隙間を封止することができる観音開き式の扉を有する冷蔵庫を提供することである。【解決手段】実施形態の冷蔵庫は、冷蔵庫本体と、一対の扉と、突起と、仕切体と、を持つ。冷蔵庫本体は、開口が形成された貯蔵室を含む。一対の扉は、冷蔵庫本体の横幅方向の両端部に設けられた回動支持部において回動可能に支持され、開口を開閉可能に覆う。突起は、冷蔵庫本体の前面部よりも前方に突出している。突起は、一対の扉が開口を閉止するとき、一対の扉の後側から一対の扉の内部にそれぞれ進入する。仕切体は、一対の扉の回動における各径方向にスライド可能に挿入されている。仕切体は、突起の進入時に一対の扉の閉止時の対向方向における一対の扉の各先端部からそれぞれ突出する。仕切体は、突起の進入時に突起の進入と連動して、対向方向における各先端部の間の隙間を閉じる。【選択図】図5

Description

本発明の実施形態は、冷蔵庫に関する。
冷蔵庫には、観音開き式の扉が用いられる場合がある。このような扉は円滑に開閉するため、閉止時に互いに対向する端部は、ある程度離間して配置される。互いに対向する端部の間には、冷気の漏れを抑制する仕切体が配置される。
扉の開閉時の仕切体の動作には、例えば、回転、接離などの動きが含まれる。仕切体の構造によっては、開閉時に円滑に動かない場合がある。この場合、仕切体の可動部などに故障が発生したり、閉止時の隙間の封止が不充分になったりする場合がある。
冷蔵庫の観音開き式の扉において、簡素な構成により扉間の隙間を封止することが強く求められている。
特開2008−185239号公報
本発明が解決しようとする課題は、簡素な構成により扉間の隙間を封止することができる観音開き式の扉を有する冷蔵庫を提供することである。
実施形態の冷蔵庫は、冷蔵庫本体と、一対の扉と、突起と、仕切体と、を持つ。冷蔵庫本体は、前側に開口が形成された少なくとも1つの貯蔵室を含む。一対の扉は、冷蔵庫本体の横幅方向の両端部に設けられた回動支持部において回動可能に支持される。一対の扉は、開口を開閉可能に覆う。突起は、冷蔵庫本体の前面部よりも前方に突出している。前面部は、冷蔵庫本体において横幅方向に延びており開口を囲む。突起は、一対の扉が開口を閉止するとき、一対の扉の後側から一対の扉の内部にそれぞれ進入する。仕切体は、一対の扉の回動における各径方向にスライド可能に挿入されている。仕切体は、突起の進入時に一対の扉の閉止時の対向方向における一対の扉の各先端部からそれぞれ突出する。仕切体は、突起の進入時に突起の進入と連動して、対向方向における各先端部の間の隙間を閉じる。
実施形態の冷蔵庫を示す斜視図。 図1におけるF2−F2線に沿う断面図。 実施形態の冷蔵庫における冷蔵庫本体の前面部を示す正面図。 実施形態の冷蔵庫における左冷蔵室扉を示す斜視図。 図4におけるF5−F5線に沿う断面図。 実施形態の冷蔵庫における仕切体を示す斜視図。 図4におけるF7−F7線に沿う断面図。 図2におけるF3方向に見た平面図。 図1におけるF9−F9線に沿う断面図。 図8におけるF10−F10線に沿う断面図。 図10におけるF11−F11線に沿う断面図。 実施形態の冷蔵庫の扉の開閉動作を示す断面図。 実施形態の第1変形例の冷蔵庫における仕切体を示す断面図。 実施形態の第2変形例の冷蔵庫における仕切体を示す断面図。 実施形態の第3変形例の冷蔵庫における扉を示す背面図。
以下、実施形態の冷蔵庫を、図面を参照して説明する。以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。
本明細書では、特に断らない限り、冷蔵庫の正面に立つユーザから冷蔵庫を見た方向を基準に、上下左右を定義している。また、冷蔵庫から見て冷蔵庫の正面に立つユーザに近い側を「前」、遠い側を「後ろ」と定義している。本明細書において「横幅方向」とは、上記定義における左右方向を意味する。本明細書において「奥行方向」とは、上記定義における前後方向を意味する。「上下方向」とは、冷蔵庫の高さ方向を意味している。
図中に矢線で示した、+X方向は右方向、−X方向は左方向、+Y方向は後方向、−Y方向は前方向、+Z方向は上方向、−Z方向は下方向である。
実施形態の冷蔵庫の扉に含まれる部品に関する説明では、特に断らない限り、扉が閉じられている状態の配置に基づいて説明する。例えば、扉が開かれた状態でも、±X方向、±Y方向が扉に固定されているとして説明する場合がある。
実施形態の冷蔵庫について説明する。
図1は、実施形態の冷蔵庫を示す正面図である。図2は、図1におけるF2−F2線に沿う断面図である。図3は、実施形態の冷蔵庫における冷蔵庫本体の前面部を示す正面図である。
図1に示す実施形態の冷蔵庫1の全体構成について説明する。ただし、冷蔵庫1は、以下に説明する構成の全てを有する必要はなく、いくつかの構成が適宜省略されてもよい。
図1に示すように、冷蔵庫1は、例えば、冷蔵庫本体5および複数の扉11を有する。
冷蔵庫本体5は筐体10を含む。図2に示すように、筐体10は、例えば、内箱10aと、外箱10bと、発泡断熱材10cとを含む。
内箱10aは、筐体10の内面を形成する部材であり、例えば合成樹脂製である。
外箱10bは、筐体10の外面を形成する部材であり、例えば金属製である。外箱10bは、内箱10aよりも一回り大きく形成されており、内箱10aの外側に配置されている。外箱10bは、筐体10の前面を除く外面部を形成する直方体状である。外箱10bは、例えば、金属または金属と樹脂との複合材料で形成される。
発泡断熱材10cは、例えば発泡ウレタンのような発泡状の断熱材であり、内箱10aと外箱10bとの間に充填されている。これにより、筐体10は断熱性を有する。
ただし、内箱10aと外箱10bとの間には、発泡断熱材10以外の断熱材、冷媒を循環させるパイプ等の適宜の部材が配置されてもよい。
図1に示すように、筐体10は、上壁21、下壁22、左側壁23、右側壁24、および後壁25(図2参照)を有する。上壁21および下壁22は、略水平に広がっている。左側壁23、右側壁24は、下壁22の左右の端部から上方に起立し、上壁21の左右の端部に繋がる。図2に示すように、後壁25は、下壁22の後端部から上方に起立し、上壁21の後端部に繋がる。
筐体10の内部には、複数の貯蔵室27が形成されている。複数の貯蔵室27は、例えば、冷蔵室27A、野菜室27B、製氷室27C(図1参照)、小冷凍室27D、および主冷凍室27Eを含む。本実施形態では、最上部に冷蔵室27Aが配置され、冷蔵室27Aの下方に野菜室27Bが配置され、野菜室27Bの下方に製氷室27Cおよび小冷凍室27Dが配置され、製氷室27Cおよび小冷凍室27Dの下方に主冷凍室27Eが配置されている。ただし、複数の貯蔵室27の配置は、上記例に限定されず、例えば野菜室27Bと主冷凍室27Eの配置が逆でもよい。筐体10は、各貯蔵室27の前面側(−Y方向側)に、各貯蔵室27に対して食材の出し入れを可能にする開口を有する。
筐体10は、第1仕切部28と、第2仕切部29と、を有する。第1仕切部28および第2仕切部29は、例えば、それぞれ略水平方向に沿う仕切壁である。第1仕切部28は、冷蔵室27Aと野菜室27Bとの間に位置し、冷蔵室27Aと野菜室27Bとの間を仕切っている。第1仕切部28は、冷蔵室27Aの底壁を形成するとともに、野菜室27Bの天井壁を形成している。
図2に示す例では、第1仕切部28の上面は、−Y方向の端部で高くなる段状に形成されている。このため、第1仕切部28の−Y方向の端部の前側上面28bは、+Y方向に広がるにおける後側上面28cよりも高い。これにより、第1仕切部28の−Y方向の前端面28aの上下方向の幅は、後側の第1仕切部28の厚さよりも広い。
第2仕切部29は、野菜室27Bと、製氷室27C(図1参照)および小冷凍室27Dとの間に位置し、野菜室27Bと、製氷室27C(図1参照)および小冷凍室27Dとの間を仕切っている。第2仕切部29は、野菜室27Bの底壁を形成するとともに、製氷室27C(図1参照)および小冷凍室27Dの天井壁を形成している。
図3に示すように、例えば、冷蔵室27Aの開口Oは、筐体10における−Y方向の端を形成する前面部10dによって囲まれている。例えば、開口Oを囲む前面部10dは、上壁21、左側壁23、および右側壁24における−Y方向の各前端面21a、23a、24aと、前端面28aと、を含む。
前面部10dは、奥行方向を法線方向とする同一平面に整列している。
複数の貯蔵室27の開口は、複数の扉11によって開閉可能に覆われている。図1に示すように、複数の扉11は、例えば、左冷蔵室扉11Aa、右冷蔵室扉11Ab、野菜室扉11B、製氷室扉11C、小冷凍室扉11D、および主冷凍室扉11Eを含む。
左冷蔵室扉11Aaおよび右冷蔵室扉11Abは、冷蔵室27Aの開口O(図3参照)を閉じる。野菜室扉11Bは、野菜室27Bの開口を閉じる。製氷室扉11Cは、製氷室27Cの開口を閉じる。小冷凍室扉11Dは、小冷凍室27Dの開口を閉じる。主冷凍室扉11Eは、主冷凍室27Eの開口を閉じる。
図1に示すように、左右に隣り合って設けられた左冷蔵室扉11Aaおよび右冷蔵室扉11Abは、観音開き式の一対の扉である。左冷蔵室扉11Aaおよび右冷蔵室扉11Abはそれぞれ、例えば冷蔵室27Aを形成する筐体10における横幅方向の両端部の上下端に設けられた複数のヒンジ30(回動支持部)によって鉛直軸線回りに回動可能に支持されている。左冷蔵室扉11Aaの回動における径方向は左冷蔵室扉11Aaに固定された+X方向である。右冷蔵室扉11Abの回動における径方向は右冷蔵室扉11Abに固定された−X方向である。
各ヒンジ30は、上側ヒンジ30aと、下側ヒンジ30bと、を有する。
左冷蔵室扉11Aaには、左側の端部の上側に上側ヒンジ30a、左側の端部の下側に下側ヒンジ30bがそれぞれ連結されている。同様に、右冷蔵室扉11Abには、右側の端部の上側に上側ヒンジ30a、右側の端部の下側に下側ヒンジ30bがそれぞれ連結されている。
左冷蔵室扉11Aaおよび右冷蔵室扉11Abの横幅方向の幅は特に限定されない。本実施形態では、右冷蔵室扉11Abの横幅方向の幅は、左冷蔵室扉11Aaの横幅方向の幅よりも大きい。
左冷蔵室扉11Aaおよび右冷蔵室扉11Abの少なくとも一方には、操作パネルユニットの操作/表示領域が設けられてもよい。
左冷蔵室扉11Aaおよび右冷蔵室扉11Abの詳細構成は後述する。
冷蔵室27Aの室内の温度は、野菜室27Bよりも低温かつ主冷凍室27Eよりも高温に維持される。
図2に示すように、冷蔵室27Aの内部は、複数の棚12によって仕切られている。冷蔵室27Aの下部には、チルド室容器13が配置されている。
右冷蔵室扉11Abは、冷蔵室27Aに向かう+Y方向側に、複数の扉容器20を有する。特に図示しないが、左冷蔵室扉11Aaも同様である。
野菜室扉11B、製氷室扉11C(図1参照)、小冷凍室扉11D、および主冷凍室扉11Eは、例えば、引き出し式の扉である。野菜室扉11B、製氷室扉11C(図1参照)、小冷凍室扉11D、および主冷凍室扉11Eは、筐体10との間に設けられたレールによって筐体10に対して引き出し可能に支持されている。
筐体10の後側には、筐体10とともに冷蔵庫本体5を形成する種々の部材が配置されている。冷蔵庫本体5を形成する部材としては、例えば、冷媒が循環するパイプ、冷却ユニット15A、15B、流路形成部材14A、14B、冷却ファン16A、16B、および制御基板17などが挙げられる。
冷蔵庫本体5において、筐体10の下部には、例えば、圧縮機、凝縮器、蒸発皿などが配置された機械室56が設けられている。
冷却ユニット15Aは、冷蔵室27Aの後側に配置されており、冷蔵室27Aおよび野菜室27Bを冷却する。
冷却ユニット15Bは、主冷凍室27Eの後側に配置されており、製氷室27C、小冷凍室27D、および主冷凍室27Eを冷却する。
流路形成部材14Aは、冷却ユニット15Aから供給される冷気をそれぞれ冷蔵室27A、野菜室27Bに流す流路を形成する。
流路形成部材14Bは、冷却ユニット15Bから供給される冷気を製氷室27C、小冷凍室27D、および主冷凍室27Eに流す流路を形成する。
冷却ファン16Aは、冷却ユニット15Aで形成された冷気を流路形成部材14Aで囲まれた流路に送風し、野菜室27Bおよび冷蔵室27Aの内部に循環する冷気の流れを形成する。
冷却ファン16Bは、冷却ユニット15Bで形成された冷気が流路形成部材14Bで囲まれた流路を送風し、製氷室27C、小冷凍室27D、および主冷凍室27Eの内部に循環する冷気の流れを形成する。
制御基板17は、冷蔵庫1の全体を統括的に制御する。例えば、制御基板17は、複数の貯蔵室27に設けられた温度センサの検出結果に基づき、冷却ユニット15A、15B、冷却ファン16A、16B、および圧縮機等の動作を制御する。
制御基板17は、湿気を避けることができる場所に配置することが好ましい。本実施形態では、冷蔵室27Aの上方における+Y方向側の外箱10b上に配置されている。
次に、左冷蔵室扉11Aaおよび右冷蔵室扉11Abの詳細構成を説明する。
左冷蔵室扉11Aaおよび右冷蔵室扉11Abは、横幅方向の幅が互いに異なり、ヒンジ30を中心とした回動方向が異なる以外は、同様の構成を有する。このため、左冷蔵室扉11Aaと、右冷蔵室扉11Abとは、横幅方向の幅の相違に基づく長さの違いを除けば、横幅方向に直交する平面に対して対称的な構成を有する。以下では、左冷蔵室扉11Aaの例を中心として説明する。
図4は、実施形態の冷蔵庫における左冷蔵室扉を示す斜視図である。図5は、図4におけるF5−F5線に沿う断面図である。図6は、実施形態の冷蔵庫における仕切体を示す斜視図である。図7は、図4におけるF7−F7線に沿う断面図である。
図4に示すように、左冷蔵室扉11Aaは、例えば、外郭部材50と、ガスケット55と、を有する。外郭部材50は、箱状に形成されている。本明細書でいう「箱状」とは、扁平な箱状も含む。外郭部材50は、例えば、枠体51、前面板52(図5参照)、および後面部材53を有する。
枠体51は、矩形の枠状に形成されている。枠体51は、上辺部材51a、下辺部材51b、第1側辺部材51c、および第2側辺部材51dを含む。上辺部材51aは、横幅方向および奥行方向に沿う板状であり、左冷蔵室扉11Aaの上面を形成している。下辺部材51bは、横幅方向および奥行方向に沿う板状であり、左冷蔵室扉11Aaの下面を形成している。第1側辺部材51cは、鉛直方向および奥行方向に沿う板状であり、左冷蔵室扉11Aaの左側面を形成している。第2側辺部材51dは、鉛直方向および奥行方向に沿う板状であり、左冷蔵室扉11Aaの右側面を形成している。これら上辺部材51a、下辺部材51b、第1側辺部材51c、および第2側辺部材51dが互いに組み合わされることで、枠体51が形成されている。枠体51は、例えば合成樹脂製である。
上辺部材51aの−X方向の端部には、後述する上側ヒンジ30aを取り付けるヒンジ取付部54が設けられている。図示は省略するが、下辺部材51bの−X方向の端部には、上下方向において上辺部材51aのヒンジ取付部54と対向する位置に、後述する下側ヒンジ30bを取り付けるヒンジ取付部54が設けられている。
前面板52(図5参照)は、枠体51に取り付けられ、左冷蔵室扉11Aaの前端部(−Y方向の端部)に位置する。前面板52は、上下方向および横幅方向に沿う板部材であり、左冷蔵室扉11Aaの前面を形成している。前面板52は、例えば、ガラス板である。ただし、前面板52は、ガラス板に限定されず、合成樹脂や他の素材で形成されてもよい。
後面部材53は、前面板52とは反対側から枠体51に取り付けられ、左冷蔵室扉11Aaの後端部(+Y方向の端部)に位置する。後面部材53は、左冷蔵室扉11Aaの後面を形成している。後面部材53は、例えば合成樹脂製である。
後面部材53は、後方(+Y方向)に突出したリブ61を有する。リブ61は、左冷蔵室扉11Aaが筐体10に対して閉じられた状態で後面部材53から冷蔵室27Aに向けて突出している。なお本明細書において「リブ」とは、説明の便宜上の名称であり、後面部材53から後方に突出した部分(突出部、膨出部)を広く意味し、特定の形状や作用のものに限定されない。
リブ61は、例えば、−Y方向から見た枠体51の外形よりも一回り小さな環状に形成されている。本明細書でいう「環状」とは、全周が完全に連続している場合に限定されず、切欠きなどが設けられて一部が途切れている場合も含む。本実施形態では、リブ61は、上辺部材51aに沿って横幅方向に延びたリブ61a、下辺部材51bに沿って横幅方向に延びたリブ61b、第1側辺部材51cに沿って鉛直方向に延びたリブ61c、および第2側辺部材51dに沿って上下方向に延びたリブ61dを含む。
リブ61は、例えば、冷蔵室27A内の冷気が左冷蔵室扉11Aaと筐体10との間の隙間から逃げることを抑制するために設けられている。リブ61は、比較的大きく後方に突出している。例えば、後方へのリブ61の突出量は、リブ61を除く外郭部材50の奥行方向の厚さの半分以上である。本実施形態では、リブ61の突出量は、リブ61を除く外郭部材50の奥行方向の厚さよりも大きい。
ガスケット55は、後面部材53に取り付けられている。後面部材53は、左冷蔵室扉11Aaの内部に向けて窪んだ溝であるスロート63を有する。例えば、スロート63は、リブ61の外周側を取り囲む環状に形成されている。本実施形態では、スロート63は、上辺部材51aに沿って横幅方向に延びたスロート63a、下辺部材51bに沿って横幅方向に延びたスロート63b、第1側辺部材51cに沿って鉛直方向に延びたスロート63c、および第2側辺部材51dに沿って鉛直方向に延びたスロート63dを含む。
ガスケット55は、ガスケット本体55aと、ガスケット取付部55bと、を有する(図6参照)。ガスケット本体55aは、リブ61の外周側を取り囲む環状に形成されている。ガスケット本体55aは、左冷蔵室扉11Aaが筐体10に対して閉じられた場合に、左冷蔵室扉11Aaと、筐体10と、の間に挟まれて、左冷蔵室扉11Aaと筐体10との間の隙間を塞ぐ。ガスケット取付部55bは、左冷蔵室扉11Aaの後面部材53に設けられたスロート63の内部に挿入されることで、スロート63に取り付けられている。これにより、ガスケット55が後面部材53に固定されている。
次に、左冷蔵室扉11Aaの内部構造を説明する。
図5に示すように、左冷蔵室扉11Aaは、内ケース70、仕切体71、弾性体72(付勢部材)、および発泡断熱材76をさらに有する。
内ケース70は、後面部材53と前面板52との間の空間に配置され、後述する仕切体71を横幅方向にスライド移動可能に収容する。内ケース70の+X方向の端部は、第2側辺部材51dに貫通している。これにより、第2側辺部材51dには、内ケース70の内部に連通する開口部70aが形成されている。−X方向から見た開口部70aの形状は、第2側辺部材51dに沿って、第2側辺部材51dの略全長にわたって上下方向に延びる矩形状である。
内ケース70は、第1側板70c、第2側板70d、上側板70e(図1参照)、下側板70f(図1参照)、および第3側板70b、を有する。
第1側板70cは、例えば、前面板52に平行な平板状であり、+Y方向から見て上下方向に長い矩形状の外形を有する。第1側板70cの上下方向の長さは、左冷蔵室扉11Aaの上下方向の長さよりも少し短い。第1側板70cは、前面板52から+Y方向に離れて、前面板52と対向している。
第2側板70dは、例えば、第1側板70cに平行な平板状であり、+Y方向から見て第1側板70cと同様の矩形状の外形を有する。第2側板70dは、第1側板70cから+Y方向に離れて配置されている。第1側板70cと第2側板70dとの間の隙間の大きさは、後述する仕切体71の奥行方向の幅と略同じであって、仕切体71が横幅方向にスライド移動可能な幅である。
図1に示すように、上側板70eは、第1側板70cおよび第2側板70d(図5参照)の各上端の間で、水平方向に延びる平板状である。
下側板70fは、第1側板70cおよび第2側板70d(図5参照)の各下端の間で、水平方向に延びる平板状である。
第1側板70c、第2側板70d、上側板70e、および下側板70fは、−X方向から見て矩形状に配置され、内側に開口部70aを形成している。
図5に示すように、第3側板70bは、第1側板70c、第2側板70d、上側板70e(図1参照)、および下側板70f(図1参照)の−X方向の端部の間で第2側辺部材51dに平行に延びる平板状である。
第3側板70bは、−X方向から見て開口部70aの内側に延びている。
図1に示すように、上下方向における第3側板70bの複数箇所には、有底筒状の筒部70gが−X方向に突出している。図1に示す例では、筒部70gは、第3側板70bの上下方向の両端部と、上下方向の中央部と、の3箇所に設けられている。
図5に示すように、仕切体71は、外殻部材71A、磁石71C(磁性体)、熱伝導体71D、および断熱材71Bを有する。
外殻部材71Aは、仕切体71の外形を形成している。図6に示すように、外殻部材71Aは全体として矩形板状である。外殻部材71Aの外形は、内ケース70の内部に収容可能、かつ内ケース70の内面に摺動して+X方向にスライド移動可能な形状である。
外殻部材71Aは、内ケース70への収容時に、第1側板70c、第2側板70d、上側板70e、下側板70f、および第3側板70bとそれぞれ近接して対向する、第1側板71c、第2側板71d、上側板71e、下側板71f、および第3側板71bを有する。
第1側板71c、第2側板71d、上側板71e、および下側板71fの+X方向の端には、第3側板71bに平行な先端板71a(先端部)が接続している。−X方向から見た先端板71aの外形は、開口部70aを塞ぐ大きさの矩形状である。
第3側板71bにおいて各筒部70g(図1参照)に対向する部位には、それぞれ筒部70gに挿入可能な大きさのフック71hがそれぞれ突出している。
外殻部材71Aの第2側板71dの上端部および下端部には、−X方向に進むにつれて第2側板71dから第1側板71cに向かって斜めに傾斜するガイド部71gがそれぞれ形成されている。
ガイド部71gは、筐体10に設けられた後述する突起73(図7参照)が当接するとき、突起73からの押圧力から仕切体71を+X方向に押し出す分力を発生させる。このため、ガイド部71gの+X方向における位置は、横幅方向における突起73の配置位置に応じた適宜位置に設けられる。図6に示す例では、ガイド部71gは、外殻部材71Aの−Y方向の端部に設けられている。例えば、突起73がより第2側辺部材51dに近い位置に配置されている場合には、ガイド部71gは、突起73の配置位置に応じて、横幅方向において先端板71aと第3側板71bとの間に形成される。
外殻部材71Aは、例えば、樹脂製である。
図5、7に示すように、磁石71Cは、先端板71aの−X方向側の表面に近接して配置される。磁石71Cは、左冷蔵室扉11Aaの仕切体71の+X方向における先端部と、右冷蔵室扉11Abに配置された同様の仕切体71(図1参照)の−X方向の先端部との間に互いに引き合う磁場を形成する。本実施形態では、磁石71Cは、左冷蔵室扉11Aaおよび右冷蔵室扉11Abの両方に設けられている。磁石71Cは、例えば、+X方向の表面がN極、−X方向の表面がS極を有し、各先端板71aに沿って上下方向に延びる板状である。
熱伝導体71Dは、後述する断熱材71Bよりも熱伝導率が高い材料が用いられる。例えば、熱伝導体71Dは、銅、アルミニウム、鉄などの金属、またはこれらの金属を含む合金が用いられる。熱伝導体71Dの形状は、例えば、板状、シート状、箔状でもよい。
熱伝導体71Dは、第1側板71cの+Y方向の表面に接着されている。
熱伝導体71Dは、仕切体71における前面側の熱伝導性を高めることによって、仕切体71の前面における結露を抑制するために設けられている。熱伝導体71Dは、少なくとも開口部70aから+X方向に突出する仕切体71の長さを超える範囲に配置されている。結露防止特性を向上する観点では、熱伝導体71Dは、仕切体71の前面側をより広く覆う領域に配置されることがより好ましい。図5、7に示す例では、熱伝導体71Dは、先端板71aと第3側板71bとの間の第1側板71cの略全面を覆う大きさを有する。
断熱材71Bは、外殻部材71Aの内部において、磁石71Cおよび熱伝導体71Dを除く領域に配置される。外殻部材71A内に隙間なく充填することができる点では、断熱材71Bとして、発泡断熱材10cと同様の発泡断熱材が用いられてもよい。断熱性能を向上する観点では、断熱材71Bとして、例えば、真空断熱材、空隙率が高い材料を用いた断熱材などが用いられてもよい。
真空断熱材は、例えば、ガラスファイバ、ガラスウールなどの芯材を外包材で封止し内部を低圧にすることによって、高い断熱性能を有している。
空隙率が高い材料を用いた断熱材の例としては、例えば、エアロゲル、キセロゲル、およびクライオゲルの少なくとも1つを含む多孔体が挙げられる。この多孔体は90%以上の空隙率を有するので、高い断熱性能を有している。
断熱材71Bは、真空断熱材等の高断熱性の断熱材と発泡断熱材との複合体によって形成されてもよい。
仕切体71は、図5、7に示すように、最も−X方向にスライドしているとき(以下、収納状態と称する)は、第3側板71bが内ケース70の第3側板70bに係止している。収納状態では、先端板71aは第2側辺部材51dの+X方向の表面と略面一になっている。
仕切体71の収納状態は、左冷蔵室扉11Aaが、ある程度開放された状態で、各筒部70gの内部に収容された弾性体72が仕切体71を−X方向に付勢することによって実現されている。
弾性体72の構成は、内ケース70に挿入された仕切体71を−X方向に付勢できれば特に限定されない。図5、7に示す例では、弾性体72は、引っ張りコイルバネである。弾性体72は、自然長さよりも引き伸ばされた状態で、−X方向の端部が筒部70g内に形成された係止部70mに、+X方向の端部が仕切体71のフック71hに、それぞれ係止している。収納状態の仕切体71は、弾性体72の弾性復元力によって−X方向に牽引されている。
仕切体71に弾性体72からの外力に抗して+X方向に付勢する外力が作用すると、仕切体71は、+X方向にスライド移動することができる。このとき、仕切体71は開口部70aから、左冷蔵室扉11Aaの外部に突出することができる。
仕切体71の突出量は、左冷蔵室扉11Aaの閉止状態で最大である。仕切体71の突出量が最大の状態で、内ケース70の内部に収容される仕切体71の横幅方向の長さは、第2側辺部材51dからの突出量よりも長い。例えば、内ケース70内の長さは、最大突出量の1.5倍以上である。このため、仕切体71は最大限突出しても、大部分の仕切体71は、内ケース70内に収容されている。
以上、左冷蔵室扉11Aaの構成について説明した。
次に、右冷蔵室扉11Abの構造と、左冷蔵室扉11Aaおよび右冷蔵室扉11Abの各仕切体71をスライド移動させる機構と、について説明する。
図8は、図2におけるF3方向に見た平面図である。図9は、図1におけるF9−F9線に沿う断面図である。図10は、図8におけるF10−F10線に沿う断面図である。
図11は、図10におけるF11−F11線に沿う断面図である。
右冷蔵室扉11Abは、横幅方向の部材の長さと、横幅方向における構成部材の向きと、が、異なる以外は、左冷蔵室扉11Aaと同様の構成を有する。
例えば、図8、9に示すように、右冷蔵室扉11Abの内部には、左冷蔵室扉11Aaと同様、内ケース70、仕切体71、および弾性体72が設けられている。ただし、それぞれの配置は、左冷蔵室扉11Aaの場合と反対向きであり、横幅方向において左冷蔵室扉11Aaにおける配置と対称的である。
右冷蔵室扉11Abにおけるその他の構成に関しても、上述した左冷蔵室扉11Aaの説明おける左右の記載と、±X方向の記載と、をそれぞれ反対に読み換えればよい。例えば、右冷蔵室扉11Abの第1側辺部材51cは右側面を形成し、第2側辺部材51dは左側面を形成する。右冷蔵室扉11Abにおける仕切体71は、弾性体72によって+X方向に付勢されており第2側辺部材51dから−X方向にスライド移動可能である。
左冷蔵室扉11Aaおよび右冷蔵室扉11Abの閉止時には、各仕切体71は、各第2側辺部材51dよりも突出している。各先端板71aは、各磁石71Cの吸引力によって互いに当接している。このため、左冷蔵室扉11Aaおよび右冷蔵室扉11Abの間の横幅方向の隙間は、各第2側辺部材51dから突出する各仕切体71によって閉じられている。
左冷蔵室扉11Aaおよび右冷蔵室扉11Abに設けられたガスケット55は、前面部10dに密着している。
図8に示すように、前端面21a、各ガスケット55、および各第2側辺部材51dから突出した各仕切体71との間の隙間は、前端面21aに設けられたパッキン74によって塞がれている。
図9に示すように、前端面28a、各ガスケット55、および各第2側辺部材51dから突出した各仕切体71との間の隙間は、前端面28aに設けられたパッキン74によって塞がれている。
このような左冷蔵室扉11Aaおよび右冷蔵室扉11Abの閉止状態は、本実施形態では、左冷蔵室扉11Aaおよび右冷蔵室扉11Abが閉じられる際に、筐体10に設けられた各突起73が、各仕切体71を互いの対向方向にスライド移動させることによって形成される。
図3に示すように、本実施形態における突起73は、2つの突起73Aと、2つの突起73Bと、を有する。2つの突起73Aは、横幅方向に離間して上壁21上に配置され、上壁21上と固定されている。2つの突起73Bは、横幅方向に離間して前端面28a上に配置され、前端面28aに固定されている。
各突起73は、前面部10dよりも−Y方向に突出している。各突起73において、前面部10dよりも−Y方向に突出した部位の構造は、互いに同様である。各突起73Aと、各突起73Bと、において−Y方向側に突出した部位は、上下方向において互いに対向している。
図8、9に示すように、左側(−X方向側)の突起73A、73Bは、左冷蔵室扉11Aaの閉止時に、左冷蔵室扉11Aaの後面部材53の上下方向の端部に形成された開口部53Aにそれぞれ進入可能な位置に配置されている。右側(+X方向側)の突起73A、73Bは、右冷蔵室扉11Abの閉止時に、右冷蔵室扉11Abの後面部材53の上下方向の端部に形成された開口部53Aにそれぞれ進入可能な位置に配置されている。
突起73および開口部53Aの構造について、左側の突起73Aと、左冷蔵室扉11Aaの上側の開口部53Aと、の例で説明する。
図10に示すように、突起73Aは、前面部10dから−Y方向に延びており、−Y方向の先端に係止部73aを有する。係止部73aよりも+Y方向側の突起73Aは、矩形断面が奥行方向に延びる棒状である。図11に示すように、係止部73aよりも+Y方向側の突起73Aの断面形状は、上面73c、下面73b、左側面73d、および右側面73eで囲まれた矩形状である。
図10に示すように、係止部73aの上部には、上面73cよりも上側にドーム状に膨出する凸面73gが形成されている。凸面73gの−Y方向の先端は下面73bにおける−Y方向の先端から+Z方向に延びる先端面73fの上端に滑らかに接続している。
図11に示すように、奥行方向に直交する断面では、凸面73gは上に(+Z方向に)凸の円弧状に湾曲しており、左側面73dと右側面73eの+Z方向の先端に滑らかに接続している。このため、係止部73aの外形は、+Y方向から見ると略D字状である。
図8に示すように、先端面73fの横幅方向における両端部には、−Z方向に見て円弧状の角R部73hが形成されている。
図11に示すように、突起73Aが進入する開口部53Aは、+Y方向から見ると上面53a、下面53b、左側面53c、および右側面53dで囲まれた、係止部73aよりも一回り大きいD字状である。
上面53aは、+Y方向から見て凸面73gの頂部を通る凸面73gの外形と同方向に湾曲した円弧状の曲面である。上面53aの横幅方向の幅は、凸面73gよりも広い。上面53aの+Y方向から見た曲率半径は、凸面73gの曲率半径よりも少し大きい。
下面53bは、上面53aの下方において上面53aと対向する水平面である。上面53aと下面53bとの距離は、係止部73aの上下方向の高さよりも少し大きい。
左側面53cは、上面53aおよび下面53bの−X方向の端部を接続する鉛直面である。右側面53dは、上面53aおよび下面53bの+X方向の端部を接続する鉛直面である。左側面53cと右側面53dの間の距離は、係止部73aの横幅方向の幅よりも少し大きい。
係止部73aは、開口部53Aに−Y方向から挿入可能である。本実施形態では、図10に示すように、開口部53Aの+Y方向の内縁部には、円弧状に面取りされた入口ガイド部53eが全周にわたって形成されている。
開口部53Aの−Y方向の端部は、内ケース70の第2側板70dを貫通する孔部70iの内縁部に連結されている。
図7に示すように、開口部53Aと孔部70iとは、収納状態の仕切体71のガイド部71gを−Y方向に臨む位置に設けられている。このため、開口部53Aと孔部70iとの内部に進入する突起73Aは、突起73Aの先端部からガイド部71gに当接する。
図10に示すように、孔部70iの+Z方向の内縁には、−Y方向に延びており突起73Aの係止部73aに上方から係止する係止面70jが接続している。
係止面70jは、+Y方向から見た突起73Aの凸面73gの曲率半径よりも少し大きく、上面53aの曲率半径よりも少し小さい円弧が−Y方向に延びた+Z方向に凸の凹溝状である。
係止面70jにおける+Y方向の端部は、突起73Aの凸面73gの+Z方向の頂部よりも+Y方向側の湾曲形状に略沿う湾曲面であり、上面53aよりも上方に凹んでいる。
係止面70jの−Y方向の端は、筒部70gの−Y方向の壁体70kに接続している。
係止部73aが係止面70jの+Y方向の端部に係止しているとき、先端面73fと壁体70kとの間には、隙間が形成されている。このため、図10に示す係止部73aへの係止状態において、左冷蔵室扉11Aaが筐体10に向かって+Y方向に押されると、係止面70jは、先端面73fと壁体70kとの間の隙間の範囲で、係止部73aに対して+Y方向に相対移動可能である。
+Y方向から見た係止面70jの曲率半径は、+Y方向から見た凸面73gの曲率半径よりも少し大きく、上面53aの曲率半径よりも少し小さい。
係止面70jは、係止部73aとの係止状態では、左冷蔵室扉11Aaの自重で、係止部73aを押圧している。このとき、横幅方向における係止面70jの係止部73aに対する相対位置は、係止面70jの横幅方向の曲率と、突起73Aおよび開口部53Aの間の横幅方向の隙間の範囲と、によって緩やかに規制されている。このため、例えば、製作誤差などによって、開口部53Aおよび係止面70jの中心と、突起73Aの中心と、が横幅方向にある程度ずれていても、突起73Aが、開口部53Aの内部および係止面70jの下方に進入することが可能である。
次に、冷蔵庫1の動作について左冷蔵室扉11Aaおよび右冷蔵室扉11Abの開閉動作を中心として説明する。
図12は、実施形態の冷蔵庫の扉の開閉動作を示す断面図である。図12において(a)、(b)、(c)、(d)は、−Z方向から見た左冷蔵室扉11Aaおよび右冷蔵室扉11Abが開放時から閉止されるまでの過程を順次模式的に示している。ただし、図12では、見易さのため、主要な部材のみを示しており、例えば、ガスケット55、パッキン74、ヒンジ30等の図示は省略されている。
図12の(a)に示すように、左冷蔵室扉11Aaおよび右冷蔵室扉11Abの開放時には、各仕切体71は収納状態にある。左冷蔵室扉11Aaおよび右冷蔵室扉11Abは、各ヒンジ30(図示略)を中心として前面部10dに向かって回動される。左冷蔵室扉11Aaおよび右冷蔵室扉11Abの各第2側辺部材51dの回動半径の和は、各ヒンジ30の回動中心軸の軸間距離よりも小さい。このため、左冷蔵室扉11Aaおよび右冷蔵室扉11Abのすべての回動範囲において、各第2側辺部材51d同士が接触するおそれはない。
左冷蔵室扉11Aaおよび右冷蔵室扉11Abが前面部10dに近づくと、図12の(b)に示すように各開口部53Aが各突起73Aに向かって回動するので、各突起73Aは各開口部53Aの内部に進入する。このとき、各突起73Aの係止部73aは、開口部53Aの入口ガイド部53eに案内されて開口部53Aの内側に進入する。
図10に示すように、係止部73aは、開口部53Aの上面53aの下側をくぐり抜けて係止面70jの下方に進入する。
図12の(b)に示すように、各突起73Aの先端面73fは、角R部73hにおいてガイド部71gとそれぞれ当接する。
さらに、左冷蔵室扉11Aaおよび右冷蔵室扉11Abが前面部10dに向かって回動されると、各突起73Aの開口部53Aへの進入量が増大する。
各突起73Aは、角R部73hがガイド部71gと当接した状態で、ガイド部71gの−Y方向側に相対移動する。このとき、左冷蔵室扉11Aaの仕切体71は左冷蔵室扉11Aa内の弾性体72によって−X方向に牽引されている。右冷蔵室扉11Abの仕切体71は右冷蔵室扉11Ab内の弾性体72によって+X方向に牽引されている。このため、突起73Aの移動中に、各仕切体71は突起73Aから牽引方向と反対方向の外力を受ける。ガイド部71gには角R部73hが当接するので、突起73Aとガイド部71gとの間の摩擦力は低減されている。
突起73Aがガイド部71gの傾斜に沿って相対移動することにより、左冷蔵室扉11Aa内の仕切体71は+X方向に、右冷蔵室扉11Ab内の仕切体71は−X方向にスライド移動する。この結果、各仕切体71の先端板71aは、第2側辺部材51dから外部に押し出される。
このようにして、左冷蔵室扉11Aaおよび右冷蔵室扉11Abが前面部10dに近づくにつれて、各先端板71aの間の隙間が狭まる。
各係止部73aが上面53aをそれぞれ通過すると、左冷蔵室扉11Aaおよび右冷蔵室扉11Abは、係止部73aの膨出量に応じて少し押し上げられる。各係止部73aが上面53aを超えて係止面70jの下方に進入すると、係止部73aは、係止面70jの凹面内側に嵌まり込む。これにより左冷蔵室扉11Aaおよび右冷蔵室扉11Abは、それぞれの自重によって、各係止部73aに上方から係止面70jを介して係止する。左冷蔵室扉11Aaおよび右冷蔵室扉11Abは、前面部10dと略平行に配置される。係止面70jによって、左冷蔵室扉11Aaおよび右冷蔵室扉11AbのY方向への移動および横幅方向の移動が緩やかに規制される。
このような係止状態は、係止部73aと係止面70jとの互いに曲率が異なる曲面同士の緩やかな嵌合によって実現される。このため、突起73Aと開口部53Aとの配置位置にある程度の誤差があっても、ほとんど抵抗力が発生することなく、係止状態が実現される。ただし、左冷蔵室扉11Aaおよび右冷蔵室扉11Abを開いて係止状態を解除するには、係止面70jが係止部73aの頂部を乗り越える必要があるため、係止部73aの膨出量に応じたある程度の力が必要である。
図12の(c)に示すように、左冷蔵室扉11Aaおよび右冷蔵室扉11Abが前面部10dと平行になると、図示略のガスケット55が前面部10dに密着する。このとき、各仕切体71の突出量は略最大となる。しかし、本実施形態では、各先端板71aの最大突出時における各先端板71aの回動半径の和も、各ヒンジ30(図示略)の回動中心軸の軸間距離より小さい。このため、左冷蔵室扉11Aaおよび右冷蔵室扉11Abの回動中に、各先端板71a同士が接触するおそれはない。
左冷蔵室扉11Aaおよび右冷蔵室扉11Abが前面部10dと平行になると、先端板71a同士の間には、横幅方向にわずかな隙間Sが形成される。
この状態で、各弾性体72の牽引力と、突起73Aからの押圧力は、横幅方向において釣り合っている。しかし、本実施形態では、各仕切体71の先端には、磁石71Cが配置されているので、隙間Sにおいて発生した磁場によって磁石71C同士が互いに吸引し合う。
これにより、図12の(d)に示すように、各先端板71aがさらに対向方向に移動し、磁力によって密着し合う。この結果、隙間Sが閉じられる。各仕切体71の内部には、断熱材71Bが配置されているので、各第2側辺部材51dの間の隙間は、各仕切体71によって断熱的に閉止される。
このような閉止状態では、図8に示すように、前面部10d(前端面21a)と、左冷蔵室扉11Aaおよび右冷蔵室扉11Abとの間の隙間は、ガスケット55と、パッキン74とによって閉じられる。このため、左冷蔵室扉11Aaおよび右冷蔵室扉11Abによって、冷蔵室27A内の冷気が漏れない状態で、冷蔵室27Aが閉じられる。
閉止状態では、各仕切体71の+Y方向側の表面は冷蔵室27A内の冷気と直接的に接する。このため、各仕切体71は低温になりやすいので、外気と接する−Y方向側の表面において結露が生じやすい。
しかしながら、本実施形態では、仕切体71の−Y方向側には、熱伝導体71Dが配置されている。熱伝導体71Dは、より高温の外気に触れると、熱交換して温度上昇する。このため、各仕切体71において−Y方向側の表面は、外気温に近い温度に保たれる。この結果、仕切体71に結露ヒータなどを設けなくても、仕切体71の結露が防止される。
仕切体71の結露は、外部に突出する部位の−Y方向側に生じ易いので、熱伝導体71Dは、少なくとも外部に突出する部位の領域に配置されればよい。ただし、本実施形態のように、熱伝導体71Dが、内ケース70に収納された部位まで延びていると、熱伝導体71Dの熱容量を増大させることができるので、より好ましい。この場合、熱伝導体71Dの温度を外気温に近い状態に安定的に保ち易いので、結露防止性能がより安定しやすい。
熱伝導体71Dの材料としては、例えば、鉄などの磁性体も採用できる。この場合、左冷蔵室扉11Aaおよび右冷蔵室扉11Abの前面の近くに磁性体が配置されるので、前面板52がガラスなどの非磁性体であってもマグネットの吸着が可能になる利点がある。
以上、冷蔵室27Aを閉じる動作について、突起73Aと仕切体71との関係を中心として説明したが、突起73Bと仕切体71との関係も同様である。
上述の動作が順次逆転して実行すると、左冷蔵室扉11Aaおよび右冷蔵室扉11Abが開放される。
例えば、閉止状態から左冷蔵室扉11Aaおよび右冷蔵室扉11Abを前側に回動すると、各先端板71aの−Y方向の端部に各先端板71aを離間させる力が作用するとともに、回動角度に応じて各弾性体72が引き伸ばされる。これにより、磁石71C間の引力よりも、各弾性体72の牽引力が上回り、各仕切体71が内ケース70の内部に向かってスライド移動する。各仕切体71のガイド部71gは、それぞれ開口部53A内の突起73Aの先端部に押し付けられ、突起73Aの進入量に連動して、内ケース70の内部に引き込まれる。
各突起73Aが開口部53Aから抜けると、各仕切体71は収納状態になる。
本実施形態の冷蔵庫1によれば、筐体10に設けられた突起73が左冷蔵室扉11Aaおよび右冷蔵室扉11Abの各開口部53Aに進入すると、突起73に進入に連動して回動における径方向に突出する仕切体71を有する。これにより、互いに対向する各仕切体71の先端板71a(先端部)同士が互い密着することで、先端板71a間の隙間Sが閉じられる。
本実施形態の冷蔵庫1によれば、左冷蔵室扉11Aaおよび右冷蔵室扉11Abを前面部10dに向かって回動させるだけで、各仕切体71が隙間Sを閉鎖する方向にスライド移動するという簡素な構成で、扉間の隙間Sを封止することができる冷蔵庫1を提供することができる。
ユーザが左冷蔵室扉11Aaおよび右冷蔵室扉11Abを回動させる外力は、突起73の進入方向に対して傾斜するガイド部71gに突起73が当接し、ガイド部71gに沿って突起73が相対的に摺動することによって、各仕切体71を外側に押し出す力に変換される。各仕切体71を収納状態に戻す外力は、スライド方向に沿って張られた弾性体72の弾性復元力によって形成される。
本実施形態のような仕切体71を回動における半径方向にスライド移動させる機構は、例えば、回転仕切り板のように、鉛直軸回りの回動を含むより複雑な機構に比べて故障しにくい。
さらに、弾性体72の長さは、左冷蔵室扉11Aaおよび右冷蔵室扉11Abの横幅方向の幅の範囲で自由に選べる。弾性体72の個数は、左冷蔵室扉11Aaおよび右冷蔵室扉11Abの上下方向のスペースの範囲で自由に選べる。このため、スライド移動時の弾性体72の負荷を低減できる。
例えば、回転仕切り板に回動力を付与するために使用されるねじりコイルバネのように配置位置が限定されたり、負荷が集中したりすることがないので、回転仕切り板に用いるねじりコイルバネに比べて、弾性体72の長寿命化が可能である。
本実施形態によれば、各仕切体71は、内部に断熱材71Bが配置されているので、断熱性に優れる。各仕切体71は、左冷蔵室扉11Aaおよび右冷蔵室扉11Abの厚さの範囲であれば、冷蔵室27Aの内容積を狭めることなく適宜の厚さに形成できる。このため、閉止時における左冷蔵室扉11Aaおよび右冷蔵室扉11Abの先端部の間の断熱性能を向上することができる。
各仕切体71の大部分は、発泡断熱材76で周囲を囲まれた内ケース70の内部に収容されている。内ケース70の内面と、仕切体71の外面との間にわずかに隙間が形成されても、隙間を通した冷気に流通路は、仕切体71の大きさに応じて屈曲しているので、隙間を冷気の漏れが抑制される。
同様に、外気も内ケース70の内面と、仕切体71の外面との間の隙間を通して、冷蔵室27A内に流入しにくい。
本実施形態によれば、仕切体71の前面側に熱伝導体71Dが配置されているので、仕切体71の前面側の温度が外気の温度に近づく。このため、結露防止ヒータを有さなくても、仕切体71の前面側の結露を抑制できる。左冷蔵室扉11Aaおよび右冷蔵室扉11Abに結露防止ヒータを設けなくてよいので、部品コストが削減される。さらに、左冷蔵室扉11Aaおよび右冷蔵室扉11Ab内の電気配線を省略または低減できるので、左冷蔵室扉11Aaおよび右冷蔵室扉11Abの内部構造を簡素化できる。
本実施形態によれば、開口部53Aが、左冷蔵室扉11Aaおよび右冷蔵室扉11Abにおけるガスケット55の外側の後面部材53に形成されている。このため、ガスケット55およびパッキン74で囲まれる開口Oから左冷蔵室扉11Aaおよび右冷蔵室扉11Abの内部に連通する開口部53Aに冷気が漏れるおそれがない。
次に、実施形態の冷蔵庫に適用可能ないくつかの変形例について説明する。
実施形態の第1変形例の冷蔵庫について説明する。
図13は、実施形態の第1変形例の冷蔵庫における仕切体を示す断面図である。
図13に示す第1変形例の仕切体171は、上記実施形態の冷蔵庫1において仕切体71に代えて用いることができる。仕切体171は、左冷蔵室扉11Aaおよび右冷蔵室扉11Abの少なくとも一方の仕切体71に代えることができる。
以下、実施形態における仕切体71と異なる点を中心に説明する。
仕切体171は、仕切体本体171bと、パッキン171aと、を有する。
仕切体本体171bは、横幅方向の幅が仕切体71よりわずかに小さい以外は、仕切体71と同様に構成される。
パッキン171aは、仕切体本体171bの先端板71aにおいて上下方向の全長にわたって設けられている。
パッキン171aは、横幅方向に圧縮可能である。未圧縮状態におけるパッキン171aの横幅方向における厚さは、第3側板71bからパッキン171aの横幅方向の先端までの距離が仕切体71の幅と等しくなる大きさである。ただし、パッキン171aの横幅方向における厚さは、仕切体171の第2側辺部材51dからの最大の突出量未満である。
パッキン171aの先端板71aへの固定方法は特に限定されない。例えば、パッキン171aは、先端板71aに接着されてもよい。
各仕切体71をそれぞれ仕切体171に代えた変形例の冷蔵庫1によれば、左冷蔵室扉11Aaと右冷蔵室扉11Abとの閉止時に、左冷蔵室扉11Aaと右冷蔵室扉11Abとの各先端部の間の隙間に、各仕切体171の先端部が突出することによって、隙間が閉じられる。その際、各仕切体171は、それぞれのパッキン171aを介して互いに当接する。各パッキン171aは、磁石71Cに挟まれ、磁石71C間の引力に応じて圧縮される。
左冷蔵室扉11Aaおよび右冷蔵室扉11Abの一方に仕切体71を、他方に仕切体171を有する変形例の冷蔵庫1によれば、左冷蔵室扉11Aaと右冷蔵室扉11Abとの閉止時に、左冷蔵室扉11Aaと右冷蔵室扉11Abとの各先端部の間の隙間に、仕切体71、171の先端部が突出することによって、隙間が閉じられる。その際、仕切体171のパッキン171aは、仕切体71の先端板71aに当接する。パッキン171aは、磁石71Cに挟まれ、磁石71C間の引力に応じて圧縮される。
第1変形例の冷蔵庫1によれば、先端部にパッキン171aが設けられた仕切体171を有するので、閉止時に互いに対向する仕切体171同士、または仕切体71、171の各先端部の密着性が向上する。この結果、冷蔵室27Aの冷気の漏れをさらに抑制できる。
実施形態の第2変形例の冷蔵庫について説明する。
図14は、実施形態の第2変形例の冷蔵庫における仕切体を示す断面図である。
図14に示す第2変形例の仕切体271は、上記実施形態の冷蔵庫1において仕切体71に代えて用いることができる。仕切体271は、左冷蔵室扉11Aaおよび右冷蔵室扉11Abの各仕切体71に代えることができる。
以下、実施形態における仕切体71と異なる点を中心に説明する。
仕切体271は、仕切体71の外殻部材71A、熱伝導体71Dに代えて、外殻部材271A、熱伝導体271Dを有する。
外殻部材271Aは、フック71hおよび熱伝導体71Dを含まず、奥行方向の幅が外殻部材71Aよりもわずかに狭い以外は、外殻部材71Aと同様に構成される。外殻部材271Aの内部には、仕切体71と同様、磁石71Cと断熱材71Bとが配置される。
熱伝導体271Dは、熱伝導体71Dと同様な材料で形成され、外殻部材271Aにおける第1側板71cの前側に固定されている。
熱伝導体271Dにおいて、第3側板71b側の端部には、実施形態の各フック71hと同様の位置に、フック271hが設けられている。フック271hは、例えば、熱伝導体171Dが金属板からなる場合、金属板の曲げによって形成されてもよい。
熱伝導体271Dの第1側板71cへの固定方法は特に限定されない。例えば、熱伝導体271Dは、第1側板70cに接着されてもよい。
熱伝導体271Dの厚さは、仕切体271の奥行方向の幅が、外殻部材271Aと合わせて実施形態の仕切体71と同じ幅になる大きさである。
熱伝導体271Dは金属シートで形成されてもよい。この場合、フック271hに代えて、外殻部材271Aの第3側板70bに実施形態と同様のフック71hを設けてもよい。
本変形例の冷蔵庫1によれば、各仕切体271の先端部によって、実施形態と同様な閉止状態が形成される。
本変形例では、左冷蔵室扉11Aaおよび右冷蔵室扉11Abの閉止時に、熱伝導体271Dが仕切体271の前側の表面に位置する点が、実施形態と異なる。
本変形例では、冷蔵庫1の外気が熱伝導体271Dに直接接触するので、実施形態よりも迅速に、熱伝導体271Dの温度が外気の温度に近づく。これにより、仕切体271における結露防止性能がさらに向上する。
実施形態の第3変形例の冷蔵庫について説明する。
図15は、実施形態の第3変形例の冷蔵庫における扉を示す背面図である。
図15に示す第3変形例の左冷蔵室扉311Aaは、上記実施形態の冷蔵庫1において左冷蔵室扉11Aaに代えて用いることができる。図示は省略するが、右冷蔵室扉11Abに代えて、左冷蔵室扉311Aaと同様な右冷蔵室扉が用いられてもよい。
以下、実施形態における左冷蔵室扉11Aaと異なる点を中心に説明する。
本変形例の左冷蔵室扉311Aaでは、開口部53Aがガスケット55の配置位置に重なるように設けられている。本変形例のガスケット55には、開口部53Aと重なる部位に、−Y方向から見て開口部53Aよりも一回り大きい開口部55cが貫通している。
このような開口部53Aの配置に応じて、筐体10に設けられた突起73の位置も、閉止時に各開口部53Aに対向する位置に移動される。このため、実施形態において、上壁21上に固定された突起73Aは、突起73Bと同様、前端面21aから−Y方向に突出するように設けられる。
本変形例の冷蔵庫1によれば、突起73が、ガスケット55で周囲を囲まれた開口部53A内に進入する。このため、開口部53Aの周囲は、閉止時にガスケット55によって封止される。この結果、閉止時に開口部53Aが冷蔵庫1の外部と連通することが防止されるので、開口部53Aを通して外気が左冷蔵室扉311Aa内に入り込むことを防止できる。
以上、実施形態における左冷蔵室扉11Aaを左冷蔵室扉311Aaに代える例で説明したが、同様にして、実施形態における右冷蔵室扉11Abを、左冷蔵室扉311Aaと同様に開口部53Aを移動した右冷蔵室扉に代えてもよい。
上記実施形態および各変形例では、観音開き式の一対の扉が冷蔵室27Aを閉止する扉であるとして説明したが、観音開き式の扉は冷蔵室27Aの扉には限定されず、複数の扉11のいずれが観音開き式であってもよい。
上記実施形態および各変形例では、互いに対向する仕切体の両方に磁石71Cが配置された例で説明したが、互いに対向する仕切体の間に弾性体72に抗する引力が発生すれば、磁石71Cの一方は、磁石71Cに吸着する鉄板などの磁性体でもよい。
上記実施形態および各変形例では、互いに対向する仕切体の上下方向の全長にわたって磁石71Cが配置された例で説明したが、互いに対向する仕切体の間に弾性体72に抗する引力が発生すれば、磁石71Cは、上下方向において隙間をあけて配置されてもよい。
上記実施形態では、互いに対向する仕切体の先端部が、横幅方向に直交する平面で形成された例で説明したが、仕切体の先端部の形状は、扉の回動時に互いに干渉することなく、閉止時に対向方向において密着できる形状であればこれには限定されない。
例えば、仕切体の先端部は、水平断面において対向方向に凸の半円状の凸部で形成されてもよい。この場合、凸部の少なくとも一方は、弾性変形可能であることがより好ましい。
上記実施形態および各変形例では、互いに対向する仕切体の両方に磁石71Cが配置された例で説明したが、互いに対向する仕切体の先端部が弾性変形可能であれば、磁石等の磁性体を有しない構成も可能である。この場合、閉止時において、仕切体の先端部が互いに当接する位置まで仕切体が突出するように構成する。
上記実施形態および各変形例では、弾性体72が引っ張りコイルバネである例で説明したが、仕切体を扉の内部に向かって付勢できれば、弾性体72は引っ張りコイルバネには限定されない。例えば、弾性体72に代えて、仕切体を扉の内部に向かって押し付ける圧縮コイルバネが用いられてもよい。
上記実施形態および各変形例では、パッキン74が前面部10dに固定された例で説明したが、仕切体と前面部10dとの間の隙間を封止するパッキンは、仕切体の先端部の後側(+Y方向側)に設けられてもよい。この場合、パッキンは、例えば、仕切体の先端部の+Y方向に膨出可能な弾性体が用いられる。内ケース70の開口部70aの+Y方向の内面には、仕切体が引き込まれるとパッキンを圧縮するパッキン収容スペースが設けられる。
上記第3変形例では、突起73が、ガスケット55を貫通する位置に配置された例で説明したが、突起73および開口部53Aは、ガスケット55よりも内側に設けられてもよい。この場合、閉止時に突起73および開口部53Aがガスケット55およびパッキン74の内側に囲まれるため、突起73および開口部53Aが冷蔵庫の外部に露出しない。
以上、説明した少なくとも一つの実施形態によれば、冷蔵庫が、前側に開口が形成された少なくとも1つの貯蔵室を含む冷蔵庫本体と、冷蔵庫本体の横幅方向の両端部に設けられた回動支持部において回動可能に支持され、開口を開閉可能に覆う一対の扉と、冷蔵庫本体において横幅方向に延びており開口を囲む前面部よりも前方に突出しており、一対の扉が開口を閉止するとき、一対の扉の後側から一対の扉の内部にそれぞれ進入する突起と、一対の扉の回動における各径方向にスライド可能に挿入されており、突起の進入時に突起の進入と連動して一対の扉の閉止時の対向方向における一対の扉の各先端部からそれぞれ突出し、対向方向における各先端部の間の隙間を閉じる仕切体と、を備えるので、簡素な構成により扉間の隙間を封止することができる観音開き式の扉を有する冷蔵庫を提供することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…冷蔵庫、5…冷蔵庫本体、10…筐体、10d…前面部、11Aa,311Aa…左冷蔵室扉(扉)、11Ab…右冷蔵室扉(扉)、21a…前端面、27…複数の貯蔵室、27A…冷蔵室、28…第1仕切部、28a…前端面、30…ヒンジ(回動支持部)、51d…第2側辺部材(先端部)、53…後面部材、53A…開口部、55…ガスケット、70…内ケース、70a…開口部、71,171,271…仕切体、71a…先端板(先端部)、71A,271A…外殻部材、71B…断熱材、71C…磁石(磁性体)、71D,171D、271D…熱伝導体、71g…ガイド部、72…弾性体(付勢部材)、73,73A,73B…突起、73a…係止部、76…発泡断熱材、171a…パッキン、O…開口、S…隙間

Claims (7)

  1. 前側に開口が形成された少なくとも1つの貯蔵室を含む冷蔵庫本体と、
    前記冷蔵庫本体の横幅方向の両端部に設けられた回動支持部において回動可能に支持され、前記開口を開閉可能に覆う一対の扉と、
    前記冷蔵庫本体において前記横幅方向に延びており前記開口を囲む前面部よりも前方に突出しており、前記一対の扉が前記開口を閉止するとき、前記一対の扉の後側から前記一対の扉の内部にそれぞれ進入する突起と、
    前記一対の扉の回動における各径方向にスライド可能に挿入されており、前記突起の進入時に前記突起の進入と連動して前記一対の扉の閉止時の対向方向における前記一対の扉の各先端部からそれぞれ突出し、前記対向方向における前記各先端部の間の隙間を閉じる仕切体と、
    を備える、
    冷蔵庫。
  2. 前記仕切体は、前記径方向に延びる板状であり、前記一対の扉の閉止時において、前記先端部よりも内側の前記径方向の長さが、前記先端部からの突出量より長い、
    請求項1に記載の冷蔵庫。
  3. 前記仕切体は、断熱材を含む、
    請求項1または2に記載の冷蔵庫。
  4. 前記仕切体は、前記一対の扉の閉止時における前面側であって少なくとも前記先端部から突出する部位に、後面側よりも熱伝導率が高い熱伝導体を有する、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
  5. 前記仕切体を前記径方向において前記一対の扉の内部に向かってそれぞれ付勢する付勢部材をさらに備え、
    前記仕切体は、前記突起の進入時に前記突起と当接し、前記突起の進入方向に進むにつれて、前記径方向において前記先端部から前記回動支持部に向かう方向に傾斜するガイド部を有する、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
  6. 前記一対の扉の閉止時において互いに対向する前記仕切体は、前記対向方向の各端部に互いに引き合う磁場が形成される磁性体をそれぞれ備え、
    前記一対の扉の閉止時において、前記仕切体同士は前記磁性体間に作用する吸引力によって互いに密着しており、前記仕切体の少なくとも一方における前記突起と前記ガイド部とは互いに離間している、
    請求項5に記載の冷蔵庫。
  7. 前記一対の扉の後側には、外形に沿って配置され、閉止時に前記冷蔵庫本体の前記前面部と当接するガスケットと、前記突起が進入する開口部と、が設けられており、
    前記開口部は、前記ガスケットよりも外側に設けられている、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
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