JP2021161901A - Egrシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンの運転状態が低回転高負荷となるときにも必要に応じて最適なEGRを実行すること。【解決手段】EGRシステムは、エンジン1から排気通路3へ排出される排気の一部をEGRガスとして吸気通路2へ流してエンジン1へ還流させるためのEGR通路22と、EGR通路22におけるEGRガスの流量を調節するためのEGR弁24と、EGR弁24より上流であってEGR通路22が排気通路3に通じる箇所の近傍にてEGR通路22を開閉するための遮断弁26と、エンジン1の運転状態を検出する運転状態検出手段71〜74と、検出される運転状態に応じてEGR弁24及び遮断弁26を制御する電子制御装置(ECU)80とを備える。ECU80は、検出される運転状態が、EGR開始温度以上であって低回転高負荷となるときは、EGRカット要求に従って遮断弁26を制御する。【選択図】 図1

Description

この明細書に開示される技術は、エンジンから排気通路へ排出される排気の一部をEGRガスとしてEGR通路を介して吸気通路へ流してエンジンへ還流すると共に、EGR通路に設けられたEGR弁と遮断弁を制御するように構成したEGRシステムに関する。
従来、この種の技術として、例えば、下記の特許文献1に記載される技術(「内燃機関の制御装置」)が知られている。この技術は、内燃機関(エンジン)から排気通路へ排出された排気の一部をEGRガスとして吸気通路へ流すEGR通路と、EGR通路の途中に設けられ、EGR通路を流れるEGRガスの流量を調節するEGR弁とを備える。ところで、EGR通路には排気通路での排気の脈動が伝播するが、この排気脈動が伝播する範囲の容積(EGR通路の容積を含む)が大きいほど、排気脈動の振幅が小さくなり、エンジン気筒内に残留する既燃ガス量が多くなり、EGRガス流量の制御が難しくなる。
そこで、上記技術は、排気脈動が伝播する範囲をより狭くしつつ適性量のEGRガスを供給できるようにすることを目的とし、EGR弁より上流側であってEGR通路が排気通路に接続される箇所の近傍にてEGR通路を開閉するノーマルオープン型の開閉装置(遮断弁)と、その遮断弁の開度を変更する変更手段(電子制御装置:ECU)とを更に備えている。ECUは、エンジンの運転状態が低回転高負荷となるときに遮断弁を閉弁し、その他の運転状態では遮断弁を開弁するように遮断弁を制御するようになっている。
特許第5018974号公報
ところが、特許文献1に記載の技術では、エンジンの運転状態が低回転高負荷となるときに遮断弁を閉弁する制御をしていたので、その閉弁の間はEGRを実行することができず、その分だけEGRを実行できるエンジンの運転状態(運転領域)が制限されることになった。このため、エンジンの運転状態に応じた最適なEGRを実行することができず、EGRによってエンジンの出力を必要十分に向上させることができなかった。
この開示技術は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、エンジンの運転状態が低回転高負荷となるときにも必要に応じて最適なEGRを実行することを可能としたEGRシステムを提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の技術は、エンジンから排気通路へ排出される排気の一部をEGRガスとして吸気通路へ流してエンジンへ還流させるためのEGR通路と、EGR通路に設けられ、EGR通路におけるEGRガスの流量を調節するためのEGR弁と、EGR弁より上流であってEGR通路が排気通路に通じる箇所の近傍にてEGR通路を開閉するための遮断弁と、遮断弁は、流路と、流路を開閉する弁体とを含むことと、エンジンの運転状態を検出するための運転状態検出手段と、検出される運転状態に応じてEGR弁及び遮断弁を制御するための制御手段とを備えたEGRシステムにおいて、制御手段は、検出される運転状態が、EGR開始温度以上であって低回転高負荷となるときは、EGRカット要求に従って遮断弁を制御することを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、エンジンの運転時において、遮断弁を開弁すると共にEGR弁を開弁することにより、エンジンから排気通路へ排出される排気の一部がEGRガスとしてEGR通路を介し吸気通路へ流れ、エンジンへ還流される。ここで、運転状態検出手段により検出される運転状態が、EGR開始温度以上であって低回転高負荷となるときは、制御手段がEGRカット要求に従って遮断弁を制御する。すなわち、運転状態がEGR開始温度以上であって低回転高負荷となるときに、EGRカット要求が無い場合は、制御手段が遮断弁を開弁制御する。従って、併せてEGR弁が開弁されることにより、EGRガスがEGR通路を介して吸気通路へ流れ、エンジンへ還流される。一方、運転状態がEGR開始温度以上であって低回転高負荷となるときに、EGRカット要求が有る場合は、制御手段が遮断弁を閉弁制御する。従って、排気通路からEGR通路へのEGRガスの流れが遮断され、エンジンへのEGRガスの還流がカットされる。このとき、エンジンの排気系の容積は主として排気通路の容積のみとなり、エンジンの排気脈動の低下が抑えられる。
上記目的を達成するために、請求項2に記載の技術は、請求項1に記載の技術において、制御手段は、検出される運転状態が、EGR開始温度以上であって低回転高負荷となるとき以外では、EGRカット要求によらず遮断弁を強制的に開弁することを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項1に記載の技術の作用に加え、検出される運転状態が、EGR開始温度以上であって低回転高負荷となるとき以外では、制御手段がEGRカット要求によらず遮断弁を強制的に開弁する。従って、エンジンから排気通路へ高圧の排気ガスが流れても、その排気ガスの一部が遮断弁を通過してEGR通路の下流側へ流れるので、遮断弁への応力負荷が低減される。
上記目的を達成するために、請求項3に記載の技術は、請求項1又は2に記載の技術において、制御手段は、検出される運転状態が、EGR開始温度未満であって高回転高負荷となるときは、遮断弁を強制的に開弁することを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項1又は2に記載の技術の作用に加え、検出される運転状態が、EGR開始温度未満であって高回転高負荷となるときは、制御手段が遮断弁を強制的に開弁する。従って、エンジンから排気通路へより高圧の排気ガスが流れても、その排気ガスの一部が遮断弁を通過してEGR通路の下流側へ流れるので、遮断弁への応力負荷が低減される。
上記目的を達成するために、請求項4に記載の技術は、請求項3に記載の技術において、制御手段は、検出される運転状態が、EGR開始温度未満であって高回転高負荷となるとき以外では、遮断弁を閉弁することを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項3に記載の技術の作用に加え、検出される運転状態が、EGR開始温度未満であって高回転高負荷となるとき以外では、制御手段が遮断弁を閉弁する。従って、排気通路に排気脈動が作用しても、遮断弁が閉弁されるので、EGR通路へのEGRガスの流れが遮断される。
上記目的を達成するために、請求項5に記載の技術は、請求項1乃至4のいずれかに記載の技術において、遮断弁は、閉弁時に弁体の上流側と下流側とを連通させる空間を有することを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項請求項1乃至4のいずれかに記載の技術の作用に加え、遮断弁の閉弁時には、弁体の上流側と下流側とが空間により連通するので、弁体の上流側にかかる圧力と下流側にかかる圧力との差(前後差圧)が、空間により低減される。
上記目的を達成するために、請求項6に記載の技術は、請求項5に記載の技術において、空間は、弁体の少なくとも一か所に設けられ、弁体の上流側から下流側へ貫通する貫通孔であることを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項5に記載の技術の作用に加え、遮断弁の閉弁時には、弁体の前後差圧が、弁体の貫通孔により低減される。
上記目的を達成するために、請求項7に記載の技術は、請求項5に記載の技術において、空間は、弁体の外縁と流路の内壁との間の少なくとも一部に設けられた隙間であることを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項5に記載の技術の作用に加え、遮断弁の閉弁時には、弁体の前後差圧が、弁体と流路の内壁との間の隙間により低減される。
上記目的を達成するために、請求項8に記載の技術は、請求項1乃至7のいずれかに記載の技術において、遮断弁は、弁体が回転軸を中心に回動するバタフライ弁であることを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項1乃至7のいずれかに記載の技術の作用に加え、遮断弁としてのバタフライ弁を閉弁状態から開弁させるとき、その弁体の上流側にかかる圧力と下流側にかかる圧力が、それぞれ弁体を回転軸を中心に回動させる方向に作用する。
上記目的を達成するために、請求項9に記載の技術は、請求項1乃至7のいずれかに記載の技術において、遮断弁は、弁体が回転軸を中心に揺動するスイングアーム弁であることを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項1乃至7のいずれかに記載の技術の作用に加え、遮断弁としてのスイングアーム弁を閉弁状態から開弁させるとき、その弁体の上流側又は下流側にかかる圧力が弁体を回転軸を中心に揺動させる方向に作用する。
上記目的を達成するために、請求項10に記載の技術は、請求項1乃至9のいずれかに記載の技術において、前記遮断弁は、前記弁体を駆動するための駆動部を更に備え、前記駆動部は、作動圧力の供給を受けて動作するダイアフラムアクチュエータであることを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項1乃至9のいずれかに記載の技術の作用に加え、遮断弁の弁体を駆動する駆動部が、作動圧力の供給を受けて動作するダイアフラムアクチュエータであることから、高温のEGRガスが流れるEGR通路の近傍に配置されても、電動式のアクチュエータに比べて耐高熱性が得られ、小型化が可能となる。
請求項1に記載の技術によれば、エンジンの運転状態が低回転高負荷となるときにも必要に応じて最適なEGRを実行することができる。この結果、エンジンの出力を向上させることができる。
請求項2に記載の技術によれば、請求項1に記載の技術の効果に加え、遮断弁を構成する弁体や回転軸等の部品の剛性を必要以上に高める必要がなく、遮断弁のための駆動源の駆動トルクを低減することができる。
請求項3に記載の技術によれば、請求項1又は2に記載の技術の効果に加え、エンジン1の排気脈動の低下が抑えられ、エンジン1の出力を向上させることができる。
請求項4記載の技術によれば、請求項3に記載の技術の効果に加え、低温下でも遮断弁より下流のEGR通路での凝縮水の発生を抑制することができる。
請求項5に記載の技術によれば、請求項1乃至4のいずれかに記載の技術の効果に加え、弁体及び回転軸に作用する応力負荷を低減することができ、遮断弁のための駆動源の駆動トルクを低減することができる。
請求項6に記載の技術によれば、請求項5に記載の技術の効果と同等の効果を得ることができる。
請求項7に記載の技術によれば、請求項5に記載の技術の効果と同等の効果を得ることができる。
請求項8に記載の技術によれば、請求項1乃至7のいずれかに記載の技術の効果に加え、遮断弁における弁体の前後差圧の影響を低減することができ、遮断弁のための駆動源の駆動トルクを低減することができる。
請求項9に記載の技術によれば、請求項1乃至7のいずれかに記載の技術の効果に加え、遮断弁における弁体の前後差圧の影響を低減することができ、遮断弁のための駆動源の駆動トルクを低減することができる。
請求項10に記載の技術によれば、請求項1乃至9のいずれかに記載の技術の効果に加え、車両における遮断弁のための搭載スペースの縮小を図ることができる。
第1実施形態に係り、エンジンシステムを示す概略構成図。 第1実施形態に係り、エンジン回転数とエンジントルクとの関係を示すグラフ。 第1実施形態に係り、遮断弁の機械的構成を示す概略図。 第1実施形態に係り、流路における回転軸と弁体を示す断面図。 第1実施形態に係り、遮断弁制御の内容を示すフローチャート。 第1実施形態に係り、エンジン回転数と吸気圧力から規定されるエンジンの運転領域のイメージを示すマップ。 第1実施形態に係り、エンジン回転数と吸気圧力から規定されるエンジンの運転領域のイメージを示すマップ。 第2実施形態に係り、遮断弁(閉弁状態)の構成を示す概略図。 第2実施形態に係り、遮断弁(開弁状態)の構成を示す概略図。 第2実施形態に係り、エンジン回転数と吸気圧力の変化に対する遮断弁の前後差圧のイメージを示すマップ。 第3実施形態に係り、遮断弁(開弁状態)の構成を示す概略図。 第3実施形態に係り、遮断弁(閉弁状態)の構成を示す概略図。 別の実施形態に係り、EGRクーラの内部構造を示す断面図。 別の実施形態に係り、流路における回転軸と弁体を示す断面図。
以下、EGRシステムを、過給機と高圧ループ(HPL)式のEGR装置を備えたガソリンエンジンシステムに具体化したいくつかの実施形態について説明する。
<第1実施形態>
先ず、第1実施形態について図面を参照して説明する。
[ガソリンエンジンシステムについて]
図1に、この実施形態に係り、ガソリンエンジンシステム(以下、単に「エンジンシステム」という)を概略構成図により示す。自動車に搭載されたエンジンシステムは、レシプロタイプのエンジン1を備える。エンジン1には、その各気筒へ吸気を導入するための吸気通路2と、各気筒から排気を導出するための排気通路3が設けられる。吸気通路2と排気通路3には、過給機5が設けられる。吸気通路2には、エアクリーナ4、過給機5のコンプレッサ5a、インタークーラ6、スロットル装置7及び吸気マニホールド8が設けられる。スロットル装置7は、バタフライ式のスロットル弁7aが開閉されることにより、吸気通路2を流れる吸気量を調節するようになっている。吸気マニホールド8は、サージタンク8aと、サージタンク8aからエンジン1の各気筒へ分岐する複数の分岐通路8bとを含む。排気通路3には、排気マニホールド9、過給機5のタービン5b、排気を浄化するための触媒10が設けられる。エンジン1は周知の構成を備え、燃料と吸気との混合気を燃焼し、燃焼後の排気を排気通路3へ排出するようになっている。過給機5は、タービン5bが排気の流れにより回転動作し、それに連動してコンプレッサ5aが回転することにより、吸気通路2の吸気を昇圧させるようになっている。
[EGR装置について]
このエンジンシステムは、HPL式のEGR装置21を備える。このEGR装置21は、エンジン1から排気通路3へ排出される排気の一部を排気還流ガス(EGRガス)として吸気通路2へ流して各気筒へ還流させるための排気還流通路(EGR通路)22と、EGR通路22に設けられ、EGRガスを冷却するための排気還流クーラ(EGRクーラ)23と、EGRクーラ23より下流のEGR通路22に設けられ、EGRガスの流量を調節するためのEGR弁24と、EGR弁24及びEGRクーラ23より上流であってEGR通路22が排気通路3に通じる箇所の近傍にてEGR通路22を開閉するための遮断弁26とを含む。EGR通路22は、入口22aと複数の出口22bを含む。EGR通路22の下流側には、複数の出口22bを有するEGR分配管25が設けられる。EGR分配管25は、吸気マニホールド8の分岐通路8bに設けられる。この実施形態で、EGR通路22の入口22aは、排気マニホールド9とタービン5bとの間の排気通路3に接続される。また、EGRガスを各気筒へ均等に導入するために、EGR分配管25の複数の出口22bは、それぞれ各分岐通路8bに連通する。この実施形態で、EGR弁24は、開度可変なポペット弁式の電動弁(ステップモータ式、或いはDCモータ式)により構成される。
[遮断弁の機能について]
ここで、過給機5とHPL式のEGR装置21を備えたエンジンシステムにおける遮断弁26の機能について説明する。図2に、エンジン回転数NEとエンジントルクとの関係をグラフにより示す。図2において、実線は遮断弁26が閉弁した場合を示し、破線は遮断弁26が開弁した場合の閉弁した場合との違いを示す。図2に示すように、遮断弁26が開弁した場合(破線)は、閉弁した場合(実線)と比べ、低回転域でのエンジントルクの立ち上がりがやや緩やかになることがわかる。これは、遮断弁26が開弁すると、タービン5bより上流の排気系の容積がEGR通路22の分だけ増加し、それによって排気通路3における排気脈動の振幅が減少し、タービン5bの効率が低下することでエンジントルクとその応答性が低下することによると考えられる。
上記した遮断弁26の機能を前提とし、高回転高過給域にてEGRを実行するには、遮断弁26の構成として、弁前後差圧が高くても開閉可能なアクチュエータ、すなわち高駆動トルクのアクチュエータが必要になる。ここで、弁前後差圧が高くても駆動トルクを低減できる遮断弁26の構成として、例えば、バタフライ弁を使用することが考えられる。ただし、遮断弁26にバタフライ弁を使用しても、高い弁前後差圧がかかると、その回転軸と弁体との締結部に大きな負荷がかかる。そのため、バタフライ弁の剛性を高めるために、回転軸の外径、締結ネジの外径、弁体の板厚等を大きくすることが必要になる。
[遮断弁について]
そこで、この実施形態では、遮断弁26に関する上記課題に対処するために、遮断弁26につき、次のような機械的構成を備えている。すなわち、その一つは、図1に示すように、EGR通路22において、EGRクーラ23の前(上流側)に遮断弁26が配置され、EGRクーラ23の後(下流側)にポペット式のEGR弁24が配置される。
ここで、図3に、この実施形態の遮断弁26の機械的構成を概略図により示す。図3に示すように、遮断弁26は、流路31と、流路31を開閉する弁体32とを含み、弁体32は回転軸33を中心に回動するバタフライ弁より構成される。遮断弁26は、弁体32を駆動するための駆動部34と、駆動部34に作動圧力として負圧と大気圧を選択的に供給するための電動式の三方弁35とを更に備える。
この実施形態で、駆動部34は、作動圧力の供給を受けて動作する周知のダイアフラムアクチュエータ36により構成される。ダイアフラムアクチュエータ36は、大気圧が供給されるときにスプリング36aの力によりロッド36bを伸長させる。このとき、リンク36cを介して回転軸33が正転することで、図2に実線で示すように弁体32が閉弁し、流路31が閉じるようになっている。また、ダイアフラムアクチュエータ36は、負圧の供給を受けてスプリング36aの力に抗してロッド36bを収縮させる。このとき、リンク36cを介して回転軸33が逆転することで、図3に2点鎖線で示すように弁体32が開弁し、流路31が開くようになっている。
図4に、流路31における回転軸33と弁体32を断面図により示す。図4に示すように、弁体32は、閉弁時に弁体32の上流側と下流側とを連通させる空間38を有する。この実施形態で、空間38は、弁体32の一か所に設けられ、弁体32の上流側から下流側へ貫通する貫通孔39により構成される。
[エンジンシステムの電気的構成について]
次に、エンジンシステムの電気的構成の一例について説明する。図1に示すように、このエンジンシステムには、各種センサ等71〜78が設けられる。エンジン1に設けられた水温センサ71は、エンジン1の内部を流れる冷却水の温度(冷却水温度)THWを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。エンジン1に設けられた回転数センサ72は、クランクシャフトの回転数(エンジン回転数)NEを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。エアクリーナ4に設けられたエアフローメータ73は、エアクリーナ4を流れる吸気量Gaを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。サージタンク8aに設けられた吸気圧センサ74は、スロットル装置7より下流の吸気通路2(サージタンク8a)における吸気圧力PMを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。スロットル装置7に設けられたスロットルセンサ75は、スロットル弁7aの開度(スロットル開度)TAを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。タービン5bと触媒10との間の排気通路3に設けられた酸素センサ76は、排気中の酸素濃度Oxを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。エアクリーナ4の入口に設けられた吸気温センサ77は、エアクリーナ4に吸入される外気の温度(吸気温度)THAを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。また、この実施形態の自動車には、その車速SPDを検出するための車速センサ78が設けられる。車速センサ78は、車速SPDの検出値に応じた電気信号を出力する。水温センサ71、回転数センサ72及び吸気圧センサ74は、この開示技術における運転状態検出手段の一例に相当する。
このエンジンシステムは、同システムの制御を司る電子制御装置(ECU)80を更に備える。ECU80には、各種センサ等71〜78がそれぞれ接続される。また、ECU80には、EGR弁24及び遮断弁26の三方弁35の他、インジェクタ(図示略)及びイグニションコイル(図示略)が接続される。ECU80は、この開示技術における制御手段の一例に相当する。周知のようにECU80は、中央処理装置(CPU)、各種メモリ、外部入力回路及び外部出力回路等を備える。メモリには、各種制御に関する所定の制御プログラムが格納される。CPUは、入力回路を介して入力される各種センサ等71〜78の検出信号に基づき、所定の制御プログラムに基づいて燃料噴射制御、点火時期制御、EGR制御及び遮断弁制御等を実行するようになっている。
この実施形態で、ECU80は、EGR制御において、エンジン1の運転状態に応じてEGR弁24を制御するようになっている。具体的には、ECU80は、エンジン1の停止時、アイドル運転時及び減速運転時には、EGR弁24を全閉に制御し、それ以外の運転時には、その運転状態に応じて目標EGR開度を求め、EGR弁24をその目標EGR開度に制御するようになっている。また、ECU80は、このEGR制御に関連して遮断弁26を開閉する遮断弁制御を実行するようになっている。そして、EGR弁24と共に遮断弁26が開弁されることにより、エンジン1から排気通路3へ排出され、タービン5bに流入する前の排気の一部が、EGRガスとしてEGR通路22、遮断弁26、EGRクーラ23、EGR弁24及びEGR分配管25等を介して吸気通路2(吸気マニホールド8)へ流れ、エンジン1の各気筒へ還流される。
[遮断弁制御について]
この実施形態では、遮断弁26に関する上記課題に対処するために、次のような遮断弁制御を実行するようになっている。図5に、この遮断弁制御の内容をフローチャートにより示す。
処理がこのルーチンへ移行すると、先ず、ステップ100で、ECU80は、各種センサ等71〜78の検出値に基づき、エンジン1や車両の運転状態に係るエンジン回転数NE、エンジン負荷KL、吸気量Ga、吸気圧力PM、車速SPD、冷却水温度THW及び吸気温度THAを取り込む。
次に、ステップ110で、ECU80は、冷却水温度THWが、EGR開始水温度THWES以上か否かを判断する。ここで、EGR開始水温度THWESは、EGRガスのエンジン1への還流を開始する所定の温度(冷却水温度)を意味し、この開示技術におけるEGR開始温度の一例に相当する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ120へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ150へ移行する。
ステップ120で、ECU80は、エンジン1の運転状態が、図6に示す所定のA領域にあるか否かを判断する。図6は、エンジン回転数NEと吸気圧力PMから規定されるエンジン1の運転領域のイメージをマップにより示す。図6に示すように、A領域は、低回転高負荷の領域に相当する。ここで、「低回転高負荷」は、エンジン回転数NEが低く、かつ、エンジン負荷KLが高くなることを意味する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ130へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ160へ移行する。
ステップ130では、ECU80は、EGRカット要求が有るか否かを判断する。ここで、「EGRカット要求」は、エンジン1に対するEGRガスの還流を遮断する要求を意味する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ140へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ160へ移行する。
そして、ステップ140では、ECU80は、遮断弁26を閉弁制御する。すなわち、ECU80は、遮断弁26を強制的に閉弁するために、三方弁35を制御する。その後、ECU80は、処理をステップ100へ戻す。
一方、ステップ110から移行してステップ150では、ECU80は、エンジン1の運転状態が、図7に示す所定のB領域にあるか否かを判断する。図7は、エンジン回転数NEと吸気圧力PMから規定されるエンジン1の運転領域のイメージをマップにより示す。図7に示すように、B領域は、高回転高負荷の領域に相当する。ここで、「高回転高負荷」は、エンジン回転数NEが高く、かつ、エンジン負荷KLが高くなることを意味する。このB領域では、エンジン1が高排気圧力、高排気脈動及び高排気温度となる。そのため、遮断弁26が閉弁状態となる場合、その弁体32の前後差圧(上流側の圧力と下流側の圧力との差)が大きくなり、弁体32に振幅の大きい高い排気脈動波が作用する。また、弁体32が高温の排気に曝されることから、その材料強度が低下するおそれがある。そこで、ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ160へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ140へ移行する。
そして、ステップ120、ステップ130又はステップ150から移行してステップ160では、ECU80は、遮断弁26を開弁制御する。すなわち、ECU80は、遮断弁26を強制的に開弁するために、三方弁35を制御する。その後、ECU80は、処理をステップ100へ戻す。
上記した遮断弁制御によれば、ECU80は、検出される運転状態が、EGR開始温度以上であって低回転高負荷となるときは、EGRカット要求に従って遮断弁26を制御するようになっている。すなわち、ECU80は、冷却水温度THWがEGR開始水温度THWES以上であって、エンジン回転数NE及び吸気圧力PMにより規定される運転領域が図6のA領域にあり、かつ、EGRカット要求が有る場合は、遮断弁26を閉弁制御する。一方、ECU80は、冷却水温度THWがEGR開始水温度THWES以上であって、前記運転領域が図6のA領域にあり、かつ、EGRカット要求が無い場合は、遮断弁26を開弁制御するようになっている。
上記した遮断弁制御によれば、ECU80は、検出される運転状態が、EGR開始温度以上であって低回転高負荷となるとき以外では、EGRカット要求によらず遮断弁26を強制的に開弁するようになっている。すなわち、ECU80は、冷却水温度THWがEGR開始水温度THWES以上であって、エンジン回転数NE及び吸気圧力PMにより規定される運転領域が図6のA領域以外の領域にある場合は、EGRカット要求の有無にかかわらず遮断弁26を強制的に開弁制御する。
また、上記した遮断弁制御によれば、ECU80は、検出される運転状態が、EGR開始温度未満であって高回転高負荷となるときは、遮断弁26を強制的に開弁するようになっている。すなわち、ECU80は、冷却水温度THWがEGR開始水温度THWES未満であって、前記運転領域が図7のB領域にある場合は、遮断弁26を強制的に開弁制御する。
更に、上記した遮断弁制御によれば、ECU80は、検出される運転状態が、EGR開始温度未満であって高回転高負荷となるとき以外では、遮断弁26を閉弁するようになっている。すなわち、ECU80は、冷却水温度THWがEGR開始水温度THWES未満であって、前記運転領域が図7のB領域以外の領域にある場合は、遮断弁26を強制的に閉弁制御する。
[EGRシステムの作用及び効果について]
以上説明したこの実施形態におけるEGRシステムの構成によれば、エンジン1の運転時において、遮断弁26を開弁すると共にEGR弁24を開弁することにより、エンジンから排気通路3へ排出される排気の一部がEGRガスとしてEGR通路22を介し吸気通路2へ流れ、エンジン1へ還流される。
ここで、各種センサ等71〜78により検出されるエンジン1の運転状態につき、冷却水温度THWがEGR開始水温度THWES(EGR開始温度)以上であって、エンジン回転数NEと吸気圧力PMで規定される運転領域が図6のA領域(低回転高負荷)となるときは、ECU80がEGRカット要求に従って遮断弁26を制御する。すなわち、冷却水温度THWがEGR開始水温度THWES以上であって、運転領域が図6のA領域となるときに、EGRカット要求が無い場合は、ECU80が遮断弁26を開弁制御する。従って、併せてEGR弁24が開弁されることにより、EGRガスがEGR通路22を介して吸気通路2へ流れ、エンジンへ還流される。一方、冷却水温度THWがEGR開始水温度THWES以上であって、運転領域が図6のA領域となるときに、EGRカット要求が有る場合は、ECU80が遮断弁26を閉弁制御する。従って、排気通路3からEGR通路22へのEGRガスの流れが遮断され、エンジン1へのEGRガスの還流がカットされる。このとき、エンジン1の排気系の容積、特にタービン5bより上流の排気系の容積は、排気通路3の容積のみとなり、エンジン1の排気脈動の低下が抑えられる。このため、エンジン1の運転状態(運転領域)が図6のA領域(低回転高負荷)となるときにも、必要に応じて最適なEGRを実行することができる。この結果、タービン5bの効率が向上し、エンジン1の出力を向上させることができる。
この実施形態の構成によれば、検出されるエンジン1の運転状態につき、冷却水温度THWがEGR開始水温度THWES(EGR開始温度)以上であって、エンジン回転数NEと吸気圧力PMで規定される運転領域が図6のA領域(低回転高負荷)となるとき以外では、ECU80がEGRカット要求によらず遮断弁26を強制的に開弁制御する。従って、エンジン1から排気通路3へ高圧の排気ガスが流れても、その排気ガスの一部が遮断弁26を通過してEGR通路22の下流側へ流れるので、遮断弁26への応力負荷が低減される。このため、遮断弁26を構成する弁体32や回転軸33等の部品の剛性を必要以上に高める必要がなく、遮断弁26のための駆動源の駆動トルクを低減することができる。
この実施形態の構成によれば、検出されるエンジン1の運転状態につき、冷却水温度THWがEGR開始水温度THWES(EGR開始温度)未満であって、エンジン回転数NEと吸気圧力PMで規定される運転領域が図7のB領域(高回転高負荷)となるときは、ECU80が遮断弁26を強制的に開弁制御する。従って、エンジン1から排気通路3へより高圧の排気ガスが流れても、その排気ガスの一部が遮断弁26を通過してEGR通路22の下流側へ流れるので、遮断弁26への応力負荷が低減される。このため、遮断弁26を構成する弁体32や回転軸33等の部品の剛性を必要以上に高める必要がなく、遮断弁26のための駆動源の駆動トルクを低減することができる。
この実施形態の構成によれば、検出されるエンジン1の運転状態につき、冷却水温度THWがEGR開始水温度THWES(EGR開始温度)未満であって、エンジン回転数NEと吸気圧力PMで規定される運転領域が図7のB領域(高回転高負荷)となるとき以外では、ECU80が遮断弁26を閉弁制御する。従って、排気通路3に排気脈動が作用しても、遮断弁26が閉弁されるので、EGR通路22へのEGRガスの流れが遮断される。このため、エンジン1の排気脈動の低下が抑えられ、タービン5bの効率が向上し、エンジン1の出力を向上させることができる。また、低温下でも遮断弁26より下流のEGR通路22での凝縮水の発生を抑制することができる。すなわち、低温下でもEGRクーラ23やEGR弁24での凝縮水の発生を抑制することができる。
この実施形態の構成によれば、遮断弁26の閉弁時には、その弁体32の上流側と下流側とが空間38(貫通孔39)により連通するので、弁体32の上流側にかかる圧力と下流側にかかる圧力との差(前後差圧)が、空間38(貫通孔39)により低減される。このため、弁体32及び回転軸33に作用する応力負荷を低減することができ、遮断弁26のための駆動源の駆動トルクを低減することができる。
この実施形態の構成によれば、遮断弁26としてのバタフライ弁を閉弁状態から開弁させるとき、その弁体32の上流側にかかる圧力と下流側にかかる圧力が、それぞれ弁体32を回転軸33を中心に作用する。このため、遮断弁26における弁体32の前後差圧の影響を低減(半減)することができ、遮断弁26のための駆動源の駆動トルクを低減することができる。
この実施形態の構成によれば、遮断弁26の弁体32を駆動する駆動部34が、負圧又は大気圧(作動圧力)の供給を受けて動作するダイアフラムアクチュエータ36により構成される。従って、ダイアフラムアクチュエータ36が高温のEGRガスが流れるEGR通路22の近傍に配置されても、電動式のアクチュエータに比べて耐高熱性が得られ、小型化が可能となる。このため、車両における遮断弁26のための搭載スペースの縮小を図ることができる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、第1実施形態と同等の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略し、異なった点を中心に説明する。
[遮断弁について]
この実施形態では、遮断弁の構成の点で第1実施形態と異なる。図8、図9に、この実施形態の遮断弁28の構成を概略図により示す。図8に、閉弁状態の遮断弁28を示し、図9に開弁状態の遮断弁28を示す。この実施形態で、遮断弁28はノーマル閉弁タイプとなっている。図8、図9に示すように、遮断弁28は、流路41と、流路41を開閉する弁体42とを含み、弁体42は回転軸43を中心に揺動するスイングアーム弁より構成される。流路41は途中で内径が拡大され、その上流側よりも下流側で内径が大きくなっている。流路41の拡径部は弁体42が着座する弁座44となっている。この実施形態でも、遮断弁28は、弁体42の駆動部34と、電動式の三方弁35とを更に備える。弁体42は、貫通孔39により構成される空間38が設けられる。遮断弁28は、EGR通路22が排気通路3に通じる箇所の近傍にてEGR通路22の途中に配置される。
この実施形態でも、駆動部34は周知のダイアフラムアクチュエータ36により構成される。ダイアフラムアクチュエータ36は、大気圧が供給されるときにスプリング36aの力によりロッド36bを伸長させる。このとき、リンク36cを介して回転軸43が正転することで、図8に示すように弁体42が弁座44に着座して閉弁し、流路31が閉じるようになっている。また、ダイアフラムアクチュエータ36は、負圧の供給を受けてスプリング36aの力に抗してロッド36bを収縮させる。このとき、リンク36cを介して回転軸33が逆転することで、図9に示すように弁体42が弁座44から離間して開弁し、流路41が開くようになっている。この実施形態では、弁体42は、EGR通路22の下流側へ向けて開弁するようになっている。
図10に、エンジン回転数NEと吸気圧力PMの変化に対する遮断弁28の前後差圧のイメージをマップにより示す。図10において、マイナス数字及びプラス数字を付した折れ線は、前後差圧の変化を示す。マイナス数字を付した折れ線は、弁体42を排気通路3の側へ引く前後差圧を示し、プラス数字を付した折れ線は、弁体42を吸気通路2の側へ引く前後差圧を示す。図10からわかるように、エンジン1の運転状態が低回転高負荷となる領域では、前後差圧がマイナス数字となり、弁体42が排気通路3の側へ引かれることになる。従って、ダイアフラムアクチュエータ36としては、図10から、「−30(kPa)+α」程度の前後差圧に打ちかつアクチュエータを設ければよいことがわかる。
これに対し、仮に、弁体42を、排気通路3の側へ向けて開弁するように構成したとすると、図10からわかるように、エンジン1の運転状態が低負荷となる領域でも、前後差圧がプラス数字となる。従って、ダイアフラムアクチュエータ36としては、「+80(kPa)+α」の前後差圧に打ちかつアクチュエータが必要になってしまう。
[EGRシステムの作用及び効果について]
以上説明したこの実施形態におけるEGRシステムの構成によれば、遮断弁28の構成が異なるものの、基本的には、第1実施形態と同等の作用及び効果を得ることができる。
加えて、この実施形態では、遮断弁28としてのスイングアーム弁を閉弁状態から開弁させるとき、その弁体42の上流側にかかる圧力が弁体42を回転軸43を中心に揺動させる方向に作用する。このため、遮断弁28における弁体42の前後差圧の影響を低減することができ、遮断弁28のための駆動源の駆動トルクを低減することができる。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について図面を参照して説明する。
[遮断弁について]
この実施形態では、遮断弁の構成の点で第2実施形態と一部の構成が異なる。図11、図12に、この実施形態の遮断弁30の構成を概略図により示す。図11に、開弁状態の遮断弁30を示し、図12に閉弁状態の遮断弁30を示す。この実施形態で、遮断弁30は、第2実施形態と異なりノーマル開弁タイプであり、排気通路3に対する配置は第2実施形態と逆になっているが、それ以外の構成については第2実施形態のそれと同じである。
この実施形態で、図11に示すように、ダイアフラムアクチュエータ36は、大気圧が供給されるときにスプリング36aの力によりロッド36bを伸長させる。このとき、リンク36cを介して回転軸43が正転することで、弁体42が弁座44から離間して開弁し、流路41が開くようになっている。また、図12に示すように、ダイアフラムアクチュエータ36は、負圧の供給を受けてスプリング36aの力に抗してロッド36bを収縮させる。このとき、リンク36cを介して回転軸43が逆転することで、弁体42が弁座44に着座して閉弁し、流路41が閉じるようになっている。この実施形態でも、弁体42は、EGR通路22の下流側へ向けて開弁するようになっている。
[EGRシステムの作用及び効果について]
以上説明したこの実施形態におけるEGRシステムの構成によれば、遮断弁30の構成が一部異なるものの、第2実施形態と同等の作用及び効果を得ることができる。
なお、この開示技術は前記各実施形態に限定されるものではなく、開示技術の趣旨を逸脱することのない範囲で構成の一部を適宜に変更して実施することもできる。
(1)前記第2及び第3の実施形態では、遮断弁28,30を構成するスイングアーム弁タイプの弁体42と回転軸43を、EGR通路22が排気通路3に通じる箇所の近傍にてEGR通路22の途中に配置した。これに対し、図13にEGRクーラ23を断面図で示すように、遮断弁を構成するスイングアーム弁タイプの弁体42と回転軸43を、EGRクーラ23を構成するケーシング51の内部に設けることで、EGRクーラ23と一体化することができる。詳しくは、ケーシング51の入口51aの近傍に弁体42と回転軸43を配置し、弁体42がEGRクーラ23の内部へ向けて開弁するように構成することができる。図13は、EGRクーラ23の内部構造の一例を示す。
(2)前記第1実施形態では、図4に示すように、弁体32の閉弁時に弁体32の上流側と下流側とを連通させる空間38を、弁体32の一か所に設けた貫通孔39により構成した。これに対し、図14に流路31における回転軸33と弁体32を断面図で示すように、空間38を、弁体32の外縁と流路31の内壁との間の少なくとも一部に設けた隙間40により構成することもできる。この場合も、弁体32及び回転軸33に作用する応力負荷を低減することができ、遮断弁のための駆動源の駆動トルクを低減することができる。
この開示技術は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンに設けられるEGR装置に利用することができる。
1 エンジン
2 吸気通路
3 排気通路
22 EGR通路
24 EGR弁
26 遮断弁
28 遮断弁
30 遮断弁
31 流路
32 弁体
33 回転軸
34 駆動部
36 ダイアフラムアクチュエータ
38 空間
39 貫通孔
40 隙間
41 流路
42 弁体
43 回転軸
71 水温センサ(運転状態検出手段)
72 回転数センサ(運転状態検出手段)
74 吸気圧センサ(運転状態検出手段)
80 ECU(制御手段)

Claims (10)

  1. エンジンから排気通路へ排出される排気の一部をEGRガスとして吸気通路へ流して前記エンジンへ還流させるためのEGR通路と、
    前記EGR通路に設けられ、前記EGR通路における前記EGRガスの流量を調節するためのEGR弁と、
    前記EGR弁より上流であって前記EGR通路が前記排気通路に通じる箇所の近傍にて前記EGR通路を開閉するための遮断弁と、
    前記遮断弁は、流路と、前記流路を開閉する弁体とを含むことと、
    前記エンジンの運転状態を検出するための運転状態検出手段と、
    検出される前記運転状態に応じて前記EGR弁及び前記遮断弁を制御するための制御手段と
    を備えたEGRシステムにおいて、
    前記制御手段は、検出される前記運転状態が、EGR開始温度以上であって低回転高負荷となるときは、EGRカット要求に従って前記遮断弁を制御する
    ことを特徴とするEGRシステム。
  2. 請求項1に記載のEGRシステムにおいて、
    前記制御手段は、検出される前記運転状態が、EGR開始温度以上であって低回転高負荷となるとき以外では、前記EGRカット要求によらず前記遮断弁を強制的に開弁する
    ことを特徴とするEGRシステム。
  3. 請求項1又は2に記載のEGRシステムにおいて、
    前記制御手段は、検出される前記運転状態が、EGR開始温度未満であって高回転高負荷となるときは、前記遮断弁を強制的に開弁する
    ことを特徴とするEGRシステム。
  4. 請求項3に記載のEGRシステムにおいて、
    前記制御手段は、検出される前記運転状態が、EGR開始温度未満であって高回転高負荷となるとき以外では、前記遮断弁を閉弁する
    ことを特徴とするEGRシステム。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載のEGRシステムにおいて、
    前記遮断弁は、閉弁時に前記弁体の上流側と下流側とを連通させる空間を有する
    ことを特徴とするEGRシステム。
  6. 請求項5に記載のEGRシステムにおいて、
    前記空間は、前記弁体の少なくとも一か所に設けられ、前記弁体の上流側から下流側へ貫通する貫通孔である
    ことを特徴とするEGRシステム。
  7. 請求項5に記載のEGRシステムにおいて、
    前記空間は、前記弁体の外縁と前記流路の内壁との間の少なくとも一部に設けられた隙間である
    ことを特徴とするEGRシステム。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載のEGRシステムにおいて、
    前記遮断弁は、前記弁体が回転軸を中心に回動するバタフライ弁である
    ことを特徴とするEGRシステム。
  9. 請求項1乃至7のいずれかに記載のEGRシステムにおいて、
    前記遮断弁は、前記弁体が回転軸を中心に揺動するスイングアーム弁である
    ことを特徴とするEGRシステム。
  10. 請求項1乃至9のいずれかに記載のEGRシステムにおいて、
    前記遮断弁は、前記弁体を駆動するための駆動部を更に備え、
    前記駆動部は、作動圧力の供給を受けて動作するダイアフラムアクチュエータである
    ことを特徴とするEGRシステム。
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