JP2021161458A - 耐火性および塗装耐食性に優れた構造用鋼材および構造物 - Google Patents

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Abstract

【課題】大気腐食環境下、特には飛来塩分量の多い海上や海岸近傍などの厳しい腐食環境下で使用する場合にも塗装頻度を低減することが可能な優れた耐食性を有し、かつ優れた耐火性を有する構造用鋼材および構造物を提供することを目的とする。【解決手段】特定の成分組成と、式(1)で定義されるF値が1.00以上であり、さらに、式(2)で定義されるR値が0.75以上である耐火性および塗装耐食性に優れた構造用鋼材。F=0.2×Cu+0.05×Ni+0.65×W+0.5×Sn+0.5×Sb+1.9×Mo (1)R=3.5×Cu+4.5×Ni+8×W+4×(Sn+Sb) (2)【選択図】なし

Description

本発明は、表面に塗膜を備える鋼材に関し、主に橋梁などの陸上かつ屋外の大気腐食環境下で用いられ、特に飛来塩分量の多い海上、海岸などの厳しい腐食環境下で使用される構造用鋼材および構造物に関する。
橋梁などの屋外で用いられる鋼構造物は、通常、何らかの防食処理を施して用いられる。例えば、飛来塩分量が少ない環境では、耐候性鋼が多く用いられている。
ここで、耐候性鋼は、大気暴露環境で使用する場合に、Cu、P、Cr、Niなどの合金元素が濃化した保護性の高いさび層で表面が覆われ、これによって、腐食速度を大きく低下させた鋼材である。このような耐候性鋼を使用した橋梁は、飛来塩分量が少ない環境では、無塗装のまま数十年間の供用に耐え得ることが知られている。
一方、海上や海岸近傍などの飛来塩分量の多い環境では、耐候性鋼において保護性の高いさび層が形成され難く、耐候性鋼を無塗装のまま使用することは困難である。このため、海上や海岸近傍などの飛来塩分量の多い環境では、普通、鋼材に塗装などの防食処理を施した鋼材が用いられている。
しかしながら、このような塗装鋼材では、時間の経過による塗膜の劣化やさびの発生、塗膜の膨れ等により、定期的な塗り替えなどの補修が必要となる。塗り替えに伴う塗装作業は、高所での作業となることが多く、作業自体が困難であるとともに、作業にかかる人件費も必要となる。このため、塗装鋼材を使用する場合には、構造物のメンテナンスコストが増大し、ひいてはライフサイクルコストが増大するという問題がある。
以上のことから、塗り替え塗装の周期の延長、すなわち、塗装頻度の低減を可能とし、構造物のメンテナンスコストを抑制できる耐食性に優れた鋼材、特に塗装耐食性に優れた構造用鋼材の開発が望まれている。
耐食性に優れた鋼材に関する技術として、例えば、特許文献1には、質量%で、C:0.001〜0.15%、Si:2.5%以下、Mn:0.5%超〜2.5%以下、P:0.03%未満、S:0.005%以下、Cu:0.05〜1.0%、Ni:0.01〜0.5%、Cr:0.01〜3.0%、Al:0.003〜2.5%、およびN:0.001〜0.1%、さらにSnおよび/またはSb:0.03〜0.50%を含有し、残部がFeおよび不純物からなり、Ni/Cu質量比が0.5以下である組成を有することを特徴とする、海浜耐候性に優れた鋼材が開示されている。
特許文献2には、質量%で、C:0.001〜0.15%、Si:2.5%以下、Mn:0.5%を超え2.5%以下、P:0.03%未満、S:0.005%以下、Cu:0.05%未満、Ni:0.05%未満、Cr:0.01〜3.0%、Al:0.003〜0.1%、N:0.001〜0.1%およびSn:0.03〜0.50%を含有し、残部がFeおよび不純物からなり、Cu/Sn比が1以下である組成を有するスラブの表面温度を1050〜1200℃に加熱した後、900℃以上の温度域で全圧下量のうち70%以上の圧延を行い、かつ、800℃以上の温度域で圧延を終了したのち、冷却することを特徴とする耐食性およびZ方向の靭性に優れた鋼材の製造方法が開示されている。
特許文献3には、質量%で、C:0.01〜0.2%、Si:0.01〜1.0%、Mn:0.05〜3.0%、P:0.05%以下、S: 0.01%以下、Sn:0.01〜0.5%、Cr:1.0%を超え13.0%以下、Al:0.1%以下を含有し、残部Feおよび不純物からなり、かつ、Sn中の固溶Snの割合が95.0%以上であることを特徴とする、耐食性に優れた鋼材が開示されている。
特許文献4には、質量%で、C:0.01〜0.2%、Si:0.01〜1.0%、Mn:0.05〜3.0%、P:0.05%以下、S:0.01%以下、Sn:0.01〜0.5%、Al:0.1%以下を含有し、残部Feおよび不純物からなり、かつ、Sn中の固溶Snの割合が95.0%以上であることを特徴とする、耐食性に優れた鋼材が開示されている。
特許文献5には、質量%で、C:0.020%以上0.200%以下、Si:0.05%以上1.00%以下、Mn:0.20%以上2.00%以下、P:0.003%以上0.030%以下、S:0.0001%以上0.0100%以下、Al:0.001%以上0.100%以下、Cu:0.01%以上0.50%以下、Ni:0.01%以上0.50%以下およびW:0.005%以上1.000%以下を含有するとともに、Sn:0.005%以上0.200%以下およびSb:0.005%以上0.200%以下のうちから選ばれる1種または2種を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなる成分組成とする鋼材が開示されている。
一方、近年、橋梁などの鋼構造物では、火災により被害を受ける事例が報告されている。火災時には、構造物の利用者が非難するまでの間、構造物として崩落せず耐えることが必要である。そのため、受熱により鋼部材の強度特性が大きく低下しない鋼材が必要である。
このような耐火性能を有する鋼材に関し、例えば、非特許文献1では、600℃の高温強度に関して、Mn、Si、Nb、Mo、Cr、Vを用いた推定式が提案されており、これらの合金元素を添加することで、高温強度が上昇することが開示されている。
特開2006−118011号公報 特開2010−7109号公報 特開2013−166992号公報 特開2012−255184号公報 特開2018−40031号公報
構造材料の耐火性ガイドブック2017、日本建築学会
しかしながら、特許文献1〜5に開示されるような、耐食性を改善する目的で添加した種々の元素が耐火性に及ぼす影響については明らかになっていない。このため、特許文献1〜5に開示した鋼材を上記のように火災による被害を受ける可能性がある構造物に適用する場合には、受熱による強度低下が懸念される。また、Cr等の耐食性を向上させる成分を多量に含有させると、耐食性以外の性能が劣化する場合があり、例えば、特許文献1〜3の技術において、Crの含有量を増加させると、合金コストの増大とともに、鋼材の靱性の劣化を招く。
また、非特許文献1に開示されるような高温強度を高めるために添加した合金元素が耐食性に及ぼす影響については明らかになっていない。このため、非特許文献1に開示されるような技術を用いた鋼材を、腐食を防止する目的で塗装して供する構造物に適用する場合には、塗装頻度が増大によるライフサイクルコストの上昇が懸念される。
本発明は、上記の現状に鑑み開発されたものであって、大気腐食環境下、特には飛来塩分量の多い海上や海岸近傍などの厳しい腐食環境下で使用する場合にも塗装頻度を低減することが可能な優れた耐食性を有し、かつ優れた耐火性を有する構造用鋼材および構造物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題の解決に向けて鋭意研究を重ね、以下の知見を得た。
(1)耐食性、特に塗装耐食性の向上には、W、Cu、NiとともにMo、SnおよびSbのうちから選んだ1種または2種を複合添加することが有効である。このように、これらの元素を複合添加することで優れた耐食性が得られる理由は不明であるが、以下のように推定される。
Wはアノード反応に伴って溶出し、さび層中にWO 2−として分布することによって、腐食促進因子の塩化物イオンがさび層を透過して地鉄に到達するのを静電的に防止する。さらに、鋼材表面にWを含む化合物が沈殿することで、鋼材のアノード反応を抑制する。さらに、錆粒子の微細化により塩化物イオンなどの腐食促進因子の透過を抑制し、アノード反応、カソード反応を防止する。Cu、Niはさび層を緻密化させ、腐食促進因子である塩化物イオンがさび層を透過して地鉄に到達するのを防止する。Sn、Sbは地鉄表面近傍においてさび層中に存在し、さび粒子を微細化することによって、腐食促進因子である塩化物イオンがさび層を透過して地鉄に到達するのを防止する。また、鋼材表面においてアノード反応を抑制する。ただし、これらの効果は単独含有では不十分であり、これらの元素を複合含有することによる相乗効果により、腐食抑制効果が大きく向上する。
(2)さらに、耐火性の観点からは、W、Cu、Niとともに、Sn、Sb、Moのうちから選んだ1種以上を複合添加することが有効である。
(3)(1)および(2)の知見に基づき、これらの元素の耐食性、耐火性に及ぼす影響についてさらに鋭意検討を行い、耐火性を示すF値および耐食性を示すR値を見出した。そして、R値が0.75以上になるように、W、Cu、Ni、Sn、Sb、の含有量を調整し、かつF値が1.00以上となるように、W、Cu、Ni、Sn、Sb、Moの鋼中における成分含有量を調整することにより、耐火性および耐食性にすぐれた鋼材を得ることができる。
本発明は、上記の知見に基づき、さらに検討を重ねて完成させたものである。すなわち、本発明の要旨構成は以下の通りである。
[1]質量%で、
C:0.030%超え、0.200%以下、
Si:0.05%以上、1.00%以下
Mn:0.20%以上、2.00%以下、
P:0.003%以上、0.030%以下、
S:0.0001%以上、0.0100%以下、
Al:0.001%以上、0.100%以下、
W:0.03%以上、2.00%以下、
Cu:0.03%以上、0.50%以下、
Ni:0.03%以上、0.50%以下を含有し、
Sn:0.005%以上、0.200%以下、
Sb:0.005%以上、0.200%以下、
Mo:0.01%以上、1.00%以下から選ばれる1種以上を含有し、
さらに、式(1)で定義されるF値が1.00以上であり、
さらに、式(2)で定義されるR値が0.75以上であり、
残部がFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とする耐火性および塗装耐食性に優れた構造用鋼材。
F=0.2×Cu+0.05×Ni+0.65×W+0.5×Sn+0.5×Sb+1.9×Mo (1)
R=3.5×Cu+4.5×Ni+8×W+4×(Sn+Sb) (2)
ここで、Cu、Ni、W、Sn、Sb、Moは各元素の含有量(質量%)である。
[2]さらに、質量%で、
Co:0.010%以上、1.000%以下を含有することを特徴とする[1]に記載の耐火性および塗装耐食性に優れた構造用鋼材。
[3]さらに、質量%で、
Ti:0.001%以上、0.050%以下、
V:0.005%以上、0.200%以下、
Nb:0.005%以上、0.200%以下、
Zr:0.005%以上、0.200%以下から選ばれる1種以上を含有することを特徴とする[1]または[2]に記載の耐火性および塗装耐食性に優れた構造用鋼材。
[4]さらに、質量%で、
B:0.0001%以上、0.0050%以下を含有することを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の耐火性および塗装耐食性に優れた構造用鋼材。
[5]さらに、質量%で、
Ca:0.0001%以上、0.0100%以下、
Mg:0.0001%以上、0.0100%以下から選ばれる1種以上を含有することを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の耐火性および塗装耐食性に優れた構造用鋼材。
[6]前記構造用鋼材の表面に、塗膜を有することを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載の耐火性および塗装耐食性に優れた構造用鋼材。
[7]前記塗膜が防食下地として無機ジンクリッチペイントを有し、下塗りとしてエポキシ樹脂塗料を有し、中塗りとしてふっ素樹脂上塗り用中塗り塗料を有し、上塗りとしてふっ素樹脂塗料上塗りを有することを特徴とする[6]に記載の耐火性および塗装耐食性に優れた構造用鋼材。
[8][1]〜[7]のいずれかに記載の構造用鋼材を用いた耐火性および塗装耐食性に優れた構造物。
[9]前記構造物が橋梁であることを特徴とする[8]に記載の耐火性および塗装耐食性に優れた構造物。
本発明によれば、大気腐食環境下、特には飛来塩分量の多い海上や海岸近傍などの厳しい腐食環境下で使用する場合であっても、塗り替え周期を延長して塗装頻度を低減することが可能であり、かつ耐火性にも優れる構造用鋼材を得ることができる。本発明の構造用鋼材を、橋梁などの屋外の大気腐食環境下、特には飛来塩分量の多い海上や海岸近傍などの厳しい腐食環境下で使用される橋梁などの構造物に用いることにより、かような構造物のメンテナンスコスト、ひいてはライフサイクルコストを低減することが可能となり、さらには、火災時の強度特性低下を防止し、高い安全性を確保することが可能となる。
以下、本発明を具体的に説明する。
まず、本発明において母材の成分組成を限定した理由について説明する。なお、鋼の成分組成における元素の含有量の単位はいずれも「質量%」であるが、以下、特に断らない限り単に「%」で示す。
C:0.030%超え、0.200%以下
Cは、鋼材の強度を上昇させる元素である。このため、Cは、構造用鋼としての所定の強度を確保するため、0.030%を超えて含有させる必要がある。一方、C含有量が0.200%を超えると、溶接性および靭性が劣化する。したがって、C含有量は0.030%超え、0.200%以下とする。好ましくは、0.040%以上である。また、好ましくは、0.180%以下である。
Si:0.05%以上、1.00%以下
Siは製鋼時の脱酸に必要な元素である。このような効果は、Si含有量が0.05%以上で得られる。一方、Si含有量が1.00%を超えると、靭性および溶接性が著しく劣化する。したがって、Si含有量は0.05%以上、1.00%以下である。好ましくは0.10%以上である。また、好ましくは0.65%以下である。より好ましくは0.55%以下である。
Mn:0.20%以上、2.00%以下
Mnは、鋼材の強度を上昇させる元素である。このため、Mnは、構造用鋼としての所定の強度を確保するため、0.20%以上含有させる必要がある。一方、Mn含有量が2.00%を超えると、靭性および溶接性が劣化するとともに合金コストが増大する。したがって、Mn含有量は0.20%以上、2.00%以下とする。好ましくは0.50%以上である。また、好ましくは1.75%以下である。
P:0.003%以上、0.030%以下
Pは、鋼材の塗装耐食性の向上に寄与する元素である。このような効果を得る観点から、Pは0.003%以上含有させる必要がある。一方、P含有量が0.030%を超えると、溶接性が劣化する。したがって、P含有量は0.003%以上、0.030%以下とする。
S:0.0001%以上、0.0100%以下
Sは、溶接性および靭性を劣化させる元素である。このため、S含有量は0.0100%以下とする必要がある。ただし、S含有量を0.0001%未満にしようとすると、生産コストが増大する。したがって、S含有量は0.0001%以上、0.0100%以下とする。
Al:0.001%以上、0.100%以下
Alは、製鋼時の脱酸に必要な元素である。このような効果を得るため、Alは0.001%以上含有させる必要がある。一方、Al含有量が0.100%を超えると、溶接性に悪影響を及ぼす。したがって、Al含有量は0.001%以上、0.100%以下とする。好ましくは0.005%以上、より好ましくは0.010%以上である。また、好ましくは0.050%未満、より好ましくは0.030%未満である。
W:0.03%以上、2.00%以下
Wは本発明の鋼材において重要な元素であり、焼入れ性を向上させることで母材の常温強度を上昇させ、高温強度も上昇させる。そして、Wは、CuやNi、Sn、Sb、Moとともに複合添加することで、これらの元素との相乗効果によって鋼材の耐火性を大きく上昇させる。また、アノード反応に伴って溶出し、さび層中にWO 2−として分布することによって、腐食促進因子の塩化物イオンがさび層を透過して地鉄に到達するのを静電的に防止する。さらに、鋼材表面にWを含む化合物が沈殿することで、鋼材のアノード反応を抑制する。さらに、錆粒子の微細化により塩化物イオンなどの腐食促進因子の透過を抑制し、アノード反応、カソード反応を防止する。さらにまた、Wは、CuやNi、Sn、Sbとともに複合添加することで、これらの元素との相乗効果によって、鋼材の塗装耐食性を大きく向上させる。これらの効果を十分に得るためには、Wを0.03%以上含有させる必要がある。一方、W含有量が2.00%を超えると、合金コスト上昇を招く。したがって、W含有量は0.03%以上、2.00%以下とする。好ましくは、0.04%以上1.00%以下、より好ましくは、0.05%以上0.75%以下である。
Cu:0.03%以上、0.50%以下
Cuは、本発明の鋼材において重要な元素であり、固溶強化により母材の常温強度ならびに高温強度を上昇させる。また、さび層のさび粒を微細化することで緻密なさび層を形成し、腐食促進因子である酸素や塩化物イオンの地鉄への透過を抑制する効果を有する。これらの効果は、Cu含有量が0.03%以上で得られる。一方、Cu含有量が0.50%を超えると、合金コストの上昇を招く。したがって、Cu含有量は0.03%以上、0.50%以下とする。好ましくは、0.04%以上、0.40%以下、より好ましくは、0.05%以上、0.30%以下である。
Ni:0.03%以上、0.50%以下
Niは、本発明の鋼材において重要な元素であり、固溶強化により母材の常温強度ならびに高温強度を上昇させる。また、Niは、さび層のさび粒を微細化することで緻密なさび層を形成し、腐食促進因子である酸素や塩化物イオンの地鉄への透過を抑制する効果を有する。これらの効果は、Ni含有量が0.03%以上で得られる。一方、Ni含有量が0.50%を超えると、合金コストの上昇を招く。したがって、Ni含有量は0.03%以上、0.50%以下とする。好ましくは、0.04%以上、0.40%以下、より好ましくは、0.05%以上、0.30%以下である。
本発明では、上記の成分を含有するとともに、以下の成分から選ばれる1種または2種以上を含有する。
Sn:0.005%以上、0.200%以下
Snは、本発明の鋼材において重要な元素であり、固溶強化により母材の常温強度ならびに高温強度を上昇させる。また、地鉄表面近傍においてさび層中に存在し、さび粒子を微細化することによって、腐食促進因子である塩化物イオンがさび層を透過して地鉄に到達するのを防止する。また、Snは、鋼材表面においてアノード反応を抑制する。これらの効果を十分に得るためには、Sn含有量が0.005%以上とする必要がある。一方、Sn含有量が0.200%を超えると鋼の延性や靭性の劣化を招く。したがって、Sn含有量は0.005%以上、0.200%以下とする。好ましくは0.010%以上0.100%以下、より好ましくは0.020%以上、0.050%未満である。
Sb:0.005%以上、0.200%以下
Sbは、本発明の鋼材において重要な元素であり、固溶強化により母材の常温強度ならびに高温強度を上昇させる。また、地鉄表面近傍においてさび層中に存在し、さび粒子を微細化することによって、腐食促進因子である塩化物イオンがさび層を透過して地鉄に到達するのを防止する。また、Sbは、鋼材表面においてアノード反応を抑制する。これらの効果を十分に得るためには、Sb含有量が0.005%以上とする必要がある。一方、Sb含有量が0.200%を超えると鋼の延性や靭性の劣化を招く。したがって、Sb含有量は0.005%以上、0.200%以下とする。好ましくは0.010%以上0.100%以下、より好ましくは0.020%以上、0.050%未満である。
Mo:0.01%以上、1.00%以下
Moは本発明の鋼材において重要な元素であり、焼入れ性を向上させることで母材の常温強度を上昇させ、高温強度も上昇させる。さらに、高温時に炭窒化物を形成することで高温強度を上昇させる。また、鋼材のアノード反応に伴って溶出し、さび層中にMoO 2−が分布することで、腐食促進因子である塩化物イオンがさび層を透過して地鉄に到達するのを抑制する。また、鋼材表面にMoを含む化合物が沈殿することで、鋼材のアノード反応を抑制する。これらの効果を十分に得るためには、Moを0.01%以上含有させる必要がある。しかしながら、Mo含有量が1.00%を超えると、合金コストの上昇を招く。したがって、Mo含有量は0.01%以上、1.00%以下とする。好ましくは、0.05%以上、1.00%以下、より好ましくは、0.10%以上0.75%以下である。
また、本発明において、下記式(1)により定義されるF値を1.00以上に制御することが重要である。
F=0.2×Cu+0.05×Ni+0.65×W+0.5×Sn+0.5×Sb+1.9×Mo (1)
ここで、Cu、Ni、W、Sn、Sb、Moは各元素の含有量(質量%)である。
但し、含有量の分析値が検出限界以下の元素は0(零)%とする。
上記式(1)で表されるF値は、鋼材の耐火性を示す指標であり、優れた耐火性を得るために1.00以上とする。なお、上限は限定するものではなく、数値が大きいほど優れた耐火性を示し、所望の耐火性に応じて適宜設定すればよいが、必要以上にF値を大きくするとコストがかさむため、1.00〜1.40が好ましい。
また、本発明において、下記式(2)により定義されるR値を0.75以上に制御することが重要である。
R=3.5×Cu+4.5×Ni+8×W+4×(Sn+Sb) (2)
ここで、Cu、Ni、W、Sn、Sbは各元素の含有量(質量%)である。
但し、含有量の分析値が検出限界以下の元素は0(零)%とする。
上記式(2)で表されるR値は、鋼材の耐食性を示す指標であり、優れた耐食性を得るためには、R値は、0.75以上とする。なお、上限は限定するものではなく、数値が大きいほど優れた耐食性を示し、所望の耐食性に応じて適宜設定すればよいが、必要以上にR値を大きくするとコストがかさむため、0.75〜20.0が好ましい。
また、F値およびR値は、それぞれの成分量と耐火性、耐食性との関係を調査して式(1)、式(2)を算出した。
以上、基本成分について説明したが、必要に応じて、以下に述べる元素を適宜含有させることができる。
Co:0.010%以上、1.000%以下
Coは、さび層全体に分布し、さび粒を微細化することで緻密なさび層を形成し、これにより鋼材の耐候性を向上させる効果を有する。これらの効果を得るためには、Coを0.010%以上含有させる必要がある。しかしながら、Co含有量が1.000%を超えると、合金コストの上昇を招く。したがって、Coを含有する場合、Co含有量は0.010%以上、1.000%以下とする。好ましくは0.030%以上、0.500%以下、より好ましくは0.100%以上、0.350%以下である。
Ti:0.001%以上、0.050%以下
Tiは、微量の添加で常温強度および高温強度を高める元素である。これらの効果を得るためには、Tiを0.001%以上含有させる必要がある。しかしながら、Ti含有量が0.050%を超えると、靭性の劣化を招くおそれがある。したがって、Tiを含有する場合、Ti含有量は0.001%以上、0.050%以下とする。好ましくは0.005%、以上0.030%以下である。
V:0.005%以上、0.200%以下
Vは、微量の添加で常温強度および高温強度を高める元素である。これらの効果を得るためには、Vを0.005%以上含有させる必要がある。しかしながら、V含有量が0.200%を超えると、その効果が飽和する。したがって、Vを含有する場合、V含有量は0.050%以上、0.200%以下とする。好ましくは0.010%以上、0.100%である。
Nb:0.005%以上、0.200%以下
Nbは、微量の添加で常温強度および高温強度を高める元素である。これらの効果を得るためには、Nbを0.005%以上含有する必要がある。しかしながら、Nb含有量が0.200%を超えると、靭性の劣化を招くおそれがある。したがって、Nbを含有する場合、Nb含有量は0.005%以上、0.200%以下とする。好ましくは、0.010%以上、0.050%以下である。
Zr:0.005%以上、0.200%以下
Zrは、微量の添加で常温強度および高温強度を高める元素である。これらの効果を得るためには、Zrを0.005%以上含有する必要がある。しかしながら、Zr含有量が0.200%を超えると、その効果が飽和する。したがって、Zrを含有する場合、Zr含有量は0.005%以上、0.200%以下とする。好ましくは0.010%以上、0.200%以下である。
B:0.0001%以上、0.0050%以下
Bは、強度を高める元素である。この効果を得るためには0.0001%以上含有させる必要がある。しかしながら、B含有量が0.0050%を超えると靭性の劣化を招くおそれがある。したがって、Bを含有する場合、B含有量は0.0001%以上、0.0050%以下とする。好ましくは0.0005%以上、0.0025以下である。
Ca:0.0001%以上、0.0100%以下
Caは、鋼中のSを固定し、溶接熱影響部の靭性を向上させる元素である。この効果を得るためには、0.0001%以上含有させる必要がある。しかしながら、Ca含有量が0.0100%を超えると、鋼中の介在物の量が増加し、かえって靭性の劣化を招く。したがって、Caを含有する場合、Ca含有量は0.0001%以上、0.0100%以下とする。なお、好ましくはCa含有量が0.0005%以上、0.0080%以下である。
Mg:0.0001%以上、0.0100%以下
Mgは、鋼中のSを固定し、溶接熱影響部の靭性を向上させる元素である。この効果を得るためには、0.0001%以上含有させる必要がある。しかしながら、Mg含有量が0.0100%を超えると、鋼中の介在物の量が増加し、かえって靭性の劣化を招く。したがって、Mgを含有する場合、Mg含有量は0.0001%以上、0.0100%以下とする。なお、好ましくは0.0005%以上、00080%以下である。
上記以外の成分は、Feおよび不可避的不純物である。なお、不可避的不純物としては、NやO(酸素)が挙げられ、N:0.010%以下、O:0.010%以下であれば許容できる。
また、本発明の構造用鋼材は、鋼材表面を塗装して使用される。ここで、鋼材表面の塗膜としては、特に限定するものではないが、例えば、防食下地層、下塗り層、中塗り層および上塗り層をこの順に有する塗膜や、下塗り層、中塗り層および上塗層をこの順に有する塗膜が挙げられる。
なお、例えば、防食下地層、下塗り層、中塗り層および上塗り層をこの順に有する塗膜であれば、防食下地層は無機ジンクリッチペイント(例えば、SDジンク1500)、下塗り層はエポキシ樹脂塗料(例えば、エポマリンHB(K))、中塗り層はふっ素樹脂上塗り塗料用の中塗り塗料(例えば、セラテクトF中塗)、上塗り層はふっ素樹脂上塗り塗料(例えば、セラテクトF(K)上塗)を用いて形成することが好ましい。
また、製品出荷時には、一次防錆を目的として、鋼材の表面にジンクリッチプライマー層や機能性プライマー層を形成することが好ましい。
なお、ジンクリッチプライマー層とは、JIS K 5552(2002)で規定されるジンクリッチプライマーを用いて形成されたプライマー層である。機能性プライマー層とは、ジンクリッチプライマーに比べ亜鉛含有量を50%程度まで減少させて溶接性や溶断性を向上させた機能性プライマーを用いて形成されたプライマー層である。
次に、上記した構造用鋼材の一実施形態に係る製造方法を説明する。製造方法は特に限定されるものではないが、以下の方法で製造することが好ましい。
すなわち、上記した成分組成に調製した鋼を、転炉や電気炉、真空脱ガス等、公知の精錬プロセスを用いて溶製し、連続鋳造法あるいは造塊−分塊圧延法で鋼素材(スラブ)とし、ついでこの鋼素材を必要に応じて再加熱してから熱間圧延することにより、鋼板または形鋼等とすることで製造する。
なお、鋼材の厚さは特に限定されるものではないが、好ましくは2〜100mmである。より好ましくは3mm以上、さらに好ましくは4mm以上である。また、より好ましくは80mm以下、さらに好ましくは60mm以下である。
上記の鋼素材を所望の寸法形状に熱間圧延する際には、1000℃〜1350℃の温度に加熱することが好ましい。加熱温度が1000℃よりも低いと変形抵抗が増大し、続く圧延工程における圧延荷重の増大により圧延が困難となる場合がある。一方、加熱温度が1350℃を超えると、表面痕が発生したり、過度のスケール生成による歩留りの低下および燃料原単位が増加したりする。よって、加熱温度は1000℃から1350℃とすることが好ましい。より好ましくは、1050℃〜1300℃の範囲である。なお、鋼素材の温度が、もともと1000〜1350℃の範囲の場合には、加熱せずに、そのまま熱間圧延に供してもよい。また、熱間圧延後に得られた熱延板に、再加熱処理、酸性、冷間圧延を施し、所定板厚の冷延板としてもよい。
加熱されたスラブは、ついで、600℃以上の温度で終了する熱間圧延を施して、所望の寸法形状の鋼板とする。圧延仕上げ温度が650度未満では鋼板の変形抵抗が増大し、圧延荷重の増大により圧延が困難となる。従って、圧延仕上げ温度は600℃以上とする。好ましくは650℃以上である。
熱間圧延を終了した後の冷却条件は、要求される材質に応じて適宜決定すればよく、空冷あるいは加速冷却を実施すればよい。また、その後、焼戻し熱処理を施しても良い。
以上より、本発明によれば、大気腐食環境下、特には飛来塩分量の多い海上や海岸近傍などの厳しい腐食環境下で使用する場合であっても、塗り替え周期を延長して塗装頻度を低減することが可能であり、かつ耐火性にも優れる構造用鋼材を得ることができる。
また、本発明の構造用鋼材を、橋梁などの屋外の大気腐食環境下、特には飛来塩分量の多い海上や海岸近傍などの厳しい腐食環境下で使用される橋梁などの構造物に用いることにより、かような構造物のメンテナンスコスト、ひいてはライフサイクルコストを低減することが可能となり、さらには、火災時の強度特性低下を防止し、高い安全性を確保することが可能となる。
表1に示す成分組成になる鋼(残部はFeおよび不可避的不純物である)を溶製し、1120℃に加熱した後、仕上げ温度800℃で熱間圧延を施し、空冷後、板厚:15mmの鋼板を得た。そして、以下の要領にて、耐火性および塗装耐食性の評価を実施した。
(1)耐火性の評価
各鋼板の板厚1/4位置から、引張方向が圧延方向に対して垂直方向に平行になるようJIS4号引張試験片(丸棒)を採取し、常温の降伏強さYS、引張強さTSおよび600℃の高温における降伏強さYSを求めた。なお、600℃の高温における降伏強さYSが常温のYS規格値の2/3以上であれば、耐火性に優れるとした。ここで、常温のYS規格値は、要求される規格、例えば、溶接構造用圧延鋼材JIS G 3106などに基づく。
(2)塗装耐食性の評価
鋼板から70mm×50mm×5mmの試験片を採取した。この試験片の表面に、JIS Z 0313(2004)に規定される除錆度Saが2.5となるようショットブラストを施し、アセトン中での超音波脱脂を5分間行い、風乾した。ついで、試験片の片面を塗装面とし、防食下地として無機ジンクリッチペイント(関西ペイント株式会社製 SDジンク1500A、厚さ:75μm)を塗布し、ついでミストコートとしてエポキシ樹脂塗料(関西ペイント株式会社製 エポマリン下塗ミストコート用)を塗布し、ついで下塗りとしてエポキシ樹脂塗料(関西ペイント株式会社製 エポマリンHB(K)、厚さ:120μm)を塗布し、ついで中塗りとしてふっ素樹脂上塗り塗料用の中塗り塗料(関西ペイント株式会社製 セラテクトF中塗塗料、厚さ:30μm)を塗布し、ついで上塗りとしてふっ素樹脂塗料上塗り塗料(関西ペイント株式会社製 セラテクトF上塗塗料、厚さ:25μm)を塗布し、防食下地層、下塗り層(ミストコートにより形成された塗膜も含む)、中塗り層および上塗り層からなる塗膜を形成した。なお、試験片の他方の片面と端面は、溶剤型のエポキシ樹脂塗料にてシールし、さらにシリコン系のシール剤にて被覆した。塗装後、試験片に形成した塗膜の中央部に、地鉄に到達するように幅:1mm、長さ:40mmの直線のカットを入れ、初期欠陥を設けた。ついで、ISO 16539 2013に準拠し、以下に示す条件にて腐食試験を実施した。
すなわち、試験片表面の人工海塩の付着量が6.0g/mとなるように、人工海塩を純水で所定の濃度に希釈した溶液をスプレーし、試験片に人工海塩を付着させた。ついで、この試験片を用いて、条件1(温度:60℃、相対湿度:35%、保持時間:3時間)から条件2(温度:40℃、相対湿度:95%、保持時間:3時間)および条件2から条件1への各移行時間を1時間とする、合計8時間のサイクルを1サイクルとして、これを1200サイクル繰り返す腐食試験を実施した。なお、人工海塩の付着は、週に1回とした。そして、腐食試験終了後、塗装における初期欠陥部からの膨れ面積(以下、塗装膨れ面積という)を測定し、塗装耐食性を評価した。なお、塗装膨れ面積が548mm以下であれば、塗装耐食性に優れると判断した。
評価結果を表2に示す。
Figure 2021161458
Figure 2021161458
表2に示したとおり、発明例はいずれも、優れた耐火性と塗装耐食性を兼ね備えている。
これに対し、比較例では、耐火性および塗装耐食性の少なくとも一方について、十分な特性が得られていない。

Claims (9)

  1. 質量%で、
    C:0.030%超え、0.200%以下、
    Si:0.05%以上、1.00%以下
    Mn:0.20%以上、2.00%以下、
    P:0.003%以上、0.030%以下、
    S:0.0001%以上、0.0100%以下、
    Al:0.001%以上、0.100%以下、
    W:0.03%以上、2.00%以下、
    Cu:0.03%以上、0.50%以下、
    Ni:0.03%以上、0.50%以下を含有し、
    Sn:0.005%以上、0.200%以下、
    Sb:0.005%以上、0.200%以下、
    Mo:0.01%以上、1.00%以下から選ばれる1種以上を含有し、
    さらに、式(1)で定義されるF値が1.00以上であり、
    さらに、式(2)で定義されるR値が0.75以上であり、
    残部がFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とする耐火性および塗装耐食性に優れた構造用鋼材。
    F=0.2×Cu+0.05×Ni+0.65×W+0.5×Sn+0.5×Sb+1.9×Mo (1)
    R=3.5×Cu+4.5×Ni+8×W+4×(Sn+Sb) (2)
    ここで、Cu、Ni、W、Sn、Sb、Moは各元素の含有量(質量%)である。
  2. さらに、質量%で、
    Co:0.010%以上、1.000%以下を含有することを特徴とする請求項1に記載の耐火性および塗装耐食性に優れた構造用鋼材。
  3. さらに、質量%で、
    Ti:0.001%以上、0.050%以下、
    V:0.005%以上、0.200%以下、
    Nb:0.005%以上、0.200%以下、
    Zr:0.005%以上、0.200%以下から選ばれる1種以上を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の耐火性および塗装耐食性に優れた構造用鋼材。
  4. さらに、質量%で、
    B:0.0001%以上、0.0050%以下を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の耐火性および塗装耐食性に優れた構造用鋼材。
  5. さらに、質量%で、
    Ca:0.0001%以上、0.0100%以下、
    Mg:0.0001%以上、0.0100%以下から選ばれる1種以上を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の耐火性および塗装耐食性に優れた構造用鋼材。
  6. 前記構造用鋼材の表面に、塗膜を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の耐火性および塗装耐食性に優れた構造用鋼材。
  7. 前記塗膜が防食下地として無機ジンクリッチペイントを有し、下塗りとしてエポキシ樹脂塗料を有し、中塗りとしてふっ素樹脂上塗り用中塗り塗料を有し、上塗りとしてふっ素樹脂塗料上塗りを有することを特徴とする請求項6に記載の耐火性および塗装耐食性に優れた構造用鋼材。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の構造用鋼材を用いた耐火性および塗装耐食性に優れた構造物。
  9. 前記構造物が橋梁であることを特徴とする請求項8に記載の耐火性および塗装耐食性に優れた構造物。
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