JP2021159294A - 遊技場用システム - Google Patents

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Abstract

【課題】遊技場側の不利益につながる変則打ちを確実性高く検知できる遊技場用システムを提供すること。【解決手段】始動入賞に応じて役物が開放状態になる単位遊技を開始させ、単位遊技の結果に応じて遊技者側に特典を付与すると共に、遊技者による停止操作に応じて玉の発射を停止させる遊技機3を管理するための遊技場用システム1は、単位遊技の実行に応じて付与された特典の度合いを表す特典付与度を特定可能な遊技情報特定手段と、変則遊技を特定する変則遊技特定手段と、を有し、始動入賞後の前後に亘る所定の期間における停止操作の特定結果、及び特典付与度と所定の閾値との比較結果により、変則遊技を特定する。【選択図】図1

Description

本発明は、遊技場用システムに関する。
パチンコ遊技機の多くは、玉の発射強度を調節するための操作ハンドルの操作量に関わらず、玉の発射を停止させるための発射停止装置を備えている(例えば、下記の特許文献1参照。)。発射停止装置を備えるパチンコ遊技機では、遊技者の操作によって意図的に玉の発射を停止する遊技が可能である。
特開2008−079691号公報
発射停止装置は、特定のタイミングで意図的に玉を発射する変則打ち(変則遊技)に利用される場合があり、変則打ちが行われた場合、遊技機の仕様に沿った遊技結果が得られず、遊技場側の不利益が発生するおそれがあるという事情がある。
本発明は、上記事情に鑑み、遊技場側の不利益につながる変則打ちを確実性高く検知できる遊技場用システムを提供することを目的とする。
本発明の遊技場用システムは、始動口への始動入賞に応じて単位遊技を開始させ、単位遊技の結果に応じて遊技者側に特典を付与すると共に、遊技者による停止操作に応じて遊技価値の消費を停止させる遊技機を管理するためのシステムである。この遊技場用システムは、単位遊技の実行に応じて付与された特典の度合いを表す特典付与度を特定可能な遊技情報特定手段と、変則打ちを特定する変則遊技特定手段と、を有している。この変則遊技特定手段は、始動入賞後の前及び後の少なくとも一方の所定の期間における停止操作の特定結果、及び特典付与度と所定の閾値との比較結果により、変則打ちを特定する。
本発明の遊技場用システムによれば、停止操作の特定結果のみならず、特典付与度に関する比較結果を利用することで、遊技場側の不利益につながる変則打ちを確実性高く特定できる。
遊技場用システムの構成を示すシステム図。 遊技機と遊技装置の組み合わせを示す正面図。 役物の正面図。 遊技機の電気的構成を示すブロック図。 大当り発生時の演出画面の正面図。 大当り中の演出画面の正面図。 遊技装置の電気的構成を示すブロック図。 管理装置の電気的構成を示すブロック図。 管理装置が遊技機単位で管理する遊技レコードを例示する説明図。 遊技レコード生成処理の流れを示すフロー図。 変則打ち特定処理の流れを示すフロー図。 変則打ち特定データを例示する説明図。
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
本例は、遊技価値を消費することで始動口への始動入賞が可能になり、始動入賞に応じて後述する単位遊技を開始させ、単位遊技の結果に応じて遊技者側に特典を付与すると共に、遊技者による停止操作に応じて遊技価値の消費を停止させる遊技機3を管理するための遊技場用システム1に関する例である。以下、図1〜図12を参照して遊技場用システム1を説明する。
遊技場では、図1のごとく、パチンコ遊技機3(以下、単に遊技機3という。)に対して、遊技装置2や表示装置51等が個別に設置されている。玉やポイント等の遊技価値の付与機能や計数機能を備える遊技装置2は、対応する遊技機3と隣り合う他の遊技機3との間の隙間のスペースに設置されている。遊技装置2は、対応する遊技機3の左側に配置され、呼出ランプ511を備える表示装置51は遊技機3の上方に設置される。なお、遊技場には、パチンコ遊技機以外にスロットマシンなども設置されている。スロットマシンの場合、遊技機3の右側に遊技装置2が設置される。
遊技場内の通路に面して遊技機3が配列された遊技島では、2台の遊技機3毎に1台ずつ中継装置54が設置されている。また、遊技場内に設けられた管理スペースには、遊技場内の各種の機器の稼動状況を集中的に管理するための管理装置10が設置されている。遊技者が遊技により獲得した遊技価値である所有価値を景品に交換するための景品カウンタには、景品交換のためのPOS端末55が設置されている。また、遊技機3が配列された遊技島の島端等には、遊技カード53(図2)に対応付けられた残高(プリペイド残高)の精算を受け付ける残高精算機57が設置されている。
遊技場では、管理装置10が通信可能に接続された有線LAN等の場内ネットワーク500が構築されている。遊技機3に対応して個別に設置された表示装置51及び遊技装置2は、中継装置54を介して場内ネットワーク500に接続されている。場内ネットワーク500を利用する遊技場用システム1では、遊技装置2など遊技機3の周辺装置と管理装置10との間の各種の通信が中継装置54を介して実現されている。
管理装置10は、遊技場に設置された各種機器の動作状態を管理するほか、遊技装置2を介して各遊技機3の遊技情報を収集し、遊技機単位の遊技情報を管理している。特に本例の管理装置10は、遊技結果を有利にするために遊技者が故意に玉の発射を停止させる変則打ち(変則遊技)を特定する機能を備えている。
以下、本例の遊技場用システム1を構成する遊技機3、遊技装置2、管理装置10の構成及び動作を詳しく説明し、続いて遊技場用システム1の動作内容を説明する。
(遊技機)
遊技機3は、(パチンコ)玉を遊技媒体として遊技が行われる種別の遊技機である。例示する遊技機3は、遊技に伴い減算され、遊技で入賞すると加算されるポイント(遊技価値)を記憶する所謂封入式の遊技機である。なお、封入式遊技機に代えて、遊技価値である玉を消費して遊技され、遊技で入賞すると玉の払出を受けられる払出式の遊技機であっても良い。
遊技機3では遊技媒体である玉が封入されており、遊技者側に玉が払い出されることがない。玉は、遊技領域である盤面330(図2)への発射→盤面330からの排出を繰り返し、遊技機3の内部で循環する。この遊技機3は、遊技価値をなすポイントを遊技玉ポイントとして記憶する機能を備えている。遊技機3では、この遊技玉ポイントを1P(ポイント)ずつ消費して玉を発射でき、いずれかの入賞口に玉が入賞すればポイントを獲得できる。獲得したポイントは、遊技機3が記憶する遊技玉ポイントに加算される。
本例の遊技機3の構成を概説する。図2のごとく、この遊技機3は、遊技媒体である玉を遊技領域に向けて発射することにより遊技される遊技機である。遊技機3の前面では、遊技者に対面するように遊技盤33が設けられ、その遊技盤33の表面側に遊技領域をなす盤面330が形成されている。盤面330の下方には、払出式の遊技機における上皿に代えて、棚状に遊技者側に張り出すカウンター部35が設けられている。カウンター部35の下方、遊技者側から向かって右側には、盤面330に打ち込む玉の発射強度を調節するために遊技者が操作する操作ハンドル335が立設されている。
操作ハンドル335は、外周に指掛け335Fを設けた回転板335Rを有し、この回転板335Rの回転量に応じて玉の発射強度を調節可能である。さらに、操作ハンドル335は、押込み式の発射停止スイッチ335Sを有している。この発射停止スイッチ335Sの押込みによる停止操作が行われた状態では、回転板335Rの回転量に依らず、玉の発射が停止され、遊技価値であるポイントの消費が停止される。
カウンター部35では、玉を貯留するための窪みが設けられた払出式の遊技機の上皿とは相違し、上面が略面一に形成されている。カウンター部35の上面の中央付近には、6個の7セグメント表示器が横一列に配置された遊技玉P表示部355が埋め込まれている。遊技玉P表示部355の左側には、計数ボタン357が配置され、同右側には、残高表示部351、貸玉ボタン352、返却ボタン353等が配置されている。
遊技玉P表示部355は、遊技機3が記憶しており遊技に使用可能な遊技価値である遊技玉ポイントの数量の表示部である。遊技玉ポイントの1ポイント(1P)は、玉1個分に対応している。遊技玉P表示部355に表示される遊技玉ポイントは、払出式の遊技機における遊技者の手元にある計数前の遊技玉の数量に相当する。
計数ボタン357は、遊技機3が記憶する遊技玉ポイントを計数して持玉(所有価値)に移行する計数処理を実行させる操作ボタンである。この計数ボタン357は、遊技機3により記憶される遊技玉ポイントの全部または一部を、遊技装置2あるいは遊技カード53に対応付けて記憶される持玉(所有価値)に移行するための計数操作を受け付ける計数操作受付手段としての機能を有している。
残高表示部351は、遊技装置2が受け付けた貨幣(貨幣価値)のうちの残りの金額である残高(プリペイド残高)を表示する表示部である。
貸玉ボタン352は、残高を対価として遊技玉ポイントの付与を受けるための操作ボタンである。
返却ボタン353は、遊技装置2に残高や持玉が残存する状態で遊技を終了等するときに遊技カード53を返却あるいは発行等させるための操作ボタンである。遊技装置2に持玉や残高がある状態で遊技を終了する場合、この返却ボタン353の押下げ操作により、持玉や残高が対応付けられた遊技カード53の返却あるいは発行を受けることができる。
盤面330(図1)は、遊技媒体である玉が流下する遊技領域である。盤面330は、玉が転動するステージ395を設けた役物39を中心として構成されている。役物39は、両外側に可動羽根399が取り付けられた樹脂製のロの字状の枠体391を含んで構成されている。
役物39(図3)の枠体391の両外側の側面には、玉を流入させるための切欠き孔であって、可動羽根399が開いたときに開放されるワープ孔392が穿設されている。枠体391の相互に対面する内側面には、玉の出口であるワープルート出口393が開口している。ワープルート出口393は、ワープ孔392に流入した後、図示しないワープルート(案内通路)を経由してきた玉であるワープ玉がステージ395に転がり出る出口である。
可動羽根399は、枠体391の外側面に沿う状態(図3(a))と、枠体391の両外側に回動した状態(同図(b))と、に切替可能である。同図(a)のように可動羽根399が枠体391の外側面に沿うように位置すると、ワープ孔392が閉鎖され、ワープルートに玉が流入できない閉鎖状態となる。一方、同図(b)のように可動羽根399が両外側に回動するとワープ孔392が開放され、ワープルートを経由して役物39に玉が流入可能な開放状態となる。
枠体391の内側の奥まった位置には、図2及び図3のごとく、液晶表示部390の表示画面が配置され、この表示画面の下側には、遊技者側に向けて次第に低くなっておりワープ玉が転がり落ちるスロープ状のステージ395が設けられている。ワープルートからこのステージ395に転がり出たワープ玉の進行方向は、ほぼ水平に進むものからほぼ真下(手前側)に進むものまで様々である。さらに、このステージ395には、障害物395Bが立設されている。ステージ395に転がり出たワープ玉は障害物395Bにぶつかって進行方向を変えながら手前に転がり落ちる。
ステージ395のワープ玉は、最終的に手前側の入賞口37に入賞する。この入賞口37は、ステージ395の左右方向に沿う溝状に形成されている。溝状の入賞口37(図3)は、仕切り371によって区切られた中央のV入賞口370と、V入賞口370の両側に形成されたハズレ入賞口373と、に区画されている。V入賞口370は、大当りの契機となる特定入賞口の一例である。なお、ハズレ入賞口373に入賞したときの特典は、5個の玉の払出のみである。
役物39の下側には、第1始動口31及び第2始動口32が配置されている(図2)。第1始動口31は、役物39の真下に1つ配置され、第2始動口32は、第1始動口31の左右両側に配置されている。盤面330の最下部には、入賞することなく流下した玉を回収するためのアウト孔338が開口している。さらに、アウト孔338の上側、第1始動口31との間隙に当たるスペースには、大当り中のラウンド処理により開放される大入賞口36が配置されている。
第1始動口31及び第2始動口32は、役物39が備える可動羽根399の開放動作(単位遊技の一例)の契機となる入賞口である。第1始動口31に玉が入賞(始動入賞)したときの開放動作は、可動羽根399が1回、外側に回動してワープ孔392が1回開放される動作である。第2始動口32に玉が入賞(始動入賞)したときの開放動作は、可動羽根399が2回、外側に回動してワープ孔392が2回開放される動作である。可動羽根399の1回当りの開放時間は全て0.5秒となっている。
次に、遊技機3の電気的な構成について、図4を用いて説明する。遊技機3は、CPU401、記憶素子であるROM402・RAM403等を備える主制御部40を中心として構成されている。主制御部40に対しては、上記の構成のほか、遊技者が獲得した遊技価値である遊技玉ポイントを記憶する記憶部43、玉の発射動作を制御する発射制御部44、表示や効果音による遊技演出を制御する演出制御部45、外部機器との情報を送受するI/F部48、始動入賞を検出する第1及び第2始動センサ411・412、V入賞口370への入賞球を検出するV入賞センサ413、大入賞口36への入賞球を検出する大入賞センサ414、役物の可動羽根399を駆動する羽根ソレノイド421、大入賞口36を開放させる大入賞口ソレノイド424、等が電気的に接続されている。
演出制御部45には、スピーカー331を駆動するアンプ451、装飾ランプ部336、液晶表示部390が電気的に接続されている。
I/F部48は、中継装置54や遊技装置2などの外部機器とのインターフェースである。遊技機3の遊技結果を表す遊技情報は、中継装置54を経由して管理装置10や遊技装置2に送出される。
発射制御部44は、操作ハンドル335の操作量(回転板335Rの回転量)に応じて発射装置442を制御することで、玉の打ち出し強さをコントロールする。発射制御部44には、発射停止スイッチ335Sが接続されている。発射停止スイッチ335Sの押込み操作である停止操作の最中では、発射制御部45に対して停止信号が入力される。発射制御部44は、停止信号の入力中では、操作ハンドル335の操作量に関わらず玉の発射を停止する。
記憶部43は、遊技に伴い減算され、遊技で入賞すると加算される遊技玉ポイント(遊技価値)を記憶している。遊技機3では、遊技価値である遊技玉ポイントを1P消費して、遊技媒体である玉を発射できる。1Pを消費して玉を1個発射でき、入賞口への玉の入賞が発生すると、記憶部43が記憶する遊技玉ポイントに、入賞に応じたポイントが加算される。
次に、以上のように構成された遊技機3の基本的な遊技の流れについて説明する。遊技機3では、操作ハンドル35を操作し、盤面330に玉を打ち込むことで遊技が行われる。盤面330を流下する玉が第1始動口31あるいは第2始動口32に流入すると始動入賞が発生し、始動入賞後、所定のタイミングで、可動羽根399(役物39)の開放動作が行われる。可動羽根399が開放動作を行うと枠体391の側面に設けられたワープ孔392が開口し、役物39に玉が流入可能な開放状態となる(図3(b)の状態。)。なお、役物39が開放状態のときに発生した始動入賞はストック等されることなく、キャンセルされる。
ワープ孔392を介して役物39に流入した玉は、ワープ玉となって枠体391の内部に形成された図示しないワープルートを経由し、枠体391の内側面のワープルート出口393からステージ395に転がり出る。前下がりに傾斜するステージ395に転がり出たワープ玉は、障害物395Bにぶつかりながら手前側の入賞口37に入賞する。上記のごとく、この入賞口37は、大当りの契機となるV入賞口370と、ハズレ入賞口373と、に区画されている。ワープ玉は、V入賞口370、及びハズレ入賞口373のいずれかに入賞する。
V入賞口370への入賞が発生した場合に、遊技者側に有利な特別状態である大当りが発生する。この大当りは、大入賞口36が開放されるラウンド処理が繰り返される遊技状態である。大当りでは、大入賞口36が開放されるラウンド処理が10回繰り返して実行される。1回のラウンド処理は、30秒経過するか、入賞個数が10個に到達すると終了する。
V入賞口370への入賞の発生時には、図5のごとく、「V入賞!!」のメッセージと共に、大当り中のラウンド処理の実行回数(同図では10ラウンド)を報知する演出画面が液晶表示部390の表示画面に表示される。また、大当りの発生中では、図6のごとく「大当り」のメッセージと共に、大当りに関する情報を報知する演出画面が液晶表示部390の表示画面に表示される。同図中に例示する大当りに関する情報は、左側から、終了ラウンド数、現在のラウンド数、そのときのラウンドでの入賞個数である。その後、大当り中のラウンド処理の実行回数が終了ラウンド数に到達すると、大当りが終了する。
(遊技装置)
遊技装置2(図1)は、遊技に必要なポイントを付与する付与処理や、遊技者が遊技により獲得した遊技価値である所有価値(遊技玉ポイント)を計数する計数処理等を実行する装置である。遊技場では、遊技装置2を利用して遊技に必要なポイントの付与を受けると、対応する遊技機3での遊技が可能となる。
遊技装置2の前面パネル25(図2)には、状態表示部21、貨幣投入口22、タッチパネル23、遊技ボタン24、カード挿入口26等が設けられている。
状態表示部21は、装置エラーや一般カード532(図4)のストック切れ等の作動状態を表示する表示部である。
貨幣投入口22は、ポイントの対価となる貨幣を投入する挿入口である。
タッチパネル23は、遊技者が指先等で表示画面に触れて操作するタッチ操作が可能な表示装置である。タッチパネル23は、遊技者が獲得した遊技価値である持玉や残高(プリペイド残高)等を表示するほか、遊技者の設定操作を受け付ける各種の画面を表示する。
遊技ボタン24は、遊技者が持玉(所有価値)を元にして、遊技に必要なポイントの付与を受けるための操作ボタンである。
カード挿入口26は、所有価値である持玉や残高等が対応付けられた遊技カード53の挿入あるいは発行のための挿入口である。
カード挿入口26には、会員カード531や一般カード532等の遊技カード53(図7参照。)を挿入可能である。会員カード531は、会員登録した遊技者に発行される遊技カードである。一般カード532は、遊技終了時に残高あるいは持玉が残っている場合に発行される遊技カードである。
遊技カード53は、遊技により遊技者が獲得した遊技価値である持玉(所有価値)を対応付け可能な記憶媒体である。会員カード531であるか一般カード532であるかによらず、遊技カード53には、識別情報であるカードIDが記憶され、当日の遊技により獲得された遊技価値である持玉や、当日入金した貨幣価値のうちの残高等のデータが当該遊技カード53に記憶されること、或いはカードIDに対応付けて管理装置10により管理されることにより対応付けられる。
遊技装置2は、図7のごとく、CPU201、ROM202、RAM203等を備える制御部20を中心として電気的に構成されている。制御部20に対しては、上記の構成のほか、貨幣の受付処理を実行する貨幣処理部221、記憶媒体である遊技カード53に対応付けられた記録情報を読み書きするカードリーダライタ(カードRW)280、一般カード532をストックするカードストック部283、対応する遊技機3及び中継装置54との間の通信ポートをなすI/F部29、リモコン受光部290などが電気的に接続されている。
遊技装置2の制御部20は、ROM202から読み出したプログラムをCPU201に実行させることにより、以下の各手段としての機能を実現する。
(1)遊技情報取得手段:遊技機3の遊技に関する遊技情報(後述する台データ)を取得する手段。
(2)遊技情報送信手段:遊技情報取得手段が取得した遊技情報をデータ通知として管理装置10に向けて送信する手段。データ通知には、遊技機3側から取得した台データが含まれている。
ここで、遊技機3及び遊技装置2の基本動作を説明しておく。遊技場では、遊技装置2に貨幣を投入等することで、対応する遊技機3での遊技を開始できる。遊技装置2が貨幣を受付する(貨幣受付処理)と、遊技機3と遊技装置2との双方において、入金額が残高に加算されて表示される。残高がある状態で遊技機3の貸玉ボタン352を押下(貸出操作、付与操作)すると貸出1単位(例えば125玉)分が貸出玉(売上玉)としてポイント(対価付与価値)に変換され(貸出処理、対価付与処理)、遊技レート(以下、レート)に応じた対価分が残高から引落とされる。なお、遊技装置2は、複数回の対価付与処理の対応分の貨幣を受付可能である(例えば1万円まで)。
遊技機3は、上記の通り所謂封入式の遊技機であり、盤面330に打ち出された玉が循環し、入賞した場合であっても遊技機3の外に玉が払出されることがない。この遊技機3では、遊技玉ポイントが管理されている。盤面330への玉の打出し(使用)に応じて遊技玉ポイントが減算され、入賞に応じて付与されたポイントが遊技玉ポイントに加算される(入賞付与処理)。
一方、遊技装置2は、遊技者が遊技を通じて獲得した遊技価値である持玉を管理している。持玉は直接的には遊技に使用できないが、遊技ボタン24の押下に応じて貸出1単位分の持玉が変換玉として遊技玉ポイントに変換される変換処理(対価付与処理)が行われる。この場合、変換率を別途設けても良いが、本例では1:1の等価変換としている。なお、この等価変換については、下記の計数処理についても同様である。
遊技に応じて遊技機3の遊技玉ポイントが増加した場合、遊技機3の計数ボタン357(図2参照。)の押下に応じて遊技玉ポイントを計数玉とし、持玉に変換できる(計数処理)。この場合、1回押下(計数ボタン357)に応じて1玉が変換対象となるが、計数ボタン357の押下状態を継続させると連続的、且つ加速的に複数玉を計数玉に変換できる。このようにして遊技玉ポイントと持玉とが更新され、遊技装置2では残高や持玉が残存する状態で遊技機3の返却ボタン353を押下する等の発行操作が行われると、ストックされていた持玉券としての一般カード532に残高や持玉が対応付けられると共に、その一般カード532が発行される(発行処理)。なお、遊技装置2は、持玉の一部や残高のみを発行対象とする分割発行にも対応している。発行された一般カード(持玉券)532により特定可能な持玉は、POS端末55にて景品との交換が許容され、残高は残高精算機57にて貨幣に精算可能である。
遊技装置2は、中継装置54とのシリアル通信により管理装置10での貨幣受付処理や対価付与処理、残高や持玉、貸出玉数、変換玉数、入金額、計数玉数や貸出玉数や貸出玉の対価となる売上額、及び持玉券の受付や発行処理等の各種情報を特定可能とする。これに代えて、これら各種情報をパルス信号(例えば入金1000円毎に1パルス、売上100円毎に1パルス等)にて特定可能としても良い。なお、遊技機3との通信は中継装置54を介さず、遊技機3と遊技装置2とで直接通信しても良いし、中継装置54を介して通信しても良い。
遊技機3と遊技装置2との間でやり取りされる信号あるいは情報としては以下のものがある。
(1)状態確認要求信号:状態確認応答(台データ)の要求信号。遊技装置2が200m秒毎に遊技機3に送信する。
(2)台データ:状態確認要求信号に応じて遊技機3が遊技装置2に返信する状態確認応答。なお、台データの内訳は後述の通りである。
(3)カード挿入通知:遊技カード53を受け付けた旨の遊技装置2による通知。
(4)カード挿入応答:カード挿入通知に対する遊技機3の応答。
(5)返却要求信号:遊技カード53の返却を求めて遊技機3が送信する信号。返却ボタン353の操作に応じて遊技機3が送信する。
(6)計数要求信号:遊技機3が備える計数ボタン357が操作されたときに遊技機3が送信する信号。計数要求信号は、遊技機3が記憶する遊技玉ポイントのうちの1P分の計数を要求する信号である。
台データには、以下のデータや情報等が含まれている。なお、以下の説明では、遊技機3が遊技装置2に送信する台データを遊技情報という。
(1)アウト(回数):前回データ送信時からの消費(使用、打込)価値(アウト)を1玉単位で示す。
(2)セーフ(回数):前回データ送信時からの入賞に応じて付与された入賞付与価値(セーフ)を1玉単位で示す。
(3)S入賞(回数):前回データ送信時からの始動入賞(S入賞)を1回単位で示す。なお、本例の構成では、第1始動口31のS入賞か、第2始動口32のS入賞であるかの区別を設けていない。両者の区別は、役物39の開放回数などによって管理装置10側で区別が可能であるが、区別可能に第1S信号、第2S信号といったように信号出力を区別して出力しても勿論良い。
(4)役物入賞(回数):前回データ送信時からの入賞口37(役物39)への玉の入賞を1回単位で示す。
(5)役物動作(状態フラグ):可動羽根399の開放動作により役物39が開放状態となっていることを表し、開放状態であればON、閉鎖状態であればOFFとなる。
(6)大当り(回数):前回データ送信時から発生した大当り数を1回単位で示す。発生した時点で計数されるが、終了した時点で計数しても良い。
(7)大当り(状態フラグ):データ送信時に大当り状態の発生中であればON、大当り状態の発生中でなければOFFが示されるので、ONへの切り替わり後、OFFとなるまでの期間を大当り中として特定できる。
(8)発射停止(状態フラグ):停止操作が行われている発射停止状態でON、停止操作が行われていない発射状態でOFFとなる。
(管理装置)
管理装置10は、遊技場に設置された各遊技機3の遊技情報を管理する管理手段としての機能を備える装置である。管理装置10は、図8のごとく、液晶ディスプレイや図示しないプリンタ等の出力部11と、各種の演算処理を実行する装置本体100と、キーボードやマウス等を含む入力部12と、遊技装置2などの外部機器との通信を実現する通信I/F部13と、を備えている。装置本体100は、演算処理を実行するCPU101のほか、ROM102・RAM103などの記憶素子や、I/Oを構成する通信制御素子等が実装された電子基板のほか、ハードディスクドライブ等の記憶装置15を備えている。
管理装置10は、記憶装置15から読み出した実行プログラムをCPU101に実行等させることで、遊技機単位で遊技情報を記憶し、管理する機能を実現する。管理装置10は、場内ネットワーク500(図1参照。)経由で遊技装置2が200m秒毎に送信してくるデータ通知を受信する。このデータ通知には、遊技機単位の遊技情報である台データが含まれている。管理装置10は、このデータ通知に基づいて各遊技機3の遊技情報を集計等することで遊技機3単位の遊技情報を集計等する。
管理装置10は、ROM102から読み出したプログラムをCPU101に実行させることにより、以下の各手段としての機能を実現する。
(1)受信手段:データ通信用の回線である場内ネットワーク500(図1)を介して遊技装置2と接続され、場内ネットワーク500を経由して遊技装置2からデータ通知(遊技情報)を受信する手段。
(2)停止操作特定手段:遊技機3側から出力されるデータ通知を利用し、玉の発射を停止させる停止操作を特定可能な手段。
(3)始動入賞特定手段:遊技機3側から出力されるデータ通知を利用し、始動入賞の発生を特定可能な手段。
(4)遊技情報特定手段:遊技機3側から出力されるデータ通知を利用し、単位遊技の実行に応じて付与された特典の度合いを表す特典付与度のような遊技情報を特定可能な手段。なお、本例では、入賞口37(特定の入賞口の一例)への入力率が高くなる可動羽根399の開放動作を、単位遊技の一例として例示する。特典付与度は、役物開放回数に対する役物入賞数(役物39への入賞数)の比率を示す入賞率である。なお、この入賞率に代えて、始動入賞に応じた単位遊技中の役物入賞数を、特典付与度として採用することも良い。
(5)変則遊技特定手段:遊技価値であるポイントが不定の間隔で消費されて遊技が行われる変則打ち(変則遊技)を特定する手段。
(遊技場用システムの動作内容)
次に、遊技機単位で遊技情報を管理し、各遊技機3の変則打ちを特定する本例の遊技場用システム1の動作内容について説明する。この遊技場用システム1では、遊技機3における遊技状況を示す遊技情報が、遊技機3→遊技装置2→中継装置54→管理装置10の経路にて管理装置10に転送される。遊技機3→遊技装置2では、上記の台データとして遊技情報が送信される。遊技装置2→中継装置54→管理装置10では、台データを含む上記のデータ通知として各遊技機3の遊技情報が送信される。
管理装置10は、遊技機3側から取得する遊技情報(データ通知)に基づき、図9に例示する遊技レコードを遊技機3毎に生成する。この遊技レコードは、各遊技機3で変則打ちが行われたか否かを特定するために管理装置10が利用する遊技データである。以下、図9に例示する遊技レコードの構成を説明した後、遊技レコード生成処理の流れを図10を参照して説明し、続いて、変則打ち特定処理の内容について図11及び図12を参照して説明する。なお、管理装置10は、変則打ちを特定するための図9に例示の遊技レコードとは別に、セーフや大当り回数などの遊技データを遊技機毎に集計等している。
図9の遊技レコードは、各遊技機3側から200m秒毎に送られてくる遊技情報(データ通知)に基づく200m秒毎のデータレコードよりなる遊技データである。例えば、レコードNo.1は、現時点を基準として200m秒前、すなわち記録時点から200m秒が経過しているデータレコードである。レコードNo.2は、現時点を基準として400m秒前、すなわち記録時点から400m秒が経過しているデータレコードである。さらに例えば、レコードNo.10は、現時点を基準として2秒前、すなわち記録時点から2秒が経過しているデータレコードである。このようにレコード番号の数字が大きいデータレコードほど、記録時点が古くなっている。
図9の遊技レコードを構成する各データレコードのデータ項目の内容は以下の通りである。
(1)経過時間:記録時点からの経過時間を表す。経過時間の値が大きいほど、記録時点が古くなる。
(1)停止操作フラグ:停止操作の有無を表す状態フラグ。停止操作を含むデータレコードでは1、停止操作を含まないデータレコードではゼロが記録される。
(2)アウト:対応する遊技期間(200m秒間)におけるアウト数。
(3)S入賞:対応する遊技期間における始動入賞の回数。
(4)役物フラグ:役物39が開放状態であるか否かを表す状態フラグ。開放状態であれば1、閉鎖状態であればゼロとなる。
(5)役物入賞数:対応する遊技期間(200m秒間)における役物39(入賞口37)への入賞数。
管理装置10は、図10の遊技レコード生成処理を実行することで、例えば図9の遊技レコードを生成する。管理装置10は、遊技機3から遊技情報(データ通知)を受信する毎に(S101:YES)、記録済のデータレコードのレコード番号を1番ずつ繰下げる(番号を1番ずつ大きくする。S102)。例えば、レコードNo.1のデータレコードは、レコードNo.2のデータレコードとなり、また例えば、レコードNo.11のデータレコードは、レコードNo.12のデータレコードとなる。これにより、レコードNo.2以降のデータレコードが記録されている一方、レコードNo.1のデータレコードが空の状態を設定できる。
管理装置10は、ステップS101で受信した遊技情報(データ通知)に基づいて、停止操作の有無を表す停止操作フラグ、始動入賞の回数を表すS入賞、役物39の開放状態を表す役物フラグ、役物39(入賞口370)への玉の入賞数を表す役物入賞数、よりなるデータレコードをレコードNo.1として記録する(S103)。なお、管理装置10は、当日の営業開始後のデータレコードを全て管理する構成を採用しても良いが、例えば10分間など予め定められた期間のデータレコードを管理する構成を採用しても良い。前者の場合には、変則打ちの傾向を事後的に解析等でき、遊技場経営に役立つ情報を抽出できる可能性がある。後者の場合であれば、管理装置10が管理するデータ量を削減できる。
次に、管理装置10が実行する変則打ち特定処理の流れについて、図11を参照して説明する。変則打ち特定処理は、役物39への入賞率を高めるための変則打ち(変則遊技)が行われたか否かを特定する処理である。本例では、変則打ち特定処理の対象期間である変則打ち特定対象期間として10分間を設定すると共に、変則打ち特定処理を所定条件の成立に基づき(例えば5分といった所定期間が経過した場合、或いは始動入賞の前や後等に停止操作があった場合に)実行している。
管理装置10は、例えば5分毎に、図11に例示する変則打ち特定処理を実行する。管理装置10は、変則打ち特定処理を実行する際、まず、処理変数である役物開放回数、役物入賞数をゼロリセットする(S201)。ここで、役物開放回数は、10分間に亘る変則打ち特定対象期間における役物39の開放動作(単位遊技)のうち、所定の停止操作が行われた開放動作の回数である。役物入賞数は、この役物開放回数に対応する開放動作によって役物39に入賞した回数である。
管理装置10は、例えば図9の遊技レコードを参照し、変則打ち特定対象期間(10分間)に亘るデータレコードを変則打ち特定データとして切出する(S202)。具体的には、管理装置10は、図9に例示した遊技レコードの一部あるいは全部(最新の10分間のデータレコード)を切り出すことにより、例えば図12の変則打ち特定データを生成する。
例えば図12の変則打ち特定データのうち割愛されることなく図示されている期間では、経過時間が5.0秒のレコードNo.25が、始動入賞に対応するデータレコードになっている。この変則打ち特定データでは、レコードNo.25の始動入賞(S入賞)を契機として、レコードNo.11(2.2秒前)からレコードNo.9(1.8秒前)に亘って役物39が開放状態となる単位遊技が発生している。一方、レコードNo.23(4.6秒前)からレコードNo.19(3.8秒前)に亘って玉の発射を停止するための停止操作が行われている。
管理装置10は、図12の変則打ち特定データについて、未読込のデータレコードがなくなるまで古いものから順番にデータレコードを読み出す(S203:NO→S204)。管理装置10は、始動入賞(S入賞)を含むデータレコードを読み込んだとき(S205:YES)、その始動入賞時点を基準とした所定の期間(本例では5秒間)に停止操作(止打)が有ったか否か、すなわち停止操作の回数が基準値(本例では1回)に達しているかを判断する(S206)。例えば、図12の変則打ち特定データの場合、例えば、レコードNo.25の始動入賞(S入賞)について、停止操作が有りと判断される。
管理装置10は、ステップS206において停止操作有りと判断したとき(S206:YES)、役物開放回数を1回加算する(S207)。さらに、管理装置10は、上記のステップS205で特定された始動入賞(S入賞)を契機とした開放動作に対応するデータレコードを特定する(S208)。例えば図12の変則打ち特定データの場合、レコードNo.25の始動入賞に対応する開放動作は、レコードNo.11〜9に亘って生じている。管理装置10は、ステップS208において特定したデータレコードでの役物入賞数の合計回数を特定する。図12の変則打ち特定データの場合であれば、レコードNo.5及び7の役物入賞数が1回ずつであるので、役物入賞数が合計2回となる。
本例では始動入賞した場合に役物が1回開放する前提に基づき始動入賞に応じた停止操作があった場合に役物回数を計上しているが、役物作動中に始動入賞した場合には新たな役物作動が行われないといったように始動入賞に応じて必ずしも役物開放しない場合もあるので、役物が開放したかにより役物開放回数を特定しても良い。また、1回の役物開放で複数の役物入賞数を得た場合に1回、すなわち、役物開放回数に対する役物入賞した役物開放回数(役物入賞機会)を入賞率の算出対象としても良い。同様に第2始動口32のように1回の始動入賞に対して2回、役物が開放する場合もあるが、この場合、役物開放回数を2回と計数しても良いし、役物開放機会として1回と計数しても良い。このように、役物開放回数や役物開放機会数を示す役物開放情報と役物入賞数や役物入賞機会数を示す役物入賞情報との比率を示す情報を入賞率として特定すればよい。
管理装置19は、10分間に亘る変則打ち特定データを構成するデータレコードのうち、最新のデータレコードの読込を済ませている場合(S203:YES)、上記のステップS208で積算された役物開放回数及び役物入賞数について、役物開放回数に対する役物入賞数の比率である入賞率を特定する(S214)。
管理装置10は、この入賞率が基準値以上であるか否かの閾値処理を実行する(S215)。この基準値としては、停止操作を含む変則打ち(変則遊技)ではなく、通常遊技が行われた場合の平均的な入賞率、あるいは遊技機のスペックである入賞率が設定される。管理装置10は、ステップS214で特定した役物39の入賞率が基準値(所定の閾値)に達している(例えば以上の)場合(S215:YES)、変則打ちを特定し(S216)、その旨を報知する(S217)。報知の態様としては、例えば、管理装置10が出力部11として備える液晶ディスプレイに表示する態様などがある。一方、管理装置10は、S入賞を基準とした所定の期間(例えば5秒間)に停止操作が行われている場合であっても(S206:YES)、役物39の入賞率が基準値に達していない(例えば未満の)場合(S215:NO)、変則打ちとの特定、報知を行わない。
以上のように構成された本例の遊技場用システム1Sは、始動口31、32への始動入賞(S入賞)に応じて単位遊技(役物39の開放動作)を開始させ、単位遊技の結果に応じて遊技者側に特典を付与すると共に、遊技者による停止操作に応じて遊技価値の消費を停止させる遊技機3を管理するためのシステムである。この遊技場用システム1Sは、単位遊技の実行に応じて付与された特典の度合いを表す特典付与度(本例では役物39の入賞率)を特定可能な遊技情報特定手段と、変則打ちを特定する変則遊技特定手段と、を有している。この変則遊技特定手段は、始動入賞(S入賞)を基準とした所定の期間(本例では始動入賞後の5秒間)における停止操作の特定結果、及び特典付与度と所定の閾値である基準値との比較結果により、変則打ちを特定する。
この遊技場用システム1Sによれば、停止操作の特定結果のみならず、特典付与度に関する比較結果を利用することで、遊技場側の不利益につながる変則打ちを確実性高く特定できる。なお、始動入賞を基準とした所定の期間として、本例では、始動入賞後の5秒間を設定しているが、始動入賞前のみの所定の期間であっても良く、始動入賞の前後に亘る所定の期間であっても良い。さらに、始動入賞時点を含まず始動入賞時点よりも前の期間であっても良く、始動入賞時点を含まず始動入賞時点よりも後の期間であっても良い。また、所定の期間の長さは、任意に変更可能である。
例えば始動入賞前の所定の期間を対象とした場合、以下のような不正に好適に対応できる。即ち、本例に示した所謂羽根モノの場合、大当りとなるかはV入賞口370へ入賞するかにより特定されるが、例えば大当り時のラウンド数が本例のように10ラウンドだけでなく、2ラウンドや5ラウンドといったように大当りの種類が複数種類に振分けられる場合、その振分け抽選を始動入賞時に行う遊技機もあり、例えば周知のように大当りの種類を大当り中のセーフや差玉(セーフ−アウト)のような獲得情報と基準値との比較や、遊技機から出力される大当りの種類を示す大当り種類信号の受信といった大当りの種類を特定可能な遊技信号により特定し、発生した大当りの内、遊技者にとって有利な大当りの比率を基準値(例えばスペック上の振分比率)と比較することにより、特典付与度が高いかを特定しても良い。この場合、特典付与度が高ければ、一定周期で振動が発生する所謂体感機のような不正器具を利用して有利な大当りが発生し易い時期での始動入賞を狙った不正が想定され得る。
本例では、始動入賞を契機として開始される単位遊技として、役物39の入賞口370(特定の入賞口の一例)への入賞率が高くなる遊技を例示している。そして、特典付与度として、単位遊技の実行に応じた役物39(入賞口37)の入賞率を例示している。入賞率は、停止操作によって役物39が開放するタイミングに対して、玉の発射タイミングが故意に調整された効果が明確に表れる指標である。入賞率を特典付与度として採用すれば、遊技者側に有利となり、遊技場側に不利となる変則打ちを確実性高く特定できる。
本例の構成では、始動入賞の時点を基準とした所定の期間(例えば5秒間)における停止操作が1回(基準値)に達したことを、変則打ちを特定するための必要条件としている。遊技機の機種によっては、役物の開放動作などの単位遊技に対応して1回、停止操作を行うだけで、遊技結果を良好にできる場合が考えられる。停止操作の回数に対する基準値として1回を設定する場合には、このような機種についても確実性高く変則打ちを特定できる。
本例の構成に代えて、あるいは加えて以下のような構成を採用することも良い。また、以下の各構成を適宜組み合わせて採用することも良い。
本例では、変則打ちを特定するために利用する特典付与度として、役物39の入賞率を採用している。役物39の入賞率に代えて、役物39への入賞数を特典付与度として採用しても良い。入賞数を採用する場合、単位遊技毎の数値的なばらつきが大きくなる可能性がある。そこで、例えばS入賞100回など複数回の単位遊技(役物開放動作)に関する入賞数の平均値や、所定の変則打ち特定対象期間における役物39への入賞数の平均値を特定し、平均値に関する閾値処理により変則打ちを特定することも良い。また、本例では、入賞率を特定するに当たって、役物開放回数を利用したが、始動入賞回数(S入賞回数)に対する役物入賞数を入賞率として採用することも良い。
さらに、特典付与度として大当りの回数や、大当りの確率などを設定することも良い。また、単位遊技中のセーフや差玉や出玉率(アウトに対するセーフの割合)を特典付与度として採用しても良い。
本例では、変則打ちを特定する際、停止操作の回数と比較する基準値として1回を例示している。停止操作の回数と比較する基準値として、2回以上の基準値を設定することも良い。基準値としては、1回に加えて、2回、3回などの複数回を設定できる。ここで停止操作の実行回数とは、停止操作が行われない状態から停止操作が行われる状態へ移行した回数である。2回以上の基準値を設定すれば、たまたま遊技者が発射停止スイッチ335Sを触ってしまった状況を、誤って変則打ちと特定してしまうおそれを未然に抑制できる。また、停止操作回数だけでなく停止操作時間(停止操作の実行期間)と基準値とを比較して変則打ちを特定しても良いし、停止操作回数と停止操作時間との双方を比較対象として変則打ちを特定しても良い。
さらに、変則打ちを特定するための条件として、停止操作が複数回実行され、停止操作が繰り返して実行された周期が所定範囲に属するとの特定結果を設定することも良い。変則打ちを特定するための条件として周期を採用する場合には、始動入賞を基準とした所定の期間を長めに設定することも良い。例えば10〜30秒等の所定の期間であれば、停止操作が行われた周期を精度高く特定できる。変則打ちを特定するための条件として周期を採用すれば、上述した体感機を利用する不正行為対策として有効な方法を実現できる。
本例では、変則打ちを特定する対象の遊技機として、始動入賞に応じて役物39が開放状態となる、いわゆる羽根モノを例示している。始動入賞に応じた単位遊技として、遊技者に特典を付与するか否かの当り抽選を実行し、抽選結果を報知するために図柄変動を実行する、いわゆるセブン機と呼ばれる遊技機を対象として、変則打ちを特定することも良い。セブン機の場合、当り抽選での当選に応じて例えば大当りなどの特典が付与される確率(大当り確率)や大当り回数などを、特典付与度に設定することも良い。
本例では変則打ち特定対象期間として10分を例示したが、5分や30分といった時間だけでなく、他に1営業日や、複数日を指定した期間を変則打ち特定対象期間とすることや、例えば非稼動となった場合や所謂会員カードの受付状況や顔認証等により遊技者の交代を検知して、遊技者単位の遊技期間を変則打ち特定対象期間とするといったように変則打ち特定対象期間としてはどのような期間を採用しても良い。また、本例では遊技情報をレコード管理して遡及的に集計する構成を例示したが、停止操作があった始動入賞に対応する役物開放情報や役物入賞情報を別途管理し、始動入賞の都度、所定の期間に停止操作があった場合に当該情報を更新すれば、レコード管理する必要性を低減でき、更には遊技機側から出力される信号がパルス出力のような本例にて例示した出力形式以外で出力される場合にも対応可能となる。
遊技装置2から中継装置54を経由して管理装置10にデータ送信する構成を例示したが、遊技装置2から直接管理装置10にデータ送信する構成を採用しても良い。
本例では、封入式遊技機3を例示したが、従来の遊技媒体を払出す遊技機を対象としても良い。また、各台計数機能を備える遊技装置2だけでなく、所謂島端に設けられる島端計数機を採用したシステムに対して本例の構成を適用しても良い。
例示した全ての遊技情報は入力した信号により直接的に特定しても演算式を利用して間接的に特定しても良い。また、遊技信号としてパルス信号やシリアル通信による電文情報等を例示したがどのような遊技信号を対象としても良い。
説明中の数値、桁数、項目等は例示であり、どのような数値を採用しても良い。また、出力としては印字、表示出力が少なくとも想定される。また、「達した」として以上であることを例示したが、例えば基準値を含まないような超過している場合を「達した」としても良く、同様に「達していない」として、以下、未満のいずれを採用しても良い。
対象となる遊技機3は、例示したパチンコ遊技機3に限定されない。入賞に応じて玉を払い出す払出式のパチンコ遊技機であっても良い。この場合、例えばアウト信号は遊技機とは異なる所謂アウトBOXから出力されるので、遊技信号としては遊技機側から出力される遊技信号を適宜採用すれば良い。つまり、遊技機側とは管理装置側ではなく遊技機側であれば必ずしも遊技機だけでなくとも良いし、例えば遊技装置やアウトBOXだけのように遊技機を含まない概念も含まれる。なお、本例の説明では、例示した封入式パチンコ遊技機を考慮し、遊技媒体を必要に応じて遊技価値と表現している。
遊技装置2が行う処理の一部を中継装置54、表示装置51、或いは管理装置10等にて行っても良い等、どの様に構成しても良い。さらに例示した構成は変形例も含めて、どのように組合わせても良いし、適宜、採用しない構成を設けても良い。
以上、実施例のごとく本発明の具体例を詳細に説明したが、これらの具体例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、具体例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して前記具体例を多様に変形、変更あるいは適宜組み合わせた技術を包含している。
1 遊技場用システム
10 管理装置(受信手段、停止操作特定手段、始動入賞特定手段、遊技情報特定手段、変則遊技特定手段)
2 遊技装置
20 制御部(遊技情報取得手段、遊技情報送信手段)
3 パチンコ遊技機(遊技機)
40 主制御部
43 記憶部(記憶手段)
45 演出制御部
500 場内ネットワーク
51 表示装置
53 遊技カード(記憶媒体)
54 中継装置

Claims (5)

  1. 遊技価値を消費することで始動口への始動入賞が可能になり、当該始動入賞に応じて単位遊技を開始させ、当該単位遊技の結果に応じて遊技者側に特典を付与すると共に、遊技者による停止操作に応じて遊技価値の消費を停止させる遊技機を管理するための遊技場用システムであって、
    遊技機側から出力される遊技信号を利用し、前記停止操作を特定可能な停止操作特定手段と、
    遊技機側から出力される遊技信号を利用し、前記始動入賞の発生を特定可能な始動入賞特定手段と、
    遊技機側から出力される遊技信号を利用し、前記単位遊技の実行に応じて付与された前記特典の度合いを表す特典付与度を特定可能な遊技情報特定手段と、
    遊技価値が不定の間隔で消費されて遊技が行われる変則遊技を特定する変則遊技特定手段と、を有し、
    該変則遊技特定手段は、前記始動入賞の前及び後の少なくとも一方の所定の期間における前記停止操作特定手段による前記停止操作の特定結果、及び前記遊技情報特定手段により特定された前記特典付与度と所定の閾値との比較結果により前記変則遊技を特定する遊技場用システム。
  2. 前記単位遊技は、特定の入賞口への入賞率が高くなる遊技であり、
    前記特典付与度は、前記単位遊技の継続中における前記特定の入賞口への入賞回数あるいは入賞率である請求項1に記載の遊技場用システム。
  3. 前記単位遊技は、遊技者に特典を付与するか否かの当り抽選が実行される遊技であり、
    前記特典付与度は、前記当り抽選での当選に応じて前記特典が付与される確率である請求項1に記載の遊技場用システム。
  4. 前記変則遊技特定手段は、前記所定の期間における前記停止操作の実行回数及び実行期間の少なくとも一方と、基準値と、の比較結果により前記変則遊技を特定する請求項1〜3のいずれか1項に記載の遊技場用システム。
  5. 前記変則遊技特定手段は、前記停止操作が繰り返して実行された周期が所定範囲に属するとの特定結果を得た場合に、前記変則遊技を特定する請求項1〜4のいずれか1項に記載の遊技場用システム。
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